説明

半導体の取り付け構造

【課題】 フレキシブル基板における配線パターンの引き回しが容易にできる半導体の取り付け構造を提供する。
【解決手段】 受光部材104はパッケージ104bと、その表面部104b″の両側に突設したそれぞれ複数の外部接続端子104cとを備え、表面部104b″には受光窓104b′が形成され、フレキシブル基板109には所定の間隔を隔てて2本のスリット110a、110bが形成され、パッケージ104bの両側の外部接続端子104cがスリット110a、110bにそれぞれ挿通された状態でパッケージ104bが両スリット110a、110b間に配設され、各外部接続端子104cがランド部111a−1〜6、111b−1〜6にそれぞれハンダ付けされることで受光部材104がフレキシブル基板109に取り付けられるとともに、受光窓104b′がフレキシブル基板109の前記ランド部とは反対側の面側に露出するようにした

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フレキシブル基板への半導体の取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図22、図23を用いて、従来における半導体の一例である受光部材24のフレキシブル基板29への取り付け構造について説明する。
【0003】図22は従来における受光部材24の取り付け構造を説明するための説明図、図23は従来の受光部材24の平面図である。
【0004】受光部材24は、図23に示すように、方形状のパッケージ24bと、パッケージ24bの両側からそれぞれ突設した外部接続端子24cとから構成されている。パッケージ24bは、光透過性の窓部すなわち受光窓24b′を有するとともにフォトダイオード等からなる受光パターンPが形成された回路基板24aを内蔵している。そして、外部接続端子24cを介して、回路基板24a用の電源電圧を供給したり、受光パターンPで受光した光が光電変換された信号を外部に出力したりできるようになっている。そして、受光パターンPは、そのパターン中心Sがパッケージ24bの中心Qと一致するように配設されている。
【0005】図22に示すフレキシブル基板29は、図中上下方向が長手である帯状部29aと、この帯状部29aの上端部に設けた取付部29bと、帯状部29aの下端部に設けられたコネクタ差込部29cとから構成されている。
【0006】そして、取付部29bの中央部には方形状の開口部29b′が形成されている。また、開口部29b′の両側における取付部29bには、それぞれ長手方向に沿って所定の間隔で配列したそれぞれ6個の方形状のランド部29b″が形成されている。
【0007】また、各ランド部29b″からは、開口部29b′の左右両縁部とランド部29b″との間に挟まれたスペースを通して、配線パターンが下方の帯状部29aに引き出されるとともに、コネクタ差込部29cの所定の端子29c′に接続されている(接続状態は図示せず。)。
【0008】次に、受光部材24のフレキシブル基板29への取り付け構造を説明すると、受光部材24は、図2222に示すように、そのパッケージ24bの受光窓24b′の形成面側が、取付部29bの中央部に形成した開口部29b′に挿通するようにフレキシブル基板29に取り付けられ、各外部接続端子24cが各ランド部29b″にそれぞれハンダ付けされて固着される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の受光部材24の取り付け構造においては、フレキシブル基板29の取付部29bに開口部29b′が形成されていたので、取付部29bにおいて、受光部材24のランド部29b″から配線される配線パターンを引き回すための配線スペースの面積が大きく狭められ、特に小型化が要求される場合には、配線パターンの幅をごく細く形成しなければならなかったり、配線パターン間の間隔を非常に接近させたりしなければならず、配線パターンの断線やショートが発生する場合があり、配線パターンの引き回しが困難となっていた。
【0010】本発明の目的は、上記従来の課題を解決するものであり、フレキシブル基板における配線パターンの引き回しが容易にできる半導体の取り付け構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための第1の解決手段として、半導体をフレキシブル基板に取り付けるための取り付け構造であって、前記半導体は発光素子または受光素子を包含したパッケージと、該パッケージの両側に形成した外部接続端子とを備え、前記パッケージの表面部には前記発光素子から照射される光または前記受光素子へ入射される光を透過させるための窓部を形成し、前記フレキシブル基板には所定の間隔で2本のスリットを形成し、前記半導体が前記フレキシブル基板の一方の面における前記各スリット間に配設され、該各スリットを介して前記両側の外部接続端子が前記フレキシブル基板の一方の面から他方の面側へそれぞれ臨出した状態で前記外部接続端子が該他方の面に接続されることで、前記半導体が該フレキシブル基板に取り付けられるとともに、前記窓部が前記フレキシブル基板の一方の面側に露出するようにしたことを特徴とするものである。
【0012】さらに、第2の解決手段として、前記外部接続端子は前記パッケージの両側から各側方へそれぞれ複数個突設され、前記フレキシブル基板の他方の面には、前記各外部接続端子をそれぞれハンダ付けして接続するためのランド部が形成され、該ランド部は前記各外部接続端子毎に、該外部接続端子の長さ方向にずらして配設したことを特徴とするものである。
【0013】さらに、第3の解決手段として、前記フレキシブル基板の一方の面側に補強板が配設され、該補強板には開口部が形成され、該開口部に前記パッケージの前記窓部が臨出する状態で、前記フレキシブル基板が前記補強板に固着されたことを特徴とするものである。
【0014】さらに、第4の解決手段として、複合光学部材を収容したハウジングに、前記半導体及び前記フレキシブル基板を備えた前記補強板と、発光部材とを取付固定して複合光学ユニットを一体で構成し、前記発光部材は発光素子を包含したパッケージと、該パッケージに設けた複数の外部接続端子とを備え、前記ハウジングには前記複合光学部材の光軸方向に進む光の入出射口を形成し、前記発光部材から前記光軸に沿って出射した光を前記複合光学部材に透過させ、該複合光学部材から出射した光を前記入出射口を通して外部へ照射し、該光の戻り光が前記複合光学部材に入射し該複合光学部材を透過する過程で、該戻り光を前記半導体の方向に偏向し、前記窓部を透過させて前記受光素子で受光するようにしたことを特徴とするものである。
【0015】さらに、第5の解決手段として、前記発光部材の前記外部接続端子を前記フレキシブル基板に形成した所定の配線パターンに接続したことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態である受光部材(半導体)の取り付け構造について、図1〜図19の図面を用いて以下に説明する。
【0017】図1は本発明の実施の形態に係る光ピックアップ装置100の分解斜視図、図2は光ピックアップ装置100の一部断面平面図、図3は光ピックアップ装置100の一部断面側面図、図4は波長レーザダイオード102の一部断面斜視図、図5は受光部材104の平面図、図6は図5における受光パターンPの拡大図、図7R>7は複合光学部材105の正面図、図8は図7の左側面図、図9は図7の右側面図、図10は図7の方向10から見た図、図11はハウジング106の平面図、図12は図11の12−12断面図、図13は図12の左側面図、図14は図12の右側面図、図15は図12の方向15から見た図、図16はフレキシブル基板109の展開図、図17は図16の矢印17から見た一部側面図、図18は図2における18−18一部断面図、図19は複合光学ユニット101の機能を説明するための説明図である。
【0018】図1〜図3に示すように、光ピックアップ装置100はピックアップボディ500と、このピックアップボディ500内に配設された、複合光学ユニット101と、平板状の反射ミラー300と、コリメートレンズ400と、対物レンズ200を備えた二軸アクチュエータ122(図1参照)と、押圧部材すなわち板バネ150とから主として構成されている。
【0019】そして、図3に示すように、光ピックアップ装置100は光ディスクすなわちCD61あるいはDVD62に対面して配置されている。
【0020】次に、各部材について説明する。
【0021】ピックアップボディ500は板金からなり、図1に示すように、湾曲部124aと突出部124bとを一部有する略長方形をした底板部126aと、底板部126aの長手方向の両縁に沿ってピックアップボディ500の一部を折り曲げてそれぞれ対向立設させた側壁部126b、126cと、突出部124bの先端部より底板部126aの長手方向に沿って折り曲げて立設した側壁部129と、側壁部126b及び129と連結するように湾曲部124aに沿って立設した側壁部170とから主に構成されている。
【0022】また、側壁部126cの一端は、底板部126aから突き出ており、その先端には、切欠溝128bが形成されている。
【0023】また、側壁部126cにおける切欠溝128bを形成した端部とは反対側の端部と、側壁部129には、貫通した丸孔130、130がそれぞれ形成されていて、丸孔130、130の内径は光ディスク装置(図示せず)に取り付けられた1つのシャフト棒(図示せず)によって挿通される大きさにそれぞれ形成されている。
【0024】さらに、切欠溝128bには前記シャフト棒と平行に配設された他方のシャフト棒(図示せず)にスライド可能に嵌合するようになっており、これらシャフト棒の長手方向にピックアップボディ500が移動可能となっている。このとき、ピックアップボディ500に搭載された対物レンズ200は光ディスク61(62)の半径方向に移動させられるようになっている。
【0025】また、底板部126aの略中央部には、略方形状の第1の開口部136が形成されていて、この第1の開口部136の底板部126aの長手方向と平行な両縁部には、対向立設された一対の切り起こし片138、138が形成されており、切り起こし片138、138の対向面間には後述する反射ミラー300が取り付けられる。
【0026】一方、底板部126aにおいて第1の開口部136と長手方向の切欠溝128b側に隣接した位置(ピックアップボディ500の後端部側)には、略方形状の第2の開口部137が形成されている。そして、この第2の開口部137の短手方向と平行な縁部と、底板部126aの後端部側の縁部には、長手方向に対向立設された取付片すなわち一対の切り起こし片139(第1の支持受部)、140(第2の支持受部)がそれぞれ形成され、それらの上縁部には、それぞれV字状の切欠溝139a、140aが切り欠き形成されている。
【0027】また、側壁部126bには、長手方向に沿った帯状の部分を底板部126a側に突き出して形成した取付部126b′が、切り起こし片139、140間の底板部126aに沿って設けられており、さらに、取付部126b′の突出側とは反対の側壁面と、側壁部126bの底板部126a側の側壁面との間には隙間126b″が形成されている。
【0028】また、底板部126aにおいて、切り起こし片139、140間の中央部には方形状の貫通孔126a′が形成されるとともに、貫通孔126a′を挟んで取付部126b′とは反対側に長手方向に長寸法のU字溝126a″が貫通形成されている。
【0029】次に、反射ミラー300は、方形板状の光学ガラスまたは光学樹脂部材の表面に金属膜等の光学膜を蒸着などの方法を用いて形成した光学素子である。この反射ミラー300は、複合光学ユニット101より出射されたレーザ光を対物レンズ200の光軸方向に略90度角度を変えて反射するものである。反射ミラー300は底板部126a面に対して略45度の角度をなして切り起こし片138、138間に所定の位置となるように配置され接着剤等により底板部126aに取付固定される。
【0030】次に、二軸アクチュエータ122は、図1に示すように、主に、二軸ベース(図示せず)と、この二軸ベースに固定した取付部122cと、対物レンズ200を有するレンズホルダー122eと、このレンズホルダー122eに一体化したヨーク122fとから構成されている。そして、取付部122cには4本のサスペンションワイヤー122dの一方の端部が固定され、他方の端部はレンズホルダー122eに固定されることによって、レンズホルダー122eは取付部122cに対して可撓性をもって保持されるようになっている。
【0031】この二軸アクチュエータ122は、前記二軸ベースがピックアップボディ500の底板部126aに固着されることによって、ピックアップボディ500に取付固定されている。また、CD61(DVD62)面と直交する方向であるフォーカシング(F)方向及びCD61(DVD62)の半径方向であるトラッキング(T)方向に対物レンズ200が可動自在になっている。なお、対物レンズ200はCD61及びDVD62の双方に対応できるように構成されたものである。
【0032】図1、図18に示す板バネ150は、帯状の板バネ材をL字状に折り曲げて形成されたものであり、長寸法の押圧部150aと、短寸法の支持部150bからなっている。また、支持部150bには図18に示すように、支持部150bの中央部を切り起こして形成した爪部150b′が設けられている。
【0033】次に、複合光学ユニット101は、受発光一体型光学素子であり、レーザ光を光ディスクに照射し、光ディスクからの反射光(戻り光)を受光することにより光ディスクに記録された情報を再生したり、あるいは光ディスクに対して情報を記録するために用いられる。
【0034】複合光学ユニット101は、図2に示すように、主として、発光部材すなわち2波長レーザダイオード102と、回路基板104aを内蔵した受光部材104(半導体)と、光学部材すなわち複合光学部材105と、ベース板107と、フレキシブル基板109(図1R>1参照)と、これらの部材が取り付けられるハウジング106とからなっている。
【0035】次に、複合光学ユニット101を構成する各部材について説明する。
【0036】2波長レーザダイオード102は、図4に示すように、円板状の基板部102aと、基板部102aの一方の平面部102a′から突設した直方体状の基台102bと、基台102bの側壁面に位置決めされ固着されたレーザチップ103と、基台102bを包含するように平面部102a′に取付固定され筒状の胴部102cと開口部102d′を形成した天板102dとからなるキャップ部102eと、開口部102d′をキャップ部102eの内側から塞ぐように固着された透明な円板状のガラス板102fとから構成されている。こうして、基板部102aとキャップ部102eとガラス板102fとから構成される1つのパッケージの中に密閉された空間にレーザチップ103が配置されるようになっている。
【0037】そして、レーザチップ103にはDVD用の短波長(波長650nm帯)のレーザ光103a′を出射する発光素子すなわち光源103aと、CD用の長波長(波長780nm帯)のレーザ光103b′を出射する発光素子すなわち光源103bが間隔Dとなるように近接させて形成されている。なお、本実施の形態では、Dは120μmに設定している。また、DVD用の650nm帯は、具体的には、635nmあるいは650nmがDVD規格として採用されている。
【0038】また、光源103a、103bからそれぞれ出射されるレーザ光103a′、103b′は基板部102aの一方の平面部102a′と直交する方向に相互に平行となるように開口部102d′を通して出射されるようになっている。なお、レーザ光103a′、103b′の出射位置はレーザチップ103の先端面103′(平面部102a′と平行となるように配置されている)の同一平面上となるように構成されている。また、基板部102aの一方の平面部102a′とは反対側の他方の平面部からは複数の外部接続端子102g(図1参照)が突設してあり、この外部接続端子102gを介してレーザチップ103への駆動電流の供給等を行っている。
【0039】また、2波長レーザダイオード102を製作する工程では、2つの光源103a、103bを備えたレーザチップ103は所定の基板面上に半導体プロセス類似のプロセスにより加工されるので、各光源103a、103b間の間隔Dは容易に所定の値に高精度で均一に形成することができる。また、そのためディスクリート部品として大量生産も可能となるので2波長レーザダイオード102のコストも安価なものにすることができる。
【0040】受光部材104は、図2、図5に示すように、方形状のパッケージ104bと、このパッケージ104bから両側に突設した外部接続端子104cとから主に構成されている。パッケージ104bの表面部104b″には光透過性の窓部すなわち受光窓104b′が形成されており、また、受光素子すなわち受光パターンPが形成された回路基板104aを内蔵している。そして、外部接続端子104cを介して、回路基板104a用の電源電圧を供給したり、受光パターンPで受光した光が光電変換された信号を外部に出力したりできるようになっている。
【0041】また、図6に示すように、回路基板104aに形成された受光パターンPは、中央に配置され4つの方形状のフォトダイオードA、B、C、Dを上下左右対称に並べた4分割フォトダイオード104dと、この4分割フォトダイオード105dを挟んで上下方向に対称となるように配置された4分割フォトダイオード104e、104fとから構成されている。4分割フォトダイオード104eは小さい方形状のフォトダイオードE1とE4、及び大きい方形状のフォトダイオードE2とE3を左右対称に配置されたパターンであり、同様に4分割フォトダイオード104fも小さい方形状のフォトダイオードF2とF3、及び大きい方形状のフォトダイオードF1とF4を左右対称に配置されたパターンである。
【0042】そして、図5に示すように、受光パターンPは、そのパターン中心S(4分割フォトダイオード104dの中心)がパッケージ104bの中心Qよりも下方向に距離Hだけ偏倚して位置するように配設されている。
【0043】図7〜図10に示す複合光学部材105は、高透過性を有する樹脂の一体成形により形成され、平行に配置された入射面105aと出射面(戻り光入射面)105bを光軸N方向の両端面に有した円錐台状の基体部105cと、入射面105aから突出するように形成した傾斜面部105d′を有する台形状の突出部105dとから主に構成されている。
【0044】基体部105cは出射面105bの方向(前方)になるにしたがって縮径となるように形成されている。また、基体部105cの前端部には、第1規制部すなわち円柱面105j′を有する円柱状部105jが形成されている。前記出射面105bはこの円柱状部105jの前端面となっている。
【0045】また、基体部105cの円柱状部105jとは反対側の後端部105kの外周面には、周方向にほぼ均等に配置された4つの突部105k′(第2規制部)が形成されている。なお、第2規制部すなわち各突部105k′の先端面は柱面になっている。また、図3において、基体部105cの中央部の下面には円柱状の位置規制突部105mが下方に突出するように一体形成されている。
【0046】また、出射面105bの中央部には第1の回折手段すなわち方形状の第1の回折格子105fが形成されている。また、傾斜面部105d′の表面には図示しない光学膜がコーティングされることによって、傾斜面部105d′の内壁面には戻り光反射面105d″が形成されている。また、戻り光反射面105d″には第2の回折手段すなわち反射型の第2の回折格子105gが、入射面105aにはCD用トラッキング制御のための3ビームを生成する3ビーム用回折格子105hが形成されている。
【0047】さらに、突出部105dの戻り光反射面105d″とは反対側の側壁面には平坦面105nが基体部105cに架けて形成されている。さらに、平坦面105nの縁部からはフォーカス制御方式である非点収差法のためのシリンダー面105iが光軸N所定の角度αをなして斜め方向に溝形成されており(図10参照)、シリンダー面105iの内壁が戻り光出射面105pとなっている。本実施の形態では、複合光学部材105は第1及び第2の回折格子105f、105g並びに3ビーム用回折格子105h、シリンダー面105iとともに成形型を用いた一体成形により形成されている。
【0048】また、図7、図8、図18に示すように、複合光学部材105において、基体部105cの入射面と突出部105dの後端面で、各突部105kと、第2の回折格子105g及び3ビーム用回折格子105hとの間に、それぞれ緩衝領域すなわち空間部105sを光軸N方向に所定の深さで座ぐり形成してある。
【0049】空間部105sを形成した複合光学部材105においては、この複合光学部材105を図2に示すハウジング106の収容室106cに嵌入して複合光学部材105の後端部105kを第2規制部106kに圧入したときに、圧入力が光学機能部すなわち第2の回折格子105gおよび3ビーム用回折格子105hの方向に作用する力をさらに空間部105sによって緩衝させることができ、光学機能部の歪の発生をより低減できるものである。
【0050】本実施の形態では、出射面105bと戻り光入射面を同一面としたが、出射面と戻り光入射面を別々に設け、この戻り光入射面に第1の回折格子を形成するようにしてもよい。なお、複合光学部材105における第1及び第2の回折格子105f、105g、並びに3ビーム用回折格子105hについての詳細は後述する。
【0051】図11〜図15に示すハウジング106は、アルミダイキャスト製のブロックからなり、主として円筒部106gと、この円筒部106gの図11中左端部に同軸状に設けた円筒状のフランジ部106nと、フランジ部106nおよび円筒部106gからそれぞれ外方へ突設した取付部106h、106iとからなっている。これら取付部106h、106iには方形状の取付面106h′、106i′が円筒部106gの中心軸方向に沿ってそれぞれ形成されている。
【0052】なお、円筒部106gの図15中右端部側(以下、前端部側とよぶ)及び左端部側(以下、後端部側とよぶ)における下面側の外周面は、それぞれハウジング106を中心軸N′と直交する方向に位置決めするための第1の支持部及び第2の支持部となっている。また、フランジ部106nの円筒部106g側の側壁面は、ハウジング106を中心軸N′方向に位置決めするための規制部すなわち規制面106n′となっている。
【0053】また、円筒部106gの図12中左端部側(後端部側)には図4に示す2波長レーザダイオード102を収容するための収容室106aが、フランジ部106nの左端面には2波長レーザダイオード102を位置決めして取り付けるための取付穴106bが座ぐり形成されている。
【0054】また、円筒部106gの右端部側(前端部側)には収容室106aと中心軸N′に沿って連結するように収容室106cが形成されている。収容室106cは、図7に示す複合光学部材105を挿入するための円錐台状の錐面で囲まれた空間であり、中心軸N′に沿って前端部側になるにしたがって縮径となるように構成されている。また、収容室106cの先端部および後端部には円柱面からなる第1および第2規制受部106j、106k(規制受面)をそれぞれ有している。
【0055】第1規制受部106jの直径は、複合光学部材105(図7参照)の円柱状部105j(直径D1)が高精度に嵌合できる寸法に設定されている。また、第2規制受部106kの直径は、複合光学部材105の後端部105kに設けた各突部105k′の先端を外接する外接円の直径D2(図8参照)よりも短径である所定の寸法に設定されている。
【0056】また、収容室106cの前端部には複合光学部材105を光軸N方向に位置決めするための位置決め部すなわち突き当て面106c′が形成されている。また、収容室106cの突き当て面106c′には前方に開口した入出射口すなわち円形の開口部106fが形成されており、複合光学部材105に設けた第1の回折格子105fが露出するようになっている。
【0057】さらに、収容室106a、106cの図12R>2中下部の側壁部には、図15に示すように、収容室106aの後端部から前方に切り欠いたU字孔状の位置規制溝106dが円筒部106gの外壁を貫通するように形成されている。また、位置規制溝106dの後方端からは収容室106aの開口縁部にかけて幅広の案内溝106d′が連接してフランジ部106nの外壁を貫通するように溝形成されている。
【0058】なお、位置規制溝106dの溝幅は、複合光学部材105に設けた位置規制突部105mの外径が高精度に嵌合できる所定の寸法に設定されている。
【0059】また、貫通孔106dと案内溝106d′を覆う円筒部106gおよびフランジ部106nの外壁面には受光部材104を配置するための配置面106eが形成されている。そして、取付部106h、106iは、それぞれに設けた取付面106h′、106i′が前記配置面106eよりも高く段差を設けるようにフランジ部106nおよび円筒部106gにそれぞれ一体に形成されている。
【0060】さらに、円筒部106gの図15中下面には係止部すなわち角穴状の調整用溝部106mが形成されている(図18参照)。なお、調整用溝部106mは角穴状に限らず円形穴状など他の形状であってもよい。
【0061】なお、ハウジング106に用いるブロックはアルミダイキャストだけでなく、亜鉛ダイキャスト、マグネシウム合金、あるいは他の金属等で構成するようにしてもよい。
【0062】図1、図16に示すフレキシブル基板109は、図中上下方向が長手である帯状部109aと、この帯状部109aの上端部からL字状に形成されたアーム状部109bと、アーム状部109bの先端に連設された円形状部109cと、帯状部109aの下端部に設けられたコネクタ差込部109dとから主として構成されている。
【0063】そして、帯状部109aの上端部側には、図16に示すように、所定の間隔を有して対向配置した幅狭のスリット110a、110bが形成されている。スリット110a(110b)は、その中央部に帯状部109aの長手方向と所定の角度で傾斜した傾斜部110a′(110b′)を有し、また、傾斜部110a′(110b′)の上下端部には長手方向と平行となるように連設された平行部110a″(110b″)をそれぞれ有している。なお、スリット110a(110b)は、薄刃の刃物でカットして形成するようにしてもよい。
【0064】また、両スリット110a、110bのそれぞれ外側における帯状部109aには、それぞれ傾斜部110a′、110b′に沿って所定の間隔で配列したそれぞれ6個の方形状のランド部111a−1〜6、および111b−1〜6が形成されている。そして、各ランド部111a−1〜6(111b−1〜6)は、傾斜部110a′(110b′)の形成方向と直交する方向にそれぞれずらして配列されている。なお、ランド部111a−1〜6、111b−1〜6の形状は方形に限らず、例えば円形や長円などの他の形状であってもよい。
【0065】一方、円形状部109cには4つの貫通孔109c′が形成されており、各貫通孔109c′の周囲にはそれぞれ円形のランド部109c″が形成されている。そして、各ランド部109c″からは配線パターン(符号なし)がアーム状部109bに引き出されており、帯状部109aの上端部に形成した各中継パターン112に接続されている。さらに、各中継パターン112からは配線パターンが下方向に引き出されており、スリット110aと110b間の帯状部109aを通ってコネクタ差込部109dの所定の端子109d′に接続されている(接続状態は図示せず)。なお、各中継パターン112にはそれぞれショートランド部112′が形成されている。
【0066】また、ランド部111a−1、2および111b−1、2からは上方に配線パターンが引き出されるとともに、スリット110aと110b間の帯状部109aを通ってコネクタ差込部109dの所定の端子109d′に接続されている。さらに、ランド部111a−3〜6、および111b−3〜6からは下方に配線パターンが引き出されており、スリット110aと110bのそれぞれ外側の部分の帯状部109aを通ってコネクタ差込部109dの所定の端子109d′に接続されている(いずれも接続状態は図示せず)。なお、コネクタ差込部109dの端子109d′と反対側の面に補強板(図示せず)を貼り合わせてコネクタ差込部109d部分を補強するようにしてもよい。
【0067】このようにしたことで、フレキシブル基板109に受光部材104のパッケージ104bを挿通するための開口部を設ける必要がなくなり、各ランド部111a−1〜6および111b−1〜6から配線される配線パターンの引き回しのためのスペースがほとんど狭められることがなく、配線パターンの引き回しが容易となる。
【0068】さらに、各ランド部111a−1〜6(111b−1〜6)は、傾斜部110a′(110b′)の形成方向と直交する方向にそれぞれずらして配列されているので、それぞれのランド部111a−1〜6、111b−1〜6から傾斜部110a′(110b′)の形成方向に配線パターンを引き出すことが可能となり、配線パターンを他の配線パターンを迂回するように引き回す必要がなく、さらに配線パターンの引き回しが容易となる。
【0069】次に、図1、図2を参照して、ハウジング106への2波長レーザダイオード102、受光部材104、複合光学部材105、及びフレキシブル基板109の組み立て状態について説明する。
【0070】まず、図2に示すように、複合光学部材105は、ハウジング106の取付穴106bから挿入され、さらに所定の治具(図示せず)で入射面105aの回折格子105hを除く面が均一に押圧されることによって、その基体部105cが収容室106c内に嵌め込まれる。さらに、複合光学部材105が押圧されると、出射面105bの外縁部がハウジング106の収容室106cに形成した突き当て面106c′に当接して、ハウジング106に対する中心軸N′方向の位置決めがなされる。
【0071】このとき、基体部105cに設けた円柱状部105jが収容室106cの第1規制受部106jに嵌合するようになっており、この状態で円柱状部105jの円柱面105j′(図7参照)が第1規制受部106jに当接して、基体部105cの前端部における光軸Nと直交する方向の位置規制が高精度でなされるようになっている。
【0072】また、後端部105kは収容室106cに設けた第2規制受部106kに圧入される。このとき、図18に示すように、後端部105kの外周面に形成した各突部105k′はそれぞれ均一に押しつぶされた状態となって、各突部105k′の先端面が第2制受部106kに当接し、基体部105cの後端部105kにおける光軸Nと直交する方向の位置規制が高精度でなされるとともに、複合光学部材105の収容室106cからの抜けが防止される。こうして、複合光学部材105の前端部と後端部とで光軸Nと直交する方向の位置規制がなされることにより、複合光学部材105をハウジング106に嵌入したときにその光軸Nが傾くことなく精度よく取り付けることが可能となる。
【0073】上述した圧入状態では突部105k′が押しつぶされるようにしたので、第2規制受部から受ける圧入力の一部を突部の変形により緩衝させて必要以上の圧入力が複合光学部材にかからないようにして光学機能部すなわち第2の回折格子105gおよび3ビーム用回折格子105hの歪の発生を低減できる。
【0074】一方、複合光学部材105に形成した位置規制突部105mは、ハウジング106のフランジ部106nに形成した案内溝106d′の開口部から挿入される。そして、複合光学部材105が光軸N方向の前方に押し込まれ収容室106cに収容されたときには、位置規制突部105mは案内溝106d′に案内されて位置規制溝106dに嵌合するようになっており(図18参照)、この状態で基体部105cの光軸N回りの回転方向の位置規制が高精度でなされるようになっている。
【0075】このようにして、ハウジング106に対する複合光学部材105の光軸Nと直交する方向への位置規制、および光軸N回りの回転方向の位置規制、そして光軸N方向の位置規制がなされるようになっている。なお、前記光軸Nはハウジング106の基体部106gの中心軸N′と一致させてある。
【0076】次に、2波長レーザダイオード102は、そのキャップ部102e(図4参照)側がハウジング106の収容室106a内に挿入されるとともに、基板部102aにおける一方の平面部102a′側の外縁部がハウジング106に形成した取付穴106bに嵌入されることによって、ハウジング106に取付固定される。
【0077】このように複合光学部材105と2波長レーザダイオード102が組み込まれたハウジング106においては、図19に示すように、2波長レーザダイオード102に内蔵されたレーザチップ103の先端面103′と、複合光学部材105の入射面105aとが平行で所定の間隔となるように配設されている。このとき、複合光学部材105の中心軸Nは光源103a(図4R>4参照)から出射されるレーザ光103a′の光軸と一致するように構成されている。
【0078】また、受光部材104は、まず、図16に示すように、受光部材104のパッケージ104bの両側に突設したそれぞれ6本の外部接続端子104cを、それぞれフレキシブル基板109のスリット110a、110bの傾斜部110a′、110b′に図16のフレキシブル基板109の裏面側から挿入し、それぞれランド部111a−1〜6および111b−1〜6上に配設するとともにハンダ付けにより接続されることで、受光部材104がフレキシブル基板109に取り付けられる。
【0079】このとき、受光部材104におけるパッケージ104bの受光窓104b′とは反対側の面は図17R>7に示すように、スリット110a、110b間の部分の帯状部109aに覆われる状態になっている。また、パッケージ104bの受光窓104b′が形成された表面部104b″は、各外部接続端子104cがハンダ付けされるフレキシブル基板109面とは反対側の面側に露出した状態になっている。
【0080】このようにフレキシブル基板109に取り付けられた受光部材104は、図1〜図3に示すように、パッケージ104bの受光窓104b′側の外形が、ベース板107(補強板)に所定の角度で斜めに形成した方形状の貫通孔107a(開口部)に挿通されて受光窓が104b′が貫通孔107aに臨出した状態で配設され、フレキシブル基板109がベース板107との重ね合わせ部分でベース板107に接着剤等により貼り合わされて固定される。
【0081】そして、受光部材104とフレキシブル基板109が取り付けられたベース板107は、図1に示すように、受光窓104b′がハウジング106に形成した位置規制溝106dに対面するように配置された状態で、取付部106h、106iのそれぞれ取付面106h′、106i′に載置され、ネジ108、108で締め付け固定されてハウジング106に固定される。このようにして、受光部材104をハウジング106に確実に取り付けることができるようになっている。
【0082】また、フレキシブル基板109のベース板107上縁部よりもやや上方に突出した部分がL字状に折り曲げられ、さらに円形状部109cがアーム状部109bに対してL字状に下方向に折り曲げられた後に、円形状部109cに形成した各貫通孔109c′に2波長レーザダイオード102の各外部接続端子102gがそれぞれ挿通されることで、円形状部109cが2波長レーザダイオード102の後方側に配設される。
【0083】そして、貫通孔109c′のそれぞれの周囲に形成した各ランド部109c″(図16参照)に各外部接続端子102gがそれぞれハンダ付けされてフレキシブル基板109に接続される。
【0084】このようにしたことで、受光部材104と2波長レーザダイオード102のそれぞれの配線を1つのフレキシブル基板で行うことができ、複合光学ユニット101における配線を容易にできるものである。
【0085】なお、フレキシブル基板109に形成した各ショートランド部112′(図16参照)はハンダによって接続される(接続状態は図示せず)。これにより、各外部接続端子102gはショートされ、フレキシブル基板109をハンドリングするときに、2波長レーザダイオード102内の光源103a、103bが静電気などにより破壊されるのを防止できるようになっている。そして、このフレキシブル基板109とともに他の部材がハウジング106に組み込まれた複合光学ユニット101として使用されるときに、ショートランド部112′をショートしているハンダが除去される。
【0086】また、受光部材104は、図2に示すように、2波長レーザダイオード102に対して複合光学部材105を起点として90度の角度をなすように配置される。また、図3に示すように、受光部材104は、その受光パターンPのパターン中心Sが位置規制溝106d間の光軸N上の所定位置に位置し、表面部104b″が戻り光出射面105p(図19参照)から出射される戻り光103a′−2(103b′−2)の光軸に対して直交するように、かつ、図5中パターン中心Sとパッケージ104bの上縁部までの距離が長い側が光ディスク61(62)側となるように配置されるものである。このとき、受光部材104は光軸Nと所定の角度だけ傾いた状態で取り付けられる。
【0087】このような構成としたことで、受光部材104を、図5中パターン中心Sとパッケージ104bの下縁部までの距離が短い側が光ディスク61(62)側とは反対側となるように配置できるので、受光部材104を取り付けたベース板107の下縁部が底板部126aの底面よりも下方にはみ出すことなく、光ピックアップ装置100の薄型化を図ることができるものである。
【0088】なお、本実施の形態のように、受光部材104を光軸Nに対して所定の角度傾けて配置された光ピックアップ装置100では、図3に示す受光部材104のパッケージ104bにおいて、底板部126aの底面に最も近接している角部をこの底面とほぼ平行にカットしたカット部を有するように受光部材104を作製するようにしてもよい。この場合は、このカットした部分に合わせてベース板107の下縁部を光軸N側に短寸法にでき、底板部126aの底面をさらに光軸N方向に接近させるようにピックアップボディ500を設計できるので、さらに、光ピックアップ装置100の薄型化が図れる。
【0089】ただし、本実施の形態では受光部材104の各外部接続端子104cは比較的長く形成され、かつ四隅の外部接続端子104cはパッケージ104bの各角部に近接して設けられているので、前記カット部が形成される角部に隣接した外部接続端子104cの先端と、前記底面との隙間において角部をカットする必要があるのでカット部の大きさが比較的小さく制限されてしまう。したがって、外部接続端子がより短く、またパッケージの一辺の中央部寄りに突設された受光部材を用いた場合には、より光ピックアップ装置を薄型化できる。
【0090】なお、受光部材104を搭載したベース板107は予め、所定の基準光学系により光源103a、103bから出射されるレーザ光103a′、103b′に対する光ディスク61(62)からの戻り光が第1及び第2の回折格子105fと105g(図2参照)で回折されたときに、受光部材104の受光パターンPに最適に導かれるように調整された後、取付面106h′、106i′に固定されるものである。なお、必要に応じて、パッケージ104bをベース板107またはハウジング106に接着剤等により固着して補強するようにしてもよい。
【0091】このように、ハウジング106に、2波長レーザダイオード102、受光部材104、複合光学部材105、及びフレキシブル基板109が組み込まれて複合光学ユニット101が構成される。
【0092】このような複合光学ユニット101では、2波長レーザダイオード102の発光位置と受光部材104の受光位置の相対関係が変化しないので、複合光学ユニット101を後述する光ピックアップ装置100のピックアップボディ500に取り付けるときに、ピックアップボディ500に対する取り付け位置精度の許容範囲が大きく取れ、光ピックアップ装置100における光路設計が容易にできるものである。
【0093】次に、複合光学ユニット101のビックアップボディ500への取り付け構造について説明する。
【0094】図1に示すように、複合光学ユニット101は、ハウジング106の円筒部106gの前端部および後端部におけるそれぞれ第1の支持部及び第2の支持部である外周面がそれぞれピックアップボディ500の底板部126aに形成した切り起こし片139、140の切欠溝139a、140aにそれぞれ載置されて当接することによって、光軸Nと直交する方向の位置決めがなされて配設されるようになっている。
【0095】そして、ピックアップボディ500に複合光学ユニット101を取り付けるときに、フレキシブル基板109の帯状部109aは底板部126aに形成したU字溝126a″に挿通されて、コネクタ差込部109dが底板部126aの裏面側に配される。そして、コネクタ差込部109dは図示はしないが、例えば、ピックアップボディ500に取り付けられた回路基板に設けたコネクタに差し込まれて所定の回路に接続される。
【0096】また、図3に示すように、ハウジング106のフランジ部106nの規制面106n′が切り起こし片140の後端面140bに突き当てられることによって、複合光学ユニット101の光軸N方向の位置決めがなされている。また、円筒部106gに設けた調整用溝部106mがピックアップボディ500の底板部126aに形成した貫通孔126a′に対向させることによって、複合光学ユニット101が光軸N周りの回転方向の初期位置に配設されるようになっている。
【0097】そして、図1、図18に示すように、ピックアップボディ500の側壁部126bに形成した取付部126b′の隙間126b″に板バネ150の支持部150bを嵌合させて、板バネ150がピックアップボディ500に取り付けられる。このとき、側壁部126bの取付部126b′を突き出し形成した後の穴部(符号なし)に支持部150bに形成した爪部150b′が嵌合して板バネ150の取付部126b′からの上方への抜けを防止している。
【0098】このとき、板バネ150の押圧部150aがハウジング106の円筒部106gの上面を下方に押圧し、複合光学ユニット101は切り起こし片139、140のそれぞれの切欠溝139a、140aに付勢されてピックアップボディ500に取付固定される。
【0099】なお、この状態で複合光学ユニット101の光軸N周りの回転位置調整を行うことが可能になっている。具体的には、底板部126aに形成した貫通孔126a′を通して、底板部126aの裏面側からハウジング106の円筒部106gの調整用溝部106m(図3R>3、図18参照)に係止可能な調整片を有する調整用治具(図示せず)を挿入して、調整用溝部106mに調整片を係止させ、前期調整用治具を操作してハウジング106を板バネ150の付勢力に抗して光軸N周りに回動させることによって調整できるようになっている。
【0100】この回転位置調整は、図2に示す2波長レーザダイオード102から出射されたレーザ光103a′または103b′が3ビーム用回折格子105hで3ビームに変換され(詳細は後述する)、この3ビームが光ディスク61(62)に照射されたときに、この3ビームに対応する戻り光103a′−2または103b′−2が図6に示す受光パターンPの所定の位置で受光できるように行われる。
【0101】次に、光ピックアップ装置100によるDVD62とCD61の再生動作について説明する。
【0102】上述した構成において、DVD62を再生するときには、図2に示すように、2波長レーザダイオード102の光源103aから出射したレーザ光103a′は、複合光学部材105の入射面105aに形成した3ビーム用回折格子105hを透過し、0次回折光であるメインビームと1次回折光である2つのサブビームとからなる3ビームに変換された後、第1の回折格子105fを透過し、出射面105bから出射される。
【0103】そして、図3に示すように、出射面105bから出射されたレーザ光103a′はレーザ光103a′の進行方向と45度となるように傾けて配置された反射ミラー300により90度その角度を偏向して反射ミラー300の上方に配置したコリメートレンズ400に入射されるようになっている。そしてこのコリメートレンズ400で略平行光とされたレーザ光103a′は対物レンズ200に入射し、対物レンズ200の集光作用により、DVD62の情報記録面に結像される。
【0104】その後DVD62で反射されたレーザ光(戻り光)103a′は、再び対物レンズ200、コリメートレンズ400を透過し、反射ミラー300で反射した後、図2に示す戻り光入射面すなわち出射面105bに形成した第1の回折格子105fに入射し、所定の回折角度に回折された1次回折光である戻り光103a′−2となる。戻り光103a′−2はさらに複合光学部材105に形成した戻り光反射面105d″で反射して受光部材104の回路基板104aに形成した受光パターンPに入射する。
【0105】このとき、レーザ光103a′の前記メインビームに対応する戻り光103a′−2のメインビームは図6に示す受光パターンPのうち4分割フォトダイオード104dで受光され、レーザ光103a′の前記サブビームに対応する戻り光103a′−2のサブビームは受光パターンPのうち4分割フォトダイオード104e、104fでそれぞれ受光される。
【0106】そして、受光パターンPで受光された戻り光103a′−2は光電変換されることによりDVD62の情報記録面の信号に応じた電流出力が電圧信号に変換されることによって再生信号が生成されて受光部材104の外部接続端子104bから出力され、フレキシブル基板109を通して外部に伝達される。また、受光パターンPで受光された戻り光103a′−2の一部はフォーカス及びトラッキング制御のために用いられる。
【0107】一方、CD61を再生するときには、2波長レーザダイオード102の光源103bから出射したレーザ光103b′は、図2に示すように、複合光学部材105の入射面105aに形成した3ビーム用回折格子105hを透過し、0次回折光であるメインビームと1次回折光である2つのサブビームとからなる3ビームに変換された後、第1の回折格子105fを透過し、出射面105bから出射される。そして、そのレーザ光103b′はDVD62の場合と同様に対物レンズ200へ導かれ、対物レンズ200の集光作用により、CD61の情報記録面に結像される。
【0108】その後CD61で反射された戻り光103b′は、再び対物レンズ200、コリメートレンズ400を透過して反射ミラー300で反射した後、第1の回折格子105fに入射し、所定の回折角度に回折された1次回折光である戻り光103b′−2となる。戻り光103b′−2はさらに複合光学部材105に形成した戻り光反射面105d″により反射されてシリンダー面105iに入射する。
【0109】シリンダー面105iにおいて戻り光103b′−2はフォーカス制御のための非点収差が与えられて戻り光出射面105pを出射し、回路基板104aに形成した受光パターンPで受光される。このとき、レーザ光103a′の前記メインビームに対応する戻り光103a′−2のメインビームは図6に示す受光パターンPのうち4分割フォトダイオード104dで受光され、レーザ光103a′の前記サブビームに対応する戻り光103a′−2のサブビームは受光パターンPのうち4分割フォトダイオード104e、104fでそれぞれ受光される。
【0110】そして、受光パターンPで受光された戻り光103b′−2は光電変換されることによりCD61の情報記録面の信号に応じた電流出力が電圧信号に変換されることによって再生信号が生成されて受光部材104の外部接続端子104bから出力され、フレキシブル基板109を通して外部へ伝達される。また、受光パターンPで受光された戻り光103b′−2の一部は非点収差法によるフォーカス制御、及び3ビーム法によるトラッキング制御のために用いられる。
【0111】なお、光ピックアップ装置100において、出射面105bから出射したレーザ光103a′、103b′の光束の径を規制する波長フィルタ等を出射面105bと対物レンズ200との間の光路に設けるようにしてもよい。
【0112】また、本実施の形態では、コリメートレンズ400を対物レンズ200と反射ミラー300との間に配置したが、複合光学ユニット101と反射ミラー300との間の光路に配設してもよい。
【0113】次に、複合光学部材105の機能について説明する。
【0114】図19に示したように、複合光学部材105の出射面105bから出射したレーザ光103a′、103b′に対するそれぞれのDVD62及びCD61からの戻り光は出射面105bに形成した第1の回折格子105fで回折されてそれぞれ戻り光103a′−2及び103b′−2となる。そのとき、CD61に対応する戻り光103b′−2はDVD62に対応する戻り光103a′−2よりも波長が長いため、戻り光103b′−2の回折角度は、戻り光103a′−2の回折角度よりも大きくなっている(回折格子では波長が長いほど回折角度が大きくなるという原理を利用している)。
【0115】そして、この回折角度の差を利用して、回折される前にレーザ光103a′、103b′のそれぞれの光軸間距離がDであったものを戻り光反射面105d″に戻り光103a′−2、103b′−2が到達するときには両者の到達位置が一致するようになっている。
【0116】しかし、複合光学部材105の戻り光反射面105d″において、戻り光103a′−2及び103b′−2を単に反射させただけでは、双方のレーザ光の入射角が異なるため回路基板104aに形成した受光パターンPに2つの戻り光103a′−2及び103b′−2を一致させて向わせることはできない。これを補正するために戻り光反射面105d″には第2の回折格子105gを設けている。すなわち、第2の回折格子105gに入射した戻り光103a′−2及び103b′−2を再度波長の違いによる回折角度の差を利用して戻り光反射面105d″で反射した戻り光103a′−2及び103b′−2の双方の光軸を一致させるようにしている。
【0117】このようにして、第1の回折格子105fでそれぞれ回折された戻り光103a′−2及び103b′−2を、共に光軸を一致させた状態で受光パターンPに受光されるように補正することができ、2波長の光源103a、103bを用いても1つの受光パターンPを有する受光部材104で双方のレーザ光が受光可能になっている。
【0118】なお、本発明に係る複合光学部材105は、入射面105aにおける3ビーム用回折格子105hの周囲を筒状の治具で押圧することができるようになっている。従って、複合光学部材105を収容室106cに圧入する際、3ビーム用回折格子105hを傷付けることなく、容易に圧入できるものである。
【0119】以上説明したように、本実施の形態によれば、図1に示したように、光ピックアップ100に取り付けられるハウジング106を有し、ハウジング106には2波長レーザダイオード102と受光部材104と複合光学部材105とが取付固定され、2波長レーザダイオード102はDVD用の短波長レーザを出射するレーザダイオード103aとCD用の長波長レーザを出射するレーザダイオード103bを有し、複合光学部材105は2波長レーザダイオード102から出射した光が入射する入射面105a及び出射する出射面105bと、出射面105bに設けられた光ディスクD1(D2)で反射した戻り光を回折する第1の回折格子105fと、第1の回折格子105fで回折された戻り光を受光部材104に反射させる戻り光反射面105d″とを設けるとともに、戻り光反射面105d″には波長の異なる光を共に受光部材104の受光パターンPに光軸を一致させて結像させる第2の回折格子105gを設けたので、1つの複合光学ユニット101で異なる2つの波長を使用する光ピックアップ装置100に対応できる。また、受光部材104は1つでよく、この受光部材104のみを調整して位置合わせしておけばよいので、調整工程でのコストを増加させることはない。
【0120】また、2波長レーザダイオード102は基板部102aとキャップ部102eとガラス板102fからなるパッケージと基板部102aから突設した外部接続端子102gとから構成され、受光部材104は回路基板104aを内蔵したパッケージ104bとこのパッケージ104bに設けられた外部接続端子104cとから構成されたいわゆるディスクリート部品であり、それぞれ単体で安価に製造される部材を用いて複合光学ユニット101を構成しているので、各部材の取り扱いも容易であり、また、ハウジング106への組み込み作業がし易くなり、部材コスト及び工程費を低減できる。
【0121】さらに、複合光学部材105は安価な素材である樹脂を用い、また、複合光学部材105の成形時に第1及び第2の回折格子105f、105gと、3ビーム用回折格子105hと、シリンダー面105iとを同時に一体形成したので、成形時間も短縮でき、複合光学部材105の製造コストをより低減できる。
【0122】さらに、本実施の形態で説明したように、本発明の複合光学部材105を搭載した複合光学ユニット101は、対物レンズ200が搭載され光ディスク61(62)の記録又は再生を行う光ピックアップ装置100にも適用できるものである。
【0123】また、本実施の形態では、図4に示すように、発光部材として波長の異なる2つの光源103a、103bを有する2波長レーザダイオード102を用いたが、3個以上の波長の異なる光源を有する発光部材を用いた場合にも、本発明が適用できるものである。
【0124】また、受光部材104は、図5に示すように、パッケージ104bから両側に突設させた外部接続端子104cを有するものであったが、これに限らず、図20、図21に示すように脚状に設けられた外部接続端子を有しない半導体すなわち受光部材204、304(後述する)であっても本発明が適用できるものである。
【0125】図20は本発明の他の実施の形態に係る受光部材204の斜視図、図21Aは本発明のさらに他の実施の形態に係る受光部材304の斜視図、図21Bは図21Aの裏面から見た斜視図である。
【0126】まず、図20に示した受光部材204について説明すると、受光部材204は内部に受光パターンPを有したパッケージ204bを備え、パッケージ204bの表面部204b″には受光窓204b′が形成されている。なお、受光パターンP及び受光窓204b′の部分は図5に示す受光部材104と同様であり、説明は省略する(図21の受光部材304でも同様)。
【0127】そして、パッケージ204bの対向する両縁部には形成が簡単なスルーホール電極からなる外部接続端子204cが設けられている。このような受光部材204では部品としてのコストの低減が可能であり、また、フレキシブル基板にハンダ付けする場合に、リフローハンダにより簡単にハンダ付けができるので、組立工程が短縮でき製造コストが低減できる。
【0128】さらに、最初に説明した実施の形態と同様の効果が得られるだけでなく、パッケージ204bから突出する部分がないので、例えば、図3に示す光ピックアップ装置100のピックアップボディ500に取り付けたときに、光ピックアップ装置100のさらなる小型化が達成できるものである。
【0129】次に、図21A、Bに示した受光部材304について説明すると、受光部材304は内部に受光パターンPを有したパッケージ304bを備え、パッケージ304bの表面部304b″には受光窓304b′が形成されている。そして、パッケージ304bの裏面304dには裏面304dに露出するように形成した外部接続端子304cが並設されている。
【0130】この受光部材304もリフローハンダによるフレキシブル基板へのハンダ付けに適したものである。このような受光部材304であっても本発明が適用でき、また、他の実施の形態に係る受光部材204と同様の効果が得られるものである。
【0131】なお、上記各実施の形態では、半導体の一例として受光部材について説明したが、これに限らず、外部接続端子が形成されたパッケージ内に発光素子を内蔵し、パッケージの表面部に該発光素子から出射する光を透過する窓部を有した発光部材である半導体についても本発明が適用できるものである。
【0132】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、半導体をフレキシブル基板に取り付けるための取り付け構造であって、前記半導体は発光素子または受光素子を包含したパッケージと、該パッケージの両側に形成した外部接続端子とを備え、前記パッケージの表面部には前記発光素子から照射される光または前記受光素子へ入射される光を透過させるための窓部を形成し、前記フレキシブル基板には所定の間隔で2本のスリットを形成し、前記半導体が前記フレキシブル基板の一方の面における前記各スリット間に配設され、該各スリットを介して前記両側の外部接続端子が前記フレキシブル基板の一方の面から他方の面側へそれぞれ臨出した状態で前記外部接続端子が該他方の面に接続されることで、前記半導体が該フレキシブル基板に取り付けられるとともに、前記窓部が前記フレキシブル基板の一方の面側に露出するようにしたことにより、フレキシブル基板に半導体を挿通するための開口部を設ける必要がないため、各外部接続端子から配線される配線パターンの引き回しのためのスペースがほとんど狭められることがなく、配線パターンの引き回しが容易となる。
【0133】さらに、外部接続端子はパッケージの両側から各側方へそれぞれ複数個突設され、フレキシブル基板の他方の面には、前記各外部接続端子をそれぞれハンダ付けして接続するためのランド部が形成され、該ランド部は前記各外部接続端子毎に、該外部接続端子の長さ方向にずらして配設したことことにより、外部接続端子の長さ方向と直交する方向に各ランド部から配線パターンを引き出すことが可能となり、配線パターンを他の配線パターンを迂回するように引き回す必要がなく、さらに配線パターンの引き回しが容易となる。
【0134】さらに、フレキシブル基板の一方の面側に補強板が配設され、該補強板には開口部が形成され、該開口部にパッケージの窓部が臨出する状態で、前記フレキシブル基板が前記補強板に固着されたことにより、半導体を例えば他の部材に取り付けるときに、補強板を該部材に接着あるいはネジ止め等することによって取付固定できるので、半導体を確実に取り付けることができる。
【0135】さらに、複合光学部材を収容したハウジングに、半導体及びフレキシブル基板を備えた補強板と、発光部材とを取付固定して複合光学ユニットを一体で構成し、前記発光部材は発光素子を包含したパッケージと、該パッケージに設けた複数の外部接続端子とを備え、前記ハウジングには前記複合光学部材の光軸方向に進む光の入出射口を形成し、前記発光部材から前記光軸に沿って出射した光を前記複合光学部材に透過させ、該複合光学部材から出射した光を前記入出射口を通して外部へ照射し、該光の戻り光が前記複合光学部材に入射し該複合光学部材を透過する過程で、該戻り光を前記半導体の方向に偏向し、前記窓部を透過させて前記受光素子で受光するようにしたことにより、半導体をハウジングに取り付けるときに、補強板をハウジングに接着あるいはネジ止め等することによって取付固定できるので、半導体を確実に取り付けることが可能となる。また、発光部材の発光位置と半導体の受光位置の相対関係が変化しないので複合光学ユニットを例えば光ピックアップ装置のピックアップボディに取り付けるときに、ピックアップボディに対する取り付け位置精度の許容範囲が大きく取れ、光ピックアップ装置における光路設計が容易にできる。
【0136】さらに、発光部材の外部接続端子をフレキシブル基板に形成した所定の配線パターンに接続したことにより、半導体と発光部材のそれぞれの配線を1つのフレキシブル基板で行うことができ、複合光学ユニットにおける配線を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光ピックアップ装置100の分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る光ピックアップ装置100の一部断面平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る光ピックアップ装置100の一部断面側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る波長レーザダイオード102の一部断面斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る受光部材104の平面図である。
【図6】図5における受光パターンPの拡大図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る複合光学部材105の正面図である。
【図8】図7の左側面図である。
【図9】図7の右側面図である。
【図10】図7の方向10から見た図である。
【図11】本発明の実施の形態に係るハウジング106の平面図である。
【図12】図11の12−12断面図である。
【図13】図12の左側面図である。
【図14】図12の右側面図である。
【図15】図12の方向15から見た図である。
【図16】本発明の実施の形態に係るフレキシブル基板109の展開図である。
【図17】図16の矢印17から見た一部側面図である。
【図18】図2における18−18一部断面図である。
【図19】本発明の実施の形態に係る複合光学ユニット101の機能を説明するための説明図である。
【図20】本発明の他の実施の形態に係る受光部材204の斜視図である。
【図21】図Aは本発明のさらに他の実施の形態に係る受光部材304の斜視図、図Bは図Aの裏面から見た斜視図である。
【図22】従来における受光部材24の取り付け構造を説明するための説明図である。
【図23】従来の受光部材24の平面図である。
【符号の説明】
61 CD(光ディスク)
62 DVD(光ディスク)
100 光ピックアップ装置
101 複合光学ユニット
102 2波長レーザダイオード(発光部材)
102g 外部接続端子
103a、103b 光源(発光素子)
104 受光部材
104b パッケージ
104b′ 受光窓(窓部)
104b″ 表面部
104c 外部接続端子
105 複合光学部材
105a 入射面
105b 出射面
105d″ 戻り光反射面
105f 第1の回折格子
105g 第2の回折格子
105h 3ビーム用回折格子
105j′ 円柱面(第1規制部)
105k′ 突部(第2規制部)
105m 位置規制突部
105p 戻り光出射面
105s 空間部
106 ハウジング
106c 収容室
106c′ 突き当て面(位置決め部)
106f 入出射口
106g 円筒部
106j 第1規制受部(規制受面)
106k 第2規制受部(規制受面)
106m 調整用溝部
106n′ 規制面
107 ベース板(補強板)
107a 貫通孔(開口部)
109 フレキシブル基板
110a、110b スリット
111a−1〜6、111b−1〜6 ランド部
139、140 切り起こし片
139a、140a 切欠溝
150 板バネ
200 対物レンズ
300 反射ミラー
400 コリメートレンズ
500 ピックアップボディ
P 受光パターンP
S パターン中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】 半導体をフレキシブル基板に取り付けるための取り付け構造であって、前記半導体は発光素子または受光素子を包含したパッケージと、該パッケージの両側に形成した外部接続端子とを備え、前記パッケージの表面部には前記発光素子から照射される光または前記受光素子へ入射される光を透過させるための窓部を形成し、前記フレキシブル基板には所定の間隔で2本のスリットを形成し、前記半導体が前記フレキシブル基板の一方の面における前記各スリット間に配設され、該各スリットを介して前記両側の外部接続端子が前記フレキシブル基板の一方の面から他方の面側へそれぞれ臨出した状態で前記外部接続端子が該他方の面に接続されることで、前記半導体が該フレキシブル基板に取り付けられるとともに、前記窓部が前記フレキシブル基板の一方の面側に露出するようにしたことを特徴とする半導体の取り付け構造。
【請求項2】 前記外部接続端子は前記パッケージの両側から各側方へそれぞれ複数個突設され、前記フレキシブル基板の他方の面には、前記各外部接続端子をそれぞれハンダ付けして接続するためのランド部が形成され、該ランド部は前記各外部接続端子毎に、該外部接続端子の長さ方向にずらして配設したことを特徴とする請求項1記載の半導体の取り付け構造。
【請求項3】 前記フレキシブル基板の一方の面側に補強板が配設され、該補強板には開口部が形成され、該開口部に前記パッケージの前記窓部が臨出する状態で、前記フレキシブル基板が前記補強板に固着されたことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体の取り付け構造。
【請求項4】 複合光学部材を収容したハウジングに、前記半導体及び前記フレキシブル基板を備えた前記補強板と、発光部材とを取付固定して複合光学ユニットを一体で構成し、前記発光部材は発光素子を包含したパッケージと、該パッケージに設けた複数の外部接続端子とを備え、前記ハウジングには前記複合光学部材の光軸方向に進む光の入出射口を形成し、前記発光部材から前記光軸に沿って出射した光を前記複合光学部材に透過させ、該複合光学部材から出射した光を前記入出射口を通して外部へ照射し、該光の戻り光が前記複合光学部材に入射し該複合光学部材を透過する過程で、該戻り光を前記半導体の方向に偏向し、前記窓部を透過させて前記受光素子で受光するようにしたことを特徴とする請求項3記載の半導体の取り付け構造。
【請求項5】 前記発光部材の前記外部接続端子を前記フレキシブル基板に形成した所定の配線パターンに接続したことを特徴とする請求項4記載の半導体の取り付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図8】
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【図13】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図20】
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【図21】
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【図23】
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【図18】
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【図19】
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【図22】
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【公開番号】特開2001−339182(P2001−339182A)
【公開日】平成13年12月7日(2001.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−159573(P2000−159573)
【出願日】平成12年5月25日(2000.5.25)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】