半導体装置の製造方法
【課題】電気めっき装置のハードウェアトラブルを低減しながら、銅めっき膜の均一性を保つ。
【解決手段】自動分析器14は、電極16,17間に印加されている電圧を検出し、その電圧値が設定電圧範囲内であるか否かを判断する。検出した電圧値が、設定電圧範囲の下限値よりも低い場合、自動分析器14は、検出した電圧値に基づいて、基本液の不足量を算出し、バルブ11を制御して不足分の基本液を補充した後、めっき液タンク6内のめっき液が規定量を保つようにバルブ13の動作制御を行い、めっき液を廃液する。また、検出した電圧値が設定電圧範囲の上限値よりも高い場合、検出した電圧値に基づいて基本液の超過量を算出し、バルブ12を制御して基本液の濃度が規定範囲内となるように純水をめっき液タンク6に補充してめっき液を薄めた後、バルブ13を制御して規定量を保つようめっき液を廃液する。
【解決手段】自動分析器14は、電極16,17間に印加されている電圧を検出し、その電圧値が設定電圧範囲内であるか否かを判断する。検出した電圧値が、設定電圧範囲の下限値よりも低い場合、自動分析器14は、検出した電圧値に基づいて、基本液の不足量を算出し、バルブ11を制御して不足分の基本液を補充した後、めっき液タンク6内のめっき液が規定量を保つようにバルブ13の動作制御を行い、めっき液を廃液する。また、検出した電圧値が設定電圧範囲の上限値よりも高い場合、検出した電圧値に基づいて基本液の超過量を算出し、バルブ12を制御して基本液の濃度が規定範囲内となるように純水をめっき液タンク6に補充してめっき液を薄めた後、バルブ13を制御して規定量を保つようめっき液を廃液する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、電気めっき装置による銅めっき膜の形成に有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造プロセスにおいて、配線を電気めっき法を用いて形成する成膜技術が用いられている。この電気めっき法と呼ばれる成膜プロセスは、電気めっき装置を用いることにより、電子デバイスを接続する銅(Cu)配線を形成するプロセスである。
【0003】
電気めっき装置は、カソードが設けられた半導体ウエハをめっき槽に対して下向きに設置してめっき液に浸漬させ、カソードと該半導体ウエハに対向するように設けられたアノードとに電圧を印加し、半導体ウエハ外周部からシード膜(導電薄膜)を通して電流を流し、半導体ウエハ全面に銅めっき膜を成長させる。
【0004】
めっきの成膜時には、めっき液中の銅の析出量が積算電流量で決定されるために、アノード−カソード間に流れる電流が一定となるように電圧制御を行い、銅めっき膜厚の均一性を維持している。
【0005】
この種のめっき成膜技術については、たとえば、ダマシン配線などをめっき成膜する際に配線内のボトムアップ量や銅めっき膜中に含まれる不純物量を一定に保持することにより、半導体装置の電気的特性のばらつきを抑制するもの(たとえば、特許文献1参照)や、メッキ液中の促進剤、抑制剤、および塩素の濃度を検出し、該メッキ液中の促進剤濃度、抑制剤濃度、および塩素濃度を所定の濃度にすることにより、所定の濃度のメッキ液を維持するもの(たとえば、特許文献2参照)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−303417号公報
【特許文献2】特開2004−197183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記のような半導体装置の配線工程における電気めっきによる成膜技術では、次のような問題点があることが本発明者により見い出された。
【0008】
銅めっき膜厚の均一性を妨げる要因として、いわゆるターミナル効果(Terminal Effect)がある。めっき成膜の前工程において、半導体ウエハには、カソード電極として作用するシード膜が形成される。シード膜は、たとえば、スパッタ法などによって形成される銅などの金属薄膜からなる。
【0009】
ターミナル効果は、めっき成膜時において、シード膜の抵抗から生じる電圧降下によって、該半導体ウエハの中心部、およびその近傍の電流量が、半導体ウエハの外周部近傍に比べて少なくなり、半導体ウエハの中心部近傍の銅めっき膜厚が外周部近傍よりも薄くなってしまう現象である。
【0010】
このターミナル効果を低減させる対策としては、たとえば、めっき液中のアノードとカソードとの間に、たとえば、セラミックなどの高抵抗材料を配置し、実質的にめっき液抵抗を大きくすることによってシード膜の抵抗を低減させる技術が知られている。
【0011】
しかしながら、めっき液中に高抵抗材料を配置した場合、前述したようにめっき液抵抗が大きくなるので、ターゲットとなる電流値を流すためには、高抵抗材料を設置しない場合と比較して、アノード−カソード間により高い電圧印加が必要となってしまう。
【0012】
それにより、アノード、カソード、ならびに印加電圧を生成する電源回路などに大きな負荷がかかり、ハードウェアマージンが減少し、突発的なトラブルが発生してしまうという問題がある。
【0013】
本発明の目的は、電気めっき装置のハードウェアトラブルを低減しながら、銅めっき膜の均一性を保つことのできる技術を提供することにある。
【0014】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0016】
一実施の形態によれば、半導体装置の製造方法は、プラグが埋め込まれた層間絶縁膜が形成された半導体ウエハを準備する工程と、層間絶縁膜上に、絶縁膜を形成する工程と、ドライエッチングにより、絶縁膜の任意の領域に配線溝を形成する工程と、配線溝を含む絶縁膜上に銅のシード膜を形成する工程と、電気めっき装置による電気めっき法を用いてシード膜上に銅めっき膜を形成する工程と、配線溝以外の領域の銅めっき膜、およびシード膜を除去し、配線溝に埋め込まれた銅めっき膜の配線を形成する工程とを有する。
【0017】
そして、めっき装置によって銅めっき膜を形成する工程において、半導体ウエハをめっき液に浸漬させて銅めっき膜を形成する際に、陽極と陰極との間に印加されるめっき電圧を検出し、検出しためっき電圧が予め設定されている設定電圧範囲内であるか否かを判定する。
【0018】
この判定結果において、めっき電圧が設定電圧範囲の上限値よりも高い場合には、めっき液中の無機成分の濃度を調整し、めっき電圧の電圧値が設定電圧範囲内となるように制御する。
【0019】
さらに、本願のその他の概要を簡単に示す。
【0020】
他の実施の形態によれば、めっき装置によって銅めっき膜を形成する工程において、半導体ウエハをめっき液に浸漬させて銅めっき膜を形成する際に、めっき液中の無機成分の濃度を検出し、無機成分の濃度が予め設定されている設定濃度範囲内であるか否かを判定する。
【0021】
その判定結果において、無機成分の濃度が設定濃度範囲内でない場合には、めっき液中の無機成分の濃度が設定濃度範囲内となるように調整する制御を行う。
【発明の効果】
【0022】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0023】
電気めっき装置のハードウェアトラブルを低減しながら、銅めっき膜の均一性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態1による電気めっき装置における構成の一例を示す説明図である。
【図2】一般的な銅めっきの原理の説明図である。
【図3】図1の電気めっき装置に設けられた自動分析器によるめっき液中の添加剤の濃度調整処理の一例を示したフローチャートである。
【図4】図1の電気めっき装置に設けられた自動分析器によるめっき液中の基本液の濃度調整処理の一例を示したフローチャートである。
【図5】基本液を構成する無機成分と電気めっき装置の電極間に印加されるめっき電圧との相関関係の一例を示した説明図である。
【図6】図5の結果に基づいて求めたピアソンの積率相関関係係数の説明図である。
【図7】めっき電圧と膜厚均一性、およびめっき電圧と電気めっき装置のハードウェアトラブルの相関関係の一例をそれぞれ示した説明図である。
【図8】図1の電気めっき装置が用いられる銅配線プロセスの一例を示すフローチャートである。
【図9】図8におけるステップS304の処理が行われた際の配線層における断面図である。
【図10】本発明の実施の形態2による電気めっき装置における構成の一例を示す説明図である。
【図11】図10の電気めっき装置に設けられた自動分析器によるめっき液中の基本液の濃度調整処理の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による電気めっき装置における構成の一例を示す説明図、図2は、一般的な銅めっきの原理の説明図、図3は、図1の電気めっき装置に設けられた自動分析器によるめっき液中の添加剤の濃度調整処理の一例を示したフローチャート、図4は、図1の電気めっき装置に設けられた自動分析器によるめっき液中の基本液の濃度調整処理の一例を示したフローチャート、図5は、基本液を構成する無機成分と電気めっき装置の電極間に印加されるめっき電圧との相関関係の一例を示した説明図、図6は、図5の結果に基づいて求めたピアソンの積率相関関係係数の説明図、図7は、めっき電圧と膜厚均一性、およびめっき電圧と電気めっき装置のハードウェアトラブルの相関関係の一例をそれぞれ示した説明図、図8は、図1の電気めっき装置が用いられる銅配線プロセスの一例を示すフローチャート、図9は、図8におけるステップS304の処理が行われた際の配線層における断面図である。
【0027】
〈実施の形態の概要〉
本実施の形態の第1の概要は、プラグが埋め込まれた層間絶縁膜が形成された半導体ウエハ(半導体ウエハW)を準備する工程と、層間絶縁膜上に、絶縁膜(絶縁膜18)を形成する工程と、ドライエッチングにより、絶縁膜の任意の領域に配線溝を形成する工程と、配線溝を含む絶縁膜上に銅のシード膜(シード膜19)を形成する工程と、電気めっき装置(電気めっき装置1)による電気めっき法を用いてシード膜上に銅めっき膜(銅めっき膜20)を形成する工程と、配線溝以外の領域の銅めっき膜、およびシード膜を除去し、配線溝に埋め込まれた銅めっき膜の配線を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法である。
【0028】
そして、めっき装置によって銅めっき膜を形成する工程において、半導体ウエハをめっき液に浸漬させて銅めっき膜を形成する際に、陽極(電極16)と陰極(電極17)との間に印加されるめっき電圧を検出する。
【0029】
検出しためっき電圧が予め設定されている設定電圧範囲内であるか否かを判定し、その判定結果において、めっき電圧が設定電圧範囲内でない場合に、めっき液中の無機成分(基本液)の濃度を調整し、めっき電圧の電圧値が設定電圧範囲内となるように調整する。
【0030】
以下、上記した概要に基づいて、実施の形態を詳細に説明する。
【0031】
〈電気めっき装置の構成、およびめっき液の構成〉
本実施の形態1において、電気めっき装置1は、半導体ウエハなどの基板に対して湿式法により金属被膜を生成する装置である。電気めっき装置1には、図1に示すように、バスタブ状のめっきチャンバ2が設けられている。めっきチャンバ2内には、バスタブ形状のめっき槽3が設けられている。
【0032】
めっき槽3は、被処理基板となる半導体ウエハWを浸漬させるのに十分な量のめっき液を滞留させるバスタブ状の液槽である。めっきチャンバ2は、めっき槽3からオーバフローしためっき液を回収する。
【0033】
めっきチャンバ2には、排液管4が接続されており、めっき槽3には、送液管5が接続されている。排液管4は、めっき槽3からオーバフローして、めっきチャンバ2に貯まっためっき液をめっき液タンク6に排出する配管である。送液管5には、ポンプ7が設けられている。ポンプ7は、送液管5を介してめっき液タンク6に貯まっためっき液をめっき槽3に供給する。
【0034】
また、めっき液タンク6には、基本液補充管8、純水補充管9、および排液管10がそれぞれ設けられている。めっき液タンク6は、めっき液を貯蔵するタンクである。基本液補充管8には、バルブ11が設けられている。基本液補充管8は、後述するめっき基本液をバルブ11の開度に応じてめっき液タンク6に供給する。
【0035】
純水補充管9には、バルブ12が設けられている。この純水補充管9は、純水をバルブ12の開度に応じてめっき液タンク6に供給する。排液管10には、バルブ13が設けられている。排液管10は、バルブ13の開度に応じてめっき液タンク6の貯まっためっき液を排出する。
【0036】
ここで、電気めっき装置1に用いられるめっき液について説明する。
【0037】
半導体ウエハWに銅の成膜を行うめっき液は、前述した基本液と添加剤とを混合した液体である。基本液は、例えば、銅膜の原材料となる硫酸銅(CuSO4)、電解液となる硫酸(H2SO4)、および後述する添加剤に含まれる抑制剤を吸着促進させる塩酸(HCl)などの無機物質からなる。
【0038】
また、添加剤は、スルホプロピルジスルフィドなどの促進剤、ポリエチレングリコールなどの抑制剤、および窒素化合物などの平滑剤などの有機物質からなる。
【0039】
促進剤は、銅膜成長を促進し、埋め込み性能を向上させる。抑制剤は、銅膜成長を抑制し、例えば、半導体ウエハWにおけるパターン開口部の閉塞を防止する。平滑剤は、銅膜成長を抑制し、銅膜成長の平坦性を向上させる。
【0040】
さらに、めっき液タンク6には、自動分析器14が接続されている。この自動分析器14は、めっき液タンク6に貯まっているめっき液(基本液、および添加剤)の成分分析を行い、その結果に基づいて、該自動分析器14に接続されている添加剤補給器15、およびバルブ11〜13を制御する。
【0041】
添加剤補給器15は、自動分析器14の判定結果に基づいて、めっき液タンク6に各種成分の添加剤を補給する。例えば、自動分析器14は、めっき液中の平滑剤が不足していることを検出すると、平滑剤が最適な量(最適な濃度)となるように添加剤補給器15に制御信号を出力する。添加剤補給器15は、制御信号に基づいて平滑剤をめっき液タンク6に補給する。
【0042】
また、自動分析器14は、電極16,17間に印加されている電圧値をモニタし、そのモニタ結果に基づいて、基本液が任意の設定濃度範囲を保つようにバルブ11〜13の開閉制御を行う。
【0043】
ここで、バルブ11〜13は、自動分析器14による開閉制御ではなく、該自動分析器14が算出した結果に基づいて、作業者がバルブ11〜13を開閉して、基本液の濃度を任意の設定濃度に保つようにしてもよい。
【0044】
例えば、自動分析器14は、検出した電圧値から、基本液が設定濃度の上限を超えている(設定濃度範囲よりも濃い)と判断した際、自動分析器14は、めっき液タンク6に純水を補給するとともに、めっき液タンク6内のめっき液が略一定となるように、めっき液タンク6内のめっき液を廃液し、めっき液タンク6内の基本液が任意の設定濃度となるようにバルブ12,13の動作制御を行う。
【0045】
基本液が設定濃度の下限以下(設定濃度範囲よりも薄い)の場合には、めっき液タンク6に基本液を補給し、めっき液タンク6内の基本液が任意の設定濃度となるようにバルブ11,13の動作制御を行う。
【0046】
また、めっき槽3の底部には、陽極の電極16が設けられており、この電極16と対向するように、陰極の電極17が設けられている。電極16,17には、任意の電圧を印加する低電流電源などからなる電源装置(図示せず)が接続されている。
【0047】
また、電極17には、半導体ウエハWを保持する保持機構(図示せず)が設けられている。半導体ウエハWは、保持機構に保持された際に、該半導体ウエハに形成されたシード膜のうち、半導体ウエハWの外周部に形成されているシード膜が電気コンタクトを介して電極17に接続される。
【0048】
シード膜は、電気めっき装置1によるめっき成膜の前工程において、半導体ウエハWに形成される金属薄膜であり、例えば、銅などの材料が用いられる。シード膜は、前述したようにコンタクトを介して電極17に接続され、カソード電極として作用する。
【0049】
〈銅めっきの原理〉
ここで、一般的な銅めっきの原理について、図2の説明図を用いて説明する。
【0050】
硫酸銅溶液に浸した2つの銅電極Dk,Daに外部電源装置PSから一定の電圧Vを印加すると、次のような反応が起きる。
【0051】
陰極(銅電極Dk):Cu2++2e- →Cu
陽極(銅電極Da):Cu →Cu2+ +2e-
この時、陰極(銅電極Dk)に析出する銅(Cu)の量は、銅電極間に流れた電流値と時間の積(電気量)で決定される。銅めっきにて半導体ウエハW上に銅を成膜する場合、銅シード膜を被着した半導体ウエハを陰極として、上記の電気化学反応を用いる。
【0052】
〈自動分析器による添加剤の濃度調整例〉
次に、本実施の形態の電気めっき装置1によるめっき液の濃度調整技術について説明する。
【0053】
図3は、自動分析器14によるめっき液中の添加剤(有機成分)の濃度調整を行う場合の一例を示したフローチャートである。
【0054】
まず、自動分析器14がめっき液タンク6のめっき液における各添加剤(促進剤、抑制剤、および平滑剤)の濃度を分析し、各添加剤の濃度が予め設定されている基準濃度値以下か否かを判断する(ステップS101)。また、このステップS101の処理において、各添加剤の濃度が予め設定されている基準濃度値よりも高い場合には、そのまま処理が終了となる。
【0055】
各添加剤の濃度が基準濃度値以下の場合、自動分析器14は、基準濃度値以下となっている添加剤の不足量を計算し(ステップS102)、添加剤補給器15に制御信号を出力する。添加剤補給器15は、自動分析器14からの制御信号を受けて、めっき液タンク6に該当する添加剤を供給し、添加剤濃度が基準濃度値程度となるように添加剤を補充する(ステップS103)。
【0056】
〈自動分析器による基本液の濃度調整例〉
続いて、電気めっき装置1の自動分析器14による基本液の濃度調整技術について説明する。
【0057】
図4は、自動分析器14によるめっき液中の基本液(無機成分)の濃度調整の一例を示したフローチャートである。
【0058】
まず、自動分析器14は、電極16,17間に印加されている電圧(めっき電圧)を検出し、その電圧値が予め設定されている設定電圧範囲内であるか否かを判断する(ステップS201)。
【0059】
検出した電圧値が、設定電圧範囲の下限値よりも低い場合、自動分析器14は、検出した電圧値に基づいて、基本液の不足量を算出し(ステップS202)、不足分の基本液を補充するようにバルブ11の動作制御を行う(ステップS203)。
【0060】
続いて、自動分析器14は、めっき液タンク6内のめっき液が規定量を保つように、バルブ13の動作制御を行い、めっき液タンク6内のめっき液を廃液する(ステップS204)。
【0061】
また、ステップS201の処理において、検出した電圧値が設定電圧範囲の上限値よりも高い場合、自動分析器14は、検出した電圧値に基づいて、基本液の超過量を算出し(ステップS205)、バルブ12の動作制御を行い、基本液の濃度が規定範囲内となるように純水をめっき液タンク6に補充して(ステップS206)めっき液を薄めた後、ステップS204の処理を実行する。
【0062】
また、ステップS201の処理において、電極16,17間に印加されている電圧(めっき電圧)が、予め設定されている設定電圧範囲内である場合には、そのまま処理が終了となる。
【0063】
以上の処理により、めっき液タンク6内の基本液における無機成分の濃度が略一定となるように管理される。
【0064】
この図4におけるステップS203,S204,S206の処理は、どのようなタイミングにて行ってもよく、例えば、半導体ウエハのロット単位の銅めっき処理が終了する毎に行うようにしてもよいし、あるいは、銅めっき処理中に行うようにして、リアルタイム制御を行うようにしてもよい。
【0065】
〈めっき液の基本液とめっき電極との関係〉
次に、めっき液における基本液とめっき電圧との相関関係について説明する。
【0066】
図5は、基本液を構成する無機成分の濃度と電極16,17間に印加されるめっき電圧との相関関係の一例を示した説明図である。
【0067】
図5(a)は、めっき液中の塩酸(Cl-)濃度とめっき電圧との相関関係を示した図であり、図5(b)は、めっき液中の硫酸濃度とめっき電圧との相関関係を示した図であり、図5(c)は、めっき液中の硫酸銅(Cu2+)濃度とめっき電圧との相関関係を示した図である。
【0068】
図示するように、塩酸、硫酸、および硫酸銅いずれも、濃度が低くなるとめっき電圧が高くなる傾向となっている。このことから、めっき液中の無機成分濃度を増減させる(無機成分濃度を略一定に管理する)ことにより、めっき電圧を略一定に保つことができることがわかる。
【0069】
特に、塩酸においては、塩酸の濃度が低い場合にめっき電圧が高くなる傾向が強くなっている。これら図5(a)〜図5(c)の結果から、以下の計算式を用いて、ピアソンの積率相関関係係数を求めた結果を図6に示す。
【0070】
【数1】
【0071】
その結果、塩酸の場合に、相関関係係数は、図6に示すように、−0.943程度となり、強い相関関係があることが明らかとなった。そこで、図4にて説明したように、めっき電圧をモニタし、めっき電圧が設定電圧範囲内となるように基本液を補充して基本液中の塩酸濃度を規定範囲に保つ制御を行う。
【0072】
これにより、めっき電圧を略一定(設定電圧範囲内)に保つことができるので、めっき品質を向上させながら、電気めっき装置1におけるハードウェアトラブルの確率を低下させることができる。
【0073】
〈基本液中の塩酸濃度例〉
めっき電圧の設定電圧範囲は、直径300mmの半導体ウエハの場合、例えば、42V〜45V程度であり、このときの電流値は例えば、30A程度の低電流となる。そして、めっき電圧を42V〜45V程度とするには、めっき液中の塩酸(Cl-)を、例えば40g/L〜45g/L程度の濃度に保つように制御すればよい。
【0074】
〈めっき電圧と膜厚均一性/ハードウェアトラブルの相関例〉
図7は、めっき電圧(電極16,17間に印加される電圧)と膜厚均一性、およびめっき電圧とハードウェアトラブルの相関関係の一例をそれぞれ示した説明図である。
【0075】
図7において、横軸は、めっき電圧値を示しており、左側縦軸には、膜厚の均一性を示している。また、図7の右側縦軸には、一般的な電気めっき装置におけるハードウェアトラブル発生率を示している。
【0076】
図7の実線に示すように、めっき電圧が高くなるにしたがって、半導体ウエハに形成される銅めっきの膜厚均一性が向上しており、逆に、めっき電圧が低くなると銅めっきの膜厚均一性が悪化する傾向にある。
【0077】
これは、めっき電圧が高くなることによって、「発明が解決しようとする課題」にて述べたターミナル効果が低減するためである。
【0078】
一方、めっき電圧と電気めっき装置におけるハードウェアトラブル発生率では、図7の点線に示すように、めっき電圧が高くなるほど、ハードウェアトラブルの発生率が高くなり、めっき電圧が低くなるとハードウェアトラブルの発生率は低くなっている。
【0079】
このように、めっき電圧を高めて膜厚の均一性が高くなるようにした場合には、ハードウェアトラブルを防止するために、電気めっき装置のメンテナンス(例えば、電極の交換など)頻度が増加することにより、コスト増などの問題が発生してしまう。また、コスト増を抑制するために、めっき電圧を下げると、銅めっき膜の膜厚均一性が悪化してしまい、半導体装置の品質を低下させてしまう恐れがある。
【0080】
よって、電気銅めっき処理においては、メンテナンスを頻繁に行うことなく、電気めっき装置のハードウェアトラブルを防止しながら、膜厚均一性を維持するために、最適なめっき電圧を設定して管理することが重要となる。
【0081】
そこで、電気めっき装置1において、上述したように、めっき電圧が設定電圧範囲内となるように基本液を補充し、めっき電圧の強い相関関係を持つ塩酸(Cl-)の濃度を規定範囲に保つ制御を行うことにより、最適なめっき電圧を管理することができる。
【0082】
〈銅配線プロセス例〉
次に、電気めっき装置1が用いられる銅配線プロセス(配線の形成)について、図8のフローチャート、および図9の断面図を用いて説明する。また、図9は、図8におけるステップS304の処理が行われた際の断面図を示している。
【0083】
ここでは、プラグ(図示せず)が埋め込まれた層間絶縁膜(図示せず)上に第1層目の配線である配線(配線層)をダマシン技術によって形成する場合について説明する。
【0084】
まず、プラグが埋め込まれた層間絶縁膜上に、絶縁膜18を形成する(ステップS301)。絶縁膜18は、複数の絶縁膜の積層膜で形成することもできる。
【0085】
続いて、フォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとしたドライエッチングによって絶縁膜18の所定の領域に配線溝を形成した後(ステップS302)、配線溝の底部および側壁上を含む絶縁膜18上にバリア導体膜(例えば窒化チタン膜、タンタル膜または窒化タンタル膜など)を形成する。
【0086】
それから、CVD(Chemical Vapor Deposition)法またはスパッタリング法などにより、バリア導体膜上に銅のシード膜(シード層)19を形成し(ステップS303)、電解めっき法などを用いてシード膜19上に銅めっき膜20を形成して(ステップS304)、銅めっき膜20により配線溝の内部を埋め込む。このステップS304の処理において、電気めっき装置1を用いて電気めっきを施し、銅めっき膜20を形成する。
【0087】
その後、配線溝以外の領域の主導体膜(銅めっき膜およびシード膜)とバリア導体膜をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により除去して(ステップS305)、配線溝に埋め込まれた銅を主導電材料とする第1層目の配線を形成する。なお、図9では、図面の簡略化のために、バリア導体膜、シード膜を一体化して示してある。
【0088】
以上のようにして、本実施の形態の半導体装置における配線が製造される。
【0089】
それにより、本実施の形態1によれば、電気めっき装置1のハードウェアトラブルを低減させながら、均一な銅めっきを形成することができる。
【0090】
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2による電気めっき装置における構成の一例を示す説明図、図11は、図10の電気めっき装置に設けられた自動分析器によるめっき液中の基本液の濃度調整処理の一例を示したフローチャートである。
【0091】
〈実施の形態の概要〉
本実施の形態の第2の概要は、プラグが埋め込まれた層間絶縁膜が形成された半導体ウエハ(半導体ウエハW)を準備する工程と、層間絶縁膜上に、絶縁膜(絶縁膜18)を形成する工程と、ドライエッチングにより、絶縁膜の任意の領域に配線溝を形成する工程と、配線溝を含む絶縁膜上に銅のシード膜(シード膜19)を形成する工程と、電気めっき装置(電気めっき装置1)による電気めっき法を用いてシード膜上に銅めっき膜(銅めっき膜20)を形成する工程と、配線溝以外の領域の銅めっき膜、およびシード膜を除去し、配線溝に埋め込まれた前記銅めっき膜の配線を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法である。
【0092】
そして、めっき装置によって銅めっき膜を形成する工程において、半導体ウエハをめっき液に浸漬させて銅めっき膜を形成する際に、めっき液中の無機成分の濃度を検出し、無機成分の濃度が予め設定されている設定濃度範囲内であるか否かを判定する。
【0093】
この判定結果において、無機成分の濃度(塩酸)が設定濃度範囲内でない場合に、無機成分の濃度が設定濃度範囲内となるように、めっき液中の無機成分(基本液)の濃度を調整し、めっき電圧を略一定に管理する。
【0094】
以下、上記した概要に基づいて、実施の形態を詳細に説明する。
【0095】
本実施の形態2において、電気めっき装置1は、図10に示すように、めっきチャンバ2、めっき槽3、排液管4、送液管5、めっき液タンク6、ポンプ7、基本液補充管8、純水補充管9、排液管10、バルブ11〜13、自動分析器14、添加剤補給器15、ならびに電極16,17間から構成されており、これらの構成は、前記実施の形態1の図1と同様である。
【0096】
前記実施の形態1の図1における電気めっき装置と異なる点は、自動分析器14における分析動作である。この場合、図10の自動分析器14は、めっき液における添加剤だけではなく、基本液の成分分析を行い、その分析結果に基づいて、添加剤、および基本液の濃度調整を行う。よって、図10に示すように、自動分析器14には、電極16,17間の電圧(めっき電圧)を検出する機構が設けられていない。なお、自動分析器14による添加剤の濃度調整は、前記実施の形態1の図3に示した処理と同様である。
【0097】
次に、本実施の形態2による電気めっき装置1の自動分析器14における基本液の濃度調整技術について、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0098】
まず、自動分析器14は、めっき液タンク6のめっき液における塩酸(Cl-)の濃度を分析し、塩酸(Cl-)の濃度が予め設定されている設定濃度範囲内か否かを判断する(ステップS401)。
【0099】
塩酸(Cl-)の濃度が設定濃度範囲の下限を下回っている場合、自動分析器14は、検出した塩酸(Cl-)の濃度に基づいて、基本液の不足量を計算し(ステップS402)、バルブ11の動作制御を行い、不足分の基本液を補充して基本液中の塩酸(Cl-)の濃度が設定濃度範囲内となるように処理する(ステップS403)。
【0100】
続いて、自動分析器14は、めっき液タンク6内のめっき液が規定量を保つように、バルブ13の動作制御を行い、めっき液タンク6内のめっき液を廃液する(ステップS404)。
【0101】
また、ステップS401の処理において、検出した塩酸(Cl-)の濃度が設定濃度範囲の上限値を上回った場合、自動分析器14は、検出した塩酸(Cl-)の濃度に基づいて、基本液の超過量を算出し(ステップS405)、バルブ12の動作制御を行い、基本液の濃度が規定範囲内となるように純水をめっき液タンク6に補充する(ステップS406)。その後、ステップS404の処理を実行する。
【0102】
また、ステップS401の処理において、塩酸(Cl-)の濃度が、設定濃度範囲内である場合には、そのまま処理が終了となる。
【0103】
以上の処理により、めっき液タンク6内の基本液の濃度が略一定となるように管理される。
【0104】
なお、ここでは、塩酸(Cl-)の濃度を検出し、その検出結果に応じて、基本液を補充、あるいは純水を補充する場合について説明したが、図5(b)、図5(c)に示したように、めっき液中の硫酸濃度とめっき電圧、あるいはめっき液中の硫酸銅(Cu2+)濃度とめっき電圧においても、相関関係を有しているので、例えば、塩素濃度の代わりに硫酸、あるいは硫酸銅のいずれかの濃度を検出し、その濃度に応じて硫酸、または硫酸銅を補充するようにしてもよい。
【0105】
この図11における処理は、どのようなタイミングにて行ってもよく、例えば、ロット単位の銅めっき処理が終了する毎に行うようにしてもよいし、あるいは、銅めっき処理中(リアルタイム)に行うようにしてもよい。
【0106】
このように、図10の電気めっき装置1では、めっき電圧ではなく、基本液中の塩酸(Cl-)濃度を検出し、該塩酸(Cl-)濃度を設定範囲内に保つ制御を行うことにより、めっき電圧を略一定に保つことができる。
【0107】
それにより、本実施の形態2においても、めっき品質を向上させながら、電気めっき装置1におけるハードウェアトラブルの確率を低下させることができる。
【0108】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、半導体装置の製造プロセスにおいて電気めっき法を用いて配線などを形成する技術に適している。
【符号の説明】
【0110】
1 電気めっき装置
2 めっきチャンバ
3 めっき槽
4 排液管
5 送液管
6 めっき液タンク
7 ポンプ
8 基本液補充管
9 純水補充管
10 排液管
11 バルブ
12 バルブ
13 バルブ
14 自動分析器
15 添加剤補給器
16 電極
17 電極
18 絶縁膜
19 シード膜
20 銅めっき膜
W 半導体ウエハ
Dk 銅電極
Da 銅電極
PS 外部電源装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、電気めっき装置による銅めっき膜の形成に有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造プロセスにおいて、配線を電気めっき法を用いて形成する成膜技術が用いられている。この電気めっき法と呼ばれる成膜プロセスは、電気めっき装置を用いることにより、電子デバイスを接続する銅(Cu)配線を形成するプロセスである。
【0003】
電気めっき装置は、カソードが設けられた半導体ウエハをめっき槽に対して下向きに設置してめっき液に浸漬させ、カソードと該半導体ウエハに対向するように設けられたアノードとに電圧を印加し、半導体ウエハ外周部からシード膜(導電薄膜)を通して電流を流し、半導体ウエハ全面に銅めっき膜を成長させる。
【0004】
めっきの成膜時には、めっき液中の銅の析出量が積算電流量で決定されるために、アノード−カソード間に流れる電流が一定となるように電圧制御を行い、銅めっき膜厚の均一性を維持している。
【0005】
この種のめっき成膜技術については、たとえば、ダマシン配線などをめっき成膜する際に配線内のボトムアップ量や銅めっき膜中に含まれる不純物量を一定に保持することにより、半導体装置の電気的特性のばらつきを抑制するもの(たとえば、特許文献1参照)や、メッキ液中の促進剤、抑制剤、および塩素の濃度を検出し、該メッキ液中の促進剤濃度、抑制剤濃度、および塩素濃度を所定の濃度にすることにより、所定の濃度のメッキ液を維持するもの(たとえば、特許文献2参照)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−303417号公報
【特許文献2】特開2004−197183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記のような半導体装置の配線工程における電気めっきによる成膜技術では、次のような問題点があることが本発明者により見い出された。
【0008】
銅めっき膜厚の均一性を妨げる要因として、いわゆるターミナル効果(Terminal Effect)がある。めっき成膜の前工程において、半導体ウエハには、カソード電極として作用するシード膜が形成される。シード膜は、たとえば、スパッタ法などによって形成される銅などの金属薄膜からなる。
【0009】
ターミナル効果は、めっき成膜時において、シード膜の抵抗から生じる電圧降下によって、該半導体ウエハの中心部、およびその近傍の電流量が、半導体ウエハの外周部近傍に比べて少なくなり、半導体ウエハの中心部近傍の銅めっき膜厚が外周部近傍よりも薄くなってしまう現象である。
【0010】
このターミナル効果を低減させる対策としては、たとえば、めっき液中のアノードとカソードとの間に、たとえば、セラミックなどの高抵抗材料を配置し、実質的にめっき液抵抗を大きくすることによってシード膜の抵抗を低減させる技術が知られている。
【0011】
しかしながら、めっき液中に高抵抗材料を配置した場合、前述したようにめっき液抵抗が大きくなるので、ターゲットとなる電流値を流すためには、高抵抗材料を設置しない場合と比較して、アノード−カソード間により高い電圧印加が必要となってしまう。
【0012】
それにより、アノード、カソード、ならびに印加電圧を生成する電源回路などに大きな負荷がかかり、ハードウェアマージンが減少し、突発的なトラブルが発生してしまうという問題がある。
【0013】
本発明の目的は、電気めっき装置のハードウェアトラブルを低減しながら、銅めっき膜の均一性を保つことのできる技術を提供することにある。
【0014】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0016】
一実施の形態によれば、半導体装置の製造方法は、プラグが埋め込まれた層間絶縁膜が形成された半導体ウエハを準備する工程と、層間絶縁膜上に、絶縁膜を形成する工程と、ドライエッチングにより、絶縁膜の任意の領域に配線溝を形成する工程と、配線溝を含む絶縁膜上に銅のシード膜を形成する工程と、電気めっき装置による電気めっき法を用いてシード膜上に銅めっき膜を形成する工程と、配線溝以外の領域の銅めっき膜、およびシード膜を除去し、配線溝に埋め込まれた銅めっき膜の配線を形成する工程とを有する。
【0017】
そして、めっき装置によって銅めっき膜を形成する工程において、半導体ウエハをめっき液に浸漬させて銅めっき膜を形成する際に、陽極と陰極との間に印加されるめっき電圧を検出し、検出しためっき電圧が予め設定されている設定電圧範囲内であるか否かを判定する。
【0018】
この判定結果において、めっき電圧が設定電圧範囲の上限値よりも高い場合には、めっき液中の無機成分の濃度を調整し、めっき電圧の電圧値が設定電圧範囲内となるように制御する。
【0019】
さらに、本願のその他の概要を簡単に示す。
【0020】
他の実施の形態によれば、めっき装置によって銅めっき膜を形成する工程において、半導体ウエハをめっき液に浸漬させて銅めっき膜を形成する際に、めっき液中の無機成分の濃度を検出し、無機成分の濃度が予め設定されている設定濃度範囲内であるか否かを判定する。
【0021】
その判定結果において、無機成分の濃度が設定濃度範囲内でない場合には、めっき液中の無機成分の濃度が設定濃度範囲内となるように調整する制御を行う。
【発明の効果】
【0022】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0023】
電気めっき装置のハードウェアトラブルを低減しながら、銅めっき膜の均一性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態1による電気めっき装置における構成の一例を示す説明図である。
【図2】一般的な銅めっきの原理の説明図である。
【図3】図1の電気めっき装置に設けられた自動分析器によるめっき液中の添加剤の濃度調整処理の一例を示したフローチャートである。
【図4】図1の電気めっき装置に設けられた自動分析器によるめっき液中の基本液の濃度調整処理の一例を示したフローチャートである。
【図5】基本液を構成する無機成分と電気めっき装置の電極間に印加されるめっき電圧との相関関係の一例を示した説明図である。
【図6】図5の結果に基づいて求めたピアソンの積率相関関係係数の説明図である。
【図7】めっき電圧と膜厚均一性、およびめっき電圧と電気めっき装置のハードウェアトラブルの相関関係の一例をそれぞれ示した説明図である。
【図8】図1の電気めっき装置が用いられる銅配線プロセスの一例を示すフローチャートである。
【図9】図8におけるステップS304の処理が行われた際の配線層における断面図である。
【図10】本発明の実施の形態2による電気めっき装置における構成の一例を示す説明図である。
【図11】図10の電気めっき装置に設けられた自動分析器によるめっき液中の基本液の濃度調整処理の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による電気めっき装置における構成の一例を示す説明図、図2は、一般的な銅めっきの原理の説明図、図3は、図1の電気めっき装置に設けられた自動分析器によるめっき液中の添加剤の濃度調整処理の一例を示したフローチャート、図4は、図1の電気めっき装置に設けられた自動分析器によるめっき液中の基本液の濃度調整処理の一例を示したフローチャート、図5は、基本液を構成する無機成分と電気めっき装置の電極間に印加されるめっき電圧との相関関係の一例を示した説明図、図6は、図5の結果に基づいて求めたピアソンの積率相関関係係数の説明図、図7は、めっき電圧と膜厚均一性、およびめっき電圧と電気めっき装置のハードウェアトラブルの相関関係の一例をそれぞれ示した説明図、図8は、図1の電気めっき装置が用いられる銅配線プロセスの一例を示すフローチャート、図9は、図8におけるステップS304の処理が行われた際の配線層における断面図である。
【0027】
〈実施の形態の概要〉
本実施の形態の第1の概要は、プラグが埋め込まれた層間絶縁膜が形成された半導体ウエハ(半導体ウエハW)を準備する工程と、層間絶縁膜上に、絶縁膜(絶縁膜18)を形成する工程と、ドライエッチングにより、絶縁膜の任意の領域に配線溝を形成する工程と、配線溝を含む絶縁膜上に銅のシード膜(シード膜19)を形成する工程と、電気めっき装置(電気めっき装置1)による電気めっき法を用いてシード膜上に銅めっき膜(銅めっき膜20)を形成する工程と、配線溝以外の領域の銅めっき膜、およびシード膜を除去し、配線溝に埋め込まれた銅めっき膜の配線を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法である。
【0028】
そして、めっき装置によって銅めっき膜を形成する工程において、半導体ウエハをめっき液に浸漬させて銅めっき膜を形成する際に、陽極(電極16)と陰極(電極17)との間に印加されるめっき電圧を検出する。
【0029】
検出しためっき電圧が予め設定されている設定電圧範囲内であるか否かを判定し、その判定結果において、めっき電圧が設定電圧範囲内でない場合に、めっき液中の無機成分(基本液)の濃度を調整し、めっき電圧の電圧値が設定電圧範囲内となるように調整する。
【0030】
以下、上記した概要に基づいて、実施の形態を詳細に説明する。
【0031】
〈電気めっき装置の構成、およびめっき液の構成〉
本実施の形態1において、電気めっき装置1は、半導体ウエハなどの基板に対して湿式法により金属被膜を生成する装置である。電気めっき装置1には、図1に示すように、バスタブ状のめっきチャンバ2が設けられている。めっきチャンバ2内には、バスタブ形状のめっき槽3が設けられている。
【0032】
めっき槽3は、被処理基板となる半導体ウエハWを浸漬させるのに十分な量のめっき液を滞留させるバスタブ状の液槽である。めっきチャンバ2は、めっき槽3からオーバフローしためっき液を回収する。
【0033】
めっきチャンバ2には、排液管4が接続されており、めっき槽3には、送液管5が接続されている。排液管4は、めっき槽3からオーバフローして、めっきチャンバ2に貯まっためっき液をめっき液タンク6に排出する配管である。送液管5には、ポンプ7が設けられている。ポンプ7は、送液管5を介してめっき液タンク6に貯まっためっき液をめっき槽3に供給する。
【0034】
また、めっき液タンク6には、基本液補充管8、純水補充管9、および排液管10がそれぞれ設けられている。めっき液タンク6は、めっき液を貯蔵するタンクである。基本液補充管8には、バルブ11が設けられている。基本液補充管8は、後述するめっき基本液をバルブ11の開度に応じてめっき液タンク6に供給する。
【0035】
純水補充管9には、バルブ12が設けられている。この純水補充管9は、純水をバルブ12の開度に応じてめっき液タンク6に供給する。排液管10には、バルブ13が設けられている。排液管10は、バルブ13の開度に応じてめっき液タンク6の貯まっためっき液を排出する。
【0036】
ここで、電気めっき装置1に用いられるめっき液について説明する。
【0037】
半導体ウエハWに銅の成膜を行うめっき液は、前述した基本液と添加剤とを混合した液体である。基本液は、例えば、銅膜の原材料となる硫酸銅(CuSO4)、電解液となる硫酸(H2SO4)、および後述する添加剤に含まれる抑制剤を吸着促進させる塩酸(HCl)などの無機物質からなる。
【0038】
また、添加剤は、スルホプロピルジスルフィドなどの促進剤、ポリエチレングリコールなどの抑制剤、および窒素化合物などの平滑剤などの有機物質からなる。
【0039】
促進剤は、銅膜成長を促進し、埋め込み性能を向上させる。抑制剤は、銅膜成長を抑制し、例えば、半導体ウエハWにおけるパターン開口部の閉塞を防止する。平滑剤は、銅膜成長を抑制し、銅膜成長の平坦性を向上させる。
【0040】
さらに、めっき液タンク6には、自動分析器14が接続されている。この自動分析器14は、めっき液タンク6に貯まっているめっき液(基本液、および添加剤)の成分分析を行い、その結果に基づいて、該自動分析器14に接続されている添加剤補給器15、およびバルブ11〜13を制御する。
【0041】
添加剤補給器15は、自動分析器14の判定結果に基づいて、めっき液タンク6に各種成分の添加剤を補給する。例えば、自動分析器14は、めっき液中の平滑剤が不足していることを検出すると、平滑剤が最適な量(最適な濃度)となるように添加剤補給器15に制御信号を出力する。添加剤補給器15は、制御信号に基づいて平滑剤をめっき液タンク6に補給する。
【0042】
また、自動分析器14は、電極16,17間に印加されている電圧値をモニタし、そのモニタ結果に基づいて、基本液が任意の設定濃度範囲を保つようにバルブ11〜13の開閉制御を行う。
【0043】
ここで、バルブ11〜13は、自動分析器14による開閉制御ではなく、該自動分析器14が算出した結果に基づいて、作業者がバルブ11〜13を開閉して、基本液の濃度を任意の設定濃度に保つようにしてもよい。
【0044】
例えば、自動分析器14は、検出した電圧値から、基本液が設定濃度の上限を超えている(設定濃度範囲よりも濃い)と判断した際、自動分析器14は、めっき液タンク6に純水を補給するとともに、めっき液タンク6内のめっき液が略一定となるように、めっき液タンク6内のめっき液を廃液し、めっき液タンク6内の基本液が任意の設定濃度となるようにバルブ12,13の動作制御を行う。
【0045】
基本液が設定濃度の下限以下(設定濃度範囲よりも薄い)の場合には、めっき液タンク6に基本液を補給し、めっき液タンク6内の基本液が任意の設定濃度となるようにバルブ11,13の動作制御を行う。
【0046】
また、めっき槽3の底部には、陽極の電極16が設けられており、この電極16と対向するように、陰極の電極17が設けられている。電極16,17には、任意の電圧を印加する低電流電源などからなる電源装置(図示せず)が接続されている。
【0047】
また、電極17には、半導体ウエハWを保持する保持機構(図示せず)が設けられている。半導体ウエハWは、保持機構に保持された際に、該半導体ウエハに形成されたシード膜のうち、半導体ウエハWの外周部に形成されているシード膜が電気コンタクトを介して電極17に接続される。
【0048】
シード膜は、電気めっき装置1によるめっき成膜の前工程において、半導体ウエハWに形成される金属薄膜であり、例えば、銅などの材料が用いられる。シード膜は、前述したようにコンタクトを介して電極17に接続され、カソード電極として作用する。
【0049】
〈銅めっきの原理〉
ここで、一般的な銅めっきの原理について、図2の説明図を用いて説明する。
【0050】
硫酸銅溶液に浸した2つの銅電極Dk,Daに外部電源装置PSから一定の電圧Vを印加すると、次のような反応が起きる。
【0051】
陰極(銅電極Dk):Cu2++2e- →Cu
陽極(銅電極Da):Cu →Cu2+ +2e-
この時、陰極(銅電極Dk)に析出する銅(Cu)の量は、銅電極間に流れた電流値と時間の積(電気量)で決定される。銅めっきにて半導体ウエハW上に銅を成膜する場合、銅シード膜を被着した半導体ウエハを陰極として、上記の電気化学反応を用いる。
【0052】
〈自動分析器による添加剤の濃度調整例〉
次に、本実施の形態の電気めっき装置1によるめっき液の濃度調整技術について説明する。
【0053】
図3は、自動分析器14によるめっき液中の添加剤(有機成分)の濃度調整を行う場合の一例を示したフローチャートである。
【0054】
まず、自動分析器14がめっき液タンク6のめっき液における各添加剤(促進剤、抑制剤、および平滑剤)の濃度を分析し、各添加剤の濃度が予め設定されている基準濃度値以下か否かを判断する(ステップS101)。また、このステップS101の処理において、各添加剤の濃度が予め設定されている基準濃度値よりも高い場合には、そのまま処理が終了となる。
【0055】
各添加剤の濃度が基準濃度値以下の場合、自動分析器14は、基準濃度値以下となっている添加剤の不足量を計算し(ステップS102)、添加剤補給器15に制御信号を出力する。添加剤補給器15は、自動分析器14からの制御信号を受けて、めっき液タンク6に該当する添加剤を供給し、添加剤濃度が基準濃度値程度となるように添加剤を補充する(ステップS103)。
【0056】
〈自動分析器による基本液の濃度調整例〉
続いて、電気めっき装置1の自動分析器14による基本液の濃度調整技術について説明する。
【0057】
図4は、自動分析器14によるめっき液中の基本液(無機成分)の濃度調整の一例を示したフローチャートである。
【0058】
まず、自動分析器14は、電極16,17間に印加されている電圧(めっき電圧)を検出し、その電圧値が予め設定されている設定電圧範囲内であるか否かを判断する(ステップS201)。
【0059】
検出した電圧値が、設定電圧範囲の下限値よりも低い場合、自動分析器14は、検出した電圧値に基づいて、基本液の不足量を算出し(ステップS202)、不足分の基本液を補充するようにバルブ11の動作制御を行う(ステップS203)。
【0060】
続いて、自動分析器14は、めっき液タンク6内のめっき液が規定量を保つように、バルブ13の動作制御を行い、めっき液タンク6内のめっき液を廃液する(ステップS204)。
【0061】
また、ステップS201の処理において、検出した電圧値が設定電圧範囲の上限値よりも高い場合、自動分析器14は、検出した電圧値に基づいて、基本液の超過量を算出し(ステップS205)、バルブ12の動作制御を行い、基本液の濃度が規定範囲内となるように純水をめっき液タンク6に補充して(ステップS206)めっき液を薄めた後、ステップS204の処理を実行する。
【0062】
また、ステップS201の処理において、電極16,17間に印加されている電圧(めっき電圧)が、予め設定されている設定電圧範囲内である場合には、そのまま処理が終了となる。
【0063】
以上の処理により、めっき液タンク6内の基本液における無機成分の濃度が略一定となるように管理される。
【0064】
この図4におけるステップS203,S204,S206の処理は、どのようなタイミングにて行ってもよく、例えば、半導体ウエハのロット単位の銅めっき処理が終了する毎に行うようにしてもよいし、あるいは、銅めっき処理中に行うようにして、リアルタイム制御を行うようにしてもよい。
【0065】
〈めっき液の基本液とめっき電極との関係〉
次に、めっき液における基本液とめっき電圧との相関関係について説明する。
【0066】
図5は、基本液を構成する無機成分の濃度と電極16,17間に印加されるめっき電圧との相関関係の一例を示した説明図である。
【0067】
図5(a)は、めっき液中の塩酸(Cl-)濃度とめっき電圧との相関関係を示した図であり、図5(b)は、めっき液中の硫酸濃度とめっき電圧との相関関係を示した図であり、図5(c)は、めっき液中の硫酸銅(Cu2+)濃度とめっき電圧との相関関係を示した図である。
【0068】
図示するように、塩酸、硫酸、および硫酸銅いずれも、濃度が低くなるとめっき電圧が高くなる傾向となっている。このことから、めっき液中の無機成分濃度を増減させる(無機成分濃度を略一定に管理する)ことにより、めっき電圧を略一定に保つことができることがわかる。
【0069】
特に、塩酸においては、塩酸の濃度が低い場合にめっき電圧が高くなる傾向が強くなっている。これら図5(a)〜図5(c)の結果から、以下の計算式を用いて、ピアソンの積率相関関係係数を求めた結果を図6に示す。
【0070】
【数1】
【0071】
その結果、塩酸の場合に、相関関係係数は、図6に示すように、−0.943程度となり、強い相関関係があることが明らかとなった。そこで、図4にて説明したように、めっき電圧をモニタし、めっき電圧が設定電圧範囲内となるように基本液を補充して基本液中の塩酸濃度を規定範囲に保つ制御を行う。
【0072】
これにより、めっき電圧を略一定(設定電圧範囲内)に保つことができるので、めっき品質を向上させながら、電気めっき装置1におけるハードウェアトラブルの確率を低下させることができる。
【0073】
〈基本液中の塩酸濃度例〉
めっき電圧の設定電圧範囲は、直径300mmの半導体ウエハの場合、例えば、42V〜45V程度であり、このときの電流値は例えば、30A程度の低電流となる。そして、めっき電圧を42V〜45V程度とするには、めっき液中の塩酸(Cl-)を、例えば40g/L〜45g/L程度の濃度に保つように制御すればよい。
【0074】
〈めっき電圧と膜厚均一性/ハードウェアトラブルの相関例〉
図7は、めっき電圧(電極16,17間に印加される電圧)と膜厚均一性、およびめっき電圧とハードウェアトラブルの相関関係の一例をそれぞれ示した説明図である。
【0075】
図7において、横軸は、めっき電圧値を示しており、左側縦軸には、膜厚の均一性を示している。また、図7の右側縦軸には、一般的な電気めっき装置におけるハードウェアトラブル発生率を示している。
【0076】
図7の実線に示すように、めっき電圧が高くなるにしたがって、半導体ウエハに形成される銅めっきの膜厚均一性が向上しており、逆に、めっき電圧が低くなると銅めっきの膜厚均一性が悪化する傾向にある。
【0077】
これは、めっき電圧が高くなることによって、「発明が解決しようとする課題」にて述べたターミナル効果が低減するためである。
【0078】
一方、めっき電圧と電気めっき装置におけるハードウェアトラブル発生率では、図7の点線に示すように、めっき電圧が高くなるほど、ハードウェアトラブルの発生率が高くなり、めっき電圧が低くなるとハードウェアトラブルの発生率は低くなっている。
【0079】
このように、めっき電圧を高めて膜厚の均一性が高くなるようにした場合には、ハードウェアトラブルを防止するために、電気めっき装置のメンテナンス(例えば、電極の交換など)頻度が増加することにより、コスト増などの問題が発生してしまう。また、コスト増を抑制するために、めっき電圧を下げると、銅めっき膜の膜厚均一性が悪化してしまい、半導体装置の品質を低下させてしまう恐れがある。
【0080】
よって、電気銅めっき処理においては、メンテナンスを頻繁に行うことなく、電気めっき装置のハードウェアトラブルを防止しながら、膜厚均一性を維持するために、最適なめっき電圧を設定して管理することが重要となる。
【0081】
そこで、電気めっき装置1において、上述したように、めっき電圧が設定電圧範囲内となるように基本液を補充し、めっき電圧の強い相関関係を持つ塩酸(Cl-)の濃度を規定範囲に保つ制御を行うことにより、最適なめっき電圧を管理することができる。
【0082】
〈銅配線プロセス例〉
次に、電気めっき装置1が用いられる銅配線プロセス(配線の形成)について、図8のフローチャート、および図9の断面図を用いて説明する。また、図9は、図8におけるステップS304の処理が行われた際の断面図を示している。
【0083】
ここでは、プラグ(図示せず)が埋め込まれた層間絶縁膜(図示せず)上に第1層目の配線である配線(配線層)をダマシン技術によって形成する場合について説明する。
【0084】
まず、プラグが埋め込まれた層間絶縁膜上に、絶縁膜18を形成する(ステップS301)。絶縁膜18は、複数の絶縁膜の積層膜で形成することもできる。
【0085】
続いて、フォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとしたドライエッチングによって絶縁膜18の所定の領域に配線溝を形成した後(ステップS302)、配線溝の底部および側壁上を含む絶縁膜18上にバリア導体膜(例えば窒化チタン膜、タンタル膜または窒化タンタル膜など)を形成する。
【0086】
それから、CVD(Chemical Vapor Deposition)法またはスパッタリング法などにより、バリア導体膜上に銅のシード膜(シード層)19を形成し(ステップS303)、電解めっき法などを用いてシード膜19上に銅めっき膜20を形成して(ステップS304)、銅めっき膜20により配線溝の内部を埋め込む。このステップS304の処理において、電気めっき装置1を用いて電気めっきを施し、銅めっき膜20を形成する。
【0087】
その後、配線溝以外の領域の主導体膜(銅めっき膜およびシード膜)とバリア導体膜をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により除去して(ステップS305)、配線溝に埋め込まれた銅を主導電材料とする第1層目の配線を形成する。なお、図9では、図面の簡略化のために、バリア導体膜、シード膜を一体化して示してある。
【0088】
以上のようにして、本実施の形態の半導体装置における配線が製造される。
【0089】
それにより、本実施の形態1によれば、電気めっき装置1のハードウェアトラブルを低減させながら、均一な銅めっきを形成することができる。
【0090】
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2による電気めっき装置における構成の一例を示す説明図、図11は、図10の電気めっき装置に設けられた自動分析器によるめっき液中の基本液の濃度調整処理の一例を示したフローチャートである。
【0091】
〈実施の形態の概要〉
本実施の形態の第2の概要は、プラグが埋め込まれた層間絶縁膜が形成された半導体ウエハ(半導体ウエハW)を準備する工程と、層間絶縁膜上に、絶縁膜(絶縁膜18)を形成する工程と、ドライエッチングにより、絶縁膜の任意の領域に配線溝を形成する工程と、配線溝を含む絶縁膜上に銅のシード膜(シード膜19)を形成する工程と、電気めっき装置(電気めっき装置1)による電気めっき法を用いてシード膜上に銅めっき膜(銅めっき膜20)を形成する工程と、配線溝以外の領域の銅めっき膜、およびシード膜を除去し、配線溝に埋め込まれた前記銅めっき膜の配線を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法である。
【0092】
そして、めっき装置によって銅めっき膜を形成する工程において、半導体ウエハをめっき液に浸漬させて銅めっき膜を形成する際に、めっき液中の無機成分の濃度を検出し、無機成分の濃度が予め設定されている設定濃度範囲内であるか否かを判定する。
【0093】
この判定結果において、無機成分の濃度(塩酸)が設定濃度範囲内でない場合に、無機成分の濃度が設定濃度範囲内となるように、めっき液中の無機成分(基本液)の濃度を調整し、めっき電圧を略一定に管理する。
【0094】
以下、上記した概要に基づいて、実施の形態を詳細に説明する。
【0095】
本実施の形態2において、電気めっき装置1は、図10に示すように、めっきチャンバ2、めっき槽3、排液管4、送液管5、めっき液タンク6、ポンプ7、基本液補充管8、純水補充管9、排液管10、バルブ11〜13、自動分析器14、添加剤補給器15、ならびに電極16,17間から構成されており、これらの構成は、前記実施の形態1の図1と同様である。
【0096】
前記実施の形態1の図1における電気めっき装置と異なる点は、自動分析器14における分析動作である。この場合、図10の自動分析器14は、めっき液における添加剤だけではなく、基本液の成分分析を行い、その分析結果に基づいて、添加剤、および基本液の濃度調整を行う。よって、図10に示すように、自動分析器14には、電極16,17間の電圧(めっき電圧)を検出する機構が設けられていない。なお、自動分析器14による添加剤の濃度調整は、前記実施の形態1の図3に示した処理と同様である。
【0097】
次に、本実施の形態2による電気めっき装置1の自動分析器14における基本液の濃度調整技術について、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0098】
まず、自動分析器14は、めっき液タンク6のめっき液における塩酸(Cl-)の濃度を分析し、塩酸(Cl-)の濃度が予め設定されている設定濃度範囲内か否かを判断する(ステップS401)。
【0099】
塩酸(Cl-)の濃度が設定濃度範囲の下限を下回っている場合、自動分析器14は、検出した塩酸(Cl-)の濃度に基づいて、基本液の不足量を計算し(ステップS402)、バルブ11の動作制御を行い、不足分の基本液を補充して基本液中の塩酸(Cl-)の濃度が設定濃度範囲内となるように処理する(ステップS403)。
【0100】
続いて、自動分析器14は、めっき液タンク6内のめっき液が規定量を保つように、バルブ13の動作制御を行い、めっき液タンク6内のめっき液を廃液する(ステップS404)。
【0101】
また、ステップS401の処理において、検出した塩酸(Cl-)の濃度が設定濃度範囲の上限値を上回った場合、自動分析器14は、検出した塩酸(Cl-)の濃度に基づいて、基本液の超過量を算出し(ステップS405)、バルブ12の動作制御を行い、基本液の濃度が規定範囲内となるように純水をめっき液タンク6に補充する(ステップS406)。その後、ステップS404の処理を実行する。
【0102】
また、ステップS401の処理において、塩酸(Cl-)の濃度が、設定濃度範囲内である場合には、そのまま処理が終了となる。
【0103】
以上の処理により、めっき液タンク6内の基本液の濃度が略一定となるように管理される。
【0104】
なお、ここでは、塩酸(Cl-)の濃度を検出し、その検出結果に応じて、基本液を補充、あるいは純水を補充する場合について説明したが、図5(b)、図5(c)に示したように、めっき液中の硫酸濃度とめっき電圧、あるいはめっき液中の硫酸銅(Cu2+)濃度とめっき電圧においても、相関関係を有しているので、例えば、塩素濃度の代わりに硫酸、あるいは硫酸銅のいずれかの濃度を検出し、その濃度に応じて硫酸、または硫酸銅を補充するようにしてもよい。
【0105】
この図11における処理は、どのようなタイミングにて行ってもよく、例えば、ロット単位の銅めっき処理が終了する毎に行うようにしてもよいし、あるいは、銅めっき処理中(リアルタイム)に行うようにしてもよい。
【0106】
このように、図10の電気めっき装置1では、めっき電圧ではなく、基本液中の塩酸(Cl-)濃度を検出し、該塩酸(Cl-)濃度を設定範囲内に保つ制御を行うことにより、めっき電圧を略一定に保つことができる。
【0107】
それにより、本実施の形態2においても、めっき品質を向上させながら、電気めっき装置1におけるハードウェアトラブルの確率を低下させることができる。
【0108】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、半導体装置の製造プロセスにおいて電気めっき法を用いて配線などを形成する技術に適している。
【符号の説明】
【0110】
1 電気めっき装置
2 めっきチャンバ
3 めっき槽
4 排液管
5 送液管
6 めっき液タンク
7 ポンプ
8 基本液補充管
9 純水補充管
10 排液管
11 バルブ
12 バルブ
13 バルブ
14 自動分析器
15 添加剤補給器
16 電極
17 電極
18 絶縁膜
19 シード膜
20 銅めっき膜
W 半導体ウエハ
Dk 銅電極
Da 銅電極
PS 外部電源装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグが埋め込まれた層間絶縁膜が形成された半導体ウエハを準備する工程と、
前記層間絶縁膜上に、絶縁膜を形成する工程と、
ドライエッチングにより、前記絶縁膜の任意の領域に配線溝を形成する工程と、
前記配線溝を含む前記絶縁膜上に銅のシード膜を形成する工程と、
電気めっき装置による電気めっき法を用いて前記シード膜上に銅めっき膜を形成する工程と、
前記配線溝以外の領域の前記銅めっき膜、および前記シード膜を除去し、前記配線溝に埋め込まれた前記銅めっき膜の配線を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法であって、
前記電気めっき装置によって前記銅めっき膜を形成する工程において、
前記半導体ウエハをめっき液に浸漬させて銅めっき膜を形成する際に、陽極と陰極との間に印加されるめっき電圧を検出し、検出した前記めっき電圧が予め設定されている設定電圧範囲内であるか否かを判定し、前記判定結果において、前記めっき電圧が前記設定電圧範囲内でない場合、前記めっき電圧の電圧値が前記設定電圧範囲内となるように、前記めっき液中の無機成分の濃度を調整することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記めっき電圧が前記設定電圧範囲の上限値よりも高い場合には、
前記めっき電圧に応じて前記めっき液中の無機成分の濃度が高くなるように調整し、前記判定結果において、前記めっき電圧が前記設定電圧範囲の下限値よりも低い場合には、前記めっき電圧の電圧値に応じて前記めっき液中の無機成分の濃度が低くなるように調整することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記めっき液中の無機成分の濃度調整は、
前記めっき電圧が前記設定電圧範囲の上限値よりも高い場合には、塩酸を前記めっき液中に補充することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記めっき電圧が前記設定電圧範囲の上限値よりも高い場合には、前記めっき液を構成する基本液を補充し、
前記基本液は、
硫酸銅、硫酸、および塩酸を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記めっき電圧が前記設定電圧範囲の下限値よりも低い場合には、純水を補充することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記無機成分の濃度調整は、
前記半導体ウエハの銅めっき膜の形成中に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記無機成分の濃度調整は、
前記めっき電圧を検出した際に銅めっき膜が形成される半導体ウエハの処理が終了し、新たな半導体ウエハへの銅めっき膜を形成する前に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
プラグが埋め込まれた層間絶縁膜が形成された半導体ウエハを準備する工程と、
前記層間絶縁膜上に、絶縁膜を形成する工程と、
ドライエッチングにより、前記絶縁膜の任意の領域に配線溝を形成する工程と、
前記配線溝を含む前記絶縁膜上に銅のシード膜を形成する工程と、
電気めっき装置による電気めっき法を用いて前記シード膜上に銅めっき膜を形成する工程と、
前記配線溝以外の領域の前記銅めっき膜、および前記シード膜を除去し、前記配線溝に埋め込まれた前記銅めっき膜の配線を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法であって、
前記電気めっき装置によって前記銅めっき膜を形成する工程において、
前記半導体ウエハをめっき液に浸漬させて銅めっき膜を形成する際に、前記めっき液中の無機成分の濃度を検出し、前記無機成分の濃度が予め設定されている設定濃度範囲内であるか否かを判定し、前記判定結果において、前記無機成分の濃度が前記設定濃度範囲内でない場合、前記無機成分の濃度が前記設定濃度範囲内となるように、前記めっき液中の無機成分の濃度を調整することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8記載の半導体装置の製造方法において、
検出する前記無機成分の濃度は、前記めっき液中の塩酸の濃度であって、前記無機成分の濃度が前記設定濃度範囲の上限値よりも高い場合、塩酸を前記めっき液中に補充することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項8記載の半導体装置の製造方法において、
検出する前記無機成分の濃度は、前記めっき液中の塩酸の濃度であって、前記無機成分の濃度が前記設定濃度範囲の上限値よりも高い場合、前記めっき液を構成する基本液を補充し、
前記基本液は、
硫酸銅、硫酸、および塩酸を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記無機成分の濃度が前記設定濃度範囲の下限値よりも低い場合には、純水を補充することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記無機成分濃度の調整は、
前記半導体ウエハの銅めっき膜の形成中に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項8〜11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記無機成分濃度の調整は、
前記無機成分の濃度を検出した際に銅めっき膜が形成される半導体ウエハの処理が終了し、新たな半導体ウエハへの銅めっき膜を形成する前に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項1】
プラグが埋め込まれた層間絶縁膜が形成された半導体ウエハを準備する工程と、
前記層間絶縁膜上に、絶縁膜を形成する工程と、
ドライエッチングにより、前記絶縁膜の任意の領域に配線溝を形成する工程と、
前記配線溝を含む前記絶縁膜上に銅のシード膜を形成する工程と、
電気めっき装置による電気めっき法を用いて前記シード膜上に銅めっき膜を形成する工程と、
前記配線溝以外の領域の前記銅めっき膜、および前記シード膜を除去し、前記配線溝に埋め込まれた前記銅めっき膜の配線を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法であって、
前記電気めっき装置によって前記銅めっき膜を形成する工程において、
前記半導体ウエハをめっき液に浸漬させて銅めっき膜を形成する際に、陽極と陰極との間に印加されるめっき電圧を検出し、検出した前記めっき電圧が予め設定されている設定電圧範囲内であるか否かを判定し、前記判定結果において、前記めっき電圧が前記設定電圧範囲内でない場合、前記めっき電圧の電圧値が前記設定電圧範囲内となるように、前記めっき液中の無機成分の濃度を調整することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記めっき電圧が前記設定電圧範囲の上限値よりも高い場合には、
前記めっき電圧に応じて前記めっき液中の無機成分の濃度が高くなるように調整し、前記判定結果において、前記めっき電圧が前記設定電圧範囲の下限値よりも低い場合には、前記めっき電圧の電圧値に応じて前記めっき液中の無機成分の濃度が低くなるように調整することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記めっき液中の無機成分の濃度調整は、
前記めっき電圧が前記設定電圧範囲の上限値よりも高い場合には、塩酸を前記めっき液中に補充することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記めっき電圧が前記設定電圧範囲の上限値よりも高い場合には、前記めっき液を構成する基本液を補充し、
前記基本液は、
硫酸銅、硫酸、および塩酸を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記めっき電圧が前記設定電圧範囲の下限値よりも低い場合には、純水を補充することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記無機成分の濃度調整は、
前記半導体ウエハの銅めっき膜の形成中に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記無機成分の濃度調整は、
前記めっき電圧を検出した際に銅めっき膜が形成される半導体ウエハの処理が終了し、新たな半導体ウエハへの銅めっき膜を形成する前に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
プラグが埋め込まれた層間絶縁膜が形成された半導体ウエハを準備する工程と、
前記層間絶縁膜上に、絶縁膜を形成する工程と、
ドライエッチングにより、前記絶縁膜の任意の領域に配線溝を形成する工程と、
前記配線溝を含む前記絶縁膜上に銅のシード膜を形成する工程と、
電気めっき装置による電気めっき法を用いて前記シード膜上に銅めっき膜を形成する工程と、
前記配線溝以外の領域の前記銅めっき膜、および前記シード膜を除去し、前記配線溝に埋め込まれた前記銅めっき膜の配線を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法であって、
前記電気めっき装置によって前記銅めっき膜を形成する工程において、
前記半導体ウエハをめっき液に浸漬させて銅めっき膜を形成する際に、前記めっき液中の無機成分の濃度を検出し、前記無機成分の濃度が予め設定されている設定濃度範囲内であるか否かを判定し、前記判定結果において、前記無機成分の濃度が前記設定濃度範囲内でない場合、前記無機成分の濃度が前記設定濃度範囲内となるように、前記めっき液中の無機成分の濃度を調整することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8記載の半導体装置の製造方法において、
検出する前記無機成分の濃度は、前記めっき液中の塩酸の濃度であって、前記無機成分の濃度が前記設定濃度範囲の上限値よりも高い場合、塩酸を前記めっき液中に補充することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項8記載の半導体装置の製造方法において、
検出する前記無機成分の濃度は、前記めっき液中の塩酸の濃度であって、前記無機成分の濃度が前記設定濃度範囲の上限値よりも高い場合、前記めっき液を構成する基本液を補充し、
前記基本液は、
硫酸銅、硫酸、および塩酸を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記無機成分の濃度が前記設定濃度範囲の下限値よりも低い場合には、純水を補充することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記無機成分濃度の調整は、
前記半導体ウエハの銅めっき膜の形成中に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項8〜11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記無機成分濃度の調整は、
前記無機成分の濃度を検出した際に銅めっき膜が形成される半導体ウエハの処理が終了し、新たな半導体ウエハへの銅めっき膜を形成する前に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−77619(P2013−77619A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215188(P2011−215188)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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