説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】 微細化された半導体装置において、半導体素子相互間及び配線相互間に層間絶縁膜が十分に埋め込む。
【解決手段】半導体基板1に形成された半導体素子と、半導体素子上及び半導体基板1上に位置し、下地膜としての第1の絶縁膜9aと、第1の絶縁膜9a上に位置し、OとTEOSを反応させるCVD法により形成された第2の絶縁膜9bと、第2の絶縁膜9b上に位置し、プラズマCVD法により形成され、表面がCMP法により平坦化された第3の絶縁膜9cと、第1乃至第3の絶縁膜に形成され、半導体素子上に位置する接続孔10a,10bと、接続孔10a,10bに埋め込まれた導電体11a,11bと、第3の絶縁膜9c上に形成され、導電体11a,11bを介して半導体素子に接続する配線12a,12bとを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。特に本発明は、半導体素子相互間及び配線相互間が狭くなっても、層間絶縁膜が十分に埋め込まれている半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図6の各図は、従来の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。まず、図6(A)に示すように、シリコン基板101に溝を形成し、この溝に、酸化シリコンからなる素子分離膜102を埋め込む。そして、シリコン基板101を熱酸化することにより、ゲート酸化膜103を形成する。次いで、ゲート酸化膜103上にゲート電極104を形成し、さらに低濃度不純物領域106a,106bを形成する。次いで、ゲート電極104の側壁にサイドウォール105を形成し、さらにソース及びドレインとなる不純物領域107a,107bを形成する。次いで、ゲート電極104の表面及び不純物領域107a,107bそれぞれの表面に、チタンシリサイド膜104a,108a,108bを形成する。
このようにして、シリコン基板101にはトランジスタが形成される。なお、本図ではトランジスタを一つのみ図示しているが、実際には複数のトランジスタがシリコン基板101上に形成される。
【0003】
次いで、トランジスタの相互間を含む全面上に、BPSG(Boro-Phospho Silicate Glass)膜からなる層間絶縁膜109を、CVD法により形成する。次いで、層間絶縁膜109に、不純物領域107a,107bそれぞれの上に位置するコンタクトホール109a,109bを形成する。このとき、ゲート電極104上に位置するコンタクトホール(図示せず)も形成される。
【0004】
次いで、図6(B)に示すように、コンタクトホール109a,109bそれぞれの中にWプラグ110a,110bを埋め込む。このとき、ゲート電極104上に位置するコンタクトホールにもWプラグ(図示せず)が埋め込まれる。次いで、層間絶縁膜109上に、Al合金配線111a,111b,111cを形成する。Al合金配線111a,111bそれぞれはWプラグ110a,110bに接続しており、Al合金配線111cはゲート電極104上のWプラグに接続している。
上述した技術に類似する技術が、特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2001−036077号公報(図1、第16段落乃至第18段落)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、半導体装置の微細化が進み、トランジスタ等の半導体素子相互間及び配線相互間の間隔も狭くなっている。このため、半導体素子上の層間絶縁膜や配線層上の層間絶縁膜としてBPSG膜を用いていると、層間絶縁膜が半導体素子相互間や配線相互間に十分に埋め込まれなくなることが予想される。
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、半導体素子相互間及び配線相互間が狭くなっても、これら相互間に層間絶縁膜が十分に埋め込まれた半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る半導体装置は、
半導体基板に形成された半導体素子と、
前記半導体素子上及び前記半導体基板上に形成された第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に位置し、OとTEOSを反応させるCVD法により形成された第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上に形成され、表面がCMP法により平坦化された第3の絶縁膜と、
前記第1乃至第3の絶縁膜に形成され、前記半導体素子上に位置する接続孔と、
前記接続孔に埋め込まれた導電体と、
を具備する。
【0007】
この半導体装置によれば、第1の絶縁膜上には、OとTEOSを反応させるCVD法により形成された第2の絶縁膜が形成されている。この第2の絶縁膜は埋め込み性がよいため、半導体素子の相互間が狭くなっても、この相互間に十分に埋め込まれる。
【0008】
また、第2の絶縁膜上に第3の絶縁膜を形成し、この第3の絶縁膜を層間絶縁膜の表層としたため、層間絶縁膜の表面をCMP法により平坦化しても、CMP研磨時に、第2の絶縁膜が水分を吸収することを抑制できる。これにより、接続孔の底面において半導体素子の表面が、水分により変質することが抑制される。
【0009】
第1の絶縁膜は、半導体素子を水分から保護するバリア膜であるのが好ましい。第2の絶縁膜を形成するときには水分が生成することがある。また、第2の絶縁膜を加熱して水分を脱ガスことがある。しかし、半導体素子は、第1の絶縁膜によって水分から保護されている。従って、半導体素子が水分から受ける悪影響を少なくすることができる。第1の絶縁膜は、例えば窒化シリコン膜である。
【0010】
第3の絶縁膜は、例えば酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜である。このようにすると、半導体素子上に形成された絶縁膜の表層をCMP法により平坦化しても、第2の層間絶縁膜が水分を再吸収することを防止できる。また、半導体装置がウェット処理される場合においても、第2の層間絶縁膜が水分を再吸収することを防止できる。このため、第2の絶縁膜の結晶性をよくすることができる。第3の絶縁膜は、例えばプラズマCVD法により形成される。半導体基板上に位置する第2の絶縁膜の上面が、半導体素子上面より、10nm以上300nm以下ほど高くしてもよい。
【0011】
本発明に係る他の半導体装置は、
半導体基板に形成された半導体素子と、
前記半導体素子上及び前記半導体基板上に位置し、OとTEOSを反応させるCVD法により形成された第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に形成され、表面がCMP法により平坦化された第2の絶縁膜と、
前記第1及び第2の絶縁膜に形成され、前記半導体素子上に位置する接続孔と、
前記接続孔に埋め込まれた導電体と、
を具備する。
【0012】
本発明に係る他の半導体装置は、
半導体基板に形成された半導体素子と、
前記半導体素子上及び前記半導体基板上に位置し、OとTEOSを反応させるCVD法により形成された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜に形成され、前記半導体素子上に位置する接続孔と、
前記接続孔に埋め込まれた導電体と、
前記層間絶縁膜上に形成され、前記導電体を介して前記半導体素子に接続する配線と、
を具備する。
【0013】
上記した各半導体装置において、半導体素子が、表層にシリサイドを有する電極を具備している場合、接続孔は、シリサイド上に位置している。
【0014】
本発明に係る他の半導体装置は、
第1の絶縁膜上に形成された第1の導電層と、
前記絶縁膜上及び前記第1の導電層上に形成された第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上に位置し、OとTEOSを反応させるCVD法により形成された第3の絶縁膜と、
前記第3の絶縁膜上に形成され、CMP法により平坦化された第4の絶縁膜と、
前記第2乃至第4の絶縁膜に形成され、前記第1の導電層上に位置する接続孔と、
前記接続孔に埋め込まれた導電体と、
を具備する。
第1及び第2の導電層は、例えば配線又はパッドである。
【0015】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、
半導体基板に半導体素子を形成する工程と、
前記半導体素子上及び前記半導体基板上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上に、第2の絶縁膜を、OとTEOSを反応させるCVD法により形成する工程と、
前記第1及び第2の絶縁膜を加熱処理する工程と、
前記第2の絶縁膜上に第3の絶縁膜を形成する工程と、
前記第3の絶縁膜の表面を、CMP法を用いて平坦化する工程と、
前記第1乃至第3の絶縁膜に、前記半導体素子上に位置する接続孔を形成する工程と、
前記接続孔に導電体を埋め込む工程と、
を具備する。
【0016】
接続孔を形成する工程の後、かつ、接続孔に導電体を埋め込む工程の前に、第第1乃至第3の絶縁膜を加熱処理する工程をさらに具備してもよい。
【0017】
本発明に係る他の半導体装置の製造方法は、
半導体基板に半導体素子を形成する工程と、
前記半導体素子上及び前記半導体基板上に、第1の絶縁膜を、OとTEOSを反応させるCVD法により形成する工程と、
前記第1の絶縁膜を加熱する工程と、
前記第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜の表面を、CMP法により平坦化する工程と、
前記第1及び第2の絶縁膜に、前記半導体素子上に位置する接続孔を形成する工程と、
前記接続孔に導電体を埋め込む工程と、
を具備する。
【0018】
本発明に係る他の半導体装置の製造方法は、
半導体基板に半導体素子を形成する工程と、
前記半導体素子上及び前記半導体基板上に、絶縁膜を、OとTEOSを反応させるCVD法により形成する工程と、
前記絶縁膜に、前記半導体素子上に位置する接続孔を形成する工程と、
前記接続孔に導電体を埋め込む工程と、
を具備する。
【0019】
本発明に係る他の半導体装置の製造方法は、
絶縁膜上に第1の導電層を形成する工程と、
前記絶縁膜上及び前記第1の導電層上に、第2の絶縁膜を、OとTEOSを反応させるCVD法により形成する工程と、
前記第2の絶縁膜を加熱する工程と、
前記第2の絶縁膜上に第3の絶縁膜を形成する工程と、
前記第3の絶縁膜の表面を、CMP法により平坦化する工程と、
前記第2及び第3の絶縁膜に、前記第1の導電層上に位置する接続孔を形成する工程と、
前記接続孔に導電体を埋め込む工程と、
を具備する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1、図2及び図3の各図は、第1の実施形態に係る半導体装置を製造する方法を説明するための断面図である。
まず、図1(A)に示すように、シリコン基板1に溝を形成し、この溝に酸化シリコンからなる素子分離膜2を埋め込む。これにより、複数の素子形成領域は、トレンチアイソレーション法により相互に分離される。
【0021】
次いで、シリコン基板1を熱酸化する。これにより、素子形成領域に位置するシリコン基板1の表面には、ゲート酸化膜3が形成される。次いで、ゲート酸化膜3を含む全面上にポリシリコン膜を堆積し、このポリシリコン膜をパターニングする。これにより、ゲート酸化膜3上にはゲート電極4が形成される。そして、素子分離膜2及びゲート電極4をマスクとして、シリコン基板1に不純物イオンを注入する。これにより、素子形成領域に位置するシリコン基板1には、低濃度不純物領域6a,6bが形成される。
【0022】
次いで、ゲート酸化膜3のうちゲート電極4に被覆されていない部分を、エッチングにより除去する。次いで、ゲート電極4上を含む全面上に酸化シリコン膜を形成し、この酸化シリコン膜をエッチバックする。これにより、ゲート電極4の側壁にはサイドウォール5が形成される。次いで、ゲート電極4及びサイドウォール5をマスクとして、シリコン基板1に不純物イオンを注入する。これにより、シリコン基板1には、ソース及びドレインとなる不純物領域7a,7bが形成される。
【0023】
次いで、不純物領域7a,7b及びゲート電極4を含む全面上にチタン膜を堆積し、その後、熱処理を行う。これにより、不純物領域7a,7b上、及びゲート電極4上それぞれには、チタンシリサイド膜8a,8b,4aが自己整合的に形成される。その後、チタン膜のうちシリサイド化されなかった部分(例えば素子分離膜2上及びサイドウォール5上の部分)をエッチングにより除去する。
このようにして、素子形成領域にはトランジスタが形成される。なお、図示していないが、この状態において、複数の素子形成領域それぞれには、トランジスタが形成されている。
【0024】
次いで、図1(B)に示すように、トランジスタ上を含む全面上に窒化シリコン膜9aを形成する。窒化シリコン膜9aは、例えばSiH、NH及びNを原料ガスとしたプラズマCVD法により形成される。窒化シリコン膜9aの厚さは、例えば30nm以上100nm以下である。なお、窒化シリコン膜9aは、下層を水分から保護するバリア膜として形成される。水分が透過しにくく、バリア膜として機能する膜であれば、窒化シリコン膜以外の膜を用いてもよい。
【0025】
次いで、窒化シリコン膜9a上にO−TEOS膜9bを形成する。O−TEOS膜9bは酸化シリコンを主成分とする絶縁膜であり、OとTEOS(tetraethylorthosilicate)を反応させる熱CVD法により形成される。O−TEOS膜9bの厚さは、埋め込み性が悪い部分(例えばトランジスタのゲート電極4の相互間)が十分に埋まる程度の厚さである。O−TEOS膜9bは埋め込み性がよいため、トランジスタの相互間隔が狭くても、十分にトランジスタの相互間に埋め込まれる。O−TEOS膜9bの厚さは、例えば150nmであるが、シリコン基板1上に位置する部分の上面が、ゲート電極4の上面より、10nm以上300nm以下ほど高くなるように形成されてもよい。
【0026】
なお、窒化シリコン膜9a上にO−TEOS膜9bを形成することにより、O−TEOS膜9bを緻密化することができる。また、O−TEOS膜9b形成時に水分が生成するが、窒化シリコン膜9aでトランジスタを被覆しているため、生成した水分がトランジスタに悪影響を与えることを抑制できる。ただし、形成直後の状態において、O−TEOS膜9bは水分を含んでいる。
【0027】
次いで、O−TEOS膜9bを含む半導体装置の全体を、熱処理する。これにより、O−TEOS膜9bに含まれる水分は外部に放出される。なお、熱処理は、例えばシリコン基板1の底面が450℃となる状態を、20分ほど維持することで行われる。このとき、O−TEOS膜9bとトランジスタの間には、水分のバリア膜として機能する窒化シリコン膜9aが形成されているため、放出された水分がトランジスタに悪影響を与えることを抑制できる。
【0028】
次いで、図1(C)に示すように、O−TEOS膜9b上に酸化シリコン膜9cを形成する。酸化シリコン膜9cは、例えばTEOSとOを原料ガスとしたプラズマCVD法により形成され、その膜厚は、例えば1400〜1500nmである。酸化シリコン膜9cが形成されることにより、後の工程(例えばCMP工程、又は説明していない複数のウェット処理工程それぞれ)においてO−TEOS膜9bが水分を再吸収することを抑制できる。
このようにして、窒化シリコン膜9a、O−TEOS膜9b及び酸化シリコン膜9cをこの順に積層した第1の層間絶縁膜9が形成される。
【0029】
次いで、図2(A)に示すように、第1の層間絶縁膜9の上層である酸化シリコン膜9cの表面を、CMP法により研磨し、平坦化する。CMP法において第1の層間絶縁膜9の表面は水に晒される。しかし、第1の層間絶縁膜9の表層は酸化シリコン膜9cであり、その下にO−TEOS膜9b上が形成されているため、平坦化の工程において、O−TEOS膜9bが水分を再吸収することを抑制できる。
【0030】
次いで、図2(B)に示すように、第1の層間絶縁膜9上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光及び現像する。これにより、第1の層間絶縁膜9上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとして第1の層間絶縁膜9の酸化シリコン膜9c及びO−TEOS膜9bをエッチングし、さらに窒化シリコン膜9aをエッチングする。これにより、第1の層間絶縁膜9には、不純物領域7a,7bそれぞれの上に位置するコンタクトホール10a,10bが形成される。また、ゲート電極4上に位置するコンタクトホール(図示せず)も同時に形成される。
【0031】
このとき、O−TEOS膜9bに水分が含まれていると、この水分と、コンタクトホールの底部に位置するチタンシリサイド膜4a,8a,8bとが反応し、チタンシリサイド膜それぞれの表面に絶縁層が形成される。これに対し、本実施形態では、O−TEOS膜9bを形成した後にO−TEOS膜9bを加熱処理することにより、水分を放出させ、さらに、CMPにおいてO−TEOS膜9bには水分が再吸収されていない。このため、チタンシリサイド膜4a,8a,8bの表面に絶縁層が形成されることを抑制できる。その後、レジストパターンを除去する。
【0032】
次いで、図2(C)に示すように、コンタクトホールそれぞれの中、及び第1の層間絶縁膜9上に、バリアメタルとなるTi膜及びTiN膜を、スパッタリング法を用いて連続堆積し、更にその上に、タングステン(W)膜を堆積する。次いで、第1の層間絶縁膜9上のタングステン膜、TiN膜及びTi膜を、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法又はエッチバックにより除去する。これにより、コンタクトホール10a,10bそれぞれにはWプラグ11a,11bが埋め込まれる。また、ゲート電極4上に位置するコンタクトホールにもWプラグ(図示せず)が埋め込まれる。
【0033】
上述したように、本実施形態では、チタンシリサイド膜4a,8a,8bの表面に絶縁層が形成されることを抑制できる。このため、チタンシリサイド膜4a,8a,8bそれぞれとWプラグの間の抵抗を低い状態に維持することができる。
【0034】
次いで、Wプラグそれぞれの上及び第1の層間絶縁膜上を含む全面上に導電膜を形成する。この導電膜は、例えば、バリア膜であるTiN膜、Al合金膜、ならびに反射防止膜であるTi膜及びTiN膜を、この順に積層した積層膜である。次いで、この導電膜の上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光及び現像する。これにより、導電膜の上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとして導電膜をエッチングする。これにより、第1の層間絶縁膜上には、Al合金配線12a,12b,12cが形成される。Al合金配線12a,12bそれぞれはWプラグ11a,11bに接続し、Al合金配線12cはゲート電極4上のWプラグに接続する。
その後、レジストパターンを除去する。
【0035】
次いで、図3(A)に示すように、Al合金配線12a〜12cそれぞれの上及び第1の層間絶縁膜9上に、窒化シリコン膜13aを形成する。窒化シリコン膜13aの形成方法は窒化シリコン膜9aの形成方法と略同一である。窒化シリコン膜13aの厚さは、例えば30nm以上100nm以下である。なお、窒化シリコン膜13aは、下層を水分から保護するバリア膜として形成される。水分が透過しにくく、バリア膜として機能する膜であれば、窒化シリコン膜以外の膜を用いてもよい。
【0036】
次いで、窒化シリコン膜13a上にO−TEOS膜13bを形成する。O−TEOS膜13bの形成方法はO−TEOS膜9bの形成方法と略同一である。O−TEOS膜13bの厚さは、埋め込み性が悪い部分(例えばAl合金配線の相互間)が、十分に埋まる程度の厚さである。O−TEOS膜13bは埋め込み性がよいため、Al合金配線12a〜12cの相互間隔が狭くても、十分にAl合金配線の相互間に埋め込まれる。O−TEOS膜13bは、例えば厚さが150nmであるが、第1の層間絶縁膜9上に位置する部分の上面が、Al合金配線12a〜12cの上面より、10nm以上300nm以下ほど高くなるように形成されてもよい。なお、O−TEOS膜13bを形成する際に水分が生成するが、O−TEOS膜13bの下には、窒化シリコン膜13aが形成されているため、生成した水分が下層(例えばAl合金配線12a〜12cなど)に与える悪影響が抑制される。
【0037】
次いで、O−TEOS膜13bを含む半導体装置の全体を、熱処理する。このとき、熱処理の温度を、Al合金配線12a〜12cが溶融しない程度にする。この熱処理により、O−TEOS膜13bに含まれる水分は外部に放出される。このとき、O−TEOS膜13bの下には窒化シリコン膜13aが形成されているため、放出された水分が下層(例えばAl合金配線12a〜12cなど)に与える悪影響が抑制される。
【0038】
次いで、O−TEOS膜13b上に、酸化シリコン膜13cを形成する。酸化シリコン膜13cの形成方法は酸化シリコン膜9cの形成方法と略同一であり、その膜厚は、例えば1400〜1500nmである。酸化シリコン膜13cが形成されることにより、後のCMP工程や説明しないウェット処理工程でO−TEOS膜13bが水分を再吸収することが抑制される。
このようにして、窒化シリコン膜13a、O−TEOS膜13b、酸化シリコン膜13cをこの順に積層した第2の層間絶縁膜13が形成される。
【0039】
次いで、第2の層間絶縁膜13の上層である酸化シリコン膜13cの表面を、CMP法により研磨し、平坦化する。CMP法において酸化シリコン膜13cの表面は水に晒される。しかし、O−TEOS膜13b上には酸化シリコン膜13cが形成されているため、平坦化の工程において、O−TEOS膜13bが水分を再吸収することを抑制できる。
【0040】
次いで、図3(B)に示すように、第2の層間絶縁膜13上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光及び現像する。これにより、第2の層間絶縁膜13上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとして第2の層間絶縁膜13をエッチングする。これにより、第2の層間絶縁膜13には、Al合金配線12a,12bそれぞれの上に位置するビアホール14a,14bが形成される。
【0041】
このとき、O−TEOS膜13bに水分が含まれていると、ビアホール14a,14bの底部に位置するAl合金配線12a,12bの表面が変質する可能性もある。これに対し、本実施形態では、O−TEOS膜13bを形成した後にO−TEOS膜13bが加熱されて水分が外部に放出されている。また、CMPにおいてO−TEOS膜13bには水分が再吸収されていない。従って、Al合金配線12a,12bの表面が変質することを抑制できる。
その後、レジストパターンを除去する。
【0042】
次いで、図3(C)に示すように、ビアホール14a,14bそれぞれの中、及び第2の層間絶縁膜13上に、バリアメタルとなるTi膜及びTiN膜を、スパッタリング法を用いて連続堆積し、更にその上に、タングステン(W)膜を堆積する。次いで、第2の層間絶縁膜13上のタングステン膜、TiN膜及びTi膜を、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法又はエッチバックにより除去する。これにより、ビアホール14a,14bそれぞれにはWプラグ15a,15bが埋め込まれる。
【0043】
上述したように、本実施形態では、Al合金配線12a,12bの表面が変質することを抑制できる。このため、Wプラグ15a,15bとAl合金配線12a,12bの間の抵抗を低い状態に維持することができる。
【0044】
次いで、Wプラグ15a,15bそれぞれの上及び第2の層間絶縁膜13上を含む全面上に、導電膜を形成する。この導電膜は、例えば、バリア膜であるTiN膜、Al合金膜、ならびに反射防止膜であるTi膜及びTiN膜を、この順に積層した積層膜である。次いで、この導電膜の上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光及び現像する。これにより、導電膜の上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとして導電膜をエッチングする。これにより、第2の層間絶縁膜13上には、Wプラグ15aに接続するAl合金配線16a、及びWプラグ15bに接続するAl合金配線16bが形成される。
その後、レジストパターンを除去する。
【0045】
以上、本実施形態によれば、トランジスタ上の第1の層間絶縁膜9において、下層にO−TEOS膜9bを用いたため、トランジスタの相互間が狭くなっても、この相互間に第1の層間絶縁膜9を埋め込むことができる。また、O−TEOS膜9bの下地膜として窒化シリコン膜9aを形成したため、O−TEOS膜9bを緻密化できると共に、O−TEOS膜9bを形成するときに生成する水分、及びO−TEOS膜9bから放出された水分それぞれがトランジスタに与える影響を、小さくすることができる。
【0046】
また、O−TEOS膜9bを熱処理して水分を放出させた後、O−TEOS膜9b上に、第1の層間絶縁膜9の上層である酸化シリコン膜9cを形成したため、第1の層間絶縁膜9の表面をCMP処理するときに、O−TEOS膜9bが水分を再吸収することを抑制できる。従って、第1の層間絶縁膜9にコンタクトホール10a,10bを形成するときに、チタンシリサイド膜4a,8a,8bの表面に絶縁層が形成されることを抑制できる。このため、コンタクトホール10a,10b内のWプラグ11a,11bと、チタンシリサイド膜8a,8bとの間の抵抗を、低い状態に維持することができる。
【0047】
また、第2の層間絶縁膜13において、下層としてO−TEOS膜13bを用いたため、Al合金配線12a,12bの相互間が狭くなっても、第2の層間絶縁膜13をトランジスタの相互間に埋め込むことができる。
また、O−TEOS膜13bを熱処理した後、第2の層間絶縁膜13の上層である酸化シリコン膜13cを形成している。このため、第2の層間絶縁膜13にビアホール14a,14bを形成するときに、Al合金配線12a,12bの表面が変質することを抑制できる。従って、ビアホール14a,14b内のWプラグ15a,15bとAl合金配線12a,12bとの間の抵抗を、低い状態に維持することができる。
【0048】
なお、第1の層間絶縁膜9にコンタクトホールを形成した後、Wプラグのバリア層であるTi膜及びTiN膜を形成する前に、第1の層間絶縁膜9を含む半導体装置の全体を熱処理することにより、再度O−TEOS膜9bから水分を除去させてもよい。このようにすると、O−TEOS膜9bを形成した直後に行う熱処理の温度を低くしても(例えば400℃)、また短時間化しても、O−TEOS膜9b内の水分を十分に外部に放出させることができる。
【0049】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を製造する方法を説明するための断面図である。本実施形態は、トランジスタ上の第1及び第2の層間絶縁膜9,13それぞれに、下地膜としての窒化シリコン膜9a,13aが形成されていない点を除けば、第1の実施形態と同一である。
【0050】
まず、図4(A)に示すように、シリコン基板1に素子分離膜2を形成し、さらに、ゲート酸化膜3、ゲート電極4、低濃度不純物領域6a,6b、サイドウォール5、不純物領域7a,7b、チタンシリサイド膜4a,8a,8bを形成する。これにより、シリコン基板1にトランジスタが形成される。このトランジスタの形成方法は第1の実施形態と同一である。
【0051】
次いで、トランジスタ上を含む全面上に、O−TEOS膜9bを形成する。O−TEOS膜9bの厚さは、埋め込み性が悪い部分(例えばトランジスタのゲート電極4の相互間)が十分に埋まる程度の厚さである。O−TEOS膜9bは埋め込み性がよいため、トランジスタの相互間隔が狭くても、十分にトランジスタの相互間に埋め込まれる。O−TEOS膜9bの厚さは、例えば150nmであるが、シリコン基板1上に位置する部分の上面が、ゲート電極4の上面より、10nm以上300nm以下ほど高くなるように形成されてもよい。なお、O−TEOS膜9bの形成方法は第1の実施形態と同一である。
【0052】
その後、O−TEOS膜9bを熱処理し、水分を外部に放出させる。次いで、酸化シリコン膜9cを、第1の実施形態と同一の方法で形成し、さらに酸化シリコン膜9cの表層をCMP法で平坦化する。このようにして、O−TEOS膜9b及び酸化シリコン膜9cからなる第1の層間絶縁膜9が形成される。
【0053】
次いで、図4(B)に示すように、コンタクトホール10a,10b、ゲート電極4上に位置するコンタクトホール(図示せず)、Wプラグ11a,11b、ゲート電極上のコンタクトホールに埋め込まれたWプラグ(図示せず)、Al合金配線12a,12b,12cそれぞれを形成する。これらの形成方法は第1の実施形態と同一である。
【0054】
このとき、第1の実施形態と同様に、コンタクトホール10a,10bを形成するときにチタンシリサイド膜8a,8b、4aの表面に絶縁層が形成されないため、これらチタンシリサイド膜とWプラグとの間の抵抗は低いままである。
【0055】
次いで、図4(C)に示すように、O−TEOS膜13b及び酸化シリコン膜13cからなる第2の層間絶縁膜13を形成する。次いで、ビアホール14a,14b、Wプラグ15a,15b、Al合金配線16a,16bそれぞれを形成する。これらの形成方法も第1の実施形態と同一である。
【0056】
このとき、第1の実施形態と同様に、Al合金配線12a〜12c相互間の間隔が狭くても、これらの相互間には第2の層間絶縁膜13が十分に埋め込まれる。また、ビアホール14a,14bを形成するときにAl合金配線12a,12bの表面が変質しないため、これらAl合金配線12a,12bとWプラグ15a,15bとの間の抵抗は低いままである。
【0057】
以上、第2の実施形態によれば、トランジスタの相互間が狭くなっても、第1の層間絶縁膜9をトランジスタの相互間に埋め込むことができる。また、コンタクトホール10a,10b内のWプラグ11a,11bと、チタンシリサイド膜8a,8bとの間の抵抗を、低い状態に維持することができる。
また、Al合金配線12a,12bの相互間が狭くなっても、第2の層間絶縁膜13をAl合金配線12a,12bの相互間に埋め込むことができる。さらに、ビアホール14a,14b内のWプラグ15a,15bとAl合金配線12a,12bとの間の抵抗を、低い状態に維持することができる。
【0058】
図5は、第3の実施形態に係る半導体装置を製造する方法を説明するための断面図である。本実施形態は、第1の層間絶縁膜9、第2の層間絶縁膜13それぞれが、O−TEOS膜9b,13aの一層構造になっている点を除けば、第1の実施形態と同一である。
【0059】
まず、図5(A)に示すように、シリコン基板1に素子分離膜2を形成し、さらに、ゲート酸化膜3、ゲート電極4、低濃度不純物領域6a,6b、サイドウォール5、不純物領域7a,7b、チタンシリサイド膜4a,8a,8bを形成する。これにより、シリコン基板1にトランジスタが形成される。このトランジスタの形成方法は第1の実施形態と同一である。
【0060】
次いで、トランジスタ上を含む全面上に、第1の層間絶縁膜9としてO−TEOS膜9bを形成する。本実施形態において、O−TEOS膜9bの厚さは、層間絶縁膜として機能させるために十分な厚さ(例えば1500nm〜1700nm)にする。O−TEOS膜9bは埋め込み性がよいため、トランジスタの相互間隔が狭くても、十分にトランジスタの相互間に埋め込まれる。なお、O−TEOS膜9bの形成方法は第1の実施形態と同一である。
次いで、O−TEOS膜9bを熱処理して水分を放出させた後、CMP法によりO−TEOS膜9bの表面を平坦化する。
【0061】
次いで、図5(B)に示すように、コンタクトホール10a,10b、ゲート電極4上に位置するコンタクトホール(図示せず)、Wプラグ11a,11b、ゲート電極上のコンタクトホールに埋め込まれたWプラグ(図示せず)、Al合金配線12a,12b,12cそれぞれを形成する。これらの形成方法は第1の実施形態と同一である。
【0062】
次いで、図5(C)に示すように、第2の層間絶縁膜13としてO−TEOS膜13bを形成する。本実施形態において、O−TEOS膜13bの厚さは、層間絶縁膜として機能させるために十分な厚さにする。O−TEOS膜13bは埋め込み性がよいため、Al合金配線12a〜12cの相互間隔が狭くても、十分にAl合金配線の相互間に埋め込まれる。なお、O−TEOS膜13bの形成方法は第1の実施形態と同一である。
次いで、ビアホール14a,14b、Wプラグ15a,15b、Al合金配線16a,16bそれぞれを形成する。これらの形成方法も第1の実施形態と同一である。
【0063】
以上、第3の実施形態によれば、トランジスタの相互間が狭くなっても、第1の層間絶縁膜9をトランジスタの相互間に埋め込むことができる。また、Al合金配線12a,12bの相互間が狭くなっても、第2の層間絶縁膜13をAl合金配線12a,12bの相互間に埋め込むことができる。
【0064】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、第1の実施形態において、第2の層間絶縁膜13の下に、下地膜としての窒化シリコン膜を形成し、この窒化シリコン膜上にO−TEOS膜13bを形成してもよい。また、チタンシリサイド膜の代わりにCoシリサイド膜やNiシリサイド膜を形成してもよい。
【0065】
また、第1及び第2の実施形態において、第2の層間絶縁膜13を構成するO−TEOS膜13bの代わりに、SiHとOを原料ガスに用いた高密度プラズマCVD法により形成される酸化シリコン膜を形成してもよい。この酸化シリコン膜を下層に用いても、第2の層間絶縁膜13をAl合金配線12a,12bの相互間に埋め込むことができる。また、第1及び第2の実施形態において、酸化シリコン膜9c,13cそれぞれの代わりに、窒化シリコン膜9aと同様の工程により窒化シリコン膜を形成しても、同様の効果を得ることができる。
【0066】
また、上記した各実施形態において、Al合金配線12a〜12c,16a,16bそれぞれの代わりに、Cu合金配線をダマシン法により形成してもよい。
また、各コンタクトホール及び各ビアホールにWプラグを埋め込まずに、これらコンタクトホール及びビアホールの中及び層間絶縁膜上に、Al合金配線となる積層膜を形成してもよい。この場合、Al合金配線は、一部がコンタクトホール及びビアホールに埋め込まれることにより、トランジスタや下層のAl合金配線に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】(A)は第1の実施形態に係る半導体装置を製造する方法を説明するための断面図、(B)は(A)の次の工程を説明するための断面図、(C)は(B)の次の工程を説明するための断面図。
【図2】(A)は図1(C)の次の工程を説明するための断面図、(B)は(A)の次の工程を説明するための断面図、(C)は(B)の次の工程を説明するための断面図。
【図3】(A)は図2(C)の次の工程を説明するための断面図、(B)は(A)の次の工程を説明するための断面図、(C)は(B)の次の工程を説明するための断面図。
【図4】(A)は第2の実施形態に係る半導体装置を製造する方法を説明するための断面図、(B)は(A)の次の工程を説明するための断面図、(C)は(B)の次の工程を説明するための断面図。
【図5】(A)は第3の実施形態に係る半導体装置を製造する方法を説明するための断面図、(B)は(A)の次の工程を説明するための断面図、(C)は(B)の次の工程を説明するための断面図。
【図6】(A)は従来の半導体装置を製造する方法を説明するための断面図、(B)は(A)の次の工程を説明するための断面図。
【符号の説明】
【0068】
1,101…シリコン基板、2,102…素子分離膜、3,103…ゲート酸化膜、4,104…ゲート電極、4a,104a,8a,8b,108a,108b…チタンシリサイド膜、5,105…サイドウォール、6a,6b,106a,106b…低濃度不純物領域、7a,7b,107a,107b…不純物領域、9…第1の層間絶縁膜、9a、13a…窒化シリコン膜、9b,13b…O−TEOS膜、9c,13c…酸化シリコン膜、10a,10b,109a,109b…コンタクトホール、11a,11b,15a,15b,110a,110b…Wプラグ、12a,12b,12c,16a,16b,111a,111b,111c…Al合金配線、13…第2の層間絶縁膜、14a,14b…ビアホール、109…層間絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板に形成された半導体素子と、
前記半導体素子上及び前記半導体基板上に形成された第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に位置し、OとTEOSを反応させるCVD法により形成された第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上に形成され、表面がCMP法により平坦化された第3の絶縁膜と、
前記第1乃至第3の絶縁膜に形成され、前記半導体素子上に位置する接続孔と、
前記接続孔に埋め込まれた導電体と、
を具備する半導体装置。
【請求項2】
前記第1の絶縁膜は、前記半導体素子を水分から保護するバリア膜である請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の絶縁膜は窒化シリコン膜である請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第3の絶縁膜は酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜である請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第3の絶縁膜は、プラズマCVD法により形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体基板上に位置する前記第2の絶縁膜の上面が、前記半導体素子上面より、10nm以上300nm以下ほど高い請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
半導体基板に形成された半導体素子と、
前記半導体素子上及び前記半導体基板上に位置し、OとTEOSを反応させるCVD法により形成された第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に形成され、表面がCMP法により平坦化された第2の絶縁膜と、
前記第1及び第2の絶縁膜に形成され、前記半導体素子上に位置する接続孔と、
前記接続孔に埋め込まれた導電体と、
を具備する半導体装置。
【請求項8】
半導体基板に形成された半導体素子と、
前記半導体素子上及び前記半導体基板上に位置し、OとTEOSを反応させるCVD法により形成された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜に形成され、前記半導体素子上に位置する接続孔と、
前記接続孔に埋め込まれた導電体と、
を具備する半導体装置。
【請求項9】
前記半導体素子は、表層にシリサイドを有する電極を具備しており、
前記接続孔は、前記シリサイド上に位置している請求項1〜8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
第1の絶縁膜上に形成された第1の導電層と、
前記絶縁膜上及び前記第1の導電層上に形成された第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上に位置し、OとTEOSを反応させるCVD法により形成された第3の絶縁膜と、
前記第3の絶縁膜上に形成され、CMP法により平坦化された第4の絶縁膜と、
前記第2乃至第4の絶縁膜に形成され、前記第1の導電層上に位置する接続孔と、
前記接続孔に埋め込まれた導電体と、
を具備する半導体装置。
【請求項11】
半導体基板に半導体素子を形成する工程と、
前記半導体素子上及び前記半導体基板上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上に、第2の絶縁膜を、OとTEOSを反応させるCVD法により形成する工程と、
前記第1及び第2の絶縁膜を加熱処理する工程と、
前記第2の絶縁膜上に第3の絶縁膜を形成する工程と、
前記第3の絶縁膜の表面を、CMP法を用いて平坦化する工程と、
前記第1乃至第3の絶縁膜に、前記半導体素子上に位置する接続孔を形成する工程と、
前記接続孔に導電体を埋め込む工程と、
を具備する半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記接続孔を形成する工程の後、かつ、前記接続孔に前記導電体を埋め込む工程の前に、前記第第1乃至第3の絶縁膜を加熱処理する工程をさらに具備する請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
半導体基板に半導体素子を形成する工程と、
前記半導体素子上及び前記半導体基板上に、第1の絶縁膜を、OとTEOSを反応させるCVD法により形成する工程と、
前記第1の絶縁膜を加熱する工程と、
前記第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜の表面を、CMP法により平坦化する工程と、
前記第1及び第2の絶縁膜に、前記半導体素子上に位置する接続孔を形成する工程と、
前記接続孔に導電体を埋め込む工程と、
を具備する半導体装置の製造方法。
【請求項14】
半導体基板に半導体素子を形成する工程と、
前記半導体素子上及び前記半導体基板上に、絶縁膜を、OとTEOSを反応させるCVD法により形成する工程と、
前記絶縁膜に、前記半導体素子上に位置する接続孔を形成する工程と、
前記接続孔に導電体を埋め込む工程と、
前記絶縁膜上に、前記導電体を介して前記半導体素子に接続する配線を形成する工程と
を具備する半導体装置の製造方法。
【請求項15】
絶縁膜上に第1の導電層を形成する工程と、
前記絶縁膜上及び前記第1の導電層上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、第3の絶縁膜を、OとTEOSを反応させるCVD法により形成する工程と、
前記第3の絶縁膜を加熱する工程と、
前記第3の絶縁膜上に第4の絶縁膜を形成する工程と、
前記第4の絶縁膜の表面を、CMP法により平坦化する工程と、
前記第2乃至第4の絶縁膜に、前記第1の導電層上に位置する接続孔を形成する工程と、
前記接続孔に導電体を埋め込む工程と、
を具備する半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−41107(P2006−41107A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−217351(P2004−217351)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】