半導体発光装置
【課題】半導体発光素子チップを接合するマウント材の劣化を抑制する。
【解決手段】一つの実施形態によれば、半導体発光装置は、サファイア基板、活性領域、及び光遮断層が設けられる。活性領域は、サファイア基板上に設けられ、通電されてサファイア基板の厚み方向で発光する発光層を有する。光遮断層は、サファイア基板の裏面に設けられ、発光層で発生された光をサファイア基板の裏面側に透過するのを遮断し、サファイア基板が酸化アルミニウム(AlxOy)に改質されてなる。
【解決手段】一つの実施形態によれば、半導体発光装置は、サファイア基板、活性領域、及び光遮断層が設けられる。活性領域は、サファイア基板上に設けられ、通電されてサファイア基板の厚み方向で発光する発光層を有する。光遮断層は、サファイア基板の裏面に設けられ、発光層で発生された光をサファイア基板の裏面側に透過するのを遮断し、サファイア基板が酸化アルミニウム(AlxOy)に改質されてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED light emitting diode)やレーザダイオードなどの半導体発光装置では、半導体発光素子チップをリードや基板に固着するのに、マウント材が使用される。マウント材としては、エポキシ系樹脂などが使用される。
【0003】
半導体発光装置を長時間動作させていると半導体発光素子チップで発光された光によりエポキシ系樹脂が加熱されて変色し、全放射束劣化が生じて半導体発光装置の信頼性が低下するという問題点がある。波長が短く、エネルギーの高い光を発生する青色LEDでは、他のLEDと比較しエポキシ樹脂の変色が加速される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−128445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、半導体発光素子チップを接合するマウント材の劣化を抑制することができる半導体発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態によれば、半導体発光装置は、サファイア基板、活性領域、及び光遮断層が設けられる。活性領域は、サファイア基板上に設けられ、通電されてサファイア基板の厚み方向で発光する発光層を有する。光遮断層は、サファイア基板の裏面に設けられ、発光層で発生された光をサファイア基板の裏面側に透過するのを遮断し、サファイア基板が酸化アルミニウム(AlxOy)に改質されてなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係る半導体発光装置を示す概略断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る半導体発光素子チップでの発光及び光の進行方向を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係る光遮断層の形成を説明する図である。
【図4】第1の実施形態に係る光遮断層の観察画像であり、図4(a)は光学像、図4(b)はSEM像である。
【図5】第1の実施形態に係る半導体発光装置の信頼性試験を説明する図である。
【図6】第2の実施形態に係る半導体発光素子チップでの発光及び光の進行方向を示す図である。
【図7】第2の実施形態に係る光遮断層の形成を説明する図である。
【図8】第2の実施形態に係る光遮断層の観察画像であり、図8(a)は光学像、図8(b)はSEM像である。
【図9】第3の実施形態に係る半導体発光素子チップでの発光及び光の進行方向を示す図である。
【図10】第3の実施形態に係る凹凸部の形成を説明する図である。
【図11】第3の実施形態に係る凹凸部の観察画像であり、図11(a)は光学像、図11(b)はSEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置について、図面を参照して説明する。図1は半導体発光装置を示す概略断面図である。図2は半導体発光素子チップでの発光及び光の進行方向を示す図である。本実施形態では、サファイア基板の裏面側に光遮断層を設けて発光層で発生する光を遮断してマウント材の光劣化を抑制している。
【0010】
図1に示すように、半導体発光装置90には、リード1、リード2、マウント材3、半導体発光素子チップ30、ボンディングワイヤ8、ボンディングワイヤ9、蛍光体10、及び封止材11が設けられる。半導体発光装置90は、封止されたGaN系青色発光ダイオード(GaN LED light emitting diode)である。半導体発光装置90は、屋内外の表示灯、屋内外の照明、自動車のヘッドライト・ストップランプ、道路標識、交通信号及び簡易照明等に使用される。
【0011】
リード2上にはマウント材3と半導体発光素子チップ30が積層形成される。マウント材3は、半導体発光素子チップ30をリード2に固着する。マウント材3には、例えばエポキシ系樹脂が使用される。
【0012】
半導体発光素子チップ30は、光遮断層21、基板4、活性領域5、アノード電極6、及びカソード電極7が設けられる。
【0013】
光遮断層21は、マウント材3と基板4の間に設けられる。光遮断層21は、サファイアからなる基板4が非晶質の酸化アルミニウム(AlxOy)に改質されてなる層である。基板4は、光遮断層21と活性領域5の間に設けられる。活性領域5は、基板4上にエピタキシャル成長法で形成された複数のエピ層から構成される。活性領域5の凹部上には、アノード電極6が設けられる。アノード電極6は、ボンディングワイヤ8を介してリード2に接続される。活性領域5の凸部上には、カソード電極7が設けられる。アノード電極7は、ボンディングワイヤ9を介してリード1に接続される。
【0014】
蛍光体10は、マウント材3、半導体発光素子チップ30、ボンディングワイヤ8、及びボンディングワイヤ9を覆うように、リード1及びリード2上に設けられる。封止材11は、マウント材3、半導体発光素子チップ30、ボンディングワイヤ8、ボンディングワイヤ9、及び蛍光体10を封止するように、リード1及びリード2上に設けられる。
【0015】
ここで、半導体発光装置90はマウント材3を用いて半導体発光素子チップ30をリード2に固着しているが、マウント材を用いて半導体発光素子チップ30をセラミック基板或いは金属基板に固着してもよい。例えばSMD型、COB型、FU型、FD型などのLED。
【0016】
図2に示すように、半導体発光装置90は、アノード電極6及びカソード電極7が通電されて電流が流れると活性領域5に設けられる発光層22が発光して、基板4の厚み方向(図中、上下方向)に光が発生する。図中下方向の光は、光遮断層21により反射され、基板4の裏面側に設けられるマウント材3に透過されない。つまり、この光はマウント材3まで達しない。このため、半導体発光装置90の長時間動作期間においても、マウント材3は光による加熱によって発生する変色が生じない、また光照射による劣化によって発生する変色も生じない。なお、光遮断層21が設けられない場合、マウント材3が変色すると光が反射されないので全放射束劣化が生じる。
【0017】
次に、光遮断層の形成方法について図3及び図4を参照して説明する。図3は光遮断層の形成を説明する図である。図4は形成された光遮断層の観察画像であり、図4(a)は光学像、図4(b)はSEM像である。ここでは、半導体発光素子が形成された半導体発光素子ウェハ40の裏面側からレーザを照射している。
【0018】
図3に示すように、基板4の裏面側からレーザを照射して基板4の裏面に光遮断層21を形成する。
【0019】
レーザ条件は、例えば波長(λ)が355nm、シングルパルス、パワーが40mW〜200mW、ナノ秒パルス、フォーカス位置を基板4の裏面側から離間した距離L1の場所に設定している(デフォーカス)。距離L1は、例えば数十μmに設定するのが好ましい。このレーザ照射によりサファイアからなる基板4が非晶質の酸化アルミニウム(AlxOy)に改質されて光遮断層21が形成される。このとき改質をより進行させると、酸素離脱が多くなり酸化アルミニウム(AlxOy)が粒径が小さなアルミニウムの集団となる。
【0020】
レーザ照射しない場合、基板4から活性領域5を光学顕微鏡で観察すると、サファイアは光を透過するので活性領域に形成されているパターンが明瞭に観察することができる(図示していない)。
【0021】
図4(a)に示すように、光遮断層21側から活性領域5を高倍率(×2、000)の光学顕微鏡で観察すると、非晶質の酸化アルミニウム(AlxOy)からなる光遮断層21により光が反射されるので、活性領域5上に形成された表面パターンは大変不明瞭となる。
【0022】
図4(b)に示すように、光遮断層21表面を高倍率(×10、000)で斜め15°からSEM(scanning electron microscope)観察すると、レーザによりサファイアが一度溶融されて結晶性が消失し、微少サイズからなる非晶質の酸化アルミニウム(AlxOy)が形成されているのが確認できる。この非晶質の酸化アルミニウム(AlxOy)は、サイズは不均一であり、高さも一定しない(周期性を有しない)。
【0023】
次に、半導体発光装置の信頼性について図5を参照して説明する。図5は半導体発光装置の信頼性試験を説明する図である。信頼性試験では連続通電し、光束維持率70%を輝度劣化の判定としている。
【0024】
図5に示すように、基板4の裏面に光遮断層21を設けていない比較例の半導体発光装置では、マウント材3が発光層22で発生した光の影響により過熱や光照射による変色が発生する。この結果、全放射束劣化により輝度が低下して、例えば500hで信頼性不良となる。
【0025】
一方、基板4の裏面に光遮断層21を設けている本実施形態の半導体発光装置90では、発光層22で発生した光が光遮断層21で反射され、マウント材3には達しない。この結果、マウント材3の光劣化要因がなくなり、全放射束劣化による輝度の低下が大幅に改善される。ここでは10、000hまで信頼性不良が発生しないことを確認している。
【0026】
上述したように、本実施形態の半導体発光装置では、半導体発光素子チップ30には、光遮断層21、基板4、活性領域5、アノード電極6、及びカソード電極7が設けられる。光遮断層21は、マウント材3と基板4の間に設けられる。光遮断層21は、サファイアからなる基板4が非晶質の酸化アルミニウム(AlxOy)に改質されてなる層である。光遮断層21は、発光層22で発光された光を反射して基板4の裏面側に設けられるマウント材3に透過されるのを遮断する。
【0027】
このため、マウント材3は発光層22で発光された光による変色が発生しない。したがって、全放射束劣化が大幅に改善されて半導体発光装置90の信頼性を大幅に向上することができる。
【0028】
なお、本実施形態では、GaN系青色発光ダイオードに適用したが必ずしもこれに限定されるものではない。例えばAlGaInP系発光ダイオード、AlGaAs系発光ダイオード、GaP系発光ダイオード、或いはGaAsP系発光ダイオードに適用してもよい。また、レーザ照射条件は本実施形態で詳述した条件に必ずしも限定されるものではない。例えば、シングルパルスレーザの代わりにダブルパルスレーザを用いてもよい。ナノ秒パルスレーザの代わりにピコ秒パルス或いはフェムト秒パルスレーザを用いてもよい。波長(λ)355nmのレーザの代わりに、700nm〜800nmのレーザなどを用いてよい。
【0029】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る半導体発光装置について、図面を参照して説明する。図6は半導体発光素子チップでの発光及び光の進行方向を示す図である。本実施形態では、サファイア基板中に光遮断層を設けてマウント材の光劣化を抑制している。
【0030】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0031】
本実施形態の半導体発光装置は、封止されたGaN系青色発光ダイオードであり、屋内外の表示灯、屋内外の照明、自動車のヘッドライト・ストップランプ、道路標識、交通信号及び簡易照明等に使用される。
【0032】
図6に示すように、本実施形態の半導体発光装置に使用される半導体発光素子チップ30aには、基板4の裏面から距離L11だけ離間した基板4中に光遮断層23が設けられる。なお、本実施形態の半導体発光装置は、第1の実施形態の半導体発光装置90とは光遮断層の形成位置が異なり、他の構成は同一である。
【0033】
本実施形態の半導体発光装置では、アノード電極6及びカソード電極7が通電されて電流が流れると活性領域5に設けられる発光層22が発光して、基板4の厚み方向(図中、上下方向)に光が発生する。図中下方向の光は、光遮断層23により反射され、図中光遮断層23直下の基板4及びマウント材3まで達しない。このため、半導体発光装置の長時間動作期間においても、マウント材3は光による加熱によって発生する変色が生じない、また光照射による劣化によって発生する変色も生じない。
【0034】
次に、光遮断層の形成方法について図7及び図8を参照して説明する。図7は光遮断層の形成を説明する図である。図8は形成された光遮断層の観察画像であり、図8(a)は光学像、図8(b)はSEM像である。ここでは、半導体発光素子が形成された半導体発光素子ウェハ40の裏面側からレーザを照射している。
【0035】
図7に示すように、基板4の裏面側からレーザを照射して基板4中に光遮断層23を形成する。
【0036】
レーザ条件は、例えば波長(λ)が355nm、シングルパルス、パワーが40mW〜50mW、ナノ秒パルス、フォーカス位置を基板4の裏面から内部側の距離L2の場所に設定している。距離L2は、
10μm<L2<30μm・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(1)
の範囲に設定するのが好ましい。このレーザ照射によりサファイアからなる基板4が改質されて基板4中に非晶質の酸化アルミニウムからなる光遮断層23が形成される。
【0037】
図8(a)に示すように、基板4の裏面側から活性領域5を高倍率(×2、000)の光学顕微鏡で観察すると、基板4中に形成された非晶質の酸化アルミニウムからなる光遮断層23により光が反射されるので、活性領域5上に形成された表面パターンは見えなくなる。
【0038】
図8(b)に示すように、基板4の裏面を高倍率(×2、000)でSEM観察すると、距離L2分の厚さを有する基板4を介して光遮断層23を見ることになるのでSEM像は大変不明瞭となる。
【0039】
上述したように、本実施形態の半導体発光装置では、半導体発光素子チップ30aには、光遮断層23、基板4、活性領域5、アノード電極6、及びカソード電極7が設けられる。光遮断層23は、基板4の裏面から距離L11離間した基板4中に設けられる。光遮断層23は、サファイアからなる基板4が改質されてなる非晶質の層である。光遮断層23は、発光層22で発光された光を反射して基板4の裏面側に設けられるマウント材3に透過されるのを遮断する。
【0040】
このため、マウント材3は発光層22で発光された光による変色が発生しない。したがって、全放射束劣化が大幅に改善されて半導体発光装置の信頼性を大幅に向上することができる。
【0041】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る半導体発光装置について、図面を参照して説明する。図9は半導体発光素子チップでの発光及び光の進行方向を示す図である。本実施形態では、サファイア基板の裏面側に凹凸部を設けてマウント材の光劣化を抑制している。
【0042】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0043】
本実施形態の半導体発光装置は、封止されたGaN系青色発光ダイオードであり、屋内外の表示灯、屋内外の照明、自動車のヘッドライト・ストップランプ、道路標識、交通信号及び簡易照明等に使用される。
【0044】
図9に示すように、本実施形態の半導体発光装置に使用される半導体発光素子チップ30bには、基板4の裏面に凹凸部24が設けられる。なお、本実施形態の半導体発光装置は、第1の実施形態の半導体発光装置90とは凹凸部24が異なり、他の構成は同一である。
【0045】
凹凸部24は、マウント材3と接し、形状や高さは不均一(周期性がない)に形成される。凹凸部24は、基板4の裏面側から照射されるレーザにより形成される。
【0046】
本実施形態の半導体発光装置では、アノード電極6及びカソード電極7が通電されて電流が流れると活性領域5に設けられる発光層22が発光して、基板4の厚み方向(図中、上下方向)に光が発生する。図中下方向の光は、凹凸部24により散乱され(マウント材3の表面で反射)、マウント材3の内部まで達しない。このため、半導体発光装置の長時間動作期間においても、マウント材3は光による変色が生じない。
【0047】
次に、凹凸部24の形成方法について図10及び図11を参照して説明する。図10は凹凸部の形成を説明する図である。図11は形成された凹凸部の観察画像であり、図11(a)は光学像、図11(b)はSEM像である。ここでは、半導体発光素子が形成された半導体発光素子ウェハ40の裏面側からレーザを照射している。
【0048】
図10に示すように、基板4の裏面側からレーザを照射して基板4の裏面に凹凸部24を形成する。
【0049】
レーザ条件は、例えば波長(λ)が355nm、シングルパルス、パワーが40mW〜200mW、ナノ秒パルス、フォーカス位置を基板4の裏面から距離L3の場所に設定している。距離L3は、
-10μm<L3<10μm・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(2)
の範囲に設定するのが好ましい。つまり、フォーカス位置を基板4の裏面近傍に設定する。このレーザ照射によりサファイアからなる基板4が一度溶融して再結晶化され基板の裏面に凹凸部24が形成される。
【0050】
図11(a)に示すように、基板4の裏面側から活性領域5を高倍率(×2、000)の顕微鏡で観察すると、基板4の裏面に形成された凹凸部24により光が散乱されるので、活性領域5上に形成された表面パターンは見えなくなる。
【0051】
図11(b)に示すように、基板4の裏面を高倍率(×2、000)でSEM観察すると、大きさ及び深さの異なる凹部及び凸部が基板4の裏面に不均一に形成されていることが確認できる。
【0052】
上述したように、本実施形態の半導体発光装置では、半導体発光素子チップ30bには、凹凸部24、基板4、活性領域5、アノード電極6、及びカソード電極7が設けられる。凹凸部24は、基板4の裏面に設けられ、凹部及び凸部の大きさや深さは不均一である。凹凸部24は、サファイアからなる基板4が一度溶融され、再結晶化されたものである。凹凸部24は、発光層22で発光された光を散乱して基板4の裏面側に設けられるマウント材3中に透過されるのを遮断する。
【0053】
このため、マウント材3は発光層22で発光された光による変色が発生しない。したがって、全放射束劣化が大幅に改善されて半導体発光装置の信頼性を大幅に向上することができる。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1、2 リード
3 マウント材
4 基板
5 活性領域
6 アノード電極
7 カソード電極
8、9 ボンディングワイヤ
10 蛍光体
11 封止材
21、23 光遮断層
22 発光層
24 凹凸部
30、30a、30b 半導体発光素子チップ
40 半導体発光素子ウェハ
90 半導体発光装置
L1、L2、L3、L11 距離
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED light emitting diode)やレーザダイオードなどの半導体発光装置では、半導体発光素子チップをリードや基板に固着するのに、マウント材が使用される。マウント材としては、エポキシ系樹脂などが使用される。
【0003】
半導体発光装置を長時間動作させていると半導体発光素子チップで発光された光によりエポキシ系樹脂が加熱されて変色し、全放射束劣化が生じて半導体発光装置の信頼性が低下するという問題点がある。波長が短く、エネルギーの高い光を発生する青色LEDでは、他のLEDと比較しエポキシ樹脂の変色が加速される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−128445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、半導体発光素子チップを接合するマウント材の劣化を抑制することができる半導体発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態によれば、半導体発光装置は、サファイア基板、活性領域、及び光遮断層が設けられる。活性領域は、サファイア基板上に設けられ、通電されてサファイア基板の厚み方向で発光する発光層を有する。光遮断層は、サファイア基板の裏面に設けられ、発光層で発生された光をサファイア基板の裏面側に透過するのを遮断し、サファイア基板が酸化アルミニウム(AlxOy)に改質されてなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係る半導体発光装置を示す概略断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る半導体発光素子チップでの発光及び光の進行方向を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係る光遮断層の形成を説明する図である。
【図4】第1の実施形態に係る光遮断層の観察画像であり、図4(a)は光学像、図4(b)はSEM像である。
【図5】第1の実施形態に係る半導体発光装置の信頼性試験を説明する図である。
【図6】第2の実施形態に係る半導体発光素子チップでの発光及び光の進行方向を示す図である。
【図7】第2の実施形態に係る光遮断層の形成を説明する図である。
【図8】第2の実施形態に係る光遮断層の観察画像であり、図8(a)は光学像、図8(b)はSEM像である。
【図9】第3の実施形態に係る半導体発光素子チップでの発光及び光の進行方向を示す図である。
【図10】第3の実施形態に係る凹凸部の形成を説明する図である。
【図11】第3の実施形態に係る凹凸部の観察画像であり、図11(a)は光学像、図11(b)はSEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置について、図面を参照して説明する。図1は半導体発光装置を示す概略断面図である。図2は半導体発光素子チップでの発光及び光の進行方向を示す図である。本実施形態では、サファイア基板の裏面側に光遮断層を設けて発光層で発生する光を遮断してマウント材の光劣化を抑制している。
【0010】
図1に示すように、半導体発光装置90には、リード1、リード2、マウント材3、半導体発光素子チップ30、ボンディングワイヤ8、ボンディングワイヤ9、蛍光体10、及び封止材11が設けられる。半導体発光装置90は、封止されたGaN系青色発光ダイオード(GaN LED light emitting diode)である。半導体発光装置90は、屋内外の表示灯、屋内外の照明、自動車のヘッドライト・ストップランプ、道路標識、交通信号及び簡易照明等に使用される。
【0011】
リード2上にはマウント材3と半導体発光素子チップ30が積層形成される。マウント材3は、半導体発光素子チップ30をリード2に固着する。マウント材3には、例えばエポキシ系樹脂が使用される。
【0012】
半導体発光素子チップ30は、光遮断層21、基板4、活性領域5、アノード電極6、及びカソード電極7が設けられる。
【0013】
光遮断層21は、マウント材3と基板4の間に設けられる。光遮断層21は、サファイアからなる基板4が非晶質の酸化アルミニウム(AlxOy)に改質されてなる層である。基板4は、光遮断層21と活性領域5の間に設けられる。活性領域5は、基板4上にエピタキシャル成長法で形成された複数のエピ層から構成される。活性領域5の凹部上には、アノード電極6が設けられる。アノード電極6は、ボンディングワイヤ8を介してリード2に接続される。活性領域5の凸部上には、カソード電極7が設けられる。アノード電極7は、ボンディングワイヤ9を介してリード1に接続される。
【0014】
蛍光体10は、マウント材3、半導体発光素子チップ30、ボンディングワイヤ8、及びボンディングワイヤ9を覆うように、リード1及びリード2上に設けられる。封止材11は、マウント材3、半導体発光素子チップ30、ボンディングワイヤ8、ボンディングワイヤ9、及び蛍光体10を封止するように、リード1及びリード2上に設けられる。
【0015】
ここで、半導体発光装置90はマウント材3を用いて半導体発光素子チップ30をリード2に固着しているが、マウント材を用いて半導体発光素子チップ30をセラミック基板或いは金属基板に固着してもよい。例えばSMD型、COB型、FU型、FD型などのLED。
【0016】
図2に示すように、半導体発光装置90は、アノード電極6及びカソード電極7が通電されて電流が流れると活性領域5に設けられる発光層22が発光して、基板4の厚み方向(図中、上下方向)に光が発生する。図中下方向の光は、光遮断層21により反射され、基板4の裏面側に設けられるマウント材3に透過されない。つまり、この光はマウント材3まで達しない。このため、半導体発光装置90の長時間動作期間においても、マウント材3は光による加熱によって発生する変色が生じない、また光照射による劣化によって発生する変色も生じない。なお、光遮断層21が設けられない場合、マウント材3が変色すると光が反射されないので全放射束劣化が生じる。
【0017】
次に、光遮断層の形成方法について図3及び図4を参照して説明する。図3は光遮断層の形成を説明する図である。図4は形成された光遮断層の観察画像であり、図4(a)は光学像、図4(b)はSEM像である。ここでは、半導体発光素子が形成された半導体発光素子ウェハ40の裏面側からレーザを照射している。
【0018】
図3に示すように、基板4の裏面側からレーザを照射して基板4の裏面に光遮断層21を形成する。
【0019】
レーザ条件は、例えば波長(λ)が355nm、シングルパルス、パワーが40mW〜200mW、ナノ秒パルス、フォーカス位置を基板4の裏面側から離間した距離L1の場所に設定している(デフォーカス)。距離L1は、例えば数十μmに設定するのが好ましい。このレーザ照射によりサファイアからなる基板4が非晶質の酸化アルミニウム(AlxOy)に改質されて光遮断層21が形成される。このとき改質をより進行させると、酸素離脱が多くなり酸化アルミニウム(AlxOy)が粒径が小さなアルミニウムの集団となる。
【0020】
レーザ照射しない場合、基板4から活性領域5を光学顕微鏡で観察すると、サファイアは光を透過するので活性領域に形成されているパターンが明瞭に観察することができる(図示していない)。
【0021】
図4(a)に示すように、光遮断層21側から活性領域5を高倍率(×2、000)の光学顕微鏡で観察すると、非晶質の酸化アルミニウム(AlxOy)からなる光遮断層21により光が反射されるので、活性領域5上に形成された表面パターンは大変不明瞭となる。
【0022】
図4(b)に示すように、光遮断層21表面を高倍率(×10、000)で斜め15°からSEM(scanning electron microscope)観察すると、レーザによりサファイアが一度溶融されて結晶性が消失し、微少サイズからなる非晶質の酸化アルミニウム(AlxOy)が形成されているのが確認できる。この非晶質の酸化アルミニウム(AlxOy)は、サイズは不均一であり、高さも一定しない(周期性を有しない)。
【0023】
次に、半導体発光装置の信頼性について図5を参照して説明する。図5は半導体発光装置の信頼性試験を説明する図である。信頼性試験では連続通電し、光束維持率70%を輝度劣化の判定としている。
【0024】
図5に示すように、基板4の裏面に光遮断層21を設けていない比較例の半導体発光装置では、マウント材3が発光層22で発生した光の影響により過熱や光照射による変色が発生する。この結果、全放射束劣化により輝度が低下して、例えば500hで信頼性不良となる。
【0025】
一方、基板4の裏面に光遮断層21を設けている本実施形態の半導体発光装置90では、発光層22で発生した光が光遮断層21で反射され、マウント材3には達しない。この結果、マウント材3の光劣化要因がなくなり、全放射束劣化による輝度の低下が大幅に改善される。ここでは10、000hまで信頼性不良が発生しないことを確認している。
【0026】
上述したように、本実施形態の半導体発光装置では、半導体発光素子チップ30には、光遮断層21、基板4、活性領域5、アノード電極6、及びカソード電極7が設けられる。光遮断層21は、マウント材3と基板4の間に設けられる。光遮断層21は、サファイアからなる基板4が非晶質の酸化アルミニウム(AlxOy)に改質されてなる層である。光遮断層21は、発光層22で発光された光を反射して基板4の裏面側に設けられるマウント材3に透過されるのを遮断する。
【0027】
このため、マウント材3は発光層22で発光された光による変色が発生しない。したがって、全放射束劣化が大幅に改善されて半導体発光装置90の信頼性を大幅に向上することができる。
【0028】
なお、本実施形態では、GaN系青色発光ダイオードに適用したが必ずしもこれに限定されるものではない。例えばAlGaInP系発光ダイオード、AlGaAs系発光ダイオード、GaP系発光ダイオード、或いはGaAsP系発光ダイオードに適用してもよい。また、レーザ照射条件は本実施形態で詳述した条件に必ずしも限定されるものではない。例えば、シングルパルスレーザの代わりにダブルパルスレーザを用いてもよい。ナノ秒パルスレーザの代わりにピコ秒パルス或いはフェムト秒パルスレーザを用いてもよい。波長(λ)355nmのレーザの代わりに、700nm〜800nmのレーザなどを用いてよい。
【0029】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る半導体発光装置について、図面を参照して説明する。図6は半導体発光素子チップでの発光及び光の進行方向を示す図である。本実施形態では、サファイア基板中に光遮断層を設けてマウント材の光劣化を抑制している。
【0030】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0031】
本実施形態の半導体発光装置は、封止されたGaN系青色発光ダイオードであり、屋内外の表示灯、屋内外の照明、自動車のヘッドライト・ストップランプ、道路標識、交通信号及び簡易照明等に使用される。
【0032】
図6に示すように、本実施形態の半導体発光装置に使用される半導体発光素子チップ30aには、基板4の裏面から距離L11だけ離間した基板4中に光遮断層23が設けられる。なお、本実施形態の半導体発光装置は、第1の実施形態の半導体発光装置90とは光遮断層の形成位置が異なり、他の構成は同一である。
【0033】
本実施形態の半導体発光装置では、アノード電極6及びカソード電極7が通電されて電流が流れると活性領域5に設けられる発光層22が発光して、基板4の厚み方向(図中、上下方向)に光が発生する。図中下方向の光は、光遮断層23により反射され、図中光遮断層23直下の基板4及びマウント材3まで達しない。このため、半導体発光装置の長時間動作期間においても、マウント材3は光による加熱によって発生する変色が生じない、また光照射による劣化によって発生する変色も生じない。
【0034】
次に、光遮断層の形成方法について図7及び図8を参照して説明する。図7は光遮断層の形成を説明する図である。図8は形成された光遮断層の観察画像であり、図8(a)は光学像、図8(b)はSEM像である。ここでは、半導体発光素子が形成された半導体発光素子ウェハ40の裏面側からレーザを照射している。
【0035】
図7に示すように、基板4の裏面側からレーザを照射して基板4中に光遮断層23を形成する。
【0036】
レーザ条件は、例えば波長(λ)が355nm、シングルパルス、パワーが40mW〜50mW、ナノ秒パルス、フォーカス位置を基板4の裏面から内部側の距離L2の場所に設定している。距離L2は、
10μm<L2<30μm・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(1)
の範囲に設定するのが好ましい。このレーザ照射によりサファイアからなる基板4が改質されて基板4中に非晶質の酸化アルミニウムからなる光遮断層23が形成される。
【0037】
図8(a)に示すように、基板4の裏面側から活性領域5を高倍率(×2、000)の光学顕微鏡で観察すると、基板4中に形成された非晶質の酸化アルミニウムからなる光遮断層23により光が反射されるので、活性領域5上に形成された表面パターンは見えなくなる。
【0038】
図8(b)に示すように、基板4の裏面を高倍率(×2、000)でSEM観察すると、距離L2分の厚さを有する基板4を介して光遮断層23を見ることになるのでSEM像は大変不明瞭となる。
【0039】
上述したように、本実施形態の半導体発光装置では、半導体発光素子チップ30aには、光遮断層23、基板4、活性領域5、アノード電極6、及びカソード電極7が設けられる。光遮断層23は、基板4の裏面から距離L11離間した基板4中に設けられる。光遮断層23は、サファイアからなる基板4が改質されてなる非晶質の層である。光遮断層23は、発光層22で発光された光を反射して基板4の裏面側に設けられるマウント材3に透過されるのを遮断する。
【0040】
このため、マウント材3は発光層22で発光された光による変色が発生しない。したがって、全放射束劣化が大幅に改善されて半導体発光装置の信頼性を大幅に向上することができる。
【0041】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る半導体発光装置について、図面を参照して説明する。図9は半導体発光素子チップでの発光及び光の進行方向を示す図である。本実施形態では、サファイア基板の裏面側に凹凸部を設けてマウント材の光劣化を抑制している。
【0042】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0043】
本実施形態の半導体発光装置は、封止されたGaN系青色発光ダイオードであり、屋内外の表示灯、屋内外の照明、自動車のヘッドライト・ストップランプ、道路標識、交通信号及び簡易照明等に使用される。
【0044】
図9に示すように、本実施形態の半導体発光装置に使用される半導体発光素子チップ30bには、基板4の裏面に凹凸部24が設けられる。なお、本実施形態の半導体発光装置は、第1の実施形態の半導体発光装置90とは凹凸部24が異なり、他の構成は同一である。
【0045】
凹凸部24は、マウント材3と接し、形状や高さは不均一(周期性がない)に形成される。凹凸部24は、基板4の裏面側から照射されるレーザにより形成される。
【0046】
本実施形態の半導体発光装置では、アノード電極6及びカソード電極7が通電されて電流が流れると活性領域5に設けられる発光層22が発光して、基板4の厚み方向(図中、上下方向)に光が発生する。図中下方向の光は、凹凸部24により散乱され(マウント材3の表面で反射)、マウント材3の内部まで達しない。このため、半導体発光装置の長時間動作期間においても、マウント材3は光による変色が生じない。
【0047】
次に、凹凸部24の形成方法について図10及び図11を参照して説明する。図10は凹凸部の形成を説明する図である。図11は形成された凹凸部の観察画像であり、図11(a)は光学像、図11(b)はSEM像である。ここでは、半導体発光素子が形成された半導体発光素子ウェハ40の裏面側からレーザを照射している。
【0048】
図10に示すように、基板4の裏面側からレーザを照射して基板4の裏面に凹凸部24を形成する。
【0049】
レーザ条件は、例えば波長(λ)が355nm、シングルパルス、パワーが40mW〜200mW、ナノ秒パルス、フォーカス位置を基板4の裏面から距離L3の場所に設定している。距離L3は、
-10μm<L3<10μm・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(2)
の範囲に設定するのが好ましい。つまり、フォーカス位置を基板4の裏面近傍に設定する。このレーザ照射によりサファイアからなる基板4が一度溶融して再結晶化され基板の裏面に凹凸部24が形成される。
【0050】
図11(a)に示すように、基板4の裏面側から活性領域5を高倍率(×2、000)の顕微鏡で観察すると、基板4の裏面に形成された凹凸部24により光が散乱されるので、活性領域5上に形成された表面パターンは見えなくなる。
【0051】
図11(b)に示すように、基板4の裏面を高倍率(×2、000)でSEM観察すると、大きさ及び深さの異なる凹部及び凸部が基板4の裏面に不均一に形成されていることが確認できる。
【0052】
上述したように、本実施形態の半導体発光装置では、半導体発光素子チップ30bには、凹凸部24、基板4、活性領域5、アノード電極6、及びカソード電極7が設けられる。凹凸部24は、基板4の裏面に設けられ、凹部及び凸部の大きさや深さは不均一である。凹凸部24は、サファイアからなる基板4が一度溶融され、再結晶化されたものである。凹凸部24は、発光層22で発光された光を散乱して基板4の裏面側に設けられるマウント材3中に透過されるのを遮断する。
【0053】
このため、マウント材3は発光層22で発光された光による変色が発生しない。したがって、全放射束劣化が大幅に改善されて半導体発光装置の信頼性を大幅に向上することができる。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1、2 リード
3 マウント材
4 基板
5 活性領域
6 アノード電極
7 カソード電極
8、9 ボンディングワイヤ
10 蛍光体
11 封止材
21、23 光遮断層
22 発光層
24 凹凸部
30、30a、30b 半導体発光素子チップ
40 半導体発光素子ウェハ
90 半導体発光装置
L1、L2、L3、L11 距離
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サファイア基板と、
前記サファイア基板上に設けられ、通電されて前記サファイア基板の厚み方向で発光する発光層を有する活性領域と、
前記サファイア基板の裏面に設けられ、前記発光層で発生された光を前記サファイア基板の裏面側に透過するのを遮断し、前記サファイア基板が酸化アルミニウム(AlxOy)に改質されてなる光遮断層と、
を具備することを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
サファイア基板と、
前記サファイア基板上に設けられ、通電されて前記サファイア基板の厚み方向で発光する発光層を有する活性領域と、
前記サファイア基板中に設けられ、前記発光層で発生された光を前記サファイア基板の裏面側に透過するのを遮断し、前記サファイア基板を改質してなる光遮断層と、
を具備することを特徴とする半導体発光装置。
【請求項3】
サファイア基板と、
前記サファイア基板上に設けられ、通電されて前記サファイア基板の厚み方向で発光する発光層を有する活性領域と、
前記サファイア基板の裏面に設けられ、前記発光層で発生された光を散乱させて前記サファイア基板の裏面側に透過するのを遮断し、前記サファイア基板からなる大きさの不均一な凹凸部と、
を具備することを特徴とする半導体発光装置。
【請求項4】
サファイア基板と、前記サファイア基板上に設けられ、通電されて前記サファイア基板の厚み方向で発光する発光層を有する活性領域と、前記サファイア基板の裏面に設けられ、前記発光層で発生された光を前記サファイア基板の裏面側に透過するのを遮断し、前記サファイア基板が酸化アルミニウム(AlxOy)に改質されてなる光遮断層とを備えた半導体発光素子チップと、
リード或いは基板と前記半導体発光素子チップの間に設けられ、前記半導体発光素子チップを前記リード或いは基板に固着するマウント材と、
を具備し、前記半導体発光素子チップ及び前記マウント材は封止材で封止されることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項5】
前記基板は、セラミック基板或いは金属基板であることを特徴とする請求項4に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記マウント材は、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項4又は5に記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記半導体発光装置はGaN系発光ダイオード、AlGaInP系発光ダイオード、AlGaAs系発光ダイオード、GaP系発光ダイオード、或いはGaAsP系発光ダイオードであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項1】
サファイア基板と、
前記サファイア基板上に設けられ、通電されて前記サファイア基板の厚み方向で発光する発光層を有する活性領域と、
前記サファイア基板の裏面に設けられ、前記発光層で発生された光を前記サファイア基板の裏面側に透過するのを遮断し、前記サファイア基板が酸化アルミニウム(AlxOy)に改質されてなる光遮断層と、
を具備することを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
サファイア基板と、
前記サファイア基板上に設けられ、通電されて前記サファイア基板の厚み方向で発光する発光層を有する活性領域と、
前記サファイア基板中に設けられ、前記発光層で発生された光を前記サファイア基板の裏面側に透過するのを遮断し、前記サファイア基板を改質してなる光遮断層と、
を具備することを特徴とする半導体発光装置。
【請求項3】
サファイア基板と、
前記サファイア基板上に設けられ、通電されて前記サファイア基板の厚み方向で発光する発光層を有する活性領域と、
前記サファイア基板の裏面に設けられ、前記発光層で発生された光を散乱させて前記サファイア基板の裏面側に透過するのを遮断し、前記サファイア基板からなる大きさの不均一な凹凸部と、
を具備することを特徴とする半導体発光装置。
【請求項4】
サファイア基板と、前記サファイア基板上に設けられ、通電されて前記サファイア基板の厚み方向で発光する発光層を有する活性領域と、前記サファイア基板の裏面に設けられ、前記発光層で発生された光を前記サファイア基板の裏面側に透過するのを遮断し、前記サファイア基板が酸化アルミニウム(AlxOy)に改質されてなる光遮断層とを備えた半導体発光素子チップと、
リード或いは基板と前記半導体発光素子チップの間に設けられ、前記半導体発光素子チップを前記リード或いは基板に固着するマウント材と、
を具備し、前記半導体発光素子チップ及び前記マウント材は封止材で封止されることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項5】
前記基板は、セラミック基板或いは金属基板であることを特徴とする請求項4に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記マウント材は、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項4又は5に記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記半導体発光装置はGaN系発光ダイオード、AlGaInP系発光ダイオード、AlGaAs系発光ダイオード、GaP系発光ダイオード、或いはGaAsP系発光ダイオードであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図4】
【図8】
【図11】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図4】
【図8】
【図11】
【公開番号】特開2013−38160(P2013−38160A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171799(P2011−171799)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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