半導体装置の製造方法及び半導体装置
【課題】容易に、プローブ検査工程後のワイヤーボンディングやバンプ接続の密着強度を向上させて接続不良を減少させ、信頼性を向上する手段の提供。
【解決手段】ワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する前に、測定用プローブ針と滑り方向が正反対であり、かつ、前述測定用プローブ針のプローブ跡終点部を通過する状態でプローブ針が滑るようにプロービング屑平坦化用プローブ針5bをコンタクトさせることで、プローブ検査工程にて発生するプロービング屑3a,3bの平坦化が可能となり、その結果ワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプの密着強度を向上することで、容易に、接続不良を減少し、かつ信頼性を向上することが可能である。
【解決手段】ワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する前に、測定用プローブ針と滑り方向が正反対であり、かつ、前述測定用プローブ針のプローブ跡終点部を通過する状態でプローブ針が滑るようにプロービング屑平坦化用プローブ針5bをコンタクトさせることで、プローブ検査工程にて発生するプロービング屑3a,3bの平坦化が可能となり、その結果ワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプの密着強度を向上することで、容易に、接続不良を減少し、かつ信頼性を向上することが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極パッドにプローブ針をコンタクトさせて電気的検査を行った後、前述電気パッド上にワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する半導体装置の製造方法及び半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル化社会が進展するに従って、半導体装置の高機能化、小型化、低コスト化の要望が高まってきている。半導体装置の低コスト化のためには1ウエハあたりの半導体チップの採れ数を増やすことが有効であり、そのため拡散プロセスの微細化とともにチップ面積が縮小化している。このチップ面積の縮小化と多機能化に伴う多ピン化が相伴って、半導体チップの外周部分に存在する外部接続用の電極パッドを小さくし、高密度に配置する必要が出てきた。このため外部接続の際に用いるワイヤーボンディング用ボールやバンプなどのサイズのさらなる縮小化が必要となっている。
【0003】
図16は従来の半導体装置の製造方法を示す概略図であり、電極パッドにプローブ針をコンタクトさせて電気的検査を行った後、前述電気パッド上にワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する工程を示している。
【0004】
通常、半導体ウエハの拡散後、図16(a)のように外部接続用の電極パッド14にプローブ針5をコンタクトさせて電気的検査を行うプローブ検査工程を行う。その後、電極パッド14上にワイヤーボンディング用ボール17を形成し(図16(c))、ワイヤーボンディング用ボール17にワイヤーボンディングすることにより半導体装置を製造している。
【特許文献1】特開平6−267884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の半導体装置の製造方法によると、プローブ針5を電極パッド14にコンタクトをさせる際、プローブ針5は図16(a)に示された矢印の方向に滑って電極パッド14を削りながらコンタクトされる。図16(b)はプローブ検査工程直後の電極パッドの状態を示している。前述のように、プローブ針5によって電極パッド14が削りとられるため、電極パッド14には削り跡であるプローブ跡2が残っている。また、プローブ跡2の終点部分には電極パッドの削り屑が堆積したプロービング屑3が存在している。前述のように近年チップサイズ縮小化と多ピン化に対応するため電極パッド14の面積が小さくなっており、図16(c)のようにプローブ跡2及びプロービング屑3上にワイヤーボンディング用ボール17を形成し接続すること必要となっている。さらに、電極パッド14の面積が小さくなることによってワイヤーボンディング用ボール17自体のサイズも小さくする必要がある。しかし、図16(c)のように、プローブ検査工程にて発生したプロービング屑3がワイヤーボンディング用ボール17を押し上げる形でワイヤーボンディング用ボール17と電極パッド14との接合を阻害するため、密着強度が低下し、接続不良や信頼性低下を発生することが課題となっている。この課題はプローブ検査工程後のワイヤボンド接続工法だけでなく半田バンプやAuバンプなどのバンプ接続工法に対しても同様に発生している。
【0006】
この課題に対して、プローブ跡2やプロービング屑3を、レーザーを用いてリセットする手法が考案されているが(例えば、特許文献1参照)、この場合特殊な専用装置が必要であり、設備費用がかかる上にかつウエハの入れ替えや搬送、ウエハのロードなどリセット工程の時間がかかることが課題である。
【0007】
前記に鑑み、本発明は、容易に、プローブ検査工程後のワイヤーボンディングやバンプ接続の密着強度を向上させて接続不良を減少させ、信頼性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の半導体装置の製造方法は、ウエハ状態で、半導体チップに形成された電極パッドに測定用プローブ針をコンタクトさせて電気的検査を行った後、前記電極パッド上にワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する工程を備え、前記ワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する工程の前に、前記測定用プローブ針と滑り方向が正反対でありかつ前記測定用プローブ針のプローブ跡終点部を通過する状態でプローブ針が滑るようにプロービング屑平坦化用プローブ針をコンタクトさせるプロービング屑平坦化工程を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記測定用プローブ針と前記プロービング屑平坦化用プローブ針の両方を備えるプローブカードを用いることを特徴とする。
また、前記プローブカードに前記測定用プローブ針と前記プロービング屑平坦化用プローブ針とを隣接させて形成し、前記各半導体チップに対して前記測定用プローブ針により前記電気的検査を行った後、隣接する前記プロービング屑平坦化用プローブ針でプロービング屑平坦化工程と前記測定用プローブ針で隣接する前記半導体チップの前記電気的検査を同時に行うことを特徴とする。
【0010】
また、前記測定用プローブ針と前記プロービング屑平坦化用プローブ針の両方の機能を備える測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針が設けられるプローブカードを用いることを特徴とする。
【0011】
また、前記プローブカードに複数の前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針を互いに隣接させて形成し、前記各半導体チップに対して1つの前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針により前記電気的検査を行った後、隣接する前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針でプロービング屑平坦化工程と前記1つの測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針で隣接する前記半導体チップの前記電気的検査を同時に行うことを特徴とする。
【0012】
また、前記プローブカードに複数の前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針を互いに隣接させて形成し、前記各半導体チップに対して1つの前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針により前記電気的検査を行った後、隣接する前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針で再び前記電気的検査を行うと共に前記1つの測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針で隣接する前記半導体チップの前記電気的検査を行うことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の半導体装置は、前記半導体装置の製造方法によって製造されることを特徴とする。
以上により、容易に、ワイヤーボンディングやバンプ接続の密着強度を向上させて接続不良を減少させ、信頼性を向上することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、ワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する前に、測定用プローブ針と滑り方向が正反対であり、かつ、前述測定用プローブ針のプローブ跡終点部を通過する状態でプローブ針が滑るようにプロービング屑平坦化用プローブ針をコンタクトさせることで、プローブ検査工程にて発生するプロービング屑の平坦化が可能となり、その結果ワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプの密着強度を向上することで、容易に、接続不良を減少し、かつ信頼性を向上することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施形態について説明する前提として、本発明で用いる用語の定義について、図1〜図3を参照しながら説明する。
図1は半導体ウエハの構成を示す平面図、図2はプローブ検査工程におけるプローブカードを用いて半導体ウエハを検査する状態を説明する図、図3はプローブ跡とプロービング屑を説明する図である。
【0016】
図1(a)は一般的な半導体ウエハを示している。半導体ウエハ11には複数の半導体チップ12が形成されており、スクライブライン13にそってダイシングを行うことで個片化し、組立工程を経て半導体装置が製造される。図1(b)は図1(a)のAの部分の拡大図である。このように、それぞれの半導体チップ12の外周部分に外部接続用の電極パッド14が存在する。ここで、本発明ではチップ内部の信号や電源とチップ外部の信号や電源のやりとりをする入出力用端子のことを「電極パッド」と定義する。また、スクライブライン13側からみて電極パッド14よりも内側の領域15を「チップ内部領域」と定義する。
【0017】
図2は半導体ウエハ11上に形成された半導体チップ12をウエハ状態で検査するいわゆるプローブ検査工程を示している。半導体ウエハ11はチャックテーブル16上に置かれ、プローブカード4に形成されたプローブ針5を半導体チップ12内の電極パッド14にコンタクトさせて電気的検査を行う。一般的にはプローバーと呼ばれる自動制御装置(図示せず)が用いられ、チャックテーブル16を矢印の方向に引き上げることでプローブ針5と電極パッド14を接続する方法がとられている。また、一般的にはテスターと呼ばれる検査装置(図示せず)からプローブカード4、プローブ針5、電極パッド14を経由して半導体チップ12内部に信号や電源を入出力することで電気的検査を行っている。プローブカード4とプローブ針5は一体のものであり、プローブカード4にプローブ針5が取り付けられている状態を、「プローブ針はプローブカード内に具備されている」と表現する。また、ここではプローブ針の役割を分類するため、電気的検査に用いられるプローブ針を「測定用プローブ針」、プロービング屑を平坦化するために用い電気的検査には用いないプローブ針を「プロービング屑平坦化用プローブ針」、電気的検査にもプロービング屑の平坦化にも用いられるプローブ針を「測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針」と定義する。なお、測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針は同一コンタクトのタイミングで電気的検査とプロービング屑の平坦化を実現してもしなくても良いとする。つまり、同一のプローブ針にてあるコンタクトタイミングでは電気的検査、また別のコンタクトタイミングではプロービング屑の平坦化の役割を示すプローブ針も「測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針」と定義する。また、プローブカードを具備するプローブ針の種類によって区別するため、測定用プローブ針のみを具備するプローブカードを「測定用プローブカード」、プロービング屑平坦化用プローブ針のみを具備するプローブカードを「プロービング屑平坦化用プローブカード」、測定用プローブ針とプロービング屑平坦化用プローブ針を両方具備するあるいは測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針を具備するプローブカードを「測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカード」と定義する。この定義により、「測定用プローブカード」はプローブ検査工程のみ、「プロービング屑平坦化用プローブカード」はプロービング屑平坦化工程のみに使用が可能であるのに対し、「測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカード」はプローブ検査工程とプロービング屑平坦化工程のどちらの工程も1枚のプローブカードで実現可能となる。
【0018】
図3(a)はプローブ針が電極パッドにコンタクトする状態を示したものである。前述のように図2のチャックテーブル16が上方向に引き上げられると、プローブ針5と電極パッド14が接触し、さらにチャックテーブル16を引き上げるとプローブ針5は矢印の方向に滑り電極パッド14を削りながらコンタクトされる。図3(b)はプローブ検査工程直後の電極パッドの状態を示している。前述のように、プローブ針5によって電極パッド14が削りとられる。ここでは、電極パッド14がコンタクト時にプローブ針5によって削りとられた傷跡を「プローブ跡」と定義する。このプローブ跡2は、図3(b)のように電極パッド14の本来の表面状態とは異なるため、金属顕微鏡による観測や断面解析によって容易に特定が可能である。また、プローブ跡2の形状は図3(b)に示すようにプローブ針5の進入方向から滑っていく方向に向かって広がり深くなる形となるので、プローブ跡2からプローブの滑り方向を断定することも可能である。プローブ針5によって削りとられた電極パッド14の大部分はプローブ跡2の終点部に堆積する。ここではこの堆積物を「プロービング屑」と定義する。図3(b)に示すようにプロービング屑3は電極パッド14の表面の位置より1μm以上盛り上がる場合があるため、前述のようにワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプと電極パッド14との接合を阻害する。
【0019】
以下、本発明の半導体装置の製造方法についての実施の形態を、図を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図4は第1の実施形態における測定用プローブ針を電極パッドにコンタクトする工程を示す図、図5は第1の実施形態におけるプロービング屑平坦化用プローブ針による電極パッドの平坦化工程を示す図、図6は第1の実施形態における電極パッドにワイヤーボンディング用ボールを形成した状態を示す図である。
【0020】
図4(a)に示すように、まず、プローブ検査工程において測定用プローブ針5aを電極パッド14にコンタクトし、電気的検査を実施する。この工程の後、図4(b)に示すように、電極パッド14には前述のようにプローブ跡2a及びプロービング屑3aが存在する。次に、図5(a)のようにプロービング屑平坦化用プローブ針5bを今度はプローブ検査工程時にコンタクトした測定用プローブ針5aとは正反対の方向からコンタクトをさせる。この場合、矢印に示す方向にプローブ針5bは滑ることとなる。この時図5(b)のように、検査工程後のプローブ跡2aの終点部を通過する状態で、プロービング屑平坦化用プローブ針5bが滑るようにコンタクトさせる。つまり、検査工程後のプローブ跡2aとプロービング屑平坦化後のプローブ跡2bは互いに重なる位置関係にする。このプロービング屑平坦化工程により、検査工程後に堆積したプロービング屑3aは、プロービング屑平坦化用プローブ針5bによって削り取られる。また、プロービング屑平坦化用プローブ針5bによって新たにプロービング屑3bが発生するが、図5(b)に示すように、検査工程後のプローブ跡2aの削れた部分に埋め合わせる形に堆積する。図4(b)に示すプロービング屑平坦化工程前と比較して図5(b)に示すプロービング屑平坦化工程後の状態のほうが、電極パッド14表面からのプロービング屑3の盛り上がりが低くなっている。プロービング屑平坦化工程後にワイヤーボンディング用ボール17を形成した状態を示す図が図6である。従来の課題を示す図16(c)と比較すると図6のほうが、プロービング屑3によるワイヤーボンディング用ボール17への押し上げによる阻害がないため、密着強度が従来に比べて強化される。本実施形態ではワイヤボンド工法を例にあげているが、バンプによる接続工法についても同様である。
【0021】
図7は第1の実施形態における半導体チップに対する測定用プローブ針のコンタクトの様子を示す図、図8は第1の実施形態における半導体チップの右側の辺に対するプロービング屑平坦化用プローブ針のコンタクトの様子を示す図、図9は第1の実施形態における半導体チップの上側の辺に対するプロービング屑平坦化用プローブ針のコンタクトの様子を示す図、図10は第1の実施形態における半導体チップの左側の辺に対するプロービング屑平坦化用プローブ針のコンタクトの様子を示す図、図11は第1の実施形態における半導体チップの下側の辺に対するプロービング屑平坦化用プローブ針のコンタクトの様子を示す図であり、プローブカードが半導体チップにコンタクトする様子を、プローブカードを透視してプローブカード上から見た様子を示す図である。
【0022】
図7(a)のように測定用プローブカード4aはプローブ針支持部18を介して測定用プローブ針5aを具備している。この測定用プローブカード4aを用いてプローブ検査工程を実施すると、図7(b)の矢印に示すスクライブラインからチップ内部領域に向かう方向にプローブ針5aが滑り、プローブ跡を残すことになる。次に、図8(a)に示すようにプロービング屑平坦化用プローブ針5bを具備したプロービング屑平坦化用プローブカード4bを準備する。図8(a)に示すように、半導体チップ12の右側の辺のみにプロービング屑平坦化用プローブカード4bを用いると、図8(b)の矢印に示すように半導体チップ12の右側の辺のみ、チップ内部からスクライブラインの方向に滑る状態でプロービング屑平坦化用プローブ針5bがコンタクトされる。本図では、視覚的に理解しやすいようわざと測定用プローブの滑り方向を示す矢印とプロービング屑平坦化用プローブ針の滑り方向を示す矢印が重ならないように図示しているが、実際には図4〜図6に示すように互いの滑り方向が正反対でありかつプローブ跡が重なり合う状態でコンタクトされている。以下の実施形態の説明においても同様とする。次に、図9(a)に示すようにプロービング屑平坦化用プローブカード4bを90℃回転させてプロービング屑平坦化用プローブ針5bのコンタクトを実施する。この場合図9(b)の矢印に示すように半導体チップ12の上側の辺のみチップ内部からスクライブラインの方向に滑る状態でプロービング屑平坦化用プローブ針5bがコンタクトされる。さらに、図10(a)に示すようにプロービング屑平坦化用プローブカード4bをさらに90℃回転させてプロービング屑平坦化用プローブ針5bのコンタクトを実施する。この場合、図10(b)の矢印に示すように半導体チップ12の左側の辺のみチップ内部からスクライブラインの方向に滑る状態でプロービング屑平坦化用プローブ針5bがコンタクトされる。同様にして、図11(a)に示すようにプロービング屑平坦化用プローブカード4bをさらに90℃回転させてプロービング屑平坦化用プローブ針5bのコンタクトを実施する。この場合、図11(b)の矢印に示すように半導体チップ12の左側の辺のみチップ内部からスクライブラインの方向に滑る状態でプロービング屑平坦化用プローブ針5bがコンタクトされる。以上の工程で半導体チップ12の各辺の電極パッド14で、図5(b)に示すようにプロービング屑の平坦化が実現される。
【0023】
以上のように、測定用プローブ針にて測定時のコンタクトを行った後、プロービング屑平坦化用プローブ針にて、測定用プローブ針の進行方向と逆方向に、かつ、プローブ跡が重なり合う状態でコンタクトすることにより、プローブ検査工程にて発生するプロービング屑の平坦化が可能となり、その結果ワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプの密着強度を向上させることで、容易に、接続不良を減少し、かつ信頼性を向上することが可能である。さらに本実施形態では、従来用いられているプローブカード、プローブ針、プローバーを用いて実現することが可能であるため、特殊な専用装置が不要であり、設備費用が抑えられる利点がある。
【0024】
なお本実施形態では、半導体チップ外周部4辺に電極パッドがあり全て検査する場合について述べたが、電極パッドの配置や数、同測数が異なる場合においても、プロービング屑平坦化用プローブカードにおいて検査時と正反対の滑り方向にプローブ針立ての実現が可能な場合においては、同様の効果が得られる。また本実施形態では、プロービング屑平坦化用プローブカードを1種類で実現したが、2種類以上のプロービング屑平坦化用プローブカードを用いて実現してもよい。また本実施形態では、プロービング屑平坦化用プローブカードを4回回転させてコンタクトを実施したが、プロービング屑平坦化用プローブカードを3回以下で実現してもよく、複数あるいは全ての辺をコンタクトできるプロービング屑平坦化用プローブカードを用いてもよい。また、本実施例は半導体チップ内のすべての電極パッドにてプローブ検査工程とプロービング屑平坦化を実現したが、一部分の電極パッドにおいてのみ実現するだけでも接合不良による歩留まり低下を防止する効果が得られる。
(第1の実施形態の変形例)
図12は測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードによる検査工程を説明する図、図13は測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードによるプローブ屑平坦化工程を説明する図である。
【0025】
本変形例では図12(a)に示すように、プローブ針支持部18を介して測定用プローブ針5aとプロービング屑平坦化用プローブ針5bを具備した測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカード4cを用いて、左右2辺の電極パッドを検査する例を示す。まず、図12(a)の測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカード4cを用いてプローブ検査工程を実施した図が図12(b)である。中央部の半導体チップ2にて測定用プローブ針5aがコンタクトされており、電気的検査を実施している。プローブ針のすべり方向は矢印に示されたようになる。次に、図13(a)に示すように、1チップ分チャックテーブルを左にずらして同様のコンタクトを実施すると図13(b)のように、右側の半導体チップ2にて測定用プローブ針5aがコンタクトされ、電気的検査が実施される。さらに同じタイミングで、中央部の半導体チップ2にてプロービング屑平坦化用プローブ針5bが先ほどのプローブ方向とは逆の方向でコンタクトされる。これで中央部の半導体チップ2は検査した全ての電極パッドにおいて図5b(d)に示すようにプロービング屑の平坦化が実現される。ここで、半導体ウエハ上で左端の半導体チップ2を測定する場合プロービング屑平坦化用プローブ針5bは有効ショット外半導体チップあるいは半導体ウエハからはみ出てしまうが、いずれの場合もプロービング屑平坦化用プローブ針5bは機能しないだけで、特に問題はない。同様に半導体ウエハ上で右端の半導体チップ2を測定する場合、測定用プローブ針5aは有効ショット外半導体チップ2あるいは半導体ウエハからはみ出てしまうが、いずれの場合も測定用プローブ針5aは機能しないだけで、特に問題はない。実際には図1(a)のように半導体ウエハ11上には多数の半導体チップ12が存在するが前述フローを繰り返すことで、全ての半導体チップ2のプロービング屑3の平坦化が実現される。
【0026】
以上のように、測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードを用い、半導体ウエハ上を1半導体チップ毎にシフトして検査を行うことにより、1つの測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードで検査とプロービング屑の平坦化を順次実施することができるため、プローブ検査工程にて発生するプロービング屑の平坦化を実現しながら、プローブカード製作費用を削減できる。さらに、プローバーにおいて1つの品種ファイルにて実現が可能なため、操作手順や運用が簡易であるだけでなく、プロービング屑平坦化工程によって新たに発生するプローブカードの交換や品種ファイル、アライメントなどの時間を大幅に削減することが可能となる。
【0027】
図14は測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードによる1回目の検査工程を説明する図、図15は測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードによる2回目の検査工程を説明する図である。
【0028】
図12〜図13の変形例と異なるのは、図14(a)に示したように測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカード4cに測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針5cを具備したことである。図14(b)の場合左半導体チップと中央半導体チップはともに測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針5cがコンタクトされプローブ検査工程が実施される。次に、図15(a)に示すように、1チップ分チャックテーブルを左にずらして同様のコンタクトを実施すると、図15(b)に示すように、右側の半導体チップ2にて測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針5cがコンタクトされ、電気的検査が実施される。さらに同じタイミングで、中央部の半導体チップ2にてプロービング屑平坦化用プローブ針5cがコンタクトされるため、中央部の半導体チップ2でプロービング屑の平坦化が行われると同時に電気的検査も実施される。
【0029】
以上のように、測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針を備える測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードを用いて、半導体ウエハ上を1半導体チップ毎にシフトして検査を行うことにより、プローブ針の滑る方向が正反対の測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針が1回ずつコンタクトされることになり、プローブカード製作費用を削減しながら、プローブ検査工程にて発生するプロービング屑の平坦化を実現できる。さらに、各半導体チップは計2回の検査を実施することが可能となり、例えばロジックやメモリなど2種類以上の検査が必要な半導体チップに対しては、従来の検査時間と同じ時間でプロービング屑平坦化が可能となる。また、検査が1種類の場合でも同じ検査を2回することで、コンタクト不良での不良を救済することが可能となり、出荷時の歩留まり向上が可能となる。
【0030】
以上の変形例では、左右2辺に電極パッドが形成された半導体チップを例に説明したが、測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針を4辺あるいは任意の辺に設けた測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードを用いることにより、4辺あるいは任意の辺電極パッドが形成された半導体チップに対して実現することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、ワイヤーボンディングやバンプ接続の密着強度を向上させて接続不良を減少させ、信頼性を向上することができ、電極パッドにプローブ針をコンタクトさせて電気的検査を行った後、前述電気パッド上にワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する半導体装置の製造方法及び半導体装置等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】半導体ウエハの構成を示す平面図
【図2】プローブ検査工程におけるプローブカードを用いて半導体ウエハを検査する状態を説明する図
【図3】プローブ跡とプロービング屑を説明する図
【図4】第1の実施形態における測定用プローブ針を電極パッドにコンタクトする工程を示す図
【図5】第1の実施形態におけるプロービング屑平坦化用プローブ針による電極パッドの平坦化工程を示す図
【図6】第1の実施形態における電極パッドにワイヤーボンディング用ボールを形成した状態を示す図
【図7】第1の実施形態における半導体チップに対する測定用プローブ針のコンタクトの様子を示す図
【図8】第1の実施形態における半導体チップの右側の辺に対するプロービング屑平坦化用プローブ針のコンタクトの様子を示す図
【図9】第1の実施形態における半導体チップの上側の辺に対するプロービング屑平坦化用プローブ針のコンタクトの様子を示す図
【図10】第1の実施形態における半導体チップの左側の辺に対するプロービング屑平坦化用プローブ針のコンタクトの様子を示す図
【図11】第1の実施形態における半導体チップの下側の辺に対するプロービング屑平坦化用プローブ針のコンタクトの様子を示す図
【図12】測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードによる検査工程を説明する図
【図13】測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードによるプローブ屑平坦化工程を説明する図
【図14】測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードによる1回目の検査工程を説明する図
【図15】測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードによる2回目の検査工程を説明する図
【図16】従来の半導体装置の製造方法を示す概略図
【符号の説明】
【0033】
11 半導体ウエハ
12 半導体チップ
13 スクライブライン
14 電極パッド
15 領域
16 チャックテーブル
17 ワイヤーボンディング用ボール
18 プローブ針支持部
2 プローブ跡
2a プローブ検査工程後のプローブ跡
2b プロービング屑平坦化工程後のプローブ跡
3 プロービング屑
3a プロービング屑
3b プロービング屑
4 プローブカード
4a 測定用プローブカード
4b プロービング屑平坦化用プローブカード
4c 測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカード
5 プローブ針
5a 測定用プローブ針
5b プロービング屑平坦化用プローブ針
5c 測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極パッドにプローブ針をコンタクトさせて電気的検査を行った後、前述電気パッド上にワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する半導体装置の製造方法及び半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル化社会が進展するに従って、半導体装置の高機能化、小型化、低コスト化の要望が高まってきている。半導体装置の低コスト化のためには1ウエハあたりの半導体チップの採れ数を増やすことが有効であり、そのため拡散プロセスの微細化とともにチップ面積が縮小化している。このチップ面積の縮小化と多機能化に伴う多ピン化が相伴って、半導体チップの外周部分に存在する外部接続用の電極パッドを小さくし、高密度に配置する必要が出てきた。このため外部接続の際に用いるワイヤーボンディング用ボールやバンプなどのサイズのさらなる縮小化が必要となっている。
【0003】
図16は従来の半導体装置の製造方法を示す概略図であり、電極パッドにプローブ針をコンタクトさせて電気的検査を行った後、前述電気パッド上にワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する工程を示している。
【0004】
通常、半導体ウエハの拡散後、図16(a)のように外部接続用の電極パッド14にプローブ針5をコンタクトさせて電気的検査を行うプローブ検査工程を行う。その後、電極パッド14上にワイヤーボンディング用ボール17を形成し(図16(c))、ワイヤーボンディング用ボール17にワイヤーボンディングすることにより半導体装置を製造している。
【特許文献1】特開平6−267884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の半導体装置の製造方法によると、プローブ針5を電極パッド14にコンタクトをさせる際、プローブ針5は図16(a)に示された矢印の方向に滑って電極パッド14を削りながらコンタクトされる。図16(b)はプローブ検査工程直後の電極パッドの状態を示している。前述のように、プローブ針5によって電極パッド14が削りとられるため、電極パッド14には削り跡であるプローブ跡2が残っている。また、プローブ跡2の終点部分には電極パッドの削り屑が堆積したプロービング屑3が存在している。前述のように近年チップサイズ縮小化と多ピン化に対応するため電極パッド14の面積が小さくなっており、図16(c)のようにプローブ跡2及びプロービング屑3上にワイヤーボンディング用ボール17を形成し接続すること必要となっている。さらに、電極パッド14の面積が小さくなることによってワイヤーボンディング用ボール17自体のサイズも小さくする必要がある。しかし、図16(c)のように、プローブ検査工程にて発生したプロービング屑3がワイヤーボンディング用ボール17を押し上げる形でワイヤーボンディング用ボール17と電極パッド14との接合を阻害するため、密着強度が低下し、接続不良や信頼性低下を発生することが課題となっている。この課題はプローブ検査工程後のワイヤボンド接続工法だけでなく半田バンプやAuバンプなどのバンプ接続工法に対しても同様に発生している。
【0006】
この課題に対して、プローブ跡2やプロービング屑3を、レーザーを用いてリセットする手法が考案されているが(例えば、特許文献1参照)、この場合特殊な専用装置が必要であり、設備費用がかかる上にかつウエハの入れ替えや搬送、ウエハのロードなどリセット工程の時間がかかることが課題である。
【0007】
前記に鑑み、本発明は、容易に、プローブ検査工程後のワイヤーボンディングやバンプ接続の密着強度を向上させて接続不良を減少させ、信頼性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の半導体装置の製造方法は、ウエハ状態で、半導体チップに形成された電極パッドに測定用プローブ針をコンタクトさせて電気的検査を行った後、前記電極パッド上にワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する工程を備え、前記ワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する工程の前に、前記測定用プローブ針と滑り方向が正反対でありかつ前記測定用プローブ針のプローブ跡終点部を通過する状態でプローブ針が滑るようにプロービング屑平坦化用プローブ針をコンタクトさせるプロービング屑平坦化工程を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記測定用プローブ針と前記プロービング屑平坦化用プローブ針の両方を備えるプローブカードを用いることを特徴とする。
また、前記プローブカードに前記測定用プローブ針と前記プロービング屑平坦化用プローブ針とを隣接させて形成し、前記各半導体チップに対して前記測定用プローブ針により前記電気的検査を行った後、隣接する前記プロービング屑平坦化用プローブ針でプロービング屑平坦化工程と前記測定用プローブ針で隣接する前記半導体チップの前記電気的検査を同時に行うことを特徴とする。
【0010】
また、前記測定用プローブ針と前記プロービング屑平坦化用プローブ針の両方の機能を備える測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針が設けられるプローブカードを用いることを特徴とする。
【0011】
また、前記プローブカードに複数の前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針を互いに隣接させて形成し、前記各半導体チップに対して1つの前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針により前記電気的検査を行った後、隣接する前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針でプロービング屑平坦化工程と前記1つの測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針で隣接する前記半導体チップの前記電気的検査を同時に行うことを特徴とする。
【0012】
また、前記プローブカードに複数の前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針を互いに隣接させて形成し、前記各半導体チップに対して1つの前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針により前記電気的検査を行った後、隣接する前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針で再び前記電気的検査を行うと共に前記1つの測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針で隣接する前記半導体チップの前記電気的検査を行うことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の半導体装置は、前記半導体装置の製造方法によって製造されることを特徴とする。
以上により、容易に、ワイヤーボンディングやバンプ接続の密着強度を向上させて接続不良を減少させ、信頼性を向上することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、ワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する前に、測定用プローブ針と滑り方向が正反対であり、かつ、前述測定用プローブ針のプローブ跡終点部を通過する状態でプローブ針が滑るようにプロービング屑平坦化用プローブ針をコンタクトさせることで、プローブ検査工程にて発生するプロービング屑の平坦化が可能となり、その結果ワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプの密着強度を向上することで、容易に、接続不良を減少し、かつ信頼性を向上することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施形態について説明する前提として、本発明で用いる用語の定義について、図1〜図3を参照しながら説明する。
図1は半導体ウエハの構成を示す平面図、図2はプローブ検査工程におけるプローブカードを用いて半導体ウエハを検査する状態を説明する図、図3はプローブ跡とプロービング屑を説明する図である。
【0016】
図1(a)は一般的な半導体ウエハを示している。半導体ウエハ11には複数の半導体チップ12が形成されており、スクライブライン13にそってダイシングを行うことで個片化し、組立工程を経て半導体装置が製造される。図1(b)は図1(a)のAの部分の拡大図である。このように、それぞれの半導体チップ12の外周部分に外部接続用の電極パッド14が存在する。ここで、本発明ではチップ内部の信号や電源とチップ外部の信号や電源のやりとりをする入出力用端子のことを「電極パッド」と定義する。また、スクライブライン13側からみて電極パッド14よりも内側の領域15を「チップ内部領域」と定義する。
【0017】
図2は半導体ウエハ11上に形成された半導体チップ12をウエハ状態で検査するいわゆるプローブ検査工程を示している。半導体ウエハ11はチャックテーブル16上に置かれ、プローブカード4に形成されたプローブ針5を半導体チップ12内の電極パッド14にコンタクトさせて電気的検査を行う。一般的にはプローバーと呼ばれる自動制御装置(図示せず)が用いられ、チャックテーブル16を矢印の方向に引き上げることでプローブ針5と電極パッド14を接続する方法がとられている。また、一般的にはテスターと呼ばれる検査装置(図示せず)からプローブカード4、プローブ針5、電極パッド14を経由して半導体チップ12内部に信号や電源を入出力することで電気的検査を行っている。プローブカード4とプローブ針5は一体のものであり、プローブカード4にプローブ針5が取り付けられている状態を、「プローブ針はプローブカード内に具備されている」と表現する。また、ここではプローブ針の役割を分類するため、電気的検査に用いられるプローブ針を「測定用プローブ針」、プロービング屑を平坦化するために用い電気的検査には用いないプローブ針を「プロービング屑平坦化用プローブ針」、電気的検査にもプロービング屑の平坦化にも用いられるプローブ針を「測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針」と定義する。なお、測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針は同一コンタクトのタイミングで電気的検査とプロービング屑の平坦化を実現してもしなくても良いとする。つまり、同一のプローブ針にてあるコンタクトタイミングでは電気的検査、また別のコンタクトタイミングではプロービング屑の平坦化の役割を示すプローブ針も「測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針」と定義する。また、プローブカードを具備するプローブ針の種類によって区別するため、測定用プローブ針のみを具備するプローブカードを「測定用プローブカード」、プロービング屑平坦化用プローブ針のみを具備するプローブカードを「プロービング屑平坦化用プローブカード」、測定用プローブ針とプロービング屑平坦化用プローブ針を両方具備するあるいは測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針を具備するプローブカードを「測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカード」と定義する。この定義により、「測定用プローブカード」はプローブ検査工程のみ、「プロービング屑平坦化用プローブカード」はプロービング屑平坦化工程のみに使用が可能であるのに対し、「測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカード」はプローブ検査工程とプロービング屑平坦化工程のどちらの工程も1枚のプローブカードで実現可能となる。
【0018】
図3(a)はプローブ針が電極パッドにコンタクトする状態を示したものである。前述のように図2のチャックテーブル16が上方向に引き上げられると、プローブ針5と電極パッド14が接触し、さらにチャックテーブル16を引き上げるとプローブ針5は矢印の方向に滑り電極パッド14を削りながらコンタクトされる。図3(b)はプローブ検査工程直後の電極パッドの状態を示している。前述のように、プローブ針5によって電極パッド14が削りとられる。ここでは、電極パッド14がコンタクト時にプローブ針5によって削りとられた傷跡を「プローブ跡」と定義する。このプローブ跡2は、図3(b)のように電極パッド14の本来の表面状態とは異なるため、金属顕微鏡による観測や断面解析によって容易に特定が可能である。また、プローブ跡2の形状は図3(b)に示すようにプローブ針5の進入方向から滑っていく方向に向かって広がり深くなる形となるので、プローブ跡2からプローブの滑り方向を断定することも可能である。プローブ針5によって削りとられた電極パッド14の大部分はプローブ跡2の終点部に堆積する。ここではこの堆積物を「プロービング屑」と定義する。図3(b)に示すようにプロービング屑3は電極パッド14の表面の位置より1μm以上盛り上がる場合があるため、前述のようにワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプと電極パッド14との接合を阻害する。
【0019】
以下、本発明の半導体装置の製造方法についての実施の形態を、図を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図4は第1の実施形態における測定用プローブ針を電極パッドにコンタクトする工程を示す図、図5は第1の実施形態におけるプロービング屑平坦化用プローブ針による電極パッドの平坦化工程を示す図、図6は第1の実施形態における電極パッドにワイヤーボンディング用ボールを形成した状態を示す図である。
【0020】
図4(a)に示すように、まず、プローブ検査工程において測定用プローブ針5aを電極パッド14にコンタクトし、電気的検査を実施する。この工程の後、図4(b)に示すように、電極パッド14には前述のようにプローブ跡2a及びプロービング屑3aが存在する。次に、図5(a)のようにプロービング屑平坦化用プローブ針5bを今度はプローブ検査工程時にコンタクトした測定用プローブ針5aとは正反対の方向からコンタクトをさせる。この場合、矢印に示す方向にプローブ針5bは滑ることとなる。この時図5(b)のように、検査工程後のプローブ跡2aの終点部を通過する状態で、プロービング屑平坦化用プローブ針5bが滑るようにコンタクトさせる。つまり、検査工程後のプローブ跡2aとプロービング屑平坦化後のプローブ跡2bは互いに重なる位置関係にする。このプロービング屑平坦化工程により、検査工程後に堆積したプロービング屑3aは、プロービング屑平坦化用プローブ針5bによって削り取られる。また、プロービング屑平坦化用プローブ針5bによって新たにプロービング屑3bが発生するが、図5(b)に示すように、検査工程後のプローブ跡2aの削れた部分に埋め合わせる形に堆積する。図4(b)に示すプロービング屑平坦化工程前と比較して図5(b)に示すプロービング屑平坦化工程後の状態のほうが、電極パッド14表面からのプロービング屑3の盛り上がりが低くなっている。プロービング屑平坦化工程後にワイヤーボンディング用ボール17を形成した状態を示す図が図6である。従来の課題を示す図16(c)と比較すると図6のほうが、プロービング屑3によるワイヤーボンディング用ボール17への押し上げによる阻害がないため、密着強度が従来に比べて強化される。本実施形態ではワイヤボンド工法を例にあげているが、バンプによる接続工法についても同様である。
【0021】
図7は第1の実施形態における半導体チップに対する測定用プローブ針のコンタクトの様子を示す図、図8は第1の実施形態における半導体チップの右側の辺に対するプロービング屑平坦化用プローブ針のコンタクトの様子を示す図、図9は第1の実施形態における半導体チップの上側の辺に対するプロービング屑平坦化用プローブ針のコンタクトの様子を示す図、図10は第1の実施形態における半導体チップの左側の辺に対するプロービング屑平坦化用プローブ針のコンタクトの様子を示す図、図11は第1の実施形態における半導体チップの下側の辺に対するプロービング屑平坦化用プローブ針のコンタクトの様子を示す図であり、プローブカードが半導体チップにコンタクトする様子を、プローブカードを透視してプローブカード上から見た様子を示す図である。
【0022】
図7(a)のように測定用プローブカード4aはプローブ針支持部18を介して測定用プローブ針5aを具備している。この測定用プローブカード4aを用いてプローブ検査工程を実施すると、図7(b)の矢印に示すスクライブラインからチップ内部領域に向かう方向にプローブ針5aが滑り、プローブ跡を残すことになる。次に、図8(a)に示すようにプロービング屑平坦化用プローブ針5bを具備したプロービング屑平坦化用プローブカード4bを準備する。図8(a)に示すように、半導体チップ12の右側の辺のみにプロービング屑平坦化用プローブカード4bを用いると、図8(b)の矢印に示すように半導体チップ12の右側の辺のみ、チップ内部からスクライブラインの方向に滑る状態でプロービング屑平坦化用プローブ針5bがコンタクトされる。本図では、視覚的に理解しやすいようわざと測定用プローブの滑り方向を示す矢印とプロービング屑平坦化用プローブ針の滑り方向を示す矢印が重ならないように図示しているが、実際には図4〜図6に示すように互いの滑り方向が正反対でありかつプローブ跡が重なり合う状態でコンタクトされている。以下の実施形態の説明においても同様とする。次に、図9(a)に示すようにプロービング屑平坦化用プローブカード4bを90℃回転させてプロービング屑平坦化用プローブ針5bのコンタクトを実施する。この場合図9(b)の矢印に示すように半導体チップ12の上側の辺のみチップ内部からスクライブラインの方向に滑る状態でプロービング屑平坦化用プローブ針5bがコンタクトされる。さらに、図10(a)に示すようにプロービング屑平坦化用プローブカード4bをさらに90℃回転させてプロービング屑平坦化用プローブ針5bのコンタクトを実施する。この場合、図10(b)の矢印に示すように半導体チップ12の左側の辺のみチップ内部からスクライブラインの方向に滑る状態でプロービング屑平坦化用プローブ針5bがコンタクトされる。同様にして、図11(a)に示すようにプロービング屑平坦化用プローブカード4bをさらに90℃回転させてプロービング屑平坦化用プローブ針5bのコンタクトを実施する。この場合、図11(b)の矢印に示すように半導体チップ12の左側の辺のみチップ内部からスクライブラインの方向に滑る状態でプロービング屑平坦化用プローブ針5bがコンタクトされる。以上の工程で半導体チップ12の各辺の電極パッド14で、図5(b)に示すようにプロービング屑の平坦化が実現される。
【0023】
以上のように、測定用プローブ針にて測定時のコンタクトを行った後、プロービング屑平坦化用プローブ針にて、測定用プローブ針の進行方向と逆方向に、かつ、プローブ跡が重なり合う状態でコンタクトすることにより、プローブ検査工程にて発生するプロービング屑の平坦化が可能となり、その結果ワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプの密着強度を向上させることで、容易に、接続不良を減少し、かつ信頼性を向上することが可能である。さらに本実施形態では、従来用いられているプローブカード、プローブ針、プローバーを用いて実現することが可能であるため、特殊な専用装置が不要であり、設備費用が抑えられる利点がある。
【0024】
なお本実施形態では、半導体チップ外周部4辺に電極パッドがあり全て検査する場合について述べたが、電極パッドの配置や数、同測数が異なる場合においても、プロービング屑平坦化用プローブカードにおいて検査時と正反対の滑り方向にプローブ針立ての実現が可能な場合においては、同様の効果が得られる。また本実施形態では、プロービング屑平坦化用プローブカードを1種類で実現したが、2種類以上のプロービング屑平坦化用プローブカードを用いて実現してもよい。また本実施形態では、プロービング屑平坦化用プローブカードを4回回転させてコンタクトを実施したが、プロービング屑平坦化用プローブカードを3回以下で実現してもよく、複数あるいは全ての辺をコンタクトできるプロービング屑平坦化用プローブカードを用いてもよい。また、本実施例は半導体チップ内のすべての電極パッドにてプローブ検査工程とプロービング屑平坦化を実現したが、一部分の電極パッドにおいてのみ実現するだけでも接合不良による歩留まり低下を防止する効果が得られる。
(第1の実施形態の変形例)
図12は測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードによる検査工程を説明する図、図13は測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードによるプローブ屑平坦化工程を説明する図である。
【0025】
本変形例では図12(a)に示すように、プローブ針支持部18を介して測定用プローブ針5aとプロービング屑平坦化用プローブ針5bを具備した測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカード4cを用いて、左右2辺の電極パッドを検査する例を示す。まず、図12(a)の測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカード4cを用いてプローブ検査工程を実施した図が図12(b)である。中央部の半導体チップ2にて測定用プローブ針5aがコンタクトされており、電気的検査を実施している。プローブ針のすべり方向は矢印に示されたようになる。次に、図13(a)に示すように、1チップ分チャックテーブルを左にずらして同様のコンタクトを実施すると図13(b)のように、右側の半導体チップ2にて測定用プローブ針5aがコンタクトされ、電気的検査が実施される。さらに同じタイミングで、中央部の半導体チップ2にてプロービング屑平坦化用プローブ針5bが先ほどのプローブ方向とは逆の方向でコンタクトされる。これで中央部の半導体チップ2は検査した全ての電極パッドにおいて図5b(d)に示すようにプロービング屑の平坦化が実現される。ここで、半導体ウエハ上で左端の半導体チップ2を測定する場合プロービング屑平坦化用プローブ針5bは有効ショット外半導体チップあるいは半導体ウエハからはみ出てしまうが、いずれの場合もプロービング屑平坦化用プローブ針5bは機能しないだけで、特に問題はない。同様に半導体ウエハ上で右端の半導体チップ2を測定する場合、測定用プローブ針5aは有効ショット外半導体チップ2あるいは半導体ウエハからはみ出てしまうが、いずれの場合も測定用プローブ針5aは機能しないだけで、特に問題はない。実際には図1(a)のように半導体ウエハ11上には多数の半導体チップ12が存在するが前述フローを繰り返すことで、全ての半導体チップ2のプロービング屑3の平坦化が実現される。
【0026】
以上のように、測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードを用い、半導体ウエハ上を1半導体チップ毎にシフトして検査を行うことにより、1つの測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードで検査とプロービング屑の平坦化を順次実施することができるため、プローブ検査工程にて発生するプロービング屑の平坦化を実現しながら、プローブカード製作費用を削減できる。さらに、プローバーにおいて1つの品種ファイルにて実現が可能なため、操作手順や運用が簡易であるだけでなく、プロービング屑平坦化工程によって新たに発生するプローブカードの交換や品種ファイル、アライメントなどの時間を大幅に削減することが可能となる。
【0027】
図14は測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードによる1回目の検査工程を説明する図、図15は測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードによる2回目の検査工程を説明する図である。
【0028】
図12〜図13の変形例と異なるのは、図14(a)に示したように測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカード4cに測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針5cを具備したことである。図14(b)の場合左半導体チップと中央半導体チップはともに測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針5cがコンタクトされプローブ検査工程が実施される。次に、図15(a)に示すように、1チップ分チャックテーブルを左にずらして同様のコンタクトを実施すると、図15(b)に示すように、右側の半導体チップ2にて測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針5cがコンタクトされ、電気的検査が実施される。さらに同じタイミングで、中央部の半導体チップ2にてプロービング屑平坦化用プローブ針5cがコンタクトされるため、中央部の半導体チップ2でプロービング屑の平坦化が行われると同時に電気的検査も実施される。
【0029】
以上のように、測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針を備える測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードを用いて、半導体ウエハ上を1半導体チップ毎にシフトして検査を行うことにより、プローブ針の滑る方向が正反対の測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針が1回ずつコンタクトされることになり、プローブカード製作費用を削減しながら、プローブ検査工程にて発生するプロービング屑の平坦化を実現できる。さらに、各半導体チップは計2回の検査を実施することが可能となり、例えばロジックやメモリなど2種類以上の検査が必要な半導体チップに対しては、従来の検査時間と同じ時間でプロービング屑平坦化が可能となる。また、検査が1種類の場合でも同じ検査を2回することで、コンタクト不良での不良を救済することが可能となり、出荷時の歩留まり向上が可能となる。
【0030】
以上の変形例では、左右2辺に電極パッドが形成された半導体チップを例に説明したが、測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針を4辺あるいは任意の辺に設けた測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードを用いることにより、4辺あるいは任意の辺電極パッドが形成された半導体チップに対して実現することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、ワイヤーボンディングやバンプ接続の密着強度を向上させて接続不良を減少させ、信頼性を向上することができ、電極パッドにプローブ針をコンタクトさせて電気的検査を行った後、前述電気パッド上にワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する半導体装置の製造方法及び半導体装置等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】半導体ウエハの構成を示す平面図
【図2】プローブ検査工程におけるプローブカードを用いて半導体ウエハを検査する状態を説明する図
【図3】プローブ跡とプロービング屑を説明する図
【図4】第1の実施形態における測定用プローブ針を電極パッドにコンタクトする工程を示す図
【図5】第1の実施形態におけるプロービング屑平坦化用プローブ針による電極パッドの平坦化工程を示す図
【図6】第1の実施形態における電極パッドにワイヤーボンディング用ボールを形成した状態を示す図
【図7】第1の実施形態における半導体チップに対する測定用プローブ針のコンタクトの様子を示す図
【図8】第1の実施形態における半導体チップの右側の辺に対するプロービング屑平坦化用プローブ針のコンタクトの様子を示す図
【図9】第1の実施形態における半導体チップの上側の辺に対するプロービング屑平坦化用プローブ針のコンタクトの様子を示す図
【図10】第1の実施形態における半導体チップの左側の辺に対するプロービング屑平坦化用プローブ針のコンタクトの様子を示す図
【図11】第1の実施形態における半導体チップの下側の辺に対するプロービング屑平坦化用プローブ針のコンタクトの様子を示す図
【図12】測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードによる検査工程を説明する図
【図13】測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードによるプローブ屑平坦化工程を説明する図
【図14】測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードによる1回目の検査工程を説明する図
【図15】測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカードによる2回目の検査工程を説明する図
【図16】従来の半導体装置の製造方法を示す概略図
【符号の説明】
【0033】
11 半導体ウエハ
12 半導体チップ
13 スクライブライン
14 電極パッド
15 領域
16 チャックテーブル
17 ワイヤーボンディング用ボール
18 プローブ針支持部
2 プローブ跡
2a プローブ検査工程後のプローブ跡
2b プロービング屑平坦化工程後のプローブ跡
3 プロービング屑
3a プロービング屑
3b プロービング屑
4 プローブカード
4a 測定用プローブカード
4b プロービング屑平坦化用プローブカード
4c 測定用兼プロービング屑平坦化用プローブカード
5 プローブ針
5a 測定用プローブ針
5b プロービング屑平坦化用プローブ針
5c 測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ状態で、半導体チップに形成された電極パッドに測定用プローブ針をコンタクトさせて電気的検査を行った後、前記電極パッド上にワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する工程を備え、
前記ワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する工程の前に、
前記測定用プローブ針と滑り方向が正反対でありかつ前記測定用プローブ針のプローブ跡終点部を通過する状態でプローブ針が滑るようにプロービング屑平坦化用プローブ針をコンタクトさせるプロービング屑平坦化工程
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記測定用プローブ針と前記プロービング屑平坦化用プローブ針の両方を備えるプローブカードを用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記プローブカードに前記測定用プローブ針と前記プロービング屑平坦化用プローブ針とを隣接させて形成し、前記各半導体チップに対して前記測定用プローブ針により前記電気的検査を行った後、隣接する前記プロービング屑平坦化用プローブ針でプロービング屑平坦化工程と前記測定用プローブ針で隣接する前記半導体チップの前記電気的検査を同時に行うことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記測定用プローブ針と前記プロービング屑平坦化用プローブ針の両方の機能を備える測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針が設けられるプローブカードを用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記プローブカードに複数の前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針を互いに隣接させて形成し、前記各半導体チップに対して1つの前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針により前記電気的検査を行った後、隣接する前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針でプロービング屑平坦化工程と前記1つの測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針で隣接する前記半導体チップの前記電気的検査を同時に行うことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記プローブカードに複数の前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針を互いに隣接させて形成し、前記各半導体チップに対して1つの前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針により前記電気的検査を行った後、隣接する前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針で再び前記電気的検査を行うと共に前記1つの測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針で隣接する前記半導体チップの前記電気的検査を行うことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜請求項6に記載の半導体装置の製造方法によって製造されることを特徴とする半導体装置。
【請求項1】
ウエハ状態で、半導体チップに形成された電極パッドに測定用プローブ針をコンタクトさせて電気的検査を行った後、前記電極パッド上にワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する工程を備え、
前記ワイヤーボンディング用ボールあるいはバンプを形成する工程の前に、
前記測定用プローブ針と滑り方向が正反対でありかつ前記測定用プローブ針のプローブ跡終点部を通過する状態でプローブ針が滑るようにプロービング屑平坦化用プローブ針をコンタクトさせるプロービング屑平坦化工程
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記測定用プローブ針と前記プロービング屑平坦化用プローブ針の両方を備えるプローブカードを用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記プローブカードに前記測定用プローブ針と前記プロービング屑平坦化用プローブ針とを隣接させて形成し、前記各半導体チップに対して前記測定用プローブ針により前記電気的検査を行った後、隣接する前記プロービング屑平坦化用プローブ針でプロービング屑平坦化工程と前記測定用プローブ針で隣接する前記半導体チップの前記電気的検査を同時に行うことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記測定用プローブ針と前記プロービング屑平坦化用プローブ針の両方の機能を備える測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針が設けられるプローブカードを用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記プローブカードに複数の前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針を互いに隣接させて形成し、前記各半導体チップに対して1つの前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針により前記電気的検査を行った後、隣接する前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針でプロービング屑平坦化工程と前記1つの測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針で隣接する前記半導体チップの前記電気的検査を同時に行うことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記プローブカードに複数の前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針を互いに隣接させて形成し、前記各半導体チップに対して1つの前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針により前記電気的検査を行った後、隣接する前記測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針で再び前記電気的検査を行うと共に前記1つの測定用兼プロービング屑平坦化用プローブ針で隣接する前記半導体チップの前記電気的検査を行うことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜請求項6に記載の半導体装置の製造方法によって製造されることを特徴とする半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−289767(P2009−289767A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137347(P2008−137347)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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