説明

半導体処理

【課題】半導体ウェハの処理に用いられる装置の構成部品として使用することができる粒子発生を低減した炭化ケイ素物品を提供する。
【解決手段】炭化ケイ素物品を、ウェハ処理中に半導体ウェハ上に1dm2あたり160個以下の粒子を生じさせるように、該炭化ケイ素物品の1以上の表面を融解塩基によりエッチング、レーザアブレーション、表面ブラスト、コーティング、酸化、研磨、機械加工、超臨界二酸化炭素で処理またはそれらの組み合わせによって改変する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子汚染が低減された半導体ウェハを提供するための半導体ウェハ処理を対象とする。より詳細には、本発明は、粒子発生を低減した炭化ケイ素を用いて、粒子汚染が低減された半導体ウェハを提供する半導体ウェハ処理、および炭化ケイ素を製造する方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハの製造には多くの製造工程が含まれる。処理工程のうちの1つは、プラズマエッチングチャンバにおいてシリコンウェハを処理することであって、プラズマエッチングチャンバでは、NFをはじめとするフッ素系化合物が用いられている。かかる化合物は、反応性が高く、腐食性がある。プラズマエッチングチャンバでは、炭化ケイ素構成部品をはじめとするセラミック材料が用いられる。この理由は、炭化ケイ素が、理論上、高密度、高純度、シリコンウェハに熱的に対応し得る高温の材料であり、エッチング化学薬品に対する耐性が高い材料であるためである。
【0003】
しかし、エッチングチャンバ内でガス拡散プレートをはじめとする炭化ケイ素構成部品を使用すると、半導体ウェハを汚染する多数の望ましくない粒子を発生する。炭化ケイ素はダイヤモンド工具で機械加工されて、特定の形状と大きさの構成部品を形成する。この機械加工は、表層の傷、例えば構成部品上の亀裂や空洞などをもたらす。遊離した炭化ケイ素粒子がその亀裂や空洞に閉じ込められる。エッチング中に、当該粒子が構成部品から解放され、ウェハを汚染する。ウェハ処理か進行するに伴い、当該粒子の密度は低くなる。200〜250のウェハが処理された後には、構成部品から発生される粒子が著しく低減し、この炭化ケイ素構成部品は、商業用ウェハ処理に対して許容できるものになる。新しい炭化ケイ素構成部品をよい状態へと調節する度に200〜250のウェハを浪費することは、スピードとコストと性能とが重要視される産業界にとっては、不経済で非効率である。
【0004】
Numataらによる米国特許第5,179,049号は、半導体の熱処理装置のための炭化ケイ素部品を開示している。この炭化ケイ素は、主に、44ミクロン以下の結晶と少量の鉄不純物を含んだα型炭化ケイ素である。α型炭化ケイ素部品は汚染を低減し、熱処理中の半導体ウェハの出来高を増加させるとされている。
【特許文献1】米国特許第5,179,049号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ウェハの汚染を低減することができるα型炭化ケイ素が存在するが、ウェハの汚染を低減し、種々のタイプの半導体処理チャンバで使用することができる炭化ケイ素および、炭化ケイ素の製造方法が依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様においては、方法は、a)炭化ケイ素物品を提供すること;およびb)炭化ケイ素物品が、半導体ウェハの処理中に1以上の半導体ウェハ上に1dmあたり160個以下の粒子を生じさせるように、炭化ケイ素物品の1以上の表面を改変することを含む。
【0007】
別の態様においては、方法は、a)炭化ケイ素物品を提供すること;およびb)炭化ケイ素物品が、半導体ウェハの処理中に1以上の半導体ウェハ上に1dmあたり160個以下の粒子を生じさせるように、炭化ケイ素物品の1以上の表面を酸化することを含む。
【0008】
別の態様においては、方法は、a)炭化ケイ素物品を提供すること;b)炭化ケイ素物品の1以上の表面を酸化すること;およびc)炭化ケイ素物品が、半導体ウェハの処理中に1以上の半導体ウェハ上に1dmあたり160個以下の粒子を生じさせるように、炭化ケイ素物品の1以上の表面の被膜を剥離することを含む。
【発明の効果】
【0009】
これらの方法によって作製された炭化ケイ素物品は、半導体処理チャンバの構成部品として用いることができる。当該炭化ケイ素物品は、多くの従来の炭化ケイ素構成部品と対比して、処理中の半導体ウェハの汚染を低減し、より効率の高い半導体ウェハ製造工程を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書の全体を通して、用いられる場合、以下の省略形は、文脈が他を示していない限り、以下の意味を有するものとする。℃=摂氏温度、μm=ミクロン=マイクロメートル、m=メートル、cm=センチメートル、mm=ミリメートル、nm=ナノメートル、dm=平方デシメートル、A=アンペア、mA=ミリアンペア、CVD=化学気相堆積、PVD=物理的気相成長、ml=ミリリットル、min=分、sec=秒、msec=ミリ秒、hr=時間、Hz=ヘルツ、kHz=キロヘルツ、W=ワット=1ジュール/秒、erg=1ダインcm=10−7ジュール、mV=ミリボルト、1気圧=760トール、1気圧=1.01325×10ダイン/cm、psi=ポンド/平方インチ、1気圧=14.7psi、slpm=大気圧中の20℃で測定された標準リットル/分、rpm=毎分回転数、Å=オングストローム=1×10−4ミクロン、RMS=二乗平均平方根、SEM=走査型電子顕微鏡法。
【0011】
全てのパーセントは、特に他に記さない限り、重量パーセントである。全ての数値範囲は、境界値を含み、および理論上かかる数値範囲の合計が100%までに制限されている場合を除き、任意の順序で組み合わせ可能である。
【0012】
方法は、炭化ケイ素物品が、半導体ウェハの処理中に半導体ウェハ上に1dmあたり160個以下の粒子を生じさせるように、炭化ケイ素物品の1以上の表面を改変することを含む。典型的には、炭化ケイ素物品は、半導体ウェハの処理中に半導体ウェハ上で65粒子/dm以下、または例えば、半導体処理中に半導体ウェハ上に30粒子/dm以下を生じさせる。
【0013】
炭化ケイ素は、多種多様な方法によって形成することができ、熱伝導性、電気抵抗、密度および結晶構造をはじめとする異なった別々の性質を有する炭化ケイ素を得ることができる。炭化ケイ素は単結晶または多結晶であってもよい。炭化ケイ素には、これに限定されないが、化学蒸着した炭化ケイ素、物理蒸着した炭化ケイ素、反応結合した炭化ケイ素、焼結炭化ケイ素、ホットプレス炭化ケイ素、発泡炭化ケイ素が含まれる。典型的には、炭化ケイ素は、CVD炭化ケイ素、PVD炭化ケイ素、焼結炭化ケイ素およびホットプレス炭化ケイ素から選択される。より典型的には、炭化ケイ素は、CVD炭化ケイ素およびPVD炭化ケイ素から選ばれる。より典型的には、炭化ケイ素はCVD炭化ケイ素である。CVD炭化ケイ素は、典型的には、β−立方晶系炭化ケイ素である。
【0014】
典型的には、炭化ケイ素物品は、まず巨視的に機械加工される。一般的に、巨視的な機械加工は、炭化ケイ素物品の望ましくない表面形状が、例えばCVDまたはPVDなどによってそれらが形成された後に除去され、そして、それらの所望の機能に適した物品を形成する。通常の機械加工工程を用いることができる。かかる工程には、これに限定されないが、研削、ラップ仕上げ、ホーニング仕上げ、超音波加工、ウォータージェットまたは研磨加工、レーザ加工、放電加工、イオンビーム加工、電子ビーム加工、化学成形、および電解加工が含まれる。典型的には、表面はダイヤモンド工具で機械加工される。
【0015】
炭化ケイ素物品が巨視的に機械加工された後、それらの表面の1以上がさらに改変されて、半導体の処理中に半導体ウェハ上に1dmあたり160個以下の粒子を生じさせる炭化ケイ素物品を提供する。この方法によって、巨視的加工後に炭化ケイ素物品の表面に残留する亀裂や空洞が低減される。粒子が通常閉じ込められる亀裂や空洞が低減されると、遊離粒子の数が減少する。この方法によって、巨視的機械加工の後に物品上に残留する遊離粒子の多くが除去される。巨視的機械加工後の方法には、これに限定されないが、エッチング、レーザーアブレーション、コーティング、並びに例えば粒子ブラスト、ラップ仕上げ、研磨および超音波加工等におけるような研磨剤またはグリット材を使用することが含まれる。望ましい炭化ケイ素を得るために種々の方法の組み合わせを用いることができる。
【0016】
一般に、これらの方法は、炭化ケイ素物品の1以上の表面を改変して、Raが0.5ミクロン以下、Rz(din)が5ミクロン以下の1以上の表面を実現する。表面粗さは、表面テクスチャのより細かい凹凸からなり、RaおよびRz(din)を含有する。「Ra」とは、ある一定の評価長さ以内に記録された、平均ライン(平均粗さ)からの外形(ピーク)高さのずれの絶対値の算術平均を指す。Raは、0.5ミクロン以下から、もしくは例えば0.1ミクロンから、0.001ミクロンまで、または例えば、0.01ミクロン〜0.005ミクロンまでの範囲である。Rz(din)の値は、測定長さ以内の任意の5つの連続したサンプル長さの平均最大ピーク−谷間高さである。ピーク−谷間の距離は、表面形状体の高さと、表面内の凹所または谷との間の距離である。「ピーク」とは、中心線より上にある外形の所与部分上の最大高さの点である。「谷」とは、中心線より下にある所与部分または外形上の最大深さの点である。Rz(din)は、5ミクロン以下から、もしくは例えば1ミクロンから、0.005ミクロンまで、または例えば、0.5ミクロン〜0.05ミクロンまでの範囲である。
【0017】
種々の方法を、表面粗の測定に用いることができる。好適な1つの方法は自己共分散関数である。2次元の自己共分散関数は、方向と距離の関数であり、ある方向にある一定の長さで分離している全ての2点の対の高さ形成物の期待値を表す。言い換えると、自己共分散関数とは、特徴的形状体の長さ、すなわちある一定の高さを有する2つのピーク間の長さを表す。自己共分散関数を利用して表面トポグラフィを決定する詳細については、Kielyらによる、「走査型プローブ顕微鏡によるトポグラフィ構造の定量化」( Quantification of Topographic Structure by Scanning Probe Microscopy )、Journal of Vacuum Science Technology B、第15巻、No.4、1997年7月/8月、1483〜1493ページを参照のこと。さらに、粗さのパラメータおよびこれらのパラメータの値を決定する方法の詳細については、ASME規格B46.1−2002の「表面テクスチャ(表面粗さ、うねりおよびねじれ)」(米国機械学会)2003年に規定されている。典型的には、表面形状体の方向性表面トポグラフィは、原子間力顕微鏡(AFM)または光学プロフィロメータを用いて決定される。
【0018】
結果として得られる炭化ケイ素が所望の粒子発生を有する限り、任意の好適な表面エッチング方法を用いることができる。典型的には、エッチングは、融解塩基または無機酸で行われる。融解塩基でのエッチングは、500℃〜1200℃、または例えば800℃〜1000℃の温度で実施することができる。酸でのエッチングは、30℃〜150℃、または例えば70℃〜100℃の温度で実施できる。
【0019】
好適な塩基には、これに限定されないが、アルカリ金属塩基、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムまたはその混合物が含まれる。水酸化カリウムと水酸化ナトリウムが混合物として使用される場合、水酸化カリウムと水酸化ナトリウムの重量比は2:1〜1:2である。典型的には、エッチングは融解水酸化カリウムを用いて行われる。融解塩基のpHは、8〜14、または例えば10〜13の範囲にある。
【0020】
炭化ケイ素表面は、5分〜120分、または例えば15分〜60分、または例えば20分〜30分間、融解塩基に暴露し得る。炭化ケイ素を融解塩基に120分を超えて暴露すると、その塩基が表面を腐食し、粒子濃度と表層の損傷を低減するかわりに、表層をより傷つける結果になり得る。
【0021】
融解塩基処理は大気圧下でなされる。エッチングは、プラズマチャンバまたは任意の好適な装置内で行われ得る。融解塩基処理がなされる環境は不活性雰囲気であってもよい。好適な不活性ガスとしては、これに限定されないが、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、キセノン、窒素およびそれらの混合物が包含される。ガス流量は50slpm〜150slpmの範囲である。水素、または水素に1つの不活性ガスを加えてたものを、チャンバ内に発生させてもよい。水素流量は20slpm〜150slpmの範囲である。融解塩基でエッチングを行うのに典型的な不活性雰囲気は、流量が70slpm〜120slpmのときはアルゴンガスで、流量が30slpm〜75slpmのときは水素である。
【0022】
また、酸エッチングは、塩基について記載したような不活性雰囲気においてまたは非不活性雰囲気において実施し得る。酸には、これに限定されないが、フッ化水素酸(HF)、硝酸(HNO)、リン酸(HPO)、硫酸(HSO)またはそれらの混合物が含まれる。酸の濃度は20〜90重量%、または例えば50〜約80重量%の範囲であり得る。かかる酸濃度は、供給者から商業的に入手することができ、または作業者によって容易に調製することができる。2つ以上の無機酸が一緒に混合される場合、それぞれ重量で等しい量の酸が用いられる。典型的には、フッ化水素酸と硝酸をリン酸と、重量比で2:1:1、または例えば1:2:1、または例えば1:1:2、または例えば1:1:1の重量比で混合した混合物が用いられる。
【0023】
無機酸は、15分〜100分間、または例えば30分〜約90分間、または例えば50分〜70分間、炭化ケイ素の表面に適用される。
【0024】
より典型的な、無機酸を用いたエッチング方法では、50〜80重量%の濃度の硝酸と、20〜40重量%の濃度のフッ化水素酸とを、60〜90分間、85℃〜100℃の温度範囲で炭化ケイ素の1以上の表面に適用する。
【0025】
エネルギーアブレーションは、放射エネルギーもしくは電磁波ビームまたは粒子ビームを用いて、炭化ケイ素の表面を改変する。放射エネルギーアブレーションまたは熱処理は、典型的に、従来の真空チャンバ内で行われる。真空は、物品の回りで徐々に形成される。圧力は、10−4〜10−10トールまたは例えば10−6〜10−8トールの範囲であり得る。物品が1000℃から2000℃、または例えば1200℃から1500℃の温度に上昇される間に、圧力は一定に保たれる。物品は、一定の温度と圧力で2〜10時間、または例えば4〜8時間保持される。その後、物品は徐々に冷却され、且つ大気圧にされ、チャンバから取り出される。冷却および減圧は5分〜60分間、または例えば10分〜30分間に渡って行われ、チャンバ内にセラミックを残して6時間〜48時間、または例えば12時間〜24時間に渡って室温まで冷却される。
【0026】
電磁波または粒子には、これに限定されないが、陽子、中性子、電子、X線、レーザ(高強度光放射)、電気アークとしても知られる放電加工(EDM)、およびマイクロ波が含まれる。表面の改変に用いられる装置には、一般的には、セラミック表面上に特定ビームのエネルギーを制御および集中する手段が含まれる。ビームを制御および集中するのに使用される個々の手段は、用いられる電磁放射の個々の種類によってかわる。このような装置は当技術分野ではよく知られている。
【0027】
一般に、電磁ビームが電子ビーム、イオンビームまたは電気アークによって生成される場合、電流が物品に流れる。電流は、5mA〜100mA、または例えば10mA〜80mAの範囲であり得る。電磁ビームによって送出されるエネルギーは、セラミックの面の平均パワーであるパワー密度の用語によって定義することができる。平均パワー密度は、ビームが向けられる物品の表面上の個所において1000W/cm〜5000W/cm、または例えば2000W/cm〜4000W/cmの範囲であり得る。電磁ビームのピークパワー密度は、セラミックの表面上の個所で5000W/cm〜10,000W/cm、または例えば5500W/cm〜8000W/cmであり得る。ピークパワー密度は、ビームが所与のパワー設定において最大集束(すなわち最小スポットサイズ)である場合の、プロセス設定値と定義することができる。電磁ビームの停止時間は、0.1ミリ秒〜5ミリ秒、または例えば0.5ミリ秒〜2ミリ秒の範囲であり得る。
【0028】
任意の適切なレーザを用いて、炭化ケイ素の表面を所望の形状に改変することができる。例えば、二酸化炭素連続波レーザ、パルスビーム二酸化炭素レーザ、イットリウムガーネット(YAG)レーザ、キセノンクロライド(XeCl)エキシマレーザを用いることができる。レーザパワー密度は、800W/cm〜2000W/cm、または例えば1000W/cm〜1500W/cmの範囲にある。典型的には、レーザアブレーションは、表面から0.01〜5ミクロン、または例えば0.1ミクロン〜3ミクロン、または表面から炭化ケイ素の例えば1〜2ミクロンを除去する。
【0029】
表面酸化としては、800℃〜2000℃、または例えば1000℃〜1500℃の温度で、通常の開放型空気加熱炉(open air furnace)内に炭化ケイ素の物品を置くことが挙げられる。加熱は50時間〜400時間、または例えば100時間〜250時間続く。この工程を促進するために、追加の酸素を加熱炉に圧送してもよい。場合によっては、酸化の過程中に蒸気を空気に混合させて、酸化工程を促進することもできる。蒸気が空気に含まれる場合、典型的には、蒸気は混合物の5体積%〜20体積%の範囲であり、酸素は95体積%〜80体積%の範囲である。
【0030】
あるいは、この方法は、加熱炉内に酸素が圧送されるている密閉型加熱炉において行われてもよい。典型的には、密閉型加熱炉内の圧力は、50トール〜1気圧の範囲である。密閉型加熱炉内の酸化は、典型的には、5時間〜30時間、または例えば10時間〜20時間を要する。
【0031】
酸化物層の厚さは、0.1ミクロン〜10ミクロン、または例えば0.2ミクロン〜5ミクロン、または例えば0.3ミクロン〜2ミクロンの範囲であり得る。酸化物層を構成する酸化物は、典型的には、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、または酸化ケイ素と二酸化ケイ素との混合物である。次に、酸化物層は、1以上の無機酸を用いて剥離される。好適な酸には、これに限定されないが、塩酸、硫酸、硝酸、フッ化水素酸、リン酸およびその混合物が含まれる。典型的には、フッ化水素酸が用いられる。剥離は20℃〜90℃の温度で行われる。
【0032】
酸化物が除去されると、酸化物が被膜している粗い表面形状と鋭いピークも除去される。炭化ケイ素の粒子を閉じ込め得る亀裂および空洞が低減される。酸化物層を除去することによって、所望の表面形状を有する滑らかな表面が提供される。
【0033】
ラップ仕上げおよび研磨は、通常の装置、例えば種々のラップ仕上げ装置および研磨パッドなどを用いて行うことができる。ラップ板が用いられる場合、ラップ板は、300m/分〜3000m/分、または例えば600m/分〜2500m/分の表面速度で回転する。ラップ仕上げおよび研磨は、1psi〜15psiの圧力で、または例えば1時間〜10時間で行われる。
【0034】
ラップ仕上げおよび研磨は、スラリー、ペーストおよび乾燥粒子を用いても行うことができる。様々な種類の粒子並びに様々な粒子サイズを用いることができる。ラップ仕上げおよび研磨は、粒子サイズを変更して複数の工程で行われ、所望の表面粗さを得ることができる。
【0035】
化学的機械的研磨は、式AO・xZ(式中、Aは少なくとも1つの二価カチオンであり、Zは少なくとも1つの三価カチオンであり、0.01≦x≦100である)を有する粒子を用いて行うことができる。カチオンには、これに限定されないが、マグネシウム、鉄(II)、亜鉛、マンガン、ニッケル、カルシウムおよびそれらの混合物が含まれる。Zカチオンには、これに限定されないが、アルミニウム、鉄(III)、クロム、チタンおよびそれらの混合物が含まれる。かかる粒子は、5m/g〜200m/g、の表面積、および5nm〜500nmの平均結晶直径、および10nm〜5000nmの平均凝集粒子直径を有する。ゼータ電位は正、ゼロまたは負であり得る。典型的には、スラリーのゼータ電位は+10mVよりも大きいかまたは等しく、または−10mVよりも小さいかまたは等しい。水性スラリーは0.1重量%〜10重量%の量で粒子を含む。粒子に加えて、スラリーは、酸化剤または還元剤、例えばヒドロキシルアミン化合物過硫酸アンモニウム、過酸化水素、高分子電解質および有機酸などを含んでもよい。界面活性剤、安定剤、懸濁剤、緩衝材および潤滑剤、並びにキレート剤が含まれてもよい。これに限定されないが、例えばジルコニウム、銅、コバルト、リチウムおよび希土類元素のカチオンをはじめとする追加のカチオンが含まれてもよい。
【0036】
使用することができる他の研磨粒子には、これに限定されないが、ダイヤモンド、炭化ホウ素、窒化ホウ素、窒化炭素、炭化ケイ素、窒化ケイ素およびそれらの混合物が含まれる。粒子のサイズは0.005ミクロン〜30ミクロン、または例えば0.05ミクロン〜20ミクロン、または例えば0.5ミクロン〜10ミクロンの範囲であり得る。ダイヤモンドペーストが使用される場合、粒子のサイズは2ミクロン以下、典型的には1ミクロン以下の範囲であり得る。かかる研磨粒子はスラリーの1重量%から30重量%含まれ得る。通常の添加剤、例えばキレート剤、緩衝材および界面活性剤などが、通常の量でスラリーに含まれてもよい。
【0037】
研磨処理の他の形態には、これに限定されないが、固定研磨研削および、グリットブラスト、例えばサンドブラストが含まれる。固定研磨研削は、典型的には、ダイヤモンド、炭化ケイ素および9以上のモース硬度を有する他の研磨剤を用いることが含まれる。また、このような材料の組み合わせも用いることもできる。研磨剤は、粒子形体または砥石車、例えばダイヤモンド砥石の形体であってもよい。砥石車の表面速度は、少なくとも1000m/分、または例えば2000m/分〜10,000m/分である。粒子は、10psi〜100psi、または例えば20psi〜80psiの圧力で適用される。通常の研磨装置を利用することも可能である。
【0038】
グリットブラストが用いられる場合、通常のサンドブラスト装置、粒子ブラスト装置およびブラストキャビネットを用いてもよい。研磨剤としては、これに限定されないが、ダイヤモンド、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ホウ素およびそれらの混合物が挙げられる。研磨剤は、10psi〜500psi、または例えば25psi〜150psiの圧力で物品の表面に適用される。かかる圧力は、所望の表面が得られるまで適用される。
【0039】
研磨粒子に加えて超音波を利用することもできる。超音波ツールは、超音波ドライバを含むとツールホルダーと加工中の製品の保持に適したフレームを有する。超音波ドライバは、例えば15KHz〜40KHz、または例えば20KHz〜35KHzの周波数でツールを振動させる。超音波エッチングは30分〜120分間、または例えば60分〜90分間の範囲である。
【0040】
材料の被膜が、所望の表面を実現するために用いられ得る。かかる被膜には、これに限定されないが、炭化ケイ素、ケイ素、窒化ケイ素、二酸化ケイ素および炭素が包含される。かかる被膜は、CVDまたはPVDによってセラミック物品の表面上に堆積させてもよい。被膜を形成するために通常の反応物質を利用することができる。堆積温度および圧力は、被膜の種類に応じて変化する。典型的には、加熱炉の温度は、1000℃〜1500℃、または例えば1200℃〜1400℃の範囲であり得る。加熱炉の圧力は、20トール〜760トール、または例えば80トール〜125トールの範囲であり得る。被膜の堆積速度は、0.01ミクロン/分〜5ミクロン/分、または例えば0.5ミクロン/分〜3ミクロン/分の範囲でああり得る。通常、被膜の厚さは、0.01ミクロン〜10ミクロン、または例えば0.1ミクロン〜5ミクロンの範囲にであり得る。
【0041】
炭化ケイ素物品の表面を改変した後、場合によっては、炭化ケイ素の表面をさらに処理して表面上に残っている任意の残渣を除去することもできる。このような任意の処理には、これに限定されないが、希釈無機もしくは有機酸、または超臨界二酸化炭素を用いた処理が含まれる。
【0042】
好適な酸としては、これに限定されないが、塩酸、硫酸、硝酸、フッ化水素酸、リン酸、酢酸の希釈水溶液およびそれらの混合物が挙げられる。かかる酸は、典型的には、0.5重量%〜10重量%の濃度で用いられる。
【0043】
炭化ケイ素物品を、高圧の反応器内で超臨界二酸化炭素を用いて処理してもよい。超臨界二酸化炭素は、炭化ケイ素物品の亀裂または空洞に容易に浸透し、亀裂および空洞内に蓄積している遊離粒子を除去する。物品は、70気圧〜250気圧、または例えば100気圧〜200気圧の圧力で加圧される。
【0044】
炭化ケイ素の表面は、典型的には、タリステップ(Talystep)機械接触型プロフィルメータを用いると、10Å〜100Å、または例えば20Å〜60ÅのRMSを有する。炭化ケイ素の表面は、SEMを用いて、所望の粒子濃度と表層仕上げの検査をすることができる。
【0045】
典型的には、半導体ウェハは、これに限定されないが、シリコン、サファイア、ガリウムヒ素または炭化ケイ素を含む材料からなる。より典型的には、半導体ウェハはシリコンからなる。1以上のウェハを同時に処理してもよい。
【0046】
炭化ケイ素物品は、種々のウェハ処理装置で使用することができる。かかる物品には、これに限定されないが、プラズマスクリーン、ガス拡散プレート、焦点リング、サセプタリングおよびウェハ保持装置が一般的に包含される。処理装置には、これに限定されないが、例えばウェハの高温アニーリングなどのためのバッチ処理チャンバ、例えば高速熱アニーリング(RTA)加熱炉、高温拡散、窒化物堆積、エピタキシャルシリコン成長、化学蒸着膜成長、ウェハアニーリング、高温拡散などのための単一ウェハ処理チャンバ、およびプラズマエッチングチャンバが含まれる。
【0047】
以下の実施は本発明を詳細に説明するものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0048】
実施例1
通常の研削装置を用いてCVD炭化ケイ素サセプタリングを機械加工し、表面粗さRa=0.8ミクロンを得る。表面粗さは、接触型プロフィルメータを用いて測定される。機械加工は、最初に、150粒度(grit)を有するダイヤモンド砥石で、続いて320粒度を有するダイヤモンド砥石で行われる。研削は1750rpmの速度で9時間行われる。
【0049】
サセプタリングは、その後、粒子サイズが4ミクロン〜8ミクロンのダイヤモンドペーストを用いたPellon Pad(商標)のラップパッドを使って、ラップ仕上げされる。ラップ仕上げは、600m/分の表面速度で2時間行われる。
【0050】
表面粗さは接触型プロフィルメータを用いて測定される。Ra値は0.1ミクロンであると決定され、Rz(din)は1ミクロンであると決定される。
【0051】
サセプタリングは、その後、ウェハボート内に置かれ、半導体ウェハがサセプタリング内に置かれる。ウェハボートは、その後、通常のCVD加熱炉内に置かれる。加熱炉は1100℃の温度まで加熱され、エピタキシャル膜形成のために不活性アルゴンおよび水素雰囲気が生成される。ウェハを備えたウェハボートが加熱炉の中で6時間加熱される。その後、加熱炉は室温に冷却され、サセプタリングと、ウェハを備えたウェハボートは、加熱炉から取り出される。ウェハ上の炭化ケイ素粒子の数は、160粒子/dm未満と予測される。
【0052】
実施例2
実施例1に記載したように、通常の研削装置と方法を用いて、CVD炭化ケイ素サセプタリングを機械加工し、表面粗さRa=0.8ミクロンを得る。表面粗さは、接触型プロフィルメータを用いて測定される。
【0053】
サセプタリングは、その後、粒子サイズが4ミクロン〜8ミクロンのダイヤモンドペーストを用いたPellon Pad(商標)のラップパッドを使って、ラップ仕上げされる。ラップ仕上げは、1200m/分の表面速度で2時間行われた。サセプタは、その後、粒子サイズが2ミクロン〜4ミクロンのダイヤモンドペーストを用いて3時間研磨される。接触型プロフィルメータを用いて測定すると、Raは0.05ミクロン未満になると予測され、Rz(din)は0.5ミクロン未満になると予測される。
【0054】
サセプタリングは、その後、ウェハ保持装置内に置かれ、半導体ウェハはサセプタリング内に置かれる。当該装置は、その後、不活性アルゴン雰囲気のCVD加熱炉内に置かれる。加熱炉の温度は室温から1100℃に上げられる。当該装置は加熱炉の中で10時間加熱される。加熱炉は、その後、室温へ冷却される。ウェハ保持装置が室温に達したときに、加熱炉から取り出される。シリコンウェハが当該装置から取り出される。ウェハ上の炭化ケイ素粒子の数は、160粒子/dm未満と予測される。
【0055】
実施例3
実施例1に記載したように、通常の研削装置を用いて、CVD炭化ケイ素サセプタリングを機械加工し、表面粗さRa=0.8ミクロンを得る。表面粗さは、接触型プロフィルメータを用いて測定される。
【0056】
サセプタリングは、その後、粒子サイズが0.25ミクロン〜1ミクロンのダイヤモンドペーストを用いたPellon Pad(商標)のラップパッドを使って、ラップ仕上げされる。ラップ仕上げは、1500m/分の表面速度で3時間行われる。サセプタは、その後、0.25ミクロンから1ミクロンのサイズを有する粒子によるダイヤモンドペーストを用いて4時間研磨される。Raは0.005ミクロンであると予測され、Rz(din)は0.05ミクロンであると予測される。
【0057】
サセプタリングは、その後、1100℃で100時間、標準的な熱による開放型空気加熱炉内に置かれ、リングの表面上に0.4ミクロン厚さの二酸化ケイ素の層を生成する。その後、温度は周囲温度に冷却される。サセプタリングが冷却されたときに、1Nのフッ化水素酸溶液に30分間30℃で浸漬して、サセプタから二酸化ケイ素の層を剥離する。
【0058】
サセプタは、その後、ウェハボート内に置かれる。シリコン半導体ウェハがサセプタボート内に置かれ、ボートはその後、加熱炉の中に置かれる。加熱炉には、不活性ガスのアルゴンと水素が供給される。加熱炉は1200℃へ加熱され、ボートは加熱炉の中で10時間放置される。加熱炉の温度を室温まで冷却させる。ウェハ上の炭化ケイ素粒子の数は、30粒子/dm未満と予測される。
【0059】
実施例4
実施例1と同じ手順に従って、CVD炭化ケイ素サセプタリングを機械加工し、Ra=0.8を達成する。サセプタは、その後、20%の酸素を含む標準的な熱による開放型空気加熱炉内に置かれる。加熱炉の温度は1000℃まで上げられ、圧力は1気圧に維持される。サセプタは加熱炉の中で12時間加熱され、サセプタの表面上に0.1ミクロンの厚さの二酸化ケイ素の層を生成する。
【0060】
サセプタは、その後、ウェハボート内に置かれる。半導体ウェハがサセプタ内に置かれ、ボートは、その後、不活性なアルゴンと水素雰囲気の加熱炉の中に置かれる。加熱炉は1200℃まで加熱される。ボートは、加熱炉の中で10時間加熱される。加熱炉の温度は、その後、室温まで冷却される。ウェハ上の粒子の数は、65粒子/dm未満と予測される。
【0061】
実施例5
実施例1で記載したとおり、CVD炭化ケイ素サセプタリングを機械加工して、Ra=0.8を得る。サセプタリングは、その後、標準的な熱による開放型空気加熱炉内に置かれ、リングの表面上に0.8ミクロンの厚さの二酸化ケイ素の層を生成する。
【0062】
開放型空気加熱炉の温度は、1100℃で200時間維持され、サセプタリングの面上に二酸化ケイ素の層を生成する。加熱炉は、その後、周囲温度に冷却される。サセプタリングが冷却されたときに、サセプタを1Nのフッ化水素酸溶液に30分間30℃で浸漬して、サセプタから二酸化ケイ素の層を剥離する。
【0063】
サセプタの表面粗さが接触型プロフィルメータを用いて測定される。Raは0.1ミクロンであると測定され、Rzは1ミクロンであると測定される。
【0064】
サセプタリングはウェハボート内に置かれ、シリコン半導体ウェハがリング内に置かれる。ボートは、その後、加熱炉の中に置かれ、1050℃の温度まで加熱される。ボートは加熱炉の中で5.5時間、アルゴンと水素雰囲気中に放置される。5.5時間後、加熱炉は室温まで冷却される。ボートが室温に達したときに、加熱炉から取り出される。ウェハは、160粒子/dm未満を有すると予測される。
【0065】
実施例6
実施例1に記載するとおり、化学蒸着した炭化ケイ素サセプタリングを機械加工して、Ra=0.8を得る。サセプタリングは、その後、標準的な熱による開放型空気加熱炉内に置かれ、リングの表面上に1ミクロンの厚さの二酸化ケイ素の層を生成する。
【0066】
開放型空気加熱炉の温度は、1100℃で300時間維持され、サセプタリングの面上に二酸化ケイ素の層を生成する。加熱炉は、その後、周囲温度に冷却される。二酸化ケイ素被膜されたリングは、その後、1Nのフッ化水素酸溶液に30分間30℃で浸漬し、リングから二酸化ケイ素の層を剥離する。
【0067】
サセプタは、その後、ウェハボート内に置かれる。シリコン半導体ウェハがボート内に置かれ、ボートは加熱炉の中に置かれる。加熱炉は1200℃まで加熱され、ボートは加熱炉の中に10時間留められる。加熱炉が冷却されたときに、ボートはウェハと共に取り出される。ウェハ上の粒子の数は65粒子/dm未満と予測される。
【0068】
実施例7
0.25ミクロン〜1ミクロンのダイヤモンド粒子を使用して、化学蒸着した炭化ケイ素ガス拡散プレートを機械的に研磨し、20ÅのRMSを得る。表面はタリステップ機械接触型プロフィルメータで測定される。研磨したガス拡散プレートは、次に、融解水酸化カリウムを用いて、900℃で10分間、その表面上をエッチングされる。エッチングは不活性のアルゴンガス雰囲気中で行われる。
【0069】
ガス拡散プレートは、次に、高圧の反応加熱炉内に置かれ、超臨界二酸化炭素を用いて200気圧まで加圧される。ガス拡散プレートは反応器内に5時間維持される。ガス拡散プレートをSEMで検査すると、プレート上には、あったとしてもわずかな粒子しか見られないと予測される。
【0070】
実施例8
化学蒸着した炭化ケイ素ガス拡散プレートが、50重量%の硝酸と20重量%のフッ化水素酸を用いて20℃で60分間エッチングされる。ガス拡散プレートは、蒸留水で洗浄され、余分な硝酸が除去される。ガス拡散プレートは、その後、実施例7におけるのと同様に、高圧の反応器内に置かれ、超臨界二酸化炭素で処理される。SEM分析によると、ガス拡散プレートの表面上には、あったとしてもわずかな粒子が見られるにすぎないと予測される。
【0071】
実施例9
炭化ケイ素ガス拡散プレートは、アルミナ研磨粒子を用いてウエットサンドブラスト加工される。アルミナ研磨粒子は、10ミクロン〜20ミクロンのサイズである。ガス拡散プレートの表面は、30分間、10ml/分のスラリー流量で吹き付けられる。
【0072】
サンドブラストが完了した後、ガス拡散プレートはブラストチャンバから取り除かれ、実施例7におけるのと同様に高圧の反応器内に置かれ、超臨界二酸化炭素で処理される。ガス拡散プレートをSEMで検査すると、あったとしてもわずかな粒子が見られるだけであると予測される。
【0073】
実施例10
実施例1に記載したように、化学蒸着した炭化ケイ素ガス拡散プレートを機械加工して、Ra=0.8を得る。ガス拡散プレートは、その後、標準的な熱による開放型空気加熱炉内に置かれ、蒸気が加えられ、プレートの表面上に厚さが1ミクロンの二酸化ケイ素の層が形成される。
【0074】
開放型空気加熱炉の温度は1100℃で50時間維持される。空気が混合物の90体積%を構成し、蒸気が混合物の10体積%を構成するように、蒸気を空気と混合させる。加熱炉は、その後、周囲温度に冷却される。二酸化ケイ素が被膜されたプレートは、その後、1Nのフッ化水素酸溶液に30分間30℃で浸漬して、プレートから二酸化ケイ素の層を剥離する。ガス拡散プレートをSEMで検査すると、プレート上には、あったとしてもわずかな粒子が見られるだけであると予測される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)炭化ケイ素物品を提供すること;および
(b)該炭化ケイ素物品が、ウェハ処理中に半導体ウェハ上に1dmあたり160個以下の粒子を生じさせるように、該炭化ケイ素物品の1以上の表面を改変すること、
を含む方法。
【請求項2】
前記炭化ケイ素物品が、エッチング、レーザアブレーション、表面ブラスト、コーティング、酸化、研磨、機械加工またはそれらの組み合わせによって改変される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記エッチングが融解塩基により行われる、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記炭化ケイ素物品を超臨界二酸化炭素で処理する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記炭化ケイ素が、CVD炭化ケイ素、PVD炭化ケイ素、反応結合した炭化ケイ素、焼結炭化ケイ素、ホットプレス炭化ケイ素または発泡炭化ケイ素から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
(a)炭化ケイ素物品を提供すること;および
(b)該炭化ケイ素物品が、半導体ウェハ処理中に半導体ウェハ上に1dmあたり160個以下の粒子を生じさせるように、該炭化ケイ素物品の1以上の表面を酸化すること、
を含む方法。
【請求項7】
(a)炭化ケイ素物品を提供すること;
(b)該炭化ケイ素物品上の1以上の表面を酸化すること;および
(c)該炭化ケイ素物品が、半導体ウェハ処理中に半導体ウェハ上に160個/dm以下の粒子を生じさせるように、該炭化ケイ素物品の被膜を剥離すること、
を含む方法。
【請求項8】
前記酸化物層が、1以上の無機酸で剥離される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記無機酸が、フッ化水素酸である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記酸化物層が、0.1ミクロン〜10ミクロンの厚さである、請求項7記載の方法。

【公開番号】特開2007−189203(P2007−189203A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−325343(P2006−325343)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(591016862)ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. (270)
【Fターム(参考)】