説明

半導体発光素子およびその製造方法

【目的】 光ファイバジャイロ等の光源として用いる高出力で、低電流動作のスーパールミネッセントダイオードおよび、その製造方法を提供する。
【構成】 活性層となるGa1-XAlXAs層の主面の少なくとも一方の側に、一導電型のGa1-Y1AlY1As第一光ガイド層、Ga1-Y2AlY2As第二光ガイド層を順次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上に、これとは逆の導電型でストライプ状の窓を有するGa1-ZAlZAs層が形成されており、前記ストライプ状の窓には、前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As層を備えており、AlAs混晶比、X,Y1,Y2,Y3およびZの間に、Z>Y3>Y2>X≧0,Y1>Y2の関係を有し、前記ストライプ状の窓の前端面の垂直面に対し、前記ストライプ状の窓が3度から15度の角度を有する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光応用計測機器のひとつである光ファイバジャイロの光源として用いられるスーパールミネッセントダイオード(Superluminescent Diode;SLD)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバジャイロは、光による回転角速度の検出原理(Sagnac効果)を用いた光ジャイロの一種で、光ファイバを用いて光路の十分長い高密度の干渉計を構成している。光源としては、通常、半導体発光素子であるレーザーダイオードあるいはSLDを用いるが、コヒーレント長の長いレーザーダイオードでは、光ファイバ中でのレイリー散乱により、その一部が後方散乱光となって位相ノイズを発生させる。従って、光源にはコヒーレンス長の短いSLDの方が望ましいが、従来、低コヒーレンスでありかつ低動作電流で十分な光出力の得られるSLDは実用化されておらず、半導体レーザが用いられている。
【0003】以下従来の半導体発光素子について説明する。図5は、従来のSLDの一例を示す要部斜視図である。同図において、21はp−GaAs基板、22はプロトン注入高抵抗GaAs電流ブロック層、23はp−Ga0.59Al0.41Asクラッド層、24はGa0.92Al0.08As活性層、25はn−Ga0.59Al0.41Asクラッド層、26はn−GaAsコンタクト層、27はオーミック電極、28は同じくオーミック電極である。また、チップの両端面には低反射率コーティングが施してある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光ファイバジャイロの位相ノイズ低減のためには、低コヒーレンスのSLDが必要であり、かつその回転角速度検出感度向上のためには、高出力化が必要である。しかし、図5に示すような従来構造のSLDでは、端面に低反射率コーティングを施しても、レーザ発振を抑えるに十分な低い反射率を再現性よく得ることは難しく、図3に示すように、低い出力光レベルでレーザ発振を起こし高出力のスーパールミネッセント(Superluminescent;SL)光が得られない欠点があった。また、電流ブロック層22の光吸収による導波路の損失により動作電流が大きいという欠点もあった。
【0005】本発明の目的は、従来の欠点を解消し、低動作電流で高出力のSL光を発光することができるSLDを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために本発明の半導体発光素子は、活性層となるGa1-XAlXAs層の主面の少なくとも一方の側に、一導電型のGa1-Y1AlY1As第一光ガイド層、Ga1-Y2AlY2As第二光ガイド層を順次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上に、これとは逆の導電型でストライプ状の窓を有するGa1-ZAlZAs層が形成されており、前記ストライプ状の窓には、前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As層を備えており、AlAs混晶比、X,Y1,Y2,Y3およびZの間に、Z>Y3>Y2>X≧0,Y1>Y2の関係を有し、前記ストライプ状の窓の前端面の垂直面に対し、前記ストライプ状の窓が3度から15度の角度を有する構成を有している。
【0007】
【作用】この構成によって、電流ブロック層となるGa1-ZAlZAs層のストライプ状の窓となっているGa1-Y3AlY3As層から注入される電流により、活性層となるGa1-XAlXAs層でSL光が生じる。ここで、電流ブロック層となるGa1-ZAlZAs層の屈折率はストライプ内部のクラッド層となるGa1-Y3AlY3As層よりも小さいので、SL光はこの屈折率差によりストライプ内に有効に閉じ込められる。さらに、電流ブロック層となるGa1-ZAlZAs層の禁制帯幅は活性層となるGa1-XAlXAs層の禁制帯幅よりもかなり大きいので、SL光の電流ブロック層による光吸収はなく、導波路の損失による動作電流の増大がない。
【0008】また、この構成によって、活性層へのキャリアの閉じ込めはAlAs混晶比の高いGa1-Y1AlY1As第一光ガイド層により決定され、再成長はAlAs混晶比の低いGa1-Y2AlY2As第二光ガイド層上への成長となるため、容易に再成長が行える。また、活性層となるGa1-XAlXAs層の前記ストライプ状の窓の前端面の垂直面に対し、前記ストライプ状の窓が3度以上の角度を有しているので、前記ストライプ内を導波したSL光は前端面に斜めに入射し、端面から反射して再び前記ストライプ内に戻って導波する光量がほとんどなくなるので、容易にレーザ発振を抑圧し、かつ、前記ストライプ状の窓の前端面の垂直面に対し、前記ストライプ状の窓が15度以下の角度を有しているので、前端面において全反射することなく、前端面から結晶外部へとSL光が出射され、以上により低動作電流で高出力のSLDを得ることができる。
【0009】
【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0010】図1(a)は本発明の一実施例におけるSLDの斜視図、図1(b)はストライプ部の透視上面図である。n型のGaAs基板1の上に、n型のGaAsバッファ層2が形成されており、その上にn型のGa0.5Al0.5Asクラッド層3、Ga0.92Al0.08As活性層4、p型のGa0.5Al0.5As第一光ガイド層5、p型のGa0.8Al0.2As第二光ガイド層6が形成されており、電流狭窄のために電流チャンネルとなる窓7a以外の領域には、n型のGa0.4Al0.6As電流ブロック層7が形成されている。8はGa0.8Al0.2As保護層、9はp型のGa0.5Al0.5Asクラッド層、10はp型のGaAsコンタクト層である。
【0011】ここで、安定な単一横モードを得るために、電流ブロック層7のAlAs混晶比をp型のGa0.5Al0.5Asクラッド層9のAlAs混晶比より、高く設定する。もし、電流ブロック層7のAlAs混晶比がクラッド層9と同様である場合、プラズマ効果によるストライプ内の屈折率の低下があり、アンチガイドの導波路となり、単一な横モードは得られない。いわんや、電流ブロック層7のAlAs混晶比がp型のGa0.5Al0.5Asクラッド層9より、低い場合は、完全に、横モードが不安定になる。本実施例では、図1に示すように、電流ブロック層7のAlAs混晶比をp型のGa0.5Al0.5Asクラッド層9のAlAs混晶比より、0.1高く、0.6としている。そして、前端面からSL光を得るため、前端面の垂直面に対するストライプの角度θ11は、3度から15度にする必要があり、本実施例ではこの角度を5度に設定している。
【0012】この構造において、p型のGaAsコンタクト層10から注入される電流は窓7a内に閉じ込められ、7a下部のGa0.92Al0.08As活性層4でSL光が生じる。ここで、p型のGa0.5Al0.5As第一光ガイド層5のAlAs混晶比は、活性層のAlAs混晶比より十分に高く、活性層へ有効にキャリアを閉じ込める。具体的に、本実施例では、0.5とした。再成長は、AlAs混晶比の低いp型のGa0.8Al0.2As第二光ガイド層6上への成長となるため、表面酸化の問題は全くない。具体的に、第二光ガイド層のAlAs混晶比としては、再成長が容易な0.3以下で、SL光波長に対して透明であることが望ましい。したがって、本実施例では、0.2としている。さらに、その膜厚は、光分布にあまり影響を与えない0.05μm以下が望ましい。本実施例では、0.03μmとしている。以上、キャリアを閉じ込める層(第一光ガイド層)と、再成長される層(第二光ガイド層)を別々に、形成することにより、光吸収による損失の少ない誘導放出を可能としているのである。また、n型のGa0.4Al0.6As電流ブロック層7の禁制帯幅は、Ga0.92Al0.08As活性層4の禁制帯幅よりも大きいので、従来の構造のように電流ブロック層による光吸収がなく、導波路の損失の小さい低動作電流の素子が得られる。
【0013】図2は本発明の一実施例におけるSLDの製造工程図である。図2(a)に示すように、n型のGaAs基板1の上に、MOCVDあるいはMBE成長法により、n型のGaAsバッファ層2(厚さ、0.5μm)、n型のGa0.5Al0.5Asクラッド層3(厚さ、.1μm)、Ga0.92Al0.08As活性層4(厚さ、0.07μm)、p型のGa0.5Al0.5As第一光ガイド層5(厚さ、0.5μm)、p型のGa0.8Al0.2As第二光ガイド層6(厚さ、0.03μm)、n型のGa0.4Al0.6As電流ブロック層7(厚さ、0.5μm)、Ga0.8Al0.2As保護層8(厚さ、0.01μm)を形成する。この保護層8は、n型のGa0.4Al0.6As電流ブロック層7の上部を表面酸化から守るのに必要である。保護層8のAlAs混晶比としては、第二光ガイド層と同様、再成長が容易な0.3以下で、SL光に対して透明な混晶比であることが望ましい。
【0014】図2で、活性層の導電型は、特に記載していないが、p型であっても、n型であっても、もちろん、アンドープであってもかまわない。
【0015】また、電流ブロック層の膜厚については、電流ブロック層7の厚さが薄いと、上部のp型のGaAsコンタクト層8においてレーザ光の光吸収が生じてしまうので、最低限、0.4μmは必要である。
【0016】次に、図2(b)に示すように、ストライプ状の窓7aをフォトリソグラフィー技術を用い、前端面の垂直面に対するストライプの角度θ11が5度になるように、エッチングにより形成する。エッチングの方法としては、最初に酒石酸または、硫酸などのAlAs混晶比に対して選択性のあまりないエッチャントでGa0.4Al0.6As電流ブロック層7の途中まで、エッチングを行なう。次に、フッ酸系、リン酸系などのAlAs混晶比の高い層を選択的にエッチングできるエッチャントを用いて、選択的にGa0.4Al0.6As電流ブロック層7のエッチングを行なう。すなわち、p型のGa0.8Al0.2As第二光ガイド層6は、エッチングストップ層としても作用する。そのため、エッチングによるばらつきが小さく、高歩留が得られる。
【0017】次に、図2(c)に示すように、MOCVDあるいはMBE成長法により、p型のGa0.5Al0.5Asクラッド層9、p型のコンタクト層10を再成長により、形成する。このとき、電流の流れるストライプ内は、AlAs混晶比の低いp型のGa0.8Al0.2As第二光ガイド層6上の成長となるため、容易に成長が行える。ただし、p型のGa0.5Al0.5Asクラッド層9のドーパントにZnを使用する場合には、Znのストライプ領域への成長中の拡散による特性への影響があるため、少なくとも、再成長界面においてキャリア濃度を1018cm-3以下にする必要がある。本実施例では、7×1017cm-3とした。もちろん、カーボンなど拡散のあまりないドーパントを用いる方法もある。最後に、n型のGaAs基板1および、p型のGaAsコンタクト層10にそれぞれ、電極を形成する。
【0018】図3は本発明の一実施例におけるSLDの電流−光出力特性図である。比較のために、従来のSLDの特性もあわせて示した。本発明のSLDでは、導波路の損失が小さいため、大幅に動作電流値が小さくなっている。具体的には、活性領域長300μmの素子において、室温で5mWのSL光を放出するのに必要な動作電流値を120mAから60mAに低減できた。また、本発明の構造は、動作電流値が低いので、SLDの高出力化にも有効である。
【0019】より高出力にするため、図4(a)の本発明の特許請求項第二項の一実施例におけるSLDの斜視図、および図4(b)のストライプ部の透視上面図に示すように、前端面の垂直面に対するストライプの角度θを3度から15度にすると共に、ストライプを湾曲または屈曲させて、ストライプが後端面に対し90度に接するようにすることによって、後端面の反射光量を増大させ、より高出力にすることができる。このとき、前端面からはSL光は戻らないため、ファブリ・ペロ共振器は形成されず、レーザ発振は生じない。したがって、スペクトル半値幅の広いSL光を高い光出力まで得ることができる。この構造において、後端面を高反射率にコーティングすることによって、より後端面からの反射光量を増やし、さらに高出力化できる。
【0020】また、活性層を量子井戸構造とすることにより、さらに、動作電流を低減でき、高出力が得られる。量子井戸構造として、シングルカンタムウェル(SQW)構造、ダブルカンタムウェル(DQW)構造、トリプルカンタムウェル(TQW)構造、グリン(GRIN)構造、または、そのセパレートコンファインメントヘテロストラクチャー(SCH)構造などでもかまわない。
【0021】なお、上記全ての実施例において、基板はn型で、n型の電流ブロック層を用いる場合のみを示したが、基板にp型を用い、p型の電流ブロック層を用いてもかまわない。すなわち、電流ブロック層のAlAs混晶比が高いからである。なぜなら、AlAs混晶比の高いp型のGaAlAs層の場合、電子の拡散が抑えられるので、p型のブロック層の実現が可能となるからである。
【0022】なお、上記全ての実施例では、電流ブロック層が活性層上、すなわち、活性層から見て、基板と反対側にある場合のみを示したが、基板と同方向にある場合でも、同じ効果が得られる。あるいは、電流ブロック層が両方向にあるダブルコンファイメント構造にすればさらに、漏れ電流が少なくなり、低動作電流化が図れることはいうまでもない。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明は、活性層となるGa1-XAlXAs層の主面の少なくとも一方の側に、一導電型のGa1-Y1AlY1As第一光ガイド層、Ga1-Y2AlY2As第二光ガイド層を順次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上に、これとは逆の導電型でストライプ状の窓を有するGa1-ZAlZAs層が形成されており、前記ストライプ状の窓には、前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As層を備えており、AlAs混晶比、X,Y1,Y2,Y3およびZの間に、Z>Y3>Y2>X≧0,Y1>Y2の関係を有し、前記ストライプ状の窓の前端面の垂直面に対し、前記ストライプ状の窓が3度から15度の角度を有する構成により、低動作電流値のSLDを容易に実現できるものである。
【0024】すなわち、AlAs混晶比の高いGa1-Y1AlY1As第一光ガイド層により活性層へキャリアを閉じ込め、再成長はAlAs混晶比の低いGa1-Y2AlY2As第二光ガイド層への成長となるため、容易に作製できる。
【0025】また、ストライプを形成するエッチングの時に、AlAs混晶比の違いによる選択エッチング法を使用できるため、エッチングのばらつきが小さくなり、高歩留が得られる。
【0026】また、電流ブロック層のAlAs混晶比が、クラッド層のAlAs混晶比より高く設定されているため、単一な横モードで発光し、SL光の電流ブロック層による光吸収がないため、低動作電流値が得られる。
【0027】また、低動作電流化は、活性層における発熱等の低減をもたらすため、高出力が得られる。さらに、ストライプと前端面の垂直面との角度を3度から15度にすると共に、ストライプを湾曲または屈曲させることによって、後端面に対しストライプを90度に接するようにし、また、活性層を量子井戸構造とすれば、より、高出力が得られる。
【0028】以上、説明したところから明らかなように、本発明のSLDは、高出力のSL光を発光することができ、光ファイバジャイロ用として実用上の効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施例におけるSLDの斜視図
(b)本発明の一実施例におけるSLDのストライプ部の透視上面図
【図2】本発明の一実施例におけるSLDの製造工程図
【図3】本発明の一実施例におけるSLDの電流−光出力特性図
【図4】(a)本発明の特許請求項第二項の一実施例におけるSLDの斜視図
(b)本発明の特許請求項第二項の一実施例におけるSLDのストライプ部の透視上面図
【図5】従来のSLDの要部斜視図
【符号の説明】
1 n型のGaAs基板
2 n型のGaAsバッファ層
3 n型のGa0.5Al0.5Asクラッド層
4 Ga0.92Al0.08As活性層
5 p型のGa0.5Al0.5As第一光ガイド層
6 p型のGa0.8Al0.2As第二光ガイド層
7 n型のGa0.4Al0.6As電流ブロック層
7a ストライプ状の窓
8 p型のGa0.8Al0.2As保護層
9 p型のGa0.5Al0.5Asクラッド層
10 p型のGaAsコンタクト層
11 前端面の垂直面に対するストライプの角度θ
21 p型のGaAs基板
22 プロトン注入高抵抗GaAs電流ブロック層
23 p型のGa0.59Al0.41As層
24 Ga0.92Al0.08As活性層
25 n型のGa0.59Al0.41As層
26 n型のGaAsコンタクト層
27,28 オーミック電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】 活性層となるGa1-XAlXAs層の主面の少なくとも一方の側に、一導電型のGa1-Y1AlY1As第一光ガイド層、Ga1-Y2AlY2As第二光ガイド層を順次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上に、これとは逆の導電型でストライプ状の窓を有するGa1-ZAlZAs層が形成されており、前記ストライプ状の窓には、前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As層を備えており、AlAs混晶比、X,Y1,Y2,Y3およびZの間に、Z>Y3>Y2>X≧0,Y1>Y2の関係を有し、前記ストライプ状の窓の前端面の垂直面に対し、前記ストライプ状の窓が3度から15度の角度を有することを特徴とする半導体発光素子。
【請求項2】 活性層となるGa1-XAlXAs層の主面の少なくとも一方の側に、一導電型のGa1-Y1AlY1As第一光ガイド層、Ga1-Y2AlY2As第二光ガイド層を順次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上に、これとは逆の導電型で湾曲したストライプ状の窓を有するGa1-ZAlZAs層が形成されており、前記ストライプ状の窓には、前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As層を備えており、AlAs混晶比、X,Y1,Y2,Y3およびZの間に、Z>Y3>Y2>X≧0,Y1>Y2の関係を有し、前記ストライプ状の窓の前端面の垂直面に対し、前記ストライプ状の窓が3度から15度の角度を有するとともに、前記ストライプ状の窓の後端面に対し、前記ストライプ状の窓が90度の角度を有することを特徴とする半導体発光素子。
【請求項3】 量子井戸構造の活性層の主面の少なくとも一方の側に、一導電型のGa1-Y1AlY1As第一光ガイド層、Ga1-Y2AlY2As第二光ガイド層を順次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上に、これとは逆の導電型でストライプ状の窓を有するGa1-ZAlZAs層が形成されており、前記ストライプ状の窓には、前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As層を備えており、AlAs混晶比、Y1,Y2,Y3およびZの間に、Z>Y3>Y2,Y1>Y2の関係を有し、前記ストライプ状の窓の前端面の垂直面に対し、前記ストライプ状の窓が3度から15度の角度を有することを特徴とする半導体発光素子。
【請求項4】 活性層の主面の少なくとも一方の側に、一導電型のGa1-Y1AlY1As第一光ガイド層、Ga1-Y2AlY2As第二光ガイド層、前記第二光ガイド層上に、これとは逆の導電型でGa1-ZAlZAs層を、エピタキシャル成長により形成する工程と、前記Ga1-ZAlZAs層だけを前端面の垂直面に対し3度から15度の角度となるようストライプ状に選択的にエッチングする工程と、前記ストライプ状にエッチングした部分に前記光ガイド層と同じ導電性のGa1-Y3AlY3As層をエピタキシャル成長により形成する工程を備え、AlAs混晶比、Y1,Y2,Y3およびZの間に、Z>Y3>Y2,Y1>Y2の関係を成立させたことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。

【図3】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【公開番号】特開平6−188509
【公開日】平成6年(1994)7月8日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−338429
【出願日】平成4年(1992)12月18日
【出願人】(000005843)松下電子工業株式会社 (43)