説明

半導体装置とその製造方法

【課題】半導体基板上に配置される光透過性保護部材にキズやクラック等が生じることを抑制することによって、半導体装置の受光特性や製造歩留り等を向上させる。
【解決手段】半導体装置1は、第1の主面2aに受光部3と電極4とが設けられた半導体基板2を具備する。半導体基板2は第1の主面2aと第2の主面2bとを繋ぐ貫通配線層6を有する。半導体基板2上には第1の主面2aを覆うように光透過性保護部材9が配置されている。受光部3上には所定の間隙11が形成される。光透過性保護部材9の表面9aには保護膜12が形成されている。保護膜12は受光部3に対応する領域に設けられた開口12aを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路技術を用いたCCDやCMOSイメージセンサ等の半導体装置は、デジタルカメラやカメラ機能付き携帯電話に広く利用されている。このような半導体装置においては搭載部品の小型・軽量に対応するために、センサチップ(半導体素子)をCSP(Chip Size Package)にすることが提案されている。
【0003】
センサチップ(半導体素子)をCSP化するにあたって、半導体素子(半導体基板)には表裏両面間を繋ぐ貫通孔が設けられ、この貫通孔内に形成された導電体層(貫通配線層)によって、半導体基板の表面に設けられた受光部を含む集積回路と裏面に設けられた外部接続端子とを電気的に接続している。個片化された半導体装置は光学レンズ付きケースを装着した状態で、モジュール基板に実装されてカメラモジュールとなる。
【0004】
その際、半導体基板の表面に設けられた受光部を埃やゴミから保護するために、受光部を含む領域を覆うように光透過性保護部材が配置される(特許文献1参照)。ガラス基板等の光透過性保護部材は、受光部を含む集積回路が形成された半導体基板上に所定の間隙を設けて平行に配置される。ガラス基板は半導体基板の受光部の外縁を囲むように配置された接着樹脂によって、半導体基板と接着される。接着樹脂は最終的に封止部材となるものであり、受光部上には半導体基板とガラス基板とに挟まれた空隙が形成される。
【0005】
このような半導体装置は、例えば以下のようにして作製される。まず、受光部を含む集積回路が形成された半導体基板とガラス基板とを接着樹脂を介して貼り合わせる。次いで、半導体基板をその裏面側から所定の厚さまで薄肉化した後、表面側の電極が露出するまで半導体基板を裏面側からエッチングして貫通孔を形成する。さらに、電極で塞がれた貫通孔の底部を除いて、貫通孔の内壁面や半導体基板の裏面に絶縁膜を形成した後、貫通孔の内部から半導体基板の裏面に亘って貫通配線層を形成する。この後、半導体基板の裏面を保護層で覆うと共に、貫通配線層に外部接続端子を形成する。これらの製造工程において、ガラス基板は半導体基板を機械的に補強する支持基板の役割を果たす。
【0006】
しかしながら、上述したような方法で作製される従来の半導体装置は、搬送時や加工装置のステージ等に設置する際に、ガラス基板の表面を直接触ることになるために、ガラス基板にキズやクラック等が生じやすいという問題を有している。ガラス基板に生じたキズやクラックは入射光を散乱させ、受光部の感度や半導体装置の製造歩留りを低下させる要因となる。さらに、接着樹脂が光透過性を有する場合には、斜め方向から入射した光が接着樹脂で屈折されて受光部に入射し、画像周縁部の撮像特性等が劣化してしまう。
【特許文献1】国際公開第2005/022631号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、半導体基板上に配置される光透過性保護部材にキズやクラック等が生じることを抑制することによって、受光特性や製造歩留り等を向上させることを可能にした半導体装置とその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様に係る半導体装置は、第1の主面と、前記第1の主面とは反対側の第2の主面とを有する半導体基板と、前記半導体基板の前記第1の主面に設けられた受光部と、前記受光部と電気的に接続するように、前記半導体基板の前記第1の主面に設けられた電極と、前記電極と電気的に接続され、かつ前記半導体基板の前記第1の主面と前記第2の主面とを繋ぐように、前記半導体基板に設けられた貫通配線層と、前記半導体基板の前記第1の主面を覆うように、前記受光部上に所定の間隙を介して配置された光透過性保護部材と、前記光透過性保護部材の表面に設けられ、前記受光部上に開口を有する保護膜とを具備することを特徴としている。
【0009】
本発明の態様に係る半導体装置の製造方法は、第1の主面と、前記第1の主面とは反対側の第2の主面とを有し、前記第1の主面に受光部と前記受光部と電気的に接続された電極とが設けられた半導体基板を用意する工程と、前記受光部に対応する開口を有する保護膜が一方の面に形成された光透過性保護部材を用意する工程と、前記受光部上に所定の間隙を形成しつつ、前記半導体基板の前記第1の主面と前記光透過性保護部材の他方の面とを貼り合わせる工程と、前記電極を露出させるように、前記半導体基板の前記第2の主面から前記第1の主面に向けて前記半導体基板に貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔内から前記半導体基板の前記第2の主面に亘って、前記貫通孔内に露出する前記電極と接続する配線層を形成する工程とを具備することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の態様に係る半導体装置とその製造方法においては、光透過性保護部材の表面に受光部上に開口を有する保護膜を設けているため、光透過性保護部材にキズやクラック等が生じることを抑制することができる。従って、受光部を有する半導体装置の特性や製造歩留り等を向上させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態による半導体装置を示している。図1に示す半導体装置1は半導体基板2を具備している。半導体基板2にはシリコン(Si)基板等が用いられる。半導体基板2は第1の主面2aとそれとは反対側の第2の主面2bとを有している。第1の主面(表面)2aはフォトダイオード、トランジスタ等の半導体素子やそれらを結ぶ配線等を含む能動素子領域の形成面となり、第2の主面(裏面)2bは外部接続端子の形成面となる。
【0012】
半導体基板2の第1の主面2aには受光部3を含む能動素子領域が設けられている。受光部3はフォトダイオード等の受光素子を有しており、第1の主面2aに照射される光や電子等のエネルギー線を受光してフォトダイオード等に収集するものである。半導体基板2の第1の主面2aには、能動素子領域内の受光部3やそれ以外の素子、配線等と電気的に接続され、電気信号のインプット・アウトプットや電力の供給等を行う複数の電極4が設けられている。受光部3や電極4を含む能動素子領域を有する半導体基板2は、CMOSイメージセンサ等のイメージセンサを構成している。
【0013】
半導体基板2は第1の主面2aと第2の主面2bとを繋ぐ貫通孔5を有している。貫通孔5の第1の主面2a側の開口は電極4で塞がれている。電極4は貫通孔5内に露出している。貫通孔5内には貫通配線層6となる導電材料が絶縁層(図示せず)を介して充填されている。貫通配線層6は電極4と電気的に接続されている。貫通配線層6は貫通孔5内から半導体基板2の第2の主面2bに亘って設けられている。
【0014】
半導体基板2の第2の主面2b上において、貫通配線層6は絶縁層(図示せず)を介して形成されている。貫通配線層6は半導体基板2の第1の主面2aと第2の主面2bとを接続するものである。さらに、半導体基板2の第2の主面2bには、貫通配線層6と電気的に接続された外部接続端子7が設けられている。半導体基板2の第2の主面2bは、外部接続端子7を除いて保護層8で覆われている。半導体基板2の第2の主面2b上に存在する貫通配線層6は保護層8で覆われている。
【0015】
半導体基板2上には第1の主面2aを覆うように光透過性保護部材9が配置されている。光透過性保護部材9は第1の主面2aの周縁部に配置された接着層10を介して、半導体基板2の第1の主面2aと接着されている。光透過性保護部材9と半導体基板2の第1の主面2aとの間には、接着層10の厚さに基づいて形成された間隙11が介在されている。すなわち、半導体基板2の第1の主面2aに設けられた受光部3上には間隙11を介して光透過性保護部材9が配置されている。
【0016】
光透過性保護部材9の表面9a、すなわち半導体基板2の第1の主面2aと対向する面9bとは反対側の面9aには保護膜12が形成されている。保護膜12は受光部3上に設けられた開口12aを有している。すなわち、保護膜12は受光部3への光や電子等のエネルギー線の入射を妨げないように開口12aを有しており、この開口12aを除く光透過性保護部材9の表面9aの周縁部のみに設けられている。保護膜12は少なくとも受光部3上に位置する部分が開口されている。開口12aの大きさは受光部3で受光するエネルギー線の入射角度等を考慮して設定されるものであり、受光部3より大きくてもよい。
【0017】
第1の実施形態の半導体装置1は、例えば以下のようにして作製される。まず、図2に示すように、第1の主面2aに受光部3と電極4とが設けられた半導体基板2を用意する。半導体基板2は半導体ウェハとして供給され、受光部3や電極4は半導体ウェハの各装置構成領域の能動素子領域内に設けられる。電極4は能動素子領域内の受光部3やそれ以外の素子、配線等と電気的に接続される。さらに、半導体基板2の第1の主面2aの受光部3を除く外周領域に接着層10を形成する。接着層10にはエポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂等からなる接着剤が用いられる。
【0018】
次に、図3に示すように、半導体基板(半導体ウェハ)2とほぼ同じ大きさを有する光透過性保護部材9を用意する。光透過性保護部材9としては、例えばホウ珪酸ガラス、石英ガラス、ソーダ石灰ガラス等からなるガラス基板が用いられる。透過させる光が赤外光の場合、光透過性保護部材9はシリコン(Si)、ガリウムヒ素(GaAs)等で構成してもよい。光透過性保護部材9の表面9aには、予め保護膜12が形成されている。保護膜12は半導体基板2の受光部3と対応する領域に開口12aが設けられている。
【0019】
保護膜12は、例えばスパッタ法、CVD法、蒸着法、めっき法、スピンコート法、スプレーコート法、印刷法等により形成される。保護膜12の構成材料としては、例えば高抵抗金属材料(Ti、TiN、TiW、Ni、Cr、TaN、CoWP等)、低抵抗金属材料(Al、Al−Cu、Al−Si−Cu、Cu、Au、Ag等)、多結晶シリコン、導電性を有する高分子化合物、導電性粒子を含有したエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の導電性樹脂材料が用いられる。保護膜12は樹脂材料等の絶縁材料で形成してもよいが、ウェハ工程における静電チャック性等を考慮して導電性材料で形成することが好ましい。
【0020】
さらに、保護膜12は遮光性を有していることが好ましい。このような点から、保護膜12を樹脂材料で形成する場合には、保護膜12に遮光性を付与するために、樹脂材料にカーボンブラック等を添加して黒色化することが望ましい。上述した高抵抗金属材料や低抵抗金属材料は導電性と遮光性とを兼ね備えていることから、保護膜12の構成材料として好ましいものである。保護膜12は各種金属材料の単層膜で構成してもよいし、また複数の金属材料層を積層した多層膜で構成してもよい。
【0021】
光透過性保護部材9の表面9aにおいて、保護膜12は半導体基板2の受光部3に対応する領域(光透過領域)を除く外周領域に設けられている。光透過性保護部材9の光透過領域の表面9aは、保護膜12に対して凹状となっている。すなわち、保護膜12は光透過性保護部材9の表面9aに対して凸状に形成されており、光透過性保護部材9の光透過領域の表面9aは保護膜12の厚さに基づいて凹状となっている。従って、ウェハ工程で光透過性保護部材9の表面9aに直接触れることが防止される。このような効果を得る上で、保護膜12は1〜50μmの範囲の厚さを有することが好ましい。
【0022】
上述したような光透過性保護部材9を、保護膜12を有する面9aとは反対側の面9bが第1の主面2aと対向するように半導体基板2上に配置する。そして、図3に示すように、接着層10を介して光透過性保護部材9の面9bと半導体基板2の第1の主面2aとを貼り合わせる。光透過性保護部材9と半導体基板2とは接着層10を介して、例えば加圧・加熱することにより貼り合わせる。光透過性保護部材9と半導体基板2との間には、接着層10の形成位置および厚さに基づいて間隙11が形成される。半導体基板2の受光部3は間隙11に露出するように配置される。
【0023】
次に、図5に示すように、半導体基板2の第2の主面2bを機械研削、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing)、ウェットエッチング、ドライエッチング等により加工し、半導体基板2を第2の主面2b側から薄肉化する。半導体基板2の厚さは50〜150μm程度であることが好ましい。なお、この加工工程は予め薄肉化した半導体基板2を用いる場合には必要ではないが、光透過性保護部材9が半導体基板2を機械的に補強する支持基板の役割を果たすことから、半導体基板2の最終的な加工は光透過性保護部材9を貼り合わせた後に実施することが好ましい。
【0024】
次いで、図6に示すように、半導体基板2の第2の主面2b側から第1の主面2aに向けて貫通孔5を形成し、貫通孔5内に電極4を露出させる。貫通孔5は半導体基板2の第2の主面2b側に配置された所定パターンのマスク(図示せず)を用いて、半導体基板2をプラズマエッチング法等でエッチングすることにより形成される。貫通孔5はレーザエッチング法で形成してもよい。この場合にはマスクは不要である。貫通孔5は例えば電極4の近傍で第1の主面2aに向けて凸状の断面形状を有する。
【0025】
続いて、図7に示すように、貫通孔5内から半導体基板2の第2の主面2bに亘って貫通配線層6を形成する。貫通配線層6と半導体基板2との間を絶縁するために、貫通孔5内や第2の主面2b上には予め絶縁層(図示せず)を形成する。貫通孔5の絶縁層には予め開口が設けられているため、貫通配線層6は電極4と接続される。
【0026】
貫通配線層6は所定パターンのマスク(図示せず)を用いて、スパッタ法、CVD法、蒸着法、めっき法、印刷法等により形成される。貫通配線層6には、例えば高抵抗金属材料(Ti、TiN、TiW、Ni、Cr、TaN、CoWP等)や低抵抗金属材料(Al、Al−Cu、Al−Si−Cu、Cu、Au、Ag、半田材等)が用いられる。これらは単層構造もしくは複数の材料層を積層した多層構造で配線層(導電層)を構成する。
【0027】
この後、図8に示すように、貫通配線層6に外部接続端子7を形成し、この外部接続端子7を除いて半導体基板2の第2の主面2bを覆うように保護層8を形成する。外部接続端子7は例えば半田材で形成され、保護層8はポリイミド樹脂やエポキシ樹脂、あるいはソルダーレジスト材等で形成される。これら一連の工程(ウェハ工程)が終了した後に、半導体基板2を光透過性保護部材9と共にブレードで切断して個片化することによって、図1に示す半導体装置1が作製される。
【0028】
第1の実施形態の半導体装置1においては、半導体基板2の第1の主面2a(受光部3を含む)を覆う光透過性保護部材9の表面9aに、受光部3に対応する領域(光透過領域)に開口12aを有する保護膜12を設けている。光透過性保護部材9の光透過領域の表面9aは保護膜12に対して凹状になっているため、半導体基板2を薄肉化する工程や半導体基板2に貫通孔5を形成する工程等において、光透過性保護部材9の光透過領域の表面9aに直接触れるおそれがない。従って、光透過性保護部材9の表面9aに生じるキズやクラック等が抑えられ、入射光の散乱を抑制することが可能となる。
【0029】
さらに、保護膜12を遮光性の材料で形成することによって、受光部3の周辺部にあたる光透過性保護部材9への斜め入射光が遮断される。従って、受光部3に不要な斜め方向から光が入射することを防止することができる。これらによって、受光部3を有する半導体装置1の特性や製造歩留り等を向上させることができると共に、撮像特性等の受光部3による特性を高めることが可能となる。すなわち、特性や製造歩留りに優れる半導体装置1を再現性よく提供することができる。
【0030】
図9は第1の実施形態による半導体装置1の第1の変形例を示している。図9に示す半導体装置1において、光透過性保護部材9の表面9aに設けられた保護膜12は、光透過性保護部材9の周縁部表面が露出するように、光透過性保護部材9の外周部から内側に向けて後退している。言い換えると、保護膜12は光透過性保護部材9の受光部3に対応する領域(光透過領域)を開口させる第1の開口12aに加えて、光透過性保護部材9の周縁部を露出させる第2の開口12bを有している。
【0031】
このように、保護膜12を内側に向けて後退させ、光透過性保護部材9の周縁部を露出させることによって、半導体基板2を光透過性保護部材9と共に切断する際に、保護膜12によるブレードの目詰まりが抑制される。従って、光透過性保護部材9の周縁部に大きなチッピングやクラック等が生じることが防止され、これによって半導体装置1の製造歩留りをさらに向上させることが可能となる。
【0032】
図10は第1の実施形態による半導体装置1の第2の変形例を示している。図10に示す半導体装置1において、保護膜12は凹凸形状を有している。保護膜12の凹凸形状の具体例としては、図11の平面図に示す線状や図12の平面図に示す格子状等が挙げられる。また図13に示すように、保護膜12は針状の凹凸断面形状を有していてもよい。光透過性保護部材9上にレンズモジュール(図示せず)を搭載する際に、保護膜12が接着剤に対するなじみ性を高めることに加えて、保護膜12の凹凸部がアンカー効果を示すため、レンズモジュールの接着性が向上して機械的信頼性を高めることが可能となる。
【0033】
次に、本発明の第2の実施形態による半導体装置について、図14を参照して説明する。図14は第2の実施形態による半導体装置21の構成を示している。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その説明を一部省略する。図14に示す半導体装置21において、光透過性保護部材9の表面9aには半導体基板2の受光部3に対応する領域を開口させる開口22aを有する第1の保護膜22が設けられている。ここで、第1の保護膜22は前述した第1の実施形態の保護膜12と同一構成を有するものであり、開口22aの形状等も第1の実施形態の保護膜12の開口12aと同一とされている。
【0034】
さらに、光透過性保護部材9の表面9aは第1の保護膜22上を含めて第2の保護膜23で覆われている。言い換えると、第2の保護膜23は第1の保護膜22上および開口22aに基づく光透過性保護部材9の露出表面9a上に設けられている。第2の保護膜23は光透過性の非金属保護膜により構成されており、第1の保護膜22より薄い膜厚を有している。第2の実施形態の半導体装置21は、第2の保護膜23以外の構成については第1の実施形態の半導体装置1と同様とされている。
【0035】
光透過性の非金属保護膜からなる第2の保護膜23は、CVD法、スピンコート法、スプレーコート法等によって、開口22aを有する第1の保護膜22の形状に沿うように形成される。第2の保護膜23の構成材料としては、例えばシリコン酸化物(SiO2)、シリコン窒化物(SiNx)、光透過性の樹脂等が用いられる。これらのうちでも、光透過性の点からシリコン酸化物(SiO2)を適用することが好ましい。第2の保護膜23は第1の保護膜22より薄い膜厚を有している。そのような条件を満足させた上で、第2の保護膜23の膜厚は例えば0.1〜1μmの範囲とすることが好ましい。
【0036】
第2の実施形態の半導体装置21においては、第1の実施形態と同様な効果(光透過性保護部材9の表面9aへのキズやクラックの抑制、半導体装置21の特性や歩留りの向上)に加えて、第1の保護膜22の表面からの加工装置への金属汚染を防止することができる。すなわち、第1の保護膜22を金属膜で構成した場合においても、その表面を非金属保護膜からなる第2の保護膜23で覆うことによって、第1の保護膜22の表面からの加工装置への金属汚染を防止することができる。従って、半導体装置21の製造歩留りをさらに向上させることが可能となる。
【0037】
第2の保護膜23は第1の保護膜22より膜厚が薄いため、光透過性保護部材9の表面9aの受光部3に対応する領域(開口22aによる露出部)は第1の保護膜22に対して凹状となる。従って、ウェハ工程でキズ等が発生することはない。さらに、第2の保護膜23をシリコン酸化物(SiO2)や樹脂材料等の絶縁材料で構成した場合であっても、その厚さを十分に薄くすることで静電チャックを適用することができる。これらによって、製造効率や特性に優れる半導体装置21を提供することが可能となる。
【0038】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、半導体基板の表裏両面間を貫通配線層で接続すると共に、半導体基板上に光透過性保護部材を配置する各種の半導体装置に適用することができる。そのような半導体装置も本発明に含まれるものである。また、本発明の実施形態は本発明の技術的思想の範囲内で拡張もしくは変更することができ、この拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施形態による半導体装置を示す断面図である。
【図2】図1に示す半導体装置の製造工程における半導体基板の準備段階を示す図である。
【図3】図1に示す半導体装置の製造工程における光透過性保護部材の準備段階を示す図である。
【図4】図1に示す半導体装置の製造工程における半導体基板と光透過性保護部材との貼り合わせ段階を示す図である。
【図5】図1に示す半導体装置の製造工程における半導体基板の加工段階を示す図である。
【図6】図1に示す半導体装置の製造工程における貫通孔の形成段階を示す図である。
【図7】図1に示す半導体装置の製造工程における配線層の形成段階を示す図である。
【図8】図1に示す半導体装置の製造工程における外部接続端子および保護層の形成段階を示す図である。
【図9】図1に示す半導体装置の第1の変形例を示す断面図である。
【図10】図1に示す半導体装置の第2の変形例を示す断面図である。
【図11】図10に示す光透過性保護部材の保護膜の一例を示す平面図である。
【図12】図10に示す光透過性保護部材の保護膜の他の例を示す平面図である。
【図13】図10に示す光透過性保護部材の保護膜の他の例を示す断面図である。
【図14】本発明の第2の実施形態による半導体装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1,21…半導体装置、2…半導体基板、2a…第1の主面、2b…第1の主面、3…受光部、4…電極、5…貫通孔、6…貫通配線層、7…外部接続端子、9…光透過性保護部材、10…接着層、11…間隙、12…保護膜、12a,12b…開口、22…第1の保護膜、22a…開口、23…第2の保護膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主面と、前記第1の主面とは反対側の第2の主面とを有する半導体基板と、
前記半導体基板の前記第1の主面に設けられた受光部と、
前記受光部と電気的に接続するように、前記半導体基板の前記第1の主面に設けられた電極と、
前記電極と電気的に接続され、かつ前記半導体基板の前記第1の主面と前記第2の主面とを繋ぐように、前記半導体基板に設けられた貫通配線層と、
前記半導体基板の前記第1の主面を覆うように、前記受光部上に所定の間隙を介して配置された光透過性保護部材と、
前記光透過性保護部材の表面に設けられ、前記受光部上に開口を有する保護膜と
を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記保護膜は前記光透過性保護部材の外周部から内側に向けて後退していることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の半導体装置において、
前記保護膜は凹凸形状を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の半導体装置において、
前記保護膜上を含めて前記光透過性保護部材の表面を覆うように設けられ、前記保護膜より薄い光透過性の非金属保護膜を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
第1の主面と、前記第1の主面とは反対側の第2の主面とを有し、前記第1の主面に受光部と前記受光部と電気的に接続された電極とが設けられた半導体基板を用意する工程と、
前記受光部に対応する開口を有する保護膜が一方の面に形成された光透過性保護部材を用意する工程と、
前記受光部上に所定の間隙を形成しつつ、前記半導体基板の前記第1の主面と前記光透過性保護部材の他方の面とを貼り合わせる工程と、
前記電極を露出させるように、前記半導体基板の前記第2の主面から前記第1の主面に向けて前記半導体基板に貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔内から前記半導体基板の前記第2の主面に亘って、前記貫通孔内に露出する前記電極と接続する配線層を形成する工程と
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−76629(P2009−76629A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243663(P2007−243663)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】