説明

半導体素子の測定方法及びプローブカード

【課題】半導体素子の電気的な測定を複数回行なう場合であっても、正確に測定を行なうことができる半導体素子の測定方法を提供する。
【解決手段】半導体素子に形成された電極パッドにプローブを接触させて、前記半導体素子における電気的特性を測定する半導体素子の測定方法において、前記電極パッドに接触させた際に、先端部が前記電極パッドに対して第1の方向に動くプローブユニット61を前記電極パッドに接触させ測定を行なう第1の測定工程と、前記第1の測定工程の後、前記電極パッドに接触させた際に、先端部が前記電極パッドに対して第2の方向に動くプローブユニット62を前記電極パッドに接触させる第2の測定工程と、を有し、前記第1の方向と前記第2の方向とは異なる方向である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子の測定方法及びプローブカードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器等においては、高機能化及び高性能化が求められており、これに伴い、電子機器等に搭載される半導体回路が形成された半導体チップにおいても、より一層の高集積化、高速化及び大容量化等が求められている。従って、半導体回路が形成された半導体チップにおいて外部接続端子の数が増加するが、高集積化の要求から、外部接続端子の大きさを大きくすることはできず、また、外部接続端子間の間隔も狭く形成される。
【0003】
このような半導体回路が形成された半導体チップは、シリコンウェハ等の半導体ウェハの表面に半導体回路を形成し、この状態において半導体回路の電気的な測定等の検査を行なった後、半導体チップごとにダイシング等により分離することにより形成される。半導体ウェハの表面には、半導体回路に接続された外部接続端子である電極パッドが複数形成されているため、半導体回路の電気的な測定等の検査は、この電極パッドに対応したプローブ針を電極パッドに接触させることにより行なわれる。
【0004】
外部接続端子である電極パッドが銅やアルミニウム等の金属材料により形成されている場合には、表面に酸化膜が形成されるため、この酸化膜を除去しなければ、電極パッドとプローブ針とを電気的に接触させることができず、電気的な測定を行なうことができない。よって、電極パッドにプローブ針を接触させる際には、プローブ針の先端により電極パッドの表面に形成された酸化膜を削り取り、酸化されていない金属部分を露出させて、露出している金属部分にプローブ針を接触させる。これにより、電極パッドとプローブ針とを電気的に接触させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−237378号公報
【特許文献2】特開2006−318965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような半導体ウェハの状態において、電気的な測定が複数回行なわれる場合がある。この場合、一度電極パッドに接触させたプローブ針を再度同じ電極パッドに接触させるが、既に電極パッドの表面はプローブ針の先端に対応した形状で削り取られているため、表面の酸化膜を十分に削り取ることができない。よって、この場合には、電極パッドとプローブ針との間における電気的な接続が不十分となり、正確な電気的な測定を行なうことができない場合がある。
【0007】
このため、電極パッド内において、最初にプローブ針が接触した領域とは異なる領域に、プローブ針を接触させて測定を行なう方法が開示されている。しかしながら、高集積化がなされている場合には、電極パッドの面積は狭く形成されているため、このような方法により対応することができない。また、この方法では、最初にプローブ針が接触させた位置を半導体ウェハごとに記憶させておく必要があるため、大容量の記憶媒体が必要となり、実用的ではなく、更には、測定装置も複雑で大型なものとなるため大幅なコスト上昇を招いてしまう。
【0008】
このため、高集積化された半導体チップ等の半導体素子において、電気的な測定を複数回行なう場合であっても、正確に測定を行なうことのできる半導体素子の測定方法及びプローブカードが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施の形態の一観点によれば、半導体素子に形成された電極パッドにプローブを接触させて、前記半導体素子における電気的特性を測定する半導体素子の測定方法において、前記電極パッドに接触させた際に、先端部が前記電極パッドに対して第1の方向に動く第1のプローブを前記電極パッドに接触させ測定を行なう第1の測定工程と、前記第1の測定工程の後、前記電極パッドに接触させた際に、先端部が前記電極パッドに対して第2の方向に動く第2のプローブを前記電極パッドに接触させる第2の測定工程と、を有し、前記第1の方向と前記第2の方向とは異なる方向であることを特徴とする。
【0010】
また、本実施の形態の他の一観点によれば、半導体素子に形成された電極パッドにプローブを接触させて、前記半導体素子における電気的特性を測定する半導体素子の測定方法において、前記プローブは、プローブカードに設置されており、前記電極パッドに接触させた際に、前記プローブの先端部が一方の方向に動くものであって、前記電極パッドに接触させることにより、前記プローブの先端部を前記電極パッドに対して第1の方向に動かして測定を行なう第1の測定工程と、前記第1の測定工程の後、前記プローブカードを所定の角度回転させる回転工程と、前記回転工程の後、前記電極パッドに接触させることにより、前記プローブの先端部を前記電極パッドに対して第2の方向に動かして測定を行なう第2の測定工程と、を有し、前記第1の方向と前記第2の方向とは異なる方向であることを特徴とする。
【0011】
また、本実施の形態の他の一観点によれば、半導体素子に形成された電極パッドにプローブを接触させて、前記半導体素子における電気的特性を測定するプローブカードであって、前記電極パッドに接触させた際に、先端部が前記電極パッドに対して第1の方向に動く第1のプローブと、前記電極パッドに接触させた際に、先端部が前記電極パッドに対して第2の方向に動く第2のプローブと、を有し、前記第1の方向と前記第2の方向とは異なる方向であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
開示の半導体素子の測定方法及びプローブカードによれば、高集積化された半導体チップ等の半導体素子において、電気的な測定を複数回行なう場合であっても、正確に測定を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】カンチレバー型のプローブカードの構造図
【図2】カンチレバー型のプローブカードの断面図
【図3】半導体チップの構造図
【図4】カンチレバー型のプローブ針の構造図
【図5】垂直プローブ型のプローブカードの構造図
【図6】垂直プローブ型のプローブカードの断面図
【図7】垂直プローブ型のプローブ針の構造図
【図8】プローブ針により電極パッドの表面を削り取る様子の説明図
【図9】最初にプローブ針により削り取られたプローブ痕の説明図
【図10】2回目にプローブ針により削り取られたプローブ痕の説明図
【図11】第1の実施の形態におけるプローブカードの構造図
【図12】第1の実施の形態におけるプローブカードの断面図
【図13】プローバ装置の説明図(1)
【図14】プローバ装置の説明図(2)
【図15】プローブカードと半導体ウェハとの接触方法の説明図(1)
【図16】プローブカードと半導体ウェハとの接触方法の説明図(2)
【図17】第1の実施の形態における半導体素子の測定方法のフローチャート
【図18】測定される半導体素子が形成されている半導体ウェハの説明図
【図19】第1の実施の形態における半導体素子の測定方法の説明図(1)
【図20】第1の実施の形態における半導体素子の測定方法の説明図(2)
【図21】第1の実施の形態における半導体素子の測定方法において2回目にプローブ針により削り取られたプローブ痕の説明図
【図22】第1の実施の形態における半導体素子の測定方法の説明図(3)
【図23】第1の実施の形態における半導体素子の測定方法の説明図(4)
【図24】第2の実施の形態における半導体素子の測定方法のフローチャート
【図25】第2の実施の形態における半導体素子の測定方法の説明図(1)
【図26】第2の実施の形態における半導体素子の測定方法の説明図(2)
【図27】第2の実施の形態における半導体素子の測定方法の説明図(3)
【図28】第2の実施の形態における半導体素子の測定方法の説明図(4)
【図29】第3の実施の形態におけるプローブカードの構造図
【図30】第3の実施の形態におけるプローブカードの断面図
【図31】第3の実施の形態におけるプローブカードの説明図
【図32】第3の実施の形態における半導体素子の測定方法のフローチャート
【図33】第3の実施の形態における半導体素子の測定方法の説明図(1)
【図34】第3の実施の形態における半導体素子の測定方法の説明図(2)
【図35】第3の実施の形態における半導体素子の測定方法の説明図(3)
【図36】第3の実施の形態における半導体素子の測定方法の説明図(4)
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0015】
〔第1の実施の形態〕
最初に、半導体素子の測定方法及びプローブカードにおいて、半導体素子である半導体チップを複数回測定する場合について説明する。半導体ウェハ等の状態において、半導体チップの電気的特性を測定するために用いられるプローブカードとしては、カンチレバー型のプローブ針を用いたものと、垂直プローブ型のプローブ針を用いたものとがある。尚、本実施の形態においては、半導体チップとは、半導体ウェハより分離される前の状態におけるものも含むものとする。
【0016】
図1には、カンチレバー型のプローブ針を用いたプローブカードを示す。このプローブカードは、プリント基板等の基板910の一方の面に、プローブユニット920が設けられており、プローブユニット920には、半導体ウェハに形成された半導体チップにおける電極パッドと接触させるためのプローブ針921が設けられている。プローブ針921は、半導体チップの電極パッドの数に対応して複数設けられており、半導体チップの電極パッドの配置に対応した位置に配置されている。また、基板910の他方の面には、試験装置本体となるテスタと接続するためのテスタ接続パッド911が設けられており、基板910の内部においてプローブ針921と電気的に接続されている。
【0017】
図2に示されるように、基板910の一方の面には、プローブユニット920ごとにベース部922が形成されており、ベース部922の表面には、プローブ針921の一部を支持するための樹脂材料等により形成された固定部材923が設けられている。プローブ針921は、カンチレバー型のものであり、弾性を有する金属材料により形成されている。また、プローブ針921は、プローブ針921の一方の端部921aは基板910に接続されており、他方の端部となる先端部921bにおいて、半導体チップの電極パッドと接触する構造のものである。尚、図1(a)は、このプローブカードの側面図であり、図1(b)は、プローブ針921が設けられている側となる裏面図である。また、図2は、図1(b)における一点鎖線1A−1Bにおいて切断した断面の要部である。
【0018】
図3は、測定対象となる半導体ウェハに形成されている半導体チップ901を示す。図3に示されるように、半導体ウェハに形成されている半導体チップ901は、正方形または長方形状に形成されており、中央部分には正方形または長方形状等の回路領域902が形成されている。また、半導体チップ901の周辺部分となる回路領域902の周辺の四辺の近傍には、電極パッド903が形成されている。このような半導体チップ901において、電極パッド903と不図示の外部接続端子との間でワイヤーボンディング等による接続をした後、樹脂封止等によるパッケージングを行なうことにより、半導体装置が作製される。
【0019】
図4に示されるように、図1及び図2に示されるプローブ針921は、図3に示される半導体チップの電極パッド903と接触させることにより、プローブ針921が撓み、プローブ針921の先端部921bが矢印Pに示す方向に動く。このようにプローブ針921の先端部921bが動くことにより、先端部921bと接触している半導体チップの電極パッド903の表面の酸化膜を削り取ることができ、半導体チップの電極パッド903とプローブ針921とを電気的に接触させることができる。
【0020】
次に、図5には、垂直プローブ型のプローブ針を用いたプローブカードを示す。このプローブカードは、プリント基板等の基板930の一方の面に、プローブハウジング940が設けられている。プローブハウジング940の内部には、プローブ針950が配置されており、図6に示されるように、各々のプローブ針950の先端部950bは、プローブハウジング940の外側に露出している。プローブ針950は、不図示の半導体ウェハに形成された半導体チップの電極パッドと接触させるためのものであり、半導体チップの電極パッドの数に対応し複数設けられており、半導体チップの電極パッドの配置に対応して配置されている。プローブ針950は、半導体チップに対応したプローブユニット960ごとに略同一の形状で形成されており、例えば、正方形状又は長方形状で形成されている。また、基板930の他方の面には、試験装置本体となるテスタと接続するためのテスタ接続パッド931が設けられており、基板930の内部においてプローブ針950と電気的に接続されている。尚、図5(a)は、このプローブカードの側面図であり、図5(b)は、プローブ針950が設けられている側となる裏面図である。また、図6は、図5(b)における一点鎖線5A−5Bにおいて切断した断面の要部である。
【0021】
図6に示されるように、基板930の一方の面に設けられたプローブハウジング940にプローブ針950が設置されている。プローブ針950は、垂直プローブ型のものであり、弾性を有する金属材料により形成されており、一方の端部950aは基板930に接続されており、他方の端部となる先端部950bにおいて、半導体チップの電極パッドと接触する構造のものである。プローブ針950は、中央部分に屈曲部950cが形成されており、図3に示される半導体チップ901における電極パッド903とプローブ950の先端部950bとが接触した際、屈曲部950cが曲がる構造のものである。
【0022】
具体的には、図7に示されるように、プローブ針950は、図3に示される半導体チップの電極パッド903と接触することにより、屈曲部950cにおいてプローブ針950が曲がり、プローブ針950の先端部950bが矢印Qに示す方向に動く。このようにプローブ針950の先端部950bが動くことにより、先端部950bと接触している半導体チップの電極パッド903の表面の酸化膜を削り取ることができ、半導体チップの電極パッド903とプローブ針950とを電気的に接触させることができる。
【0023】
以上のように、カンチレバー型のプローブ針を用いたプローブカードも、垂直プローブ型のプローブ針を用いたプローブカードも、いずれもプローブ針の先端部により、半導体チップにおける電極パッドの表面を削ることにより、電気的に接触させるものである。また、プローブ針の先端部の動く方向は、いずれも同じ方向である。具体的には、図4に示すカンチレバー型のプローブ針921では、先端部921bは矢印Pに示す方向に動き、図7に示す垂直プローブ型のプローブ針950では、先端部950bは矢印Qに示す方向に動く。
【0024】
具体的には、図8に示すように、電極パッド903において、垂直プローブ型のプローブ針950の先端部950bが矢印Qに示す方向に動き、半導体ウェハに形成された半導体チップの電極パッド903の表面の酸化膜を削り取ることにより金属部分を露出させる。
【0025】
この際、図9に示すように、プローブ針950の先端部950bを電極パッド903に接触させることにより、電極パッド903の表面には、プローブ針950の先端部950bの形状に対応した形状のプローブ痕903aが形成される。複数の測定を行なう場合には、プローブ針950の先端部950bを電極パッド903より離した後、再度、プローブ針950の先端部950bを電極パッド903に接触させる。しかしながら、図10に示されるように、既に電極パッド903の表面にはプローブ痕903aが形成されているため、再度接触させた際には、プローブ針950の先端部950bは、このプローブ痕903aをなぞるように接触してプローブ痕903bを形成する。ここで、電極パッド903がアルミニウム(Al)や銅(Cu)等により形成されている場合には、金属部分が露出し空気に触れると短時間で表面に酸化膜が形成される。このため、プローブ痕903aをなぞるように接触させてプローブ痕903bを形成しても、プローブ痕903aの表面に形成された酸化膜を十分に除去することはできないため、金属部分を十分に露出させることができない。よって、半導体チップの電極パッドに2回目以降プローブ針を接触させた場合には、電極パッドとプローブ針との間に抵抗の高い酸化膜の一部又は全部が存在するため、接触抵抗が高くなり半導体チップにおける電気的な測定を正確に行なうことができない場合がある。
【0026】
(プローブカード)
次に、本実施の形態におけるプローブカードについて説明する。図11に示されるように、本実施の形態におけるプローブカード20は、垂直プローブ型のプローブ針を有するプローブカードであり、後述するように4つのプローブユニットを有している。本実施の形態では、このプローブユニットは、1つのプローブユニットが1つの半導体チップに対応しているものについて説明するが、1つのプローブユニットが複数の半導体チップに対応しているものであってもよい。尚、図11(a)は、このプローブカード20の側面図であり、図11(b)は、プローブ針51、52、53、54が設けられている側から見た裏面図である。また、図12は、図11(b)における一点鎖線11A−11Bにおいて切断した断面の要部である。また、本実施の形態は、カンチレバー型のプローブ針を有するプローブカードについても適用可能である。
【0027】
本実施の形態におけるプローブカード20は、プリント基板等の基板30の一方の面に、プローブハウジング40が設けられている。プローブハウジング40の内部には、プローブ針51、52、53、54が配置されており、各々のプローブ針51、52、53、54の先端部は、プローブハウジング40の外側に露出している。プローブ針51、52、53、54は、半導体ウェハに形成された半導体チップにおける電極パッドと接触させるためのものであり、半導体チップの電極パッドの数に対応して複数設けられており、半導体チップの電極パッドの配置に対応した位置に配置されている。即ち、プローブ針51、52、53、54は、半導体チップに対応したプローブユニット61、62、63、64ごとに略同一の配置がなされており、例えば、正方形状又は長方形状に配置されている。このように、本実施の形態におけるプローブカードにおいては、プローブユニット61には複数のプローブ針51が設けられており、プローブユニット62には複数のプローブ針52が設けられている。また、プローブユニット63には複数のプローブ針53が設けられており、プローブユニット64には複数のプローブ針54が設けられている。
【0028】
また、基板30の他方の面には、試験装置本体となるテスタと接続するためのテスタ接続パッド31が設けられており、基板30の内部においてプローブ針51、52、53、54と電気的に接続されている。尚、基板30の一方の面に形成されているプローブハウジング40の内部に設置されているプローブ針51、52、53、54は、垂直プローブ型のものであり、弾性を有する金属材料により形成されている。
【0029】
例えば、図12に示されるように、プローブ針51について説明すると、プローブ針51は、一方の端部51aは基板30に接続されており、他方の端部となる先端部51bにおいて、半導体チップの電極パッドと接触する構造のものである。プローブ針51の中央部分には、屈曲部51cが設けられており、図3に示される半導体チップ901における電極パッド903とプローブ針51の先端部51bとが接触した際、屈曲部51cにおいて曲がる。これにより、プローブユニット61におけるプローブ針51は、先端部51bが矢印A1に示す方向、即ち、X軸方向の負の方向に動く。
【0030】
また、プローブ針52について説明すると、プローブ針52は、一方の端部52aは基板30に接続されており、他方の端部となる先端部52bにおいて、半導体チップの電極パッドと接触する構造のものである。プローブ針52の中央部分には、屈曲部52cが設けられており、図3に示される半導体チップ901における電極パッド903とプローブ針52の先端部52bとが接触した際、屈曲部52cにおいて曲がる。これにより、プローブユニット62におけるプローブ針52は、先端部52bが矢印A2に示す方向、即ち、X軸方向の正の方向に動く。
【0031】
また、プローブユニット63におけるプローブ針53及びプローブユニット64におけるプローブ針54についても同様である。具体的には、プローブユニット63におけるプローブ針53の先端部は矢印A3に示す方向、即ち、Y軸方向の正の方向に動き、プローブユニット64におけるプローブ針54の先端部は矢印A4に示す方向、即ち、Y軸方向の負の方向に動く。
【0032】
尚、本実施の形態においては、プローブユニット61を第1のプローブユニット、プローブユニット62を第2のプローブユニット、プローブユニット63を第3のプローブユニット、プローブユニット64を第4のプローブユニットと記載する場合がある。また、プローブ針51を第1のプローブ、プローブ針52を第2のプローブ、プローブ針53を第3のプローブ、プローブ針54を第4のプローブと記載する場合がある。
【0033】
このように、プローブ針51、52、53、54は、相互に異なる矢印A1、A2、A3、A4に示す方向に動く。尚、本実施の形態においては、矢印A1〜A4に示す方向は、相互に略直交する方向、又は、略反対方向となるように形成されている。
【0034】
(測定装置)
次に、本実施の形態における半導体チップ等の半導体素子の測定方法に用いられる測定装置について説明する。図13に示されるように、この測定装置は、プローバ装置70と称されるものであり、内部には半導体ウェハ10を設置するためのウェハ駆動ステージ71が設けられている。尚、半導体ウェハ10には、ダイシング等により分離される前の半導体チップ11が複数形成されている。ウェハ駆動ステージ71は、半導体ウェハ10を3次元的に移動させることが可能であり、具体的には、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動させることができる。図14は、ウェハ駆動ステージ71により半導体ウェハ10をX軸方向に移動させた場合の状態を示すものである。このプローバ装置70は、テストヘッド72を有しており、テストヘッド72には、本実施の形態におけるプローブカード20が接続されている。また、テストヘッド72は、テスタ部73と接続されており、プローブカードを介して検出された電気信号に基づき、半導体ウェハ10に形成されている測定対象となる半導体チップ11の電気的な測定が行なわれる。
【0035】
尚、この測定装置を用いて、図15に示されるように、半導体チップの測定を行う際には、半導体ウェハ10が設置されているウェハ駆動ステージ71を上昇させる。これにより、プローブカード20に設けられているプローブ針51、52、53、54を半導体ウェハ10に形成されている半導体チップの各々の電極パッドに接触させることができ、半導体チップの測定を行なうことができる。また、半導体チップの測定が終了した後は、図16に示されるように、ウェハ駆動ステージ71を降下させることにより、半導体チップの電極パッドからプローブ針51、52、53、54が離れるため、電気的な接続が解除される。
【0036】
(半導体素子の測定方法)
次に、図17に基づき本実施の形態における半導体チップ等の半導体素子の測定方法について説明する。本実施の形態における説明では、図18に示されるように、半導体ウェハ10において、分離される前の半導体素子である半導体チップ11が複数形成されおり、この半導体ウェハ10の状態において半導体チップ11aの電気的な測定を行なう場合について説明する。尚、半導体チップ11は、図3に示される半導体チップ901と同様のものであり、半導体チップ901と同様に周囲には電極パッド903と同様の電極パッドが形成されており、また、半導体チップ11は、半導体ウェハ10の表面に2次元的に配列されている。
【0037】
最初に、ステップ102(S102)に示すように、第1の測定を行なう。具体的には、図19に示すように、ウェハ駆動ステージ71を上昇させることにより、半導体ウェハ10における半導体チップ11aの不図示の電極パッドに、プローブユニット61におけるプローブ針51を接触させる。これにより、半導体チップ11aの電極パッドの表面に形成されている酸化膜は、図11に示されるように、矢印A1に示す方向に先端部が動くプローブ針51により削り取られ、電極パッドの金属部分を露出させることができる。よって、露出している金属部分において、半導体チップ11aの電極パッドとプローブ針51とを電気的に接触させることができる。この後、半導体チップ11aにおける電気的な測定を行なった後、ウェハ駆動ステージ71を降下させることにより、半導体チップ11aの電極パッドからプローブ針51を離す。
【0038】
次に、ステップ104(S104)に示すように、第2の測定を行なう。具体的には、図20に示すように、ウェハ駆動ステージ71をY軸方向の負の方向に移動させて、ウェハ駆動ステージ71を上昇させる。このようにして、半導体ウェハ10における半導体チップ11aの不図示の電極パッドに、プローブユニット63におけるプローブ針53を接触させる。これにより、半導体チップ11aの電極パッドの表面に形成されている酸化膜は、図11に示されるように、矢印A3に示す方向に先端部が動くプローブ針53により削り取られ、電極パッドの金属部分を露出させることができる。よって、露出している金属部分において、半導体チップ11aの電極パッドとプローブ針53とを電気的に接触させることができる。
【0039】
具体的には、図21に示すように、半導体チップ11aにおける電極パッド12においては、ステップ102では、プローブ針51の先端部がX軸方向の負の方向(矢印A1に示す方向)に動くため、電極パッド12の表面に形成されている酸化膜が除去される。この際、プローブ痕12aが形成される。この後、ステップ104では、プローブ針53の先端部がY軸方向の正の方向(矢印A3に示す方向)に動く。プローブ針53の先端部の動く方向とプローブ針51の先端部の動く方向とは略直交しており、プローブ針53の先端部が動くことにより、電極パッド12の表面に形成されている酸化膜が除去され金属部分が露出する。これにより、プローブ痕12bが形成され、露出している金属部分において、電極パッド12とプローブ針53とを電気的に接触させることができる。この後、半導体チップ11aにおける電気的な測定を行なった後、ウェハ駆動ステージ71を降下させることにより、半導体チップ11aの電極パッドからプローブ針53を離す。
【0040】
次に、ステップ106(S106)に示すように、第3の測定を行なう。具体的には、図22に示すように、ウェハ駆動ステージ71をX軸方向の正の方向及びY軸方向の正の方向に移動させて、ウェハ駆動ステージ71を上昇させる。このようにして、半導体ウェハ10における半導体チップ11aの不図示の電極パッドに、プローブユニット62におけるプローブ針52を接触させる。これにより、半導体チップ11aの電極パッドの表面に形成されている酸化膜は、図11に示されるように、矢印A2に示す方向に先端部が動くプローブ針52により削り取られ、電極パッドの金属部分を露出させることができる。よって、露出している金属部分において、半導体チップ11aの電極パッドとプローブ針52とを電気的に接触させることができる。
【0041】
具体的には、半導体チップ11aにおける電極パッド12にプローブ針52が接触し、プローブ針52の先端部がX軸方向の正の方向(矢印A2に示す方向)に動くことにより、電極パッド12の表面に形成されている酸化膜が除去される。この方向は、直前においてプローブ針53により、電極パッド12における表面の酸化膜が除去された方向、即ち、Y軸方向の正の方向(矢印A3に示す方向)と直交する方向である。尚、プローブ針51により、電極パッド12における表面の酸化膜が除去された方向、即ち、X軸方向の負の方向(矢印A1に示す方向)と反対方向である。よって、電極パッド12の表面において、プローブ針52の先端部が動くことにより、電極パッド12の表面に形成されている酸化膜が除去され金属部分を露出させることができ、電極パッド12とプローブ針52とを電気的に接触させることができる。この後、半導体チップ11aにおける電気的な測定を行なった後、ウェハ駆動ステージ71を降下させることにより、半導体チップ11aの電極パッドからプローブ針52を離す。
【0042】
次に、ステップ108(S108)に示すように、第4の測定を行なう。具体的には、図23に示すように、ウェハ駆動ステージ71をY軸方向の負の方向に移動させて、ウェハ駆動ステージ71を上昇させる。このようにして、半導体ウェハ10における半導体チップ11aの不図示の電極パッドに、プローブユニット64におけるプローブ針54を接触させる。これにより、半導体チップ11aの電極パッドの表面に形成されている酸化膜は、図11に示されるように、矢印A4に示す方向に先端部が動くプローブ針54により削り取られ、電極パッドの金属部分を露出させることができる。よって、露出している金属部分において、半導体チップ11aの電極パッドとプローブ針54とを電気的に接触させることができる。
【0043】
具体的には、半導体チップ11aにおける電極パッド12にプローブ針54が接触し、プローブ針54の先端部がY軸方向の負の方向(矢印A4に示す方向)に動くことにより、電極パッド12の表面に形成されている酸化膜が除去される。この方向は、直前においてプローブ針52により、電極パッド12における表面の酸化膜が除去された方向、即ち、X軸方向の正の方向(矢印A2に示す方向)と直交する方向である。尚、プローブ針53により、電極パッド12における表面の酸化膜が除去された方向、即ち、Y軸方向の正の方向(矢印A3に示す方向)と反対方向である。また、プローブ針51により、電極パッド12における表面の酸化膜が除去された方向、即ち、X軸方向の負の方向(矢印A1に示す方向)と直交する方向である。よって、電極パッド12の表面において、プローブ針54の先端部が動くことにより、電極パッド12の表面に形成されている酸化膜が除去され金属部分を露出させることができ、電極パッド12とプローブ針54とを電気的に接触させることができる。この後、半導体チップ11aにおける電気的な測定を行なった後、ウェハ駆動ステージ71を降下させることにより、半導体チップ11aの電極パッドからプローブ針54を離す。
【0044】
以上により、高集積化された半導体チップ等の半導体素子が形成されている半導体ウェハの状態において、半導体チップの電気的な測定を複数回行なう場合であっても、半導体チップにおける電極パッドとプローブ針との電気的接続を確実にすることができる。これにより、低コストで正確な測定を行なうことができる。
【0045】
また、本実施の形態は、半導体チップがダイシング等により切断される前の半導体ウェハの状態における測定について説明したが、ダイシング等により切断された後の半導体チップにおいても同様に行なうことができる。更に、半導体ウェハの全体についても測定を行なうことも可能である。このため、本実施の形態においては、半導体素子には、半導体チップまたは半導体ウェハが含まれるものとする。
【0046】
更に、本実施の形態においては、プローブ針の先端部の動く方向が、直交する異なる4方向の場合について説明したが、直交する方向でなくとも異なる方向であれば適用可能であり、また、5以上または3以下の複数のプローブユニットを用いてもよい。
【0047】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、プローブユニットにおけるプローブ針の先端部の動く方向が、各々異なる4種類のプローブカードを用いて半導体チップの測定を行なうものである。このように、4種類の異なるプローブカードを用いることにより、第1の実施の形態と同様に、電気的な測定を複数回行なう場合においても、半導体チップにおける電極パッドとプローブ針との電気的接続を確実にすることができる。
【0048】
(半導体素子の測定方法)
本実施の形態における半導体チップ等の半導体素子の測定方法について図24に基づき説明する。本実施の形態における説明では、図18に示されるように、半導体ウェハ10に分離される前の半導体素子である半導体チップ11が複数形成されており、この半導体ウェハ10の状態において半導体チップ11aの電気的な測定を行なう場合について説明する。尚、本実施の形態においては、半導体チップ11aの電気的な測定を行なう場合について説明するが、複数の半導体チップ11を同時に測定することも可能であり、例えば、4つの半導体チップ11を同時に測定することも可能である。
【0049】
最初に、ステップ202(S202)に示すように、第1のプローブカードによる測定(第1の測定)を行なう。第1のプローブカード121には、図25に示すように、4つのプローブユニット161が設けられており、各々のプローブユニット161には複数のプローブ針151が配置されている。複数のプローブ針151は、半導体チップ11aの電極パッドに接触した際に、すべての先端部が矢印B1に示す方向(X軸方向の負の方向)に動くものである。この工程では、図13等に示される測定装置のテスターヘッド72において、プローブカード20の代わりに第1のプローブカード121を設置した測定装置において、ウェハ駆動ステージ71を上昇させる。これにより、半導体ウェハ10における半導体チップ11aの不図示の電極パッドに、プローブ針151が接触し、半導体チップ11aの電極パッドの表面に形成されている酸化膜は、矢印B1に示す方向に先端部が動くプローブ針151により削り取られる。このようにして、半導体チップ11aの電極パッドの金属部分を露出させることができ、半導体チップ11aの電極パッドとプローブ針151とを電気的に接触させることができる。この後、半導体チップ11aにおける電気的な測定を行なった後、ウェハ駆動ステージ71を降下させることにより、半導体チップ11aの電極パッドからプローブ針151を離す。
【0050】
次に、ステップ204(S204)に示すように、第2のプローブカードによる測定(第2の測定)を行なう。第2のプローブカード122には、図26に示すように、4つのプローブユニット162が設けられており、各々のプローブユニット162には複数のプローブ針152が配置されている。複数のプローブ針152は、半導体チップ11aの電極パッドに接触した際に、すべての先端部が矢印B2に示す方向(Y軸方向の負の方向)に動くものである。この工程では、第1のプローブカード121を取り外して第2のプローブカード122を設置し、ウェハ駆動ステージ71を上昇させる。これにより、半導体ウェハ10における半導体チップ11aの不図示の電極パッドに、プローブ針152が接触し、半導体チップ11aの電極パッドの表面に形成されている酸化膜は、矢印B2に示す方向に先端部が動くプローブ針152により削り取られる。
【0051】
ここで、矢印B2に示す方向(Y軸方向の負の方向)は、直前においてプローブ針151により、電極パッドにおける表面の酸化膜が除去された方向、即ち、X軸方向の負の方向(矢印B1に示す方向)と直交する方向である。よって、半導体チップ11aにおける電極パッドの表面において、プローブ針152の先端部が動くことにより、電極パッドの表面に形成されている酸化膜が除去され金属部分を露出させることができる。このようにして、半導体チップ11aの電極パッドの金属部分を露出させることにより、露出している金属部分において、半導体チップ11aの電極パッドとプローブ針152とを電気的に接触させることができる。この後、半導体チップ11aにおける電気的な測定を行なった後、ウェハ駆動ステージ71を降下させることにより、半導体チップ11aの電極パッドからプローブ針152を離す。
【0052】
次に、ステップ206(S206)に示すように、第3のプローブカードによる測定(第3の測定)を行なう。第3のプローブカード123には、図27に示すように、4つのプローブユニット163が設けられており、各々のプローブユニット163には複数のプローブ針153が配置されている。複数のプローブ針153は、半導体チップ11aの電極パッドに接触した際に、すべての先端部が矢印B3に示す方向(X軸方向の正の方向)に動くものである。この工程では、第2のプローブカード122を取り外して第3のプローブカード123を設置し、ウェハ駆動ステージ71を上昇させる。これにより、半導体ウェハ10における半導体チップ11aの不図示の電極パッドに、プローブ針153が接触し、半導体チップ11aの電極パッドの表面に形成されている酸化膜は、矢印B3に示す方向に先端部が動くプローブ針153により削り取られる。
【0053】
ここで、矢印B3に示す方向(X軸方向の正の方向)は、直前においてプローブ針152により、電極パッドにおける表面の酸化膜が除去された方向、即ち、Y軸方向の負の方向(矢印B2に示す方向)と直交する方向である。尚、プローブ針151により、電極パッドにおける表面の酸化膜が除去された方向、即ち、X軸方向の負の方向(矢印B1に示す方向)と反対方向である。よって、半導体チップ11aにおける電極パッドの表面において、プローブ針153の先端部が動くことにより、電極パッドの表面に形成されている酸化膜が除去され金属部分を露出させることができる。このようにして、半導体チップ11aの電極パッドの金属部分を露出させることにより、露出している金属部分において、半導体チップ11aの電極パッドとプローブ針153とを電気的に接触させることができる。この後、半導体チップ11aにおける電気的な測定を行なった後、ウェハ駆動ステージ71を降下させることにより、半導体チップ11aの電極パッドからプローブ針153を離す。
【0054】
次に、ステップ208(S208)に示すように、第4のプローブカードによる測定(第4の測定)を行なう。第4のプローブカード124には、図28に示すように、4つのプローブユニット164が設けられており、各々のプローブユニット164には複数のプローブ針154が配置されている。複数のプローブ針154は、半導体チップ11aの電極パッドに接触した際に、すべての先端部が矢印B4に示す方向(Y軸方向の正の方向)に動くものである。この工程では、第3のプローブカード123を取り外して第4のプローブカード124を設置し、ウェハ駆動ステージ71を上昇させる。これにより、半導体ウェハ10における半導体チップ11aの不図示の電極パッドに、プローブ針154が接触し、半導体チップ11aの電極パッドの表面に形成されている酸化膜は、矢印B4に示す方向に先端部が動くプローブ針154により削り取られる。
【0055】
ここで、矢印B4に示す方向(Y軸方向の正の方向)は、直前においてプローブ針153により、電極パッドにおける表面の酸化膜が除去された方向、即ち、X軸方向の正の方向(矢印B3に示す方向)と直交する方向である。尚、プローブ針152により、電極パッドにおける表面の酸化膜が除去された方向、即ち、Y軸方向の負の方向(矢印B2に示す方向)と反対方向である。また、プローブ針151により、電極パッドにおける表面の酸化膜が除去された方向、即ち、X軸方向の負の方向(矢印B1に示す方向)と直交する方向である。よって、半導体チップ11aにおける電極パッドの表面において、プローブ針154の先端部が動くことにより、電極パッドの表面に形成されている酸化膜が除去され金属部分を露出させることができる。このようにして、半導体チップ11aの電極パッドの金属部分を露出させることにより、露出している金属部分において、半導体チップ11aの電極パッドとプローブ針154とを電気的に接触させることができる。この後、半導体チップ11aにおける電気的な測定を行なった後、ウェハ駆動ステージ71を降下させることにより、半導体チップ11aの電極パッドからプローブ針154を離す。
【0056】
尚、本実施の形態においては、プローブユニット161を第1のプローブユニット、プローブユニット162を第2のプローブユニット、プローブユニット163を第3のプローブユニット、プローブユニット164を第4のプローブユニットと記載する場合がある。また、プローブ針151を第1のプローブ、プローブ針152を第2のプローブ、プローブ針153を第3のプローブ、プローブ針154を第4のプローブと記載する場合がある。
【0057】
以上により、高集積化された半導体チップ等の半導体素子が形成されている半導体ウェハにおいて、電気的な測定を複数回行なう場合であっても、半導体チップにおける電極パッドとプローブ針との電気的接続を確実にすることができる。よって、低コストで正確な測定を行なうことができる。
【0058】
また、本実施の形態は、半導体チップがダイシング等により切断される前の半導体ウェハの状態における測定について説明したが、ダイシング等により切断された後の半導体チップにおいても同様に行なうことができる。更に、本実施の形態においては、プローブ針の先端部の動く方向が、直交等する異なる4方向の場合について説明したが、直交等する方向でなくとも異なる方向であれば適用可能であり、また、5種類以上、3種類以下の複数のプローブカードを用いてもよい。
【0059】
また、半導体チップに形成されている電極パッドが4辺において同じパターンで形成されている場合には、4種類のプローブカードを用いることなく、1種類のプローブカードを90°ごとに回転させるものであってもよい。具体的には、例えば、第1のプローブカード121を用いて、測定の度に第1のプローブカード121を90°ごとに回転させた後、測定を行なう工程を繰り返す方法であってもよい。このような方法においても本実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、プローブカードは、半導体ウェハに形成されている半導体チップの1または2以上について測定を行なうものであってもよく、更には、全て半導体チップについて測定を行なうものであってもよい。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0060】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるプローブカードは、プローブカードよりプローブユニットを取り外すことができるものであって、各々のプローブユニットにおけるプローブ針の先端部の動く方向が、各々のプローブユニットごとに異なるものである。
【0061】
(プローブカード)
本実施の形態におけるプローブカードについて説明する。本実施の形態におけるプローブカード220は、図29に示されるように、垂直プローブ型のプローブ針を有するプローブカードであり、4つのプローブユニットを有している。このプローブユニットは、1つのプローブユニットが1つの半導体チップに対応しているものについて説明するが、1つのプローブユニットが複数の半導体チップに対応しているものであってもよい。尚、本実施の形態は、カンチレバー型のプローブ針を有するプローブカードについても適用可能である。
【0062】
本実施の形態におけるプローブカード220は、プリント基板等の基板30の一方の面に、プローブハウジング240が設けられている。プローブハウジング240には、4つのプローブユニット、即ち、第1のプローブユニット261、第2のプローブユニット262、第3のプローブユニット263、第4のプローブユニット264が接続されている。第1のプローブユニット261には複数のプローブ針251が設けられており、第2のプローブユニット262には複数のプローブ針252が設けられている。また、第3のプローブユニット263には複数のプローブ針253が設けられており、第4のプローブユニット264には複数のプローブ針254が設けられている。プローブ針251、252、253、254は、半導体ウェハに形成された半導体チップの電極パッドと接触させるためのものであり、半導体チップの電極パッドの数に対応して設けられており、半導体チップの電極パッドが配置される位置に対応して配置されている。このため、プローブ針251、252、253、254は、半導体チップに対応して略同一の配置がなされており、例えば、正方形状又は長方形状に配置されている。本実施の形態におけるプローブカード220は、プローブカード220に、第1のプローブユニット261、第2のプローブユニット262、第3のプローブユニット263、第4のプローブユニット264を接続したり、取り外したりすることができるものである。
【0063】
基板30の他方の面には、試験装置本体となるテスタと接続するためのテスタ接続パッド31が設けられており、基板30の内部においてプローブ針251、252、253、254と電気的に接続されている。また、プローブユニット261、262、263、264に設けられているプローブ針251、252、253、254は、垂直プローブ型のものであり、弾性を有する金属材料により形成されている。尚、図29(a)は、このプローブカード220の側面図であり、図29(b)は、プローブ針251、252、253、254が設けられている側から見た裏面図である。また、図30は、図29(b)における一点鎖線29A−29Bにおいて切断した断面の要部である。
【0064】
次に、プローブ針251及び252等について、図30に基づき説明する。第1のプローブユニット261に設けられているプローブ針251は、一方の端部251aは基板30に接続されており、他方の端部となる先端部251bにおいて、半導体チップの電極パッドと接触するものである。プローブ針251の中央部分には、屈曲部251cが設けられており、半導体チップにおける電極パッドとプローブ針251の先端部251bとが接触した際、屈曲部251cにおいて曲がる。これにより、プローブユニット261におけるプローブ針251は、先端部251bが矢印C1に示す方向、即ち、X軸方向の負の方向に動く。
【0065】
また、第2のプローブユニット263に設けられているプローブ針252は、一方の端部252aは基板30に接続されており、他方の端部となる先端部252bにおいて、半導体チップの電極パッドと接触するものである。プローブ針252の中央部分には、屈曲部252cが設けられており、半導体チップにおける電極パッドとプローブ針252の先端部252bとが接触した際、屈曲部252cにおいて曲がる。これにより、プローブユニット262におけるプローブ針252は、先端部252bが矢印C2に示す方向、即ち、X軸方向の正の方向に動く。
【0066】
また、図30には不図示ではあるが、第3のプローブユニット263におけるプローブ針253及び第4のプローブユニット264におけるプローブ針254についても同様である。具体的には、第3のプローブユニット263におけるプローブ針253の先端部は矢印C3に示す方向、即ち、Y軸方向の正の方向に動き、第4のプローブユニット264におけるプローブ針254の先端部は矢印C4に示す方向、即ち、Y軸方向の負の方向に動く。
【0067】
このように、プローブ針251、252、253、254は、相互に異なる矢印C1、C2、C3、C4に示す方向に動く。尚、本実施の形態においては、矢印C1〜C4に示す方向は相互に略直交する方向または略反対方向となっている。尚、本実施の形態においては、プローブ針251を第1のプローブと、プローブ針252を第2のプローブと、プローブ針253を第3のプローブと、プローブ針254を第4のプローブと記載する場合がある。
【0068】
本実施の形態におけるプローブカード220は、前述したように、プローブカード220の基板30より、第1のプローブユニット261、第2のプローブユニット262、第3のプローブユニット263、第4のプローブユニット264を取り外すことができる。よって、第1のプローブユニット261、第2のプローブユニット262、第3のプローブユニット263、第4のプローブユニット264を相互に入れ替えることができる。具体的には、図31に示すように、ネジ271により第1のプローブユニット261等を取り外すことができる。従って、ネジ271により、プローブハウジング240における所望の位置に、第1のプローブユニット261、第2のプローブユニット262、第3のプローブユニット263、第4のプローブユニット264を設置し接続することができる。
【0069】
(半導体素子の測定方法)
次に、本実施の形態における半導体チップ等の半導体素子の測定方法について図32に基づき説明する。本実施の形態における説明では、図18に示されるように、半導体ウェハ10に分離される前の半導体素子である半導体チップ11が複数形成されおり、この半導体ウェハ10の状態において半導体チップ11aの電気的な測定を行なう場合について説明する。尚、本実施の形態においては、半導体チップ11aの電気的な測定を行なう場合について説明するが、複数の半導体チップ11を同時に測定することも可能であり、例えば、4つの半導体チップ11を同時に測定することも可能である。
【0070】
最初に、ステップ302(S302)に示すように、第1の測定を行なう。第1の測定では、図33に示すように、半導体チップ11aの電極パッドに、第1のプローブユニット261におけるプローブ針251が接触するように、第1のプローブユニット261をプローブカード220に接続する。プローブ針251は、半導体チップ11aの電極パッドに接触した際に、先端部が矢印C1に示す方向(X軸方向の負の方向)に動くものである。尚、本実施の形態では、図13等に示される測定装置のテスターヘッド72に、プローブカード220が設置されている。この状態で、ウェハ駆動ステージ71を上昇させる。これにより、半導体ウェハ10における半導体チップ11aの不図示の電極パッドに、プローブ針251が接触し、半導体チップ11aの電極パッドの表面に形成されている酸化膜は、矢印C1に示す方向に先端部が動くプローブ針251により削り取られる。このようにして、半導体チップ11aの電極パッドの金属部分を露出させることができ、露出している金属部分において半導体チップ11aの電極パッドとプローブ針251とを電気的に接触させることができる。この後、半導体チップ11aにおける電気的な測定を行なった後、ウェハ駆動ステージ71を降下させることにより、半導体チップ11aの電極パッドからプローブ針251を離す。
【0071】
次に、ステップ304(S304)に示すように、第2の測定を行なう。第2の測定では、図34に示すように、半導体チップ11aの電極パッドに、第3のプローブユニット263におけるプローブ針253が接触するように、第3のプローブユニット263をプローブカード220に接続する。プローブ針253は、半導体チップ11aの電極パッドに接触した際に、先端部が矢印C3に示す方向(Y軸方向の正の方向)に動くものである。この状態で、ウェハ駆動ステージ71を上昇させる。これにより、半導体ウェハ10における半導体チップ11aの不図示の電極パッドに、プローブ針253が接触し、半導体チップ11aの電極パッドの表面に形成されている酸化膜は、矢印C3に示す方向に先端部が動くプローブ針253により削り取られる。
【0072】
ここで、矢印C3に示す方向(Y軸方向の正の方向)は、直前においてプローブ針251により、電極パッドにおける表面の酸化膜が除去された方向、即ち、X軸方向の負の方向(矢印C1に示す方向)と直交する方向である。よって、半導体チップ11aにおける電極パッドの表面において、プローブ針253の先端部が動くことにより、電極パッドの表面に形成されている酸化膜が除去され金属部分を露出させることができる。このようにして、半導体チップ11aの電極パッドの金属部分を露出させることにより、露出している金属部分において半導体チップ11aの電極パッドとプローブ針253とを電気的に接触させることができる。この後、半導体チップ11aにおける電気的な測定を行なった後、ウェハ駆動ステージ71を降下させることにより、半導体チップ11aの電極パッドからプローブ針253を離す。
【0073】
次に、ステップ306(S306)に示すように、第3の測定を行なう。第3の測定では、図35に示すように、半導体チップ11aの電極パッドに、第2のプローブユニット262におけるプローブ針252が接触するように、第2のプローブユニット262をプローブカード220に接続する。プローブ針252は、半導体チップ11aの電極パッドに接触した際に、先端部が矢印C2に示す方向(X軸方向の正の方向)に動くものである。この状態で、ウェハ駆動ステージ71を上昇させる。これにより、半導体ウェハ10における半導体チップ11aの不図示の電極パッドに、プローブ針252が接触し、半導体チップ11aの電極パッドの表面に形成されている酸化膜は、矢印C2に示す方向に先端部が動くプローブ針252により削り取られる。
【0074】
ここで、矢印C2に示す方向(X軸方向の正の方向)は、直前においてプローブ針253により、電極パッドにおける表面の酸化膜が除去された方向、即ち、Y軸方向の正の方向(矢印C3に示す方向)と直交する方向である。また、プローブ針251により、電極パッドにおける表面の酸化膜が除去された方向、即ち、X軸方向の負の方向(矢印C1に示す方向)と反対方向である。よって、半導体チップ11aにおける電極パッドの表面において、プローブ針252の先端部が動くことにより、電極パッドの表面に形成されている酸化膜が除去され金属部分を露出させることができる。このようにして、半導体チップ11aの電極パッドの金属部分を露出させることにより、露出している金属部分において半導体チップ11aの電極パッドとプローブ針252とを電気的に接触させることができる。この後、半導体チップ11aにおける電気的な測定を行なった後、ウェハ駆動ステージ71を降下させることにより、半導体チップ11aの電極パッドからプローブ針252を離す。
【0075】
次に、ステップ308(S308)に示すように、第4の測定を行なう。第4の測定では、図36に示すように、半導体チップ11aの電極パッドに、第4のプローブユニット264におけるプローブ針254が接触するように、第4のプローブユニット264をプローブカード220に接続する。プローブ針254は、半導体チップ11aの電極パッドに接触した際に、先端部が矢印C4に示す方向(Y軸方向の負の方向)に動くものである。この状態で、ウェハ駆動ステージ71を上昇させる。これにより、半導体ウェハ10における半導体チップ11aの不図示の電極パッドに、プローブ針254が接触し、半導体チップ11aの電極パッドの表面に形成されている酸化膜は、矢印C4に示す方向に先端部が動くプローブ針254により削り取られる。
【0076】
ここで、矢印C4に示す方向(Y軸方向の負の方向)は、直前においてプローブ針252により、電極パッドにおける表面の酸化膜が除去された方向、即ち、X軸方向の正の方向(矢印C2に示す方向)と直交する方向である。また、プローブ針253により、電極パッドにおける表面の酸化膜が除去された方向、即ち、Y軸方向の正の方向(矢印C3に示す方向)と反対方向である。更に、プローブ針251により、電極パッドにおける表面の酸化膜が除去された方向、即ち、X軸方向の負の方向(矢印C1に示す方向)と直交する方向である。よって、半導体チップ11aにおける電極パッドの表面において、プローブ針254の先端部が動くことにより、電極パッドの表面に形成されている酸化膜が除去され金属部分を露出させることができる。このようにして、半導体チップ11aの電極パッドの金属部分を露出させることにより、露出している金属部分において半導体チップ11aの電極パッドとプローブ針254とを電気的に接触させることができる。この後、半導体チップ11aにおける電気的な測定を行なった後、ウェハ駆動ステージ71を降下させることにより、半導体チップ11aの電極パッドからプローブ針254を離す。
【0077】
以上により、高集積化された半導体チップ等の半導体素子が形成されている半導体ウェハにおいて、電気的な測定を複数回行なう場合であっても、半導体チップにおける電極パッドとプローブ針との電気的接続を確実にすることができる。よって、低コストで正確な測定を行なうことができる。
【0078】
また、本実施の形態は、半導体チップがダイシング等により切断される前の半導体ウェハの状態における測定について説明したが、ダイシング等により切断された後の半導体チップにおいても同様に行なうことができる。更に、本実施の形態においては、プローブ針の先端部の動く方向が、直交等する異なる4方向の場合について説明したが、直交等する方向でなくとも異なる方向であれば適用可能であり、5種類以上、3種類以下の複数のプローブユニットを用いたものであってもよい。
【0079】
また、本実施の形態において、プローブカードは、半導体ウェハに形成されている半導体チップの1または2以上について測定を行なうものであってもよく、更には、全ての半導体チップについて測定を行なうものであってもよい。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0080】
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
【0081】
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
半導体素子に形成された電極パッドにプローブを接触させて、前記半導体素子における電気的特性を測定する半導体素子の測定方法において、
前記電極パッドに接触させた際に、先端部が前記電極パッドに対して第1の方向に動く第1のプローブを前記電極パッドに接触させ測定を行なう第1の測定工程と、
前記第1の測定工程の後、前記電極パッドに接触させた際に、先端部が前記電極パッドに対して第2の方向に動く第2のプローブを前記電極パッドに接触させる第2の測定工程と、
を有し、前記第1の方向と前記第2の方向とは異なる方向であることを特徴とする半導体素子の測定方法。
(付記2)
前記第1のプローブ及び前記第2のプローブは、プローブカードに設置されており、
前記第1の工程においては、前記第1のプローブを前記電極パッドに接触させ、
前記第2の工程においては、前記第2のプローブを前記電極パッドに接触させることを特徴とする付記1に記載の半導体素子の測定方法。
(付記3)
第1のプローブが設置されている第1のプローブカードと、
第2のプローブが設置されている第2のプローブカードと、を有しており、
前記第1の工程においては、前記第1のプローブカードにおける前記第1のプローブを前記電極パッドに接触させ、
前記第2の工程においては、前記第2のプローブカードにおける前記第2のプローブを前記電極パッドに接触させることを特徴とする付記1に記載の半導体素子の測定方法。
(付記4)
前記第1のプローブ及び前記第2のプローブは、プローブカードに接続または取り外しをすることができるものであって、
前記第1の工程においては、前記プローブカードに前記第1のプローブを接続して、前記電極パッドに接触させ、
前記第2の工程においては、前記プローブカードに前記第2のプローブを接続して、前記電極パッドに接触させることを特徴とする付記1に記載の半導体素子の測定方法。
(付記5)
半導体素子に形成された電極パッドにプローブを接触させて、前記半導体素子における電気的特性を測定する半導体素子の測定方法において、
前記プローブは、プローブカードに設置されており、前記電極パッドに接触させた際に、前記プローブの先端部が一方の方向に動くものであって、
前記電極パッドに接触させることにより、前記プローブの先端部を前記電極パッドに対して第1の方向に動かして測定を行なう第1の測定工程と、
前記第1の測定工程の後、前記プローブカードを所定の角度回転させる回転工程と、
前記回転工程の後、前記電極パッドに接触させることにより、前記プローブの先端部を前記電極パッドに対して第2の方向に動かして測定を行なう第2の測定工程と、
を有し、前記第1の方向と前記第2の方向とは異なる方向であることを特徴とする半導体素子の測定方法。
(付記6)
前記第1の方向と前記第2の方向とは、略直交する方向であることを特徴とする付記1から5のいずれかに記載の半導体素子の測定方法。
(付記7)
前記第2の測定工程の後、前記電極パッドに接触させた際に、先端部が第3の方向に動く第3のプローブを前記電極パッドに接触させる第3の測定工程を有し、
第3の方向は、前記第1の方向及び前記第2の方向とは異なる方向であることを特徴とする付記1から4のいずれかに記載の半導体素子の測定方法。
(付記8)
前記第3の測定工程の後、前記電極パッドに接触させた際に、先端部が第4の方向に動く第4のプローブを前記電極パッドに接触させる第4の測定工程を有し、
第4の方向は、前記第1の方向、前記第2の方向及び第3の方向とは異なる方向であることを特徴とする付記7に記載の半導体素子の測定方法。
(付記9)
前記第2の測定工程の後、前記プローブカードを回転させ、前記電極パッドに接触させることにより、前記プローブの先端部を前記電極パッドに対して第3の方向に動かして測定を行なう第3の測定工程を有し、
第3の方向は、前記第1の方向及び前記第2の方向とは異なる方向であることを特徴とする付記5に記載の半導体素子の測定方法。
(付記10)
前記第3の測定工程の後、前記プローブカードを回転させ、前記電極パッドに接触させることにより、前記プローブの先端部を前記電極パッドに対して第4の方向に動かして測定を行なう第4の測定工程を有し、
第4の方向は、前記第1の方向、前記第2の方向及び第3の方向とは異なる方向であることを特徴とする付記9に記載の半導体素子の測定方法。
(付記11)
前記第1の方向、前記第2の方向及び前記第3の方向は、相互に略直交する方向または略反対方向であることを特徴とする付記7または9に記載の半導体素子の測定方法。
(付記12)
前記第1の方向、前記第2の方向、前記第3の方向及び前記第4の方向は、相互に略直交する方向または略反対方向であることを特徴とする付記8または10に記載の半導体素子の測定方法。
(付記13)
前記半導体素子は、半導体ウェハに形成されている切断される前の半導体チップであることを特徴とする付記1から12のいずれかに記載の半導体装置の測定方法。
(付記14)
半導体素子に形成された電極パッドにプローブを接触させて、前記半導体素子における電気的特性を測定するプローブカードであって、
前記電極パッドに接触させた際に、先端部が前記電極パッドに対して第1の方向に動く第1のプローブと、
前記電極パッドに接触させた際に、先端部が前記電極パッドに対して第2の方向に動く第2のプローブと、
を有し、前記第1の方向と前記第2の方向とは異なる方向であることを特徴とするプローブカード。
(付記15)
前記プローブカードは、第1のプローブユニット及び第2のプローブユニットを有しており、
前記第1のプローブは、前記第1のプローブユニットに形成されており、
前記第2のプローブは、前記第2のプローブユニットに形成されていることを特徴とする付記14に記載のプローブカード。
(付記16)
前記第1のプローブユニット及び前記第2のプローブユニットは、前記プローブカードより取り外すことができるものであることを特徴とする付記15に記載のプローブカード。
(付記17)
前記第1の方向と前記第2の方向とは、略直交する方向であることを特徴とする付記14から16のいずれかに記載のプローブカード。
(付記18)
前記電極パッドに接触させた際に、先端部が前記電極パッドに対して第3の方向に動く第3のプローブと、
前記電極パッドに接触させた際に、先端部が前記電極パッドに対して第4の方向に動く第4のプローブと、
を有し、前記第1の方向、前記第2の方向、前記第3の方向及び第4の方向は、相互に異なる方向であることを特徴とする付記14に記載のプローブカード。
(付記19)
前記プローブカードは、第3のプローブユニット及び第4のプローブユニットを有しており、
前記第3のプローブは、前記第3のプローブユニットに形成されており、
前記第4のプローブは、前記第4のプローブユニットに形成されていることを特徴とする付記18に記載のプローブカード。
(付記20)
前記第1の方向、前記第2の方向、前記第3の方向及び前記第4の方向は、相互に略直交する方向または略反対方向であることを特徴とする付記18または19に記載のプローブカード。
【符号の説明】
【0082】
10 半導体ウェハ
11 半導体チップ
11a 半導体チップ
20 プローブカード
30 基板
31 テスタ接続パッド
40 プローブハウジング
51、52、53、54 プローブ針
51a、52a 一方の端部
51b、52b 先端部(他方の端部)
51c、52c 屈曲部
61、62、63、64 プローブユニット
70 プローバ装置
71 ウェハ駆動ステージ
72 テストヘッド
73 テスタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子に形成された電極パッドにプローブを接触させて、前記半導体素子における電気的特性を測定する半導体素子の測定方法において、
前記電極パッドに接触させた際に、先端部が前記電極パッドに対して第1の方向に動く第1のプローブを前記電極パッドに接触させ測定を行なう第1の測定工程と、
前記第1の測定工程の後、前記電極パッドに接触させた際に、先端部が前記電極パッドに対して第2の方向に動く第2のプローブを前記電極パッドに接触させる第2の測定工程と、
を有し、前記第1の方向と前記第2の方向とは異なる方向であることを特徴とする半導体素子の測定方法。
【請求項2】
前記第1のプローブ及び前記第2のプローブは、プローブカードに設置されており、
前記第1の工程においては、前記第1のプローブを前記電極パッドに接触させ、
前記第2の工程においては、前記第2のプローブを前記電極パッドに接触させることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の測定方法。
【請求項3】
第1のプローブが設置されている第1のプローブカードと、
第2のプローブが設置されている第2のプローブカードと、を有しており、
前記第1の工程においては、前記第1のプローブカードにおける前記第1のプローブを前記電極パッドに接触させ、
前記第2の工程においては、前記第2のプローブカードにおける前記第2のプローブを前記電極パッドに接触させることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の測定方法。
【請求項4】
前記第1のプローブ及び前記第2のプローブは、プローブカードに接続または取り外しをすることができるものであって、
前記第1の工程においては、前記プローブカードに前記第1のプローブを接続して、前記電極パッドに接触させ、
前記第2の工程においては、前記プローブカードに前記第2のプローブを接続して、前記電極パッドに接触させることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の測定方法。
【請求項5】
半導体素子に形成された電極パッドにプローブを接触させて、前記半導体素子における電気的特性を測定する半導体素子の測定方法において、
前記プローブは、プローブカードに設置されており、前記電極パッドに接触させた際に、前記プローブの先端部が一方の方向に動くものであって、
前記電極パッドに接触させることにより、前記プローブの先端部を前記電極パッドに対して第1の方向に動かして測定を行なう第1の測定工程と、
前記第1の測定工程の後、前記プローブカードを所定の角度回転させる回転工程と、
前記回転工程の後、前記電極パッドに接触させることにより、前記プローブの先端部を前記電極パッドに対して第2の方向に動かして測定を行なう第2の測定工程と、
を有し、前記第1の方向と前記第2の方向とは異なる方向であることを特徴とする半導体素子の測定方法。
【請求項6】
半導体素子に形成された電極パッドにプローブを接触させて、前記半導体素子における電気的特性を測定するプローブカードであって、
前記電極パッドに接触させた際に、先端部が前記電極パッドに対して第1の方向に動く第1のプローブと、
前記電極パッドに接触させた際に、先端部が前記電極パッドに対して第2の方向に動く第2のプローブと、
を有し、前記第1の方向と前記第2の方向とは異なる方向であることを特徴とするプローブカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2013−105920(P2013−105920A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249170(P2011−249170)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】