説明

半導体装置の製造方法

【課題】LTHC膜に由来する基板の汚染を低減する。
【解決手段】基板の第1の主面を光熱変換膜を介して支持基板に張付ける工程と、支持基板上に露出した光熱変換膜を除去する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。支持基板上に光熱変換膜を形成する工程と、半導体基板より外側に光熱変換膜が延在するように半導体基板を前記支持基板に張付ける工程と、光熱変換膜に汚染防止処理を行う工程と、支持基板と半導体基板とを分離させる工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2011−23393号公報(特許文献1)には、光熱変換(Light to Heat Conversion)膜(以下、「LTHC膜」と記載する場合がある)を介して、ウェハ支持系(Wafer Support System)(以下、「WSS」と記載する場合がある)に張付けた基板に裏面研削を施す工程が開示されている。このように、基板をWSSによって支持することで、数十μmオーダーへの薄化後の基板のハンドリングを可能にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−23393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当該特許文献1の技術について、本発明者の検討により、以下のことが分かった。基板をWSSに張付ける際には、基板の外周を少し研削して、基板の径をWSSの径よりも小さくする(例えば、300mm基板では298.5mm程度まで研削)。これにより、WSSへの張合わせのずれや、接着剤がはみ出るのを防ぐことができる。更に、研削後のウェハ外周のナイフエッジ化を低減できる。
【0005】
しかしながら、このように基板径がWSS径よりも小さい場合、特許文献1の図21および図22などにあるように、WSSの基板側の表面にLTHC膜が露出することとなる。LTHC膜には有機物や金属が含まれることがあり、このようにLTHCが基板に近い領域で露出したまま後の工程を進めると、基板表面にLTHC由来の汚染が発生することが分かった。
【0006】
特に、本発明者が検討した貫通電極(Through Silicon Via)(以下、「TSV」と記載する場合がある)を有する半導体装置の製造方法では、基板の研削工程後の研削面に保護膜を形成する必要があった。ウェハ面が汚染された状態で保護膜を形成してしまうと、後の洗浄等でも汚染物質が除去され難くなる。
【0007】
このように、LTHC膜を介してWSSに張り合わせた基板を研削する工程を有する半導体装置の製造方法において、汚染源を低減するという観点から改善の余地があることが分かった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態は、
基板の第1の主面を、光熱変換膜を介して支持基板に張付ける工程と、
前記支持基板上に露出した前記光熱変換膜を選択的に除去する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法に関する。
【0009】
他の実施形態は、
支持基板上に光熱変換膜を形成する工程と、
半導体基板より外側に前記光熱変換膜が延在するように、前記半導体基板を前記支持基板に張付ける工程と、
前記光熱変換膜に汚染防止処理を行う工程と、
前記支持基板と前記半導体基板とを分離させる工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0010】
LTHC膜に由来する基板の汚染を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図2】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図3】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図4】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図5】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図6】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図7】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図8】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図9】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図10】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図11】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図12】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図13】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図14】第1実施例の変形例の一工程を説明する図である。
【図15】第2実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図16】第2実施例の変形例の一工程を説明する図である。
【図17】第2実施例の変形例の一工程を説明する図である。
【図18】第3実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図19】第4実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図20】第4実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施例)
図1〜13を参照して、本実施例の、貫通電極を備えた半導体装置の製造方法について説明する。
【0013】
図1に示すように、シリコン(Si)からなる半導体基板(ウェハ)2を用意する。半導体基板2は、後述するように、MISトランジスタ等の素子1や層間絶縁膜を設ける第1の主面(おもて面)を有する。また、半導体基板2は、第1の主面に対して厚さ方向に向かい合う第2の主面(裏面)を有する。すなわち、半導体基板2は、第1の主面に対向して、その反対側に第2の主面を有する。後述するように、第2の主面側から半導体基板2内を貫通するように、貫通電極が設けられている。
【0014】
フォトリソグラフィー技術を使用したドライエッチングにより、半導体基板2内にリング状の開口を形成する。リング状の開口の深さは、最終的に研削して形成する半導体基板2の厚さに応じて設定する。リング状の開口幅は例えば、2〜3μmに設定する。
【0015】
CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、リング状の開口の内壁を覆うように窒化シリコン膜を形成する。この後にCVD法を用いて、リング状の開口内を酸化シリコン膜で充填する。半導体基板2の上面の窒化シリコン膜および酸化シリコン膜はエッチングによって除去し、リング状の開口内にのみ窒化シリコン膜および酸化シリコン膜を残存させる。これにより絶縁リング3を形成する。絶縁リング3は、半導体基板2の所定の領域を囲むように形成される。後述するように、この所定の領域上に、表面バンプ等の貫通電極の一部が形成される。すなわち、所定の領域は、貫通電極の一部の下方に位置する。
【0016】
STI法を用いて、半導体基板2の表面に、活性領域を区画するための素子分離領域4を形成する。活性領域に、トランジスタ等の素子1を形成する。
【0017】
スピンナ法でSOD膜(Spin On Dielectrics:ポリシラザン等の塗布系絶縁膜)を堆積した後に、高温の水蒸気(H2O)雰囲気中でアニール処理を行い、固体の堆積膜を改質して第1の層間絶縁膜5を形成する。この際、第1の層間絶縁膜5の形成前に、半導体基板2の第1の主面上に、耐酸化性を備えた窒化シリコン膜などによりライナー膜を形成しても良い。ライナー膜を形成することにより、SOD膜のアニール処理に際して、すでに形成されている下層の素子が酸化されてダメージを受けることを防止できる。なお、SOD膜の代わりに、CVD法で形成した酸化シリコン膜を形成してもよい。
【0018】
次に、第1の層間絶縁膜5内に、素子1の不純物拡散層に到達するコンタクトプラグ7を形成する。この後、窒化タングステン(WN)およびタングステン(W)を順次、堆積した積層膜を形成しパターニングすることで、コンタクトプラグ7と接続された局所配線8aを形成する。この際、同時に貫通電極形成領域(絶縁リング3、絶縁リング3で囲まれた半導体基板2内の領域、並びに、これらの領域の上方及び下方の領域)にも、局所配線8bを形成する。
【0019】
局所配線8bは、図示していない部分で他の局所配線と導通していてもかまわない。局所配線8bは、後の工程で形成する貫通電極プラグと接続するためのパッドとして機能する。次に、局所配線8b上を覆うように、SOD膜を用いて、第2の層間絶縁膜6を形成する。第2の層間絶縁膜6は、CVD法によって形成しても良い。
【0020】
この後に、局所配線8bに接続する局所コンタクトプラグ15Aを、タングステン等の金属膜で形成する。次に、局所コンタクトプラグ15Aに接続するように、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等で上層の第1配線14Aを形成する。第1配線14Aを覆うように、第3の層間絶縁膜9を、酸化シリコン膜等で形成する。第3の層間絶縁膜9内に、第1配線14Aに接続する第1コンタクトプラグ15Bを、タングステン等の金属膜で形成する。
【0021】
次に、第3の層間絶縁膜9上に、第1コンタクトプラグ15Bに接続するように、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等で第2配線14Bを形成する。第2配線14Bを覆うように、第4の層間絶縁膜10を、酸化シリコン膜等で形成する。第4の層間絶縁膜10内を貫通して第2配線14Bに接続するように、第2コンタクトプラグ15Cを、タングステン等の金属膜で形成する。
【0022】
次に、第2コンタクトプラグ15Cに接続されるように、第3配線14Cをアルミニウム等で形成する。第3配線14Cは最上層の配線層であり、表面にバンプ電極を形成する際のパッドを兼ねるので、銅等の自然酸化されやすい金属膜を避けることが好ましい。第3配線14Cを覆うように表面保護膜11を、シリコン酸窒化膜(SiON)等で形成する。なお、第2配線14Bや第3配線14Cを形成する際に、デュアルダマシン法やアルミリフロー法を用いて、各配線の下面に接続するコンタクトプラグの形成と配線層の形成を同時に行ってもよい。
【0023】
この後、表面保護膜11上にポリイミド膜12を形成した後、パターニングする。ポリイミド膜12をマスクに用いたエッチングにより、第3配線14Cの上面を露出させるように表面保護膜11内に第1の開口50を形成する。スパッタにより、半導体基板2の第1の主面側に、チタン(Ti)膜上に銅を積層したシード膜13を形成する。
【0024】
図2に示すように、半導体基板2の第1の主面側のシード膜13上にフォトレジスト21を形成した後、パターニングを行って、第1の開口50内に設けたシード膜13を露出させるように第2の開口51を形成する(ここで開口した部分と第1の開口50とを含めて第2の開口51と呼ぶ)。電界メッキ法により、第2の開口51内のシード膜13上に順に銅バンプ16、Cuの拡散防止用のNi膜17、及びNiの酸化防止用のAu膜18を形成する。このシード膜13、銅バンプ16、Ni膜17、及びAu膜18の4層から表面バンプが構成される。
【0025】
図3に示すように、半導体基板2の外周部を研削して、半導体基板2の径を後の工程で貼り付けるWSSの径よりも小さくする。なお、図3において、20は一つのチップ形成領域を表す。例えば、径が300mmの半導体基板2では、研削により298.5mmとする。これにより、WSSへの張合わせのずれや、WSSから接着剤がはみ出るのを防ぐことができる。更に、研削後の基板2外周のナイフエッジ化を低減できる。
【0026】
図4に示すように、フォトレジスト21を除去した後、半導体基板2の第1の主面側に、接着剤22及びLTHC膜(光熱変換膜)23を介して、アクリル樹脂または石英等の支持基板からなるWSS24を貼り付ける。図4Aはこの状態を表す一部の断面図、図4Bは半導体基板2、接着剤22、LTHC膜23、及びWSS24(支持基板)の関係が明確となるように、図4Aよりも広い領域を簡略化した断面概略図を表す。光熱変換膜としては例えば、炭素粉末を接着剤に混ぜて塗布し乾燥したもので、レーザ光を吸収して熱に変換できるものを挙げることができる。
【0027】
以下では、場合によって、断面図、断面概略図、又はこれらの図の両方を用いて、本実施例の製造工程を説明する。また、断面概略図を示す場合には、説明する内容に応じて、第1の主面、又は第2の主面が図の上側となるように示す。第2実施例以降も同様である。
【0028】
図4Bに示すように、図3の工程で研削により半導体基板2の径を小さくしたため、WSS24は、半導体基板2の半径方向の外周側に向って半導体基板2よりも突出している。そして、WSS24の突出した部分上にも接着剤22及びLTHC膜23が設けられ、これらの接着剤22及びLTHC膜23は露出している。
【0029】
図5Aに示すように、砥石研磨剤(図示していない)を用いて、半導体基板2の第2の主面側を粗研削し、所定の厚さまで薄肉化する。図5Aの工程では例えば、775μmから100μmの厚さまで半導体基板2を薄膜化する。図5Bに示すように、砥石研磨剤(図示していない)を用いて、半導体基板2を精研削し、所定の厚さまで薄肉化する。図5Bの工程では例えば、100μmから40〜50μmの厚さまで半導体基板2を薄膜化する。この後、図5Cに示すように、CMP法(Chemical Mechanical Polishing;化学機械研磨法)により、半導体基板2を仕上研削するとともに、露出していたLTHC膜23を除去する。この際、研磨剤としては例えば、二酸化珪素及び有機化合物を含有するpH10.6の水溶液と、無機塩を含有するpH12.3の水溶液の混合液を用い、圧縮弾性率が81.1%の研磨パッドを用いる。この有機化合物は加工促進剤として添加され、選択比の調整や分散性の向上を目的とした構成物であり、例えば、界面活性剤を挙げることができる。また、無機塩は加工促進剤として添加され、pH調整や研磨レートの調整、分散性の向上を目的とした構成物であり、例えば、緩衝剤などのpH調整剤を挙げることができる。研磨剤及び研磨パッドはこれらのものに限定されるわけではなく、研磨剤として、二酸化珪素および有機化合物を含むpH8以上、12以下の水溶液と、無機塩を含むpH10以上、14以下の水溶液の混合液を用いることが好ましい。また、圧縮弾性率が70%以上、90%以下の研磨パッドを用いることが好ましい。この研削工程により、半導体基板2の第2の主面側には、最初に形成しておいた絶縁リング(図示していない)の底部が露出する。また、図5Cの工程では、半導体基板2の下のLTHC膜23には研磨剤及び研磨パッドが接触しないため、この部分のLTHC膜23は除去されない。
【0030】
図6に示すように、ブラシ又は薬液により、半導体基板2を洗浄する。半導体基板2の第2の主面側を覆うように窒化シリコン膜である保護膜26を、200〜400nmの膜厚に形成する。この保護膜26は、後の工程で形成する貫通電極プラグに使用する銅が製造工程中に半導体基板2の第2の主面側から内部に拡散して、素子特性に悪影響を与えることを防止する(ゲッタリング効果)。
【0031】
図7に示すように、異方性ドライエッチングにより、貫通電極形成領域に配置した局所配線8bの第2の主面側が露出するように、第3の開口27を形成する。第3の開口27は、局所配線8bをストッパとして、保護膜26、半導体基板2、及び第1の層間絶縁膜5を貫通するように形成され、その底部において、局所配線8bの第2の主面側が露出する。第3の開口27を形成するドライエッチングに際しては、半導体基板2のシリコンエッチングと、第1の層間絶縁膜5のエッチングを分けて、2段階のステップで実施してもよい。次に、スパッタ法により、第3の開口27を含めた半導体基板2の第2の主面側の全面に、チタン(Ti)膜及び銅(Cu)膜を積層させて、シード膜28を形成する。
【0032】
図8に示すように、半導体基板2の第2の主面側に、第3の開口27と同じ位置に開口を有するフォトレジストパターン30を形成する。電気めっき法により、第3の開口27内に順に銅バンプ29、及び半田膜(SnAg膜)31を形成する。半田膜31はSnAg膜に限定されるわけではなく、例えば、Ni上にAuを堆積したAu/Ni膜を使用することもできる。このシード膜28、銅バンプ29、及び半田膜31の3層により、裏面バンプ(貫通電極の残部)が形成される。
【0033】
図9に示すように、フォトレジストパターン30を除去した後、露出したシード膜28を除去する。この後、リフローにより、半田膜31の表面を凸状とする。
【0034】
図10Aに示すように、保護膜26に接するようにダイシングテープ33を貼り付ける。半導体基板2の第1の主面側(WSS24を設けた側)から、WSS24を介してLTHC膜23にレーザを照射することにより、LTHC膜23の結合構造を切断する。例えば、光熱変換膜として炭素粉末を接着剤に混ぜて塗布し乾燥したものを用いた場合には、炭素粉末によって光が吸収され、熱に変わる。この熱により、炭素粉末を結合している有機バインダ成分の温度が急上昇して脱ガス及び炭化し、結合力を失う。この結果、光熱変換膜のほぼ全体がばらばらの炭素粉末又は炭素片に変化する。これにより、図10Bに示すように、半導体基板2からWSS24を剥離させる。図10Cに示すように、半導体基板2に付着した接着剤22を除去した後、半導体基板2に対してダイシングを行う。
【0035】
図11は、ダイシング後に得られた半導体チップを表す図である。図11Aは半導体チップを第1の主面(おもて面)側から見た平面図、図11Bは半導体チップを第2の主面(裏面)側から見た平面図であるが、図11A及びBでは貫通電極など主要な構造しか示していない。また、図11Cは、図11A及びBのA−A方向の断面図を表す。図11に示すように、半導体チップは、MISトランジスタ等の素子1が形成された素子領域Xと、複数の貫通電極が形成された貫通電極領域Yを有する。貫通電極は、上端および下端に接続用のバンプ(突起電極)を備えており、複数の半導体チップを積層する際に、貫通電極を介して上下に配置された半導体チップ間が電気的に接続される。貫通電極は、半導体基板2を貫通する貫通プラグ(表面バンプ、裏面バンプ)と、半導体基板上の複数の層間絶縁膜を貫通するコンタクトプラグおよび配線層で構成されている。貫通電極の半導体基板2の中に埋設されている部分の周囲には絶縁リング3が設けられており、これによって、個々の貫通電極と、他の貫通電極および素子1との絶縁が確保される。
【0036】
半導体基板2の第2の主面側における貫通電極の端部には、裏面バンプが形成されている。裏面バンプは、シード膜28、銅バンプ29、及び半田膜31の3層により形成されている。半導体基板2の第1の主面側における貫通電極の端部には、表面バンプが形成されている。表面バンプは、シード膜13、銅バンプ16、Ni膜17、及びAu膜18の4層により形成されている。裏面バンプと表面バンプは、コンタクトプラグおよび配線層34によって接続されている。裏面バンプは、複数の半導体チップを積層する際に、下層のチップに設けられた表面バンプと接合する。なお、図示していないが、貫通電極は、表面バンプと裏面バンプ間が接続されると共に、局所配線、第1配線、第2配線、及び第3配線のいずれかを用いて、MIS(Metal Insulator Semiconductor)トランジスタ等の素子と電気的に接続する内部配線を有していてもよい。
【0037】
図12に示すように、異なる半導体チップの表面バンプと裏面バンプが互いに接するようにして、複数の半導体チップ32a、32bなどをマウントする。リフローにより、それぞれの表面バンプと裏面バンプの半田膜を接合する。半導体チップ間にアンダーフィル35を充填した後、複数の半導体チップを、パッケージ基板39上にマウントする。この後、モールドレジン37によってモールドすることにより、本実施例の半導体装置が完成する。本実施例の半導体装置としては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の記憶デバイスや、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の演算処理デバイスを挙げることができる。
【0038】
従来の、WSS上に露出したLTHC膜の部分を除去しない方法を適用して半導体装置を製造した場合、半導体装置近傍にLTHC膜が露出した状況となり、LTHC膜由来の汚染物質が半導体基板に付着することとなっていた。このため、半導体基板の第2の主面上へ保護膜を形成するまでに汚染物質を除去しないと、保護膜の下の半導体基板内に汚染物質が取り込まれ、後の工程で汚染物質を除去することは困難であった。
【0039】
これに対して本実施例では、汚染防止工程として図5の工程で、WSS24上に露出したLTHC膜23の部分を除去する。これにより、図6の洗浄後に半導体基板2近傍で、LTHC膜23が露出することがなくなる。この結果、保護膜26の下の半導体基板2内に、LTHC膜由来の汚染物質(例えば、Fe等の金属、有機物)が取り込まれる可能性を低減することができる。また、本実施例では、図5の研削工程の最終で実施するCMP工程によって、LTHC膜23の露出部分を除去する。従って、LTHC膜23を除去するための工程を特別に付加する必要がなく、製造工程を簡略化できる。
【0040】
(変形例)
本変形例は、図11のような絶縁リング3を形成しない代わりに、第3の開口27の内壁上に絶縁膜を形成することによって、貫通電極と他の貫通電極及び素子1とを絶縁させる点が、第1実施例とは異なる。
【0041】
本変形例では、図1の工程で絶縁リングを形成しない点以外は、第1実施例と同様にして、図6の工程までを実施する。図13はこの状態を表す断面図である。
【0042】
図14に示すように、窒化シリコン膜である保護膜26、半導体基板2、及び第1の層間絶縁膜5を貫通して局所配線8bを露出させるように第3の開口27を形成する。CVD法により、半導体基板2の第2の主面側の第3の開口27の内壁上に順に、窒化シリコン膜41及び酸化シリコン膜40を形成する。エッチバックを行うことにより、第3の開口27の内壁側面上に貫通電極の絶縁膜となる窒化シリコン膜41及び酸化シリコン膜40を残留させる。この後、スパッタ法により、半導体基板2の第2の主面側の全面にシード膜28を形成する。以後の工程は、第1実施例と同様に行うため、その説明を省略する。本変形例では、銅バンプ29の側壁上に設けた窒化シリコン膜41及び酸化シリコン膜40によって、貫通電極は、他の貫通電極及び素子1と絶縁される。
【0043】
本変形例は第1実施例とLTHC膜23を除去する工程が同じであるため、第1実施例と同様に、簡略化した工程で、保護膜26の下の半導体基板2内に、LTHC膜23由来の汚染物質が取り込まれる可能性を低減することができる。
【0044】
(第2実施例)
本実施例は、新たに、レーザ照射を行う工程を追加することによりLTHC膜23の露出部分を除去しやすくする点が、第1実施例とは異なる。以下では、本実施例の製造方法を説明するが、第1実施例と同様の工程についてはその説明を省略する。
【0045】
まず、第1実施例の図4の工程までを実施する。次に、図15に示すように、半導体基板2の第2の主面側から、レーザを照射する。この時、半導体基板2がレーザ照射のマスクとして働き、LTHC膜23の露出部分にセルフアラインで、レーザを照射して、LTHC膜23の露出部分の結合構造を破壊することができる。このレーザとして、例えば、YAG(Yttrium−Aluminum−Garnet)と同じ波長(例えば波長136nm)のレーザを、出力25Wでパルス状に発振させたYV04レーザなどを適用する。このレーザ照射により、後の工程で、LTHC膜23の露出部分を容易に除去することができる。これに対して、半導体基板2は厚いため、半導体基板2内を第1の主面側までレーザは透過しない。従って、半導体基板2の下のLTHC膜23の結合構造は破壊されない。
【0046】
第1実施例の図5以降の工程を実施する。この際、図15の工程で、レーザを照射されたLTHC膜23の露出部分は構造が脆くなっている。このため、図5A及びBの裏面研削工程、図5CのCMP工程、並びに図6の洗浄工程の中の少なくとも一部の工程で、LTHC膜23の露出部分は容易に除去される。すなわち、LTHC膜23の露出部分は、図5A及びBの裏面研削工程、図5CのCMP工程、若しくは図6の洗浄工程、又はこれらの工程のうち複数の工程によって除去される。
【0047】
本実施例では、図15の工程でLTHC膜23の露出部分を除去しやすく処理し、図5及び6の工程でこの部分を除去する。これにより、第1実施例と同様に、図6の洗浄後に半導体基板2近傍で、LTHC膜23が露出することがなくなる。この結果、保護膜26の下の半導体基板2内に、LTHC膜23由来の汚染物質(例えば、Fe等の金属、有機物)が取り込まれる可能性を低減することができる。更に、本実施例によれば、図5の工程の前に半導体基板2側からレーザ光を照射することで、半導体基板2の下にはレーザ光が透過せず、半導体基板2の下のLTHC膜23には悪影響を及ぼすことなく、WSS(支持基板)24上に露出したLTHC膜23のみに自己整合的にレーザ光を照射できる。換言すれば、従来、WSS24を剥離する工程で用いていたレーザ照射条件をそのまま適用して、半導体基板2側から当該条件でレーザ光を照射することで、WSS24上に露出したLTHC膜23のみに選択的にレーザ光を照射できる。
【0048】
(変形例)
以下では、第2実施例の複数の変形例を説明する。第2実施例では、図5の工程の前にLTHC膜23の露出部分にレーザを照射し、図5及び6の工程でLTHC膜23の露出部分を除去した。これに対して、以下の変形例では図5Cの工程でLTHC膜23の露出部分を除去せず、図5Cの工程の後にLTHC膜23の露出部分にレーザを照射する。また、図6の工程でLTHC膜23の露出部分を除去する点が第2実施例とは異なる。
【0049】
具体的には、各変形例に共通の工程として、第1実施例の図5Bの工程までを実施した後、LTHC膜23の露出部分を除去しないような条件で、CMP法を実施して、半導体基板2の第2の主面を研削する。この後、各変形例ごとに異なる方法でLTHC膜23の露出部分にレーザを照射する。この際のレーザの照射条件は、第2実施例と同じ条件に設定することができるが、各変形例の工程に応じて適宜、変更しても良い。
【0050】
次に、各変形例に共通の工程として、第1実施例の図6以降の工程を実施する。この際、レーザを照射されたLTHC膜23の露出部分は結合構造が破壊され脆くなっているため、図6の洗浄工程で容易に除去される。以下では、各変形例ごとに異なる方法である、LTHC膜23の露出部分へのレーザの照射工程だけを説明する。
【0051】
第1変形例では、図16Aに示すように、半導体基板2の第2の主面側からレーザを照射する。この際、レーザは、研削後に薄くなった半導体基板2を透過しないような条件に設定して、LTHC膜23の露出部分にのみレーザを照射する。
【0052】
第2変形例では、図16Bに示すように、半導体基板2の第2の主面、及び接着剤22を覆うように、半導体基板2とレーザ光源との間にマスキングブレード(保護部材)42を設ける。この状態で、半導体基板2の第2の主面側からレーザを照射する。この結果、LTHC膜23の露出部分にのみレーザが照射される。次に、マスキングブレード42を除去する。第2変形例では、マスキングブレード42がレーザの透過を防止するため、半導体基板2へのレーザ照射の影響を軽減することができる。
【0053】
第3変形例では、図16Cに示すように、半導体基板2の第2の主面側から、LTHC膜23の露出部分43(点線で囲まれた部分)にのみ選択的にレーザを照射する。
【0054】
第4変形例では、図17Aに示すように、WSS24の、半導体基板2の第1の主面及び接着剤22に対応する領域を覆うように、半導体基板2とレーザ光源との間にマスキングブレード(保護部材)42を設ける。半導体基板2の第1の主面側(WSS24に対して半導体基板2を貼り付けた面の反対面側)から、LTHC膜23の露出部分にレーザを照射する。この結果、LTHC膜23の露出部分にのみレーザが照射される。次に、マスキングブレード42を除去する。第4変形例では、マスキングブレード42がレーザの透過を防止するため、半導体基板2へのレーザ照射の影響を軽減することができる。
【0055】
第5変形例では、図17Bに示すように、半導体基板2の第1の主面側(WSS24に対して半導体基板2を貼り付けた面の反対面側)から、LTHC膜23の露出部分43(点線で囲まれた部分)にのみ選択的にレーザを照射する。
【0056】
なお、第4及び第5変形例では、WSS24としてレーザを透過させるガラスを主体とした材料を用いることができる。
【0057】
上記各変形例では、図16及び17の工程でLTHC膜23の露出部分にレーザを照射することにより、この部分を除去しやすくし、図6の工程でこの部分を除去する。これにより、第2実施例と同様に、保護膜26の下の半導体基板2内に、LTHC膜23由来の汚染物質が取り込まれる可能性を低減することができる。また、半導体基板2の下のLTHC膜23には悪影響を及ぼすことなく、WSS24上に露出したLTHC膜23のみに自己整合的にレーザ光を照射できる。
【0058】
(第3実施例)
本実施例は、新たに、LTHC膜23の露出部分に第1の薬剤を塗布する工程を追加する点が、第1実施例とは異なる。以下では、本実施例の製造方法を説明するが、第1実施例と同様の工程についてはその説明を省略する。
【0059】
第1実施例の図4の工程までを実施する。次に、図18に示すように、LTHC膜23の露出部分43(点線で囲まれた部分)に第1の薬剤を塗布する。第1の薬剤は、アンモニアおよび過酸化水素水を主体とする薬剤であることが好ましい。
【0060】
第1実施例の図5以降の工程を実施する。この際、図18の工程で、第1の薬剤を塗布されたLTHC膜23の露出部分43は除去しやすくなっている。このため、図5A及びBの裏面研削工程、図5CのCMP工程、並びに図6の洗浄工程中の少なくとも一部の工程で、LTHC膜23の露出部分43は容易に除去される。すなわち、LTHC膜23の露出部分43は、図5A及びBの裏面研削工程、図5CのCMP工程、若しくは図6の洗浄工程、又はこれらの工程のうち複数の工程によって除去される。なお、図5及び6の工程の前、又は途中で、人間の手又は機械によるマニュアル剥離工程を設けることにより、LTHC膜23の露出部分43を除去しても良い。
【0061】
(第4実施例)
本実施例は、新たに、LTHC膜23の露出部分にカバー膜25を形成する点が、第1実施例とは異なる。以下では、本実施例の製造方法を説明するが、第1実施例と同様の工程についてはその説明を省略する。
【0062】
第1実施例の図3の工程までを実施する。次に、図19に示すように、フォトレジスト21を除去した後、半導体基板2の第1の主面側に、接着剤22を介して、アクリル樹脂または石英等のWSS(支持基板)24上にLTHC膜(光熱変換膜)23が形成され、LTHC膜23上にカバー膜25が形成されるように、WSS24を貼り付ける。図19Aはこの状態を表す一部の断面図、図19Bは半導体基板2、接着剤22、カバー膜25、LTHC膜23、及びWSS24(支持基板)の関係が明確となるように、図19Aよりも広い領域を簡略化した断面概略図を表す。カバー膜25としては、例えばポリイミド膜を挙げることができる。
【0063】
図19Bに示すように、LTHC膜23は、WSS24の端部となるベベル部まで覆うように設けられており、さらにカバー膜25が、LTHC膜23を覆うように1μmから5μmの厚さでベベル部まで設けられている。
【0064】
次に、第1実施例の図5から図6の工程を実施する。この際、図5A及びBの裏面研削工程並びに図5CのCMP工程、図6の洗浄工程では、第1実施例と同じ条件に設定することができるが、カバー膜25の形成状態に応じて、適宜、変更しても良い。このとき、LTHC膜23は、カバー膜25で覆われており、図5Cの工程におけるCMP法で処理されても、カバー膜25が除去されずに残留するので、LTHC膜23は露出せずに残留している。なお、図6の洗浄工程においても同様である。
【0065】
次に、第1実施例の図7から図9の工程までを実施する。次に、図20Aに示すように、保護膜26に接するようにダイシングテープ33を貼り付ける。半導体基板2の第1の主面側(WSS24を設けた側)から、WSS24を介してLTHC膜23にレーザを照射することにより、LTHC膜23の結合構造を切断する。これにより、図20Bに示すように、半導体基板2からWSS24を剥離させる。このとき、全てのカバー膜25は、接着剤22とともに半導体基板2の第1の主面側に残留している。
【0066】
カバー膜25がWSS24を覆っていることにより、銅バンプなどの金属がWSS24に付着しないため、洗浄によりWSS24の再利用が容易になる利点もある。
【0067】
図20Cに示すように、半導体基板2に付着した接着剤22を除去した後、半導体基板2に対してダイシングを行ってから、第1実施例の図11以降の工程を実施する。図20Cでは、カバー膜25が接着剤22に固着されており、接着剤22とともに容易に除去できるので、半導体基板2に残留することは無い。また図20における工程条件は、第1実施例の図10と同じ条件に設定することができるが、カバー膜25の形成状態に応じて、適宜変更しても良い。
【0068】
本実施例では、図19の工程でLTHC膜23をカバー膜25で覆っている。これにより、第1実施例乃至第3実施例と同様に、保護膜26の下の半導体基板2内に、LTHC膜23由来の汚染物質が取り込まれる可能性を低減することができる。
【0069】
また、第1実施例では、CMP法により半導体基板2の外側のLTHC膜23を除去したが、LTHC膜23上のカバー膜25も一緒に除去される条件を用いてCMP法で除去することも可能である。また、カバー膜25は、接着剤22を介して半導体基板2に接着されているので、剥離条件を変更することなく、接着剤22とともに容易に除去することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 素子
2 半導体基板
3 絶縁リング
4 素子分離領域
5 第1の層間絶縁膜
6 第2の層間絶縁膜
7 コンタクトプラグ
8a、8b 局所配線
9 第3の層間絶縁膜
10 第4の層間絶縁膜
11 表面保護膜
12 ポリイミド膜
13 シード膜
14A 第1配線
14B 第2配線
14C 第3配線
15A 局所コンタクトプラグ
15B 第1コンタクトプラグ
15C 第2コンタクトプラグ
16 銅バンプ
17 Ni膜
18 Au膜
20 チップ形成領域
21 フォトレジスト
22 接着剤
23 LTHC膜
24 WSS
25 カバー膜
26 保護膜
27 第3の開口
28 シード膜
29 銅バンプ
30 フォトレジストパターン
31 半田膜(SnAg膜)
32a、32b 半導体チップ
33 ダイシングテープ
35 アンダーフィル
37 モールドレジン
39 パッケージ基板
40 酸化シリコン膜
41 窒化シリコン膜
42 マスキングブレード
50 第1の開口
51 第2の開口
X 素子領域
Y 貫通電極領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の第1の主面を、光熱変換膜を介して支持基板に張付ける工程と、
前記支持基板上に露出した前記光熱変換膜を選択的に除去する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記基板を前記支持基板に張付ける工程の後、前記基板の第1の主面に対して厚さ方向に向かい合う第2の主面を研削する工程と、
前記基板の第2の主面を研削する工程の後、前記基板を洗浄する工程と、
前記基板を洗浄する工程の後、前記基板の第2の主面に保護膜を形成する工程と、
を更に有し、
前記支持基板上に露出した前記光熱変換膜を選択的に除去する工程は、前記基板を洗浄する工程以前に施すことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記基板の第2の主面を研削する工程は、最後に前記基板の第2の主面を化学機械研磨法により研磨する工程を有し、
前記支持基板上に露出した前記光熱変換膜を選択的に除去する工程は、前記化学機械研磨法により研磨する工程によって構成されることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記化学機械研磨法により研磨する工程では、
研磨剤として、二酸化珪素および有機化合物を含むpH8以上、12以下の水溶液と、無機塩を含むpH10以上、14以下の水溶液との混合溶液を用い、
圧縮弾性率が70%以上、90%以下の研磨パッドを用いた前記化学機械研磨法により研磨することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記基板を支持基板に張付ける工程の後、前記基板を洗浄する工程の前に、前記支持基板上に露出した前記光熱変換膜に選択的にレーザを照射する工程を更に有し、
前記支持基板上に露出した前記光熱変換膜を選択的に除去する工程は、
前記支持基板上に露出した前記光熱変換膜に選択的に前記レーザを照射する工程と、
前記基板の第2の主面を研削する工程、前記基板を洗浄する工程、または、それら両方の工程と、
によって構成されることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記支持基板上に露出した前記光熱変換膜に選択的に前記レーザを照射する工程では、前記基板をマスクとして、前記基板の第2の主面側から前記支持基板全面に向けて一様に前記レーザを照射することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記支持基板上に露出した前記光熱変換膜に選択的に前記レーザを照射する工程は、前記基板の第2の主面を研削する工程の前に施すことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記支持基板上に露出した前記光熱変換膜に選択的に前記レーザを照射する工程では、前記基板と前記レーザの光源との間の前記基板と対応する位置に配置された保護部材をマスクとして、前記支持基板全面に向けて一様に前記レーザを照射することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記支持基板として、前記レーザを透過させるガラスを主体とする材料からなる前記支持基板を用い、
前記支持基板上に露出した前記光熱変換膜に選択的に前記レーザを照射する工程では、前記支持基板における前記基板が張付けられた面の反対面側から前記支持基板全面に向けて一様に前記レーザを照射することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記基板の第2の主面を研削する工程は、最後に前記基板の第2の主面を化学機械研磨法により研磨する工程を有し、
前記化学機械研磨法により研磨する工程では、
研磨剤として、二酸化珪素および有機化合物を含むpH8以上、12以下の水溶液と、無機塩を含むpH10以上、14以下の水溶液との混合溶液を用い、
圧縮弾性率が70%以上、90%以下の研磨パッドを用いた前記化学機械研磨法により研磨することを特徴とする請求項5〜9の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記支持基板上に露出した前記光熱変換膜を選択的に除去する工程は、前記支持基板上に露出した前記光熱変換膜に選択的に第1の薬剤を塗布して前記光熱変換膜を選択的に除去する工程であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記基板を前記支持基板に張付ける工程の後、前記基板を洗浄する工程の前に、前記支持基板上に露出した前記光熱変換膜に選択的に第1の薬剤を塗布する工程を更に有し、
前記支持基板上に露出した前記光熱変換膜を選択的に除去する工程は、
前記支持基板上に露出した前記光熱変換膜に選択的に前記第1の薬剤を塗布する工程と、
前記基板の第2の主面を研削する工程、前記基板を洗浄する工程、またはそれら両方の工程と、
によって構成されることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1の薬剤は、アンモニアおよび過酸化水素水を主体とする薬剤であることを特徴とする請求項11または12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記基板を前記支持基板に張付ける工程の前に、
前記基板の第1の主面上に層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜の一部を貫通するように、貫通電極の一部を形成する工程と、
前記基板の径が前記支持基板の径よりも小さくなるように、前記基板の外周部分を研削する工程と、
前記基板の第2の主面に保護膜を形成する工程の後に、
前記基板の第2の主面側から、前記保護膜、基板及び層間絶縁膜の残部を貫通して前記貫通電極の一部に連結されるように、貫通電極の残部を形成する工程と、
を更に有することを特徴とする請求項2〜13の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記層間絶縁膜を形成する工程の前に更に、前記基板内を第1の主面側からその厚み方向に伸長すると共に前記貫通電極の一部の下方に位置する前記基板の所定の領域を囲む絶縁リングを形成する工程を有し、
前記貫通電極の残部を形成する工程において、
前記保護膜、基板の所定の領域及び層間絶縁膜の残部を貫通するように、貫通電極の残部を形成することを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記貫通電極の残部を形成する工程において更に、前記保護膜、基板及び層間絶縁膜の残部に埋め込まれた貫通電極の残部の側壁を覆うように、絶縁膜を形成することを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
支持基板上に光熱変換膜を形成する工程と、
半導体基板より外側に前記光熱変換膜が延在するように、前記半導体基板を前記支持基板に張付ける工程と、
前記光熱変換膜に汚染防止処理を行う工程と、
前記支持基板と前記半導体基板とを分離させる工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記光熱変換膜上にカバー膜を形成する工程をさらに有し、
前記カバー膜は少なくとも前記半導体基板の外側に延在した前記光熱変換膜を覆うことを特徴とする請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記カバー膜はポリイミド膜であることを特徴とする請求項18に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記半導体基板の外側に延在した前記光熱変換膜と前記カバー膜とを選択的に除去する工程をさらに有することを特徴とする請求項18に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2012−256846(P2012−256846A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−39946(P2012−39946)
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】