説明

半導体用ボンディングワイヤの巻線形態

【課題】 ボンディングワイヤをワイヤカットしても、スプリングバックがおきにくく、ワイヤがスプール上で多量に緩まないボンディングワイヤの巻線形態を提供する。
【解決手段】 スプール胴部のワイヤ巻き付け部分に巻き付けたボンディングワイヤの本巻部分の巻き終わり端部(ワイヤ繰りだし時におけるアース部)における巻線構造であって、アースワイヤが、スプール胴部上に互いに密着し、かつ、整列して巻かれた列をなし、その列に複数のワイヤがそれぞれ離散して押し込まれた、高密着整列して巻かれている構造をなす第1層の巻回構造体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の組立て等に用いるスプールに巻かれたボンディングワイヤの巻線形態に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の組立て等に用いるボンディングワイヤは、スプールの円筒状胴部に数千メートルの長さが数十ミリメートル程度にまで厚く本巻部分として巻き付けられている。この本巻部分の荷崩れを防ぐために、例えば図3に示されるように、往側巻線と復側巻線とを交叉させてスプールに巻込むクロス巻線形態(クロス巻線形態部分14)とし、巻線始端部に巻線を交叉させない所要長さの整列巻部分(13)を設け、その巻線始端(11)(ワイヤ繰出し時には終端部になる)と巻線終端(12)(ワイヤ繰出し時には始端部になる)とを(仮止めの)テープ(15)により胴部外側又はフランジ(16)に止着して巻き崩れを防止するようになっている(特許文献1参照)。
【0003】
この卷回体は、使用時には、スプールをボンディング装置に装着した後、テープをはがして、巻線始端をアース部として引き出し、巻線終端は引き出してワイヤ繰りだし経路に導く。ワイヤの終端をスプールのフランジ等に止着した端末テープをはがさずに、端末テープ近傍のワイヤを直接切断し、切断したワイヤをアースに接続するというワイヤカット方式が行われることもある。
【0004】
上記テープをはがす作業はピンセットを使った非常に細かい作業であるため、巻始め端部や巻線の終端部で上記テープをはがす際にピンセットから張力のかかったボンディングワイヤが外れてしまうことがある。一方、端末テープをはがさずにワイヤを切断してアース部を引き出そうとした場合でも、切断時に張力のかかったボンディングワイヤの端部が跳ねてピンセットからボンディングワイヤが外れてしまうことがある。巻き始め端部の場合、本巻部分のボンディングワイヤに影響が及ぶことはないが、巻線の終端部でボンディングワイヤが外れてしまうと、ボンディングワイヤがスプールの胴部に巻き付けたワイヤの中に潜り込んでしまったり、切断した勢いで胴部に巻き付けたワイヤが緩んだり絡んだりする、いわゆるスプリングバック現象がしばしば発生する。
【0005】
巻終り端部をテープにより胴部外側又はフランジに止着することに替えて、例えば図4に示されるような、巻終り端部(17)にワイヤ引出し用の長尺物(18)を繋げた半導体用ボンディングワイヤの巻線形態も試みられている(特許文献2参照)。19はフランジである。長尺物は、テープ同士では接離可能に固着するが、テープ以外には固着しない性質の非接着性テープであることが好ましいとされている。
しかし、この先行例では、まず粘着テープという別部品を使用するためにその購入、管理のための費用がかかる。また、ボンディング作業に不要な非接着性のテープがあると、誤ってワイヤと一緒に非接着性テープをボンディングしたりするおそれがあり、また気温の上下によってその非接着性テープの取り外しにかえって時間がかかることがあり、作業効率を悪くすることもあった。
【0006】
本巻部分の両側に整列巻き部分を設けるタイプの卷回形態も試みられている(特許文献3参照)。図5に示すのがその例で、スプール20の中央部分にクロス多層巻きされた俵積み状積層形態からなる本巻き部分21、その両側にリード巻き部分22とテール巻部分23が整列巻きで巻き付けられ、それぞれの先端は端末テープ24でフランジ25に止着される。
整列巻き部分は、図6(イ)に示されるように、従来の広ピッチのリード巻きとすると、ワイヤカット方式によるときに、切断したボンディングワイヤのリード巻き部分22が一気に緩んで崩れ、たるみ、絡み等が生じてしまう所謂スプリングバック現象がしばしば発生する(図6(イ)、(ロ))。しかし、ボンディングワイヤ同士を緊密に接触させると、切断されたボンディングワイヤ26に加わった衝撃エネルギーを、隣接するボンディングワイヤに吸収・発散させることができるとされている(図6(ハ))。しかし、これとても、万全であるとは必ずしも言えない憾みがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭57−093144号公報
【特許文献2】特開2000−277560号公報
【特許文献3】特開2004−111449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述したような従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、巻線の終端部で誤ってボンディングワイヤがピンセットから外れても、スプリングバックが生じないボンディングワイヤの巻線形態を提供することにある。また本発明の他の目的は、ボンディングワイヤをねじったり、折り曲げたりしないでも、巻き付けたワイヤ自身によってワイヤが緩むことなく巻き終わり端部(リード部分)を固定することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために本発明の半導体用ボンディングワイヤの巻線形態の一つは、
(a)スプールの円筒状胴部の中央部分に半導体用ボンディングワイヤとして使用するワイヤを巻き付けた本巻部分と、その本巻部分のワイヤの巻き終わり端部を前記スプールの円筒状胴部の端部分に巻き付けたアース部分と、そのアース部分から繰出されたワイヤの終端をスプールのフランジで固定された半導体用ボンディングワイヤの巻線形態において、
上記アース部分のワイヤの巻線構造は全体として第1巻回列のワイヤと第2巻回列のワイヤとからなる第1層の巻回構造をなし、当該第2巻回列のワイヤは離散した複数のワイヤであって、その各々のワイヤは両側がスプール胴部上に互いに密着整列して巻かれた第1巻回列の複数のワイヤと高密着整列して巻かれている構造である。
【0010】
また、本発明の巻線形態の他の一つは、
(b)スプールの円筒状胴部の中央部分に半導体用ボンディングワイヤとして使用するワイヤを巻き付けた本巻部分と、その本巻部分のワイヤの巻き終わり端部を前記スプールの円筒状胴部の端部分に巻き付けたアース部分と、そのアース部分から繰出されたワイヤの終端をスプールのフランジで固定された半導体用ボンディングワイヤの巻線形態において、
上記アース部分のワイヤの巻線構造は全体として第1巻回列のワイヤと第2巻回列のワイヤとからなる第1層の巻回構造をなし、当該第1巻回列のワイヤはスプール胴部4上に互いに密着整列して外側に向かって巻かれた主アース部分および内側に向かって巻かれた副アース部分とからなり、当該第2巻回列のワイヤは単数または離散した複数のワイヤであって、その各々のワイヤは両側が前記主アース部分の複数のワイヤと高密着整列して巻かれている構造である。
【0011】
また、本発明の半導体用ボンディングワイヤの好ましい巻線形態は、以下のとおりである。
(c)ボンディングワイヤが熱処理された金属細線である。
(d)主アース部分に巻かれた第1巻回列のワイヤが本巻部分から遠ざかるように巻かれている。
(e)主アース部分に巻かれた第2巻回列のワイヤがスプール胴部4上に互いに密着整列して巻かれた第1巻回列の複数のワイヤ上から押し込まれ、高密着整列して巻かれている。
(f)副アース部分に巻かれた第1巻回列のワイヤが主アース部分に巻かれた第1巻回列のワイヤと逆方向に巻かれている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、スプールの円筒状胴部に巻き付けた本巻部分のボンディングワイヤは、その巻き終わり端部(ワイヤ繰出し時には始端部になる)にアース部分として第1巻回列のワイヤと第2巻回列のワイヤとからなる第1層の巻回構造をなし、当該第2巻回列のワイヤは離散した複数のワイヤであって、その各々のワイヤは両側がスプール胴部4上に互いに密着整列して巻かれた第1巻回列の複数のワイヤと高密着整列して巻かれていることから、スプリングバックひいては巻き崩れが確実に防止される。さらに、アース部分を主アース部分に続いて副アース部分が設ける2部分構成とすれば、スプリングバックひいては巻き崩れがより確実に防止される。
【0013】
その他の効果としては、
イ.スプリングバックした状態(ワイヤがスプール上で緩んだ状態)で、そのままボンディングするとワイヤ絡まりが発生して、ワイヤ断線を引き起こす。しかし、高密着整列して巻かれていると、線接触している摩擦抵抗が大きいので、主アース部分のワイヤ緩みが無くなり、このような現象は起きない。
ロ.本巻きの巻長さや本巻巻条件に関係なく、本発明の巻回構造体が適用可能である。
ハ.従来の巻回構造体よりもアース部のテンションが強いので、輸送時のアース部の緩みが大幅に減少する。
ニ.通常緩みが発生した場合には、緩んだワイヤを一本一本手でほどいてから使用するが、高密着整列して巻かれている構造により、この作業が無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第一の巻線形態の要部を示す部分説明図である。
【図2】本発明の第二の巻線形態の要部を示す部分説明図である。
【図3】ボンディングワイヤの本巻部分をクロス巻線形態とした従来技術を示す説明図である。
【図4】巻終り端部(17)にワイヤ引出し用の長尺物を繋げた半導体用ボンディングワイヤの巻線形態とした従来技術を示す説明図である。
【図5】本巻部分の両側に整列巻き部分を設けるタイプの卷回形態とした従来技術を示す説明図である。
【図6】ボンディングワイヤのリード巻き部分におけるスプリングバック現象についての説明図であって、(イ)は密着態様ではない通常のリード巻き部分を示す説明図、(ロ)は(イ)においてワイヤカット方式に際して生ずるスプリングバックを示す説明図、(ハ)は密着整列されたリード巻き部分を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
本発明の第一の巻線形態においては、スプール胴部上に互いに密着整列して巻かれた第1巻回列の複数のワイヤの間に、離散した複数のワイヤである第2巻回列のワイヤが高密着整列して巻かれている構造である。本巻部分から本巻ワイヤが引っ張られる影響は、複数回密着整列して巻かれた第1巻回列のワイヤによって無視できるようになる。また、第2巻回列のワイヤは、スプール胴部上に互いに密着整列して巻かれた第1巻回列の複数のワイヤに両側から挟まれているので、高密着整列して巻かれている構造となり、スプールのフランジに固定されたボンディングワイヤがピンセットから外れたとしてもほどけてしまうことはないが、安全のため第2巻回列のワイヤは複数本巻回させることがより好ましい。
【0016】
図1において、スプールのフランジ1側の、本巻部分(図示略)との間のスプールの胴部2に、第1卷回列3を互いに密着整列して外側に向かって適当回数(4回以上が必要であり、好ましくは10〜15回がよい)卷回し、その終端から第1卷回列の巻始め側に戻って、第1卷回列の中間卷回とその一つ前の卷回との間に押し入れながら第2卷回列4を開始し、単数若しくは離散した複数の卷回を行い、末端をフランジ1(スプールの胴部2でも可能である)にテープ5で固着する。テープによる固着に替えて、従来技術で用いられているワイヤ引出し用長尺物(非接着性テープ)を利用するものとすることができる。
第1卷回列は、隣り合うワイヤが相互に隣接するように密着整列とし、第2卷回列は、第1卷回列を卷回するときの張力と同等またはそれよりも大きな張力を掛けて卷回すると、第1卷回列の隣接する卷回間に押し入れられ、高密着整列状態となる。(但し、第2巻回列のテンションは本巻きテンションの2倍である。)この状態では、スプリングバックによってボンディングワイヤがほどける等のトラブルは確実に防止されるようになる。第2卷回列の卷回するときの張力は、限定的ではないが、第1卷回列を卷回するときの張力に比して、概ね同等以上を目処とすることが好ましい。(但し、第2巻回列のテンションは本巻きテンションの2倍である。)
なお、便宜上、第1卷回列を太線で、第2卷回列のワイヤを白抜き線で表した。
【0017】
また、第二の巻線形態においては、アース部分を主アース部分に続いて副アース部分が設ける2部分構成とする。主アース部分に続いて副アース部分が設けられているので、本巻部分から本巻ワイヤが引張られる影響は、副アース部分にまで及ばない。そして、副アース部分から副アースワイヤが引張られる影響は、主アースワイヤと副アースワイヤとの接触面積の増大による摩擦抵抗によって端末テープにまでは及ばない。よって、端末テープをはがしてワイヤをピンセットで挟まなくても、副アースワイヤ自身がほどかれる力よりも本巻ワイヤと副アースワイヤとの摩擦抵抗を大きくすることができる。この摩擦抵抗は、主アース部分の巻回回数が多くなればなるほど、大きくすることができる。
【0018】
図2において、スプールのフランジ1側のスプールの胴部2に、第1卷回列として、互いに密着整列して外側に向かって巻かれた主アース部分6および内側に向かって巻かれた副アース部分7とを卷回する。そして、副アース部7の終端を主アース部6に戻して、主アース部6のワイヤが適宜に卷回された間(中間卷回とその一つ前の卷回との間)に押し入れながら第2卷回列4を開始し、単数若しくは離散した複数の卷回を行い、末端をフランジ1(スプールの胴部2でも可)にテープ5で固着する。第2卷回列4を卷回するときの張力が第1卷回列を卷回するときの張力と同等またはそれよりも大きくすることは、第一の卷回形態と同様である。(但し、第2巻回のテンションは本巻きテンションの2倍である。)
これによって、スプリングバックによってボンディングワイヤがほどける等のトラブルはより確実に防止されるようになる。
なお、両卷回形態において、リード部分(アース部)を本巻部分の両側に設けることができることは、いうまでもない。
【0019】
ボンディングワイヤの材質は、Au,Ag,Al,Cuあるいはこれらの合金等からなるので、これらの材質に応じて、適宜、巻回回数やワイヤピッチは調整することができる。なお、第2巻回列のワイヤに上記の摩擦抵抗があっても、第2巻回列のワイヤの全周にわたって水平方向に圧縮力として働くので、ワイヤの外観に傷や凹みによる光沢異常が発生することがない。
【実施例1】
【0020】
まず、線径が25μm、純度99.99質量%以上のAuの半導体素子用ボンディングワイヤ(伸び率が4%になるように熱処理されたもの)をそれぞれ10,000m、クロス多層巻きによって、直径50mm、長さ45.5mmの円筒状の胴部を有するスプールの胴部に4,000層巻き取って、本巻部分を形成した。
その際、上層となるにつれて巻き線幅を小さくしていく俵積み状の積層形態とした。巻き取り条件は、初期巻き幅40mm、ピッチ幅5mmとした。
上記のようにして本巻部分を形成した後、スプールを、巻き終り側における主・副アース線の取り出し位置へ移動させながら、主・副アース部分を形成した。このときの主アース部分の巻き取り条件は、テンションが本巻部分の2倍、ピッチ幅は線径が25μmの場合に、25μmで、本巻部分から遠ざかる方向へ11巻き巻回した。副アース部分の巻き取り条件は、テンションが本巻部分の2倍で、主アース部分と本巻部分との間で本巻部分の方向へ隣接ワイヤが平均的に緊密に接触する状態、で整列に6巻き巻回した。ついで、本巻部分の2倍のテンションで副アースワイヤが巻回された主アースワイヤの間に2巻き巻回した後、接着テープを用いた従来の止着手段によりフランジの端に止着した。
【比較例】
【0021】
副アース部分を設けなかった以外は、実施例と同様にして、主アースワイヤを本巻部分から遠ざかる方向へ20巻き巻回し、接着テープでフランジの端に止着した。
この止着した実施例および比較例のスプールを、各線径のボンディングワイヤにつきそれぞれ10個ずつを接着テープの近傍からピンセットを用いて切断し、ワイヤが巻き戻された回数の平均値を求めたところ、表1に示すような結果を得た。
【0022】
【表1】

【0023】
上記の結果から明らかなとおり、本発明の半導体用ボンディングワイヤの巻線形態によれば、スプリングバックが従来のものと比べて著しく少なくなっていることがわかる。なお、実施例および比較例のスプールからのいずれのワイヤも、傷や乱反射等の外観不良は見られず、ボンディング装置への装着においてワイヤのつまりはなかった。また、ボンディングワイヤの線径が20μmと30μmのものも巻き戻された回数は1回以下であった。
【符号の説明】
【0024】
1:フランジ
2:スプールの胴部
3:第1卷回列
4:第2卷回列
5:テープ
6:主アース部分
7:副アース部分

11:(ワイヤの)巻線始端
12:(ワイヤの)巻線終端
13:整列巻部分
14:クロス巻線形態部分
15:(仮止めの)テープ
16:(スプールの)フランジ

17:巻終り端部
18:(ワイヤ引出し用の)長尺物
19:フランジ

20:スプール
21:本巻き部分
22:リード巻き部分
23:テール巻部分
24:端末テープ
25:フランジ
26:ボンディングワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプールの円筒状胴部の中央部分に半導体用ボンディングワイヤとして使用するワイヤを巻き付けた本巻部分と、その本巻部分のワイヤの巻き終わり端部を前記スプールの円筒状胴部の端部分に巻き付けたアース部分と、そのアース部分から繰出されたワイヤの終端をスプールのフランジで固定された半導体用ボンディングワイヤの巻線形態において、
上記アース部分のワイヤの巻線構造は全体として第1巻回列のワイヤと第2巻回列のワイヤとからなる第1層の巻回構造をなし、当該第2巻回列のワイヤは離散した複数のワイヤであって、その各々のワイヤは両側がスプール胴部4上に互いに密着整列して巻かれた第1巻回列の複数のワイヤと高密着整列して巻かれていることを特徴とする半導体用ボンディングワイヤの巻線形態。
【請求項2】
スプールの円筒状胴部の中央部分に半導体用ボンディングワイヤとして使用するワイヤを巻き付けた本巻部分と、その本巻部分のワイヤの巻き終わり端部を前記スプールの円筒状胴部の端部分に巻き付けたアース部分と、そのアース部分から繰出されたワイヤの終端をスプールのフランジで固定された半導体用ボンディングワイヤの巻線形態において、
上記アース部分のワイヤの巻線構造は全体として第1巻回列のワイヤと第2巻回列のワイヤとからなる第1層の巻回構造をなし、当該第1巻回列のワイヤはスプール胴部4上に互いに密着整列して外側に向かって巻かれた主アース部分および内側に向かって巻かれた副アース部分とからなり、当該第2巻回列のワイヤは単数または離散した複数のワイヤであって、その各々のワイヤは両側が前記主アース部分の複数のワイヤと高密着整列して巻かれていることを特徴とする半導体用ボンディングワイヤの巻線形態。
【請求項3】
ボンディングワイヤが熱処理された金属細線であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体用ボンディングワイヤの巻線形態。
【請求項4】
主アース部分に巻かれた第1巻回列のワイヤが本巻部分から遠ざかるように巻かれていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体用ボンディングワイヤの巻線形態。
【請求項5】
主アース部分に巻かれた第2巻回列のワイヤがスプール胴部4上に互いに密着整列して巻かれた第1巻回列の複数のワイヤ上から押し込まれて巻かれていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体用ボンディングワイヤの巻線形態。
【請求項6】
副アース部分に巻かれた第1巻回列のワイヤが主アース部分に巻かれた第1巻回列のワイヤと逆方向に巻かれていることを特徴とする請求項2に記載の半導体用ボンディングワイヤの巻線形態。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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