説明

半導体装置の試験装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は半導体装置の試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は従来の半導体装置の試験装置を示す正面図であり、図において、1はテストボード、2はこのテストボード1に設けられた信号線、3はテストボード1を連結するためのコネクタである。
【0003】次に動作について説明する。まず、入力信号精度が比較的緩く、大量の半導体装置の処理が必要なバーンイン工程時にはICソケット6に半導体装置を挿入後、テストボード1をコネクタ3によって連結させ、これらのテストボード1をバーンイン装置と電気的に接続し、バーンインを行う。この時、入力波形の立上り及び立下りに配線容量の影響によるなまりが発生する。
【0004】次に、バーンインを終了した、連結されたテストボード1をコネクタ3より切り離し、各々のテストボード1を独立させ、テスタステーションのコネクタに接続して、高精度の電気的試験を行う。この時、入力波形の立上り及び立下り時間は配線長を短くした分急峻となり、高精度試験ができる。
【0005】このように、従来の半導体装置の試験装置においては、半導体装置をテストボードに挿入したまま、テスト及びバーンインを行うことが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体装置の試験装置は以上のように構成されているので、半導体装置をボードから抜き差しせずに、テスト及びバーンインが可能である一方、テストボード単位でテストを行う際に、信号線2がICソケット6を貫通しているため、テスタより入力された信号は直接ICソケット6へ伝達される信号とテストボードの末端で反射して戻る信号とが、互いにぶつかりあい、高精度のテストができないという問題点があった。
【0007】この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、半導体装置をボードに差したまま、目的に応じた試験、例えば、テスト時には高精度に、バーンイン時には大量に、試験ができる半導体装置の試験装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る半導体装置の試験装置は、バーンイン処理、及びテストを行う半導体装置の試験装置において、テストすべき半導体装置を挿入する複数のICソケットと、エッジコネクタから前記ICソケットのそれぞれに至る一経路の信号線とを有する複数のテストボードと、前記テストボードを挿入する複数のコネクタを有するマザーボードとを備え、バーンイン処理にあたっては、前記複数のコネクタに前記複数のテストボードを挿入した前記マザーボードを該処理に供し、テストにあたっては、前記テストボードを該テストに供するものである。
【0009】
【作用】この発明における半導体装置の試験装置は半導体装置をボードに挿入したまま、複数のテストボードを挿入したマザーボードをバーンイン処理し、当該複数のテストボードを各テストボードごとにテストに供することが可能であり、テストボードのコネクタより入力される信号経路がICソケットまで分枝しないため、テスト時には反射波形を防止した高精度の試験ができる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図について説明する。図1において、1はテストボード、2はこのテストボード1上に配線された信号線、4は複数のテストボード1を並列に配線するためのマザーボード、3aはテストボード1とマザーボード4を電気的に接続するためのコネクタ、3bはテストボードエッジコネクタ、5はバーンイン装置から信号を受け取るためのマザーボードエッジコネクタ、6は半導体装置を挿入するためのICソケットである。
【0011】次に動作について説明する。まず、バーンイン時には、複数のテストボード1のエッジコネクタ3bをマザーボード4のコネクタ3aに挿入し、電気的に接続する。この状態にてマザーボードエッジコネクタ5をバーンイン装置側の信号コネクタに挿入すると、バーンイン装置ドライバより発生した信号が信号線2を伝達し、テストボード1上のICソケット6まで伝達し、このソケットに半導体装置を挿入することでバーンインが可能となる。この時、信号波形の立上り,立下り時間は複数のテストボードの配線容量のためなまりが発生するが、これは差し支えない。
【0012】バーンイン終了後、ICソケット6に挿入した半導体装置はそのままの状態にてテストをすることができる。まず、テストボード1のエッジコネクタ3bをマザーボード4のコネクタ3aより抜き、独立した1枚のテストボード1をテスタステーションのコネクタに接続して高精度の電気的試験を行う。この時、入力波形の立上り,立下り時間は配線長が短いため急峻となり、精度の高い試験ができる。また、信号線2がエッジコネクタ3bからICソケット6まで分枝せず一経路となるため、反射波形を防止することができる。
【0013】このような本実施例によれば、半導体装置をICソケットに挿入したまま、テスト及びバーンインを行う半導体装置の試験装置において、マザーボードを用いてバーンインを行うようにし、テストボードの信号線がエッジコネクタからICソケットまで分枝せず一経路となるように構成したため、テストボード単体にて高精度の試験ができる。
【0014】
【発明の効果】以上のように、この発明、半導体装置をICソケットに挿入したまま、テスト及びバーンインを行う半導体装置の試験装置によれば、複数のテストボードを挿入したマザーボードを用いてバーンインを行うようにし、信号線がエッジコネクタからICソケットまで分枝せず一経路となるように構成したテストボードごとを用いてテストを行うようにしたので、バーンイン時に大量に試験ができるばかりでなく、テストボード単体にて高精度の試験ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による半導体装置の試験装置を示す斜視図である。
【図2】従来の半導体装置の試験装置を示す正面図である。
【符号の説明】
1 テストボード
2 信号線
3a テストボードエッジコネクタ
3b コネクタ
4 マザーボード
5 マザーボードエッジコネクタ
6 ICソケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】 バーンイン処理、及びテストを行う半導体装置の試験装置において、テストすべき半導体装置を挿入する複数のICソケットと、エッジコネクタから前記ICソケットのそれぞれに至る一経路の信号線とを有する複数のテストボードと、前記テストボードを挿入する複数のコネクタを有するマザーボードとを備え、バーンイン処理にあたっては、前記複数のコネクタに前記複数のテストボードを挿入した前記マザーボードを該処理に供し、テストにあたっては、前記テストボードを該テストに供することを特徴とする半導体装置の試験装置。

【図1】
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【図2】
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【特許番号】第2721060号
【登録日】平成9年(1997)11月21日
【発行日】平成10年(1998)3月4日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−290828
【出願日】平成3年(1991)10月8日
【公開番号】特開平5−99982
【公開日】平成5年(1993)4月23日
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【参考文献】
【文献】特開 平4−263450(JP,A)
【文献】特開 平4−151577(JP,A)
【文献】特開 平4−56244(JP,A)
【文献】特開 平2−181673(JP,A)