半導体冷却装置
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体冷却装置に係り、特に冷却媒体などが流れるヒートシンクをLSIチップなどに接触装着して冷却する半導体冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の装置は、例えば実開昭59−18441号公報に記載されているように、冷却パイプが通る金属板を、金属性のバネ状のもの、あるいはフィン列状、ピン列状のものが取り付けられた接触部材を介して、ボード上に塔載されたLSIチップに押しあて、LSIチップで発熱した熱を前記接触部材を通して冷却パイプを有する金属板側へ伝えて冷却するようになっていた。
【0003】又、実開昭61−53990号公報に記載のように、半導体部品が実装されている基板と、冷却流体が流れるヒートシンクとの間に、冷媒を封じ込んだ可撓性膜(ゴム等)からなるパックを設置し、このパックを前記基板に押し付けることにより、発熱する半導体部品の熱を、このパックを介して、冷却流体側へ伝えて冷却するようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の半導体冷却装置は、接触部材、あるいは冷却封じ込みパックの柔軟性を利用することにより、LSIチップとヒートシンクとの接触を良好にして、ヒートシンク側へ熱を伝え、かつ、ヒートシンクとLSIチップとの脱着を可能にするようになっているが、上記従来技術のうち、実開昭59−18441号公報に記載のものにおいては、電気的絶縁性について考慮されていなかった。
【0005】すなわち、ボード上に塔載されるLSIチップは、多数の細い信号線で密に、ボードを構成する基板との間で電気的に接続されている場合が多く、絶縁性が強く要求されるが、金属製の接触部材がLSIチップに直接接しているので、作動中に、金属製接触部材の微細粉が発生し、信号線に付着して絶縁性が弱くなり、トラブルを生ずる場合があった。
【0006】又、実開昭61−53990号公報に記載のものにおいては、伝熱性能及び信頼性について考慮されていなかった。
【0007】すなわち、ゴムが使用される場合が多い可撓性膜でパックを構成し、この容器状パック内には冷媒液を封入しているだけであるので、冷媒液を封入しない場合に比べれば伝熱性能は良好であるが、容器状パック内全体にわたって対流が生じるため、LSIチップにおける発熱量が増加してくると、より伝熱性能を向上しなければならない必要があった。更にゴム状の可撓性膜は長期にわたり使用していると、冷媒による腐食等で孔があいてしまい、冷媒液がLSIチップ及び基板上に流れだすというトラブルを発生しやすい問題があった。
【0008】本発明の目的は、冷却対象となる半導体素子とヒートシンクに代表される冷却部材との間に設けられた接触部材の伝熱性能を高め電気的絶縁性を確保した半導体冷却装置を提供することにある。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、例えば、基板に搭載された冷却対象となる半導体素子と、半導体素子の熱を放熱して冷却する冷却部材との間に設けられた接触部材とを備えて半導体素子を冷却する半導体冷却装置において、接触部材は内部が中空な部材であり、接触部材の中空な内部には熱伝導性流体を備えており、前記接触部材は金属製材料からなる芯材と該芯材の外側の面又は内外両面に絶縁皮膜を設けたパックで形成されており、前記接触部材は前記冷却部材と接触する側に平坦に形成された面を備えることにより達成される。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【作用】比較的温度の低い流体を流す流路をもつヒートシンクと、一ボード上に複数個搭載されたLSIチップとの間に本発明の接触部材を設置し、LSIチップ内で発熱した熱を接触部材を介してヒートシンク側へ伝える。
【0025】先ず、熱流の経路について説明する。LSIチップ内には多数の半導体素子が内蔵され、動作時に発熱する。この熱は、シリコンなどで作られたLSIチップ内を接触部材側へ熱伝導で伝わる。この接触部材の表面とLSIチップとの接触部は、厳密には完全接触ではなく、微少すきまに気体または液体などが存在し、ここを伝熱するときの熱抵抗は大きい。続いて接触部材の多層構造部を熱伝導で、次に接触部材内部に封入された液体部を伝わる。この液体内を伝わる時、液体が動かない場合は熱伝導で、対流が起きる場合は対流伝熱で伝わる。対流伝熱の場合の方が伝熱効率は高い。更に熱は冷却部材側に伝わり伝熱部材と接触部材との接触部の伝熱を経て、冷却部材側へと伝熱される。
【0026】本発明の半導体冷却装置では、第1に接触部材を形成する容器状のパックを多層構造とし、芯材に薄い金属製材料を設け、その芯材の外側の面又は内外両面に絶縁被膜を設けている。あるいは、パック材料を金属製箔としてその外側の面又は内外両面に絶縁性樹脂箔を積層しているので、信号線等に対し絶縁性を持たせることができる。
【0027】第2に、容器状のパックに熱伝導性の優れた液体を封入するとともに、パックの上下面接する金属部材群を設けているので、接触部材の上面と下面側は金属部材で連結され、パック下面からパック上面への伝熱は、封入された液体部ばかりでなく、金属部材部を熱伝導で伝わる。金属の熱伝導率は一般に高い値を持つから、金属部材を設けることにより伝熱効率は高まる。
【0028】又、接触部材の一部にパック内の流体を強制的に流動させるための脈動発生機構を設けているので、対流伝熱を促進するため伝熱効率が向上する。
【0029】又、比較的薄く、広い構造をしているパック構造では、途中に隔壁を設けているので、伝熱効率が高い対流を局所的に生じさせることができるため発熱量に応じてその部分の伝熱効率を高めることができる。
【0030】第3にLSIチップの発熱量の違いに応じて接触部材内のその領域に隔壁を設けているので、発熱量が大きい部分は、その部分でそれぞれに応じた局所的な対流伝熱を行うことができるため、伝熱する熱量を調整することができる。
【0031】又、隔壁を設けることにより、温度差が広い範囲にわたって生じることがなくなり、局所的に限定されるので、LSIチップの温度をほぼ同じ温度に設定できる。
【0032】第4に、ボ−ド上に高さの異なる複数個のLSIチップが搭載された場合、接触部材内をLSIチップの高さに応じて複数の領域に隔壁を設けて分割し、一部分は連通された構造としているので、LSIチップの高さが異なってもその高さに応じた接触部材とすることができ、分割したそれぞれを連通しているので均圧化して接触部材のボ−ド上のLSIチップへの押し付け力が過大になることを防止できる。
【0033】又、接触部材の一部に圧力調整部を設けているので、接触部材のボ−ド上のLSIチップへの押し付け力を調整することができるので、押し付け力を適正化できる。
【0034】又、接触部材内に設けた金属部材群にバネ性を持たせているので、そのバネ力を調整できるので、LSIチップへの押し付け力を適正化できる。又、柔軟性をもっているため、複数個のLSIチップの高いふぞろいを吸収できる。又、金属部材がバネ状機構のため、金属部材は、パックの上面をヒートシンク側へ、パックの下面をLSIチップ側へ押し付ける働きをする。そのためパック上面とヒートシンク間、パック下面とLSIチップ間の接触熱抵抗が減少して、ここでの伝熱効率を高める。
【0035】
【実施例】本発明の一実施例図1から図11に示す。図1R>1に本発明の半導体冷却装置の全体構成図を示す。ボード6上にLSIチップ7が配置されており、そのボード6の両面を挾むようにプラッター53が装着されている。LSIチップ7の上部には、パック2内に封入液5が封入された接触部材1を介してヒートシンク8が配置され、このヒートシンク8内には、例えば、内部にフィン54備えた流路55が設けられていて、冷却水9が流れて冷却する構造となっている。ヒートシンク8の端面側には、ボルト孔56が設けられ、ヒートシンク8をボルト57を用いてプラッター53にネジ止めすることによって、接触部材1をLSIチップ7に押え付けている。
【0036】ここで、接触部材1は、LSIチップ7は高さが相違する場合が多いことを考慮して、大きな高さの相違は接触部材1の厚みを変えることによって、一方、LSIチップ7の比較的小さな高さの相違は次の方法で吸収できるようにしている。又、接触部材1のヒートシンク8側の面は、平坦に形成されており、ヒートシンク8をこの面に押し付けて固定している。
【0037】すなわち、それぞれのパック2a,2bを冷媒通路48で連通し、パック2又は、冷媒通路48の一部分に圧力調整部36を設ける。パック2及び冷媒通路48内には流体が封入されているので、圧力調整部36で適切な値に圧力調整され、パック2が変形して均一な圧力で加圧されるため、LSIチップ7及びヒートシンク8との接触を弱い力で均一にすることが可能となる。なお、圧力調整部36は必要に応じて省略することができる。
【0038】一方、ヒートシンク8は、フレキシブル部58a、59aを備えた2本の冷却水パイプ58、59を介して冷却供給装置60と連結されており、ヒートシンク8への冷却水9の供給及び排出を行うようになっている。すなわち、冷却供給装置60は、代表的には水ポンプ61、水タンク62、及びチラー63から構成されるが、ヒートシンク8で加熱された水が冷却水パイプ58を通って、冷却供給装置60に送られ、チラー63によって冷却されて、水ポンプ61により冷却水パイプ59を通って再びヒートシンク8側へ流出され、ヒートシンク8を冷却し、半導体装置の作動時に発熱するLSIチップ7を冷却するようになっている。
【0039】ここで、ヒートシンク8と冷却供給装置60とはフレキシブル部58を介して冷却水パイプ59で連結されているため、ボルト57を取りはずすことによって、LSIチップ7を搭載したボ−ド6から、ヒートシンク8を容易に取りはずすことが可能となる。
【0040】次に接触部材1の各実施態様について、図2R>2から図11によりそれぞれ説明する。
【0041】図2は、本実施例の接触部材1のパック2aあるいは2bのうちいずれか一方の外観斜視図を示し、図3は図2で示すパック2の断面斜視図である。
【0042】パック2の内部には、熱伝導性グリースあるいは熱伝導性シリコン油あるいはフロリナート(これは米国の3M社製の商品名である。以下この名称で説明する)液などの封入液5が封入されている。又、パック2の材料は、例えば、アルミニューム箔の両面に絶縁性の樹脂を薄くフィルム状に積層したものを用いる。フィルム状に積層する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられるが、パック内に封入する液体の種類により、耐腐食性の優れた材質が選ばれる。パック上面3とパック下面4のそれぞれ端部はふさがれて、封入液5の保持を可能にしている。このような構成にすることにより、熱伝導性グリースあるいは熱伝導性シリコン油あるいはフロリナート液など熱伝導性の良い封入液5を用いているので、パック2内の熱伝導にもとづく伝熱性能が向上する。又、パック2をアルミニューム箔の両面に絶縁性の樹脂を薄くフィルム状に積層しているので絶縁性に優れる。また、アルミニューム箔を用いているので強度的にも強く、耐腐食性も向上する。
【0043】次に、さらに接触部材1の伝熱性能の向上を図ることを目的とした適用例を図4から図11にそれぞれ示す。
【0044】図4は、接触部材1の断面斜視図であり、この適用例では、金属細線で作られた円筒状にまかれた金属コイル10をパック2内にパック上面3に沿って挿入したした場合を示す。ここで、金属コイル10は、熱伝達が良好となるように一部はパック上面3に接点11で、他の一部はパック下面4に接点12で、それぞれ接するように構成されている。すなわち、熱はパック下面4側から、パック上面3側へ伝熱されるわけであるから、金属コイル10がパック上面3及び下面4に接合などにより接するように構成されることにより、接点11、12部の熱伝導が促進されるからである。一方、金属コイル10は弾力性に富んでいるので、接触部材1がLSIチップ7とヒートシンク8との間で押え付けられたとき、金属コイル10は、パック上面3をヒートシンク8側へ、パック下面4をLSIチップ7側へ押し付ける力を発生させる。このようにしてパック上面3とヒートシンク8間、パック下面4とLSIチップ7間の熱抵抗が小さくなって、伝熱性能の向上を図れる。なお、金属コイル10を封入液5と共にパック2内に挿入しても良い。 図5は、他の適用例を示す接触部材1の断面斜視図であり、この適用例では、金属細線で作られた円筒状にまかれた金属コイル13をパック2内にパック上面3にほぼ垂直となるように挿入している。金属コイル13の一方の端部はパック上面3に、他方の端部はパック下面4にそれぞれ接点14、15において接するように構成されている。LSIチップ7で発生した熱は、接触部材1内の封入液5と金属コイル13を伝導により伝わる。したがって接点14、15部は接合などにより接するように構成しておいた方が伝熱効率は向上する。この場合、金属コイル13をパック上面3にほぼ垂直となるように挿入しているので、接点14、15の接触面積は、図5に示す適用例の場合よりも大きく、金属コイル13の数を少なくすることができる。なお、金属コイル13を封入液5と共にパック2内に挿入しても良い。
【0045】図6は、さらに他の適用例を示す接触部材1の断面斜視図であり、この適用例では、パック2内に多数の金属細線を折れ曲げた状態の金属タワシ16として、封入液5と共に挿入されている。この場合もパック上面3とパック下面4に金属タワシ16が接する接点17の部分を接合することにより伝熱を良好に保つことができる。この構造の場合は、金属タワシ16は比較的ランダムにパック2内に挿入でき、製作が容易なる。
【0046】図7は、さらに他の適用例を示す接触部材1の断面斜視図であり、この適用例では、金属細線からなり連続的に山形状に折り曲げたフィン18をパック上面3及びパック下面4に接するようにパック2内に挿入している。ここで、パック上面3及びパック下面4に接する部分の接点19、20は金属細線であってもよく、金属板になっていても良い。この場合も、接点19、20はパック上面3、パック下面4にそれぞれ接合されると良好である。金属細線で作られたフィン18が規則正しく並んで弾力性に富んでいるため、パック上面3及びパック下面4がヒートシンク8及びLSIチップ7に押し付けられ、伝熱効率の向上を図れる。
【0047】図8は、さらに他の適用例を示す接触部材1の断面斜視図であり、この適用例では、コの字型状におれ曲がった金属板22を多数規則正しく設けたヒレ付板21を多数並べて、封入液5と共にパック2内へ挿入されている。この場合もパック上面3とヒレ22、及び、パック下面4と根本板25が接点23、24において接する。この接点23、24は接合されると伝熱効率は良くなる。
【0048】図9はさらに他の適用例を示す接触部材1の縦断面図であり、この適用例では、多数の金属細線26を例えばゴム状樹脂27で束ねたものを、封入液5と共にパック2内へ挿入している。金属細線26の両端はパック上面3、パック下面4に接点28、29で接する。この部分を接合すると伝熱効率は良くなる。
【0049】図10は、さらに他の適用例を示す接触部材1の縦断面図であり、この適用例では、パック上面3側には複数のピン30を接合し、パック下面4側のパック2内には金属タワシ31を設けて、パック2が形成されるときには、ピン30の先端が金属タワシ31内に挿入される状態とする。この場合には、ピン30と金属タワシ31が、柔軟性を保ちながら熱的に接触する。
【0050】図11は、さらに他の適用例を示す接触部材1の縦断面図であり、この適用例では、パック上面3には多数のピン30が設けられており、パック下面4に多数の孔32を有する多孔板33が装着されている。多数のピン30と、多数の孔32は、ひとつひとつが対応しいて、さしこみが可能となっている。パック2を形成するとき、ピン30が孔32に差し込まれている状態で、封入液5と共にパック2内に挿入される。このようにして、ピン30と孔32が柔軟性を保ちながら、熱的に接触できる。
【0051】本発明の他の実施例を図12から図16により説明する。図12は、接触部材1を基板6とヒートシンク8との間に挟んだ状態を示す斜視図、図13は図12に示す組立状態を横方向から見た側面図、図14は、LSIチップで発生した熱をヒートシンクへ導くための接触部材1の斜視図、図15は、接触部材1に用いる熱伝導フィルム39の構造を示す縦断面図である。
【0052】図12、図13に示すように、本実施例の半導体冷却装置は、LSIチップ7が実装された基板6と、ヒートシンク8との間に伝熱パック2からなる接触部材1を挾んだ状態で配置し、伝熱性能を安定させるため、端部をクランプ38で挾んで固定している。基板6には、大小のLSIチップ7が複数個配置されているが、各LSIチップ7の基板6からの高さはほぼ等しく且つ伝熱パック2の接触面は平坦であるようになっている。また、接触部材1にはLSIチップ7及びヒートシンク8と接触する伝熱部34とは別に圧力調整部36が備えられている。そして、圧力調整部36を保圧バネ37で挾み、接触部材1の内圧を上げて伝熱パック2の伝熱部34を、基板6に実装されたLSIチップ7及びヒートシンク8に密着させるようになっている。かかる実装状態においては、LSIチップ7への押付力は圧力調整部36へ装着する保圧バネ37のバネ定数により容易に変化させることができる。また、圧力調整部36の他の機能は、接触部材1の内部グリース状、液状等の伝熱媒体を封入する際に同時に封入される気体のたまり部となり、基板6とヒートシンク8との間に設置したパック2内の伝熱媒体が効率良く熱伝達を行う事ができるようにするものである。
【0053】ここで、一例として、基板6として220mm×130mm×2mmの大きさのものを用いた場合を述べる。基板6には発熱量3W/チップのLSIチップ7を30ヶ実装しており、基板6に実装したLSIチップ7への電力供給は、図中表示は省略するが第12図の下方すなわち圧力調整部36の反対側の端面に設置したコネクタにより行っている。LSIチップ7実装面の裏面の辺の中央部には、伝熱パック2をLSIチップ7に密着させるため内圧を高めた時にLSIチップ7を介して基板6に加わる力により基板6が変形するのを防ぐため、断面が3mm×10mmの補強部材46を配置している。なお、この補強部材46は、基板6の形状、すなわち大きさと板厚により基板6の変形が少ない場合には設けなくても良い。又、接触部材1は、圧力調整部36を除いた大きさが基板とほぼ同じものを用いている。圧力調整部36は、大きさを40mm×25mmとし、40mm側の部分が伝熱パック2の本体側と一体的に形成している。
【0054】一方、接触部材1は、図14に示すように内部に熱伝導率の高いグリースもしくは液体等の伝熱媒体を封入したものであり、袋状部分は、図15に示すように芯材40の両側に樹脂層41、42を設けた熱伝導フィルム39より成る。パック2の内部に封入した伝熱媒体はシリコングリースをベースにした熱伝導グリースであり、封入後の接触部材1の平均厚さは約3mmとなるように封入量を調整している。
【0055】また、ヒートシンク8は内部を細分化したヒートパイプを用い、ヒートパイプ端面に取付けた部材に水を流すことにより最終的に排熱している。なお、ヒートシンク8は、ヒートパイプに替え、内部に流水部を有するジャケットとしても同等の効果が得られる。また、接触部材1の中に封入する伝熱媒体として液状の冷媒、たとえばフロリナートを用いてもほぼ同じ効果が得られる。
【0056】以上の実装状態において、LSIチップ7のジャンクション温度を80℃以下に押えることができた。
【0057】本発明の他の実施例を図16により説明する。図16には接触部材1のみ示しているが、本実施例では、パック2のLSIチップ7の冷却部に突起部47を設け、その部分に振動を与え接触部材1内に封じた液状の伝熱媒体を強制的に循環させるようにしている。
【0058】伝熱媒体を静止状態に保つ場合に比べ、強制的に移動、拡散、混合させることにより伝熱効率は著しく向上するが、本実施例は、この特徴を接触部材1へ適用したものであり、パック2に設けた突起47を、振動発生装置43で打撃し、上述したように伝熱媒体の強制循環を生じさせ、熱伝達能力を大きく向上させる事ができた。本実施例で用いた振動発生装置43は、図16に示す如く、打撃部44とモータ45から成る。打撃部44は、円板外周部に複数個の自転できる球状部品を取付け、該球状部品が円板外周部より外側に位置するように構成されている。打撃部44の円板はモータ45により回転され、円板外周部に設けた球状部品が間欠的に突起部47を打撃し、その結果、接触部材1内の伝熱媒体を脈動させる。なお、突起部47の位置は、パック2の各辺いずれに設けられても良く、同等の効果が得られる。
【0059】本発明の他の実施例を図17から図22により説明する。図17は基板にLSIチップを実装した状態を示した斜視図、図18及び図21は基板に実装された各形式のLSIチップの配置に合わせて伝熱部34を仕切った接触部材1の横断面図、図19、図20は図1818に示す接触部材1の縦断面図、図22は、図21に示す接触部材1の縦断面図である。
【0060】基板6に実装するLSIチップ7の実装形態は種々のものがある。本実施例では図17に示すような形状の異なるピングリッド型LSI20とDIL型LSIが混在した基板6を用いた場合について説明する。この場合、基板6上に実装された各種LSIチップ7の高さが異なり、パック2への接触面高さが異なる場合があるが、図19に示すように、LSIチップ7の高さに応じて接触部材1の厚さを変える事により接触の安定を保つことができる。すなわち、本実施例で用いた接触部材1は、図19に示すように基板6上のLSIチップ7の実装形態に則するように、各々のピングリッド型LSI49及び複数個のDIL型LSI50に対応して接触部材1の伝熱部34を分割し、各伝熱部34の厚さをLSIチップ7の高さに応じて変えている。又、本実施例のパック2においては、上記のように分割した伝熱部34間を冷媒通路48で互いに連絡するように構成している。なお、各種LSIチップ7の高さにあまり差がない場合には、接触部材1の断面形状は図20に示すように厚さを同程度のものとする。
【0061】このように、伝熱部34を分割し、各伝熱部34の厚さをLSIチップ7の高さに応じて変えることにより接触の安定を保つことができ、伝熱性能を向上させることができる他、各伝熱部34内で局所的な対流を生じさせることができるので、伝熱部34の分割がない場合に対流がパック2内全体で生じる場合に比べて、各種LSIチップ7の発熱量に応じた冷却を効率良く行うことができる利点がある。
【0062】又、同じ基板6上に同種のLSIチップ7が実装されている場合は、伝熱パック2を図21に示すように各LSIチップ7に対応した伝熱部34を有するように、図22に示すようにほぼ同じ厚さを有するように構成しても良い。このように構成する場合も、各伝熱部34内で局所的な対流を生じさせることができ、各LSIチップ7と接触部材1との密着性が向上するので熱伝達が円滑に行える効果がある。 本発明の他の実施例を図23及び図24に示す。図23は縦方向に配置した基板6とヒートシンク8の間に接触部材1を配置した時の一適用例を示す縦断面図である。
【0063】本実施例で用いた接触部材1は、パック2内には液状の伝熱媒体を封入しており、伝熱パック2の内側に、伝熱媒体の流れ51を防げる隔壁52を設置している。そして、各隔壁52は、各隔壁52により形成される領域が、各LSIチップ7にそれぞれ対応するように設けられている。かかる構成においては、LSIチップ7で発生した熱は、接触部材1を形成している被膜を通り伝熱媒体5に伝達される。加熱された伝熱媒体5は対流により接触部材1の上方に上昇するが隔壁52に防げられ、ヒートシンク8側へ向きを変え、ヒートシンク8近傍で冷却され下方へ降下し、再びLSIチップ7側へ向きを変える流れ51となる。したがって縦方向に配置した伝熱パック2内の伝熱媒体の上下方向の温度差を解消し各LSIチップ7毎に同じ温度の伝熱媒体が供給され、LSIチップ7間の温度ばらつきが低減される効果がある。
【0064】図24に示す実施例は、図23で示した接触部材1と同様なパック2を横方向に配置することもでき、その適用例を示している。この場合も隔壁52によって局所的に対流を起こすことができ、各々のLSIチップ7に対応した伝熱媒体の流れ51を形成することができるので、各LSIチップ7毎に同じ温度の伝熱媒体が供給され、LSIチップ7間の温度ばらつきが低減され、LSIチップ7の冷却の安定性が増す効果がある。
【0065】本発明の他の実施例を第25図に示す。本実施例では、基板6上に複数のLSIチップ7が配置され、その個々のLSIチップ7に対してそれぞれ対応した独立の接触部材1が配置されている。この個々の接触部材1は上記した伝熱パック2と同様な構成となっているものであり、ヒ−トシンク8は、例えば内部に冷却水9を流して冷却する構造となっている。このように構成することにより、個々のLSIチップ7に対応した冷却が行え、LSIチップ7の冷却の安定性が増す効果がある。
【0066】
【発明の効果】上記の本発明によれば、冷却対象となる半導体素子とヒートシンクに代表される冷却部材との間の接触部材の伝熱性能を高め、電気回路に対する絶縁性を確保した半導体冷却装置を提供できる。
【0067】本発明によれば、接触部材を形成する容器状のパック内に熱伝導性グリースなどの熱伝導性の良い液体を封入し、パック内面と接触する金属製部材をパック内に設けているので、パック内面での熱伝導は、封入された液体ばかりでなく、金属製部材の熱伝導で伝わるので、接触部材内の熱伝導にもとづく伝熱効率を高める効果がある。
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】本発明によれば、接触部材を形成する容器状のパック内にスプリング効果を有する金属製の細線などを介在させているため、接触部材を半導体素子側と冷却部材側へ押し付ける作用効果があり、接触部材と半導体素子素子及び冷却部材との接触部の伝熱効果を高めることができる。
【0073】本発明によれば、基板上に複数個の半導体素子が搭載された場合、接触部材の中空部を複数の領域に細分割し、各領域の熱伝導性流体が連通する構造としているので、各領域での熱伝導性流体の圧力が均等化でき、接触部材の半導体素子への押し付け力が部分的に過小過大になることを防止できる効果がある。
【0074】
【0075】
【0076】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す半導体冷却装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例を示す接触部材の斜視図である。
【図3】本発明の一実施例を示す接触部材の断面斜視図である。
【図4】本発明の一実施例を示す接触部材の断面斜視図である。
【図5】本発明の一実施例を示す接触部材の断面斜視図である。
【図6】本発明の一実施例を示す接触部材の断面斜視図である。
【図7】本発明の一実施例を示す接触部材の断面斜視図である。
【図8】本発明の一実施例を示す接触部材の縦断面図である。
【図9】本発明の一実施例を示す接触部材の縦断面図である。
【図10】本発明の一実施例を示す接触部材の縦断面図である。
【図11】本発明の一実施例を示す接触部材の縦断面図である。
【図12】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図13】本発明の他の実施例である組立状態を示す側面図である。
【図14】本発明の他の実施例を示す接触部材の斜視図である。
【図15】本発明の他の実施例を示す熱伝導フィルムの縦断面図である。
【図16】本発明のさらに他の実施例を示す接触部材の斜視図である。
【図17】本発明のさらに他の実施例を示す斜視図である。
【図18】本発明のさらに他の実施例を示す接触部材の横断面図である。
【図19】本発明のさらに他の実施例を示す接触部材の縦断面図である。
【図20】本発明のさらに他の実施例を示す接触部材の縦断面図である。
【図21】本発明のさらに他の実施例を示す接触部材の横断面図である。
【図22】本発明のさらに他の実施例を示す接触部材の縦断面図である。
【図23】本発明のさらに他の実施例の実装状態を示す縦断面図である。
【図24】本発明のさらに他の実施例の実装状態を示す縦断面図である。
【図25】本発明のさらに他の実施例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…接触部材、2…パック、5…封入液、7…LSIチップ、8…ヒートシンク、10…横型金属コイル、13…縦型金属コイル、16…金属タワシ、18…山形状フィン、19…ヒレ付板、36…圧力調整部、43…振動発生装置、48…冷媒通路、34…伝熱部、35…シール部、36…圧力調整部、37…保圧バネ、38…クランプ、39…熱伝導フィルム、40…心材、41、42…樹脂層、43…振動発生装置、44…打撃部、45…モータ、46…補強部材、47…突起部、48…冷媒通路、49…ピングリッド型LSI、50…DIL型LSI、51…伝熱媒体の流れ、52…隔壁、53…プラッター、54…フィン、55…流路、57…ボルト、58…フレキシブル部、59…冷却水パイプ、60…冷却水精製装置、61…水ポンプ、62…水タンク、63…チラー。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体冷却装置に係り、特に冷却媒体などが流れるヒートシンクをLSIチップなどに接触装着して冷却する半導体冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の装置は、例えば実開昭59−18441号公報に記載されているように、冷却パイプが通る金属板を、金属性のバネ状のもの、あるいはフィン列状、ピン列状のものが取り付けられた接触部材を介して、ボード上に塔載されたLSIチップに押しあて、LSIチップで発熱した熱を前記接触部材を通して冷却パイプを有する金属板側へ伝えて冷却するようになっていた。
【0003】又、実開昭61−53990号公報に記載のように、半導体部品が実装されている基板と、冷却流体が流れるヒートシンクとの間に、冷媒を封じ込んだ可撓性膜(ゴム等)からなるパックを設置し、このパックを前記基板に押し付けることにより、発熱する半導体部品の熱を、このパックを介して、冷却流体側へ伝えて冷却するようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の半導体冷却装置は、接触部材、あるいは冷却封じ込みパックの柔軟性を利用することにより、LSIチップとヒートシンクとの接触を良好にして、ヒートシンク側へ熱を伝え、かつ、ヒートシンクとLSIチップとの脱着を可能にするようになっているが、上記従来技術のうち、実開昭59−18441号公報に記載のものにおいては、電気的絶縁性について考慮されていなかった。
【0005】すなわち、ボード上に塔載されるLSIチップは、多数の細い信号線で密に、ボードを構成する基板との間で電気的に接続されている場合が多く、絶縁性が強く要求されるが、金属製の接触部材がLSIチップに直接接しているので、作動中に、金属製接触部材の微細粉が発生し、信号線に付着して絶縁性が弱くなり、トラブルを生ずる場合があった。
【0006】又、実開昭61−53990号公報に記載のものにおいては、伝熱性能及び信頼性について考慮されていなかった。
【0007】すなわち、ゴムが使用される場合が多い可撓性膜でパックを構成し、この容器状パック内には冷媒液を封入しているだけであるので、冷媒液を封入しない場合に比べれば伝熱性能は良好であるが、容器状パック内全体にわたって対流が生じるため、LSIチップにおける発熱量が増加してくると、より伝熱性能を向上しなければならない必要があった。更にゴム状の可撓性膜は長期にわたり使用していると、冷媒による腐食等で孔があいてしまい、冷媒液がLSIチップ及び基板上に流れだすというトラブルを発生しやすい問題があった。
【0008】本発明の目的は、冷却対象となる半導体素子とヒートシンクに代表される冷却部材との間に設けられた接触部材の伝熱性能を高め電気的絶縁性を確保した半導体冷却装置を提供することにある。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、例えば、基板に搭載された冷却対象となる半導体素子と、半導体素子の熱を放熱して冷却する冷却部材との間に設けられた接触部材とを備えて半導体素子を冷却する半導体冷却装置において、接触部材は内部が中空な部材であり、接触部材の中空な内部には熱伝導性流体を備えており、前記接触部材は金属製材料からなる芯材と該芯材の外側の面又は内外両面に絶縁皮膜を設けたパックで形成されており、前記接触部材は前記冷却部材と接触する側に平坦に形成された面を備えることにより達成される。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【作用】比較的温度の低い流体を流す流路をもつヒートシンクと、一ボード上に複数個搭載されたLSIチップとの間に本発明の接触部材を設置し、LSIチップ内で発熱した熱を接触部材を介してヒートシンク側へ伝える。
【0025】先ず、熱流の経路について説明する。LSIチップ内には多数の半導体素子が内蔵され、動作時に発熱する。この熱は、シリコンなどで作られたLSIチップ内を接触部材側へ熱伝導で伝わる。この接触部材の表面とLSIチップとの接触部は、厳密には完全接触ではなく、微少すきまに気体または液体などが存在し、ここを伝熱するときの熱抵抗は大きい。続いて接触部材の多層構造部を熱伝導で、次に接触部材内部に封入された液体部を伝わる。この液体内を伝わる時、液体が動かない場合は熱伝導で、対流が起きる場合は対流伝熱で伝わる。対流伝熱の場合の方が伝熱効率は高い。更に熱は冷却部材側に伝わり伝熱部材と接触部材との接触部の伝熱を経て、冷却部材側へと伝熱される。
【0026】本発明の半導体冷却装置では、第1に接触部材を形成する容器状のパックを多層構造とし、芯材に薄い金属製材料を設け、その芯材の外側の面又は内外両面に絶縁被膜を設けている。あるいは、パック材料を金属製箔としてその外側の面又は内外両面に絶縁性樹脂箔を積層しているので、信号線等に対し絶縁性を持たせることができる。
【0027】第2に、容器状のパックに熱伝導性の優れた液体を封入するとともに、パックの上下面接する金属部材群を設けているので、接触部材の上面と下面側は金属部材で連結され、パック下面からパック上面への伝熱は、封入された液体部ばかりでなく、金属部材部を熱伝導で伝わる。金属の熱伝導率は一般に高い値を持つから、金属部材を設けることにより伝熱効率は高まる。
【0028】又、接触部材の一部にパック内の流体を強制的に流動させるための脈動発生機構を設けているので、対流伝熱を促進するため伝熱効率が向上する。
【0029】又、比較的薄く、広い構造をしているパック構造では、途中に隔壁を設けているので、伝熱効率が高い対流を局所的に生じさせることができるため発熱量に応じてその部分の伝熱効率を高めることができる。
【0030】第3にLSIチップの発熱量の違いに応じて接触部材内のその領域に隔壁を設けているので、発熱量が大きい部分は、その部分でそれぞれに応じた局所的な対流伝熱を行うことができるため、伝熱する熱量を調整することができる。
【0031】又、隔壁を設けることにより、温度差が広い範囲にわたって生じることがなくなり、局所的に限定されるので、LSIチップの温度をほぼ同じ温度に設定できる。
【0032】第4に、ボ−ド上に高さの異なる複数個のLSIチップが搭載された場合、接触部材内をLSIチップの高さに応じて複数の領域に隔壁を設けて分割し、一部分は連通された構造としているので、LSIチップの高さが異なってもその高さに応じた接触部材とすることができ、分割したそれぞれを連通しているので均圧化して接触部材のボ−ド上のLSIチップへの押し付け力が過大になることを防止できる。
【0033】又、接触部材の一部に圧力調整部を設けているので、接触部材のボ−ド上のLSIチップへの押し付け力を調整することができるので、押し付け力を適正化できる。
【0034】又、接触部材内に設けた金属部材群にバネ性を持たせているので、そのバネ力を調整できるので、LSIチップへの押し付け力を適正化できる。又、柔軟性をもっているため、複数個のLSIチップの高いふぞろいを吸収できる。又、金属部材がバネ状機構のため、金属部材は、パックの上面をヒートシンク側へ、パックの下面をLSIチップ側へ押し付ける働きをする。そのためパック上面とヒートシンク間、パック下面とLSIチップ間の接触熱抵抗が減少して、ここでの伝熱効率を高める。
【0035】
【実施例】本発明の一実施例図1から図11に示す。図1R>1に本発明の半導体冷却装置の全体構成図を示す。ボード6上にLSIチップ7が配置されており、そのボード6の両面を挾むようにプラッター53が装着されている。LSIチップ7の上部には、パック2内に封入液5が封入された接触部材1を介してヒートシンク8が配置され、このヒートシンク8内には、例えば、内部にフィン54備えた流路55が設けられていて、冷却水9が流れて冷却する構造となっている。ヒートシンク8の端面側には、ボルト孔56が設けられ、ヒートシンク8をボルト57を用いてプラッター53にネジ止めすることによって、接触部材1をLSIチップ7に押え付けている。
【0036】ここで、接触部材1は、LSIチップ7は高さが相違する場合が多いことを考慮して、大きな高さの相違は接触部材1の厚みを変えることによって、一方、LSIチップ7の比較的小さな高さの相違は次の方法で吸収できるようにしている。又、接触部材1のヒートシンク8側の面は、平坦に形成されており、ヒートシンク8をこの面に押し付けて固定している。
【0037】すなわち、それぞれのパック2a,2bを冷媒通路48で連通し、パック2又は、冷媒通路48の一部分に圧力調整部36を設ける。パック2及び冷媒通路48内には流体が封入されているので、圧力調整部36で適切な値に圧力調整され、パック2が変形して均一な圧力で加圧されるため、LSIチップ7及びヒートシンク8との接触を弱い力で均一にすることが可能となる。なお、圧力調整部36は必要に応じて省略することができる。
【0038】一方、ヒートシンク8は、フレキシブル部58a、59aを備えた2本の冷却水パイプ58、59を介して冷却供給装置60と連結されており、ヒートシンク8への冷却水9の供給及び排出を行うようになっている。すなわち、冷却供給装置60は、代表的には水ポンプ61、水タンク62、及びチラー63から構成されるが、ヒートシンク8で加熱された水が冷却水パイプ58を通って、冷却供給装置60に送られ、チラー63によって冷却されて、水ポンプ61により冷却水パイプ59を通って再びヒートシンク8側へ流出され、ヒートシンク8を冷却し、半導体装置の作動時に発熱するLSIチップ7を冷却するようになっている。
【0039】ここで、ヒートシンク8と冷却供給装置60とはフレキシブル部58を介して冷却水パイプ59で連結されているため、ボルト57を取りはずすことによって、LSIチップ7を搭載したボ−ド6から、ヒートシンク8を容易に取りはずすことが可能となる。
【0040】次に接触部材1の各実施態様について、図2R>2から図11によりそれぞれ説明する。
【0041】図2は、本実施例の接触部材1のパック2aあるいは2bのうちいずれか一方の外観斜視図を示し、図3は図2で示すパック2の断面斜視図である。
【0042】パック2の内部には、熱伝導性グリースあるいは熱伝導性シリコン油あるいはフロリナート(これは米国の3M社製の商品名である。以下この名称で説明する)液などの封入液5が封入されている。又、パック2の材料は、例えば、アルミニューム箔の両面に絶縁性の樹脂を薄くフィルム状に積層したものを用いる。フィルム状に積層する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられるが、パック内に封入する液体の種類により、耐腐食性の優れた材質が選ばれる。パック上面3とパック下面4のそれぞれ端部はふさがれて、封入液5の保持を可能にしている。このような構成にすることにより、熱伝導性グリースあるいは熱伝導性シリコン油あるいはフロリナート液など熱伝導性の良い封入液5を用いているので、パック2内の熱伝導にもとづく伝熱性能が向上する。又、パック2をアルミニューム箔の両面に絶縁性の樹脂を薄くフィルム状に積層しているので絶縁性に優れる。また、アルミニューム箔を用いているので強度的にも強く、耐腐食性も向上する。
【0043】次に、さらに接触部材1の伝熱性能の向上を図ることを目的とした適用例を図4から図11にそれぞれ示す。
【0044】図4は、接触部材1の断面斜視図であり、この適用例では、金属細線で作られた円筒状にまかれた金属コイル10をパック2内にパック上面3に沿って挿入したした場合を示す。ここで、金属コイル10は、熱伝達が良好となるように一部はパック上面3に接点11で、他の一部はパック下面4に接点12で、それぞれ接するように構成されている。すなわち、熱はパック下面4側から、パック上面3側へ伝熱されるわけであるから、金属コイル10がパック上面3及び下面4に接合などにより接するように構成されることにより、接点11、12部の熱伝導が促進されるからである。一方、金属コイル10は弾力性に富んでいるので、接触部材1がLSIチップ7とヒートシンク8との間で押え付けられたとき、金属コイル10は、パック上面3をヒートシンク8側へ、パック下面4をLSIチップ7側へ押し付ける力を発生させる。このようにしてパック上面3とヒートシンク8間、パック下面4とLSIチップ7間の熱抵抗が小さくなって、伝熱性能の向上を図れる。なお、金属コイル10を封入液5と共にパック2内に挿入しても良い。 図5は、他の適用例を示す接触部材1の断面斜視図であり、この適用例では、金属細線で作られた円筒状にまかれた金属コイル13をパック2内にパック上面3にほぼ垂直となるように挿入している。金属コイル13の一方の端部はパック上面3に、他方の端部はパック下面4にそれぞれ接点14、15において接するように構成されている。LSIチップ7で発生した熱は、接触部材1内の封入液5と金属コイル13を伝導により伝わる。したがって接点14、15部は接合などにより接するように構成しておいた方が伝熱効率は向上する。この場合、金属コイル13をパック上面3にほぼ垂直となるように挿入しているので、接点14、15の接触面積は、図5に示す適用例の場合よりも大きく、金属コイル13の数を少なくすることができる。なお、金属コイル13を封入液5と共にパック2内に挿入しても良い。
【0045】図6は、さらに他の適用例を示す接触部材1の断面斜視図であり、この適用例では、パック2内に多数の金属細線を折れ曲げた状態の金属タワシ16として、封入液5と共に挿入されている。この場合もパック上面3とパック下面4に金属タワシ16が接する接点17の部分を接合することにより伝熱を良好に保つことができる。この構造の場合は、金属タワシ16は比較的ランダムにパック2内に挿入でき、製作が容易なる。
【0046】図7は、さらに他の適用例を示す接触部材1の断面斜視図であり、この適用例では、金属細線からなり連続的に山形状に折り曲げたフィン18をパック上面3及びパック下面4に接するようにパック2内に挿入している。ここで、パック上面3及びパック下面4に接する部分の接点19、20は金属細線であってもよく、金属板になっていても良い。この場合も、接点19、20はパック上面3、パック下面4にそれぞれ接合されると良好である。金属細線で作られたフィン18が規則正しく並んで弾力性に富んでいるため、パック上面3及びパック下面4がヒートシンク8及びLSIチップ7に押し付けられ、伝熱効率の向上を図れる。
【0047】図8は、さらに他の適用例を示す接触部材1の断面斜視図であり、この適用例では、コの字型状におれ曲がった金属板22を多数規則正しく設けたヒレ付板21を多数並べて、封入液5と共にパック2内へ挿入されている。この場合もパック上面3とヒレ22、及び、パック下面4と根本板25が接点23、24において接する。この接点23、24は接合されると伝熱効率は良くなる。
【0048】図9はさらに他の適用例を示す接触部材1の縦断面図であり、この適用例では、多数の金属細線26を例えばゴム状樹脂27で束ねたものを、封入液5と共にパック2内へ挿入している。金属細線26の両端はパック上面3、パック下面4に接点28、29で接する。この部分を接合すると伝熱効率は良くなる。
【0049】図10は、さらに他の適用例を示す接触部材1の縦断面図であり、この適用例では、パック上面3側には複数のピン30を接合し、パック下面4側のパック2内には金属タワシ31を設けて、パック2が形成されるときには、ピン30の先端が金属タワシ31内に挿入される状態とする。この場合には、ピン30と金属タワシ31が、柔軟性を保ちながら熱的に接触する。
【0050】図11は、さらに他の適用例を示す接触部材1の縦断面図であり、この適用例では、パック上面3には多数のピン30が設けられており、パック下面4に多数の孔32を有する多孔板33が装着されている。多数のピン30と、多数の孔32は、ひとつひとつが対応しいて、さしこみが可能となっている。パック2を形成するとき、ピン30が孔32に差し込まれている状態で、封入液5と共にパック2内に挿入される。このようにして、ピン30と孔32が柔軟性を保ちながら、熱的に接触できる。
【0051】本発明の他の実施例を図12から図16により説明する。図12は、接触部材1を基板6とヒートシンク8との間に挟んだ状態を示す斜視図、図13は図12に示す組立状態を横方向から見た側面図、図14は、LSIチップで発生した熱をヒートシンクへ導くための接触部材1の斜視図、図15は、接触部材1に用いる熱伝導フィルム39の構造を示す縦断面図である。
【0052】図12、図13に示すように、本実施例の半導体冷却装置は、LSIチップ7が実装された基板6と、ヒートシンク8との間に伝熱パック2からなる接触部材1を挾んだ状態で配置し、伝熱性能を安定させるため、端部をクランプ38で挾んで固定している。基板6には、大小のLSIチップ7が複数個配置されているが、各LSIチップ7の基板6からの高さはほぼ等しく且つ伝熱パック2の接触面は平坦であるようになっている。また、接触部材1にはLSIチップ7及びヒートシンク8と接触する伝熱部34とは別に圧力調整部36が備えられている。そして、圧力調整部36を保圧バネ37で挾み、接触部材1の内圧を上げて伝熱パック2の伝熱部34を、基板6に実装されたLSIチップ7及びヒートシンク8に密着させるようになっている。かかる実装状態においては、LSIチップ7への押付力は圧力調整部36へ装着する保圧バネ37のバネ定数により容易に変化させることができる。また、圧力調整部36の他の機能は、接触部材1の内部グリース状、液状等の伝熱媒体を封入する際に同時に封入される気体のたまり部となり、基板6とヒートシンク8との間に設置したパック2内の伝熱媒体が効率良く熱伝達を行う事ができるようにするものである。
【0053】ここで、一例として、基板6として220mm×130mm×2mmの大きさのものを用いた場合を述べる。基板6には発熱量3W/チップのLSIチップ7を30ヶ実装しており、基板6に実装したLSIチップ7への電力供給は、図中表示は省略するが第12図の下方すなわち圧力調整部36の反対側の端面に設置したコネクタにより行っている。LSIチップ7実装面の裏面の辺の中央部には、伝熱パック2をLSIチップ7に密着させるため内圧を高めた時にLSIチップ7を介して基板6に加わる力により基板6が変形するのを防ぐため、断面が3mm×10mmの補強部材46を配置している。なお、この補強部材46は、基板6の形状、すなわち大きさと板厚により基板6の変形が少ない場合には設けなくても良い。又、接触部材1は、圧力調整部36を除いた大きさが基板とほぼ同じものを用いている。圧力調整部36は、大きさを40mm×25mmとし、40mm側の部分が伝熱パック2の本体側と一体的に形成している。
【0054】一方、接触部材1は、図14に示すように内部に熱伝導率の高いグリースもしくは液体等の伝熱媒体を封入したものであり、袋状部分は、図15に示すように芯材40の両側に樹脂層41、42を設けた熱伝導フィルム39より成る。パック2の内部に封入した伝熱媒体はシリコングリースをベースにした熱伝導グリースであり、封入後の接触部材1の平均厚さは約3mmとなるように封入量を調整している。
【0055】また、ヒートシンク8は内部を細分化したヒートパイプを用い、ヒートパイプ端面に取付けた部材に水を流すことにより最終的に排熱している。なお、ヒートシンク8は、ヒートパイプに替え、内部に流水部を有するジャケットとしても同等の効果が得られる。また、接触部材1の中に封入する伝熱媒体として液状の冷媒、たとえばフロリナートを用いてもほぼ同じ効果が得られる。
【0056】以上の実装状態において、LSIチップ7のジャンクション温度を80℃以下に押えることができた。
【0057】本発明の他の実施例を図16により説明する。図16には接触部材1のみ示しているが、本実施例では、パック2のLSIチップ7の冷却部に突起部47を設け、その部分に振動を与え接触部材1内に封じた液状の伝熱媒体を強制的に循環させるようにしている。
【0058】伝熱媒体を静止状態に保つ場合に比べ、強制的に移動、拡散、混合させることにより伝熱効率は著しく向上するが、本実施例は、この特徴を接触部材1へ適用したものであり、パック2に設けた突起47を、振動発生装置43で打撃し、上述したように伝熱媒体の強制循環を生じさせ、熱伝達能力を大きく向上させる事ができた。本実施例で用いた振動発生装置43は、図16に示す如く、打撃部44とモータ45から成る。打撃部44は、円板外周部に複数個の自転できる球状部品を取付け、該球状部品が円板外周部より外側に位置するように構成されている。打撃部44の円板はモータ45により回転され、円板外周部に設けた球状部品が間欠的に突起部47を打撃し、その結果、接触部材1内の伝熱媒体を脈動させる。なお、突起部47の位置は、パック2の各辺いずれに設けられても良く、同等の効果が得られる。
【0059】本発明の他の実施例を図17から図22により説明する。図17は基板にLSIチップを実装した状態を示した斜視図、図18及び図21は基板に実装された各形式のLSIチップの配置に合わせて伝熱部34を仕切った接触部材1の横断面図、図19、図20は図1818に示す接触部材1の縦断面図、図22は、図21に示す接触部材1の縦断面図である。
【0060】基板6に実装するLSIチップ7の実装形態は種々のものがある。本実施例では図17に示すような形状の異なるピングリッド型LSI20とDIL型LSIが混在した基板6を用いた場合について説明する。この場合、基板6上に実装された各種LSIチップ7の高さが異なり、パック2への接触面高さが異なる場合があるが、図19に示すように、LSIチップ7の高さに応じて接触部材1の厚さを変える事により接触の安定を保つことができる。すなわち、本実施例で用いた接触部材1は、図19に示すように基板6上のLSIチップ7の実装形態に則するように、各々のピングリッド型LSI49及び複数個のDIL型LSI50に対応して接触部材1の伝熱部34を分割し、各伝熱部34の厚さをLSIチップ7の高さに応じて変えている。又、本実施例のパック2においては、上記のように分割した伝熱部34間を冷媒通路48で互いに連絡するように構成している。なお、各種LSIチップ7の高さにあまり差がない場合には、接触部材1の断面形状は図20に示すように厚さを同程度のものとする。
【0061】このように、伝熱部34を分割し、各伝熱部34の厚さをLSIチップ7の高さに応じて変えることにより接触の安定を保つことができ、伝熱性能を向上させることができる他、各伝熱部34内で局所的な対流を生じさせることができるので、伝熱部34の分割がない場合に対流がパック2内全体で生じる場合に比べて、各種LSIチップ7の発熱量に応じた冷却を効率良く行うことができる利点がある。
【0062】又、同じ基板6上に同種のLSIチップ7が実装されている場合は、伝熱パック2を図21に示すように各LSIチップ7に対応した伝熱部34を有するように、図22に示すようにほぼ同じ厚さを有するように構成しても良い。このように構成する場合も、各伝熱部34内で局所的な対流を生じさせることができ、各LSIチップ7と接触部材1との密着性が向上するので熱伝達が円滑に行える効果がある。 本発明の他の実施例を図23及び図24に示す。図23は縦方向に配置した基板6とヒートシンク8の間に接触部材1を配置した時の一適用例を示す縦断面図である。
【0063】本実施例で用いた接触部材1は、パック2内には液状の伝熱媒体を封入しており、伝熱パック2の内側に、伝熱媒体の流れ51を防げる隔壁52を設置している。そして、各隔壁52は、各隔壁52により形成される領域が、各LSIチップ7にそれぞれ対応するように設けられている。かかる構成においては、LSIチップ7で発生した熱は、接触部材1を形成している被膜を通り伝熱媒体5に伝達される。加熱された伝熱媒体5は対流により接触部材1の上方に上昇するが隔壁52に防げられ、ヒートシンク8側へ向きを変え、ヒートシンク8近傍で冷却され下方へ降下し、再びLSIチップ7側へ向きを変える流れ51となる。したがって縦方向に配置した伝熱パック2内の伝熱媒体の上下方向の温度差を解消し各LSIチップ7毎に同じ温度の伝熱媒体が供給され、LSIチップ7間の温度ばらつきが低減される効果がある。
【0064】図24に示す実施例は、図23で示した接触部材1と同様なパック2を横方向に配置することもでき、その適用例を示している。この場合も隔壁52によって局所的に対流を起こすことができ、各々のLSIチップ7に対応した伝熱媒体の流れ51を形成することができるので、各LSIチップ7毎に同じ温度の伝熱媒体が供給され、LSIチップ7間の温度ばらつきが低減され、LSIチップ7の冷却の安定性が増す効果がある。
【0065】本発明の他の実施例を第25図に示す。本実施例では、基板6上に複数のLSIチップ7が配置され、その個々のLSIチップ7に対してそれぞれ対応した独立の接触部材1が配置されている。この個々の接触部材1は上記した伝熱パック2と同様な構成となっているものであり、ヒ−トシンク8は、例えば内部に冷却水9を流して冷却する構造となっている。このように構成することにより、個々のLSIチップ7に対応した冷却が行え、LSIチップ7の冷却の安定性が増す効果がある。
【0066】
【発明の効果】上記の本発明によれば、冷却対象となる半導体素子とヒートシンクに代表される冷却部材との間の接触部材の伝熱性能を高め、電気回路に対する絶縁性を確保した半導体冷却装置を提供できる。
【0067】本発明によれば、接触部材を形成する容器状のパック内に熱伝導性グリースなどの熱伝導性の良い液体を封入し、パック内面と接触する金属製部材をパック内に設けているので、パック内面での熱伝導は、封入された液体ばかりでなく、金属製部材の熱伝導で伝わるので、接触部材内の熱伝導にもとづく伝熱効率を高める効果がある。
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】本発明によれば、接触部材を形成する容器状のパック内にスプリング効果を有する金属製の細線などを介在させているため、接触部材を半導体素子側と冷却部材側へ押し付ける作用効果があり、接触部材と半導体素子素子及び冷却部材との接触部の伝熱効果を高めることができる。
【0073】本発明によれば、基板上に複数個の半導体素子が搭載された場合、接触部材の中空部を複数の領域に細分割し、各領域の熱伝導性流体が連通する構造としているので、各領域での熱伝導性流体の圧力が均等化でき、接触部材の半導体素子への押し付け力が部分的に過小過大になることを防止できる効果がある。
【0074】
【0075】
【0076】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す半導体冷却装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例を示す接触部材の斜視図である。
【図3】本発明の一実施例を示す接触部材の断面斜視図である。
【図4】本発明の一実施例を示す接触部材の断面斜視図である。
【図5】本発明の一実施例を示す接触部材の断面斜視図である。
【図6】本発明の一実施例を示す接触部材の断面斜視図である。
【図7】本発明の一実施例を示す接触部材の断面斜視図である。
【図8】本発明の一実施例を示す接触部材の縦断面図である。
【図9】本発明の一実施例を示す接触部材の縦断面図である。
【図10】本発明の一実施例を示す接触部材の縦断面図である。
【図11】本発明の一実施例を示す接触部材の縦断面図である。
【図12】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図13】本発明の他の実施例である組立状態を示す側面図である。
【図14】本発明の他の実施例を示す接触部材の斜視図である。
【図15】本発明の他の実施例を示す熱伝導フィルムの縦断面図である。
【図16】本発明のさらに他の実施例を示す接触部材の斜視図である。
【図17】本発明のさらに他の実施例を示す斜視図である。
【図18】本発明のさらに他の実施例を示す接触部材の横断面図である。
【図19】本発明のさらに他の実施例を示す接触部材の縦断面図である。
【図20】本発明のさらに他の実施例を示す接触部材の縦断面図である。
【図21】本発明のさらに他の実施例を示す接触部材の横断面図である。
【図22】本発明のさらに他の実施例を示す接触部材の縦断面図である。
【図23】本発明のさらに他の実施例の実装状態を示す縦断面図である。
【図24】本発明のさらに他の実施例の実装状態を示す縦断面図である。
【図25】本発明のさらに他の実施例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…接触部材、2…パック、5…封入液、7…LSIチップ、8…ヒートシンク、10…横型金属コイル、13…縦型金属コイル、16…金属タワシ、18…山形状フィン、19…ヒレ付板、36…圧力調整部、43…振動発生装置、48…冷媒通路、34…伝熱部、35…シール部、36…圧力調整部、37…保圧バネ、38…クランプ、39…熱伝導フィルム、40…心材、41、42…樹脂層、43…振動発生装置、44…打撃部、45…モータ、46…補強部材、47…突起部、48…冷媒通路、49…ピングリッド型LSI、50…DIL型LSI、51…伝熱媒体の流れ、52…隔壁、53…プラッター、54…フィン、55…流路、57…ボルト、58…フレキシブル部、59…冷却水パイプ、60…冷却水精製装置、61…水ポンプ、62…水タンク、63…チラー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】基板に搭載された冷却対象となる半導体素子と、前記半導体素子の熱を放熱して冷却する冷却部材との間に設けられた接触部材とを備えて前記半導体素子を冷却する半導体冷却装置において、前記接触部材は内部が中空な部材であり、前記接触部材の中空な内部には熱伝導性流体を備えており、前記接触部材は金属製材料からなる芯材と該芯材の外側の面又は内外両面に絶縁皮膜を設けたパックで形成されており、前記接触部材は前記冷却部材と接触する側に平坦に形成された面を備えたことを特徴とする半導体冷却装置。
【請求項2】前記半導体素子が複数あり、前記接触部材の前記半導体素子と接触する側には前記冷却部材側からの距離に対応して前記複数の半導体素子の各々に接触するように形成された面を備えた請求項1記載の半導体冷却装置。
【請求項3】前記接触部材の内部を複数の領域に細分化し、前記熱伝導性流体を細分割領域間で連通させた請求項2記載の半導体冷却装置。
【請求項1】基板に搭載された冷却対象となる半導体素子と、前記半導体素子の熱を放熱して冷却する冷却部材との間に設けられた接触部材とを備えて前記半導体素子を冷却する半導体冷却装置において、前記接触部材は内部が中空な部材であり、前記接触部材の中空な内部には熱伝導性流体を備えており、前記接触部材は金属製材料からなる芯材と該芯材の外側の面又は内外両面に絶縁皮膜を設けたパックで形成されており、前記接触部材は前記冷却部材と接触する側に平坦に形成された面を備えたことを特徴とする半導体冷却装置。
【請求項2】前記半導体素子が複数あり、前記接触部材の前記半導体素子と接触する側には前記冷却部材側からの距離に対応して前記複数の半導体素子の各々に接触するように形成された面を備えた請求項1記載の半導体冷却装置。
【請求項3】前記接触部材の内部を複数の領域に細分化し、前記熱伝導性流体を細分割領域間で連通させた請求項2記載の半導体冷却装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図9】
【図15】
【図19】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図20】
【図18】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図9】
【図15】
【図19】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図20】
【図18】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【特許番号】特許第3175177号(P3175177)
【登録日】平成13年4月6日(2001.4.6)
【発行日】平成13年6月11日(2001.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−43193
【出願日】平成3年3月8日(1991.3.8)
【公開番号】特開平4−280460
【公開日】平成4年10月6日(1992.10.6)
【審査請求日】平成10年3月9日(1998.3.9)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【参考文献】
【文献】特開 平3−36794(JP,A)
【文献】特開 昭57−211258(JP,A)
【文献】特開 昭61−74356(JP,A)
【登録日】平成13年4月6日(2001.4.6)
【発行日】平成13年6月11日(2001.6.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成3年3月8日(1991.3.8)
【公開番号】特開平4−280460
【公開日】平成4年10月6日(1992.10.6)
【審査請求日】平成10年3月9日(1998.3.9)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【参考文献】
【文献】特開 平3−36794(JP,A)
【文献】特開 昭57−211258(JP,A)
【文献】特開 昭61−74356(JP,A)
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