説明

半導体短パルス発生装置、テラヘルツ波発生装置、カメラ、イメージング装置および計測装置

【課題】光利用効率が高く、複雑な製造プロセスが不要な半導体短パルス発生装置、テラヘルツ波発生装置、カメラ、イメージング装置及び計測装置を提供すること。
【解決手段】光パルスを発生する光パルス発生部2と、光パルス発生部2で発生した光パルスに対し、可飽和吸収に基づくパルス圧縮を行う第1のパルス圧縮部3と、第1のパルス圧縮部3でパルス圧縮がなされた光パルスに対し、群速度分散補償に基づくパルス圧縮を行う第2のパルス圧縮部5と、第1のパルス圧縮部3の前段、または第1のパルス圧縮部3と第2のパルス圧縮部5との間に設けられ、光パルスを増幅する増幅部4と、を有し、光パルス発生部2がスーパールミネッセントダイオードである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体短パルス発生装置、及び半導体短パルス発生装置を備えたテラヘルツ波発生装置、カメラ、イメージング装置および計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、100GHz以上、30THz以下の周波数を有する電磁波であるテラヘルツ波が注目されている。テラヘルツ波は、例えば、イメージング、分光計測等の各計測、非破壊検査等に用いることができる。
テラヘルツ波発生装置として、光伝導アンテナ型テラヘルツ波発生装置が挙げられる。このテラヘルツ波発生装置は、サブピコ秒(数百フェムト秒)程度のパルス幅をもつ光パルスを発生する光パルス発生部と、光パルス発生部で発生した光パルスが照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナと、を有している。サブピコ秒程度のパルス幅の光パルスを発生する光パルス発生部としては、フェムト秒ファイバーレーザーやチタンサファイヤレーザー等が使用されているが、テラヘルツ波発生装置の更なる小型化のために、短パルス半導体レーザー素子などを使用することが考えられる(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3328881号公報
【特許文献2】特許第3014039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2に記載の半導体短パルスレーザー素子では、へき開面を反射ミラーとして利用する端面発光型半導体レーザー素子を光パルス発生部とする場合、光パルス発生部とパルス圧縮部は分離する必要があるため、レンズ等の光学部品を使って光結合を行うが、パルス圧縮部の光導波路の断面積が非常に狭く、光アライメントが非常に厳しいため、半導体レーザー素子とパルス圧縮部との光学的な結合効率が悪く、光利用効率が悪くなる。これにより、光アライメントに必要な工数が増え、さらに必要な光出力を得るために光パルス発生部の光出力を増やす必要が生ずるため、消費電力が上昇するという課題がある。
【0005】
また、分布帰還型半導体レーザー素子を光パルス発生部とする場合は、光パルス発生部とパルス圧縮部を分離する必要がないので、光パルス発生部とパルス圧縮部を一体化できるため、結合効率は改善されるが、半導体レーザー素子内部に選択的に回折格子を作成する必要があるため、製造プロセスが複雑になり、歩留まりが低下、製造コストが上昇するという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係る半導体短パルス発生装置は、光パルスを発生する光パルス発生部と、前記光パルス発生部で発生した前記光パルスに対し、可飽和吸収に基づくパルス圧縮を行う第1のパルス圧縮部と、前記第1のパルス圧縮部でパルス圧縮がなされた前記光パルスに対し、群速度分散補償に基づくパルス圧縮を行う第2のパルス圧縮部と、前記第1のパルス圧縮部の前段、または前記第1のパルス圧縮部と前記第2のパルス圧縮部との間に設けられ、前記光パルスを増幅する増幅部と、を有し、前記光パルス発生部がスーパールミネッセントダイオードであることを特徴とする。
【0008】
本適用例によれば、光パルス発生部がスーパールミネッセントダイオード(以下、SLDと呼ぶことがある)であるため、共振器構造が不要となり、光パルス発生部とパルス圧縮部を分離する必要がなく、複雑な製造プロセスが必要とすることなく光パルス発生部とパルス圧縮部を一体化できる。
従って、光利用効率が高く、複雑な製造プロセスが不要な半導体短パルス発生装置を提供することができる。
【0009】
[適用例2]上記適用例に記載の半導体短パルス発生装置は、前記第1のパルス圧縮部または前記増幅部は、少なくとも1回、折り曲げてなる導波路を有することが好ましい。
【0010】
本適用例によれば、導波路が折り曲がっているために、直線状の導波路に比べ小型化が可能である。
【0011】
[適用例3]上記適用例に記載の半導体短パルス発生装置は、前記導波路の折り曲げ部分に、光パルスを反射させる反射膜を有することが好ましい。
【0012】
本適用例によれば、反射膜があるために、導波路の折り曲げ部分による光損失を低減させることができ、光量の損失を防ぐことが可能である。
【0013】
[適用例4]上記適用例に記載の半導体短パルス発生装置は、前記光パルス発生部と、前記第1のパルス圧縮部と、前記第2のパルス圧縮部と、前記増幅部と、を単位ユニットとし、複数の前記単位ユニットが並設されていることが好ましい。
【0014】
本適用例によれば、各単位ユニットから出射したパルスを合成することにより、高出力の短パルスを発生することができる。
【0015】
[適用例5]本適用例に係るテラヘルツ波発生装置は、短パルスを発生する半導体短パルス発生装置と、前記半導体短パルス発生装置から発生した短パルスが照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、前記半導体短パルス発生装置は、光パルスを発生する光パルス発生部と、前記光パルス発生部で発生した前記光パルスに対し、可飽和吸収に基づくパルス圧縮を行う第1のパルス圧縮部と、前記第1のパルス圧縮部でパルス圧縮がなされた前記光パルスに対し、群速度分散補償に基づくパルス圧縮を行う第2のパルス圧縮部と、前記第1のパルス圧縮部の前段、または前記第1のパルス圧縮部と前記第2のパルス圧縮部との間に設けられ、前記光パルスを増幅する増幅部とを有し、前記光パルス発生部がスーパールミネッセントダイオードであることを特徴とする。
【0016】
本適用例によれば、光利用効率が高く、複雑な製造プロセスが不要なテラヘルツ波発生装置を提供することができる。
【0017】
[適用例6]本適用例に係るカメラは、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置と、前記テラヘルツ波発生装置から出射し、対象物を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置と、を備え、前記テラヘルツ波発生装置は、光パルスを発生する半導体短パルス発生装置と、前記半導体短パルス発生装置で発生した前記光パルスが照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、前記半導体短パルス発生装置は、前記光パルスを発生する光パルス発生部と、前記光パルス発生部で発生した前記光パルスに対し、可飽和吸収に基づくパルス圧縮を行う第1のパルス圧縮部と、前記第1のパルス圧縮部でパルス圧縮がなされた前記光パルスに対し、群速度分散補償に基づくパルス圧縮を行う第2のパルス圧縮部と、前記第1のパルス圧縮部の前段、または前記第1のパルス圧縮部と前記第2のパルス圧縮部との間に設けられ、前記光パルスを増幅する増幅部とを有し、前記光パルス発生部がスーパールミネッセントダイオードであることを特徴とする。
【0018】
本適用例によれば、光利用効率が高く、複雑な製造プロセスが不要なカメラを提供することができる。
【0019】
[適用例7]本適用例に係るイメージング装置は、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置と、前記テラヘルツ波発生装置から出射し、対象物を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置と、前記テラヘルツ波検出装置の検出結果に基づいて、前記対象物の画像を生成する画像生成部と、を備え、前記テラヘルツ波発生装置は、光パルスを発生する半導体短パルス発生装置と、前記半導体短パルス発生装置で発生した前記光パルスが照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、前記半導体短パルス発生装置は、前記光パルスを発生する光パルス発生部と、前記光パルス発生部で発生した前記光パルスに対し、可飽和吸収に基づくパルス圧縮を行う第1のパルス圧縮部と、前記第1のパルス圧縮部でパルス圧縮がなされた前記光パルスに対し、群速度分散補償に基づくパルス圧縮を行う第2のパルス圧縮部と、前記第1のパルス圧縮部の前段、または前記第1のパルス圧縮部と前記第2のパルス圧縮部との間に設けられ、前記光パルスを増幅する増幅部とを有し、前記光パルス発生部がスーパールミネッセントダイオードであることを特徴とする。
【0020】
本適用例によれば、光利用効率が高く、複雑な製造プロセスが不要なイメージング装置を提供することができる。
【0021】
[適用例8]本適用例に係る計測装置は、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置と、前記テラヘルツ波発生装置から出射し、対象物を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置と、前記テラヘルツ波検出装置の検出結果に基づいて、前記対象物を計測する計測部と、を備え、前記テラヘルツ波発生装置は、光パルスを発生する半導体短パルス発生装置と、前記半導体短パルス発生装置で発生した前記光パルスが照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、前記半導体短パルス発生装置は、前記光パルスを発生する光パルス発生部と、前記光パルス発生部で発生した前記光パルスに対し、可飽和吸収に基づくパルス圧縮を行う第1のパルス圧縮部と、前記第1のパルス圧縮部でパルス圧縮がなされた前記光パルスに対し、群速度分散補償に基づくパルス圧縮を行う第2のパルス圧縮部と、前記第1のパルス圧縮部の前段、または前記第1のパルス圧縮部と前記第2のパルス圧縮部との間に設けられ、前記光パルスを増幅する増幅部とを有し、前記光パルス発生部がスーパールミネッセントダイオードであることを特徴とする。
【0022】
本適用例によれば、光利用効率が高く、複雑な製造プロセスが不要な計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態1に係る半導体短パルス発生装置の構成を示す斜視図。
【図2】図1中のA−A線での断面図。
【図3】図1中のB−B線での断面図。
【図4】実施形態2に係る半導体短パルス発生装置の構成を示す斜視図。
【図5】実施形態3に係る半導体短パルス発生装置の構成を示す平面図。
【図6】実施形態4に係る半導体短パルス発生装置の構成を示す平面図。
【図7】実施形態5に係る半導体短パルス発生装置の構成を示す平面図。
【図8】テラヘルツ波発生装置の実施形態に係る模式図。
【図9】イメージング装置の実施形態に係るブロック図。
【図10】図9中のテラヘルツ波検出装置に係る平面図。
【図11】対象物のテラヘルツ帯でのスペクトルを示すグラフ。
【図12】対象物の物質A、B及びCの分布を示す図。
【図13】計測装置の実施形態に係るブロック図。
【図14】カメラの実施形態に係るブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
【0025】
<実施形態1>
図1は、本発明の半導体短パルス発生装置の斜視図。図2は、図1中のA−A線での断面図。図3は、図1中のB−B線での断面図である。
【0026】
図1〜図3に示すように、半導体短パルス発生装置1は、光パルスを発生する光パルス発生部2と、光パルス発生部2で発生した光パルスに対し、パルス圧縮を行う第1のパルス圧縮部3と、第1のパルス圧縮部3でパルス圧縮がなされた光パルスに対し、パルス圧縮を行う第2のパルス圧縮部5と、光パルスを増幅する増幅部4とを有している。
増幅部4は、第1のパルス圧縮部3の前段、または第1のパルス圧縮部3と第2のパルス圧縮部5との間に設けられるが、図示の構成では、増幅部4は、第1のパルス圧縮部3と第2のパルス圧縮部5との間に設けられている。これにより、第1のパルス圧縮部3でパルス圧縮がなされた光パルスが、増幅部4で増幅され、増幅部4で増幅された光パルスが、第2のパルス圧縮部5でパルス圧縮がなされる。
【0027】
また、半導体短パルス発生装置1から出射する光パルスのパルス幅(半値幅)は、特に限定されないが、10フェムト秒以上800フェムト秒以下であることが好ましい。また、光パルス発生部2は、SLDを用いる。
【0028】
また、第1のパルス圧縮部3は、可飽和吸収に基づくパルス圧縮を行うものである。すなわち、第1のパルス圧縮部3は、可飽和吸収体を有しており、その可飽和吸収体により、光パルスを圧縮し、そのパルス幅を減少させる。
また、第2のパルス圧縮部5は、群速度分散補償に基づくパルス圧縮を行うものである。すなわち、第2のパルス圧縮部5は、群速度分散補償媒体、本実施形態では、結合導波路構造を有しており、その結合導波路構造により、光パルスを圧縮し、そのパルス幅を減少させる。
【0029】
また、半導体短パルス発生装置1の光パルス発生部2と、第1のパルス圧縮部3と、増幅部4と、第2のパルス圧縮部5とは、一体化、すなわち同一基板上に集積されている。
具体的には、半導体短パルス発生装置1は、半導体基板である基板11と、基板11の一方の面に設けられたクラッド層12と、クラッド層12上に設けられた活性層13と、活性層13上に設けられた導波路構成プロセス用エッチングストップ層14と、導波路構成プロセス用エッチングストップ層14上に設けられたクラッド層15と、クラッド層15上に設けられたコンタクト層16と、導波路構成プロセス用エッチングストップ層14上に設けられた絶縁層17と、基板11の他方の面に設けられた電極18と、コンタクト層16および絶縁層17の表面に設けられたクラッド層15側の電極191、192、193、194および195と、を有している。なお、導波路構成プロセス用エッチングストップ層は、活性層の直上に限らず、例えば、クラッド層の中に設けられていてもよい。
【0030】
なお、各部の構成材料は、特に限定されないが、一例として、基板11、コンタクト層16としては、それぞれ、例えば、GaAs等が挙げられる。また、クラッド層12、15、導波路構成プロセス用エッチングストップ層14としては、それぞれ、例えば、AlGaAs等が挙げられる。また、活性層13としては、例えば、多重量子井戸と呼ばれる量子効果を用いた構成等が挙げられる。具体的には、活性層13としては、例えば、井戸層(GaAs井戸層)とバリア層(AlGaAsバリア層)とを交互に複数ずつ設けてなる多重量子井戸等で構成された分布屈折率型多重量子井戸と呼ばれる構造のもの等が挙げられる。
【0031】
また、図示の構成では、半導体短パルス発生装置1における導波路は、クラッド層12と、活性層13と、導波路構成プロセス用エッチングストップ層14と、クラッド層15とで構成されている。また、クラッド層15は、導波路の上部にのみ、その導波路に対応した形状に設けられている。また、クラッド層15は、不要な部分をエッチングにより除去することにより形成されている。なお、製造方法によっては、導波路構成プロセス用エッチングストップ層14を省略してもよい。
【0032】
また、クラッド層15およびコンタクト層16は、それぞれ、2つずつ設けられている。一方のクラッド層15およびコンタクト層16は、光パルス発生部2と、第1のパルス圧縮部3と、増幅部4と、第2のパルス圧縮部5の一部を構成し、連続的に設けられており、他方のクラッド層15およびコンタクト層16は、第2のパルス圧縮部5の一部を構成している。すなわち、第2のパルス圧縮部5には、1対のクラッド層15と、1対のコンタクト層16とが設けられている。
【0033】
また、電極191は、光パルス発生部2のクラッド層15に対応するように設けられ、また、電極192は、第1のパルス圧縮部3のクラッド層15に対応するように設けられ、また、電極193は、増幅部4のクラッド層15に対応するように設けられ、また、電極194および195は、それぞれ、第2のパルス圧縮部5の2つのクラッド層15に対応するように設けられている。なお、電極18は、光パルス発生部2、第1のパルス圧縮部3、増幅部4および第2のパルス圧縮部5の共通の電極である。そして、電極18と電極191とで光パルス発生部2の1対の電極が構成され、また、電極18と電極192とで第1のパルス圧縮部3の1対の電極が構成され、また、電極18と電極193とで増幅部4の1対の電極が構成され、また、電極18と電極194、電極18と電極195とで第2のパルス圧縮部5の2対の電極が構成される。
なお、半導体短パルス発生装置1の全体形状は、図示の構成では、直方体をなしているが、これに限定されないことは、言うまでもない。
また、半導体短パルス発生装置1の寸法は、特に限定されないが、例えば、1mm以上10mm以下×0.5mm以上5mm以下×0.1mm以上1mm以下とすることができる。
【0034】
次に、半導体短パルス発生装置1の作用について説明する。
半導体短パルス発生装置1では、まず、光パルス発生部2で光パルスを発生する。この光パルスのパルス幅は、目標のパルス幅に比べて大きい。光パルス発生部2で発生した光パルスは、導波路を通り、第1のパルス圧縮部3、増幅部4、第2のパルス圧縮部5をこの順序で順次通過する。
【0035】
まず、第1のパルス圧縮部3で、光パルスに対し、可飽和吸収に基づくパルス圧縮がなされ、光パルスのパルス幅が減少する。次に、増幅部4で、光パルスが増幅される。最後に、第2のパルス圧縮部5で、光パルスに対し、群速度分散補償に基づくパルス圧縮がなされ、光パルスのパルス幅がさらに減少する。このようにして、目標のパルス幅の光パルスが発生し、第2のパルス圧縮部5から出射する。
【0036】
以上説明したように、半導体短パルス発生装置1によれば、光パルス発生部2にSLDを用いているので、共振器構造が不要となり、光パルス発生部2とパルス圧縮部3、5を分離する必要がなく、光パルス発生部2とパルス圧縮部3、5を一体化できる。
従って、光利用効率が高く、複雑な製造プロセスが不要な半導体短パルス発生装置1を提供することができる。
【0037】
<第2実施形態>
図4は、本発明の半導体短パルス発生装置の第2実施形態における半導体短パルス発生装置を示す斜視図である。
以下、第2実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0038】
図4に示すように、第2実施形態の半導体短パルス発生装置1Aでは、光パルス発生部2と、第1のパルス圧縮部3と、増幅部4と、第2のパルス圧縮部5とを単位ユニット6として、複数の単位ユニット6を備えており、これらの単位ユニット6が並設、すなわちアレイ化されている。各単位ユニット6は、それぞれ、前記第1実施形態における半導体短パルス発生装置1に対応している。
【0039】
単位ユニット6の数は、図示の構成では、4つであるが、これに限定されず、2つ、3つ、または5つ以上でもよい。
【0040】
以上説明したように、半導体短パルス発生装置1Aによれば、各単位ユニット6から出射したパルスを合成することにより、高出力の短パルスを発生することができる。
なお、この第2実施形態は、後述する第3実施形態、第4実施形態および第5実施形態にも適用することができる。
【0041】
<第3実施形態>
図5は、本発明の半導体短パルス発生装置の第3実施形態における平面図である。なお、図5では、導波路71を破線で示し、また、光パルス発生部2、第1のパルス圧縮部3、増幅部4および第2のパルス圧縮部5をそれぞれ一点鎖線で囲って示す。
以下、第3実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0042】
図5に示すように、第3実施形態の半導体短パルス発生装置1Bでは、導波路71が複数回、交互に折り曲げられている。すなわち、導波路71は、ジグザグに形成されている。
また、第1のパルス圧縮部3は、図5中下側に位置し、また、増幅部4は、図5中上側に位置している。そして、第1のパルス圧縮部3および増幅部4において、それぞれ導波路71が複数回折り曲げられている。また、光パルス発生部2と第1のパルス圧縮部3との境界部、増幅部4と第2のパルス圧縮部5との境界部において、それぞれ導波路71が1回折り曲げられている。
【0043】
また、半導体短パルス発生装置1Bは、導波路71の折り曲げ部分に、光パルスを反射させる反射膜72を有している。この反射膜72は、半導体短パルス発生装置1Bの1対の側面に、それぞれ設けられている。この反射膜72により、光パルスが導波路71に沿って進むようにその光パルスを反射させることができる。
なお、半導体短パルス発生装置1Bの光パルスの出射部73には、反射膜72は設けられていない。また、出射部73には、反射防止膜(図示せず)を設けてもよい。
この半導体短パルス発生装置1Bによれば、導波路71が複数回折り曲げられているので、光路長、すなわち、導波路71の直線距離を長くすることができ、これにより、半導体短パルス発生装置1Bの光パルスが進行する方向の長さを短くすることができ、さらに小型化を図ることができる。
【0044】
<第4実施形態>
図6は、本発明の半導体短パルス発生装置の第4実施形態における平面図である。なお、図6では、導波路を破線で示し、また、光パルス発生部2、第1のパルス圧縮部3、増幅部4および第2のパルス圧縮部5をそれぞれ一点鎖線で囲って示す。
以下、第4実施形態について、前述した第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0045】
図6に示すように、第4実施形態の半導体短パルス発生装置1Cでは、導波路71が3回、交互に折り曲げられており、増幅部4においては、導波路71は、1回だけ折り曲げられている。
なお、増幅部4を第1のパルス圧縮部3の前段に設ける場合は、第1のパルス圧縮部3において、導波路71は、1回だけ折り曲げられる。
【0046】
<第5実施形態>
図7は、本発明の半導体短パルス発生装置の第5実施形態における平面図である。なお、図7では、導波路を破線で示し、また、光パルス発生部2、第1のパルス圧縮部3、増幅部4および第2のパルス圧縮部5をそれぞれ一点鎖線で囲って示す。
以下、第5実施形態について、前述した第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0047】
図7に示すように、第5実施形態の半導体短パルス発生装置1Dでは、反射膜72は省略されている。
また、導波路71の折り曲げ部分における図7に示す角度θは、臨界角以上に設定されている。これにより、導波路71の折り曲げ部分に反射膜72を設けることなく、光パルスを反射させることができ、構造を簡素化することができる。
また、半導体短パルス発生装置1Dの光パルスの出射部73に反射防止膜74が設けられている。これにより、出射部73から光パルスを出射させることができる。
なお、この第5実施形態は、前記第3実施形態にも適用することができる。
【0048】
<テラヘルツ波発生装置の実施形態>
図8は、本発明のテラヘルツ波発生装置の実施形態を摸式的に示す図である。
図8に示すように、テラヘルツ波発生装置8は、半導体短パルス発生装置1と、半導体短パルス発生装置1で発生した光パルスが照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナ9とを有している。半導体短パルス発生装置1は、前記第1実施形態、及び前記第2実施形態における半導体短パルス発生装置1Aに対応する。
アンテナ9は、本実施形態では、ダイポール形状光伝導アンテナ(PCA)であり、半導体基板である基板91と、基板91上に設けられギャップ93を介して対向配置された1対の電極92と、を有している。この電極92間に、光パルスが照射されると、アンテナ9は、テラヘルツ波を発生する。なお、テラヘルツ波とは、周波数が、100GHz以上30THz以下の電磁波、特に、300GHz以上3THz以下の電磁波を言う。また、1対の電極92の電極間距離は、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、1μm以上10μm以下であることが好ましい。
【0049】
前記第1実施形態における半導体短パルス発生装置1によれば、光パルス発生部2にSLDを用いているので、共振器構造が不要となり、光パルス発生部とパルス圧縮部を分離する必要がなく、複雑な製造プロセスが必要とすることなく光パルス発生部とパルス圧縮部を一体化できる。
従って、光利用効率が高く、複雑な製造プロセスが不要なテラヘルツ波発生装置8を提供することができる。
また、このテラヘルツ波発生装置8を複数用意し、各テラヘルツ波発生装置8で発生したテラヘルツ波を合成することにより、さらに高出力のテラヘルツ波を得ることができる。
また、前記第2実施形態における半導体短パルス発生装置1Aによれば、半導体短パルス発生装置1がアレイ化されており、1つのテラヘルツ波発生装置8から発生するテラヘルツ波の出力が高いので、高出力のテラヘルツ波を得るために使用するテラヘルツ波発生装置8の数は比較的少なくてよいので、テラヘルツ波の合成を容易かつ確実に行うことができる。
【0050】
<イメージング装置の実施形態>
図9は、本発明のイメージング装置の実施形態を示すブロック図である。図10は、図9に示すイメージング装置のテラヘルツ波検出装置を示す平面図である。
図9に示すように、イメージング装置100は、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置8と、テラヘルツ波発生装置8から出射し、対象物150を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置21と、テラヘルツ波検出装置21の検出結果に基づいて、対象物150の画像、すなわち、画像データを生成する画像生成部22と、を備えている。
テラヘルツ波発生装置8としては、本実施形態では、前記テラヘルツ波発生装置の実施形態のものを用いる。
【0051】
また、図10に示すように、テラヘルツ波検出装置21としては、例えば、目的の波長のテラヘルツ波を通過させるフィルター25と、フィルター25を通過した前記目的の波長のテラヘルツ波を熱に変換して検出する検出部27と、を備えたものを用いる。また、検出部27としては、例えば、テラヘルツ波を熱に変換して検出するもの、すなわち、テラヘルツ波を熱に変換し、そのテラヘルツ波のエネルギー(強度)を検出し得るものを用いる。このような検出部としては、例えば、焦電センサー、ボロメーター等が挙げられる。なお、テラヘルツ波検出装置21としては、前記の構成のものに限定されないことは、言うまでもない。
【0052】
また、フィルター25は、2次元的に配置された複数の画素(単位フィルター部)26を有している。すなわち、各画素26は、行列状に配置されている。
また、各画素26は、互いに異なる波長のテラヘルツ波を通過させる複数の領域、すなわち、通過させるテラヘルツ波の波長(以下、「通過波長」とも言う)が互いに異なる複数の領域を有している。なお、図示の構成では、各画素26は、第1の領域161、第2の領域162、第3の領域163および第4の領域164を有している。
【0053】
また、検出部27は、フィルター25の各画素26の第1の領域161、第2の領域162、第3の領域163および第4の領域164に対応してそれぞれ設けられた第1の単位検出部171、第2の単位検出部172、第3の単位検出部173および第4の単位検出部174を有している。各第1の単位検出部171、各第2の単位検出部172、各第3の単位検出部173および各第4の単位検出部174は、それぞれ、各画素26の第1の領域161、第2の領域162、第3の領域163および第4の領域164を通過したテラヘルツ波を熱に変換して検出する。これにより、各画素26のそれぞれにおいて、4つの目的の波長のテラヘルツ波をそれぞれ確実に検出することができる。
【0054】
次に、イメージング装置100の使用例について説明する。
まず、分光イメージングの対象となる対象物150は、3つの物質A、BおよびCで構成されている。イメージング装置100は、この対象物150の分光イメージングを行う。また、ここでは、一例として、テラヘルツ波検出装置21は、対象物150を反射したテラヘルツ波を検出することとする。
【0055】
図11は、対象物150のテラヘルツ帯でのスペクトルを示すグラフである。
テラヘルツ波検出装置21のフィルター25の各画素26においては、第1の領域161および第2の領域162を使用する。
また、第1の領域161の通過波長をλ1、第2の領域162の通過波長をλ2とし、対象物150で反射したテラヘルツ波の波長λ1の成分の強度をα1、波長λ2の成分の強度をα2としたとき、その強度α2と強度α1の差分(α2−α1)が、物質Aと物質Bと物質Cとで、互いに顕著に区別できるように、前記第1の領域161の通過波長λ1および第2の領域162の通過波長λ2が設定されている。
【0056】
図11に示すように、物質Aにおいては、対象物150で反射したテラヘルツ波の波長λ2の成分の強度α2と波長λ1の成分の強度α1の差分(α2−α1)は、正値となる。
また、物質Bにおいては、強度α2と強度α1の差分(α2−α1)は、零となる。
また、物質Cにおいては、強度α2と強度α1の差分(α2−α1)は、負値となる。
【0057】
イメージング装置100により、対象物150の分光イメージングを行う際は、まず、テラヘルツ波発生装置8により、テラヘルツ波を発生し、そのテラヘルツ波を対象物150に照射する。そして、対象物150で反射したテラヘルツ波をテラヘルツ波検出装置21で検出する。この検出結果は、画像生成部22に送出される。なお、この対象物150へのテラヘルツ波の照射および対象物150で反射したテラヘルツ波の検出は、対象物150の全体に対して行う。
【0058】
画像生成部22においては、前記検出結果に基づいて、フィルター25の第2の領域162を通過したテラヘルツ波の波長λ2の成分の強度α2と、第1の領域161を通過したテラヘルツ波の波長λ1の成分の強度α1の差分(α2−α1)を求める。そして、対象物150のうち、前記差分が正値となる部位を物質A、前記差分が零となる部位を物質B、前記差分が負値となる部位を物質Cと判断し、特定する。
【0059】
また、画像生成部22では、図12に示すように、対象物150の物質A、BおよびCの分布を示す画像の画像データを作成する。この画像データは、画像生成部22から図示しないモニターに送出され、そのモニターにおいて、対象物150の物質A、BおよびCの分布を示す画像が区別して表示される。この場合、例えば、対象物150の物質Aの分布する領域は黒色、物質Bの分布する領域は灰色、物質Cの分布する領域は白色に色分けして表示される。このイメージング装置100では、以上のように、対象物150を構成する各物質の同定と、その各物質の分布測定とを同時に行うことができる。
なお、イメージング装置100の用途は、前記のものに限らず、例えば、人物に対してテラヘルツ波を照射し、その人物を透過または反射したテラヘルツ波を検出し、画像生成部22において処理を行うことにより、その人物が、拳銃、ナイフ、違法な薬物等を所持しているか否かを判別することもできる。
【0060】
<計測装置の実施形態>
図13は、本発明の計測装置の実施形態を示すブロック図である。
以下、計測装置の実施形態について、前述したイメージング装置の実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図13に示すように、計測装置200は、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置8と、テラヘルツ波発生装置8から出射し、対象物160を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置21と、テラヘルツ波検出装置21の検出結果に基づいて、対象物160を計測する計測部23とを備えている。
【0061】
次に、計測装置200の使用例について説明する。
計測装置200により、対象物160の分光計測を行う際は、まず、テラヘルツ波発生装置8により、テラヘルツ波を発生し、そのテラヘルツ波を対象物160に照射する。そして、対象物160を透過または反射したテラヘルツ波をテラヘルツ波検出装置21で検出する。この検出結果は、計測部23に送出される。なお、この対象物160へのテラヘルツ波の照射および対象物160を透過または反射したテラヘルツ波の検出は、対象物160の全体に対して行う。
計測部23においては、前記検出結果から、フィルター25の第1の領域161、第2の領域162、第3の領域163および第4の領域164を通過したテラヘルツ波のそれぞれの強度を把握し、対象物160の成分およびその分布の分析等を行う。
【0062】
<カメラの実施形態>
図14は、本発明のカメラの実施形態を示すブロック図である。
以下、カメラの実施形態について、前述したイメージング装置の実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図14に示すように、カメラ300は、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置8と、テラヘルツ波発生装置8から出射し、対象物170を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置21とを備えている。
【0063】
次に、カメラ300の使用例について説明する。
カメラ300により、対象物170を撮像する際は、まず、テラヘルツ波発生装置8により、テラヘルツ波を発生し、そのテラヘルツ波を対象物170に照射する。そして、対象物170を透過または反射したテラヘルツ波をテラヘルツ波検出装置21で検出する。この検出結果は、記憶部24に送出され、記憶される。なお、この対象物170へのテラヘルツ波の照射および対象物170を透過または反射したテラヘルツ波の検出は、対象物170の全体に対して行う。また、前記検出結果は、例えば、パーソナルコンピューター等の外部装置に送信することもできる。パーソナルコンピューターでは、前記検出結果に基づいて、各処理を行うことができる。
【0064】
以上、本発明のテラヘルツ波発生装置8、カメラ300、イメージング装置100および計測装置200を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0065】
1…半導体短パルス発生装置、2…光パルス発生部、3…第1のパルス圧縮部、4…増幅部、5…第2のパルス圧縮部、6…単位ユニット、71…導波路、72…反射膜、8…テラヘルツ波発生装置、9…アンテナ、21…テラヘルツ波検出装置、22…画像生成部、23…計測部、24…記憶部、100…イメージング装置、150,160,170…対象物、200…計測装置、300…カメラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光パルスを発生する光パルス発生部と、
前記光パルス発生部で発生した前記光パルスに対し、可飽和吸収に基づくパルス圧縮を行う第1のパルス圧縮部と、
前記第1のパルス圧縮部でパルス圧縮がなされた前記光パルスに対し、群速度分散補償に基づくパルス圧縮を行う第2のパルス圧縮部と、
前記第1のパルス圧縮部の前段、または前記第1のパルス圧縮部と前記第2のパルス圧縮部との間に設けられ、前記光パルスを増幅する増幅部と、を有し、
前記光パルス発生部がスーパールミネッセントダイオードであることを特徴とする半導体短パルス発生装置。
【請求項2】
前記第1のパルス圧縮部または前記増幅部は、少なくとも1回、折り曲げてなる導波路を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体短パルス発生装置。
【請求項3】
前記半導体短パルス発生装置は、前記導波路の折り曲げ部分に、光パルスを反射させる反射膜を有することを特徴とする請求項2に記載の半導体短パルス発生装置。
【請求項4】
前記半導体短パルス発生装置は、前記光パルス発生部と、前記第1のパルス圧縮部と、前記第2のパルス圧縮部と、前記増幅部と、を単位ユニットとし、複数の前記単位ユニットが並設されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の半導体短パルス発生装置。
【請求項5】
短パルスを発生する半導体短パルス発生装置と、
前記半導体短パルス発生装置から発生した短パルスが照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、
前記半導体短パルス発生装置は、
光パルスを発生する光パルス発生部と、
前記光パルス発生部で発生した前記光パルスに対し、可飽和吸収に基づくパルス圧縮を行う第1のパルス圧縮部と、
前記第1のパルス圧縮部でパルス圧縮がなされた前記光パルスに対し、群速度分散補償に基づくパルス圧縮を行う第2のパルス圧縮部と、
前記第1のパルス圧縮部の前段、または前記第1のパルス圧縮部と前記第2のパルス圧縮部との間に設けられ、前記光パルスを増幅する増幅部と、を有し、
前記光パルス発生部がスーパールミネッセントダイオードであることを特徴とするテラヘルツ波発生装置。
【請求項6】
テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置と、
前記テラヘルツ波発生装置から出射し、対象物を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置と、を備え、
前記テラヘルツ波発生装置は、光パルスを発生する半導体短パルス発生装置と、
前記半導体短パルス発生装置で発生した前記光パルスが照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、
前記半導体短パルス発生装置は、前記光パルスを発生する光パルス発生部と、
前記光パルス発生部で発生した前記光パルスに対し、可飽和吸収に基づくパルス圧縮を行う第1のパルス圧縮部と、
前記第1のパルス圧縮部でパルス圧縮がなされた前記光パルスに対し、群速度分散補償に基づくパルス圧縮を行う第2のパルス圧縮部と、
前記第1のパルス圧縮部の前段、または前記第1のパルス圧縮部と前記第2のパルス圧縮部との間に設けられ、前記光パルスを増幅する増幅部とを有し、
前記光パルス発生部がスーパールミネッセントダイオードであることを特徴とするカメラ。
【請求項7】
テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置と、
前記テラヘルツ波発生装置から出射し、対象物を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置と、
前記テラヘルツ波検出装置の検出結果に基づいて、前記対象物の画像を生成する画像生成部と、を備え、
前記テラヘルツ波発生装置は、光パルスを発生する半導体短パルス発生装置と、
前記半導体短パルス発生装置で発生した前記光パルスが照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、
前記半導体短パルス発生装置は、前記光パルスを発生する光パルス発生部と、
前記光パルス発生部で発生した前記光パルスに対し、可飽和吸収に基づくパルス圧縮を行う第1のパルス圧縮部と、
前記第1のパルス圧縮部でパルス圧縮がなされた前記光パルスに対し、群速度分散補償に基づくパルス圧縮を行う第2のパルス圧縮部と、
前記第1のパルス圧縮部の前段、または前記第1のパルス圧縮部と前記第2のパルス圧縮部との間に設けられ、前記光パルスを増幅する増幅部とを有し、
前記光パルス発生部がスーパールミネッセントダイオードであることを特徴とするイメージング装置。
【請求項8】
テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置と、
前記テラヘルツ波発生装置から出射し、対象物を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置と、
前記テラヘルツ波検出装置の検出結果に基づいて、前記対象物を計測する計測部と、を備え、
前記テラヘルツ波発生装置は、光パルスを発生する半導体短パルス発生装置と、
前記半導体短パルス発生装置で発生した前記光パルスが照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、
前記半導体短パルス発生装置は、前記光パルスを発生する光パルス発生部と、
前記光パルス発生部で発生した前記光パルスに対し、可飽和吸収に基づくパルス圧縮を行う第1のパルス圧縮部と、
前記第1のパルス圧縮部でパルス圧縮がなされた前記光パルスに対し、群速度分散補償に基づくパルス圧縮を行う第2のパルス圧縮部と、
前記第1のパルス圧縮部の前段、または前記第1のパルス圧縮部と前記第2のパルス圧縮部との間に設けられ、前記光パルスを増幅する増幅部とを有し、
前記光パルス発生部がスーパールミネッセントダイオードであることを特徴とする計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−104804(P2013−104804A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249420(P2011−249420)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】