説明

医薬

【課題】本発明は、精神病に対して広い治療スペクトラムを有し、副作用がなく安全性の高い医薬を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の医薬は、一般式


[式中、環Qは、キノリニル基等を示す。Rは、水素または低級アルキル基を示す。Aは、低級アルキレン基等を示す。]で表される複素環化合物またはその塩からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
統合失調症を始め双極性障害、気分障害及び感情障害の病因がヘテロジーナス(heterogeneous:異種)であることより、薬剤に広い治療スペクトラムを発現させるためには、
複数の薬理作用を併有していることが望まれる。
【0003】
特許文献1には、一般式
【0004】
【化1】

【0005】
[式中、A’は−(CH2mCH2−、−(CH2mO−等を示す。mは1〜4の整数を示す。RAは水素原子、1〜3個の弗素原子で置換されていてもよいC1-4アルキル基等を示す。]
で表されるカルボスチリル誘導体が、D2受容体アンタゴニスト作用及びセロトニン2A(5−HT2A)受容体アンタゴニスト作用を有し、統合失調症及び他の中枢神経疾患の治療に有効であることが開示されている。
【0006】
しかしながら、該特許文献1には、該文献に記載のカルボスチリル誘導体が、D2受容体パーシャルアゴニスト作用、5−HT2A受容体アンタゴニスト作用、α1受容体アンタゴニスト作用及びセロトニン取り込み阻害作用を併有し、広い治療スペクトラムを有する点については全く開示されていない。
【0007】
また特許文献2には、ある種の[1,8]ナフチリジン−2−オン誘導体が開示されている。
【0008】
しかしながら、該特許文献2にも、該文献に記載の[1,8]ナフチリジン−2−オン誘導体が、D2受容体パーシャルアゴニスト作用、5−HT2A受容体アンタゴニスト作用、α1受容体アンタゴニスト作用及びセロトニン取り込み阻害作用を併有し、広い治療スペクトラムを有する点については全く開示されていない。
【特許文献1】WO2004/026864A1
【特許文献2】WO2005/019215A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、公知の定型抗精神病薬及び非定型抗精神病薬に比べて、より広い治療スペクトラムを有し、副作用が少なく、忍容性及び安全性に優れた抗精神病薬を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ドパミンD2受容体パーシャルアゴニスト作用(D2受容体パーシャルアゴニスト作用)、セロトニン5−HT2A受容体アンタゴニスト作用(5−HT2A受容体アンタゴニスト作用)及びアドレナリンα1受容体アンタゴニスト作用(α1受容体アンタゴニスト作用)を有し、更にそれらの作用に加えてセロトニン取り込み阻害作用(あるいはセロトニン再取り込み阻害作用)を併有する新規化合物を合成することに成功した。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
【0011】
本発明は、以下の項1〜11に示す医薬を提供する:
項1.
一般式(1)
【0012】
【化2】

【0013】
[式中、
【0014】
【化3】

【0015】
で示される環Qは、
【0016】
【化4】

【0017】
を示す。
(式中、
【0018】
【化5】

【0019】
は、−NH−CH−、−N=CH−、−CH−NH−、または、−CH=N−を示す。
Z及びYを含む複素環骨格の3位及び4位に示される
【0020】
【化6】

【0021】
の炭素間結合は、一重結合または二重結合を示す。)
環Q上には、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基、アリール基、アリール低級アルキル基、アリール低級アルコキシ基、アリールカルボニル基、低級アルケニルオキシ基、低級アルカノイル基、シクロアルキル基、シクロアルキル低級アルキル基、ハロゲン、低級アルキル基を有していてもよいカルバモイル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルカノイル基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルキル基を有していてもよいアミノ低級アルキル基、チエニル基、窒素原子を1または2個有する3から8員の飽和複素単環低級アルキル基、オキソ基及び低級アルカノイルオキシ基からなる群から選ばれた置換基が少なくとも1つ置換していてもよい。
は、水素または低級アルキル基を示す。
Aは、−O−A−(式中、Aは、ヒドロキシ基が置換していてもよいアルキレン基(該アルキレン基には1個の酸素原子が含まれていてもよい)または低級アルケニレン基を示す。)または低級アルキレン基を示す。
但し、Aが低級アルキレン基を示す場合、環Qは、
【0022】
【化7】

【0023】
及び
【0024】
【化8】

【0025】
からなる群から選択される二環式複素環基を示す。二環式複素環基中の点線を含む炭素間結合は、一重結合または二重結合を示す。]
で表される複素環化合物またはその塩からなる医薬。
【0026】
項2.
環Qが、
【0027】
【化9】

【0028】
及び
【0029】
【化10】

【0030】
からなる群から選択される二環式複素環基を示す。(上記二環式複素環骨格の3位及び4位に示される点線を含む炭素間結合は、一重結合または二重結合を示す。二環式複素環上には、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基、フェニル基、フェニル低級アルキル基、ナフチル低級アルキル基、フェニル低級アルコキシ基、ナフチル低級アルコキシ基、ベンゾイル基、低級アルケニルオキシ基、低級アルカノイル基、C3−C8シクロアルキル基、C3−C8シクロアルキル低級アルキル基、ハロゲン、低級アルキル基を有していてもよいカルバモイル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルカノイル基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルキル基を有していてもよいアミノ低級アルキル基、チエニル基、窒素原子を1または2個有する5から6員の飽和複素単環低級アルキル基、及び低級アルカノイルオキシ基からなる群から選ばれた置換基が1〜4個置換していてもよい)を示し、
Aが、−O−A−(式中、Aは、ヒドロキシ基が置換していてもよいC1−C6アルキレン基(該アルキレン基には1個の酸素原子が含まれていてもよい)を示す
項1に記載の医薬。
【0031】
項3.
環Qが、
【0032】
【化11】

【0033】
及び
【0034】
【化12】

【0035】
からなる群から選択される二環式複素環基(ここで、二環式複素環基上には、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基、フェニル基、フェニル低級アルキル基、ナフチル低級アルキル基、フェニル低級アルコキシ基、ナフチル低級アルコキシ基、ベンゾイル基、低級アルケニルオキシ基、低級アルカノイル基、C3−C8シクロアルキル基、C3−C8シクロアルキル低級アルキル基、ハロゲン、低級アルキル基を有していてもよいカルバモイル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルカノイル基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルキル基を有していてもよいアミノ低級アルキル基、フェニル基、チエニル基、ピロリジニル低級アルキル基及び低級アルカノイルオキシ基からなる群から選ばれた置換基が1〜3個置換していてもよい)を示し、
Aが、−O−A−(式中、Aは、ヒドロキシ基が置換していてもよいC1−C6アルキレン基(該アルキレン基には1個の酸素原子が含まれていてもよい)を示す
項2に記載の医薬。
【0036】
項4.
環Qが
【0037】
【化13】

【0038】
及び
【0039】
【化14】

【0040】
からなる群から選択される二環式基(ここで、環Q上には、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基、フェニル基、フェニル低級アルキル基、ナフチル低級アルキル基、フェニル低級アルコキシ基、ナフチル低級アルコキシ基、ベンゾイル基、低級アルケニルオキシ基、低級アルカノイル基、C3−C8シクロアルキル基、C3−C8シクロアルキル低級アルキル基、ハロゲン、低級アルキル基を有していてもよいカルバモイル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルカノイル基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルキル基を有していてもよいアミノ低級アルキル基、チエニル基、ピロリジニル低級アルキル基及び低級アルカノイルオキシ基からなる群から選ばれた置換基が1〜3個置換していてもよい)を示す
項2に記載の医薬。
【0041】
項5.
環Qが、
【0042】
【化15】

【0043】
及び
【0044】
【化16】

【0045】
からなる群から選択される二環式基(上記二環式複素環骨格の3位及び4位に示される点線を含む炭素間結合は、一重結合または二重結合を示す。上記二環式複素環骨格上には、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基、フェニル基、フェニル低級アルキル基、ナフチル低級アルキル基、フェニル低級アルコキシ基、ナフチル低級アルコキシ基、ベンゾイル基、低級アルケニルオキシ基、低級アルカノイル基、C3−C8シクロアルキル基、C3−C8シクロアルキル低級アルキル基、ハロゲン、低級アルキル基を有していてもよいカルバモイル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルカノイル基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルキル基を有していてもよいアミノ低級アルキル基、チエニル基、ピロリジニル低級アルキル基、オキソ基及び低級アルカノイルオキシ基からなる群から選ばれた置換基が1〜4個置換していてもよい。)を示し、
Aが低級アルキレン基を示す
項1に記載の医薬。
【0046】
項6.
環Qが、
【0047】
【化17】

【0048】
及び
【0049】
【化18】

【0050】
からなる群から選択される上記二環式複素環基(上記二環式複素環骨格の3位及び4位に示される点線を含む炭素間結合は、一重結合または二重結合を示す。上記二環式複素環骨格上には、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基、フェニル基、フェニル低級アルキル基、ナフチル低級アルキル基、フェニル低級アルコキシ基、ナフチル低級アルコキシ基、ベンゾイル基、低級アルケニルオキシ基、低級アルカノイル基、C3−C8シクロアルキル基、C3−C8シクロアルキル低級アルキル基、ハロゲン、低級アルキル基を有していてもよいカルバモイル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルカノイル基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルキル基を有していてもよいアミノ低級アルキル基、チエニル基、ピロリジニル低級アルキル基及び低級アルカノイルオキシ基からなる群から選ばれた置換基が1〜3個置換していてもよい。)を示す項5に記載の医薬。
【0051】
項7.
(1)7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン、
(2)7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−1H−キノリン−2−オン、
(3)7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン、
(4)7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン、
(5)7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンおよび
(6)6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンからなる群から選ばれた化合物からなる項3に記載の医薬。
【0052】
項8.
(1)7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン、
(2)7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン、
(3)7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン、
(4)7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン、
(5)7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2H−イソキノリン−1−オンおよび
(6)7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−2H−イソキノリン−1−オンからなる群から選ばれた化合物からなる項4に記載の医薬。
【0053】
項9.
一般式(1)
【0054】
【化19】

【0055】
[式中、
【0056】
【化20】

【0057】
で示される環Qは、
【0058】
【化21】

【0059】
を示す。
(式中、
【0060】
【化22】

【0061】
は、−NH−CH−、−N=CH−、−CH−NH−、または、−CH=N−を示す。
Z及びYを含む複素環骨格の3位及び4位に示される
【0062】
【化23】

【0063】
の炭素間結合は、一重結合または二重結合を示す。)
(ここで、環Q上には、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基、アリール基、アリール低級アルキル基、アリール低級アルコキシ基、アリールカルボニル基、低級アルケニルオキシ基、低級アルカノイル基、シクロアルキル基、シクロアルキル低級アルキル基、ハロゲン、低級アルキル基を有していてもよいカルバモイル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルカノイル基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルキル基を有していてもよいアミノ低級アルキル基、チエニル基、窒素原子を1または2個有する3から8員の飽和複素単環低級アルキル基、オキソ基及び低級アルカノイルオキシ基からなる群から選ばれた置換基が少なくとも1つ置換していてもよい。
は、水素または低級アルキル基を示す。
Aは、−O−A−(式中、Aは、ヒドロキシ基が置換していてもよいアルキレン基(該アルキレン基には1個の酸素原子が含まれていてもよい。)または低級アルケニレン基を示す。)または低級アルキレン基を示す。
但し、Aが低級アルキレン基を示す場合、環Qは、
【0064】
【化24】

【0065】
及び
【0066】
【化25】

【0067】
からなる群から選択される二環式複素環基を示す。二環式複素環基中の点線を含む炭素間結合は、一重結合または二重結合を示す。]
で表される複素環化合物またはその塩であって、
一般式
【0068】
【化26】

【0069】
[式中、環Q及びAは前記に同じ。Xは、ハロゲン原子またはハロゲン原子と同様の置換反応を起こす基を示す。]
で表される化合物またはその塩と、
一般式
【0070】
【化27】

【0071】
[式中、Rは前記に同じ。]
で表される化合物またはその塩とを反応させることにより製造される複素環化合物またはその塩からなる医薬。
【0072】
項10.
中枢神経疾患を予防または治療するための項1〜9のいずれか一項に記載の医薬。
【0073】
項11.統合失調症、治療抵抗性、難治性または慢性統合失調症、失調感情障害、精神病性障害、気分障害、双極性障害、うつ病、内因性うつ病、大うつ病、メランコリー及び治療抵抗性うつ病、気分変調性障害、気分循環性障害、不安障害、身体表現性障害、虚偽性障害、解離性障害、性障害、摂食障害、睡眠障害、適応障害、物質関連障害、無快感症、せん妄、認知障害、神経変性疾患に伴う認知障害、神経変性疾患に起因した認知障害、統合失調症の認知障害、治療抵抗性、難治性または慢性統合失調症に起因する認知障害、嘔吐、乗物酔い、肥満、偏頭痛、疼痛、精神遅滞、自閉性障害、トウレット障害、チック障害、注意欠陥多動性障害、行為障害ならびにダウン症候群からなる群より選ばれる中枢神経疾患を予防または治療するための項10記載の医薬。
【0074】
また本発明は、
項12.項1〜9のいずれか一項に記載の医薬を有効成分とするドパミンD受容体パーシャルアゴニスト及び/または5−HT2A受容体アンタゴニスト及び/またはセロトニン取り込み阻害剤及び/またはセロトニン再取り込み阻害剤及び/またはα受容体アンタゴニスト、
を提供する。
【0075】
本発明はさらに、以下の項13に示す医薬組成物及び項14に示す医薬組成物の製造方法を提供する:
項13.項1〜9のいずれか一項に記載の医薬と医薬上許容され得る担体とを含む医薬組成物。
【0076】
項14.項1〜9のいずれか一項に記載の医薬と医薬上許容され得る担体とを混合することを含む医薬組成物の製造方法。
【0077】
前記一般式において示される各基は、具体的には次の通りである。
【0078】
低級アルキル基としては、炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4)の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を挙げることができる。より具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、1−エチルプロピル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、1,2,2−トリメチルプロピル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、イソヘキシル、3−メチルペンチル基等が含まれる。
【0079】
低級アルケニル基としては、二重結合を1〜3個有する炭素数2〜6(好ましくは炭素数2〜4)の直鎖または分枝鎖状アルケニル基を挙げることができ、トランス体及びシス体の両者を包含する。より具体的には、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチル−1−プロぺニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル、1−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、1−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1,3−ブタジエニル、1,3−ペンタジエニル、2−ペンテン−4−イニル、2−ヘキセニル、1−ヘキセニル、5−へキセニル、3−ヘキセニル、4−へキセニル、3,3−ジメチル−1−プロペニル、2−エチル−1−プロペニル、1,3,5−ヘキサトリエニル、1,3−ヘキサジエニル、1,4−ヘキサジエニル基等が含まれる。
【0080】
低級アルキニル基としては、炭素数2〜6(好ましくは炭素数2〜4)の直鎖または分枝鎖状アルキニル基を挙げることができる。より具体的には、エチニル、2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、2−ペンチニル、2−ヘキシニル基等が含まれる。
【0081】
低級アルコキシ基としては、炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4)の直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基を挙げることができる。より具体的には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、3−メチルペンチルオキシ基等が含まれる。
【0082】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
【0083】
ハロゲン置換低級アルキル基としては、ハロゲン原子が1〜7個、より好ましくは1〜3個置換した前記例示の低級アルキル基を挙げることができる。より具体的には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、ジクロロフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、ヘプタフルオロイソプロピル、3−クロロプロピル、2−クロロプロピル、3−ブロモプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、4−クロロブチル、4−ブロモブチル、2−クロロブチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、5−クロロペンチル、6,6,6−トリフルオロへキシル、6−クロロヘキシル、ペルフルオロヘキシル等が含まれる。
【0084】
アリール基としては、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル等を挙げることができ、フェニル環またはナフタレン環上に置換基として前記例示の低級アルキル基(好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは炭素数1〜4)の直鎖または分枝鎖状アルキル基)、前記例示の低級アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは炭素数1〜4)の直鎖または分枝鎖状アルコキシ基)、ニトロ基及びハロゲン原子なる群より選ばれた基を1〜3個有していてもよいフェニル、ビフェニル、ナフチル基等が含まれる。アリール基の具体例としては、フェニル、2−(または3−または4−)メチルフェニル、2−(または3−または4−)ニトロフェニル、2−(または3−または4−)メトキシフェニル、2−(または3−または4−)クロロフェニル、ビフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等を例示できる。
【0085】
アリール低級アルキル基としては、前記例示のアリール基を1〜3個、好ましくは1個有する前記例示の低級アルキル基(好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは炭素数1〜4)の直鎖または分枝鎖状アルキル基)を挙げることができる。アリール低級アルキル基の具体例としては、ベンジル、2−(または3−または4−)メチルベンジル、2−(または3−または4−)ニトロベンジル、2−(または3−または4−)メトキシベンジル、2−(または3−または4−)クロロベンジル、1−(または2−)フェニルエチル、1−メチル−1−フェニルエチル、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル、1,1−ジメチル−3−フェニルプロピル、α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチル基等が含まれる。
【0086】
アリール低級アルコキシ基としては、前記例示のアリール基を1〜3個、好ましくは1個有する前記例示の低級アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは炭素数1〜4)の直鎖または分枝鎖状アルコキシ基)を挙げることができる。アリール低級アルコキシ基の具体例としては、ベンジルオキシ、2−(または3−または4−)メチルベンジルオキシ、2−(または3−または4−)ニトロベンジルオキシ、2−(または3−または4−)メトキシベンジルオキシ、2−(または3−または4−)クロロベンジルオキシ、1−(または2−)フェニルエトキシ、1−メチル−1−フェニルエトキシ、1,1−ジメチル−2−フェニルエトキシ、1,1−ジメチル−3−フェニルプロポキシ、α−ナフチルメトキシ、β−ナフチルメトキシ基等が含まれる。
【0087】
アリールカルボニル基のアリール部分としては、前記例示のアリール基を挙げることができる。アリールカルボニル基の具体例としては、ベンゾイル、2−(または3−または4−)メチルベンゾイル、2−(または3−または4−)ニトロベンゾイル、2−(または3−または4−)メトキシベンゾイル、2−(または3−または4−)クロロベンゾイル、α−ナフトイル、β−ナフトイル基等が含まれる。
【0088】
低級アルケニルオキシ基としては、低級アルケニル部分が前記例示のものである低級アルケニルオキシ基(好ましくは二重結合を1〜3個有する炭素数2〜6(より好ましくは炭素数2〜4)の直鎖または分枝鎖状アルケニルオキシ基)を挙げることができる。より具体的には、ビニルオキシ、1−プロペニルオキシ、1−メチル−1−プロぺニルオキシ、2−メチル−1−プロペニルオキシ、2−プロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、1−ブテニルオキシ、3−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、1−ペンテニルオキシ、3−ペンテニルオキシ、4−ペンテニルオキシ、1,3−ブタジエニルオキシ、1,3−ペンタジエニルオキシ、2−ペンテン−4−イニルオキシ、2−ヘキセニルオキシ、1−ヘキセニルオキシ、5−へキセニルオキシ、3−ヘキセニルオキシ、4−へキセニルオキシ、3,3−ジメチル−1−プロペニルオキシ、2−エチル−1−プロペニルオキシ、1,3,5−ヘキサトリエニルオキシ、1,3−ヘキサジエニルオキシ、1,4−ヘキサジエニルオキシ基等が含まれる。
【0089】
低級アルカノイル基としては、炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4)の直鎖または分枝鎖状アルカノイル基を挙げることができる。より具体的には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、tert−ブチルカルボニル、ヘキサノイル基等が含まれる。
【0090】
シクロアルキル基としては、炭素原子を3〜8個有するシクロC3−C8アルキル基をあげることができ、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基等を挙げることができる。
【0091】
シクロアルキル低級アルキル基としては、前記例示のシクロアルキル基(好ましくは炭素原子を3〜8個有するシクロC3−C8アルキル基)を1〜3個、好ましくは1個有する、前記例示の低級アルキル基(好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは炭素数1〜4)の直鎖または分枝鎖状アルキル基)を挙げることができる。より具体的には、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロプロピルエチル、1−シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、3−シクロペンチルプロピル、4−シクロヘキシルブチル、5−シクロヘプチルペンチル、6−シクロオクチルヘキシル、1,1−ジメチル−2−シクロヘキシルエチル、2−メチル−3−シクロプロピルプロピル基等が含まれる。
【0092】
低級アルキル基を有していてもよいカルバモイル基としては、前記例示の低級アルキル基(好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは炭素数1〜4)の直鎖または分枝鎖状アルキル基)を1〜2個有していてもよいカルバモイル基を挙げることができる。より具体的には、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−エチルカルバモイル基等を挙げることができる。
【0093】
低級アルコキシカルボニル基としては、低級アルコキシ部分が前記例示のものであり、好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは炭素数1〜4)の直鎖状または分岐鎖状のアルコキシカルボニル基を挙げることができる。より具体的には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシカルボニル、イソヘキシルオキシカルボニル、3−メチルペンチルオキシカルボニル基等が含まれる。
【0094】
低級アルカノイル基を有するアミノ基としては、前記例示の低級アルカノイル基(好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは炭素数1〜4)の直鎖または分枝鎖状アルカノイル基を1個有することのあるアミノ基を挙げることができる。より具体的には、例えば、アミノ、N−ホルミルアミノ、N−アセチルアミノを挙げることができる。
【0095】
ヒドロキシ低級アルキル基としては、ヒドロキシ基を1〜5個、好ましくは1〜3個有する前記例示の低級アルキル基(好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは炭素数1〜4)の直鎖または分枝鎖状アルキル基)を挙げることができる。より具体的には、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、3,3−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル、2−メチル−3−ヒドロキシプロピル、2,3,4−トリヒドロキシブチル、ペルヒドロキシヘキシル基等が含まれる。
【0096】
低級アルキル基を有していてもよいアミノ低級アルキル基としては、前記例示の低級アルキル基(好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは炭素数1〜4)の直鎖または分枝鎖状アルキル基)を1〜2個有していてもよいアミノ基を1〜5個、好ましくは1個有する、前記例示の低級アルキル基(好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは炭素数1〜4)の直鎖または分枝鎖状アルキル基)を挙げることができる。このような低級アルキル基を有していてもよいアミノ低級アルキル基は、より具体例には、アミノメチル、2−アミノエチル、1−アミノエチル、3−アミノプロピル、4−アミノブチル、5−アミノペンチル、6−アミノヘキシル、1,1−ジメチル−2−アミノエチル、2−メチル−3−アミノプロピル、N,N−ジメチルアミノメチル、N−メチル−N−エチルアミノメチル、N−メチルアミノメチル、2−(N−メチルアミノ)エチル、1−メチル−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、2−(N,N−ジイソプロピルアミノ)エチル、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル基等が含まれる。
【0097】
窒素原子を1または2個有する3から8員の飽和複素単環基としては、例えば、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル基等を挙げることができ、好ましくは、例えば、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル基のような窒素原子を1または2個有する5から6員の飽和複素単環基を挙げられる。
【0098】
窒素原子を1または2個有する3から8員の飽和複素単環低級アルキル基としては、前記例示の窒素原子を1または2個有する3から8員(より好ましくは5から6員)の飽和複素単環基を1〜2個(好ましくは1個)有する前記例示の低級アルキル基(好ましくは炭素1〜6(より好ましくは炭素数1〜4)の直鎖または分枝鎖状アルキル基)を挙げることができる。より具体的には、[(1−、2−または3−)アゼチジニル]メチル、[(1−、2−または3−)ピロリジニル]メチル、[(1−、2−または4−)イミダゾリジニル]メチル、[(1−、3−または4−)ピラゾリジニル]メチル、[(1−、2−、3−または4−)ピペリジル]メチル、[(2−、3−または4−)モルホリニル]メチル、2−[(1−、2−または3−)ピロリジニル]エチル、1−[(1−、2−または3−)ピロリジニル]エチル、3−[(1−、2−または3−)ピペリジル]プロピル、4−[(1−、2−または3−)ピロリジニル]ブチル、5−[(1−、2−または3−)ピペリジル]ペンチル等が含まれる。
【0099】
低級アルカノイルオキシ基としては、炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4)の直鎖または分枝鎖状アルカノイルオキシ基を挙げることができる。より具体的には、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、ヘキサノイルオキシ基等が含まれる。
【0100】
アルキレン基(該アルキレン基には1個の酸素原子が含まれていてもよい)としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、2−メチルトリメチレン、3−メチルテトラメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、1−メチルトリメチレン、メチルメチレン、エチルメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、2−エトキシエチレン、メトキシメチレン、1−エトキシエチレン、2−メトキシエチレン、2−プロポキシエチレン、3−イソプロポキシトリメチレン、4−ブトキシテトラメチレン、5−ペンチルオキシペンタメチレン、6−ヘキシルオキシヘキサメチレン、1,1−ジメチル−2−メトキシエチレン、2−メチル−3−エトキシトリメチレン、3−メトキシトリメチレン基等の炭素数1〜12(好ましくは1〜6)の直鎖または分枝鎖状アルキレン基(該アルキレン基には1個の酸素原子が含まれていてもよい)を挙げることができる。
【0101】
ヒドロキシ基が置換していてもよいアルキレン基(該アルキレン基には1個の酸素原子が含まれていてもよい)としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、2−メチルトリメチレン、3−メチルテトラメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、1−メチルトリメチレン、メチルメチレン、エチルメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、2−エトキシエチレン(−CHCHOCHCH−)、メトキシメチレン(−CHOCH−)、1−エトキシエチレン(−CHCHOCH(CH)−)、2−メトキシエチレン(−CHOCHCH−)、2−プロポキシエチレン(−CHCHCHOCHCH−)、3−イソプロポキシトリメチレン(−CH(CH)CHOCHCHCH−)、4−ブトキシテトラメチレン(−CHCHCHCHOCHCHCHCH−)、5−ペンチルオキシペンタメチレン(−CHCHCHCHCHOCHCHCHCHCH−)、6−ヘキシルオキシヘキサメチレン(−CHCHCHCHCHCHOCHCHCHCHCHCH−)、1,1−ジメチル−2−メトキシエチレン(−CHOCHC(CH−)、2−メチル−3−エトキシトリメチレン(−CHCHOCHCH(CH)CH−)、3−メトキシトリメチレン(−CHOCHCHCH−)、ヒドロキシメチレン、1−ヒドロキシエチレン、2−ヒドロキシトリメチレン、2−ヒドロキシメチルトリメチレン、3−テトラメチレン、3−ペンタメチレン、4−ヘキサメチレン、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチレン(−CH(OH)CHOCHCHCH−)、ヒドロキシメトキシメチレン(−CH(OH)OCH−)、1−(2−ヒドロキシエトキシ)エチレン(−CH(OH)CHOCH(CH)−)、4−(4−ヒドロキシブトキシ)テトラメチレン(−CH(OH)CHCHCHOCHCHCHCH−)、5−(5−ヒドロキシペンチルオキシ)ペンタメチレン(−CH(OH)CHCHCHCHOCHCHCHCHCH−)、6−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)ヘキサメチレン(−CH(OH)CHCHCHCHCHOCHCHCHCHCHCH−)、2,3−ジヒドロキシトリメチレン、2,3,4−トリヒドロキシペンタメチレン、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)トリメチレン(−CH(OH)CH(OH)CHOCHCHCH−)基等のヒドロキシ基が1〜3個置換していてもよい炭素数1〜12(好ましくは1〜6)の直鎖または分枝鎖状アルキレン基(該アルキレン基には1個の酸素原子が含まれていてもよい)を挙げることができる。
【0102】
低級アルケニレン基としては、例えば、ビニレン、1−プロペニレン、1−メチル−1−プロペニレン、2−メチル−1−プロペニレン、2−プロペニレン、2−ブテニレン、1−ブテニレン、3−ブテニレン、2−ペンテニレン、1−ペンテニレン、3−ペンテニレン、4−ペンテニレン、1,3−ブタジエニレン、1,3−ペンタジエニレン、2−ペンテン−4−イニレン、2−ヘキセニレン、1−ヘキセニレン、5−へキセニレン、3−ヘキセニレン、4−へキセニレン、3,3−ジメチル−1−プロペニレン、2−エチル−1−プロペニレン、1,3,5−ヘキサトリエニレン、1,3−ヘキサジエニレン、1,4−ヘキサジエニレン基等の二重結合を1〜3個有する炭素数2〜6(好ましくは炭素数2〜4)の直鎖または分枝鎖状アルケニレン基を例示できる。
【0103】
低級アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、2−メチルトリメチレン、3−メチルテトラメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、1−メチルトリメチレン、メチルメチレン、エチルメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン基等の炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4)の直鎖または分枝鎖状アルキレン基を挙げることができる。
【0104】
上記一般式(1)で表される複素環化合物は、種々の方法により製造され得るが、その一例を示せば、例えば下記反応式で示される方法により製造される。
[反応式−1]
【0105】
【化28】

【0106】
[式中、環Q、A、R及びXは、前記に同じ。]
一般式(2)において、X1で示されるハロゲン原子は、前記に同じ。
【0107】
ハロゲン原子と同様の置換反応を起こす基としては、例えば、低級アルカンスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アラルキルスルホニルオキシ基等を例示できる。
【0108】
1で示される低級アルカンスルホニルオキシ基としては、具体的にはメタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、n−プロパンスルホニルオキシ、イソプロパンスルホニルオキシ、n−ブタンスルホニルオキシ、tert−ブタンスルホニルオキシ、n−ペンタンスルホニルオキシ、n−ヘキサンスルホニルオキシ基の炭素数が1〜6の直鎖または分枝鎖状のアルカンスルホニルオキシ基等を例示できる。
【0109】
1で示されるアリールスルホニルオキシ基としては、例えば、フェニル環上に置換基として炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖状アルキル基、炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖状アルコキシ基、ニトロ基及びハロゲン原子なる群より選ばれた基を1〜3個有することのあるフェニルスルホニルオキシ、ナフチルスルホニルオキシ基等を挙げることができる。上記置換基を有することのあるフェニルスルホニルオキシ基の具体例としては、フェニルスルホニルオキシ、4−メチルフェニルスルホニルオキシ、2−メチルフェニルスルホニルオキシ、4−ニトロフェニルスルホニルオキシ、4−メトキシフェニルスルホニルオキシ、2−ニトロフェニルスルホニルオキシ、3−クロロフェニルスルホニルオキシ基等を例示できる。ナフチルスルホニルオキシ基の具体例としては、α−ナフチルスルホニルオキシ、β−ナフチルスルホニルオキシ基等を例示できる。
【0110】
1で示されるアラルキルスルホニルオキシ基としては、例えば、フェニル環上に置換基として炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖状アルキル基、炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖状アルコキシ基、ニトロ基及びハロゲン原子なる群より選ばれた基を1〜3個有することのあるフェニル基が置換した炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖状のアルカンスルホニルオキシ基、ナフチル基が置換した炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖状のアルカンスルホニルオキシ基等を挙げることができる。上記フェニル基が置換したアルカンスルホニルオキシ基の具体例としては、ベンジルスルホニルオキシ、2−フェニルエチルスルホニルオキシ、4−フェニルブチルスルホニルオキシ、4−メチルベンジルスルホニルオキシ、2−メチルベンジルスルホニルオキシ、4−ニトロベンジルスルホニルオキシ、4−メトキシベンジルスルホニルオキシ、3−クロロベンジルスルホニルオキシ基等を例示できる。上記ナフチル基が置換したアルカンスルホニルオキシ基の具体例としては、α−ナフチルメチルスルホニルオキシ、β−ナフチルメチルスルホニルオキシ基等を例示できる。
【0111】
一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物との反応は、無溶媒または不活性溶媒中、塩基性化合物の存在下または非存在下にて行われる。
【0112】
不活性溶媒としては、例えば、水;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸トリアミド、アセトニトリル等の極性溶剤を挙げることができる。
【0113】
塩基性化合物としては、公知のものを広く使用でき、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;ナトリウムアミド、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の無機塩基、及びナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコラート類;トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ピリジン、キノリン、ピペリジン、イミダゾール、N−エチルジイソプロピルアミン、ジメチルアミノピリジン、トリメチルアミン、ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN),1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等の有機塩基を挙げることができる。
【0114】
これらの塩基性化合物は、1種単独でまたは2種以上混合して使用される。
【0115】
塩基性化合物の使用量は、一般式(2)の化合物に対して、通常0.5〜10倍モル、好ましくは0.5〜6倍モルである。
【0116】
上記反応は、必要に応じて反応促進剤として、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等のヨウ化アルカリ金属を添加して行うことができる。
【0117】
上記反応式−1における一般式(2)の化合物と一般式(3)の化合物との使用割合は、通常前者に対し後者を少なくとも0.5倍モル、好ましくは0.5〜5倍モル程度とすればよい。
【0118】
上記反応は、通常室温〜200℃、好ましくは室温〜150℃の温度条件下で行われ、一般に1〜30時間程度にて終了する。
[反応式−2]
【0119】
【化29】

【0120】
[式中、環Q、R及びAは、前記に同じ。X2は、水酸基、ハロゲン原子またはハロゲン原子と同様の置換反応を起こす基を示す。]
一般式(4)で表される化合物と一般式(5a)で表される化合物との反応は、前記反応式−1における一般式(2)の化合物と一般式(3)の化合物との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0121】
2が水酸基を示す化合物(4)の場合は、化合物(4)と化合物(5a)の反応は、適当な溶媒中、縮合剤の存在下に行うこともできる。
【0122】
ここで使用される溶媒としては、具体的には、水;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ等のアルコール類;アセトニトリル、ピリジン、アセトン、DMF、DMSO、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0123】
縮合剤としては、ジエチルアゾジカルボキシレート等のアゾカルボキシレート類及びトリフェニルホスフィン等の燐化合物の混合物等を挙げることができる。
【0124】
縮合剤の使用量は、化合物(4)に対して、通常少なくとも等モル量、好ましくは等モル〜2倍モル量とするのがよい。
【0125】
化合物(5a)の使用量は、化合物(4)に対して、通常少なくとも等モル量、好ましくは等モル〜2倍モル量とするのがよい。
【0126】
この反応は、通常0〜200℃、好ましくは0〜150℃程度にて好適に進行し、一般に1〜10時間程度で終了する。
[反応式−3]
【0127】
【化30】

【0128】
[式中、Rは、前記に同じ。Xは、ハロゲン原子またはハロゲン原子と同様な置換反応を起こす基を示す。Aは低級アルキレン基を示す。
環Q1は、
【0129】
【化31】

【0130】
及び
【0131】
【化32】

【0132】
からなる群から選択される二環式複素環基を示す。二環式複素環基中の点線を含む炭素間結合は、一重結合または二重結合を示す。
ここで、環Q1上には、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、アリール基、アリール低級アルキル基、アリール低級アルコキシ基、低級アルケニルオキシ基、低級アルカノイル基、シクロアルキル基、シクロアルキル(低級)アルキル基、ハロゲン、低級アルキル基を有していてもよいカルバモイル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルカノイル基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルキル基を有するアミノ低級アルキル基、チエニル基、窒素原子を1または2個有する3から8員の飽和複素単環低級アルキル基及びオキソ基からなる群から選ばれた置換基が少なくとも1つ置換していてもよい。]
一般式(6)で表される化合物と一般式(5b)で表される化合物との反応は、前記反応式−1における一般式(2)の化合物と一般式(3)の化合物との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0133】
出発原料として用いられる一般式(2)の化合物は、例えば、下記反応式−4に示す方法に従い、また一般式(5)で表される化合物は、例えば、下記反応式−5に示す方法に従い、それぞれ製造される。
[反応式−4]
【0134】
【化33】

【0135】
[式中、環Q、A、X及びXは前記に同じ。]
一般式(4)で表される化合物と一般式(8)で表される化合物との反応は、前記反応式−2における一般式(4)の化合物と一般式(5a)の化合物との反応と同様の反応条件下に行われる。
[反応式−5]
【0136】
【化34】

【0137】
[式中、R、A及びXは前記に同じ。Xは、ハロゲン原子またはハロゲン原子と同様な置換反応を起こす基を示す。]
一般式(3)で表される化合物と一般式(9)で表される化合物との反応は、前記反応式−1における一般式(2)の化合物と一般式(3)の化合物との反応と同様の反応条件下に行われる。一般式(3)の化合物及び一般式(9)の化合物は、いずれも入手が容易な公知の化合物である。
【0138】
化合物(1)において、環Q上に水酸基を有する化合物は、環Q上にメトキシ基を有する化合物(1)を適当な溶媒中または無溶媒下、酸の存在下に処理することにより製造される。
【0139】
ここで、用いられる不活性溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム等のエーテル類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;酢酸等の脂肪酸;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;アセトニトリル、ピリジン、DMF、DMSO、ヘキサメチルリン酸トリアミドまたはこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
【0140】
酸としては、例えば、臭化水素酸、塩酸、濃硫酸等の鉱酸、蟻酸、酢酸等の脂肪酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化錫、三弗化硼素、三臭化硼素等ルイス酸、沃化ナトリウム、沃化カリウム等の沃化物、上記ルイス酸と沃化物の混合物等が挙げられる。
【0141】
かかる酸は、化合物(1)に対して、通常0.1〜15倍モル量、好ましくは0.5〜10倍モル量使用するのがよい。無溶媒下に反応を行う場合には、酸は、通常大過剰量使用される。
【0142】
この反応は、通常0〜150℃、好ましくは0〜100℃程度にて行われ、一般に0.5〜75時間程度で終了する。
【0143】
上記各反応式において用いられる原料化合物は、好適な塩であってもよく、また各反応で得られる目的化合物も好適な塩を形成していてもよい。それらの好適な塩は以下に例示されている化合物(1)の好適な塩が挙げられる。
【0144】
化合物(1)の好適な塩は、薬理的に許容される塩であって、例えば、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等)等の金属塩、アンモニウム塩、炭酸アルカリ金属(例えば、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等)、炭酸水素アルカリ金属(例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等)等の無機塩基の塩;例えば、トリ(低級)アルキルアミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン等)、ピリジン、キノリン、ピペリジン、イミダゾール、ピコリン、ジメチルアミノピリジン、ジメチルアニリン、N−(低級)アルキル−モルホリン(例えば、N−メチルモルホリン等)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1、8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等の有機塩基の塩;塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸の塩;ギ酸、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、炭酸塩、ピクリン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩等の有機酸の塩等が挙げられる。
【0145】
また、各反応式において示された原料及び目的化合物に溶媒和物(例えば、水和物、エタノレート等)が付加された形態の化合物も、各々の一般式に含まれる。好ましい溶媒和物としては水和物が挙げられる。
【0146】
上記各反応式で得られる各々の目的化合物は、反応混合物を、例えば、冷却した後、濾過、濃縮、抽出等の単離操作によって粗反応生成物を分離し、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の通常の精製操作によって、反応混合物から単離精製することができる。
【0147】
一般式(1)で表される化合物には、幾何異性体、立体異性体、光学異性体等の異性体も当然に包含される。
【0148】
一般式(1)の化合物及びその塩は、それ自身で医薬として使用される。また、一般式(1)の化合物またはその塩からなる医薬は、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤あるいは賦形剤と混合して医薬製剤として用いてもよい。この医薬製剤としては各種の形態が治療目的に応じて選択でき、その代表的なものとして錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等が挙げられる。
【0149】
以下、一般式(1)の化合物またはその塩を医薬製剤として使用する態様につき詳述する。
【0150】
錠剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来よりよく知られている各種のものを広く使用することができる。その例としては、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を使用できる。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
【0151】
丸剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用できる。その例としては、例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を使用できる。
【0152】
坐剤の形態に成形するに際しては、担体として従来公知のものを広く使用できる。その例としては、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を挙げることができる。
【0153】
カプセル剤は常法に従い通常有効成分化合物を上記で例示した各種の担体と混合して硬質ゼラチンカプセル、軟質カプセル等に充填して調製される。
【0154】
注射剤として調製される場合、液剤、乳剤及び懸濁剤は殺菌され、且つ血液と等張であるのが好ましく、これらの形態に成形するに際しては、希釈剤としてこの分野において慣用されているものをすべて使用でき、例えば水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用できる。
【0155】
なお、この場合等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を医薬製剤中に含有させることもできる。
【0156】
本発明の医薬製剤中に含有されるべき一般式(1)の化合物またはその塩の量としては、特に限定されず広範囲から適宜選択されるが、通常製剤組成物中に約1〜70重量%、好ましくは約1〜30重量%とするのがよい。
【0157】
本発明の医薬製剤の投与方法は特に制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じた方法で投与される。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場合には、経口投与される。また注射剤の場合には単独でまたはブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、更に必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直腸内投与される。
【0158】
本発明医薬製剤の投与量は、用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択されるが、通常有効成分化合物の量が、1日当り体重1kg当り、約0.1〜10mg程度とするのがよい。また投与単位形態の製剤中には有効成分化合物が約1〜200mgの範囲で含有されるのが望ましい。
【0159】
一般式(1)またはその塩からなる医薬を用いる場合においても、上記と同じ投与方法、投与量等を適宜選択して使用できる。
【発明の効果】
【0160】
本発明の医薬及び医薬製剤は、D2受容体パーシャルアゴニスト作用、5−HT2A受容体アンタゴニスト作用及びセロトニン取り込み阻害作用(あるいはセロトニン再取り込み阻害作用)を有している。
【0161】
2受容体パーシャルアゴニスト作用は、ドパミン(DA)作動性神経伝達が亢進している場合にはこれを抑制し、一方、DA作動性神経伝達が低下している場合にはこれを促進してDA神経伝達を正常な状態へ安定化させる働き(dopamine system stabilizer、ドパミンシステムスタビライザー)を有している。この働きにより、副作用を発現することなく、DA神経伝達異常(亢進及び低下)に基づく症状に対して、優れた臨床改善作用、例えば、陽性及び陰性症状改善作用、認知障害改善作用、うつ症状改善作用等を発現する(融道男:精神医学,第46巻,第855〜864頁(2004)、菊地哲朗及び廣瀬毅:脳の科学,第25巻,第579〜583頁(2004)及びHarrison, T. S. and Perry, C. M.: Drugs 64: 1715-1736, 2004 参照)。
【0162】
5−HT2A受容体アンタゴニスト作用は、錐体外路系副作用を軽減すると共に、優れた臨床効果を発現し、例えば、陰性症状改善、認知障害改善、うつ症状改善、不眠改善等に有効である(石郷岡純及び稲田健:臨床精神薬理,第4巻,第1653〜1664頁(2001)、村崎光邦:臨床精神薬理,第1巻,第5〜22頁(1998)、Pullar, I.A. et al., : Eur. J. Pharmacol., 407:_39-46, 2000及びMeltzer, H. Y. et al.: Prog. Neuro-psychopharmacol. Biol. Psychiatry 27: 1159-1172, 2003 参照)。
【0163】
セロトニン取り込み阻害作用(あるいはセロトニン再取り込み阻害作用)は、例えば、うつ症状の改善に有効である(村崎光邦:臨床精神薬理,第1巻,第5〜22頁(1998)参照)。
【0164】
本発明の医薬及び医薬製剤は、これら3つの作用が全て優れているか、またはこれら作用のうち1つまたは2つが顕著に優れている。
【0165】
また、本発明の医薬及び医薬製剤のうちのあるものは、上記作用に加えて、α1受容体アンタゴニスト作用を有している。α1受容体アンタゴニスト作用は、統合失調症の陽性症状の改善に有効である(Svensson, T. H.: Prog. Neuro-psychopharmacol. Biol. Psychiatry 27:1145-1158, 2003 参照)。
【0166】
そのため、本発明の医薬及び医薬製剤は、中枢神経疾患(特に統合失調症)に対して広い治療スペクトラムを有し、優れた臨床効果を備えている。
【0167】
従って、本発明の医薬及び医薬製剤は、統合失調症、治療抵抗性、難治性または慢性統合失調症、失調感情障害、精神病性障害、気分障害、双極性障害(例えば、双極性I型障害及び双極性II型障害)、うつ病、内因性うつ病、大うつ病、メランコリー及び治療抵抗性うつ病、気分変調性障害、気分循環性障害、不安障害(例えば、パニック発作、パニック障害、広場恐怖、社会恐怖、強迫性障害、外傷後ストレス障害、全般性不安障害、急性ストレス障害等)、身体表現性障害(例えば、ヒステリー、身体化障害、転換性障害、疼痛性障害、心気症等)、虚偽性障害、解離性障害、性障害(例えば、性機能不全、性的欲求障害、性的興奮障害、勃起障害等)、摂食障害(例えば、神経性無食欲症、神経性大食症等)、睡眠障害、適応障害、物質関連障害(例えば、アルコール乱用、中毒及び薬物耽溺、覚醒剤中毒、麻薬中毒等)、無快感症(快感消失症、anhedonia、例えば医原性無快感症、心理的、精神的な原因での無快感症、鬱病に伴う無快感症、統合失調症に伴う無快感症等)、せん妄、認知障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、その他の神経変性疾患に伴う認知障害、アルツハイマー病、パーキンソン病及び関連障害の神経変性疾患に起因した認知障害、統合失調症の認知障害、治療抵抗性、難治性または慢性統合失調症等に起因する認知障害、嘔吐、乗物酔い、肥満、偏頭痛、疼痛、精神遅滞、自閉性障害(自閉症)、トウレット障害、チック障害、注意欠陥多動性障害、行為障害、ダウン症候群等、中枢神経系の種々の障害の改善に極めて有効である。
【0168】
更に、本発明の医薬及び医薬製剤は、副作用が殆どなく、忍容性及び安全性の点において優れている。
【0169】
また、本発明の医薬及び医薬製剤は、下記に例示する現在臨床上で使用されている(1)気分安定薬、(2)セロトニン再取り込み阻害薬、(3)ノルエピネフリン再取り込み阻害薬、(4)セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害薬ならびに(5)抗不安薬からなる群から選ばれた少なくとも1種の薬剤と組み合わせて投与することにより、従来の治療法では得られなかった投与量低減、副作用改善、治療効果増強等といった効果を得ることができる。
(1)気分安定薬
気分安定薬としては、気分安定薬として機能する化合物を、広く使用でき、当業者に知られている。
【0170】
本発明において用いられ得る気分安定薬の非限定的なリストとしては、リチウム、バルプロ酸、ジバルプロックスナトリウム、カルバマゼピン、オクスカルバマゼピン、ゾニサミド、ラモトリジン、トピラメート、ガバペンチン、レベチラセタム、クロナゼパム、フェニトイン、サイロイドホルモン、チアガビン(tiagabine)及びオメガ3脂肪酸が挙げられる。好ましくは、ラモトリジン、ゾニサミド、トピラメート、リチウム、バルプロ酸およびカルバマゼピンが挙げられる。
(2)セロトニン再取り込み阻害薬
セロトニン再取り込み阻害剤としては、セロトニン再取り込み阻害薬として機能する化合物であれば公知のものを広く使用できる。
セロトニン再取り込み阻害薬の中でも、従来の標準的な薬理学的アッセイ法であるWong等の方法(Neuropsychopharmacology, 8, pp337-344(1993))で、IC50値(セロトニン再取り込みを50%阻害する薬物の濃度)が、約1000nM又はそれ未満であるものが好ましい。
このようなセロトニン再取り込み阻害薬としては、例えば、フルボキサミン(5−メトキシ−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−ペンタノン−O−(2−アミノエチル)オキシム)、フルオキセチン(N−メチル−3−(p−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−フェニルプロピルアミン)、パロキセチン(トランス−(−)−3−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルオキシ)メチル]−4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン)、セルトラリン(1S−シス)−4−(3,4−ジクロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−N−メチル−1−ナフチルアミン塩酸塩)、ベンラファキシン(1−[2−ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノール)、ミルナシプラン(N,N−ジエチル−2−アミノメチル−1−フェニルシクロプロパンカルボキシアミド)、シタロプラム(1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル)、デュロキセチン(N−メチル−3−(1−ナフタレニルオキシ)−3−(2−チエニル)プロパンアミン)、エスシタロプラム(S−(+)−1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル オキサレート)等を例示できる。
(3)ノルエピネフリン再取り込み阻害薬
ノルエピネフリン再取り込み阻害薬としては、ノルエピネフリン再取り込み阻害薬として機能する化合物であれば公知のものを広く使用できる。このようなノルエピネフリン再取り込み阻害薬としては、例えば、レボキセチン、アトモキセチンおよびブプロピオンが挙げられる。好ましくは、レボキセチンおよびアトモキセチンが挙げられる。
(4)セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害薬
セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害薬としては、セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害薬として機能する化合物であれば公知のものを広く使用できる。このようなセロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害薬としては、例えば、ベンラファキシン、デュロキセチンおよびミルナシプランなどが挙げられる。
(5)抗不安薬
抗不安薬の非限定的なリストとしては、ジアゼパム、クロルジアゼポキシド、クロキサゾラム、クロチアゼパム、アルプラゾラム、エチゾラム、オキサゾラムなどのベンゾジアゼピン系抗不安薬、タンドスピロン、ブスピロンなどを含むセロトニン5-HT1A受容体アゴニスト系抗不安剤が挙げられる。
上記(1)気分安定薬、(2)セロトニン再取り込み阻害薬、(3)ノルエピネフリン再取り込み阻害薬、(4)セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害薬ならびに(5)抗不安薬からなる群から選ばれる薬剤は、遊離塩基、塩(酸付加塩等)等のいずれの形態でもよい。また、これらの薬剤はは、ラセミ体であってもよいし、R及びS鏡像異性体であってもよい。これらの薬剤は、単一の薬剤を単独で使用しても、必要に応じて、2種またはそれ以上の薬剤を組み合わせて使用してもよい。単一の薬剤が好ましい。
【0171】
これらの薬剤は、医薬的に許容される酸と容易に酸付加塩を形成し得る。斯かる酸としては、例えば硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、臭化水素酸等の無機酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、安息香酸等の有機酸を例示できる。これらの酸付加塩もまた遊離形態の再取り込み阻害剤と同様に本発明において有効成分化合物として用いることができる。
【0172】
これらの薬剤のうち酸性基を有する化合物は、これに医薬的に許容し得る塩基性化合物を作用させることにより容易に塩を形成させることができる。斯かる塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩又は重炭酸塩、ナトリウムメチラート、カリウムエチラート等のアルカリ金属アルコラート等を例示することができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0173】
以下に、参考例、実施例、薬理試験例及び製剤例を掲げて、本発明をより一層明らかにする。
【0174】
参考例1
7−(4−クロロブトキシ)−1H−キノリン−2−オンの合成
7−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン30gのメタノール(250ml)懸濁液に、水酸化カリウム14.7gを加え、50℃で撹拌して溶液とした後、1−ブロモ−4−クロロブタン65mlを加え、8時間加熱還流した。室温まで冷却し、析出する結晶を濾取した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:3)により精製して、白色粉末状の7−(4−クロロブトキシ)−1H−キノリン−2−オン29.6gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.95−2.15(4H,m),3.60−3.70(2H,m),4.10(2H,t,J=5.6Hz),6.56(1H,dd,J=9.0Hz,3.8Hz),6.81(1H,dd,J=8.7Hz,2.4Hz),6.85(1H,d,J=2.3Hz),7.45(1H,d,J=8.7Hz),7.75(1H,d,J=9.4Hz),12.54(1H,brs)。
【0175】
参考例2
7−(4−クロロブトキシ)−4−メチル−1H−キノリン−2−オンの合成
参考例1と同様の方法により、7−ヒドロキシ−4−メチル−1H−キノリン−2−オンより合成した。
白色粉末
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.80−2.00(4H,m),2.37(3H,s),3.72(2H,t,J=6.0Hz),4.05(2H,t,J=6.0Hz),6.20(1H,s),6.75−6.90(2H,m),7.60(1H,d,J=8.5Hz),11.42(1H,brs)。
【0176】
参考例3
7−メトキシ−3−メチル−1H−キノリン−2−オンの合成
7−メトキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルバルデヒド13gのトリフルオロ酢酸(300ml)溶液に、氷冷攪拌下、トリエチルシラン30.7mlを加え、室温下終夜撹拌した。反応液を氷水に注ぎ、ジクロロメタン抽出し、水洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メターノール=30:1)により精製して、白色粉末状の7−メトキシ−3−メチル−1H−キノリン−2−オン11.1gを得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
2.02(3H,s),3.77(3H,s),6.70−6.80(2H,m),7.45(1H,d,J=8.4Hz),7.64(1H,s),11.56(1H,brs)。
【0177】
参考例4
7−ヒドロキシ−3−メチル−1H−キノリン−2−オンの合成
7−メトキシ−3−メチル−1H−キノリン−2−オン2.12gの47%臭化水素酸(60ml)懸濁液を、6時間加熱還流した。冷後、反応液に水を加え、析出する結晶を濾取した。結晶をジクロロメタンとメタノールの混合溶媒に溶かし、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去して、褐色粉末状の7−ヒドロキシ−3−メチル−1H−キノリン−2−オン1.7gを得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.99(3H,s),6.57(1H,dd,J=8.5Hz,2.5Hz),6.65(1H,d,J=2.5Hz),7.34(1H,d,J=8.5Hz),7.58(1H,s),9.90(1H,s),11.48(1H,brs)。
【0178】
参考例5
7−(3−クロロプロポキシ)−3−メチル−1H−キノリン−2−オンの合成
参考例1と同様の方法により、7−ヒドロキシ−3−メチル−1H−キノリン−2−オンより1−ブロモ−3−クロロプロパンを用いて、白色粉末状の7−(3−クロロプロポキシ)−3−メチル−1H−キノリン−2−オンを合成した。
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
2.05(3H,s),2.15−2.25(2H,m),3.81(2H,t,J=6.5Hz),4.11(2H,t,J=6.0Hz),6.75−6.85(2H,m),7.48(1H,d,J=8.5Hz),7.67(1H,s),11.59(1H,brs)。
【0179】
参考例6
7−(4−クロロブトキシ)−3−メチル−1H−キノリン−2−オンの合成
参考例1と同様の方法により、7−ヒドロキシ−3−メチル−1H−キノリン−2−オンより1−ブロモ−4−クロロブタンを用いて、白色粉末状の7−(4−クロロブトキシ)−3−メチル−1H−キノリン−2−オンを合成した。
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.80−1.95(4H,m),2.04(3H,s),3.72(2H,t,J=6.0Hz),4.03(2H,t,J=6.0Hz),6.75−6.80(2H,m),7.47(1H,d,J=8.5Hz),7.66(1H,s),11.58(1H,brs)。
【0180】
参考例7
1−(4−クロロブチル)−1H−キノリン−2−オンの合成
1H−キノリン−2−オン1.0gのジメチルホルムアミド(20ml)溶液に、氷冷撹拌下、水素化ナトリウム(60%油性)0.30gを加え、室温で0.5時間撹拌した後、1−ブロモ−4−クロロブタン1.6mlを加え、室温下14時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチル抽出し、水洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル =3:1)により精製して、無色油状の1−(4−クロロブチル)−1H−キノリン−2−オン1.02gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.85−2.00(4H,m),3.60−3.65(2H,m),4.35(2H,t,J=7.0Hz),6.70(1H,d,J=9.5Hz),7.23(1H,dd,J=8.6Hz,7.5Hz),7.38(1H,d,J=8.9Hz),7.54−7.62(2H,m),7.68(1H,d,J=9.5Hz)。
【0181】
参考例8
1−(5−クロロペンチル)−1H−キノリン−2−オンの合成
参考例7と同様の方法により、1H−キノリン−2−オンより1−ブロモ−5−クロロペンタンを用いて、無色油状の1−(5−クロロペンチル)−1H−キノリン−2−オンを合成した。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.55−1.70(2H,m),1.75−1.95(4H,m),3.56(2H,t,J=6.6Hz),4.31(2H,t,J=7.8Hz),6.70(1H,d,J=9.5Hz),7.23(1H,dd,J=7.3Hz,7.3Hz),7.35(1H,d,J=8.9Hz),7.54−7.60(2H,m),7.67(1H,d,J=9.4Hz)。
【0182】
参考例9
7−(4−クロロ−(Z)−2−ブテニルオキシ)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンの合成
7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン1.0g、炭酸カリウム1.7g、シスー1,4―ジクロロー2−ブテン3.2ml、ジメチルホルムアミド50mlからなる混合物を、室温で終夜撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、水洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製して、白色粉末状の7−(4−クロロ−(Z)−2−ブテニルオキシ)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン(1.3g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
2.62(2H,t,J=6.3Hz),2.90(2H,t,J=6.3Hz),4.16(2H,d,J=6.3Hz),4.62(2H,d,J=4.6Hz),5.86−5.90(2H,m),6.31(1H,d,J=2.5Hz),6.54(1H,dd,J=8.3Hz,2.5Hz),7.06(1H,d,J=8.3Hz),7.56(1H,brs)。
【0183】
参考例10
2−メチル−4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)酪酸メチルエステルの合成
4−クロロ−2−メチル酪酸メチルエステル5gのアセトニトリル(70ml)溶液に、沃化ナトリウム4.98gを加え、3時間加熱還流した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出し、水洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣を、7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン4.33g、炭酸カリウム6.0g及びジメチルホルムアミド(90ml)からなる混合物に加え、80℃下6時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、水洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:3)により精製して、黄色油状の2−メチル−4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)酪酸メチルエステル6.0g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.23(3H,d,J=7.1Hz),1.75−1.90(1H,m),2.10−2.25(1H,m),2.55−2.65(2H,m),2.72(1H,q,J=7.0Hz),2.80−2.90(2H,m),3.68(3H,s),3.95(2H,t,J=6.2Hz),6.33(1H,d,J=2.3Hz),6.49(1H,dd,J=8.3Hz,2.21Hz),7.02(1H,d,J=8.3Hz),8.41(1H,brs)。
【0184】
参考例11
7−(4−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンの合成
水素化リチウムアルミニウム1.6gのテトラヒドロフラン(200ml)懸濁液に、氷冷撹拌下、2−メチル−4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)酪酸メチルエステル6gを滴下し、同温度で2時間攪拌した。氷冷撹拌下、飽和ロッセル塩水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出し、水洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=40:1)により精製して、黄色油状の7−(4−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン2.8gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
0.99(3H,d,J=6.5Hz),1.60−2.05(3H,m),2.60−2.65(2H,m),2.85−2.95(2H,m),3.55(2H,t,J=5.3Hz),3.95−4.10(2H,m),6.38(1H,d,J=2.5Hz),6.53(1H,dd,J=8.3Hz,2.4Hz),7.04(1H,d,J=8.3Hz),8.59(1H,brs)。
【0185】
参考例12
メタンスルホン酸2−メチル−4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)ブチルエステルの合成
7−(4−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン2.8g及びトリエチルアミン2.4mlのジクロロメタン(80ml)溶液に、氷冷撹拌下、メタンスルホニルクロリド(1.0ml)を加え、室温で終夜撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出し、水洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=30:1)により精製して、緑色粉末状のメタンスルホン酸2−メチル−4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)ブチルエステル(2.8g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.07(3H,d,J=6.8Hz),1.60−1.80(1H,m),1.90−2.00(1H,m),2.15−2.25(1H,m),2.50−2.65(2H,m),2.90(2H,t,J=7.3Hz),3.95−4.10(2H,m),4.10−4.20(2H,m),6.33(1H,d,J=2.5Hz),6.51(1H,dd,J=8.3Hz,2.5Hz),7.05(1H,d,J=8.3Hz),8.16(1H,brs)。
【0186】
参考例13
7−(4−ブロモ−(E)−2−ブテニルオキシ)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンの合成
参考例9と同様の方法により、7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンよりトランスー1,4―ジブロモ−2−ブテンを用いて、白色粉末状の7−(4−ブロモ−(E)−2−ブテニルオキシ)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンを合成した。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
2.61(2H,t,J=7.5Hz),2.89(2H,t,J=7.5Hz),3.98(2H,d,J=7.0Hz),4.51(2H,d,J=4.8Hz),5.90−6.10(2H,m),6.43(1H,d,J=2.1Hz),6.51(1H,dd,J=8.2Hz,2.1Hz),7.03(1H,d,J=8.2Hz),9.35(1H,brs)。
【0187】
参考例14
7−(4−クロロブトキシ)−4−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンの合成
7−メトキシ−4−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン0.54gのジクロロメタン(5ml)溶液に、氷冷撹拌下、三臭化ほう素(1Mジクロロメタン溶液,6.2ml)を加え、析出する粗結晶0.23gを濾取した。粗結晶のアセトニトリル(2.5ml)−水(2.5ml)溶液に、炭酸カリウム0.2g、1−ブロモ−4−クロロブタン0.45mlを加え、6時間加熱還流した。反応液に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出し、水洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=50:1)により精製して、白色粉末状の7−(4−クロロブトキシ)−4−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン0.29gを得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.28(3H,d,J=7.0Hz),1.85−2.05(4H,m),2.35−2.45(1H,m),2.65−2.75(1H,m),3.00−3.15(1H,m),3.62(2H,t,J=6.0Hz),3.97(2H,t,J=6.0Hz),6.32(1H,d,J=2.5Hz),6.55(1H,dd,J=8.5Hz,2.5Hz),7.08(1H,d,J=8.5Hz),7.96(1H,brs)。
【0188】
参考例15
7−[2−(2−クロロエトキシ)エトキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンの合成
7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン7.0g、炭酸カリウム7.1g、ビス−2−クロロエチルエーテル30ml及びアセトニトリル400mlからなる混合物を、2日間加熱還流した。反応液に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出し、水洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=40:1)により精製して、白色粉末状の7−[2−(2−クロロエトキシ)エトキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン8.3gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
2.61(2H,t,J=7.4Hz),2.90(2H,t,J=7.4Hz),3.66(2H,t,J=5.8Hz),3.74−3.88(4H,m),4.11(2H,t,J=4.7Hz),6.36(1H,d,J=2.2Hz),6.54(1H,dd,J=8.3Hz,2.2Hz),7.05(1H,d,J=8.3Hz),8.01(1H,m)。
【0189】
参考例16
6−(3−クロロプロポキシ)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンの合成
参考例9と同様の方法により、6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンより1−ブロモー3−クロロプロパンを用いて、白色粉末状の6−(3−クロロプロポキシ)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンを合成した。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
2.15−2.35(2H,m),2.55−2.65(2H,m),2.90−3.00(2H,m),3.50−3.80(2H,m),4.00−4.10(2H,m),6.73(3H,brs),8.68(1H,brs)。
【0190】
参考例17
6−(4−ブロモブトキシ)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンの合成
参考例9と同様の方法により、6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンより1,4−ジブロモブタンを用いて、白色粉末状の6−(4−ブロモブトキシ)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンを合成した。
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.75−1.85(2H,m),1.90−2.00(2H,m),2.30−2.45(2H,m),2.75−2.85(2H,m),3.58(2H,t,J=6.5Hz),3.91(2H,t,J=6.5Hz),6.70−6.80(3H,m),9.88(1H,brs)。
【0191】
参考例18
1−(5−クロロペンチル)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンの合成
参考例7と同様の方法により、3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンより1−ブロモ−5−クロロペンタンを用いて、無色油状の1−(5−クロロペンチル)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンを合成した。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.45−1.60(2H,m),1.60−1.75(2H,m),1.75−1.90(2H,m),2.60−2.70(2H,m),2.85−2.95(2H,m),3.54(2H,d,J=6.6Hz),3.59(2H,d,J=7.7Hz),6.76−7.04(2H,m),7.15−7.29(2H,m)。
【0192】
参考例19
2−(5−クロロペンチル)−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンの合成
参考例7と同様の方法により、3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンより1−ブロモ−5−クロロペンタンを用いて、褐色油状の2−(5−クロロペンチル)−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンを合成した。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.50−2.00(6H,m),2.99(2H,t,J=6.6Hz),3.52−3.60(6H,m),7.17(1H,d,J=7.3Hz),7.31−7.44(2H,m),8.07(1H,dd,J=1.3Hz,7.5Hz)。
【0193】
参考例20
7−(3−クロロプロポキシ)− 3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンの合成
参考例9と同様の方法により、7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンより1−ブロモ−3−クロロプロパンを用いて、褐色油状の7−(3−クロロプロポキシ)− 3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンを合成した。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
2.20−2.40(2H,m),2.90−3.00(2H,m),3.50−3.80(4H,m),4.15−4.20(4H,m),6.48(1H,brs),7.01(1H,dd,J=4.0Hz,1.5Hz),7.13(1H,d,J=4.0Hz),7.59(1H,d,J=1.4Hz)。
【0194】
参考例21
7−ヒドロキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンの合成
参考例4と同様の方法により、7−メトキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンより褐色粉末状の7−ヒドロキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンを合成した。
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
2.84(2H,t,J=6.5Hz),3.01(3H,s),3.47(2H,t,J=6.6Hz),6.85(1H,dd,J=8.1Hz,2.5Hz),7.08(1H,d,J=8.1Hz),7.29(1H,d,J=2.5Hz),9.49(1H,s)。
【0195】
参考例22
7−(4−クロロブトキシ)−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンの合成
参考例9と同様の方法により、7−ヒドロキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンより1−ブロモ−4−クロロブタンを用いて、褐色油状の7−(4−クロロブトキシ)−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンを合成した。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.90−2.00(4H,m),2.93(2H,t,J=6.8Hz),3.15(3H,s),3.45−3.65(4H,m),4.04(2H,t,J=5.8Hz),6.95(1H,dd,J=8.3Hz,2.5Hz),7.07(1H,d,J=8.3Hz),7.59(1H,d,J=2.5Hz)。
【0196】
参考例23
7−(4−クロロブトキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンの合成
参考例9と同様の方法により、7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンより1−ブロモ−4−クロロブタンを用いて、白色粉末状の7−(4−クロロブトキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンを合成した。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.93−2.00(4H,m),2.88−2.96(2H,m),3.51−3.58(2H,m),3.62(2H,t,J=6.2Hz),4.05(2H,t,J=5.7Hz),6.25(1H,s),7.00(1H,dd,J=8.3Hz,2.7Hz),7.13(1H,d,J=8.3Hz),7.57(1H,d,J=2.7Hz)。
【0197】
参考例24
2−(4−クロロブチル)−2H−イソキノリン−1−オンの合成
参考例7と同様の方法により、2H−イソキノリン−1−オンより1−ブロモ−4−クロロブタンを用いて、黄色油状の2−(4−クロロブチル)−2H−イソキノリン−1−オンを合成した。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.80−2.00(4H,m),3.59(2H,t,J=6.3Hz),4.05(2H,t,J=7.0Hz),6.51(1H,d,J=7.4Hz),7.05(1H,d,J=7.4Hz),7.46−7.52(2H,m),7.63(1H,m),8.42(1H,d,J=8.1Hz)。
【0198】
参考例25
7−(3−クロロプロポキシ)−2H−イソキノリン−1−オンの合成
参考例9と同様の方法により、7−ヒドロキシ−2H−イソキノリン−1−オンより1−ブロモ−3−クロロプロパンを用いて、白色粉末状の7−(3−クロロプロポキシ)−2H−イソキノリン−1−オンを合成した。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
2.30(2H,quint,J=6.1Hz),3.78(2H,t,J=6.4Hz),4.28(2H,t,J=5.9Hz),6.54(1H,d,J=7.1Hz),7.06(1H,d,J=6.6Hz),7.29(1H,dd,J=8.7Hz,2.7Hz),7.51(1H,d,J=8.7Hz),7.82(1H,d,J=2.7Hz),10.64(1H,s)。
【0199】
参考例26
7−(3−クロロプロポキシ)−2−エチル−2H−イソキノリン−1−オンの合成
参考例7と同様の方法により、7−(3−クロロプロポキシ)−2H−イソキノリン−1−オンより沃化エチルを用いて、無色油状の7−(3−クロロプロポキシ)−2−エチル−2H−イソキノリン−1−オンを合成した。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.38(3H,t,J=7.2Hz),2.29(2H,quint,J=6.1Hz),3.76(2H,t,J=6.4Hz),4.07(2H,q,J=7.2Hz),4.25(2H,d,J=5.8Hz),6.48(1H,d,J=7.3Hz),6.98(1H,d,J=7.3Hz),7.23(1H,dd,J=8.7Hz,2.7Hz),7.44(1H,d,J=8.7Hz),7.85(1H,d,J=2.6Hz)。
【0200】
参考例27
2−(4−クロロブチル)−7−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オンの合成
参考例7と同様の方法により、7−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オンより1−ブロモ−4−クロロブタンを用いて、無色油状の2−(4−クロロブチル)−7−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オンを合成した。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.64−2.00(4H,m),3.59(2H,t,J=6.3Hz),3.93(3H,s),4.06(2H,t,J=6.9Hz),6.49(1H,d,J=7.3Hz),6.96(1H,d,J=7.3Hz),7.25(1H,dd,J=8.6Hz,2.7Hz),7.45(1H,d,J=8.7Hz),7.83(1H,d,J=2.7Hz)。
【0201】
参考例28
6−(3−クロロプロポキシ)−2H−イソキノリン−1−オンの合成
参考例9と同様の方法により、6−ヒドロキシ−2H−イソキノリン−1−オンより1−ブロモー3−クロロプロパンを用いて、淡黄色粉末状の6−(3−クロロプロポキシ)−2H−イソキノリン−1−オンを合成した。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
2.30(2H,quint,J=6.0Hz),3.78(2H,t,J=6.2Hz),4.24(2H,t,J=5.9Hz),6.46(1H,d,J=7.2Hz),6.93(1H,d,J=2.4Hz),7.05−7.12(2H,m),8.33(1H,d,J=8.9Hz),10.33(1H,s)。
【0202】
参考例29
7−(3−クロロプロポキシ)−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンの合成
参考例9と同様の方法により、7−ヒドロキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンより1−ブロモ−3−クロロプロパンを用いて、褐色粉末状の7−(3−クロロプロポキシ)−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンを合成した。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
2.15−2.35(2H,m),2.85−3.00(2H,m),3.15(3H,s),3.50−3.80(4H,m),4.10−4.20(2H,m),6.96(1H,dd,J=8.3Hz,2.7Hz),7.08(1H,d,J=8.3Hz),7.62(1H,d,J=2.7Hz)。
【0203】
参考例30
1−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン塩酸塩の合成
4−ブロモベンゾ[b]チオフェン14.4g、無水ピペラジン29.8g、ナトリウムt−ブトキシド9.3g、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)0.65g、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)0.63g及びトルエン250mlからなる混合物を、窒素雰囲気下、1時間加熱還流した。反応液に水を注ぎ、酢酸エチル抽出し、水洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール:25%アンモニア水=100:10:1)により精製して、黄色油状の1−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン9.5gを得た。
【0204】
1−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン9.5gのメタノール溶液に、濃塩酸3.7mlを加え、減圧下に溶媒を留去した。残渣に酢酸エチルを加え、析出する結晶を濾取し、メタノールから再結晶して、無色針状晶の1−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン塩酸塩を得た。
融点:276−280℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
3.25−3.35(8H,m),6.94(1H,d,J=7.6Hz),7.30(1H,dd,J=7.8Hz,7.8Hz),7.51(1H,d,J=5.5Hz),7.68(1H,d,J=8.1Hz),7.73(1H,d,J=5.5Hz),9.35(2H,brs)。
【0205】
実施例1
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オンの合成
7−(4−クロロブトキシ)−1H−キノリン−2−オン9.g、1−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン塩酸塩10g、炭酸カリウム14g、沃化ナトリウム6g及びジメチルホルムアミド90mlからなる混合物を、80℃で2時間撹拌した。反応液に水を加え、析出する結晶を濾取した。結晶をジクロロメタンとメタノールの混合溶媒に溶かし、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:3)により精製した。エタノールから再結晶して、白色粉末の7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン13.6gを得た。
融点183.5−184.5℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.6−1.75(2H,m),1.75−1.9(2H,m),2.44(2H,t,J=7Hz),2.5−2.8(4H,m),2.9−3.2(4H,m),4.06(2H,t,J=6.5Hz),6.30(1H,d,J=9.5Hz),6.75−6.85(2H,m),6.88(1H,d,J=7.5Hz),7.27(1H,dd,J=8Hz,8Hz),7.40(1H,d,J=5.5Hz),7.55(1H,d,J=9.5Hz),7.61(1H,d,J=8Hz),7.69(1H,d,J=5.5Hz),7.80(1H,d,J=9.5Hz),11.59(1H,bs)。
【0206】
実施例2
3−[2−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)エトキシ]−1H−キノリン−2−オンの合成
実施例1と同様の方法により、3−(2−ブロモエトキシ)−1H−キノリン−2−オンより合成した。
白色粉末(クロロホルム)
融点201.9−204.5℃
1H−NMR(CDCl3)δppm:
2.90−2.95(4H,m),3.10(2H,t,J=5.9Hz),3.23−3.27(4H,m),4.30(2H,t,J=5.9Hz),6.90(1H,d,J=7.7Hz),7.08(1H,s),7.15−7.32(2H,m),7.37−7.41(4H,m),7.47−7.49(1H,m),7.55(1H,d,J=8.1Hz),11.33(1H,br)。
【0207】
実施例3
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−4−メチル−1H−キノリン−2−オンの合成
実施例1と同様の方法により、7−(3−クロロプロポキシ)−4−メチル−1H−キノリン−2−オンより合成した。
微褐色粉末(酢酸エチル)
融点202−208℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.95−2.0(2H,m),2.37(3H,s),2.55(2H,t,J=7Hz),2.6−2.7(4H,m),3.05−3.2(4H,m),4.09(2H,t,J=6.5Hz),6.21(1H,bs),6.8−6.85(2H,m),6.90(1H,d,J=7.5Hz),7.28(1H,dd,J=8Hz,8Hz),7.41(1H,d,J=5.5Hz),7.6−7.7(2H,m),7.69(1H,d,J=5.5Hz),11.41(1H,bs)。
【0208】
実施例4
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−4−メチル−1H−キノリン−2−オンの合成
実施例1と同様の方法により、7−(4−クロロブトキシ)−4−メチル−1H−キノリン−2−オンより合成した。
白色粉末(酢酸エチル)
融点164−168℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.6−1.7(2H,m),1.75−1.85(2H,m),2.37(3H,s),2.44(2H,t,J=7Hz),2.55−2.7(4H,m),3.0−3.2(4H,m),4.0−4.15(2H,m),6.20(1H,bs),6.8−6.85(2H,m),6.88(1H,d,J=7.5Hz),7.27(1H,dd,J=8Hz,8Hz),7.40(1H,d,J=5.5Hz),7.6−7.7(2H,m),7.69(1H,d,J=5.5Hz),11.42(1H,bs)。
【0209】
実施例5
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3−メチル−1H−キノリン−2−オンの合成
実施例1と同様の方法により、7−(3−クロロプロポキシ)−3−メチル−1H−キノリン−2−オンより合成した。
白色粉末(酢酸エチル)
融点185−187℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.9−2.0(2H,m),2.04(3H,s),2.55(2H,t,J=7Hz),2.6−2.75(4H,m),3.0−3.2(4H,m),4.07(2H,t,J=6.5Hz),6.75−6.85(2H,m),6.90(1H,d,J=7.5Hz),7.28(1H,dd,J=8Hz,8Hz),7.40(1H,d,J=5.5Hz),7.48(1H,d,J=8.5Hz),7.61(1H,d,J=8Hz),7.65−7.7(2H,m),11.57(1H,bs)。
【0210】
実施例6
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−3−メチル−1H−キノリン−2−オンの合成
実施例1と同様の方法により、7−(4−クロロブトキシ)−3−メチル−1H−キノリン−2−オンより合成した。
白色粉末(酢酸エチル)
融点197−199℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.6−1.7(2H,m),1.75−1.9(2H,m),2.04(3H,s),2.44(2H,t,J=7Hz),2.55−2.7(4H,m),3.0−3.15(4H,m),4.04(2H,t,J=6.5Hz),6.75−6.85(2H,m),6.88(1H,d,J=7.5Hz),7.27(1H,dd,J=8Hz,8Hz),7.40(1H,d,J=5.5Hz),7.47(1H,d,J=8.5Hz),7.61(1H,d,J=8Hz),7.65−7.75(2H,m),11.59(1H,bs)。
【0211】
実施例7
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−1H−キノリン−2−オンの合成
実施例1と同様の方法により、7−(3−クロロプロポキシ)−1H−キノリン−2−オンより合成した。
白色粉末(酢酸エチル−ジエチルエーテル)
融点204−207℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.97(2H,t,J=6.8Hz),2.50−2.60(2H,m),2.60−2.65(4H,m),3.05−3.10(4H,m),4.08(2H,t,J=6.4Hz),6.29(1H,d,J=9.5Hz),6.75−6.85(2H,m),6.90(1H,d,J=7.7Hz),7.25−7.30(1H,m),7.40(1H,d,J=5.6Hz),7.55(1H,d,J=8.4Hz),7.60−7.65(1H,m),7.69(1H,d,J=5.5Hz),7.80(1H,d,J=9.5Hz),11.57(1H,s)。
【0212】
実施例8
1−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブチル]−1H−キノリン−2−オン・塩酸塩の合成
実施例1と同様の方法により、1−(4−クロロブチル)−1H−キノリン−2−オンより合成し、エタノール溶液とした後、1N塩酸エタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取して白色粉末の1−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブチル]−1H−キノリン−2−オン・塩酸塩を得た。
融点282.0℃(分解)
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.60−2.00(4H,m),3.10−3.40(6H,m),3.50−3.60(4H,m),4.31(2H,t,J=7.4Hz),6.63(1H,d,J=9.4Hz),6.96(1H,d,J=7.6Hz),7.24−7.35(2H,m),7.48(1H,d,J=5.4Hz),7.59−7.78(5H,m),7.93(1H,d,J=9.5Hz),10.00−10.20(1H,m)。
【0213】
実施例9
1−[5−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ペンチル]−1H−キノリン−2−オン・塩酸塩の合成
実施例1と同様の方法により、1−(5−クロロペンチル)−1H−キノリン−2−オンより1−[5−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ペンチル]−1H−キノリン−2−オンを合成し、エタノール溶液とした後、1N塩酸エタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取して、白色粉末の1−[5−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ペンチル]−1H−キノリン−2−オン・塩酸塩を得た。
融点225.0−227.0℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.35−1.50(2H,m),1.60−1.80(4H,m),3.10−3.30(6H,m),3.50−3.60(4H,m),4.27(2H,t,J=7.4Hz),6.61(1H,d,J=9.5Hz),6.96(1H,d,J=7.5Hz),7.20−7.34(2H,m),7.47(1H,d,J=5.5Hz),7.61−7.77(5H,m),7.91(1H,d,J=9.5Hz),10.30−10.50(1H,m)。
【0214】
実施例10
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンの合成
実施例1と同様の方法により、7−(3−クロロプロポキシ)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンより合成した。
白色粉末(メタノール)
融点163−165℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.8−2.0(2H,m),2.41(2H,t,J=7.5Hz),2.45−2.6(2H,m),2.6−2.7(4H,m),2.78(2H,t,J=7.5Hz),2.95−3.2(4H,m),3.97(2H,t,J=6.3Hz),6.46(1H,d,J=2.3Hz),6.50(1H,dd,J=2.4Hz,8.2Hz),6.90(1H,d,J=7.6Hz),7.04(1H,d,J=8.2Hz),7.27(1H,dd,J=7.8Hz,7.8Hz),7.40(1H,d,J=5.6Hz),7.61(1H,d,J=8.0Hz),7.69(1H,d,J=5.5Hz),9.97(1H,bs)。
【0215】
実施例11
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンの合成
実施例1と同様の方法により、7−(4−クロロブトキシ)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンより合成した。
白色粉末(メタノール)
融点147−148℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.55−1.65(2H,m),1.65−1.8(2H,m),2.35−2.5(4H,m),2.55−2.7(4H,m),2.78(2H,t,J=7.5Hz),3.0−3.15(4H,m),3.93(2H,t,J=6.4Hz),6.44(1H,d,J=2.5Hz),6.49(1H,dd,J=2.5Hz,8.3Hz),6.89(1H,d,J=7.5Hz),7.04(1H,d,J=8.3Hz),7.27(1H,dd,J=7.8Hz,7.8Hz),7.35−7.45(1H,m),7.61(1H,d,J=8.1Hz),7.68(1H,d,J=5.6Hz),9.97(1H,bs)。
【0216】
実施例12
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン・塩酸塩の合成
実施例11で合成した7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンのエタノール溶液に、1N塩酸エタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取し、90%含水エタノールから再結晶して微褐色針状晶の7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン・塩酸塩を得た。
融点237−239℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.75−1.85(2H,m),1.85−2.0(2H,m),2.42(2H,t,J=7.5Hz),2.79(2H,t,J=7.5Hz),3.15−3.5(6H,m),3.5−3.7(4H,m),3.96(2H,t,J=6Hz),6.46(1H,d,J=2.5Hz),6.5−6.55(1H,m),6.97(1H,d,J=7.5Hz),7.07(1H,d,J=8.5Hz),7.32(1H,dd,J=8Hz,8Hz),7.50(1H,d,J=5.5Hz),7.71(1H,d,J=8Hz),7.77(1H,d,J=5.5Hz),10.03(1H,s),10.65(1H,br)。
【0217】
実施例13
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−(Z)−2−ブテニルオキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンの合成
実施例1と同様の方法により、7−(4−クロロ−(Z)−2−ブテニルオキシ)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンより合成した。
白色粉末(メタノール)
融点68−70℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
2.42(2H,t,J=7.5Hz),2.64(4H,br),2.79(2H,t,J=7.5Hz),2.9−3.25(6H,m),4.61(2H,d,J=3Hz),5.65−5.9(2H,m),6.48(1H,d,J=2.5Hz),6.54(1H,dd,J=2.5,8.5Hz),6.89(1H,d,J=7.5Hz),7.06(1H,d,J=8.5Hz),7.27(1H,dd,J=8Hz,8Hz),7.40(1H,d,J=5.5Hz),7.61(1H,d,J=8Hz),7.69(1H,d,J=5.5Hz),10.01(1H,bs)。
【0218】
実施例14
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−3−メチルブトキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン・塩酸塩の合成
実施例1と同様の方法により、メタンスルホン酸2−メチル−4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)ブチルエステルより7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−3−メチルブトキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンを合成し、メタノール溶液とした後、0.5N塩酸メタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取し、イソプロピルアルコールから再結晶して、微黄色粉末の7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−3−メチルブトキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン・塩酸塩を得た。
融点217−219(分解)
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.12(3H,d,J=6.5Hz),1.55−1.7(1H,m),1.9−2.05(1H,m),2.2−2.3(1H,m),2.41(2H,t,J=7.5Hz),2.79(2H,t,J=7.5Hz),3.05−3.15(1H,m),3.15−3.25(1H,m),3.25−3.45(4H,m),3.45−3.55(2H,m),3.55−3.7(2H,m),3.9−4.1(2H,m),6.49(1H,d,J=2.5Hz),6.54(1H,dd,J=2.5Hz,8.5Hz),6.97(1H,d,J=7.5Hz),7.06(1H,d,J=8.5Hz),7.33(1H,dd,J=8Hz,8Hz),7.49(1H,d,J=5.5Hz),7.70(1H,d,J=8Hz),7.77(1H,d,J=5.5Hz),10.03(1H,bs),10.66(1H,br)。
【0219】
実施例15
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−(E)−2−ブテニルオキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンの合成
実施例1と同様の方法により、7−(4−ブロモ−(E)−2−ブテニルオキシ)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンより合成した。
白色粉末(ジクロロメタン−ジイソプロピルエーテル)
融点147.8−149.7℃
1H−NMR(CDCl3)δppm:
2.61(2H,t,J=7.5Hz),2.65−2.75(4H,m),2.90(2H,t,J=7.5Hz),3.1−3.2(6H,m),4.52(2H,d,J=4.3Hz),5.9−6.0(2H,m),6.31(1H,d,J=2.3Hz),6.55(1H,dd,J=8.3Hz,2.3Hz),6.90(1H,d,J=7.6Hz),7.05(1H,d,J=8.3Hz),7.27(1H,m),7.37−7.41(2H,m),7.53−7.60(2H,m)。
【0220】
実施例16
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−4−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンの合成
実施例1と同様の方法により、7−(4−クロロブトキシ)−4−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンより合成した。
白色粉末(メタノール)
融点112−115℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.14(3H,d,J=7Hz),1.55−1.7(2H,m),1.7−1.8(2H,m),2.19(1H,dd,J=7,16Hz),2.43(2H,t,J=7Hz),2.5−2.7(5H,m),2.9−3.0(1H,m),3.0−3.1(4H,m),3.94(2H,t,J=6.5Hz),6.45(1H,d,J=2.5Hz),6.53(1H,dd,J=2.5,8.5Hz),6.89(1H,d,J=7.5Hz),7.07(1H,d,J=8.5Hz),7.27(1H,dd,J=8Hz,8Hz),7.39(1H,d,J=5.5Hz),7.61(1H,d,J=8Hz),7.69(1H,d,J=5.5Hz),9.98(1H,bs)。
【0221】
実施例17
7−{2−[2−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)エトキシ]エトキシ}−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン 二塩酸塩の合成
実施例1と同様の方法により、7−[2−(2−クロロエトキシ)エトキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンより7−{2−[2−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)エトキシ]エトキシ}−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンを合成し、エタノール溶液とした後、1N塩酸エタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取し、イソプロピルアルコール−ジイソプロピルエーテル混合溶媒から再結晶して、白色粉末の7−{2−[2−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)エトキシ]エトキシ}−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン 二塩酸塩を得た。
融点172.3−177.2℃
1H−NMR(CDCl3)δppm:
2.53(2H,t,J=7.5Hz),2.80(2H,t,J=7.5Hz),3.40(2H,m),3.54−3.59(2H,m),3.79−3.94(6H,m),4.16−4.30(6H,m),6.50−6.53(2H,m),7.01(1H,d,J=8.0Hz),7.36(1H,dd,J=8Hz,8Hz),7.53−7.62(2H,m),7.82(1H,d,J=8.0Hz),7.91(1H,m),8.02(1H,brs),13.31(1H,brs)。
【0222】
実施例18
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン・塩酸塩の合成
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン0.40gのジメチルホルムアミド(5ml)とテトラヒドロフラン(5ml)溶液に、氷冷撹拌下、水素化ナトリウム(60%油性)48mgを加え、室温で1時間撹拌した後、沃化メチル0.07mlを加え、室温下1時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチル抽出し、水洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=30:1)により精製した。減圧下に溶媒を留去し、残渣のエタノール溶液に0.5N塩酸エタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取して、微黄色粉末の7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン・塩酸塩0.15gを得た。
融点275.6−277.6℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.70−1.94(4H,m),2.48−2.52(2H,m),2.77(2H,t,J=7.2Hz),3.15−3.30(9H,m),3.52−3.63(4H,m),4.03(2H,t,J=6.0Hz),6.58−6.63(2H,m),6.96(1H,d,J=7.5Hz),7.11(1H,d,J=8.1Hz),7.31(1H,dd,J=7.8Hz,7.8Hz),7.48(1H,d,J=5.5Hz),7.69(1H,d,J=8.0Hz),7.75(1H,d,J=5.5Hz),10.61(1H,br)。
【0223】
実施例19
6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン・塩酸塩の合成
実施例1と同様の方法により、6−(3−クロロプロポキシ)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンより6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンを合成し、メタノール溶液とした後、0.5N塩酸メタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取し、酢酸エチル−ジエチルエーテル混合溶媒から再結晶して、白色粉末の6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン・塩酸塩を得た。
融点231−234℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
2.20−2.30(2H,m),2.35−2.45(2H,m),2.83(2H,t,J=7.5Hz),3.20−3.70(10H,m),4.02(2H,t,J=5.9Hz),6.70−6.85(3H,m),6.96(1H,d,J=7.6Hz),7.31(1H,dd,J=7.9Hz,7.9Hz),7.48(1H,d,J=5.6Hz),7.69(1H,d,J=8.1Hz),7.76(1H,d,J=5.5Hz),9.93(1H,brs),10.90(1H,brs)。
【0224】
実施例20
6−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンの合成
実施例1と同様の方法により、6−(4−ブロモブトキシ)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンより合成した。
白色粉末(酢酸エチル−ジエチルエーテル)
融点175−178℃
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.65−1.90(4H,m),2.52(2H,t,J=7.3Hz),2.55−2.65(2H,m),2.65−2.75(4H,m),2.94(2H,t,J=7.5Hz),3.15−3.25(4H,m),3.90−4.00(2H,m),6.65−6.75(3H,m),6.89(1H,dd,J=0.7Hz,7.6Hz),7.27(1H,dd,J=7.9Hz,7.9Hz),7.35−7.45(2H,m),7.55(1H,d,J=8.0Hz),8.02(1H,brs)。
【0225】
実施例21
1−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブチル]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン・塩酸塩の合成
実施例1と同様の方法により、1−(4−クロロブチル)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンより1−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブチル]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンを合成し、エタノール溶液とした後、1N塩酸エタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取して、白色粉末の1−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブチル]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン 塩酸塩を得た。
融点257.0−259.0℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.60−1.80(4H,m),2.54(2H,t,J=8.3Hz),2.87(2H,t,J=7.9Hz),3.10−3.30(6H,m),3.50−3.60(4H,m),3.95(2H,t,J=7.0Hz),6.94−7.04(2H,m),7.14−7.35(4H,m),7.48(1H,d,J=5.6Hz),7.70(1H,d,J=8.0Hz),7.76(1H,d,J=5.6Hz),10.00−10.20(1H,m)。
【0226】
実施例22
1−[5−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ペンチル]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン・塩酸塩の合成
実施例1と同様の方法により、1−(5−クロロペンチル)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンより1−[5−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ペンチル]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンを合成し、エタノール溶液とした後、1N塩酸エタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取して、白色粉末の1−[5−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ペンチル]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン・塩酸塩を得た。
融点242.0−244.0℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.30−1.45(2H,m),1.50−1.65(2H,m),1.70−1.85(2H,m),2.53(2H,t,J=8.2Hz),2.85(2H,t,J=8.0Hz),3.10−3.30(6H,m),3.50−3.60(4H,m),3.91(2H,t,J=7.3Hz),6.94−7.03(2H,m),7.13−7.34(4H,m),7.47(1H,d,J=5.6Hz),7.69(1H,d,J=8.0Hz),7.76(1H,d,J=5.5Hz),10.30−10.50(1H,m)。
【0227】
実施例23
2−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブチル]−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・塩酸塩の合成
実施例1と同様の方法により、2−(4−クロロブチル)−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンより2−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブチル]−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンを合成し、エタノール溶液とした後、1N塩酸エタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取し、イソプロピルアルコール−エタノール混合溶媒から再結晶して、白色粉末の2−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブチル]−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・塩酸塩を得た。
融点257.5−265.5℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.6−1.9(4H,m),2.98−3.60(16H,m),6.98(1H,d,J=7.7Hz),7.30−7.38(3H,m),7.46−7.51(2H,m),7.71(1H,d,J=8.2Hz),7.77(1H,d,J=5.5Hz),7.89(1H,d,J=7.7Hz),10.10(1H,brs)。
【0228】
実施例24
2−[5−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ペンチル]−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンの合成
実施例1と同様の方法により、2−(5−クロロペンチル)−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンより合成した。
白色粉末(酢酸エチル−ジイソプロピルエーテル)
融点91.8−93.3℃
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.32−1.37(2H,m),1.56−1.64(4H,m),2.38(2H,t,J=7.6Hz),2.62(4H,m),2.92(2H,t,J=6.5Hz),3.09−3.11(4H,m),3.47−3.55(4H,m),6.81(1H,d,J=7.5Hz),7.08−7.11(2H,m),7.17−7.35(4H,m),7.47(1H,d,J=8.0Hz),8.01(1H,dd,J=7.5Hz,1.4Hz)。
【0229】
実施例25
6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンの合成
実施例1と同様の方法により、6−(3−クロロプロポキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンより合成した。
白色粉末(酢酸エチル−ジエチルエーテル)
融点203−205℃
1H−NMR(CDCl3)δppm:
2.00−2.10(2H,m),2.60−2.70(2H,m),2.74(4H,brs),2.96(2H,t,J=6.5Hz),3.20(4H,brs),3.50−3.60(2H,m),4.11(2H,t,J=6.3Hz),6.09(1H,brs),6.73(1H,s),6.85−6.95(2H,m),7.25−7.30(1H,m),7.35−7.45(2H,m),7.55(1H,d,J=8.1Hz),8.01(1H,d,J=8.6Hz)。
【0230】
実施例26
6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンの合成
実施例18と同様の方法により、6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンより沃化メチルを用いて合成した。
白色粉末(酢酸エチル−ジエチルエーテル)
融点110−113℃
1H−NMR(CDCl3)δppm:
2.05(2H,t,J=6.9Hz),2.65(2H,t,J=7.3Hz),2.74(4H,brs),2.97(2H,t,J=6.7Hz),3.14(3H,s),3.21(4H,brs),3.54(2H,t,J=6.7Hz),4.11(2H,t,J=6.4Hz),6.68(1H,s),6.86(1H,dd,J=2.3Hz,8.6Hz),6.91(1H,d,J=7.7Hz),7.25−7.30(1H,m),7.40(1H,d,J=5.5Hz),7.42(1H,d,J=5.5Hz),7.56(1H,d,J=7.9Hz),8.03(1H,d,J=8.6Hz)。
【0231】
実施例27
6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−エチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンの合成
実施例18と同様の方法により、6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンより沃化エチルを用いて合成した。
白色粉末(酢酸エチル−ジエチルエーテル)
融点128−131℃
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.21(3H,t,J=7.2Hz),2.05(2H,t,J=6.9Hz),2.65(2H,t,J=7.3Hz),2.74(4H,brs),2.96(2H,t,J=6.6Hz),3.21(4H,brs),3.54(2H,t,J=6.7Hz),3.62(2H,q,J=7.2Hz),4.11(2H,t,J=6.3Hz),6.68(1H,d,J=1.7Hz),6.86(1H,dd,J=2.3Hz,8.2Hz),6.91(1H,d,J=7.7Hz),7.25−7.30(1H,m),7.40(1H,d,J=5.5Hz),7.42(1H,d,J=5.5Hz),7.56(1H,d,J=7.8Hz),8.03(1H,d,J=8.6Hz)。
【0232】
実施例28
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンの合成
実施例1と同様の方法により、7−(3−クロロプロポキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンより合成した。
白色粉末(酢酸エチル−ジエチルエーテル)
融点176−179℃
1H−NMR(CDCl3)δppm:
2.00−2.10(2H,m),2.64(2H,t,J=7.3Hz),2.73(4H,brs),2.94(2H,t,J=6.6Hz),3.20(4H,brs),3.50−3.60(2H,m),4.12(2H,t,J=6.3Hz),5.92(1H,brs),6.90(1H,d,J=7.7Hz),7.03(1H,dd,J=2.8Hz,8.3Hz),7.13(1H,d,J=8.3Hz),7.25−7.30(1H,m),7.39(1H,d,J=5.5Hz),7.42(1H,d,J=5.5Hz),7.55(1H,d,J=8.1Hz),7.62(1H,d,J=2.7Hz)。
【0233】
実施例29
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンの合成
実施例18と同様の方法により、7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンより沃化メチルを用いて合成した。
白色粉末(エタノール)
融点115−117℃
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.95−2.10(2H,m),2.64(2H,t,J=7.3Hz),2.70−2.80(4H,m),2.94(2H,t,J=6.7Hz),3.10−3.25(4H,m),3.16(3H,s),2.54(2H,t,J=6.7Hz),4.11(2H,t,J=6.5Hz),6.90(1H,d,J=7.0Hz),6.98(1H,dd,J=2.7Hz,8.3Hz),7.08(1H,d,J=8.3Hz),7.28(1H,dd,J=7.9Hz,7.9Hz),7.35−7.45(2H,m),7.55(1H,d,J=8.1Hz),7.63(1H,d,J=2.6Hz)。
【0234】
実施例30
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・塩酸塩の合成
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンをエタノール溶液とした後、1N塩酸エタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取し、エタノールから再結晶して、白色粉末の7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・塩酸塩を得た。
融点229−233℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
2.20−2.30(2H,m),2.89(2H,t,J=6.7Hz),3.01(3H,s),3.21(2H,t,J=6.9Hz),3.30−3.60(8H,m),3.60−3.70(2H,m),4.11(2H,t,J=6.0Hz),6.97(1H,d,J=7.7Hz),7.06(1H,dd,J=2.8Hz,8.3Hz),7.22(1H,d,J=7.9Hz),7.31(1H,dd,J=7.8Hz,7.8Hz),7.41(1H,d,J=2.7Hz),7.49(1H,d,J=5.5Hz),7.69(1H,d,J=8.1Hz),7.76(1H,d,J=5.5Hz),10.70(1H,brs)。
【0235】
実施例31
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−エチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・二塩酸塩の合成
実施例18と同様の方法により、7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンより沃化エチルを用いて7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−エチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン合成し、メタノール溶液とした後、0.5N塩酸メタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取し、メタノール−酢酸エチル混合溶媒から再結晶して、白色粉末の7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−エチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・二塩酸塩を得た。
融点210−213℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.09(3H,t,J=7.1Hz),2.20−2.30(2H,m),2.87(2H,t,J=6.5Hz),3.20−3.70(14H,m),4.11(2H,t,J=5.9Hz),6.96(1H,d,J=7.7Hz),7.00−7.10(1H,m),7.22(1H,d,J=8.3Hz),7.25−7.35(1H,m),7.41(1H,d,J=2.7Hz),7.48(1H,d,J=5.5Hz),7.69(1H,d,J=7.7Hz),7.76(1H,d,J=5.5Hz),11.08(1H,brs)。
【0236】
実施例32
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・塩酸塩の合成
実施例1と同様の方法により、7−(4−クロロブトキシ)−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンより7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンを合成し、メタノール溶液とした後、0.5N塩酸メタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取し、メタノール−酢酸エチル混合溶媒から再結晶して、白色粉末の7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・塩酸塩を得た。
融点213−218℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.70−2.00(4H,m),2.88(2H,t,J=6.6Hz),3.01(3H,s),3.10−3.70(12H,m),4.03(2H,t,J=5.8Hz),6.95(1H,d,J=7.5Hz),7.04(1H,dd,J=2.8Hz,8.5Hz),7.20(1H,d,J=8.4Hz),7.31(1H,dd,J=7.8Hz,7.8Hz),7.39(1H,d,J=2.7Hz),7.48(1H,d,J=5.7Hz),7.69(1H,d,J=8.1Hz),7.75(1H,d,J=5.5Hz),10.71(1H,brs)。
【0237】
実施例33
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・塩酸塩の合成
実施例1と同様の方法により、7−(4−クロロブトキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンより7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンを合成し、酢酸エチル溶液とした後、1N塩酸エタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取し、酢酸エチルから再結晶して、白色粉末の7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・塩酸塩を得た。
融点223.8−226.8℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.81−1.93(4H,m),2.83(2H,t,J=6.5Hz),3.16−3.32(8H,m),3.43−3.64(4H,m),4.06(2H,t,J=5.9Hz),6.97(1H,d,J=7.6Hz),7.07(1H,dd,J=8.3Hz,2.7Hz),7.24(1H,d,J=7.7Hz),7.32(1H,dd,J=7.9Hz,7.9Hz),7.39(1H,d,J=2.7Hz),7.50(1H,d,J=5.6Hz),7.71(1H,d,J=8.0Hz),7.77(1H,d,J=5.5Hz),7.95(1H,s),10.62(1H,s)。
【0238】
実施例34
2−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブチル]−2H−イソキノリン−1−オンの合成
実施例1と同様の方法により、2−(4−クロロブチル)−2H−イソキノリン−1−オンより合成した。
淡褐色粉末(酢酸エチル−ジイソプロピルエーテル)
融点141.1−142.7℃
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.62(2H,m),1.87(2H,m),2.50(2H,t,J=7.4Hz),2.66−2.71(4H,m),3.16−3.19(4H,m),4.06(2H,t,J=7.2Hz),6.50(1H,d,J=7.3Hz),6.89(1H,d,J=7.7Hz),7.08(1H,d,J=7.3Hz),7.24−7.65(7H,m),8.44(1H,d,J=7.9Hz)。
【0239】
実施例35
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2H−イソキノリン−1−オンの合成
実施例1と同様の方法により、7−(3−クロロプロポキシ)−2H−イソキノリン−1−オンより合成した。
白色粉末(酢酸エチル)
融点220.1−222.5℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.99(2H,quint,J=6.6Hz),2.57(2H,t,J=7.0Hz),2.66(4H,brs),3.09(4H,brs),4.16(2H,t,J=6.3Hz),6.52(1H,d,J=7.1Hz),6.90(1H,d,J=7.4Hz),7.04(1H,dd,J=6.9Hz,6.9Hz),7.26(1H,d,J=7.9Hz),7.33(1H,dd,J=8.8Hz,2.8Hz),7.41(1H,d,J=5.5Hz),7.59−7.63(3H,m),7.69(1H,d,J=5.5Hz),11.21(1H,d,J=4.9Hz)。
【0240】
実施例36
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−2H−イソキノリン−1−オン・塩酸塩の合成
実施例18と同様の方法により、7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2H−イソキノリン−1−オンより沃化メチルを用いて7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−2H−イソキノリン−1−オン合成し、酢酸エチル溶液とした後、1N塩酸エタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取し、酢酸エチルから再結晶して、白色粉末の7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−2H−イソキノリン−1−オン・塩酸塩を得た。
融点227.6−230.2℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
2.31(2H,quint,J=7.0Hz),3.20−3.40(6H,m),3.52(3H,s),3.54−3.70(4H,m),4.23(2H,t,J=5.8Hz),6.60(1H,d,J=7.3Hz),6.99(1H,d,J=7.7Hz),7.30−7.38(3H,m),7.51(1H,d,J=5.6Hz),7.63−7.73(3H,m),7.78(1H,d,J=5.5Hz),10.88(1H,s)。
【0241】
実施例37
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−エチル−2H−イソキノリン−1−オン・塩酸塩の合成
実施例1と同様の方法により、7−(3−クロロプロポキシ)−2−エチル−2H−イソキノリン−1−オンより7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−エチル−2H−イソキノリン−1−オンを合成し、酢酸エチル溶液とした後、1N塩酸エタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取し、酢酸エチルから再結晶して、白色粉末の7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−エチル−2H−イソキノリン−1−オン・塩酸塩を得た。
融点229.9−231.2℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.25(3H,t,J=7.1Hz),2.29(2H,brs),3.14−3.49(6H,m),3.56−3.72(4H,m),4.00(2H,q,J=7.2Hz),4.23(2H,t,J=5.9Hz),6.62(1H,d,J=7.3Hz),6.99(1H,d,J=7.6Hz),7.27−7.39(3H,m),7.51(1H,d,J=5.6Hz),7.62−7.73(3H,m),7.78(1H,d,J=5.5Hz),10.38(1H,s)。
【0242】
実施例38
2−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブチル]−7−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オン・塩酸塩の合成
実施例1と同様の方法により、2−(4−クロロブチル)−7−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オンより2−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブチル]−7−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オンを合成し、酢酸エチル溶液とした後、1N塩酸エタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取し、酢酸エチルから再結晶して、白色粉末の2−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブチル]−7−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オン・塩酸塩を得た。
融点243.5−245.6℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.78(4H,brs),3.10−3.28(6H,m),3.56(4H,t,J=9.6Hz),3.87(3H,s),4.04(2H,t,J=5.3Hz),6.64(1H,d,J=7.3Hz),6.96(1H,d,J=7.6Hz),7.30(1H,d,J=8.0Hz),7.34(1H,dd,J=8.6Hz,2.9Hz),7.41(1H,d,J=7.3Hz),7.49(1H,d,J=5.6Hz),7.63(1H,d,J=8.6Hz),7.69(1H,dd,J=8.0Hz,8.0Hz),7.77(1H,d,J=5.5Hz),10.60(1H,s)。
【0243】
実施例39
2−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブチル]−7−ヒドロキシ−2H−イソキノリン−1−オン・臭化水素酸塩の合成
2−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブチル]−7−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オン(0.16g)のジクロロメタン(50ml)溶液に、氷冷撹拌下、三臭化ほう素(2Mジクロロメタン溶液,1.0ml)を加え、室温で3日間撹拌した。反応液に水を加え、室温で0.5時間撹拌した。析出する結晶を濾取し、酢酸エチルから再結晶して白色粉末の2−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブチル]−7−ヒドロキシ−2H−イソキノリン−1−オン・臭化水素酸塩(0.13g)を得た。
融点273.6−275.7℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.75(4H,brs),3.08(2H,t,J=11.1Hz),3.16−3.28(4H,m),3.59(2H,t,J=10.5Hz),4.01(2H,brs),6.58(1H,d,J=7.3Hz),6.97(1H,d,J=7.5Hz),7.19(1H,dd,J=8.6Hz,2.6Hz),7.29−7.36(2H,m),7.49−7.65(3H,m),7.71(1H,d,J=8.0Hz),7.78(1H,d,J=5.5Hz),9.50(1H,brs),9.95(1H,s)。
【0244】
実施例40
6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2H−イソキノリン−1−オンの合成
実施例1と同様の方法により、6−クロロプロポキシ−2H−イソキノリン−1−オンより合成した。
白色粉末(酢酸エチル)
融点228.8−230.7℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.98(2H,quint,J=6.7Hz),2.56(2H,t,J=7.0Hz),2.65(4H,brs),3.09(4H,brs),4.17(2H,t,J=6.3Hz),6.47(1H,d,J=7.1Hz),6.90(1H,d,J=7.6Hz),7.05(1H,dd,J=8.8Hz,2.4Hz),7.10−7.15(2H,m),7.28(1H,d,J=7.8Hz),7.41(1H,d,J=5.5Hz),7.62(1H,d,J=8.0Hz),7.70(1H,d,J=5.5Hz),8.07(1H,d,J=8.8Hz),11.03(1H,s)。
【0245】
実施例41
6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−2H−イソキノリン−1−オン・塩酸塩の合成
実施例18と同様の方法により、6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2H−イソキノリン−1−オンより沃化メチルを用いて6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−2H−イソキノリン−1−オンを合成し、酢酸エチル溶液とした後、1N塩酸エタノール溶液を加えて、析出する結晶を濾取し、酢酸エチルから再結晶してし白色粉末の6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−2H−イソキノリン−1−オン・塩酸塩を得た。融点241.4−244.8℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
2.31(2H,t,J=7.6Hz),3.46(3H,s),3.19−3.70(10H,m),4.24(2H,t,J=5.9Hz),6.54(1H,d,J=7.4Hz),6.99(1H,d,J=7.6Hz),7.10(1H,dd,J=8.8Hz,2.4Hz),7.15(1H,d,J=2.3Hz),7.33(1H,dd,J=7.9Hz,7.9Hz),7.45(1H,d,J=7.1Hz),7.51(1H,d,J=5.5Hz),7.71(1H,d,J=8.0Hz),7.78(1H,d,J=5.5Hz),8.14(1H,d,J=8.8Hz),10.86(1H,s)。
【0246】
実施例42
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン・塩酸塩の合成
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オンのメタノールとジクロロメタン溶液に、1N塩酸水溶液を加え、減圧下に溶媒を留去した。残渣を70%エタノールから再結晶して、白色粉末の7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン・塩酸塩を得た。
融点238−241℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.80−2.00(4H,m),3.20−3.45(6H,m),3.50−3.60(4H,m),4.06(2H,t,J=5.6Hz),6.28(1H,d,J=9.5Hz),6.75−6.85(2H,m),6.95(1H,d,J=7.5Hz),7.30(1H,dd,J=7.8Hz,7.8Hz),7.47(1H,d,J=5.7Hz),7.56(1H,d,J=8.4Hz),7.68(1H,d,J=8.1Hz),7.70−7.85(2H,m),10.92(1H,brs),11.61(1H,brs)。
【0247】
実施例43
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン・硫酸塩の合成
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オンのメタノールとジクロロメタン溶液に、希硫酸を加え、減圧下に溶媒を留去した。残渣を60%エタノールから再結晶して、白色粉末の7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン・硫酸塩を得た。
融点248−251℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.80−1.95(4H,m),2.50−4.00(10H,m),4.00−4.10(2H,m),6.30(1H,d,J=8.2Hz),6.75−6.85(2H,m),6.97(1H,d,J=7.6Hz),7.31(1H,dd,J=7.8Hz,7.8Hz),7.49(1H,d,J=5.6Hz),7.55−7.60(1H,m),7.70(1H,d,J=8.0Hz),7.75−7.85(2H,m),9.25−9.75(1H,br),11.62(1H,brs)。
【0248】
実施例44
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩の合成
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オンのメタノールとジクロロメタン溶液に、マレイン酸メタノール溶液を加え、減圧下に溶媒を留去した。残渣を80%エタノールから再結晶して、白色粉末の7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩を得た。
融点181.6−182.8℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.87(2H,brs),3.26−3.47(10H,m),4.10(2H,s),6.07(2H,s),6.33(1H,d,J=9.5Hz),6.82−6.84(2H,m),6.99(1H,d,J=7.6Hz),7.33(1H,d,J=7.8Hz),7.51(1H,d,J=5.5Hz),7.59(1H,d,J=9.3Hz),7.70−7.85(3H,m),11.65(1H,s)。
【0249】
実施例45
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン・フマル酸塩の合成
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オンのメタノールとジクロロメタン溶液に、フマル酸を加え、減圧下に溶媒を留去した。残渣をエタノールから再結晶して、白色粉末の7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン・フマル酸塩を得た。
融点209−211℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.60−1.90(4H,m),2.47−2.50(2H,m),2.60−2.75(4H,m),3.00−3.15(4H,m),4.05(2H,t,J=6.3Hz),6.28(1H,d,J=9.4Hz),6.60(2H,s),6.76−6.82(2H,m),6.88(1H,d,J=7.4Hz),7.26(1H,dd,J=7.9Hz,7.8Hz),7.39(1H,d,J=5.9Hz),7.54(1H,d,J=9.4Hz),7.61(1H,d,J=8.0Hz),7.69(1H,d,J=5.5Hz),7.79(1H,d,J=9.5Hz),11.58(1H,brs)。
【0250】
実施例46
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン・クエン酸塩の合成
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オンのメタノールとジクロロメタン溶液に、クエン酸を加え、減圧下に溶媒を留去した。残渣を50%エタノールから再結晶して、白色粉末の7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン・クエン酸塩を得た。
融点183−185℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.50−2.00(4H,m),2.58(2H,s),2.62(2H,s),2.75−2.85(2H,m),2.95−3.05(4H,m),3.10−3.20(4H,m),4.05(2H,t,J=5.3Hz),6.28(1H,d,J=9.4Hz),6.75−6.85(2H,m),6.90(1H,d,J=7.6Hz),7.27(1H,dd,J=7.9Hz,7.9Hz),7.42(1H,d,J=5.5Hz),7.55(1H,d,J=9.3Hz),7.64(1H,d,J=8.0Hz),7.71(1H,d,J=5.5Hz),7.79(1H,d,J=9.5Hz),11.59(1H,brs)。
【0251】
実施例47
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩の合成
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オンのメタノールとジクロロメタン溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物を加え、減圧下に溶媒を留去した。残渣をメタノールから再結晶して、白色粉末の7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩を得た。
融点121.0−125.0℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.73−2.00(4H,m),2.28(3H,s),3.07(2H,J=11.0Hz),3.23−3.43(4H,m),3.62(4H,t,J=15.0Hz),4.09(2H,t,J=7.1Hz),6.31(1H,dd,J=9.5Hz,2.3Hz),6.80(1H,s),6.84(1H,d,J=2.3Hz),6.98(1H,d,J=7.5Hz),7.11(2H,d,J=8.0Hz),7.33(1H,dd,J=7.5Hz,7.5Hz),7.46−7.52(3H,m),7.58(1H,d,J=9.5Hz),7.72(1H,d,J=7.5Hz),7.78(1H,d,J=11.3Hz),7.81(1H,d,J=9.5Hz),9.31−9.49(1H,m),11.54−11.63(1H,m)。
【0252】
実施例48
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・硫酸塩の合成
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンのエタノールとジクロロメタン溶液に、希硫酸を加え、減圧下に溶媒を留去した。残渣を85%エタノールから再結晶して、白色粉末の7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・硫酸塩を得た。
融点222−224℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
2.10−2.30(2H,m),2.91(2H,t,J=6.6Hz),3.03(3H,s),3.05−4.00(12H,m),4.13(2H,t,J=5.9Hz),6.99(1H,d,J=7.5Hz),7.09(1H,dd,J=2.7Hz,8.3Hz),7.24(1H,d,J=8.4Hz),7.33(1H,dd,J=7.8Hz,7.8Hz),7.44(1H,d,J=2.7Hz),7.51(1H,d,J=5.5Hz),7.72(1H,d,J=8.1Hz),7.78(1H,d,J=5.5Hz),9.00−10.05(1H,br)。
【0253】
実施例49
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・フマル酸塩の合成
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンのエタノール溶液に、フマル酸を加え、減圧下に溶媒を留去した。残渣を70%エタノールから再結晶して、淡黄色粉末の7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・フマル酸塩を得た。
融点149−151℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.85−2.00(2H,m),2.58(2H,t,J=7.2Hz),2.65−2.75(4H,m),2.88(2H,t,J=6.7Hz),3.01(3H,s),3.05−3.15(4H,m),3.50(2H,t,J=6.7Hz),4.05(2H,t,J=6.3Hz),6.60(2H,s),6.89(1H,d,J=7.6Hz),7.03(1H,dd,J=8.3Hz,2.7Hz),7.19(1H,d,J=8.3Hz),7.27(1H,dd,J=7.9Hz,7.8Hz),7.38(1H,d,J=3.0Hz),7.40(1H,d,J=5.9Hz),7.61(1H,d,J=8.0Hz),7.69(1H,d,J=5.5Hz)。
【0254】
実施例50
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・二フマル酸塩の合成
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン のエタノール溶液に、フマル酸を加え、減圧下に溶媒を留去した。残渣を90%エタノールから再結晶して、白色プリズム晶の7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・二フマル酸塩を得た。
融点188−189℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
1.85−2.00(2H,m),2.60(2H,t,J=7.0Hz),2.65−2.75(4H,m),2.88(2H,t,J=6.6Hz),3.01(3H,s),3.00−3.10(4H,m),3.50(2H,t,J=6.7Hz),4.05(2H,t,J=6.4Hz),6.61(4H,s),6.90(1H,d,J=7.5Hz),7.04(1H,dd,J=8.2Hz,2.8Hz),7.19(1H,d,J=8.4Hz),7.27(1H,dd,J=7.9Hz,7.8Hz),7.38(1H,d,J=3.0Hz),7.40(1H,d,J=6.2Hz),7.61(1H,d,J=8.0Hz),7.69(1H,d,J=5.5Hz)。
【0255】
実施例51
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・マレイン酸塩の合成
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンのメタノールとジクロロメタン溶液に、マレイン酸メタノール溶液を加え、減圧下に溶媒を留去した。残渣をエタノールと酢酸エチルから再結晶して、白色粉末の7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・マレイン酸塩を得た。
融点134.6−135.5℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
2.17(2H,brs),2.91(2H,t,J=6.7Hz),3.03(3H,s),3.33(10H,brs),3.52(2H,t,J=6.7Hz),4.12(2H,t,J=5.9Hz),6.04(2H,s),6.99(1H,d,J=7.6Hz),7.07(1H,dd,J=8.3Hz,2.6Hz),7.24(1H,d,J=8.4Hz),7.32(1H,dd,J=7.9Hz,7.9Hz),7.43(1H,d,J=2.6Hz),7.50(1H,d,J=5.5Hz),7.71(1H,d,J=7.9Hz),7.77(1H,d,J=5.5Hz)。
【0256】
実施例52
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・p−トルエンスルホン酸塩の合成
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンのメタノールとジクロロメタン溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物を加え、減圧下に溶媒を留去した。残渣をエタノールと酢酸エチルから再結晶して、白色粉末の7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・p−トルエンスルホン酸塩を得た。
融点173.0−175.5℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
2.00−2.33(2H,m),2.28(3H,s),2.91(2H,t,J=6.6Hz),3.02(3H,s),3.00−3.16(2H,m),3.29−3.80(10H,m),4.12(2H,t,J=5.5Hz),6.99(1H,d,J=7.9Hz),7.06(1H,d,J=2.5Hz),7.11(2H,d,J=7.9Hz),7.24(1H,d,J=8.0Hz),7.33(1H,dd,J=8.0Hz,8.0Hz),7.44(1H,d,J=2.5Hz),7.48(1H,d,J=7.9Hz),7.51(1H,d,J=5.5Hz),7.72(1H,d,J=8.0Hz),7.82(1H,d,J=5.5Hz),9.39−9.58(1H,m)
実施例53
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンの合成
実施例1と同様の方法により、7−(3−クロロプロポキシ)−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンより合成した。
白色粉末(エタノール)
融点115−117℃
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.95−2.10(2H,m),2.64(2H,t,J=7.3Hz),2.70−2.80(4H,m),2.94(2H,t,J=6.7Hz),3.10−3.25(4H,m),3.16(3H,s),2.54(2H,t,J=6.7Hz),4.11(2H,t,J=6.5Hz),6.90(1H,d,J=7.0Hz),6.98(1H,dd,J=2.7Hz,8.3Hz),7.08(1H,d,J=8.3Hz),7.28(1H,dd,J=7.9Hz,7.9Hz),7.35−7.45(2H,m),7.55(1H,d,J=8.1Hz),7.63(1H,d,J=2.6Hz)。
【0257】
実施例54
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・メタンスルホン酸塩の合成
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オンのエタノール溶液に、メタンスルホン酸を加え、減圧下に溶媒を留去した。残渣を80%エタノールから再結晶して、淡黄色プリズム晶の7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン・メタンスルホン酸塩を得た。
融点147−149℃
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:
2.10−2.25(2H,m),2.29(3H,s),2.90(2H,t,J=6.7Hz),3.02(3H,s),3.05−3.15(2H,m),3.40−3.50(4H,m),3.51(2H,t,J=6.7Hz),3.55−3.70(4H,m),4.12(2H,t,J=6.0Hz),6.98(1H,d,J=7.6Hz),7.06(1H,dd,J=8.3Hz,2.7Hz),7.23(1H,d,J=8.4Hz),7.32(1H,dd,J=7.9Hz,7.8Hz),7.43(1H,d,J=2.7Hz),7.50(1H,d,J=5.5Hz),7.71(1H,d,J=8.1Hz),7.77(1H,d,J=5.5Hz),9.40−9.60(1H,m)。
【0258】
参考例31
4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−3−メチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成
参考例30と同様の方法により、3−メチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及び4−ブロモベンゾ[b]チオフェンより合成した。
H−NMR(CDCl)δppm:1.85−1.95(3H,m),1.50(9H,s),2.8−2.9(1H,m),3.15−3.35(2H,m),3.4−3.5(1H,m),3.5−3.65(1H,m),3.65−3.7(1H,m),3.7−3.9(1H,m),6.98(1H,d,J=7.5Hz),7.29(1H,dd,J=8Hz,8Hz),7.38(1H,d,J=5.5Hz),7.61(1H,d,J=8Hz)。
【0259】
参考例32
1−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−2−メチルピペラジン二塩酸塩の合成
4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−3−メチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.22g(3.7ミリモル)のジクロロメタン溶液(12ml)にトリフルオロ酢酸6mlを加えて室温で1時間撹拌した。減圧下に濃縮し、残渣に5%炭酸カリウム水溶液を加えてジクロロメタンで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣に濃塩酸0.6ml及びメタノール10mlを加えて減圧下に濃縮した。残渣をアセトニトリルから結晶化して微褐色粉末の1−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−2−メチルピペラジン二塩酸塩0.98gを得た。
H−NMR(DMSO−d)δppm:0.92(3H,d,J=6.5Hz),2.8−3.6(6H,m),3.6−4.0(1H,m),5.3−6.8(1H,m),7.20(1H,br),7.38(1H,dd,J=8Hz,8Hz),7.5−8.0(3H,m),9.4−10.1(2H,m)。
【0260】
参考例33
1−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−3−メチルピペラジン二塩酸塩の合成
参考例30と同様の方法により、2−メチルピペラジン及び4−ブロモベンゾ[b]チオフェンより合成した。
H−NMR(DMSO−d)δppm:1.34(3H,d,J=6.5Hz),2.85−2.95(1H,m),3.05−3.15(1H,m),3.2−3.6(6H,m),6.97(1H,d,J=7.5Hz),7.31(1H,dd,J=8Hz,8Hz),7.54(1H,d,J=5.5Hz),7.69(1H,d,J=8Hz),7.75(1H,d,J=5.5Hz),9.2−9.3(1H,m),9.64(1H,br)。
【0261】
参考例34
3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イルピペラジン−1−イル)プロピオン酸エチルの合成
1−ベンゾ[b]チオフェン−4−イルピペラジン塩酸塩5.05g(19.8ミリモル)を水酸化ナトリウム水溶液に加えてジクロロメタンで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をエタノール50mlに溶解し、アクリル酸エチル2.44ml(21.8ミリモル)を加えて4時間加熱還流した。室温まで冷却後、減圧下に濃縮し、残渣にイソプロピルエーテルを加えて析出した不溶物を濾取し、イソプロピルエーテルで洗浄後乾燥して白色粉末の3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イルピペラジン−1−イル)プロピオン酸エチル5.26gを得た。
【0262】
参考例35
3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イルピペラジン−1−イル)プロパン−1−オールの合成
3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イルピペラジン−1−イル)プロピオン酸エチル5.26g(16.5ミリモル)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(55ml)に氷冷下、水素化リチウムアルミニウム1.18g(24.8ミリモル)を加えて室温で4時間撹拌した。反応液に水1.2ml、15%水酸化ナトリウム水溶液1.2ml、水3.6mlの順に加えて室温で撹拌した。不溶物をろ過して除き、濾液を減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:2→酢酸エチル)で精製した。減圧下に濃縮乾固して白色粉末の3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イルピペラジン−1−イル)プロパン−1−オール0.23gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:1.75−1.85(2H,m),2.74(2H,t,J=5.8Hz),2.75−2.85(4H,m),3.15−3.25(4H,m),3.85(2H,t,J=5.3Hz),5.19(1H,brs),6.88(1H,d,J=7.6Hz),7.27(1H,dd,J=7.9Hz,7.8Hz),7.39(2H,s),7.56(1H,d,J=8.0Hz)。
【0263】
参考例36
酢酸4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イルピペラジン−1−イル)ブチルの合成
1−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン塩酸塩1.0g(3.9ミリモル)をジメチルホルムアミド(DMF)20mlに懸濁し、炭酸カリウム1.3g(9.4ミリモル)及び酢酸4−ブロモブチル0.7ml(4.8ミリモル)を加えて80℃で6時間撹拌した。室温まで冷却し、反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト(ジクロロメタン:メタノール=30:1)で精製した。減圧下に濃縮して淡黄色油状物の酢酸4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イルピペラジン−1−イル)ブチル0.72gを得た。
【0264】
参考例37
4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イルピペラジン−1−イル)ブタン−1−オールの合成
酢酸4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イルピペラジン−1−イル)ブチルエステル7.76g(23.3ミリモル)の90%メタノール溶液(150ml)に炭酸カリウム3.87g(28ミリモル)を加えて室温で2時間撹拌した。反応液に水を加えてジクロロメタンで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマト(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:1)で精製した。減圧下に濃縮して無色油状物の4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イルピペラジン−1−イル)ブタン−1−オール6.65gを得た。
【0265】
参考例38
1−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−4−(3−クロロプロピル)ピペラジンの合成
3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イルピペラジン−1−イル)プロパン−1−オール3.56g(12.9ミリモル)をジクロロメタン30mlに懸濁し、四塩化炭素30ml及びトリフェニルホスフィン4.06g(15.5ミリモル)を加えて3時間加熱還流した。室温まで冷却し、反応液にメタノール及びジクロロメタンを加えて均一溶液とした。シリカゲル30gを加えて減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラム(300g)に乗せ、n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒(2:1)で溶出した。減圧下に濃縮して無色油状物の1−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−4−(3−クロロプロピル)ピペラジン2.36gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:1.95−2.10(2H,m),2.60(2H,t,J=7.2Hz),2.65−2.75(4H,m),3.15−3.25(4H,m),3.65(2H,t,J=6.6Hz),6.89(1H,dd,J=7.6Hz,0.7Hz),7.27(1H,dd,J=7.9Hz,7.8Hz),7.38(1H,d,J=5.6Hz),7.41(1H,d,J=5.7Hz),7.55(1H,d,J=8.0Hz)。
【0266】
実施例55
4−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]キノリン 塩酸塩の合成
4−クロロキノリン230mg(1.58ミリモル)、3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イルピペラジン−1−イル)プロパン−1−オール310mg(1.05ミリモル)及び炭酸カリウム220mg(1.6ミリモル)をDMF10mlに加えて80℃で5時間撹拌した。室温まで冷却し、反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、減圧下に濃縮し、残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、残渣をエタノール3mlに溶解した。1N−塩酸エタノール溶液1mlを加えて生成した不溶物を濾取し、乾燥して淡黄色粉末の4−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]キノリン 塩酸塩360mg(収率78%)を得た。
融点;240−242℃。
【0267】
実施例56
3−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]イソキノリン 塩酸塩の合成
3−ヒドロキシイソキノリン170mg(1.17ミリモル)、1−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−4−(3−クロロプロピル)ピペラジン290mg(1.0ミリモル)及び炭酸カリウム200mg(1.45ミリモル)をDMF8mlに加えて80℃で7時間撹拌した。室温まで冷却し、反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、減圧下に濃縮し、残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、残渣をエタノール2mlに溶解した。1N−塩酸エタノール溶液0.5mlを加えて生成した不溶物を濾取し、乾燥して白色粉末の3−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]イソキノリン 塩酸塩160mg(収率37%)を得た。
融点;227−229℃。
【0268】
実施例57
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−6−メトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリン 二塩酸塩の合成
7−ヒドロキシ−6−メトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリン80mg(0.45ミリモル)と3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イルピペラジン−1−イル)プロパン−1−オール83mg(0.3ミリモル)のTHF溶液(1ml)にPS−トリフェニルホスフィン(3mmol/g)110mg及びアゾジカルボン酸ジベンジル70mg(0.3ミリモル)を加えて50℃で3時間撹拌した。室温まで冷却し不溶物を濾別した。濾液を減圧下に濃縮し、残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、残渣を2−プロパノールに溶解した。1N−塩酸エタノール溶液を加え、イソプロピルエーテルを加えて生成した結晶を濾取し、乾燥して淡黄色粉末の7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−6−メトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリン 二塩酸塩26mg(収率17%)を得た。
融点;211.0−213.0℃。
【0269】
実施例58
1−アセチル−7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン 塩酸塩の合成
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン0.49g(1.2ミリモル)のジクロロメタン溶液(10ml)に氷冷下無水酢酸0.34ml(3.6ミリモル)及びピリジン0.34ml(4.3ミリモル)を加えて室温で一夜撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、残渣に水と酢酸エチルを加えて分液した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄後減圧下に濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、残渣を酢酸エチル10mlに溶解した。1N−塩酸エタノール溶液0.63mlを加え、生成した結晶を濾取し、乾燥して白色粉末の1−アセチル−7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン 塩酸塩0.27g(収率52%)を得た。
融点;123.2−124.3℃。
【0270】
実施例59
6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン 塩酸塩の合成
6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン1.6g(3.8ミリモル)のTHF溶液(40ml)に水素化リチウムアルミニウム160mg(4.2ミリモル)を加えて1時間加熱還流した。反応液を氷冷し水0.16ml、15%水酸化ナトリウム水溶液0.16ml、水0.5mlの順に加えて撹拌後、不溶物を濾別した。濾液を減圧下に濃縮し、残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し無定形固体1.4gを得た。得られた無定形個体0.6gを酢酸エチル15mlに溶解した。1N−塩酸エタノール溶液1.45mlを加え、生成した結晶を濾取し、乾燥して白色粉末の6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン 塩酸塩0.55g(を得た。
融点;123.2−124.3℃。
【0271】
実施例60
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン 塩酸塩の合成
7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン0.25g(0.6ミリモル)のメタノール溶液(20ml)に37%ホルムアルデヒド水溶液0.15ml(1.8ミリモル)、MP−シアノボロヒドリド(2.41ミリモル/g)0.76g(1.8ミリモル)及び触媒量の酢酸を加えて室温で一夜撹拌した。樹脂を濾別し、濾液を減圧下に濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、残渣(175mg)を酢酸エチル5mlに溶解した。1N−塩酸エタノール溶液0.42mlを加え、生成した結晶を濾取し、乾燥して白色粉末の7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン塩酸塩103mg(収率37%)を得た。
融点;260.1−262.8℃。
【0272】
実施例61
4−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−キノリン−2−カルボン酸 メチルアミド 二塩酸塩の合成
4−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−キノリン−2−カルボン酸エチルエステル0.28gを40%メチルアミンメタノール溶液10mlに加えて室温で2日撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=11:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し残渣(166mg)を酢酸エチルに溶解した。1N−塩酸エタノール溶液0.7mlを加え、生成した結晶を濾取し、乾燥して白色粉末の4−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−キノリン−2−カルボン酸 メチルアミド 二塩酸塩0.17g(収率54%)を得た。
融点;224.0℃(分解)。
【0273】
実施例62
4−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−キノリン−2−カルボン酸 塩酸塩の合成
4−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−キノリン−2−カルボン酸エチルエステル1.5gのメタノール溶液(7ml)に4N−水酸化リチウム水溶液3mlを加えて室温で一夜撹拌した。水10ml及び4N−水酸化リチウム水溶液3mlを追加して50℃で11時間撹拌した。反応液を氷冷後、6N−塩酸4mlを加えて撹拌し、生成した結晶を濾取した。水で洗浄後乾燥して白色粉末の4−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−キノリン−2−カルボン酸 塩酸塩1.43g(98%)を得た。
融点;235.0℃。
【0274】
実施例63
4−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−キノリン−2−カルボキサミドの合成
4−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−キノリン−2−カルボン酸0.53g(1.2ミリモル)のアセトニトリル溶液(10ml)を氷冷し、トリエチルアミン0.25ml(1.8ミリモル)及びクロロぎ酸イソブチル0.19ml(1.4ミリモル)を加えて0℃で3時間撹拌した。これに28%アンモニア水溶液0.15mlを加えて室温で5分撹拌した。反応液に酢酸エチルを加えて水で洗浄し減圧下に濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、残渣(0.2g)を酢酸エチル及びイソプロピルエーテル混合溶媒から再結晶して白色粉末の4−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−キノリン−2−カルボキサミド79mg(収率16%)を得た。
融点;153.0−154.5℃。
【0275】
適当な出発原料を用い、上記参考例または実施例と同様にして以下の化合物を製造することができる。次の表において、例えば、結晶形、m.p.(融点)、塩、H−NMR、MS(マススペクトル)のような物性値を有する化合物は実際に製造された。
【0276】
【表1】

【0277】
【表2】

【0278】
【表3】

【0279】
【表4】

【0280】
【表5】

【0281】
【表6】

【0282】
【表7】

【0283】
【表8】

【0284】
【表9】

【0285】
【表10】

【0286】
【表11】

【0287】
【表12】

【0288】
【表13】

【0289】
【表14】

【0290】
【表15】

【0291】
【表16】

【0292】
【表17】

【0293】
【表18】

【0294】
【表19】

【0295】
【表20】

【0296】
【表21】

【0297】
薬理試験1
1)ドパミンD2受容体結合実験
Kohlerらの方法(Kohler C, Hall H, Ogren SO and Gawell L. Specific in vitro and in vivo binding of 3H-raclopride. A potent substituted benzamide drug with high affinity for dopamine D-2 receptors in the rat brain. Biochem. Pharmacol., 1985; 34: 2251-2259)に従って、実験を行った。
【0298】
ウイスター系雄性ラットを断頭し、脳をすみやかに取り出し、線条体を摘出した。組織重量の50倍量の50mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)−塩酸 緩衝液(pH:7.4)中で高速回転刃によるホモジナイザーを用いてホモジナイズし、4℃、48,000×gで10分間遠心した。得られた沈渣を再度組織重量の50倍量の上記緩衝液で懸濁し、37℃で10分間インキュベーションした後、上記条件で遠心した。得られた沈渣を組織重量の25倍量の50mMトリス−塩酸緩衝液(120mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl2、1mM MgCl2含有、pH:7.4)で懸濁し、これらを膜標本として結合実験に用いるまで−85℃で凍結保存した。
【0299】
結合実験は、膜標本40μl、[3H]−ラクロプライド20μl(最終濃度1−2nM)、被験薬物20μl及び50mMトリス−塩酸緩衝液(120mMNaCl、5mM KCl、2mM CaCl2、1mM MgCl2含有、pH:7.4)で全容量200μlにして行った(最終ジメチルスルホキシド濃度1%)。反応は室温で1時間行い、セルハーベスターを用い、グラスファイバー製フィルタープレートに吸引ろ過することにより終了した。グラスファイバー製フィルタープレートを50mMトリス−塩酸緩衝液(pH:7.4)で洗浄した後、乾燥後、マイクロプレート液体シンチレーションカクテルを加えて、マイクロプレートシンチレーションカウンターで放射活性を測定した。10μM(+)−塩酸ブタクラモール存在下での放射活性を非特異結合とした。
【0300】
IC50値は、濃度依存性反応から非線形解析プログラムを用いて算出した。Ki値は、Cheng-Prussoff 式を用いてIC50値から算出した。結果を次表に示す。
【0301】
【表22】

【0302】
【表23】

【0303】
2)セロトニン5−HT2A受容体結合実験
Leysen JEらの方法(Leysen JE, Niemegeers CJE, Van Nueten JM, and Laduron PM. [3H]Ketanserin (R 41 468), a selective 3H-ligand for serotonin 2 receptor binding sites. Mol. Pharmacol., 1982; 21: 301-314)に従って、実験を行った。
【0304】
ウイスター系雄性ラットを断頭し、脳をすみやかに取り出し、前頭皮質を摘出した。組織重量の10倍量の0.25Mショ糖中でテフロン(登録商標)ガラスホモジナイザーを用いてホモジナイズし、4℃、1,000×gで10分間遠心した。得られた上清を別の遠心管に移し、沈渣を組織重量の5倍量の0.25Mショ糖で懸濁し、上記条件で遠心した。得られた上清を先に得られた上清と合わせ50mMトリス−塩酸緩衝液(pH:7.4)で組織重量の40倍量に調製し、4℃、35,000×gで10分間遠心した。得られた沈渣を再度組織重量の40倍量の上記緩衝液で懸濁し、上記条件で遠心した。得られた沈渣を組織重量の20倍量の上記緩衝液で懸濁し、これらを膜標本として結合実験に用いるまで−85℃で凍結保存した。
【0305】
結合実験は、膜標本40μl、[3H]−ケタンセリン20μl(最終濃度1−3nM)、被験薬物20μl及び50mMトリス−塩酸緩衝液(pH:7.4)で全容量200μlにして行った(最終ジメチルスルホキシド濃度1%)。反応は37℃で20分間行い、セルハーベスターを用い、グラスファイバー製フィルタープレートに吸引ろ過することにより終了した。
【0306】
グラスファイバー製フィルタープレートを50mMトリス−HCl緩衝液(pH:7.4)で洗浄した後、乾燥後、マイクロプレート液体シンチレーションカクテルを加えて、マイクロプレートシンチレーションカウンターで放射活性を測定した。10μMスピペロン存在下での放射活性を非特異結合とした。
【0307】
IC50値は、濃度依存性反応から非線形解析プログラムを用いて算出した。Ki値は、Cheng-Prussoff 式を用いてIC50値から算出した。結果を次表に示す。
【0308】
【表24】

【0309】
【表25】

【0310】
3)アドレナリンα1受容体結合実験
Grob Gらの方法(Grob G, Hanft G, and Kolassa N. Urapidil and some analogues with hypotensive properties show high affinities for 5-hydroxytryptamine (5-HT) binding sites of the 5-HT1A subtype and for a1-adrenoceptor binding sites. Naunyn-Schmiedeberg's Arch Pharmacol, 1987; 336: 597-601)に従って、実験を行った。
【0311】
ウイスター系雄性ラットを断頭し、脳をすみやかに取り出し、大脳皮質を摘出した。組織重量の20倍量の50mMトリス−塩酸緩衝液(100mM NaCl、2mM エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム含有、pH:7.4)中で高速回転刃によるホモジナイザーを用いてホモジナイズし、4℃、80,000×gで20分間遠心した。得られた沈渣を組織重量の20倍量の上記緩衝液で懸濁し、37℃で10分間インキュベーションした後、上記条件で遠心した。得られた沈渣を再度組織重量の20倍量の上記緩衝液で懸濁し、上記条件で遠心した。得られた沈渣を組織重量の20倍量の50mMトリス−塩酸緩衝液(1mM エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム含有、pH:7.4)で懸濁し、これらを膜標本として結合実験に用いるまで−85℃で凍結保存した。
【0312】
結合実験は、膜標本40μl、[3H]−プラゾシン20μl(最終濃度0.2−0.5nM)、被験薬物20μl及び50mMトリス−塩酸緩衝液(1mM EDTA含有、pH:7.4)で全容量200μlにして行った(最終ジメチルスルホキシド濃度1%)。反応は30℃で45分間行い、セルハーベスターを用い、グラスファイバー製フィルタープレートに吸引ろ過することにより終了した。
【0313】
グラスファイバー製フィルタープレートを50mMトリス−塩酸緩衝液(pH:7.4)で洗浄した後、乾燥後、マイクロプレート液体シンチレーションカクテルを加えて、マイクロプレートシンチレーションカウンターで放射活性を測定した。10μM塩酸フェントールアミン存在下での放射活性を非特異結合とした。
【0314】
IC50値は、濃度依存性反応から非線形解析プログラムを用いて算出した。Ki値は、Cheng-Prussoff 式を用いてIC50値から算出した。
【0315】
薬理試験2
ドパミンD2受容体発現細胞を用いたドパミンD2受容体に対する部分作動性(パーシャルアゴニスト性)
フォルスコリン刺激して環状アデノシン3’,5’−一リン酸(サイクリックAMP)産生を誘導したドパミンD2受容体発現細胞において、測定化合物のサイクリックAMP産生抑制作用を定量することによって、ドパミンD2受容体に対するパーシャルアゴニスト性を評価した。
【0316】
ヒト型ドパミンD2受容体発現チャイニーズハムスター卵巣/DHFR(−)細胞を培地(イスコブ修飾ダルベッコ培地(IMDM培地),10%牛胎仔血清,50I.U./ml ペニシリン,50μg/ml ストレプトマイシン,200μg/ml ジェネティシン,0.1mM ヒポキサンチンナトリウム,16μM チミジン)中、37℃、5%炭酸ガス条件で培養した。ポリ−L−リジン塗布された96穴マイクロプレートに104細胞/ウェルの細胞を播き,2日間同条件下で培養した。各ウェルを洗浄液100μl(IMDM培地,0.1mMヒポキサンチンナトリウム,16μMチミジン)で洗浄し、試験化合物3μMを溶解した試験化合物添加培地50μl(IMDM培地,0.1%アスコルビン酸ナトリウム,0.1mMヒポキサンチンナトリウム,16μMチミジン)に置換した。37℃、5%炭酸ガス条件で20分静置した後、同試験化合物3μMを溶解した試験化合物添加フォルスコリン刺激培地100μl(IMDM培地,0.1%アスコルビン酸ナトリウム,0.1mMヒポキサンチンナトリウム,16μMチミジン,10μMフォルスコリン,500μM3−イソブチル−1−メチルキサンチン)に置換し、37℃、5%炭酸ガス条件で10分間静置した。培地を除去後、リシス(Lysis)1B水溶液200μl(アマシャムバイオサイエンス サイクリックAMP バイオトラック エンザイムイムノアッセイシステム添付試薬)を分注し、約10分間振盪した。各ウェル中の水溶液を測定サンプルとした。4倍希釈した測定サンプルを上記エンザイムイムノアッセイシステムを用いてサイクリックAMP量の測定を行った。試験化合物を加えていないウェルのサイクリックAMP量を100%として各試験化合物の抑制率を計算した。この実験系において、対照薬として用いたドパミンは最大活性として、サイクリックAMP量を約10%まで抑制した。
【0317】
上記試験において、試験化合物がドパミンD2受容体に対するパーシャルアゴニスト性を有していることを確認した。
【0318】
試験化合物がドパミンD2受容体に対するパーシャルアゴニスト性を有していることにより、統合失調症患者においてドパミン神経伝達を正常な状態へ安定化させることができ、その結果、副作用を発現することなく、例えば陽性及び陰性症状改善作用、認知障害改善作用等の臨床改善作用を発現することができる。
【0319】
薬理試験3
ラットを用いたアポモルヒネ誘発常同行動に対する抑制作用
試験動物として、ウィスターラット(雄,6−7週齢,日本エスエルシー株式会社)を用いた。試験化合物は、これをメノウの乳鉢を用いて5%アラビアゴム/(生理食塩水もしくは水)にて懸濁し、必要に応じ同液にて希釈したものを使用した。
【0320】
試験動物を前日より一晩絶食とした。各試験化合物を経口投与し(5ml/kg)、その1時間後に0.7mg/kgアポモルヒネを皮下投与した(1ml/kg)。アポモルヒネ投与20、30及び40分後に常同行動を1分間ずつ観察した。
【0321】
各動物の常同行動を下記の条件にて点数化し、3回の点数を合計し、抗アポモルヒネ作用の評価を行った。なお、各群とも試験動物を6匹ずつ使用した。
0:生理食塩水を投与したラットと観察上差がない状態
1:探索行動は継続的に行うが、におい嗅ぎ動作は断続的にしか行わない状態
2:におい嗅ぎ動作を継続的に行い、探索行動はときどきしか行わない状態
3:におい嗅ぎ動作を継続的に行うが、噛み付き動作や舌舐めずり動作は断続的にしか行わない状態。なお、このときの自発運動量は極めて少ない。
4:継続的な噛み付き動作や舌舐めずり動作を行う状態。なお、このとき探索行動は観られない。
【0322】
統計処理には、全て非臨床統計解析システムを用いた。有意確率値が0.05より低い場合に有意差有りとした。溶媒投与群と各試験化合物投与群との間の点数の差はウィルコクソンの順位和検定もしくはスティール検定を用いて解析した。また、50%有効用量(95%信頼区間)の算出には直線回帰分析を用いた。
【0323】
上記試験において、試験化合物がアポモルヒネ誘発常同行動に対する抑制作用を示したことから、試験化合物がD2受容体拮抗作用を有することを確認した。
【0324】
薬理試験4
ラットを用いた(±)D−2,5−ジメトキシ−4−ヨードアンフェタミン(DOI)誘発首振り行動に対する抑制作用
試験動物として、ウィスターラット(雄,6−7週齢,日本エスエルシー株式会社)を用いた。試験化合物は、これをメノウの乳鉢を用いて5%アラビアゴム/(生理食塩水もしくは水)にて懸濁し、必要に応じ同液にて希釈したものを使用した。
【0325】
試験動物を前日より一晩絶食させた。各試験化合物を経口投与し(5ml/kg)、その1時間後に5.0mg/kgのDOIを皮下投与し(1ml/kg)、その直後から10分間に誘発される首振り行動の回数を数えた。なお、各群とも試験動物を6匹ずつ使用した。
【0326】
統計処理には、全て非臨床統計解析システムを用いた。有意確率値が0.05より低い場合に有意差ありとした。溶媒投与群と各試験化合物投与群との間の首振り回数の差はt検定もしくはダネット検定を用いて解析した。また、50%有効用量(95%信頼区間)の算出には直線回帰分析を用いた。
【0327】
上記試験において、試験化合物がDOI誘発首振り行動に対する抑制作用を示したことから、試験化合物はセロトニン5HT2A受容体拮抗作用を有していることが確認された。
【0328】
薬理試験5
ラットにおける硬直状態(カタレプシー)惹起作用
試験動物として、ウィスターラット(雄,6−7週齢,日本エスエルシー株式会社)を用いた。試験化合物は、これをメノウの乳鉢を用いて5%アラビアゴム/(生理食塩水もしくは水)にて懸濁し、必要に応じ同液にて希釈したものを使用した。
【0329】
試験動物を前日より一晩絶食させた。各試験化合物を経口投与し(5ml/kg)、その1、2、4、6及び8時間後にカタレプシー及び眼瞼下垂の観察を行った。なお、各群とも試験動物を6匹ずつ使用した。
【0330】
スチール製の小箱(幅:6.5cm,奥行き:4.0cm,高さ:7.2cm)の縁にラットの片手を乗せ(不自然な姿勢)、30秒以上、その姿勢を維持していた場合をカタレプシー陽性と判定した。観察は各時点で3回行い、一度でも陽性であった場合、その個体はカタレプシーを惹起したと判定した。
【0331】
上記試験の結果、試験化合物のカタレプシー惹起作用とアポモルヒネ誘発常同行動抑制作用とが乖離しており、そのため臨床における錐体外路性副作用惹起の懸念が低いことが確認できた。
【0332】
薬理試験6
ラット脳シナプトソームによる化合物のセロトニン(5-HT)取り込み阻害活性測定
雄のウィスターラットを断頭し、脳を取り出し、前頭皮質を分離し、これを重量の20倍量の0.32モーラー(M)ショ糖溶液内にいれ、ポッター型ホモジナイザーでホモジナイズした。ホモジネートを1000g 10分間、4℃で遠心し、その上清をさらに20000g 20分間、4℃で遠心し、そのペレットをインキュベーションバッファー(10ミリ(m)M グルコース,145mM 塩化ナトリウム,4.5mM 塩化カリウム,1.2mM 塩化マグネシウム,1.5mM 塩化カルシウムを含む20mM ヘペスバッファー(pH7.4))に懸濁させたものを粗シナプトソーム画分として用いた。取り込み反応は96穴のラウンドボトムのプレートを用いて容量200マイクロ(μ)リットル(l)で行い、反応時にはインキュベーションバッファーにパージェリン(最終濃度10μM)とアスコルビン酸(最終濃度0.2mg/ml)を加え使用した。100%取り込み値は化合物の溶媒のみを加えたときの取り込み活性、0%取り込み値(非特異的取り込み値)は未標識の5−HT(最終濃度10μM)を加えたときの取り込み活性とし、測定用の各穴を準備した。評価化合物は最終濃度が300nMになるように希釈を行ったものを入れた穴を準備した。各穴にシナプトソーム画分を最終容量の10分の1量加え37℃で10分間プレインキュベーション後、トリチウムラベル5−HT溶液(最終濃度8nM)を加えて37℃で取り込み反応を開始した。取り込み時間は10分とし、96穴ガラス繊維濾紙プレートに吸引濾過することで反応を終了させ、さらに濾紙を冷生理食塩水で洗った後、十分に乾燥させてマイクロシンチ0(パーキンエルマー)を加え、フィルター上の残存放射活性を測定した。100%と0%の取り込み時の放射活性と各化合物の放射活性から各化合物の阻害活性を計算した。
【0333】
【数1】

【0334】
【表26】

【0335】
製剤例
本発明の化合物100g、アビセル(商標名、旭化成(株)製)40g、コーンスターチ30g及びステアリン酸マグネシウム2gを混合研磨後、糖衣R10mmのキネで打錠した。
【0336】
得られた錠剤をTC−5(商標名、信越化学工業(株)製、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)10g、ポリエチレングルコール6000 3g、ひまし油40g及び適量のエタノールからなるフィルムコーテイング剤を用いて皮膜を行い、上記組成のフィルムコーテイング錠を製造した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[式中、
【化2】

で示される環Qは、
【化3】

を示す。
(式中、
【化4】

は、−NH−CH−、−N=CH−、−CH−NH−、または、−CH=N−を示す。
Z及びYを含む複素環骨格の3位及び4位に示される
【化5】

の炭素間結合は、一重結合または二重結合を示す。)
環Q上には、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基、アリール基、アリール低級アルキル基、アリール低級アルコキシ基、アリールカルボニル基、低級アルケニルオキシ基、低級アルカノイル基、シクロアルキル基、シクロアルキル低級アルキル基、ハロゲン、低級アルキル基を有していてもよいカルバモイル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルカノイル基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルキル基を有していてもよいアミノ低級アルキル基、チエニル基、窒素原子を1または2個有する3から8員の飽和複素単環低級アルキル基、オキソ基及び低級アルカノイルオキシ基からなる群から選ばれた置換基が少なくとも1つ置換していてもよい。
は、水素または低級アルキル基を示す。
Aは、−O−A−(式中、Aは、ヒドロキシ基が置換していてもよいアルキレン基(該アルキレン基には1個の酸素原子が含まれていてもよい)または低級アルケニレン基を示す。)または低級アルキレン基を示す。
但し、Aが低級アルキレン基を示す場合、環Qは、
【化6】

及び
【化7】

からなる群から選択される二環式複素環基を示す。二環式複素環基中の点線を含む炭素間結合は、一重結合または二重結合を示す。]
で表される複素環化合物またはその塩からなる医薬。
【請求項2】
環Qが、
【化8】

及び
【化9】

からなる群から選択される二環式複素環基を示す。(上記二環式複素環骨格の3位及び4位に示される点線を含む炭素間結合は、一重結合または二重結合を示す。二環式複素環上には、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基、フェニル基、フェニル低級アルキル基、ナフチル低級アルキル基、フェニル低級アルコキシ基、ナフチル低級アルコキシ基、ベンゾイル基、低級アルケニルオキシ基、低級アルカノイル基、C3−C8シクロアルキル基、C3−C8シクロアルキル低級アルキル基、ハロゲン、低級アルキル基を有していてもよいカルバモイル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルカノイル基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルキル基を有していてもよいアミノ低級アルキル基、チエニル基、窒素原子を1または2個有する5から6員の飽和複素単環低級アルキル基、及び低級アルカノイルオキシ基からなる群から選ばれた置換基が1〜4個置換していてもよい)を示し、
Aが、−O−A−(式中、Aは、ヒドロキシ基が置換していてもよいC1−C6アルキレン基(該アルキレン基には1個の酸素原子が含まれていてもよい)を示す
請求項1に記載の医薬。
【請求項3】
環Qが、
【化10】

及び
【化11】

からなる群から選択される二環式複素環基(ここで、二環式複素環基上には、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基、フェニル基、フェニル低級アルキル基、ナフチル低級アルキル基、フェニル低級アルコキシ基、ナフチル低級アルコキシ基、ベンゾイル基、低級アルケニルオキシ基、低級アルカノイル基、C3−C8シクロアルキル基、C3−C8シクロアルキル低級アルキル基、ハロゲン、低級アルキル基を有していてもよいカルバモイル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルカノイル基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルキル基を有していてもよいアミノ低級アルキル基、フェニル基、チエニル基、ピロリジニル低級アルキル基及び低級アルカノイルオキシ基からなる群から選ばれた置換基が1〜3個置換していてもよい)を示し、
Aが、−O−A−(式中、Aは、ヒドロキシ基が置換していてもよいC1−C6アルキレン基(該アルキレン基には1個の酸素原子が含まれていてもよい)を示す
請求項2に記載の医薬。
【請求項4】
・ 環Qが
【化12】

及び
【化13】

からなる群から選択される二環式基(ここで、環Q上には、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基、フェニル基、フェニル低級アルキル基、ナフチル低級アルキル基、フェニル低級アルコキシ基、ナフチル低級アルコキシ基、ベンゾイル基、低級アルケニルオキシ基、低級アルカノイル基、C3−C8シクロアルキル基、C3−C8シクロアルキル低級アルキル基、ハロゲン、低級アルキル基を有していてもよいカルバモイル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルカノイル基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルキル基を有していてもよいアミノ低級アルキル基、チエニル基、ピロリジニル低級アルキル基及び低級アルカノイルオキシ基からなる群から選ばれた置換基が1〜3個置換していてもよい)を示す
請求項2に記載の医薬。
【請求項5】
環Qが、
【化14】

及び
【化15】

からなる群から選択される二環式基(上記二環式複素環骨格の3位及び4位に示される点線を含む炭素間結合は、一重結合または二重結合を示す。上記二環式複素環骨格上には、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基、フェニル基、フェニル低級アルキル基、ナフチル低級アルキル基、フェニル低級アルコキシ基、ナフチル低級アルコキシ基、ベンゾイル基、低級アルケニルオキシ基、低級アルカノイル基、C3−C8シクロアルキル基、C3−C8シクロアルキル低級アルキル基、ハロゲン、低級アルキル基を有していてもよいカルバモイル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルカノイル基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルキル基を有していてもよいアミノ低級アルキル基、チエニル基、ピロリジニル低級アルキル基、オキソ基及び低級アルカノイルオキシ基からなる群から選ばれた置換基が1〜4個置換していてもよい。)を示し、
Aが低級アルキレン基を示す
請求項1に記載の医薬。
【請求項6】
環Qが、
【化16】

及び
【化17】

からなる群から選択される上記二環式複素環基(上記二環式複素環骨格の3位及び4位に示される点線を含む炭素間結合は、一重結合または二重結合を示す。上記二環式複素環骨格上には、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基、フェニル基、フェニル低級アルキル基、ナフチル低級アルキル基、フェニル低級アルコキシ基、ナフチル低級アルコキシ基、ベンゾイル基、低級アルケニルオキシ基、低級アルカノイル基、C3−C8シクロアルキル基、C3−C8シクロアルキル低級アルキル基、ハロゲン、低級アルキル基を有していてもよいカルバモイル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルカノイル基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルキル基を有していてもよいアミノ低級アルキル基、チエニル基、ピロリジニル低級アルキル基及び低級アルカノイルオキシ基からなる群から選ばれた置換基が1〜3個置換していてもよい。)を示す請求項5に記載の医薬。
【請求項7】
(1)7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン、
(2)7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−1H−キノリン−2−オン、
(3)7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン、
(4)7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン、
(5)7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンおよび
(6)6−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンからなる群から選ばれた化合物からなる請求項3に記載の医薬。
【請求項8】
(1)7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン、
(2)7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン、
(3)7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン、
(4)7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン、
(5)7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2H−イソキノリン−1−オンおよび
(6)7−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)プロポキシ]−2−メチル−2H−イソキノリン−1−オンからなる群から選ばれた化合物からなる請求項4に記載の医薬。
【請求項9】
一般式(1)
【化18】

[式中、
【化19】

で示される環Qは、
【化20】

を示す。
(式中、
【化21】

は、−NH−CH−、−N=CH−、−CH−NH−、または、−CH=N−を示す。
Z及びYを含む複素環骨格の3位及び4位に示される
【化22】

の炭素間結合は、一重結合または二重結合を示す。)
(ここで、環Q上には、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基、アリール基、アリール低級アルキル基、アリール低級アルコキシ基、アリールカルボニル基、低級アルケニルオキシ基、低級アルカノイル基、シクロアルキル基、シクロアルキル低級アルキル基、ハロゲン、低級アルキル基を有していてもよいカルバモイル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルカノイル基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルキル基を有していてもよいアミノ低級アルキル基、チエニル基、窒素原子を1または2個有する3から8員の飽和複素単環低級アルキル基、オキソ基及び低級アルカノイルオキシ基からなる群から選ばれた置換基が少なくとも1つ置換していてもよい。
は、水素または低級アルキル基を示す。
Aは、−O−A−(式中、Aは、ヒドロキシ基が置換していてもよいアルキレン基(該アルキレン基には1個の酸素原子が含まれていてもよい。)または低級アルケニレン基を示す。)または低級アルキレン基を示す。
但し、Aが低級アルキレン基を示す場合、環Qは、
【化23】

及び
【化24】

からなる群から選択される二環式複素環基を示す。二環式複素環基中の点線を含む炭素間結合は、一重結合または二重結合を示す。]
で表される複素環化合物またはその塩であって、
一般式
【化25】

[式中、環Q及びAは前記に同じ。Xは、ハロゲン原子またはハロゲン原子と同様の置換反応を起こす基を示す。]
で表される化合物またはその塩と、
一般式
【化26】

[式中、Rは前記に同じ。]
で表される化合物またはその塩とを反応させることにより製造される複素環化合物またはその塩からなる医薬。
【請求項10】
中枢神経疾患を予防または治療するための請求項1〜9のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項11】
統合失調症、治療抵抗性、難治性または慢性統合失調症、失調感情障害、精神病性障害、気分障害、双極性障害、うつ病、内因性うつ病、大うつ病、メランコリー及び治療抵抗性うつ病、気分変調性障害、気分循環性障害、不安障害、身体表現性障害、虚偽性障害、解離性障害、性障害、摂食障害、睡眠障害、適応障害、物質関連障害、無快感症、せん妄、認知障害、神経変性疾患に伴う認知障害、神経変性疾患に起因した認知障害、統合失調症の認知障害、治療抵抗性、難治性または慢性統合失調症に起因する認知障害、嘔吐、乗物酔い、肥満、偏頭痛、疼痛、精神遅滞、自閉性障害、トウレット障害、チック障害、注意欠陥多動性障害、行為障害ならびにダウン症候群からなる群より選ばれる中枢神経疾患を予防または治療するための請求項10記載の医薬。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の医薬を有効成分とするドパミンD受容体パーシャルアゴニスト及び/または5−HT2A受容体アンタゴニスト及び/またはセロトニン取り込み阻害剤及び/またはセロトニン再取り込み阻害剤及び/またはα受容体アンタゴニスト。
【請求項13】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の医薬と医薬上許容され得る担体とを含む医薬組成物。
【請求項14】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の医薬と医薬上許容され得る担体とを混合することを含む医薬組成物の製造方法。

【公開番号】特開2008−115172(P2008−115172A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266795(P2007−266795)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000206956)大塚製薬株式会社 (230)
【Fターム(参考)】