説明

半導体デバイスの製造方法

【課題】接着剤が付着した半導体チップ個片を効率的に得ると共に、半導体チップと配線基板とを良好に接続する。
【解決手段】半導体デバイスの製造方法は、半導体ウェハ6の回路面6aがダイシングテープ9側を向くように、ダイシングテープ9、接着剤層3及び半導体ウェハ6がこの順に積層された積層体60を準備する。半導体ウェハ6の裏面6bから回路面6aの回路パターンPを認識することによってカット位置を認識する。少なくとも半導体ウェハ6及び接着剤層3を、積層体60の厚み方向に切断する。切断後、ダイシングテープ9と接着剤層3とを剥離させることによって半導体チップ26を作製する。この半導体チップ26の突出電極4と、配線基板40の配線12とを位置合わせする。配線12と突出電極4とが電気的に接続されるように、配線基板40と半導体チップ26とを接着剤層23を介して接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップと基板との接続方式として、フリップチップ接続方式が知られている。この接続方式では、半導体チップの回路面を基板側に向けて配置する。半導体チップの回路面に形成されたバンプと称される突起電極を基板に形成された端子に接続することによって電気的接続を行う。フリップチップ接続方式は、実装部品の構造の小型化、薄型化に有利である。さらに、フリップチップ接続方式は、接続間距離が短いことから高速化に有利であるとされる。特に、携帯電話や携帯情報端末などの電子機器、及び、メモリーカードやICカードなどにおいて、フリップチップ接続方式により製造される実装部品が増えてきている。
【0003】
フリップチップ接続方式では、バンプの種類によって、電気的な接続の仕方が異なると共に、実装時の工程や使用する材料が異なる。バンプの種類としては、はんだバンプ、金バンプ、ニッケルバンプ、導電樹脂バンプ等が挙げられる。以下、(1)はんだバンプを介して接続を行う方式、(2)金バンプ、ニッケルバンプ、導電樹脂バンプ等のバンプを介して接続を行う方式についてそれぞれ説明する。
(1)はんだバンプを介して接続を行う方式
【0004】
はんだバンプを介して接続を行う方式はC4と称される。C4は、端子数が多い大型のロジック系の半導体チップを接続する場合に適用される。はんだバンプは、半導体チップの回路面の全面に配置されている(エリア配置)。
【0005】
C4は以下のように行われる。半導体チップの回路面に形成された端子の表面に形成されたはんだの酸化膜を除去する。はんだと基板に形成された端子を構成する金属との濡れ性を向上させるフラックス材を基板上に塗布する。半導体チップと基板との位置合わせを行った後、半導体チップを基板に押し当てる。フラックスの粘着力により、半導体チップは基板上に仮置き状態となる。この後、リフロー炉に基板を投入する。はんだが溶融する温度以上の温度となるまで加熱を行う。はんだバンプを溶融させることによって、基板に形成された端子とはんだとの接合を行う。次いで、端子とはんだとの接合を補強するためにアンダーフィル材と称される液状封止樹脂を、毛管現象を利用することにより半導体チップと基板との空隙に充填する。その後、液状封止樹脂を硬化させることによって、端子とはんだとの接合を補強する。毛管現象を利用することによって液状封止樹脂を充填する方式は、キャピラリーフロー方式と呼ばれている。
【0006】
近年、半導体チップの端子数の増加に伴って、端子の狭ピッチ化が進んでいる。これに伴って、はんだバンプの小径化が進むと共に、半導体チップと基板との間隔も狭ギャップ化している。また、実装部品の高信頼性化を図る目的で、アンダーフィル材中のフィラー充填量、及び、アンダーフィル材の粘度が増加する傾向にある。狭ピッチ化及び狭ギャップ化に加え、キャピラリーフロー方式を用いて高粘度のアンダーフィル材を充填するためには長時間を要する。
【0007】
さらに、鉛フリーはんだの採用によってリフロー温度が高温化している。このため、リフロー後の冷却時に、基板と半導体チップとの熱膨張係数差に起因する収縮時の応力によってはんだが破壊する危険性が増大している。よって、リフロー後の冷却時にもはんだの保護が要求されている。
【0008】
上述のようなキャピラリーフロー方式の問題点を解決するために、半導体チップを基板に実装する前にあらかじめアンダーフィル材となる樹脂を基板に塗布しておく方式(基板にアンダーフィル材を先置きする実装方式)が検討されている。この方式はノンフローアンダーフィル方式と称される。樹脂中にフラックス成分を含有させることによってフラックス機能及びアンダーフィル機能の両方を発現可能な樹脂組成物の検討がなされている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。
(2)金バンプ、ニッケルバンプ、導電樹脂バンプ等のバンプを介して接続を行う方式
【0009】
この場合、半導体チップと基板とを接続する端子数は、100〜500ピン程度である。バンプは、半導体チップの外周に配置される場合(ペリフェラル配置)が多い。
【0010】
この接続方式には、(A)金ワイヤーバンプと基板に形成されたはんだとのはんだ接合による方式、(B)スタッドバンプボンディングと称され金ワイヤーバンプ表面に形成した導電性樹脂を介して接着する方式(SBB方式)、(C)金ワイヤーバンプを直接基板に突当てて接触により接続する直接接合方式、(D)異方導電性接着剤を用いて導電性粒子を介してレベリングしたスタッドバンプ、金めっきバンプ又はニッケルめっきバンプと基板に形成された端子とを接続する方式、(E)超音波を印加することによりバンプと基板に形成された端子とを金属接合する超音波方式などがある。
【0011】
直接接合方式(C)や異方導電性接着剤を用いた方式(D)では接着剤を介して半導体チップを基板に接続するので、電気的接続とアンダーフィル充填とを同時に行うことができる。
【0012】
一方、他の方式では、はんだ接合、導電性樹脂の硬化による接続、超音波の印加による固相金属接合をそれぞれ行った後、アンダーフィル材を注入して充填・硬化させるキャピラリーフロー方式が採用されている。金バンプ、ニッケルバンプ、導電樹脂バンプ等のバンプを介して接続を行う場合にも、C4と同様に、狭ピッチ化や狭ギャップ化への対応、及び、実装工程の簡略化を目的に、基板にアンダーフィル材を先置きする実装方式が検討されてきている。
【0013】
基板にアンダーフィル材を先置きする実装方式では、あらかじめ基板に液状樹脂を塗布する工程、又はあらかじめ基板にフィルム状樹脂を貼り付ける工程が必要である。
【0014】
液状樹脂の塗布は、通常ディスペンサーを用いて行われる。ディスペンサーからの塗布は圧力によって制御されていることが殆どである。しかしながら、液状樹脂の粘度変化に従って一定圧力でも液状樹脂の放出量が変化してしまうので、塗布量を一定に保つことが困難である。塗布量が少な過ぎると、液状樹脂が充填されていない未充填領域が発生する原因となる。塗布量が多過ぎると、はみ出した液状樹脂が、半導体チップと基板とを圧着する部材に付着したり、周辺領域に飛び散る危険性がある。
【0015】
一方、基板にフィルム状樹脂を貼り付ける場合、フィルム状樹脂の厚み及び面積を調整することによって樹脂量を調整できるので、実装時にはみ出す樹脂量のバラツキを低減することができる。
【0016】
しかしながら、基板にフィルム状樹脂を貼り付ける装置の精度に限界があるので、半導体チップのサイズよりも大きいフィルム状樹脂を基板に貼り付ける必要がある。また、サイズの異なる多種類の半導体チップを基板に貼り付ける場合には、半導体チップのサイズに合わせたフィルム状樹脂をそれぞれ準備する必要がある。そのような技術動向につき、近年、サイズに合った接着剤層が付着した半導体チップ個片を効率的に得る方法、及びそれを利用した効率的な半導体デバイスの製造方法が求められていた。
【0017】
そこで、基板にアンダーフィル材を先置きする実装方式における煩雑さを解決すると共に、狭ピッチ化及び狭ギャップ化に対応することができる方法が提案されている(例えば、非特許文献3、特許文献1及び特許文献2参照)。この方法では、半導体チップを形成するための半導体ウェハにアンダーフィル材としての接着剤を塗布した後に、半導体ウェハを個片化することによって接着剤が付着した半導体チップを得る。その後、半導体チップを基板に貼り付ける。
【0018】
非特許文献3に記載されている方法では、樹脂をあらかじめ半導体ウェハに塗布した後、半導体ウェハを個片化することによってアンダーフィル材が付着した半導体チップを得る。この方法では、はんだバンプが形成された半導体チップが用いられる。はんだバンプの一部は、アンダーフィル材から露出している。はんだのセルフアライメントによって、半導体チップと基板との位置ずれの補正が行われる。
【0019】
但し、金やニッケルなどのめっきによって形成されたバンプや金ワイヤーを用いて形成された金ワイヤーバンプなどが形成された半導体チップにおいては、加圧ヘッドを用いて半導体チップを基板に押しつけながら、加熱又は超音波印加などのエネルギー印加により接続を行う。このため、セルフアライメントを用いることはできない。
【0020】
一方、特許文献1に記載されている方法では、半導体ウェハにフィルム状接着剤を貼り付けた後に、半導体ウェハを切断することによって個片化する。その結果、フィルム状接着剤が付着した半導体チップが得られる。本方法では、まず、半導体ウェハ/フィルム状接着剤/セパレータの積層体を作製する。積層体を切断した後、セパレータを剥離することによって、フィルム状接着剤が付着した半導体チップを得る。
【0021】
特許文献2では、テープが半導体ウェハ回路面に貼合された状態で、該ウェハ回路面の裏面を研削し、該ウェハをダイシングによって切断して個片化し、接着剤層が付着したチップをピックアップする方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特許第2833111号公報
【特許文献2】特開2006−49482号公報
【非特許文献】
【0023】
【非特許文献1】本間良信、「フリップチップ用アンダーフィル材料」、電子材料、株式会社工業調査会、2000年9月1日、第39巻、第9号、p.36−40
【非特許文献2】水池克行、野村英一「フリップチップ用アンダーフィル材」、電子技術、日刊工業新聞社、2001年9月、臨時増刊号、p.82−83
【非特許文献3】飯田和利「ベアチップ実装用材料の開発」、電子技術、日刊工業新聞社、2001年9月、臨時増刊号、p.84−87
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
しかしながら、非特許文献3では、個片化の方法は開示されていないが、これを通常のダイシング方法により個片化した場合、接着剤(アンダーフィル材)面が汚染され、良好な接着力を得ることが困難である。
【0025】
また、特許文献1の方法では、積層体を切断する際にフィルム状接着剤とセパレータとが剥離する結果、個片化された半導体チップが飛散、流出してしまうという問題点がある。また、特許文献2では、ダイシング工程において如何にして回路パターンを認識するか明らかにしておらず、接着剤層が付着した半導体チップ個片を効率的に得ることができない。また、ダイシング工程を、放射線照射によって粘着テープを硬化させた後におこなっているため、積層体を切断する際にフィルム状接着剤とセパレータとが剥離する結果、個片化された半導体チップが飛散、流出してしまうという問題点がある。
【0026】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたものであり、接着剤が付着した半導体チップ個片を効率的に得ると共に、半導体チップと配線基板とを良好に接続することができる半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上述の課題を解決するため、本発明に係る半導体デバイスの製造方法は、半導体ウェハの回路面がダイシングテープ側を向くように、前記ダイシングテープ、接着剤層及び前記半導体ウェハがこの順に積層された積層体を準備する工程と、前記半導体ウェハの前記回路面とは反対側の面から前記回路面の回路パターンを認識することによってカット位置を認識する工程と、前記カット位置を認識した後に、少なくとも前記半導体ウェハ及び前記接着剤層を、前記積層体の厚み方向に切断する工程と、前記切断工程後、前記ダイシングテープと前記接着剤層とを剥離させることによって、接着剤層が付着した半導体チップを作製する工程と、前記接着剤層が付着した前記半導体チップの回路面における端子と、配線基板の配線とを位置合わせする工程と、前記配線基板の前記配線と前記半導体チップの前記端子とが電気的に接続されるように、前記配線基板と前記半導体チップとを前記接着剤層を介して接続する工程と、を含んでいる。
【0028】
ここで、接着剤層の反応率X(単位:%)は、加熱前の接着剤層に対してDSC測定を行って得られる発熱量をA、加熱後の接着剤層に対してDSC測定を行って得られる発熱量をBとすると、下記式(1)により算出される。
X=(A−B)/A×100 (1)
【0029】
本発明の半導体デバイスの製造方法により、接着剤が付着した半導体チップ個片を効率的に得ると共に、半導体チップと配線基板とを良好に接続することができる。
【0030】
ちなみに、上記半導体デバイスの製造方法では、回路面とは反対側の面(半導体ウェハの裏面ともいう)から前記回路面の回路パターンを認識することによってカット位置を認識して半導体ウェハ及び接着剤層を切断するため、汚染のない半導体チップ個片を得ることができる。また、切断時にはダイシングテープを用いて半導体ウェハを固定し、切断後にダイシングテープを硬化させているため、半導体チップ個片が飛散、流出して紛失することがない。なお、上記の切断においては、接着剤層を断ち切るように接着剤層を全て切断してもよいし、接着剤層における回路面側の端部がその後の固片化が可能な程度残存するように接着剤層を切断してもよい。
【0031】
また、前記少なくとも前記半導体ウェハ及び前記接着剤層を切断する工程は、前記半導体ウェハの一部を切断する第1の工程と、前記半導体ウェハの残部と前記接着剤層とを切断する第2の工程とを含むことが好ましい。
【0032】
これにより、積層体を切断する際に発生するクラックを低減することができるので、半導体チップ個片の回路面における断線を抑制することができる。その結果、半導体デバイスの製造歩留まりを向上させることができる。
【0033】
また、前記カット位置を認識する工程では、前記半導体ウェハを透過して前記回路パターンを認識することが好ましい。この場合、通常形成されている回路面のスクライブラインを使用できるため、半導体ウェハの回路面とは反対側の面に、回路パターンを認識するための加工を行うことが不要になる。
【0034】
さらに、赤外線カメラを用いて前記回路パターンを認識することが好ましい。この場合、より精度良くカット位置を認識することができる。
【0035】
さらに、前記半導体ウェハの前記回路面とは反対側の面が、研磨により平坦化されていることが好ましい。この場合、半導体ウェハの回路面とは反対側の面において赤外線が乱反射することを抑制できる。よって、さらに精度良くカット位置を認識することができる。
【0036】
また、前記半導体チップの前記端子と前記配線基板の前記配線とを位置合わせする工程では、前記半導体チップに付着した前記接着剤層を透過して前記半導体チップの前記回路面を観察することが好ましい。この場合、接着剤層からバンプが突出していなくても回路面を観察することができる。
【0037】
さらに、前記接着剤層の表面の法線方向に対して傾斜した方向から前記接着剤層に光を照射することによって、前記半導体チップの前記回路面を観察することが好ましい。この場合、接着剤層の表面において光が乱反射することを抑制できる。よって、より精度良く半導体チップの端子と配線基板の配線とを位置合わせすることができる。
【0038】
さらに、偏光フィルタを有するカメラを用いて前記半導体チップの前記回路面を観察することが好ましい。この場合、接着剤層の表面において乱反射した光の影響を低減できる。よって、さらに精度良く半導体チップの端子と配線基板の配線とを位置合わせすることができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、接着剤が付着した半導体チップ個片を効率的に得ると共に、半導体チップと配線基板とを良好に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1実施形態に係る半導体デバイスの製造方法を模式的に示す工程図である。
【図2】第1実施形態に係る半導体デバイスの製造方法を模式的に示す工程図である。
【図3】第1実施形態に係る半導体デバイスの製造方法を模式的に示す工程図である。
【図4】第1実施形態に係る半導体デバイスの製造方法を模式的に示す工程図である。
【図5】第1実施形態に係る半導体デバイスの製造方法を模式的に示す工程図である。
【図6】第1実施形態に係る半導体デバイスの製造方法を模式的に示す工程図である。
【図7】第1実施形態に係る半導体デバイスの製造方法を模式的に示す工程図である。
【図8】第1実施形態に係る半導体デバイスの製造方法を模式的に示す工程図である。
【図9】第2実施形態に係る半導体デバイスの製造方法の一工程を模式的に示す工程図である。
【図10】第3実施形態に係る半導体デバイスの製造方法の一工程を模式的に示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
【0042】
(第1実施形態)
図1〜図8は、第1実施形態に係る半導体デバイスの製造方法を模式的に示す工程図である。
【0043】
(積層体準備工程)
まず、図1(A)及び図2(A)に示されるように、例えばシリコンウェハ等の半導体ウェハ6を吸着ステージ8上に載置する。半導体ウェハ6の回路面6aには、電極パッド7及び位置合わせ用マーク5が形成されている。電極パッド7と位置合わせ用マーク5との間には、絶縁膜20が充填されている。電極パッド7、位置合わせ用マーク5及び絶縁膜20の表面は平坦化されている。電極パッド7上には、絶縁膜20の表面から突出した突出電極4(端子)が設けられている。電極パッド7、位置合わせ用マーク5及び突出電極4により、回路パターンPが形成される。半導体ウェハ6の裏面6b(回路面とは反対側の面)は、吸着ステージ8に接触している。
【0044】
一方、セパレータ2と、セパレータ2上に設けられた接着剤層3とを備える接着シート52を準備する。接着シート52の接着剤層3が半導体ウェハ6の回路面6aを向くように配置して、加圧ローラ等のローラ1を用いて接着剤層3を回路面6aにラミネートする。ローラ1は、回路面6aと平行な方向A1に移動しながら、回路面6aに垂直な方向A2に接着シート52を加圧する。ローラ1により、接着シート52の接着剤層3は半導体ウェハ6の回路面6aに押し付けられる(図1(B)参照)。
【0045】
ラミネート装置としては、例えば、接着シート52の上下にそれぞれローラ1が設置されたもの、真空状態で接着シート52を半導体ウェハ6にプレスするもの等が挙げられる。ラミネートを行う際に接着シート52を加熱することが好ましい。これにより、半導体ウェハ6に対して接着剤層3を十分に密着させると共に、突出電極4の周囲を隙間なく十分に埋め込むことができる。加熱温度は、接着剤層3が軟化し、かつ、硬化しない程度である。接着剤層3が、例えば、エポキシ樹脂と、軟化温度が40℃のアクリル酸共重合体と、反応開始温度が100℃のエポキシ樹脂用の潜在性の硬化剤とを含む場合、加熱温度は例えば80℃である。
【0046】
電極パッド7は、例えばスパッタリング法を用いて形成されたアルミニウム膜からなるが、微量成分として、例えばケイ素、銅、チタン等を含んでもよい。位置合わせ用マーク5は、例えば電極パッド7と同時に形成される。位置合わせ用マーク5は、例えばアルミニウムからなる。
【0047】
位置合わせ用マーク5の表面には金膜が形成されていてもよい。この場合、位置合わせ用マーク5の表面の平坦性のバラツキを低減することができる。さらに、例えば位置合わせ用マーク5がアルミニウムからなる場合、金膜を形成することによって、アルミニウムの酸化状態による反射光のバラツキを低減することができる。位置合わせ用マーク5のパターン形状は、例えば十字パターンであるがこれに限定されず、円形パターン、L字パターンであってもよい。位置合わせ用マーク5は、一般的に、半導体ウェハ6をダイシングして得られる半導体チップ26の四隅に配置される。しかしながら、位置合わせ用マーク5の場所は、位置合わせの精度を確保できる場所であれば特に限定されない。
【0048】
突出電極4は、例えば金めっきにより形成された金バンプである。突出電極4は、金ワイヤーを用いて形成される金スタッドバンプ、必要に応じて超音波を併用した熱圧着により電極パッド7に固定された金属ボール、めっきや蒸着により形成されたバンプ等でもよい。突出電極4は、単一の金属から構成されている必要はなく、複数の金属を含んでもよい。突出電極4は、金、銀、銅、ニッケル、インジウム、パラジウム、スズ、ビスマス等を含んでもよい。また、突出電極4は、複数の金属層を含む積層体であってもよい。
【0049】
絶縁膜20としては、例えば窒化ケイ素からなる膜が挙げられる。絶縁膜20は、ポリイミドからなってもよい。絶縁膜20は、電極パッド7上に設けられた開口部を有する。絶縁膜20は、位置合わせ用マーク5を覆うように形成されてもよいが、位置合わせ用マーク5上に設けられた開口部を有してもよい。この場合、位置合わせ用マーク5が絶縁膜20によって覆われないので、位置合わせ用マーク5を用いた位置合わせの精度が向上する。
【0050】
半導体ウェハ6の回路面6aには、半導体ウェハ6をダイシングするための、スクライブラインと称される切断予定ラインが形成されている。切断予定ラインは、例えば格子状に配置されている。切断予定ラインには、切断時の位置合わせ用マークが設けられていてもよい。
【0051】
セパレータ2としては、例えばシリコーン等によって表面が離型処理されたPET基材が挙げられる。接着剤層3は、例えば、セパレータ2に接着剤組成物を塗布した後に乾燥することによって形成される。接着剤層3は、例えば常温において固体である。接着剤層3は、熱硬化性樹脂を含む。熱硬化性樹脂は、熱により3次元的に架橋することによって硬化する。
【0052】
上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シアノアクリレート樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、フラン樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、シロキサン変性エポキシ樹脂、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、アクリレート樹脂等が挙げられる。これらは単独又は2種以上の混合物として使用することができる。
【0053】
接着剤層3は、硬化反応を促進させるための硬化剤を含んでもよい。接着剤層3は、高反応性及び保存安定性を両立させるために、潜在性の硬化剤を含むことが好ましい。
【0054】
接着剤層3は、熱可塑性樹脂を含んでもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリルブタジエンゴムスチレン樹脂(ABS)、スチレンブタジエン共重合体(SBR)、アクリル酸共重合体等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を併用して使用することができる。これらの中でも、半導体ウェハ6への貼付性を確保するために室温付近に軟化点を有する熱可塑性樹脂が好ましく、グリシジルメタクリレートなどを原料に含むアクリル酸共重合体が好ましい。
【0055】
接着剤層3には、低線膨張係数化のためのフィラー(無機微粒子)を添加してもよい。このようなフィラーとしては、結晶性を有するものであっても、非結晶性を有するものであってもよい。接着剤層3の硬化後の線膨張係数が小さいと、熱変形が抑制される。よって、半導体チップの突出電極と配線基板の配線との電気的な接続を維持することができるので、半導体チップと配線基板とを接続することによって製造される半導体デバイスの信頼性を向上させることができる。
【0056】
接着剤層3は、カップリング剤等の添加剤を含んでもよい。これにより、半導体チップと配線基板との接着性を向上させることができる。
【0057】
接着剤層3内には、導電粒子を分散させてもよい。この場合、半導体チップの突出電極の高さのバラツキによる悪影響を低減することができる。また、配線基板がガラス基板等のように圧縮に対して変形し難い場合においても接続を維持することができる。さらに、接着剤層3を異方導電性の接着剤層とすることができる。
【0058】
接着剤層3の厚みは、接着剤層3が半導体チップと配線基板との間を十分に充填できる厚みであることが好ましい。通常、接着剤層3の厚みが、突出電極の高さと配線基板の配線の高さとの和に相当する厚みであれば、半導体チップと配線基板との間を十分に充填できる。
【0059】
次に、図1(C)及び図2(B)に示されるように、ブレードBLを方向A3に移動させて半導体ウェハ6の裏面6bに押し当てることにより、半導体ウェハ6の外周L1に沿って接着剤層3を切断する(ハーフカット、図1(D)参照)。なお、接着剤層3及びセパレータ2の両方を切断してもよい(フルカット)。その後、セパレータ2を接着剤層3から剥離除去することによって、図1(E)及び図2(C)に示されるように、半導体ウェハ6と接着剤層3とを含む積層体70を形成する。
【0060】
次に、図3(A)及び図4(A)に示されるように、吸着ステージ8上にダイシングフレーム10及び積層体70を載置する。積層体70は、半導体ウェハ6が接着剤層3と吸着ステージ8との間に位置するように載置される。ダイシングフレーム10は、積層体70の周囲を取り囲んでいる。その後、接着剤層3とダイシングテープ9とを対向配置させて、ローラ1を用いてダイシングテープ9をダイシングフレーム10及び積層体70にラミネートする(図3(B)参照)。
【0061】
ダイシングテープ9は、例えば、UV照射によって硬化する粘着層を表面に有する。粘着層が硬化することによって、当該粘着層の粘着力は低下する。ダイシングテープ9は、粘着力が変化しない粘着層を表面に有してもよい。
【0062】
次に、図3(C)及び図4(B)に示されるように、ダイシングフレーム10に沿った切断予定ラインL2に沿ってダイシングテープ9を切断する(フルカット、図3(D)参照)。これにより、図3(E)及び図4(C)に示されるように、半導体ウェハ6の回路面6aがダイシングテープ9側を向くように、ダイシングテープ9、接着剤層3及び半導体ウェハ6がこの順に積層された積層体60が得られる。
(カット位置認識工程)
【0063】
次に、図5(A)に示されるように、半導体ウェハ6の裏面6bから回路面6aの回路パターンPを認識することによってカット位置を認識する。この場合、半導体ウェハ6の裏面6bに、カット位置にラインが加工されていても良いが、透過によって観察をすれば回路パターンPを認識するための前記特別な加工を行うことが不要になるため好ましい。特に、赤外線カメラ(IRカメラ)14を用いて半導体ウェハ6を透過して回路パターンPを認識することが好ましい。これにより、精度良く積層体60の位置合わせを行うことができる。半導体ウェハ6がシリコンからなり、かつ、回路パターンPの電極パッド7及び位置合わせ用マーク5がアルミニウムからなる場合、赤外線カメラ14から出射される赤外線LT1は、半導体ウェハ6を透過するが、回路パターンPは透過しない。
【0064】
また、半導体ウェハ6の裏面6bは、研磨により平坦化されていることが好ましく、鏡面仕上げされていることがより好ましい。裏面6bが研磨されていると、半導体ウェハ6の裏面6bにおいて赤外線LT1が乱反射することを抑制できる。よって、精度良く積層体60の位置合わせを行うことができる。例えばバックグラインド装置等で半導体ウェハ6の裏面6bを平坦化することができる。半導体ウェハ6の裏面6bに傷や凹凸が少ないと、赤外線LT1が乱反射し難くなるので、赤外線LT1の透過画像を鮮明に得ることができる。
【0065】
(ダイシング工程)
次に、図5(B)及び図5(C)に示されるように、例えばスクライブライン等の切断予定ラインL3に沿って半導体ウェハ6及び接着剤層3を積層体60の厚み方向にダイシング(切断)する。ダイシング工程では、例えば、図5(A)に示される赤外線カメラ14を有するダイサーを用いる。ダイシング工程では、図5(B)に示されるように半導体ウェハ6の一部を切断する第1の工程と、図5(C)に示されるように半導体ウェハ6の残部と接着剤層3とを切断する第2の工程とを実施することが好ましい。これにより、積層体60を切断する際に発生するクラックを低減することができるので、半導体ウェハ6の回路面6aにおける断線を抑制することができる。その結果、半導体デバイスの製造歩留まりを向上させることができる。
【0066】
切断面から半導体ウェハ6の回路面6aに平行な方向にクラックが進行すると、回路面6aにおいて断線不良が発生するおそれがある。しかしながら、段階的に切断を行うことにより、クラックが急激に進行することを抑制することができる。
【0067】
また、第1の工程では、第1のブレードを用いて切断を行い、第2の工程では、第1のブレードよりも薄い第2のブレードを用いて切断を行うことが好ましい。この場合、第1の工程の切断により形成される溝の幅よりも、第2の工程の切断により形成される溝の幅が小さくなるので、クラックの進行を更に抑制することができる。切断に用いるブレードの厚みを薄くすると、溝の幅を小さくすることができる。
【0068】
なお、通常のダイシング工程のように、半導体ウェハの回路面がブレード(又は赤外線カメラ)側を向くように配置されていると、切り屑が接着剤層に付着することとなる。この場合、半導体チップと配線基板との接続信頼性が低下してしまう。一方、本実施形態では、ブレード側から半導体ウェハ6、接着剤層3及びダイシングテープ9がこの順に積層されている。よって、切り屑が接着剤層3に付着することを抑制できる。なお、接着剤層3の側面(切断面)は、半導体チップと配線基板との接続時に半導体チップの回路面の外側に押し出されるので、接続信頼性の低下は生じない。
【0069】
(剥離工程)
次に、図6(A)〜図6(C)に示されるように、ダイシングテープ9と接着剤層3とを剥離させることによって、接着剤層23が付着した半導体チップ26を作製する。
【0070】
まず、図6(A)に示されるように、UV光LT2をダイシングテープ9に照射することによって、ダイシングテープ9の粘着層を硬化させる。これにより、ダイシングテープ9の粘着力が低下する。
【0071】
続いて、図6(B)に示されるように、ダイシングテープ9が延在する面に垂直な方向Bにダイシングテープ9を押圧することによって、ダイシングテープ9を押し上げる。これにより、図6(C)に示されるように、接着剤層23が付着した半導体チップ26が押し出され、半導体チップ26をピックアップすることができる。そして、接着剤層23の付着した半導体チップ26個片が得られる。
【0072】
(半導体チップと配線基板との位置合わせ工程)
次に、図7に示されるように、接着剤層23が付着した半導体チップ26の回路面26aにおける突出電極4(端子)と、配線基板40の配線12とを位置合わせする。配線基板40は、基板13と、基板13上に設けられた配線12とを備える。位置合わせは、例えばフリップチップボンダを用いて行われる。
【0073】
まず、フリップチップボンダの吸着・加熱ヘッド11上に、半導体チップ26が吸着・加熱ヘッド11側を向くように配置して、接着剤層23が付着した半導体チップ26を載置する。続いて、カメラ15を用いて、半導体チップ26の回路面26aに形成された位置合わせ用マーク5を認識する。位置合わせ用マーク5が接着剤層23によって被覆されている場合には、半導体チップ26に付着した接着剤層23を透過して半導体チップ26の回路面26aを観察することが好ましい。この場合、半導体チップ26の回路面26aを観察するために半導体チップ26に加工を行うことが不要になる。回路面26aを観察することによって位置合わせ用マーク5を認識することができるので、半導体チップ26の位置を特定することができる。
【0074】
また、接着剤層23の表面23aの法線方向Dに対して傾斜した方向から接着剤層23に光LT3を照射することによって、半導体チップ26の回路面26aを観察してもよい。この場合、接着剤層23の表面23aにおいて光LT3が乱反射することを抑制できる。よって、精度良く半導体チップ26の突出電極4と配線基板40の配線12とを位置合わせすることができる。また、偏光フィルタ15aを有するカメラ15を用いて接着剤層23の表面23aからの反射光を遮断しながら、半導体チップ26の回路面26aを観察してもよい。
【0075】
一方、カメラ16を用いて、配線基板40に設けられた位置合わせ用マークを認識する。これにより、配線基板40の位置を特定することができる。カメラ15及びカメラ16からの画像信号は、コンピュータ30に入力される。コンピュータ30は、半導体チップ26の突出電極4と配線基板40の配線12とが正確に位置合わせされるように、半導体チップ26と配線基板40との相対位置を制御することができる。
【0076】
(接続工程)
次に、図8(A)及び図8(B)に示されるように、配線基板40の配線12と半導体チップ26の突出電極4とが電気的に接続されるように、配線基板40と半導体チップ26とを接着剤層23を介して接続する。これにより、図8(B)に示される半導体デバイス50が製造される。具体的には、例えば、配線基板40と半導体チップ26とを加熱圧着する。加熱圧着後に、DSC(示差走査熱量計)による発熱量から算出される接着剤層23の反応率が50%以上となるように、加熱圧着することが好ましい。これにより、配線12と突出電極4とを電気的及び機械的に接続させることができる。さらに、接続後の冷却収縮時にも配線12と突出電極4との接続を保持することができる。
【0077】
配線12と突出電極4とは、機械的に接触してもよく、超音波の印加により固相接合されてもよい。また、配線12の表面に合金層を形成することによって、当該合金層と突出電極4とを合金化してもよい。さらに、導電粒子を介して配線12と突出電極4とを接続してもよい。
【0078】
本実施形態の半導体デバイスの製造方法では、半導体ウェハ6の裏面6bから回路面26aの回路パターンPを認識することによってカット位置を認識して半導体ウェハ6及び接着剤層3を切断するため、汚染のない半導体チップ26個片を得ることができる。また、切断時にはダイシングテープ9を用いて半導体ウェハ6を固定し、切断後にダイシングテープ9を硬化させているため、半導体チップ26個片が飛散、流出して紛失することがない。したがって、本実施形態の製造方法によれば、接着剤層23が付着した半導体チップ26個片を効率的に得ると共に、半導体チップ26と配線基板40とを良好に接続することができる。その結果、半導体デバイス50の製造歩留まりを向上させることができる。
【0079】
また、半導体チップ26のサイズと接着剤層23のサイズとが略同一になるので、接続工程において接着剤層23を押圧する際に、外側にはみ出す量が少なくなる。よって、複数の半導体チップ26を配線基板40に接続する場合に、隣り合う半導体チップ26間距離を短く設計することができるので、高密度実装が可能である。また、半導体チップ26を封止する封止樹脂の量も小さくすることができる。さらに、仮圧着が不要なので、半導体チップ26とは異なる他の部品を実装した後であっても、挿入式に半導体チップ26を実装することができる。
【0080】
また、接着剤層3は、本実施形態の接着フィルムとして用いることができる。本実施形態の接着フィルムは、加圧及び加熱によって硬化して半導体チップ26と配線基板40とを接続すると共に、配線基板40の配線12と半導体チップ26の突出電極4とを電気的に接続する。接着フィルムは、本実施形態の半導体デバイスの製造方法に用いられる。接着フィルムは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び硬化剤を含む樹脂組成物と、フィラーとを含む。接着フィルムは、樹脂組成物100質量部に対して、フィラーを20〜100質量部含む。接着フィルムを170〜240℃の温度で5〜20秒間加熱したときに、DSC(示差走査熱量計)による発熱量から算出される接着フィルムの反応率は、50%以上である。
【0081】
本実施形態の接着フィルムを用いることにより、本実施形態の半導体デバイスの製造方法を好適に実施することができる。また、半導体チップ26と配線基板40との機械的及び電気的な接続を維持することができるので、接続信頼性の高い半導体デバイス50を製造することができる。
【0082】
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態に係る半導体デバイスの製造方法の一工程を模式的に示す工程図である。本実施形態では、接着剤層3のサイズが半導体ウェハ6のサイズと略同一になるように予め加工された接着シート52の接着剤層3を回路面6aにラミネートする。その後、セパレータ2を接着剤層3から剥離除去することによって、図2(C)に示されるように、半導体ウェハ6と接着剤層3とを含む積層体70を形成する。その後は第1実施形態と同様にして、図8(B)に示される半導体デバイス50を製造することができる。本実施形態では、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。さらに本実施形態の場合、半導体ウェハ6に接着剤層3をラミネートしたあとの切断工程が不要となり、作業効率の向上を図ることができる。
【0083】
本実施形態では、接着シート52の接着剤層3を回路面6aにラミネートする際に、接着剤層3と半導体ウェハ6とを位置合わせする。よって、セパレータ2は透明であることが好ましい。
【0084】
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態に係る半導体デバイスの製造方法の一工程を模式的に示す工程図である。本実施形態では、ダイシングテープ9上に接着剤層3を形成する。接着剤層3のサイズは、半導体ウェハ6のサイズと略同一となるように予め加工されている。一方、半導体ウェハ6及びダイシングフレーム10を吸着ステージ8上に載置する。その後、半導体ウェハ6の回路面6aが接着剤層3側を向くように配置して、ローラ1を用いて、接着剤層3が形成されたダイシングテープ9を半導体ウェハ6の回路面6aにラミネートする。これにより、図4(B)に示される構造体が得られる。その後は第1実施形態と同様にして、図8(B)に示される半導体デバイス50を製造することができる。本実施形態では、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。また、セパレータ2が不要になると共に半導体デバイス50の製造工程を短縮できる。
【0085】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
【実施例】
【0086】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0087】
(実施例1)
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂YDCN−703(東都化成株式会社製、商品名)12質量部、フェノールアラルキル樹脂XLC−LL(三井化学株式会社製、商品名)19質量部、熱可塑性樹脂としてエポキシ基含有アクリルゴムHTR−860P−3(ナガセケムテックス株式会社製、商品名、質量平均分子量80万)17質量部、及び硬化剤としてマイクロカプセル型硬化剤HX−3941HP(旭化成株式会社製、商品名)52質量部と、平均粒径が0.5μmの球状シリカフィラー100質量部と、平均粒径が3μmの金めっきプラスチック粒子AU−203A(積水化学工業株式会社製、商品名)4.3質量部とを、トルエン及び酢酸エチルの混合溶媒中に溶解・分散した。その結果、接着剤組成物のワニスを得た。
【0088】
このワニスの一部をセパレータ(PETフィルム)上にロールコータを用いて塗布した後、70℃のオーブンで10分間乾燥させることによって、セパレータ上に厚み25μmの接着剤層が形成された接着シートを得た。
【0089】
次いで、ジェイシーエム製のダイアタッチフィルムマウンターの吸着ステージを80℃に加熱した後、吸着ステージ上に、回路面に金めっきバンプ(高さ16μm)が形成された厚さ150μm、直径6インチの半導体ウェハを、金めっきバンプを上に向けて載置した。半導体ウェハの裏面には、#2000仕上げのバックグラインド処置を施した。その後、接着剤層及びセパレータからなる接着シートを200mm×200mmの矩形に切断して得られた接着シートの接着剤層を半導体ウェハの金めっきバンプ側に向けて、接着シートを半導体ウェハの回路面にラミネートした。このとき、エアを巻き込まないように、ダイアタッチフィルムマウンターの貼付ローラを用いて、半導体ウェハの端から接着シートを半導体ウェハに押し付けた。
【0090】
ラミネート後、半導体ウェハの外形に沿って接着剤層のはみ出し部分を切断した(ハーフカット)。その後、セパレータを剥離した。エアの巻き込みによるボイドや接着剤層の剥がれがないことを確認すると共に、接着剤層の表面に金めっきバンプの先端が突き出ていないことを確認した。
【0091】
この後、半導体ウェハ及び接着剤層からなる積層体を、接着剤層を上に向けてダイアタッチフィルムマウンターの吸着ステージ上に搭載した。吸着ステージのステージ温度は40℃に設定した。さらに、直径8インチの半導体ウェハ用のダイシングフレームを半導体ウェハの外周に設置した。続いて、UV硬化型ダイシングテープUC−334EP−110(古川電工製、商品名)の粘着面を半導体ウェハ側に向けて、ダイシングテープを半導体ウェハ及びダイシングフレームにラミネートした。このとき、エアを巻き込まないように、ダイアタッチフィルムマウンターの貼付ローラを用いて、ダイシングフレームの端からダイシングテープを半導体ウェハ及びダイシングフレームに押し付けた。
【0092】
ラミネート後、ダイシングフレームの外周と内周の中間付近においてダイシングテープを切断した。これにより、ダイシングフレームに固定されており、半導体ウェハ、接着剤層及びダイシングテープがこの順に積層された積層体を得た。
【0093】
得られた積層体を、フルオートマチックダイシングソーDFD6361(株式会社ディスコ製、商品名)に半導体ウェハの裏面を上に向けて搭載した。この後、フルオートマチックダイシングソーDFD6361に取り付けられたIRカメラを用いて、半導体ウェハを透過して回路面のスクライブラインの位置合わせを行った。
【0094】
次いで、長辺側では15.1mm間隔、短辺側では1.6mm間隔で、第1の工程では、ブレード27HEDD、回転速度40,000min−1及びカット速度50mm/秒の切断条件の下、半導体ウェハの一部(半導体ウェハの裏面から100μmの位置まで)を切断した。第2の工程では、ブレード27HCBB、回転速度30,000min−1及びカット速度50mm/秒の切断条件の下、半導体ウェハの残部、接着剤層及びダイシングテープの一部(95μm)を切断した。
【0095】
その後、切断された積層体を洗浄し、当該積層体に空気を吹きつけることによって水分を飛ばした。さらに、ダイシングテープ側から当該積層体にUV照射を行った。次に、接着剤層が付着した半導体チップをダイシングテープ側から押し上げると共にピックアップし、縦15.1mm×横1.6mmの半導体チップを得た。
【0096】
得られた半導体チップの裏面を、フリップチップボンダーCB−1050(株式会社アスリートFA製、商品名)の吸着ヘッドに吸引させた。その後、半導体チップを所定の位置に移動させた。次に、フレキシブルライトガイド付き光ファイバー照明装置を用いて、接着剤層が付着した半導体チップの回路面に、斜め下方向から光を照射することによって、半導体チップの位置合わせ用マークを認識した。
【0097】
また、厚み0.7mmの無アルカリガラス基板上に、厚み140nmのインジウム−錫酸化物(ITO)電極が形成されたITO基板を準備した。このITO基板に形成されたITO製の位置合わせ用マークを認識した。このようにして、半導体チップとITO基板との位置合わせを行った。
【0098】
この後、210℃、5秒間の加熱条件で、半導体チップの金めっきバンプに対する圧力が50MPaとなるようにして加熱及び加圧を行った。210℃、5秒間の加熱条件で、DSCの発熱量から算出した接着剤層の反応率は98%であった。加熱圧着によって接着剤層が硬化することにより、半導体チップの金めっきバンプとITO基板のITO電極とを電気的に接続させると共に、半導体チップとITO基板とを機械的に接着した。このようにして、半導体デバイスを作製した。
【0099】
<半導体チップの評価結果>
得られた半導体チップをテトラヒドロフラン溶液に漬けることによって接着剤層を溶解させた後、半導体チップの回路面に発生したクラックの大きさをメジャースコープを用いて計測した。その結果、半導体チップの切断面から回路面に平行な方向に最大で17μm、回路面から深さ方向に最大で10μmのクラックを有する半導体チップの存在が確認された。
【0100】
<半導体デバイスの評価結果>
接続時にはみ出した接着剤層中の樹脂の半導体チップ側面への這い上がりは少なかった。また、吸着ヘッドの汚染も発生しなかった。
【0101】
接続後、四端子法により接続抵抗値を測定した結果、接続抵抗値は0.5Ω(平均値)であった。よって、半導体チップの金めっきバンプとITO基板のITO電極とは、良好に接続されていることが確認された。
【0102】
さらに、接続信頼性を確認するため、60℃、90%RHの高温高湿装置内に半導体デバイスを1000時間放置した後に、四端子法により接続抵抗値を測定した。その結果、接続抵抗値は40Ωであった。よって、半導体チップとITO基板との接続では、良好な接続信頼性が得られることが確認された。
【0103】
また、同様に接続信頼性を確認するため、−40℃、15分の条件と100℃、15分の条件とが繰り返し行われる温度サイクル試験機に半導体デバイスを投入した。1000サイクル経過後、四端子法により接続抵抗値を測定した。その結果、接続抵抗値は4Ωであった。よって、半導体チップとITO基板との接続では、良好な接続信頼性が得られることが確認された。
【0104】
(実施例2)
半導体ウェハ、接着剤層及びダイシングテープがこの順に積層された積層体を以下のようにダイシングしたこと以外は実施例1と同様にして半導体チップを作製した。
【0105】
長辺側では15.1mm間隔、短辺側では1.6mm間隔で、ブレード27HEDD、回転速度40,000min−1及びカット速度50mm/秒の切断条件の下、半導体ウェハ、接着剤層及びダイシングテープの一部(半導体ウェハの裏面から190μmの位置まで)を切断した。実施例2では、2段ではなく1段でダイシングを行った。
【0106】
<半導体チップの評価結果>
得られた半導体チップをテトラヒドロフラン溶液に漬けることによって接着剤層を溶解させた後、半導体チップの回路面に発生したクラックの大きさをメジャースコープを用いて計測した。その結果、半導体チップの切断面から回路面に平行な方向に最大で69μm、回路面から深さ方向に最大で137μmのクラックを有する半導体チップの存在が確認された。
【0107】
(実施例3)
半導体ウェハの裏面にバックグラインド処置を施していないこと以外は実施例1と同様にして半導体チップを作製した。バックグラインド処置を施していないため、半導体ウェハの厚さは725μmであった。
【0108】
IRカメラを用いて回路面のスクライブラインの位置合わせを行う際に、半導体ウェハの裏面に形成された凹凸の影響により赤外線の透過画像が不鮮明であった。このため、回路面のスクライブラインの位置合わせは困難であった。よって、半導体ウェハの裏面にスクライブラインに対応するラインを形成することによって、回路面のスクライブラインの位置合わせを行った。
【0109】
(実施例4)
接着樹脂組成物のワニスを得る際に、平均粒径が0.5μmの球状シリカフィラーの配合割合を20質量部としたこと以外は実施例1と同様にして半導体チップを作製した。また、得られた半導体チップを用いて実施例1と同様にして半導体デバイスを作製した。
【0110】
<半導体チップの評価結果>
得られた半導体チップをテトラヒドロフラン溶液に漬けることによって接着剤層を溶解させた後、半導体チップの回路面に発生したクラックの大きさをメジャースコープを用いて計測した。その結果、半導体チップの切断面から回路面に平行な方向に最大で25μm、回路面から深さ方向に最大で20μmのクラックを有する半導体チップの存在が確認された。
【0111】
<半導体デバイスの評価結果>
接続時にはみ出した接着剤層中の樹脂の半導体チップ側面への這い上がりは少なかった。また、吸着ヘッドの汚染も発生しなかった。
【0112】
接続後、四端子法により接続抵抗値を測定した結果、接続抵抗値は0.5Ω(平均値)であった。よって、半導体チップの金めっきバンプとITO基板のITO電極とは、良好に接続されていることが確認された。
【0113】
さらに、接続信頼性を確認するため、60℃、90%RHの高温高湿装置内に半導体デバイスを1000時間放置した後に、四端子法により接続抵抗値を測定した。その結果、接続抵抗値は80Ωであった。
【0114】
また、同様に接続信頼性を確認するため、−40℃、15分の条件と100℃、15分の条件とが繰り返し行われる温度サイクル試験機に半導体デバイスを投入した。1000サイクル経過後、四端子法により接続抵抗値を測定した。その結果、接続抵抗値は30Ωであった。
【0115】
(実施例5)
接着樹脂組成物のワニスを得る際に、エポキシ樹脂YDCN−703(東都化成株式会社製、商品名)の配合割合を40質量部、フェノールアラルキル樹脂XLC−LL(三井化学株式会社製、商品名)の配合割合を20質量部、エポキシ基含有アクリルゴムHTR−860P−3(ナガセケムテックス株式会社製、商品名、質量平均分子量80万)の配合割合を20質量部、マイクロカプセル型硬化剤HX−3941HP(旭化成株式会社製、商品名)の配合割合を20質量部としたこと以外は実施例1と同様にして半導体チップを作製した。
【0116】
得られた半導体チップとITO基板との位置合わせを実施例1と同様にして行った。その後、210℃、5秒間の加熱条件で、半導体チップの金めっきバンプに対する圧力が50MPaとなるようにして加熱及び加圧を行った。210℃、5秒間の加熱条件で、DSCの発熱量から算出した接着剤層の反応率は60%であった。加熱圧着によって接着剤層が硬化することにより、半導体チップの金めっきバンプとITO基板のITO電極とを電気的に接続させると共に、半導体チップとITO基板とを機械的に接着した。このようにして、半導体デバイスを作製した。
【0117】
<半導体チップの評価結果>
得られた半導体チップをテトラヒドロフラン溶液に漬けることによって接着剤層を溶解させた後、半導体チップの回路面に発生したクラックの大きさをメジャースコープを用いて計測した。その結果、半導体チップの切断面から回路面に平行な方向に最大で17μm、回路面から深さ方向に最大で10μmのクラックを有する半導体チップの存在が確認された。
【0118】
<半導体デバイスの評価結果>
接続時にはみ出した接着剤層中の樹脂の半導体チップ側面への這い上がりは少なかった。また、吸着ヘッドの汚染も発生しなかった。
【0119】
接続後、四端子法により接続抵抗値を測定した結果、接続抵抗値は4Ω(平均値)であった。
【0120】
さらに、接続信頼性を確認するため、60℃、90%RHの高温高湿装置内に半導体デバイスを1000時間放置した後に、四端子法により接続抵抗値を測定した。その結果、接続抵抗値は60Ωであった。
【0121】
また、同様に接続信頼性を確認するため、−40℃、15分の条件と100℃、15分の条件とが繰り返し行われる温度サイクル試験機に半導体デバイスを投入した。1000サイクル経過後、四端子法により接続抵抗値を測定した。その結果、接続抵抗値は20Ωであった。
【0122】
(比較例1)
実施例1と同様にして得られた接着シートを半導体ウェハの回路面にラミネートした。ラミネート後、半導体ウェハの外形に沿ってセパレータ及び接着剤層のはみ出し部分を切断した。
【0123】
この後、セパレータ、接着剤層及び半導体ウェハがこの順に積層された積層体を、半導体ウェハの裏面を上に向けてダイアタッチフィルムマウンターの吸着ステージ上に搭載した。吸着ステージのステージ温度は40℃に設定した。さらに、直径8インチの半導体ウェハ用のダイシングフレームを半導体ウェハの外周に設置した。続いて、UV硬化型ダイシングテープUC−334EP−110(古川電工製、商品名)の粘着面を半導体ウェハの裏面と対向させて、ダイシングテープを半導体ウェハ及びダイシングフレームにラミネートした。
【0124】
ラミネート後、ダイシングフレームの外周と内周の中間付近においてダイシングテープを切断した。その後、セパレータを接着剤層から剥離した。これにより、ダイシングフレームに固定されており、接着剤層、半導体ウェハ及びダイシングテープがこの順に積層された積層体を得た。
【0125】
得られた積層体を実施例1と同様にダイシングすることによって半導体チップを得た。この半導体チップに付着した接着剤層の表面にはダイシング時の切り屑が付着していることが確認された。このため、得られた半導体チップとITO基板とを位置合わせすることができなかった。
【0126】
(比較例2)
実施例1と同様にして接着剤層及びセパレータからなる接着シートを得た。この接着シートを280mm×280mmの矩形に切断した。また、実施例1と同様にして、ジェイシーエム製のダイアタッチフィルムマウンターの吸着ステージ上に、半導体ウェハを載置した。
【0127】
続いて、8インチウェハ用のダイシングフレーム上に両面テープ(ニチバン製、ナイスタック、登録商標)を貼付け、両面テープを貼付けた面を上に向け、両面テープのカバーフィルムを剥がした状態で当該ダイシングフレームを半導体ウェハ外周に設置した。次いで、セパレータごと280mm×280mmに切断した接着シートの接着剤層を半導体ウェハの回路面側に向けて、接着シートの接着剤層をダイシングフレーム上の両面テープに貼り付けると共に、接着シートを半導体ウェハにラミネートした。このとき、エアを巻き込まないように、ダイアタッチフィルムマウンターの貼付ローラを用いて、ダイシングフレームの端から接着剤層を半導体ウェハ及びダイシングフレームに押し付けた。
【0128】
ラミネート後、ダイシングフレームの外周に沿って接着剤層及びセパレータを切断し、ダイシングフレームに両面テープを介して固定された半導体ウェハ、接着剤層及びセパレータがこの順に積層された積層体を得た。
【0129】
得られた積層体を、フルオートマチックダイシングソーDFD6361(株式会社ディスコ製、商品名)に半導体ウェハの裏面を上に向けて搭載した。この後、フルオートマチックダイシングソーDFD6361に取り付けられたIRカメラを用いて、半導体ウェハを透過して回路面のスクライブラインの位置合わせを行った。
【0130】
次いで、長辺側では15.1mm間隔、短辺側では1.6mm間隔で、第1の工程では、ブレード27HEDD、回転速度40,000min−1及びカット速度50mm/秒の切断条件の下、半導体ウェハの一部(半導体ウェハの裏面から100μmの位置まで)を切断した。第2の工程では、ブレード27HCBB、回転速度30,000min−1及びカット速度50mm/秒の切断条件の下、半導体ウェハの残部、接着剤層及びセパレータの一部(95μm)を切断した。
【0131】
しかしながら、接着剤層とセパレータとの界面において剥離が発生したため、洗浄のための水流によって、ダイシングにより得られた半導体チップは飛散、流出してしまった。このため、接着剤層が付着した半導体チップを得ることができなかった。
【符号の説明】
【0132】
3,23…接着剤層(接着フィルム)、4…突出電極(端子)、6…半導体ウェハ、6a,26a…回路面、6b…裏面(回路面とは反対側の面)、9…ダイシングテープ、12…配線、14…赤外線カメラ、15…カメラ、15a…偏光フィルタ、23a…接着剤層の表面、26…半導体チップ、40…配線基板、50…半導体デバイス、60…積層体、LT3…光、P…回路パターン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェハの回路面がダイシングテープ側を向くように、前記ダイシングテープ、接着剤層及び前記半導体ウェハがこの順に積層された積層体を準備する工程と、
前記半導体ウェハの前記回路面とは反対側の面から前記回路面の回路パターンを認識することによってカット位置を認識する工程と、
前記カット位置を認識した後に、少なくとも前記半導体ウェハ及び前記接着剤層を、前記積層体の厚み方向に切断する工程と、
前記切断工程後、前記ダイシングテープと前記接着剤層とを剥離させることによって、接着剤層が付着した半導体チップを作製する工程と、
前記接着剤層が付着した前記半導体チップの回路面における端子と、配線基板の配線とを位置合わせする工程と、
前記配線基板の前記配線と前記半導体チップの前記端子とが電気的に接続されるように、前記配線基板と前記半導体チップとを前記接着剤層を介して接続する工程と、
を含む、半導体デバイスの製造方法。
【請求項2】
前記少なくとも前記半導体ウェハ及び前記接着剤層を切断する工程は、
前記半導体ウェハの一部を切断する第1の工程と、
前記半導体ウェハの残部と前記接着剤層とを切断する第2の工程と、
を含む、請求項1に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項3】
前記カット位置を認識する工程では、前記半導体ウェハを透過して前記回路パターンを認識する、請求項1又は2に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項4】
赤外線カメラを用いて前記回路パターンを認識する、請求項3に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項5】
前記半導体ウェハの前記回路面とは反対側の面が、研磨により平坦化されている、請求項4に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項6】
前記半導体チップの前記端子と前記配線基板の前記配線とを位置合わせする工程では、前記半導体チップに付着した前記接着剤層を透過して前記半導体チップの前記回路面を観察する、請求項1又は2に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項7】
前記接着剤層の表面の法線方向に対して傾斜した方向から前記接着剤層に光を照射することによって、前記半導体チップの前記回路面を観察する、請求項6に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項8】
偏光フィルタを有するカメラを用いて前記半導体チップの前記回路面を観察する、請求項1又は2に記載の半導体デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−102190(P2013−102190A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−1933(P2013−1933)
【出願日】平成25年1月9日(2013.1.9)
【分割の表示】特願2011−229029(P2011−229029)の分割
【原出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(000004455)日立化成株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】