説明

半導体チップの実装装置及び実装方法

【課題】ピックアップツールによってピックアップされた半導体チップを上下面が逆になるよう反転させるとき、その反転方向を変えることができるようにしたことにある。
【解決手段】部品供給部から取出した半導体チップを反転させる反転ピックアップユニット15は、第1の回転軸線O1が水平になるよう配置される回転体37と、回転体に設けられた取付け部材39と、取付け部材に設けられ第1の回転軸線と水平方向において直交する第2の回転軸線O2を中心にして回転可能に設けられて部品供給部から半導体チップを取出すピックアップツール16と、回転体を第1の回転軸線を中心にして180度回転駆動してピックアップツールが取出した半導体チップを上下方向が逆向きになるよう反転させる第1の回転駆動源35と、ピックアップツールを第2の回転軸線を中心にして180度回転駆動してピックアップツールが部品供給部から取出した半導体チップを上下面が逆向きになるよう反転させる第2の回転駆動源42を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は半導体ウエハを分割して作られた半導体チップを被実装部材に実装するためのチップの実装装置及び実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、TCP(Tape Carrier Package)などの電子部品を製造する場合、半導体ウエハをさいの目状に分断して形成された半導体チップを実装装置である、フリップチップボンダによって被実装部材としてのキヤリアテープやリードフレームなどのテープ状部材に実装する。ついで、このテープ状部材に実装された上記半導体チップを樹脂などによってパッケージしてから、上記テープ状部材を所定形状に打ち抜くことで、上記TCPが形成される。
【0003】
上記フリップチップボンダは半導体チップの供給部を有する。この供給部にはさいの目状の多数の上記半導体チップに分断された半導体ウエハが上記半導体チップに形成された回路パターンを上に向けて供給位置決めされている。
【0004】
上記供給部の半導体チップはピックアップツールによって取出される。ピックアップツールによって取出された半導体チップは、このピックアップツールによって上下面が反転させられてから、実装ツールに受け渡される。そして、実装ツールは上記半導体チップを上記テープ状部材に対して位置決めして実装するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3889755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来のフリップチップボンダは、ピックアップツールが所定の一方向、つまり1つの垂直面に沿う方向にだけ回転駆動されるようになっていた。そのため、ピックアップツールは、供給部から取出した半導体チップを、このピックアップツールの回転方向に対してだけ方向を変えて実装ツールに受け渡すようになっていた。
【0007】
しかしながら、半導体チップをピックアップツールから実装ツールに受け渡す際、半導体チップの方向をピックアップツールの1つの回転方向だけでなく、それ以外の回転方向、つまり上記1つの垂直面に沿う方向(この方向を第1の方向という)だけでなく、この垂直面と直交する垂直面に沿う方向(この方向を第2の方向という)に対しても向きを代えて実装ツールに受け渡すことが要求されることがある。
【0008】
たとえば、上記半導体チップが実装されるテープ状部材に対し、隣り合う半導体チップの向きを逆方向にして実装したい場合には、上記テープ状部材に対して隣り合う半導体チップが第1の方向と第2の方向に交互に実装することが要求されることがある。
【0009】
しかしながら、従来のピックアップツールは半導体チップを1つの垂直面に沿う方向にだけしか反転させることができなかったので、2つの方向に対して交互に反転させることが要求される場合には、上記ピックアップツールが上記供給部から半導体チップをピックアップする毎に、上記供給部の上記半導体ウエハが載置されたテーブルを180度回転させなければならなかった。
【0010】
しかしながら、ピックアップツールが半導体チップをピックアップする毎に、テーブルを180度回転させるようにしたのでは、タクトタイムが長くなり、生産性が大幅に低下するということになる。
【0011】
この発明は、ピックアップツールによってピックアップされた半導体チップを2つの方向に反転させることができるようにした半導体チップの実装装置及び実装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明は、部品供給部から半導体チップを取出し、反転機構によって上下面を反転させてから実装ツールに受け渡して被実装部材に実装する実装装置であって、
上記反転機構は、
第1の回転軸線を有し、この第1の回転軸線が水平になるよう配置される回転体と、
この回転体に設けられた取付け部材と、
この取付け部材に設けられ上記第1の回転軸線と水平方向において直交する第2の回転軸線を有し、この第2の回転軸線を中心にして回転可能に設けられて上記部品供給部から上記半導体チップを取出すピックアップツールと、
上記回転体を上記第1の回転軸線を中心にして180度回転駆動し上記回転体に上記取付け部材を介して設けられた上記ピックアップツールが上記部品供給部から取出した上記半導体チップを上下方向が逆向きになるよう上記第1の回転軸線と直交する第1の垂直面に沿う方向に反転させる第1の回転駆動源と、
上記ピックアップツールを上記第2の回転軸線を中心にして上記回転体による回転方向と直交する方向に180度回転駆動して上記ピックアップツールが上記部品供給部から取出した上記半導体チップを上下面が逆向きになるよう上記第1の垂直面に対して直交する第2の垂直面に沿う方向に反転させる第2の回転駆動源と
を具備したことを特徴とする半導体チップの実装装置にある。
【0013】
上記半導体チップは方向性を有し、上記被実装部材はテープ状部材であって、
上記半導体チップはテープ状部材の長手方向に所定間隔で実装された後、上記テープ状部材の上記半導体チップが実装された部分を、上記長手方向において隣り合う部分が逆向きの台形状になるよう打ち抜いて電子部品が形成されるようになっていて、
上記テープ状部材の長手方向において隣り合う一対の半導体チップの一方は上記第1の回転駆動源によって反転させられて上記実装ツールに受け渡されてから上記テープ状部材に実装され、他方は上記第2の回転駆動源によって反転させられて上記実装ツールに受け渡されてから上記テープ状部材に実装されることがこのましい。
【0014】
この発明は、ピックアップツールによって部品供給部から半導体チップを取出し、このピックアップツールを回転駆動して半導体チップの上下面を反転させて実装ツールに受け渡して被実装部材に実装する実装方法であって、
上記ピックアップツールを第1の垂直面に沿う方向に回転駆動する工程と、
上記第1の垂直面と直交する第2の垂直面に沿う方向に上記ピックアップツールを回転駆動する工程と
を具備したことを特徴とする半導体チップの実装方法にある。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、ピックアップツールを第1の垂直面に沿う第1の方向と、第1の垂直面に対して直交する第2の方向とに回転させて上記ピックアップツールによってピックアップされた半導体チップを反転させることができるようにしたから、たとえば被実装部材に複数の半導体チップを順次並べて実装するとき、隣り合う半導体チップの被実装部材の長手方向に沿う方向を逆向きにして実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の一実施の形態を示す実装装置の概略的構成図。
【図2】図1に示す実装装置の反転ピックアップユニットを拡大して示す平面図。
【図3】反転ピックアップユニットのピックアップツールの第1の回転軸線と第2の回転軸線を中心とする回転を説明するための図。
【図4】回路基板がTCPを介して接続された液晶表示パネルの斜視図。
【図5】TCPに形成された端子を示す図。
【図6】テープ状部材からTCPを台形状にして打ち抜くときの説明図。
【図7】半導体チップを第1の回転駆動源によって反転させる前と反転させた後の方向を示す説明図。
【図8】半導体チップを第2の回転駆動源によって反転させる前と反転させた後の方向を示す説明図。
【図9】テープ状部材からTCPを2列で打ち抜くときの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1はこの発明の一実施の形態の実装装置の概略的構成を示し、この実装装置は被実装部材としてのキヤリアテープやリードフレームのテープ状部材1を所定方向に沿って搬送する搬送装置2を備えている。この搬送装置2は所定間隔で平行に配置された一対のガイドレール3を有し、これらのガイドレール3に沿って上記テープ状部材1が図示しない送り機構によって間欠的にピッチ送りされるようになっている。上記テープ状部材1はピッチ送りされるごとに、図示せぬクランパによって上記ガイドレール3に位置決め保持される。
【0019】
上記テープ状部材1の所定の部位が搬送装置2によって実装位置に搬送されると、その実装位置には後述する部品供給部11から供給された半導体チップ4が実装される。上記実装位置には、上記テープ状部材1の下面を支持するステージツール5が図1に示す第1の駆動機構6によって水平方向であるX、Y及び上下方向であるZ方向に駆動可能に設けられている。
【0020】
上記ステージツール5の上方には、上記テープ状部材1の上面に上記半導体チップ4を実装するための実装ツール7が第2の駆動機構8によってX、Y及びZ方向に駆動可能に設けられている。X及びZ方向は図1に矢印で示す。
【0021】
上記部品供給部11は図示せぬ駆動源によってX、Y方向に駆動されるウエハステージ12を有する。このウエハステージ12には多数の半導体チップ4に分割された半導体ウエハ13が貼着されたウエハシート14aが張設されたウエハリング14が供給保持される。
【0022】
上記ウエハシート14aに保持された半導体チップ4のうち、所定の位置の半導体チップ4は上記ウエハステージ12の下方に配置された図示せぬ突き上げピンによって突き上げられる。突き上げピンによって突き上げられた半導体チップ4は反転機構としての反転ピックアップユニット15に設けられたピックアップツール16によってピックアップされるようになっている。ピックアップツール16の先端には吸引ノズル16aが設けられている。
【0023】
上記ピックアップツール16には図示しない吸引ポンプが接続され、この吸引ポンプによって吸引ノズル16aの先端に吸引力が発生し、その吸引力で突き上げピンによって突き上げられた半導体チップ4を吸着するようになっている。
【0024】
上記反転ピックアップユニット15は図2に示すようにベース18を備えている。このベース18は、上記部品供給部11から上記搬送装置2に向かって水平に配置されたガイドロッド19に沿うX方向に移動可能に支持されていて、図示しない駆動源、たとえばリニアモータなどによって上記ガイドロッド19に沿って駆動されるようになっている。
【0025】
上記ベース18の前面には上下方向に沿う一対の支持部21が幅方向に所定間隔で突設されている。これら支持部21の前端面にはそれぞれZレール22が設けられている。上記ベース18の前面にはZテーブル23が背面に設けられた一対の受け部材24を上記Zレール22に移動可能に係合させて設けられている。
【0026】
上記Zテーブル23は、ボイスコイルモータからなる第1のZ駆動源26によって上記ベース18の前面で、上記Zレール22に沿って上下方向に駆動される。上記第1のZ駆動源26は、上記ベース18の前面に設けられたコイル27と、上記Zテーブル23の背面の上記コイル27と対向する位置に設けられた磁石28とによって構成されている。そして、上記コイル27に通電することで、その電圧の向きに応じて上記Zテーブル23を上昇方向或いは下降方向に駆動させることができるようになっている。
【0027】
なお、上記Zテーブル23はばね29によって上昇方向に付勢されていて、このばね29の付勢力に抗して上記第1のZ駆動源26によって下降方向に駆動されるようになっている。
【0028】
図1と図2に示すように、上記Zテーブル23の一側下端部にはアーム部31が側方に向かって突設されている。このアーム部31の先端部には図2に示すように回転駆動機構32が設けられている。この回転駆動機構32はモータ33と減速機34とが直列に接続された第1の回転駆動源35を有し、この第1の回転駆動源35が上記アーム部31の先端部の背面に設けられている。
【0029】
上記第1の回転駆動源35の出力軸36は上記アーム部31の背面から前面側に突出し、この出力軸36の先端には円盤状の回転体37の一方の面が取付け固定されている。上記第1の回転駆動源35は上記出力軸36の軸線O1が水平になるよう上記アーム31に設けられている。
【0030】
上記回転体37の他方の板面には一対の帯板状の取付け部材39が基端を連結固定して所定間隔で平行に設けられている。この取付け部材39の先端部には支軸41の両端部が回転可能に支持されている。一方の取付け部材39の外面には第2の回転駆動源42が設けられ、この第2の回転駆動源42の出力軸43は上記支軸41の一端部に連結されている。
【0031】
上記第2の回転駆動源42は、その出力軸43の軸線O2が上記第1の回転駆動源35の出力軸36の軸線O1に対して同一水平面上で直交するよう配置されている。
【0032】
上記支軸43には上記ピックアップツール16の軸方向の中途部が取り付けられている。したがって、このピックアップツール16は、上記第1の回転駆動源35が作動したときにはその出力軸36の軸線O1を中心にして180度回転駆動され、上記第2の回転駆動源42が作動したときには上記支軸41の軸線O2を中心にして180度回転駆動されるようになっている。
【0033】
すなわち、上記ピックアップツール16は、図3に示すように上記第1の回転駆動源35の出力軸36の軸線O1が直交する第1の垂直面V1に沿う矢印R1で示す方向と、上記第2の回転駆動源42の出力軸43の軸線O2が直交するとともに、上記第1の垂直面V1に対して直交する第2の垂直面V2に沿う矢印R2で示す方向との2つの方向に対して180度回転駆動されるようになっている。
【0034】
つぎに、上記構成の実装装置によって半導体チップ4をテープ状部材1に実装するときの動作について説明する。まず、反転ピックアップユニット15のピックアップツール16が部品供給部11の図示しない突き上げピンによって突き上げられる半導体チップ4の上方に位置決めされる。ついで、Zテーブル23によってピックアップツール16が下降方向に駆動され、突き上げピンによって突き上げられた半導体チップ4をその下端面で吸着する。
【0035】
ピックアップツール16が半導体チップ4を吸着すると、ピックアップツール16はX方向の搬送装置2に近づく方向に駆動され、図1に鎖線で示すように受け渡し位置Dに位置決めされる。
【0036】
そして、ピックアップツール16は受け渡し位置Dで第1の回転駆動源35或いは第2の回転駆動源42のいずれかによって180度回転駆動される。つまり、部品供給部11でピックアップした半導体チップ4を上下面が逆向きになるよう反転させる。
【0037】
ついで、実装ツール7が第2の駆動機構8によって駆動され、上記受け渡し位置Dで上記ピックアップツール16によって反転させられた半導体チップ4の上方に位置決めされた後、下降方向に駆動されて上記半導体チップ4を上記ピックアップツール16から受け取る。
【0038】
上記ピックアップツール16から半導体チップ4を受け取った実装ツール7は、搬送装置2のガイドレール3上で位置決めされたテープ状部材1の上記半導体チップ4が実装される図1にBで示す実装位置の上方に位置決めされた後、下降方向に駆動される。それによって、上記ピックアップツール16に保持された半導体チップ4は上記テープ状部材1に実装される。
【0039】
このとき、ステージツール5が上昇方向に駆動され、このステージツール5によって上記テープ状部材1の上記半導体チップ4が実装される部分の下面が支持される。したがって、上記テープ状部材1には実装位置Bで上記半導体チップ4が確実に実装されることになる。
【0040】
そして、上記テープ状部材1には半導体チップ4が長手方向に沿って所定間隔で実装される。テープ状部材1の半導体チップ4が実装され終わった部分は図示しないが樹脂によって覆われた後、その部分が所定形状に打ち抜かれて電子部品としてのTCPが形成されることになる。
【0041】
図4に示すように、テープ状部材1から打ち抜かれたTCP45は、基板としての液晶表示パネル46に回路基板47を接続するために用いられる。つまり、図5に示すように、TCP45の液晶表示パネル46に接続される一側部と、回路基板47に接続される他側部には複数の端子45a,45bが形成され、これらの端子45a,45bがそれぞれ液晶表示パネル46に形成された端子46aと、回路基板47に形成された端子47aに接続される。
【0042】
ところで、液晶表示パネル46に設けられる端子46aは、回路基板47に設けられる端子47aに比べて間隔が密になっている。そのため、液晶表示パネル46の端子46aと、回路基板47の端子47aの数が同じである場合、図5に示すようにTCP45の形状を台形状にし、この台形状の上辺に液晶表示パネル46に接続される端子45aを設け、底辺に回路基板47に接続される端子45bを上辺よりも配置間隔が疎になるように設けるということが行なわれる。
【0043】
ところで、図6に示すように半導体チップ4が長手方向に所定間隔で実装されたテープ状部材1からTCP45を台形状にして打ち抜く場合、長手方向に対して隣り合う台形の向きを逆向きにして打ち抜くことで、テープ状部材1を無駄なく使用できるようにすることができる。
【0044】
しかしながら、その場合、半導体ウエハ13から分割された半導体チップ4は方向性を持っているから、隣り合うTCP45の部分の台形状の部分に実装される半導体チップ4の向き(方向)を、上記テープ状部材1の長手方向に対して逆向きにしなければならない。テープ状部材1の各台形状の部分に実装される半導体チップ4の向きを図6に矢印Dで示す。
【0045】
上記テープ状部材1の長手方向に対して隣り合うTCP45の部分に実装される半導体チップ4の向きを逆向きにする場合、まず、最初に上記ピックアップツール16が部品供給部11から半導体チップ4をピックアップしたならば、上記ピックアップツール16を第1の回転駆動源35によって図3に示す回転軸線O1を中心にして矢印R1で示す第1の垂直面V1に沿う方向に180度回転させる。
【0046】
そして、ピックアップツール16によって反転させられた半導体チップ4は実装ツール7で受け渡されてテープ状部材1に実装される。部品供給部11の半導体チップ4の向きが図7(a)に矢印D1で示す向きであるならば、ピックアップツール16によって回転軸線O1を中心にして反転させられた半導体チップ4の向きは図7(b)にD2で示すように上記テープ状部材1の長手方向に対して逆向きになる。
【0047】
このようにして反転させた1つ目の半導体チップ4をテープ状部材1に実装したならば、つぎに部品供給部11からピックアップツール16がピックアップした2つ目の半導体チップ4は、上記ピックアップツール16を第2の回転駆動源42によって図3に示す回転軸線O2を中心にして第2の垂直面V2に沿って180度回転させる。
【0048】
それによって、半導体チップ4は上下面が反転させられるものの、その方向性は図8(a)に示すように部品供給部11にあるときの方向D1と、図8(b)に示すように反転させられた方向D1とが同じ方向にある。
【0049】
したがって、上記テープ状部材1には最初に実装された半導体チップ4の向きと、つぎに実装された半導体チップ4の向きを、上記テープ状部材1の長手方向に対して逆向きとすることができるから、上記テープ状部材1を隣り合う部分が逆向きの台形状となるように打ち抜いて形成されるそれぞれのTCP45に実装された半導体チップ4の向きを同じにすることができる。
【0050】
つまり、テープ状部材1からTCP45を台形状に打ち抜いて形成することができるため、TCP45を打ち抜いたあとのテープ状部材1の残りが少なくなるから、その分、無駄を減少させることができる。
【0051】
なお、上記一実施の形態ではテープ状部材1からTCP45を一列で打ち抜く場合について説明したが、図9に示すようにテープ状部材1の幅寸法と、TCP45の大きさによっては、テープ状部材1の幅方向に対して2列でTCP45を打ち抜くことがある。
【0052】
そのような場合であっても、それぞれの劣後値で隣り合う部分に実装される半導体チップ4の向きを逆にすることで、各TCP45に実装される半導体チップ4の向きを同じにすることができる。
【符号の説明】
【0053】
4…半導体チップ、7…実装ツール、11…部品供給部、15…反転ピックアップユニット(反転機構)、16…ピックアップツール、35…第1の回転駆動源、37…回転体、39…取付け部材、42…第2の回転駆動源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品供給部から半導体チップを取出し、反転機構によって上下面を反転させてから実装ツールに受け渡して被実装部材に実装する実装装置であって、
上記反転機構は、
第1の回転軸線を有し、この第1の回転軸線が水平になるよう配置される回転体と、
この回転体に設けられた取付け部材と、
この取付け部材に設けられ上記第1の回転軸線と水平方向において直交する第2の回転軸線を有し、この第2の回転軸線を中心にして回転可能に設けられて上記部品供給部から上記半導体チップを取出すピックアップツールと、
上記回転体を上記第1の回転軸線を中心にして180度回転駆動し上記回転体に上記取付け部材を介して設けられた上記ピックアップツールが上記部品供給部から取出した上記半導体チップを上下方向が逆向きになるよう上記第1の回転軸線と直交する第1の垂直面に沿う方向に反転させる第1の回転駆動源と、
上記ピックアップツールを上記第2の回転軸線を中心にして上記回転体による回転方向と直交する方向に180度回転駆動して上記ピックアップツールが上記部品供給部から取出した上記半導体チップを上下面が逆向きになるよう上記第1の垂直面に対して直交する第2の垂直面に沿う方向に反転させる第2の回転駆動源と
を具備したことを特徴とする半導体チップの実装装置。
【請求項2】
上記半導体チップは方向性を有し、上記被実装部材はテープ状部材であって、
上記半導体チップはテープ状部材の長手方向に所定間隔で実装された後、上記テープ状部材の上記半導体チップが実装された部分を、上記長手方向において隣り合う部分が逆向きの台形状になるよう打ち抜いて電子部品が形成されるようになっていて、
上記テープ状部材の長手方向において隣り合う一対の半導体チップの一方は上記第1の回転駆動源によって反転させられて上記実装ツールに受け渡されてから上記テープ状部材に実装され、他方は上記第2の回転駆動源によって反転させられて上記実装ツールに受け渡されてから上記テープ状部材に実装されることを特徴とする請求項1記載の半導体チップの実装装置。
【請求項3】
ピックアップツールによって部品供給部から半導体チップを取出し、このピックアップツールを回転駆動して半導体チップの上下面を反転させて実装ツールに受け渡して被実装部材に実装する実装方法であって、
上記ピックアップツールを第1の垂直面に沿う方向に回転駆動する工程と、
上記第1の垂直面と直交する第2の垂直面に沿う方向に上記ピックアップツールを回転駆動する工程と
を具備したことを特徴とする半導体チップの実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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