半導体装置の製造方法

【課題】 本発明は、コンタクト抵抗のばらつきを抑制し、高精度の抵抗素子とMOS型トランジスタを混載することができる半導体装置の製法方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 MOS型トランジスタ構造が形成された第1導電型の半導体基板1上に絶縁膜6を形成し、この表面に抵抗素子となる導電膜7を形成し、この表面にエッチング停止層8を形成した後、この導電膜とエッチング停止層をパターニングし、抵抗素子構造を形成し、前記MOS型トランジスタ構造および抵抗素子の表面を覆う層間絶縁膜9を形成し、前記絶縁膜と前記層間絶縁膜を選択的にエッチングして、前記拡散層、前記ゲート電極および前記抵抗素子にそれぞれ電気的に接続するためのコンタクトホール10を形成する工程により半導体装置を製造する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特にMOS型トランジスタと終端抵抗素子を混載する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高速信号を伝送する回路では、信号の伝送線の特性インピーダンスと負荷インピーダンスが等しくないと信号が反射して波形が歪んでしまう。LSI間でも高速信号を伝送するためには、不要な反射が発生しないようにインピーダンスの整合が必要である。近年、LSIの多機能化が進み、インピーダンス整合をとるための終端抵抗もLSIに内蔵する必要性が高くなってきている。
【0003】終端抵抗は、50Ω程度の低抵抗、かつ高精度であることが重要である。終端抵抗値がばらつくとインピーダンス整合が取れなくなりLSIが機能しなくなってしまう。LSI内に終端抵抗素子を形成する場合、抵抗値のばらつきを抑制することが課題となる。抵抗値を決める主要素は、層抵抗とコンタクト抵抗である。高精度で、しかも50Ω程度の低抵抗な終端抵抗素子を形成する場合、層抵抗のばらつきだけでなく、コンタクト抵抗のばらつきも低減する必要がある。
【0004】従来のMOS型トランジスタと抵抗素子を混載した半導体装置の製造方法を図2を用いて説明する。
【0005】図2(a)に示すように、シリコン基板21上のフィールド酸化膜22を形成し、フィールド酸化膜で囲まれた領域にゲート酸化膜23を形成し、ゲート酸化膜上にゲート電極24を形成する。次に、ゲート電極の側面に酸化膜の側壁を形成し、イオン注入によりソース、ドレイン拡散層25を形成する。次に、気相成長法(CVD法)により酸化膜26を100nm程度堆積する。
【0006】次に、図2(b)に示すように、抵抗素子となるタングステンシリサイド27をスパッタ法により100〜200nm程度堆積し、フォトリソグラフィー工程と異方性エッチングによりタングステンシリサイド27をパターニングする。
【0007】次に、図2(c)に示すように、層間絶縁酸化膜28を堆積し、平坦化を行った後、フォトリソグラフィー工程と異方性エッチングによりコンタクトホール29を形成する。次に、700〜800℃の熱処理を行いタングステンシリサイドを低抵抗化する。
【0008】その後、アルミ電極を形成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記した製造方法は、トランジスタの拡散層と抵抗素子となるタングステンシリサイド層との間には200〜300nm程度の段差があるため、拡散層上とタングステンシリサイド上の層間絶縁酸化膜の厚さが異なり、コンタクトホール形成時にタングステンシリサイドにオーバーエッチングが加わってしまう。
【0010】例えば、拡散層上の層間絶縁酸化膜厚が800nmとすると、タングステンシリサイド上の層間絶縁酸化膜厚は500〜600nmとなる。拡散層上に確実にコンタクトホールを形成するために30%程度のオーバーエッチングを行うとすると、タングステンシリサイドには、約80%のオーバーエッチングが加わることになる。オーバーエッチング量が増加すると、タングステンシリサイドが削られる量も増加して、コンタクト抵抗にばらつきが発生する。
【0011】本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、コンタクト抵抗のばらつきを抑制し、高精度の抵抗素子とMOS型トランジスタを混載することができる半導体装置の製法方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1導電型の半導体基板上に素子分離領域で分離された領域と、前記第1導電型の半導体基板上にゲート酸化膜を介して設けられたゲート電極と、第2導電型の拡散層を有するMOS型トランジスタ構造を形成する工程と、このMOS型トランジスタ構造が形成された第1導電型の半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、この絶縁膜の表面に抵抗素子となる導電膜を形成する工程と、この導電膜の表面にエッチング停止層を形成する工程と、この導電膜とエッチング停止層をパターニングし、エッチング停止層を上面に有する抵抗素子を形成する工程と、前記MOS型トランジスタ構造および抵抗素子の表面を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜と前記層間絶縁膜を選択的にエッチングして、前記拡散層、前記ゲート電極および前記抵抗素子にそれぞれ電気的に接続するためのコンタクトホールを形成する工程とを含む半導体装置の製造方法である。
【0013】本発明では、このように抵抗素子形成層の上部にエッチング停止層を設けることで抵抗素子形成層にオーバーエッチングが加わることを抑制してコンタクト抵抗のばらつきを低減し、抵抗素子の精度を向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】前記絶縁膜としては、絶縁材料であればどのようなものでも用いることができるが、シリコン酸化膜等を用いることができる。
【0015】また、MOS型トランジスタ構造についても特に制限はないが、ゲート電極と拡散層上に、チタン、コバルト、モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる高融点金属とシリコンとのシリサイド化反応によって形成されたシリサイド層を有する構造を採用することができる。
【0016】前記導電膜としては、従来より抵抗素子として用いられているものを用いることができ、例えばタングステンシリサイドまたは窒化チタンを用いて成膜することができる。
【0017】前記エッチング停止層としては、ある程度の導電性があって、絶縁膜とのエッチング選択比の大きな材料で形成する。エッチング選択比は大きいほど好ましいが、10程度以上あれば通常は十分である。このような材料として、シリコンを挙げることができる。また、エッチング停止層の層厚は、エッチング選択比を勘案して決めることが好ましい。
【0018】本発明では、ばらつきの少ない抵抗素子を形成することができるので、終端抵抗素子として用いることができる。
【0019】
【実施例】次に、本発明について図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明の実施例を製造工程順に示す断面図である。
【0020】まず、図1(a)に示すように、シリコン基板1の不活性領域にフィールド酸化膜2を、活性領域に膜厚5〜10nmのゲート酸化膜3を形成する。次に、ゲート酸化膜3上に多結晶シリコン4を150〜200nm程度形成する。
【0021】次に、フォトソグラフィー工程と異方性エッチングによりゲート電極4としてパターニングする。次に、CVD法により酸化膜を100nm程度形成し、その後、異方性エッチングにより酸化膜をエッチングし、ゲート電極4の側面に酸化膜の側壁を形成する。さらに、イオン注入を行い、熱処理を行って、拡散層5を形成する。その後、CVD法により酸化膜6を100nm程度形成する。
【0022】次に、図1(b)に示すように、抵抗素子となるタングステンシリサイド7をスパッタ法により30〜200nm程度堆積する。さらにエッチング停止層として、シリコン8をスパッタ法により20〜50nm程度堆積する。次に、フォトリソグラフィー工程と異方性エッチングによりタングステンシリサイド7とシリコン8をパターニングする。
【0023】次に、図1(c)に示すように、層間絶縁酸化膜9を1000nm程度形成する。さらに、化学的機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)により平坦化を行い、層間絶縁酸化膜9を約800nmにする。次に、フォトリソグラフィー工程と異方性エッチングによりコンタクトホール10を形成する。
【0024】その後、チタンを30〜50nm程度、窒化チタンを100nm程度堆積して、700〜800℃の熱処理を行ってタングステンシリサイドを低抵抗化した後、アルミ電極を形成する。
【0025】この実施例にエッチング停止層として用いたシリコンは、タングステンシリサイドに比べて層抵抗が十分に大きいので、抵抗素子の抵抗値はタングステンシリサイドの膜厚で制御できる。また、酸化膜に対して、10〜20のエッチング選択比が容易に得られる。
【0026】拡散層上の実質的なエッチング量と抵抗素子上の実質的なエッチング量が等しくなるように、シリコンの膜厚の目安は以下のようにして決めればよい。拡散層上の層間絶縁酸化膜膜厚をT、オーバーエッチング量をa[%]、トランジスタと抵抗素子を分離するための酸化膜厚をD(図1(b)の酸化膜6の膜厚)、タングステンシリサイドの膜厚をW、エッチングストッパ層であるシリコンの膜厚をS、酸化膜に対するシリコンのエッチング選択比をbとすると、(1+0.01a)T=(T−D−W−S)+b×Sとなればよい。
【0027】従って、シリコンの膜厚Sは、S=(0.01aT+D+W)/(b−1)
となる。
【0028】例えば、拡散層上の酸化膜厚を800nm、オーバーエッチング量を50%、トランジスタと抵抗素子を分離するための酸化膜厚を100nm、タングステンシリサイドの膜厚を50nm、酸化膜に対するシリコンのエッチング選択比を15とすると、S=(0.01×50×800+100+50)/(15−1)=39となる。即ち、シリコンの膜厚は39nmとすればよい。
【0029】コンタクトエッチング後にタングステンシリサイド上にシリコンが残っていても、その後の熱処理工程でバリアメタルのチタンと反応してチタンシリサイド化されるのでコンタクト抵抗が増大することはない。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、抵抗素子形成層の上部にエッチング停止層を設けることで抵抗素子形成層にオーバーエッチングが加わることを防止してコンタクト抵抗のばらつきを抑制することができる。コンタクト抵抗のばらつきは10〜20%低減する。また、抵抗素子形成層を30nm程度まで薄膜化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を製造工程順に示す断面図である。
【図2】従来の製造方法を工程順に示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板
2 フィールド酸化膜
3 ゲート酸化膜
4 ゲート電極
5 拡散層
6 酸化膜
7 タングステンシリサイド
8 シリコン
9 層間絶縁酸化膜
10 コンタクトホール
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1導電型の半導体基板上に素子分離領域で分離された領域と、前記第1導電型の半導体基板上にゲート酸化膜を介して設けられたゲート電極と、第2導電型の拡散層を有するMOS型トランジスタ構造を形成する工程と、このMOS型トランジスタ構造が形成された第1導電型の半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、この絶縁膜の表面に抵抗素子となる導電膜を形成する工程と、この導電膜の表面にエッチング停止層を形成する工程と、この導電膜とエッチング停止層をパターニングし、エッチング停止層を上面に有する抵抗素子を形成する工程と、前記MOS型トランジスタ構造および抵抗素子の表面を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜と前記層間絶縁膜を選択的にエッチングして、前記拡散層、前記ゲート電極および前記抵抗素子にそれぞれ電気的に接続するためのコンタクトホールを形成する工程とを含む半導体装置の製造方法。
【請求項2】前記絶縁膜がシリコン酸化膜である請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】前記MOS型トランジスタ構造が、ゲート電極と拡散層上に、チタン、コバルト、モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる高融点金属とシリコンとのシリサイド化反応によって形成されたシリサイド層を有する請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】前記導電膜を、タングステンシリサイドまたは窒化チタンで形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】前記エッチング停止層を、シリコンで形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】前記抵抗素子が終端抵抗素子であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【公開番号】特開平11−150191
【公開日】平成11年(1999)6月2日
【国際特許分類】
電気 | 基本的電気素子 | 半導体装置,他に属さない電気的固体装置 | 半導体装置または固体装置またはそれらの部品の製造または処理に特に適用される方法または装置 | 1つの共通基板内または上に形成された複数の固体構成部品または集積回路からなる装置またはその特定部品の製造または処理;集積回路装置またはその特定部品の製造 | 1つの共通基板内または上に形成される複数の固体構成部品または集積回路からなる装置の製造または処理 | 複数の別個の装置に基板を分割することによるもの | それぞれが複数の構成部品からなる装置,例.集積回路の製造 | 基板がシリコン技術を用いる半導体であるもの | 電界効果技術 | MIS技術
電気 | 基本的電気素子 | 半導体装置,他に属さない電気的固体装置 | 1つの共通基板内または上に形成された複数の半導体構成部品または他の固体構成部品からなる装置 | 整流,発振,増幅またはスイッチングに特に適用される半導体構成部品を含むものであり,少なくとも1つの電位障壁または表面障壁を有するもの;少なくとも1つの電位障壁または表面障壁を有する集積化された受動回路素子を含むもの | 基板が半導体本体であるもの | 1種類の半導体構成部品だけを含むもの | 電界効果構成部品のみを含むもの | 構成部品が絶縁ゲートを有する電界効果トランジスタであるもの
電気 | 基本的電気素子 | 半導体装置,他に属さない電気的固体装置 | 半導体装置または固体装置またはそれらの部品の製造または処理に特に適用される方法または装置 | 1つの共通基板内または上に形成された複数の固体構成部品または集積回路からなる装置またはその特定部品の製造または処理;集積回路装置またはその特定部品の製造 | グループ21/70で限定された装置の特定部品の製造 | 装置内の別個の構成部品間に電流を流すため使用する相互接続を適用するもの
【出願番号】特願平9−315453
【出願日】平成9年(1997)11月17日
【出願人】(000004237)日本電気株式会社
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