説明

半導体封止用樹脂組成物の製造方法および粉砕装置

【課題】粉砕の際に金属製の異物が混入することを防止しつつ、収率が良く、良好な硬化性を有する半導体封止用樹脂組成物の製造方法および粉砕装置を提供する。
【解決手段】粉砕装置1は、気流式の粉砕装置であり、第1の組成物を粉砕する粉砕部2と、冷却装置3と、高圧空気発生装置4と、粉砕された第1の組成物を貯留する貯留部5とを備えている。粉砕部2は、チャンバ6を備え、チャンバ6の底部には、粉砕された第1の組成物を排出する出口が形成され、出口の近傍には、出口の周囲を囲う壁部が形成されている。チャンバ6の側部には、複数のノズル72が設置され、ノズル72の上部には、ノズル72内に連通する供給部73が設置されている。チャンバ6内に供給する空気の圧力を0.3MPa以上、温度を20℃以下、湿度を40%RH以下に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体封止用樹脂組成物の製造方法および粉砕装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
樹脂製の封止材により半導体チップ(半導体素子)を被覆(封止)してなる半導体パッケージが知られている。この半導体パッケージの封止材は、硬化性樹脂を含む樹脂組成物を、例えば、トランスファー成形等により成形して得られる。
【0003】
ところで、前記樹脂組成物の製造工程には、複数種の粉末材料を含む樹脂組成物(組成物)を微細に粉砕する粉砕(微粉砕)工程が含まれており、その樹脂組成物の粉砕は、例えば、振動ボールミル、連続式回転ボールミルや、ジェットミル等の気流式の粉砕装置で行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
これらの粉砕装置のうちでは、樹脂組成物の粉砕の際に、樹脂組成物中への金属製の異物(金属異物)の混入を防止(または抑制)し得る点で、気流式の粉砕装置を用いることが好ましい。
【0005】
しかしながら、気流式の粉砕装置では、粉砕の際に樹脂組成物が粉砕装置のチャンバ内に付着し、収率が低下してしまうという問題がある。また、粉砕の際に樹脂組成物が吸湿し、その樹脂組成物の硬化性等の特性が低下し、成形性が悪化するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3856425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、粉砕の際に金属製の異物が混入することを防止しつつ、収率が良く、良好な硬化性を有する半導体封止用樹脂組成物の製造方法および粉砕装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記(1)〜(15)の本発明により達成される。
(1) 半導体封止用樹脂組成物の製造方法であって、
気流式の粉砕装置を用い、該粉砕装置のチャンバ内において、気体の旋回流により、硬化性樹脂の粉末材料および無機充填材の粉末材料を含む組成物を旋回させ、該組成物を粉砕する粉砕工程を有し、
前記粉砕工程において、
前記チャンバ内に供給する前記気体の圧力0.3MPa以上、
前記チャンバ内に供給する前記気体の温度を20℃以下、
前記チャンバ内に供給する前記気体の湿度を40%RH以下、
とすることを特徴とする半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
【0009】
(2) 前記組成物は、硬化促進剤を含み、
前記硬化性樹脂は、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂系硬化剤を含む上記(1)に記載の半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
【0010】
(3) 前記粉砕工程で粉砕される前記組成物中の前記無機充填材の含有率は、50〜80wt%である上記(1)または(2)に記載の半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
【0011】
(4) 前記粉砕工程に先立って、前記組成物を混合する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
【0012】
(5) 前記チャンバ内に気体を供給することにより、前記気体の旋回流を生じさせ、前記チャンバ内に供給する前記気体の量を1Nm/分以上とする上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
【0013】
(6) 前記チャンバの内径の平均値は、10〜50cmである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
【0014】
(7) 前記粉砕工程を行うことにより、前記組成物の粒度分布を、粒径250μm以上が1wt%以下、粒径150μm以上、250μm未満が9wt%以下、粒径150μm未満が90wt%以上とする上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
【0015】
(8) 気流により、硬化性樹脂の粉末材料および無機充填材の粉末材料を含む組成物を旋回させ、該組成物を粉砕する気流式の粉砕装置であって、
前記組成物を供給する供給手段と、
チャンバと、
前記チャンバ内に気体の旋回流を生じさせる旋回流生成手段と、
前記チャンバ内に供給する前記気体の圧力を調整する圧力調整手段と、
前記チャンバ内に供給する前記気体の温度を調整する温度調整手段と、
前記チャンバ内に供給する前記気体の湿度を調整する湿度調整手段とを有し、
前記チャンバ内に供給する前記気体の圧力を0.3MPa以上、前記チャンバ内に供給する前記気体の温度を20℃以下、前記チャンバ内に供給する前記気体の湿度を40%RH以下に設定し、前記チャンバ内において、気体の旋回流を生じさせ、前記組成物を旋回させ、該組成物を粉砕するよう構成されていることを特徴とする粉砕装置。
【0016】
(9) 前記旋回流生成手段は、前記チャンバの周方向に沿って配置され、前記チャンバ内に前記気体を噴出する複数のノズルを有する上記(8)に記載の粉砕装置。
【0017】
(10) 前記圧力調整手段は、前記気体が前記チャンバ内に供給される前に該気体を圧縮する装置である上記(8)または(9)に記載の粉砕装置。
【0018】
(11) 前記温度調整手段は、前記気体が前記チャンバ内に供給される前に該気体を冷却する装置である上記(8)ないし(10)のいずれかに記載の粉砕装置。
【0019】
(12) 前記湿度調整手段は、前記気体が前記チャンバ内に供給される前に該気体を乾燥させる装置である上記(8)ないし(11)のいずれかに記載の粉砕装置。
【0020】
(13) 前記チャンバの底部に、粉砕された前記組成物が排出される出口と、該出口の周囲を囲う壁部とが設けられており、
粉砕された前記組成物は、前記壁部を乗り越えて、前記出口から排出されるよう構成されている上記(8)ないし(12)のいずれかに記載の粉砕装置。
【0021】
(14) 前記供給手段は、前記チャンバ内に前記組成物を供給する供給口を有する上記(8)ないし(13)のいずれかに記載の粉砕装置。
【0022】
(15) 前記供給口は、前記気体の旋回流の中心からずれた位置に設けられている上記(14)に記載の粉砕装置。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、気流式の粉砕装置を用いて組成物を粉砕するので、その組成物中に金属製の異物(金属異物)が混入してしまうことを防止することができ、製造された樹脂組成物を用いて半導体素子を封止したとき、ショート等の発生を防止することができる。
【0024】
特に、チャンバ内の気体の温度を所定値に規定することにより、粉砕の際に組成物がチャンバ内に付着してしまうことを防止し、製造される樹脂組成物の収率を高くすることができる。
【0025】
また、チャンバ内の気体の湿度を所定値に規定することにより、粉砕の際の組成物の吸湿による特性(例えば、硬化性等)の低下を防止し、製造される樹脂組成物の成形性を向上させることができる。
【0026】
また、チャンバ内の気体の流量を所定値に規定することにより、組成物を比較的微細に粉砕することができ、これにより、後の工程である樹脂組成物を混合する混合工程において、容易かつ確実に、樹脂組成物中の各粉末材料を均一に分散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】樹脂組成物の製造工程を示す図である。
【図2】本発明の粉砕装置の実施形態を摸式的に示す側面図である。
【図3】図2に示す粉砕装置の粉砕部の内部を摸式的に示す平面図である。
【図4】図2に示す粉砕装置の粉砕部のチャンバを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の半導体封止用樹脂組成物の製造方法および粉砕装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0029】
図1は、樹脂組成物の製造工程を示す図、図2は、本発明の粉砕装置の実施形態を摸式的に示す側面図、図3は、図2に示す粉砕装置の粉砕部の内部を摸式的に示す平面図、図4は、図2に示す粉砕装置の粉砕部のチャンバを示す断面図である。
【0030】
以下では、図2および図4中の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」として説明を行う。なお、図2では、ノズル71等の記載は省略され、また、図3では、供給部73等の記載は省略され、また、図4では、ノズル71、72、供給部73等の記載は省略されている。
【0031】
図2に示す粉砕装置1は、成形体(圧粉体)である樹脂組成物を製造する際の微粉砕(粉砕)工程で使用される気流式の粉砕装置である。この粉砕装置1の説明に先立って、まずは、原材料から半導体チップ(半導体素子)の被覆(封止)用の樹脂組成物を製造するまでの製造工程の全体を説明する。
【0032】
まず、樹脂組成物の原材料である各材料を用意する。
原材料は、硬化性樹脂と、充填材(無機充填材)(無機粒子)とを有し、さらに必要に応じて、硬化促進剤と、カップリング剤等とを有している。硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂等が挙げられ、硬化剤としてフェノールアラルキル型、トリフェノールメタン型、多芳香族環型等のフェノール樹脂系硬化剤を用いたエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0033】
エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型、ビフェニール型、ジシクロペンタジエン型、トリフェノールメタン型、多芳香族環型等が挙げられる。
【0034】
フェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型、フェノールアラルキル型、トリフェノールメタン型、多芳香族環型等が挙げられる。
充填材(無機充填材)としては、例えば、溶融シリカ(破砕状、球状)、結晶シリカ、アルミナ等が挙げられる。
【0035】
硬化促進剤としては、例えば、リン化合物、アミン化合物等が挙げられる。
カップリング剤としては、例えば、シラン化合物等が挙げられる。
【0036】
なお、原材料は、前記材料のうち所定の材料が省略されていてもよく、また、前記以外の材料を含んでいてもよい。他の材料としては、例えば、着色剤、離型剤、低応力剤、難燃剤等が挙げられる。
【0037】
難燃剤としては、例えば、臭素化エポキシ樹脂、酸化アンチモン、ノンハロ・ノンアンチモン系等が挙げられる。ノンハロ・ノンアンチモン系の難燃剤としては、例えば、有機燐、金属水和物、窒素含有樹脂等が挙げられる。
【0038】
(微粉砕)
図1に示すように、原材料のうちの所定の材料については、まず、粉砕装置1により、所定の粒度分布となるように粉砕(微粉砕)する。この粉砕する原材料としては、例えば、硬化性樹脂(硬化剤を含んでもよい)、硬化促進剤等の充填材以外の原材料であるが、粉砕装置1の壁面へ被粉砕物が付着するのを抑えるため、充填材の一部を加えている。これにより、硬化性樹脂、充填材、硬化促進剤等の複数種の粉末材料を含む第1の組成物が得られる。なお、粉砕装置1については、後に詳述する。
【0039】
(表面処理)
原材料のうちの所定の材料、例えば、充填材の一部(残部)については、表面処理を施すことができる。この表面処理としては、例えば、充填材の表面にカップリング剤等を付着させる。これにより、充填材の粉末材料を含む第2の組成物が得られる。なお、前記微粉砕と表面処理とは、同時に行ってもよく、また、いずれか一方を先に行ってもよい。
【0040】
(混合)
次に、混合装置により、前記微粉砕工程で得られた第1の組成物および前記表面処理工程で得られた第2の組成物、すなわち、比重の異なる複数種の粉末材料を含む樹脂組成物(組成物)を完全に混合する。この混合装置としては、例えば、回転羽根を有する高速混合装置等を用いることができる。
【0041】
(混練)
次に、混練装置により、前記混合された樹脂組成物を混練する。この混練装置としては、例えば、1軸型混練押出機、2軸型混練押出機等の押出混練機や、ミキシングロール等のロール式混練機を用いることができる。
【0042】
(脱気)
次に、脱気装置により、前記混練された樹脂組成物に対し脱気を行う。
【0043】
(シート化)
次に、シート化装置により、前記脱気した塊状の樹脂組成物をシート状に成形し、シート状の樹脂組成物を得る。このシート化装置としては、例えば、シーティングロール等を用いることができる。
【0044】
(冷却)
次に、冷却装置により、前記シート状の樹脂組成物を冷却する。これにより、樹脂組成物の粉砕を容易かつ確実に行うことができる。
【0045】
(粉砕)
次に、粉砕装置により、シート状の樹脂組成物を所定の粒度分布となるように粉砕し、粉末状の樹脂組成物を得る。この粉砕装置としては、例えば、ハンマーミル、石臼式磨砕機、ロールクラッシャー等を用いることができる。
【0046】
なお、顆粒状または粉末状の樹脂組成物を得る方法としては、上記のシート化、冷却、粉砕工程を経ずに、例えば、混練装置の出口に小径を有するダイスを設置して、ダイスから吐出される溶融状態の樹脂組成物を、カッター等で所定の長さに切断することにより顆粒状の樹脂組成物を得るホットカット法を用いることもできる。この場合、ホットカット法により顆粒状の樹脂組成物を得た後、樹脂組成物の温度があまり下がらないうちに脱気を行うことが好ましい。
【0047】
(タブレット化)
次に、成形体製造装置(打錠装置)により、前記粉末状の樹脂組成物を圧縮成形し、成形体である樹脂組成物を得ることができる。
【0048】
この樹脂組成物は、例えば、半導体チップ(半導体素子)の被覆(封止)等に用いられる。すなわち、樹脂組成物を、例えば、トランスファー成形等により成形し、封止材として半導体チップを被覆し、半導体パッケージを製造する。
【0049】
なお、前記タブレット化の工程を省略し、粉末状の樹脂組成物を完成体としてもよい。この場合は、例えば、圧縮成形、射出成形等により、封止材を成形することができる。
【0050】
次に、粉砕装置1について説明する。
図2〜図4に示すように、粉砕装置1は、気流により、複数種の粉末材料を含む樹脂組成物(組成物)を粉砕する気流式の粉砕装置であり、第1の組成物(樹脂組成物)を粉砕する粉砕部2と、冷却装置3と、高圧空気発生装置4と、粉砕された第1の組成物を貯留する貯留部5とを備えている。
【0051】
粉砕部2は、円筒状(筒状)をなす部位を有するチャンバ6を備えており、このチャンバ6内において、第1の組成物を粉砕するように構成されている。なお、粉砕の際は、チャンバ6において、空気(気体)の旋回流が生じている。
【0052】
チャンバ6の寸法は、特に限定されないが、チャンバ6の内径の平均値は、10〜50cm程度であることが好ましく、15〜30cm程度であることがより好ましい。なお、チャンバ6の内径は、図示の構成では上下方向に沿って一定であるが、これに限らず、上下方向に沿って変化していてもよい。
【0053】
チャンバ6の底部61には、粉砕された第1の組成物を排出する出口62が形成されている。この出口62は、底部61の中央部に位置している。また、出口62の形状は、特に限定されないが、図示の構成では、円形をなしている。また、出口62の寸法は、特に限定されないが、その直径が3〜30cm程度であることが好ましく、7〜15cm程度であることがより好ましい。
【0054】
また、チャンバ6の底部61には、一端が出口62に連通し、他端が貯留部5に連通する管路(管体)64が設けられている。
【0055】
また、底部61の出口62の近傍には、その出口62の周囲を囲う壁部63が形成されている。この壁部63により、粉砕の際、第1の組成物が不本意に出口62から排出してしまうことを防止することができる。
【0056】
壁部63は、筒状をなしており、図示の構成では、壁部63の内径は、上下方向に沿って一定であり、外径は、上側から下側に向かって漸増している。すなわち、壁部63の高さ(上下方向の長さ)は、外周側から内周側に向かって漸増している。また、壁部63は、側面視で、凹状に湾曲している。これにより、粉砕された第1の組成物は、出口62に円滑に向かって移動することができる。
【0057】
また、チャンバ6の上部の出口62(管路64)に対応する位置には、突起部65が形成されている。この突起部65の先端(下端)は、図示の構成では、壁部63の上端(出口62)よりも上側に位置しているが、これに限らず、突起部65の先端が壁部63の上端よりも下側に位置していてもよく、また、突起部65の先端と壁部63の上端との上下方向の位置が一致していてもよい。
【0058】
なお、壁部63および突起部65の寸法は、それぞれ、特に限定されないが、壁部63の上端(出口62)から突起部65の先端(下端)までの長さLは、−10〜10mm程度であることが好ましく、−5〜1mm程度であることがより好ましい。
【0059】
前記長さLの符号の「−」は、突起部65の先端が壁部63の上端よりも下側に位置することを意味し、「+」は、突起部65の先端が壁部63の上端よりも上側に位置することを意味する。
【0060】
また、チャンバ6の側部(側面)には、後述する高圧空気発生装置4から送出された空気(気体)をそのチャンバ6内に噴出する複数のノズル(第1のノズル)71が設置されている。各ノズル71は、チャンバ6の周方向に沿って配置されている。隣り合う2つのノズル71の間の間隔(角度間隔)は、等しくてもよく、また、異なっていてもよいが、等しく設定されていることが好ましい。また、ノズル71は、平面視で、チャンバ6の半径(ノズル71の先端を通る半径)の方向に対して傾斜するように設置されている。なお、ノズル71の数は、特に限定されないが、5〜8程度であることが好ましい。
【0061】
前記各ノズル71および高圧空気発生装置4により、チャンバ6内に空気(気体)の旋回流を生じさせる旋回流生成手段の主要部が構成される。
【0062】
また、チャンバ6の側部には、高圧空気発生装置4から送出された空気により、第1の組成物をそのチャンバ6内に噴出(導入)するノズル(第2のノズル)72が設置されている。ノズル72がチャンバ6の側部に設置されていることにより、そのノズル72からチャンバ6内に噴出した第1の組成物は、瞬時に、空気の旋回流に乗り、旋回を開始することができる。
【0063】
チャンバ6の側部におけるノズル72の位置は、特に限定されないが、図示の構成では、隣り合う2つのノズル71の間に配置されている。また、ノズル72の上下方向の位置は、ノズル71と同じでもよく、また、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。また、ノズル72は、平面視で、チャンバ6の半径(ノズル72の先端を通る半径)の方向に対して傾斜するように設置されている。
【0064】
例えば、各ノズル71とノズル72とを含めたすべてのノズルは、等間隔(等角度間隔)に配置されている構成とすることができる。この場合は、ノズル72の隣に位置する2つのノズル71の間の間隔は、その他の隣り合う2つのノズル71の間の間隔の2倍になる。また、各ノズル71が等間隔(等角度間隔)に設置され、ノズル72が隣り合う2つのノズル71の中間位置に配置されている構成とすることもできる。粉砕効率という観点では、各ノズル71が等間隔(等角度間隔)に設置され、ノズル72が隣り合う2つのノズル71の中間位置に配置されている構成とすることが好ましい。
【0065】
また、ノズル72の上部には、ノズル72内に連通し、第1の組成物を供給する筒状の供給部(供給手段)73が設置されている。供給部73の上側の端部(上端部)は、その内径が下側から上側に向かって漸増するテーパ状をなしている。また、供給部73の上端の開口(上端開口)は、供給口を構成しており、チャンバ6内の空気の旋回流の中心からずれた位置に配置されている。この供給部73から供給された第1の組成物は、ノズル72からチャンバ6内に供給される。
【0066】
貯留部5は、貯留部5内の空気(気体)を排出する空気抜き部51を有している。この空気抜き部51は、図示の構成では、貯留部5の上部に設けられている。また、空気抜き部51には、空気(気体)を通過させ、第1の組成物を通過させないフィルタが設けられている。そのフィルタとしては、例えば、濾布等を用いることができる。
【0067】
高圧空気発生装置4は、管路81を介して冷却装置3に接続され、冷却装置3は、途中で複数に分岐する管路82を介して前記粉砕部2の各ノズル71およびノズル72に接続されている。
【0068】
高圧空気発生装置4は、空気(気体)を圧縮して高圧の空気(圧縮空気)を送出する)装置であり、送出する空気の流量や圧力を調整し得るよう構成されている。また、高圧空気発生装置4は、送出する空気を乾燥させ、その湿度を低下させる機能を有し、送出する空気の湿度を調整し得るよう構成されている。この高圧空気発生装置4により、前記空気は、ノズル71および72から噴出される前(チャンバ6内に供給される前)に乾燥する。したがって、高圧空気発生装置4は、圧力調整手段および湿度調整手段の機能を有している。
【0069】
冷却装置3は、高圧空気発生装置4から送出された空気をノズル71および72から噴出される前(チャンバ6内に供給される前)に冷却する装置であり、その空気の温度を調整し得るよう構成されている。したがって、冷却装置3は、温度調整手段の機能を有している。この冷却装置3としては、例えば、水冷液体冷媒式の装置、気体冷媒式の装置等を用いることができる。
【0070】
次に、微粉砕工程と、その微粉砕工程における粉砕装置1の作用を説明する。
(微粉砕工程)
この微粉砕(粉砕)工程では、原材料のうちの所定の材料について、粉砕装置1により、所定の粒度分布となるように粉砕(微粉砕)する。この粉砕する原材料としては、例えば、硬化性樹脂、硬化促進剤等の充填材以外の原材料である。すなわち、粉砕装置1により、硬化性樹脂(硬化剤を含んでもよい)、硬化促進剤等の複数種の粉末材料を含む第1の組成物(樹脂組成物)をさらに微細に粉砕し、所定の粒度分布の第1の組成物を得る。ここで、第1の組成物には、上記以外に充填材を含む。充填材自体は粒度の細かいものが市販されているため、本工程において微粉砕する必要はないが、充填材を含むことにより、粉砕装置1によりその第1の組成物を粉砕する際、チャンバ6の内面に第1の組成物が付着することを抑制することができる。
【0071】
第1の組成物中の充填材の含有率は、50〜80wt%程度であることが好ましく、60〜80wt%程度であることがより好ましい。これにより、チャンバ6の内面に第1の組成物をより付着させ難くすることができる。
【0072】
また、第1の組成物中の充填材の重量をa、表面処理工程で得られる第2の組成物中の充填材の重量をbとしたとき、a/bは、0.4〜1.5程度であることが好ましく、0.6〜1.2程度であることがより好ましい。
【0073】
また、チャンバ6内に供給する空気の圧力は、0.3MPa以上に設定することが好ましく、0.5〜0.8MPa程度に設定することがより好ましい。
【0074】
前記圧力が前記下限値未満であると、粉砕能力が不十分となり、第1の組成物を微細に粉砕することができず、目標の粒度分布を得ることができず、これにより、混合工程において、樹脂組成物中の各粉末材料を均一に分散させることが困難になる。また、前記圧力が大きすぎると、空気抜き部51の構造にもよるが、貯留部5内の内圧が上がり粉砕能力が低下するなどの不具合が生じる。
【0075】
また、チャンバ6内に供給する空気量は、1Nm/分(0℃、1気圧での空気量)以上に設定することが好ましく、3〜5Nm/分程度に設定することがより好ましい。
【0076】
前記空気量が前記下限値未満であると、チャンバ6の内径の平均値等の諸条件によっては、粉砕能力が不十分となり、第1の組成物を微細に粉砕することができず、目標の粒度分布を得ることができず、これにより、混合工程において、樹脂組成物中の各粉末材料を均一に分散させることが困難になる。また、前記流量が大きすぎると、空気抜き部51の構造にもよるが、貯留部5内の内圧が上がり粉砕能力が低下するなどの不具合が生じる。
【0077】
また、チャンバ6内に供給される空気の温度は、20℃以下に設定し、15℃以下に設定することが好ましく、0〜5℃程度に設定することがより好ましい。
【0078】
前記温度が前記上限値を超えると、粉砕の際に第1の組成物がチャンバ6の内面に付着し、これにより収率が低下してしまう。また、前記温度が低すぎると、結露、吸湿による特性低下が起こる。
【0079】
また、チャンバ6内に供給される空気の湿度は、40RH以下に設定し、0〜15%RH程度に設定することがより好ましい。
【0080】
前記温度が前記上限値を超えると、粉砕の際に第1の組成物が吸湿し、その樹脂組成物の硬化性等の特性が低下し、成形性が悪化してしまう。
【0081】
なお、前記空気の旋回流の流量および湿度は、それぞれ、高圧空気発生装置4において、目標値に調整(設定)することができ、また、前記空気の温度は、冷却装置3において、目標値に調整(設定)することができる。
【0082】
第1の組成物を粉砕する際は、高圧空気発生装置4および冷却装置3を作動させ、供給部73から第1の組成物を供給する。
【0083】
高圧空気発生装置4からは、圧縮された高圧の空気(圧縮空気)が送出され、その空気は、冷却装置3で冷却され、各ノズル71およびノズル72からチャンバ6内に噴出する。これにより、チャンバ6においては、空気の旋回流が生じている。
【0084】
供給された第1の組成物は、前記高圧空気発生装置4から送出された空気により、ノズル72からチャンバ6内に噴出(導入)され、そのチャンバ6内において、前記旋回流により旋回し、粒子同士が衝突することで粉砕される。そして、各粒子は、その質量(粒径)が減少するにつれて、チャンバ6の中心部に向かって集まり、壁部63を乗り越えて、出口62から排出され、管路64内を通り、貯留部5へ移送され、貯留される。
【0085】
一方、貯留部5内に流入した空気は、空気抜き部51から外部に排出される。このため、この粉砕装置1では、サイクロン方式の分気装置を設ける必要がなく、そのサイクロン方式の分気装置を設けないことにより、収率を向上させることができる。
【0086】
この粉砕工程を行うことにより、第1の組成物は、微細に粉砕され、分級も行われる。この場合、第1の組成物の粒度分布は、粒径250μm以上が1wt%以下、粒径150μm以上、250μm未満が9wt%以下、粒径150μm未満が90wt%以上とすることが好ましく、粒径250μm以上が0.5wt%以下、粒径150μm以上、250μm未満が4wt%以下、粒径150μm未満が95wt%以上とすることがより好ましい。これにより、混合工程において、容易かつ確実に、樹脂組成物中の各粉末材料を均一に分散させることができる。
【0087】
なお、この微粉砕工程に先立って、混合装置により、第1の組成物を混合することが好ましい。この混合装置としては、例えば、回転羽根を有する高速混合装置やドラムミキサー等を用いることができる。
【0088】
以上説明したように、この粉砕装置1は、気流式であるので、微粉砕工程において樹脂組成物中に金属製の異物(金属異物)が混入してしまうことを防止(または抑制)することができ、製造された樹脂組成物を用いて半導体チップを封止したとき、ショート等の発生を防止することができる。
【0089】
特に、チャンバ6内に供給する空気の温度を所定値に規定することにより、粉砕の際に第1の組成物がチャンバ6内に付着してしまうことを防止し、製造される樹脂組成物の収率を高くすることができる。
【0090】
また、チャンバ6内に供給する空気の湿度を所定値に規定することにより、粉砕の際の第1の組成物の吸湿による特性(例えば、硬化性等)の低下を防止し、製造される樹脂組成物の成形性を向上させることができる。
【0091】
また、チャンバ6内に供給する空気の圧力を所定値に規定することにより、第1の組成物を比較的微細に粉砕することができ、これにより、混合工程において、容易かつ確実に、樹脂組成物中の各粉末材料を均一に分散させることができる。
【0092】
以上、本発明の半導体封止用樹脂組成物の製造方法および粉砕装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
【実施例】
【0093】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
<原材料>
<第1の組成物の原材料>
ビフェニール型エポキシ樹脂:7.9重量部
(油化シェルエポキシ(株)製YX4000H、融点105℃、エポキシ当量195)
フェノールアラルキル樹脂:6.6重量部
(三井化学(株)製XLC−3L、150℃の溶融粘度2.0ポイズ、水酸基当量172)
臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂:1.0重量部
(軟化点85℃、エポキシ当量280)
1、8−ジアザビシクロ(5、4、0)ウンデセン−7:0.2重量部
溶融シリカ:21.0重量部
カルナバワックス:0.5重量部
カーボンブラック:0.3重量部
【0094】
<第2の組成物の原材料>
溶融シリカ(平均粒径16μm):63.0重量部
エポキシシランカップリング剤:0.5重量部
【0095】
(実施例1)
[1]第1の組成物の製造
前述した図2に示す粉砕装置1を用い、下記の条件で、前記混合した樹脂組成物を粉砕した。
チャンバ内に供給する空気の圧力:0.7MPa
チャンバ内に供給する空気の温度:3℃
チャンバ内に供給する空気の湿度:9%RH
【0096】
[2]第2の組成物の製造
リボンブレンダーを用い、溶融シリカの表面にエポキシシランカップリング剤を付着させ、第2の組成物を得た。
【0097】
[3]半導体封止用樹脂組成物の製法
次に、第1の組成物および第2の組成物をヘンシェルミキサーにより混合したのち、2軸型混練押出機により溶融混練し、さらに脱気、冷却後、粉砕機で粉砕して、半導体封止用樹脂組成物を得た。
【0098】
(実施例2)
第1の組成物の製造条件を下記のように変更した以外は、前記実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
チャンバ内に供給する空気の圧力:0.4MPa
チャンバ内に供給する空気の温度:3℃
チャンバ内に供給する空気の湿度:9%RH
【0099】
(実施例3)
第1の組成物の製造条件を下記のように変更した以外は、前記実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
チャンバ内に供給する空気の圧力:0.7MPa
チャンバ内に供給する空気の温度:17℃
チャンバ内に供給する空気の湿度:9%RH
【0100】
(実施例4)
第1の組成物の製造条件を下記のように変更した以外は、前記実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
チャンバ内に供給する空気の圧力:0.7MPa
チャンバ内に供給する空気の温度:3℃
チャンバ内に供給する空気の湿度:24%RH
【0101】
(実施例5)
第1の組成物の製造条件を下記のように変更した以外は、前記実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
チャンバ内に供給する空気の圧力:0.4MPa
チャンバ内に供給する空気の温度:17℃
チャンバ内に供給する空気の湿度:24%RH
【0102】
(比較例1)
第1の組成物の製造条件を下記のように変更した以外は、前記実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
チャンバ内に供給する空気の圧力:0.2MPa
チャンバ内に供給する空気の温度:3℃
チャンバ内に供給する空気の湿度:9%RH
【0103】
(比較例2)
第1の組成物の製造条件を下記のように変更した以外は、前記実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
チャンバ内に供給する空気の圧力:0.7MPa
チャンバ内に供給する空気の温度:25℃
チャンバ内に供給する空気の湿度:9%RH
【0104】
(比較例3)
第1の組成物の製造条件を下記のように変更した以外は、前記実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
チャンバ内に供給する空気の圧力:0.7MPa
チャンバ内に供給する空気の温度:3℃
チャンバ内に供給する空気の湿度:45%RH
【0105】
(比較例4)
第1の組成物の製造条件を下記のように変更した以外は、前記実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
チャンバ内に供給する空気の圧力:0.2MPa
チャンバ内に供給する空気の温度:25℃
チャンバ内に供給する空気の湿度:45%RH
【0106】
[評価]
実施例1〜5、比較例1〜4に対し、それぞれ、下記のようにして樹脂組成物の各評価を行った。その結果は、下記表1に示す通りである。
【0107】
(粒度分布)
第1の組成物について、測定器(ホソカワミクロン(株)製パウダーテスター、振幅1mm、振動数3000VPM、時間60秒、使用篩の目開き:250μmと150μmの2種類、サンプル量:6g/回)を用いて、樹脂組成物の粒度分布を求めた。
【0108】
(収率)
粉砕装置による第1の組成物の粉砕の前後における第1の組成物の重量をそれぞれ測定し、収率を求めた。
【0109】
(硬化性)
半導体封止用樹脂組成物を、175℃の熱盤上にて完全溶融してから完全硬化するまでヘラで混練する作業を行い、完全溶融から完全硬化するまでの時間(ゲル化時間)を硬化性の指標として用いた。
【0110】
【表1】

【0111】
上記表1から明らかなように、実施例1〜5では、粒度分布、収率および硬化性のすべてにおいて良好な結果が得られた。
【0112】
これに対し、比較例1では、粒度分布が悪く、比較例2では、収率が悪く、比較例3では、硬化性が悪く、比較例4では、粒度分布、収率および硬化性のすべてにおいて悪い結果が得られた。
【符号の説明】
【0113】
1 粉砕装置
2 粉砕部
3 冷却装置
4 高圧空気発生装置
5 貯留部
51 空気抜き部
6 チャンバ
61 底部
62 出口
63 壁部
64 管路
65 突起部
71、72 ノズル
73 供給部
81、82 管路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体封止用樹脂組成物の製造方法であって、
気流式の粉砕装置を用い、該粉砕装置のチャンバ内において、気体の旋回流により、硬化性樹脂の粉末材料および無機充填材の粉末材料を含む組成物を旋回させ、該組成物を粉砕する粉砕工程を有し、
前記粉砕工程において、
前記チャンバ内に供給する前記気体の圧力0.3MPa以上、
前記チャンバ内に供給する前記気体の温度を20℃以下、
前記チャンバ内に供給する前記気体の湿度を40%RH以下、
とすることを特徴とする半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
【請求項2】
前記組成物は、硬化促進剤を含み、
前記硬化性樹脂は、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂系硬化剤を含む請求項1に記載の半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
【請求項3】
前記粉砕工程で粉砕される前記組成物中の前記無機充填材の含有率は、50〜80wt%である請求項1または2に記載の半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
【請求項4】
前記粉砕工程に先立って、前記組成物を混合する請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
【請求項5】
前記チャンバ内に気体を供給することにより、前記気体の旋回流を生じさせ、前記チャンバ内に供給する前記気体の量を1Nm/分以上とする請求項1ないし4のいずれかに記載の半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
【請求項6】
前記チャンバの内径の平均値は、10〜50cmである請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
【請求項7】
前記粉砕工程を行うことにより、前記組成物の粒度分布を、粒径250μm以上が1wt%以下、粒径150μm以上、250μm未満が9wt%以下、粒径150μm未満が90wt%以上とする請求項1ないし6のいずれかに記載の半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
【請求項8】
気流により、硬化性樹脂の粉末材料および無機充填材の粉末材料を含む組成物を旋回させ、該組成物を粉砕する気流式の粉砕装置であって、
前記組成物を供給する供給手段と、
チャンバと、
前記チャンバ内に気体の旋回流を生じさせる旋回流生成手段と、
前記チャンバ内に供給する前記気体の圧力を調整する圧力調整手段と、
前記チャンバ内に供給する前記気体の温度を調整する温度調整手段と、
前記チャンバ内に供給する前記気体の湿度を調整する湿度調整手段とを有し、
前記チャンバ内に供給する前記気体の圧力を0.3MPa以上、前記チャンバ内に供給する前記気体の温度を20℃以下、前記チャンバ内に供給する前記気体の湿度を40%RH以下に設定し、前記チャンバ内において、気体の旋回流を生じさせ、前記組成物を旋回させ、該組成物を粉砕するよう構成されていることを特徴とする粉砕装置。
【請求項9】
前記旋回流生成手段は、前記チャンバの周方向に沿って配置され、前記チャンバ内に前記気体を噴出する複数のノズルを有する請求項8に記載の粉砕装置。
【請求項10】
前記圧力調整手段は、前記気体が前記チャンバ内に供給される前に該気体を圧縮する装置である請求項8または9に記載の粉砕装置。
【請求項11】
前記温度調整手段は、前記気体が前記チャンバ内に供給される前に該気体を冷却する装置である請求項8ないし10のいずれかに記載の粉砕装置。
【請求項12】
前記湿度調整手段は、前記気体が前記チャンバ内に供給される前に該気体を乾燥させる装置である請求項8ないし11のいずれかに記載の粉砕装置。
【請求項13】
前記チャンバの底部に、粉砕された前記組成物が排出される出口と、該出口の周囲を囲う壁部とが設けられており、
粉砕された前記組成物は、前記壁部を乗り越えて、前記出口から排出されるよう構成されている請求項8ないし12のいずれかに記載の粉砕装置。
【請求項14】
前記供給手段は、前記チャンバ内に前記組成物を供給する供給口を有する請求項8ないし13のいずれかに記載の粉砕装置。
【請求項15】
前記供給口は、前記気体の旋回流の中心からずれた位置に設けられている請求項14に記載の粉砕装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−207171(P2011−207171A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79552(P2010−79552)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】