説明

半導体装置、半導体装置の再生方法、および半導体装置の製造方法

【課題】回路基板から半導体パッケージを取り外した後、半導体パッケージの再取り付けが容易である半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、回路基板と、半導体パッケージと、回路基板と前記半導体パッケージとを電気的に接続するはんだ接合部と、回路基板と半導体パッケージとの間に配置され、はんだ接合部が通る穴を有し、穴は、穴の最も狭い部分に対し半導体パッケージ側に配置された部分のはんだ接合部よりも細く形成されている板状部材とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、半導体装置の再生方法、および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、サーバ・パソコンなどは高速・高性能化に向けて著しい発展を遂げている。コンピュータの心臓部でもあるCPU部品もその性能アップを図るため、LSIチップの大型化が進んでおり、大型のLSIのベアチップを搭載する半導体パッケージも大型化している。半導体パッケージを回路基板(システムボード)に実装するため、予め電極上にはんだによるボール電極を形成したボールグリッドアレイ(BGA)を用いて接合する技術が用いられている。
【0003】
回路基板に実装した半導体パッケージが何らかの理由で故障した場合、故障した半導体パッケージを交換することとなる。回路基板から電子部品を取り外す種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−64926号公報
【特許文献2】特開2004−111658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一目的は、回路基板から半導体パッケージを取り外した後、半導体パッケージの再取り付けが容易である半導体装置を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、半導体パッケージの再取り付けが容易な、半導体装置の再生方法、半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、回路基板と、半導体パッケージと、前記回路基板と前記半導体パッケージとを電気的に接続するはんだ接合部と、前記回路基板と前記半導体パッケージとの間に配置され、前記はんだ接合部が通る穴を有し、前記穴は、前記穴の最も狭い部分に対し前記半導体パッケージ側に配置された部分の前記はんだ接合部よりも細く形成されている板状部材とを有する半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
半導体パッケージとともに板状部材を取り外すことにより、回路基板上に残るはんだ量を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、第1実施例による半導体パッケージを示す概略平面図である。
【図2】図2A〜図2Eは、第1実施例による半導体パッケージの取り付け方法の主要工程を示す半導体装置の模式的な斜視図であり、図2Fは、図2Eに対応する半導体装置の模式的な断面図である。
【図3】図3A〜図3Dは、第1実施例による半導体パッケージの取り外し方法の主要工程を示す半導体装置の模式的な断面図である。
【図4】図4は、スペーサの配置例を示す模式的な平面図である。
【図5】図5A〜図5Cは、第1実施例によるはんだ分離工程を示す模式的な断面図である。
【図6】図6A〜図6Cは、第1実施例による半導体パッケージの再取り付け方法の主要工程を示す半導体装置の模式的な断面図である。
【図7】図7Aおよび図7Bは、第1実施例の第1変形例による半導体パッケージの取り外し方法の主要工程を示す半導体装置の模式的な断面図である。
【図8】図8Aおよび図8Bは、第1実施例の第2変形例による半導体パッケージの取り外し方法の主要工程を示す半導体装置の模式的な断面図である。
【図9】図9は、第2実施例による半導体装置を示す模式的な断面図である。
【図10】図10A〜図10Hは、第2実施例の除去板を形成するための穴形成方法例を示す概略断面図である。
【図11】図11A〜図11Dは、第3実施例による半導体パッケージの取り付け方法の主要工程を示す半導体装置の模式的な断面図である。
【図12】図12Aおよび図12Bは、第4実施例による半導体パッケージの取り付け方法の主要工程を示す半導体装置の模式的な断面図である。
【図13】図13は、第5実施例による半導体装置を示す模式的な断面図である。
【図14】図14A〜図14Hは、第5実施例の除去板を形成するための穴形成方法例を示す概略断面図である。
【図15】図15Aおよび図15Bは、第6実施例による半導体パッケージの取り付け方法の主要工程を示す半導体装置の模式的な断面図である。
【図16】図16Aおよび図16Bは、比較例による半導体パッケージの取り付け方法の主要工程を示す半導体装置の概略断面図である。
【図17】図17A〜図17Fは、比較例による半導体パッケージの取り外し方法の主要工程を示す半導体装置の概略断面図である。
【図18】図18A〜図18Dは、比較例による半導体パッケージの再取り付け方法の主要工程を示す半導体装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施例による半導体装置の製造方法および再生方法について説明する前に、比較例による半導体装置の製造方法および再生方法について説明する。図16A、図16B、図17A〜図17F、図18A〜図18Dは、比較例による半導体装置の模式的な断面図である。
【0011】
まず、比較例による半導体パッケージの実装方法について説明する。
【0012】
図16Aを参照する。回路基板101の電極102上に、はんだペースト103が印刷されている。半導体パッケージ104の電極105上にはんだバンプが形成されて、ボール電極106が形成されている。半導体パッケージ104は、インターポーザ108に接続された半導体チップ109を含む。電極102とボール電極106とを位置合わせして、回路基板101と半導体パッケージ104とを対向配置する。
【0013】
図16Bを参照する。ボール電極106およびはんだペースト103を加熱、溶融させて、回路基板101と半導体パッケージ104とを電気的に接続するはんだ接合部107を形成する。このようにして、回路基板101に半導体パッケージ104が接合される。回路基板101には、図示の半導体パッケージ104の他に、他の半導体パッケージも接合される。
【0014】
半導体パッケージは、電子部品である以上、実装時の熱履歴や運搬中の振動、稼動中のマイグレーション等に起因して、故障する可能性がある。半導体パッケージが故障した際、回路基板そのものを交換してしまえば済むものの、通常の回路基板には高価な半導体パッケージが複数搭載されているケースが多く、回路基板全体を交換するのは現実的でない。そこで、故障した半導体パッケージのみを交換する技術が望まれる。
【0015】
次に、比較例による半導体パッケージの取り外し方法について説明する。
【0016】
図17Aを参照する。図17Aは、半導体パッケージ104が何らかの理由で故障し、交換が必要となっている状態を示す。
【0017】
図17Bを参照する。故障した半導体パッケージ104に、真空チャック機構付きのヒーターブロック121を密着させ、はんだ接合部107を加熱、溶融させる。そして、ヒーターブロック121を引き上げることにより、回路基板101から、故障した半導体パッケージ104を取り外す。なお、例えば熱風によりはんだ接合部107を加熱、溶融させることもできる。
【0018】
図17Cを参照する。図17Cは、半導体パッケージ104の取り外しにより、回路基板101側と半導体パッケージ104側とに分離されたはんだ部分107a、107bを示す。各電極のはんだ接合部107が任意の場所で分離するため、はんだ部分107a、107bの体積は、電極ごとにばらつく。
【0019】
図17Dを参照する。ヒーターブロック121に取り付けられたウィック122を、回路基板101上に配置する。
【0020】
図17Eを参照する。回路基板101上に残されたはんだ部分107aを加熱、溶融し、ウィック122に吸着させて除去する。
【0021】
図17Fを参照する。はんだ除去により、回路基板101の各電極102上に残存するはんだ量は、均一化されている。その後、回路基板101上に、新たな半導体パッケージ104が実装される。
【0022】
図17Cに示したような、回路基板101の各電極102におけるはんだ量がばらついた状態のまま、再び半導体パッケージが接続されると、はんだ接合部ごとのはんだ量がばらつく。これに起因して、例えば、隣接するはんだ接合部が一体化しブリッジ(ショート不良)を起こしたり、金属疲労が生じやすくなったりする。
【0023】
比較例による半導体パッケージ取り外し方法では、例えばウィックによるはんだ除去により、回路基板の各電極上におけるはんだ量均一化が図られる。これにより、はんだ量ばらつきに起因する不具合は抑制される。しかし、はんだ除去に伴う加熱に起因して、回路基板や、交換する半導体パッケージ周辺に配置された他の半導体パッケージ等もある程度加熱されることになり、部品そのものが損傷を受けたり、はんだ接合部が余計な拡散を起こして剥離したりする悪影響が懸念される。
【0024】
次に、比較例による半導体パッケージの再取り付け方法について説明する。
【0025】
図18Aを参照する。回路基板101上に、電極102上に開口を有するメタルマスク131を配置する。はんだペースト103をスキージ132でメタルマスク131の開口中に充填することにより、はんだペースト103を印刷する。
【0026】
図18Bを参照する。図18Bは、電極102上にはんだペースト103が印刷された状態を示す。
【0027】
図18Cを参照する。回路基板101と、ボール電極106が形成された新たな半導体パッケージ104とを位置合わせする。
【0028】
図18Dを参照する。ボール電極106およびはんだペースト103を加熱、溶融させ、はんだ接合部107を形成して、回路基板101に半導体パッケージ104を接合する。以上のようにして、比較例の方法による半導体パッケージ104の交換が行われる。
【0029】
次に、第1実施例による半導体装置の製造方法および再生方法について説明する。まず、本実施例に用いる半導体パッケージと回路基板とについて説明する。
【0030】
図1は、本実施例による半導体パッケージのインターポーザの電極パターンを示す概略平面図である。半導体パッケージ4に、電極5が行列状に形成されている。半導体パッケージ4は、例えば、寸法が42mm□で、ガラスセラミック系材料で形成されている。電極5は、例えば、各電極5の寸法がφ0.6mmで、40行×40列に1600個、1mmピッチで配置されており、NiとAuメッキの施されたCu電極である。電極5上に、φ0.6mmのSn−3Ag−0.5Cu(SAC)はんだのボールを載せて加熱することで、ボール電極を形成する。
【0031】
回路基板は、例えば、寸法が110mm□、厚さが4mmで、ガラスエポキシで形成されており、中央部に、半導体パッケージと同様のパターンで電極が形成されている。回路基板の電極材料は、例えばCuである。
【0032】
次に、第1実施例による半導体パッケージの取り付け方法について説明する。図2A〜図2Eは、第1実施例による半導体パッケージの取り付け方法の主要工程を示す半導体装置の模式的な斜視図である。図2Fは、図2Eに対応する半導体装置の模式的な断面図である。
【0033】
図2Aを参照する。回路基板1を準備する。
【0034】
図2Bを参照する、回路基板1の電極2上に、SACのはんだペースト3を印刷する。
【0035】
図2Cを参照する。回路基板1上に、絶縁性の除去板11を載せる。除去板11は、半導体パッケージ4の電極パターンと同様なパターンで配列された穴12を有する。複数の穴12は、等しい径に形成されている。第1実施例の除去板11は、厚さ方向について穴12の径が一定である。穴12を回路基板1の電極2と位置合わせして、除去板11を回路基板1上に配置する。第1実施例では、各穴12の径が、回路基板1の各電極2の径とほぼ等しく、電極2が穴12内に入り込むようにして、除去板11が配置される。
【0036】
除去板11は、例えば、寸法が50mm□、厚さが0.1mmで、コバール製である。ただし、コバールはそのままでは導電性のため、例えば、フッ素系樹脂のコーティング剤を用いて表面に厚さ10μm程度の絶縁膜を形成している。なお、除去板11の材料としては、(表面に絶縁膜を形成した)金属に限らず、その他例えば、ガラス、セラミック、樹脂、または、これらの複合材等を用いることもできよう。
【0037】
除去板11は、温度変化に起因する穴12の大きさや形状の変化が小さいことや、剛性が大きいこと(たわみにくいこと)が望ましい。厚さなどにより、剛性などを調整することができる。
【0038】
図2Dを参照する。電極5上にはんだボール電極6の形成された半導体パッケージ4が、除去板11の載置された回路基板1上に位置合わせされる。
【0039】
図2Eおよび図2Fを参照する。ボール電極6およびはんだペースト3を加熱、溶融させ、はんだ接合部7を形成して、回路基板1に半導体パッケージ4を接合する。接合は、例えば、最高温度235℃の窒素雰囲気のリフロー炉で行われる。このようにして、第1実施例の半導体装置が形成され、製品として使用される。
【0040】
図2Fに示すように、本実施例のはんだ接合部7は、中央部が膨らんだ太鼓形状(樽形状)となっている。除去板11は、はんだ接合部7の中央部より回路基板1側に配置されており、穴12は、はんだ接合部7の中央部の最も太い部分よりも細い。
【0041】
なお、説明の煩雑さを避けるため、穴12に対し半導体パッケージ4側に配置された部分の、はんだ接合部7の最も太い部分が、穴12よりも太いことを、単に、穴12に対し半導体パッケージ4側に配置された部分のはんだ接合部7が穴12よりも太い、と表現することがある。
【0042】
このように、本実施例による半導体装置は、回路基板1と半導体パッケージ4との間に除去板11が配置されており、除去板11の穴12を、はんだ接合部7が通ることにより、半導体装置に除去板11が保持されている。
【0043】
なお、図2Fに示す例では、はんだ接合部7自体が除去板11を表から裏まで突き抜けている配置ではないが、回路基板1と半導体パッケージ4との電気的接合部としては、除去板11の穴12を貫通している。後述の第3実施例等とまとめた説明とするため、このような場合も含めて、「穴12をはんだ接合部7が通る」と捉えることとする。
【0044】
次に、第1実施例による半導体パッケージの取り外し方法について説明する。図3A〜図3Dは、第1実施例による半導体パッケージの取り外し方法の主要工程を示す半導体装置の模式的な断面図である。
【0045】
図3Aを参照する。図3Aは、使用中に半導体パッケージ4が何らかの理由で故障し、交換が必要となっている状態を示す。
【0046】
図3Bを参照する。除去板11を、例えば以下のようにして、半導体パッケージ4に結合する。回路基板1と半導体パッケージ4との対向面間の距離は、例えば約0.7mmである。除去板11の厚さは例えば0.1mmであり、除去板11と半導体パッケージ4との対向面間の距離は、例えば約0.6mmである。
【0047】
例えば、厚さ0.5mmの金属製スペーサ21を用意し、スペーサ21の上下に接着剤22を塗布する。接着層22の塗布の厚さは、例えば上下とも100μm程度である。接着材22が塗布されたスペーサ21を、除去板11と半導体パッケージ4との間に挿入して、例えば135℃で約5分、接着剤22が硬化するまで待つ。
【0048】
図4は、スペーサ21の配置例を示す模式的な平面図である。この例では、半導体パッケージ4の各辺の中央部に、計4個のスペーサ21が配置されている。
【0049】
図3Cを参照する。半導体パッケージ4に、真空チャック機構付きのヒーターブロック23を密着させ、はんだ接合部7を加熱、溶融させる。例えばSACはんだによるはんだ接合部7の溶融温度は、220℃である。そして、ヒーターブロック23を引き上げることにより、回路基板1から半導体パッケージ4を取り外す。半導体パッケージ4とともに、結合された除去板11も取り外される。
【0050】
なお、本実施例では、半導体パッケージを取り外す際の加熱方式を、ヒーターブロックを半導体パッケージに密着させて、はんだ接合部を加熱する方法としているが、はんだ接合部が溶融する温度まで加熱できれば、その方法は問わない。
【0051】
なお、スペーサ21の配置は、図4に示したような半導体パッケージ4の辺の中央に限られず、例えば角部でもよい。また、配置箇所は、4箇所に限られず、半導体パッケージ4の全周に亘って配置することもできる。向かい合う2箇所以上であれば、半導体パッケージ4と除去板11との一体的な引き上げが容易である。
【0052】
半導体パッケージ4と除去板11とを接着する接着剤22は、はんだ接合部7の加熱、溶融時の高温下で接着力が保持されるものであれば、種類等は問わない。例えば、エポキシ系、ポリイミド系、アクリル系、セラミック系等の接着剤を用いることができる。
【0053】
図3Dを参照する。はんだ接合部7のはんだは、除去板11の取り外しにより、除去板11を挟んで回路基板側部分7aと半導体パッケージ側部分7bとに分離される。
【0054】
除去板取り外しによるはんだ接合部分離の仕組みについて、さらに説明する。図5A〜図5Cは、第1実施例の半導体装置の模式的な断面図である。
【0055】
図5Aを参照する。図5Aは、はんだ接合部7が溶融され、半導体パッケージ4および除去板11の引き上げが開始された時点を示す。はんだ接合部7の全体に、丸くなろうとするように表面張力が働いている。表面張力を矢印で示す。除去板11と半導体パッケージ4との結合態様は、後に変形例を示すように、上述の態様(スペーサ21および接着剤22によるもの)に限らない。半導体パッケージ4と除去板11との結合部分を、図5Aでは結合部CNと示す。
【0056】
図5Bを参照する。図5Bは、引き上げがやや進んだ状態を示す。はんだ接合部7の除去板11より上側部分は、除去板11の穴12より太くなっているので穴12を通り抜けにくく、除去板11の引き上げにより、回路基板1の電極2の近傍で、はんだ接合部7にくびれが生じる。くびれの下側(回路基板側)部分と、上側(半導体パッケージ側)部分の双方に、丸くなろうとする表面張力が働く。
【0057】
図5Cを参照する。図5Cは、引き上げがさらに進み、はんだ接合部7が分離された状態を示す。はんだ接合部7は、除去板11を挟んで、回路基板1上に残った部分7aと、半導体パッケージ4上に残った部分7bとに分離される。回路基板1側に残されるはんだ部分7aの量は、はんだの表面張力や穴12の大きさ等で調整することができる。図5Cに示す例では、大部分のはんだが半導体パッケージ4側に分離され、はんだ部分7bが、大きさの揃ったボール電極形状になっている。
【0058】
なお、「除去板11を挟んで分離」とは、除去板11に対し厳密に回路基板1側、半導体パッケージ4側に分離されるという意味ではなく、穴12を有する除去板11の作用によって、はんだ接合部7が除去板11に対しおおよそ回路基板1側と半導体パッケージ4側とに分離されるという意味である。
【0059】
このように、除去板11の穴12が、穴12に対し半導体パッケージ4側に配置された部分のはんだ接合部7よりも細く形成されていることにより、回路基板1側に残されるはんだ7aの量を制御して、はんだ接合部7を回路基板側部分7aと半導体パッケージ側部分7bとに分離することができる。これにより、比較例と比べて、回路基板1上に残されるはんだ7aの量を均一化することができる。
【0060】
従って、後の半導体パッケージ再取り付けに先立ち、比較例で説明したような、回路基板上のはんだ量をウィック等で均一化する工程を省くことができる。つまり、回路基板上のはんだ量の均一化工程(余分なはんだを除去する工程)における加熱を省くことができる。
【0061】
次に、第1実施例による半導体パッケージの再取り付け方法について説明する。図6A〜図6Cは、第1実施例による半導体パッケージの再取り付け方法の主要工程を示す半導体装置の模式的な断面図である。
【0062】
図6Aを参照する。回路基板1に、新たな除去板11を載置する。なお、取り外した除去板11を再生して、再び用いることもできる。
【0063】
図6Bを参照する。回路基板1上に残されたはんだ7aの表面に、はんだ接合を促進するためのフラックス8を塗布する。なお、フラックス8の塗布後に除去板11を載置する手順としてもよい。次に、はんだボール電極6の形成された新たな(つまり、取り外された半導体パッケージ4と同品種で故障していない)半導体パッケージ4を位置合わせして載せる。
【0064】
図6Cを参照する。ヒーターブロック23で半導体パッケージ4を加熱することにより、ボール電極6およびはんだ7aを溶融させて、はんだ接合部7を形成する。このようにして、半導体パッケージの再取り付けが行われる。
【0065】
本実施例では、故障した半導体パッケージ4の取り外しにおいて、回路基板1の電極2上に、適当な量のはんだ7aを残しておくことができる。これにより、半導体パッケージ4の再取り付けにおいて、電極2上にはんだペーストを追加する工程を省くことができる。
【0066】
半導体パッケージ4の故障が再び発生したら、再び、半導体パッケージ4とともに除去板11を取り外すことにより、はんだ接合部7を分離することができる。
【0067】
次に、第1実施例による半導体パッケージ取り外し方法の変形例について説明する。図7A、図7Bおよび図8A、図8Bは、それぞれ、第1変形例および第2変形例による半導体パッケージの取り外し方法の主要工程を示す、半導体装置の模式的な断面図である。
【0068】
まず、第1変形例について説明する。使用中に半導体パッケージ4が何らかの理由で故障し、交換が必要となる(図3A参照)。
【0069】
図7Aを参照する。第1変形例は、第1実施例と、除去板11と半導体パッケージ4との結合方法が異なる。第1変形例では、除去板11と半導体パッケージ4を、接着剤24のみで(他のスペーサ部材を用いずに)結合する。接着剤24は、第1実施例と同様に、はんだ溶融時の高温下で接着力の保持されるものであれば、種類は問わない。ただし、接着剤24自体をスペーサ的に用いるので、粘度の高い接着剤を用いることが好ましい。例えば、エポキシ系接着剤を用いる。接着剤24の配置態様は、第1実施例のスペーサ21の配置態様と同様に、例えば図4に示したようなものとすることができ、また、これに限られない。
【0070】
その後、第1実施例と同様に、半導体パッケージ4に取り付けたヒーターブロック23により、はんだ接合部7を加熱、溶融させ、ヒーターブロック23を引き上げることにより、回路基板1から半導体パッケージ4と除去板11とを一体的に取り外す。
【0071】
図7Bを参照する。除去板11の取り外しにより、第1実施例と同様に、はんだ接合部7は、除去板11を挟んで回路基板側部分7aと半導体パッケージ側部分7bとに分離される。
【0072】
次に、第2変形例について説明する。使用中に半導体パッケージ4が何らかの理由で故障し、交換が必要となる(図3A参照)。
【0073】
図8Aを参照する。第2変形例では、除去板11と半導体パッケージ4を、コの字型のクリップ25で結合する。クリップ25は、除去板11の下面と半導体パッケージ4の上面とを挟み込む。クリップ25は、例えば厚さ0.1mmの薄板で形成される。除去板11は、例えば厚さ0.1mmの薄板であり、また、回路基板1の面上に固定されてもおらず、ピンセットなどで持ち上げることで隙間を作り、クリップ25を取り付けることができる。
【0074】
クリップ25の配置態様は、第1実施例のスペーサ21の配置態様と同様に、例えば図4に示したようなものとすることができ、また、これに限られない。なお、必要に応じて、クリップ25で固定を行った箇所の半導体パッケージ4と除去板11の間に、間隔を保持するためのスペーサを入れることも可能である。
【0075】
その後、第1実施例と同様に、半導体パッケージ4に取り付けたヒーターブロック23ではんだ接合部7を加熱、溶融させ、ヒーターブロック23を引き上げることにより、回路基板1から半導体パッケージ4と除去板11とを一体的に取り外す。
【0076】
図8Bを参照する。除去板11の取り外しにより、第1実施例と同様に、はんだ接合部7は、除去板11を挟んで回路基板側部分7aと半導体パッケージ側部分7bとに分離される。
【0077】
次に、第2実施例による半導体装置について説明する。第2実施例は、第1実施例と除去板の形状が異なる。
【0078】
図9は、第2実施例による半導体装置を示す模式的な断面図である。特にはんだ接合部7の近傍を示す。回路基板1と半導体パッケージ4とが、太鼓形状のはんだ接合部7を介して接合されている。
【0079】
第1実施例の除去板11は、厚さ方向で穴12の径が一定であった。第2実施例の除去板11は、穴12の径が、回路基板1側から半導体パッケージ4側に向かって拡がるような片側テーパを有し、第1実施例の除去板11より厚く(例えば厚さ0.3mmに)形成されている。
【0080】
穴12のテーパは、はんだ接合部7の形状に沿う形になっている。これにより、除去板11がはんだ接合部7に触れはんだ接合部7が傷つくことを抑制して、除去板11を厚くしやすい。除去板11が厚くなることにより、除去板11の剛性が増し、たわみが小さくなるので、半導体パッケージ4と除去板11との間隔の均一性を向上させることができる。これにより、除去板11の取り外しにより回路基板1に残るはんだ量の、電極2ごとのばらつき低下が図られる。
【0081】
図9に示す例では、はんだ接合部7の最も太い部分(中央部)に対し、穴12の、半導体パッケージ4側の開口12bは広く、回路基板1側の開口12aは狭い。除去板11を取り外すとき、狭い開口12a近傍部分が、はんだ接合部7を半導体パッケージ4側に掻き取るようにして、はんだ接合部7が分離される。
【0082】
除去板11の穴12がテーパ形状を有し、穴12の太さが厚さ方向に変化するときも含めると、除去板11の働きは以下のように言い直すことができる。穴12の最も狭い部分に対し半導体パッケージ4側に配置された部分のはんだ接合部7よりも、穴12(の最も狭い部分)が細く形成されていることにより、除去板11によりはんだ接合部7を分離することができる。
【0083】
図10A〜図10Hは、第2実施例の除去板11を形成するための穴形成方法例を示す概略断面図である。図10A〜図10Dは第1の方法を示し、図10E〜図10Hは第2の方法を示す。
【0084】
図10Aを参照する。第1の穴形成方法は、まず、金属板(例えばコバール板)31を用意する。板31の、穴12の広い開口側の面上(回路基板上への載置時に半導体パッケージ側となる面上)に、穴12の開口部を露出するレジストパターン32を形成する。
【0085】
図10Bを参照する。レジストパターン32をマスクとし、エッチング液33(例えば塩化第二鉄を主成分とするエッチング液)を用いて、レジスト形成された片面側から板31をエッチングする。
【0086】
図10Cを参照する。穴中央部付近は、レジストマスク32の影響が比較的小さくエッチング液33が供給されやすいためエッチング速度が速く、これに対し穴外周部は、レジストマスク32の影響が比較的大きくエッチング液33が供給されにくいためエッチング速度が遅くなる。
【0087】
図10Dを参照する。上述のようなエッチングにより、片側テーパを有する穴12が形成される。その後、レジストパターン32が除去される。
【0088】
図10Eを参照する。第2の穴形成方法は、まず、金属板(例えばコバール板)31を用意する。
【0089】
図10F〜図10Hを参照する。ドリル34により、板31に一方の表面側から穴を開け、ドリル34の先端部分に沿った片側テーパ形状の穴12を形成することができる。穴12の形状は、ドリル34の先端形状により調整できる。
【0090】
第1の方法または第2の方法で得られた、穴12の形成された板31は、さらに、表面が絶縁処理される。例えば、強制的に酸化膜を形成する方法や、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂などをディップコーティングする方法などにより、絶縁膜を形成することができる。このようにして、除去板11が形成される。
【0091】
次に、第3実施例による半導体装置について説明する。第3実施例は、第1実施例と除去板の穴径が異なり、これに伴いはんだ接合部の形状も異なる。
【0092】
第3実施例による半導体パッケージの取り付け方法について説明する。図11A〜図11Dは、第3実施例による半導体パッケージの取り付け方法の主要工程を示す半導体装置の模式的な断面図である。
【0093】
図11Aを参照する。回路基板1上に、電極2上に開口を有するメタルマスク41を配置する。はんだペースト3をスキージ42でメタルマスク41の開口中に充填することにより、はんだペースト3を印刷する。
【0094】
図11Bを参照する。図11Bは、電極2上にはんだペースト3が印刷された状態を示す。
【0095】
図11Cを参照する。回路基板1上に、電極2と穴12とを位置合わせして、除去板11を載せる。第3実施例の除去板11は、穴12の径が、電極2の径よりも細い。例えば、電極2の径0.6mmに対し、穴12の径は0.4mmである。従って、第3実施例では、電極2の上方に除去板11が配置される。除去板11の載置された回路基板1上に、はんだボール電極6の形成された半導体パッケージ4が位置合わせされる。
【0096】
図11Dを参照する。ボール電極6およびはんだペースト3を加熱、溶融させ、はんだ接合部7を形成して、回路基板1に半導体パッケージ4を接合する。第3実施例のはんだ接合部7は、回路基板1の電極2上部分から太さが絞られて除去板11の穴12を通り、穴12より半導体パッケージ4側部分で再び拡がり、半導体パッケージ4側部分では、中間の高さが最も太い太鼓形状となっている。第3実施例においても、除去板11の取り外しにより、はんだ接合部7を分離することができ、回路基板1側に残るはんだ部分7aの量を制御することができる。
【0097】
次に、第4実施例による半導体装置について説明する。第4実施例は、第3実施例と同様に、回路基板の電極径より除去板の穴径を細くしたものであるが、第3実施例とはんだ接合部形状が異なる。
【0098】
第4実施例による半導体パッケージの取り付け方法について説明する。図12Aおよび図12Bは、第4実施例による半導体パッケージの取り付け方法の主要工程を示す半導体装置の模式的な断面図である。
【0099】
まず、第3実施例と同様にして、回路基板1の電極2上にはんだペースト3を印刷する(図11Aおよび図11B参照)。
【0100】
図12Aを参照する。第3実施例と同様にして、穴12の径が電極2の径よりも細い除去板11が、回路基板1の電極2上方に載置される。例えば、電極2の径0.6mmに対し、穴12の径は0.4mmである。除去板11の載置された回路基板1上に、はんだボール電極6の形成された半導体パッケージ4が位置合わせされる。第4実施例では、回路基板1と半導体パッケージ4との間に、例えば高さ0.6mmのスペーサ51を挟む。
【0101】
図12Bを参照する。ボール電極6およびはんだペースト3を加熱、溶融させ、はんだ接合部7を形成して、回路基板1に半導体パッケージ4を接合する。第4実施例では、スペーサ51により、はんだ接合部7形成時における半導体パッケージ4の自重による沈み込みを抑制して、中央部が絞られた小鼓形状(糸巻形状)のはんだ接合部7を形成している。なお、小鼓形状のはんだ接合部7は、回路基板1と半導体パッケージ4との熱膨張差により発生する応力を緩和することができる。
【0102】
除去板11は、はんだ接合部7の中央部のくびれた部分で保持される。第4実施例においても、除去板11の取り外しにより、はんだ接合部7を分離することができ、回路基板1側に残るはんだ部分7aの量を制御することができる。
【0103】
次に、第5実施例による半導体装置について説明する。第2実施例では、片側テーパを施した穴を有する除去板を用いたが、第5実施例では、両側テーパを施した穴を有する除去板を用いる。
【0104】
図13は、第5実施例による半導体装置を示す模式的な断面図である。特にはんだ接合部7の近傍を示す。除去板11は、穴12が厚さ方向中央部で最も細く、穴径が厚さ方向中央部から回路基板1側に向かって拡がるとともに、半導体パッケージ4側に向かって拡がる両側テーパが形成されている。除去板11の厚さは、例えば0.3mmである。穴12の厚さ方向中央の狭い部分が、太鼓形状のはんだ接合部7に入り込んだ配置となっている。
【0105】
穴12の厚さ方向中央の狭い部分が、はんだ接合部7に入り込む形状となっていることにより、除去板11の取り外し時に、はんだ接合部7の分離箇所が明確になり、回路基板1側に残るはんだ量をより均一にすることができる。
【0106】
図14A〜図14Hは、第5実施例の除去板11を形成するための穴形成方法例を示す概略断面図である。図14A〜図14Dは第1の方法を示し、図14E〜図14Hは第2の方法を示す。
【0107】
図14Aを参照する。第1の穴形成方法は、まず、金属板(例えばコバール板)61を用意する。板61の両面上に、穴12の開口部を露出するレジストパターン62を形成する。
【0108】
図14Bを参照する。レジストパターン62をマスクとし、エッチング液63(例えば塩化第二鉄を主成分とするエッチング液)を用いて、両面側から板61をエッチングする。
【0109】
図14Cを参照する。第2実施例の除去板11の形成工程と同様に、レジストマスク62の影響により、開口の中央部で深く、外周部で浅いエッチングが行われる。
【0110】
図14Dを参照する。エッチングで板61を貫通させることにより、両側テーパを有する穴12が形成される。その後、レジストパターン62が除去される。
【0111】
図14Eを参照する。第2の穴形成方法は、まず、金属板(例えばコバール板)61を用意する。
【0112】
図14F〜図14Hを参照する。ドリル64により、板61に一方の表面側から穴を開け、ドリル64の先端部分に沿った片側テーパ形状の穴を形成する。さらに他方の表面側から同様にして穴を開けて、両側テーパ形状の穴12を形成することができる。穴12の形状は、ドリル64の先端形状により調整できる。
【0113】
第1の方法または第2の方法で得られた、穴12の形成された板61は、さらに、表面が絶縁処理される。例えば、強制的に酸化膜を形成する方法や、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂などをディップコーティングする方法などにより、絶縁膜を形成することができる。このようにして、除去板11が形成される。
【0114】
次に、第6実施例による半導体装置について説明する。第6実施例では、複数枚の除去板が用いられる。例えば、第1実施例と同様な(穴径が回路基板の電極径とほぼ等しい)除去板を、複数枚用いる場合について説明する。
【0115】
第6実施例による半導体パッケージの取り付け方法について説明する。図15Aおよび図15Bは、第6実施例による半導体パッケージの取り付け方法の主要工程を示す半導体装置の模式的な断面図である。
【0116】
まず、第3実施例と同様にして、回路基板1の電極2上にはんだペースト3を印刷する(図11Aおよび図11B参照)。
【0117】
図15Aを参照する。回路基板1上に、電極2と穴12とを位置合わせして、例えば3枚の除去板11A〜11Cを重ねて載せる。なお、除去板11の枚数は、3枚に限らない。例えば3枚の除去板11A〜11Cの載置された回路基板1上に、はんだボール電極6の形成された半導体パッケージ4が位置合わせされる。
【0118】
図15Bを参照する。ボール電極6およびはんだペースト3を加熱、溶融させ、はんだ接合部7を形成して、回路基板1に半導体パッケージ4を接合する。
【0119】
第6実施例の半導体装置は、まず、3枚の除去板11A〜11Cが取り付けられた状態で使用される。何らかの理由で半導体パッケージ4が故障したら、一番上(最も半導体パッケージ4側)の除去板11Aが半導体パッケージ4とともに取り外され、回路基板1上にはんだ部分7aが残される。このとき、はんだ部分7aとともに、残り2枚の除去板11Bおよび11Cが、回路基板1上に残される。
【0120】
そして、2枚の除去板11Bおよび11Cが回路基板1に載置された状態で、半導体パッケージ4が再取り付けされる。以後、2回目の取り外し時には除去板11Bが取り外され、同様にして、3回目の取り外し時には除去板11Cが取り外される。最初から複数枚の除去板を重ねて取り付けておくことにより、半導体パッケージの再取り付け時に、除去板の再取り付けを省くことができる。
【0121】
なお、上記第1実施例〜第6実施例の技術は、必要に応じて様々に組み合わせて用いることもできる。
【0122】
なお、半導体パッケージを取り外す工程は、その後再び半導体パッケージを取り付けるために行うことができるので、半導体装置の再生工程として捉えられるとともに、半導体装置の製造工程として捉えることもできる。
【0123】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0124】
以上説明した第1実施例〜第6実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
回路基板と、
半導体パッケージと、
前記回路基板と前記半導体パッケージとを電気的に接続するはんだ接合部と、
前記回路基板と前記半導体パッケージとの間に配置され、前記はんだ接合部が通る穴を有し、前記穴は、前記穴の最も狭い部分に対し前記半導体パッケージ側に配置された部分の前記はんだ接合部よりも細く形成されている板状部材と
を有する半導体装置。
(付記2)
前記板状部材は、前記穴が、前記半導体パッケージ側で広くなるテーパ形状を有する付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記はんだ接合部は、前記穴の最も狭い部分に対し前記半導体パッケージ側に配置された部分が、中間の高さで最も太い太鼓形状を有する付記1または2に記載の半導体装置。
(付記4)
前記はんだ接合部は、小鼓形状を有する付記1または2に記載の半導体装置。
(付記5)
前記板状部材は、前記穴が、前記回路基板側で広くなるとともに、前記半導体パッケージ側で広くなるテーパ形状を有する付記1〜4のいずれか1つに記載の半導体装置。
(付記6)
さらに、前記回路基板と前記半導体パッケージとの間に、前記板状部材と重ねられて配置され、前記はんだ接合部が通る穴を有し、前記穴は、前記穴の最も狭い部分に対し前記半導体パッケージ側に配置された部分の前記はんだ接合部よりも細く形成されている他の板状部材を有する付記1〜5のいずれか1つに記載の半導体装置。
(付記7)
回路基板と、半導体パッケージと、前記回路基板と前記半導体パッケージとを電気的に接続するはんだ接合部と、前記回路基板と前記半導体パッケージとの間に配置され、前記はんだ接合部が通る穴を有し、前記穴は、前記穴の最も狭い部分に対し前記半導体パッケージ側に配置された部分の前記はんだ接合部よりも細く形成されている板状部材とを有する半導体装置を準備する工程と、
前記半導体パッケージに対して前記板状部材の位置を固定する工程と、
前記はんだ接合部を加熱して溶融させる工程と、
前記半導体パッケージと前記板状部材とを前記回路基板から取り外し、前記はんだ接合部のはんだを、前記板状部材を挟んで前記回路基板側部分と前記半導体パッケージ側部分とに分離する工程と
を有する半導体装置の再生方法。
(付記8)
さらに、
前記回路基板と、はんだボール電極が形成された他の半導体パッケージと、前記回路基板と前記他の半導体パッケージとの間に配置され穴を有する板状部材とを、前記回路基板の電極の位置と前記他の半導体パッケージの前記はんだボール電極の位置と前記板状部材の前記穴の位置とが合うように、位置合わせする工程と、
前記はんだボール電極を加熱し溶融させることにより、前記穴を通って前記回路基板と前記他の半導体パッケージとを電気的に接続し、前記穴の最も狭い部分に対し前記他の半導体パッケージ側に配置された部分が、前記穴の最も狭い部分よりも太いはんだ接合部を形成する工程と
を有する付記7に記載の半導体装置の再生方法。
(付記9)
回路基板と、はんだボール電極の形成された半導体パッケージと、前記回路基板と前記半導体パッケージとの間に配置され穴を有する板状部材とを、前記回路基板の電極の位置と前記半導体パッケージの前記はんだボール電極の位置と前記板状部材の前記穴の位置とが合うように、位置合わせする工程と、
前記はんだボール電極を加熱し溶融させることにより、前記穴を通って前記回路基板と前記半導体パッケージとを電気的に接続し、前記穴の最も狭い部分に対し前記半導体パッケージ側に配置された部分が、前記穴の最も狭い部分よりも太いはんだ接合部を形成する工程と
を有する半導体装置の製造方法。
(付記10)
さらに、
前記半導体パッケージに対して前記板状部材の位置を固定する工程と、
前記はんだ接合部を加熱して溶融させる工程と、
前記半導体パッケージと前記板状部材とを前記回路基板から取り外し、前記はんだ接合部のはんだを、前記板状部材を挟んで前記回路基板側部分と前記半導体パッケージ側部分とに分離する工程と
を有する付記9に記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0125】
1 回路基板
2 (回路基板の)電極
3 はんだペースト
4 半導体パッケージ
5 (半導体パッケージの)電極
6 ボール電極
7 はんだ接合部
7a 回路基板側に残ったはんだ部分
7b 半導体パッケージ側に残ったはんだ部分
8 フラックス
11 除去板
12 (除去板の)穴
21 スペーサ
22 接着剤
23 ヒーターブロック
24 接着剤
25 クリップ
CN (回路基板と半導体パッケージとの)結合部
31、61 (除去板材料となる)板
32、62 レジストパターン
33、63 エッチング液
34、64 ドリル
41 メタルマスク
42 スキージ
51 スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板と、
半導体パッケージと、
前記回路基板と前記半導体パッケージとを電気的に接続するはんだ接合部と、
前記回路基板と前記半導体パッケージとの間に配置され、前記はんだ接合部が通る穴を有し、前記穴は、前記穴の最も狭い部分に対し前記半導体パッケージ側に配置された部分の前記はんだ接合部よりも細く形成されている板状部材と
を有する半導体装置。
【請求項2】
前記板状部材は、前記穴が、前記半導体パッケージ側で広くなるテーパ形状を有する請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
回路基板と、半導体パッケージと、前記回路基板と前記半導体パッケージとを電気的に接続するはんだ接合部と、前記回路基板と前記半導体パッケージとの間に配置され、前記はんだ接合部が通る穴を有し、前記穴は、前記穴の最も狭い部分に対し前記半導体パッケージ側に配置された部分の前記はんだ接合部よりも細く形成されている板状部材とを有する半導体装置を準備する工程と、
前記半導体パッケージに対して前記板状部材の位置を固定する工程と、
前記はんだ接合部を加熱して溶融させる工程と、
前記半導体パッケージと前記板状部材とを前記回路基板から取り外し、前記はんだ接合部のはんだを、前記板状部材を挟んで前記回路基板側部分と前記半導体パッケージ側部分とに分離する工程と
を有する半導体装置の再生方法。
【請求項4】
さらに、
前記回路基板と、はんだボール電極が形成された他の半導体パッケージと、前記回路基板と前記他の半導体パッケージとの間に配置され穴を有する板状部材とを、前記回路基板の電極の位置と前記他の半導体パッケージの前記はんだボール電極の位置と前記板状部材の前記穴の位置とが合うように、位置合わせする工程と、
前記はんだボール電極を加熱し溶融させることにより、前記穴を通って前記回路基板と前記他の半導体パッケージとを電気的に接続し、前記穴の最も狭い部分に対し前記他の半導体パッケージ側に配置された部分が、前記穴の最も狭い部分よりも太いはんだ接合部を形成する工程と
を有する請求項3に記載の半導体装置の再生方法。
【請求項5】
回路基板と、はんだボール電極の形成された半導体パッケージと、前記回路基板と前記半導体パッケージとの間に配置され穴を有する板状部材とを、前記回路基板の電極の位置と前記半導体パッケージの前記はんだボール電極の位置と前記板状部材の前記穴の位置とが合うように、位置合わせする工程と、
前記はんだボール電極を加熱し溶融させることにより、前記穴を通って前記回路基板と前記半導体パッケージとを電気的に接続し、前記穴の最も狭い部分に対し前記半導体パッケージ側に配置された部分が、前記穴の最も狭い部分よりも太いはんだ接合部を形成する工程と
を有する半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−58506(P2013−58506A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194484(P2011−194484)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】