説明

医薬組成物

【課題】本発明は、GPR119受容体アゴニスト作用を有するピロロ[2,3−d]ピリミジン化合物又はその薬理的に許容し得る塩を有効成分とする医薬組成物を提供する。
【解決手段】下記式[I]:


〔式中、Eは式:−NH−で示される基等、環Aはヘテロ原子として1〜2個の窒素原子を含有していてもよい6員芳香環(該芳香環はハロゲン、式:−CONRで示される基等で置換されていてもよい)、R及びRは同一又は異なって水素、アルキル、ヒドロキシアルキル等)Rはアシル等、Rはハロゲン又はシアノを表す。〕で示される化合物又はその薬理的に許容し得る塩を有効成分としてなる医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は優れたGPR119受容体アゴニスト作用を有し、医薬として有用な新規ピロロ[2,3−d]ピリミジン化合物又はその薬理的に許容し得る塩を有効成分としてなる医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
G蛋白結合受容体(GPCR)であるGPR119は、膵臓のインスリン産生β細胞及び腸管細胞で高度に発現している受容体であり、該受容体のリガンドとして、天然の長鎖脂肪酸アミドであるオレオイルエタノールアミド(OEA)、低分子合成リガンドであるPSN632408等の化合物により活性化されること、ならびに該受容体の活性化により、高脂肪食ラットにおける摂食抑制及び体重増加抑制効果が観察されたことが報告されている(非特許文献1)。
【0003】
更に、下式で示される選択的低分子アゴニスト(AR231453)を用いたGPR119の生理的役割に関する最近の研究により、当該受容体の活性化によるcAMP増大(アデニル酸シクラーゼ活性化)を介して、膵β細胞におけるグルコース依存性インスリン放出が増強されること、またそれによってグルコースホメオスタシスが改善され得ること(非特許文献2)が明らかにされている。
【0004】
【化1】

【0005】
加えて、本受容体は、内因性抗糖尿病ホルモンとも言うべきインクレチン類(グルカゴン様ペプチド−1/GLP−1及びグルコース依存性向インスリンペプチド/GIP)放出の増強を介してグルコースホメオスタシスを調節していると考えられている(非特許文献3)。更に、低分子GPR119アゴニストには、直接的及び/又はインクレチンホルモンを介した間接的な膵臓保護作用(islet細胞に対する抗アポトーシス作用及び/又は増殖促進作用)が期待され得る。以上のような知見から、GPR119は、糖尿病及び肥満を含む代謝関連疾患における魅力的な治療上の標的として注目されている。
【0006】
現在、GPR119アゴニストとして、上述したOEA、PSN632408、AR231453以外に、ビピペリジニル化合物(特許文献1)、1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルオキシピペリジン化合物(特許文献2)6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ−1−ピペリジン化合物、2,3−ジヒドロ−1−インドール−4−イルオキシ−1−ピペリジン化合物(特許文献3)、4−(ベンゾ[b][1,4]オキサジン4(3H)−イル)ピペリジン化合物(特許文献4)、[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリミジン(特許文献5)等が知られているが、本発明の如きピロロ[2,3−d]ピリミジン化合物がGPR119に対するアゴニスト作用を有することは、これまで報告されていない。
【0007】
【特許文献1】国際公開第2008/076243号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2005/007658号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2008/008895号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2008/137435号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2008/137436号パンフレット
【非特許文献1】Cell Metabolism 3:167−175(2006)
【非特許文献2】Endocrinology 149(5):2035−2037(2008)
【非特許文献3】Endocrinology 149(5):2038−2047(2008)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、優れたGPR119受容体アゴニスト作用を有する新規ピロロ[2,3−d]ピリミジン化合物又はその薬理的に許容し得る塩を有効成分としてなる医薬組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、下記一般式[I]:
【0010】
【化2】

【0011】
〔式中、
Eは式:−NH−、−O−、−C(=O)−、−CH(OH)−又は−CF−で示される基、
環Aはヘテロ原子として1〜2個の窒素原子を含有していてもよい6員芳香環(ここで、該6員芳香環は、a)ハロゲン原子、b)シアノ基、c)アルキルスルホニル基、d)1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、e)式:−CONRで示される基及びf)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる同一もしくは異なる1〜4個の異項原子を含有する5〜6員ヘテロアリール基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい)、
及びRは同一又は異なって水素原子、アルキル基、モノヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基、或いは両者が互いに結合して隣接窒素原子と共に3〜7員含窒素脂肪族複素環式基(該含窒素脂肪族複素環式基は酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を更に含有していてもよく、かつ1〜2個の水酸基で置換されていてもよい)を形成することを表し、

a)R11OCO−で示されるアシル基(ここで、R11は1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基又はシアノアルキル基を表す)、
b)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる同一もしくは異なる1〜4個の異項原子を含有する5〜6員ヘテロアリール基(当該ヘテロアリール基は、ハロゲン原子、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキルアルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、アルコキシカルボニル基及び式:−CONRで示される基(ここでR及びRは、両者が互いに結合して1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい3〜7員含窒素脂肪族複素環式基を形成する)から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい)、又は
c)アリール(もしくは含窒素ヘテロアリール)−アルキル基、
はハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基
を表す。〕
で示される化合物またはその薬理的に許容し得る塩を有効成分としてなる医薬組成物に関する。
【0012】
また、本発明は、上記化合物[I]又はその薬理的に許容し得る塩を有効成分としてなるGPR119調節剤、とりわけ、GPR119作動薬(アゴニスト)に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の有効成分である化合物[I]又はその薬理的に許容し得る塩は、GPR119活性に対する優れた調節作用(アゴニスト作用等)を奏する化合物であり、また副作用が少なく、医薬としての安全性も高いという特長を有する。例えば、後記実験例に示した通り、本発明の有効成分である化合物[I]は、ヒトGPR119発現CHO細胞を用いたアッセイ系において、同細胞に対して優れたcAMP産生増強作用を示したことから、GPR119アゴニストとして有用である。また、低分子GPR119アゴニストである化合物[I]には、直接的及び/又はインクレチンホルモンを介した間接的な膵臓保護作用(islet細胞に対する抗アポトーシス作用及び/又は増殖促進作用)が期待され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の有効成分である化合物[I]において、環Aで示されるヘテロ原子として1〜2個の窒素原子を含有していてもよい6員芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環があげられ、このうち、ベンゼン環又はピリジン環が好ましい。
【0015】
環A上の置換基が、式:−CONRで示される基であって、R及びRが互いに結合して隣接窒素原子と共に3〜7員含窒素脂肪族複素環式基を形成する場合、当該3〜7員含窒素脂肪族複素環式基としては、例えば、アゼチジル基、アザシクロプロピル基、ピロリジニル基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、チオピロリジニル基、アザシクロへプチル基等があげられる。このうち、ピロリジニル基、ピペリジノ基又はチオモルホリノ基が好ましい。
【0016】
環A上の置換基が、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる同一もしくは異なる1〜4個の異項原子を含有する5〜6員ヘテロアリール基である場合、当該5〜6員ヘテロアリール基としては、例えば、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基等があげられる。このうち、テトラゾリル基又はトリアジニル基の如き含窒素5員へテロアリール基が好ましい。
【0017】
が窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる同一もしくは異なる1〜4個の異項原子を含有する5〜6員ヘテロアリール基である場合、当該ヘテロアリール基としては、例えば、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、オキサジアゾリル基、フラザニル基、チアジアゾリル基、チエニル基、フリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基等があげられる。これらのうち、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基又はピリミジニル基が好ましい。
【0018】
がアリール−アルキル基である場合、当該基のアリール環部分としては、例えばベンゼン環があげられる。また、Rが含窒素ヘテロアリール−アルキル基である場合、当該基における含窒素ヘテロアリール環としては、例えば、ヘテロ原子とし1〜2個の窒素原子を含有する5〜6員の含窒素へテロアリール環があげられ、より具体的には、例えばピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、ピリジン環又はピリミジン環等があげられ、このうち、ピリジン環が好ましい。
【0019】
式:−NRで示される基が3〜7員含窒素脂肪族複素環式基である場合、当該3〜7員含窒素脂肪族複素環式基としては、例えば、アゼチジル基、アザシクロプロピル基、ピロリジニル基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、モルホリノ基、アザシクロへプチル基等があげられる。このうち、アゼチジル基が好ましい。
【0020】
本発明の有効成分である化合物は、その実施態様として、一般式[I]において、
(1)Eが式:−NH−で示される基、環Aが(i)(a)ハロゲン原子、(b)シアノ基、c)アルキルスルホニル基、(d)式:−CONRで示される基及び(e)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる同一もしくは異なる1〜3個の異項原子を含有する5員ヘテロアリール基から選ばれる1〜3個の基で置換されたベンゼン環、又は(ii)(a)ハロゲン原子及び(b)式:−CONRで示される基からなる群から選ばれる1〜2個の基で置換されたピリジン環、R及びRが同一又は異なって水素原子、アルキル基、モノヒドロキシアルキル基又はアルコキシアルキル基であるか、或いはR及びRの両者が互いに結合して隣接窒素原子と共に4〜6員含窒素脂肪族複素環式基(該含窒素脂肪族複素環式基は、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を更に含んでいてもよく、かつ1〜2個の水酸基で置換されていてもよい)を形成し、Rがa)R11OCO−で示されるアシル基、b)窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる同一もしくは異なる1〜4個のヘテロ原子を含有し、かつハロゲン原子、アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたアルキル基、シアノアルキル基、シクロアルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、アルコキシカルボニル基又は式:−CONRで示される基で置換された5〜6員へテロアリール基又はc)含窒素6員へテロアリール−アルキル基である化合物;
(2)Eが式:−O−で示される基、環Aがa)ハロゲン原子、b)シアノ基、c)アルキルスルホニル基、d)式:−CONRで示される基及びe)1〜4個の窒素原子を含有する5〜6員へテロアリール基から選ばれる1〜3個の基で置換されたベンゼン環、R及びRが同一又は異なって水素原子、アルキル基又はモノヒドロキシアルキル基、Rがa)R11OCO−で示されるアシル基又はb)窒素原子及び酸素原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつアルキル基で置換された5〜6員へテロアリール基である化合物;
(3)Eが式:−C(=O)−で示される基、環Aがa)ハロゲン原子及びb)アルキルスルホニル基から選ばれる1〜3個の基で置換されたベンゼン環、RがR11OCO−で示されるアシル基である化合物;
(4)Eが式:−CH(OH)−で示される基、環Aがa)ハロゲン原子及びb)アルキルスルホニル基から選ばれる1〜3個の基で置換されたベンゼン環、RがR11OCO−で示されるアシル基である化合物;及び
(5)Eが式:−CF−で示される基、環Aがa)ハロゲン原子及びb)アルキルスルホニル基から選ばれる1〜3個の基で置換されたベンゼン環、RがR11OCO−で示されるアシル基である化合物
を包含するものである。
【0021】
上記の内、好ましい化合物としては、例えば、一般式[I]において、
Eが式:−NH−又は−O−で示される基、環Aがa)ハロゲン原子、b)シアノ基、c)アルキルスルホニル基、d)式:−CONRで示される基(ここで、R及びRは同一又は異なって水素原子、アルキル基又はモノヒドロキシアルキル基であるか、或いはR及びRの両者が互いに結合して隣接窒素原子とともに5〜6員脂肪族含窒素複素環式基[該複素環式基はヘテロ原子として硫黄原子を更に含有していてもよく、かつ1〜2個の水酸基で置換されていてもよい]を形成することを表す)、及びe)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる同一もしくは異なる1〜3個の異項原子を含有する5〜6員ヘテロアリール基よりなる群から選ばれる1〜3個の基で置換されたベンゼン環、Rがa)アルコキシカルボニル基又はb)窒素原子及び酸素原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつハロゲン原子、アルキル基、ジハロゲノアルキル基、トリハロゲノアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はジハロゲノアルコキシ基で置換された5〜6員へテロアリール基、かつRがハロゲン原子である化合物があげられる。この内、より好ましい化合物としては、Eが式:−NH−で示される化合物があげられる。
【0022】
上記化合物の内、更に好ましい化合物としては、例えば、下式[I−A]:
【0023】
【化3】

【0024】
〔式中、Rはa)−CONRで示される基(ここでR及びRは同一もしくは異なって水素原子、アルキル基又はモノヒドロキシアルキル基であるか、或いは両者が互いに結合して隣接窒素原子と共に5〜6員脂肪族含窒素複素環を形成し、当該環式基はヘテロ原子として硫黄原子を更に含んでいてもよく、かつ1〜2個の水酸基で置換されていてもよい)またはb)異項原子として1〜3個の窒素原子を含有する5員ヘテロアリール基、Rはハロゲン原子、R10はa)アルコキシカルボニル基、又はb)窒素原子及び酸素原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、トリハロゲノアルキル基又はアルコキシ基で置換された5〜6員へテロアリール基、R20はハロゲン原子を表す。〕
で示される化合物又はその薬理的に許容し得る塩があげられる。
【0025】
上記の内、とりわけ好ましい化合物としては、例えば、
4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N,N−ジメチルベンズアミド;
4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−クロロ−N,N−ジメチルベンズアミド;
4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルベンズアミド;
[4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロフェニル]((R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン;
[4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロフェニル]((S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン;
4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N−(3−ヒドロキシプロピル)−N−メチルベンズアミド;
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(5−イソプロピル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルベンズアミド;
[4−[7−[1−(5−プロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロフェニル]((R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン;
4−[7−[1−(5−イソプロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルベンズアミド;
[4−[7−[1−(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロフェニル]((R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン;
4−[7−[1−(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルベンズアミド;
[4−[7−[1−(5−イソプロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロフェニル]((R)−3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)メタノン;
4−[7−[1−(5−クロロピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルベンズアミド;
4−[7−[1−(5−イソプロポキシピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルベンズアミド;
4−[7−[1−(5−イソプロポキシピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N−(3−ヒドロキシプロピル)−N−メチルベンズアミド;
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(3−イソプロピル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−フェニル]−ピロリジン−1−イル−メタノン;
4−[5−フルオロ−4−[2−フルオロ−4−(ピロリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
[3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(5−トリフルオロメチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−フェニル]((R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン;及び
[4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−クロロフェニル]((R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン
からなる群から選ばれる化合物又はその薬理的に許容し得る塩があげられる。
【0026】
本発明の有効成分である化合物[I]は、分子内に不斉炭素原子を有する場合、当該不斉炭素原子に基づく複数の立体異性体(ジアステレオマー異性体、光学異性体)として存在しうるが、本発明はこれらのうちのいずれか1個の立体異性体またはその混合物のいずれをも含むものである。
【0027】
本発明の有効成分である化合物[I]は、GPR119受容体に対して優れたアゴニスト作用を有することから、当該受容体活性の調節により改善が期待され得る各種疾患又は状態、例えば、肥満症、高血糖、糖尿病(インスリン依存型糖尿病、非インスリン依存型2型糖尿病、或いはそれらの中間型糖尿病を含む)及びその合併症、メタボリック症候群、耐糖能障害、高インスリン血症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症及び脂質代謝異常の如き疾患を含む代謝性疾患、或いは動脈硬化、高血圧、冠疾患、心筋梗塞等の心血管疾患の予防・治療に有用である。
【0028】
本発明の有効成分である化合物[I]またはその薬理的に許容しうる塩は、低毒性であり、医薬として安全性が高いという特長をも有する。
【0029】
本発明の有効成分である化合物[I]は、遊離の形でも、それらの薬理的に許容し得る塩の形でも医薬用途に使用することができる。薬理的に許容しうる塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩または臭化水素酸塩の如き無機酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩またはマレイン酸塩の如き有機酸塩等が挙げられる。
【0030】
本発明の有効成分である化合物[I]またはその薬理的に許容しうる塩は、その分子内塩や付加物、それらの溶媒和物あるいは水和物等をいずれも含むものである。
【0031】
本発明の有効成分である化合物[I]またはその薬理的に許容しうる塩は経口的にも非経口的にも投与することができ、また、製薬上許容し得る担体及び/又は賦形剤の如き医薬品添加物とともに、慣用の医薬製剤(例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤、注射剤、吸入剤等)として用いることができる。
【0032】
本発明の有効成分である化合物[I]またはその薬理的に許容し得る塩の投与量は、投与方法、患者の年令、体重、状態によっても異なるが、注射剤とすれば、1日当り約0.001〜100mg/kg、とりわけ約0.01〜10mg/kg程度、経口剤とすれば、通常、1日当り約0.01〜1000mg/kg、とりわけ約0.1〜100mg/kg程度とするのが好ましい。
【0033】
本発明の有効成分である化合物[I]またはその薬理的に許容しうる塩は、治療対象疾患等に応じて、単独或いは1以上の他の薬剤と組合せて使用することができる。このような薬剤としては、例えば以下のものがあげられる。
【0034】
(a)降圧薬:アンジオテンシン変換酵素阻害薬(マレイン酸エナラプリル、塩酸イミダプリル等)、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ロサルタンカリウム、カンデサルタンシレキセチル等)、β遮断薬(アテノロール、フマル酸ビソプロロール等)、α/β遮断薬(カルベジロール、塩酸ラベタロール等)、カルシウム拮抗薬(ベシル酸アムロジピン、塩酸ジルチアゼム等)、α遮断薬(メシル酸ドキサゾシン、塩酸プラゾシン等)、中枢性α作動薬又はその他中枢作用薬(塩酸クロニジン、レセルピン等)、血管拡張薬(塩酸ヒドララジン、ミノキシジル等)等;
(b)利尿薬:チアジド系利尿薬(クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド等)、ループ利尿薬(ブメタニド、フロセミド等)、カリウム保持性利尿薬(塩酸アミロライド、トリアムテレン等);
(c)心不全治療薬:硝酸薬(ニトログリセリン等)、ジギタリス製剤(ジゴキシン、ジギトキシン等)、カテコラミン類(塩酸ドブタミン、デノパミン等)、エンドセリン拮抗薬(ボセンタン等)、ホスホジエステラーゼ阻害薬(乳酸ミルリノン、アムリノン等)、中性エンドペプチダーゼ阻害薬(ファシドトリル等)、心房性利尿ペプチド等;
(d)抗不整脈薬:Naチャネル遮断薬(塩酸プロカインアミド、酢酸フレカイニド、等)、Kチャネル遮断薬(塩酸アミオダロン等)、Caチャネル遮断薬(塩酸ベラパミル等)等;
(e)高脂血症薬:HMG−CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチンナトリウム、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム等)、フィブラート誘導体(ベザフィブラート、クロフィブラート等)、スクアレン合成酵素阻害薬等;
(f)抗血栓薬:血液凝固阻害薬(ワーファリンナトリウム、ヘパリンナトリウム等)、血栓溶解薬(ウロキナーゼ、t−PA等)、抗血小板薬(アスピリン、塩酸チクロピジン等);
(g)糖尿病/糖尿病合併症治療薬:インスリン、DPP4阻害薬(ビルダグリプチン、シタグリプチン等)、α−グルコシダーゼ阻害薬(ボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート等)、ビグアナイド(塩酸メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン等)、インスリン抵抗性改善薬(ピオグリタゾン、トログリタゾン、ロシグリタゾン等)、インスリン分泌促進薬(トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリクロピラミド、クロルプロパミド、グリメピリド、グリブザイド、グリブゾール、トラザミド、アセトヘキサミドの如きスルホニルウレア化合物等)、アミリン拮抗薬(プラムリンチド等)、アルドース還元酵素阻害薬(エパルレスタット、トルレスタット、ゼナレスタット、フィダレスタット、ミナルレスタット、ゾポルレスタット等)、神経栄養因子(NGF等)、AGE阻害薬(ピマゲジン、ピラトキサチン等)、神経栄養因子産生促進薬等;
(h)抗肥満薬:中枢性抗肥満薬(マジンドール、フェンフルラミン、シブトラミン等)、膵リパーゼ阻害薬(オルリスタット等)、β作動薬(SB−226552、BMS−196085等)、ペプチド性食欲抑制薬(レプチン等)、コレシストキニン受容体作動薬(リンチトリプト等)等;
(i)非ステロイド性抗炎症薬:アセトアミノフェン、イブプロフェン等
(j)化学療法剤:代謝拮抗剤(5−フルオロウラシル、メトトレキサート等)、抗癌剤(ビンクリスチン、タキソール、シスプラチン等)等;
(k)免疫調節剤:免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス等)、免疫増強剤(クレスチン、レンチナン等)、サイトカイン類(インターロイキン1、インターフェロン等)、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(インドメタシン、セレコキシブ等)、抗TNFα抗体(インフリキシマブ等)等。
【0035】
本発明の有効成分である化合物[I]と他の薬剤とを組合せて使用する場合、その投与形態としては、(1)化合物[I]と他の薬剤とを含む単一製剤(合剤)の投与、及び(2)化合物[I]を含む製剤と他の薬剤を含む製剤との併用投与があげられる。また(2)の併用投与の場合、それぞれの製剤の投与経路及び投与時間は異なっていてもよい。
【0036】
本発明の有効成分である化合物[I]のうち、Eが式:−NH−で示される基である化合物は、例えば下記反応スキーム1又は2に従って製することができる。
【0037】
反応スキーム1:
【0038】
【化4】

【0039】
〔上記スキーム中、Xはハロゲン原子を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。〕
反応スキーム2:
【0040】
【化5】

【0041】
〔上記スキーム中、Wはハロゲン原子を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。〕
化合物[II−a]とアミン化合物[III−a]の反応は、溶媒中、パラジウム触媒、及び塩基の存在下、並びに配位子の存在下又は非存在下で実施することができる。溶媒としては、反応に支障のない不活性溶媒であればよく、このような溶媒としては、例えばジオキサンの如きエーテル類、トルエンの如き芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミドの如きアミド類、水等があげられる。パラジウム触媒としては、例えば酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド等があげられる。配位子としては、例えば、2−(ジtert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、トリフェニルホスフィン、2−(ジtert−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル等があげられる。塩基としては、例えば、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムフェノキシド、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化リチウム、トリエチルアミン等があげられる。化合物[III−a]の使用量は、化合物[II−a]に対して0.9〜3.0当量、好ましくは1.0〜1.2当量である。パラジウム触媒の使用量は、化合物[II−a]又は化合物[III−a]に対して0.01〜0.3当量、好ましくは0.01〜0.1当量である。塩基の使用量は、化合物[II−a]又は化合物[III−a]に対して1.0〜5.0当量、好ましくは2.0〜3.0当量である。配位子の使用量は、化合物[II−a]又は化合物[III−a]に対して0.01〜0.3当量、好ましくは0.01〜0.1当量である。本反応は、0℃〜200℃、好ましくは100〜150℃で実施することができる。
【0042】
また化合物[II−a]とアミン化合物[III−a]の反応は、溶媒(イソプロパノールの如きアルコール類)中、酸触媒(塩酸等)存在下で反応させることにより実施することもできる。酸触媒の使用量としては、化合物[II−a]に対して0.01〜1.0当量とすることができる。
【0043】
化合物[II−b]と化合物[III−b]の反応は、上記の化合物[II−a]とアミン化合物[III−a]の反応と同様にして実施することができる。
【0044】
本発明の有効成分である化合物[I]のうち、Eが式:−O−で示される基である化合物は、例えば下記反応スキーム3に従って製することができる。
【0045】
反応スキーム3:
【0046】
【化6】

【0047】
〔上記スキーム中、記号は前記と同一意味を有する。〕
化合物[II−a]と化合物[III−c]の反応は、溶媒中、塩基の存在下で実施することができる。溶媒としては、反応に支障のない不活性溶媒であればよく、このような溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランの如きエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミドの如きアミド類、アセトンの如きケトン類等があげられる。塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム等があげられる。化合物[III−c]の使用量は、化合物[II−a]に対して0.9〜3.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。塩基の使用量は、化合物[II−a]又は化合物[III−c]に対して1.0〜5.0当量、好ましくは1.5〜3.0当量である。本反応は、0℃〜200℃、好ましくは60℃〜100℃で実施することができる。
【0048】
本発明の有効成分である化合物[I]のうち、Eが式:−C(=O)−又は−CH(OH)−で示される基である化合物は、例えば下記反応スキーム4に従って製することができる。
【0049】
反応スキーム4:
【0050】
【化7】

【0051】
〔上記スキーム中、記号は前記と同一意味を有する。〕
化合物[II−a]と化合物[III−d]の反応は、溶媒中、活性化剤及び塩基の存在下で実施することができる。溶媒としては、反応に支障のない不活性溶媒であればよく、このような溶媒としては、例えばジオキサンの如きエーテル類等があげられる。活性化剤としては、例えば、ヨウ化N,N−ジメチルイミダゾリニウム、ヨウ化N,N−ジメチルベンゾイミダゾリニウム等があげられる。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、tert−ブトキシカリウム等があげられる。化合物[III−d]の使用量は、化合物[II−a]に対して1.0〜10.0当量、好ましくは1.5〜2.5当量である。活性化剤の使用量は、化合物[II−a]又は化合物[III−d]に対して0.05〜5当量、好ましくは0.5〜1.5当量である。塩基の使用量は、化合物[II−a]又は化合物[III−d]に対して1.0〜10.0当量、好ましくは2.0〜3.0当量である。本反応は、−100〜100℃、好ましくは−40〜20℃で実施することができる。
【0052】
化合物[I−c]の還元は、溶媒中、還元剤の存在下で実施することができる。溶媒としては、反応に支障のない不活性溶媒であればよく、このような溶媒としては、例えば、メタノールの如きアルコール類、テトラヒドロフランの如きエーテル類等があげられる。還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等があげられる。還元剤の使用量は、化合物[I−c]に対して0.25〜10当量、好ましくは2.0〜3.0当量である。本反応は、−40〜80℃、好ましくは0〜30℃で実施することができる。
【0053】
本発明の有効成分である化合物[I]のうち、Rが式:R11OCO−で示されるアシル基である化合物は、例えば下記反応スキーム5に従って製することもできる。
【0054】
反応スキーム5:
【0055】
【化8】

【0056】
〔上記スキーム中、Xはハロゲン原子、Xはp−ニトロフェニル基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。〕
化合物[II−c]又はその塩(塩酸塩の如き鉱酸塩等)と化合物[III−e]の反応は、溶媒中、塩基の存在下で実施することができる。溶媒としては、反応に支障のない不活性溶媒であればよく、このような溶媒としては、例えば、ジクロロメタンの如きハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフランの如きエーテル類、トルエンの如き芳香族炭化水素類等があげられる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等があげられる。化合物[III−e]の使用量は、化合物[II−c]に対して0.9〜3.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。塩基の使用量は、化合物[II−c]又は化合物[III−e]に対して1.0〜5.0当量、好ましくは1.5〜2.0当量である。本反応は、0℃〜100℃、好ましくは0℃〜室温で実施することができる。
【0057】
化合物[II−c]又はその塩(塩酸塩の如き鉱酸塩等)と化合物[III−f]の反応は、上記の化合物[II−c]と化合物[III−e]の反応と同様にして実施することができる。
【0058】
本発明の有効成分である化合物[I]のうち、Rが下式:
【0059】
【化9】

【0060】
で示される環式基(ここで環Bは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる同一もしくは異なる1〜4個の異項原子を含有する5〜6員ヘテロアリール基を表し、当該ヘテロアリール基は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基及びアルコキシカルボニル基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい)である化合物は、例えば下記反応スキーム6に従って製することもできる。
【0061】
反応スキーム6:
【0062】
【化10】

【0063】
〔上記スキーム中、Xはハロゲン原子又はメタンスルホニル基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。〕
化合物[II−c]又はその塩(塩酸塩の如き鉱酸塩等)と化合物[III−g]の反応は、溶媒中、塩基の存在下もしくは非存在下で実施することができる。溶媒としては、反応に支障のない不活性溶媒であればよく、このような溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミドの如きアミド類、テトラヒドロフランの如きエーテル類等があげられる。塩基としては、例えば、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、炭酸カリウム等があげられる。化合物[III−g]の使用量は、化合物[II−c]に対して1.0〜10当量、好ましくは1.5〜3.0当量である。塩基の使用量は、化合物[II−c]又は化合物[III−g]に対して1.0〜5.0当量、好ましくは1.5〜3.0当量である。本反応は、0℃〜150℃、好ましくは室温〜80℃で実施することができる。
【0064】
また、化合物[II−c]又はその塩と化合物[III−g]の反応は、溶媒中、パラジウム触媒及び塩基の存在下及び活性化剤の存在下又は非存在下で実施することもできる。溶媒、パラジウム触媒及び塩基としては、合成スキーム1(化合物[II−a]とアミン化合物[III−a]の反応)で例示したものを使用することができる。活性化剤としては、例えば1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸等があげられる。化合物[III−g]の使用量は、化合物[II−c]に対して1.0〜3.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。パラジウム触媒の使用量は、化合物[II−c]又は化合物[III−g]に対して0.01〜0.3当量、好ましくは0.01〜0.1当量である。塩基の使用量は、化合物[II−c]又は化合物[III−g]に対して1.0〜5.0当量、好ましくは2.0〜4.0当量である。本反応は、0〜200℃、好ましくは100〜150℃で実施することができる。
【0065】
本発明の有効成分である化合物[I]のうち、Rが下式:
【0066】
【化11】

【0067】
で示される基(ここで、Arはアリール(もしくは含窒素へテロアリール)基を表す)である化合物は、例えば下記反応スキーム7に従って製することもできる。
【0068】
反応スキーム7:
【0069】
【化12】

【0070】
〔上記スキーム中、記号は前記と同一意味を有する。〕
化合物[II−c]又はその塩(塩酸塩の如き鉱酸塩等)とアルデヒド化合物[III−h]の反応は、溶媒中、還元剤及び塩基あるいは酸の存在下で実施することができる。溶媒としては、反応に支障のない不活性溶媒であればよく、このような溶媒としては、例えば、ジクロロメタンの如きハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフランの如きエーテル類、メタノールの如きアルコール類等があげられる。還元剤としては、例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等があげられる。塩基としては、例えば、酢酸カリウム等があげられる。酸としては、例えば、酢酸等があげられる。化合物[III−h]の使用量は、化合物[II−c]に対して1.0〜10.0当量、好ましくは1.5〜2.0当量である。還元剤の使用量は、化合物[II−c]又は化合物[III−h]に対して1.0〜10.0当量、好ましくは1.5〜2.0当量である。塩基あるいは酸の使用量は、化合物[II−c]又は化合物[III−h]に対して1.0〜10.0当量、好ましくは1.5〜2.0当量である。本反応は、−40〜80℃、好ましくは0〜30℃で実施することができる。
【0071】
本発明の有効成分である化合物[I]のうち、環Aが下式:
【0072】
【化13】

【0073】
で示される6員芳香環式基(ここで6員芳香環Arは、ヘテロ原子として1〜2個の窒素原子を含有していてもよく、かつ式:−CONRで示される基以外にもハロゲン原子及びシアノ基から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよい)で示される基である化合物は、例えば下記反応スキーム8に従って製することもできる。
【0074】
反応スキーム8:
【0075】
【化14】

【0076】
〔上記スキーム中、記号は前記と同一意味を有する。〕
化合物[II−d]又はその塩(塩酸塩の如き鉱酸塩等)とアミン化合物[III−i]又はその塩(塩酸塩の如き鉱酸塩等)の反応は、溶媒中、縮合剤の存在下、塩基及び活性化剤の存在下又は不存在下で実施することができる。溶媒としては、反応に支障のない不活性溶媒であればよく、このような溶媒としては、例えば、ジクロロメタンの如きハロゲン化脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミドの如きアミド類、テトラヒドロフランの如きエーテル類、水等があげられる。縮合剤としては、例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、シアノホスホン酸ジエチル等があげられる。活性化剤としては、例えば、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物、N−ヒドロキシスクシンイミド等があげられる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等があげられる。化合物[III−i]の使用量は、化合物[II−d]に対して1.0〜5.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。縮合剤の使用量は、化合物[II−d]又は化合物[III−i]に対して1.0〜5.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。活性化剤の使用量は、化合物[II−d]又は化合物[III−i]に対して1.0〜5.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。塩基の使用量は、化合物[II−d]又は化合物[III−i]に対して1.0〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.2当量である。本反応は、0℃〜100℃、好ましくは0℃〜40℃で実施することができる。
【0077】
本発明の有効成分である化合物[I]のうち、Rがシアノ基である化合物は、例えば下記反応スキーム9に従って製することもできる。
【0078】
反応スキーム9:
【0079】
【化15】

【0080】
〔上記スキーム中、記号は前記と同一意味を有する。〕
化合物[I−i]とシアン化亜鉛(化合物[IV])の反応は、溶媒中、パラジウム触媒の存在下で実施することができる。溶媒としては、反応に支障のない不活性溶媒であればよく、このような溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミドの如きアミド類、トルエンの如き芳香族炭化水素類、1,2−ジメトキシエタンの如きエーテル類等があげられる。パラジウム触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム等があげられる。化合物[IV]の使用量は、化合物[I−i]に対して0.5〜2.0当量、好ましくは0.6〜1.0当量である。パラジウム触媒の使用量は、化合物[I−i]又は化合物[IV]に対して0.01〜0.5当量、好ましくは0.05〜0.1当量である。本反応は、室温〜200℃、好ましくは60〜100℃で実施することができる。
【0081】
本発明の有効成分である化合物[I]のうち、Eが式:−CF−で示される基である化合物は、例えば下記反応スキーム10に従って製することができる。
【0082】
反応スキーム10:
【0083】
【化16】

【0084】
〔上記スキーム中、記号は前記と同一意味を有する。〕
化合物[I−c]とフッ素化剤の反応は、溶媒中で実施することができる。溶媒としては、反応に支障のない不活性溶媒であればよく、このような溶媒としては、例えばジクロロメタンの如きハロゲン化脂肪族炭化水素類、ベンゼンの如き芳香族炭化水素類等があげられる。フッ素化剤としては、例えば三フッ化N,N−ジエチルアミノ硫黄(DAST)、三フッ化N,N−ジ−(2−メトキシ)エチルアミノ硫黄(DEOXO−FLUOR)等があげられる。フッ素化剤の使用量は、化合物[I−c]に対して1.0〜20.0当量、好ましくは2.0〜4.0当量である。本反応は、−40〜100℃、好ましくは40〜60℃で実施することができる。
【0085】
本発明の有効成分である化合物[I]の内、下式:
【0086】
【化17】

【0087】
〔式中、Ra1は1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基又はシクロアルキルアルキル基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物は、下式:
【0088】
【化18】

【0089】
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物とRa1−COCl [a]
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示されるカルボン酸クロリドを溶媒(トルエンの如き芳香族炭化水素類、ジクロロメタンの如きハロゲン化脂肪族炭化水素類等)中、塩基(トリエチルアミンの如き有機アミン等)の存在下で反応させて製することもできる。
【0090】
本発明の有効成分である化合物[I]の内、Rが式:−CONRで示される基を含む基であって、R及びRの両者が互いに結合して1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい3〜7員含窒素脂肪族複素環式基を形成する化合物は、Rが−COOHを含む基である対応化合物と下式:
HNR [b]
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される環状アミン化合物又はその塩を溶媒(ジクロロメタンの如きハロゲン化脂肪族炭化水素類等)中、縮合剤(水溶性カルボジイミド等)の存在下、塩基(トリエチルアミンの如き有機アミン等)及び活性化剤(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等)の存在下又は非存在下で反応させることにより、製することもできる。
【0091】
本発明の有効成分である化合物[I]の内、[I−m]:
【0092】
【化19】

【0093】
〔式中、Rは1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基又はシクロアルキルアルキル基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物は、例えば、下式[cc]:
【0094】
【化20】

【0095】
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物と下式[III−m]:
【0096】
【化21】

【0097】
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物を溶媒(ジメチルホルムアミドの如きアミド類、アセトニトリルの如きニトリル類、トルエンの如き芳香族炭化水素類等)中、酸触媒(p−トルエンスルホン酸の如きプロトン酸、塩化亜鉛の如きルイス酸又はこれらの混合物)の存在下で反応させることにより製することもできる。酸触媒の使用量としては、化合物[cc]に対して0.001〜1.0当量とすることができる。
【0098】
本発明における合成中間体である化合物[II−a]、化合物[II−b]、化合物[II−c]、化合物[cc]及び化合物[II−d]は、例えば、以下の反応スキームに従って製することができる。
【0099】
化合物[II−a]のうち、Rがハロゲンである化合物(化合物[II−a1])は、以下の反応スキーム11に従って製することができる。
【0100】
反応スキーム11:
【0101】
【化22】

【0102】
〔上記スキーム中、R21はハロゲン原子、Xはハロゲン原子を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。〕
化合物[1a]とハロゲン化剤の反応は、溶媒中、酸存在下又は不存在下で実施することができる。溶媒は反応に支障のない不活性溶媒であればよく、このような溶媒としては、例えば、アセトニトリルの如きニトリル類、ジクロロメタンの如きハロゲン化脂肪族炭化水素類等があげられる。ハロゲン化剤としては、例えば、N−フルオロ−N’−(クロロメチル)トリエチレンジアミンビス(テトラフルオロボラート)、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド等があげられる。酸としては、例えば酢酸等があげられる。
【0103】
化合物[2a]と化合物[3a]の反応は、溶媒中、トリフェニルホスフィンの如き三置換ホスフィン及びアゾジカルボン酸ジエチルの如き添加剤存在下で実施することができる。溶媒は反応に支障のない不活性溶媒であればよく、このような溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランの如きエーテル類、トルエンの如き芳香族炭化水素類等があげられる。
【0104】
また、化合物[II−a]のうち、Rがシアノ基である化合物(化合物[II−a2])は、当該化合物[II−a1]とシアン化亜鉛(化合物[IV])を反応させることにより、製することができる。当該反応は、前記した化合物[I−i]と化合物[IV]の反応(反応スキーム9)と同様にして実施することができる。
【0105】
化合物[II−b]は、例えば、下記反応スキーム12に従って製することができる。
【0106】
反応スキーム12:
【0107】
【化23】

【0108】
〔上記スキーム中、記号は前記と同一意味を有する。〕
化合物[1b]又はその塩(塩酸塩等)と化合物[2b]の反応は、ジクロロメタンの如き溶媒中、トリエチルアミンの如き塩基存在下で実施することができる。
【0109】
化合物[3b]とアミノアセトアルデヒド ジエチルアセタールの反応は、ジクロロメタンの如き溶媒中、酢酸の如き酸触媒、トリエチルアミンの如き塩基及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムの如き水素化ホウ素化合物存在下で実施することができる。
【0110】
化合物[4b]とマロノニトリルの反応は、ジクロロメタンの如き溶媒中、p−トルエンスルホン酸の如き添加剤存在下で実施することができる。
【0111】
化合物[5b]とオルトギ酸トリエチルの反応は、アセトニトリルの如き溶媒中、酢酸の如き酸触媒存在下で実施することができる。
【0112】
化合物[6b]の化合物[7b]への変換は、メタノールの如き溶媒中、化合物[6b]をアンモニアで処理することにより実施することができる。
【0113】
化合物[7b]とハロゲン化剤の反応は、アセトニトリルの如き溶媒中で実施することができる。ハロゲン化剤としては、例えばN−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド、臭素等があげられる。
【0114】
化合物[II−c]は、例えば、下記反応スキーム13に従って製することができる。
【0115】
反応スキーム13:
【0116】
【化24】

【0117】
〔上記スキーム中、記号は前記と同一意味を有する。〕
化合物[I−aa]の脱アシル化反応は、アシル基の種類に応じて、慣用の方法に従って実施することができる。例えば、R11がtert−ブトキシカルボニル基である化合物[I−aa]からのアシル基の除去は、当該化合物を塩酸/ジオキサンで処理することにより、実施することができる。
【0118】
化合物[II−d]は、例えば、下記反応スキーム14に従って製することができる。
【0119】
反応スキーム14:
【0120】
【化25】

【0121】
〔上記スキーム中、Zはカルボキシル基の保護基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。〕
上記化合物[II−y]におけるZとしては、例えば、tert−ブチル基の如きアルキル基、ベンジル基の如きアラルキル基等があげられる。化合物[II−y]からの当該保護基の除去は、慣用の方法により実施することができる。例えば、Zとしてtert−ブチル基を有する化合物[II−y]からの保護基の除去は、当該化合物を溶媒中又は無溶媒で塩酸/ジオキサン等で処理することにより実施することができる。
【0122】
本発明における中間体化合物の内、下式:
【0123】
【化26】

【0124】
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物は、例えば、下式[II−c]:
【0125】
【化27】

【0126】
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物とハロゲン化シアン(例えば、臭化シアン等)を溶媒(エタノールの如きアルコール類、テトラヒドロフランの如きエーテル類等)中、塩基(炭酸水素ナトリウム等)の存在下で反応させることにより、下式[cc]:
【0127】
【化28】

【0128】
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物を製し、次いで該化合物[cc]とヒドロキシルアミンを溶媒(イソプロパノールの如きアルコール類)中で反応させることにより製することができる。
【0129】
本発明において、「ハロゲン原子」とはフッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子又は臭素原子を意味し、「アルキル」又は「アルコキシ」とは炭素数1〜8個、好ましくは炭素数1〜6個の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキルまたはアルコキシを意味し、「シクロアルキル」とは炭素数3〜8個、好ましくは3〜6個のシクロアルキルを意味する。また、「アルキレン」とは炭素数1〜8個、好ましくは1〜6個の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキレンを意味し、「アルカノイル」とは炭素数2〜8個、好ましくは炭素数2〜6個の直鎖状もしくは分岐鎖状アルカノイルを意味する。
【0130】
尚、本明細書中で使用する略号は、別段の定義がない限り、以下の意味を有する。
【0131】
Ac : アセチル
Boc : tert−ブトキシカルボニル
DMF : ジメチルホルムアミド
DMSO: ジメチルスルホキシド
Me : メチル
Et : エチル
i−Pr: イソプロピル
i−Bu: イソブチル
t−Bu又はtert−Bu: tert−ブチル
MOMO: メトキシメトキシ
Ph : フェニル
Bzl : ベンジル
TFA : トリフルオロ酢酸
CDI : 1,1’−カルボニルジイミダゾール
HOBt: 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
DIAD: アゾジカルボン酸ジイソプロピル
dppf: ジフェニルホスフィノフェロセン
PPh: トリフェニルホスフィン
HPLC: 高速液体クロマトグラフィー
【実施例】
【0132】
製造例1
4−[4−(4−ジメチルカルバモイル−2−フルオロフェニルアミノ)−5−フルオロピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
【0133】
【化29】

【0134】
4−(4−クロロ−5−フルオロピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(参考例1で得られた化合物)75mgの1,4−ジオキサン1.5mLの溶液に4−アミノ−3−フルオロ−N,N−ジメチルベンズアミド(参考例2で得られた化合物)42.4mg、酢酸パラジウム0.5mg、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル0.7mg及びtert−ブトキシナトリウム50.8mgを加え、該混合物をマイクロ波反応装置(Initiator、バイオタージ社製)中、120℃で20分間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、有機層を水洗後、濃縮し、得られた残渣をNHシリカゲルクロマトグラフィー(Chromatorex;富士シリシア化学、溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=80/20〜55/45)で精製することにより、標題化合物39.0mgを粉末として得た(収率37%)。
MS(APCI)m/z;501[M+H]
【0135】
製造例2
4−[5−クロロ−4−(3−クロロ−5−ジメチルカルバモイルピリジン−2−イルアミノ)ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステルの製造
【0136】
【化30】

【0137】
4−(4−クロロ−3−シアノ−2−ホルムイミドイルアミノピロール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(参考例25で得られた化合物)101mgの1,4−ジオキサン5mLの溶液に5,6−ジクロロ−N,N−ジメチルニコチン酸アミド99mg(参考例28で得られた化合物)、酢酸パラジウム7mg、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル12mg及びtert−ブトキシナトリウム72mgを加え、該混合物をマイクロ波反応装置(Initiator、バイオタージ社製)中、120℃で60分間撹拌した。反応混合物を水中に注ぎ、該混合物を酢酸エチルで三回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;クロロホルム/メタノール=100/0〜90/10)で精製することにより、標題化合物15.5mgを粉末として得た(収率10%)。
MS(APCI)m/z;520/522[M+H]
【0138】
製造例3
4−[5−フルオロ−4−(2−フルオロ−4−メシルフェノキシ)ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
【0139】
【化31】

【0140】
4−(4−クロロ−5−フルオロピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(参考例1で得られた化合物)50mgのジメチルスルホキシド1.5mL溶液に2−フルオロ−4−メシルフェノール(参考例27で得られた化合物)32mg及び炭酸カリウム58mgを加え、該混合物を100℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣をNHシリカゲルクロマトグラフィー(Chromatorex;富士シリシア化学、溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=80/20〜50/50)で精製することにより、標題化合物51.7mgを粉末として得た(収率72%)。
MS(APCI)m/z;509[M+H]
【0141】
製造例4
4−[4−(4−ジメチルカルバモイル−2−フルオロフェニルアミノ)−5−フルオロピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステルの製造
【0142】
【化32】

【0143】
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−(ピペリジン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−N,N−ジメチルベンズアミド塩酸塩(参考例4で得られた化合物)50mgのジクロロメタン1mL溶液にトリエチルアミン47.9μL及びクロロギ酸イソプロピル16.8mgを加え、該混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、クロロホルムで抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣をNHシリカゲルクロマトグラフィー(Chromatorex;富士シリシア化学、溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=75/25〜20/80)で精製することにより、標題化合物40mgを粉末として得た(収率73%)。
MS(APCI)m/z;487[M+H]
【0144】
製造例5
4−[4−(4−ジメチルカルバモイル−2−フルオロフェニルアミノ)−5−フルオロピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−カルボン酸1−エチルプロピルエステルの製造
【0145】
【化33】

【0146】
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−(ピペリジン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−N,N−ジメチルベンズアミド塩酸塩(参考例4で得られた化合物)50mgのジクロロメタン1mL溶液にトリエチルアミン79.8μL及び3−ペンチル4−ニトロフェニルカーボネート(参考例5で得られた化合物)34.5mgを加え、該混合物を室温で15時間撹拌した。反応混合物に水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、該混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣をNHシリカゲルクロマトグラフィー(Chromatorex;富士シリシア化学、溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=75/25〜45/55)で精製することにより、標題化合物37.3mgを粉末として得た(収率64%)。
MS(APCI)m/z;515[M+H]
【0147】
製造例6
4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N,N−ジメチルベンズアミドの製造
【0148】
【化34】

【0149】
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−(ピペリジン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−N,N−ジメチルベンズアミド塩酸塩(参考例4で得られた化合物)50mgのジメチルホルムアミド1mL溶液にジイソプロピルエチルアミン79μL及び5−エチル−2−クロロピリミジン42μLを加え、該混合物を80℃で15時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣をNHシリカゲルクロマトグラフィー(Chromatorex;富士シリシア化学、溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=70/30〜25/75)で精製することにより、標題化合物17.9mgを粉末として得た(収率31%)。
MS(APCI)m/z;507[M+H]
【0150】
製造例7
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(ピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−N,N−ジメチルベンズアミドの製造
【0151】
【化35】

【0152】
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−(ピペリジン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−N,N−ジメチルベンズアミド(参考例4で得られた化合物)80mg及び2−ピリジンカルボキシアルデヒド32mgのジクロロメタン5mL溶液に酢酸カリウム29mgを室温で加え、該混合物を1時間撹拌した。反応混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム64mgを加え、該混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を水中へ注ぎ、該混合物をクロロホルムで3回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;クロロホルム/メタノール=100/0〜90/10)で精製することにより、標題化合物48.8mgを粘性油状物として得た(収率50%)。
MS(APCI)m/z;492[M+H]
【0153】
製造例8
4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルベンズアミドの製造
【0154】
【化36】

【0155】
4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ安息香酸(参考例24で得られた化合物)50mgのジクロロメタン1mL溶液に2−(メチルアミノ)エタノール9.4mg、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物(HOBt・HO)24mg、トリエチルアミン43.6μL及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl)29.8mgを加え、該混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、クロロホルムで抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;クロロホルム/メタノール=100/0→95/5)で精製することにより、標題化合物38.6mgを無色粉末として得た(収率69%)。
MS(APCI)m/z;537[M+H]
【0156】
製造例9
4−[4−[(4−ジメチルカルバモイル−2−フルオロフェニル)アミノ]−5−シアノピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
【0157】
【化37】

【0158】
(1)参考例8(2)で得られた化合物100mgを製造例1と同様に処理することにより、4−[4−[(4−ジメチルカルバモイル−2−フルオロフェニル)アミノ]−5−ブロモピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル111mgを無色粉末として得た(収率82%)。
MS(APCI)m/z;561/563[M+H]
【0159】
(2)上記(1)で得られた化合物98.3mgのジメチルホルムアミド1.8mLの溶液にシアン化亜鉛12mg及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム20mgを加え、該混合物を窒素雰囲気下110℃で16時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣をNHシリカゲルクロマトグラフィー(Chromatorex;富士シリシア化学、溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=75/25〜40/60で精製することにより、標題化合物75.8mgを粉末として得た(収率85%)。
MS(APCI)m/z;508[M+H]
【0160】
製造例10
4−[4−(2−クロロ−4−メシルベンゾイル)−5−フルオロピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
【0161】
【化38】

【0162】
4−(4−クロロ−5−フルオロピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(参考例1で得られた化合物)710mg、2−クロロ−4−(メチルスルホニル)ベンズアルデヒド656mg及びヨウ化N,N−ジメチルイミダゾリニウム672mgのジオキサン10mL溶液に水素化ナトリウム(60%)160mgを加え、該混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を塩化アンモニウム水溶液中に注ぎ、該混合物を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過した。ろ液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=40/60〜70/30)で精製することにより、標題化合物74.1mgを固体として得た(収率7%)。
MS(APCI)m/z;537/539[M+H]
【0163】
製造例11
4−[4−(2−クロロ−α,α−ジフルオロー4−メシルベンジル)−5−フルオロピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
【0164】
【化39】

【0165】
4−[5−フルオロ−4−(4−メシルベンゾイル)ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(製造例10で得られた化合物)50mgのジクロロメタン10mL溶液に三フッ化N,N−ジエチルアミノ硫黄(DAST)30mgを室温で加え、50℃で終夜攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、該混合物をクロロホルムで3回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=35/65〜55/45)で精製することにより、標題化合物1.5mgを固体として得た(収率3%)。
MS(APCI)m/z;559/561[M+H]
【0166】
製造例12
4−[4−(2−クロロ−α−ヒドロキシ−4−メシルベンジル)−5−フルオロピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
【0167】
【化40】

【0168】
4−[5−フルオロ−4−(4−メシルベンゾイル)ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(製造例10で得られた化合物)43mgのメタノール5mL溶液に水素化ホウ素ナトリウム6mgを室温で加え、該混合物を同温で終夜攪拌した。反応混合物を水中に注ぎ、該混合物を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=50/50〜80/20)で精製することにより、標題化合物29.1mgを固体として得た(収率68%)。
MS(APCI)m/z;539/541[M+H]
【0169】
製造例13〜34
対応原料化合物を製造例1と同様に処理することにより、下記第1〜3表記載の化合物を得た。
【0170】
【表1】

【0171】
【表2】

【0172】
【表3】

【0173】
製造例35〜51
対応原料化合物を製造例3と同様に処理することにより、下記第4〜6表記載の化合物を得た。
【0174】
【表4】

【0175】
【表5】

【0176】
【表6】

【0177】
製造例52〜53
対応原料化合物を製造例5と同様に処理することにより、下記第7表記載の化合物を得た。
【0178】
【表7】

【0179】
製造例54〜56
対応原料化合物を製造例6と同様に処理することにより、下記第8表記載の化合物を得た。
【0180】
【表8】

【0181】
製造例57〜58
対応原料化合物を製造例7と同様に処理することにより、下記第9表記載の化合物を得た。
【0182】
【表9】

【0183】
製造例59〜63
対応原料化合物を製造例8と同様に処理することにより、下記第10表記載の化合物を得た。
【0184】
【表10】

【0185】
製造例64
対応原料化合物を製造例9と同様に処理することにより、下記第11表記載の化合物を得た。
【0186】
【表11】

【0187】
製造例65
対応原料化合物を製造例10と同様に処理することにより、下記第12表記載の化合物を得た。
【0188】
【表12】

【0189】
製造例66
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−(5’−イソプロポキシ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−N,N−ジメチルベンズアミドの製造
【0190】
【化41】

【0191】
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−(ピペリジン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−N,N−ジメチルベンズアミド(参考例4で得られた化合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で処理し、クロロホルムにて抽出することにより得られた化合物)50mgの1,4−ジオキサン0.5mL及びテトラヒドロフラン0.5mL溶液にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム3.4mg、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩3mg並びにtert−ブトキシカリウム49mgを加え、該混合物をマイクロ波反応装置(Initiator、バイオタージ社製)中、130℃で30分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣をNHシリカゲルクロマトグラフィー(Chromatorex;富士シリシア化学、溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=70/30〜35/65)で精製することにより、標題化合物17.4mgを粉末として得た(収率26%)。
MS(APCI)m/z;536[M+H]
【0192】
製造例67
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(5−プロピル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−N,N−ジメチルベンズアミドの製造
【0193】
【化42】

【0194】
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−N,N−ジメチルベンズアミド(参考例55で得られた化合物)106mgのトルエン27μL溶液に氷冷下、トリエチルアミン27μL及び塩化ブチリル24μLを加え、該混合物を130℃で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣をNHシリカゲルクロマトグラフィー(Chromatorex;富士シリシア化学、溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=67/33〜40/60)で精製することにより、標題化合物23.5mgを粉末として得た(収率20%)。
MS(APCI)m/z;511[M+H]
【0195】
製造例68
4−[7−[1−[5−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−カルボニル)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N,N−ジメチルベンズアミドの製造
【0196】
【化43】

【0197】
2−[4−[4−(4−ジメチルカルバモイル−2−フルオロ−フェニルアミノ)−5−フルオロピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−イル]ピリミジン−5−カルボン酸(参考例56で得られた化合物)52mgの塩化メチレン2mL溶液に3,3−ジフルオロアゼチジン19mg、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物23mg、トリエチルアミン51mg及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩29mgを加え、該混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→90/10)で精製することにより、標題化合物88.2mgを白色固体として得た(収率99%)。
MS(APCI)m/z;598[M+H]
【0198】
製造例69〜88
対応原料化合物を製造例1と同様に処理することにより、下記第13〜15表記載の化合物を得た。
【0199】
【表13】

【0200】
【表14】

【0201】
【表15】

【0202】
製造例89〜92
対応原料化合物を製造例3と同様に処理することにより、下記第16表記載の化合物を得た。
【0203】
【表16】

【0204】
製造例93〜96
対応原料化合物を製造例6と同様に処理することにより、下記第17表記載の化合物を得た。
【0205】
【表17】

【0206】
製造例97〜99
対応原料化合物を製造例66と同様に処理することにより、下記第18表記載の化合物を得た。
【0207】
【表18】

【0208】
製造例100〜210
対応原料化合物を製造例8と同様に処理することにより、下記第19〜32表記載の化合物を得た。
【0209】
【表19】

【0210】
【表20】

【0211】
【表21】

【0212】
【表22】

【0213】
【表23】

【0214】
【表24】

【0215】
【表25】

【0216】
【表26】

【0217】
【表27】

【0218】
【表28】

【0219】
【表29】

【0220】
【表30】

【0221】
【表31】

【0222】
【表32】

【0223】
製造例211〜214
対応原料化合物を製造例67と同様に処理することにより、下記第33表記載の化合物を得た。
【0224】
【表33】

【0225】
製造例215
4−[7−[1−(3−シクロプロピル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−ピペリジン−4−イル] −5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N,N−ジメチルベンズアミドの製造
【0226】
【化44】

【0227】
シクロプロパンカルボニトリル27mgのエタノール4mL溶液に50%ヒドロキシルアミン水溶液53mgを加え、2.5時間加熱還流した。溶媒を濃縮し、DMF2mL、4−[7−(1−シアノ−ピペリジン−4−イル)−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N,N−ジメチルベンズアミド(参考例55(1)で得られた化合物)85mg、p−トルエンスルホン酸−水和物15mg、塩化亜鉛11mgを加え、90℃で18時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣をNHシリカゲルクロマトグラフィー(Chromatorex;富士シリシア化学、溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=80/20〜30/70)で精製することにより、標題化合物47mgを粉末として得た(収率46%)。
MS(APCI)m/z;509[M+H]
【0228】
製造例216〜221
対応原料化合物を製造例215と同様に処理することにより、下記第34表記載の化合物を得た。
【0229】
【表34】

【0230】
参考例1
4−(4−クロロ−5−フルオロピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
【0231】
【化45】

【0232】
(1)4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン2.00gのアセトニトリル100mL溶液に酢酸20mL及びN−フルオロ−N’−(クロロメチル)トリエチレンジアミンビス(テトラフルオロボラート)6.92gを加え、該混合物を窒素雰囲気下、70℃で18時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、減圧濃縮した。残渣に塩化メチレン/酢酸エチル(1/1)を加え、該溶液を、シリカゲル100mLを充填したカラムに通液後、塩化メチレン/酢酸エチル=1/1(2L)で抽出した。抽出液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=70/30〜35/65)で精製することにより、4−クロロ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン1.30gを粉末として得た(収率:58%)。
MS(APCI)m/z;172/174[M+H]
【0233】
(2)上記(1)で得られた化合物1.20gのテトラヒドロフラン215mL溶液に1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン3.52g、トリフェニルホスフィン7.33g及びアゾジカルボン酸ジエチルのトルエン溶液12.7mLを加え、該混合物を窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=80/20〜60/40)で精製することにより、標題化合物1.47gを粉末として得た(収率:59%)。
MS(APCI)m/z;355/357[M+H]
【0234】
参考例2
4−アミノ−3−フルオロ−N,N−ジメチルベンズアミドの製造
【0235】
【化46】

【0236】
(1)3−フルオロ−4−ニトロ安息香酸4.99gの塩化メチレン50mL溶液に、氷冷下、塩化オギザリル2.5mL及びジメチルホルムアミド1滴を加え、該混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣に塩化メチレン100mLを加え、氷冷下、ジメチルアミン塩酸塩1.98g及びトリエチルアミン11.27mLの塩化メチレン40mL溶液を滴下後、該混合物を1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=67/33〜0/100)で精製することにより、3−フルオロ−4−ニトロ−N,N−ジメチルベンズアミド4.45gを粉末として得た(収率:78%)。
MS(APCI)m/z;213[M+H]
【0237】
(2)上記(1)で得られた化合物4.45g、エタノール80mL、テトラヒドロフラン80mL及び水16mLの混合物に塩化アンモニウム4.49g及び鉄4.69gを加え、該混合物を90℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、セライトろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=50/50〜0/100)で精製することにより、標題化合物3.71gを粉末として得た(収率:97%)。
MS(APCI)m/z;183[M+H]
【0238】
参考例3
4−アミノ−3−フルオロ−N−メチルベンズアミドの製造
【0239】
【化47】

【0240】
対応原料化合物を参考例2と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:26%)。
MS(APCI)m/z;169[M+H]
【0241】
参考例4
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−(ピペリジン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−N,N−ジメチルベンズアミド塩酸塩の製造
【0242】
【化48】

【0243】
製造例1で得られた化合物482mgの1,4−ジオキサン4mL溶液に4規定塩酸−ジオキサン溶液4mLを加え、該混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物にメタノール2mLを加えた後、更に30分間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣にジエチルエーテルを加え、析出物をろ取することにより、標題化合物540mgを粉末として得た(収率:100%)。
MS(APCI)m/z;401[M+H]
【0244】
参考例5
3−ペンチル4−ニトロフェニルカーボネートの製造
【0245】
【化49】

【0246】
3−ペンタノール210mgの塩化メチレン5mL溶液にトリエチルアミン490μL及びクロロギ酸4−ニトロフェニル472mgを加え、該混合物を室温で14時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、クロロホルムで抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=95/5〜70/30)で精製することにより、標題化合物251mgを無色液体として得た(収率:42%)。
MS(APCI)m/z;254[M+H]
【0247】
参考例6
(2−シアノプロプ−2−イル)4−ニトロフェニルカーボネートの製造
【0248】
【化50】

【0249】
対応原料化合物を参考例5と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:42%)。
【0250】
参考例7
(1,3−ジフルオロプロプ−2−イル)4−ニトロフェニルカーボネートの製造
【0251】
【化51】

【0252】
対応原料化合物を参考例5と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:58%)。
MS(APCI)m/z;262[M+H]
【0253】
参考例8
4−(5−ブロモ−4−クロロピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
【0254】
【化52】

【0255】
(1)4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン3.00gのクロロホルム85mLの溶液にN−ブロモスクシンイミド3.55gを加え、該混合物を1時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却後、析出物をろ取し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=70/30〜20/80)で精製することにより、5−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン3.83gを無色粉末として得た(収率:84%)。
MS(APCI)m/z;232/234[M+H]
【0256】
(2)上記(1)で得られた化合物450mgを参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物684mgを無色粉末として得た(収率:85%)。
MS(APCI)m/z;415/417[M+H]
【0257】
参考例9
3−フルオロ−4−ヒドロキシ−N,N−ジメチルベンズアミドの製造
【0258】
【化53】

【0259】
3−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸1.00g、ジメチルアミン塩酸塩1.57g、トリエチルアミン2.68mL及びN−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物1.47gの塩化メチレン20mL溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩1.83gを加え、該混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物に希塩酸水を加えた後、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;クロロホルム/メタノール=100/0〜89/11)で精製することにより、標題化合物515mgを無色固体として得た(収率:44%)。
MS(APCI)m/z;184[M+H]
【0260】
参考例10
2−フルオロ−4−ヒドロキシ−N,N−ジメチルベンズアミドの製造
【0261】
【化54】

【0262】
対応原料化合物を参考例9と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:47%)。
MS(APCI)m/z;184[M+H]
【0263】
参考例11
3−クロロ−4−ヒドロキシ−N,N−ジメチルベンズアミドの製造
【0264】
【化55】

【0265】
対応原料化合物を参考例9と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:47%)。
MS(APCI)m/z;200/202[M+H]
【0266】
参考例12
4−アミノ−3−クロロ−N,N−ジメチルベンズアミドの製造
【0267】
【化56】

【0268】
対応原料化合物を参考例9と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:53%)。
MS(APCI)m/z;199/201[M+H]
【0269】
参考例13
1−(3−イソプロピル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−オールの製造
【0270】
【化57】

【0271】
(1)4−ヒドロキシピペリジン8.00gのエタノール160mL溶液に氷冷下、臭化シアン8.38g及び炭酸水素ナトリウム20.2gを加え、該混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を濾過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;酢酸エチル)で精製することにより、4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボニトリル9.59gを淡黄色液体として得た(収率:96%)。
MS(APCI)m/z;127[M+H]
【0272】
(2)上記(1)で得られた化合物9.59gの酢酸エチル350mLの溶液にN−ヒドロキシ−イソブチルアミジン9.79gを加えた後、1.0M 塩化亜鉛−ジエチルエーテル溶液92mLを滴下し、該混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物にジエチルエーテルを加え、析出固体をろ取した。得られた固体にエタノール80mL及び濃塩酸40mLを加え、該混合物を95℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷後、反応液を炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した後、塩化メチレンで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮することにより、標題化合物8.76gを淡黄色液体として得た(収率:54%)。
MS(APCI)m/z;212[M+H]
【0273】
参考例14
1−(3−tert−ブチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−オールの製造
【0274】
【化58】

【0275】
対応原料化合物を参考例13と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:26%)。
MS(APCI)m/z;226[M+H]
【0276】
参考例15
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(3−イソプロピル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0277】
【化59】

【0278】
4−クロロ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(参考例1(1)で得られた化合物)300mgと参考例13で得られた化合物0.92gを参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物220mgを無色粉末として得た(収率:34%)。
MS(APCI)m/z;365/367[M+H]
参考例16
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(3−tert−ブチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0279】
【化60】

【0280】
参考例1(1)で得られた化合物(500mg)と参考例14で得られた化合物(1.05g)を参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:55%)。
MS(APCI)m/z;379/381[M+H]
【0281】
参考例17
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0282】
【化61】

【0283】
(1)4−ヒドロキシピペリジン710mgのエタノール5mL溶液に5−エチル−2−クロロピリミジン425μLを加え、該混合物を80℃で終夜撹拌した。反応混合物に水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;クロロホルム/メタノール=100/0〜90/10)で精製することにより、1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−オール699mgを無色固体として得た(収率:96%)。
MS(APCI)m/z;208[M+H]
【0284】
(2)参考例1(1)で得られた化合物(903mg)と上記(1)で得られた化合物(2.18g)を参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物(1.17g)を得た(収率:62%)。
MS(APCI)m/z;361/363[M+H]
【0285】
参考例18
4−クロロ−5−フルオロ−7−[5−イソプロピル−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0286】
【化62】

【0287】
(1)4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボニトリル(参考例13(1)で得られた化合物)2.00gの塩化メチレン40mL溶液に氷冷下、ジイソプロピルエチルアミン5.5mL及び塩化メトキシメチル1.80mLを加え、該混合物を室温で19時間撹拌した。反応混合物にジイソプロピルエチルアミン2.75mL及び塩化メトキシメチル0.60mLを更に添加した後、該混合物を4.5時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=70/30〜40/60)で精製することにより、4−メトキシメトキシピペリジン−1−カルボニトリル2.31gを無色液体として得た(収率:86%)。
MS(APCI)m/z;171[M+H]
【0288】
(2)上記(1)で得られた化合物2.31gの2−プロパノール2mL溶液に50%ヒドロキシルアミン水溶液1.79gの2−プロパノール3mL溶液を加え、該混合物を90℃で5時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷後、酢酸エチルで希釈し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧濃縮することにより、N−ヒドロキシ−4−メトキシメトキシピペリジン−1−カルボキサミジン2.93gを無色液体として得た(収率:100%)。
MS(APCI)m/z;204[M+H]
【0289】
(3)上記(2)で得られた化合物2.93gとトリエチルアミン1.89mLのトルエン30mL溶液に氷冷下、塩化イソブチリル1.42mLのトルエン10mL溶液を滴下した後、該混合物を130℃で3時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=95/5〜80/20)で精製することにより、1−(5−イソプロピル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−4−メトキシメトキシピペリジン1.86gを無色液体として得た(収率:54%)。
MS(APCI)m/z;256[M+H]
【0290】
(4)上記(3)で得られた化合物1.86gの1,4−ジオキサン10mL溶液に4規定塩酸−ジオキサン5mLを加え、該混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物に4規定塩酸−ジオキサン1mLを更に加えた後、1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、該混合物をクロロホルムで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮することにより、1−(5−イソプロピル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−4−オール1.60gを無色液体として得た(収率:100%)。
MS(APCI)m/z;212[M+H]
【0291】
(5)参考例1(1)で得られた化合物(500mg)と上記(4)で得られた化合物(1.60g)を参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物(505mg)を得た(収率:48%)。
MS(APCI)m/z;365/367[M+H]
【0292】
参考例19
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(5−メチルピリジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0293】
【化63】

【0294】
(1)4−ヒドロキシピペリジン1.42gのN−メチルピロリドン12mL溶液に2−ブロモ−5−メチルピリジン1.20g及びジイソプロピルエチルアミン3.67mLを加え、該混合物をマイクロ波反応装置(Initiator、バイオタージ社製)中、200℃で1時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、有機層を水及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;クロロホルム/メタノール=100/0〜93/7)で精製することにより、1−(5−メチルピリジン−2−イル)ピペリジン−4−オール0.81gを淡褐色固体として得た(収率:60%)。
MS(APCI)m/z;193[M+H]
【0295】
(2)参考例1(1)で得られた化合物(250mg)と上記(2)で得られた化合物(476mg)を参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物(363mg)を得た(収率:72%)。
MS(APCI)m/z;346/348[M+H]
【0296】
参考例20
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0297】
【化64】

【0298】
(1)2−アミノ−5−エチル−1,3,4−チアジアゾール1.00gのアセトニトリル20mL/ジメチルアセトアミド20mL溶液に臭化第二銅2.07g及び亜硝酸n−アミル1.40mLを加え、該混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=95/5〜80/20)で精製することにより、2−ブロモ−5−エチル−1,3,4−チアジアゾール0.75gを無色液体として得た(収率:50%)。
MS(APCI)m/z;193/195[M+H]
【0299】
(2)上記(1)で得られた化合物640mgのエタノール5mL溶液に4−ヒドロキシピペリジン671mgを加え、該混合物をマイクロ波反応装置(Initiator、バイオタージ社製)中、140℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;クロロホルム/メタノール=100/0〜93/7)で精製することにより、1−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−4−オール707mgを無色液体として得た(収率100%)。
MS(APCI)m/z;214[M+H]
【0300】
(3)参考例1(1)で得られた化合物(200mg)と上記(2)で得られた化合物(373mg)を参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物(86mg)を得た(収率:20%)。
MS(APCI)m/z;367/369[M+H]
【0301】
参考例21
2−クロロ−5−エトキシピリミジンの製造
【0302】
【化65】

【0303】
2−クロロ−5−ヒドロキシピリミジン1.00gのジメチルホルムアミド15mL溶液に炭酸カリウム1.59g及びヨウ化エチル1.84mLを加え、該混合物を50℃で1時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、有機層を水及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=99/1〜78/22)で精製することにより、標題化合物1.07gを無色固体として得た(収率:88%)。
MS(APCI)m/z;159/161[M+H]
【0304】
参考例22
2−クロロ−5−イソプロピルオキシピリミジンの製造
【0305】
【化66】

【0306】
対応原料化合物を参考例21と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:89%)。
MS(APCI)m/z;173/175[M+H]
【0307】
参考例23
4−アミノ−3−フルオロ安息香酸tert−ブチルエステルの製造
【0308】
【化67】

【0309】
(1)3−フルオロ−4−ニトロ安息香酸2.00gの塩化メチレン32mL溶液に、氷冷下、tert−ブタノール4.2mL、4−ジメチルアミノピリジン198mg及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩2.47g加え、該混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、該混合物をクロロホルムで抽出した。有機層を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=99/1〜92/8)で精製することにより、3−フルオロ−4−ニトロ安息香酸tert−ブチルエステル1.94gを淡黄色粉末として得た(収率75%)。
【0310】
(2)上記(1)で得られた化合物1.74gを参考例2(2)と同様に処理することにより、標題化合物1.42gを無色粉末として得た(収率:88%)。
MS(APCI)m/z;212[M+H]
【0311】
参考例24
4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ安息香酸二塩酸塩の製造
【0312】
【化68】

【0313】
(1)参考例17で得られた化合物400mgと4−アミノ−3−フルオロ安息香酸tert−ブチルエステル(258mg)を製造例1と同様に処理することにより、4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ安息香酸tert−ブチルエステル286mgを無色粉末として得た(収率:48%)。
MS(APCI)m/z;536[M+H]
【0314】
(2)上記(1)で得られた化合物300mgの塩化メチレン4mL溶液に4規定塩酸−ジオキサン3mLを加え、該混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物に更に4規定塩酸−ジオキサン2mLを加えた後、7時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮することにより、標題化合物340mgを粗生成物として得た。
MS(APCI)m/z;480[M+H]
【0315】
参考例25
4−(4−クロロ−3−シアノ−2−ホルムイミドイルアミノピロール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステルの製造
【0316】
【化69】

【0317】
(1)4−ピペリドン塩酸塩1水和物5.00gの塩化メチレン100mL溶液に氷冷下、トリエチルアミン11.3mL及びクロロ炭酸イソプロピル6.1mLを滴下し、該混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を水中に注ぎ、該混合物をクロロホルムで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;酢酸エチル/ヘキサン=50/50→33/67)で精製することにより、4−オキソピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル3.05gを液体として得た(収率:50%)。
MS(APCI)m/z;186[M+H]
【0318】
(2)上記(1)で得られた化合物3.05gの塩化メチレン200mL溶液に室温下、アミノアセトアルデヒド ジエチルアセタール2.74g及び酢酸1.2mLを加え、該混合物を同温で1時間撹拌した。反応混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム4.36gを加え、該混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、該混合物をクロロホルムで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、濾液を減圧濃縮することにより、4−(2,2−ジエトキシエチルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル6.35gを液体として得た。
MS(APCI)m/z;303[M+H]
【0319】
(3)上記(2)で得られた化合物6.35gの塩化メチレン150mL溶液に室温下マロノニトリル2.17gとp−トルエンスルホン酸・1水和物6.26gを加え、室温で終夜攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、クロロホルムで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;酢酸エチル/ヘキサン=50/50→67/33)で精製することにより、4−(2−アミノ−3−シアノピロール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル2.30gを固体として得た((工程(2)〜(3)の通算収率:50%)。
MS(APCI)m/z;277[M+H]
【0320】
(4)上記(3)で得られた化合物0.50gのアセトニトリル3mL溶液に室温下オルトギ酸トリエチル0.80g及び酢酸0.11gを加え、該混合物を80℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;酢酸エチル/ヘキサン=50/50→67/33)で精製することにより、4−(3−シアノ−2−エトキシメチレンアミノピロール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル641mgを油状物として得た。
MS(APCI)m/z;333[M+H]
【0321】
(5)上記(4)で得られた化合物641mgのメタノール2.5mL溶液に室温下7Nアンモニア−メタノール溶液を加え、該混合物を同温で終夜攪拌した。析出物をろ取し、乾燥させることにより、4−(3−シアノ−2−ホルムイミドイルアミノピロール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル220mgを固体として得た(工程(4)〜(5)の通算収率:38%)。
MS(APCI)m/z;304[M+H]
【0322】
(6)上記(5)で得られた化合物303mgのアセトニトリル10mLの溶液に室温にてN−クロロスクシンイミド161mgを加え、該混合物を終夜撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、該混合物を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;酢酸エチル/ヘキサン=35/65→55/45)で精製することにより、標題化合物197mgを粉末として得た(収率:58%)。
MS(APCI)m/z;308[M+H]
【0323】
参考例26
2−フルオロ−4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)フェニルアミンの製造
【0324】
【化70】

【0325】
4−ブロモ−2−フルオロアニリン570mgのN−メチルピペリドン4mL溶液に室温下、1,2,4−トリアゾール414mg、ヨウ化銅(I)37mg及び炭酸カリウム829mgを加え、該混合物をマイクロ波反応装置(Initiator、バイオタージ社製)中、195℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、水中に注ぎ、該混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;酢酸エチル/ヘキサン=70/30→100/0)で精製することにより、標題化合物323.4mgを固体として得た(収率:61%)。
MS(APCI)m/z;179[M+H]
【0326】
参考例27
2−フルオロ−4−メタンスルホニルフェノールの製造
【0327】
【化71】

【0328】
4−ブロモ−2−フルオロフェノール5.0gのジメチルスルホキシド25mL溶液にメタンスルフィン酸ナトリウム10.69g、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)ベンゼン錯体1.19g及びN,N’−ジメチルエチレンジアミン560μLを加え、窒素雰囲気下140℃で21時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=75/25〜20/80)で精製した後、ヘキサンでトリチュレーションすることにより、標題化合物2.32gを無色固体として得た(収率:47%)。
MS(APCI)m/z;191[M+H]+
参考例28
5,6−ジクロロ−N,N−ジメチルニコチン酸アミドの製法
【0329】
【化72】

【0330】
5,6−ジクロロニコチン酸0.96gの塩化メチレン10mL懸濁液に室温でカルボニルジイミダゾール0.97gを加え、該混合物を1時間攪拌した。反応混合物に2.0Nジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液5.0mLを室温で加え、該混合物を終夜攪拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=30/70〜90/10)で精製することにより、標題化合物198mgを無色固体として得た(収率:18%)。
MS(APCI)m/z;219/221[M+H]
参考例29
5−エチル−2−フルオロピリジンの製造
【0331】
【化73】

【0332】
5−ブロモ−2−フルオロピリジン5.00gのジメチルホルムアミド75mL溶液に1.0Mトリエチルボラン−テトラヒドロフラン溶液43mL、炭酸カリウム15.70g及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム1.64gを加え、該混合物を窒素雰囲気下、85℃で4時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、ヘキサンで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/塩化メチレン=1/1)で精製することにより、標題化合物1.89gを淡黄色液体として得た(収率:53%)。
MS(APCI)m/z;126[M+H]
【0333】
参考例30
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(5−エチルピリジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0334】
【化74】

【0335】
参考例29で得られた化合物を参考例19と同様に処理することにより、標題化合物を得た。
MS(APCI)m/z;360/362[M+H]
【0336】
参考例31
7−(1−tert−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステルの製造
【0337】
【化75】

【0338】
(1)5−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(参考例8(1)で得られた化合物)2.00gのテトラヒドロフラン50mLの溶液に窒素雰囲気下−65℃にて2.64Mブチルリチウム−ヘキサン溶液7.2mLを滴下後、該混合物を30分間撹拌した。反応混合物にクロロギ酸エチル905μLのテトラヒドロフラン5mL溶液を加えた後、室温で終夜撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=65/35〜20/80)で精製することにより、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル1.43gを無色固体として得た(収率:74%)。
MS(APCI)m/z;226/228[M+H]
【0339】
(2)上記(1)で得られた化合物424mgを参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物655mgを無色粉末として得た(収率85%)。
MS(APCI)m/z;409/411[M+H]
【0340】
参考例32
4−アミノ−2−フルオロ−N,N−ジメチルベンズアミドの製造
【0341】
【化76】

【0342】
対応原料化合物を参考例9と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:31%)。
MS(APCI)m/z;183[M+H]
【0343】
参考例33
1−(3−n−プロピル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−オールの製造
【0344】
【化77】

【0345】
対応原料化合物を参考例13と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:47%)。
MS(APCI)m/z;212[M+H]
【0346】
参考例34
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(3−n−プロピル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0347】
【化78】

【0348】
参考例1(1)で得られた化合物(640mg)と参考例33で得られた化合物(1.57g)を参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:44%)。
MS(APCI)m/z;365/367[M+H]
【0349】
参考例35
1−(5−イソプロペニルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−オールの製造
【0350】
【化79】

【0351】
(1)5−ブロモ−2−クロロピリミジン5.8gを参考例17(1)と同様に処理することにより、1−(5−ブロモピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−オール7.8gを粉末として得た(収率:100%)。
MS(APCI)m/z;258/260[M+H]
【0352】
(2)上記(1)で得られた化合物4gの1,4−ジオキサン160mLと水40mLの混合溶液に炭酸セシウム10.1g、イソプロペニルボロン酸ピナコールエステル3.5mL及びテトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム895mgを加え、該混合物を80℃で5時間撹拌した。反応混合物を水中に注ぎ、該混合物を酢酸エチルで三回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=70/30〜10/90)で精製することにより、標題化合物3.4gを粉末として得た(収率:100%)。
MS(APCI)m/z;220[M+H]
【0353】
参考例36
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(5−イソプロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0354】
【化80】

【0355】
(1)参考例35で得られた化合物1.5g、10%パラジウム炭素700mg及びメタノール70mLの混合物を窒素雰囲気下、室温で20時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮することにより、1−(5−イソプロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−オール1.6gを粗生成物として得た。
【0356】
(2)上記(1)で得られた化合物1.6gを参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物1.24gを粉末として得た(収率:48%)。
MS(APCI)m/z;375/377[M+H]
【0357】
参考例37
1−(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−オールの製造
【0358】
【化81】

【0359】
参考例35(1)で得られた化合物2gとシクロプロピルボロン酸ピナコールエステル1.56gを参考例35(2)と同様に処理することにより、標題化合物377mgを得た(収率:22%)。
MS(APCI)m/z;220[M+H]
【0360】
参考例38
4−クロロ−7−[1−(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0361】
【化82】

【0362】
参考例1(1)で得られた化合物(570mg)と参考例37で得られた化合物(800mg)を参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物770mgを得た(収率:57%)。
MS(APCI)m/z;375/377[M+H]
【0363】
参考例39
4−クロロ−7−[1−(5−クロロピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0364】
【化83】

【0365】
対応原料化合物を参考例17と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:68%)。
MS(APCI)m/z;367/369[M+H]
【0366】
参考例40
4−(4−クロロ−5−フルオロピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステルの製造
【0367】
【化84】

【0368】
対応原料化合物を参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:45%)。
MS(APCI)m/z;341/343[M+H]
【0369】
参考例41
4,5−ジクロロ−7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0370】
【化85】

【0371】
対応原料化合物を参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:62%)。
MS(APCI)m/z;377/379[M+H]
【0372】
参考例42
4−[5−クロロ−7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ安息香酸塩酸塩の製造
【0373】
【化86】

【0374】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:35%)。
MS(APCI)m/z;552/554[M+H]
【0375】
参考例43
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(5−イソプロピル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]安息香酸塩酸塩の製造
【0376】
【化87】

【0377】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:35%)。
MS(APCI)m/z;484[M+H]
【0378】
参考例44
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(5−プロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]安息香酸二塩酸塩の製造
【0379】
【化88】

【0380】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:60%)。
MS(APCI)m/z;494[M+H]
【0381】
参考例45
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(5−イソプロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]安息香酸二塩酸塩の製造
【0382】
【化89】

【0383】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:64%)。
MS(APCI)m/z;494[M+H]
【0384】
参考例46
4−[7−[1−(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ安息香酸二塩酸塩の製造
【0385】
【化90】

【0386】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:54%)。
MS(APCI)m/z;492[M+H]
【0387】
参考例47
4−[7−[1−(5−クロロピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ安息香酸二塩酸塩の製造
【0388】
【化91】

【0389】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:32%)。
MS(APCI)m/z;486/488[M+H]
【0390】
参考例48
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]安息香酸二塩酸塩の製造
【0391】
【化92】

【0392】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:49%)。
MS(APCI)m/z;470[M+H]
【0393】
参考例49
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(3−イソプロピル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]安息香酸塩酸塩の製造
【0394】
【化93】

【0395】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:91%)。
MS(APCI)m/z;484[M+H]
【0396】
参考例50
4−[4−(4−カルボキシ−2−フルオロフェニルアミノ)−5−フルオロピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル塩酸塩の製造
【0397】
【化94】

【0398】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:80%)。
MS(APCI)m/z;460[M+H]
【0399】
参考例51
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(5−イソプロポキシピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]安息香酸二塩酸塩の製造
【0400】
【化95】

【0401】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:53%)。
MS(APCI)m/z;510[M+H]
【0402】
参考例52
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(3−プロピル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]安息香酸塩酸塩の製造
【0403】
【化96】

【0404】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:34%)。
MS(APCI)m/z;484[M+H]
【0405】
参考例53
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(5−プロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0406】
【化97】

【0407】
対応原料化合物を参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:60%)。
MS(APCI)m/z;375/377[M+H]
【0408】
参考例54
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0409】
【化98】

【0410】
対応原料化合物を参考例17と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:41%)。
MS(APCI)m/z;351/353[M+H]
【0411】
参考例55
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−N,N−ジメチルベンズアミドの製造
【0412】
【化99】

【0413】
(1)3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−(ピペリジン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−N,N−ジメチルベンズアミド(参考例4で得られた化合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で処理した後、該混合物をクロロホルムにて抽出することにより得られた化合物)100mgのエタノール2mL/テトラヒドロフラン1mL溶液に臭化シアン29mg、炭酸水素ナトリウム64mgを加え、該混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物に塩化メチレンを加えた後、ろ過した。ろ液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒;クロロホルム/メタノール=99/1〜96/4)で精製することにより、4−[7−(1−シアノピペリジン−4−イル)−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N,N−ジメチルベンズアミド96.7mgを粉末として得た(収率91%)。
MS(APCI)m/z;426[M+H]
【0414】
(2)上記(1)で得られた化合物96mgのイソプロパノール1mL溶液に50%ヒドロキシルアミン水溶液30mgを加え、該混合物を90℃で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮することにより、標題化合物106mgを粗生成物として得た。
MS(APCI)m/z;459[M+H]
【0415】
参考例56
2−[4−[4−(4−ジメチルカルバモイル−2−フルオロフェニルアミノ)−5−フルオロピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−イル]ピリミジン−5−カルボン酸の製造
【0416】
【化100】

【0417】
2−[4−[4−(4−ジメチルカルバモイル−2−フルオロフェニルアミノ)−5−フルオロピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−イル]ピリミジン−5−カルボン酸メチルエステル(製造例93で得られた化合物)300mgのメタノール3mL/テトラヒドロフラン3mL溶液に2規定水酸化ナトリウム水溶液0.56mLを加え、該混合物を60℃で1時間撹拌した。反応混合物に氷冷下、2規定塩酸水0.56mLを加えた後、クロロホルムで抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣をクロロホルムでトリチュレーションすることにより、標題化合物323mgを粗生成物として得た。
MS(APCI)m/z;523[M+H]
【0418】
参考例57
(4−アミノ−3−フルオロ−フェニル)(ピロリジン−1−イル)メタノンの製造
【0419】
【化101】

【0420】
4−アミノ−3−フルオロ安息香酸1.00gの塩化メチレン20mL溶液に、ピロリジン700μL、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物1.28g、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩1.6gを加え、該混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えた後、クロロホルムで抽出した。有機層を減圧濃縮し、得られた残渣をNHシリカゲルクロマトグラフィー(Chromatorex;富士シリシア化学、溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=80/20〜25/75)で精製することにより、標題化合物1.04gを粉末として得た(収率:78%)。
MS(APCI)m/z;209[M+H]
【0421】
参考例58
4−アミノ−N,N−ジメチルベンズアミドの製造
【0422】
【化102】

【0423】
対応原料化合物を参考例9と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:61%)。
MS(APCI)m/z;165[M+H]
【0424】
参考例59
N,N−ジメチル−5−アミノピリジン−2−カルボキサミドの製造
【0425】
【化103】

【0426】
対応原料化合物を参考例9と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:12%)。
MS(APCI)m/z;166[M+H]
【0427】
参考例60
4−アミノ−2,5−ジフルオロ安息香酸tert−ブチルエステルの製造
【0428】
【化104】

【0429】
対応原料化合物を参考例23と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:48%)。
MS(APCI)m/z;230[M+H]
【0430】
参考例61
4−アミノ−3−トリフルオロメチル安息香酸tert−ブチルエステルの製造
【0431】
【化105】

【0432】
対応原料化合物を参考例23と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:54%)。
【0433】
参考例62
4−[7−[1−(5−エチル−ピリミジン−2−イル)−ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−2,5−ジフルオロ安息香酸二塩酸塩の製造
【0434】
【化106】

【0435】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:30%)。
MS(APCI)m/z;498[M+H]
【0436】
参考例63
4−[7−[1−(5−エチル−ピリミジン−2−イル)−ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−トリフルオロメチル安息香酸二塩酸塩の製造
【0437】
【化107】

【0438】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:18%)。
MS(APCI)m/z;530[M+H]
【0439】
参考例64
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(5−ペンチル−ピリミジン−2−イル)−ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0440】
【化108】

【0441】
対応原料化合物を参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:55%)。
MS(APCI)m/z;403/405[M+H]
【0442】
参考例65
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(5−ペンチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]安息香酸二塩酸塩の製造
【0443】
【化109】

【0444】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:33%)。
MS(APCI)m/z;522[M+H]
【0445】
参考例66
1−(2−イソプロピル−2H−テトラゾール− 5−イル)−ピペリジン−4−オールの製造
【0446】
【化110】

【0447】
(1)4−メトキシメトキシピペリジン−1−カルボニトリル(参考例18(1)で得られた化合物)8.14gのジメチルホルムアミド50mL溶液に、アジ化ナトリウム7.77g、塩化アンモニウム6.91gを加え、100℃にて18時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、10%クエン酸水溶液を加え酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;クロロホルム/メタノール=100/0〜92/8)で精製することにより、4−メトキシメトキシ−1−(2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン6.79gを得た(収率:67%)。
MS(APCI)m/z;214[M+H]
【0448】
(2)上記(1)で得られた化合物3.39gのジメチルホルムアミド50mL溶液に、炭酸カリウム4.39g、ヨウ化イソプロピル2.38mLを加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜65/35)で精製することにより、1−(2−イソプロピル−2H−テトラゾール−5−イル)−4−メトキシメトキシピペリジン2.96gを得た(収率:73%)。
MS(APCI)m/z;256[M+H]
【0449】
(3)上記(2)で得られた化合物2.96gを参考例18(4)と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率:93%)
MS(APCI)m/z;212[M+H]
【0450】
参考例67
1−(2−n−プロピル−2H−テトラゾール−5−イル)−ピペリジン−4−オールの製造
【0451】
【化111】

【0452】
対応原料化合物を参考例66と同様に処理することにより、標題化合物を得た。
MS(APCI)m/z;212[M+H]
【0453】
参考例68
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(2−イソプロピル−2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0454】
【化112】

【0455】
対応原料化合物を参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率73%)
MS(APCI)m/z;365/367[M+H]
【0456】
参考例69
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(2−n−プロピル−2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0457】
【化113】

【0458】
対応原料化合物を参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率74%)
MS(APCI)m/z;365/367[M+H]
【0459】
参考例70
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(5−トリフルオロメチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0460】
【化114】

【0461】
対応原料化合物を参考例18と同様に処理することにより、標題化合物を得た。
MS(APCI)m/z;391/393[M+H]
【0462】
参考例71
2−メチルスルファニル−5−トリフルオトメチルピリミジンの製造
【0463】
【化115】

【0464】
(1)3,3,3−トリフルオロプロピオン酸6.4gのN,N−ジメチルホルムアミド50mL溶液を60℃に加熱し、オキシ塩化リン14mLを内温が70℃以下となるように、2時間かけて滴下後、70℃で1時間撹拌した。該反応液を室温に冷却後、5N水酸化ナトリウム水溶液28mLと共に、氷冷した水60mL、5N水酸化ナトリウム水溶液15mLおよび60%ヘキサフルオロリン酸13gの混合溶液に30分間かけて滴下し、同温で1時間半撹拌した。析出物をろ取し、水で洗浄後、40℃で送風乾燥することにより、3−ジメチルアミノ−2−トリフルオロメチルアリリジン)ジメチルアンモニウム・ヘキサフルオロリン酸塩7.04gを粉末として得た。(収率41%)
MS(APCI)m/z:195[M−F6P]
【0465】
(2)(1)で得られた化合物2.35gのジメチルスルホキシド20mL溶液に2−メチル−イソチオウレア1/2硫酸塩1.14gとトリエチルアミン2.8mLを加え室温で3時間攪拌した。反応混合物に水を加えた後、氷冷下15分間撹拌した。析出物をろ取して水洗後、減圧乾燥することにより、標題化合物1.04gを得た。(収率78%)
MS(APCI)m/z:195[M+H]
【0466】
参考例72
1−(5−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−オールの製造
【0467】
【化116】

【0468】
2−メチルスルファニル−5−トリフルオロメチルピリミジン(参考例71で得られた化合物)0.97gの塩化メチレン25mL溶液にメタクロロ過安息香酸(25%水含有)2.30gを氷冷下に加えた。室温にて1時間攪拌後、4−ヒドロキシピペリジン1.01g、トリエチルアミン2.02を加え、該混合物を室温で終夜攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、有機層を分離した。水層をクロロホルムで2回抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することにより、標題化合物を0.93g得た。(収率75%)
MS(APCI)m/z:248[M+H]
【0469】
参考例73
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(5−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0470】
【化117】

【0471】
対応原料化合物を参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率23%)。
MS(APCI)m/z:401/403[M+H]
【0472】
参考例74
3−クロロ−4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]安息香酸の製造
【0473】
【化118】

【0474】
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(参考例17で得られた化合物)890mg、4−アミノ−3−クロロ安息香酸tert−ブチルエステル(参考例76で得られた化合物)563mg、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(1:1)101mgの1,4−ジオキサン25mLの溶液にtert−ブトキシナトリウム594mgを加え、該混合物を100℃で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで洗浄した。水層に1N HClを加え(pH6〜7に調整)、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン-ヘキサンでトリチュレーションすることにより、標題化合物473mgを粉末として得た(収率39%)。
MS(APCI)m/z;496/498[M+H]
【0475】
参考例75
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(5−トリフルオロメチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]安息香酸塩酸塩の製造
【0476】
【化119】

【0477】
(1)参考例70で得られた化合物952mgと4−アミノ−3−フルオロ安息香酸tert−ブチルエステル(参考例23で得られた化合物)1.03gの2−プロパノール19mL溶液に、4規定塩酸−ジオキサン溶液61μLを加え、80℃にて17時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、該混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧濃縮し、得られた残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Chromatorex;富士シリシア化学、溶媒;クロロホルム/メタノール=100/0〜92/8)で精製した後、ゲルパーメーションクロマトグラフィー(JAIGEL−1H,2H;日本分析工業、移動相;クロロホルム)で精製することにより、3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(5−トリフルオロメチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]安息香酸tert−ブチルエステル594mgを得た(収率43%)。
MS(APCI)m/z;566[M+H]
【0478】
(2)上記(1)で得られた化合物653mgを参考例24(2)と同様に処理することにより、標題化合物595mgを得た(収率95%)。
MS(APCI)m/z;510[M+H]
【0479】
参考例76
4−アミノ−3−クロロ安息香酸tert−ブチルエステルの製造
【0480】
【化120】

【0481】
対応原料化合物を参考例23と同様に処理することにより、標題化合物を得た。
MS(APCI)m/z;228/230[M+H]
【0482】
参考例77
4−アミノ−2−フルオロ安息香酸tert−ブチルエステルの製造
【0483】
【化121】

【0484】
対応原料化合物を参考例23と同様に処理することにより、標題化合物を得た。
MS(APCI)m/z;212[M+H]
【0485】
参考例78
4−アミノ−2−クロロ安息香酸tert−ブチルエステルの製造
【0486】
【化122】

【0487】
対応原料化合物を参考例23と同様に処理することにより、標題化合物を得た。
MS(APCI)m/z;228/230[M+H]
【0488】
参考例79
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(2−イソプロピル−2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]安息香酸二塩酸塩の製造
【0489】
【化123】

【0490】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率54%)。
MS(APCI)m/z;484[M+H]
【0491】
参考例80
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(2−プロピル−2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]安息香酸二塩酸塩の製造
【0492】
【化124】

【0493】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率52%)。
MS(APCI)m/z;484[M+H]
【0494】
参考例81
2−クロロ−4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]安息香酸二塩酸塩の製造
【0495】
【化125】

【0496】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率63%)。
MS(APCI)m/z;496/498[M+H]
【0497】
参考例82
2−フルオロ−4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]安息香酸二塩酸塩の製造
【0498】
【化126】

【0499】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率40%)。
MS(APCI)m/z;480[M+H]
【0500】
参考例83
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(5−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]安息香酸二塩酸塩の製造
【0501】
【化127】

【0502】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率20%)。
MS(APCI)m/z;520[M+H]
【0503】
参考例84
4−[4−(4−カルボキシ−2−クロロフェニルアミノ)−5−フルオロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル塩酸塩の製造
【0504】
【化128】

【0505】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率26%)。
MS(APCI)m/z;476/478[M+H]
【0506】
参考例85
(3S,4S)−ピロリジン−3,4−ジオールの製造
【0507】
【化129】

【0508】
(3S,4S)−1−ベンジルピロリジン−3,4−ジオール522mgのエタノール15mL溶液に10%パラジウム炭素100mgと酢酸10mLを加え、パール水素添加装置を用い水素加圧下(40psi)室温にて7時間反応した。反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣に4N塩酸−ジオキサン溶液を加えた後、減圧濃縮することにより、標題化合物373mgを黄色固体として得た(収率99%)。
MS(APCI)m/z;104[M+H]
【0509】
参考例86
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(5−ジフルオロメチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]安息香酸塩酸塩の製造
【0510】
【化130】

【0511】
対応原料化合物を参考例75と同様に処理することにより、標題化合物を得た。
MS(APCI)m/z;492[M+H]
【0512】
参考例87
4−[7−[1−(5−ジトリフルオロメトキシピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ安息香酸二塩酸塩の製造
【0513】
【化131】

【0514】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率62%)。
MS(APCI)m/z;518[M+H]
【0515】
参考例88
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(5−メチル−ピリミジン−2−イル)−ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−安息香酸二塩酸塩の製造
【0516】
【化132】

【0517】
対応原料化合物を参考例24と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率25%)。
MS(APCI)m/z;466[M+H]
【0518】
参考例89
(3R,4R)−ピロリジン−3,4−ジオールの製造
【0519】
【化133】

【0520】
対応原料化合物を参考例85と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率100%)。
MS(APCI)m/z;104[M+H]
【0521】
参考例90
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(5−ジフルオロメチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0522】
【化134】

【0523】
対応原料化合物を参考例18と同様に処理することにより、標題化合物を得た。
MS(APCI)m/z;373/375[M+H]
【0524】
参考例91
2−クロロ−5−ジフルオロメトキシピリミジンの製造
【0525】
【化135】

【0526】
2−クロロ−5−ヒドロキシピリミジン4.13gのDMF40mL溶液に2−ブロモ−2,2−ジフルオロ酢酸エチル12.83gと炭酸セシウム20.59gを加え、80℃にて終夜反応した。反応液を室温まで冷却後、水中へ注ぎ、該混合物を酢酸エチルで三回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=80:20〜60:40)で精製することにより、標題化合物2.16gを無色液体として得た(収率38%)。
MS(APCI)m/z;検出できず。
【0527】
参考例92
1−(5−ジフルオロメトキシピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−オールの製造
【0528】
【化136】

【0529】
対応原料化合物を参考例17(1)と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率100%)。
MS(APCI)m/z:246[M+H]
【0530】
参考例93
4−クロロ−7−[1−(5−ジフルオロメトキシピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0531】
【化137】

【0532】
対応原料化合物を参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率63%)。
MS(APCI)m/z:399/401[M+H]
【0533】
参考例94
1−(5−メチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−オールの製造
【0534】
【化138】

【0535】
対応原料化合物を参考例17(1)と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率100%)。
MS(APCI)m/z:194[M+H]
【0536】
参考例95
4−クロロ−5−フルオロ−7−[1−(5−メチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造
【0537】
【化139】

【0538】
対応原料化合物を参考例1(2)と同様に処理することにより、標題化合物を得た(収率29%)。
MS(APCI)m/z:347/349[M+H]
【0539】
実験例1
(本実験の目的)
本実験は、ヒトGPR119発現CHO細胞に検体化合物を添加し、同細胞のcAMP産生量を測定することにより、これら化合物のGPR119アゴニスト活性(in vitro)を評価することを目的とするものである。
(ヒトGPR119発現CHO細胞の作製)
ヒトGPR119を発現したCHO細胞(L8−18)は、公知の方法(The Journal of Biological Chemistry Vol. 274 (34), pp.23940-23947)に準じ、ルシフェラーゼ発現ベクターpLG3−CRE6−CRE−VIP(Hygromycin B耐性)が導入されたCHO細胞(LM−3;Mock細胞)に、ヒトGPR119遺伝子を担う発現ベクターpMSF1−GPR119(Geneticin耐性)を導入することにより作製した。
【0540】
(試験方法)
凍結保存したL8−18細胞を融解後、9倍量のアッセイ用緩衝液に懸濁し、室温で遠心分離(1000rpm、5分間)した。上清を除去後、沈殿した細胞をアッセイ用緩衝液4mLに再懸濁し、これにIBMX(シグマ社製、 ♯17018−1G)含有アッセイ用緩衝液を加えて7.5 ×104cells/mLの細胞懸濁液を調製した。該細胞懸濁液を室温で15分間静置した後、96 half well white plate (コーニング社製、♯3693)の各ウェルに該細胞懸濁液20μL及び検体化合物溶液もしくはAR231453溶液5μL(計25μL/well)を添加した(終濃度:1500cells/well、500μM IBMX、1% ジメチルスルホキシド)。該混合物を37℃で30分間インキュベートした後、HTRF cAMPキット(Cisbio社製、♯62AM4PEC)のcAMP−d2及びAnti cAMP−Cryptateの20倍希釈液(各12.5μL/well)を各ウェルへ添加した。該混合物を撹拌後、遮光下で1時間静置し、蛍光強度(fluorescence intensity)をマイクロプレートリーダー(ARVO又はSpectraMax M5e)の時間分解蛍光モード(Ex:320nm,Em:665nm,620nm)で測定した。ARVOの場合、得られた蛍光強度からAnti cAMP−Cryptateに対するcAMP−d2のRatio値〔Ratio=(665nm/620nm)×10)〕を算出し、当該Ratio値とGraphPad Prismを用いて作製したcAMP標準曲線から、各ウェルにおけるcAMP濃度を算出した。SpectraMax M5eの場合、得られた蛍光強度とSoftmax Proで作製した標準曲線をもとに、各ウェルにおけるcAMP濃度を算出した。
検体化合物のEC50値は、GraphPad Prismを用いて算出した。
【0541】
(結果)
本実験の結果(各検体化合物のEC50値)は、下記第35表に示す通りである。尚、本表中、「++」及び「+++」は、以下の意味を有する。
++: 3μM>EC501μM
+++:1μM>EC50
【0542】
【表35】

【0543】
実験例2
(本発明化合物の血糖上昇抑制作用)
実験方法:
C57BL/6N雄性マウスを21時間絶食後、体重にもとづいてEXSUS Ver7.6NP(Arm Systex Co.,Ltd.)を用いた層別無作為化割付を実施した(n=8)。当該マウスにベヒクル(溶媒:0.1%Tween80/0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース)(対照群)又は該ベヒクルに検体化合物を懸濁した溶液(検体投与群)を経口投与し、検体投与1時間後にグルコース負荷(3g/kg、p.o.)を実施した。被検マウスからの採血は、薬剤投与直前(−60min)、糖負荷直前(0min)、糖負荷30分後(30min)、60分後(60min)及び120分後(120min)の各時点で行った。各時点での血糖値をグルコースCII−テストワコー(和光純薬製)を用いて測定し、当該測定値をもとに各投与群におけるAUC(0−120min)を算出し、EXSUS Ver7.6NP(Arm Systex Co.,Ltd.)を用いて経時型分散分析及びStudent’s t-Testで検定した。
【0544】
結果:
各検体化合物の血糖上昇抑制作用(対照群のAUC(0−120min)を100とした場合の検体投与群のAUC(0−120min)の比の値)を下記第36表に示した。
【0545】
【表36】

【産業上の利用可能性】
【0546】
本発明の有効成分である化合物[I]又はその薬理的に許容し得る塩は、GPR119受容体に対するアゴニスト作用を有することから、本発明の医薬組成物は、当該受容体活性の調節により改善が期待され得る各種疾患又は状態、例えば、肥満症、高血糖、糖尿病及びその合併症、メタボリック症候群、耐糖能障害、高インスリン血症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症及び脂質代謝異常の如き疾患を含む代謝性疾患、或いは動脈硬化、高血圧、冠疾患、心筋梗塞等の心血管疾患の予防・治療に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式[I]:
【化1】

〔式中、Eは式:−NH−、−O−、−C(=O)−、−CH(OH)−又は−CF−で示される基、
環Aはヘテロ原子として1〜2個の窒素原子を含有していてもよい6員芳香環(ここで、該6員芳香環は、a)ハロゲン原子、b)シアノ基、c)アルキルスルホニル基、d)1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、e)式:−CONRで示される基及びf)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる同一もしくは異なる1〜4個の異項原子を含有する5〜6員ヘテロアリール基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい)、
及びRは同一又は異なって水素原子、アルキル基、モノヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基、或いは両者が互いに結合して隣接窒素原子と共に3〜7員含窒素脂肪族複素環式基(該含窒素脂肪族複素環式基は酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を更に含有していてもよく、かつ1〜2個の水酸基で置換されていてもよい)を形成することを表し、
はa)R11OCO−で示されるアシル基(ここで、R11は1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基又はシアノアルキル基を表す)、b)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる同一もしくは異なる1〜4個の異項原子を含有する5〜6員ヘテロアリール基(当該ヘテロアリール基は、ハロゲン原子、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキルアルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、アルコキシカルボニル基及び式:−CONRで示される基(ここでR及びRは、両者が互いに結合して1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい3〜7員含窒素脂肪族複素環式基を形成する)から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい)、又はc)アリール(もしくは含窒素ヘテロアリール)−アルキル基、Rはハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。〕
で示される化合物又はその薬理的に許容し得る塩を有効成分としてなる医薬組成物。
【請求項2】
Eが式:−NH−で示される基、環Aが(i)(a)ハロゲン原子、(b)シアノ基、(c)アルキルスルホニル基、(d)式:−CONRで示される基及び(e)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる同一もしくは異なる1〜3個の異項原子を含有する5員ヘテロアリール基から選ばれる1〜3個の基で置換されたベンゼン環、又は(ii)(a)ハロゲン原子及び(b)式:−CONRで示される基からなる群から選ばれる1〜2個の基で置換されたピリジン環、R及びRが同一又は異なって水素原子、アルキル基、モノヒドロキシアルキル基又はアルコキシアルキル基であるか、或いはR及びRの両者が互いに結合して隣接窒素原子と共に4〜6員含窒素脂肪族複素環式基(該含窒素脂肪族複素環式基は、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を更に含んでいてもよく、かつ1〜2個の水酸基で置換されていてもよい)を形成し、Rがa)R11OCO−で示されるアシル基、b)窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる同一もしくは異なる1〜4個のヘテロ原子を含有し、かつハロゲン原子、アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたアルキル基、シアノアルキル基、シクロアルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、アルコキシカルボニル基又は式:−CONRで示される基で置換された5〜6員へテロアリール基又はc)含窒素6員へテロアリール−アルキル基である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
Eが式:−O−で示される基、環Aがa)ハロゲン原子、b)シアノ基、c)アルキルスルホニル基、d)式:−CONRで示される基及びe)1〜4個の窒素原子を含有する5〜6員へテロアリール基から選ばれる1〜3個の基で置換されたベンゼン環、R及びRが同一又は異なって水素原子又はアルキル基、Rがa)R11OCO−で示されるアシル基又はb)窒素原子及び酸素原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつアルキル基で置換された5〜6員へテロアリール基である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
Eが式:−C(=O)−で示される基、環Aがa)ハロゲン原子及びb)アルキルスルホニル基から選ばれる1〜3個の基で置換されたベンゼン環、RがR11OCO−で示されるアシル基である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
Eが式:−CH(OH)−で示される基、環Aがa)ハロゲン原子及びb)アルキルスルホニル基から選ばれる1〜3個の基で置換されたベンゼン環、RがR11OCO−で示されるアシル基である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項6】
Eが式:−CF−で示される基、環Aがa)ハロゲン原子及びb)アルキルスルホニル基から選ばれる1〜3個の基で置換されたベンゼン環、RがR11OCO−で示されるアシル基である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項7】
Eが式:−NH−又は−O−で示される基、環Aがa)ハロゲン原子、b)シアノ基、c)アルキルスルホニル基、d)式:−CONRで示される基(ここで、R及びRは同一又は異なって水素原子、アルキル基又はモノヒドロキシアルキル基であるか、或いはR及びRの両者が互いに結合して隣接窒素原子とともに5〜6員脂肪族含窒素複素環式基[該複素環式基はヘテロ原子として硫黄原子を更に含有していてもよく、かつ1〜2個の水酸基で置換されていてもよい]を形成することを表す)、及びe)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる同一もしくは異なる1〜3個の異項原子を含有する5〜6員ヘテロアリール基から選ばれる1〜3個の基で置換されたベンゼン環、Rがa)アルコキシカルボニル基又はb)窒素原子及び酸素原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつハロゲン原子、アルキル基、ジハロゲノアルキル基、トリハロゲノアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はジハロゲノアルコキシ基で置換された5〜6員へテロアリール基、かつRがハロゲン原子である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項8】
Eが式:−NH−で示される基である請求項7記載の医薬組成物。
【請求項9】
下式[I−A]:
【化2】

〔式中、Rはa)−CONRで示される基(ここでR及びRは同一もしくは異なって水素原子、アルキル基又はモノヒドロキシアルキル基であるか、或いは両者が互いに結合して隣接窒素原子と共に5〜6員脂肪族含窒素複素環を形成し、当該環式基はヘテロ原子として硫黄原子を更に含んでいてもよく、かつ1〜2個の水酸基で置換されていてもよい)またはb)異項原子として1〜3個の窒素原子を含有する5員ヘテロアリール基、Rはハロゲン原子、R10はa)アルコキシカルボニル基、又はb)窒素原子及び酸素原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、トリハロゲノアルキル基又はアルコキシ基で置換された5〜6員へテロアリール基、R20はハロゲン原子を表す。〕
で示される化合物又はその薬理的に許容し得る塩を有効成分としてなる医薬組成物。
【請求項10】
4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N,N−ジメチルベンズアミド;
4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−クロロ−N,N−ジメチルベンズアミド;
4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルベンズアミド;
[4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロフェニル]((R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン;
[4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロフェニル]((S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン;
4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N−(3−ヒドロキシプロピル)−N−メチルベンズアミド;
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(5−イソプロピル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルベンズアミド;
[4−[7−[1−(5−プロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロフェニル]((R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン;
4−[7−[1−(5−イソプロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルベンズアミド
[4−[7−[1−(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロフェニル]((R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン;
4−[7−[1−(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルベンズアミド;
[4−[7−[1−(5−イソプロピルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロフェニル]((R)−3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)メタノン;
4−[7−[1−(5−クロロピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルベンズアミド;
4−[7−[1−(5−イソプロポキシピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルベンズアミド;
4−[7−[1−(5−イソプロポキシピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−フルオロ−N−(3−ヒドロキシプロピル)−N−メチルベンズアミド;
3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(3−イソプロピル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−フェニル]−ピロリジン−1−イル−メタノン;
4−[5−フルオロ−4−[2−フルオロ−4−(ピロリジン−1−カルボニル)−フェニルアミノ]−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
[3−フルオロ−4−[5−フルオロ−7−[1−(5−トリフルオロメチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−フェニル]((R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン;及び
[4−[7−[1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ]−3−クロロフェニル]((R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン
からなる群から選ばれる化合物又はその薬理的に許容し得る塩を有効成分としてなる医薬組成物。
【請求項11】
GPR119の活性化により治療され得る代謝性疾患又は心血管疾患の予防・治療剤である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項12】
代謝性疾患が肥満症、高血糖、糖尿病及び/又はその合併症、メタボリック症候群、耐糖能障害、高インスリン血症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症又は脂質代謝異常である請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
心血管疾患が動脈硬化、高血圧、冠疾患又は心筋梗塞である請求項12記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2012−20973(P2012−20973A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160698(P2010−160698)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(000002956)田辺三菱製薬株式会社 (225)
【Fターム(参考)】