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半導体装置の製造方法と半導体装置
説明

半導体装置の製造方法と半導体装置

【課題】本発明は、絶縁膜を金属に密着させることができる半導体装置の製造方法と半導体装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本願の発明に係る半導体装置の製造方法は、基板上に多結晶の金属を形成する工程と、該金属の表面粗さRaが0.051μmより大きくなり、かつ該金属の表面に1〜10μm径のランダムな方向に伸びる複数の穴が形成されるように、該金属の表面を1.0μm/min未満のエッチングレートでウェットエッチする工程と、該金属の表面に絶縁膜を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属表面に絶縁膜を形成する半導体装置の製造方法とその製造方法で製造された半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、有意な表面粗さとなるように加工した金属の表面に絶縁膜を形成する技術が開示されている。この技術は、粗い金属表面に絶縁膜を形成することでアンカー効果を生じさせて、絶縁膜を金属表面に密着させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】再公表06/068000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の技術では、絶縁膜が金属表面に十分密着せず剥がれることがあった。絶縁膜が剥がれると、半導体装置の電気特性が劣化したり耐湿信頼性が低下したりすることがあった。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、絶縁膜を金属表面に密着させることができる半導体装置の製造方法と半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の発明に係る半導体装置の製造方法は、基板上に多結晶の金属を形成する工程と、該金属の表面粗さRaが0.051μmより大きくなり、かつ該金属の表面に1〜10μm径のランダムな方向に伸びる複数の穴が形成されるように、該金属の表面を1.0μm/min未満のエッチングレートでウェットエッチする工程と、該金属の表面に絶縁膜を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本願の発明に係る半導体装置は、表面粗さRaが0.051μmより大きく、かつ表面に1〜10μm径のランダムな方向に伸びた複数の穴が形成された金属と、該金属の表面に形成された絶縁膜と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、金属の表面粗さRaが0.051μmより大きくなり、かつ金属の表面に1〜10μm径のランダムな方向に伸びる複数の穴が形成されるので、絶縁膜を金属表面に密着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図3】基板上にレジストパターンを形成したことを示す図である。
【図4】Auを形成したことを示す図である。
【図5】リフトオフしたことを示す図である。
【図6】Au電極の表面が粗化されたことを示す図である。
【図7】ポリイミド膜を形成したことを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法と比較例の半導体装置の製造方法を比較した表である。
【図9】本発明の実施の形態1に係るウェットエッチ処理後のAu電極表面のSEM写真(A)と比較例のウェットエッチ処理後のAu電極表面のSEM写真(B)である。
【図10】膜剥がし試験について示す図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法で製造された10個のサンプル、及び比較例の製造方法で製造された10個のサンプルを対象とした膜剥がし試験の結果を示す表である。
【図12】本発明のポリイミド膜の付着力と比較例のポリイミド膜の付着力を示すグラフである。
【図13】多層配線構造の各層の配線の表面を粗化したことを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置の断面図である。本発明の半導体装置は、基板10を備えている。基板10の上にはAu電極12が形成されている。Au電極12の表面には複数の小さい穴12aと複数の大きい穴12bが形成されている。小さい穴12aが形成されていることで、Au電極12の表面の表面粗さRaは0.246μmとなっている。一方、大きい穴12bは、1〜10μm径のランダムな方向に伸びた穴である。なお、大きい穴12bは表面粗さRaには有意な寄与をしないものである。
【0011】
Au電極12の表面にはポリイミド膜14が形成されている。ポリイミド膜14は、前述の小さい穴12a及び大きい穴12bを埋めるように形成されている。
【0012】
図2は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法では、まず、基板上にレジストパターンを形成する(ステップ20)。次いで、基板及びレジストパターンの上にAuを形成し(ステップ22)、その後にリフトオフ工程を実施する(ステップ24)。リフトオフ後に残ったAuはAu電極である。このAu電極は、表面粗化される(ステップ26)。最後に、表面粗化されたAu電極にポリイミド膜を形成(ステップ28)して処理を終了する。以後、各ステップの詳細を説明する。
【0013】
まず基板上にレジストパターンを形成する。図3は、基板10上にレジストパターン30を形成したことを示す図である。レジストパターン30の形成後にはAuを形成する。図4は、Auを形成したことを示す図である。Auは、蒸着法により形成される。基板10の上にはAu電極12が形成され、レジストパターン30の上にはAu電極32が形成される。Au電極12及び32は多結晶である。なお、Auの形成には、蒸着以外にもスパッタリング法、電解めっき、あるいは無電解めっきを用いてもよい。
【0014】
次いで、レジストパターン30上のAu電極32をリフトオフする。リフトオフとは、レジストパターン30を有機溶剤中に浸漬してレジストパターン30を剥がし、Au電極32も除去することである。図5は、リフトオフしたことを示す図である。リフトオフを終えると、基板10上にはAu電極12が残る。Au電極12は半導体装置の電極となる部分である。リフトオフ後のAu電極12の表面粗さRaは0.009μmである。
【0015】
次いで、Au電極12の表面を粗化する。ここでは、ヨウ素:ヨウ化カリウム:水が5:20:75であるヨウ素ヨウ化カリウム溶液を用いてAu電極12の表面をウェットエッチングする。すなわち、ヨウ化カリウム濃度を20%以下としたヨウ素ヨウ化カリウム溶液でウェットエッチングを実施する。このウェットエッチングは、エッチングレートが0.1μm/minである。このウェットエッチングを5分間継続することによりAu電極12の表面粗さRaは0.246μmとなり、かつAu電極12の表面に1〜10μm径のランダムな方向に伸びる複数の穴が形成される。図6は、Au電極12の表面が粗化されたことを示す図である。
【0016】
次いで、Au電極12の表面に有機高分子膜であるポリイミド膜を形成する。ポリイミド膜は、基板10(通常円形で直径2インチ〜8インチ程度)を1000〜3000rpm程度の速さで回転させた状態で、基板10表面にポリアミック酸溶液を塗布し、均一に塗り広げる。その後、200℃〜400℃程度で1時間ほどキュアを行いポリイミド膜として形成する。図7は、ポリイミド膜14を形成したことを示す図である。図7の破線部を拡大した図が図1である。
【0017】
本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、Au電極12の表面に小さい穴14aを形成して、表面粗さRaを0.246μmまで高めることができる。また、Au電極12に大きい穴12bも形成することができる。そして、これら小さい穴14a及び大きい穴14bを埋めるようにポリイミド膜14が形成されているので、十分なアンカー効果によりポリイミド膜14をAu電極12に密着させることができる。
【0018】
本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法では、Au電極12のウェットエッチのエッチングレートを低くして、Au電極12に小さい穴12aと大きい穴12bを形成している。このことについて理解を容易にするため、比較例について説明する。比較例の半導体装置の製造方法は、ヨウ素:ヨウ化カリウム:水が5:45:50であるヨウ素ヨウ化カリウム溶液を用いて0.5分間のウェットエッチングを行う点が本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法と相違する。図8は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法と比較例の半導体装置の製造方法を比較した表である。本発明の実施の形態1ではエッチングレートを0.1μm/minと低くしたのに対し、比較例ではエッチングレートを1μm/minと高くした。
【0019】
ここで、本発明の実施の形態1の場合でも比較例の場合でも、ウェットエッチ処理前のAu電極の表面粗さRaは0.009μmである。比較例ではウェットエッチ後のAu電極の表面粗さRaは0.0505μmに過ぎない。一方本発明の実施の形態1の場合はAu電極の表面粗さRaが0.245μmまで上昇する。また、比較例では1〜10μm径のランダムな方向に伸びる複数の穴(大きな穴)は形成されないが、本発明の実施の形態ではこれらが形成される。
【0020】
図9は、本発明の実施の形態1に係るウェットエッチ処理後のAu電極表面のSEM写真(A)と比較例のウェットエッチ処理後のAu電極表面のSEM写真(B)である。SEM写真の比較から、比較例よりも本発明においてAu電極の表面を粗くできることが分かる。すなわち、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、比較例の方法と比較して、アンカー効果を高めることができる。
【0021】
ところで、Au電極12は多結晶であるため、結晶面方位の異なる結晶粒ごとにエッチングのスピードがまちまちである。すなわち、速くエッチングされる結晶粒(結晶粒Aとする)とゆっくりエッチングされる結晶粒(結晶粒Bとする)が存在する。本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法では、Au電極12のエッチングレートを低くし、その分エッチング時間を長くとることで、結晶粒Aのエッチングが十分進むようにした。その結果、結晶粒Aが深くエッチングされて大きな穴14bを形成できる。
【0022】
本発明の実施の形態1に係る半導体装置と、比較例の半導体装置とに膜剥がし試験を実施した。図10は、膜剥がし試験について示す図である。膜剥がし試験は、エポキシ樹脂36によりポリイミド膜14とスタッド38を接着し、スタッド38を上方(矢印方向)に引っ張る方法である、セバスチャン法と呼ばれるものである。スタッド38を引っ張ることによりポリイミド膜14がAu電極12から剥がれた場合(図10左側)を、「ポリイミド膜剥がれ」と称する。ポリイミド膜剥がれが起きたときのスタッド38にかけられた力は、ポリイミド膜14のAu電極12への付着力を反映している。一方スタッド38がエポキシ樹脂36から剥がれてしまった場合(図10右側)を「接着剤剥がれ」と称する。接着剤剥がれが起きたときは、ポリイミド膜14の付着力が測定できていない。
【0023】
図11は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法で製造された10個のサンプル、及び比較例の製造方法で製造された10個のサンプルを対象とした膜剥がし試験の結果を示す表である。本発明のサンプルでは3枚のサンプルでポリイミド膜14の付着力が測定でき、比較例のサンプルでは6枚のサンプルでポリイミド膜14の付着力が測定できた。図12は、本発明のポリイミド膜14の付着力と比較例のポリイミド膜14の付着力を示すグラフである。このグラフから、本発明では3枚とも500hfg/cm以上の剥がれ強度が得られたが、比較例では6枚中2枚のサンプルで400hfg/cm以下の剥がれ強度となった。よって、本発明の方がポリイミド膜をAu電極に密着させることができる。
【0024】
本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法は様々な変形が可能である。本発明は金属表面を粗化するために行われるウェットエッチングのエッチングレートを制御して十分に表面を粗くするものである。従って、例えばAu金属の表面粗さRaは0.246μm未満でもよい。しかしながら、十分なアンカー効果を得るためには、表面粗さRaが0.051μmより大きいことが好ましい。なお、十分なアンカー効果を得るためには、Au電極12の表面に1〜10μm径のランダムな方向に伸びた穴を形成することは必須である。
【0025】
Au電極12に代えて他の金属で電極を形成してもよい。たとえば、金、銅、アルミニウム又は白金などの反応性の低い金属を用いても本発明の効果を得ることができる。また、粗化の対象となる金属は必ずしも電極でなくても良い。例えば、金属表面の装飾に絶縁性皮膜を用いる場合にも、本発明の方法で金属表面を粗化するとよい。
【0026】
ポリイミド膜14はスプレーを用いて形成してもよい。高い段差がある表面にポリイミド膜を形成する場合には、スプレーを用いることが有効である。
【0027】
ポリイミド膜14に代えて他の絶縁膜を形成してもよい。たとえば、有機高分子膜、シリコン酸化膜、又はシリコン窒化膜のいずれかの絶縁膜を用いても本発明の効果を得ることができる。シリコン酸化膜やシリコン窒化膜は、一般にプラズマCVDなどの方法を用いて形成する。プラズマCVDなどの方法を用いた場合、成膜が等方的に進行し粗化した金属表面の細かい隙間にも絶縁膜を形成できるため、十分なアンカー効果を得ることができる。
【0028】
金属表面のウェットエッチングにはヨウ素ヨウ化カリウム溶液を用いたが本発明はこれに限定されない。金属が金であれば、ヨウ素系エッチング液や、王水を用いても良い。その他、ウェットエッチの対象となる金属との組合せで自由に選んでよい。
【0029】
本発明の実施の形態1ではエッチングレートを0.1μm/minとしてAu電極をウェットエッチした。しかしながら、エッチングレートを1.0μm/min未満とすれば、Au電極の表面を十分に粗化して本発明の効果を得ることができる。
【0030】
Au電極形成後であってリフトオフ前にAu電極の表面を粗化してもよい。こうすることでエッチング液が基板10に触れづらくする効果がある。
【0031】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法は、多層配線構造の各層の配線の表面を粗化して、層間絶縁膜との密着性を高める。図13は、多層配線構造の各層の配線の表面を粗化したことを示す断面図である。Au配線40、及び44には前述の実施の形態1に係るウェットエッチングが施されている。そのためAu配線40、及び44の表面は十分粗化されており、層間絶縁膜42、及び46はそれぞれAu配線40、及び44に密着している。また、本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法は少なくとも実施の形態1と同程度の変形は可能である。
【符号の説明】
【0032】
10 基板、 12 Au電極(金属)、 12a 小さい穴、 12b 大きい穴、 14 ポリイミド膜(絶縁膜)、 30 レジストパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に多結晶の金属を形成する工程と、
前記金属の表面粗さRaが0.051μmより大きくなり、かつ前記金属の表面に1〜10μm径のランダムな方向に伸びる複数の穴が形成されるように、前記金属の表面を1.0μm/min未満のエッチングレートでウェットエッチングする工程と、
前記金属の表面に絶縁膜を形成する工程と、を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記金属は金であり、
前記ウェットエッチングはヨウ素ヨウ化カリウム溶液で行うことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記ヨウ素ヨウ化カリウム溶液のヨウ化カリウム濃度は20%以下であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記金属は、金、銅、アルミニウム又は白金のいずれかであり、
前記絶縁膜は有機高分子膜、シリコン酸化膜、又はシリコン窒化膜のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
表面粗さRaが0.051μmより大きく、かつ表面に1〜10μm径のランダムな方向に伸びた複数の穴が形成された金属と、
前記金属の表面に形成された絶縁膜と、を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
前記金属は、金、銅、アルミニウム又は白金のいずれかであり、
前記絶縁膜は有機高分子膜、シリコン酸化膜、又はシリコン窒化膜のいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−222025(P2012−222025A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83530(P2011−83530)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】