説明

医薬組成物

【課題】有用な解熱、鎮痛、抗炎症作用を有する医薬組成物を提供すること。
【解決手段】 本発明の、(1)ロキソプロフェン又はその塩と、(2)ビタミンB1、ビタミンB2及びビタミンCからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する解熱鎮痛消炎用組成物は、ロキソプロフェンのもつ薬理作用を顕著に増強するため有用である。本結果は、ロキソプロフェンの薬効を維持しつつその投与量が減らせるため、例えば、胃粘膜障害をはじめとする副作用の大幅な軽減が可能となるので有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた、解熱、鎮痛、抗炎症作用を有する新規な医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
プロピオン酸系非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤(NSAID)であるロキソプロフェンは、他のNSAIDと同様にプロスタグランジンの生合成を抑制作用に基づく鎮痛・抗炎症・解熱作用を有するが、経口投与後に胃粘膜刺激作用の弱い未変化体のまま消化管から吸収されるプロドラッグという特徴を有する薬剤である(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
ビタミンB1、ビタミンB2及びビタミンCは、それらの欠乏症の予防・治療、又は、それらの需要が増大した時の補給に投与される(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
ロキソプロフェンと当該ビタミンの配合について、以下のものが開示されている:
1)風味料を含有するロキソプロフェンナトリウム含有口腔内速溶性製剤が記載され、風味料(味の改善)に有機酸が挙げられており、有機酸列挙中にアスコルビン酸が開示されている(特許文献1参照)。
2)ロキソプロフェンナトリウム含有固形製剤が記載され、必須成分以外に添加できるものとして抗酸化剤も挙げられており、抗酸化剤列挙中にアスコルビン酸ナトリウムが開示されている(特許文献2参照)。
3)ロキソプロフェンナトリウム含有カプセル製剤が記載され、他の薬効成分の配合も可能であることが記載され、その中で各種ビタミン類等の生化学薬剤を配合してもよい旨の記載がある(特許文献3参照)。
4)ロキソプロフェン含有感冒・鼻炎用組成物で、ロキソプロフェン以外に7乃至10成分の佐薬を含有する製剤例が開示され、佐薬列挙中にビタミンB1及びB2が含まれている(特許文献4の実施例1及び実施例4参照)。
5)ロキソプロフェンに、カフェイン、エフェドリン、コデインを含有する鎮咳・去痰のための医薬組成物が開示され、必要に応じてその他の薬効成分が配合できることが記載され、その中にビタミン類が含まれている(特許文献5参照)。
6)ロキソプロフェンに、その他の解熱鎮痛剤、中枢神経興奮剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、去痰剤、気管支拡張剤、抗コリン剤、ビタミン剤、生薬及び生薬抽出物を含有する抗アデノウイルス剤が開示され、ビタミンとして11種記載されている中に、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCが含まれている(特許文献6参照)。
【0005】
しかし、これまでにロキソプロフェンと、ビタミンB1、ビタミンB2又はビタミンCを特定した内服用医薬組成物は一切知られておらず、更に、当該配合によってロキソプロフェンの薬効が増強することを記載又は示唆したものは一つも見当たらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−167958公報
【特許文献2】特開平11−21236公報
【特許文献3】特開2001−31565公報
【特許文献4】特開2001−199882公報
【特許文献5】特開2007−314517公報
【特許文献6】特開2008−285475公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】医療用医薬品集 2009年版、JAPIC 2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者等はロキソプロフェンと他の薬剤とを併用した場合の相乗効果について、永年に亘り鋭意研究を行なってきた。今回、ロキソプロフェンと各種ビタミン類とを配合した場合の薬理作用への影響を詳細に調べることが本研究の課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本研究の結果、特定のビタミン(ビタミンB1、ビタミンB2およびビタミンC)とロキソプロフェン又はその塩を組み合わせた場合に限って、ロキソプロフェンの薬効が相乗的に増強するという意外な事実を見出し、本発明を完成した。
【0010】
なお、驚くべきことに、上記の相乗作用は他のプロピオン酸系解熱鎮痛消炎剤(例えば、イブプロフェン)では発現せず、ロキソプロフェン特有の現象であることが判明した。
【0011】
すなわち、本発明は、
(1)下記(a)および(b)を含有する解熱鎮痛消炎用組成物、
(a)ロキソプロフェン又はその塩
(b)ビタミンB1、ビタミンB2、及びビタミンCからなる群から選ばれる少なくとも1種
(2)下記(a)および(b)を含有する抗炎症用組成物、
(a)ロキソプロフェン又はその塩
(b)ビタミンB1、ビタミンB2、及びビタミンCからなる群から選ばれる少なくとも1種
(3)下記(a)および(b)を含有する抗炎症作用が増強された組成物、
(a)ロキソプロフェン又はその塩
(b)ビタミンB1、ビタミンB2、及びビタミンCからなる群から選ばれる少なくとも1種
(4)(b)がビタミンB2及びビタミンCである、上記(1)乃至(3)に記載の組成物、及び
(5)ロキソプロフェン又はその塩がロキソプロフェンナトリウム・2水和物である、上記(1)乃至(4)に記載の組成物である。
【0012】
また、本発明は、
(6)上記(1)乃至(5)に記載された医薬組成物の有効量を哺乳動物に投与する、解熱鎮痛消炎用の予防方法又は治療方法であり、
好適には
(7)上記(1)乃至(5)に記載された医薬組成物の有効量を哺乳動物に投与する、炎症の予防方法又は治療方法、及び
(8)上記(1)乃至(5)に記載された医薬組成物の有効量を哺乳動物に投与する、抗炎症作用が増強された予防方法又は治療方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の、(1)ロキソプロフェン又はその塩と、(2)ビタミンB1、ビタミンB2及びビタミンCからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する解熱鎮痛消炎用組成物は、ロキソプロフェンのもつ薬理作用を顕著に増強するため有用である。本結果は、ロキソプロフェンの薬効を維持しつつその投与量が減らせるため、例えば、胃粘膜障害をはじめとする副作用の大幅な軽減が可能となるので有用である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ロキソプロフェン又はその塩(含水塩を含む)として、好適には、ロキソプロフェンナトリウムであり、さらに好適には、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物である。ロキソプロフェンナトリウム水和物は第15改正日本薬局方に掲載されている。
【0015】
また、ビタミンB1は、例えば、チアミン塩化物塩酸塩およびチアミン硝化物は15改正日本薬局方に掲載されており、その他のビタミンB1及びB1誘導体も市販されており容易に入手できる。
【0016】
さらに、ビタミンB2及びビタミンCも、例えば、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンリン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸は15改正日本薬局方に掲載されており、これ以外のビタミンB2及びビタミンCも市販されており容易に入手できる。
【0017】
本発明の組成物の1回投与量における、ロキソプロフェン又はその塩の含有量は10〜200mgで、好ましくは40〜120mgであり、これを1日1乃至3回経口投与する。
【0018】
併用するビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCの含有量は特に制限はないが、それぞれ、0.1〜300mg、0.5〜300mg、10〜5000mgで、好ましくは、0.5〜200mg、1〜200mg、50〜3000mgである。
【0019】
本発明の組成物は、常法に従って製剤されるが、投与方法に合わせて、各薬剤を別々に製剤してもよい。
【0020】
本発明の組成物等は、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤若しくはシロップ剤等の経口投与用組成物であり、これらの組成物には、更に、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、葡萄糖、マンニトール、ソルビトールのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α澱粉、デキストリン、カルボキシメチルデンプンのような澱粉誘導体;結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルランのような有機系賦形剤:及び、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;燐酸カルシウムのような燐酸塩;炭酸カルシウムのような炭酸塩;硫酸カルシウムのような硫酸塩等の無機系賦形剤を挙げることができる。)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーガム、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DLロイシン;脂肪酸ナトリウム塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;及び、上記澱粉誘導体を挙げることができる。)、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、及び、前記賦形剤と同様の化合物を挙げることができる。)、崩壊剤(例えば、前記賦形剤と同様の化合物、及び、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類を挙げることができる。)、安定剤(メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;及び、ソルビン酸を挙げることができる。)、矯味矯臭剤(例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、香料等を挙げることができる。)、希釈剤等の添加剤を用いる事ができる。
【0021】
以下に、試験例及び製剤例をあげて本発明を更に具体的に説明する。
【実施例】
【0022】
(試験例1)抗炎症効果試験
(1)被検物質
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物(以下LOXと略す)およびベンフォチアミンは第一三共製のものを、また、イブプロフェン(以下IBUと略す)、リボフラビン、アスコルビン酸及びビタミンP(ヘスペリジン)はシグマ・アルドリッチ製のものを使用した。
被験物質はトガラントゴム粉末(和光純薬工業製)で溶解もしくは懸濁して調整し使用した。
【0023】
(2)使用動物
ウィスター系今道雄性ラット5週齢(動物繁殖研究所)を使用した。動物は温度20−26℃、湿度30−70%、照明時間7−19時に制御されたラット飼育室内でラット用ブラケットテーパケージに5匹ずつ入れ、固形試料(マウス・ラット用固形飼料、FR-2、船橋ファーム製)および水道水を自由に摂取させ、6日間予備飼育した後、毛並、体重増加などの一般症状の良好な動物を選別して供試した。
【0024】
(3)試験方法
試験当日に体重を測定後、ラットの右後肢足容積を足容積測定装置(TK-105、室町機械製)で測定し、投与前値とした。
被験物質を経口投与し、投与30分後にカラゲニン(シグマ製)を右後肢足蹠皮下0.05mL投与して炎症性浮腫を惹起させた。カラゲニン投与3時間後に右後肢足の容積を測定し、各個体の浮腫強度を次式より算出した。
浮腫強度=(カラゲニン投与3時間後の容積/カラゲニン投与前の容積)−1
被験物質の抗炎症作用は、対照群の平均浮腫強度に対する被験物質投与郡の抑制率として次式より算出した。
抑制率%=(1−被験物質群の平均浮腫強度/対照群の平均浮腫強度)×100
【0025】
(4)50%抑制薬用量(ID50)の算出
LOX単剤をそれぞれ1.0、2.0および4.0mg/Kg投与して求めた抑制率から、LOX単剤のID50を算出した。同様にして、IBU単剤をそれぞれ5.0、10.0および20.0mg/Kg投与して求めた抑制率から、IBU単剤のID50を算出した。
また、合剤のID50は、佐薬のビタミン用量は一定とし、これにLOX(1.0、2.0および4.0mg/Kg)またはIBU(5.0、10.0および20mg/Kg)を併用して得られた抑制率から、合剤のID50を算出した。
なお、ID50は抑制率と投与量との間の回帰直線を最小二乗法により求めて算出した。
【0026】
(5)試験結果
カラゲニン浮腫に対するLOX単剤またはIBU単剤の抑制率および算出した50%抑制薬用量(ID50)を表1に示す。なお、いずれの投与群も1群5匹の平均値である。
【0027】
(表1)
用量(mg/Kg) 抑制率(%) ID50
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
LOX 1 21.5
LOX 2 49.6 2.64
LOX 4 57.4
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
IBU 5 29.9
IBU 10 48.7 13.77
IBU 20 54.4
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ビタミンB1 3 15.0 −
ビタミンB2 3 −1.8 −
ビタミンC 50 −2.9 −
ビタミンP 10 −3.7 −
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
LOX:ロキソプロフェンナトリウム・2水和物
IBU:イブプロフェン
【0028】
表1より、LOX単剤は用量依存的に浮腫抑制効果が発現し、算出したID50は2.64mg/Kgであった。また、IBU単剤も用量依存的に浮腫抑制効果が発現し、算出したID50は13.77mg/Kgであった。一方、ビタミンB1単剤に弱い浮腫抑制作用が認められ、逆に、ビタミンB2、ビタミンCおよびビタミンPの各単剤には浮腫抑制作用は認められないか、わずかに浮腫を増強することが判った。
【0029】
次に、表1に記載の各ビタミンを含有させたLOX配合剤のID50、および、そのLOX単剤に対する比を表2に示す。なお、いずれの投与群も1群5匹の平均値である。
【0030】
表2より、LOX単剤に比べてビタミンB1、ビタミンB2、又はビタミンCをLOXと併用した場合において浮腫抑制作用が顕著に増強した。このことは、併用にてLOXの投与量を33〜45%減量できることを意味する。
【0031】
一方で、ビタミンPにはLOXの浮腫抑制作用の増強は認められなかった。
【0032】
(表2)
LOXの
ID50(mg/Kg) ID50比
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
LOX単剤 2.64 −
LOX+ビタミンB1 1.77 0.67
LOX+ビタミンB2 1.76 0.67
LOX+ビタミンC 1.46 0.55
LOX+ビタミンP 2.63 1.00
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
LOX:ロキソプロフェンナトリウム・2水和物
【0033】
次に、表1に記載の各ビタミンを含有させたIBU配合剤のID50、および、そのIBU単剤に対する比を表3に示す。なお、いずれの投与群も1群5匹の平均値である。
【0034】
表3より、イブプロフェンと各ビタミンとの併用によりいずれも浮腫抑制作用は少し減弱するという結果となった。
【0035】
(表3)
IBUの
ID50(mg/Kg) ID50比
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
IBU単剤 13.77 −
IBU+ビタミンB1 15.87 1.15
IBU+ビタミンB2 17.23 1.25
IBU+ビタミンC 16.56 1.20
IBU+ビタミンP 15.79 1.15
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
IBU:イブプロフェン
【0036】
製剤例(ハードカプセル剤)
以下の成分および分量をとり、第15改正日本薬局方製剤総則「カプセル剤」の項に準じてカプセルを製造する。
【0037】
(表4)
1カプセル中(mg) 実施例1 実施例2 実施例3
―――――――――――――――――――――――――――――――
LOX 60 60 60
ビタミンB1 100 − −
ビタミンB2 − 100 −
ビタミンC − − 200
ステアリン酸マグネシウム 5 5 5
結晶セルロース 60 60 60
乳糖 適量 適量 適量
―――――――――――――――――――――――――――――――
LOX:ロキソプロフェンナトリウム・2水和物
【0038】
製剤例(錠剤)
以下の成分および分量をとり、第15改正日本薬局方製剤総則「錠剤」の項に準じて錠剤を製造する。なお、所望により剤皮を塗布する。
【0039】
(表5)
1錠中(mg) 実施例4 実施例5 実施例6
―――――――――――――――――――――――――――――――
LOX 60 60 60
ビタミンB1 100 − −
ビタミンB2 − 100 −
ビタミンC − − 200
ステアリン酸マグネシウム 5 5 5
結晶セルロース 60 60 60
ヒドロキシプロピルセルロース 適量 適量 適量
―――――――――――――――――――――――――――――――
LOX:ロキソプロフェンナトリウム・2水和物
【0040】
製剤例(錠剤)
以下の成分および分量をとり、第15改正日本薬局方製剤総則「錠剤」の項に準じて錠剤を製造する。なお、所望により剤皮を塗布する。
【0041】
(表6)実施例7
成分 分量(1錠中)
―――――――――――――――――――――――――――――――
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物 30mg
ブロムワレリル尿素 100mg
カフェイン 25mg
ビタミンB1 4mg
乳糖水和物 40mg
D−マンニトール 20mg
クロスポビドン 4mg
タルク 4mg
―――――――――――――――――――――――――――――――
【0042】
(表7)実施例8
成分 分量(1錠中)
―――――――――――――――――――――――――――――――
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物 30mg
アリルイソプロピルアセチル尿素 30mg
無水カフェイン 25mg
ビタミンB1 4mg
乳糖水和物 20mg
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム 50mg
結晶セルロース 8mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6mg
クロスカルメロースナトリウム 5mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
―――――――――――――――――――――――――――――――
【0043】
(表8)実施例9
成分 分量(1錠中)
―――――――――――――――――――――――――――――――
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物 30mg
クロルフェニラミンマレイン酸塩 1.25mg
チペピジンヒベンズ酸塩 12.5mg
メチルエフェドリン塩酸塩 10mg
無水カフェイン 12.5mg
ビタミンB2 2mg
乳糖水和物 40mg
ヒドロキシプロピルセルロース 15mg
結晶セルロース 10mg
トウモロコシデンプン 7mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
―――――――――――――――――――――――――――――――
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の、(1)ロキソプロフェン又はその塩と、(2)ビタミンB1、ビタミンB2及びビタミンCからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する解熱鎮痛消炎用組成物は、ロキソプロフェンのもつ薬理作用を顕著に増強するため有用である。本結果は、ロキソプロフェンの薬効を維持しつつその投与量が減らせるため、胃粘膜障害をはじめとする副作用の大幅な軽減が可能となるので有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)および(b)を含有する解熱鎮痛消炎用組成物。
(a)ロキソプロフェン又はその塩
(b)ビタミンB1、ビタミンB2、及びビタミンCからなる群から選ばれる少なくとも1種
【請求項2】
下記(a)および(b)を含有する抗炎症用組成物。
(a)ロキソプロフェン又はその塩
(b)ビタミンB1、ビタミンB2、及びビタミンCからなる群から選ばれる少なくとも1種
【請求項3】
下記(a)および(b)を含有する、ロキソプロフェン又はその塩の抗炎症作用が増強された組成物。
(a)ロキソプロフェン又はその塩
(b)ビタミンB1、ビタミンB2、及びビタミンCからなる群から選ばれる少なくとも1種
【請求項4】
(b)がビタミンB2及びビタミンCからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1乃至請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
ロキソプロフェン又はその塩がロキソプロフェンナトリウム・2水和物である、請求項1乃至請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5に記載された医薬組成物の有効量を哺乳動物に投与する、炎症の予防方法又は治療方法。

【公開番号】特開2011−168580(P2011−168580A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6567(P2011−6567)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(306014736)第一三共ヘルスケア株式会社 (176)
【Fターム(参考)】