説明

半導体パッケージ及びその実装構造

【課題】 基板に実装された状態での外部からの衝撃耐性を向上させること可能な半導体パッケージを提供する。
【解決手段】 金属フレーム25が、半導体チップ22とは接触せずに半導体チップ22を覆っている。半導体チップ22が実装されたインターポーザ基板21の外周端部が金属フレーム25の内側面に保持されている。金属フレーム25の下端となる開口端部はインターポーザ基板21の裏面より下側に飛び出た足部25aになっている。金属フレーム25の外側には封止樹脂26が設けられている。金属フレーム25の足部25aは基板27にある銅箔パターン29上に位置し、この銅箔パターン29と足部25aは半田30により固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CSP(Chip Size Package)もしくはBGA(Ball Grid Array)パッケージなどの半導体パッケージ及びその実装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯機器における落下等の耐衝撃性能については、開発機種ごとに形状、重量などが異なるために様々な結果が得られる。また、携帯機器については小型化することが一つの設計開発条件の一つに必ず挙げられているため、携帯端末に使用されるデバイスも必然的に小型化、薄型化が求められる。
【0003】
小型化された携帯端末を評価していく上で必ず発生する障害が耐衝撃性能の目標未達であり、必ずと言っていいほど破壊に至るのが、CSPまたはBGAパッケージのLSIである。一般には携帯端末などが落下した際には、携帯端末が受けた衝撃力が、CSPを実装した基板に伝わり、半田等による接合部を介してCSPに伝搬していく。伝搬した際に最も弱い部位が破損することになり、ほとんどの場合は他に比べて柔らかな金属を使用している半田接合部が破損する。
【0004】
CSPの基板との接合部を衝撃力によって破損させないための対策は幾つか確立されており、大きくは、次のような2つの方法に分類される。第1の方法は、基板上に実装されたCSPを樹脂で囲む方法である。第2の方法は、基板上に実装されたCSPを金属フレームで覆う方法である。
【0005】
図3及び4に、それぞれの方法によるCSPの実装形態を示す。
【0006】
図3及び図4に示すCSPは、インターポーザ基板1の上面に半導体チップ2が搭載され、ボンディングワイヤ3が半導体チップ2の表面電極とインターポーザ基板1側のステッチとの間に接続され、封止樹脂4が半導体チップ2及びボンディングワイヤ3を含めて封止し、インターポーザ基板1の底面に半田ボール5が接合されている。
【0007】
このような構成のCSPは、半田ボール5を基板6の銅箔パターン7に接続することで基板6上に実装される。
【0008】
第1の方法では図3に示すように、CSPの周囲に樹脂8を塗布し、基板6と、この基板6に実装されたCSPの側面とを樹脂8で固定する(特許文献1参照)。
【0009】
第2の方法では図4に示すように、CSP全体を凹状の金属フレーム9で覆い、金属フレーム9の周囲縁を半田11で基板6上の銅箔パターン10と接続する。
【0010】
上記のいずれの方法は、衝撃時の基板のたわみを抑制できるため、半田ボールと銅箔パターンの剥離が起きにくくなる。
【0011】
また、第2の方法を用いた半導体パッケージの実装構造として特許文献2に記載の発明がある。この発明では、CSPを、フレームに一体に形成された爪部によって固定し、フレームの四隅に凸状部を設け、当該凸状部をメイン基板に設けられた穴部に挿入することで、フレームとメイン基板とを接続している。
【特許文献1】特開2001−77246号公報
【特許文献2】特開2004−128098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
携帯電話のLSIにCSPを使用する場合、LSIから発散されるノイズは、高周波化、広帯域化しており、無線送受信回路への影響も大きな場合が多い。特許文献1に記載の実装構造は耐衝撃性に対して寄与するものの、ノイズを遮蔽する対策はとられていない。
【0013】
一方、特許文献2に記載の発明は、金属フレームでCSPを覆う構造であるので、ノイズを遮蔽する効果を持つ。しかしながら、フレームの4隅の部分のみをメイン基板に固定する構造であるため、図4に示した構造のようにフレームの周囲縁を基板に固定する方法に比べて、メイン基板との接続強度が小さく、衝撃耐性が十分とはいえない。
【0014】
図4に示した実装構造の場合は製品の部品公差を考慮して、図5に示すように携帯端末の筐体12と金属フレーム9の間と、金属フレーム9とCSPの間とにそれぞれ隙間X(例えば0.2mm程度)を設ける必要があった。通常、金属フレームは板金によって製作され、比較的大きな公差が発生する。このため、隙間無しで設計すると、公差により、金属フレームをCSPに被せることができない場合が発生する。このため、上記のように隙間Xを設けなければならない。この事は、携帯端末を薄くするための障害となっていた。
【0015】
本発明の目的は、上述した従来技術の問題点に鑑み、CSP(Chip Size Package)のLSIを基板に実装された状態での外部からの衝撃耐性を向上させること可能な半導体パッケージ及びその実装構造を提供することにある。さらには、ノイズの遮蔽性や軽薄化についても寄与する半導体パッケージの実装構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために本発明は、インタポーザ基板の表面に実装された半導体チップと、前記インターポーザ基板の裏面に配設されたボール形電極と、該ボール形電極が接合された実装基板とを備えた半導体パッケージの実装構造において、半導体チップとは接触せずに半導体チップを覆い、インターポーザ基板を保持し、実装基板と固定された金属フレームを有することを特徴とする。
【0017】
この半導体パッケージの実装構造では、上記の金属フレームが有底筒形に形成されている。そして、有底筒形の金属フレームの開口端部の全部はインターポーザ基板の裏面よりも飛び出ていて、実装基板と固定されている。このように実装基板に金属フレームの開口端部の全部が固定されているので、落下衝撃によって実装基板が撓みにくく、実装基板と半導体チップを接合しているボール形電極に衝撃力が伝搬することを抑制することができる。このため、高い耐衝撃性を有する半導体パッケージを適用する事が可能となる。
【0018】
また、上記の金属フレームが、前記実装基板に配設された配線パターンと半田で接続されている。そして、金属フレームが接続された配線パターンはグランドに接続されている。このため、半導体チップがグランド電位の金属フレームで覆われていることになり、ノイズの遮蔽性が向上する。
【0019】
また、上記の金属フレームの外側面が樹脂で被覆されている。このため、パッケージの外形をモールドや塗布などにより高精度に形成することが可能になる。この事は、本パッケージを例えば携帯端末の筐体内に収納する場合に図5に示したような隙間Xを設ける必要がないので、携帯端末の薄型化を図ることが容易になる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、半導体チップを覆い、インターポーザ基板を保持する有底筒形の金属フレームが備えられ、この有底筒形の金属フレームの開口端部の全部がインターポーザ基板の裏面よりも飛び出ていて、実装基板と固定されていることにより、落下衝撃によって実装基板が撓みにくいため、実装基板と半導体チップを接合したボール形電極が破損しない。このため、衝撃耐性の比較的大きな半導体パッケージを提供することができる。
【0021】
また、金属フレームを実装基板の配線パターンと接続し、当該配線パターンをグランドに接続することにより、半導体チップがグランド電位の金属フレームで覆われた状態になる。このため、ノイズに対する遮蔽効果を備えた半導体パッケージが得られる。
【0022】
さらに、金属フレームの外側を樹脂で覆うことで、パッケージ外形を高精度に形成することができる。このため、パッケージとこれを搭載する機器筐体との間に隙間を設定する必要がなくなり、薄型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
図1は本発明の実施の形態によるCSPを示す模式的断面図である。
【0025】
図1において、インターポーザ基板21の表面に半導体チップ22(ベアチップ)が実装されている。半導体チップ22の表面電極とインターポーザ基板21上の配線の間はボンディングワイヤ23により接続されている。
【0026】
インターポーザ基板21の裏面には半田ボール24がアレイ状に配置されている。半田ボール24はインターポーザ基板21の表面側の配線にスルーホール等を介して繋がっている。
【0027】
外観が四角柱を成す有底筒形の金属フレーム25が、半導体チップ22とは接触せずに半導体チップ22を覆っている。そして、半導体チップ22が実装されたインターポーザ基板21の外周端部が金属フレーム25の内側面に保持されている。金属フレーム25の下端となる開口端部はインターポーザ基板21の裏面より下側に飛び出た足部25aになっている。つまり、金属フレーム25の開口端部の全周が足部25aになっている。
【0028】
そして、金属フレーム25の外側には封止樹脂26が設けられている。外側の封止樹脂26は足部25aを除いて金属フレーム25の外側全体を被覆している。なお、金属フレーム25の内側にも封止樹脂26を配して半導体チップ22およびボンディングワイヤ23を封止してもよい。この場合、金属フレーム25の内側に封止樹脂26を充填するために、金属フレーム25に穴を設けておくのがよい。
【0029】
なお、本例の半導体パッケージの平面図は省略するが、図1に示すインタポーザ基板21および金属フレーム25の平面形状は四角形である。
【0030】
図2は図1のCSPの実装形態を示す模式的断面図である。
【0031】
図2に示すように、CSPの半田ボール24は基板27の銅箔パターン28に接続されており、各銅箔パターン28は絶縁体により電気的に絶縁されている。金属フレーム25の足部25aは基板27にある銅箔パターン29上に位置し、この銅箔パターン29と足部25aは半田30により固定されている。なお、足部25aはCSPのインターポーザ基板21の4辺より下側に延びている。
【0032】
このようにCSPの4辺から延びている足部25aが基板27と接続されていることにより、衝撃時に、CSPと接続されている部分の基板のたわみが少なくなるため、耐衝撃性が向上する。
【0033】
また、足部25aが接続される基板27の銅箔パターン29はグランド(GND)に接続されている。これにより、半導体チップ22がグランドで覆われることになるため、ノイズを遮蔽するシールドの役割を金属フレーム25に持たせることができる。
【0034】
そして、金属フレーム25の外側を封止樹脂26によって被覆する構成であるため、パッケージ外形をモールドや塗布等によって精度良く形成することができる。このため、図5に示したような筐体との隙間Xをなくすことができ、本パッケージが搭載された電子機器の薄型化を図ることが容易になる。また、金属フレーム25がパッケージ内に収まっているため、図4に示した方法に比べて金属フレームが小さくなり、軽量化に繋がる。
【0035】
なお、本実施形態において金属フレーム25と基板27の接続手段として半田30を用いたが、接着剤を使用してもよい。あるいは、金属フレーム25に爪を設けて折り曲げるなどして金属フレーム25を機械的に基板27に固定してもよい。
【0036】
また、金属フレーム25は基板27の表面に固定する方法をとったが、金属フレームの足部25aを更に長く延ばし、基板27に足部25aが挿入される貫通穴を設け、この貫通穴にて足部25aを固定してもよい。この貫通穴はスルーホールでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態によるCSPを示す模式的断面図である。
【図2】図1のCSPの実装形態を示す模式的断面図である。
【図3】従来の第1の衝撃対策方法によるCSPの実装形態を示す模式的断面図である。
【図4】従来の第2の衝撃対策方法によるCSPの実装形態を示す模式的断面図である。
【図5】従来の第2の衝撃対策方法を用いた場合の問題点を説明する為の図である。
【符号の説明】
【0038】
21 インターポーザ基板
22 半導体チップ
23 ボンディングワイヤ
24 半田ボール
25 金属フレーム
26 封止樹脂
27 基板
28,29 銅箔パターン
30 半田

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターポーザ基板と、該インタポーザ基板の表面に実装された半導体チップと、前記インターポーザ基板の裏面に配設されたボール形電極と、該ボール形電極が接合された実装基板とを備えた半導体パッケージの実装構造において、
前記半導体チップとは接触せずに前記半導体チップを覆い、前記インターポーザ基板を保持し、前記実装基板と固定された金属フレームを有することを特徴とする半導体パッケージの実装構造。
【請求項2】
前記金属フレームが有底筒形に形成されており、
有底筒形の前記金属フレームの開口端部の全部が前記インターポーザ基板の裏面よりも飛び出ていて、前記実装基板と固定されている請求項1に記載の半導体パッケージの実装構造。
【請求項3】
前記金属フレームが、前記実装基板に配設された配線パターンと半田で接続されている請求項2に記載の半導体パッケージの実装構造。
【請求項4】
前記金属フレームが接続された前記配線パターンはグランドに接続されている請求項3に記載の半導体パッケージの実装構造。
【請求項5】
前記金属フレームの外側面を覆う樹脂をさらに備えた請求項1から4のいずれかに記載の半導体パッケージの実装構造。
【請求項6】
インターポーザ基板と、該インタポーザ基板の表面に実装された半導体チップとを備えた半導体パッケージにおいて、
前記半導体チップとは接触せずに前記半導体チップを覆い、前記インターポーザ基板を保持する金属フレームを有することを特徴とする半導体パッケージ。
【請求項7】
前記金属フレームが有底筒形に形成されており、有底筒形の前記金属フレームの開口端部は前記インターポーザ基板の裏面よりも飛び出ている請求項6に記載の半導体パッケージ。
【請求項8】
前記金属フレームの外側面を覆う樹脂をさらに備えた請求項6または7に記載の半導体パッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−66435(P2006−66435A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−243735(P2004−243735)
【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)