説明

半導体装置の作製方法及び表示装置の作製方法

【課題】材料の利用効率を向上させ、かつ、作製工程を簡略化して、信頼性の高い半導体
装置を作製する方法を提供する。
【解決手段】基板上に導電層を形成し、該導電層上に光透過層を形成し、該光透過層上か
らフェムト秒レーザを照射して、該導電層及び該光透過層を選択的に除去する工程を有す
る。なお、該導電層の端部は、該光透過層の端部より内側に配置されるように該導電層及
び該光透過層を除去されていてもよい。また、フェムト秒レーザを照射する前に、該光透
過層表面に撥液処理を行ってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェムト秒レーザを用いたコンタクトホール開口を利用した半導体素子の作製
方法に関する。また、半導体素子を有する半導体装置の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ(以下、「TFT」とも記す。)及びそれを用いた電子回路は、半導体
、絶縁膜及び導電膜などの各種薄膜を基板上に積層し、適宜フォトリソグラフィ技術によ
り所定のコンタクトホールを形成して製造されている。フォトリソグラフィ技術とは、フ
ォトマスクと呼ばれる透明な平板面上に光を通さない材料で形成した回路等のパターンを
、光を利用して目的とする基板上に転写する技術であり、半導体集積回路等の製造工程に
おいて広く用いられている。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて基板上に転写され
たパターンをマスクとして、コンタクトホールとなるべき部分に存在する絶縁膜、半導体
膜、金属膜等をエッチング除去することで所望の位置にコンタクトホールを形成すること
ができる。
【0003】
従来のフォトリソグラフィ技術を用いた製造工程では、フォトレジストと呼ばれる感光性
の有機樹脂材料を用いて形成されるマスクパターンの取り扱いだけでも、露光、現像、焼
成、剥離といった多段階の工程が必要になる。従って、フォトリソグラフィ工程の回数が
増える程、製造コストは必然的に上がってしまうことになる。このような問題点を改善す
るために、フォトリソグラフィ工程を削減してTFTを製造することが試みられている(
例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、フォトリソグラフィ工程によって形成され
たレジストマスクを、一回用いた後、膨潤により体積膨張をさせて異なる形状のレジスト
マスクとして再び用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−133636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、該フォトリソグラフィ工程を用いると、感光剤塗布、パターニング、現像
処理、エッチング処理、及び剥離処理と少なくとも5つの処理工程を行う必要があるため
、工程終了まで時間がかかり、生産量が低下してしまう。また、感光剤のレジストや現像
に使用する現像液、さらに剥離で使用する剥離液等、さまざまな薬品を使用するため、工
程中に有害な廃液が生じ、薬品の原価のみならず、廃液の処分費が製造費用に上積みされ
てしまう。さらには、場合によっては、該薬品による環境汚染も考えられる。
【0006】
また、該フォトリソグラフィ工程を用いて形成されたコンタクトホールに形成される導電
層の形状不良は、コンタクトホールを介して接続される導電層間の接触不良につながり、
得られる半導体装置の歩留まりや信頼性を低下させる原因となる。特に、回路を形成する
ための配線層を形成する際、配線層の接触不良は、ショートなど電気的特性に悪影響を与
える。
【0007】
本発明は、TFT及びそれを用いる半導体装置並びにTFTによって形成される表示装置
の製造工程において、フォトリソグラフィ工程を削減し、さらに工程を簡略化し、生産能
力を向上させる技術を提供することを課題とする。また、本発明は、それらの表示装置を
構成する配線等の構成物を、所望の形状で制御性よく形成する方法を提供することも目的
とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、フェムト秒レーザを用いて絶縁層及び導電層に開口部(コンタクトホール)を
形成し、該開口部に液状の導電性材料を吐出することにより該開口部を覆う導電層を形成
することを特徴とする。
【0009】
本発明の半導体装置の作製方法は、基板上に導電層を形成し、前記導電層上に光透過層を
形成し、前記光透過層上からフェムト秒レーザを照射して、前記導電層及び前記光透過層
を選択的に除去することを特徴とする。
【0010】
本発明の半導体装置の作製方法は、基板上に導電層を形成し、前記導電層上に光透過層を
形成し、前記光透過層上からフェムト秒レーザを照射して、前記導電層及び前記光透過層
を選択的に除去して前記導電膜及び前記光透過層に開口部を形成し、前記開口部に液状の
導電性材料を滴下することを特徴とする。
【0011】
本発明の半導体装置の作製方法において、前記導電層の端部は、前記光透過層の端部より
内側に配置されるように前記導電層及び前記光透過層を除去されていてもよい。
【0012】
本発明の半導体装置の作製方法は、基板上に第1の導電層を形成し、前記第1の導電層上
に光透過層を形成し、前記光透過層上からフェムト秒レーザを照射して、前記第1の導電
層及び前記光透過層を選択的に除去して前記第1の導電膜及び前記光透過層に開口部を形
成し、前記開口部に液状の導電性材料を滴下して、前記第1の導電層と電気的に接続する
第2の導電層を形成することを特徴とする。
【0013】
本発明の半導体装置の作製方法において、前記第1の導電層の端部は、前記光透過層の端
部より内側に配置されるように前記第1の導電層及び前記光透過層を除去されていてもよ
い。
【0014】
本発明の半導体装置の作製方法において、前記光透過層表面に撥液処理を行ってもよい。
【0015】
本発明は表示機能を有する装置である表示装置にも用いることができ、本発明を用いる表
示装置には、エレクトロルミネセンス(以下「EL」ともいう。)と呼ばれる発光を発現
する有機物、無機物、若しくは有機物と無機物の混合物を含む層を、電極間に介在させた
発光素子とTFTとが接続された発光表示装置や、液晶材料を有する液晶素子を表示素子
として用いる液晶表示装置などがある。
【0016】
上記構成において開口を形成する導電層としてクロム、モリブデン、ニッケル、チタン、
コバルト、銅、又はアルミニウムのうち一種又は複数を用いて形成することができる。ま
た、開口を形成する光透過層はフェムト秒レーザを透過する材料、例えば透光性の有機樹
脂などを用いて形成することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、複雑なフォトリソグラフィ工程を軽減し、簡略化された工程で半導体装置
を作製することができるので、材料のロスが少なく、コストダウンも達成できる。よって
高性能、高信頼性の表示装置を歩留まりよく作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図2】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図3】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図4】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図5】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図6】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図7】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図8】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図9】本発明に適応可能な発光素子の断面構造を説明する図である。
【図10】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図11】本発明に適応可能な発光素子の等価回路を説明する図である。
【図12】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図13】本発明に適応可能な電気泳動素子の断面構造を説明する図である。
【図14】本発明の表示パネルにおいて走査線側駆動回路をTFTで形成する場合の回路構成を説明する図。
【図15】本発明の表示パネルにおいて走査線側駆動回路をTFTで形成する場合の回路構成を説明する図(シフトレジスタ回路)。
【図16】本発明の表示パネルにおいて走査線側駆動回路をTFTで形成する場合の回路構成を説明する図(バッファ回路)。
【図17】本発明の半導体装置を説明する上面図である。
【図18】本発明の半導体装置を説明する上面図である。
【図19】本発明の半導体装置を用いた電子機器を説明する斜視図である。
【図20】本発明の半導体装置を用いた電子機器を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明
に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々
に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施
の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構
成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通
して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0020】
(実施の形態1)
本実施の形態では、フェムト秒レーザを用いて開口部(コンタクトホール)を形成し、該
開口部に液状の導電性材料を吐出することにより該開口部を覆う導電層を形成する方法に
ついて説明する。
【0021】
まず、基板720上に導電層721を形成する(図1(A))。なお、導電層721とし
て例えば、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、タングステン(
W)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ネオジム(Nd)、鉄(Fe
)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パ
ラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、銀(Ag)、金(Au)
、白金(Pt)、カドミウム(Cd)、亜鉛(Zn)、珪素(Si)、ゲルマニウム(G
e)、ジルコニウム(Zr)、バリウム(Ba)から選ばれた元素を含む材料からなる層
を単層又は積層形成して用いることができる。
【0022】
次に、導電層721上に光透過層722を形成する(図1(A))。ここで、光透過層7
22としてはレーザ光を透過する材料で形成された薄膜であれば特に限定されない。例え
ば、透光性の有機樹脂などを用いて形成することができる。また、光透過層722表面に
撥液処理を行ってもよい。
【0023】
次に、光透過層722上からフェムト秒レーザを照射する(図1(B))。光透過層72
2表面にフェムト秒レーザを照射することにより導電層721及び光透過層722を選択
的に除去することが可能である(図1(C))。つまり、導電層721及び光透過層72
2に選択的に開口部725を形成することができる。ここでフェムト秒レーザの焦点は、
光透過層722又は導電層721中に位置するように調整する。なお、基板の起伏により
焦点の位置が変わる場合にはオートフォーカス機能を光学系に付与してもよい。なお、フ
ェムト秒レーザの焦点を光透過層722中に位置するようにフェムト秒レーザを照射した
場合でも、該光透過層722は薄膜であるため該光透過層722のみを選択的に除去する
ことは困難である。従って、下層の導電層721もともに除去され、導電層721及び光
透過層722が開口された開口部725が形成される。また、このようにフェムト秒レー
ザを照射して開口部を形成した場合、開口部725において絶縁層722の端部が導電層
721の端部より内側に形成されるように形成することもできる。このような形状とする
ことで開口部の口径を小さく保ったまま、導電層721の露出面積を増やすことができる
。このように、導電層721及び光透過層722を積層させフェムト秒レーザで開口を形
成することにより口径の小さな開口部を形成するこができる。このような開口部であって
も、導電性樹脂材料を用いてコンタクトを形成することにより、良好な接続構造を形成す
ることができる。
【0024】
なお、フェムト秒レーザは、パルス幅がフェムト秒(10−15秒)台で発振するレーザ
(フェムト秒レーザともいう)を射出するレーザ発振器を用いて照射する。該レーザ発振
器として用いることができるのは、Sapphire、YAG、セラミックスYAG、セ
ラミックスY、KGW、KYW、MgSiO、YLF、YVO、GdVO
などの結晶に、Nd、Yb、Cr、Ti、Ho、Erなどのドーパントを添加したレーザ
などが挙げられる。
【0025】
本実施の形態において、レーザ光によって選択的に開口部725を形成することができる
のでマスク層を形成しなくてもよく工程及び材料を削減することができる。またフェムト
秒レーザを用いることにより、非常に小さいスポットに集光できるので、加工すべき導電
層及び絶縁層を所定の形状に高い精度で加工できる。かつ短時間で瞬間的に加熱されるの
で、加工領域以外の領域をほとんど加熱しなくてもよいという利点がある。また、フェム
ト秒レーザを用いることにより、光を透過する(光をほとんど吸収しない)物質に対して
の加工を容易に行うことが可能であり。また、異なる材料が多層に積層された膜を単一の
工程で加工することが可能である。
【0026】
次に、開口部725に液状の導電性材料724を滴下する(図1(D))。ここでは、特
定の目的に調合された組成物の液滴を選択的に吐出(噴出)して所定のパターンに導電層
などを形成することが可能な、液滴吐出(噴出)法(その方式によっては、インクジェッ
ト法とも呼ばれる。)を用いる。開口部725に構成物形成材料を含む液状の導電性材料
(液滴)724を吐出し、焼成、乾燥等を行って固定化し所望なパターンの導電層726
を形成する(図1(E))。
【0027】
ここで、液滴吐出法に用いる液滴吐出装置の一態様を図2に示す。液滴吐出手段1403
の個々のヘッド1405、ヘッド1412は制御手段1407に接続され、それがコンピ
ュータ1410で制御することにより予めプログラミングされたパターンに描画すること
ができる。描画するタイミングは、例えば、基板1400上に形成されたマーカー141
1を基準に行えば良い。或いは、基板1400の縁を基準にして基準点を確定させても良
い。これを撮像手段1404で検出し、画像処理手段1409にてデジタル信号に変換し
たものをコンピュータ1410で認識して制御信号を発生させて制御手段1407に送る
。撮像手段1404としては、電荷結合素子(CCD)や相補型金属酸化物半導体を利用
したイメージセンサなどを用いることができる。勿論、基板1400上に形成されるべき
パターンの情報は記憶媒体1408に格納されたものであり、この情報を基にして制御手
段1407に制御信号を送り、液滴吐出手段1403の個々のヘッド1405、ヘッド1
412を個別に制御することができる。吐出する材料は、材料供給源1413、材料供給
源1414より配管を通してヘッド1405、ヘッド1412にそれぞれ供給される。
【0028】
ヘッド1405内部は、点線1406が示すように液状の材料を充填する空間と、吐出口
であるノズルを有する構造となっている。図示しないが、ヘッド1412もヘッド140
5と同様な内部構造を有する。ヘッド1405とヘッド1412のノズルを異なるサイズ
で設けると、異なる材料を異なる幅で同時に描画することができる。一つのヘッドで、導
電性材料や有機、無機材料などをそれぞれ吐出し、描画することができ、層間膜のような
広領域に描画する場合は、スループットを向上させるため複数のノズルより同材料を同時
に吐出し、描画することができる。大型基板を用いる場合、ヘッド1405、ヘッド14
12は基板上を、矢印の方向に自在に走査し、描画する領域を自由に設定することができ
、同じパターンを一枚の基板に複数描画することができる。
【0029】
液滴吐出法を用いて導電層を形成する場合、粒子状に加工された導電性材料を含む組成物
を吐出し、焼成によって融合や融着接合させ固化することで導電層を形成する。このよう
に導電性材料を含む組成物を吐出し、焼成することによって形成された導電層(または絶
縁層)においては、スパッタ法などで形成した導電層(または絶縁層)が、多くは柱状構
造を示すのに対し、多くの粒界を有する多結晶状態を示すことが多い。
【0030】
本実施の形態では、フェムト秒レーザを用いて光透過層722に開口部725を形成して
、液滴吐出法により該開口部725に導電層726を形成する。これにより、複雑なフォ
トリソグラフィ工程を行うことなく開口部を形成することができ、かつ該導電層726は
該開口部の形状に左右されず絶縁層下の導電層721と良好な電気的コンタクトをとるこ
とができる。例えば、開口部725において、絶縁層722の端部が導電層721の端部
より内側に形成されている(開口部が逆テーパ形状)場合や開口部が狭い場合でも、導電
層726は開口部に液状の導電性材料を吐出して形成されるため、導電層721と良好な
電気的コンタクトをとることができる。
【0031】
また、本実施の形態において、光透過層722にフェムト秒レーザを照射する前に光透過
層722表面に撥液処理を行っていてもよい。光透過層722表面に撥液処理を行うこと
により、開口部725に導電層726を形成する際に、液状の導電性材料(液滴)724
が、開口部725に入らず光透過層722表面に堆積するのを防ぐことができ、より精度
良く導電性材料724を開口部725に流入させることができる。
【0032】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1の方法を用いた半導体装置の作製方法について、図3を
用いて説明する。
【0033】
ここでは、半導体装置として、逆スタガ型薄膜トランジスタ(逆スタガ型TFT)を用い
て説明する。なお、逆スタガ型薄膜トランジスタに限らず、順スタガ型薄膜トランジスタ
、コプレナー型薄膜トランジスタ、ダイオード、MOSトランジスタ等の半導体素子を作
製することでもできる。
【0034】
まず、基板100上にゲート電極層182を形成する(図3(A))。基板100は、バ
リウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等からなるガラス基板、石英基板、
金属基板、又は本作製工程の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用い
ることができる。また、基板100の表面が平坦化されるようにCMP法などによって、
研磨しても良い。なお、基板100上に、絶縁層を形成してもよい。絶縁層は、CVD法
、プラズマCVD法、スパッタリング法、スピンコート法等の種々の方法により、珪素を
含む酸化物材料、窒化物材料を用いて、単層又は積層して形成される。この絶縁層は、形
成しなくても良いが、基板100からの汚染物質などを遮断する効果がある。
【0035】
ゲート電極層182は、例えばスパッタリング法、PVD法(Physical Vap
or Deposition)、減圧CVD法(LPCVD法)、またはプラズマCVD
法等のCVD法(Chemical Vapor Deposition)などを用いて
導電層を形成した後、フォトリソグラフィー工程により選択的に導電層をエッチングする
ことで形成することができる。また、ゲート電極層182を形成する導電性材料として、
Ag、Au、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuから選
ばれた元素、又は前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料を用いることがで
きる。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体
膜や、AgPdCu合金を用いてもよい。また、単層構造でも複数層の構造でもよく、例
えば、窒化タングステン(WN)膜とモリブデン(Mo)膜との2層構造としてもよいし
、膜厚50nmのタングステン膜、膜厚500nmのアルミニウムとシリコンの合金(A
l−Si)膜、膜厚30nmの窒化チタン膜を順次積層した3層構造としてもよい。また
、3層構造とする場合、第1の導電膜のタングステンに代えて窒化タングステンを用いて
もよいし、第2の導電膜のアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜に代えてアル
ミニウムとチタンの合金膜(Al−Ti)を用いてもよいし、第3の導電膜の窒化チタン
膜に代えてチタン膜を用いてもよい。
【0036】
本実施の形態ではゲート電極層は組成物を選択的に吐出して形成する。このように選択的
にゲート電極層を形成すると加工の工程が簡略化する効果がある。
【0037】
次に、基板100及びゲート電極層182上にゲート絶縁層180を形成する(図3(A
))。ゲート絶縁層180としては、珪素の酸化物材料又は窒化物材料等の材料で形成す
ればよく、積層でも単層でもよい。本実施の形態では、窒化珪素膜、酸化珪素膜の2層の
積層を用いる。またそれらや、酸化窒化珪素膜の単層、3層以上からなる積層でも良い。
好適には、緻密な膜質を有する窒化珪素膜を用いるとよい。また、液滴吐出法で形成され
る導電層に銀や銅などを用いる場合、その上にバリア膜として窒化珪素膜やNiB膜を形
成すると、不純物の拡散を防ぎ、表面を平坦化する効果がある。なお、低い成膜温度でゲ
ートリーク電流の少ない緻密な絶縁膜を形成するには、アルゴンなどの希ガス元素を反応
ガスに含ませ、形成される絶縁膜中に混入させると良い。ここでは、プラズマCVD法に
より、50〜200nmの窒化珪素層を形成する。
【0038】
次に、基板100のゲート絶縁層180上に半導体層185aを形成する。半導体層18
5aを形成する材料は、シランやゲルマンに代表される半導体材料ガスを用いて気相成長
法やスパッタリング法で作製されるアモルファス半導体(以下「AS」ともいう。)、該
非晶質半導体を光エネルギーや熱エネルギーを利用して結晶化させた多結晶半導体、或い
はセミアモルファス(微結晶若しくはマイクロクリスタルとも呼ばれる。「SAS」とも
いう。)半導体などを用いることができる。なお、半導体層185aは、調整された組成
物の液滴を微細な孔から吐出して所定の形状の層を形成する液滴吐出法を用いて形成する
ことができる。また、印刷法を用いて形成してもよい。また、CVD法、PVD法、塗布
法等により基板上に半導体層を形成した後、フォトリソグラフィー工程により選択的に導
電層をエッチングして、半導体層185aを形成してもよい。
【0039】
アモルファス半導体としては、代表的には水素化アモルファスシリコン、結晶性半導体と
しては代表的にはポリシリコンなどがあげられる。ポリシリコン(多結晶シリコン)には
、800℃以上のプロセス温度を経て形成されるポリシリコンを主材料として用いた所謂
高温ポリシリコンや、600℃以下のプロセス温度で形成されるポリシリコンを主材料と
して用いた所謂低温ポリシリコン、また結晶化を促進する元素などを添加し結晶化させた
ポリシリコンなどを含んでいる。もちろん、セミアモルファス半導体又は半導体層の一部
に結晶相を含む半導体を用いることもできる。
【0040】
なお、SASは、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造を有し、自
由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪み
を有する結晶質な領域を含んでいる。少なくとも膜中の一部の領域には、0.5〜20n
mの結晶領域を観測することが出来、珪素を主成分とする場合にはラマンスペクトルが5
20cm−1よりも低波数側にシフトしている。X線回折では珪素結晶格子に由来すると
される(111)、(220)の回折ピークが観測される。未結合手(ダングリングボン
ド)を終端化するため水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませて
いる。SASは、珪素を含む気体をグロー放電分解(プラズマCVD)して形成する。珪
素を含む気体としては、SiH、その他にもSi、SiHCl、SiHCl
、SiCl、SiFなどを用いることが可能である。またF、GeFを混合さ
せても良い。この珪素を含む気体をH、又は、HとHe、Ar、Kr、Neから選ば
れた一種または複数種の希ガス元素で希釈しても良い。希釈率は2〜1000倍の範囲、
圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ま
しくは13MHz〜60MHzである。基板加熱温度は300℃以下が好ましく、100
〜200℃の基板加熱温度でも形成可能である。ここで、主に成膜時に取り込まれる不純
物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分に由来する不純物は1×1020cm
以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019cm−3以下、好ましくは
1×1019cm−3以下となるようにすることが好ましい。また、ヘリウム、アルゴン
、クリプトン、ネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで安
定性が増し良好なSASが得られる。また半導体層としてフッ素系ガスより形成されるS
AS層に水素系ガスより形成されるSAS層を積層してもよい。
【0041】
半導体層に、結晶性半導体層を用いる場合、その結晶性半導体層の作製方法は、各種方法
(レーザ結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの結晶化を助長する元素を用いた熱
結晶化法等)を用いれば良い。また、SASである微結晶半導体をレーザ照射して結晶化
し、結晶性を高めることもできる。結晶化を助長する元素を導入しない場合は、非晶質珪
素膜にレーザ光を照射する前に、窒素雰囲気下500℃で1時間加熱することによって非
晶質珪素膜の含有水素濃度を1×1020atoms/cm以下にまで放出させる。こ
れは水素を多く含んだ非晶質珪素膜にレーザ光を照射すると非晶質珪素膜が破壊されてし
まうからである。
【0042】
非晶質半導体層への金属元素の導入の仕方としては、当該金属元素を非晶質半導体層の表
面又はその内部に存在させ得る手法であれば特に限定はなく、例えばスパッタ法、CVD
法、プラズマ処理法(プラズマCVD法も含む)、吸着法、金属塩の溶液を塗布する方法
を使用することができる。このうち溶液を用いる方法は簡便であり、金属元素の濃度調整
が容易であるという点で有用である。また、このとき非晶質半導体層の表面の濡れ性を改
善し、非晶質半導体層の表面全体に水溶液を行き渡らせるため、酸素雰囲気中でのUV光
の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン水又は過酸化水素による処理等によ
り、酸化膜を成膜することが望ましい。
【0043】
非晶質半導体層の結晶化は、熱処理とレーザ光照射による結晶化を組み合わせてもよく、
熱処理やレーザ光照射を単独で、複数回行っても良い。また、結晶性半導体層を、直接基
板にプラズマ法により形成しても良い。
【0044】
また、半導体として有機半導体材料を用い、印刷法、ディスペンサ法、スプレー法、スピ
ン塗布法、液滴吐出法などで形成することができる。この場合、上記エッチング工程が必
要ないため、工程数を削減することが可能である。有機半導体としては、低分子材料、高
分子材料などが用いられ、有機色素、導電性高分子材料などの材料も用いることができる
。本発明に用いる有機半導体材料としては、その骨格が共役二重結合から構成されるπ電
子共役系の高分子材料が望ましい。代表的には、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリ
(3−アルキルチオフェン)、ポリチオフェン誘導体、ペンタセン等の可溶性の高分子材
料を用いることができる。
【0045】
その他にも本発明に用いることができる有機半導体材料としては、可溶性の前駆体を成膜
した後で処理することにより半導体層を形成することができる材料がある。なお、このよ
うな有機半導体材料としては、ポリチエニレンビニレン、ポリ(2,5−チエニレンビニ
レン)、ポリアセチレン、ポリアセチレン誘導体、ポリアリレンビニレンなどがある。
【0046】
前駆体を有機半導体に変換する際には、加熱処理だけではなく塩化水素ガスなどの反応触
媒を添加することがなされる。また、これらの可溶性有機半導体材料を溶解させる代表的
な溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール
、クロロフォルム、ジクロロメタン、γブチルラクトン、ブチルセルソルブ、シクロヘキ
サン、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、シクロヘキサノン、2−ブタノン、ジオ
キサン、ジメチルホルムアミド(DMF)または、THF(テトラヒドロフラン)などを
適用することができる。
【0047】
次に、半導体層185a上に一導電型を有する半導体層186を形成する(図3(B))
。一導電型を有する半導体層186は、ソース領域及びドレイン領域として機能するもの
である。なお、一導電型を有する半導体膜は必要に応じて形成すればよく、n型を付与す
る不純物元素(P、As)を有するn型を有する半導体膜やp型を付与する不純物元素(
B)を有するp型を有する半導体膜を形成することができる。また、一導電型を有する半
導体層186は、調整された組成物の液滴を微細な孔から吐出して所定の形状の層を形成
する液滴吐出法を用いて形成してもよいし、印刷法を用いて形成してもよい。また、CV
D法、PVD法、塗布法等により基板上に形成した後、フォトリソグラフィー工程により
選択的にエッチングして、一導電型を有する半導体層186を形成してもよい。
【0048】
次に、一導電型を有する半導体層186上に配線187を形成する(図3(C))。配線
187の形成方法としては、液滴吐出法により導電性ペーストを滴下し焼成して形成する
ことができる。また、印刷法を用いて形成してもよい。また、CVD法、PVD法、塗布
法等により基板上に導電層を形成した後、フォトリソグラフィー工程により当該導電層を
選択的にエッチングして、配線187を形成してもよい。
【0049】
配線187は、ソース電極層又はドレイン電極層として機能し、一導電型を有する半導体
層186と電気的に接続している。配線187を形成する導電性材料としては、Ag(銀
)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等の金属の粒
子を主成分とした組成物を用いることができる。また、透光性を有するインジウム錫酸化
物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、有機インジウム、有機
スズ、酸化亜鉛、窒化チタンなどを組み合わせても良い。
【0050】
また、液滴吐出法を用いて形成することで、スピンコート法などによる全面塗布形成に比
べ、材料のロスが防げ、コストダウンが可能になる。
【0051】
次に、配線187上に絶縁層183を形成する(図3(D))。絶縁層183の材料とし
ては、レーザ光を透過する材料で形成された光透過層であれば特に限定されない。例えば
、無機材料(酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素など)、感光性または非
感光性の有機材料(有機樹脂材料)(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドア
ミド、レジスト、ベンゾシクロブテンなど)、低誘電率材料などの一種、もしくは複数種
からなる膜、またはこれらの膜の積層などを用いることができる。また、シロキサン材料
を用いてもよい。また、絶縁層183表面に撥液処理を行っていてもよい。
【0052】
次に、絶縁層183に開口部184を形成する(図3(E))。本実施の形態では、実施
の形態1で示したように所望の位置にフェムト秒レーザを照射することにより配線187
及び絶縁層183の所望の位置に開口部184を形成することができる。
【0053】
次に、開口部184に、導電性材料を含む組成物を吐出して電極層181を形成する(図
3(E)、(F))。組成物を選択的に吐出して電極層を形成すると加工の工程が簡略化
する効果がある。
【0054】
なお、電極層181は、その表面が平坦化されるように、CMP法、ポリビニルアルコー
ル系の多孔質体で拭浄し、研磨しても良い。またCMP法を用いた研磨後に、電極層18
1の表面に紫外線照射、酸素プラズマ処理などを行ってもよい。
【0055】
以上の工程により、基板100上に形成されたボトムゲート型のTFT188と電極層1
81とが接続された半導体素子が完成する。
【0056】
本実施の形態では、フェムト秒レーザを用いて、絶縁層183に開口部184を形成して
、液滴吐出法により該開口部184に電極層181を形成する。本実施の形態では、フェ
ムト秒レーザを用いて開口部を形成しているため、従来であれば複雑なフォトリソグラフ
ィ工程を行う必要がある導電層と絶縁層への開口部の形成において、フォトリソグラフィ
工程を用いることなく単一な工程で開口部を形成することができる。かつ、液滴吐出法を
用いて開口部を覆う電極層を形成しているため、該電極層181は該開口部の形状に左右
されず絶縁層下の配線187と良好な電気的コンタクトをとることができる。例えば、開
口部184において、絶縁層183の端部が配線187の端部より内側に形成されている
(開口部が逆テーパ形状)場合や開口部が狭い場合でも、電極層181は開口部に液状の
導電性材料を吐出して形成されるため、配線187と良好な電気的コンタクトをとること
ができる。
【0057】
また、本実施の形態において、絶縁層183にフェムト秒レーザを照射する前に絶縁層1
83表面に撥液処理を行っていてもよい。絶縁層183表面に撥液処理を行うことにより
、開口部184に電極層181を形成する際に、液状の導電性材料(液滴)が、開口部1
84に入らず絶縁層183表面に堆積するのを防ぐことができ、より精度良く導電性材料
を開口部184に流入させることができる。
【0058】
本実施の形態に示す半導体装置の作製方法を用いることにより、複雑なフォトリソグラフ
ィ工程を用いることなく配線間の開口(コンタクトホール)を形成することができ、かつ
配線の電気的コンタクトを良好にとることができる。よって、材料のロスが少なく、高性
能、高信頼性の半導体装置を歩留まりよく作製することができる。
【0059】
(実施の形態3)
本実施の形態では、薄膜トランジスタに接続される導電層を有する半導体装置の作製方法
について、図4を用いて説明する。ここでは、半導体装置として液晶表示パネルを形成す
る。また、図4においては、液晶表示パネルの一画素の断面図を示して、以下説明する。
【0060】
図4(A)に示すように、基板100上に実施の形態2で示す薄膜トランジスタ188、
及び薄膜トランジスタ188覆う絶縁層190を形成する。ここでは塗布法により組成物
を塗布し焼成してポリイミドで形成される絶縁層190を形成する。
【0061】
次に、絶縁層190の一部を実施の形態1で示す手法によりフェムト秒レーザを用いて開
口部を設け、開口部を有する絶縁層190を形成する。この後、配線187の表面に形成
される酸化物を除去してもよい。
【0062】
次に、図4(B)に示すように、開口部及び絶縁層190の表面に配線187に接続する
導電層192を形成する。なお、導電層192は画素電極として機能し、液滴吐出法を用
いて選択的に形成する。透光性を有する導電層192を形成することで後に透過型発光表
示パネルを作製することができる。また、導電層192として、Ag(銀)、Au(金)
、Cu(銅))、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等の反射性を有する導電層
を形成することで、後に反射型発光表示パネルを作製することができる。さらには、上記
透光性を有する導電層及び反射性を有する導電層を一画素ごとに形成することで、半透過
型表示パネルを作製することができる。
【0063】
なお、図4(B)に示すように、配線187の表面において配線187及び導電層192
が接するように開口部を形成することができる。
【0064】
また、図4(C)に示すように、一導電型を有する半導体層186の表面で一導電型を有
する半導体層186及び導電層192が接するように開口部を形成することができる。
【0065】
以上の工程により、アクティブマトリクス基板を形成することができる。
【0066】
次に、印刷法やスピンコート法により、絶縁膜を成膜し、ラビングを行って配向膜193
を形成する(図4(D))。なお、配向膜193は、斜方蒸着法により形成することもで
きる。
【0067】
次に、配向膜264、第2の画素電極(対向電極)263、及び着色層262が設けられ
た対向基板261において、画素部の周辺の領域に液滴吐出法により閉ループ状のシール
材(図示しない。)を形成する。シール材には、フィラーが混入されていてもよく、さら
に、対向基板261にはカラーフィルタや遮蔽膜(ブラックマトリクス)などが形成され
ていても良い。
【0068】
次に、ディスペンサ式(滴下式)により、シール材で形成された閉ループ内側に、液晶材
料を滴下したのち、真空中で、対向基板とアクティブマトリクス基板とを貼り合わせ、紫
外線硬化を行って、液晶材料が充填された液晶層265を形成する。なお、液晶層265
を形成する方法として、ディスペンサ式(滴下式)の代わりに、対向基板を貼り合わせて
から毛細管現象を用いて液晶材料を注入するディップ式(汲み上げ式)を用いることがで
きる。
【0069】
この後、走査線、信号線の接続端子部に、接続導電層を介して配線基板、代表的にはFP
C(Flexible Print Circuitを貼り付ける。以上の工程により、
液晶表示パネルを形成することができる。
【0070】
なお、本実施の形態ではTN型の液晶パネルについて示しているが、上記のプロセスは他
の方式の液晶パネルに対しても同様に適用することができる。例えば、ガラス基板と平行
に電界を印加して液晶を配向させる横電界方式の液晶パネルに本実施の形態を適用するこ
とができる。また、VA(Vertical Alignment)方式の液晶パネルに
本実施の形態を適用することができる。
【0071】
図5と図6は、VA型液晶パネルの画素構造を示している。図5は平面図であり、図中に
示す切断線I−Jに対応する断面構造を図6に表している。以下の説明ではこの両図を参
照して説明する。
【0072】
この画素構造は、一つの画素に複数の画素電極が有り、それぞれの画素電極にTFTが接
続されている。各TFTは、異なるゲート信号で駆動されるように構成されている。すな
わち、マルチドメイン設計された画素において、個々の画素電極に印加する信号を、独立
して制御する構成を有している。
【0073】
画素電極層1624は開口(コンタクトホール)1623により、配線層1618でTF
T1628と接続している。また、画素電極層1626は開口(コンタクトホール)16
27により、配線層1619でTFT1629と接続している。TFT1628のゲート
配線層1602と、TFT1629のゲート電極層1603には、異なるゲート信号を与
えることができるように分離されている。一方、データ線として機能する配線層1616
は、TFT1628とTFT1629で共通に用いられている。
【0074】
画素電極層1624と画素電極層1626は、2工程による液滴吐出工程を用いて、実施
の形態1と同様に作製する。具体的には、第1の液滴吐出工程により画素電極層のパター
ンの輪郭に沿って第1の導電性材料を吐出し、枠状の第1の導電層を形成する。枠状の第
1の導電層内部を充填するように第2の導電性材料を含む組成物を吐出し、第2の導電層
を形成する。第1の導電層及び第2の導電層は連続的な画素電極層として用いることがで
き、画素電極層1624、1626を形成することができる。このように本発明を用いる
と、工程が簡略化し、材料のロスが防げるので、低コストで生産性良く表示装置を作製す
ることができる。
【0075】
画素電極層1624と画素電極層1626の形状は異なっており、スリット1625によ
って分離されている。V字型に広がる画素電極層1624の外側を囲むように画素電極層
1626が形成されている。画素電極層1624と画素電極層1626に印加する電圧の
タイミングを、TFT1628及びTFT1629により異ならせることで、液晶の配向
を制御している。対向基板1601には、遮光膜1632、着色層1636、対向電極層
1640が形成されている。また、着色層1636と対向電極層1640の間には平坦化
膜1637が形成され、液晶の配向乱れを防いでいる。図7に対向基板側の構造を示す。
対向電極層1640は異なる画素間で共通化されている電極であるが、スリット1641
が形成されている。このスリット1641と、画素電極層1624及び画素電極層162
6側のスリット1625とを交互に咬み合うように配置することで、斜め電界が効果的に
発生させて液晶の配向を制御することができる。これにより、液晶が配向する方向を場所
によって異ならせることができ、視野角を広げている。
【0076】
このように、画素電極層として有機化合物と無機化合物を複合化させた複合材料を用いて
液晶パネルを製造することができる。このような画素電極を用いることにより、インジウ
ムを主成分とする透明導電膜を使う必要がなく、原材料面でのボトルネックを解消するこ
とができる。
【0077】
本実施例は、上記の実施の形態と適宜自由に組み合わせることができる。
【0078】
なお、静電破壊防止のための保護回路、代表的にはダイオードなどを、接続端子とソース
配線(ゲート配線)の間または画素部に設けてもよい。この場合、上記したTFTと同様
の工程で作製し、画素部のゲート配線層とダイオードのドレイン又はソース配線層とを接
続することにより、静電破壊を防止することができる。
【0079】
本実施の形態に示す液晶表示パネルの作製方法を用いることにより、複雑なフォトリソグ
ラフィ工程を用いることなく配線間の開口(コンタクトホール)を形成することができ、
かつ配線の電気的コンタクトを良好にとることができる。よって、材料のロスが少なく、
高性能、高信頼性の液晶表示パネルを歩留まりよく作製することができる。
【0080】
(実施の形態4)
本実施例では、薄膜トランジスタに接続される導電層を有する半導体装置の作製方法につ
いて説明する。ここでは、導電層として画素電極を形成し、半導体装置として発光表示パ
ネルを形成する。さらに、図8においては、発光表示パネルの一画素を示して、以下説明
する。
【0081】
まず、図8(A)に示すように、基板100上に実施の形態2で示した薄膜トランジスタ
188、及び薄膜トランジスタ188を覆い、且つフェムト秒レーザを用いて開口した開
口部を有する絶縁層191を形成する。
【0082】
次に、図8(B)に示すように、実施の形態1又は実施の形態2と同様に配線187に接
続する導電層201を形成する。なお、導電層201は画素電極として機能する。
【0083】
次に、図8(C)に示すように、画素電極として機能する導電層201の端部を覆う絶縁
層202を形成する。このような絶縁層としては、絶縁層191及び導電層201上に図
示しない絶縁層を形成し、当該絶縁層にフェムト秒レーザを照射して導電層201上の絶
縁層を除去することで形成することができる。
【0084】
次に、導電層201の露出部及び絶縁層202の一部に発光物質を有する層203を形成
し、その上に画素電極として機能する導電層204を形成する。以上の工程により導電層
201、発光物質を有する層203、及び導電層204で構成される発光素子205を形
成することができる。
【0085】
ここで、発光素子205の構造について説明する。
【0086】
発光物質を含む層203に、有機化合物を用いた発光機能を担う層(以下、発光層343
と示す。)を形成することで、発光素子205は有機EL素子として機能する。
【0087】
発光性の有機化合物としては、例えば、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略
称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略
称:t−BuDNA)、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称
:DPVBi)、クマリン30、クマリン6、クマリン545、クマリン545T、ペリ
レン、ルブレン、ペリフランテン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリ
レン(略称:TBP)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)、5,12
−ジフェニルテトラセン、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−[p−(ジメチ
ルアミノ)スチリル]−4H−ピラン(略称:DCM1)、4−(ジシアノメチレン)−
2−メチル−6−[2−(ジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:
DCM2)、4−(ジシアノメチレン)−2,6−ビス[p−(ジメチルアミノ)スチリ
ル]−4H−ピラン(略称:BisDCM)等が挙げられる。また、ビス[2−(4’,
6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C](ピコリナト)イリジウム(略称:
FIrpic)、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリ
ジナト−N,C}(ピコリナト)イリジウム(略称:Ir(CFppy)(pic
))、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C)イリジウム(略称:Ir(ppy)
)、(アセチルアセトナト)ビス(2−フェニルピリジナト−N,C)イリジウム(
略称:Ir(ppy)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2−(2’−チ
エニル)ピリジナト−N,C]イリジウム(略称:Ir(thp)(acac))、
(アセチルアセトナト)ビス(2−フェニルキノリナト−N,C)イリジウム(略称:
Ir(pq)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2−(2’−ベンゾチエ
ニル)ピリジナト−N,C]イリジウム(略称:Ir(btp)(acac))など
の燐光を放出できる化合物用いることもできる。
【0088】
また、図9(A)に示すように、第1の導電層201上に正孔注入材料で形成される正孔
注入層341、正孔輸送性材料で形成される正孔輸送層342、発光性の有機化合物で形
成される発光層343、電子輸送性材料で形成される電子輸送層344、電子注入性材料
で形成される電子注入層345により形成された発光材料を含む層318、及び第2の導
電層204で発光素子205を形成してもよい。
【0089】
正孔輸送性材料は、フタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略称:Cu
Pc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)の他、4,4’,4’’−トリス(
N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’
’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(
略称:MTDATA)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼ
ン(略称:m−MTDAB)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェ
ニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス
[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’
−ビス{N−[4−ジ(m−トリル)アミノ]フェニル−N−フェニルアミノ}ビフェニ
ル(略称:DNTPD)、4,4’−ビス[N−(4−ビフェニリル)−N−フェニルア
ミノ]ビフェニル(略称:BBPB)、4,4’,4’’−トリ(N−カルバゾリル)ト
リフェニルアミン(略称:TCTA)などが挙げられるが、これらに限定されることはな
い。また、上述した化合物の中でも、TDATA、MTDATA、m−MTDAB、TP
D、NPB、DNTPD、BBPB、TCTA、NPBなどに代表される芳香族アミン化
合物は、正孔を発生しやすく、有機化合物として好適な化合物群である。ここに述べた物
質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。
【0090】
正孔注入性材料は、上記正孔輸送性材料の他、導電性高分子化合物に化学ドーピングを施
した材料もあり、ポリスチレンスルホン酸(略称:PSS)をドープしたポリエチレンジ
オキシチオフェン(略称:PEDOT)やポリアニリン(略称:PAni)などを用いる
こともできる。また、酸化モリブデン(MoO)、酸化バナジウム(VO)、酸化ニ
ッケル(NiO)などの無機半導体の薄膜や、酸化アルミニウム(Al)などの
無機絶縁体の超薄膜も有効である。
【0091】
ここで、電子輸送性材料は、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq
)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス
(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス
(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:B
Alq)等キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる材料を用
いることができる。また、この他、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサ
ゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベン
ゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾール系、チアゾール系配
位子を有する金属錯体などの材料も用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2
−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−
tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−
トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エ
チルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−E
tTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:B
CP)等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の
電子移動度を有する物質である。
【0092】
電子注入材料としては、上述した電子輸送性材料の他に、LiF、CsFなどのアルカリ
金属ハロゲン化物や、CaFのようなアルカリ土類ハロゲン化物、LiOなどのアル
カリ金属酸化物のような絶縁体の超薄膜がよく用いられる。また、リチウムアセチルアセ
トネート(略称:Li(acac)や8−キノリノラト−リチウム(略称:Liq)など
のアルカリ金属錯体も有効である。さらに、上述した電子輸送性材料と、Mg、Li、C
s等の仕事関数の小さい金属とを共蒸着等により混合した材料を使用することもできる。
【0093】
また、図9(B)に示すように、第1の導電層201、有機化合物及び有機化合物に対し
て電子受容性を有する無機化合物で形成される正孔輸送層346、発光性の有機化合物で
形成される発光層343、及び発光性の有機化合物に対して電子供与性を有する無機化合
物で形成される電子輸送層347により形成された発光材料を含む層318、並びに第2
の導電層204で発光素子205を形成してもよい。
【0094】
発光性の有機化合物、及び発光性の有機化合物に対して電子受容性を有する無機化合物で
形成される正孔輸送層346は、有機化合物として、上記した正孔輸送性の有機化合物を
適宜用いて形成する。また、無機化合物として、有機化合物から電子を受け取りやすいも
のであれば何であってもよく、種々の金属酸化物または金属窒化物が可能であるが、周期
表第4族乃至第12族のいずれかの遷移金属酸化物が電子受容性を示しやすく好適である
。具体的には、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化
タングステン、酸化レニウム、酸化ルテニウム、酸化亜鉛などが挙げられる。また、上述
した金属酸化物の中でも、周期表第4族乃至第8族のいずれかの遷移金属酸化物は電子受
容性の高いものが多く、好ましい一群である。特に酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸
化タングステン、酸化レニウムは真空蒸着が可能で扱いやすいため、好適である。
【0095】
発光性の有機化合物、及び発光性の有機化合物に対して電子供与性を有する無機化合物で
形成される電子輸送層347は、有機化合物として上記した電子輸送性の有機化合物を適
宜用いて形成する。また、無機化合物として、有機化合物から電子を与えやすいものであ
れば何であってもよく、種々の金属酸化物または金属窒化物が可能であるが、アルカリ金
属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類金属酸化物、アルカリ金属窒化物、アルカリ
土類金属窒化物、希土類金属窒化物が電子供与性を示しやすく好適である。具体的には、
酸化リチウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化エルビウム、窒化リチウム、窒
化マグネシウム、窒化カルシウム、窒化イットリウム、窒化ランタンなどが挙げられる。
特に酸化リチウム、酸化バリウム、窒化リチウム、窒化マグネシウム、窒化カルシウムは
真空蒸着が可能で扱いやすいため、好適である。
【0096】
発光性の有機化合物及び無機化合物で形成される電子輸送層347又は正孔輸送層346
は、電子注入・輸送特性が優れているため、第1の導電層201、第2の導電層204共
に、ほとんど仕事関数の制限を受けることなく、種々の材料を用いることができる。また
駆動電圧を低減することが可能である。
【0097】
また、発光物質を含む層203として、無機化合物を用いた発光機能を担う層(以下、発
光層349という。)を有することで、発光素子205は無機EL素子として機能する。
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分
類される。前者は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光物質を含む層を有し、
後者は、発光材料の薄膜からなる発光物質を含む層を有している点に違いはあるが、高電
界で加速された電子を必要とする点では共通である。なお、得られる発光のメカニズムと
しては、ドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光と
、金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光とがある。分散型無機ELではドナー
−アクセプター再結合型発光、薄膜型無機EL素子では局在型発光である場合が多い。以
下に、無機EL素子の構造について示す。
【0098】
本実施の形態で用いることのできる発光材料は、母体材料と発光中心となる不純物元素と
で構成される。含有させる不純物元素を変化させることで、様々な色の発光を得ることが
できる。発光材料の作製方法としては、固相法や液相法(共沈法)などの様々な方法を用
いることができる。また、噴霧熱分解法、複分解法、プレカーサーの熱分解反応による方
法、逆ミセル法やこれらの方法と高温焼成を組み合わせた方法、凍結乾燥法などの液相法
なども用いることができる。
【0099】
固相法は、母体材料と、不純物元素又は不純物元素を含む化合物を秤量し、乳鉢で混合、
電気炉で加熱、焼成を行い反応させ、母体材料に不純物元素を含有させる方法である。焼
成温度は、700〜1500℃が好ましい。温度が低すぎる場合は固相反応が進まず、温
度が高すぎる場合は母体材料が分解してしまうからである。なお、粉末状態で焼成を行っ
てもよいが、ペレット状態で焼成を行うことが好ましい。比較的高温での焼成を必要とす
るが、簡単な方法であるため、生産性がよく大量生産に適している。
【0100】
液相法(共沈法)は、母体材料又は母体材料を含む化合物と、不純物元素又は不純物元素
を含む化合物を溶液中で反応させ、乾燥させた後、焼成を行う方法である。発光材料の粒
子が均一に分布し、粒径が小さく低い焼成温度でも反応が進むことができる。
【0101】
無機EL素子の発光材料に用いる母体材料としては、硫化物、酸化物、窒化物を用いるこ
とができる。硫化物としては、例えば、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)
、硫化カルシウム(CaS)、硫化イットリウム(Y)、硫化ガリウム(Ga
)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)等を用いることができる
。また、酸化物としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y
等を用いることができる。また、窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム(AlN)
、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)等を用いることができる。さらに
、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)等も用いることができ、硫化カ
ルシウム−ガリウム(CaGa)、硫化ストロンチウム−ガリウム(SrGa
)、硫化バリウム−ガリウム(BaGa)等の3元系の混晶であってもよい。
【0102】
局在型発光の発光中心として、マンガン(Mn)、銅(Cu)、サマリウム(Sm)、テ
ルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セ
リウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)などを用いることができる。なお、電荷補償と
して、フッ素(F)、塩素(Cl)などのハロゲン元素が添加されていてもよい。
【0103】
一方、ドナー−アクセプター再結合型発光の発光中心として、ドナー準位を形成する第1
の不純物元素及びアクセプター準位を形成する第2の不純物元素を含む発光材料を用いる
ことができる。第1の不純物元素は、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、アルミニウ
ム(Al)等を用いることができる。第2の不純物元素としては、例えば、銅(Cu)、
銀(Ag)等を用いることができる。
【0104】
ドナー−アクセプター再結合型発光の発光材料を固相法を用いて合成する場合、母体材料
と、第1の不純物元素又は第1の不純物元素を含む化合物と、第2の不純物元素又は第2
の不純物元素を含む化合物をそれぞれ秤量し、乳鉢で混合した後、電気炉で加熱、焼成を
行う。母体材料としては、上述した母体材料を用いることができ、第1の不純物元素又は
第1の不純物元素を含む化合物としては、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、硫化ア
ルミニウム(Al)等を用いることができる。また、第2の不純物元素又は第2の
不純物元素を含む化合物としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、硫化銅(Cu
)、硫化銀(AgS)等を用いることができる。焼成温度は、700〜1500℃が好
ましい。温度が低すぎる場合は固相反応が進まず、温度が高すぎる場合は母体材料が分解
してしまうからである。なお、粉末状態で焼成を行ってもよいが、ペレット状態で焼成を
行うことが好ましい。
【0105】
また、固相反応を利用する場合の不純物元素として、第1の不純物元素と第2の不純物元
素で構成される化合物を組み合わせて用いてもよい。この場合、不純物元素が拡散されや
すく、固相反応が進みやすくなるため、均一な発光材料を得ることができる。さらに、余
分な不純物元素が入らないため、純度の高い発光材料が得ることができる。第1の不純物
元素と第2の不純物元素で構成される化合物としては、例えば、塩化銅(CuCl)、塩
化銀(AgCl)等を用いることができる。
【0106】
なお、これらの不純物元素の濃度は、母体材料に対して0.01〜10atom%であれ
ばよく、好ましくは0.05〜5atom%の範囲である。
【0107】
図9(C)は、発光物質を含む層203が第1の絶縁層、発光層349、及び第2の絶縁
層350で構成される無機EL素子の断面を示す。
【0108】
薄膜型無機ELの場合、発光層349は、上記発光材料を含む層であり、抵抗加熱蒸着法
、電子ビーム蒸着(EB蒸着)法等の真空蒸着法、スパッタリング法等の物理気相成長法
(PVD)、有機金属CVD法、ハイドライド輸送減圧CVD法等の化学気相成長法(C
VD)、原子エピタキシ法(ALE)等を用いて形成することができる。
【0109】
第1の絶縁層348及び第2の絶縁層350は、特に限定されることはないが、絶縁耐性
が高く、緻密な膜質であることが好ましく、さらには、誘電率が高いことが好ましい。例
えば、酸化シリコン(SiO)、酸化イットリウム(Y)、酸化チタン(TiO
)、酸化アルミニウム(Al2O)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化タンタル(
Ta)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTi
)、チタン酸鉛(PbTiO)、窒化シリコン(Si)、酸化ジルコニウム
(ZrO)等やこれらの混合膜又は2種以上の積層を用いることができる。第1の絶縁
層348及び第2の絶縁層350は、スパッタリング、蒸着、CVD等により成膜するこ
とができる。膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは10〜1000nmの範囲
である。なお、本実施の形態の発光素子は、必ずしもホットエレクトロンを必要とはしな
いため、薄膜にすることもでき、駆動電圧を低下できる長所を有する。好ましくは、50
0nm以下の膜厚、より好ましくは100nm以下の膜厚であることが好ましい。
【0110】
なお、図示しないが、発光層349と絶縁層348、350、又は発光層349と導電層
201、319の間にバッファ層を設けても良い。このバッファ層はキャリアの注入を容
易にし、かつ両層の混合を抑制する役割をもつ。バッファ層としては、特に限定されるこ
とはないが、例えば、発光層の母体材料であるZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、S
rS、BaS等、又はCuS、CuS、又はハロゲン化アルカリであるLiF、CaF
、BaF、MgF等を用いることができる。
【0111】
また、図9(D)に示すように、発光物質を含む層203が発光層349及び第1の絶縁
層348で構成されてもよい。この場合、図9(D)においては、第1の絶縁層348は
第2の導電層204及び発光層349の間に設けられている形態を示す。なお、第1の絶
縁層348は第1の導電層201及び発光層349の間に設けられていてもよい。
【0112】
さらには、発光物質を含む層203が、発光層349のみで構成されてもよい。即ち、第
1の導電層201、発光物質を含む層203、第2の導電層204で発光素子205を構
成してもよい。
【0113】
分散型無機ELの場合、粒子状の発光材料をバインダ中に分散させ膜状の発光物質を含む
層を形成する。粒子状に加工する。発光材料の作製方法によって、十分に所望の大きさの
粒子が得られない場合は、乳鉢等で粉砕などによって粒子状に加工すればよい。バインダ
とは、粒状の発光材料を分散した状態で固定し、発光物質を含む層としての形状に保持す
るための物質である。発光材料は、バインダによって発光物質を含む層中に均一に分散し
固定される。
【0114】
分散型無機ELの場合、発光物質を含む層の形成方法は、選択的に発光物質を含む層を形
成できる液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷など)、スピンコート
法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法などを用いることもできる。膜厚は特
に限定されることはないが、好ましくは、10〜1000nmの範囲である。また、発光
材料及びバインダを含む発光物質を含む層において、発光材料の割合は50wt%以上8
0wt%以下とするよい。
【0115】
図9(E)における素子は、第1の導電層201、発光物質を含む層203、第2の導電
層204を有し、発光物質を含む層203が、発光材料352がバインダ351に分散さ
れた発光層及び絶縁層348で構成される。なお、絶縁層348は、図9(E)において
は、第2の導電層204に接する構造となっているが、第1の導電層201に接する構造
でもよい。また、素子は、第1の導電層201及び第2の導電層204それぞれに接する
絶縁層を有してもよい。さらには、素子は、第1の導電層201及び第2の導電層204
に接する絶縁層を有さなくてもよい。
【0116】
本実施の形態に用いることのできるバインダとしては、有機材料や無機材料の絶縁材料を
用いることができる。また、有機材料及び無機材料の混合材料を用いてもよい。有機絶縁
材料としては、シアノエチルセルロース系樹脂のように、比較的誘電率の高いポリマーや
、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂
、フッ化ビニリデンなどの樹脂を用いることができる。また、芳香族ポリアミド、ポリベ
ンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性高分子、又はシ
ロキサン樹脂を用いてもよい。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹
脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成
される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水
素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少
なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。また、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラールなどのビニル樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリ
ル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オキサゾール樹脂(ポリベンゾオキサゾール)等
の樹脂材料を用いてもよい。また光硬化型などを用いることができる。これらの樹脂に、
チタン酸バリウム(BaTiO)やチタン酸ストロンチウム(SrTiO)などの高
誘電率の微粒子を適度に混合して誘電率を調整することもできる。
【0117】
また、バインダに用いる無機絶縁材料としては、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(Si
)、酸素及び窒素を含む珪素、窒化アルミニウム(AlN)、酸素及び窒素を含むア
ルミニウムまたは酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、BaTi
、SrTiO、チタン酸鉛(PbTiO)、ニオブ酸カリウム(KNbO)、
ニオブ酸鉛(PbNbO)、酸化タンタル(Ta)、タンタル酸バリウム(Ba
Ta)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、酸化イットリウム(Y)、
酸化ジルコニウム(ZrO)、ZnSその他の無機絶縁性材料を含む物質から選ばれた
材料で形成することができる。有機材料に、誘電率の高い無機材料を含ませる(添加等に
よって)ことによって、発光材料及びバインダよりなる発光物質を含む層の誘電率をより
制御することができ、より誘電率を大きくすることができる。
【0118】
作製工程において、発光材料はバインダを含む溶液中に分散されるが本実施の形態に用い
ることのできるバインダを含む溶液の溶媒としては、バインダ材料が溶解し、発光層を形
成する方法(各種ウエットプロセス)及び所望の膜厚に適した粘度の溶液を作製できるよ
うな溶媒を適宜選択すればよい。有機溶媒等を用いることができ、例えばバインダとして
シロキサン樹脂を用いる場合は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEAともいう)、3−メトシキ−3メ
チル−1−ブタノール(MMBともいう)などを用いることができる。
【0119】
無機EL発光素子は、発光物質を含む層を狭持する一対の電極間に電圧を印加することで
発光が得られるが、直流駆動又は交流駆動のいずれにおいても動作することができる。
【0120】
ここでは、赤色を表示する発光素子として、第1の画素電極として機能する第2の導電層
として膜厚125nmの酸化珪素を含むITO層を形成する。また、発光層として、DN
TPDを50nm、NPBを10nm、ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キ
ノキサリナト]イリジウム(アセチルアセトナート)(略称:Ir(Fdpq)(ac
ac))が添加されたNPBを30nm、Alqを30nm、Alqを30nm、及
びLiFを1nm積層して形成する。第2の画素電極として機能する第3の導電層として
、膜厚200nmのAl層を形成する。
【0121】
また、緑色を表示する発光素子として、第1の画素電極として機能する第2の導電層とし
て膜厚125nmの酸化珪素を含むITO層を形成する。また、発光層として、DNTP
Dを50nm、NPBを10nm、クマリン545T(C545T)が添加されたAlq
を40nm、Alqを30nm、及びLiFを1nm積層して形成する。第2の画素
電極として機能する第3の導電層として、膜厚200nmのAl層を形成する。
【0122】
また、青色を表示する発光素子として、第1の画素電極として機能する第2の導電層とし
て膜厚125nmの酸化珪素を含むITO層を形成する。また、発光層として、DNTP
Dを50nm、NPBを10nm、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリ
レン(略称:TBP)が添加された、9−[4−(N−カルバゾリル)]フェニル−10
−フェニルアントラセン(略称:CzPA:)を30nm、Alqを30nm、及びL
iFを1nm積層して形成する。第2の画素電極として機能する第3の導電層として、膜
厚200nmのAl層を形成する。
【0123】
次に、導電層204上に保護膜を形成することが好ましい。
【0124】
この後、走査線、信号線の接続端子部に、接続導電層を介して配線基板、代表的にはFP
C(Flexible Print Circuitを貼り付ける。以上の工程により、
発光表示パネルを形成することができる。
【0125】
なお、静電破壊防止のための保護回路、代表的にはダイオードなどを、接続端子とソース
配線(ゲート配線)の間または画素部に設けてもよい。
【0126】
ここで、図9(A)及び(B)で示す発光素子を有する発光表示パネルにおいて、基板1
00側に放射する場合、つまり下方放射を行う場合について、図10(A)を用いて説明
する。この場合、薄膜トランジスタ188に電気的に接続するように、ソース電極層又は
ドレイン電極として機能する配線187に接して、透光性を有する導電層484、発光物
質を含む層485、遮光性または反射性を有する導電層486が順に積層される。光が透
過する基板100は少なくとも可視領域の光に対して透光性を有する必要がある。
【0127】
次に、基板100と反対側に放射する場合、つまり上方放射を行う場合について、図10
(B)を用いて説明する。薄膜トランジスタ188は、前述した薄膜トランジスタの同様
に形成することができる。薄膜トランジスタ188に電気的に接続するソース電極層又は
ドレイン電極として機能する配線187が遮光性または反射性を有する導電層463と接
し、電気的に接続する。遮光性または反射性を有する導電層463、発光物質を含む層4
64、透光性を有する導電層465が順に積層される。導電層463は遮光性または反射
性を有する金属層であり、発光素子から放射される光を矢印の上面に反射する。なお、遮
光性または反射性を有する導電層463上に透光性を有する導電層を形成してもよい。発
光素子から放出する光は第2の導電層465を透過して放出されるので、透光性を有する
導電層465は、少なくとも可視領域において透光性を有する材料で形成する。
【0128】
次に、光が基板100側とその反対側の両側に放射する場合、つまり両方放射を行う場合
について、図10(C)を用いて説明する。薄膜トランジスタ188の半導体層に電気的
に接続するソース電極層又はドレイン電極として機能する配線187に、第1の透光性を
有する導電層472が電気的に接続している。第1の透光性を有する導電層472、発光
物質を含む層473、第2の透光性を有する導電層474が順に積層される。このとき、
第1の透光性を有する導電層472と第2の透光性を有する導電層474のどちらも少な
くとも可視領域において透光性を有する材料、又は光を透過できる厚さで形成すると、両
方放射が実現する。この場合、光が透過する絶縁層や基板100も少なくとも可視領域の
光に対して透光性を有する必要がある。
【0129】
ここで、図9(A)及び(B)で示す発光素子を有する発光表示パネルの画素回路、及び
その動作構成について、図11を用いて説明する。発光表示パネルの動作構成は、ビデオ
信号がデジタルの表示装置において、画素に入力されるビデオ信号が電圧で規定されるの
ものと、電流で規定されるものとがある。ビデオ信号が電圧によって規定されるものには
、発光素子に印加される電圧が一定のもの(CVCV)と、発光素子に印加される電流が
一定のもの(CVCC)とがある。また、ビデオ信号が電流によって規定されるものには
、発光素子に印加される電圧が一定のもの(CCCV)と、発光素子に印加される電流が
一定のもの(CCCC)とがある。本実施例では、CVCV動作をする画素を図11(A
)及び(B)用いて説明する。また、CVCC動作をする画素を図11(C)を用いて説
明する。
【0130】
図11(A)及び(B)に示す画素は、列方向に信号線3710及び電源線3711、行
方向に走査線3714が配置される。また、スイッチング用TFT3701、駆動用TF
T3703、容量素子3702及び発光素子3705を有する。
【0131】
なお、スイッチング用TFT3701及び駆動用TFT3703は、オンしているときは
線形領域で動作する。また駆動用TFT3703は発光素子3705に電圧を印加するか
否かを制御する役目を有する。両TFTは同じ導電型を有していると作製工程上好ましい
。また駆動用TFT3703には、エンハンスメント型だけでなく、ディプリーション型
のTFTを用いてもよい。また、駆動用TFT3703のチャネル幅Wとチャネルと長L
の比(W/L)は、TFTの移動度にもよるが1〜1000であることが好ましい。W/
Lが大きいほど、TFTの電気特性が向上する。
【0132】
図11(A)、(B)に示す画素において、スイッチング用TFT3701は、画素に対
するビデオ信号の入力を制御するものであり、スイッチング用TFT3701がオンとな
ると、画素内にビデオ信号が入力される。すると、容量素子3702にそのビデオ信号の
電圧が保持される。
【0133】
図11(A)において、電源線3711がVssで発光素子3705の対向電極がVdd
の場合、発光素子の対向電極は陽極であり、駆動用TFT3703に接続される電極は陰
極である。この場合、駆動用TFT3703の特性バラツキによる輝度ムラを抑制するこ
とが可能である。
【0134】
図11(A)において、電源線3711がVddで発光素子3705の対向電極がVss
の場合、発光素子の対向電極は陰極であり、駆動用TFT3703に接続される電極は陽
極である。この場合、Vddより電圧の高いビデオ信号を信号線3710に入力すること
により、容量素子3702にそのビデオ信号の電圧が保持され、駆動用TFT3703が
線形領域で動作するので、TFTのバラツキによる輝度ムラを改善することが可能である

【0135】
図11(B)に示す画素は、TFT3706と走査線3715を追加している以外は、図
11(A)に示す画素構成と同じである。
【0136】
TFT3706は、新たに配置された走査線3715によりオン又はオフが制御される。
TFT3706がオンとなると、容量素子3702に保持された電荷は放電し、駆動用T
FT3703がオフとなる。つまり、TFT3706の配置により、強制的に発光素子3
705に電流が流れない状態を作ることができる。そのためTFT3706を消去用のT
FTと呼ぶことができる。従って、図11(B)の構成は、全ての画素に対する信号の書
き込みを待つことなく、書き込み期間の開始と同時又は直後に点灯期間を開始することが
できるため、発光のデューティ比を向上することが可能となる。
【0137】
上記動作構成を有する画素において、発光素子3705の電流値は、線形領域で動作する
駆動用TFT3703により決定することができる。上記構成により、TFTの特性のバ
ラツキを抑制することが可能であり、TFT特性のバラツキに起因した発光素子の輝度ム
ラを改善して、画質を向上させた表示装置を提供することができる。
【0138】
次に、CVCC動作をする画素を図11(C)を用いて説明する。図11(C)に示す画
素は、図11(A)に示す画素構成に、電源線3712、電流制御用TFT3704が設
けられている。なお、図11(C)に示す画素において、駆動用TFT3703のゲート
電極を、行方向に配置された電源線3712を、列方向に配置された電源線3712に接
続してもよい。
【0139】
なお、スイッチング用TFT3701は線形領域で動作し、駆動用TFT3703は飽
和領域で動作する。また駆動用TFT3703は発光素子3705に流れる電流値を制御
する役目を有し、電流制御用TFT3704は飽和領域で動作し発光素子3705に対す
る電流の供給を制御する役目を有する。
【0140】
なお、図11(A)及び(B)に示される画素でも、CVCC動作をすることは可能であ
る。また、図11(C)に示される動作構成を有する画素は、図11(A)及び(B)と
同様に、発光素子の電流の流れる方向によって、Vdd及びVssを適宜変えることが可
能である。
【0141】
上記構成を有する画素は、電流制御用TFT3704が線形領域で動作するために、電流
制御用TFT3704のVgsの僅かな変動は、発光素子3705の電流値に影響を及ぼ
さない。つまり、発光素子3705の電流値は、飽和領域で動作する駆動用TFT370
3により決定することができる。上記構成により、TFTの特性バラツキに起因した発光
素子の輝度ムラを改善して、画質を向上させた表示装置を提供することができる。
【0142】
特に、非晶質半導体等を有する薄膜トランジスタを形成する場合、駆動用TFTの半導体
膜の面積を大きくすると、TFTのバラツキの低減が可能であるため好ましい。また、図
11(A)及び図11(B)に示す画素は、TFTの数が少ないため開口率を増加させる
ことが可能である。
【0143】
なお、容量素子3702を設けた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、ビデオ信
号を保持する容量がゲート容量などで、まかなうことが可能な場合には、容量素子370
2を設けなくてもよい。
【0144】
また、薄膜トランジスタの半導体層が非晶質半導体膜で形成される場合は、しきい値がシ
フトしやすいため、しきい値を補正する回路を画素内又は画素周辺に設けることが好まし
い。
【0145】
このようなアクティブマトリクス型の発光装置は、画素密度が増えた場合、各画素にTF
Tが設けられているため低電圧駆動でき、有利であると考えられている。一方、パッシブ
マトリクス型の発光装置を形成することもできる。パッシブマトリクス型の発光装置は、
各画素にTFTが設けられていないため、高開口率となる。
【0146】
また、本発明の表示装置において、画面表示の駆動方法は特に限定されず、例えば、点順
次駆動方法や線順次駆動方法や面順次駆動方法などを用いればよい。代表的には、線順次
駆動方法とし、時分割階調駆動方法や面積階調駆動方法を適宜用いればよい。また、表示
装置のソース線に入力する映像信号は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号で
あってもよく、適宜、映像信号に合わせて駆動回路などを設計すればよい。
【0147】
以上のように、多様な画素回路を採用することができる。
【0148】
本実施の形態に示す発光表示パネルの作製方法を用いることにより、複雑なフォトリソグ
ラフィ工程を用いることなく配線間の開口(コンタクトホール)を形成することができ、
かつ配線の電気的コンタクトを良好にとることができる。よって、材料のロスが少なく、
高性能、高信頼性の発光表示パネルを歩留まりよく作製することができる。
【0149】
(実施の形態5)
本実施の形態では、半導体装置の代表例を、図12及び図13を用いて説明する。電気泳
動素子とは、マイクロカプセルの中にプラスとマイナスに帯電した黒と白の粒子を閉じ込
めた物を第1の導電層及び第2の導電層の間に配置し、第1の導電層及び第2の導電層に
電位差を生じさせて黒と白の粒子を電極間で移動させて表示を行う素子である。
【0150】
図12に示すように、基板100上に実施の形態2で示す薄膜トランジスタ188、及び
薄膜トランジスタ188を覆い、且つフェムト秒レーザを用いて形成した開口部を有する
絶縁層191を形成する。
【0151】
次に、配線187に接続する第1の導電層1181を形成する。なお、第1の導電層11
81は画素電極として機能する。ここでは、液滴吐出法を用いて選択的にアルニウムを用
いて第1の導電層1181を形成する。
【0152】
また、基板1172上に第2の導電層1173を形成する。第2の導電層1173も平行
に形成することが好ましい。ここでは、酸化亜鉛を用いて第2の導電層1173を形成す
る。
【0153】
次に、基板100及び基板1172をシール材で貼り合わせる。このとき、第1の導電層
1181及び第2の導電層1173の間にマイクロカプセル1170を分散させて、基板
100及び基板1172の間に電気泳動素子を形成する。基板100及び基板1172は
、第1の導電層11811及び第2の導電層1173が交差するように、シール材を用い
て貼りあわせる。また、電気泳動素子は、第1の導電層1181、マイクロカプセル11
70、第2の導電層1173で構成される。また、マイクロカプセル1170はバインダ
により第1の導電層11811及び第2の導電層1173の間に固定される。
【0154】
次に、マイクロカプセルの構造について、図13を用いて示す。図13(A)及び(B)
に示すように、マイクロカプセル1170は微細な透明容器1174内に透明の分散媒1
176及び帯電した黒色粒子1175a及び白色粒子1175bが分散される。なお、黒
色粒子1175aの代わりに、青色粒子、赤色粒子、緑色粒子、黄色粒子、青緑粒子、赤
紫粒子を用いても良い。さらには、図13(C)及び(D)に示すように、微細な透明容
器1331内に着色した分散媒1333及び白色粒子1332が分散されるマイクロカプ
セル1330を用いてもよい。なお、着色した分散媒1333は、黒色、青色、赤色、緑
色、黄色、青緑色、赤紫色のいずれかに着色している。また、一画素に青色粒子、赤色粒
子、緑色粒子が分散されるマイクロカプセルをそれぞれ設けることで、カラー表示するこ
とができる。また、黄色粒子、青緑粒子、赤紫粒子が分散されるマイクロカプセルをそれ
ぞれ設けることで、カラー表示することができる。また、一画素に青色、赤色、緑色の分
散媒を有するマイクロカプセルを配列して設けることで、カラー表示することができる。
また、一画素に黄色、青緑色、赤紫色の分散媒を有するマイクロカプセルを配列して設け
ることで、カラー表示することができる。
【0155】
次に、電気泳動素子を用いた表示方法を示す。具体的には、図13(A)及び(B)を用
いて、二色の粒子を有するマイクロカプセル1170の表示方法について示す。ここでは
、二色の粒子として白色粒子及び黒色粒子を用い、また透明な分散媒を有するマイクロカ
プセルについて示す。なお、二色の粒子の黒色粒子の代わりに他の色の粒子を用いてもよ
い。
【0156】
マイクロカプセル1170において、黒色粒子1175aがプラスに帯電されているもの
とし、白色粒子1175bがマイナスに帯電されているものとし、第1の導電層1171
及び第2の導電層1173に電界を印加する。ここでは、第2の導電層から第1の導電層
の方向へ電界が印加されると、図13(A)に示すように、第2の導電層1173側に黒
色粒子1175aが泳動し、第1の導電層1171側に白色粒子1175bが泳動する。
この結果、マイクロカプセルを第1の導電層1171側から見た場合には、白色に観察さ
れ、第2の導電層1173側から見た場合には黒色に観察される。
【0157】
一方、第1の導電層1171から第2の導電層1173の方向へ電界が印加されると、図
13(B)に示すように、第1の導電層1171側に黒色粒子1175aが泳動し、第2
の導電層1173側に白色粒子1175bが泳動する。この結果、マイクロカプセルを第
1の導電層1171側から見た場合には、白色に観察され、第2の導電層1173側から
見た場合には黒色に観察される。
【0158】
次に、白色粒子を有し、且つ着色された分散媒を有するマイクロカプセル1330の表示
方法について示す。ここでは、分散媒が黒色に着色された例を示すが、他の色に着色され
た分散媒を用いても同様である。
【0159】
マイクロカプセル1330において、白色粒子1332がマイナスに帯電されているもの
とし、第1の導電層1171及び第2の導電層1173に電界を印加する。ここでは、第
2の導電層から第1の導電層の方向へ電界が印加されると、図13(C)に示すように、
第1の導電層1171側に白色粒子1175bが泳動する。この結果、マイクロカプセル
を第1の導電層1171側から見た場合には、白色に観察され、第2の導電層1173側
から見た場合には黒色に観察される。
【0160】
一方、第1の導電層から第2の導電層の方向へ電界が印加されると、図13(D)に示す
ように、第2の導電層1173側に白色粒子1175bが泳動する、この結果、マイクロ
カプセルを第1の導電層1171側から見た場合には、白色に観察され、第2の導電層1
173側から見た場合には黒色に観察される。
【0161】
ここで、電気泳動素子を用いて説明したが、この代わりにツイストボール表示方式を用い
た表示装置を用いてもよい。ツイストボール表示方式とは、白と黒に塗り分けられた球形
粒子を第1の導電層及び第2の導電層の間に配置し、第1の導電層及び第2の導電層に電
位差を生じさせての球形粒子の向きを制御することにより、表示を行う方法である。
【0162】
また、薄膜トランジスタの代わりに、スイッチング素子としてMIM(Metal−In
sulator−Metal)、ダイオード等を用いることもできる。
【0163】
電気泳動素子を有する表示装置やツイストボール表示方式の表示装置は、電界効果トラン
ジスタを取り去った後も長期にわたって、電界印加時と同様の状態を保持する。よって、
電源を切っても表示状態を維持することが可能である。このため低消費電力が可能で有る

【0164】
以上の工程により、電気泳動素子を含む半導体装置を作製することができる。
【0165】
本実施の形態に示す電気泳動素子を含む半導体装置の作製方法を用いることにより、複雑
なフォトリソグラフィ工程を用いることなく配線間の開口(コンタクトホール)を形成す
ることができ、かつ配線の電気的コンタクトを良好にとることができる。よって、材料の
ロスが少なく、高性能、高信頼性の電気泳動素子を含む半導体装置を歩留まりよく作製す
ることができる。
【0166】
(実施の形態6)
実施の形態3〜5によって作製される表示パネル(EL表示パネル、液晶表示パネル、電
気泳動表示パネル)において、半導体層を非晶質半導体、又はSASで形成し、走査線側
の駆動回路を基板上に形成する例を示す。
【0167】
図14は、1〜15cm/V・secの電界効果移動度が得られるSASを使ったnチ
ャネル型のTFTで構成する走査線側駆動回路のブロック図を示している。
【0168】
図14において8500で示すブロックが1段分のサンプリングパルスを出力するパルス
出力回路に相当し、シフトレジスタはn個のパルス出力回路により構成される。8501
はバッファ回路であり、その先に画素8502が接続される。
【0169】
図15は、パルス出力回路8500の具体的な構成を示したものであり、nチャネル型の
TFT8601〜8612で回路が構成されている。このとき、SASを使ったnチャネ
ル型のTFTの動作特性を考慮して、TFTのサイズを決定すれば良い。例えば、チャネ
ル長を8μmとすると、チャネル幅は10〜80μmの範囲で設定することができる。
【0170】
また、バッファ回路8501の具体的な構成を図16に示す。バッファ回路も同様にnチ
ャネル型のTFT8620〜8635で構成されている。このとき、SASを使ったnチ
ャネル型のTFTの動作特性を考慮して、TFTのサイズを決定すれば良い。例えば、チ
ャネル長を10μmとすると、チャネル幅は10〜1800μmの範囲で設定することと
なる。
【0171】
このような回路を実現するには、TFT相互を配線によって接続する必要がある。
【0172】
以上のようにして、表示パネルに駆動回路を組み入れることができる。
【0173】
次に、上記実施例に示した表示パネルへの駆動回路の実装について、図17を用いて説明
する。
【0174】
図17(A)に示すように、画素部1701の周辺にソース線駆動回路1702、及びゲ
ート線駆動回路1703a、1703bを実装する。図17(A)では、ソース線駆動回
路1702、及びゲート線駆動回路1703a、1703b等として、公知の異方性導電
接着剤、及び異方性導電フィルムを用いた実装方法、COG方式、ワイヤボンディング方
法、並びに半田バンプを用いたリフロー処理等により、基板1700上にICチップ17
05を実装する。ここでは、COG方式を用いる。そして、FPC(フレキシブルプリン
トサーキット)1706を介して、ICチップと外部回路とを接続する。
【0175】
なお、ソース線駆動回路1702の一部、例えばアナログスイッチを基板上に形成し、か
つその他の部分を別途ICチップで実装してもよい。
【0176】
また、図17(B)に示すように、SASや結晶性半導体でTFTを形成する場合、画素
部1701とゲート線駆動回路1703a、1703b等を基板上に形成し、ソース線駆
動回路1702等を別途ICチップとして実装する場合がある。図17(B)において、
ソース線駆動回路1702として、COG方式により、基板1700上にICチップ17
05を実装する。そして、FPC1706を介して、ICチップと外部回路とを接続する

【0177】
なお、ソース線駆動回路1702の一部、例えばアナログスイッチを基板上に形成し、か
つその他の部分を別途ICチップで実装してもよい。
【0178】
さらに、図17(C)に示すように、COG方式に代えて、TAB方式によりソース線駆
動回路1702等を実装する場合がある。そして、FPC1706を介して、ICチップ
と外部回路とを接続する。図17(C)において、ソース線駆動回路をTAB方式により
実装しているが、ゲート線駆動回路をTAB方式により実装してもよい。
【0179】
ICチップをTAB方式により実装すると、基板に対して画素部を大きく設けることがで
き、狭額縁化を達成することができる。
【0180】
ICチップは、シリコンウェハを用いて形成するが、ICチップの代わりにガラス基板上
に回路を形成したIC(以下、ドライバICと表記する)を設けてもよい。ICチップは
、円形のシリコンウェハからICチップを取り出すため、母体基板形状に制約がある。一
方ドライバICは、母体基板がガラスであり、形状に制約がないため、生産性を高めるこ
とができる。そのため、ドライバICの形状寸法は自由に設定することができる。例えば
、ドライバICの長辺の長さを15〜80mmとして形成すると、ICチップを実装する
場合と比較し、必要な数を減らすことができる。その結果、接続端子数を低減することが
でき、製造上の歩留まりを向上させることができる。
【0181】
ドライバICは、基板上に形成された結晶質半導体を用いて形成することができ、結晶質
半導体は連続発振型のレーザビーム又は周波数10MHz以上のパルスレーザを照射する
ことで形成するとよい。連続発振型のレーザビームを照射して得られる半導体膜は、結晶
欠陥が少なく、大粒径の結晶粒を有する。その結果、このような半導体膜を有するトラン
ジスタは、移動度や応答速度が良好となり、高速駆動が可能となり、ドライバICに好適
である。
【0182】
次に、上記実施例で示される表示パネルを有するモジュールについて、図18を用いて説
明する。図18は表示パネル9801と、回路基板9802を組み合わせたモジュールを
示している。回路基板9802には、例えば、コントロール回路9804や信号分割回路
9805などが形成されている。また、表示パネル9801と回路基板9802とは、接
続配線9803で接続されている。表示パネル9801に実施例1乃至3で示すような、
液晶表示パネル、発光表示パネル、電気泳動表示パネル等を適宜用いることができる。
【0183】
この表示パネル9801は、発光素子が各画素に設けられた画素部9806と、走査線駆
動回路9807、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路9808を備え
ている。画素部9806の構成は、実施の形態3乃至5と同様である。また、走査線駆動
回路9807や信号線駆動回路9808は、異方性導電接着剤、及び異方性導電フィルム
を用いた実装方法、COG方式、ワイヤボンディング方法、並びに半田バンプを用いたリ
フロー処理等の手法により、基板上にICチップで形成される走査線駆動回路9807、
信号線駆動回路9808を実装する。
【0184】
本実施例により、歩留まり高く表示パネルを有するモジュールを形成することが可能であ
る。
【0185】
(実施の形態7)
上記実施の形態や示される半導体装置を有する電子機器として、テレビジョン装置(単に
テレビ、又はテレビジョン受信機ともよぶ)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、
携帯電話装置(単に携帯電話機、携帯電話ともよぶ)、PDA等の携帯情報端末、携帯型
ゲーム機、コンピュータ用のモニター、コンピュータ、カーオーディオ等の音響再生装置
、家庭用ゲーム機等の記録媒体を備えた画像再生装置等が挙げられる。その具体例につい
て、図19を参照して説明する。
【0186】
図19(A)に示す携帯情報端末は、本体9201、表示部9202等を含んでいる。表
示部9202に、上記実施の形態に示すものを適用することにより、高性能な携帯情報端
末を容易に作製することができる。
【0187】
図19(B)に示すデジタルビデオカメラは、表示部9701、表示部9702等を含ん
でいる。表示部9701に、上記実施の形態に示すものを適用することにより、高性能な
デジタルビデオカメラを容易に作製することができる。
【0188】
図19(C)に示す携帯端末は、本体9101、表示部9102等を含んでいる。表示部
9102に、上記実施の形態に示すものを適用することにより、高性能な携帯端末を容易
に作製することができる。
【0189】
図19(D)に示す携帯型のテレビジョン装置は、本体9301、表示部9302等を含
んでいる。表示部9302に、上記実施の形態に示すものを適用することにより、高性能
な携帯型のテレビジョン装置を容易に作製することができる。このようなテレビジョン装
置は携帯電話などの携帯端末に搭載する小型のものから、持ち運びをすることができる中
型のもの、また、大型のもの(例えば40インチ以上)まで、幅広く適用することができ
る。
【0190】
図19(E)に示す携帯型のコンピュータは、本体9401、表示部9402等を含んで
いる。表示部9402に、上記実施の形態に示すものを適用することにより、高性能な携
帯型のコンピュータを容易に作製することができる。
【0191】
図19(F)に示すテレビジョン装置は、本体9601、表示部9602等を含んでいる
。表示部9602に、上記実施の形態に示すものを適用することにより、高性能なテレビ
ジョン装置を容易に作製することができる。
【0192】
ここで、テレビジョン装置の構成について、図20を用いて説明する。
【0193】
図20は、テレビジョン装置の主要な構成を示すブロック図である。チューナ9511は
映像信号と音声信号を受信する。映像信号は、映像検波回路9512と、そこから出力さ
れる信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路9513と、
その映像信号をドライバICの入力仕様に変換するためのコントロール回路9514によ
り処理される。コントロール回路9514は、表示パネル9515の走査線駆動回路95
16と信号線駆動回路9517にそれぞれ信号が出力する。デジタル駆動する場合には、
信号線側に信号分割回路9518を設け、入力デジタル信号をm個に分割して供給する構
成としても良い。
【0194】
なお、テレビジョン装置を構成する各回路には、上記実施の形態で示したTFTを用いる
ことができる。上記実施の形態に示すTFTは、フェムト秒レーザを用いることにより複
雑なフォトリソグラフィ工程を用いることなく配線間の開口(コンタクトホール)を形成
することができ、かつ配線の電気的コンタクトを良好にとることができる。よって、材料
のロスが少なく、高性能、高信頼性なテレビジョン装置を歩留まりよく作製することがで
きる。
【0195】
図20において、チューナ9511で受信した信号のうち、音声信号は音声検波回路95
21に送られ、その出力は音声信号処理回路9522を経てスピーカー9523に供給さ
れる。制御回路9524は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部9525から
受け、チューナ9511や音声信号処理回路9522に信号を送出する。
【0196】
このテレビジョン装置は、表示パネル9515を含んで構成されることにより、テレビジ
ョン装置の低消費電力を図ることが可能である。
【0197】
なお、本発明はテレビ受像機に限定されず、パーソナルコンピュータのモニターをはじめ
、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など特に大面積の
表示媒体として様々な用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0198】
720 基板
721 導電層
722 光透過層
724 導電性材料
725 開口部
726 導電層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に第1の導電層を形成し、
前記第1の導電層上に絶縁層を形成し、
レーザを照射することにより、前記第1の導電層及び前記絶縁層に開口部を形成し、
前記開口部に導電性材料を含む組成物を吐出して、前記第1の導電層と電気的に接続する第2の導電層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記開口部において前記絶縁層の端部を、前記第1の導電層の端部より内側に形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記レーザを照射する前に、前記絶縁層の表面に撥液処理を行うことを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
前記絶縁層は透光性を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
前記レーザはフェムト秒レーザであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記フェムト秒レーザはSapphire、YAG、セラミックスYAG、セラミックスY、KGW、KYW、MgSiO、YLF、YVO、又はGdVOのいずれかの結晶に、Nd、Yb、Cr、Ti、Ho、又はErのいずれかのドーパントを添加したレーザであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項7】
基板上に第1の薄膜トランジスタと第2の薄膜トランジスタを形成し、
前記第1の薄膜トランジスタ上に第1の配線を形成し、
前記第2の薄膜トランジスタ上に第2の配線を形成し、
前記第1の配線と前記第2の配線上に絶縁層を形成し、
レーザを照射することにより、前記第1の配線及び前記絶縁層に第1の開口部と、前記第2の配線及び前記絶縁層に第2の開口部を形成し、
前記第1の開口部と前記第2の開口部に導電性材料を含む組成物を吐出して、前記第1の開口部に第1の画素電極、前記第2の開口部に第2の画素電極を形成し、
前記第1の画素電極は、前記第1の配線を介して前記第1の薄膜トランジスタと電気的に接続し、
前記第2の画素電極は、前記第2の配線を介して前記第2の薄膜トランジスタと電気的に接続し、
前記第1の画素電極と前記第2の画素電極は液晶の配向を制御することを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項8】
請求項7において、
前記第1の開口部における前記絶縁層の端部を、前記第1の配線の端部より内側に形成し、
前記第2の開口部における前記絶縁層の端部を、前記第2の配線の端部より内側に形成することを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項9】
請求項7または請求項8において、
前記第1の画素電極と前記第2の画素電極はスリットにより分離されていることを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項10】
基板上にゲート電極層を形成し、
前記ゲート電極層上にゲート絶縁層を形成し、
前記ゲート絶縁層上に第1の半導体層を形成し、
前記第1の半導体層上に一導電型を有する第2の半導体層を形成し、
前記第2の半導体層上に前記第2の半導体層と電気的に接続する配線を形成し、
前記配線上に絶縁層を形成し、
レーザを照射することにより、前記配線及び前記絶縁層に開口部を形成し、
前記開口部に導電性材料を含む組成物を吐出して、前記配線と電気的に接続する電極層を形成することを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項11】
基板上に薄膜トランジスタを形成し、
前記薄膜トランジスタ上に配線を形成し、
前記配線上に絶縁層を形成し、
レーザを照射することにより、前記配線及び前記絶縁層に開口部を形成し、
前記開口部に導電性材料を含む組成物と吐出して、前記配線を介して前記薄膜トランジスタと電気的に接続する画素電極を形成し、
前記画素電極上にマイクロカプセルを設け、
前記マイクロカプセル上に導電層を形成することを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項12】
請求項10または請求項11において、
前記開口部における前記絶縁層の端部を、前記配線の端部より内側に形成することを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項13】
請求項7乃至請求項12のいずれか一において、
前記レーザを照射する前に、前記絶縁層の表面に撥液処理を行うことを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項14】
請求項7乃至請求項13のいずれか一において、
前記絶縁層は透光性を有することを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項15】
請求項7乃至請求項14のいずれか一において、
前記レーザはフェムト秒レーザであることを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項16】
請求項15において、
前記フェムト秒レーザは、Sapphire、YAG、セラミックスYAG、セラミックスY、KGW、KYW、MgSiO、YLF、YVO、又はGdVOのいずれかの結晶に、Nd、Yb、Cr、Ti、Ho、又はErのいずれかのドーパントを添加したレーザであることを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項17】
基板上に薄膜トランジスタを形成し、
前記薄膜トランジスタ上に配線を形成し、
前記配線上に第1の絶縁層を形成し、
第1のレーザを照射することにより、前記配線及び前記第1の絶縁層に開口部を形成し、
前記開口部に導電性材料を含む組成物を吐出して、前記配線を介して前記薄膜トランジスタと電気的に接続する画素電極を形成し、
前記画素電極上に第2の絶縁層を形成し、
第2のレーザを照射することにより、前記画素電極を露出させ、
前記画素電極の露出部及び前記第2の絶縁層上の一部に発光物質を有する層を形成し、
前記発光物質を有する層上に導電層を形成することを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項18】
請求項17において、
前記開口部における前記第1の絶縁層の端部を、前記配線の端部より内側に形成することを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項19】
請求項17または請求項18において、
前記第1のレーザを照射する前に、前記第2の絶縁層の表面に撥液処理を行うことを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項20】
請求項17乃至請求項19のいずれか一において、
前記第2のレーザを照射する前に、前記第2の絶縁層の表面に撥液処理を行うことを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項21】
請求項17乃至請求項20のいずれか一において、
前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層の少なくとも一方は透光性を有することを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項22】
請求項17乃至請求項21のいずれか一において、
前記第1のレーザ及び第2のレーザの少なくとも一方はフェムト秒レーザであることを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項23】
請求項22において、
前記フェムト秒レーザは、Sapphire、YAG、セラミックスYAG、セラミックスY、KGW、KYW、MgSiO、YLF、YVO、又はGdVOのいずれかの結晶に、Nd、Yb、Cr、Ti、Ho、又はErのいずれかのドーパントを添加したレーザであることを特徴とする表示装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−109582(P2012−109582A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−277871(P2011−277871)
【出願日】平成23年12月20日(2011.12.20)
【分割の表示】特願2006−235519(P2006−235519)の分割
【原出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】