半包囲されたワイヤガイドを有する弓形フライヤ
ここに開示されているのは、エアフォイル形状(70)の断面を有するボディと、該ボディ内のくぼみチャンネル(81)と、該くぼみチャンネル内に保持される一連のワイヤガイドインサート(91)と、を含むワイヤ撚り機での使用のための弓形フライヤ(10)である。さらにここに開示されているのは、ワイヤガイドインサートであって、チャンネルの同様な非円形形状に対応する外部非円形形状を有する管状ボディと、ワイヤガイドインサートにおける排出開口と、を含む、ワイヤガイドインサートである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弓形フライヤに関する。
【背景技術】
【0002】
撚り機での使用のための弓形フライヤ(flyer bow(s))は、周知の技術である。弓形フライヤを有する撚り機は、広範囲な使用のための撚りケーブルを作製するために使用することができる。弓形フライヤは、ワイヤのための二重、三重、四重、束ね撚り機とともに使用することができる。典型的な弓形フライヤは、一般的に断面が方形である。撚られるべきワイヤは、弓形フライヤの内側表面に沿って長手方向に進み、セラミック又は金属ワイヤガイドを通って表面に沿ってガイドされる。弓形フライヤの内側表面における溝又はくぼみチャンネル(a groove or recessed channel)が、撚られるべきワイヤを弓形フライヤの表面の近くに収容するために、弓形フライヤの設計にしばしば組み込まれる。この構成は、使用中に弓形フライヤを横切って吹く風によるワイヤに対する抵抗(drag)を低減する。エアフォイル形状を有する弓形フライヤは、最小のパワー引き出し及び低減された動作ノイズという効果を有する巻揚げ機の速度を増すために、うまく使用されている。
【0003】
しかし、エアフォイルは、露出したワイヤに対する抵抗の影響を最小化するためには、何かあるとしてもほとんど何もしない。さらに、露出したワイヤガイドは、それが回転するときに、弓形フライヤに対して付加的な抵抗を生成する。
【0004】
現存している弓形フライヤは、ポストらに対して発行されてカマティクス・コーポレーションに譲渡された米国特許第6,223,513 B1号に記述されており、その内容全体が参照によってここに援用されている。米国特許第6,223,513 B1号は、全体を包囲されたワイヤガイドを有する弓形フライヤを開示している。この設計は、ワイヤガイドを弓形フライヤの内部に組み込むことによって抵抗を低減する。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,223,513号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示されているのは、エアフォイル形状の断面を有するボディと、前記ボディ内のくぼみチャンネルと、前記くぼみチャンネル内に保持される一連のワイヤガイドインサートと、を含むワイヤ撚り機での使用のための弓形フライヤである。
【0007】
さらにここに開示されているのは、ワイヤガイドインサートであって、チャンネルの同様な非円形形状に対応する外部非円形形状を有するチューブ状ボディと前記ワイヤガイドインサートにおける排出開口とを含む、ワイヤガイドインサートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ここで図面を参照する。いくつかの図面において、同様の構成要素は同様に番号が付けられている。
【0009】
図1及び図2を参照すると、従来の弓形フライヤ10は、ボディ20、ワイヤガイド30、及びくぼみチャンネル21を含む。くぼみチャンネル21及びボディ20のエアフォイル形状は、撚り機の動作の間の弓形フライヤ10の抵抗を最小化するために組み込まれた従来の技術を示している。ボディ20のエアフォイル形状の外側及び空気流の中へのワイヤガイド30の突起は、より高い抵抗、より低い効率、及びより多くのパワー消費をもたらす結果となる。
【0010】
図3及び図4を参照すると、本発明の一つの実施形態において、弓形フライヤ70が、くぼんだ六角形形状のチャンネル81を有する空気力学的エアフォイル形状のボディ80を含み、空気流内に突出してより高い空気力学的損失をもたらす結果となるワイヤガイドを使用していない。ワイヤ撚り機に関して実行されたテストにおいて、本発明の実施形態は、露出されたワイヤガイドを有する従来のスティールボディよりも12.3%少ないパワーを消費し、露出されたワイヤガイドを有する従来の複合エアフォイル形状のボディよりも4.6%少ないパワーを消費した。撚り機を動作するために必要とされる余分なパワー(電力コスト)に加えて、より多くのノイズがあった。
【0011】
図5を参照すると、代替的な実施形態がワイヤガイドインサート90の使用を描いており、これは、チャンネル81内のボディ80のエアフォイル形状内部に完全に収容される。インサート90の六角形形状はチャンネル81のそれにマッチして、チャンネル81内部でのインサート90の回転を妨げ、これは、図7及び図8に最もよく描かれているように、インサート開口91のチャンネル開口82への位置合わせを維持する。インサート開口91及びチャンネル開口82の両方は、撚り機の動作の間にワイヤガイドインサート90を通過するワイヤ50によって生成されるダストの排出を許容する。この特徴はセルフクリーニング設計を提供し、且つメンテナンスフリーの特徴を実現して、撚り機は、弓形内の(in the bow)チャンネルを詰まらせる可能性があるダストを清掃するためにシャットダウンする必要がない。
【0012】
六角形形状のインサート90及び六角形チャンネル81が図5における本実施形態に描かれているが、チャンネル81内部のインサート90の回転抑制を与える任意の非円形(楕円、四角形、五角形、八角形、などのような)形状の断面が、本発明から逸脱することなく本機能を適切に果たすことができることが理解されるべきである。
【0013】
図6〜図8に示されるワイヤガイドインサート90は、ボディ80のどちらかの側から、端から端までの形態でチャンネル81内に組み立てられる。ワイヤガイドインサート90はチャンネル81に沿ってお互いに突きあって、チャンネル81内部のワイヤガイドインサート90の位置を維持する。ボディ80の端におけるワイヤガイドインサート90は、保持器(図示せず)によって所定の位置に固定される。
【0014】
ワイヤガイドインサート90は、そこを通過するワイヤによる摩耗に抵抗するための硬い耐摩耗性表面を有する任意の材料から構成されて良い。部分的な材料リストは、鋼鉄、あるいは、チタンカルボ−窒化物(titanium carbo-nitride、TiCN)、チタン−窒化物(titanium-nitride、TiN)、電解又は非電着ニッケルめっき、クロムめっき、セラミックコーティングなどのような硬度を増すためにそれに付与される表面めっき又はコーティングを有する鋼鉄を含む。インサートはまた、インコネルのようなニッケルベースの合金、セラミック材料、プラスチック複合物などから形成されることも可能である。
【0015】
ワイヤガイドインサート100は、図9に示されるように、波状の内部表面101を有する形状を持つこともできて、これは、インサート100を通過するワイヤ50との接触面積を低減し、それによって、摩擦力及びその結果として生じるワイヤ上の抵抗を減らす。
【0016】
ボディ80は、図5に示されるように複合材料から構成されることができて、これは、カーボンファイバエポキシ、ファイバグラスエポキシ、アラミドファイバエポキシ、又は上記で言及した材料の2つ又は3つの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。ボディ80は、カーボンファイバ85のための組み構造を使用してカーボンファイバ85材料で強化され得る。組みファイバ85構造の使用もまた特有であるが、それは、このタイプの構造がボディ80の強度を増し、且つボディ80が、増加した耐ダメージ特性及びワイヤ50の衝突からの衝撃による割れに対する増加した抵抗(resistance)をもたらすからである。ワイヤ撚り機を通過するワイヤ50は時には破損し、破損したワイヤ50が、機械内で高速に回転しているボディ80に衝突することがある。組みファイバ85構造はワイヤ50の衝突に対してより弾力性があり、且つ組みファイバ85構造はワイヤ50の衝突により開始し得るあらゆるクラックを抑制するように作用し、結果としてボディ80の寿命をより長くする。
【0017】
図5を再び参照すると、弓形のボディ80はまた、重量を減らす一方で剛性を増すための中空断面86を有し、それにIビーム形の幾何学形状を与えても良い。ボディ80の重量の低減は、エアフォイルボディ80の取り付け端への遠心引張力(centrifugal pull)を低減する。中空断面86はまた、フォーム87で充填し、ボディ80の重量を顕著に追加することなく、ボディ80の剛性をさらに増すことができる。ワイヤガイドインサート90及びワイヤ50を内部に収容するためのエアフォイル断面の使用によって提供されるより厚い断面はまた、より剛性のあるエアフォイル断面を作り出す。より剛性のあるこの断面は、ボディが、図10に示されているようにワイヤ撚り機でスピンしているときにボディに印加される高い遠心負荷の下でさえ、製造されたときの湾曲形状120を維持することを可能にする。より薄い断面を有する従来の設計は、不規則な形状130を作り出す傾向があり、且つ回転時に弓形の頂部で平坦化する傾向がある。不規則形状130の結果、ワイヤがワイヤガイドとより大きく接触し、より大きな接触面積及び力による摩耗によってワイヤの品質を劣化させる。
【0018】
図11は、本発明の代替的な実施形態における弓形フライヤ150の斜視図である。弓形フライヤ150は、インサート90を収納するための非円形チャンネル81を含む。弓形フライヤ150の底面152は、連続的なチャンネル開口82ではなく、チャンネル81と位置合わせされた一連の細長いオリフィス154を含む。細長いオリフィス154は、底面152のある区間156が細長いオリフィス154の間に延在するように、非連続である。本実施形態は、チャンネル81の底が完全に開いていないので、弓形フライヤ強度を増加させる。
【0019】
図12は、本発明の代替的な実施形態における弓形フライヤ160の正面平面図である。上述のように、インサート90は、弓形フライヤの各端に位置する保持器162を通してチャンネル81に保持される。図12の実施形態では、弓形フライヤ160は、弓形フライヤ160の長さに沿って距離を隔てられたロック部材164を含む。各ロック部材164はインサート90の一つを弓形フライヤに固定して、インサート90がチャンネル81の内部でスライドできないようにする。これは弓形フライヤの中央部に対する遠心力を低減し、高い遠心力による変形又はダメージを妨げる。2つのロック部材164が図12に示されているが、追加のロック部材が使用され得ることが理解される。ロック部材164は、保持器162の間の長さに沿って均等に間隔を空けていてもよい。
【0020】
図13は、図12の線13−13に沿って取られた断面図であり、例示的なロック部材164を描いている。ロック部材164は、弓形フライヤの底面からインサート90の周囲を延在して弓形フライヤ160の頂部表面を出て行くU字形状のボルト166から形成される。U字ボルト166はナット168を通して弓形フライヤに固定され、それは抵抗を低減するように弓形フライヤでくぼんでいても良い。U字ボルト166によって印加される張力は、インサート90がチャンネル81の内部でスライドすることを妨げる。ロック部材164は、弓形フライヤ160に沿って配置することができて、弓形フライヤ160の中心における遠心力を低減する。
【0021】
好適な実施形態が示され且つ記述されてきたが、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく、様々な改変及び代用がそれに対して行われ得る。したがって、本発明が、限定としてではなく例示として記述されていることが、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来の弓形フライヤの正面平面図である。
【図2】図1の弓形フライヤの矢印2−2で取られた断面図である。
【図3】本発明の一つの実施形態を描いた弓形フライヤの正面平面図である。
【図4】図3の弓形フライヤの矢印4−4で取られた断面図である。
【図5】六角形チャンネル内のワイヤガイドインサートを示す本発明の代替的な実施形態の断面図である。
【図6】六角形ワイヤガイドインサートの底部平面図である。
【図7】図6のワイヤガイドインサートの正面平面図である。
【図8】図7のワイヤガイドインサートの矢印8−8で取られた断面図である。
【図9】ワイヤガイドインサートの内径上に波状バンプを有する代替的な実施形態の図である。
【図10】本発明の実施形態における弓形フライヤと比較した従来の弓形フライヤの変形を描いた図である。
【図11】本発明の代替的な実施形態における弓形フライヤの斜視図である。
【図12】本発明の代替的な実施形態における弓形フライヤの正面平面図である。
【図13】図12の線13−13に沿って取られた断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、弓形フライヤに関する。
【背景技術】
【0002】
撚り機での使用のための弓形フライヤ(flyer bow(s))は、周知の技術である。弓形フライヤを有する撚り機は、広範囲な使用のための撚りケーブルを作製するために使用することができる。弓形フライヤは、ワイヤのための二重、三重、四重、束ね撚り機とともに使用することができる。典型的な弓形フライヤは、一般的に断面が方形である。撚られるべきワイヤは、弓形フライヤの内側表面に沿って長手方向に進み、セラミック又は金属ワイヤガイドを通って表面に沿ってガイドされる。弓形フライヤの内側表面における溝又はくぼみチャンネル(a groove or recessed channel)が、撚られるべきワイヤを弓形フライヤの表面の近くに収容するために、弓形フライヤの設計にしばしば組み込まれる。この構成は、使用中に弓形フライヤを横切って吹く風によるワイヤに対する抵抗(drag)を低減する。エアフォイル形状を有する弓形フライヤは、最小のパワー引き出し及び低減された動作ノイズという効果を有する巻揚げ機の速度を増すために、うまく使用されている。
【0003】
しかし、エアフォイルは、露出したワイヤに対する抵抗の影響を最小化するためには、何かあるとしてもほとんど何もしない。さらに、露出したワイヤガイドは、それが回転するときに、弓形フライヤに対して付加的な抵抗を生成する。
【0004】
現存している弓形フライヤは、ポストらに対して発行されてカマティクス・コーポレーションに譲渡された米国特許第6,223,513 B1号に記述されており、その内容全体が参照によってここに援用されている。米国特許第6,223,513 B1号は、全体を包囲されたワイヤガイドを有する弓形フライヤを開示している。この設計は、ワイヤガイドを弓形フライヤの内部に組み込むことによって抵抗を低減する。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,223,513号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示されているのは、エアフォイル形状の断面を有するボディと、前記ボディ内のくぼみチャンネルと、前記くぼみチャンネル内に保持される一連のワイヤガイドインサートと、を含むワイヤ撚り機での使用のための弓形フライヤである。
【0007】
さらにここに開示されているのは、ワイヤガイドインサートであって、チャンネルの同様な非円形形状に対応する外部非円形形状を有するチューブ状ボディと前記ワイヤガイドインサートにおける排出開口とを含む、ワイヤガイドインサートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ここで図面を参照する。いくつかの図面において、同様の構成要素は同様に番号が付けられている。
【0009】
図1及び図2を参照すると、従来の弓形フライヤ10は、ボディ20、ワイヤガイド30、及びくぼみチャンネル21を含む。くぼみチャンネル21及びボディ20のエアフォイル形状は、撚り機の動作の間の弓形フライヤ10の抵抗を最小化するために組み込まれた従来の技術を示している。ボディ20のエアフォイル形状の外側及び空気流の中へのワイヤガイド30の突起は、より高い抵抗、より低い効率、及びより多くのパワー消費をもたらす結果となる。
【0010】
図3及び図4を参照すると、本発明の一つの実施形態において、弓形フライヤ70が、くぼんだ六角形形状のチャンネル81を有する空気力学的エアフォイル形状のボディ80を含み、空気流内に突出してより高い空気力学的損失をもたらす結果となるワイヤガイドを使用していない。ワイヤ撚り機に関して実行されたテストにおいて、本発明の実施形態は、露出されたワイヤガイドを有する従来のスティールボディよりも12.3%少ないパワーを消費し、露出されたワイヤガイドを有する従来の複合エアフォイル形状のボディよりも4.6%少ないパワーを消費した。撚り機を動作するために必要とされる余分なパワー(電力コスト)に加えて、より多くのノイズがあった。
【0011】
図5を参照すると、代替的な実施形態がワイヤガイドインサート90の使用を描いており、これは、チャンネル81内のボディ80のエアフォイル形状内部に完全に収容される。インサート90の六角形形状はチャンネル81のそれにマッチして、チャンネル81内部でのインサート90の回転を妨げ、これは、図7及び図8に最もよく描かれているように、インサート開口91のチャンネル開口82への位置合わせを維持する。インサート開口91及びチャンネル開口82の両方は、撚り機の動作の間にワイヤガイドインサート90を通過するワイヤ50によって生成されるダストの排出を許容する。この特徴はセルフクリーニング設計を提供し、且つメンテナンスフリーの特徴を実現して、撚り機は、弓形内の(in the bow)チャンネルを詰まらせる可能性があるダストを清掃するためにシャットダウンする必要がない。
【0012】
六角形形状のインサート90及び六角形チャンネル81が図5における本実施形態に描かれているが、チャンネル81内部のインサート90の回転抑制を与える任意の非円形(楕円、四角形、五角形、八角形、などのような)形状の断面が、本発明から逸脱することなく本機能を適切に果たすことができることが理解されるべきである。
【0013】
図6〜図8に示されるワイヤガイドインサート90は、ボディ80のどちらかの側から、端から端までの形態でチャンネル81内に組み立てられる。ワイヤガイドインサート90はチャンネル81に沿ってお互いに突きあって、チャンネル81内部のワイヤガイドインサート90の位置を維持する。ボディ80の端におけるワイヤガイドインサート90は、保持器(図示せず)によって所定の位置に固定される。
【0014】
ワイヤガイドインサート90は、そこを通過するワイヤによる摩耗に抵抗するための硬い耐摩耗性表面を有する任意の材料から構成されて良い。部分的な材料リストは、鋼鉄、あるいは、チタンカルボ−窒化物(titanium carbo-nitride、TiCN)、チタン−窒化物(titanium-nitride、TiN)、電解又は非電着ニッケルめっき、クロムめっき、セラミックコーティングなどのような硬度を増すためにそれに付与される表面めっき又はコーティングを有する鋼鉄を含む。インサートはまた、インコネルのようなニッケルベースの合金、セラミック材料、プラスチック複合物などから形成されることも可能である。
【0015】
ワイヤガイドインサート100は、図9に示されるように、波状の内部表面101を有する形状を持つこともできて、これは、インサート100を通過するワイヤ50との接触面積を低減し、それによって、摩擦力及びその結果として生じるワイヤ上の抵抗を減らす。
【0016】
ボディ80は、図5に示されるように複合材料から構成されることができて、これは、カーボンファイバエポキシ、ファイバグラスエポキシ、アラミドファイバエポキシ、又は上記で言及した材料の2つ又は3つの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。ボディ80は、カーボンファイバ85のための組み構造を使用してカーボンファイバ85材料で強化され得る。組みファイバ85構造の使用もまた特有であるが、それは、このタイプの構造がボディ80の強度を増し、且つボディ80が、増加した耐ダメージ特性及びワイヤ50の衝突からの衝撃による割れに対する増加した抵抗(resistance)をもたらすからである。ワイヤ撚り機を通過するワイヤ50は時には破損し、破損したワイヤ50が、機械内で高速に回転しているボディ80に衝突することがある。組みファイバ85構造はワイヤ50の衝突に対してより弾力性があり、且つ組みファイバ85構造はワイヤ50の衝突により開始し得るあらゆるクラックを抑制するように作用し、結果としてボディ80の寿命をより長くする。
【0017】
図5を再び参照すると、弓形のボディ80はまた、重量を減らす一方で剛性を増すための中空断面86を有し、それにIビーム形の幾何学形状を与えても良い。ボディ80の重量の低減は、エアフォイルボディ80の取り付け端への遠心引張力(centrifugal pull)を低減する。中空断面86はまた、フォーム87で充填し、ボディ80の重量を顕著に追加することなく、ボディ80の剛性をさらに増すことができる。ワイヤガイドインサート90及びワイヤ50を内部に収容するためのエアフォイル断面の使用によって提供されるより厚い断面はまた、より剛性のあるエアフォイル断面を作り出す。より剛性のあるこの断面は、ボディが、図10に示されているようにワイヤ撚り機でスピンしているときにボディに印加される高い遠心負荷の下でさえ、製造されたときの湾曲形状120を維持することを可能にする。より薄い断面を有する従来の設計は、不規則な形状130を作り出す傾向があり、且つ回転時に弓形の頂部で平坦化する傾向がある。不規則形状130の結果、ワイヤがワイヤガイドとより大きく接触し、より大きな接触面積及び力による摩耗によってワイヤの品質を劣化させる。
【0018】
図11は、本発明の代替的な実施形態における弓形フライヤ150の斜視図である。弓形フライヤ150は、インサート90を収納するための非円形チャンネル81を含む。弓形フライヤ150の底面152は、連続的なチャンネル開口82ではなく、チャンネル81と位置合わせされた一連の細長いオリフィス154を含む。細長いオリフィス154は、底面152のある区間156が細長いオリフィス154の間に延在するように、非連続である。本実施形態は、チャンネル81の底が完全に開いていないので、弓形フライヤ強度を増加させる。
【0019】
図12は、本発明の代替的な実施形態における弓形フライヤ160の正面平面図である。上述のように、インサート90は、弓形フライヤの各端に位置する保持器162を通してチャンネル81に保持される。図12の実施形態では、弓形フライヤ160は、弓形フライヤ160の長さに沿って距離を隔てられたロック部材164を含む。各ロック部材164はインサート90の一つを弓形フライヤに固定して、インサート90がチャンネル81の内部でスライドできないようにする。これは弓形フライヤの中央部に対する遠心力を低減し、高い遠心力による変形又はダメージを妨げる。2つのロック部材164が図12に示されているが、追加のロック部材が使用され得ることが理解される。ロック部材164は、保持器162の間の長さに沿って均等に間隔を空けていてもよい。
【0020】
図13は、図12の線13−13に沿って取られた断面図であり、例示的なロック部材164を描いている。ロック部材164は、弓形フライヤの底面からインサート90の周囲を延在して弓形フライヤ160の頂部表面を出て行くU字形状のボルト166から形成される。U字ボルト166はナット168を通して弓形フライヤに固定され、それは抵抗を低減するように弓形フライヤでくぼんでいても良い。U字ボルト166によって印加される張力は、インサート90がチャンネル81の内部でスライドすることを妨げる。ロック部材164は、弓形フライヤ160に沿って配置することができて、弓形フライヤ160の中心における遠心力を低減する。
【0021】
好適な実施形態が示され且つ記述されてきたが、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく、様々な改変及び代用がそれに対して行われ得る。したがって、本発明が、限定としてではなく例示として記述されていることが、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来の弓形フライヤの正面平面図である。
【図2】図1の弓形フライヤの矢印2−2で取られた断面図である。
【図3】本発明の一つの実施形態を描いた弓形フライヤの正面平面図である。
【図4】図3の弓形フライヤの矢印4−4で取られた断面図である。
【図5】六角形チャンネル内のワイヤガイドインサートを示す本発明の代替的な実施形態の断面図である。
【図6】六角形ワイヤガイドインサートの底部平面図である。
【図7】図6のワイヤガイドインサートの正面平面図である。
【図8】図7のワイヤガイドインサートの矢印8−8で取られた断面図である。
【図9】ワイヤガイドインサートの内径上に波状バンプを有する代替的な実施形態の図である。
【図10】本発明の実施形態における弓形フライヤと比較した従来の弓形フライヤの変形を描いた図である。
【図11】本発明の代替的な実施形態における弓形フライヤの斜視図である。
【図12】本発明の代替的な実施形態における弓形フライヤの正面平面図である。
【図13】図12の線13−13に沿って取られた断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアフォイル形状の断面を有するボディと、
前記ボディ内のくぼみチャンネルと、
前記くぼみチャンネル内に保持される一連のワイヤガイドインサートと、
を備える、ワイヤ撚り機での使用のための弓形フライヤ。
【請求項2】
前記ワイヤガイドが、前記ワイヤガイドインサートのどの部分も前記ボディの前記エアフォイル形状によって規定される輪郭を越えて突出しないように、前記くぼみチャンネルの内部に収容されている、請求項1に記載の弓形フライヤ。
【請求項3】
前記ワイヤガイドインサートの非円形形状の、前記くぼみチャンネルの形状へのマッチングによって、前記ワイヤガイドインサートが、前記くぼみチャンネルの内部に回転的にロックされる、請求項1に記載の弓形フライヤ。
【請求項4】
前記ワイヤガイドインサート及び前記くぼみチャンネルの前記非円形形状が六角形である、請求項3に記載の弓形フライヤ。
【請求項5】
前記ワイヤガイドインサートの一つの側の開口を前記くぼみチャンネルにおける開口に位置合わせし、汚染物質の排出を容易にする、請求項3に記載の弓形フライヤ。
【請求項6】
前記ボディがカーボンファイバで強化された複合材料から構成されている、請求項1に記載の弓形フライヤ。
【請求項7】
前記カーボンファイバが撚り合わされている、請求項6に記載の弓形フライヤ。
【請求項8】
前記ボディの一部が中空である、請求項1に記載の弓形フライヤ。
【請求項9】
前記ボディの一部がフォーム状材料で形成されている、請求項1に記載の弓形フライヤ。
【請求項10】
前記くぼみチャンネルが前記弓形フライヤの底面に形成されたチャンネル開口を含み、
前記チャンネル開口が前記くぼみチャンネルに位置合わせされた複数の別個の細長いオリフィスである、請求項1に記載の弓形フライヤ。
【請求項11】
前記弓形フライヤ及び前記ワイヤガイドインサートの一つに固定されて前記チャンネルの内部での前記ワイヤガイドインサートの動きを制約するロック部材をさらに備える、請求項1に記載の弓形フライヤ。
【請求項12】
ワイヤガイドインサートであって、
弓形フライヤにおけるチャンネルの同様な非円形形状に対応する外部非円形形状を有する管状ボディと、
前記ワイヤガイドインサートにおける排出開口と、
を備える、ワイヤガイドインサート。
【請求項13】
前記ワイヤガイドインサートの前記非円形形状が六角形である、請求項12に記載のワイヤガイドインサート。
【請求項14】
前記ワイヤガイドの内部表面が波状である、請求項12に記載のワイヤガイドインサート。
【請求項1】
エアフォイル形状の断面を有するボディと、
前記ボディ内のくぼみチャンネルと、
前記くぼみチャンネル内に保持される一連のワイヤガイドインサートと、
を備える、ワイヤ撚り機での使用のための弓形フライヤ。
【請求項2】
前記ワイヤガイドが、前記ワイヤガイドインサートのどの部分も前記ボディの前記エアフォイル形状によって規定される輪郭を越えて突出しないように、前記くぼみチャンネルの内部に収容されている、請求項1に記載の弓形フライヤ。
【請求項3】
前記ワイヤガイドインサートの非円形形状の、前記くぼみチャンネルの形状へのマッチングによって、前記ワイヤガイドインサートが、前記くぼみチャンネルの内部に回転的にロックされる、請求項1に記載の弓形フライヤ。
【請求項4】
前記ワイヤガイドインサート及び前記くぼみチャンネルの前記非円形形状が六角形である、請求項3に記載の弓形フライヤ。
【請求項5】
前記ワイヤガイドインサートの一つの側の開口を前記くぼみチャンネルにおける開口に位置合わせし、汚染物質の排出を容易にする、請求項3に記載の弓形フライヤ。
【請求項6】
前記ボディがカーボンファイバで強化された複合材料から構成されている、請求項1に記載の弓形フライヤ。
【請求項7】
前記カーボンファイバが撚り合わされている、請求項6に記載の弓形フライヤ。
【請求項8】
前記ボディの一部が中空である、請求項1に記載の弓形フライヤ。
【請求項9】
前記ボディの一部がフォーム状材料で形成されている、請求項1に記載の弓形フライヤ。
【請求項10】
前記くぼみチャンネルが前記弓形フライヤの底面に形成されたチャンネル開口を含み、
前記チャンネル開口が前記くぼみチャンネルに位置合わせされた複数の別個の細長いオリフィスである、請求項1に記載の弓形フライヤ。
【請求項11】
前記弓形フライヤ及び前記ワイヤガイドインサートの一つに固定されて前記チャンネルの内部での前記ワイヤガイドインサートの動きを制約するロック部材をさらに備える、請求項1に記載の弓形フライヤ。
【請求項12】
ワイヤガイドインサートであって、
弓形フライヤにおけるチャンネルの同様な非円形形状に対応する外部非円形形状を有する管状ボディと、
前記ワイヤガイドインサートにおける排出開口と、
を備える、ワイヤガイドインサート。
【請求項13】
前記ワイヤガイドインサートの前記非円形形状が六角形である、請求項12に記載のワイヤガイドインサート。
【請求項14】
前記ワイヤガイドの内部表面が波状である、請求項12に記載のワイヤガイドインサート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2008−537024(P2008−537024A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−558200(P2007−558200)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/007369
【国際公開番号】WO2006/094099
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(501459734)カマティクス コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/007369
【国際公開番号】WO2006/094099
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(501459734)カマティクス コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】
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