説明

半導体パターン計測方法、半導体パターン計測装置、半導体パターン計測プログラムおよび半導体パターン計測プログラムを記憶した記憶媒体

【課題】
各種のパターンに対応する計測方法については開示されておらず、特に計測対象パターンの両辺が直線乃至は曲線で構成され、両辺が非平行なパターンの計測方法についての開示はない。
【解決手段】
半導体ウェーハ上に形成されたパターンを撮像し、撮像画像に基づいてパターン寸法を計測する方法であって、画像上のパターンの両側のエッジ位置を特定するステップと、パターンの第1のエッジ上にある第1の点と、その反対側のエッジである第2のエッジ上にある第2の点において、該第1の点と該第2の点を結ぶ線分と、該第1の点における該第1エッジの第1の接線と、該第2の点における該第2エッジの第2の接線に基づいて計測を行うステップと、該線分の距離を計測するステップを有することを特徴とする半導体パターン計測方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パターンの計測方法、半導体パターン計測装置、半導体パターン計測プログラムおよび半導体パターン計測プログラムを記憶した記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体パターンの寸法計測では、走査型電子顕微鏡により撮像された高解像度画像を用いて、パターン寸法の計測が行われている。パターンが直線であり、かつ画像の垂直方向と平行であれば、画像の垂直方向のある区間の画像信号を垂直に投影して得られた信号波形から、パターン両辺の位置を検出しパターン寸法を求めることができる。パターンが直線かつ画像水平方向と平行の場合は、水平方向に同様に考えればよい。これに対し、半導体回路の高密度化に伴い、曲線形状パターンが見られるようになってきた。曲線パターンのエッジ検出方法としては特許文献1の方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4040809号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は曲線パターンのパターンエッジを求める方法であって、エッジを求めるための画像信号波形の投影区間を区分的にした上で、その区分的区間におけるパターンの接線方向に信号波形を投影し、エッジを求めるものである。しかしながら、各種のパターンに対応する計測方法については開示されておらず、特に計測対象パターンの両辺が直線乃至は曲線で構成され、両辺が非平行なパターンの計測方法についての開示はない。
【0005】
半導体メモリデバイスは、パターンの微細化と、パターンレイアウトの工夫によるセル面積縮小により大容量化が進んでいる。パターンレイアウトの工夫は、従来、直線格子状にビット線、ワード線を配置しメモリセルを形成していたものに対し、ビット線を曲線状に工夫したものが実用化されている。今後もさまざまな形状パターンの出現が予想され、これらのパターンを包括的な手法で計測することを目的として、本発明の目的は、電子線顕微鏡画像により、半導体ウェーハ上に形成されたパターンで、その両辺が直線乃至は曲線で構成され、かつ両辺が非平行なパターンを高精度に計測するパターン寸法計測方法、パターン寸法計測装置、パターン寸法計測方法をコンピュータに実行させるプログラム及びその記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば次のとおりである。
(1)半導体ウェーハ上に形成されたパターンを撮像し、撮像画像に基づいてパターン寸法を計測する方法であって、画像上のパターンの両側のエッジ位置を特定するステップと、パターンの第1のエッジ上にある第1の点と、その反対側のエッジである第2のエッジ上にある第2の点において、該第1の点と該第2の点を結ぶ線分と、該第1の点における該第1エッジの第1の接線と、該第2の点における該第2エッジの第2の接線に基づいて計測を行うステップと、該線分の距離を計測するステップを有することを特徴とする半導体パターン計測方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、半導体ウェーハ上に形成されたパターンで、その両辺が直線乃至は曲線で構成され、かつ両辺が非平行なパターンを高精度に計測する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本願の実施例の構成図である。
【図2】画像処理部の内部構成図である。
【図3】撮像画像の例を示す図である。
【図4】従来の計測方法を示す概念図である。
【図5】本願による計測方法を示す概念図である。
【図6】パターン幅の最大幅の計測方法を示す図である。
【図7】パターン幅の最大幅の計測方法を示す図である。
【図8】最大幅の計測処理フロー図である。
【図9】撮像画像の例を示す図である。
【図10】計測対象パターンの信号波形の図である。
【図11】定義対応点の決定方法を示す概念図である。
【図12】定義対応点を決定するための処理フロー図である。
【図13】最小幅の計測処理フロー図である。
【図14】指定位置の計測処理フロー図である。
【図15】最大幅の計測処理フロー図である。
【図16】最大幅の計測処理フロー図である。
【図17】計測結果の表示例である。
【図18】計測結果の表示例である。
【図19】計測結果の表示例である。
【図20】計測結果の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
図1に本発明に関わる微細パターン測定装置の全体構成図を示す。本実施形態である測長SEM100は、計測用ウェーハ107を載置するステージ106、電子銃102より放出された電子ビーム101を制御する照射光学系、試料上から放出される2次電子を検出する検出器108、検出信号の信号処理系より構成される。照射光学系は、電子銃102、および、電子ビーム101の経路上にあるコンデンサレンズ103、偏向コイル104、対物レンズ105により構成される。電子ビーム101はこの光学系によりウェーハ107上の計測対象であるパターンがある所定の領域で集光される。検出器108により検出された2次電子はA/Dコンバータ109によりデジタル信号に変換される。変換後のデジタル信号は画像処理部110に送られ、画像処理部110では、メモリ内に格納されたデジタル信号を必要に応じて取り出し、画像処理を行い、パターン寸法計測等を行なう。111はステージコントローラを、112は電子光学系制御部を、113は装置全体の制御部であり、114は制御部に接続されている制御端末である。画像処理部110乃至、全体制御部113乃至、制御端末114へは記録媒体(図示せず)が接続可能となっており、画像処理部110で実行されるプログラムを、この記録媒体から読み出し、画像処理部110にロードできる構成となっている。
【0010】
図2は画像処理部110の構成図を示している。A/Dコンバータ109にてデジタル信号に変換された2次電子信号は、データ入力I/F205を介してメモリ203に送られ、メモリ203内で画像データとして読み出し可能なように記憶される。画像処理プログラムは画像処理制御部201により、メモリ203あるいは前記記憶媒体から読み出される。画像処理制御部201はプログラムに従い演算部202を制御し、メモリ203に記憶されている画像データあるいは画像データを処理した結果得られる中間処理データを処理し、パターンを計測する。パターン計測結果は入出力I/F200を介して全体制御部113に送られ、図1に示す制御端末に計測結果の表示を行う。また、画像処理部110に対する動作命令は、全体制御部113から入出力I/F200を介して画像処理制御部に入力される。画像処理部110内にデータの送受信はバス204を介して行われる。
【0011】
図3に計測対象パターン302の撮像画像301の模式図を示す。本実施例における計測対象パターンの特徴は、左エッジ303と右エッジ304に平行でない部分があることである。図3ではエッジ303、304とも曲線で描かれているが、片側のエッジ、あるいが両エッジとも直線であっても構わない。画像上の座標は水平右方向をx方向、垂直下方向をy方向と定義する。計測対象パターン302の計測範囲305は上限306(y=ys)と下限307(y=ye)を含むその間の範囲とする。図3では計測範囲305はysとyeが異なり、一定の幅を持っているが、ysとyeは必ずしも異なる必要は無い。
【0012】
図4に図3で示したパターンに従来の計測方法を適用した場合を示す。従来の方法では画像の水平方向にパターンを走査し、左右のエッジを検出し計測を行っていた。具体的には図4のy=y1において左エッジ303上の点L1と右エッジ304上の点R1を検出し、L1とR1の距離を計測していた。その他のyの位置、例えばy2,y3についても同様に、y=y2においてL2とR2を、y=y3においてL3とR3を検出しL2とR2、L3とR3の距離を計測していた。パターンの最小幅を考えたとき、図4からも分かるように、水平方向の走査で得られたパターン幅ではパターンの幅を適切に計測できす、その最小幅を見つけることはできない。図5に本実施例の手法によるパターン幅の計測方法の概念図を示す。本手法では左エッジ303上の点L4と右エッジ304上の点R4を結ぶ線分L4-R4と、L4での左エッジ303の接線(図示せず)とがなす角度α4と、線分L4-R4とR4での右エッジ304の接線(図示せず)とがなす角度β4が等しくなるような点L4及びR4を検出し、L4とR4の距離をパターン幅として計測する。この定義に基づき図4で示したy=y2、y=y3と同じ位置にて、パターンの幅L5-R5、L6-R6を定めることができ、y=y3においてパターンの最小幅を求めることができる。
【0013】
本実施例の手法によるパターン幅の計測方法で、より顕著な効果が得られる例としてパターンの最大幅を計測する例を図6に示す。図6はパターン606の模式図である。点601と点602は本手法により決定された点である。破線605は点601を中心に、点601と点602の距離を半径に持つ円の円周である。図6に示すように点601から水平方向にある点604と点601の距離は、点601と点602の距離より大きい。すなわち点604と点601が、水平方向に両辺のエッジを決定した場合の最大幅を与える。図7は図6で示したパターンを点601を中心に回転させたものである。破線701は点601を中心に、点601と点604の距離を半径に持つ円の円周である。点601から水平方向にある点702と点601の距離は、点601と点604の距離より大きく、点601と点702が水平方向に両辺のエッジを決定した場合の最大幅を与える。このように同じパターンであっても、従来の計測方法では異なる最大幅が得られてします。これに対し本実施例の手法による左右エッジの点601、602によればパターンが回転しても同一の点が求まり、図6、図7において同一の最大幅を得ることができる。
【0014】
以上述べたように、図5に示したように左エッジ303上の点l(例えば図5のL4)と右エッジ304上の点r(例えば図5のR4)を結ぶ線分lrと、lでの左エッジ303の接線とがなす角度(例えば図5のα4)と、線分lrとrでの右エッジ304の接線とがなす角度(例えば図5のβ4)が等しくなるような点l及びrを定義することで、同一の定義で最小幅あるいは最大幅を一意に決定することができる。また、この定義により任意の指定場所で幅を一意に決定できることは明らかである。この定義のことを以降、対応点定義と呼び、対応点定義により決定された点の対を定義対応点対と呼ぶ。なお、従来の平行直線の計測は、定義対応点間の線分と、両側接線とのなす角度が90度の場合に当たり、また。図5で示した最小幅計測は最短距離探索でも実現できるが、本定義による計測はこのような対象、あるいは計測箇所をも同一定義で包含できるものである。
【0015】
図8に以上述べた定義に基づくパターンの計測処理のフローを示す。図8のフローは最大幅、あるいは最大幅を与える位置の近傍の幅の平均幅を計測するものである。まず計測対象パターンを撮像した画像内のパターンのエッジ303、304を検出する(S800)。図9、図10によりパターンのエッジ点の検出方法を説明する。図9は図3と同じパターンをSEM画像として撮像した場合に得られる濃淡画像を模擬的に表したものであり、パターンのエッジがエッジ効果により明るくなる様子を表している。図9に示す線分AB上の画像信号波形を図10に示す。図10のグラフの横軸は画像のx方向、縦軸は信号値である。波形の2つのピーク1001と1002はパターンエッジの信号ピークに対応する。これより任意のしきい値1003を適用することで、左側エッジ点はxの小さい方から大きい方へ探索し、信号値がしきい値を上回る位置xlで、右側エッジ点はxの大きい方から小さい方へ探索し、信号値がしきい値を上回る位置xrで検出することができる。同様の検出をy方向に順次行うことで、y方向の各画祖位置でのパターンの左エッジ点の位置、右エッジ点の位置を検出でき、計測対象パターンのパターンエッジ303、304を検出することができる。y方向は各画素位置となるので、検出されるエッジ点のyは整数値となるが、xは補間を用いることにより実数値もとり得る。計測対象パターンのエッジは十分滑らかでない場合もある。例えばレジストのラフネスはエッジを粗くする原因となる。エッジの滑らかさがないと、計算される接線の精度が低下する。このため必要に応じて、得られたエッジデータに対し平滑化処理を施す。平滑化処理としてはガウスフィルタ、平均値処理、中間値処理などが考えられるが、平滑化手法はこれに限られるものではない。これにより接線を求める精度が向上し、最小幅、最大幅、あるいは任意の指定場所での計測幅の再現性が安定する。
【0016】
次に、変数maxを初期化する(S801)。以降、S802aとS802bの間にある、S803からS806をY=ysからキザミ幅stepでY=yeまで繰り返す。stepの値は任意である。
S803で左エッジ303上y=Yの点L[Y]の定義対応点R[Y]を探索する。図11を用いて定義対応点の探索方法を説明する。図11は図3で示したパターンの一部を拡大したものである。左エッジ303上y=Yにおける点L[Y]に対し、対応点定義で定められるL[Y]の対応点R[Y]を探索する。α1、α2、α3は、点L[Y]と点R1,点R2、点R3を結ぶ線分L[Y]R1、L[Y]R2、L[Y]R3と、点L[Y]における左エッジ303の接線1100がなす各々の角度である。β1は、線分L[Y]R1と、点R1における右エッジ302の接線1101がなす角度、β2は、線分L[Y]R2と、点R2における右エッジ302の接線1102がなす角度、β3は、線分L[Y]R3と、点R3における右エッジ302の接線1103がなす角度である。図11ではR2がL[Y]の定義対応点R[Y]であり、α1=β2である。図11からも明らかなように、R2の前後の点ではα1<β1、α3>β3であり、L[Y]に対応する定義対応点であるR2をはさんで大小関係は逆転する。この逆転する性質を利用して定義対応点を探索する。
【0017】
図12に図8のS804の詳細フローを示す。まず、L[Y]における接線L[Y]−tanを導出する(S1200)。接線L[Y]−tanは、L[Y]に隣接するL[Y−n]からL[Y+n]の2n+1点を関数近似することにより得ることができる。nは任意の数である。S1201aとS1201bはループ計算を表し、その間にあるS1202からS1206をyy=YSからキザミ幅stepでY=YEまで繰り返す。stepの値は任意である。
右エッジ304のy=yyの点R[yy]における右エッジ304の接線R[yy]−tanを導出する(S1202)。次に線分L[Y]R[yy]と接線L[Y]−tanのなす角度α、線分L[Y]R[yy]と接線R[yy]−tanのなす角度βを計算する(S1203)。yyがYSでなければ。(αーβ)×(α1-β1)<0かどうかを確認する(S1205)。α1、β1はS1201aとS1201bで示されるループで1回前に計算されたα、βがS1206で代入されているので、(αーβ)×(α1-β1)の正負の確認は、αとβの大小関係の逆転の判定にあたる。(αーβ)×(α1-β1)≧0であればαをα1に、βをβ1に代入したうえで(S1206)ループを続行する。(αーβ)×(α1-β1)<0であればループを抜け、S1207に示すように、例えば内分比の関係に基づきR[Y]を決定する。このように決定されたL[Y]、R[Y]が与えるα、βは、実際には有限桁数の計算のため計算誤差が含まれ正確には一致しないが、計測上は問題ない。
【0018】
探索された定義対応点L[Y],R[Y]の中点が計測範囲にあるかを確認し(S804)、範囲の中にあればL[Y]とR[Y]の距離がmaxより大きいかを判定し(S805)、大きければL[Y]とR[Y]の距離でmaxを更新し、Yの値をYmaxに記録する(S806)。S802aとS802b間のループ終了後、変数D及びcountをクリアし(S807))、L[Y]とR[Y]の距離のDへの加算と、countのインクリメント(S809)を、Y=Ymax−a/2からキザミ幅stepでY=Ymax+a/2まで繰り返す(S808a、S808b)。stepの値はS802aと同値とする。aは測長値を平均化する区間のサイズであり0以上の値が与える。S808aとS808bで定義されるループ処理終了後、Dをcountで割ることにより測長値を求める(S810)。
【0019】
図13に計測領域に定義対応点の中点がある場合において、その定義対応点の点間距離の最小値、あるいは最小値を与える位置の近傍の定義対応点の点間距離の平均値を計測値とする方法を示す。まず計測対象パターンを撮像した画像内のパターンのエッジ303、304を検出する(S1300)。パターンのエッジ点の検出方法は図9、図10を用いて述べたとおりである。次に、変数minに画像の対角距離以上の値を代入する(S1201)。以降、S1302aとS1302bの間にある、S1303からS1306をY=ysからキザミ幅stepでY=yeまで繰り返す。stepの値は任意である。S1303で左エッジ303上y=Yの点L[Y]の定義対応点R[Y]を探索する。探索された定義対応点L[Y],R[Y]の中点が計測範囲にあるかを確認し(S1304)、範囲の中にあればL[Y]とR[Y]の距離がminより小さいかを判定し(S1305)、小さければL[Y]とR[Y]の距離でminを更新し、Yの値をYminに記録する(S1306)。S1302aとS1302b間のループ終了後、変数D及びcountをクリアし(S1307)、L[Y]とR[Y]の距離のDへの加算と、countのインクリメント(S1309)を、Y=Ymax−aからキザミ幅stepでY=Ymax+aまで繰り返す(S1308a、S1308b)。stepの値はS1302aと同値とする。aは測長値を平均化する区間のサイズであり0以上の値を与える。S1308aとS1308bで定義されるループ処理終了後、Dをcountで割ることにより測長値を求める(S1310)。
【0020】
図14に予め指定された位置における定義対応点の点間距離、予め指定された位置の近傍の定義対応点の点間距離の平均値を計測値とする方法を示す。まず計測対象パターンを撮像した画像内のパターンのエッジ303、304を検出する(S1400)。次に、変数D及びcountをクリアする(S1401)。以降、S1402aとS1402bの間にある、S1403からS1405をY=Yc−a/2−mからキザミ幅stepでY=Yc+a/2+mまで繰り返す。Ycは計測指定位置である。stepの値は任意である。aは測長値を平均化する区間のサイズであり0以上の値を与える。mは定義対応点の検出範囲に対するマージンである。次に、左エッジ303上y=Yの点L[Y]の定義対応点R[Y]の探索し(S1403)、L[Y]とR[Y]の中点のY座標が区間[Yc−a/2、Yc+a/2]にあるかを判定し(S1304)、区間内にあればL[Y]とR[Y]の距離のDへの加算と、countのインクリメント(S1405)を行う。S1402aとS1402bのループ処理を終了後、Dをcountで割ることにより測長値を求める(S1406)。なお、図14には示さないが、S1402a、S1402bのループにおいて一度もS1304を通過しない場合、例えばa=0の場合を考慮し、Ycに最も近いL[Y]とR[Y]の中点の座標を持つL[Y]とR[Y]の距離を別途記憶しておき、一度もS1304を通過しない場合はこの別途記憶された値を計測値とする。
【0021】
図8の計測フローでは計測範囲に検出した定義対応点の中点がある場合を計測領域として、その定義対応点の点間距離の最大値、あるいは最大値を与える位置の近傍の定義対応点の点間距離の平均値を計測値とする方法を示した。これとは別の二つの計測領域の設け方による計測処理フローを、各々図15、図16に示す。
【0022】
図15はL[Y]が計測範囲に入ることを条件に、パターンの最大幅、あるいは最大幅を与える位置の近傍の幅の平均幅を計測する方法のフローである。まず計測対象パターンを撮像した画像内のパターンのエッジ303、304を検出する(S1500)。パターンのエッジ点の検出方法は図9、図10を用いて述べたとおりである。S1501で変数maxをクリアする。以降、S1502aとS1502bの間にある、S1503からS1505をY=ysからキザミ幅stepでY=yeまで繰り返す。stepの値は任意である。1503で左エッジ303上y=Yの点L[Y]に対応する定義対応点R[Y]を探索する。L[Y]と点R[Y]の距離がmaxより大きいかを判定し(S1504)、大きい場合L[Y]と点R[Y]の距離でmaxを更新し、Yの値をYmaxに記憶する130505)。S1502aとS1502b間のループ終了後、変数D及びcountをクリアし(S1506)、L[Y]とR[Y]の距離のDへの加算と、countのインクリメント(S1508)を、Y=Ymax−aからキザミ幅stepでY=Ymax+aまで繰り返す(1507a、S1507b)。stepの値はS1502aと同値とする。aは測長値を平均化する区間のサイズであり0以上の値が与えられる。S1507aとS1507bで定義されるループ処理終了後、Dをcountで割ることにより測長値を求める(S1509)。
【0023】
図16はR[Y]が計測範囲に入ることを条件に、パターンの最大幅、あるいは最大幅を与える位置の近傍の幅の平均幅を計測する方法のフローである。まず計測対象パターンを撮像した画像内のパターンのエッジ303、304を検出する(S1600)。パターンのエッジ点の検出方法は図9、図10を用いて述べたとおりである。S1601で変数maxをクリアする。以降、S1602aとS1602bの間にある、S1603からS1605をY=ysからキザミ幅stepでY=yeまで繰り返す。stepの値は任意である。1603で右エッジ304上y=Yの点R[Y]に対応する定義対応点L[Y]を探索する。L[Y]と点R[Y]の距離がmaxより大きいかを判定し(S1604)、大きい場合L[Y]と点R[Y]の距離でmaxを更新し、Yの値をYmaxに記憶する(S1605)。S1602aとS1602b間のループ終了後、変数D及びcountをクリアし(S1606)、L[Y]とR[Y]の距離のDへの加算と、countのインクリメント(S1608)を、Y=Ymax−aからキザミ幅stepでY=Ymax+aまで繰り返す(S1607a、S1607b)。stepの値はS1602aと同値とする。aは測長値を平均化する区間のサイズであり0以上の値が与えられる。S1607aとS1607bで定義されるループ処理終了後、Dをcountで割ることにより測長値を求める(S1609)。
【0024】
図15、図16にて示した処理フローを最小幅計測に適用するためには、図8の最大幅を計測するフローに対して変更を加え、図13のフローとしたのと同様の変更を行えばよい。また、図15、図16にて示した処理フローを指定位置での計測とするには、図8のS1304の判定を、図15の場合はL[Y]のY座標が[Yc−a/2、Yc+a/2]の範囲にあるか否かの判定、図16の場合はR[Y]のY座標が[Yc−a/2、Yc+a/2]の範囲にあるか否かの判定に置き換えればよい。
【0025】
以上述べた計測処理方法はコンピュータで実行されるプログラムにより処理可能であり、また、このプログラムはメモリ、外部記憶媒体などの記憶媒体に記録され、憶媒体から読み出されることで、実行される。
【0026】
図8から図12を用いて述べた、計測のための画像データ及び画像データから得られたデータの処理手順を、図1で示した測長SEM、及び図2で示した画像処理部上で実施する方法について以下に述べる。図1に示した測長SEM100に、計測対象パターンを有するウェーハ107をロードし、ステージ106上に載置する。ウェーハを載置した後、全体制御部113よりステージコントローラ111を通してステージ106を制御し、ウェーハ上の計測パターンが電子光学系の視野に入るようにステージ106を動かす。次に電子光学系制御部112により偏向コイル104を制御し、電子ビーム101により計測対象パターン、あるいは計測対象パターンと相対的な位置が既知のパターンを走査する。計測対象より得られた2次電子をA/Dコンバータ109によりデジタル信号変換し、画像処理部110内のデータ入力I/F205を介してメモリ203にパターンのデジタル画像を記憶する。記憶されたデジタル画像を画像処理制御部201により演算部202を用いて処理し、パターンの位置を求め、検出位置情報を画像処理部110から全体制御部113に出力し、全体制御部113は受信した検出位置情報を電子光学系処理部112に渡す。電子光学系処理部112は受信した検出位置情報を電子光学系の制御情報に変換し、これをもとに、パターンを電子光学系の視野中心で捉えるよう偏向コイル104を制御する。これにより撮像対象パターンの正確な位置決め、視野出しが可能となる。
【0027】
計測対象パターンの位置決め後、計測対象パターンに電子ビーム101を走査し、同様にしてデジタル画像を画像処理部110内のメモリ203に取り込む。メモリ203に取り込まれた画像データは、画像処理制御部201及び演算部202を用いて、先に述べた計測処理手順を実行するコンピュータ用のプログラムにより処理され、計測処理結果はメモリ203に記憶される。プログラムは全体制御部113あるいは画像処理部に接続されている外部記憶媒体(図示せず)、または全体制御部113あるいは画像処理部に接続されているローカルエリアネットワークなどを介して入力され、メモリ203、あるいはメモリ203内の不揮発性メモリ(図示せず)、あるいは記憶装置206に記憶され、次回以降はプログラムをメモリ203内の不揮発性メモリ(図示せず)、あるいは記憶装置206に記憶されたているプログラムをメモリ203に読み出し実行する。全体制御部は、入出力I/F200を介してメモリに記憶された計測処理結果を読み出し、制御端末のディスプレイ114に計測処理結果を出力したり、計測処理結果を全体制御部113に接続されている外部記憶媒体(図示せず)に出力したり、あるいは計測処理結果を全体制御部113に接続されているローカルエリアネットワーク(図示せず)を介して上位のサーバー(図示せず)に出力したりする。また、計測領域となる画像上の範囲は予め制御端末114、あるいは全体制御部113に接続されているローカルエリアネットワークなどを介して入力される。
【0028】
図17に図3に示したパターンの計測結果の表示例を示す。図17は最小幅を図8で示した計測法により計測した例を示している。1700は表示画面である。1707と1708で示される計測範囲における最小幅の測長値を1706に、測長箇所の定義対応点を1704、1705で、定義対応点を結ぶ線分を1701で示している。1702は測長範囲上限における定義対応点を結ぶ線分、1703は測長範囲下限における定義対応点を結ぶ線分を示す。
【0029】
図18も同様に図3に示したパターンの計測結果の表示例であり、最小幅を図8で示した計測法により計測した例を示している。1801は図17で示した1701、1702、1703を除いた、図8のループ内のS803で検出された複数の定義対応点を結ぶ線分を示す。1801は検出された全ての線分でもよいし、適当に間引いて表示してもよい。1803は1801の中点をつないだ中心線である。1802パターンエッジの接線であり、接線を表示する位置は任意である。図18では点1804における接線を表示しているが、ユーザ指示の点の接線であってもよい。また、この例は最小幅であるが、その計測箇所の定義対応点の両方の点、あるいは片方の点の接線を表示してもよい。また図17と図18は別々に表示されるものではなく、図17と図18に示した表示内容の一部、あるいは全部を一つの表示画面に表示してもよい。なお、定義対応点で決定される線分の表示と、両接線の表示により示される二つの角度は基本的には等しいが、表示分解能程度の誤差は含むこともある。
【0030】
図19は図3で示したパターンをy方向に渡って定義対応点の点間距離で計測した結果の表示例である。異なる時間に計測された同一プロセスあるいは同一製品のパターンを図19に示した形式で重畳して表示した模式図である。このような表示、あるいは表示するためのデータを記録することで、パターン形状の変化をより詳細に捉えることが可能となり、より詳細なプロセス管理が可能となる。なお、図19、図20に示す表示は、図17あるいは図18に示した表示と同時に画面表示しても構わない。
【0031】
以上、曲線のパターンに関して説明したが、片側、あるは両側が直線で構成されている両辺非平行なパターンであっても、定義対応点による幅の一本手法が適用可能なことは明らかである。計測対象とする箇所はパターンとパターンの間隙であるスペースであってもよい。
本発明によれば、半導体ウェーハ上に形成されたパターンで、その両辺が直線乃至は曲線で構成され、かつ両辺が非平行なパターンを、一意に決まる幅で計測できるので安定に計測可能となり、その結果、計測再現性の高い高精度な計測が可能となる。
【0032】
本発明の半導体パターン寸法計測方法は、半導体ウェーハ上に形成されたパターンを撮像し、撮像画像に基づいてパターン寸法を計測する方法であって、画像上のパターンの両側のエッジ位置を特定するステップと、パターンの第1のエッジ上にある第1の点と、その反対側のエッジである第2のエッジ上にある第2の点において、該第1の点と該第2の点を結ぶ線分と、該第1の点における該第1エッジの第1の接線と、該第2の点における該第2エッジの第2の接線に基づいて計測を行うステップと、該線分の距離を計測するステップを有する半導体パターン寸法計測方法とした。
【0033】
また、本発明の半導体パターン寸法計測方法は、両側エッジが非平行な関係にあるパターンであって、両側とも曲線、あるいは両側とも直線、あるいは片側が直線かつその反対側が曲線であるパターンを対象とする半導体パターン寸法計測方法とした。
また、本発明の半導体パターン寸法計測方法は、前記パターン寸法をパターンそのものの寸法、あるいはパターンとパターンの間隙であるスペースの寸法とする半導体パターン寸法計測方法とした。
また、本発明の半導体パターン寸法計測方法は、前記線分と前記第1の接線のなす角度と、前記線分と前記第2の接線のなす角度を比較し、前記第1の点と、前記第2の点で定義される線分の距離を計測するステップを有する半導体パターン寸法計測方法とした。
【0034】
また、本発明の半導体パターン寸法計測方法は、前記線分と前記第1の接線のなす第1の角度と、前記線分と前記第2の接線のなす第2の角度が等しい角度である、前記第1の点と、前記第2の点で定義される線分の距離を計測するステップを有する半導体パターン寸法計測方法とした。
また、本発明の半導体パターン寸法計測方法は、前記等しい角度を、前記第1の角度と前記第2の角度の差として表れる計算誤差と、前記撮像画像に重畳して表示される前記線分と前記第1の接線で表される角度と、記線分と前記第2の接線で表される角度の表示の差として表れる表示誤差の片方、あるいは両方を含む状態である半導体パターン寸法計測方法とした。
また、本発明の半導体パターン寸法計測方法は、予め定められた画像上の範囲で複数の線分の距離を計測する半導体パターン寸法計測方法とした。
また、本発明の半導体パターン寸法計測方法は、前記複数の線分の中点が前記予め定められた画像上の範囲内にある半導体パターン寸法計測方法とした。
また、本発明の半導体パターン寸法計測方法は、複数の線分の予め定められた方向の端点が前記予め定められた画像上の範囲内にある半導体パターン寸法計測方法とした。
また、本発明の半導体パターン寸法計測方法は、前記複数の線分の距離の計測結果である複数の計測値から、最小値、若しくは最小値を与える近傍の位置の計測値の平均値、若しくは最大値、若しくは最大値を与える近傍の位置の計測値の平均値、若しくは予め定められた位置に基づいた計測値、若しくは予め定められた位置に基づいた計測値を与える近傍の位置の計測値の平均値、を計測結果とする半導体パターン寸法計測方法とした。
また、本発明の半導体パターン寸法計測方法は、前記線分を前記撮像画像に重畳して表示する半導体パターン寸法計測方法とした。
また、本発明の半導体パターン寸法計測方法は、前記予め定められた画像上の範囲を基準に、前記検出された複数の線分を前記撮像画像に重畳して表示する半導体パターン寸法計測方法とした。
また、本発明の半導体パターン寸法計測方法は、計測に用いた前記第1の接線、もしくは前記第2の接線、もしくは前記第1の接線と前記第2の接線を前記撮像画像に重畳して表示する半導体パターン寸法計測方法とした。
また、本発明の半導体パターン寸法計測方法は、前記線分の中点、もしくは前記線分の中点を通過する線を前記撮像画像に重畳して表示する半導体パターン寸法計測方法とした。
また、本発明の半導体パターン寸法計測方法は、前記予め定められた画像上の範囲を基準に、前記検出された複数の線分の距離を前記撮像画像に重畳して表示する、若しくは複数の線分の距離を記録する半導体パターン寸法計測方法とした。
また、本発明の半導体パターン寸法計測方法は、前記予め定められた画像上の範囲を基準に、異なる時間に計測された計測対象パターンから検出されたパターンごとの複数の線分の距離を重畳して出力する、あるいは重畳可能な結果を記録する半導体パターン寸法計測方法とした。
【0035】
また、本発明の半導体パターン寸法計測方法で、前記検出されたエッジ点列を平滑化するステップを含む半導体パターン寸法計測方法とした。
また、本発明の半導体パターン寸法計測方法は、電子線顕微鏡による撮像ステップを有する半導体パターン寸法計測方法とした。
また上記目的を達成するために本発明の半導体パターン寸法計測装置は、半導体ウェーハ上に形成されたパターンを撮像し、撮像画像に基づいてパターン寸法を計測する装置であって、該パターンを撮像する電子光学系と、該パターンより得られる電子の受信部と、該受信信号をデジタル信号に変換する変換部と、該デジタル信号をデジタル画像として記憶する記憶部と、該記憶部に記憶された該パターンの情報に基づき、該パターンの両側のエッジ位置の特定、および、該パターンの第1のエッジ上にある第1の点と、その反対側のエッジである第2のエッジ上にある第2の点の対であって、該第1の点と該第2の点を結ぶ線分と、該第1の点における該第1エッジの接線と、該線分と該第2の点における該第2エッジの接線とに基づき該第1の点と、該第2の点の距離を演算する演算部とを有する半導体パターン寸法計測手装置とした。
また、本発明の半導体パターン寸法計測装置における演算部とは、前記線分と前記第1の接線のなす角度と、前記線分と前記第2の接線のなす角度と比較し、前記第1の点と、前記第2の点で定義される線分の距離を演算する機能をもつ半導体パターン寸法計測手装置とした。
また、本発明の半導体パターン寸法計測装置は、さらに、前記点の対を複数検出する範囲を定める画像上の範囲を入力する入力部と、該複数検出した点対のうち、最小距離を有する点対間を結ぶ線分、あるいは最大距離を有する点対間を結ぶ線分、あるいは予め定められた位置の点対間を結ぶ線分、あるいは該複数検出した全て、あるいは一部の点対間を結ぶ線分を前記画像に重畳して表示する表示部とを有する半導体パターン寸法計測手装置とした。
【0036】
また上記目的を達成するために本発明の半導体パターン計測プログラムは、上記の半導体パターン計測方法をコンピュータで実行可能な半導体パターン計測プログラムとした。
また上記目的を達成するために本発明の半導体パターン計測プログラムを記憶した記憶媒体は、上記の半導体パターン計測方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な半導体パターン計測プログラムを記憶した記憶媒体とした。
【符号の説明】
【0037】
100…測長SEM,101…電子ビーム,102…電子銃,103…コンデンサレンズ,104…偏向コイル,105…対物レンズ,106…ステージ,107…ウェーハ,108…検出器,109…A/Dコンバータ,110…画像処理部,111…ステージコントローラ,112…電子光学系制御部,113…全体制御部,114…制御端末,200…入出力I/F,201…画像処理制御部,202…演算部,203…メモリ,204…バス,205…データ入力I/F,301…撮像画像、302…計測対象パターン、303…左エッジ、304…右エッジ、305…計測範囲、306…上限、307…下限、601、602…定義対応点、603…線分、604…点、605…円周線、606…パターン、701…円周線、702…点、1001,1002…波形ピーク、1003…しきい値、1100,1101,1102,1103…接線、1700…表示画面、1701、1702、1703…線分表示、1704,1705…定義対応点表示、1706…計測値表示、1707…計測範囲上端表示、1708…計測範囲下端表示、1801…定義対応点表示、1802…接線表示、1803…定義対応点中心線表示、1804…定義対応点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェーハ上に形成されたパターンを撮像し、撮像画像に基づいてパターン寸法を計測する方法であって、
画像上のパターンの両側のエッジ位置を特定するステップと、
パターンの第1のエッジ上にある第1の点と、その反対側のエッジである第2のエッジ上にある第2の点において、該第1の点と該第2の点を結ぶ線分と、該第1の点における該第1エッジの第1の接線と、該第2の点における該第2エッジの第2の接線に基づいて計測を行うステップと、
該線分の距離を計測するステップを有することを特徴とする半導体パターン計測方法。
【請求項2】
前記パターンは、両側エッジが非平行な関係にあるパターンであって、両側とも曲線、あるいは両側とも直線、あるいは片側が直線かつその反対側が曲線であることを特徴とする請求項1記載の半導体パターン計測方法。
【請求項3】
前記パターン寸法はパターンそのものの寸法、あるいはパターンとパターンの間隙であるスペースの寸法であることを特徴とする請求項1記載の半導体パターン計測方法。
【請求項4】
請求項1記載のパターン計測方法であって、前記線分と前記第1の接線のなす角度と、前記線分と前記第2の接線のなす角度を比較し、前記第1の点と、前記第2の点で定義される線分の距離を計測するステップを有することを特徴とする半導体パターン計測方法。
【請求項5】
請求項1記載のパターン計測方法であって、前記線分と前記第1の接線のなす第1の角度と、前記線分と前記第2の接線のなす第2の角度が等しい角度である、前記第1の点と、前記第2の点で定義される線分の距離を計測するステップを有することを特徴とする半導体パターン計測方法。
【請求項6】
前記等しい角度は、前記第1の角度と前記第2の角度の差として表れる計算誤差と、前記撮像画像に重畳して表示される前記線分と前記第1の接線で表される角度と、記線分と前記第2の接線で表される角度の表示の差として表れる表示誤差の片方、あるいは両方を含む状態であることを特徴とする請求項5記載の半導体パターン計測方法。
【請求項7】
予め定められた画像上の範囲で複数の線分の距離を計測することを特徴とする請求項1記載の半導体パターン計測方法。
【請求項8】
複数の線分の中点が前記予め定められた画像上の範囲内にあることを特徴とする請求項7記載の半導体パターン計測方法。
【請求項9】
複数の線分の予め定められた方向の端点が前記予め定められた画像上の範囲内にあることを特徴とする請求項7記載の半導体パターン計測方法。
【請求項10】
前記複数の線分の距離の計測結果である複数の計測値から、最小値、若しくは最小値を与える近傍の位置の計測値の平均値、若しくは最大値、若しくは最大値を与える近傍の位置の計測値の平均値、若しくは予め定められた位置に基づいた計測値、若しくは予め定められた位置に基づいた計測値を与える近傍の位置の計測値の平均値、を計測結果とする請求項7乃至9のいずれかに記載の半導体パターン計測方法。
【請求項11】
前記線分を前記撮像画像に重畳して表示することを特徴とする請求項1記載の半導体パターン計測方法。
【請求項12】
前記予め定められた画像上の範囲を基準に、前記検出された複数の線分を前記撮像画像に重畳して表示することを特徴とする請求7乃至9のいずれかに記載の半導体パターン計測方法。
【請求項13】
計測に用いた前記第1の接線、もしくは前記第2の接線、もしくは前記第1の接線と前記第2の接線を前記撮像画像に重畳して表示することを特徴とする請求項1記載の半導体パターン計測方法。
【請求項14】
前記線分の中点、もしくは前記線分の中点を通過する線を前記撮像画像に重畳して表示することを特徴とする請求項1記載の半導体パターン計測方法。
【請求項15】
前記予め定められた画像上の範囲を基準に、前記検出された複数の線分の距離を前記撮像画像に重畳して表示する、若しくは複数の線分の距離を記録することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の半導体パターン計測方法。
【請求項16】
前記予め定められた画像上の範囲を基準に、異なる時間に
計測された計測対象パターンから検出されたパターンごとの複数の線分の距離を重畳して出力する、あるいは重畳可能な結果を記録することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の半導体パターン計測方法。
【請求項17】
前記エッジ位置を特定するステップにおいて、さらに検出されたエッジ点列を平滑化するステップを含むことを特徴とする請求項1記載の半導体パターン計測方法。
【請求項18】
前記撮像とは、電子線顕微鏡による撮像であることを特徴とする請求項1記載の半導体パターン計測方法。
【請求項19】
半導体ウェーハ上に形成されたパターンを撮像し、撮像画像に基づいてパターン寸法を計測する装置であって、
該パターンを撮像する電子光学系と、
該パターンより得られる電子の受信部と、
該受信信号をデジタル信号に変換する変換部と、
該デジタル信号をデジタル画像として記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶された該パターンの情報に基づき、該パターンの両側のエッジ位置の特定、および、該パターンの第1のエッジ上にある第1の点と、その反対側のエッジである第2のエッジ上にある第2の点の対であって、該第1の点と該第2の点を結ぶ線分と、該第1の点における該第1エッジの接線と、該線分と該第2の点における該第2エッジの接線とに基づき該第1の点と、該第2の点の距離を演算する演算部、を有することを特徴とする半導体パターン計測装置。
【請求項20】
請求項19記載のパターン計測装置であって、
前記演算部とは、前記線分と前記第1の接線のなす角度と、前記線分と前記第2の接線のなす角度と比較し、前記第1の点と、前記第2の点で定義される線分の距離を演算する機能をもつ演算部であることを特徴とする半導体パターン計測装置。
【請求項21】
請求項19記載のパターン計測装置であって、
さらに、前記点の対を複数検出する範囲を定める画像上の範囲を入力する入力部と、
該複数検出した点対のうち、最小距離を有する点対間を結ぶ線分、あるいは最大距離を有する点対間を結ぶ線分、あるいは予め定められた位置の点対間を結ぶ線分、あるいは該複数検出した全て、あるいは一部の点対間を結ぶ線分を前記画像に重畳して表示する表示部、を有することを特徴とする半導体パターン計測装置。
【請求項22】
請求項1乃至18のいずれかに記載の半導体パターン計測方法をコンピュータに実行させることを特徴とした半導体パターン計測プログラム。
【請求項23】
請求項1乃至18のいずれかに記載の半導体パターン計測方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な半導体パターン計測プログラムを記憶した記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−96711(P2013−96711A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236622(P2011−236622)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】