説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】銅又は銅合金からなる配線との密着性が高いバリアメタル層を備え、信頼性の高い半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置では、半導体基板100の上方に配置された絶縁膜106と、絶縁膜106中の溝に配置され、銅又は銅合金からなる配線115とを備え、絶縁膜106と配線115との間に、白金族元素、又は白金族元素の合金からなるバリアメタル層を有しており、バリアメタル層は、非晶質構造を有する第1のバリアメタル層109と第1のバリアメタル層109の上に配置された多結晶構造を有する第2のバリアメタル層110からなる積層構造であり、第2のバリアメタル層110には銅が含まれており、第2のバリアメタル層110中の金属に占める銅の割合は50at%以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅配線若しくは銅合金配線を有する半導体装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
配線抵抗の低減、配線遅延の抑制等を目的として、配線材料として銅が適用されている。
しかしながら、継続的な微細化の進行に伴い、配線、ビアプラグ等の埋め込みの難易度は増加傾向にある。
【0003】
そこで現在、埋め込み特性及び信頼性向上を目的に、バリア材料として、従来用いられてきたTaの代わりにRuを用いることが提唱されている。
バリアメタル材料としてRuを使用することについては、特許文献1に記載されている。具体的には、以下の工程からなる技術が開示されている。
【0004】
まず、絶縁膜中の溝にRuを有するバリアメタル層を形成する。次に、銅を含有するシード層を形成する。
次に、シード層の上に銅層をめっきする。次に、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)により溝からはみ出た銅層を除去することで、配線を形成している。
【0005】
他にも類似の技術として、特許文献2〜4のような技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2010−536159号公報
【特許文献2】特開2008−205298号公報
【特許文献3】米国公開2006/0251872号公報
【特許文献4】米国公開2007/0059502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、バリアメタル層としてRuを使用すると、シード層との密着性が不十分であるという課題を有している。
前記に鑑み、本発明の目的は、銅又は銅合金からなる配線との密着性が高いバリアメタル層を備え、信頼性の高い半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明に係る半導体装置は、半導体基板上に配置された絶縁膜と、前記絶縁膜中の溝に配置され、銅又は銅合金からなる配線とを備え、前記絶縁膜と前記配線との間に、白金族元素、又は白金族元素の合金からなるバリアメタル層を有しており、前記バリアメタル層は、非晶質構造を有する第1のバリアメタル層と前記第1のバリアメタル層の上に配置された多結晶構造を有する第2のバリアメタル層からなる積層構造であり、前記第2のバリアメタル層には銅が含まれており、前記第2のバリアメタル層中の金属に占める銅の割合は50at%以下であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上の絶縁膜に溝を形成する工程(a)と、前記溝に、白金族元素、又は白金族元素の合金からなり、非晶質構造を有する第1のバリアメタル層を堆積する工程(b)と、前記第1のバリアメタル層の上に、白金族元素、又は白金族元素の合金からなり、多結晶構造を有する第2のバリアメタル層を堆積する工程(c)と、前記第2のバリアメタル層の上に銅又は銅合金からなる導電層を形成する工程(d)を有し、前記第2のバリアメタル層には銅が含まれており、前記第2のバリアメタル層中の金属に占める銅の割合は50at%以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、銅を含有したバリアメタル層を備えることにより、従来のバリアメタル層よりも銅又は銅合金などからなる導電層(配線)との密着性が高く、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)、(b)は、それぞれ本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図2】(a)、(b)は、それぞれ本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図4】(a)、(b)は、それぞれ変形例に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図5】(a)、(b)は、それぞれ変形例に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図6】変形例に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態)
図1〜図3を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。図1〜図3は、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【0013】
まず、図1(a)に示すように、半導体基板100上の第1の絶縁膜101の溝の中に例えば相対的にバリア性の高い非晶質構造を一部含んだルテニウム膜からなる第1のバリアメタル層102と例えば多結晶ルテニウム膜からなる第2のバリアメタル層103を介して、例えば銅膜からなる第1の配線104を埋め込む。その後、半導体基板100の上に第1のシリコン窒化膜105、第2の絶縁膜106を順次堆積した後、第1のシリコン窒化膜105、及び第2の絶縁膜106に、第1の配線104までに達するビアホール107と配線用溝108を形成する。
【0014】
このとき、第1のバリアメタル層102、第2のバリアメタル層103又は第1のシリコン窒化膜105は、第2の絶縁膜106を堆積するときの400℃程度の熱処理(例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法など)により、第1の配線104を構成する銅原子が第1の絶縁膜101又は第2の絶縁膜106などの内部に拡散する事態を防止する。すなわち、第1のバリアメタル層102、第2のバリアメタル層103、又は第1のシリコン窒化膜105は、銅原子の拡散に対するバリア性を有している。
【0015】
次に、図1(b)に示すように、例えばスパッタ法により半導体基板100の上にフィールド上の膜厚が1nm以上10nm以下となるようにルテニウム又はルテニウム合金からなる単層の第3のバリアメタル層109を堆積する。なお、フィールド上に形成される第3のバリアメタル層109の膜厚は1nm以上10nm以下が好ましく、3nm以上10nm以下であることがさらに望ましい。
【0016】
また、フィールド上に上述したような膜厚を有する第3のバリアメタル層109を形成することにより、溝側壁部分の膜厚は、1nm以上5nm以下となることが好ましく、1nm以上3nm以下となることがさらに好ましい。このとき、スパッタのターゲットをルテニウムとし、スパッタ時の雰囲気に窒素を含める。(ただし、非晶質構造を含んだ膜を形成することができれば、第3のバリアメタル層109内に含まれる物質は、窒素に限定されることはない。)
その後、スパッタ法により半導体基板のフィールド上の膜厚が1nm以上10nm以下となるようにルテニウムからなる単層の第4のバリアメタル層110を堆積する。なお、フィールド上に形成される第4のバリアメタル層110の膜厚は1nm以上10nm以下が好ましく、3nm以上5nm以下であることがさらに望ましい。また、フィールド上に上述したような膜厚を有する第4のバリアメタル層110を形成することにより、溝側壁部分の膜厚は、1nm以上7nm以下となることが好ましく、1nm以上5nm以下となることがさらに好ましい。また、第3のバリアメタル層109と比較して、第4のバリアメタル層110の厚さは薄いことが好ましい。このときスパッタのターゲットを第4のバリアメタル層110に含まれることになる金属に占める割合が50at%以下であるような銅を含むルテニウムとし、スパッタ時の窒素分圧を第3のバリアメタル層109堆積時よりも下げる。窒素分圧を下げることにより、第4のバリアメタル層110中に多結晶構造を形成することができる。なお、窒素分圧が小さい方が多結晶構造は形成されやすくなる。
【0017】
さらに、例えば、スパッタ法により第4のバリアメタル層110上に半導体基板のフィールド上の膜厚が0nmより大きく30nm以下となるように銅を含有するシード層111を堆積する。なお、フィールド上に形成されるシード層111の膜厚は0nmより大きく30nm以下が好ましく、0nmより大きく20nm以下であることがさらに好ましく、0nmより大きく10nm以下であることがさらに好ましい。これによりビアホール107及び配線用溝108のそれぞれの底部及び側壁部が第3のバリアメタル層109、第4のバリアメタル層110、及び銅シード層111により覆われる。
【0018】
その後、図2(a)に示すように、電解めっき法によりシード層111上に、膜厚約300nmの銅めっき層112を、ビアホール107及び配線用溝108のそれぞれが埋まるように成長させる。
【0019】
次に、半導体基板100をめっき装置から取り出した後、銅めっき層112の結晶粒を成長させるために銅めっき層112に対して熱処理(例えば100℃程度の温度下で2時間程度)を行う。これにより、図2(b)に示すように、銅シード層111と銅めっき層112とが一体化して配線用銅膜113が形成される。なお、銅めっき層112に対して前述の熱処理を行う代わりに、半導体基板400を室温下で2日間程度放置しておいてもよい。
【0020】
次に、図3に示すように、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法を用いて、配線用溝108の外側の第3のバリアメタル層109、第4のバリアメタル層110及び配線用銅膜113を除去して、配線用銅膜113からなるビア114及び第2の配線115を形成する。これにより、ビア114を介して、第1の配線104と第2の配線115とが接続される。
【0021】
その後、図示は省略しているが、必要に応じて、図1〜図3に示す断面図を用いて説明した工程(ただし、図1(a)に示す断面図を用いて説明した工程については第1のシリコン窒化膜105を堆積する工程以降)を繰り返すことにより、所望の多層配線構造を形成する。
【0022】
以上に説明したように、第1の実施形態によると、ビアホール107及び配線用溝108のそれぞれの底部及び壁面に、銅を含んだ第4のバリアメタル層110と銅層113を形成することが可能になる。ここで、第4のバリアメタル層110には銅が50at%以下含まれているため、銅層113との密着性が高まり信頼性が向上する。
【0023】
なお、上記実施形態において、第3のバリアメタル109及び第4のバリアメタル110の材料として、ルテニウムを用いたが、これに代えて、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの白金族元素、又はそれらの合金などを用いてもよい。
【0024】
また、上記実施形態において、第1の配線104、銅シード層111又は銅めっき層112の材料として純銅を用いたが、これに代えて、銅合金を用いてもよい。
また、上記実施形態において、第1のバリアメタル102及び第2のバリアメタル103としてそれぞれ非晶質ルテニウム膜及び多結晶ルテニウム膜を用いたが、これに代えて、タンタル膜、又は窒化タンタル膜などを用いてもよい。
【0025】
また、上記実施形態において、第1の絶縁膜101又は第2の絶縁膜106として二酸化珪素膜、塗布膜、又は炭素を含む誘電率の低い膜などを用いてもよい。
また、上記実施形態において、ビアホール107と配線用溝108とを同時に導電膜により埋め込むデュアルダマシン法を用いたが、これに代えて、ビアホール107と配線用溝108とを別々に形成すると共に別々に導電膜を埋め込んでもよい。
【0026】
また、上記実施形態において、配線用銅膜113形成時の熱処理を、窒素雰囲気中において行うことにより、相対的にバリア性の高い非晶質構造を一部含んだ第3のバリアメタル109の結晶化を抑制することができ、バリア性を高めるのにより効果的である。
【0027】
また、上記実施形態において、第3のバリアメタル成膜後にイオン注入により窒素を添加する方法を用いてもよい。
また、第4のバリアメタル110に含まれる金属に占める銅の割合は50at%以下であればよいが、25at%より大きく50at%以下であることがより好ましい。銅の含有率が少なすぎると、銅層との密着性が低くなるからである。
【0028】
また、シード層の膜厚は、第4のバリアメタルの膜厚よりも薄いことが好ましい。シード層の膜厚が第4のバリアメタルの膜厚よりも厚くても構わないが、厚いと銅層の埋め込みが難しくなる。ここで、シード層の膜厚が薄いと、銅層の埋め込みが容易になる。一方で、シード層の膜厚が薄くてもシード層の機能を第4のバリアメタル中に含まれる銅が補完可能である。以上から、シード層の膜厚は、第4のバリアメタルの膜厚よりも薄いことが好ましい。
【0029】
また、第4のバリアメタルは第3のバリアメタルよりも薄いことが好ましい。第4のバリアメタルは第3のバリアメタルよりも厚くても構わないが、厚いと銅層の埋め込みが難しくなる。ここで、第4のバリアメタルの膜厚が薄いと、銅層の埋め込みが容易になる。
【0030】
一方で、第3のバリアメタル膜は、銅の拡散に対するバリア性が高い非晶質構造を有している。そのため、バリア性の観点から第4のバリアメタルと比較してある程度厚く形成することが好ましい。以上から、第4のバリアメタルは第3のバリアメタルよりも薄いことが好ましい。
【0031】
また、第4のバリアメタル中に含まれる銅は、第3のバリアメタル側よりも配線側(銅層側)の方が多い方が好ましい。第4のバリアメタル中の銅が銅層との密着性向上に関わっている。従って、銅層側に第4のバリアメタル中の銅が多い方が好ましい。
【0032】
(変形例)
図4〜図6を参照しながら、変形例について説明する。図4〜図6は、変形例に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。なお、以下の説明では、上記実施形態と同一の部分については、説明を簡略化する。
【0033】
まず、図4(a)に示すように、上記実施形態と同様に、半導体基板200上の第1の絶縁膜201の溝の中に、第1のバリアメタル層202と第2のバリアメタル層203を介して、第1の配線204を埋め込む。
【0034】
その後、上記同様に、半導体基板200の上に第1のシリコン窒化膜205、第2の絶縁膜206を順次堆積した後、第1のシリコン窒化膜205、及び第2の絶縁膜206に、第1の配線204までに達するビアホール207と配線用溝208を形成する。ここで、第1のバリアメタル層202、第2のバリアメタル層203、又は第1のシリコン窒化膜205は、銅原子の拡散に対するバリア性を有している点も上記同様である。
【0035】
次に、図4(b)に示すように、上記同様に、スパッタ法により半導体基板200の上に膜厚5nmのルテニウム又はルテニウム合金からなる単層の第3のバリアメタル209を堆積する。
【0036】
その後、スパッタ法により膜厚5nmのルテニウムからなる第4のバリアメタル層210を堆積する。このときスパッタのターゲットを50at%以下の銅を含むルテニウムとし、スパッタ時の窒素分圧を第3のバリアメタル層209堆積時よりも下げる。これによりビアホール207及び配線用溝208のそれぞれの底部及び側壁部が第3のバリアメタル層209、第4のバリアメタル層210により覆われる。
【0037】
その後、図5(a)に示すように、電解めっき法により膜厚300nmの銅めっき層211を、ビアホール207及び配線用溝208のそれぞれが埋まるように成長させ、銅めっき層211の結晶粒を成長させるために銅めっき層211に対して熱処理(例えば100℃程度の温度下で2時間程度)を行う。これにより、図5(b)に示すように、配線用銅膜212が形成される。なお、上記同様に、銅めっき層211に対して前述の熱処理を行う代わりに、半導体基板400を室温下で2日間程度放置しておいてもよい。
【0038】
次に、図6に示すように、上記同様に、例えばCMP法を用いて、配線用溝208の外側の第3のバリアメタル層209、第4のバリアメタル層210及び配線用銅膜212を除去して、配線用銅膜212からなるビア213及び第2の配線214を形成し、ビア213を介して、第1の配線204と第2の配線214とを接続する。
【0039】
その後、上記同様に図示は省略しているが、必要に応じて、図4〜図6に示す断面図を用いて説明した工程(ただし、図4(a)に示す断面図を用いて説明した工程については第1のシリコン窒化膜205を堆積する工程以降)を繰り返すことにより、所望の多層配線構造を形成する。
【0040】
以上に説明したように、本変形例によると、ビアホール207及び配線用溝208のそれぞれの底部及び壁面に、銅を含んだ第4のバリアメタル層210と配線用銅膜212を形成することが可能になる。このため第4のバリアメタル層210と配線用銅膜212の密着性が高まり信頼性が向上する。また、第4のバリアメタル210上に直接銅めっき層211を成長させるため微細なビアへの埋め込み性能が向上する。
【0041】
なお、上記変形例において、第3のバリアメタル層209及び第4のバリアメタル層210の材料、第1の配線204、又は銅めっき層211の材料、第1のバリアメタル層202及び第2のバリアメタル層203として用いた材料、第1の絶縁膜201又は第2の絶縁膜206として用いた材料などについては、上記同様のバリエーション構成を採用することもできる。
【0042】
また、上記変形例において、ビアホール207と配線用溝208との形成方法、配線用銅膜212形成時における熱処理の雰囲気、第3のバリアメタル層209の形成条件などについても、上記同様にバリエーション構成を採用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法は、高バリア性をもつ白金族元素の非晶質バリアメタルを有し、銅配線又は銅合金配線を有する半導体装置等として有用である。
【符号の説明】
【0044】
100 半導体基板
101 第1の絶縁膜
102 第1のバリアメタル
103 第2のバリアメタル
104 第1の配線
105 第1のシリコン窒化膜
106 第2の絶縁膜
107 ビアホール
108 配線用溝
109 第3のバリアメタル
110 第4のバリアメタル
111 銅シード層
112 銅めっき層
113 配線用銅膜
114 ビア
115 第2の配線
200 半導体基板
201 第1の絶縁膜
202 第1のバリアメタル
203 第2のバリアメタル
204 第1の配線
205 第1のシリコン窒化膜
206 第2の絶縁膜
207 ビアホール
208 配線用溝
209 第3のバリアメタル
210 第4のバリアメタル
211 銅めっき層
212 配線用銅膜
213 ビア
214 第2の配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に配置された絶縁膜と、
前記絶縁膜中の溝に配置され、銅又は銅合金からなる配線とを備え、
前記絶縁膜と前記配線との間に、白金族元素、又は白金族元素の合金からなるバリアメタル層を有しており、
前記バリアメタル層は、非晶質構造を有する第1のバリアメタル層と前記第1のバリアメタル層の上に配置された多結晶構造を有する第2のバリアメタル層からなる積層構造であり、
前記第2のバリアメタル層には銅が含まれており、前記第2のバリアメタル層中の金属に占める銅の割合は50at%以下であることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2のバリアメタル層中に含まれる銅は、前記第1のバリアメタル層側よりも前記配線側の方が多いことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2のバリアメタル層の厚さは、前記第1のバリアメタル層の厚さよりも薄いことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2のバリアメタル層中の金属に占める銅の割合は25at%より大きく50at%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1のバリアメタル層の前記溝側壁部分の厚さは1nm以上7nm以下であり、
前記第2のバリアメタル層の前記溝側壁部分の厚さは1nm以上5nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1のバリアメタル層の前記溝側壁部分の厚さは1nm以上5nm以下であり、
前記第2のバリアメタル層の前記溝側壁部分の厚さは1nm以上3nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記白金族元素は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、又は白金であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
第1のバリアメタル層中の窒素含有量は、第2のバリアメタル層中の窒素含有量よりも多いことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
半導体基板上の絶縁膜に溝を形成する工程(a)と、
前記溝に、白金族元素、又は白金族元素の合金からなり、非晶質構造を有する第1のバリアメタル層を堆積する工程(b)と、
前記第1のバリアメタル層の上に、白金族元素、又は白金族元素の合金からなり、多結晶構造を有する第2のバリアメタル層を堆積する工程(c)と、
前記第2のバリアメタル層の上に銅又は銅合金からなる導電層を形成する工程(d)を有し、
前記第2のバリアメタル層には銅が含まれており、前記第2のバリアメタル層中の金属に占める銅の割合は50at%以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記工程(c)と前記工程(d)の間に、
前記第2のバリアメタル層の上にシード層を形成する工程(e)を有し、
前記工程(d)は、前記シード層の上に前記導電層を形成する工程であることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記シード層の膜厚は、前記第2のバリアメタル層よりも薄いことを特徴とする請求項9又は10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記白金族元素は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、又は白金であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−169480(P2012−169480A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29778(P2011−29778)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】