説明

半導体装置および表示装置

【課題】放熱材を設けつつも折り曲げ性を向上させて、配線の断線などの不具合を生じない半導体装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るCOF10は、放熱材7が、その端部7a,7b周辺の領域ほど、大きな面積の開口部を設けるなどして、体積(面積)が少なくなるように設けられている。この構成により、COF10を折り曲げた際の折り曲げ性が向上し、この折り曲げによる応力が放熱材7の端部7a,7bに集中することを防いで、絶縁フィルム1上の配線2を断線から守ることができる。また、COF10を表示装置30に実装する際に、COF10と表示パネル15との接合に用いられる異方性導電樹脂の剥がれをなくすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属性の放熱材が設けられているCOF(Chip On Film)としての半導体装置およびそれを備える表示装置に関し、特に上記金属性の放熱材を設けながら折り曲げ性を向上させた半導体装置およびそれを備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、COFにおける半導体素子が放出する熱の放熱対策として、COFの絶縁フィルムの半導体素子が搭載されている面と反対の面において、半導体素子が搭載されている位置に相当する箇所に、もしくは全面的に、金属性の放熱材を設ける技術が考案されている(特許文献1参照)。以下、この技術を用いたCOFについて、図9(a)を用いて簡単に説明する。
【0003】
上記技術を用いたCOFとしてのCOF110は、図示のように、絶縁フィルム101と、絶縁フィルム101の一方の面に設けられた配線102と、絶縁フィルム101および配線102の一部を覆うように設けられたソルダーレジスト103とを備え、半導体素子104に設けられたバンプ電極104aが配線102と接合されている。また、COF110は、半導体素子104周辺に充填されて半導体素子104を絶縁フィルム101に固定し、かつ外部から保護する封止樹脂106と、絶縁フィルム101の上記一方の面とは反対の面(裏面)に設けられた放熱材107(具体的には板状であって銅からなる)とを備えている。COF110では、放熱材107を備えていることにより、半導体素子104が放出した熱の放熱性を向上できる。
【特許文献1】特開2006−108356号公報(2006年4月20日公開)
【特許文献2】特開2005−294639号公報(2005年10月20日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
COF110は、例えば表示パネルに実装する際、折り曲げて実装を行うが、このとき放熱材107は折り曲げを阻害し、折り曲げ性が悪い領域と容易になる領域との境界部分である放熱材107端部に折り曲げによる応力が集中し、放熱材107端部の反対面に設けられた配線102が断線するという問題を生じる。また、放熱材107によってCOF110の折り曲げ性が悪化すると、折り曲げからの復元力によって表示パネルとCOF110との接合に用いられている異方性導電樹脂を剥がしてしまうという問題を生じる。
【0005】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、放熱材を設けつつも折り曲げ性を向上させて、配線の断線などの不具合を生じない半導体装置、およびそれを備える表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る半導体装置は、上記課題を解決するために、絶縁フィルムと、上記絶縁フィルムの一方の面に設けられた外部接続用端子と半導体素子接続用端子とを有する配線と、上記絶縁フィルムの一方の面とは反対の面に設けられた放熱部材とを備え、上記配線における上記半導体素子接続用端子に半導体素子が接合される半導体装置において、上記放熱部材における上記半導体素子およびその周辺に相当する領域である第1領域と比較して、当該第1領域と隣接する、上記放熱部材端部周辺に相当する領域である第2領域は、上記放熱部材の単位面積あたりの体積が少なく、かつ、上記第2領域のうち、上記第1領域と隣接する領域である第3領域と比較して、当該第3領域と隣接する、上記放熱部材端部と隣接する領域である第4領域は、上記放熱部材の単位面積あたりの体積が少ないことを特徴としている。
【0007】
また、本発明に係る半導体装置は、上記課題を解決するために、絶縁フィルムと、上記絶縁フィルムの一方の面に設けられた外部接続用端子と半導体素子接続用端子とを有する配線と、上記絶縁フィルムの一方の面とは反対の面に設けられた放熱部材とを備え、上記配線における上記半導体素子接続用端子に半導体素子が接合される半導体装置において、上記放熱部材における上記半導体素子およびその周辺に相当する領域である第1領域と比較して、当該第1領域と隣接する、上記放熱部材端部周辺に相当する領域である第2領域は、上記放熱部材の単位長さあたりの面積が少なく、かつ、上記第2領域のうち、上記第1領域と隣接する領域である第3領域と比較して、当該第3領域と隣接する、上記放熱部材端部と隣接する領域である第4領域は、上記放熱部材の単位長さあたりの面積が少ないことが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る表示装置は、上記課題を解決するために、上記半導体装置を用いて実装した、表示装置を駆動するための表示装置駆動モジュールを備えていることを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、本発明に係る半導体装置は、放熱部材が、その端部周辺の領域ほど、単位面積あたりの体積(単位長さあたりの面積)が少なくなるように設けられている。この構成により、上記半導体装置を折り曲げた際の折り曲げ性が向上し、この折り曲げによる応力が上記放熱部材端部に集中することを防いで、絶縁フィルム上の配線を断線から守ることができる。また、上記半導体装置の折り曲げ性が向上したことによって、上記半導体装置を表示パネルに実装する際に、上記半導体装置と上記表示パネルとの接合に用いられる異方性導電樹脂の剥がれをなくすことができる。
【0010】
また、上記半導体装置は、半導体素子およびその周辺に相当する領域では、上記放熱部材の体積(面積)を確保しており、このため折り曲げ性を向上させつつ、上記放熱部材の元々の機能(上記半導体素子が放出する熱の放熱)も維持している。
【0011】
また、上記の構成によれば、本発明に係る表示装置は、折り曲げ性を向上させて、配線の断線などの不具合を生じない、かつ、放熱機能を有する、上記もしくは下記の半導体装置を用いて実装した、表示装置を駆動するための表示装置駆動モジュールを備えているため、その動作に高い信頼性を確保できる。
【0012】
以上のことから、上記半導体装置は、放熱材を設けつつも折り曲げ性を向上させて、配線の断線などの不具合を生じない半導体装置、およびそれを備える表示装置を提供することができるという効果を奏する。
【0013】
本発明に係る半導体装置は、上記第2領域には、上記第1領域には設けられていない、上記絶縁フィルムまで貫通する孔である、開口が複数設けられており、当該開口のうち、第1開口部および第2開口部がそれぞれ複数設けられており、上記第1開口部は、上記第2開口部と比較して、小さい面積を有する開口であり、上記第1開口部は、上記第3領域に設けられており、上記第2開口部は、上記第4領域に設けられていることが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、上記放熱部材端部周辺の領域ほど、大きな面積を有する開口部を設けて、上記放熱部材の面積を少なくしている。この構成により、上述のような、上記半導体装置の折り曲げ性を向上させて、上記配線を断線から守るなどの各種効果を奏することができる。
【0015】
本発明に係る半導体装置は、上記第2領域には、上記第1領域には設けられていない、上記絶縁フィルムまで貫通する孔である、開口が複数設けられており、当該開口のうち、第1開口部が複数設けられており、上記第1開口部は、上記第3領域よりも上記第4領域に多数設けられていることが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、上記放熱部材端部周辺の領域ほど、開口部を多数設けて、上記放熱部材の面積を少なくしている。この構成により、上述のような、上記半導体装置の折り曲げ性を向上させて、上記配線を断線から守るなどの各種効果を奏することができる。
【0017】
本発明に係る半導体装置は、上記開口部は、それぞれ90°以下の角を有さない形状であることが好ましい。
【0018】
また、本発明に係る半導体装置は、上記開口部は、円形状、もしくは五角形以上の多角形の形状であることが好ましい。なお、上記五角形以上の多角形とは、例えば六角形であって、5つ以上の線分で囲まれた多角形を指している。
【0019】
上記放熱部材に設ける開口部が90°以下の角を有する形状であると、この角に応力が集中して、この角を起点とする折り曲げおよび亀裂が生じてしまうおそれがある。そこで、上記の構成のように、上記放熱部材に設ける開口部が90°以下の角を有さない形状、例えば、円形状、もしくは五角形以上の多角形の形状とすることによって、上記開口部の角に応力が集中することを緩和して、上記折り曲げおよび上記亀裂の発生を防ぐことができる。なお、特に円形状とすることが好ましい。
【0020】
本発明に係る半導体装置は、上記第2領域には、上記第1領域には設けられていない、上記放熱部材端部に向かうにつれて上記第2領域の上記放熱部材の単位長さあたりの面積が少なくなる、複数の切り欠きが設けられていることが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、上記放熱部材端部に向かうにつれて上記第2領域の上記放熱部材の面積が少なくなる、複数の切り欠きを設けて、上記放熱部材の単位長さあたりの面積を少なくしている。この構成により、上述のような、上記半導体装置の折り曲げ性を向上させて、配線を断線から守るなどの各種効果を奏することができる。また、この構成では、上記放熱部材端部に向かうにつれて連続的に上記放熱部材の面積が少なくなっているため、上述の開口部を設ける構成と比較して、折り曲げによる応力が上記放熱部材端部に集中することをより防いで、上記配線を断線から守るなどの各種効果をより顕著に奏することができる。
【0022】
本発明に係る半導体装置は、上記切り欠きは、上記第2領域のうち、上記放熱部材端部の中央部の領域を除いて設けられていることが好ましい。
【0023】
また、本発明に係る半導体装置は、上記切り欠きは、上記第2領域のうち、上記放熱部材端部の中央部の領域のみに設けられていることが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、上記放熱部材端部に向かうにつれて上記第2領域の上記放熱部材の面積が少なくなる複数の切り欠きを上記放熱部材端部の中央部の領域を除いて、または中央部の領域のみに設けて、上記放熱部材の面積を少なくしている。この構成により、上述のような、上記半導体装置の折り曲げ性を向上させて、配線を断線から守るなどの各種効果を奏することができる。
【0025】
また、上記の構成によれば、以下に示す効果も奏することができる。上記半導体装置は、製品として出荷される段階では、上記半導体素子周辺に、上記半導体素子を上記絶縁フィルムに固定するため、かつ上記半導体素子を外部の水分などから保護するために樹脂が充填されている。この樹脂は、上記半導体装置を実装する際に加えられる熱によって収縮し、これによって上記半導体装置に反りが生じることがある。また、放熱部材の熱膨張と絶縁フィルムの熱膨張とのミスマッチにより反りが生じることもある。この反りが生じている状態で上記半導体装置を実装すると、例えば表示パネルに実装すると、上記放熱部材端部に応力が集中して、上記表示パネルと上記半導体装置との接合に用いられている異方性導電樹脂が剥がれるなどの問題が生じる。そこで、上記複数の切り欠きを上記放熱部材端部の中央部の領域を除いて、または中央部の領域のみに設けることで、上記反りによる、上記放熱部材端部への応力の集中を緩和して、上記異方性導電樹脂の剥がれを防ぐことができる。
【0026】
上記切り欠きを設ける領域は、上記半導体装置の反りの方向と折り曲げの方向とによって変えることが好ましい。具体的には、中央部が盛り上がるように反っている場合には、上記切り欠きを上記放熱部材端部の中央部の領域のみに設け、中央部がへこむように反っている場合には、上記切り欠きを上記放熱部材端部の中央部の領域を除いて設けることが好ましい。
【0027】
本発明に係る半導体装置は、上記放熱部材にスリットを設けていることが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、上記放熱部材にスリットを設けていることにより、上記放熱部材の熱膨張を妨げて緩和でき、従来放熱部材の熱膨張によって生じていた配線の変形もしくは断線を防止することができる。なお、例えば上記放熱部材が長方形状の放熱部材であるならば、上記スリットは、その機能から、上記放熱部材の長辺方向に設けることとなる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る半導体装置は、絶縁フィルムと、上記絶縁フィルムの一方の面に設けられた外部接続用端子と半導体素子接続用端子とを有する配線と、上記絶縁フィルムの一方の面とは反対の面に設けられた放熱部材とを備え、上記配線における上記半導体素子接続用端子に半導体素子が接合される半導体装置において、上記放熱部材における上記半導体素子およびその周辺に相当する領域である第1領域と比較して、当該第1領域と隣接する、上記放熱部材端部周辺に相当する領域である第2領域は、上記放熱部材の単位面積あたりの体積が少なく、かつ、上記第2領域のうち、上記第1領域と隣接する領域である第3領域と比較して、当該第3領域と隣接する、上記放熱部材端部と隣接する領域である第4領域は、上記放熱部材の単位面積あたりの体積が少ないことを特徴としている。
【0030】
また、本発明に係る半導体装置は、絶縁フィルムと、上記絶縁フィルムの一方の面に設けられた外部接続用端子と半導体素子接続用端子とを有する配線と、上記絶縁フィルムの一方の面とは反対の面に設けられた放熱部材とを備え、上記配線における上記半導体素子接続用端子に半導体素子が接合される半導体装置において、上記放熱部材における上記半導体素子およびその周辺に相当する領域である第1領域と比較して、当該第1領域と隣接する、上記放熱部材端部周辺に相当する領域である第2領域は、上記放熱部材の単位長さあたりの面積が少なく、かつ、上記第2領域のうち、上記第1領域と隣接する領域である第3領域と比較して、当該第3領域と隣接する、上記放熱部材端部と隣接する領域である第4領域は、上記放熱部材の単位長さあたりの面積が少ないことが好ましい。
【0031】
また、本発明に係る表示装置は、上記課題を解決するために、上記半導体装置を用いて実装した、表示装置を駆動するための表示装置駆動モジュールを備えていることを特徴としている。
【0032】
上記の構成によれば、本発明に係る半導体装置は、放熱部材が、その端部周辺の領域ほど、単位面積あたりの体積(単位長さあたりの面積)が少なくなるように設けられている。この構成により、上記半導体装置を折り曲げた際の折り曲げ性が向上し、この折り曲げによる応力が上記放熱部材端部に集中することを防いで、絶縁フィルム上の配線を断線から守ることができる。また、上記半導体装置の折り曲げ性が向上したことによって、上記半導体装置を表示パネルに実装する際に、上記半導体装置と上記表示パネルとの接合に用いられる異方性導電樹脂の剥がれをなくすことができる。
【0033】
また、上記半導体装置は、半導体素子およびその周辺に相当する領域では、上記放熱部材の体積(面積)を確保しており、このため折り曲げ性を向上させつつ、上記放熱部材の元々の機能(上記半導体素子が放出する熱の放熱)も維持している。
【0034】
また、上記の構成によれば、本発明に係る表示装置は、折り曲げ性を向上させて、配線の断線などの不具合を生じない、かつ、放熱機能を有する、上記もしくは下記の半導体装置を用いて実装した、表示装置を駆動するための表示装置駆動モジュールを備えているため、その動作に高い信頼性を確保できる。
【0035】
以上のことから、上記半導体装置は、放熱材を設けつつも折り曲げ性を向上させて、配線の断線などの不具合を生じない半導体装置、およびそれを備える表示装置を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本明細書では、本発明に係る半導体装置における部材が長方形状である場合に、その長辺方向を「横」、短辺方向を「縦」と称する。
【0037】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図7を用いて説明すると以下の通りである。
【0038】
図1は、本実施形態に係るCOF(半導体装置)10を示しており、図1(a)はその裏面を示しており、図1(b)および図1(c)は図1(a)中の“a”の領域の構成例を拡大して示している。
【0039】
COF10は、図5に示すように、図9(a)に示したCOF110と同様な構成であり、半導体素子などの搬送に使用するスプロケットホール1aを有する絶縁フィルム1と、絶縁フィルム1の一方の面に設けられ、外部接続用端子(不図示)および半導体素子接続用端子(不図示)を有する配線2と、絶縁フィルム1および配線2の一部を覆うように設けられたソルダーレジスト3とを備え、バンプ電極4aを有した半導体素子4がこのバンプ電極4aを介して配線2における半導体素子接続用端子に接合される。また、COF10は、半導体素子4近傍に充填されて半導体素子4を絶縁フィルム1に固定し、かつ外部の水分などから保護する封止樹脂6と、絶縁フィルム1の上記一方の面とは反対の面(裏面)に設けられた放熱材(放熱部材)7とを備えて構成されている。COF10では、放熱材7を備えていることにより、半導体素子4が放出した熱の放熱性を向上できる。
【0040】
図2は、COF10を搭載した表示装置30の一部の構成を示している。表示装置30は、一般的な液晶表示装置であり、詳細な説明は省略する。
【0041】
表示装置30は、表示パネル15、バックライト装置20、および表示パネル15に表示を行うための表示装置駆動モジュールとしての(表示装置駆動モジュールを実装するための)COF10を備えている。図示のように、COF10は折り曲げられて搭載される。詳細は後述するが、COF10では、例えば、放熱材7を設けつつも折り曲げ性を向上させて配線2の断線を防止することができる。表示装置30では、表示装置駆動モジュールを以上のような効果を有するCOF10によって実装するため、その動作に高い信頼性を確保できる。また、特に、表示パネル15が高機能化および多出力化となる大型パネルである場合に、上述の高い信頼性を確保できるという効果が顕著となる。なお、表示装置30は、液晶表示装置に限られるわけではなく、例えば有機ELを用いた表示装置であってもよい。
【0042】
以下、COF10の詳細について説明するが、絶縁フィルム1、配線2、ソルダーレジスト3、および封止樹脂6は、従来一般的に知られた材料および形成方法で形成するため、ここではその説明を省略し、主に放熱材7について説明する。
【0043】
放熱材7は、板状であることが好ましく、優れた放熱性を実現するために、熱伝導率の大きい材料で形成する。具体的には、熱伝導率が10W/(m・K)以上の材料によって形成されることが好ましい。換言すれば、銅、アルミニウム、もしくはSUS(ステンレス鋼)によって形成されることが好ましい。その形成方法は、一般的なスパッタなどである。本実施形態では銅で構成している。また、放熱材7は、その表面が、放熱材7の形成材料とは異なる材料によってメッキもしくはコーティングされていることが好ましい。放熱材7は、上述のように専ら金属で形成するため、酸化が起こる場合があるが、以上の構成により、放熱材7の酸化を防ぐことができる。具体的には、錫メッキもしくはソルダーレジストによってコーティングする。
【0044】
放熱材7の厚みは、5μm以上30μm以下が好ましく、8μm以上15μm以下がより好ましい。図3は、放熱材7の厚みとCOF10の温度との関係を示すグラフである。このグラフから、8μm以上15μm以下の厚みの場合に最も温度の低下が顕著であり、厚みが増してもその効果がさほど上がらないことが明らかである。また、COF10の薄型を維持するためにも、放熱材7は薄いほうがよい。したがって、放熱材7の厚みとしては、8μm以上15μm以下がより好ましく、この構成により、COF10の薄型を維持しつつ、放熱性を向上させることができる。本実施形態では8μmもしくは15μmで構成している。
【0045】
また、COF10の薄型化および高い放熱性を達成するためには、半導体素子4と放熱材7との垂直方向の距離(図9(a)で示す“b”の距離)が、0.1mm以下であることが好ましい。
【0046】
放熱材7は、COF10の裏面全体に形成することが好ましい。この構成により、高い放熱性を達成することができる。しかしながら、COF10は上述のように折り曲げられて実装されるため、その折り曲げ性を考慮すれば、COF10の裏面の一部、具体的にはCOF10の裏面における半導体素子4およびその周辺に相当する位置に形成されることが好ましい。
【0047】
また、COFでは打ち抜き部分を打ち抜いて実装するため、COF10では、放熱材7の横幅7Bを、打ち抜き部分1cから両側それぞれ0.5mm以上余裕をとって(図1(a)中の“d1”の領域)設定する。本実施形態では、d1=1mmとしている。この構成により、実装時の打ち抜きに支障をきたすことなく、放熱性を向上させることができる。
【0048】
なお、放熱材7の形状は、本実施形態では、半導体素子4を長方形状としているためそれに合わせて長方形状としており、これに限定されるわけではなく、例えば正方形状であってもよい。
【0049】
次に、本実施形態において最も着目すべき点であるが、放熱材7は、半導体素子4およびその周辺に相当する領域である領域area1(第1領域)と、領域area1と隣接する、放熱材7の横方向の端部7a,7b周辺に相当する領域である領域area2(第2領域)とに区分けした場合、領域area2に、絶縁フィルム1へ貫通している孔である開口部Oが設けられている。また、領域area2は、領域area1と隣接する領域である領域area3(第3領域)と、領域area3と隣接する、放熱材7の端部7a,7bと隣接する領域である領域area4(第4領域)とに区分けできる。
【0050】
開口部Oは、少なくとも開口部O1,O2を含んでいる。開口部O1,O2は、図1(b)に示すように、正方形状であって、開口部O2は、開口部O1より大きい面積を有した開口である。開口部O1は、領域area2内の領域area3に設けられており、開口部O2は、領域area2内の領域area4に設けられている。すなわち、放熱材7は、ベタで設けられている放熱材と比較して、開口部Oが設けられていることによりその体積(面積)が少なくなっている。また、領域area1>領域area2、領域area3>領域area4のように、端部7a,7b周辺の領域ほど大きい面積の開口部Oが設けられて放熱材の単位面積あたりの体積(単位長さあたりの面積)が少なくなっている。
【0051】
このような構成により、放熱材7は、COF10を折り曲げた際の折り曲げ性が向上し、この折り曲げによる応力が放熱材7の端部7a,7bに集中することを防いで、絶縁フィルム1上の配線2を断線から守ることができる。また、COF10の折り曲げ性が向上したことによって、COF10を表示装置30に実装する際に、COF10と表示パネル15との接合に用いられる異方性導電樹脂の剥がれをなくすことができる。
【0052】
また、COF10は、半導体素子4およびその周辺に相当する領域area1では、開口部Oを設けず放熱材7の体積(面積)を確保しており、このため折り曲げ性を向上させつつ、放熱材7の元々の機能(半導体素子4が放出する熱の放熱)も維持している。この点から換言すれば、開口部Oは、放熱材7の機能である放熱にさほど寄与しない箇所に設けていると言える。領域area2は、具体的には、端部7a,7bから半導体素子4周辺へ向かって1〜3(mm)程度とすればよい。
【0053】
また、開口部Oは、図1(c)に示すように、開口部O1,O2を含まず、開口部O1のみで構成し、開口部O2の機能を、領域area4に、領域area3に設けるよりも多くの開口部O1を設けることで達成してもよい。この場合、開口部O1,O2を設ける場合と同等の効果を奏することができる。
【0054】
また、開口部Oは、90°以下の角を有さない形状であることが好ましい。これは、開口部Oが90°以下の角を有する形状であると、この角に応力が集中して、この角を起点とする折り曲げおよび亀裂が生じてしまうおそれがあるためである。上記90°以下の角を有さない形状とは、例えば、図4に示すような五角形状、もしくは五角形状以上の多角形、もしくは円形状が挙げられ、特に円形状が好ましい。なお、上記五角形以上の多角形とは、例えば六角形であって、5つ以上の線分で囲まれた多角形を指している。
【0055】
また、放熱材7は、上述のような、COF10の折り曲げ性を向上させて、配線2を断線から守るなどの各種効果を奏するためには、上述のような開口部Oを設けるのではなく、図5に示すように、端部7a,7bに近づくにつれて、段階的にもしくは連続的に放熱材7の厚みを薄くする構成としてもよい。あるいは、図6および図7に示すように、放熱材7の端部7a,7bに向かうにつれて領域area2の放熱材の面積が少なくなる、複数の切り欠きNを設けてもよい。図6および図7は、切り欠きNを設けた放熱材7を示しており、COF10のその他の構成の図示は省略している。
【0056】
このように放熱材7の端部7a,7bに向かうにつれて、放熱材7の厚みを薄くする、領域area2の放熱材の面積が少なくなる切り欠きNを設けることによって、端部7a,7bに向かうにつれて段階的にもしくは連続的に放熱材7の面積が少なくなっているため、上述の開口部Oを設ける構成と比較して、折り曲げによる応力が端部7a,7bに集中することをより防いで、配線2を断線から守るなどの各種効果をより顕著に奏することができる。
【0057】
また、図7に示した切り欠きNの設け方では、すなわち、端部7a,7bの中央部の領域を除いて、もしくは中央部の領域のみに切り欠きNを設ける構成であれば、COF10を実装する際の折り曲げに起因した配線2の断線を防ぐなどの上述の各種効果に加えて、以下に示す効果も奏することができる。
【0058】
COF10は、上述のように、半導体素子4周辺に、半導体素子4を絶縁フィルム1に固定し、かつ外部の水分などから保護する封止樹脂6が充填されている。この封止樹脂6は、COF10を実装する際に加えられる熱によって収縮し、これによってCOF10に反り(放熱材7の横方向の反り)が生じることがある。また、放熱材7の熱膨張と絶縁フィルム1の熱膨張とのミスマッチにより反りが生じることもある。この反りが生じている状態でCOF10を実装すると、例えば上述のように表示パネルに実装すると、端部7a,7bに応力が集中して、表示パネルとCOF10との接合に用いられている異方性導電樹脂が剥がれるなどの問題が生じる。そこで、端部7a,7bの中央部の領域を除いて、または中央部の領域のみに切り欠きNを設けることで、上記反りによる、端部7a,7bへの応力の集中を緩和して、上記異方性導電樹脂の剥がれを防ぐことができる。また、端部7a,7bの中央部から放熱材7の縦方向の端部7c,7dへ向かって、放熱材7の面積が少なくなるような構成(極端に言えば、菱形状のような形状)でも、上記反りによる問題を解決することができる。
【0059】
また、切り欠きNを設ける領域は、COF10の反りの方向と折り曲げの方向とによって変えることが好ましい。具体的には、中央部が盛り上がるように反っている場合には、切り欠きNを放熱材7の端部7a,7bの中央部の領域のみに設け、中央部がへこむように反っている場合には、切り欠きNを放熱材7の端部7a,7bの中央部の領域を除いて設けることが好ましい。
【0060】
以上のように、本実施形態に係るCOF10では、放熱材7が、その端部7a,7b周辺の領域ほど、単位面積あたりの体積(単位長さあたりの面積)が少なくなるように設けられている。この構成により、COF10を折り曲げた際の折り曲げ性が向上し、この折り曲げによる応力が放熱材7の端部7a,7bに集中することを防いで、絶縁フィルム1上の配線2を断線から守ることができる。また、COF10の折り曲げ性が向上したことによって、COF10を表示装置30に実装する際に、COF10と表示パネル15との接合に用いられる異方性導電樹脂の剥がれをなくすことができる。また、半導体素子4およびその周辺に相当する領域area1では、開口部Oを設けず放熱材7の体積(面積)を確保しており、このため折り曲げ性を向上させつつ、放熱材7の元々の機能(半導体素子4が放出する熱の放熱)も維持している。
【0061】
なお、特許文献2には、フレックスリジット配線板を構成するフレキシブル基板に、当該フレキシブル基板の屈曲部における屈曲具合を大きくしたり、また、導体回路の断線等を引き起こしにくくしたりするなどのために、ダミーパターンを設けるとともに、このダミーパターンに、様々な形状の開口が設けられていることが開示されている。具体的には、同じ大きさの面積を有する開口が格子状に形成されている、もしくは大きい面積の開口が中央部に形成され、当該開口に対し端部側に小さい面積の開口が設けられている。
【0062】
このように上記ダミーパターンにおける開口は、本発明のように、端部に近づくにつれて大きな面積の開口を設けるようには構成されておらず、少なくともこの点で本発明とは異なっている(特許文献2の段落〔0042〕〜段落〔0049〕、および図3参照)。
【0063】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図8を用いて説明すると以下の通りである。
【0064】
図8は、本実施形態に係るCOF10aを示しており、図8(a)および図8(c)はその裏面を、図8(b)は図8(a)および図8(c)中の“c”の領域を拡大して示している。なお、説明の便宜上、COF10の部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付し、その説明を省略する。また、基本的にCOF10と異なる点についてのみ説明する。
【0065】
COF10aは、COF10の構成に対し、放熱材7に図8に示すようなスリット8をさらに設けている。このスリット8について、以下詳細に説明する。
【0066】
従来のCOF110では、半導体素子104のバンプ電極104aを配線102に接合するとき、図9(a)に示すように、約120℃程度に加熱されたステージ115上にCOF110を配置するとともに、半導体素子104上に約400℃程度に加熱された加熱ツール117を配置して押さえ込んで圧力を印加し、この状態を約1秒程度維持して熱圧着により接合を行う。
【0067】
このとき、図中の“A”の領域の放熱材107は、ステージ115と加熱ツール117とにより固定されているが、図中の“B”の領域の放熱材107は、それらで固定されていないため、ステージ115と加熱ツール117との熱による熱膨張によって、長辺方向(図中の点線の矢印の方向)へ伸びる。また、この現象はその他樹脂封止後の樹脂硬化などの加熱プロセスにおいても同様のことが考えられる。この結果、放熱材107の伸びにつられて絶縁フィルム101が伸び、配線102の変形もしくは断線が引き起こされるという問題を生じていた。図9(b)は、半導体素子104のバンプ電極104aが設けられた面の平面図である。上述のように、放熱材107および絶縁フィルム101はその長辺方向へ伸びるため、半導体素子104の短辺側(図中の“C”の領域)の配線102の変形もしくは断線が顕著に見られた。
【0068】
スリット8は、以上のような問題を解決するためのものであり、このスリット8により、放熱材7に対し、放熱材としての機能を損せることなく、半導体素子4のバンプ電極4aを配線2に接合するときの熱圧着及び樹脂封止後の樹脂硬化などの加熱プロセスによる熱膨張を緩和して伸びを防ぎ、その結果、配線2の変形もしくは断線を防止する。
【0069】
スリット8は、その機能から、基本的に放熱材7における半導体素子4およびその周辺に相当する位置(領域area1)に設けることが好ましい。また、半導体素子4の中心線L1,L2(一例)に対し線対称となるように設けることが好ましい。以上の構成により、スリット8を、半導体素子4近くに、かつ、その半導体素子4付近に均等に設けることになるため、確実に熱膨張を緩和することができ、その結果、確実に配線2の変形もしくは断線を防止することができる。また、半導体素子4の一辺に平行な第1スリットを有し、上記第1スリットと、上記第1スリットに最も近接する半導体素子4の一辺にあるバンプ端面との水平方向の距離が、0.1mm以上2.0mm以下であることが好ましい。この構成によれば、上記第1スリットは、放熱材7の膨張経路を横断するように設けられるため、熱膨張を緩和するためには非常に有効であり、それゆえより確実に熱膨張を緩和することができ、その結果、より確実に配線2の変形もしくは断線を防止することができる。
【0070】
図示したスリット8は、放熱材7が上記熱圧着や上記樹脂硬化などの加熱プロセスによって特に長辺方向へ伸びるという例に対応して形成されたものであり、それゆえ特に、半導体素子4の短辺側に放射状に多くのスリットを設けている。より具体的には、図8(b)に示すように、放熱材7において“7a”,“7b”,“7c”,“7d(不図示)”という領域ができるように、かつ、その各領域に、半導体素子4の一辺におけるバンプ電極4aが含まれるように、スリットを設けている(例えば、領域“7a”には、半導体素子4の短辺側のバンプ電極4aが含まれている)。
【0071】
また、図示したスリット8は、上記第1スリットとしてのスリット8a(図8(b))を有している。スリット8aと、スリット8aに最も近接する半導体素子4の短辺にあるバンプ端面との水平方向の距離(図8(b)中の“d2”)は、0.5mmとしている。また、図示したスリット8は、図8(a)に示すように、放熱性を考慮して、放熱材7を分離しないように切れ目を有して形成されていてもよく、あるいは、図8(c)に示すように、放熱材7を分離するように形成されていてもよい。
【0072】
また、スリット8は、その幅が0.02mm以上1.0mm以下であることが好ましい。この構成により、スリット8を小さく形成して放熱材7の放熱性を損わせず、配線の変形もしくは断線を防止することができる。本実施形態では、0.05mmで形成している。スリット8の形成方法は、一般的なエッチングである。
【0073】
以上説明したスリット8の位置および形状はあくまでも単なる一例に過ぎない。放熱材の伸びは、上記熱圧着を行うための装置(図9(a)で示したステージ115および加熱ツール117)と放熱板との形状および大きさの違いによって固定できない箇所が存在することにより起こるものであるから(また、この現象は、樹脂封止後の樹脂硬化などの加熱プロセスにおいても同様のことが起こる可能性がある)、その形態は多岐にわたる。よって、その放熱板の伸びを回避するためのスリットの位置および形状も多岐にわたる。
【0074】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、裏面に放熱材を設けつつも折り曲げ性を向上させて、配線の断線などの不具合を生じないCOFであり、多種多様な半導体素子の実装に用いるCOFとして好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態に係るCOFを示しており、(a)はその裏面の平面図であり、(b)および(c)は図1(a)中の“a”の領域の構成例を示す拡大図である。
【図2】図1に示したCOFを用いた表示装置の一部の構成を示す図である。
【図3】放熱材の厚みと放熱材を備えた図1に示したCOFの温度との関係を示すグラフである。
【図4】図1に示したCOFにおける放熱材に設けた開口部の形状例を示す平面図である。
【図5】図1に示したCOFにおける放熱材の構成例を示す図である。
【図6】図1に示したCOFにおける放熱材の構成例を示すものであって、切り欠きを設けた場合の一例を示す平面図である。
【図7】図1に示したCOFにおける放熱材の構成例を示すものであって、切り欠きを設けた場合の他の例を示す平面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るCOFを示しており、(a)および(c)はその裏面の平面図であり、(b)は図8(a)および図8(c)中の“c”の領域の拡大図である。
【図9】従来技術に係るCOFを示しており、(a)はその断面図であり、(b)は半導体素子のバンプ電極が設けられた面の平面図である。
【符号の説明】
【0077】
1 絶縁フィルム
2 配線
4 半導体素子
7 放熱材
8 スリット
10、10a COF(半導体装置)
30 表示装置
area1 領域(第1領域)
area2 領域(第2領域)
area3 領域(第3領域)
area4 領域(第4領域)
O1 開口部(第1開口部)
O2 開口部(第2開口部)
N 切り欠き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁フィルムと、
上記絶縁フィルムの一方の面に設けられた外部接続用端子と半導体素子接続用端子とを有する配線と、
上記絶縁フィルムの一方の面とは反対の面に設けられた放熱部材とを備え、上記配線における上記半導体素子接続用端子に半導体素子が接合される半導体装置において、
上記放熱部材における上記半導体素子およびその周辺に相当する領域である第1領域と比較して、当該第1領域と隣接する、上記放熱部材端部周辺に相当する領域である第2領域は、上記放熱部材の単位面積あたりの体積が少なく、かつ、
上記第2領域のうち、上記第1領域と隣接する領域である第3領域と比較して、当該第3領域と隣接する、上記放熱部材端部と隣接する領域である第4領域は、上記放熱部材の単位面積あたりの体積が少ないことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
絶縁フィルムと、
上記絶縁フィルムの一方の面に設けられた外部接続用端子と半導体素子接続用端子とを有する配線と、
上記絶縁フィルムの一方の面とは反対の面に設けられた放熱部材とを備え、上記配線における上記半導体素子接続用端子に半導体素子が接合される半導体装置において、
上記放熱部材における上記半導体素子およびその周辺に相当する領域である第1領域と比較して、当該第1領域と隣接する、上記放熱部材端部周辺に相当する領域である第2領域は、上記放熱部材の単位長さあたりの面積が少なく、かつ、
上記第2領域のうち、上記第1領域と隣接する領域である第3領域と比較して、当該第3領域と隣接する、上記放熱部材端部と隣接する領域である第4領域は、上記放熱部材の単位長さあたりの面積が少ないことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
上記第2領域には、上記第1領域には設けられていない、上記絶縁フィルムまで貫通する孔である、開口が複数設けられており、当該開口のうち、第1開口部および第2開口部がそれぞれ複数設けられており、
上記第1開口部は、上記第2開口部と比較して、小さい面積を有する開口であり、
上記第1開口部は、上記第3領域に設けられており、上記第2開口部は、上記第4領域に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
上記第2領域には、上記第1領域には設けられていない、上記絶縁フィルムまで貫通する孔である、開口が複数設けられており、当該開口のうち、第1開口部が複数設けられており、
上記第1開口部は、上記第3領域よりも上記第4領域に多数設けられていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
上記開口部は、それぞれ90°以下の角を有さない形状であることを特徴とする請求項3または4に記載の半導体装置。
【請求項6】
上記開口部は、円形状、もしくは五角形以上の多角形の形状であることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
上記第2領域には、上記第1領域には設けられていない、上記放熱部材端部に向かうにつれて上記第2領域の上記放熱部材の単位長さあたりの面積が少なくなる、複数の切り欠きが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項8】
上記切り欠きは、上記第2領域のうち、上記放熱部材端部の中央部の領域を除いて設けられていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
上記切り欠きは、上記第2領域のうち、上記放熱部材端部の中央部の領域のみに設けられていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項10】
上記放熱部材にスリットを設けていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の半導体装置を用いて実装した、表示装置を駆動するための表示装置駆動モジュールを備えていることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−27706(P2010−27706A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184669(P2008−184669)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】