説明

半導体ワークピースを処理するためのプラズマリアクタ

半導体を処理するためのプラズマリアクタは、チャンバ壁を有し、半導体ワークピースを支持するワークピース支持体を含むリアクタチャンバと、前記ワークピース支持体上にあり、前記チャンバ壁の一部を有するオーバヘッド電極と、RF電力発生器の周波数で電力を前記オーバヘッド電極に供給し、所望のプラズマイオン密度レベルで前記チャンバ内にプラズマを維持することができるRF電力発生器とを有する。オーバヘッド電極は、オーバヘッド電極と所望のプラズマイオン密度でチャンバ内に形成されたプラズマが電極−プラズマ共振周波数で共に共振ような容量を有し、前記発生器の周波数は、前記電極−プラズマ共振周波数の少なくとも近くにある。このリアクタは、更に、ワークピース支持体に面したオーバヘッド電極の表面上に形成された絶縁層、RF電力発生器とオーバヘッド電極間の容量性絶縁層、及びワークピース支持体から離れて面しているオーバヘッド電極の表面上にあって、接触している金属フォーム層を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ワークピースを処理するためのプラズマリアクタに関する。
【0002】
(関連出願)
本願は、Daniel Hoffman他により2000年3月7日に出願され、本譲渡人に譲渡された米国出願第09/527,342号「プラズマに同調したオーバヘッドRF電極を有するプラズマリアクタ」の一分継続出願である。
【背景技術】
【0003】
RFプラズマリアクタは、半導体ウエハを処理するために用いられ、マイクロエレクトロニクス回路を製造する。このリアクタは、処理される半導体を含むチャンバ内にプラズマを形成する。プラズマは、チャンバに誘導的かまたは容量的に結合されたRFプラズマソース電力の適用によって形成され、また維持される。RFソース電力のチャンバへの容量性結合のために、オーバヘッド電極(ウエハに面している)にRFソース電極発生器によってエネルギーが供給される。
【0004】
このようなリアクタの一つの問題点は、RF発生器の出力インピーダンス、一般には50オームが電極とプラズマの組み合わせによって存在する付加インピーダンスに整合されなければならないことである。さもないと、プラズマチャンバに供給されるRF電力の量がプラズマの負荷インピーダンスにおける変動と共に変動し、その結果、あるプロセスパラメータ、例えばプラズマ密度が必要とされる範囲内に保たれない。このプラズマの付加インピーダンスは、処理が進行するに従って動的に変わる傾向があるリアクタチャンバ内の状態に依存するので、それは処理中に変動する。
【0005】
誘電体または金属のエッチングプロセスのための最適なプラズマ密度で、負荷インピーダンスは、RF発生器の出力インピーダンスと比較して非常に小さく、処理中に著しく変わる。従って、発生器と負荷の間でインピーダンス整合(インピーダンス整合)を能動的に維持するために、インピーダンス整合回路が用いられなければならない。このような能動的なインピーダンス整合は、可変リアクタンス及び/または可変周波数のいずれかを使用する。このようなインピーダンス整合回路についての一つの問題点は、それらがプラズマ負荷インピーダンスにおける急激な変化に従うように充分俊敏でなければならず、従って、比較的高価で、それらの複雑さによりシステムの信頼性を減少することである。
【0006】
他の問題点は、整合(マッチング)回路がインピーダンス整合(“整合スペース”)を与えることができる負荷インピーダンスの範囲が制限されることである。この整合スペースはシステムのQに関連する。ここで、Q=Δf/f、fはシステムの共振周波数、Δfは、共振振幅がfにおけるピークの共振振幅の6dB以内であるfのいずれかの側におけるバンド幅である。一般的なRF発生器は、プラズマインピーダンスが変動するに従って、まさにより多くのRF電力が発生器に反射して戻っても、ホワード(前進)電力をほぼ一定のレベルに維持する、限られた能力を有する。
【0007】
一般に、これは、そのホワード電力レベルをサーボ機構で制御する発生器によって行なわれ、その結果、インピーダンスのミス整合が増加するに従って、発生器は、そのホワード電力レベルを増加する。勿論、この能力は、発生器が発生することができる最大ホワード電力によって制限される。一般に、発生器は、3:1より多くない前進波電圧と反射波電圧の最大比(すなわち、電圧定在波比:VSWR)を扱うことができる。もし、VSWRが3:1を超えるようにインピーダンスの相違(例えば、処理中にプラズマインピーダンスの変動による)が増加するならば、RF発生器は、最早供給される電力を制御することができないで、プラズマについての制御は失われる。
【0008】
結果として、プロセスは、多分失敗するであろう。従って、少なくとも近似のインピーダンス整合は、RF発生器と、コイルアンテナ及びチャンバの組み合わせによって発生器に生じる負荷との間で維持されなければならない。この近似のインピーダンス整合は、プアラズマインピーダンスの変動の全く予期される範囲にわたって、発生器出力におけるVSWRを3:1のVSWR内に保つのに十分でなければならない。インピーダンス整合スペースは、一般に、整合回路が発生器出力におけるVSWRを3:1またはそれより小さく維持することができる負荷インピーダンス範囲である。
【0009】
関連する問題点は、負荷インピーダンス自体がプロセスパラメータ、例えばチャンバ圧力、プラズマソース電力レベル、ソース電力周波数、及びプラズマ密度に非常に敏感であることである。これは、プラズマリアクタが受け入れることができないインピーダンスミス整合を避け、または整合スペースの外側に負荷インピーダンスをとる変動を避けるために動作されなければならないこれらのプロセスパラメータの範囲を制限する。同様に、比較的狭いプロセスウインドウ及びプロセス使用、または多くのプロセス応用を扱うことができるものの外側で動作することができるリアクタを提供することは困難である。
【0010】
他の関連した問題点は、負荷インピーダンスがリアクタ自身の構成、例えばリアクタ内のある機械的形状の大きさやある材料の導電率または誘電率によっても影響される。(これらの構成上の項目は、リアクタの電気的特性、例えば負荷インピーダンスに影響を及ぼすストレー容量に影響する。)これは、材料における製造許容や変化により同じ設計の異なるリアクタ間で均一性を保つことを困難にする。結果として、高いシステムQ及びそれに対応して小さなインピーダンス整合スペースについて、同じプロセスウインドウを示し、または同じ性能を与える同じ設計の2つのリアクタを製造することが困難である。
【0011】
他の問題点は、RF電源の能率の悪い使用である。プラズマリアクタは、プラズマに供給される電力量がRF発生器によって生成される電力より著しく小さくなる傾向にあるという点で非能率的であることが知られている。結果として、実際にプラズマに供給されるものを超えて電力を生成するために、発生器の能力における追加の費用、及び信頼性に対するトレードオフを蒙らなければならない。
【0012】
この明細書は、一般に、HF電源以外のVHFプラズマソース電力のRF電源によって駆動されるオーバヘッド電極を有する容量結合されたリアクタに関する。発明者は、HF周波数と違って、VHFソース電力周波数で、プラズマと共振するオーバヘッド電極に同調することが実用的であり、得難い安定性、効率及び他の多くの利点を導くことを発見した。
【0013】
プロセスガスを容量結合されたプラズマリアクタに供給する、優れた方法は、上部にある天井を通してプロセスガスを注入することである。本リアクタにおいて、上部にある天井は、同軸スタッブまたは同等なインピーダンス整合素子を介してVHFのRF電力発生器に結合されるソース電力電極である。この天井からプロセスガスを注入するために、天井の電極は、“シャワーヘッド”であり、導電性の層は、プロセスガスを注入するために、そこを通る小さなガスの注入ポート(口)のセットを有している。
【0014】
幾つかの例において、プラズマ放電すなわち“アーク”が天井のガス注入ポート内に生じる傾向がある。これは、ガス注入ポートの内部表面からオーバヘッド電極すなわちシャワーヘッドの材料を除去するプラズマ放電の危険性を生む。従って、プラズマへ導入される種、例えば金属種は、ウエハまたはワークピースの表面を汚染し、その上に製造されるマイクロエレクトロニクスのデバイスを損傷する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、VHFプラズマソースのRF電源に接続されたオーバヘッド電極とガス分配シャワーヘッドの組み合わせを有するプアラズマリアクタにおいて、特にガス注入ポート内に(またはバルクプラズマの外部のどこかに)プラズマを点弧する傾向を減少または除去することが望まれる。
【0016】
オーバヘッド電極は、特にそれがバイアス電力用のアノード及びソース電力用の可塑ーその両方であり、従って、RFとDC電流を受ける必要があるので、プラズマとの接触していることから磨耗を受ける。もし、オーバヘッド電極を通して直接これらの電流を流すのを避け、またはプラズマの電極との直接的な接触を避ける方法が見つけられるならば、リアクタを動作するコストは減少されるであろう。
【0017】
プラズマリアクタにおいてしばしば見つかる問題は、プラズマシース内の第2及び第3高調波の発生である。本リアクタにおいて、プラズマVHFソース電力がオーバヘッド電極に印加されるが、一方プラズマバイアス電力がウエハの支持ペデスタル上にHF信号によって印加される。HF周波数でRF電力の殆どがシース内で消費され、残りがバルクプラズマを維持する。プラズマシースは、非直線性の負荷であり、従って、ウエハの支持ペデスタルに印加されるHFバイアス信号の第2及び/又は第3高調波を形成する。
【0018】
プロセス性能がこれらの高調波の存在で害されるような方法で、これらの高調波の存在は、プラズマの振舞いを変化させる。特に、エッチング停止又はオーバエッチングを避けるプロセス制御がより困難になり、エッチング速度が減少される。プラズマに影響を及ぼすこれらの高調波の生成を減少することが望ましい。
【0019】
本リアクタにおいて、同軸同調スタッブの長さがVHFソース電力信号の波長に関連される同軸同調スタッブがリアクタの残りの部分より大きなフットプリントを有することができる。従って、同軸同調スタッブのいずれの利点を犠牲にすることなくこのフットプリントを減少することができることは利点である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
半導体ワークピースを処理するためのプラズマリアクタは、チャンバ壁を有し、半導体ワークピースを支持するワークピース支持体、ワークピース支持体の上方にあるオーバヘッド電極、チャンバ壁の一部を有する電極、RF発生器の周波数で電力をオーバヘッド電極に供給し、所望のプラズマイオン密度レベルでチャンバ内にプラズマを維持することができるRF電力発生器を含むリアクタチャンバを有する。
【0021】
オーバヘッド電極は、オーバヘッド電極と所望のプラズマイオン密度でチャンバ内に形成されるプラズマが電極−プラズマ共振周波数で共に共振するような容量を有し、そして発生器の周波数は、少なくとも電極−プラズマ共振周波数の少なくとも近くにある。更に、リアクタは、ワークピース支持体に面しているオーバヘッド電極の面上に形成される絶縁層、RF電力発生器とオーバヘッド電極間の容量性絶縁層、及びワークピースの支持体から離れて面しているオーバヘッド電極の表面上にあり、接している金属フォーム層を有する。
【0022】
この絶縁層は、ガス注入ポート(口)内でアークが発生するのを抑制するのに充分な容量を与え、この容量性絶縁層は、チャンバ内のプラズマからのDC電流がオーバヘッド電極を通して流れるのを阻止するのに充分な容量を有し、且つ金属フォーム層は、ガス注入オリフィス内の軸電界を抑制する充分な厚さである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1を参照すると、プラズマリアクタは、半導体上は110を支持する、チャンバの底部にあるウエハ支持体105を有するリアクタチャンバ100を含む。半導体リング115がウエハ110を囲んでいる。この半導体リング115は、誘電体(クォーツ)リング120によって接地されたチャンバ本体127上に支持される。
【0024】
一つの実施例において、これは10mmの厚さ及び4の誘電率である。チャンバ100は、誘電体(クォーツ)のシールによって接地されたチャンバ本体127上にウエハ110の上に所定のギャップ長で支持されるディスク形状のオーバヘッドアルミニウム電極によって上部が閉ざされている。このオーバヘッド電極125はその内部表面上に半金属材料(例えば、Si又はSiC)で覆われることができる金属(例えば、アルミニウム)であっても良し、又は、それ自体半金属材料であることもできる。
【0025】
RF発生器150は、RF電力を電極125に印加する。発生器150からのRF電力は、発生器150に整合した同軸ケーブル162を通して、電極125に接続された同軸スタッブ135に結合される。スタッブ135は、以下に詳しく説明されるように、特性インピーダンス、共振周波数を有し、電極125と、50Ωの同軸ケーブル162またはRF電力発生器150の50Ω出力間にインピーダンス整合を与える。
【0026】
チャンバ本体は、RF発生器150のRFの帰路(RFリターン)(RF接地)に接続される。オーバヘッド電極125からRF接地までのRF通路は、半導体リング115、誘電体リング120及び誘電体シール130によって影響を受ける。ウエハ支持体105、ウエハ110及び半導体リング115は、電極125に印加されるRF電力に対して主なRFキロを提供する。
【0027】
電極125を含むオーバヘッドアッセンブリ126の容量、誘電体リング120及びRFリターン、すなわちRF接地に関して測定された誘電体シール130は、180ピコファラッド(pF)であることができる。電極アッセンブリの容量は、電極の面積、ギャップ長(ウエハ支持体とオーバヘッド電極間の距離)によって、及びストレー容量(浮遊容量)に影響を及ぼすファクタ、特にシール130の、及び用いられた材料の誘電率及び厚さによって影響される誘電体リング120の誘電体の値によって影響される。より一般的には、電極アッセンブリ(符号のない数、すなわちスカラー)の容量は、以下に説明される特定のソース電力周波数、プラズマ密度、及び動作圧力でプラズマの負の容量(複素数)に大きさが等しいか、ほぼ等しい。
【0028】
先の関係に影響を及ぼすファクタの多くは、リアクタ、ウエハのサイズ、及び処理がウエハ上で一様に行なわれる要件によって行なわれる必要があるプラズマプロセス要件の実現性によって大部分予め決められる。従って、プラズマ容量は、プラズマ密度及びソース電力周波数の関数であり、一方電極容量は、ウエハの指示と電極のギャップ(高さ)、電極の直径、及びアッセンブリ絶縁体の誘電値の関数である。
【0029】
プラズマ密度、ギャップ、及び電極の直径は、リアクタによって行なわれるプラズプロセスの要件を満足しなければならない。特に、イオン密度は、ある範囲内になければならない。例えば、シリコン及び誘電体のプラズマエッチンプロセスは、一般に、109-1012イオン/ccの範囲内にあるプラズマイオン密度を必要とする。ウエハと電極のギャップは、例えば、ギャップが約2インチ(5.08センチ)ならば、8インチ(20.32センチ)ウエハに対して最適なプラズマイオン分布の均一性を提供する。もし、ウエハの直径より大きなくならば、電極の直径は少なくともウエハの直径と同程度の大きさである。同様に、動作圧力は、代表的なエッチング及び他のプラズマプロセスに対して実用的な範囲を有している。
【0030】
しかし、上の関係を達成するために選ぶことができる他のファクタ、特にソース周波数の選択及びオーバヘッド電極アッセンブリ126に対する容量の選択、が残っていることが判った。電極に課せられる前述の大きさの制約及びプラズマに制約(例えば、密度の範囲)内で、電極の容量は、ソース電力周波数がVHF周波数であるように選択されるならば、及び電極アッセンブリ126の絶縁体素子の誘電体値が正しく選択されるならば、プラズマの負の容量の大きさに整合されることができる。この選択は、ソース電力周波数とプラズマ−電極共振周波数間の整合またはほぼ整合を達成することができる。
【0031】
従って、一つの特徴において、8インチ(20.32センチ)ウエハに対して、オーバヘッド電極の直径は、約11インチ(27.94センチ)であり、シール130に対する誘電体材料は、9の誘電率と1インチ(2.54センチ)オーダの厚さを有し、リング115は、10インチ(25.4センチ)を僅かに越える内径を有し、リング120は4の誘電率と10mmオーダの厚さを有し、VHFソース電力周波数は、210MHz(他のVHFソース電力周波数は等しく効果的であるけれども)、及びソース電力周波数、プラズマ電極共振周波数及びスタッブ共振周波数は、全て整合されるか、またはほぼ整合される。
【0032】
特に、これら3つの周波数は、システムのQを有利に減少する離調(デチューニング)効果を達成するために互いに僅かにずらされ(オフセットされ)ている。すなわち、ソース電力周波数は210MHz、電極-プラズマ共振周波数は、約200MHz、そしてスタッブ周波数は、約220MHzである。このようなシステムのQの減少は、リアクタ性能をチャンバ内部の状態の変化に影響を受けないようにし、その結果、全体のプロセスは、非常に安定し、はるかに広いプロセスウインドウにわたって達成される。
【0033】
同軸スタッブ135は、全体のシステムの安定性、その広いプロセスウインドウの能力ばかりでなく、他の多くの有益な利点に更に貢献する特に設定された設計である。それは円筒状の内部導体140と同心円筒状の外部導体145を有する。例えば、1の相対誘電率を有する絶縁体147(図1においてクロスハッチによって示されている)が内部導体140と外部導体145との間のスペースを満たしている。内部導体140と外部導体145は、ニッケル被膜されたアルミニウムから作られている。外部導体145は約4インチ(約10.16センチ)の直径を有し、内部導体140は約1.5インチ(約3.81センチ)の直径を有する。
【0034】
スタッブの特性インピーダンスは、内部と外部の導体140、145の半径及び絶縁体147の誘電率によって決まる。一つの実施例のスタッブ135は、65の特性インピーダンスを有する。より一般的には、スタッブの特性インピーダンスは、約20%〜40%、及び約30%だけソース電力の出力インピーダンスを超えている。スタッブ135は、210MHzのVHFソース電力周波数から僅かにオフセットされているけれども、ほぼ整合する220MHzの近傍で共振するために、約29インチ(約73.66センチ)(220MHzで1/4波長)の軸長を有する。
【0035】
以下に説明されるように、RF発生器150からスタッブ135へRF電力を印加するために、スタッブ135の軸長に沿った特定の点にタップ160が設けられる。発生器150のRF電力の端子150bとRFのリターン端子150aがスタッブ135上のタップ160において内部と外部導体140、145にそれぞれ接続される。これらの接続は、よく知られた方法で、発生器150の出力インピーダンス(一般に、50)と整合する特性インピーダンスを有する発生器−スタッブ同軸ケーブル162を介して行なわれる。
【0036】
スタッブ135の遠端部135aにある終端導体165が内部と外部導体140、145を共に短絡するので、スタッブ135はその遠端部135aにおいて短絡される。スタッブ135の近端部(短絡されない端部)において、外部導体145は、環状導体のハウジングすなわち支持体175を介してチャンバ本体に接続され、一方内部導体140は、導電性シリンダーすなわち支持体176を介して電極125の中央に接続される。誘電体リング180は、導電性シリンダー176と電極125間に保持されそれらを分離する。
【0037】
内部導体140は、例えばプロセスガス及び冷却液のようなユーティリティ用の導管を備えることができる。この形状の主な利点は、一般的なプラズマリアクタと異なって、ガスライン170と冷却液ライン173が大きな電位差を横切らないことである。従って、このような目的のため、それらは、金属、すなわち安価で、信頼のある材料から構成されることができる。金属のガスライン170は、オーバヘッド電極125においてまたはその近傍においてガス入口172に供給し、一方、金属の冷却液ライン173は、オーバヘッド電極内の冷却液通路すなわちジャケット174に供給する。
【0038】
能動的な、共振インピーダンス変換がRF発生器150とオーバヘッド電極アッセンブリ126間にこの特に構成されたスタッブ整合によって与えられ、プラズマ負荷を処理し、反射電力を最小にし、負荷インピーダンスにおける広い変化を収容する非常に広いインピーダンス整合スペースを提供する。その結果、電力の使用中に以前では得られることができない効率と共に、広いプロセスウインドウとプロセスの柔軟性が得られ、一方では一般的なインピーダンス整合装置に対する必要性を最小または避けることができる。上述のように、スタブの共振周波数は、理想的な整合からオフセットされ、更に全体システムのQ、システムの安定性、及びプロセスウインドウとマルチプロセスの能力を増す。
【0039】
電極−プラズマ共振周波数及びVHFソース電力周波数の整合
先に概略説明したように、主な特徴は、電極−プラズマ共振周波数においてプラズマと共振するために、またソース電力周波数と電極−プラズマ周波数を整合するために、オーバヘッド電極アッセンブリ126を構成することである。電極アッセンブリ126は、優勢な容量性リアクタンスを有し、一方プラズマリアクタンスは、周波数、プラズマ密度及び他のパラメータの複素関数である。(以下に詳細に説明されるように、プラズマは、虚数項を含む複素関数であり、一般に負の容量に相当するリアクタンスに関して解析される。)
【0040】
電極−プラズマ共振周波数は、電極アッセンブリ126の及びプラズマのリアクタンスによって決められる(キャパシタ及びインダクタのリアクタンスによって決められるキャパシタ/インダクタ共振回路の共振周波数と類似している)。従って、電極-プラズマ共振周波数は、ソース電力周波数である必要はなく、それがプラズマ密度に依存するように依存する。従って、問題は、実際上の制約をプラズマ密度及び電極の大きさに与えるならば、プラズマリアクタンスは、電極-プラズマ共振周波数がソース電力周波数に等しいか、ほぼ等しいものであるソース電力周波数を見出すことである。問題は、プラズマ密度(プラズマリアクタンスに影響を及ぼす)及び電極の大きさ(電極の容量に影響を及ぼす)があるプロセスの制約に合致しなければならないので、更に困難である。
【0041】
特に、誘電体及び金属のプラズマエッチングプロセスに対して、プラズマ密度は、プラズマリアクタンスについての制約である109〜1012イオン/ccの範囲内になければならない。更に、例えば8インチ直径のウエハを処理するためのより均一なプラズマイオン密度分布が、電極容量についての制約である約2インチのウエハと電極のギャップすなわち高さ及びウエハの直径程度、またはそれより大きい電極直径によって実現される。一方、12インチ(30.48センチ)のウエハを処理するために異なるギャップ長を使用することができる。
【0042】
従って、本発明の一つの特徴として、電極容量をプラズマの負の容量の大きさに整合する(またはほぼ整合する)ことによって、電極-プラズマ共振周波数及びソース電極周波数は少なくともほぼ整合される。上に列挙された、共通の金属及び誘電体のエッチングプロセス条件(すなわち、109〜1012イオン/cc間のプラズマ密度、2インチのギャップ及びほぼ11インチ程度の電極直径)に対して、ソース電力周波数がVHFであれば、整合が可能である。他の条件(例えば、異なるウエハの直径、異なるプラズマ密度など)は、リアクタのこの特徴を達成するこのような整合を実現するために、異なる周波数範囲を決める。
【0043】
以下に説明されるように、誘電体及び金属のプラズマエッチング及び化学気相堆積を含む幾つかの主な応用において、8インチウエハを処理するための好適なプラズマ処理状態の下で、上述したプラズマ密度を有する一つの代表的な動作例におけるプラズマ容量は、−50〜−400ピコファラッド(pF)の間であった。動作の実施例において、オーバヘッド電極アッセンブリ126の容量は、11インチの電極直径、約2インチのギャップ(電極とペデスタルの間隔)を用い、9の誘電率を有するシール130のための誘電材料、1インチ(2.54センチ)程度の厚さ、4の誘電率及び10mm程度の厚さを有するリング120のための誘電材料を選択することによって、この負のプラズマ容量の大きさに整合された。
【0044】
電極アッセンブリとプラズマの組み合わせは、いま説明したそれらの容量の整合を仮定して、電極125に印加されたソース電力周波数に少なくともほぼ整合する電極-プラズマ共振周波数で共振する。我々は、好適なエッチングプラズマ処理のレシピ、環境及びプラズマに対して、この電極-プラズマ共振周波数及びソース電極周波数は、VHF周波数で整合またはホト整合されること;及びこのような周波数整合または近似の整合が実現されることは非常に有利であることを発見した。
【0045】
先の実施例において、プラズマの負の容量の前述の値に相当する電極-プラズマ共振周波数は、以下に説明されるように、ほぼ200MHzである。ソース電力周波数は、210MHzすなわち、以下に説明される他の利点を実現するために電極-プラズマ共振周波数の僅か上に、ソース電力周波数がオフセットされる近似の整合である。
【0046】
プラズマ容量は、他の事項、すなわちプラズマ電子密度間の関数である。これは、良好なプラズマ処理状態を提供するために、ほぼ109〜1012イオン/ccの範囲に保たれる必要があるプラズマイオン密度と関係する。この密度は、ソース電力周波数及び他のパラメータと共に、プラズマの負の容量を決定し、従って、その選択は、更に以下に説明されるようにプラズマ処理状態を最適にする必要性によって制約される。
【0047】
しかし、オーバヘッド電極アッセンブリの容量は、多くの物理的なファクタ、例えば、ギャップ長(電極125とウエハの間隔);電極125の面積;電極125と接地されたチャンバ本体127間の誘電体シール130の誘電率の選択;半導体リング115とチャンバ本体間の誘電体リング120のための誘電率の選択;及びシール130とリング120の誘電体構造の厚さやリング180の厚さや誘電率によって影響される。
【0048】
これは、オーバヘッド電極に影響を及ぼすこれらの、及び他の物理的ファクタ間でなされる選択を通して電極アッセンブリの容量のある程度の調整を可能にする。我々は、この調整の範囲は、オーバヘッド電極アッセンブリの容量と負のプラズマ容量の大きさとの整合の必要な程度を達成するのに十分であることを発見した。特に、シール130とリング120に対する誘電材料と大きさは、所望の誘電率と生じる誘電体の値を与えるように選択される。
【0049】
電極容量とプラズマ容量を整合することは、電極容量、特にギャプ長に影響する同じ物理的ファクタのいくつかが決められ、または以下の実際的可能性:大きな直径のウエハを扱うこと;ウエハの全直径にわたってプラズマイオン密度の分布の良好な均一性で奏すること;及びイオン密度とイオンエネルギーの良好な制御を有する必要性;によって制限されるであろうという事実にもかかわらず達成することができる。
【0050】
よって、プラズマエッチングプロセスに好適な上述したプラズマイオン密度の範囲;及び8インチウエハを処理するのに適したチャンバの大きさに対して、11インチの電極直径、約2インチのギャップ長、及び9の誘電率を有するシール130に対する材料、及び4の誘電率を有するリング120に対する材料を用いることによって−50〜−400pFのプラズマ容量に整合する電極アッセンブリ126に対する容量が得られた。
【0051】
プラズマ容量及び整合するオーバヘッド電極容量に対して先の範囲が与えられるならば、電極−プラズマ共振周波数は210MHzのソース電力周波数に対してほぼ200MHzであった。
【0052】
この方法で、電極アッセンブリ126の容量を選択し、その後結果として生じた電極−プラズマ共振周波数及びソース電力周波数を整合する大きな利点は、電極とソース電極周波数近くのプラズマの共振が広いインピーダンス整合を及び広いプロセスウインドウを提供し、その結果、プロセス条件の変化に対して非常に大きな不感受性、従って、大きな性能の安定性を提供する。全体の処理システムは、動作条件、例えば、プラズマインピーダンスのシフトにおける変化に殆ど感じなくなり、従ってプロセスの適用性の大きな範囲と共により信頼できるようになる。本明細書の後で説明されるように、この利点は、更に、電極−プラズマ共振周波数及びソース電力周波数間の小さなオフセットによって増大される。
【0053】
何故プラズマは負の容量を有するか
プラズマの容量は、本発明の以下の式に従って、複素数であり、自由空間の電気的誘電率ε0、プラズマの電子周波数pe、ソース電力周波数及び電子の中性衝突頻度enの関数であるプラズマの電気的な誘電率εによって支配される。
ε=ε0{1−pe2/(+ien)} ただし、i=(−1)1/2である。
(プラズマ電子周波数peは、プラズマ電子密度の単純関数であり、プラズマ処理に関する公知の文献に定義されている。)
【0054】
一つの動作例において、中性種はアルゴンであり、プラズマ電子周波数は約230MHz、RFソース電力周波数は約210MHz、チャンバ圧力は10mTorrから200mTorrであり、プラズマ密度が109〜1012cc-1であるように充分なRFソース電力が印加された。プラズマエッチングプロセスに好適であるこれらの条件の下で、前述の式によって定義されたその実効電気的誘電率は負であるので、一般に、プラズマは負の容量を有する。これらの条件の下で、プラズマは−50〜−400pFの負の容量を有した。
【0055】
その後、我々はより一般項においてわかったように、プラズマ電子密度の関数(ソース電力周波数及び電子−中性衝突頻度も同様)として、プラズマ容量は、例えば、誘電体エッチング、金属エッチング及びCVDのような主な応用のために好適なプラズマプロセスの実現性によってある所望の範囲に一般に制限され、且つVHFソース電力周波数で負の値をもつ傾向にある。プラズマのこれらの特性を利用することによって、電極容量の整合及びリアクタの周波数−整合の特徴は、プロセスウインドウの能力及び柔軟性及び以前は可能でない動作の安定性を達成する。
【0056】
スタッブ135によって与えられるインピーダンス変換
スタッブ135は、RF発生器150の50の出力インピーダンス及びチャンバ内の電極アッセンブリ126とプラズマの組み合わせによって示される負荷インピーダンスの間にインピーダンス変化を与える。このようなインピーダンス整合に対して、発生器とスタッブの接続点及びスタッブと電極の接続点におけるRF電力の反射波殆どないか全くないようにしなければならない(少なくともRF発生器150のVSWRの制限を超える反射はない)。どうしてこれが達成されるかは以下に説明される。
【0057】
発生器150の所望のVHF周波数で、及びプラズマエッチングプロセスに好適なプラズマ密度とチャンバ圧力(すなわち、それぞれ109〜1012イオン/cc及び10mTorr〜200mTorr)で、プラズマ自体のインピーダンスは、約(0.3+(I)7)となる。ただし、0.3はプラズマインピーダンスの実数部、i=(-1)1/2、及び7は、プラズマインピーダンスの虚数部である。
【0058】
上述したように、電極アッセンブリ126の容量は、約200MHzの電極−プラズマ共振周波数で、電極アッセンブリ126及びプラズマ間で共振を達成するように選ばれる。スタッブと電極の境界面でのRF電力の反射は、最小にされるか、または避けられる。何故ならば、スタッブ135の共振周波数は、2つが少なくともほぼ一緒に共振するように電極とプラズマの共振周波数であるように、またはその近くにあるように設定される。
【0059】
同時に、発生器とスタッブの境界面におけるRF電力の反射は、最小にされるか、または避けられる。何故ならば、スタッブ135の軸長に沿ったタップ160の位置は、タップ160において、スタッブ135における電圧定在波と電流定在波の比が発生器150の出力インピーダンスの近いか、ケーブル162の特性インピーダンス(双方とも約50Ω)であるものである。タップ160がどうしてこれを達成するように配置されるかを以下に説明される。
【0060】
スタッブのタップ160の軸上の位置
同軸スタッブ135の軸長は、上述されたように、電極−プラズマ共振周波数の近くである“スタッブ”周波数(例えば、220MHz)の1/4波長の倍数である。一つの実施例において、この倍数は2であるので、同軸スタッブの長さは、“スタッブ”周波数の約半波長、すなわち約29インチである。
【0061】
タップ160は、スタッブ135の長さに沿った特定の軸位置にある。この位置において、発生器150の出力周波数におけるRF信号の定在波電圧と定在波電流の振幅間の比は、RF発生器150の出力インピーダンス(例えば、50Ω)に整合する入力インピーダンスに相当する。これは、図2(A)と図2(B)に示され、図において図タッブ135における電圧定在波と電流定在波は、それぞれ短絡された外側スタッブの端部135aにおいてナルとピークを有する。タップ160に対する所望の位置は、定在波電圧と電流の比が50オームに相当する、短絡された端部から内方に距離Aの位置にある。
【0062】
この位置は、何処が定在波比が50オームであるかを経験的に判断することによって当業者によって容易に見出される。RF発生器の出力インピーダンス(50Ω)と整合するタップ160の距離、すなわち位置Aは、この明細書の後で説明されるように、スタッブ135の特性インピーダンスの関数である。タップ160が距離Aに正確に位置されると、インピーダンス整合のスペースは、RF発生器が3:1の電圧定在波比(VSWR)にわたって分配された電力を一定に維持することができる代表的なものであれば、負荷インピーダンスの実数部における9:1の変化を調整する。
【0063】
インピーダンス整合のスペースは、負荷インピーダンスの実数部におけるほぼ60:1の変化を調整するように大きく広げられる。この劇的な結果は、同軸スタッブ135の短絡された外部の端部135aに向かって位置Aにおける正確な50オームの点からタップ160を僅かにシフトすることによって達成される。このシフトは、例えば、波長と5%(すなわち、約1.5インチ)である。この僅かにシフトされたタップの位置において、タップ160におけるRF電流の寄与は、適正となるスタッブにおける電流に足し算したり、電流から引き算して、図3と図4を参照して以下に説明されるように、プラズマの負荷インピーダンスにおける変動を補償する。この補償は、負荷インピーダンスの実数部における9:1の振れ(スイング)を60:1の振れに調整する。
【0064】
この振舞いは、タップ点がAにおける“整合”位置から離れて移動されるに従って、電極-プラズマの負荷インピーダンスとインピーダンスのミス整合に敏感なるようにスタッブ135における定在波電流の位相の傾向によると思われる。上述したように、電極アッセンブリ126は、通常の動作状態の下でプラズマの負の容量に整合される。この容量は、VHFソース電力周波数(210MHz)で−50〜−400pFである。この容量において、プラズマは、(0.3+i7)Ωのプラズマインピーダンスを示す。従って、0.3オームは、システムが同調されるプラズマインピーダンスの実数部分である。
【0065】
プラズマ状態が変動するに従って、プラズマ容量とインピーダンスはそれらの通常の値から離れて変動する。プラズマ容量は、電極125が整合されるプラズマ容量から変動するに従って、スタッブ135における電流の位相に影響を及ぼす電極-プラズマ共振の位相は変化する。スタッブの定在波電流の位相がシフトするに従って、タップに供給されるRF発生器の電流は、イソシフトの方向に依存して、スタッブの定在波電流に加わるか、それから減算する。Aの50Ω位置からのタップ160の変位は、波長のほんの一部(例えば5%)に制限される。
【0066】
図3は、プラズマインピーダンスの実数部がプラズマの変動により増加した場合、スタッブにおける定在波電流を示す。図3において、電流定在波の振幅がスタッブ135に沿った軸位置の関数としてプロットされている。横軸上の位置の0.1における定在波電流振幅の不連続性は、タップ160の位置に相当する。
【0067】
図3のグラフにおいて、プラズマインピーダンスの実数部は、システムが同調される(すなわち、電極容量が負のプラズマ容量に整合する)通常のプラズマインピーダンスより高いので、インピーダンスのミス整合が生じる。この場合、タップ160における電流は、スタッブ135における定在波電流から減じる(引き算する)。この引き算は、図3のグラフにおいて、不連続性またはなるを生じ、増大した負荷をオフセットするように供給電力を減少する。これにより、高負荷(R)による供給電力(I2R)の対応する増大が避けられる。
【0068】
図4は、プラズマインピーダンスの実数部が減少する場合、スタッブ135における定在波電流を示す。図4において、電流定在波振幅がスタッブ135に沿った軸位置の関数としてプロットされている。0.1の位置における電流定在は振幅の不連続性がタップ160の位置を表している。図4のグラフにおいて、プラズマインピーダンスの実数部は、システムが同調される通常のプラズマインピーダンスより低い。この場合、タップ160における電流は、スタッブ135における定在波電流に加わる。この付加は、減少した負荷Rにより供給された電力I2Rの付随した減少を避けるために、減少した負荷をオフセットするように供給電力を増加する。このような補償について、負荷インピーダンスにおける非常に大きな変化は、整合スペースが著しく増大されるように調整される。
【0069】
負荷インピーダンスの実数部における60:1の振れを調整する整合スペースのこの拡張は、プロセウウインドウ及びリアクタの信頼性を増大する。これは、特定のプロセスまたは応用中に動作状態がシフトするに従って、または異なる応用のための異なる動作レシピで、リアクタが動作されるに従って、プラズマインピーダンスが特にインピーダンスの実数部を変化させるからである。従来技術において、このような変化は、システムにおいて用いられる従来の整合回路の範囲を超え、その結果供給電力は、最早可変プロセスを支持するために充分制御されず、そのプロセスは失敗する。
【0070】
本リアクタにおいて、供給電力が所望のレベルに維持される負荷インピーダンスの実数部の範囲が非常に増大されたので、以前はプロセスの失敗に導かれたであろうプラズマインピーダンスの変化は、リアクタのこの特徴を用いるリアクタ上で殆ど、或いは全く影響がない。従って、本発明によるリアクタは、特定のプロセスまたは応用中に動作状態の非常に大きな変化に耐えることができる。代わりに、本リアクタは、プロセス状態の広い範囲を含む多くのいろいろな応用に用いることができ、これは著しい利点である。
【0071】
更なる利点として、この広がったインピーダンス整合を提供する同軸スタッブ135は、従来のインピーダンス整合装置の“動く部分”のない、例えば可変キャパシタ/サーボ、または可変周波数/サーボを有する単純な受動装置である。したがって、インピーダンス整合装置が置き換わることは、インピーダンス整合装置より安く、且つより信頼できる。
【0072】
プロセウウインドウを広くするために動作及び共振周波数を離調(デチューニング)すること
更なる特徴によれば、スタッブ共振周波数、電極−プラズマ共振周波数及びプラズマソース電力周波数を互いに僅かにオフセットすることによって、プロセスウインドウを広くするために、システムのQが減少される。上述したように、スタッブ共振周波数は、スタッブ135の軸長が半波長である周波数であり、及び電極−プラズマ共振周波数は、電極アッセンブリ126とプラズマが共に共振する周波数である。一つの実施例において、スタッブ135は、その共振周波数が220MHzである長さに切断され、RFソース電力発生器は、210MHzで動作するように選択され、且つその結果生じる電極-プラズマ共振周波数は、約200MHzであった。
【0073】
プラズマ共振周波数、スタッブ共振周波数及びソース電力周波数のため、3つの、全て同じ周波数よりは、これらの3つの異なる周波数を選択することによって、システムは幾らか“離調された”。従って、それは低い“Q”を有する。高いVHFソース電力周波数の使用は、同様にQを比例して減少する(好適な動作状態の下で、電極とプラズマ容量の整合を容易にすることに加えて)。
【0074】
システムのQを減少することは、システムのインピーダンス整合スペースを広くするので、その性能は、プラズマ状態における変化または製造許容度からの偏差に影響を受けない。例えば、電極-プラズマ共振は、プラズマ状態の変動によって変動する。小さなQならば、スタッブ135とインピーダンス整合(本明細書において前述した)に対して必要である電極−プラズマの組み合わせ間の共振は、プラズマ電極共振において与えられた変化に対して殆ど変化しない。
【0075】
結果として、プラズマ状態の変動は、インピーダンス整合に殆ど影響を及ぼさない。特に、プラズマ動作状態の与えられた偏差は、RF発生器150の出力においてVSWRの小さな増加を生じる。従って、リアクタをプラズマプロセス条件(圧力、ソース電力レベル、ソース電力周波数、プラズマ密度など)の広いウインドウにおいて動作することができる。更に、コストを節約するために製造許容度を緩やかにすることができ、同じモデル設計のリアクタ間での一様な性能が達成される。これは著しい利点である。関連する利点は、同じリアクタは、異なるプロセスレシピ及び異なる応用、例えば、金属のエッチング、誘電体エッチング及び/又は化学気相堆積を動作するために有用である著しく広いプロセスウインドウを有することである。
【0076】
プロセスウインドウを広くするためにスタッブの特性インピーダンスを最小にすること
同調スペースを広くし、またはシステムのQを減少する他の選択は、スタッブ135の特性インピーダンスを減少することである。しかし、スタッブの特性インピーダンスは、適した整合スペースを保持するために発生器の出力インピーダンスを越えることができる。従って、システムのQは、スタッブ135の特性インピーダンスが信号発生器150の出力インピーダンスを越える量を減少する程度まで減少することができる。
【0077】
同軸スタッブ135の特性インピーダンスは、内部及び外部導体140、145の半径の、及びそれらの間の絶縁体147の誘電率の関数である。スタッブの特性インピーダンスは、プラズマ電源150の出力インピーダンス及び電極135における入力インピーダンス間に必要なインピーダンス変換を与えるために選択される。この特性インピーダンスは、最小の特性インピーダンスと最大の特性インピーダンスの間にある。スタッブ135の特性インピーダンスを変化することは、図2の波形を変化し、従って、タップ160の所望の位置(すなわち、スタッブ135の遠い端部からの変位A)を変化する。
【0078】
スタッブ135の許される最小の特性インピーダンスは、図2の距離Aがゼロのところであり、従って、タップ160は、定在波電流と電圧との間の50Ωの比を見つけるために、電極125と反対の同軸スタッブ135の遠い端部135aに位置されなければならない。スタッブ135の許される最大の特性インピーダンスは、図2の距離Aがスタッブ135の長さに等しいところであり、従って、タップ160は、定在は電流と電圧との間の50Ω比を見つけるために電極に隣接する同軸スタッブ135の近い端部135bに近くなければならない。
【0079】
最初の実施例において、同軸スタッブの特性インピーダンスは、適した整合スペースを与えるために、RF発生器150の出力インピーダンスより大きく(約30%だけ)なるように選ばれた。インピーダンス整合条件が下記の式を満足するようにタップ点160の位置を選択することによって達成されるので、スタッブのインピーダンスは、RF発生器の出力インピーダンスを越えなければならない。
gen=a2[Zstub2/rplazma]
ただし、aは、タップ点の位置によって決まり、0と1の間で変化する。(遠い端部135bとタップ160間のスタッブの小さな部分のインダクタンスと全体のスタッブ135のインダクタンスの比に相当する)
【0080】
aは1を越えることができないので、スタッブの特性インピーダンスは、前記の式に対する解を見つけるために、発生器の出力インピーダンスを越えなければならない。しかし、システムのQは、スタッブの特性インピーダンスに直接比例するので、スタッブの特性インピーダンスが発生器の出力インピーダンスを越える量は、Qを実用上低く保つように幾らか最小にされる。模範的な実施例において、スタッブの特性インピーダンスは、ただの約15だけ発生器の出力インピーダンスを越える。
【0081】
しかし、他の実施例では、同軸スタッブの特性インピーダンスは、インピーダンス整合における幾らかの減少を伴って大きな電力効率を達成するために、プラズマ電源(発生器)の出力インピーダンスより小さくなるように選択される。
【0082】
スタッブのインピーダンス変換によって与えられる増大した電力効率
この明細書の初めに説明したように、プラズマエッチングプロセスを助けるプラズマ動作状態(例えば、プラズマ密度)が非常に小さな実数(抵抗性)部(例えば、0.3Ωより小さい)及び小さな虚数(リアクティブ)部(例えば、7Ω)を有するプラズマインピーダンスを生じる。容量性損失は、システムの組み合わせ電極−プラズマ領域において優勢である。何故ならば、電極の容量は、リアクタのその部分における電力の流れに対して優勢なインピーダンスとなるからである。
【0083】
従って、電極−プラズマの組み合わせにおける電力損失は、電極−プラズマの組み合わせに関する電圧に比例する。反対に、スタッブ135のインダクタンス及び抵抗は、スタッブ135における電力の流れに対してインピーダンスの優勢な素子であるから、誘導性及び抵抗性損失は、スタッブ135において優勢である。従って、スタッブ135における電力損失は、スタッブにおける電流に比例する。スタッブの特性インピーダンスは、電極−プラズマの組み合わせによって表されるインピーダンスの実数部より非常に大きい。従って、より高いインピーダンスのスタッブ135においては、電流が高く、電圧が低い低インピーダンスプラズマにおけるよりも、電圧は高く、電流は低くなる。
【0084】
従って、スタッブ135とプラズマ−電極の組み合わせ間のインピーダンス変換は、スタッブ135において高い電圧及び低い電流(抵抗性及び誘導性損失が優勢であり、これらが最小化される場合)、及びプラズマ/電極においてそれに応じた低い電圧及び高い電流(容量性損失が優勢であり、これらが最小にされた場合)を生じる。この方法において、システムにおける全体の電力損失は、最小化され、その結果電力効率は著しく改善される。これは大きな利点である。先の実施例では、電力効率は約95%またはそれ以上になる。
【0085】
従って、上述のように構成されたスタッブ135は、動作状態の非常に広い範囲またはウインドウにわたって発生器と電極−プラズマインピーダンス間でインピーダンス整合または変換を行なうばかりでなく、更に、電力効率の著しい改善を行なうように働く。
【0086】
クロス−グランディング(Cross-Grounding)
ウエハ表面におけるイオンエネルギーがプラズマ密度/オーバヘッド電極の電力に無関係に制御される。イオンエネルギーのこのような独立した制御は、HF周波数のバイアス電源をウエハに印加することによって行なわれる。この周波数(一般的には、13.56MHz)は、プラズマ密度を制御するオーバヘッド電極に印加されるVHF電力より著しく低い。バイアス電力は、従来のインピーダンス整合回路210を介してウエハ支持体105に結合されるバイアス電力のHF信号発生器200によってウエハに印加される。バイアス発生器200の電力レベルは、ウエハ表面近くのイオンエネルギーを制御し、一般にプラズマソース電力発生器150の電力レベルの何分の1かである。
【0087】
上述されたように、同軸スタッブ135は、外部のスタッブ端部に短絡導体165を有し、スタッブの内部導体140と外部導体145間に短絡回路を与える。図2に示されるように、短絡導体165は、VHF定在波電流のピークとVHF定在波電圧のヌルの位置を確立する。しかし、短絡導体165は、スタッブ共振とプラズマ/電力共振の結合、それらの双方はVHFソース電力周波数であるかそれに近いため、VHF印加電力を短絡しない。しかし、導体165は、他の周波数、たとえばウエハに加えられる(HFバイアス発生器200から)HFバイアス電源に対して接地するように直接短絡として現れる。また、それは高い周波数、例えばプラズマシースに生成されるVHFソース電力周波数の高調波を短絡する。
【0088】
ウエハ110とウエハ支持体105、HFインピーダンス整合回路210及びそれらに接続されたHFバイアス電源200の組み合わせは、オーバヘッド電極125に印加されるVHF電力に対して接地するために非常に低いインピーダンスすなわち近似短絡を与える。結果として、システムは、クロス接地され(cross-grounded)、そしてHFバイアス信号は、オーバヘッド電極125と短絡された同軸スタッブ135を介して接地されるためにリターンされ(戻され)、オーバヘッド電極125上のVHF電力信号は、ウエハ、HFバイアスインピーダンス整合210及びHFバイアス電力発生器200を通る(VHFに対して)非常に低いインピーダンス経路を介して接地されるためにリターンされる。
【0089】
ウエハの面とオーバヘッド電極125の面間のチャンバ側壁の露出部分は、電極125の大きな面積及び比較的短い電極とウエハ間のギャップのために、オーバヘッド電極125に印加されたVHF電力に対して直接的なリターン(戻り)経路として殆ど、または全く役割を果たさない。実際に、チャンバの側壁は、磁界絶縁または誘電体被覆、または環状誘電体の挿入または取外し可能なライナーを用いて、プラズマから分離することができる。
【0090】
垂直の電極−ペデスタル通路内にあり、そしてチャンバ100の他のパーツ、例えば側壁から離れているオーバヘッド電極125からでるVHFプラズマソース電力の電流を制限するために、ウエハ110の面における効果的な接地またはリターン電極の面積は、ウエハまたはウエハ支持体105の物理的な面積を越えて大きくされ、その結果それはオーバヘッド電極125の面積を越える。これは、一般にウエハと同一平面でウエハを囲んでいる環状の半導体リング115を設けることによって達成される。
【0091】
半導体リング115は、浮遊容量を接地されたチャンバ本体に与え、これにより、オーバヘッド電極からのVHF電力信号に対して、ウエハ110の面にある“リターン”電極の有効半径を越える。半導体リング115は、誘電体リング120によって接地されたチャンバ本体から絶縁される。リング120の厚さ及び誘電率は、ウエハ110を通るVHFの接地電流及び半導体リング115を通るVHFの接地電流の望ましい比を達成するように選択される。一つの実施例において、誘電体リング120は、49の誘電率を有するクォーツであり、10mmの厚さであった。
【0092】
ウエハの表面及び電極125間の垂直経路内のバイアス発生器200からのHFプラズマバイアス電力からの電流を制限し、チャンバの他のパーツ(例えば、側壁)への電流を避けるために、オーバヘッド電極125は、ウエハまたはウエハ支持体105の面積より著しく大きい有効なHFリターン電極面積を提供する。ウエハ支持体105の面における半導体リング115のリングは、HFバイアス電力をチャンバへ結合する点では著しい役割を果たさないので、HFバイアス電力を結合するための有効な電極面積は、ウエハの面積とウエハ支持体に実質的に制限される。
【0093】
プラズマの安定性の増強
プラズマの安定性は、スタッブ135の後ろ側でスタッブの内部及び外部導体140、145を横切って接続された短絡導体165へのプラズマのDC結合を除去することによって増強される。これは、同軸スタッブの内部導体140と電極125間に薄い容量性リング180を設けることによって行なわれる。図1の実施例において、リング180は、下部にある電極125と導電性環状内部ハウジング支持体176間に挟まれる。ここに説明される模範的な実施例において、容量性リング180は、選択されたバイアスの周波数、約13MHzに依存して、約180ピコファラッドの容量を有した。
【0094】
容量のこのような値について、容量性リング180は、上述のクロスグランディング形状を妨げない。クロスグランディング形状において、ウエハペデスタル上のHFバイアス信号は、スタッブ135を介してHFバイアス発生器150のRFリターン(戻り)端子に戻され、一方、電極125からのVHFソース電力信号は、ウエハペデスタルを介してVHFソース電力発生器150のRFリターン端子に戻される。
【0095】
図5は、周波数の関数としてVHF電源とオーバヘッド電極125間の反射係数を示すグラフである。このグラフは、上述の非常に有利な低いシステムQを示す反射係数が6dB以下である周波数の非常に広いバンド幅の存在を示している。
【0096】
図6は、タップ160がスタッブの短絡された端部から図2(B)の距離Aに置かれた場合に同軸スタッブ135に沿った位置の関数として定在波電流(実線)を示す。
【0097】
図7は、同軸スタッブ135の内部導体140にテーパが付けられたリアクタの他の実施例を示し、オーバヘッド電極125に隣接するスタッブの近い端部135bにある大きな半径とスタッブの遠い端135aにおける小さな半径を有している。この特徴は、タップ160における同軸スタッブ135によって示される低いインピーダンス(例えば、50 )とオーバヘッド電極125における同軸スタッブ135によって示される高いインピーダンス(例えば、64 )間に変換を与える。また、図7に示されるように、スタッブ135は、曲線である必要はなく、代わりに直線であってもよい。
【0098】
プロセスガスは、望ましくは、オーバヘッドVHFソース電力の電極を通して導入される。この目的のために、オーバヘッド電極は、オーバヘッド電極を通して小さな注入ノズルまたは注入ポート(口)のアレーを設けることによって、ガス分配シャワーヘッドの機能が与えられる。プロセスガスは、同軸同調スタッブの中心導体を通してこれらの注入ポートに供給される。この中心導体は、オーバヘッド電極に接続されているので、プロセスガスの供給は、プラズマ及び電界から完全に保護されている。
【0099】
アーク及び他の潜在的な問題は、特徴の組み合わせによる前述の利点の全てを有したまま避けられる。それらの1つは、VHF同調スタッブからDC電位を容量的に分離することによってオーバヘッド電極を浮いたDC電位に置くことである。これは、同軸同調スタッブとオーバヘッド電極間に誘電体膜を配置することによって達成される。この特徴は、DCプラズマ電流がオーバヘッド電極を介して同調スタッブを通して戻るのを防止し、これにより、オーバヘッド電極にあるガス注入孔内にアークが発生するのを減少する。
【0100】
アークの発生を減少する他の特徴は、プラズマとオーバヘッド電極間にコンデンサを設けることである。この目的のために、誘電体層が、プラズマに面しているオーバヘッド電極の電極表面上に形成される。好ましくは、これは、電極表面、特に電極内のガス注入ポートの内部表面を陽極酸化することによって行なわれる。この特徴は、オーバヘッド電極におけるガス注入ポートに発生するプラズマアークを除去するのに役立つ。これに対する一つの理由は、陽極酸化された電極表面の容量が、電極表面上を通過する以外にプラズマからのRF電流の電荷がストアされる電荷蓄積能力を与えることである。従って、電荷がオーバヘッド電極におけるガス入口ポートの表面からそらされる場合には、そこでのプラズマの点弧は避けられる。
【0101】
オーバヘッド電極のガス注入ポート内でプラズマアークが発生するのを避けるのに加えて、オーバヘッド電極を容量的に絶縁するという特徴は電極の利用可能な寿命を延ばす。何故ならばそれはプラズマと電極間に実質的なDC電流を生じないからである。これは著しい利点である。
【0102】
ガス注入ポートにおけるプラズマアークの発生の危険性を更に減少するために、他の特徴が導入される。すなわち、同軸スタッブと、電極と同軸同調スタッブ間にある容量性の層の間に金属の“フォーム”層が設けられる。一つの実施例において、金属のフォーム層は、オーバヘッド電極と一般に同一の広がりのある直径である。この金属フォーム層は、この分野でよく知られた商業的に利用可能なものであり、ランダムセル構造を有するアルミニウムマトリックスから成っている。金属フォーム層の利点は、それが電極(すなわち、オーバヘッド電極上の空間内)近くの電界を抑制し、それによってオーバヘッド電極におけるガス注入ポート内部でアークが発生するプラズマの傾向を減少するからである。
【0103】
オーバヘッド電極にあるガス注入ポートのアレーを横切って均一なガスの分布を達成するために、金属フォーム層は、入ってくるプロセスガスを妨げるためにも用いられる。オーバヘッドの天井におけるガス注入孔又はポートは、放射状の内側グループと放射状の外側グループに分けられる。一つの金属フォーム層は、第1のガス源と外側グループのポート間でガスを妨げ、一方他の金属フォーム層は、第2のガス源と内側グループのポート間でガスを妨げる。プロセスガス流の放射状の分布は、2つのガス源のガス流の速度を独立して調整することによって調整することができる。
【0104】
同軸同調スタッブとオーバヘッド電極は、ウエハ支持ペデスタルに印加されたHFバイアス電力に対して接地するように低インピーダンスのRFリターン経路を与える。しかし、同軸同調スタッブとオーバヘッド電極間に挿入された新しい容量性誘電体層がオーバヘッド電極を通るHFのリターン経路を特定のHF周波数に同調するために用いられることができることを発見した。VHFソース電力周波数(オーバヘッド電極上で)の選択の1つの利点は、容量性層(オーバヘッド電極と同調スタッブ間の)が、HF周波数に対して同調されるならば、オーバヘッド電極に印加されるVHF信号に影響を及ぼさないことである。何故ならば、それはVHF周波数の広帯域にわたって電気的に短絡するからである。
【0105】
最初に、RFリターン経路が付加された容量性層によって同調される狭いHF周波数のパスバンドがウエハ支持ペデスタルに印加されたHFバイアスソース電力の周波数に集められた。しかし、シースで発生される高調波の問題は、オーバヘッド電極を通るHFリターン経路をHFバイアス電力周波数の第2高調波に同調するように、この容量を代わりに選択することによって解決することができる。この選択の結果は、オーバヘッド電極の近くのプラズマシースに発生されるHFの第2高調波は、オーバヘッド電極がバルクプラズマに著しく影響を及ぼす前に、オーバヘッド電極をとおって接地されるように短絡されることである。一つの実施例において、エッチング速度は、この特徴によって、10%〜15%だけ改善されることがわかった。この場合、HFバイアス信号の基本波は、他の利用できるRF経路、例えばチャンバの側壁をとおって接地される。
【0106】
以下に詳細に説明されるように、選択されたHF周波数での共振に対する(オーバヘッド電極と同調スタッブ間の)この付加された容量性層の容量の選択は、オーバヘッド電極における薄いプラズマシースの容量ばかりでなく、ウエハ支持ペデスタルにおける厚いプラズマシースの容量も考慮しなければならない。
【0107】
本発明の高効率VHFプラズマ源は、充分高い密度のプラズマを維持することができるので、それはチャンバ内部を周期的に完全にドライクリーニングするために用いられることができる。この明細書で用いられるように、用語“ドライクリーニング”は、液体の化学剤の適用を必要としないで、プラズマの適用のみを必要とするクリーニング手続を言い、真空の囲いを開ける必要がない。
【0108】
この方法で、チャンバはポリマー残留物を完全にクリーニングすることができるので、ウエハの処理中チャンバ表面は充分高温に維持され、あらゆるポリマーの堆積を連続して蒸発し、その結果、チャンバは、この処理を通して少なくとも殆どポリマーの堆積がないように保たれる。(反対に、完全にクリーニングされることがないリアクタに対して、プラズマ状態は、チャンバ壁の表面上へのポリマーの堆積が、プロセスの汚染を避けるために、除去されないで付着されつづけるように制御されなければならない。)
【0109】
この目的のために、オーバヘッド電極アッセンブリは、オーバヘッド電極を加熱または冷却するために液体を導く液体通路を有し、その外部表面の温度制御を可能にする。一般に、プラズマ条件(イオンエネルギー、壁の温度等)は、処理中にポリマーがチャンバの表面上に累積しないものである。僅かな累積は、クリーニング中に完全に除去される。
【0110】
このような特徴の1つの利点は、光学窓(光窓)をオーバヘッド電極上に又はオーバヘッド電極に隣接して設けることができることである。何故ならば、処理中に光学窓はポリマーの堆積がなく、きれいなままであるからである。従って、リアクタの性能を光学的に監視することができる。従って、オーバヘッド電極は、チャンバの外部にセンサーに接続するため上方に延びる光を伝送する光ファイバと共に、その中央付近に光学窓を任意に有することができる。プラズマ処理の光学的な監視は、終点の検出を行うために用いられることができる。例えば、光学的な監視は、従来の光学測定技術を用いて、プラズマエッチングプロセスにおける層厚を減少するステップまたはプラズマ支援の化学気相堆積プロセスにおける層厚を増加するステップを測定することができる。
【0111】
プラズマを入れ、且つ結果的にウエハまたはワークピースに達するオーバヘッド電極の露出した表面の材料からの汚染問題を解決するために、追加の外側層がオーバヘッド電極の下部面(プラズマに面している)に導入される。この追加の外側層は、実施されている特定のプロセスに匹敵する材料から作られる。例えば、二酸化シリコンのエッチングプロセスにおいて、オーバヘッド電極上の外側層は、シリコンまたは炭化珪素(シリコンカーバイド)である。一般に、この外側層を配置する前に、オーバヘッド電極のプラズマに面している表面は、上述されたように陽極酸化される。
【0112】
本発明の他の発見は、プラズマが、以前には予期されなかった、大きな抵抗性負荷インピーダンスの変化及び小さなリアクタンス性負荷インピーダンの変化を示すことである。特に、抵抗性負荷インピーダンスは、100:1(60:1の代わりに)程度の大きさだけ変り、一方、リアクタンス性負荷インピーダンは、僅か20%(35%の代わりに)だけ変化する。この相違によって、同軸同調スタッブの特性インピーダンスを65Ω(RF発生器の50Ω出力インピーダンスより上)から30Ω(RF発生器の出力インピーダンスより下)まで減少することができる。
【0113】
この減少は、効率における非常に小さな妥協によって同調スペースの比例的増加を達成する。特に、同調スタッブによって整合されることができるプラズマの抵抗性インピーダンスにおける変化の範囲は、同軸スタッブの特性インピーダンスの減少により、60:1(親出願におけるように)から100:1へ増加される。同軸スタッブの特性インピーダンスは、その内部及び外部導体の半径によって決められる。
【0114】
同軸同調スタッブのフットプリントを減少するために、その代わり等価なストリップライン回路が置き換えられる。同軸同調スタッブの外部導体は、リアクタにキャップをする金属の蓋として接地(グランド)の平らな面になり、一方、同軸同調スタッブの中央導体はストリップラインの導体になる。ストリップラインの導体の特性インピーダンスは、ストリップラインの導体と接地導体(蓋)間の間隔を調整することによって調整される。同軸同調スタッブは真っ直ぐなラインに沿って延びるが、ストリップラインの導体は蓋の内部で円形に巻かれ、それによって、面積またはフットプリントを減少するので、同調デバイスのフットプリントは減少される。
【0115】
同軸同調スタッブの特徴の全ては、ストリップライン回路においても保たれる。従って、ストリップライン導体の長さは、上述されたように、同軸同調スタッブの長さと同じ方法で決定される。また、VHF発生器に接続される給電点またはタップのためのストリップライン導体の長さに沿った位置は、同軸同調スタッブへのタップの位置と同じである。また、ストリップライン導体は、中空であり、ユーティリティが同軸同調スタッブの中心導体を通して供給されるのと同じ方法で、ストリップライン導体を通してユーティリティが供給される。
【0116】
オーバヘッド電極を通してのプロセスガスの導入
図8と図9を参照すると、オーバヘッド電極125は、ガス分配シャワーヘッドであり、従って、ワークピース支持体105に面してその下部表面125aに非常に多くのガス注入ポートすなわち小さな孔300を有している。模範的な実施例において、ポート300は、直径が0.01〜0.03インチ(0.0254〜0.0762センチ)で、それらの中心は、約3/8インチだけ離れて一様に間隔があけられている。
【0117】
図8に示された実施例において、円錐状金属ハウジング290の環状上部290aは、同軸スタッブの内部導体140の近端部140aを支持し、その環状基体290bはアルミニウムのオーバヘッド電極125上に載っている。ハウジング290の円錐形状は、オーバヘッド電極125上で大きな開口プレナムを画定し、その中でいろいろなユーティリティが中空の同軸内部導体140からオーバヘッド電極125へ供給される。以下に詳細に説明されるように、円錐上のハウジング基体290bは、オーバヘッド電極125の外周近くにあり、オーバヘッド電極125の上面の全てにほぼアクセス可能なままである。
【0118】
一般に、ポート300は、直径が0.020インチ(0.0508センチ)の放射状の外側グループのポート302及び直径が0.010インチ(0.0254センチ)の放射状の内側グループのポート304から成っている。一般に、ポート302の外側グループは、ウエハ周辺における均一なガス流を確かにするために、ウエハの周囲を越えて広がっている。この特徴の一つの利点は、プロセスガス流の放射状分布がウエハの中央で大きく、ウエハの周辺で小さいプラズマ密度を生成する、図1-7のVHF容量性結合リアクタの傾向を補償するような方法で調節することができる。
【0119】
オーバヘッド電極125内の放射状の外側アルミニウムフォーム層310はポート302の上にある。外側フォーム層310の上にある放射状の外側ガス分配マニフォルドすなわちプレナム315は、軸のガス通路320を通して同軸同調スタッブ135の内部導体140を通るガス供給ライン325に結合されている。オーバヘッド電極125内の放射状の内部アルミニウムフォーム層330はポート304の上にある。
【0120】
内側フォーム層330の上にある放射状の内側ガス分配マニフォルドすなわちプレナム335は、軸のガス通路340を通して同軸同調スタッブ135の内部導体140を通るガス供給ライン345に結合される。アルミニウムフォーム層310と330は、入ってくるプロセスガスを妨ぐ。プロセスガスの流速の放射状分布は、ガス供給ライン325と345の各々の1つ内のプロセスガスの流速の独立した区分によって調節される。
【0121】
ガス注入ポート内のアークの抑制
アークを減少する手段として、プラズマとオーバヘッド電極間に容量を設けるために、オーバヘッド電極の下部表面125aが誘電体層で被覆される。一つの実施例では、オーバヘッド電極125はアルミニウムであり、誘電体被覆は、電極の下部表面125aを陽極酸化することによって形成される。このような陽極酸化は、平らな下部表面125a上ばかりでなくガス注入ポート300の内部表面上にも非常に薄い誘電体被膜を形成する。
【0122】
この特徴は、オーバヘッド電極125に流れるRFプラズマ電流に対して補償することができる電荷蓄積能力を与えることによってガス注入ポートナ内のアークを押さえる傾向がある。図10は、ガス入口ポート300の1つの近くに生じる細かな構造を示す図8に相当する拡大部分図である。特に、陽極酸化によって形成される酸化アルミニウム層350が電極の下部表面125aとガス注入ポート300の内部表面を覆っている。
【0123】
オーバヘッド電極125近くの電界を抑圧するために、オーバヘッド電極125の上面125bは、アルミニウムフォーム355の比較的厚い(0.25インチ)層で被覆される。この厚いアルミニウム層355は、オーバヘッド電極近くの電位を軸方向(垂直方向)に一定に保つ傾向があり、それによりガス注入ポート300内でプラズマアークを発生するのに寄与する、その近傍における電界を抑圧する。
【0124】
DCプラズマ電流がオーバヘッド電極を通して同軸スタッブの中心導体140に流れるのを阻止するために、オーバヘッド電極125及びオーバヘッド電極125を同軸の中心導体140に接続する導電性ハウジング290の基部290b間に薄い絶縁層360が配置される。この特徴によって、オーバヘッド電極のDC電位を浮かすことができる。それにより、電極125と導電性ハウジングの基部290b間にキャパシタが形成される。
【0125】
このキャパシタの容量は、基部290bの面積によってばかりでなく、薄い絶縁層360の厚さ及び誘電率によっても決まる。このキャパシタの容量は、特定のHF周波数において狭い共振または低いインピーダンス経路を与えるが、一方全体のVHF帯にわたってRFの短絡を与えるように選択される。この方法で、オーバヘッド電極125は、ウエハ支持ペデスタル105に印加されるHFバイアス電極に対してリターン路を提供するが、しかしVHFソース電極周波数ではオーバヘッド電極125の振舞いに影響を及ぼさない。従って、オーバヘッド電極に流れるDCプラズマ電流を阻止することによって、ガス注入ポート300内のプラズマアークは抑圧される。何故ならばこのようなDC電流はアークに寄与するからである。
【0126】
概括すると、ガス注入ポート300内のプラズマアークは、オーバヘッド電極125の下面上に、及びガス注入ポート300の内部表面上に誘電体被覆350を形成することによって、オーバヘッド電極の上面に金属性アルミニウムのフォーム層355を設けることによって、及びオーバヘッド電極125と導電性ハウジング290間に薄い絶縁層360を配置することによって抑圧される。
【0127】
プラズマシースに発生する高調波の抑圧
薄い絶縁層360は、ウエハ支持ペデスタル105に印加されるHFバイアス信号のプラズマシースに発生する高調波を抑圧する重要な役割を果たす。高調波の存在は、プロセス性能を低下させ、特にエッチング速度を減少する。容量を決定する、絶縁層360の特性(すなわち、誘電率及び厚さ)を選択することによって、オーバヘッド電極125と同軸の内部導体140を通るプラズマからのリターン路は、特定のHF周波数で共振する(従って、非常に高いアドミッタンスを有する)ように同調される。
【0128】
この共振周波数のための一つの選択は、ウエハ支持ペデスタル105に印加されるHFバイアス信号の基本波であるけれども、エッチング速度は、この共振をバイアス信号の第2高調波であるように選択することによって10%〜15%改善されることは、本発明の発見である。プラズマシースによって示される非線形負荷によって発生される高調波は、容量性層360によってオーバヘッド電極と同軸の中心導体140によって示される低インピーダンス路を通して接地へ早く戻されるので、このような好ましい結果が得られる。
【0129】
オーバヘッド電極125を通るリターン路を特定のHF周波数に同調する、キャパシタ層360の厚さの選択は、オーバヘッド電極125における薄いプラズマシースの容量やウエハ支持ペデスタル105における厚いプラズマシースの容量ばかりでなく、プラズマ自体の容量を含む、多くのファクタによって影響を受ける。試行錯誤を含む、特定のプラズマ動作条件を与える選択されたHF周波数での共振を達成するために、キャパシタ層360の正確な厚さを見つけるために、当業者はいろいろな従来技術を容易に用いることができる。
【0130】
電極表面の温度制御
酸化物のエッチングリアクタにおいて、ポリマー堆積物は重大な問題である。何故ならば、二酸化シリコンの材料とエッチングされるべきでない他の材料間で適切なエッチングの選択性を達成するために、プロセスガスはワークピースの酸化物を含まない表面上にポリマー層を形成することができなければならないからである。フルオロカーボン(炭化フッ素)ガスを用いるプラズマ処理中に、単純なフッ素イオン及びラジカルがエッチングを行い、一方炭素の豊富な種がワークピース上のすべての酸素を含まない材料上ばかりでなくリアクタチャンバのすべての内部表面上にポリマーを堆積する。
【0131】
チャンバの内部表面からプラズマに落下するポリマー粒子によるワークピースの汚染を避けるために、これらの表面は、充分低温に保たれなければならないし、またプラズマの電子エネルギーは、これらの堆積物が剥がれ落ちないように充分低く保たれなければならない。さもなければ、これらの堆積物を除去するために、チャンバの真空を中断して、化学的クリーニングステップが行なわれなけばならない。このステップは、リアクタの生産性を大きく低下する。
【0132】
図1を参照して説明された容量性結合VHF電源は、非常に効率的であり、従って、非化学的クリーニングステップ中に、チャンバの内部表面からウエハ処理中に堆積されたあらゆるポリマー残留物を完全に除去するために充分高いプラズマ密度生成することができる。このようなクリーニングステップ中に、通常のプラズマプロセスガスは、より揮発性のガス(例えば、殆どフッ素のないプラズマを生成する傾向のあるもの)によって置き換えられることができる。
【0133】
液体の化学物質はチャンバへ導入される必要がないので、クリーニングステップがポリマー堆積物のないチャンバを保持するために、素早く、且つしばしば行えるるように、チャンバは閉めたままである。従って、図8のリアクタの動作モードは、チャンバの内部表面上にポリマーの堆積物が累積するのを避けるために、チャンバの表面温度及びプラズマイオンエネルギーが充分大きいものである。
【0134】
この目的のために、図8のリアクタは、オーバヘッド電極125上に通路670(加熱導電性流体用の)を有する。図8の実現化において、流体の通路670は、上部のアルミニウムフォーム層355及びオーバヘッド電極125の上部表面間に形成される。代わりに、これらの通路は、オーバヘッド電極125内に完全に内部に形成されてもよい。温度制御流体またはガスは、中空の同軸の内部導体140を通って流体供給ライン675から流体通路670へ供給される。
【0135】
従って、オーバヘッド電極の温度を正確に制御することができる。電極の温度を制御することによって、及び他のプラズマプロセスパラメータ、例えばプラズマイオンエネルギーを制御することによって、リアクタは、堆積モード(表面はポリマーを累積するように充分冷たい)か、ディプレッション(消耗)モード(表面はプラズマイオンが表面からポリマーを引き離すことができるように十分熱く、それによってポリマーの累積を避ける)かのいずれかで動作することができる。ディプレッションモードは、このモードが粒子汚染を良く避けるので、望ましいモードである。
【0136】
プラズマプロセスの光学的監視
図8のリアクタは、チャンバの内部表面上にポリマーの堆積がないように動作することができるので、光学窓680をオーバヘッド電極125の下面に設けることができる。光学チャネル、例えば光ファイバーまたは光パイプ685が光学窓680に一方の端において接続され、中空の同軸の内部導体140を通過する。光パイプ685は他方の端において従来の光学検出器に接続される。
【0137】
この特徴の場合、このような光学検出器を用いて、終点(エンドポイント)の検出及び他の測定を行うことができる。特に、検出器687は、よく知られた光学技術を用いて、ワークピースまたは半導体ウエハ110上の選ばれた層の厚さを測定する。例えば、エッチングプロセス中に、検出器687によって測定される、エッチングされている材料の厚さが所定の厚さに減少された後、プロセスは停止される。
【0138】
汚染の防止
チャンバの内部表面は、ポリマー堆積のない状態に維持されることができるので、それらはプラズマに曝されたままである。特に、アルミニウムのオーバヘッド電極125の下面は、連続してプラズマから攻撃され易く、従って、アルミニウム種をプラズマに与えやすく、ワークピースの汚染、従ってプロセスの失敗を誘導する。このような問題を防止するために、陽極酸化されているオーバヘッド電極125の下面は、プロセスに適合している材料、例えばシリコンまたはシリコンカーバイドで被覆される。
【0139】
従って、図10及び図11に示されるように、薄いシリコンカーバイド(炭化珪素)の膜960がアルミニウムのオーバヘッド電極125の下面の陽極酸化された面を覆う。薄いシリコンまたは炭化珪素は、プラズマが電極125のアルミニウム材料を攻撃するのを妨げる。プラズマがシリコン含有膜690から材料を除去する限りにおいて、プラズマに導入された種がプロセスを汚染することができない。何故ならば、これらの種(シリコン及びカーボン)は、プラズマ及び/又はワークピースに既に存在しており、従って、プロセスと適合しているからである。シリコンは、酸化シリコンがエッチングされている場合プラズマに存在している。カーボンは、フッ素−カーボンガスがプロセスエッチングガスとして用いられている場合、プラズマ中にある。
【0140】
他の実施例において、オーバヘッド電極は陽極酸化されず、炭化珪素膜690は電極125の純粋なアルミニウム表面上に形成される。
【0141】
同軸スタッブの同調スペースを増加すること
プラズマは、大きな抵抗性負荷インピーダンスの変化と小さなリアクティブな負荷インピーダンスの変化を示すことができる。特に、プラズマの抵抗性負荷インピーダンスは、100:1(60:1の代わりに)程度変り、一方リアクティブな負荷インピーダンスは僅かに20%だけ(35%の代わりに)変ることができる。この相違によって、同軸スタッブの特性インピーダンスは65Ω(すなわち、RF発生器の50Ωの出力インピーダンスより大きく)から30Ω(すなわち、RF発生器の出力インピーダンスより低く)まで減少させることができる。
【0142】
この減少は、効率における非常に小さな妥協で、同調スペースにおいて比例した増加を達成する。特に、同調スタッブによって整合されることができるプラズマの抵抗性負荷インピーダンスにおける変化の範囲は、同軸スタッブの特性インピーダンスの減少により、60:1から100:1へ増加される。同軸スタッブの特性インピーダンスは、その内部及び外部導体の半径により決められる。
【0143】
結果
従って、本発明は、動作状態における変化及び/又は製造許容量における変動に殆ど敏感でないプラズマリアクタを提供する。動作状態に対する感度の欠如を含むこれらの大きな利点、すなわちインピーダンス整合のための広い同調または周波数スペースは、多くのリアクタの特徴の少なくとも1つまたはそれ以上の貢献であると考えられる。これらの特徴は、容量整合を有する、または最も所望される処理プラズマのイオン密度におけるプラズマの負の容量の大きさにほぼ同調するリアクタのオーバヘッド電極、プラズマ−電極共振周波数に整合またはほぼ整合するVHFソース電極周波数の使用;VHFソース電極周波数、プラズマ−電極共振周波数、及びスタッブ共振周波数の密接な関係;プラズマ−電極共振周波数、スタッブ共振周波数及びソース電極周波数を互いにずらすこと;及びオーバヘッド電極にソース電力を結合するために、好ましくは、理想の整合位置から僅かにずらされたソース電極の入力タップを有する共振するスタッブ同調の使用を含む。
【0144】
プラズマ、スタッブ及びソース電力周波数をずらすことは、実際上、システムを離調することによってシステムの同調スペースを広くすると考えられる。スタッブ同調を用いることは、広い周波数範囲にわたって整合することによって同調スペースを広くする。理想の整合点からスタッブのタップ点160をずらすことは、更に、同調スペースを広くするためにシステムを最適化する。何故ならば、この特徴は、供給された電力が低下すると、電流を加え、そして供給された電力が増加すると、電流を減らすという効果を有するからである。高い(VHF)ソース電力周波数を使用することは、システムのQを減少し、またはソース電力周波数の増加に比例する同調スペースを増加する。更に重要なことは、この選択によって、電極−プラズマ共振がエッチングプロセスに好適なプラズマ密度でソース電力周波数に整合されることを可能にする。
【0145】
本発明は、広いプロセスウインドウにわたってプロセス状態の変化に実質上影響されないリアクタを提供するので、本発明は、(a)プロセス状態のずれの広い範囲にわたって動作し、(b)広い範囲の適用(いろいろなプロセスレシピ)にわたって有用であり、(c)それらの性能は、製造の許容度の広い範囲にわたって実際上影響されないので、リアクタからリアクタへの特性が均一である、というリアクタの三重の利点を提供する。
【0146】
結果的に、優れた結果が得られた。特に、幾つかの場合で、システムのQは約5に最小化され、同じモデルのいろいろなリアクタ間で特性及び性能の優れた均一性を得て、プロセスウインドウを向上した。1012イオン/ccのオーダーの高いプラズマ密度が僅か2kWのソース電力で一貫して達成された。
【0147】
システムは、10w程度の低いソース電力レベルで変化がなく、10mT〜200mTの圧力範囲にわたって、プラズマを維持した。VHFプラズマ及びソース電力周波数近くで共振する短絡されたインピーダンス整合同軸スタッブは、95%以上の電力効率を維持しながら寄生VHFプラズマシース高調波を短絡した。システムは、3:1より小さいソース電力のSWRを維持しながら、60:1のプラズマ抵抗性負荷の変化及び1.3〜0.75のリアクタンス性負荷の変化に適合した。
【0148】
負荷の変化に適合するためにこの増大した能力、従って拡張されたプロセスウインドウは、(a)電極125及びその導電性支持体間の誘電体値の適切な選択ばかりでなくVHFソース電力周波数の適切な選択によって、上述されたように達成された設計動作条件のもとで電極とプラズマ容量の整合;及び(b)タップ電流が低い負荷状態の下でスタッブ電流に加えられ、高い負荷状態の下でスタッブ電流から引き算される最適なタップの位置を有する特別に構成された同軸スタッブ;に大部分よっている、と考えられる。
【0149】
非常に高い電力効率は、抵抗性損失が支配する同軸スタッブにおける低い電流と高い電圧、及び容量性損失が支配する電極/プラズマにおける高い電流と低い電圧を実現するための最適なタップ位置に加えて、スタッブの共振周波数及び電極-プラズマの共振周波数間で整合を得ることにより、発生器の接続ばかりでなく、電極の接続における反射の損失を最小にする同軸スタッブによって与えられるインピーダンス変換に大部分よっている、と考えられる。全てこれらの利点は、従来のインピーダンス整合装置の必要性を避けまたは最小にしつつ、与えられる。
【0150】
誘電体及び導体のエッチングに適合した本発明の模範的な実施例を詳細に説明したが、リアクタは、いろいろなイオン密度、いろいろなプラズマソース電力レベル、いろいろなチャンバ圧力を含む、上述されたもの以外のプラズマ動作条件の選択に対しても有利である。これらの変化は、いろいろな電極容量やいろいろな電極−プラズマ共振周波数を必要とし、いろいろなプラズマ容量を生成するであろうし、従って、上述されたものとは異なるプラズマソース電力周波数及びスタッブ共振周波数を必要とするであろう。
【0151】
また、いろいろなウエハ直径及びいろいろなプラズマプロセス、例えば化学気相堆積がソース電力及びチャンバ圧力に対するいろいろな動作形態を多分有するであろう。更に、これらのいろいろな適用下において、リアクタは、一般に、上述の実施例におけるようにプロセスウインドウ及び安定性を向上するであろうと考えられる。
【0152】
コンパクトなVHF固定同調素子
図1及び図8の同軸同調スタッブは、図1から図7を参照して説明された大きな同調スペースにわたってインピーダンス整合を行なう同調素子である。しかし、その軸に沿った線形デザインのため、そのフットプリントは、プラズマリアクタチャンバのそれよりも実際に大きい。この特徴は不便であることがわかるそれらの状態において、図1と図8の同軸同調スタッブは、図12、図13及び図14に示されるように、等価なストリップライン回路によって置き換えられる。
【0153】
VHF発生器の50Ωの同軸出力コネクタの中心導体は、ストリップライン導体700に接続され、一方VHF発生器の50Ω同軸出力コネクタの外部導体は、リアクタの上部を覆うハウジング715の金属天井710に接続される。この導電性天井710は、ストリップライン導体700が面している接地面として機能する。ストリップライン導体700は、一般に断面が楕円形で、その広い側は接地面の天井710に面している。ストリップライン導体の特性インピーダンスは、接地面の天井710からの間隔によって決められる。好適には、ストリップライン導体700は、その全体の長さに沿って接地面の天井700から一様に間隔があけられている。
【0154】
模範的な実施例において、ストリップライン導体は、高さが0.125インチ(約0.318センチ)、幅が2.5インチ(6.35センチ)であり、0.5インチ(1.27センチ)だけ接地面の天井から下に配置されている。接地面の天井710に面してストリップライン導体の広い(2.5インチ)側を有することによって、電流の流れは、ストリップライン導体700の全体の2.5インチ幅を横切って分布され、それによって大部分の電流が生じる外部表面における抵抗損失を減少する。ストリップライン導体700の長さは、図1を参照して詳細に説明されたように、同軸同調スタッブ135の長さと同じ方法で決められる。
【0155】
更に、ストリップライン導体700の長さに沿ったRFタップ160の配置も、図1を参照して説明されたように、同軸スタッブ135の長さに沿ったRFタップの配置と同じ方法で決められる。最後に、オーバヘッド電極125から最も遠い、図12のストリップライン導体700の端部は、接地(グラウンド)に短絡された図1の同軸スタッブの内部導体140の対応する端部と同様である。ストリップライン導体700の場合、接地への短絡は、図13に示されるように、遠い端部700aにおいて接地面の天井710への接続によって達成される。
【0156】
図1〜図8の同軸同調スタッブ135と同様に、ストリップライン導体700は、固定された同調素子の共振周波数の1/4波長に等しい長さを有しており、この場合、ストリップライン回路は、ストリップライン導体700と接地面の天井を有している。従って、ストリップライン導体700の長さの選択は、図1〜図7を参照して説明された同軸同調スタッブ135の長さの選択と全く同じである。一つの実施例において、この長さは、約29インチ(73.66cm)であった。
【0157】
図12のRFタップ160は、図1のRFタップ160が同軸同調スタッブ135の長さに沿って対応した接続を行うように、ストリップライン導体700の長さに沿った特定の点においてVHF発生器をストリップライン回路に接続する。図12の場合、VHF発生器の出力同軸コネクタは、タップ160においてストリップライン導体に接続され、一方VHF発生器の出力同軸導体の外部導体は、ストリップライン導体へのタップの接続の上にある点において接地面の天井に接続される。
【0158】
ストリップライン導体700の長さに沿った図12のタップ点160の位置は、図1を参照して詳細に説明された同軸スタッブの長さに沿った図1のタップの位置と同じ方法で決められる。この特徴について、ストリップライン導体700と接地面の天井を有するストリップライン回路は、イッピーダンス整合スペースが理論的最適値からタップ点160を僅かにずらすことによって負荷抵抗の100:1の変化と同じだけ調整することができる、図1の同軸同調スタッブ135と同じ方法で行なう。
【0159】
図1を参照して説明したように、タップ160の理論的な最適位置は、定在波電圧と電流間の比がVHF発生器の出力インピーダンスまたはそれらの間に接続された同軸ケーブルの特性インピーダンスに等しい、同調スタッブ135の長さに沿った(または、等価的に、図12のストリップライン導体の長さに沿った)点である。図1を参照して説明された発見は、インピーダンス整合スペースが理論的な最適位置から約5%だけタップ160をずらすことによって驚くほど広げられることである。従って、図12のストリップライン導体回路は、図1の同軸同調スタッブの全ての利点及び機能を提供し、更にコンパクトであるという利点を有する。
【0160】
図8の同軸スタッブの内部導体140と同様に、図12のストリップライン導体700は、電極125に接続されるユーティリティラインを収納するための中空であり、円錐形ハウジング290の上部面290aに接続される。ストリップライン導体700(図1と図8の同軸同調スタッブ上)の利点は、ストリップライン導体700が、その必要な長さがリアクタチャンバの“フットプリント”を越えて広がらないで実現されるように、ハウジング内に円形状に広がっていることである。
【0161】
ストリップラインの長さは、同軸同調スタッブの長さが図1を参照して説明されたような決め方と同じ方法で決められる。ストリップライン導体700のインピーダンスは、セット面天井710からのその変位を調整することによって決められる。上述したように、このインピーダンスは、約30オーム、すなわちVHF発生器の出力インピーダンスより小さいように選択されるのが最良である。ストリップライン導体の長さに沿ってVHF発生器150からのタップ160の位置は、図1を参照して説明されたように、同軸同調スタッブ上のRFタップ160の位置と同じ方法で求められる。接地面の天井710と組み合わされたストリップライン導体700は、図1と図8の同軸同調スタッブと同じ機能を有し、図1を参照して説明されたと同じ性能の利点を提供する。
【0162】
図13の上面図は、ストリップライン導体700が殆ど正方形の経路(丸くされたコーナを有する)に沿って巻かれている実施例を示しているのに対し、図14は、ストリップ導体700が円形に巻かれている他の実施例を示す。
【0163】
同調素子を通して給電されるユーティリティ
図8と図12に関して説明されたように、図8の同軸スタッブの内部導体140と図12のストリップライン導体700は、いろいろなユーティリティをオーバヘッド電極へ運ぶラインを収容するために、双方とも中空である。従って、図8と図12に示されるように、外部のガス供給ライン325は、外部のガス流コントローラ800に接続され、内部のガス供給ライン345は、内部のガス流コントローラ810に接続され、光ファイバー、すなわち光パイプ685は、光学検出器687に接続され、そして加熱/冷却ライン675は、加熱/冷却源コントローラ830に接続される。
【0164】
固定同調素子135は、同軸同調スタッブ(図1と図8の実施例におけるように)またはストリップライン回路(図12と図14の実施例におけるように)の何れかである。アンテナの設計者は、RF発生器の特性出力インピーダンスと電極/プラズマの組み合わせのインピーダンス間にインピーダンス整合を与える点で、固定同調素子の両実施例によって達成される等価な機能を理解するであろう。固定同調素子の両実施例(または等価的に固定インピーダンス整合素子)は、中心導体(図12におけるストリップライン導体、または図8における内部同軸導体のいずれか)及び接地された導体(図12の接地面の天井または図8の接地された外部同軸導体)の使用を含んで、共通に構造的特徴を共有する。
【0165】
両方の場合、インピーダンス整合素子の特性インピーダンスは、2つの導体間の間隔によって決められ、一方インピーダンス整合素子への入力インピーダンスは、RF発生器への接続の中心導体に沿った位置によって決められる。また、中心導体は、中空であり、従って、ガス供給ライン及び加熱導電性流体の供給ラインのためのRFシールド導管(コンジット)として働く。最も重要な共通の特徴は、インピーダンス整合素子の両実施例は構造上物理的に固定され、従って、移動するパーツのいらない、インテリジェントなコントローラであり、これは大きな利点である。他の関連した利点は、既に説明したとおりである。従って、両実施例の固定インピーダンス整合素子は、一般に中空の中心導体を有する固定された2つの導体インピーダンス整合素子と呼ばれる。
【0166】
本発明は、いろいろな実施例を参照して詳細に説明されたけれども、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなくそれらの変化及び変更を行なうことができることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】本発明を実施するプラズマリアクタの切り欠き断面図である。
【図2(A)】図1の同軸スタッブを示す。
【図2(B)】同軸スタッブに沿った位置の関数として電圧及び電流定在波振幅を示す。
【図3】大きな整合スペースにおいてより一定の供給されたVHF電力レベルを維持するために、高いプラズマ負荷インピーダンスに応答して生じる同軸スタッブ上の入力の電力タップ点における電流の引き算を示す。
【図4】大きな整合スペースにおいてより一定の供給されたVHF電力レベルを維持するために、低いプラズマ負荷インピーダンスに応答して生じる同軸スタッブ上の入力の電力タップ点における電流の足し算を示す。
【図5】図1の実施例の周波数の関数として低いQ反射係数を示すグラフである。
【図6】スタッブの長さに沿った定在波電流と電圧を有する同軸スタッブ上の入力電力のタップ点における電流寄与の相互作用を示すグラフである。
【図7】図1の同軸スタッブの他の実施例を示す。
【図8】本発明による他の実施例を示す。
【図9】図8に相当する部分拡大図である。
【図10】図9の部分拡大図である。
【図11】図8の他の部分拡大図である。
【図12】本発明による更に他の実施例を示す。
【図13】図12に相当する上面図である。
【図14】図13のリアクタの他の実施例に相当する上面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ワークピースを処理するためのプラズマリアクタであって、
チャンバ壁を有し、前記半導体ワークピースを支持するためのワークピース支持体を含むリアクタチャンバと、
前記ワークピース支持体の上方にあり、前記チャンバ壁の一部を含み、前記ワークピース支持体にほぼ面した複数のガス注入口を有するオーバヘッド電極と、
電力発生器の周波数で電力を前記オーバヘッド電極に供給し、所望のプラズマイオン密度レベルで前記チャンバ内にプラズマを維持することができるRF電力発生器と、
前記ワークピース支持体に面している前記オーバヘッド電極の表面上に形成された絶縁層と、
を有し、
前記オーバヘッド電極は、前記電力発生器の周波数であるか、またはその近くにある電極−プラズマ共振周波数でプラズマ共振を形成するリアクタンスを有することを特徴とするプラズマリアクタ。
【請求項2】
更に、前記RF電力発生器と前記オーバヘッド電極間に容量性絶縁層を有することを特徴とする請求項1に記載のリアクタ。
【請求項3】
更に、前記ワークピース支持体から離れて面する前記オーバヘッド電極の表面を含む面上に金属フォーム層を有することを特徴とする請求項2に記載のリアクタ。
【請求項4】
更に、前記絶縁層を覆うシリコン含有コーティングを有することを特徴とする請求項1に記載のリアクタ。
【請求項5】
前記シリコン含有コーティングは、シリコンまたは炭化珪素の1つを含むことを特徴とする請求項4に記載のリアクタ。
【請求項6】
前記絶縁層は、前記ガス注入ポート内にアークが発生するのを抑圧するのに充分な容量を与えることを特徴とする請求項3に記載のリアクタ。
【請求項7】
前記容量性絶縁層は、チャンバ内のプラズマからのDC電流が前記オーバヘッド電極を通して流れるのを阻止するのに充分な容量を有することを特徴とする請求項6に記載のリアクタ。
【請求項8】
前記金属フォーム層は、前記ガス注入口内の軸電界を抑圧するのに充分な厚さであることを特徴とする請求項7に記載のリアクタ。
【請求項9】
前記オーバヘッド電極はアルミニウムであり、前記絶縁層は陽極酸化によって形成されることを特徴とする請求項2に記載のリアクタ。
【請求項10】
前記容量性絶縁層は、プラズマシースに発生される高調波に対して前記オーバヘッド電極を通して接地するように低インピーダンス路を与える容量を形成することを特徴とする請求項2に記載のリアクタ。
【請求項11】
更に、前記オーバヘッド電極へのガス入口と、
前記ガス入口と少なくとも前記ガス注入口の第1のセット間の前記オーバヘッド電極内にあるガスのバッフル層と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のリアクタ。
【請求項12】
前記ガスバッフル層は、金属フォームの層を有することを特徴とする請求項11に記載のリアクタ。
【請求項13】
更に、前記オーバヘッド電極内に加熱制御流体の通路を有することを特徴とする請求項9に記載のリアクタ。
【請求項14】
更に、前記ウエハ支持体にほぼ面する前記オーバヘッド電極における光学ウインドウと、前記ウインドウに結合され、前記オーバヘッド電極を通して延びる光搬送媒体を有することを特徴とする請求項13に記載のリアクタ。
【請求項15】
前記プラズマは、リアクタンスを有し、前記電極のリアクタンスは、前記プラズマのリアクタンスに相当することを特徴とする請求項1に記載のリアクタ。
【請求項16】
前記電極のリアクタは、前記プラズマのリアクタンスの共役であることを特徴とする請求項15に記載のリアクタ。
【請求項17】
前記プラズマのリアクタンスは負の容量を有し、前記電極の容量は前記プラズマの前記負の容量の大きさと同じ大きさであることを特徴とする請求項15に記載のリアクタ。
【請求項18】
前記RF発生器の周波数及び電極-プラズマ共振周波数は、VHF周波数であることを特徴とする請求項1に記載のリアクタ。
【請求項19】
前記プラズマリアクタンスは、前記プラズマイオン密度の関数であり、前記プラズマイオン密度は、前記リアクタの選ばれたプラズマプロセスを支持することを特徴とする請求項18に記載のリアクタ。
【請求項20】
前記プラズマプロセスは、プラズマエッチングプロセスであり、前記プラズマイオン密度は、約109イオン/ccから1012イオン/ccの範囲にあることを特徴とする請求項19に記載のリアクタ。
【請求項21】
更に、前記発生器と前記オーバヘッド電極間に接続された固定インピーダンス整合素子を有し、前記固定インピーダンス整合素子は、整合素子の共振周波数を有することを特徴とする請求項1に記載のリアクタ。
【請求項22】
前記整合素子の共振周波数及び前記電極−プラズマ共振周波数は、互いにオフセットされ、前記発生器の周波数は、前記電極−プラズマ共振周波数と前記整合素子の共振周波数の間にあることを特徴とする請求項21に記載のリアクタ。
【請求項23】
前記発生器の周波数、前記プラズマ周波数及び前記整合素子の共振周波数は、全てVHF周波数であることを特徴とする請求項22に記載のリアクタ。
【請求項24】
前記固定インピーダンス整合素子は、
前記RF電力発生器からの電力を前記オーバヘッド電極に結合するための前記オーバヘッド電極に近接するストリップラインの近端部を有し、それらの間でインピーダンス変換を与えるためのストリップライン回路を有し、
前記ストリップライン回路は、
前記オーバヘッド電極のほぼ上に、ストリップライン導体の近端部で、前記オーバヘッド電極に接続されるストリップライン導体と、
前記オーバヘッド電極の上に、接地面導体の長さに沿って前記内部導体から離間され、前記RF電力発生器のRFリターン電位に接続された接地面導体と、
前記ストリップライン導体の長さに沿って、選択された位置にあるタップと、
を有し、
前記タップは、前記ストリップライン導体と前記RF電力発生器の出力端子間に接続されていることを特徴とする請求項21に記載のリアクタ。
【請求項25】
前記接地面導体は、前記オーバヘッド電極の上にあるハウジングの天井を有し、前記ストリップライン導体は、前記ハウジン内の巻線路に沿って、前記天井の下に形成されることを特徴とする請求項24に記載のリアクタ。
【請求項26】
前記ストリップライン導体は、中空であり、前記リアクタは、さらに、プロセスガスを前記オーバヘッド電極における前記注入オリフィスに供給するための前記中空ストリップライン導体を通して延びるガス供給ラインを有することを特徴とする請求項25に記載のリアクタ。
【請求項27】
更に、熱伝導流体の流れを収容するための、前記オーバヘッド電極内またはオーバヘッド電極上にある流体通路と、
熱伝導流体を流体通路に供給するための前記中空ストリップライン導体を通して延びる流体供給ラインと、
を有することを特徴とする請求項25に記載のリアクタ。
【請求項28】
更に、前記ストリップライン導体の遠端部において前記接地面導体に接続された短絡導体を有することを特徴とする請求項24に記載のリアクタ。
【請求項29】
前記近端部と遠端部間の前記ストリップライン導体の長さは、前記ストリップライン回路の前記整合素子の共振周波数の4分の1の倍数に等しいことを特徴とする請求項25に記載のリアクタ。
【請求項30】
前記倍数は、2であり、それにより前記ストリップライン導体の前記長さは、前記整合素子の共振周波数の2分の1波長であることを特著とする請求項29に記載のリアクタ。
【請求項31】
前記RF電力発生器の前記周波数、前記整合素子の共振周波数、及び前記電極−プラズマ共振周波数は、全て互いにオフセットされたVHF周波数であることを特徴とする請求項30に記載のリアクタ。
【請求項32】
前記選択された位置は、前記ストリップライン回路における定在波電圧と定在波電流間の比が前記RF電力発生器の出力インピーダンスに少なくともほぼ等しい前記ストリップライン導体の長さに沿った位置であることを特徴とする請求項25に記載のリアクタ。
【請求項33】
前記タップの前記選択された位置は、前記比が前記出力インピーダンスに等しい理想的な位置からシフトされており、前記シフトは、前記オーバヘッド電極における負荷インピーダンスが通常のレベル以下に減少する場合には前記タップにおいて電流の追加を実現し、前記オーバヘッド電極における付加インピーダンスが通常のレベル以上に増加した場合には前記タップにおける電流の減少を実現するのに十分であることを特徴とする請求項25に記載のリアクタ。
【請求項34】
前記理想的な位置からのシフトは、前記RF発生器のVHF周波数の一波長の約5%であることを特徴とする請求項33に記載のリアクタ。
【請求項35】
前記理想的な位置からのシフトは、抵抗性整合スペースにおいて少なくとも6:1の増加が実現されるものであることを特徴とする請求項24に記載のリアクタ。
【請求項36】
前記ストリップライン回路の特性インピーダンスは、前記RF電力発生器の出力インピーダンスより約30%未満であることを特徴とする請求項24に記載のリアクタ。
【請求項37】
前記ストリップライン回路は、前記RF電力発生器の出力インピーダンスより小さな特性インピーダンスを有することを特徴とする請求項21に記載のリアクタ。
【請求項38】
更に、オーバヘッド電極と前記チャンバ壁の残りの部分間に絶縁シールを有し、前記絶縁シールの誘電率と前記オーバヘッド電極の面積は、前記チャンバにおける前記プラズマは前記電極−プラズマ共振周波数で前記オーバヘッド電極と共振するものであることを特徴とする請求項21に記載のリアクタ。
【請求項39】
前記ストリップライン導体は、楕円形の断面形状を有し、前記ストリップライン導体の前記楕円形状の主面は、前記接地面導体に面していることを特徴とする請求項25に記載のリアクタ。
【請求項40】
更に、HF周波数のバイアス電力発生器、及び前記HF周波数のバイアス電力発生器と前記ウエハ支持体間に接続されたインピーダンス整合回路を有し、前記電極に接続された前記RF電力発生器の周波数、前記電極−プラズマ共振周波数及び前記整合素子の共振周波数はVHF周波数であることを特徴とする請求項21に記載のリアクタ。
【請求項41】
前記ウエハ支持体は、前記オーバヘッド電極から前記チャンバへ結合されたVHF電力に対してRFリターン路を与えることを特徴とする請求項40に記載のリアクタ。
【請求項42】
更に、前記オーバヘッド電極と前記ストリップライン導体間に薄い絶縁層を有し、前記薄い絶縁層は、前記チャンバ内のプラズマから前記オーバヘッド電極をとおるDC電流の流れを阻止するために充分な容量を与えることを特徴とする請求項40に記載のリアクタ。
【請求項43】
前記薄い絶縁層によって与えられた容量は、前記オーバヘッド電極を通して前記ストリップライン導体へ、前記チャンバからの電流の流れに対して選択されたHF周波数で共振を形成することを特徴とする請求項42に記載のリアクタ。
【請求項44】
前記共振の前記選択されたHF周波数は、前記HFバイアス電力発生器の基本周波数のプラズマシース生成された高調波に等しいことを特徴とする請求項43に記載のリアクタ。
【請求項45】
更に、前記ウエハの周囲を囲む半導電性環状リングを有し、前記リングは、前記オーバヘッド電極から前記チャンバへ結合されたVHF電極に示された実効リターン電極面積を拡張することを特徴とする請求項22に記載のリアクタ。
【請求項46】
更に、前記リングを支持し、前記チャンバ壁から前記リングを絶縁する絶縁リングを有し、前記リングの誘電率は、前記ウエハ支持体と前記半導電性リング間のVHF電極リターン電流の分配を決定することを特徴とする請求項45に記載のリアクタ。
【請求項47】
前記オーバヘッド電極から前記チャンバへ結合されたVHF電力に対する前記実効リターン電極面積は、前記オーバヘッド電極の面積を越えることを特徴とする請求項46に記載のリアクタ。
【請求項48】
前記オーバヘッド電極の、前記ストリップライン回路との組み合わせは、前記ウエハ支持体から前記チャンバへ結合されたHF電力に対してRFリターン路を与え、前記オーバヘッド電極は、前記ウエハ支持体の面積より大きな面積を有することを特徴とする請求項25に記載のリアクタ。
【請求項49】
更に、前記オーバヘッド電極と前記固定されたインピーダンス整合素子間に容量性素子を有し、前記容量性素子は、前記プラズマと前記固定されたインピーダンス整合素子間にDC絶縁を与えるのに充分な容量を有することを特徴とする請求項48に記載のリアクタ。
【請求項50】
前記容量性素子の前記容量は、選択されたHF周波数で前記RFリターン路の共振をすることを特徴とする請求項49に記載のリアクタ。
【請求項51】
前記周波数は、前記バイアス電極発生器の基本波の高調波であることを特徴とする請求項49に記載のリアクタ。
【請求項52】
半導体ワークピースを処理するためのプラズマリアクタであって、
チャンバ壁を有し、前記半導体ワークピースを支持するためのワークピース支持体を含むリアクタチャンバと、
前記ワークピース支持体の上方にあり、前記チャンバ壁の一部を有するオーバヘッド電極と、
RF電力発生器の周波数で電力をオーバヘッド電極に供給し、所望のプラズマイオン密度レベルで前記チャンバ内にプラズマを維持することができるRF電力発生器と、前記オーバヘッド電極は、前記オーバヘッド電極と前記所望のプラズマイオン密度で前記チャンバ内に形成されるプラズマが共に電極共振周波数で共振するように容量を有し、且つ前記電力発生器の前記周波数は、前記電極−プラズマ共振周波数の少なくとも近くにあり、
前記ワークピースの支持体に面している前記オーバヘッド電極の表面上に形成された絶縁層と、
前記RF電力発生器と前記オーバヘッド電極間の容量性絶縁層と、
前記ワークピースの支持体から離れて面する前記オーバヘッド電極の表面上にあって、接している金属フォーム層と、
を有することを特徴とするリアクタ。
【請求項53】
前記絶縁層は、ガス注入ポート内に発生するアークを抑圧するのに充分な容量を与え、
前記容量性絶縁層は、前記チャンバ内のプラズマからのDC電流が前記オーバヘッド電極を通して流れるのを阻止するために、充分な容量を有しており、且つ
前記金属フォームは、前記ガス注入のオリフェス内の軸電解を抑圧するのに充分な厚さであることをと特徴とする請求項52に記載のリアクタ。
【請求項54】
更に、前記絶縁層を覆うシリコン含有コーティングを有することを特徴とする請求項53に記載のリアクタ。
【請求項55】
前記シリコン含有コーティングは、シリコンまたは炭化珪素の一方を有することを特徴とする請求項54に記載のリアクタ。
【請求項56】
更に、前記発生器と前記オーバヘッド電極間に接続された固定インピーダンス整合素子を有し、前記固定インピーダンス整合素子は、整合素子の共振周波数を有することを特徴とする請求項53に記載のリアクタ。
【請求項57】
前記固定インピーダンス整合素子は、ストリプライン回路を有することを特徴とする請求項56に記載のリアクタ。
【請求項58】
前記固定インピーダンス整合素子は、同軸同調スタッブを有することを特徴とする請求項56に記載のリアクタ。
【請求項59】
前記発生器の前記周波数は、前記電極−プラズマ共振周波数と前記整合素子共振周波数間にあることを特徴とする請求項56に記載のリアクタ。
【請求項60】
前記周波数の各々は、VHF周波数であることを特徴とする請求項39に記載のリアクタ。
【請求項61】
半導体ワークピースを処理するためのプラズマリアクタであって、
チャンバ壁を有し、前記半導体ワークピースを支持するためのワークピース支持体を含むリアクタチャンバと、
前記ワークピース支持体の上方にあり、前記チャンバ壁の一部を有するオーバヘッド電極と、
所望のプラズマイオン密度で前記チャンバ内にプラズマを維持するために前記オーバヘッド電極に電力を供給することができるRF電力発生器と、
前記RF電力発生器から前記オーバヘッド電極へ電力を結合するための、及びそれらの間にインピーダンス変換を与えるための、前記オーバヘッド電極に近接する近端部を有するストリップライン回路と、
を備え、
前記ストリップライン回路は、
前記オーバヘッド電極のほぼ上で、その近端部において前記オーバヘッド電極に接続されるストリップライン導体と、
前記オーバヘッド電極上で、内部導体の長さに沿って内部導体から離間し、且つ前記RF電力発生器のRFリターン電位に接続される接地面導体と、
前記ストリップライン導体の長さに沿った選択された位置にあり、前記ストリップ導体と前記RF電力発生器の出力端子間に接続されたタップと、
を有することを特徴とするリアクタ。
【請求項62】
更に、前記ストリップライン導体の遠端部において前記接地面導体に接続された短絡導体を有し、それにより前記ストリップライン回路の前記遠端部は電気な短絡であることを特徴とする請求項61に記載のリアクタ。
【請求項63】
前記ストリップライン回路は、ストリップライン回路の共振周波数を有し、且つ前記近端部と前記遠端部間の前記ストリップライン導体の長さは、ストリップライン共振周波数の四分の一波長の倍数に等しいことを特徴とする請求項62に記載のリアクタ。
【請求項64】
前記倍数は、2であり、それにより前記ストリップライン導体の長さは、前記ストリップライン回路の共振周波数の二分の一波長であることを特徴とする請求項63に記載のリアクタ。
【請求項65】
前記RF電力発生器は、VHF周波数のVHF電力信号を発生し、前記ストリップライン回路の共振周波数は、前記発生器のVHF周波数からオフセットされたVHF周波数であることを特徴とする請求項63に記載のリアクタ。
【請求項66】
前記オーバヘッド電極は、前記電極と前記選択されたプラズマイオン密度で前記プラズマがVHF電極−プラズマ共振周波数で共に共振するような容量を有し、前記発生器のVHF周波数は、前記電極−プラズマ共振周波数と前記ストリップライン回路の共振周波数の間にあることを特徴とする請求項65に記載のリアクタ。
【請求項67】
前記選択された位置は、前記ストリップライン回路における定在波電圧と定在波電流間の比が前記RF電力発生器の出力インピーダンスに少なくともほぼ等しい位置であることを特徴とする請求項61に記載のリアクタ。
【請求項68】
前記タップの前記選択された位置は、前記比が前記出力インピーダンスに等しい理想的な位置からシフトされており、前記シフトは、前記オーバヘッド電極における負荷インピーダンスが通常のレベル以下に減少する場合には前記タップにおいて電流の追加を実現し、前記オーバヘッド電極における付加インピーダンスが通常のレベル以上に増加した場合には前記タップにおける電流の減少を実現するのに十分であることを特徴とする請求項25に記載のリアクタ。
【請求項69】
前記理想的な位置からのシフトは、前記ストリップライン回路の共振周波数の1は長の約5%であることを特徴とする請求項68に記載のリアクタ。
【請求項70】
前記理想的な位置からのシフトは、抵抗性整合スペースにおいて少なくとも6:1の増加が実現されるものであることを特徴とする請求項68に記載のリアクタ。
【請求項71】
前記ストリップライン回路の前記特性インピーダンスは、前記RF電力発生器の出力インピーダンスより約30%少ないことを特徴とする請求項61に記載のリアクタ。
【請求項72】
前記ストリップライン回路は、前記RF電極発生器の出力インピーダンスより小さい特性インピーダンスを有することを特徴とする請求項61に記載のリアクタ。
【請求項73】
更に、前記オーバヘッド電極と前記チャンバ壁の残りの部分間に絶縁シールを有し、前記絶縁シールの誘電率と前記オーバヘッド電極の面積は、前記選択されたプラズマイオン密度のプラズマと前記オーバヘッド電極がVHF電極−プラズマ共振周波数で共に共振するものであることを特徴とする請求項61に記載のリアクタ。
【請求項74】
更に、HF周波数のバイアス電力発生器と、前記HF周波数のバイアス電力発生器と前記ウエハ支持体間に接続されたインピーダンス整合回路を有することを特徴とする請求項61に記載のリアクタ。
【請求項75】
前記ウエハ支持体は、前記オーバヘッド電極から前記チャンバへ結合されたVHF電力に対してRFリターン路を与えることを特徴とする請求項74に記載のリアクタ。
【請求項76】
更に、前記ウエハの周囲を囲む半導電性環状リングを有し、前記リングは、前記オーバヘッド電極から前記チャンバへ結合されたVHF電力に与えられた実効リターン電極面積を拡大することを特徴とする請求項75に記載されたリアクタ。
【請求項77】
更に、前記リングを支持し、前記チャンバ壁から前記リングを絶縁する絶縁環状体を有し、前記リングの誘電率は、前記ウエハ支持体と前記半導電性リング間にVHF電力のリターン電流の分配を決定することを特徴とする請求項76に記載のリアクタ。
【請求項78】
前記オーバヘッド電極から前記チャンバへ結合されたVHF電力に対する実効リターン電極面積は、前記オーバヘッド電極の面積を越えることを特徴とする請求項76に記載のリアクタ。
【請求項79】
前記オーバヘッド電極は、前記ストリップライン回路と共に、前記ウエハ支持体から前記チャンバへ結合されたHF電力に対してRFリターン路を与え、前記オーバヘッド電極は、前記ウエハ支持体の面積より大きな面積を有することを特徴とする請求項61に記載のリアクタ。
【請求項80】
更に、ストリップライン導体と前記オーバヘッド電極間に分離キャパシター絶縁体を有し、前記キャパシターは、前記RFリターン路におけるHF共振とVHF周波数における短絡回路を与えることを特徴とする請求項79に記載のリアクタ。
【請求項81】
前記HF共振は、前記RF電力発生器の基本周波数における共振であることを特徴とする請求項80に記載のリアクタ。
【請求項82】
前記HF共振は、前記RFバイアス電力発生器の基本周波数のプラズマシース生成高調波に共振することを特徴とする請求項80に記載のリアクタ。
【請求項83】
前記高調波は、第2高調波であることを特徴とする請求項80に記載のリアクタ。
【請求項84】
プラズマリアクタチャンバ内で半導体ウエハを処理する方法であって、
電極容量を有するオーバヘッド電極とVHF電力発生器を備えるステップと、
前記VHF電力発生器を、VHFストリップライン回路の周波数の約4分1波長の倍数のストリップライン導体長を有し、その一方の端部において前記オーバヘッド電極に接続され、且つそれに沿ったタップ点において前記VHF電力発生器に接続されるインピーダンス整合ストリップライン回路を介してオーバヘッド電極に結合するステップと、
プラズマと前記電極が共に前記VHF電力発生器のVHF周波数の少なくとも近いVHF周波数で共振する傾向を示すプラズマ密度を維持するために、前記オーバヘッド電極に前記VHF電極発生器からの電力量を加えるステップと、
を有する方法。
【請求項85】
前記プラズマ密度は、109〜1012イオン/cm3の範囲にあることを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記電力を加えるステップは、前記プラズマの負の容量を前記電極の容量に整合することを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項87】
更に、定在波電圧と定在波電流の比が前記VHF発生器の出力インピーダンスに等しくなる前記ストリップライン回路の長さに沿った軸位置の少なくとも近くに前記タップを位置するステップを有することを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項88】
前記位置するステップは、前記ストリップライン回路によって与えられるインピーダンス整合の抵抗性整合スペースにおける著しい増加を実現する量によって前記軸位置から僅かにオフセットされる位置に前記タップを位置するステップを有することを特徴とする請求項87の方法。
【請求項89】
前記著しい増加は、6:1の増加のオーダであることを特徴とする請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記位置は、前記VHF発生器の波長の約5%だけオフセットされることを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記VHF発生器のVHF周波数は、前記プラズマVHF周波数と前記ストリップライン回路のVHF周波数の間にあることを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項92】
前記倍数は、2であり、前記ストリップライン回路の長さは、前記スタッブ周波数の約2分の1波長であることを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項93】
半導体ワークピースを処理するためのプラズマリアクタであって、
チャンバ壁を有し、半導体ワークピースを支持するためのワークピース支持体を含むリアクタチャンバと、
前記ワークピース支持体の上方にあるオーバヘッド電極と、
RF電力発生器、及び前記オーバヘッド電極と前記RF電力発生器間に結合されたインピーダンス整合素子と、
前記ワークピース支持体に面している前記オーバヘッド電極の表面上に形成された絶縁層と、
前記インピーダンス整合素子と前記オーバヘッド電極間の容量性絶縁層と、
前記ワークピース支持体から離れて面している前記オーバヘッド電極の表面上にあって、接触している金属フォーム層と、
を有することを特徴とするリアクタ。
【請求項94】
前記絶縁層は、ガス注入ポート内にアークが発生するのを抑圧するのに充分な容量を与え、
前記容量性絶縁層は、前記RF電力発生器の周波数で定インピーダンス路を与えるけれども、前記チャンバ内のプラズマからのDC電流が前記オーバヘッド電極と通して流れるのを阻止するために、充分な容量を有し、且つ
前記金属フォームは、前記ガス注入のオリフィス内の軸状電界を抑圧するために充分な厚さであることを特徴とする請求項93に記載のリアクタ。
【請求項95】
更に、前記絶縁層を覆うシリコン含有コーティングを有することを特徴とする請求項93に記載のリアクタ。
【請求項96】
前記シリコン含有コーティングは、シリコンまたは炭化珪素の一方を有することを特徴とする請求項95に記載のリアクタ。
【請求項97】
前記インピーダンス整合素子は、ストリップライン回路を有することを特徴とする請求項93に記載のリアクタ。
【請求項98】
前記インピーダンス整合素子は、同軸同調スタッブを有することを特徴とする請求項93に記載のリアクタ。
【請求項99】
前記ストリップライン回路は、前記RF電力発生器に接続され、前記オーバヘッド電極上の前記容量性絶縁層まで延びている中空ストリップライン導体を有し、且つ前記リアクタは、更に、前記中空のストリップライン導体を通して延び、前記オーバヘッド電極の前記ガス注入オリフィスに結合されている少なくとも1つのガス供給ラインを有することを特徴とする請求項97に記載のリアクタ。
【請求項100】
前記同軸同調スタッブは、前記RF電力に接続され、前記オーバヘッド電極上の前記容量性絶縁層まで延びている中空ストリップライン導体を有し、且つ前記リアクタは、更に、前記中空内部導体を通して延び、前記オーバヘッド電極の前記ガス注入オリフィスに結合されている少なくとも1つのガス供給ラインを有することを特徴とする請求項98に記載のリアクタ。
【請求項101】
半導体ワークピースを処理するためのプラズマリアクタであって、
チャンバ壁を有し、半導体ワークピースを支持するためのワークピース支持体を含むリアクタチャンバと、
前記ワークピース支持体の上方にあるオーバヘッド電極と、前記電極は、電極内に前記ワークピース支持体にほぼ面している複数のガス注入オリフィスを有し、
RF電力発生器、及び前記オーバヘッド電極と前記RF電力発生器間に結合されたインピーダンス整合素子と、前記インピーダンス整合素子は、前記RF電力発生に接続され、且つ前記オーバヘッド電極に結合された中空の中心導体を有し、
前記ガス注入オリフィスに結合され、前記中空中心導体を通して延びる少なくとも1つのガス供給ラインを有し、それにより、前記が供給ラインは、前記中空の中心導体によって電気的にシールドされることを特徴とするリアクタ。
【請求項102】
前記インピーダンス整合素子は、ストリップライン回路と、ストリップライン導体を有する前記中空の中心導体とを有することを特徴とする請求項101に記載のリアクタ。
【請求項103】
前記インピーダンス整合素子は、同軸同調スタッブを有し、且つ前記中空の中心導体は、内部同軸導体を有することを特徴とする請求項101に記載のリアクタ。
【請求項104】
更に、前記オーバヘッド電極内の光学窓と、
光導管の一端において、前記窓に接続され、前記インピーダンス整合素子の前記中空の中心導体を通して延びる光導管と、
を有することを特徴とする請求項101に記載のリアクタ。
【請求項105】
更に、光導管の反対側において前記光導管に接続された光学検出器を有することを特徴とする請求項104に記載のリアクタ。
【請求項106】
前記光導管は、光ファイバを有することを特徴とする請求項104に記載のリアクタ。
【請求項107】
半導体ワークピースを処理するためのプラズマリアクタであって、
チャンバ壁を有し、半導体ワークピースを支持するためのワークピース支持体を含むリアクタチャンバと、
前記ワークピース支持体の上方にあるオーバヘッド電極と、前記電極は、電極内に前記ワークピース支持体にほぼ面している複数のガス注入オリフィスを有し、
RF電力発生器、及び前記オーバヘッド電極と前記RF電力発生器間に結合されたインピーダンス整合素子を備え、前記インピーダンス整合素子は、前記RF電力発生に接続され、且つ前記オーバヘッド電極に結合された中空の中心導体を有し、
前記オーバヘッド電極内の光学窓と、
光導管の一端において、前記窓に接続され、前記インピーダンス整合素子の前記中空の中心導体を通して延びる光導管と、
を有することを特徴とするリアクタ。
【請求項108】
更に、前記光導管の反対側において、前記光導管に接続された光検出機を有することを特徴とする請求項107に記載のリアクタ。
【請求項109】
前記光導管は、光ファイバを有することを特徴とする請求項108に記載のリアクタ。
【請求項110】
前記インピーダンス整合素子は、ストリップライン回路と、ストリップライン導体を有する前記中空の中心導体とを有することを特徴とする請求項107に記載のリアクタ。
【請求項111】
前記インピーダンス整合素子は、同軸同調スタッブを有し、且つ前記中空の中心導体は、内部同軸導体を有することを特徴とする請求項107に記載のリアクタ。
【請求項112】
半導体ワークピースを処理するためのプラズマリアクタであって、
チャンバ壁を有し、半導体ワークピースを支持するためのワークピース支持体を含むリアクタチャンバと、
前記ワークピース支持体の上方にあるオーバヘッド電極と、前記電極は、電極内に前記ワークピース支持体にほぼ面している複数のガス注入オリフィスを有し、
RF電力発生器、及び前記オーバヘッド電極と前記RF電力発生器間に結合されたインピーダンス整合素子を備え、前記インピーダンス整合素子は、前記RF電力発生に接続され、且つ前記オーバヘッド電極に結合された中空の中心導体を有し、
前記オーバヘッド電極上にある金属フォーム層と、
前記中心導体と前記オーバヘッド電極間の容量性絶縁層と、
を有することを特徴とするリアクタ。
【請求項113】
前記容量性絶縁層は、前記プラズマからのDC電流を阻止するのに充分な容量を有することを特徴とする請求項112に記載のリアクタ。
【請求項114】
更に、前記オーバヘッド電極内に加熱制御流体の通路を有することを特徴とする請求項112に記載のリアクタ。
【請求項115】
更に、前記ウエハ支持体にほぼ面する前記オーバヘッド電極に光学窓と、前記窓に結合され、前記オーバヘッド電極を通して延びる光搬送媒体を有することを特徴とする請求項112に記載のリアクタ。
【請求項116】
半導体ワークピースを処理するためのプラズマリアクタであって、
チャンバ壁を有し、半導体ワークピースを支持するためのワークピース支持体を含むリアクタチャンバと、
前記ワークピース支持体の上方にあるオーバヘッド電極と、前記電極は、電極内に前記ワークピース支持体にほぼ面している複数のガス注入オリフィスを有し、
RF電力発生器、及び前記オーバヘッド電極と前記RF電力発生器間に結合されたインピーダンス整合素子と、
前記ワークピース支持体に面している前記オーバヘッド電極の表面上に形成された絶縁層と、
前記RF電力発生器と前記オーバヘッド電極間に容量性絶縁層を有し、それにより、前記オーバヘッド電極は、前記プラズマからと前記RF電力発生器から容量的に分離されることを特徴とするリアクタ。
【請求項117】
半導体ワークピースを処理するためのプラズマリアクタであって、
チャンバ壁を有し、半導体ワークピースを支持するためのワークピース支持体を含むリアクタチャンバと、
前記ワークピース支持体の上方にあるオーバヘッド電極と、前記電極は、電極内に前記ワークピース支持体にほぼ面する複数のガス注入オリフィスを有し、
VHF電力発生器、及び前記オーバヘッド電極と前記RF電力発生器間に結合されたインピーダンス整合素子と、
前記ワークピース支持体に結合されたHFバイアス電力発生器と、
前記RF電力発生器と前記オーバヘッド電極間に、前記HFバイアス電力発生器のHF周波数の少なくとも近くで共振し、VHF周波数で無視できるインピーダンスを有する前記オーバヘッド電極に、前記プラズマからのRFリターン路を与える容量を有する容量性絶縁層と、
を有することを特徴とするリアクタ。
【請求項118】
前記インピーダンス整合素子は、ストリップライン回路と、ストリップライン導体を有する前記中空の中心導体とを有することを特徴とする請求項117に記載のリアクタ。
【請求項119】
前記インピーダンス整合素子は、同軸同調スタッブを有し、且つ前記中空の中心導体は、内部同軸導体を有することを特徴とする請求項118に記載のリアクタ。
【請求項120】
半導体ワークピースを処理するためのプラズマリアクタであって、
チャンバ壁を有し、半導体ワークピースを支持するためのワークピース支持体を含むリアクタチャンバと、
前記ワークピース支持体上にあるオーバヘッド電極と、前記電極は、電極内に前記ワークピース支持体にほぼ面している複数のガス注入オリフィスを有し、前記オリフィスは、放射状の内側グループと放射状の外側グループを有しており、
VHF電力発生器、及び前記オーバヘッド電極と前記RF電力発生器間に結合されたインピーダンス整合素子と、
前記オリフィスの放射状の内側と外側のグループのそれぞれ一方に結合された、前記オーバヘッド電極内の放射状の内側と外側のガスバッフル層と、
前記放射状の内側と外側のガスバッフル層のそれぞれに結合された第1と第2のガス供給ラインと、前記第1と第2のガス供給ラインは、放射状の内側と外側の位置におけるガスの流速を別々に調整するための独立して調整可能なプロセスガス源に接続可能であることを特徴とするリアクタ。
【請求項121】
前記インピーダンス整合素子は、その一端において前記RF電力発生器に接続され、またその他端において前記オーバヘッド電極に結合された中空の中心導体を含み、前記第1と第2のガス供給ラインは、前記中空の中心導体を通過することを特徴とする請求項120に記載のリアクタ。
【請求項122】
前記インピーダンス整合素子は、同軸スタッブを有し、且つ前記中心導体は、放射状の内側同軸導体を有することを特徴とする請求項121に記載のリアクタ。
【請求項123】
前記インピーダンス整合素子は、ストリップライン回路を有し、且つ前記中心導体はストリップライン導体を有することを特徴とする請求項121に記載のリアクタ。
【請求項124】
前記放射状の内側と外側のガスバッフル層は、金属フォーム材料を有することを特徴とする請求項120に記載のリアクタ。
【請求項125】
半導体ワークピースを処理するプラズマリアクタであって、
チャンバ壁を有し、前記半導体ワークピースを支持するためのワークピース支持体を含むリアクタチャンバと、
前記ワークピース支持体の上方にあるオーバヘッド電極と、前記電極には、前記ワークピース支持体にほぼ面している絶縁表面と複数のガス注入オリフィスが設けられ、
前記発生器の周波数の電力を前記オーバヘッド電極に供給し、所望のプラズマイオン密度レベルで前記チャンバ内にプラズマを維持することができるRF電力発生器と、
前記発生器と前記オーバヘッド電極間に接続された固定インピーダンス整合素子と、
前記整合素子と前記オーバヘッド電極間の容量性絶縁層と、
前記ワークピース支持体から離れて面している前記オーバヘッド電極の表面上にあって、接触している金属フォーム層と、
を有することを特徴とするリアクタ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ワークピースを処理するためのプラズマリアクタであって、
チャンバ壁を有し、前記半導体ワークピースを支持するためのワークピース支持体を含むリアクタチャンバと、
前記ワークピース支持体の上方にあり、前記チャンバ壁の一部を含み、前記ワークピース支持体にほぼ面した複数のガス注入口を有するオーバヘッド電極と、
電力発生器の周波数で電力を前記オーバヘッド電極に供給し、所望のプラズマイオン密度レベルで前記チャンバ内にプラズマを維持することができるRF電力発生器と、
前記ワークピース支持体に面している前記オーバヘッド電極の表面上に形成された絶縁層と、
を有し、
前記オーバヘッド電極は、前記電力発生器の周波数であるか、またはその近くにある電極−プラズマ共振周波数でプラズマ共振を形成するリアクタンスを有することを特徴とするプラズマリアクタ。
【請求項2】
更に、前記RF電力発生器と前記オーバヘッド電極間に容量性絶縁層を有することを特徴とする請求項1に記載のリアクタ。
【請求項3】
更に、前記ワークピース支持体から離れて面する前記オーバヘッド電極の表面を含む面上に金属フォーム層を有することを特徴とする請求項2に記載のリアクタ。
【請求項4】
更に、前記絶縁層を覆うシリコン含有コーティングを有することを特徴とする請求項1に記載のリアクタ。
【請求項5】
前記シリコン含有コーティングは、シリコンまたは炭化珪素の1つを含むことを特徴とする請求項4に記載のリアクタ。
【請求項6】
前記絶縁層は、前記ガス注入ポート内にアークが発生するのを抑圧するのに充分な容量を与えることを特徴とする請求項3に記載のリアクタ。
【請求項7】
前記容量性絶縁層は、チャンバ内のプラズマからのDC電流が前記オーバヘッド電極を通して流れるのを阻止するのに充分な容量を有することを特徴とする請求項6に記載のリアクタ。
【請求項8】
前記金属フォーム層は、前記ガス注入口内の軸電界を抑圧するのに充分な厚さであることを特徴とする請求項7に記載のリアクタ。
【請求項9】
前記オーバヘッド電極はアルミニウムであり、前記絶縁層は陽極酸化によって形成されることを特徴とする請求項2に記載のリアクタ。
【請求項10】
前記容量性絶縁層は、プラズマシースに発生される高調波に対して前記オーバヘッド電極を通して接地するように低インピーダンス路を与える容量を形成することを特徴とする請求項2に記載のリアクタ。
【請求項11】
更に、前記オーバヘッド電極へのガス入口と、
前記ガス入口と少なくとも前記ガス注入口の第1のセット間の前記オーバヘッド電極内にあるガスのバッフル層と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のリアクタ。
【請求項12】
前記ガスバッフル層は、金属フォームの層を有することを特徴とする請求項11に記載のリアクタ。
【請求項13】
更に、前記オーバヘッド電極内に加熱制御流体の通路を有することを特徴とする請求項9に記載のリアクタ。
【請求項14】
更に、前記ウエハ支持体にほぼ面する前記オーバヘッド電極における光学ウインドウと、前記ウインドウに結合され、前記オーバヘッド電極を通して延びる光搬送媒体を有することを特徴とする請求項13に記載のリアクタ。
【請求項15】
前記プラズマは、リアクタンスを有し、前記電極のリアクタンスは、前記プラズマのリアクタンスに相当することを特徴とする請求項1に記載のリアクタ。
【請求項16】
前記電極のリアクタは、前記プラズマのリアクタンスの共役であることを特徴とする請求項15に記載のリアクタ。
【請求項17】
前記プラズマのリアクタンスは負の容量を有し、前記電極の容量は前記プラズマの前記負の容量の大きさと同じ大きさであることを特徴とする請求項15に記載のリアクタ。
【請求項18】
前記RF発生器の周波数及び電極-プラズマ共振周波数は、VHF周波数であることを特徴とする請求項1に記載のリアクタ。
【請求項19】
前記プラズマリアクタンスは、前記プラズマイオン密度の関数であり、前記プラズマイオン密度は、前記リアクタの選ばれたプラズマプロセスを支持することを特徴とする請求項18に記載のリアクタ。
【請求項20】
前記プラズマプロセスは、プラズマエッチングプロセスであり、前記プラズマイオン密度は、約109イオン/ccから1012イオン/ccの範囲にあることを特徴とする請求項19に記載のリアクタ。
【請求項21】
更に、前記発生器と前記オーバヘッド電極間に接続された固定インピーダンス整合素子を有し、前記固定インピーダンス整合素子は、整合素子の共振周波数を有することを特徴とする請求項1に記載のリアクタ。
【請求項22】
前記整合素子の共振周波数及び前記電極−プラズマ共振周波数は、互いにオフセットされ、前記発生器の周波数は、前記電極−プラズマ共振周波数と前記整合素子の共振周波数の間にあることを特徴とする請求項21に記載のリアクタ。
【請求項23】
前記発生器の周波数、前記プラズマ周波数及び前記整合素子の共振周波数は、全てVHF周波数であることを特徴とする請求項22に記載のリアクタ。
【請求項24】
前記固定インピーダンス整合素子は、
導体の近端部で、前記オーバヘッド電極に接続される導体と、
前記導体の長さに沿って、選択された位置にあるタップと、
を有し、
前記タップは、前記導体と前記RF電力発生器の出力端子間に接続されていることを特徴とする請求項21に記載のリアクタ。
【請求項25】
更に、前記導体の遠端部において接地された短絡導体を有することを特徴とする請求項24に記載のリアクタ。
【請求項26】
前記近端部と遠端部間の前記導体の長さは、前記固定インピーダンス整合素子の共振周波数の4分の1の倍数に等しいことを特徴とする請求項25に記載のリアクタ。
【請求項27】
前記RF電力発生器の前記周波数、前記整合素子の共振周波数、及び前記電極−プラズマ共振周波数は、全て互いにオフセットされたVHF周波数であることを特徴とする請求項26に記載のリアクタ。
【請求項28】
前記選択された位置は、前記固定インピーダンス整合素子における定在波電圧と定在波電流間の比が前記RF電力発生器の出力インピーダンスに少なくともほぼ等しい前記導体の長さに沿った位置であることを特徴とする請求項24に記載のリアクタ。
【請求項29】
前記タップの前記選択された位置は、前記比が前記出力インピーダンスに等しい理想的な位置からシフトされており、前記シフトは、前記オーバヘッド電極における負荷インピーダンスが通常のレベル以下に減少する場合には前記タップにおいて電流の追加を実現し、前記オーバヘッド電極における付加インピーダンスが通常のレベル以上に増加した場合には前記タップにおける電流の減少を実現するのに十分であることを特徴とする請求項24に記載のリアクタ。
【請求項30】
前記理想的な位置からのシフトは、前記RF発生器のVHF周波数の一波長の約5%であることを特徴とする請求項29に記載のリアクタ。
【請求項31】
前記理想的な位置からのシフトは、抵抗性整合スペースにおいて少なくとも6:1の増加が実現されるものであることを特徴とする請求項30に記載のリアクタ。
【請求項32】
前記固定インピーダンス整合素子は、ストリプライン回路を有することを特徴とする請求項24に記載のリアクタ。
【請求項33】
前記固定インピーダンス整合素子は、同軸同調スタッブを有することを特徴とする請求項24に記載のリアクタ。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2(B)】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公表番号】特表2006−502529(P2006−502529A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−555872(P2003−555872)
【出願日】平成14年9月25日(2002.9.25)
【国際出願番号】PCT/US2002/030407
【国際公開番号】WO2003/055287
【国際公開日】平成15年7月3日(2003.7.3)
【出願人】(500022096)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】