説明

半導体プロセスツール用の圧力下流体を混合する方法及び装置

【課題】オゾン化水を1つより多くのプロセスツールに供給するための装置および方法を提供する。
【解決手段】オゾン化水発生器1000は、脱イオン水20供給のための脱イオン水を受容し、酸素ガス30をオゾン水発生器に供給しオゾン化脱イオン水DIO3を製造する。そして1つ以上の半導体プロセスツール40に、オゾン化脱イオン水DIO3を供給する。使用済みまたは過剰の脱イオン水またはオゾン化脱イオン水DIO3は、排液ライン50を介して廃棄される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国特許出願番号10/133,237(2002年4月26日出願)に対して優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一般に、半導体デバイスの製造に関し、そしてより具体的には、半導体加工ツールに供給されるオゾン化脱イオン水の制御に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
半導体製造におけるオゾン化脱イオン水の使用は、比較的単純な、安全な加工工程(例えば、ウエハ表面クリーニング、パシベーション、ネイティブ酸素除去、およびフォトレジストの除去)を提供し得る。
【0004】
オゾン化脱イオン水発生器は、一般に、ガスから脱イオン水へのオゾンの拡散を可能にする接触器の使用を介して、オゾン化水を生成した。膜接触器は、オゾン透過性膜を使用して、液体とガスとの間の物理的分離を提供し、同時に、充填カラム接触器が、より高いオゾン濃度を可能にするための圧力下で、液体およびガスとの密接な混合を提供する。
【0005】
半導体製造設備は、しばしば、オゾン化水を必要とする複数のツールを有する。異なるツールは、異なるオゾン濃度および流量を必要とし得る。複数のオゾン化水発生器の購入、操作およびメンテナンスは、製造コストおよびラインの停止を増加させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さほど高価でなく、より信頼性があり、より融通が利き、より迅速に応答するオゾン化水供給源を有することが、有利である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、改善されたオゾン化水供給システムにおいて使用するための、オゾン化水制御ユニットに関する。この制御ユニットは、プロセスツールへの引き続く送達のために、オゾン化水発生器から受容されたオゾン化水の流量および/または濃度を改変し得る。1つ以上の制御ユニットが、単一の発生器と共に使用されて、別々のオゾン化水の必要性に合わせて、1つより多いツールに供給し得る。
【0008】
種々の実施形態において、オゾン化水供給システムは、このシステムが1つのみのオゾン化水発生器を備える場合でさえも、異なるオゾン濃度のオゾン化水を異なるプロセスツールに同時に供給し得る。1つ程度に少ないオゾン化水発生器と共に、1つ以上の制御ユニットの使用は、2つ以上のプロセスツールに供給されるオゾン化水の独立した制御を可能にする。
【0009】
各制御ユニットは、その排出流量および/またはオゾン化水の濃度を制御する。従って、供給されるオゾン化水のパラメータは、各プロセスツールについて調整され得る。1つの実施形態において、このシステムは、例えば、クリーニングプロセスのために、低いオゾン濃度のオゾン化脱イオン水を供給し得、そして同時に、例えば、ストリッピングプロセスのために、より高いオゾン濃度のオゾン化脱イオン水を供給し得る。
【0010】
従って、第1の局面において、本発明は、オゾン化水を、1つより多いプロセスツールに供給する方法を特徴とする。オゾン化水発生器から受容された第1の濃度のオゾン化水、および供給源から受容された水が混合されて、第2の濃度のオゾン化水を生成する。第2の濃度のオゾン化水は、第1のプロセスツールに供給され、そしてオゾン化水発生器からのオゾン化水は、第2のプロセスツールに供給される。
【0011】
第2の局面において、本発明は、1つより多いプロセスツールにオゾン化水を供給する、別の方法を特徴とする。この方法は、オゾン化水制御ユニットを提供する工程を包含する。このオゾン化水制御ユニットは、第1の濃度のオゾン化水をオゾン化水発生器から受容するためのオゾン化水投入ライン、および水を供給源から受容するための水投入ラインを備える。このユニットはまた、オゾン化水投入ラインおよび水投入ラインと流体連絡する、オゾン化水排出ラインを備える。弁は、オゾン化水投入ラインにおけるオゾン化水の流量と協働して、水投入ラインにおける水の流量を制御して、排出ラインにおいて第2の濃度のオゾン化水を生成する。
【0012】
この方法は、排出ラインからの第2の濃度のオゾン化水を、第1のプロセスツールへと供給する工程、およびオゾン化水発生器からのオゾン化水を、第2のプロセスツールへと供給する工程をさらに包含する。
【0013】
第3の局面において、本発明は、オゾン化水制御ユニットを特徴とする。この制御ユニットは、オゾン化水をオゾン化水発生器から受容するための、オゾン化水投入ライン、供給源から水を受容するための水投入ライン、ならびにオゾン化水投入ラインおよび水投入ラインと流体連絡するオゾン化水排出ラインを備える。このユニットはまた、オゾン化水投入ラインにおけるオゾン化水の流量と協働して、水投入ラインにおける水の流量を制御して、排出ラインにおいて第2の濃度のオゾン化水を生成するための、弁を備える。
【0014】
本発明は、好ましい例示的な実施形態に従って、そのさらなる利点とともに、添付の図面と組み合わせて考慮されて、以下の詳細な説明において、さらに具体的に記載される。
【0015】
図面において、類似の参照記号は、一般に、異なる図にわたって同じ部分をいう。また、図面は、必ずしも同一縮尺ではなく、本発明の原理を説明する際に、強調が一般になされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、オゾン化水発生器と半導体製造において利用される他の構成要素との間の関係の実施形態のブロック図である。
【図2】図2は、オゾン化水発生器の実施形態のブロック図である。
【図3】図3は、オゾン発生器モジュールの実施形態のブロック図である。
【図4】図4は、膜接触器を備える接触器モジュールの実施形態のブロック図である。
【図5】図5は、充填カラム接触器を備える接触器モジュールの実施形態のブロック図である。
【図6】図6は、1つより多くの接触器を備える接触器モジュールの実施形態のブロック図である。
【図7】図7は、接触器モジュールの一部分の実施形態のブロック図である。
【図8】図8は、接触器モジュールの一部分の実施形態のブロック図である。
【図9】図9は、充填カラム接触器の実施形態の断面である。
【図10】図10は、オゾン分解モジュールの実施形態のブロック図である。
【図11】図11は、接触器からのオゾン化脱イオン水排出時間に対するオゾン濃度のグラフである。
【図12】図12は、接触器の実施形態のブロック図である。
【図13a】図13aは、先行技術の湿式浴である。
【図13b】図13bは、図12の接触器を備える湿式浴システムの実施形態である。
【図14】図14は、オゾン化水制御ユニットの実施形態のブロック図である。
【図15】図15は、複数のオゾン化水制御ユニット、オゾン化水発生器、純水供給源および3つのプロセスツールの実施形態のブロック図である。
【図16】図16は、オゾン化水発生器、ならびにオゾン化水を2つのプロセスツールへと送達する制御ユニットの実施形態のブロック図である。
【図17】図17は、オゾン化水制御ユニットの実施形態の詳細なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
非常に単純化された形態で、図1は、半導体製造において利用される他の構成要素との物理的関係で、オゾン化水発生器1000の実施形態を示す。オゾン化水発生器1000は、脱イオン水(「DI水」)供給20のためのDI水を受容し、酸素ガス供給30から酸素(「O2」)を受容し、そして1つ以上の半導体プロセスツール40に、オゾン化脱イオン水(「DIO3」)を供給する。使用済みまたは過剰のDI水またはDIO3は、排液ライン50を介して廃棄される。1つの局面において、本発明は、改善された制御、より低いコスト、および改善された信頼性を有する、オゾン化水発生器を提供する。
【0018】
より詳細な実施形態において、図2のブロック図は、オゾン化水発生器1000の代表的なモジュールおよびキャビネット1020に収容される関連する構成要素を示す。明瞭さのために、オゾン化水発生器1000の電気制御構成要素および空気圧制御構成要素は、図示されない。
【0019】
オゾン(「O3」)発生器モジュール800は、O2ライン813によって送達される酸素から、O3を発生させる。二酸化炭素(「CO2」)ラインは、モジュール800によって使用されるCO2を供給する。冷却水は、冷却水投入ライン812によってO3発生器モジュール800に供給され、そして冷却水排出ライン811を介して除去される。O3発生器は、O3を、代表的にはCO2およびO2と混合して発生させる。いくらかのO2は、残る。なぜなら、O3への転換は100%未満の効率であるのに対し、CO2は、必要に応じて、ユーザの必要に依存して添加されるからである。この乾燥ガス混合物は、乾燥ガスライン815を介して、接触器モジュール100に送達される。
【0020】
接触器モジュール100は、DI水ライン112を介して供給されるDI水および乾燥ガスライン815を介して受容されるO3から、DIO3を生成させる。DIO3は、一般に、DI水ならびにDI水に溶解したO3、O2、およびCO2を含有する。DIO3は、DIO3ライン115を介して、半導体ツール40の方へと向けられる。
【0021】
図4、5、および6を参照して以下に議論されるように、接触器モジュール100の種々の実施形態において、接触器モジュール100は、種々の型の1つ以上の制限器110、120を備える。O3/CO2ガス混合物の使用は、DIO3発生プロセスにおいては任意であり、部分的に、オゾン化DI水におけるO3の濃度を安定化させるように働く。
【0022】
圧力解放排液ライン113は、過剰の水圧(以下に詳細に記載される)に応答して接触器モジュール100によって放出される水を運ぶ。圧力解放排液ライン113からの水は、ドリップパン1040内に溜められる。トリップパン1040はまた、接触モジュールからの水漏出物を捕捉するように配置される。液体は、キャビネット排液1045を介して、ドリップパン1040から除去され得る。
【0023】
水放出ライン114は、過剰のDI水またはDIO3を、オゾン化水発生器1000の外側の廃液へと運ぶ。半導体ツール40からの使用済みのDIO3水は、DOI3リターンライン41、フローメーター11および流量制御弁12を通って、オゾン化水発生器1000に戻され得る。このことは、オゾン化水発生器1000が、半導体ツール40によるDIO3の使用の、完全なモニタリングおよび制御を提供することを可能にする。
【0024】
接触器モジュール100は、DIO3の生成の排出生成物としてO2、H2O、O3、およびCO2を含有する、湿潤ガスを代表的に生成する。この湿潤ガスは、湿潤ガスライン911に沿って、オゾン分解モジュール900へと向けられる。分解モジュール900は、ガス排気ライン912に沿った湿潤ガスの排気の前に、湿潤ガスからオゾンを実質的に除去する。このプロセスは、環境および半導体加工作業者を、潜在的に有害な存在のオゾンから保護する。さらなる安全性の予防措置として、キャビネット1020は、ガス漏出検出器1030(すなわち、キャビネット「におい探知器」)を備え、キャビネット1020内でのオゾンガスの漏出をモニタリングする。
【0025】
以下の説明における簡単さのために、ガスラインおよび液体ラインに関連する制御要素およびモニタリング要素は、図3〜10において、共通の数字識別子を与えられる。これらの制御要素およびモニタリング要素としては、以下が挙げられる:体積流量計11;体積流量制御弁12;オン/オフ弁13;圧力調節器14;フィルタ15(粒子または濃縮物のため);逆止め弁16;圧力解放弁17;サンプル弁18;流量制限器19;オゾン濃度モニタ20;濃縮モニタ21;および温度ゲージ22。これらの要素は、例示的であり、そして包括的ではない。制御要素およびモニタリング要素は、主として例示の目的で、図中に示される。このような要素の数、型および配置は、異なる実施形態の必要性に対して変化され得る。
【0026】
ガスラインおよび液体ラインは、適切に選択された材料から構築されることが、さらに理解されるべきである。乾燥ガスラインおよびDI水ラインは、ステンレス鋼から構成され得る。オゾンを含有する液体または湿潤ガスを運ぶラインは、代表的に、フルオロポリマーから構成される。
【0027】
図3は、オゾン発生器モジュール800の実施形態のブロック図を、さらに詳細に示す。オゾン発生器810は、O2ライン813からオン/オフ弁13および圧力調節器14を通して酸素を受容し、そしてO2をO3に転換する。CO2もまた、CO2ガスライン814、圧力調節器14、体積流量制御弁12および流量制限器19を介して、オゾン発生器810に送達され得る。さらに、CO2は、ガスが体積流量制御弁12および逆止め弁16を介してオゾン発生器810を出た後に、このガスに添加され得る。逆止め弁16は、ガスのCO2送達ライン内への逆流をブロックする。
【0028】
1つの実施形態において、オゾン発生器810は、誘電障壁放電を利用して、乾燥オゾンを生成する。オゾン濃度は、この放電を通る体積流量、ならびに放電の電力、圧力および温度に依存する。
【0029】
オゾン発生器810に入る前のCO2のO2への添加は、O3発生プロセスのためのドーパントを提供する。これは、オゾン発生器810の性能の、電源電極の酸化に起因する長期間の劣化に対して保護する。代替のドーパント(例えば、N2またはCO)が使用され得る。さらなるCO2が、オゾン発生器810から出る乾燥ガスに添加され得る。CO2は、O3濃度を安定化させるというさらなる利点を有する。
【0030】
CO2の使用は、他の利点を有する。N2の使用は、放電の間の酸化窒素の形成の危険を生じる。このことは、電気研磨されたステンレス鋼管の存在下においてさえも、クロム汚染をもたらし得る。
【0031】
多量のCO2が、DIO3中のオゾンの安定化のために必要とされる。オゾンの崩壊を支配する半減期は、DI水の質の関数である。好ましくは、この質は、約15分の半減期を与えるべきである。N2もまた、CO2の存在とともに、オゾンの安定性に影響を与え得る。高純度のCO2およびO2が好ましいが、代替として、N2不純物をドーパントとして利用して、純度の低いO2(固有のN2汚染物を有する)が使用され得る。代表的に、約50〜100ppmのN2または約100〜500ppmのCO2が、安定化のために必要とされる。しかし、CO2は、代表的に、短期間の安定性の増強のために必要とされる。従って、CO2は、代表的に、オゾン発生器810に入る前と後との両方に、ガスに添加される。
【0032】
得られる乾燥ガスは、サンプル弁18を介してサンプリングされ、O3、O2およびCO2の濃度を決定し得る。次いで、乾燥ガスは、フィルタ15、体積流量制御弁12、逆止め弁16、フィルタ15、およびオン/オフ弁13を介して、乾燥ガスライン815に通る。
【0033】
オゾン発生器モジュール800はまた、冷却水投入ライン812および冷却水排出ライン811を介して、冷却水を提供される。この冷却水は、オン/オフ弁13、フィルタ15、体積流量制御弁12および体積流量計11を介して、オゾン発生器810に送達される。オゾン発生器を出た後に、この冷却水は、オン/オフ弁13を通過する。
【0034】
図4〜8は、接触器モジュール100の種々の実施形態を示す。接触器モジュール100は、代表的に、1つ以上の種々の型の接触器を備える。例えば、異なる型の向流接触器が、有利に使用され得る。向流接触器において、ガスおよび水は、この接触器を通って逆方向に移動する。
【0035】
向流型の接触器は、さらなる改変物を有する。膜接触器は、疎水性膜を利用して、接触器内でガスと液体とを分離する。代表的に、乾燥ガスは、膜接触器の頂部に入り、そして底部から出、一方で、DI水は底部から入り、そしてDIO3が頂部から出る。充填接触器は、対照的に、ガスと液体との間の直接接触を利用し、充填材料を使用して、接触器を通る移行を減速させる。代表的に、DI水が頂部で入り、一方で乾燥ガスが底部で入る。充填材料は、ガスと液体との間の接触の持続時間を増加させる。充填材料は、例えば、フルオロポリマー、石英、またはサファイアを含み得る。
【0036】
ガスおよび液体は、膜接触器において膜によって分離されるので、ガスと液体との間に圧力差が存在し得る。さらに、入口のDI水の体積流量は、出口のDIO3体積流量に結び付けられる。逆に、液体圧力およびガス圧力は、充填カラム接触器においては等しく、そして入口および出口の体積流量は、切り離されている。従って、短い時間については、入口および出口の体積流量は異なり得る。これらの差に部分的に起因して、膜接触器は、比較的低い最大体積流量であるが良好な制御性を有し、一方で、充填カラム接触器は、代表的に、より大きい最大体積流量であるがより乏しい制御性を有する。
【0037】
液体とガスとの相互作用の間、ガス中のオゾンが液体に溶解する。一般に、液体中のオゾン濃度は、平衡状態において、ガス中のオゾンの分圧に比例する。充填接触器の場合には、例えば、接触器は、代表的に、圧力下で作動されて、より高いオゾン濃度のDIO3排出の可能性を提供する。液体とガスとの接触時間もまた、接触器を出る液体中のオゾン濃度に影響を与える。1ヤードの高さの充填接触器については、液体が接触器を通過する代表的な持続時間は、約5〜10秒間である。
【0038】
図4に示されるように、接触器モジュールは、膜接触器110を備える。接触器110の下部は、DI水ライン112から、体積流量制御弁12を介して、DI水を受容する。入口の水圧が過剰である場合には、圧力解放弁17がDI水の一部を圧力解放排液ライン113に放出し得る。接触器110内での処理の後に、DIO3は、体積流量計11を通って接触器110の上部を離れ、そしてオン/オフ弁13を通ってDIO3ライン115へと向けられる。
【0039】
接触器110を出る過剰または不必要なDIO3は、オゾンモニタ20、オン/オフ弁13、体積流量計11、および体積流量制御弁12を介して、水放出ライン114へと向けられ得る。
【0040】
接触器110の上部は、オゾン含有乾燥ガスを、オン/オフ弁13を介して乾燥ガスライン815から受容する。湿潤ガスは、接触器110の下部から出、そして体積流量計11を介して湿潤ガスライン911へと向けられる。引き続いて、オゾン分解モジュール900は、この湿潤ガスからオゾンを除去する。
【0041】
図10は、オゾン分解モジュール900の実施形態を、より詳細に示す。オゾン分解器910は、湿潤ガスを、体積流量制御弁12、オン/オフ弁13、フィルタ15および濃縮物モニタ21を介して湿潤ガスラインから受容する。湿潤ガスは、サンプル弁18を介してサンプリングされ得る。
【0042】
オゾン分解器910は、触媒の使用によって、湿潤ガス中のオゾン濃度を低下させる。オゾン分解器910からの排気ガスは、温度ゲージ22および体積流量モニタ11を介して、排気ガスライン912へと向けられる。一般に、オゾン分解の効率は、温度ゲージ22を介してモニタリングされる温度が最小レベルより高く維持される限り、十分であるとみなされる。
【0043】
図5は、接触器モジュール1001の別の詳細な実施形態を示す。この実施形態において、接触器モジュール100は、充填カラム型の接触器120を備える。接触器120の上部は、DI水ライン112から、体積流量制御弁12を介してDI水を受容する。制限器120内での処理後、DIO3は、接触器120の下部を離れ、体積流量計11を通り、そしてオン/オフ弁13を介してDIO3ライン115へと向けられる。
【0044】
接触器120を出る過剰または不必要なDIO3は、オゾンモニタ20、オン/オフ弁13、体積流量計11、および体積流量制御弁12を介して、水放出ライン114へと向けられ得る。接触器120内の水圧が過剰である場合、圧力解放弁17は、接触器120の下部に存在する水の一部を、圧力解放排液ライン113に放出し得る。
【0045】
接触器110の下部は、オン/オフ弁13を介して、乾燥ガスライン815からオゾン含有乾燥ガスを受容する。湿潤ガスは、接触器120の上部から出、そして体積流量計11を介して湿潤ガスライン911へと向けられる。引き続いて、オゾン分解モジュール900は、湿潤ガスからオゾンを除去する。
【0046】
図5に示される実施形態は、接触器120と流体連絡する液体レベルセンサ150を通しての、接触器120における液体レベルのモニタリングをさらに提供する。液体レベルは、容量ゲージ152を介して測定される。さらに、液体レベルが、光バリア153を介して感知される場合に最低の許容レベルより低く低下すると、オン/オフ弁13が閉じて、液体のさらなる除去を防止する。このレベルが、別の光バリア151によって感知される場合に最高の許容レベルより高く上昇すると、別のオン/オフ弁(図示せず)が閉じて、接触器120へのDI水のさらなる流入を防止する。いずれの場合においても、問題の状態の注意として、警報が与えられる。
【0047】
図6は、並行して作動する2つの接触器120を使用する接触器モジュール100の実施形態を示す。明瞭さのために、図5の構成要素に匹敵する図6の実施形態の構成要素は、図示されない。2つ以上の接触器120を並行して使用することには、いくつかの利点があり、この利点としては、DIO3のより大きい可能な流量、および接触器120の1つが故障する場合のDIO3の連続的な生成が挙げられる。2つの比較的小さい接触器120のさらなる製造および作動は、単一の比較的大きい接触器120よりコストが低くあり得る。別の実施形態において、2つ以上の接触器120は、直列で作動して、DIO3におけるより高い可能なオゾン濃度を提供する。
【0048】
図7は、図5の実施形態に部分的に関連した接触器モジュール100のさらなる実施形態の一部分を示す。明確さのために、図5中の構成要素に相当する図7の実施形態の構成要素は示さない。この実施形態は、充填カラム接触器120について示されるが、種々の接触器型がこの実施形態において利用される原理に関連して用いられ得る。
【0049】
DI水ライン112から受容されたDI水の一部分は、DI水バイパスライン610によって分流される。あるいは、第二のDI水ライン(示さず)は、DI水バイパスライン610に供給し得る。
【0050】
体積流量計および体積流量制御弁を通過した後、DI水バイパスライン610中のDI水は、接触器120を出るDIO3と混合される。この混合物から誘導されたDIO3は、DIO3供給ライン115を介して半導体ツールへと向けられる。バイパスライン610中のDI水の流量を調節することにより、DIO3ライン中のオゾン濃度およびDIO3の流量が変化され得る。
【0051】
多数の利点が、バイパスライン610の使用から生じる。代表的に、先行技術のオゾン化水発生器は、濃度における変化についての要求を実行する場合、DIO3におけるオゾン濃度の過渡性を生成する。オゾン濃度を変化させるために接触器に入るDI水または乾燥ガスの流量を変化させることは、接触器内の条件を新たな定常状態へと転移する期間をもたらす。この効果を、図11に示すグラフによって図示する。
【0052】
例えば、接触器を出るDIO3の流量を低下させることにより、DIO3中のオゾン濃度を上昇させ得る。流量を低下させることを用いて、水が接触器110、120内に留まるタイムスパンを増大させ得る。このことは、水とガス内のオゾンとの間の相互作用のより大きな持続時間を可能にする。しかし、接触器を出るDIO3が、接触器内で完全な増大したタイムスパンを費やしていない時間遅延が存在する。それゆえ、排出するDIO3中のオゾンは、徐々に増加して、新たな所望のレベルになる。さらに、濃度におけるリンギング(ringing)または変動は、図11に定量的に図示されるように、徐々に上昇するオゾン濃度にスーパーインポーズされ得る。
【0053】
これらの効果は、半導体加工において一般に望ましくない。DIO3のユーザはしばしば、濃度レベルにおける即座の安定な調節を行うことを望む。バイパスライン610中のDI水の流量を調節することにより、DIO3ライン115へと送達されたDIO3中のオゾン濃度における比較的迅速かつ安定な変化が達成され得る。半導体ツール40によって必要とされるDIO3を超えた過剰なDIO3は、水放出ライン114へと向けられ得る。
【0054】
上記のアプローチを用いて、接触器110、120中の一定の流量の水が、接触器110、120を出るDIO3における安定なオゾン濃度を維持するために維持され得る。次いで、このDIO3の非常に安定な供給は、DIO3ライン114へと送達されたDIO3中の濃度における所望の変化を達成するために、可変の流量のDI水と混合され得る。関連の実施形態では、半導体ツールからのDIO3要求がゼロである場合でさえ、一定の低い流量の水が接触器110、120中で常に維持される。一定の流れを用いて、DIO3は、ほぼ即座に利用可能である。さらに、接触器中での比較的低い流量を用いて、比較的少ない容積の流れのDIO3は、DIO3が必要とされない場合、放出されることが必要とされる。これらのときには、バイパスライン610を通って流れるDI水は、水をさらに保存するために低減または停止され得る。
【0055】
上記の方法の一例として、接触器120は、80ppmの排出DIO3オゾン濃度で、5l/分(1分間あたりのリットル)という一定の流量で作動され得る。バイパスライン610からの15l/分流量のDI水を、この接触器120排出と混合することにより、20ppmのDIO3を、DIO3ライン114において20l/分の流量にて生じる。20ppm濃度における完全な20l/分のDIO3は、半導体ツール40によって利用され得るか、または一部分が放出され得る。
【0056】
さらなる利点は、上記の方法の使用を通して生じ得る。一例として、接触器110、120中またはバイパスライン610中の水流を維持することは、細菌増殖を減少させ得る。例えば、DI水流は、バイパスライン610および他のDI水を運ぶライン中に連続流れを提供して、これらのラインを細菌増殖から保護するために、バイパスライン610中で維持され得る。別の例として、接触器110、120を通しての液体の流量の変化は、圧力スパイクを引き起こして、接触器110、120の故障をもたらし得る。従って、これらの流量変化を低減または除去する上記の方法の使用は、接触器110、120の信頼性を高め得る。
【0057】
図8は、図5の実施形態に部分的に関連する接触器モジュール100のさらなる実施形態の一部分を示す。明確さのために、図5における構成要素に相当する図8の実施形態の構成要素は示さない。この実施形態を、充填カラム接触器120について示すが、種々の接触器型が、この実施形態において利用される原理に関連して用いられ得る。
【0058】
接触器120を出て体積流量計を通った後、DIO3の一部は、再循環ライン180を介して分流されて、必要に応じてレザバ710を介して接触器120に入り得る。示さないが、DIO3を接触器120に向けて推進するために、水ポンプを備え得る。このレザバは、分流されたDIO3の緩衝、すなわち、貯蔵を部分的に提供して、分流されたDIO3の再循環にかかる、より大きな制御を可能にする。
【0059】
この分流されたDIO3は、DI水ライン112から受容されたDI水について用いられる液体ラインコネクタを介して接触器120に再度入り得る。あるいは、この接触器120は、接触器120に再度入るための分流されたDIO3についての別個のコネクタを備え得る。
【0060】
接触器を通して分流されたDIO3の再循環を用いて、上昇したオゾン濃度のDIO3が得られ得る。これは、先行技術のオゾン化水発生器を超える利点を提供する。例えば、相当する接触器を組み込んだ先行技術の発生器と比較してより高いオゾン濃度DIO3が生成され得る。さらに、所望のオゾン濃度レベルのDIO3を生成するために、より小さな、より安価な接触器が用いられ得る。
【0061】
図9の断面図を参照すると、改善された充填カラム接触器500がここで記載される。接触器500は、接触器モジュール100(例えば、上記の接触器モジュール)の種々の実施形態において有利に用いられ得る。
【0062】
接触器500は、液体およびガスの相互作用容器を備え、この中では、接触器500の作動の間、上昇した圧力が維持される。この容器は、第一の端部部品510および第二の端部部品520を備える。図9に示すように、この容器は中心部品530をさらに備える。第一の端部部品510は、中心部品530の第一の端部へと接続され、一方、第二の端部部品520は、中心部品530の第二の端部へと接続されて、実質的に液密かつ気密の、液体−ガス相互作用容器を提供する。この容器内には、充填拘束560および充填材料(示さず)が存在する。
【0063】
部品510、520、530は好ましくは、フルオロポリマーを含むポリマーから形成される。このフルオロポリマーは、ペルテトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルコキシ、ポリビニルジフルオリド、およびフルオロエチレンプロピレンを含む群より選択される。一般に、オゾン抵抗性を有する物質は、部品510、520、530を形成する際に使用するために考慮され得る。部品510、520、530は、種々の手段によって製造され得る。例えば、いくつかのフルオロポリマー(例えば、ペルフルオロアルコキシ)は、射出成形に適している。他のもの(例えば、ペルテトラフルオロエチレン)は、機械加工され得る。
【0064】
部品510、520、530の充分な壁厚は、接触器の加圧作動の間に自立した機械的安定性を提供するために選択される。それゆえ、先行技術の充填カラム接触器とは異なり、接触器500は、ステンレス鋼ハウジングを必要としない。
【0065】
円筒状の容器と仮定して、充分な壁厚は、以下の方程式の使用により計算され得る:
t=r(P/σmax);
σmax=(1/s)σ
ここで、tは、必要とされる壁厚であり、rは、容器の内部半径であり、Pは内圧であり、σmaxは、最大の許容され得る張力壁応力であり、σは、容器部品を形成するために用いられた特定の材料についての降伏強度であり、そしてsは、安全係数である。特定の容器材料について、より大きな安全係数(すなわち、特定の最大許容可能張力壁応力)を用いることにより、所定の作動圧力Pについて、より大きな厚さtがもたらされる。
【0066】
例えば、0.75MPa(百万パスカル)(すなわち、約7.5気圧)の作動圧力、3インチの内部半径、2の安全係数、および15MPaの降伏強度のペルフルオロアルコキシを含む容器部品510、520、530について計算される必要な壁厚は、0.3インチである。より小さな安全係数(例えば、約1)の使用は、約0.15インチの厚さの使用を可能にする。より保存的設計が所望される場合、例えば、4の安全係数は、0.6”の必要な厚さを与える。より厚い厚さ(例えば、1.2インチ以上)が用いられ得るが、このことは、接触器500のコストおよび重量を増し得る。
【0067】
あるいは、容器部品の厚さは、種々の厚さの容器を製造し、そしてこれらのサンプルを種々の試験圧力に供して、故障圧力を決定することにより、経験的に導かれ得る。いくつかの実施形態では、厚さは、容器の異なる部位で変化する。例えば、より厚い端部部品510、520は、接触器500へのガスラインまたは液体ラインの取り付けのより高い安定性を提供するために用いられ得る。
【0068】
部品510、520、530の間の接続における圧力密着性および安定性は、例えば、ガスケット540およびクランプ550(クランプは、図9の断面において容器の一方の側にのみ示される)の使用を介して補助され得る。
【0069】
接触器500は、先行技術の充填カラム接触器を超えるいくつかの利点を有する。先行技術の接触器のステンレス鋼ハウジングは、比較的、非常に重くかつ高価な接触器をもたらす。一般に、頂部鋼フランジおよび底部鋼フランジを必要とする。このような先行技術の接触器は代表的に、ポリテトラフルオロエチレンライナーを製造する困難性を組み込む。対照的に、接触器500は、部品をほとんど必要とせず、この部品は全て、比較的安価な射出成形技術によって製造され得る。このことは、先行技術の充填カラム接触器よりも信頼性の高い充填カラム接触器500を、先行技術の充填カラム接触器よりも約80%低いコストで提供し得る。さらに、射出成形を介して、液体ラインコネクタまたはガスラインコネクタ511、512、513、514が、接触器部品およびコストをさらに減らし、そして信頼性を高めるために、第一の端部部品510または第二の端部部品520の一体部品として形成され得る。
【0070】
図12は、半導体湿式ベンチ加工用にオゾン化液体を提供する際の特定の用途の接触器600の実施形態を示す。この接触器600は、オゾン化水発生器1000とは独立して用いられ得る。
【0071】
この接触器600は、管状部品を備え、この管状部品は、半導体加工と適合性である材料から作製されたハウジング610を含む。フッ化水素酸の存在との適合性を提供するには、フルオロポリマー(例えば、ペルフルオロアルコキシ(PFA))が好ましい。ハウジング610の第一の端部は、第一の継手620と流体連絡して接続される。この第一の継手は、液体供給ライン(例えば、DI水供給ラインまたは硫酸供給ライン)への接続のために用いられる。ハウジング610の第二の端部は、第二の継手630と流体連絡して接続される。この第二の継手は、オゾン化液体供給ラインへの接続のために用いられる。第三の継手640は、ハウジング610の一方の側に、好ましくは第二の継手630よりも第一の継手620のより近くで、ガス連絡して接続される。この第三の継手640は、ガス供給ラインへの接続のために用いられ、このガスは、オゾンを含む。これらの継手620、630、640は、半導体加工適合性構成要素(例えば、Entegris,Inc.(Chaska,Minnesota)から入手可能なFlaretek(登録商標)ポート接続)を使用して作製される。
【0072】
この管状部品は、1つ以上の内部混合要素650をさらに備え、これらのうちのいくつかは、この管状部品の切り取り断面において、図12に見られる。要素650は、第三の継手640を介してハウジング610に入るガスおよび第一の継手620を介してハウジング610に入る液体の乱流および混合を引き起こす。この混合は、液体への比較的高い効率の質量移動のオゾン拡散を提供するのを助ける。
【0073】
種々の乱流を誘導する形状は、要素650に適切である。ハウジング610の内部幅よりも大きなハウジング610の長さに沿う程度の、曲線の形状が好ましい。ハウジング610の内部幅は、代表的半導体加工適用について、約5ミリメートル〜30ミリメートルであり、好ましくは15ミリメートルである。
【0074】
1つの実施形態では、要素650の各々は、実質的に平坦でかつ互いに対してねじれた、上流端部および下流端部を有する。ねじれの対称性は、例えば、ハウジング610に沿って要素650から要素650へと、左ねじから右ねじへと交互になり得る。別の実施形態では、この対称性は、要素650の群において交互になる。別の実施形態では、要素650の対称性は、ランダムに交互になる。
【0075】
この接触器600は、半導体加工湿式ベンチへとオゾン化液体を供給する際に特定の有用性を有する。図13aは、代表的な先行技術の湿式ベンチ1370を示す。液体(例えば、脱イオン水または硫酸)は、液体送達ライン1320に沿って湿式ベンチ1370へと送達される。オゾンは、オゾン送達ライン1310を介して湿式ベンチ1370へと別々に送達される。オゾン気泡1340は、湿式ベンチ1370において液体1330へと注入される。オゾン気泡1340が液体1330を通って上昇するにつれて、オゾンの一部分は、この液体中に拡散し、湿式ベンチ中に存在する半導体ウェハ(示さず)の処理用のオゾン化液体を提供する。
【0076】
先行技術の方法とは対照的に、湿式ベンチシステムが図13bに示される。この接触器600は、ガス供給ライン615からオゾンを、そして液体供給ライン612から液体を受容し、そして湿式ベンチ670への送達のために、オゾン化液体680をオゾン化液体送達ライン660へと送達する。オゾン気泡690はオゾン化液体680中に存在するが、湿式ベンチ670への送達の前の液体およびオゾンガスの乱流混合は、いくつかの利点を有する。湿式ベンチ670中でのオゾン化液体680は、先行技術の方法においてよりも均質であって、所望の場合にはより高いオゾン濃度を有する。さらに、より効率的な用途は、オゾンガスの作製である。先行技術の型の既存の湿式ベンチシステムは、既存の鉛管類を大部分用いて、図13bに示される型に容易に変換され得る。
【0077】
図13bの実施形態によって図示される原理によるオゾン化DI水の提供は、湿式ベンチ670への供給用のオゾン化水発生器の使用を超えるいくつかの利点を有する。13bの実施形態は、はるかに安価であり、かつはるかに信頼性が高い。さらに、非常に信頼性の高いオゾン化DI水供給源に起因した低下した中断時間は、半導体製造プロセスラインの停止に代表的に関連した非常に高いコストを低下させる。低減した修復がさらに、製造作動の安全性に加えられる。
【0078】
以下では、(半導体加工において代表的に用いられるような)非常に純粋な水は、DI水、水、純水および超純水(UPW)と様々に言及される。
【0079】
図14〜図16は、オゾン化水の流れおよび濃度を制御するための装置および方法の実施形態を図示する。図14は、オゾン化水の流れおよび濃度の制御ユニット1400の実施形態のブロック図である。このユニット1400は、オゾン化水発生器からオゾン化水を、そしてDI水供給源からDI水を受容する。受容された液体の混合後、ユニット1400は、改変されたオゾン濃度および/または流量のオゾン化水を1つ以上のプロセスツールへと送達する。
【0080】
ユニット1400は、DIO3流れ制御弁1410および/またはDI水流制御弁1420を備え得る。弁1410、1420は、発生器からのオゾン化水と、DI水供給源からの水との混合容積比を制御することにより、ユニット1400を出るオゾン化水中のオゾン濃度を制御するために用いられ得る。弁1410、1420はまた、排出オゾン化水の流量を制御するために用いられ得る。DI水への言及は、本明細書中で、半導体加工において通常用いられるような高度に純水な水を包含すると理解される。
【0081】
制御ユニット1400は、オゾン化水発生器が定常状態で作動しながらの、1つ以上のプロセスツールについてのオゾン化水の濃度および/または流量の制御を可能にする。以下に記載のように、1つ以上のユニット1400の使用は、各々が異なる濃度のオゾン化水を含む2以上のプロセスツールに単一の発生器が供給することを可能にする。
【0082】
「プロセスツール」は、本明細書中で用いられる場合、オゾン化水を利用する、任意の装置片または装置片の部品をいう。例えば、単一の装置片における別個の浴は、別個のプロセスツールであり得る。
【0083】
図15は、複数の制御ユニット1400、オゾン化水発生器1000、純水供給源20および3つのプロセスツール40A、40B、40Cの実施形態のブロック図である。制御ユニット1400は、プロセスツール40A、40B、40Cへと送達されるオゾン化水のパラメータを別々に制御するために、オゾン化水発生器1000と協働して作動する。他の実施形態は、より多いかまたはより少ないプロセスツール、および/またはさらなる発生器1000を備える。
【0084】
図16は、オゾン化水を2つのプロセスツール40D、40Eへと送達する、発生器1000および制御ユニット1400の実施形態のブロック図である。この発生器1000は、オゾン化水をプロセスツールのうちの1つ40Dに直接送達し、従って、ツール40Dへと送達されるオゾン化水の濃度を直接制御する。この制御ユニット1400は、第二のツール40Eへと送達されるオゾン化水の濃度を制御する。
【0085】
他の実施形態は、プロセスツールの数を変化させ、そして1つ以上の制御ユニット1400を介してオゾン化水を受容するプロセスツールの数を変化させる。いくつかの実施形態は、例えば、より多量のオゾン化水を提供するために、2以上の発生器1000を備える。
【0086】
図17は、1つの詳細な実行を図示する、制御ユニット1400Aの別の実施形態の詳細なブロック図である。この制御ユニット1400Aは、以下を備える:空気圧制御弁V1、V2;空気圧遮断弁V4、V5;手動調節弁V3;流れ指示計F1;圧力センサPR1、PR2;およびフローセンサFR1、FR2。空気圧弁V1、V2、V4、V5は、例えば、圧縮乾燥空気を用いて作動される。
【0087】
制御ユニット1400Aは、以下の通りに作動する。所望のツールプロセス流量およびオゾン濃度は、制御ユニット1400Aの制御パネル部品を介して設定されるか、またはコンピュータ制御を介して遠隔設定される。制御ユニット1400Aは、オゾン発生器から、流入オゾン化水の濃度の値を受容し得る。
【0088】
流入オゾン化水は、空気圧遮断弁V5を通って通過し、そしてその圧力および流量が、圧力センサPR1およびフローセンサFR1によってそれぞれ測定されている。同様に、流入する純水は、空気圧遮断弁V2を通って通過し、そしてその圧力および流量が、圧力センサPR2およびフローセンサFR2によってそれぞれ測定されている。これらの2つの流体は、フローセンサFR1、FR2を通過した後に混合され、次いで空気圧弁V1を通って通過して、制御ユニット1400Aを出る。
【0089】
制御ユニット1400Aは、選択されたオゾン濃度を、流入するオゾン化水の濃度と比較し、そしてそれに応じて必要な希釈比を選択する。純水ライン中の空気圧弁V2が調節され、そしてフローセンサFR1、FR2によって得られる、結果の流量が比較される。調節は、流量が選択された希釈比を提供するまで、閉ループプロセスを介して続けられる。
【0090】
制御ユニット1400Aはまた、フローセンサFR1、FR2によって測定される総流量を決定し得、そしてこの計を、排出オゾン化水について選択された流量に対して比較し得る。排出ポート付近の空気圧弁V1は、選択された排出流量が達成されるまで、閉ループを介して調節され得る。
【0091】
手動弁V3は、例えば、調節によって、流れ指示計F1を介して測定したときに廃液への所望のレベルの流れを得るのを可能にする。廃液への流れは、空気圧遮断弁V4のうちの1つを通って通過する。圧力センサPR1、PR2のモニタリングは、例えば、安全な圧力レベルを超過した場合の緊急停止を許容し得る。
【0092】
1つの実施形態では、発生器1000は、オゾンで飽和されたオゾン化水を送達し、そして制御ユニットは、オゾンの脱気を回避するために圧力下で混合を行う。1つの実施形態では、流入する飽和オゾン化水は、均一な寸法の直線投入ラインを通って通過する。
【0093】
本発明の特徴は、多数の利点(例えば、プロセス流体の迅速な起動および終了を可能にする濃度および流量の迅速な設定(停止モード/実行モードにおいて最適化されたプロセスサイクルを可能にする)、ならびにプロセス流体の拡大した流れおよび濃度の性能範囲)を提供し得る
例示的な実施形態では、制御ユニット1400は、約0〜35リットル/分の範囲の流量を有するオゾン化水および約0〜42リットル/分の範囲の流量を有するDI水を受容する。好ましい廃液流れは、約0〜2リットル/分の範囲である。排出オゾン化水中のオゾン濃度は、投入オゾン化水濃度の0%〜100%の範囲であり得る。排出オゾン化水中の0%オゾン濃度が、DI水のみを制御ユニットの排出へ送達することによって入手され得ることが本明細書中で理解される。
【0094】
本発明は、特定の好ましい実施形態を参照して特に示され、そして記載されてきたが、形態および詳細における種々の変更が、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、そこで行われ得ることが当業者によって理解されるべきである。例えば、制御ユニットは、オゾン化水および/またはDI水以外の2つの流体の流れおよび/または濃度のパラメータを制御するために用いられ得る。例えば、制御ユニットは、2より多くの流体の混合を制御し得る。例えば、制御ユニットは、2以上の排出部を備え得る;各排出部は、異なる濃度を有するオゾン化水を供給し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体プロセスツール(40A−40E)用の圧力下流体を混合する方法であって、流体中に溶解したガスの脱気を回避する前記方法であっって、
第1の流量及び第1の濃度を有する溶解したガスを含む第1の流体を受け取って、該第1の流体を第1の半導体プロセスツール(40A)へ供給する前記第1の流体を受容する工程と、
第2の流量及び第2の濃度を有する第2の流体を受容する工程と、
前記第1及び第2の流体を混合して、第3の流量及び第3の濃度を有する溶解したガスを含む第3の流体を製造し、該第3の流体を第2の半導体プロセスツール(40B)へ供給する前記混合する工程と、
を具備する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記第1の流体がオゾン化水であり、前記第2の流体は水である、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記混合する工程において、前記受け取られた第1の流体又は前記受け取られた第2の流体の流量又は容積の少なくとも一つを調節する、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記受け取られた第1の流体又は前記受け取られた第2の流体の流量又は容積の少なくとも一つを調節する工程を更に備え、これにより前記第1及び第2のプロセスツールへ供給される流体と関連したパラメータを独立に制御する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記第3の流体の流量又は容積の少なくとも一つを調節する工程を更に備える、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記第1及び第2の流体を混合して、第4の流量及び第4の濃度を有する第4の流体を製造し、該第4の流体は第3のプロセスツールへ供給される、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記第1又は第3の流体の流量又は濃度を設定する工程を更に含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記流量又は濃度は、制御ユニットの制御パネルを介して設定されるか、またはコンピュータ制御を介して遠隔設定される、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記第1の流体を発生する発生器から、第1の濃度の値を有する該第1の流体を受容する、方法。
【請求項10】
請求項2に記載の方法であって、前記混合は圧力下で生じ、これによりオゾンの脱気を回避する、方法
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、閉ループプロセスを介して少なくとも一つの弁を調節することにより、第3の流体の第3の濃度又は第3の流量を制御する、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、圧力センサを監視して、もし安全な圧力レベルを超過した場合の緊急停止を許容し得る前記監視工程を更に有する、方法
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記第1又は第2のプロセスツールに対して前記第2の流体のみを送達する、方法。
【請求項14】
半導体プロセスツール(40A−40E)用の圧力下流体を混合する装置(1400A)であって、流体中に溶解したガスの脱気を回避する前記装置であっって、該装置(1400A)は、
第1の濃度及び第1の流量を有する溶解したガスを含む第1の流体を受容する第1の流体入力ポートであって、該第1の流体は第1の半導体プロセスツール(40A)へ供給される第1の流体投入ポートと、
第2の流量及び第2の濃度を有する第2の流体を受容する第2の流体投入ポートと、
第1の流体又は第2の流体の流量又は濃度の少なくとも一つを制御する少なくとも一つの弁(1410−1420)であって、第3の流量及び第3の濃度を有する溶解したガスを含む第3の流体を製造して、第2の半導体プロセスツール(40B)へ供給する前記少なくとも一つの弁(1410−1420)とを、
具備する装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、前記第1の流体又は第2の流体の流量又は濃度の少なくとも一つを制御する第2の弁を備え、第3のプロセスツールへ供給される第4の流量及び第4の濃度を有する第4の流体を製造する、装置。
【請求項16】
請求項14に記載の装置であって、前記複数の流体の少なくとも一つの流量又は濃度を設定するための制御ユニットの制御パネル部分を備える、装置。
【請求項17】
請求項14に記載の装置であって、前記第1又は第3の流体の濃度又は流量を制御するための制御ユニットを備える、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−62694(P2011−62694A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253473(P2010−253473)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【分割の表示】特願2004−500127(P2004−500127)の分割
【原出願日】平成15年4月25日(2003.4.25)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】