説明

半導体装置の製造方法

【課題】 正常時に経時変化するパラメータに対して異常変動が生じた場合に、異常を検知することができる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 まず、異常判断部は、受信部より所定時刻(第2時刻)の第2印加電圧値を入力する(S101)。そして、所定時刻の直前の時刻(第1時刻)に受信部から入力した正常な第1印加電圧値に基づいて、許容範囲を設定する(S102)。続いて、設定した許容範囲に第2印加電圧値が入っているかを判断する(S103)。そして、第2印加電圧値が設定した許容範囲から外れている場合、第2印加電圧値が異常値であると異常判断部は判断してアラームを送信部に出力する(S104)。一方、第2印加電圧値が設定した許容範囲に入っている場合、第2印加電圧値が正常値であると異常判断部は判断する(S105)。以下、上述した動作を繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、半導体装置の製造工程のうち成膜工程あるいはエッチング工程に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開平8−330095号公報(特許文献1)には、スパッタリング作業範囲を規定するシールド、スパッタリングターゲット、半導体基板を載置するステージのそれぞれについて接地電位に対する電位変化を測定した後、測定した電位変化を基準値と比較することにより、プラズマ処理工程中の異常放電の発生場所を特定する技術が記載されている。
【特許文献1】特開平8−330095号公報(第4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
半導体装置の製造工程の中で、配線に使用されるアルミニウムなどの金属膜は、主にスパッタリング法を使用して形成される。このスパッタリング法とは、以下に示すような方法である。すなわち、高真空に引かれたチャンバ内に半導体基板と対向して成膜材料よりなるターゲットを置き、チャンバ内にアルゴンガスを導入する。そして、直流電源に接続されているターゲットに負電圧を印加することにより、チャンバ内のアルゴンガスをイオン化する。イオン化したアルゴンは、負電圧を印加したターゲットに加速しながら衝突する。すると、イオン化したアルゴンによる衝突の反跳でターゲットを構成する原子が飛び出し、この飛び出した原子が半導体基板上に付着する。このようにして、半導体基板上にターゲット材からなる膜を形成する方法がスパッタリング法である。
【0004】
ターゲットに負電圧を印加する直流電源は通常、供給する電力が一定になるように制御されているが、直流電源を電力一定で制御する場合、ターゲットの使用量に伴ってターゲットに印加される電圧の電圧値(絶対値)は、なだらかに低下してくる。このため、ターゲットに衝突するアルゴンのエネルギーが減少し、アルゴンによる衝突の反跳で飛び出す原子数が減少する。したがって、ターゲットの使用量に伴い、半導体基板上に膜を形成する成膜レートもなだらかに減少する。このことから、現在のスパッタリング装置では、ターゲットの使用量に伴い、成膜時間を変更して規定の膜厚の膜を形成している。
【0005】
このように、ターゲットに印加する電圧はなだらかに減少するが、例えば異常放電などにより急激な電圧変動が発生する場合がある。この場合、半導体基板上に形成される膜の膜厚が規定膜厚からはずれてしまうため、不良品を作り込んでしまう問題点がある。
【0006】
ここで、スパッタリング装置のインターロック機能を使用してターゲットに印加する電圧の急激な変動検知することが考えられる。しかし、インターロックは通常1、0判定であり、例えば、あるしきい値を設定し、この設定したしきい値を超えた場合にインターロックがかかるようになっている。このようなインターロックは、正常時には一定値を示し、異常時に値が変動するパラメータについて使用する場合に有効である。一方、ターゲットに印加する電圧のように正常時でも経時変化するパラメータに対しては、インターロックで異常を検知することは困難である。つまり、正常時においても経時変化する場合、正常時の経時変化領域を含むように固定した上限値と下限値を設定し、設定した上限値を超えた場合あるいは設定した下限値を下回った場合にインターロックがかかるようにする必要がある。このとき、上限値と下限値との間の許容幅が大きい場合、この許容幅内でパラメータの異常変動が生じてもインターロックはかからない。したがって、正常時においても経時変化するパラメータでは異常変動をインターロックで検知することが困難である。
【0007】
本発明の目的は、正常時に経時変化するパラメータに対して異常変動が生じた場合に、異常を検知することができる半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0010】
本発明による半導体装置の製造方法は、成膜材料からなるターゲットに電圧を印加することにより、プラズマガスを前記ターゲットに衝突させて半導体基板上に膜を形成する工程を含む半導体装置の製造方法であって、(a)前記ターゲットに印加され、前記ターゲットの使用量に伴い経時的に変化する前記電圧の電圧値を受信部で受信する工程と、(b)前記受信部で受信した前記電圧値に異常がないかを異常判断部で判断する工程とを備え、前記(b)工程は、前記電圧値の変化に伴って経時的に中心が変化し、かつ幅が一定である許容範囲から前記電圧値がはずれている場合に異常と判断するものである。
【発明の効果】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0012】
正常時において経時変化するパラメータであっても、異常時の異常変動を検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0014】
(実施の形態1)
本実施の形態1は、半導体基板(半導体ウェハ)上に膜を成膜するスパッタリング装置に本発明を適用したものである。
【0015】
図1は、スパッタリング装置の概略構成を示した図である。図1において、スパッタリング装置は、チャンバ1、ヒータ2、昇降機構4、シールド5、ターゲット6、マグネット7およびDC電源8を有している。
【0016】
チャンバ1は、内部で物理的反応あるいは化学的反応を起させるための密閉した反応容器であり、真空ポンプなどにより高真空状態にされている。このチャンバ1内にはヒータ2が設けられている。ヒータ2は、上部に半導体基板3を載置し、載置した半導体基板3を加熱できるようになっている。また、ヒータ2は昇降機構4に取り付けられており、ヒータ2上に載置された半導体基板3を上下に移動させることができる。
【0017】
ヒータ2の周囲にはシールド5が設けられている。このシールド5は成膜領域を制限してスパッタリング装置自体に膜が形成されることを防止する機能を有している。また、ヒータ2の離間した上部には、ターゲット6が設けられている。ターゲット6は半導体基板3上に形成する膜の材料から構成されており、略円盤状の形状をしている。例えば、ターゲット6は、アルミニウム(Al)、アルミニウムと銅(Cu)の合金、チタン、コバルトまたはタングステンなどから形成されている。
【0018】
ターゲット6の外側にはマグネット7が設けられている。このマグネット7は、チャンバ1内に生じるプラズマをターゲット6の付近に集める役割を有する。
【0019】
DC電源8は、チャンバ1内に導入されるアルゴンガスをプラズマ化するため、チャンバ1の外枠とターゲット6との間に高電圧を印加するために設けられている。すなわち、DC電源8の正電極はチャンバ1の外枠に接続されて接地されている一方、DC電源8の負電極はターゲット6に接続されている。したがって、ターゲット6には負電圧が印加される。なお、DC電源8は供給する電力が一定になるように制御されている。
【0020】
スパッタリング装置は上記のように構成されており、以下に半導体基板3上に、例えばアルミニウム膜を形成する動作について説明する。まず、チャンバ1内にアルゴンガスを導入する。そして、DC電源8により、ターゲット6に負電圧を印加する。すると、ターゲット6と半導体基板3の間の空間に高電圧が発生し、この高電圧によってチャンバ1内に導入されているアルゴンガスがプラズマ化する。すなわち、アルゴンが正イオンにイオン化する。正電荷を帯びているイオン化したアルゴンは、負電圧を印加されたターゲット6に加速しながら衝突し、この衝突の反跳で、ターゲット6を構成するアルミニウム原子がチャンバ1内へ弾き出される。そして、弾き出されたアルミニウム原子が半導体基板3上に付着することにより、半導体基板3上にアルミニウム膜が形成される。
【0021】
このようにしてスパッタリング装置を動作させる際、DC電源8は供給する電力が一定になるように制御されている。このとき、ターゲット6に印加される負電圧は、ターゲット6の使用時間に伴って経時的に変化する。図2は、DC電源8を電力一定で制御した場合におけるターゲット6の使用時間とターゲット6に印加される電圧の電圧値との関係を示したグラフである。図2に示すように、ターゲット6の使用時間に伴って、ターゲット6に印加される電圧は−500Vから−430Vに変化することがわかる。このことから、ターゲット6に印加される電圧は、スパッタリング装置を正常に動作させている場合でもターゲット6の使用時間に応じて変化することがわかる。
【0022】
一方、スパッタリング装置の異常によってもターゲット6に印加する電圧が変動することがある。図3は、スパッタリング装置の異常によりターゲット6に印加される電圧が変動した様子を示した図である。図3において、縦軸はターゲット6に印加される電圧の電圧値を示しており、横軸はターゲット6の使用時間を示している。図3に示すように、ターゲット6に印加される電圧の電圧値は約−500Vから約−630Vに変化する。そして、約−570Vに変化した後、再び約−620Vになり、最終的に約−500Vに戻る。このようにターゲット6に印加される電圧が変動すると、半導体基板3上に形成される膜の膜厚が変動し、規定膜厚を確保することができなくなる。したがって、ターゲット6に印加する電圧の変動を検知することが必要となる。
【0023】
ここで、ターゲット6に印加する電圧の電圧値の変動を検知する方法として、インターロックを使用することが考えられる。インターロックは通常1、0判定であるため、正常時には一定値を示し、異常時には値が変動するパラメータについては有効である。しかし、ターゲット6に印加する電圧は、上述したように正常時においても経時変化する。この場合、正常に経時変化する範囲を含むように固定した上限値と下限値を設定し、設定した上限値を超えた場合あるいは設定した下限値を下回った場合にインターロックがかかるようにする必要がある。このときターゲット6に印加する電圧の経時変化が大きく、上限値と下限値との間の許容幅が大きい場合、この許容幅内でパラメータの異常変動が生じてもインターロックはかからない。したがって、正常時においても経時変化するパラメータでは異常変動をインターロックで検知することが困難である。
【0024】
そこで、本実施の形態1では、正常時に経時変化するパラメータにおいて異常変動が生じた場合でも、異常を検知できる異常検出システムについて説明する。
【0025】
図4は、本実施の形態1における異常検出システムの構成を示した図である。図4において、本実施の形態1における異常検出システムは、スパッタリング装置1A〜1C、端末装置10A〜10C、管理システム11、異常検出部12およびエンジニアPC13を有している。
【0026】
スパッタリング装置1A〜1Cは、それぞれ端末装置10A〜10Cに接続されている。また、端末装置10A〜10C、管理システム11、異常検出部12は互いにLAN(Local Area Network)で接続されており、エンジニアPC13は、異常検出部12と上述したLANあるいはインターネットなどを介して接続されている。
【0027】
なお、図4中において、端末装置10A〜10C、管理システム11および異常検出部12は、有線LANで接続されている状態を示しているがこれに限らず、無線LANで接続してもよいし、互いにインターネットで接続してもよい。また、図4にはスパッタリング装置1A〜1Cの3台を接続する例を示したが、これに限らず台数を多くしてもよいし少なくしてもよい。
【0028】
スパッタリング装置1A〜1Cは、上述したようにウェハ上に膜を形成するための装置である。スパッタリング装置1A〜1Cから端末装置10A〜10Cに対しては、装置の状態を示す装置ログデータが出力されている。この装置ログデータは、スパッタリング装置1A〜1Cから定期的だけでなく連続的、断続的または無作為に出力されるようにしてもよい。本実施の形態1では装置ログデータとしてターゲットに印加される電圧の電圧値(以下、印加電圧値という)を使用している。
【0029】
端末装置10A〜10Cは、スパッタリング装置1A〜1Cと作業者との間のインターフェースとなるものであり、作業者がスパッタリング装置1A〜1Cを制御できるように設けられている。また、端末装置10A〜10Cは、スパッタリング装置1A〜1Cから出力された印加電圧値を管理システム11へ出力するインターフェースの役割を果たしている。
【0030】
管理システム11は、スパッタリング装置1A〜1Cから出力された印加電圧値を蓄積するデータベースであり、蓄積した印加電圧値を管理している。また、管理システム11は、端末装置10A〜10Cから入力した印加電圧値を異常検出部12に出力する役割も有している。
【0031】
異常検出部12は、管理システム11から印加電圧値を入力し、入力した印加電圧値に異常がないかを判断するように構成されている。そして、入力した印加電圧値に異常がある場合、異常な印加電圧値を出力したスパッタリング装置の端末装置やエンジニアPC13にアラームデータを出力するように構成されている。
【0032】
エンジニアPC13は、エンジニアによって使用されるコンピュータであり、異常検出部12による検出結果を入力して表示できるように構成されている。
【0033】
次に、異常検出部12について説明する。図4に示すように、異常検出部12は、受信部14、送信部15および異常判断部16を有している。受信部14は、管理システム11より出力された印加電圧値を受信できるように構成されている。すなわち、受信部14は、端末装置10A〜10Cおよび管理システム11を介してスパッタリング装置1A〜1Cより出力された印加電圧値を受信し記憶できるようになっている。
【0034】
送信部15は、異常判断部16で印加電圧値が異常であると判断された場合に異常判断部16から出力されるアラームデータを入力し、入力したアラームデータを端末装置およびエンジニアPC13へ出力するように構成されている。
【0035】
異常判断部16は、受信部14で受信した印加電圧値に異常がないか判断するように構成されている。具体的な判断方法について図5に示したフローチャートを参照しながら説明する。まず、異常判断部16は、受信部14より所定時刻(第2時刻)の第2印加電圧値(第2電圧値)を入力する(S101)。そして、所定時刻の直前の時刻(第1時刻)に受信部14から入力した正常な第1印加電圧値(第1電圧値)に基づいて、許容範囲を設定する(S102)。この許容範囲の設定は、直前に受信した第1印加電圧値を中心値としながら、予め定められた許容幅に対応して上限値と下限値を設定する。例えば、第1印加電圧値が−480Vで、予め定められた許容幅が14Vである場合、上限値として−487Vを使用し、下限値として−473Vを使用することになる。すなわち、第2印加電圧値の異常を判断するための許容範囲は例えば−473Vから−487Vとなる。なお、ここでは、以前に入力した第1印加電圧値を中心値としながら、予め定められた許容幅を均等に割り振って上限値と下限値を設定する例を示したが、以前に入力した第1印加電圧値を中心値としなくてもよい。例えば、先程と同様に第1印加電圧値が−480Vで、予め定められた許容幅が14Vである場合、上限値として−485Vを使用し、下限値とし−471Vを使用するようにしてもよい。
【0036】
続いて、設定した許容範囲に第2印加電圧値が入っているかを判断する(S103)。そして、第2印加電圧値が設定した許容範囲から外れている場合、第2印加電圧値が異常値であると異常判断部16は判断してアラームを送信部15に出力する(S104)。一方、第2印加電圧値が設定した許容範囲に入っている場合、第2印加電圧値が正常値であると異常判断部16は判断する(S105)。以下、同様にして受信部14で受信した印加電圧値の異常の有無を判断する。
【0037】
このように印加電圧値の異常を判断する際、直前に受信した印加電圧値に基づいて許容幅一定の許容範囲を設定しているので、印加電圧値が正常な経時変化をするのに追従して、許容範囲も許容幅を一定に保ちながら経時変化する。このため、経時変化する印加電圧値の異常をいつも一定の許容幅で判断することができる。したがって、正常時に経時変化する印加電圧値に異常が発生した場合、的確にその異常を検出することができる。
【0038】
図6は、異常判断部16に入力される印加電圧値と異常の有無を判断する許容範囲の上限値と下限値を示したものである。図6において、Aが印加電圧値を示しており、B、Cがそれぞれ許容範囲における上限値と下限値を示している。図6を見てわかるように、印加電圧値が経時変化するのに伴って、許容範囲の上限値および下限値が許容幅を一定に保ちながら経時変化していることがわかる。したがって、経時変化する印加電圧値の異常をいつも一定の許容幅で判断することができる。すなわち、本実施の形態1における異常検出システムによれば、印加電圧値の経時変化に追従して経時的に中心が変化し、かつ幅が一定である許容範囲を設定しているので、経時変化する印加電圧の異常を的確に検出することができる。言い換えれば、経時的に変化する印加電圧値に対して許容幅を一定に保ちながら経時的に変化する上限値と下限値を設定しているので、経時変化する印加電圧の異常を的確に検出することができる。
【0039】
なお、本実施の形態1では、ある時刻における印加電圧値の許容範囲を設定する際、直前の印加電圧値に基づいて許容範囲を設定する例について説明したが、直前の印加電圧値ではなくそれ以前の印加電圧値を使用してもよいし、ある時刻以前の複数の印加電圧値に基づいて許容範囲を設定してもよい。特に、直前の印加電圧値が異常値の場合はこの異常値を使用せず、それ以前の正常な印加電圧値を使用する。
【0040】
また、最初に受信部14で受信した印加電圧値に対しては、それ以前の印加電圧値がないため、予め設定した許容範囲に基づいて異常の有無が判断される。
【0041】
次に、本実施の形態1における異常検出システムを使用した半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0042】
図7に示すように、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有する半導体基板20を用意する。この半導体基板20は、p型の単結晶シリコンよりなり、その主面には、素子分離領域21が形成されている。素子分離領域21は、酸化シリコンよりなり、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法やLOCOS(Local Oxidization Of Silicon)などによって形成される。
【0043】
次に、半導体基板20に形成された素子分離領域21によって分けられた活性領域、すなわちnチャネル型MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)Q1を形成する領域にp型ウェル22を形成する。p型ウェル22は、例えばイオン注入法により、ボロン(B)やフッ化ボロン(BF2)を導入することによって形成される。同様に、pチャネル型MISFETQ2を形成する領域にn型ウェル23を形成する。n型ウェル23は、例えばイオン注入法により、リン(P)や砒素(As)を導入することによって形成される。
【0044】
続いて、半導体基板20上に、ゲート絶縁膜24を形成する。ゲート絶縁膜24は、例えば薄い酸化シリコン膜からなり、例えば熱酸化法を使用して形成することができる。
【0045】
そして、ゲート絶縁膜24上に、ゲート電極26a、26bを形成する。ゲート電極26a、26bは、以下のようにして形成される。まず、半導体基板20のゲート絶縁膜24上にポリシリコン膜25を形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用してポリシリコン膜25をパターニングすることにより、ポリシリコン膜25よりなるゲート電極26a、26bを形成する。
【0046】
次に、ゲート電極26aの両側の領域に低濃度n型不純物拡散領域27、28を形成する。低濃度n型不純物拡散領域27、28は、例えばイオン注入法を使用してリンなどのn型不純物をp型ウェル22内に導入することによって形成される。同様に、ゲート電極26bの両側の領域に低濃度p型不純物拡散領域29、30を形成する。低濃度p型不純物拡散領域29、30は、例えばイオン注入法を使用してボロンやフッ化ボロンなどのp型不純物をn型ウェル23内に導入することによって形成される。
【0047】
続いて、ゲート電極26a、26bの側壁にサイドウォール31を形成する。サイドウォール31は、半導体基板20上に例えばCVD法を使用して酸化シリコン膜を堆積し、堆積した酸化シリコン膜を異方性エッチングすることにより形成することができる。
【0048】
サイドウォール31を形成した後、ゲート電極26aの両側の領域に高濃度n型不純物拡散領域32、33を形成する。高濃度n型不純物拡散領域32、33は、例えばイオン注入法を使用して、リンなどのn型不純物を導入することによって形成することができる。高濃度n型不純物拡散領域32、33は、前述した低濃度n型不純物拡散領域27、28よりも不純物濃度が高くなっている。同様にして、ゲート電極26bの両側の領域に高濃度p型不純物拡散領域34、35を形成する。高濃度p型不純物拡散領域34、35は、例えばイオン注入法を使用して、ボロンやフッ化ボロンなどのp型不純物を導入することによって形成することができる。この高濃度p型不純物拡散領域34、35には、低濃度p型不純物拡散領域29、30よりも高濃度にp型不純物が導入されている。
【0049】
次に、半導体基板20上に例えばCVD法を使用してコバルト(Co)膜を堆積させる。そして、熱処理を施すことによって、コバルトシリサイド膜36を形成する。これにより、ポリシリコン膜25とコバルトシリサイド膜36よりなるゲート電極26a、26bを形成することができる。また、高濃度n型不純物拡散領域32、33および高濃度p型不純物拡散領域34、35にコバルトシリサイド膜36を形成することができる。したがって、ゲート電極26a、26bを低抵抗化することができるとともに、高濃度n型不純物拡散領域32、33および高濃度p型不純物拡散領域34、35のシート抵抗を低抵抗化することができる。その後、未反応のコバルト膜は除去される。
【0050】
このようにして、nチャネル型MISFETQ1およびpチャネル型MISFETQ2を形成することができる。
【0051】
続いて、配線工程について説明する。図8に示すように、半導体基板20上に、例えばCVD法を使用して層間絶縁膜となる絶縁膜37を堆積する。その後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、絶縁膜37を貫通するコンタクトホール38を形成する。コンタクトホール38の底部では、高濃度n型不純物拡散領域32、33および高濃度p型不純物拡散領域34、35に形成されたコバルトシリサイド膜36が露出される。
【0052】
次に、図9に示すように、コンタクトホール38内にチタン/窒化チタン膜39aおよびタングステン膜39bを埋め込んだプラグ40を形成する。プラグ40は、例えば以下のようにして形成することができる。まず、コンタクトホール38内を含む絶縁膜37上に、例えばスパッタリング法を使用して、チタン/窒化チタン膜39aを形成した後、例えばCVD法を使用してタングステン膜39bをコンタクトホール38内に埋め込むように形成する。そして、絶縁膜37上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜39aおよびタングステン膜39bをCMP法やエッチバック法を使用して除去することにより、プラグ40を形成する。
【0053】
続いて、図10に示すように、プラグ40を形成した半導体基板20上に、例えばスパッタリング法を使用してチタン/窒化チタン膜41aを形成する。その後、半導体基板20上にアルミニウム膜を形成するため、例えば図4に示すスパッタリング装置1Aに半導体基板20が搬入される。図4に示すスパッタリング装置1Aは例えば図1に示した構造をしており、このスパッタリング装置1Aで半導体基板20上にアルミニウム膜が形成される。具体的には、図1において、DC電源8によりアルミニウムよりなるターゲット6に負電圧を印加する。すると、チャンバ1内にあるアルゴンガスがプラズマ化する。プラズマ化したアルゴン原子は正電荷を帯びているため、加速してターゲット6に衝突し、衝突した反跳でアルミニウム原子がチャンバ1内へ弾き出される。チャンバ1内に弾き出されたアルミニウム原子は半導体基板20上に付着する。このようにして、図11に示すように半導体基板20上にアルミニウム膜41bが形成される。
【0054】
半導体基板20上にアルミニウム膜41bを形成している際、ターゲット6に印加される電圧の電圧値(印加電圧値)は、図4に示すスパッタリング装置1Aから端末装置10Aに送信される。端末装置10Aは印加電圧値を受信すると、受信した印加電圧値を管理システム11に送信する。管理システム11は、印加電圧値を受信すると受信した印加電圧値をデータベースに蓄積するとともに異常検出部12へ送信する。
【0055】
異常検出部12においては、受信部14で印加電圧値を受信すると、異常判断部16は受信した印加電圧値が異常値ではないかを判断する。すなわち、異常判断部16は異常の有無を判断する印加電圧値の直前に受信した印加電圧値に基づいて、許容範囲を設定する。例えば、直前に受信した印加電圧値を中心値とした許容範囲を設定する(許容幅は一定)。そして、設定した許容範囲に判断の対象となっている印加電圧値が入っているかを判断する。設定した許容範囲に判断の対象となっている印加電圧値が入っている場合は、正常値と判断する。一方、設定した許容範囲に判断の対象となっている印加電圧値が入っていない場合、異常値と判断して異常を知らせるためのアラームデータを送信部15へ出力する。送信部15は、異常判断部16からアラームデータを入力すると、端末装置10AおよびエンジニアPC13にアラームデータを送信する。以下、同様の動作を繰り返して印加電圧値を監視する。このようにして、本実施の形態1における異常検出システムを使用すれば、スパッタリング装置1Aで印加電圧値に異常変動が生じても直ちに異常を検出することができる。したがって、本実施の形態1によれば、アルミニウム膜の膜厚が規定膜厚から外れた不良品の作り込みを防止することができ、製品の歩留まり向上を図ることができる。
【0056】
続いて、図12に示すように、アルミニウム膜41b上に例えばスパッタリング法を使用してチタン/窒化チタン膜41cを形成する。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して、チタン/窒化チタン膜41a、アルミニウム膜41bおよびチタン/窒化チタン膜41cをパターニングすることにより、図13に示すような配線42を形成する。このようにして、半導体装置を製造することができる。
【0057】
本実施の形態1では、経時変化する印加電圧値の異常を検出することで、半導体基板に形成される膜厚の異常を検出する例について説明したが、経時変化する印加電圧値ではなく、ターゲットの使用時間に伴い経時変化する成膜時間データを使用して半導体基板に形成される膜厚の異常を検出してもよい。スパッタリング装置における成膜時間は、この成膜時間データによって決定されるが、この成膜時間データは装置ログデータの一種であり、図14に示すようにターゲットの使用時間とともになだらかに単調増加する。したがって、ターゲットの使用時間に応じて成膜時間データを定期的に書き換えるが、この成膜時間データの書き換えは手作業で行われることが多い。このため、作業ミスによって誤った成膜時間データが書き込まれる可能性がある。誤った成膜時間データが書き込まれると、形成される膜の膜厚が規定膜厚から外れてしまうが、本実施の形態1における異常検出システムで成膜時間データを監視すれば、作業ミスに起因する突発的な異常を検出することができるため、作業ミスによる不良品の作り込みを防止できる。つまり、経時的に変化する成膜時間データに対して許容幅を一定に保ちながら経時的に変化する上限値と下限値を設定し、設定した上限値と下限値で示される許容範囲から成膜時間データがはずれた場合に成膜時間データは異常であると判断することにより、作業ミスに起因する突発的な異常を検出することができる。許容幅を一定に保ちながら経時的に変化する上限値と下限値を設定するには、例えば、判断する対象となる成膜時間データの直前の時刻に受信した正常な成膜時間データを中心値として許容範囲(許容幅は一定)を設定すればよい。
【0058】
(実施の形態2)
前記実施の形態1ではスパッタリング装置の異常を検出する例について説明したが、本実施の形態2では、エッチング装置の異常を検出する例について説明する。
【0059】
図15は、エッチング装置の概略構成を示した図である。図15において、エッチング装置は、チャンバ50、下部電極51、高周波電源52、整合器53、フォーカスリング54、上部電極55、シールドリング56、高周波電源57、整合器58およびVpp検出器59を有している。
【0060】
チャンバ50内には下部電極51が設けられており、この下部電極51上に半導体基板3を載置できるようになっている。下部電極51には、800kHzの交流電圧を発生する高周波電源52が電気接続されており、下部電極51と高周波電源52との間にはインピーダンス整合をとるための800kHz整合器53が設けられている。
【0061】
下部電極51の離間した上部には上部電極55が設けられており、この上部電極55の外周部にはシールドリング56が設けられている。上部電極55には、27.12MHzの交流電圧を発生する高周波電源57が電気接続されており、この上部電極55と高周波電源57との間にはインピーダンス整合をとるための27.12MHz整合器58とピーク間電圧値を検出するVpp検出器59が設けられている。
【0062】
ここで、ピーク間電圧値(Vpp)とは、高周波電源57により上部電極55に印加される交流電圧の極大値と極小値との差を示す電圧値である。別の言い方をすれば、ピーク間電圧値とは、交流電圧の波高値(振幅)の2倍の値を示す電圧値である。
【0063】
次に、エッチング装置の動作について説明する。まず、チャンバ50内に半導体基板3を搬入した後、エッチングガスを導入する。続いて、下部電極51に高周波電源52により800kHzの交流電圧を印加するとともに、上部電極55に高周波電源57により27.12MHzの交流電圧を印加する。すると、下部電極51と上部電極55の間にあるエッチングガスは高周波電界によりプラズマ化する。プラズマ化したエッチングガスは反応性豊かであるため、半導体基板3上に形成されている膜と反応しエッチングが行なわれる。
【0064】
上部電極55に印加されている交流電圧のピーク間電圧値はVpp検出器59で検出されるが、チャンバ50内に異常が発生すると、エッチングガスをプラズマ化している上部電極55のピーク間電圧値が突発的に変化する。チャンバ50内に異常が発生すると、プラズマ化したエッチングガスの状態が変化するため、オーバエッチングやエッチング不足が生じる。例えば、図8に示すように、層間絶縁膜となる絶縁膜37の所定領域をエッチングしてコンタクトホール38を形成する際に、エッチング不足が生じると、コンタクトホール38の底面に絶縁膜37が残ることになる。その後、図9に示すように、コンタクトホール38に導電材料を埋め込んでプラグ40を形成するが、プラグ40の底部に絶縁膜37が残っているので配線抵抗が増大し、不良品を製造することになる。このため、ピーク間電圧値の突発的な変化を検知する必要がある。
【0065】
一方、ピーク間電圧値は、エッチング装置の部品の消耗や部品の交換により経時変化する。すなわち、ピーク間電圧値は正常時においても経時変化する。図16にエッチング装置の使用時間と正常時のピーク間電圧値の関係を示す。図16において、横軸はエッチング装置の使用時間を示し、縦軸はピーク間電圧値を示している。図16を見てわかるように正常時においてもピーク間電圧値は経時変化していることがわかる。特に、チャンバ50内の部品を交換する全掃の前後ではピーク間電圧値は大きく変動していることがわかる。
【0066】
ここで、ピーク間電圧値の突発的な変化を装置のインターロックで検出することが考えられるが、この場合、正常に経時変化する範囲は許容範囲としなくてはならない。すなわち、図16の場合、ピーク間電圧値の正常な経時変化を考慮するとインターロックの上限値を730Vに設定し、下限値を630Vに設定しなければならない。このとき、ピーク間電圧値の許容幅は100Vにもなる。しかし、ピーク間電圧値の突発的な異常はこれより小さな変化で発生する。したがって、ピーク間電圧値の正常時における経時変化が大きく、上限値と下限値との間の許容幅が大きい場合、この許容幅内でピーク間電圧値の異常変動が生じてもインターロックはかからない。このため、正常時においても経時変化するピーク間電圧値では異常変動をインターロックで検知することが困難である。
【0067】
そこで、本実施の形態2でも、前記実施の形態1で説明した異常検出システムを使用することにより、ピーク間電圧値の異常を検出することができる。つまり、図4に示すスパッタリング装置1Aに変えてエッチング装置を異常検出システムに接続し、ピーク間電圧値を装置ログデータとして、異常検出部12に送信する。そして、異常検出部12内の異常判断部16内において、異常の有無を判断するピーク間電圧値の直前に受信したピーク間電圧値に基づいて、許容範囲を設定する。例えば、直前に受信したピーク間電圧値を中心値とした許容範囲を設定する(許容幅は一定)。このようにピーク間電圧値の異常を判断する際、直前に受信したピーク間電圧値に基づいて許容幅一定の許容範囲を設定しているので、ピーク間電圧値の正常な経時変化に追従して、許容範囲も許容幅を一定に保ちながら経時変化する。このため、経時変化する印加電圧値の異常をいつも一定の狭い許容幅で判断することができる。
【0068】
その後、設定した許容範囲に判断の対象となっているピーク間電圧値が入っているかを判断する。設定した許容範囲に判断の対象となっているピーク間電圧値が入っている場合は、正常値と判断する。一方、設定した許容範囲に判断の対象となっているピーク間電圧値が入っていない場合、異常値と判断して異常を知らせるためのアラームデータを送信部15へ出力する。送信部15は、異常判断部16からアラームデータを入力すると、端末装置10AおよびエンジニアPC13にアラームデータを送信する。このようにして、正常時に経時変化するピーク間電圧値に異常が発生した場合、的確にその異常を検出することができる。
【0069】
ここで、チャンバ内の部品を交換する全掃時にはエッチング装置は停止しており、停止しているエッチング装置について異常検出システムは機能しない。そして、全掃が終了して再びエッチング装置を稼働すると異常検出システムに接続されることになる。図16に示すように、全掃前の最後のピーク間電圧値と全掃後の最初のピーク間電圧値は大きく異なるが、全掃後の最初のピーク間電圧値について異常の有無を判断する際、全掃前の最後のピーク間電圧値は使用せず、予め設定した許容範囲に基づいて、異常の有無を判断する。これにより、全掃後の最初のピーク間電圧値について正常値を異常値と判断することを防止できる。
【0070】
本実施の形態2では、ある時刻におけるピーク間電圧値の許容範囲を設定する際、直前のピーク間電圧値に基づいて許容範囲を設定する例について説明したが、直前のピーク間電圧値ではなくそれ以前の印加電圧値を使用してもよいし、ある時刻以前の複数のピーク間電圧値に基づいて許容範囲を設定してもよい。特に、直前のピーク間電圧値が異常値の場合はこの異常値を使用せず、それ以前の正常なピーク間電圧値を使用する。
【0071】
また、本実施の形態2では、ピーク間電圧値の異常を検出する場合について説明したが、ピーク間電圧値と同等な波高値を使用してもよい。ここで、波高値は交流電圧の振幅を示すものであり、ピーク間電圧値の半分の値を有するものである。
【0072】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、半導体装置を製造する製造業に幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】スパッタリング装置の概略構成を示した図である。
【図2】ターゲットの使用時間とターゲットに印加される電圧との関係を示したグラフである。
【図3】ターゲットに印加される電圧に異常変動が生じた例を示したグラフである。
【図4】本発明の実施の形態1における異常検出システムの構成を示した図である。
【図5】異常判断部の動作を説明したフローチャートである。
【図6】ターゲットに印加される電圧の電圧値および許容範囲の上限値と下限値の経時変化を示したグラフである。
【図7】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造工程を示した断面図である。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程を示した断面図である。
【図9】図8に続く半導体装置の製造工程を示した断面図である。
【図10】図9に続く半導体装置の製造工程を示した断面図である。
【図11】図10に続く半導体装置の製造工程を示した断面図である。
【図12】図11に続く半導体装置の製造工程を示した断面図である。
【図13】図12に続く半導体装置の製造工程を示した断面図である。
【図14】ターゲットの使用時間と成膜時間データとの関係を示したグラフである。
【図15】エッチング装置の概略構成を示した図である。
【図16】エッチング装置の使用時間とピーク間電圧値(Vpp)との関係を示した図である。
【符号の説明】
【0075】
1 チャンバ
1A スパッタリング装置
1B スパッタリング装置
1C スパッタリング装置
2 ヒータ
3 半導体基板
4 昇降機構
5 シールド
6 ターゲット
7 マグネット
8 DC電源
10A 端末装置
10B 端末装置
10C 端末装置
11 管理システム
12 異常検出部
13 エンジニアPC
14 受信部
15 送信部
16 異常判断部
20 半導体基板
21 素子分離領域
22 p型ウェル
23 n型ウェル
24 ゲート絶縁膜
25 ポリシリコン膜
26a ゲート電極
26b ゲート電極
27 低濃度n型不純物拡散領域
28 低濃度n型不純物拡散領域
29 低濃度p型不純物拡散領域
30 低濃度p型不純物拡散領域
31 サイドウォール
32 高濃度n型不純物拡散領域
33 高濃度n型不純物拡散領域
34 高濃度p型不純物拡散領域
35 高濃度p型不純物拡散領域
36 コバルトシリサイド膜
37 絶縁膜
38 コンタクトホール
39a チタン/窒化チタン膜
39b タングステン膜
40 プラグ
41a チタン/窒化チタン膜
41b アルミニウム膜
41c チタン/窒化チタン膜
42 配線
50 チャンバ
51 下部電極
52 高周波電源
53 整合器
54 フォーカスリング
55 上部電極
56 シールドリング
57 高周波電源
58 整合器
59 Vpp検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成膜材料からなるターゲットに電圧を印加することにより、プラズマガスを前記ターゲットに衝突させて半導体基板上に膜を形成する工程を含む半導体装置の製造方法であって、
(a)前記ターゲットに印加され、前記ターゲットの使用量に伴い経時的に変化する前記電圧の電圧値を受信部で受信する工程と、
(b)前記受信部で受信した前記電圧値に異常がないかを異常判断部で判断する工程とを備え、
前記(b)工程は、経時的に中心が変化し、かつ幅が一定である許容範囲から前記電圧値がはずれている場合に異常と判断する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
成膜材料からなるターゲットに電圧を印加することにより、プラズマガスを前記ターゲットに衝突させて半導体基板上に膜を形成する工程を含む半導体装置の製造方法であって、
(a)前記ターゲットに印加され、前記ターゲットの使用量に伴い経時的に変化する前記電圧の電圧値を受信部で受信する工程と、
(b)前記受信部で受信した前記電圧値に異常がないかを異常判断部で判断する工程とを備え、
前記(b)工程は、経時的に変化する前記電圧値に対して許容幅を一定に保ちながら経時的に変化する上限値と下限値を設定し、設定した前記上限値と前記下限値で示される許容範囲から前記電圧値がはずれた場合に前記電圧値は異常であると判断する半導体装置の製造方法。
【請求項3】
成膜材料からなるターゲットに電圧を印加することにより、プラズマガスを前記ターゲットに衝突させて半導体基板上に膜を形成する工程を含む半導体装置の製造方法であって、
(a)前記ターゲットに印加され、前記ターゲットの使用量に伴い経時的に変化する前記電圧の電圧値を受信部で受信する工程と、
(b)前記受信部で受信した前記電圧値に異常がないかを異常判断部で判断する工程と、
(c)前記異常判断部で前記電圧値の異常を検知した場合、アラームデータを出力する工程とを備え、
前記受信部は、第1時刻に第1電圧値を受信し、前記第1時刻よりも後の第2時刻に第2電圧値を受信し、
前記(b)工程は、前記第2電圧値が異常であるかを判断する際、前記第1電圧値に対して上限値と下限値を設定し、設定した前記上限値と前記下限値の範囲から前記第2電圧値がはずれている場合に前記第2電圧値は異常であると判断する半導体装置の製造方法。
【請求項4】
成膜材料からなるターゲットに電圧を印加することにより、プラズマガスを前記ターゲットに衝突させて半導体基板上に膜を形成する工程を含む半導体装置の製造方法であって、
(a)前記ターゲットの使用量に伴い経時的に変化する成膜時間データを装置ログデータとして受信部で受信する工程と、
(b)前記受信部で受信した前記成膜時間データに異常がないかを異常判断部で判断する工程とを備え、
前記(b)工程は、経時的に変化する前記成膜時間データに対して許容幅を一定に保ちながら経時的に変化する上限値と下限値を設定し、設定した前記上限値と前記下限値で示される許容範囲から前記成膜時間データがはずれた場合に前記成膜時間データは異常であると判断する半導体装置の製造方法。
【請求項5】
相対する一対の電極の上部電極に交流電圧を印加することにより、前記一対の電極間にあるガスをプラズマ化し、プラズマ化した前記ガスで半導体基板上に形成された膜をエッチングする工程を含む半導体装置の製造方法であって、
(a)前記交流電圧の極大値と極小値との差を示すピーク間電圧値を受信部で受信する工程と、
(b)前記受信部で受信した前記ピーク間電圧値に異常がないかを異常判断部で判断する工程とを備え、
前記(b)工程は、経時変化する前記ピーク間電圧値に対して許容幅を一定に保ちながら経時的に変化する上限値と下限値を設定し、設定した前記上限値と前記下限値で示される許容範囲から前記ピーク間電圧値がはずれた場合に前記ピーク間電圧値は異常であると判断する半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−24771(P2006−24771A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−201947(P2004−201947)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】