説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】再配線構造を有する半導体装置において、外部接続電極の接合性の低下、層間剥離、クラックの発生等を抑制して信頼性を向上する。
【解決手段】半導体装置50は、配線層絶縁膜3内に形成された信号配線1と、配線層絶縁膜3上に形成された絶縁膜6及び7と、絶縁膜6及び7内で且つ信号配線1上に形成された配線電極4と、絶縁膜6及び7内で且つ配線電極4上に形成された第1の金属層10aと、絶縁膜6及び7上に形成され、第1の金属層10aの上面に接続された金属配線10cと、金属配線10c上に形成された外部接続電極13aとを備える。更に、絶縁膜6及び7内で且つ外部接続電極13aの下方に形成され、金属配線10cの下面に接続された第2の金属層10bを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器及び電子機器を用いたセットに利用する半導体装置に関し、特に、デジタル家電、電動自転車、電気自動車等に用いられる高性能で且つ高信頼性の半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術の半導体装置100について、要部の模式的な断面を図11に示す。半導体装置100において、配線層絶縁膜103内に配線101が設けられ、当該配線層絶縁膜103上には配線電極104が設けられている。配線電極104の上面に再配線層110が接続され、当該再配線層110上で且つ配線電極104の上方を避ける位置に、パッド部112を介して外部接続電極113aが形成されている。尚、配線層絶縁膜103上には第1の絶縁膜106及び第2の絶縁膜107が積層されている。再配線層110は、第1の絶縁膜106及び第2の絶縁膜107内に形成されて配線電極104に達する配線電極接続部110aと、その上面に接続され、外部接続電極113aとの電気的接続を得る再配線110bとを有する。また、再配線110bの下面及び配線電極接続部110aの側面及び下面は、シード層108によって覆われている。
【0003】
このように、半導体装置100は、デバイス特性を向上させる目的をもって、外部接続電極113aの下方とは異なる位置に配線層絶縁膜103上の配線電極104を配置する構造、いわゆる再配線構造を用いている(例えば、特許文献1、特許文献2等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−147051号公報
【特許文献2】特開昭61−294838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のような再配線構造を用いた場合、半導体装置の信頼性、特に、外部接続電極113aと再配線層110との接合信頼性が低下する問題がある。具体的には、例えば、ワイヤボンディングを利用してパッド部112上に外部接続電極113aが接合される場合に、ワイヤボンディングの接合性が低下する。また、ワイヤボンディングに代えてバンプ接合を利用する場合に、層間剥離(シード層108と第2の絶縁膜107との界面における剥離、及び、第2の絶縁膜107と第1の絶縁膜106との界面における剥離が考え得る)、クラック等が発生することがある。
【0006】
以上に鑑みて、本開示の技術の目的は、外部接続電極と再配線層との接合性低下を抑制し、また、層間剥離及びクラックを抑制することにより、信頼性の高い半導体装置及びその製造方法を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するために、本願発明者等は種々の検討を行ない、次の点に着目した。
【0008】
配線電極上から再配線を行ない、当該再配線上の所定箇所に外部接続電極を設ける再配線構造の場合、再配線層における外部接続電極が形成される箇所の直下には、絶縁膜が配置されている。この結果、接合時の応力、荷重及び熱等によって、接合が不安定になる。例えばワイヤボンディングを行なう際、絶縁膜が緩衝材となってボンディング荷重が吸収されるので、ワイヤボンディングの接合性が低下してしまう。また、バンプ接合を行なう際、再配線層における接合箇所の直下には絶縁膜が位置しているので、熱による膨張の差によって、層間剥離、クラック等が発生する。
【0009】
このことに基づき、本願発明者等は、再配線層のうち外部接続電極が接続される箇所の下方において、部分的に絶縁膜に代えて金属層を配置することを着想した。
【0010】
具体的に、本開示の半導体装置は、配線層絶縁膜内に形成された信号配線と、配線層絶縁膜上に形成された絶縁膜と、絶縁膜内で且つ信号配線上に形成された配線電極と、絶縁膜内で且つ配線電極上に形成された第1の金属層と、絶縁膜上に形成され、第1の金属層の上面に接続された金属配線と、金属配線上に形成された外部接続電極と、絶縁膜内で且つ外部接続電極の下方に形成され、金属配線の下面に接続された第2の金属層とを備える。
【0011】
このような半導体装置は、金属配線を利用して、配線電極の上方とは異なる位置に外部接続電極を配置する再配線構造を実現すると共に、外部接続電極の下方において、金属配線の下に第2の金属層を配置している。これは、外部接続電極の下方において、ボンディング時に応力を吸収してしまう絶縁膜の一部を第2の金属層によって置き換えた構造である。この結果、前記応力の吸収を抑えてボンディングの接合性低下を抑えることができると共に、熱による膨張の差によって生じる層間剥離、クラック等を抑えることができる。
【0012】
また、第2の金属層は、信号配線の側から金属配線の側に向かって広がるテーパー形状の断面を有していても良い。
【0013】
このようにすると、寸法の制約が厳しい場合にも、外部接続電極を接続する際の応力を受ける面積を大きくして外部接続電極の接合信頼性を向上することができる。また、第2の金属層と絶縁膜との境界の面積を大きくして、当該境界におけるクラック及び剥離を抑えることができる。
【0014】
また、第1の金属層及び第2の金属層の側面及び下面と、金属配線の下面とを覆うように形成された第3の金属層を備えていても良い。
【0015】
第3の金属層は、配線材料が絶縁膜に拡散するのを防ぐバリアメタルとして利用することができる。
【0016】
また、絶縁膜内で且つ外部接続電極の下方に形成され、第2の金属層の下面に接続されたダミー電極を備えていても良い。
【0017】
また、配線層絶縁膜内で且つ外部接続電極の下方に形成され、ダミー電極の下方に接続されたダミー配線を更に備えていても良い。
【0018】
これらの構造は、外部接続電極の下方において、絶縁膜の一部をダミー電極によって更に置き換えた構造及び配線層絶縁膜の一部をダミー配線によって置き換えた構造であり、応力の吸収を更に抑えることができる。この結果、ボンディングの接合性低下、熱膨張の差による層間剥離、クラック等が生じるのを更に抑えることができる。更に、より強固な構造となるので、外部接続電極の下方にトランジスタ等の内部素子が設けられている場合に、外部接続電極を接合する際の応力等による内部素子に対するダメージを抑制することができる。
【0019】
また、絶縁膜は、配線電極の周囲を埋め込む第1の絶縁膜と、第1の金属層及び第2の金属層の周囲を埋め込む第2の絶縁膜とを含んでいても良い。
【0020】
絶縁膜は、このような構造を有していても良い。
【0021】
また、第1の絶縁膜は窒化シリコン膜又は酸化シリコン膜であり、第2の絶縁膜は有機絶縁膜であっても良い。
【0022】
それぞれの絶縁膜の具体的な材料の例として、これらを挙げることができる。
【0023】
また、金属配線上を覆い且つ外部接続電極を露出させるように形成された封止絶縁膜を備えていても良い。
【0024】
また、外部接続電極は、ボンディングワイヤーであっても良い。
【0025】
また、外部接続電極は、はんだバンプであっても良い。
【0026】
外部接続電極として、これらを用いても良い。
【0027】
また、外部接続電極を複数備えると共に、複数の外部接続電極のうちの2つ以上が接続された外部接続電極GND部を有していても良い。
【0028】
また、外部接続電極を複数備えると共に、複数の外部接続電極のうちの2つ以上が接続された放熱部を有していても良い。
【0029】
このような外部接続電極GND部(接地部)及び放熱部には、複数の外部接続電極を接合するので、構造を強固にすることができる本開示の構造が有用である。
【0030】
また、平面視において、第2の金属層の外径は、外部接続電極の外径の0.8倍以上で且つ3倍以下であっても良い。
【0031】
第2の金属層の外径が小さすぎると、接合信頼性を向上する効果が十分には得られない。また、第2の金属層の外径が大きすぎると、その周囲に配置される配線等の設計を制約してしまう。従って、第2の金属層の外径には望ましい範囲が有り、例えば外部接続電極の外径の0.8倍以上で且つ3倍以下であっても良い。尚、外径としては、例えば第2の金属層が平面視にて円形である場合の直径である。
【0032】
次に、本開示の半導体装置の製造方法は、配線層絶縁膜内に信号配線を形成する工程(a)と、信号配線上に配線電極を形成する工程(b)と、配線層絶縁膜上に形成され、信号電極を露出させる第1の凹部及び他の位置に設けられた第2の凹部を有する絶縁膜を形成する工程(c)と、第1の凹部を埋め込む第1の金属層及び第2の凹部を埋め込む第2の金属層と、絶縁膜上に形成され且つ第1の金属層及び第2の金属層に接続された金属配線を形成する工程(d)と、第2の金属層の上方において、金属配線上に外部接続電極を形成する工程(e)とを備える。
【0033】
このようにすると、本開示の半導体装置を製造することができる。ここで、配線電極と金属配線とを接続する第1の金属層は、再配線構造を実現するために形成される。このような第1の金属層と同時に第2の金属層を形成することができるので、工程数を増加させるのを避けることができる。
【0034】
また、工程(b)において、配線電極に加えてダミー電極を形成し、工程(c)において、第2の凹部をダミー電極の上方に配置しても良い。
【0035】
これにより、ダミー電極を有する本開示の半導体装置を製造することができる。ここで、配線電極と同時にダミー電極を形成することができるので、製造の工程数の増加を避けることができる。
【0036】
また、工程(a)において、信号配線に加えてダミー配線を形成し、工程(c)において、第2の凹部をダミー配線の上方に配置しても良い。
【0037】
これにより、ダミー配線を有する本開示の半導体装置を製造することができる。ここで、信号配線と同時にダミー配線を形成することができるので、製造の工程数の増加を避けることができる。
【0038】
また、工程(c)は、信号電極上面を露出させる第1の絶縁膜を形成する工程と、第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成する工程と、第2の絶縁膜のうちの所定領域を除去して第1の凹部及び第2の凹部を形成する工程とを含んでいても良い。
【発明の効果】
【0039】
本開示の半導体装置及びその製造方法によると、外部接続電極のボンディング接合性の低下を抑制し、また、層間剥離及びクラックの発生等を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1(a)及び(b)は、本開示の第1の実施形態の例示的半導体装置を模式的に示す平面図及び断面図である。
【図2】図2は、本開示の第1の実施形態の例示的半導体装置の効果が顕著になる数値範囲を示す図である。
【図3】図3は、本開示の第1の実施形態の他の例示的半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図4】図4(a)〜(f)は、本開示の第1の実施形態の例示的半導体装置について、製造工程を説明する図である。
【図5】図5(a)〜(e)は、図4(f)に続いて、本開示の第1の実施形態の例示的半導体装置について、製造工程を説明する図である。
【図6】図6(a)及び(b)は、本開示の実施形態における第1の変形例の例示的半導体装置を模式的に示す平面図及び断面図である。
【図7】図7(a)〜(f)は、本開示の実施形態における第1の変形例の例示的半導体装置について、製造工程を説明する図である。
【図8】図8(a)〜(e)は、図7(f)に続いて、本開示の実施形態における第1の変形例の例示的半導体装置について、製造工程を説明する図である。
【図9】図9は、本開示の実施形態における第2の変形例の例示的半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図10】図10は、本開示の実施形態における第3の変形例の例示的半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図11】図11は、背景技術の半導体装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0042】
図1(a)及び(b)は、実施形態の例示的半導体装置50を模式的に示す平面図及び断面図であり、図1(a)のIb-Ib'線が図1(b)に対応する。
【0043】
図1(b)に示す通り、配線層絶縁膜3内に信号配線1が設けられ、当該信号配線3上に配線電極4が接続されている。配線電極4上には、バリアメタル・シード層8を介して、配線電極接続部10a(第1の金属層)が形成されている。
【0044】
配線電極接続部10aは再配線層10の一部である。再配線層10は、配線電極接続部10aと、当該配線電極接続部10aと同じ層に形成された外部電極部補強層10b(第2の金属層)と、配線電極接続部10a及び外部電極部補強層10b上に形成された再配線10cとを含む。バリアメタル・シード層8は、配線電極接続部10a及び外部電極部補強層10bの下面及び側面と、再配線10cの下面とを覆うように形成されている。
【0045】
配線電極接続部10a、外部電極部補強層10b及び配線電極4は、配線層絶縁膜3上に形成された絶縁膜(第1の絶縁膜6及びその上に形成された第2の絶縁膜7)中に埋め込まれている。より具体的に、配線電極接続部10a及び外部電極部補強層10bは、第2の絶縁膜7に設けられた開口部を埋め込むように形成されている。配線電極接続部10aの一部は、第1の絶縁膜6内にまで入り込んでいる。再配線10cのうちの配線電極接続部10aの形成箇所及び外部電極部補強層10bの形成箇所を除く部分(再配線層10のうち膜厚が小さい部分)の下に、バリアメタル・シード層8を介して第2の絶縁膜7が配置されることになる。また、配線電極4は、第2の絶縁膜7の下の第1の絶縁膜6に設けられた開口を充填し、配線層絶縁膜3の上部にも一部が入り込むように形成されている。
【0046】
また、再配線10c上で且つ外部電極部補強層10bの上方に、パッド部12を介して、ワイヤボンドによる外部接続電極13aが形成されている。
【0047】
更に、パッド部12及び外部接続電極13aを露出させるように、第2の絶縁膜7及び再配線10cを覆う封止絶縁膜11が形成されている。
【0048】
以上のような半導体装置50において、再配線層10を利用して、配線電極4の上方とは異なる位置に外部接続電極13aを設ける再配線構造が実現している。
【0049】
また、外部接続電極13aの下方において、第2の絶縁膜7が開口されて、当該開口を埋め込むように、第2の絶縁膜7の膜厚に相当する厚さの外部電極部補強層10bが形成されている。
【0050】
ここで、外部接続電極13aの下方において、再配線10cの下に絶縁膜が配置されていると、パッド部12を介して再配線10c上に外部接続電極13aを接合(ワイヤボンド)する際、応力が吸収されてしまい、接合性が不安定になる。これに対し、半導体装置50の場合、外部接続電極13aの下方における再配線10cの下には、外部電極部補強層10bが配置されている。これにより、前記の応力が吸収されるのを避けることができ、接合性を改善することができる。
【0051】
尚、各構成要素の材料の例として、以下のものが挙げられる。つまり、信号配線1は、アルミニウム又は銅等からなっていても良い。配線層絶縁膜3は、BPSG(Boron Phosphorus Silicate Glass)膜等の酸化膜又は有機絶縁膜からなっていても良い。配線電極4は、アルミニウム等からなっていても良い。バリアメタル・シード層8は、チタン膜及び銅膜が積層された構造であっても良い。再配線層10は、銅等からなっていても良い。また、第1の絶縁膜6は、窒化シリコン膜又は酸化シリコン膜等であっても良い。第2の絶縁膜7は、ポリイミド等の有機絶縁膜であっても良い。パッド部12は、ニッケル及び金からなるメッキ層からなっていても良いし、ニッケル、パラジウム及び金からなるメッキ層からなっていても良い。外部接続電極13aは、金、銅又はアルミニウム等のワイヤーからなっていても良い。但し、これらには限定されず、他の材料を用いても良い。
【0052】
また、図1(b)の場合、信号配線1の上面のうちの一部に配線電極4が接続され、信号配線1の上面の他の部分は配線層絶縁3によって薄く覆われている。しかしながら、信号配線1の上面と配線層絶縁膜3の上面とが面一である構造、信号配線1の上面全体を覆うように配線電極4が形成されている構造等とすることも可能である。

また、平面視において、外部電極部補強層10bの外形の寸法(一例として、外部電極補強部10bが円形である場合の直径)は、外部接続電極13aの外形の寸法に対して、0.8倍以上で且つ3.0倍以下の範囲とするのが良い。0.8倍未満の大きさであった場合、外部接続電極13aを接合する際の加重、衝撃等を十分に受けることが難しい。また、3.0倍を超える場合、外部電極部補強層10bの周囲の配線の配置等、設計事項を大きく制約してしまい、狭ピッチ化、多ピン化等を進めるに当たって障害となってしまう。従って、前記の範囲とするのが良い。
【0053】
また、本実施形態の効果は、再配線10cの厚さが1μm以上で且つ第2の絶縁膜7の厚さの4倍未満の場合に、顕著に発揮される。再配線10cを安定して形成するためには厚さが1μm以上であることが好ましい。また、再配線10cの厚さが第2の絶縁膜7の厚さの4倍以上である場合、第2の絶縁膜7の厚さに対して再配線10cは十分に厚く、外部電極部補強層10bを設けることによる接合性の改善は小さくなる。従って、前記の範囲の場合に、顕著な効果が得られる。但し、この範囲を外れる場合にも効果は発揮できる。
【0054】
このことに関して、図2に示す。図2のグラフにおいて、横軸は第2の絶縁膜7の厚さ(μm)、縦軸は再配線10cの厚さ(μm)を示す。グラフ中の領域Aが、前記の範囲に対応する。つまり、1(μm)≦再配線10cの厚さ(μm)<第2の絶縁膜7の厚さ×4(μm)となる領域である。領域Bは第2の絶縁膜7の厚さに対して再配線10cが十分に厚い領域、領域Cは再配線10cを安定して形成することが困難な領域を示す。
【0055】
第2の絶縁膜7の厚さが大きくなるにつれて、本実施形態の構造による効果が顕著になる(つまり、外部電極部補強層10bを設けることが望ましい)再配線10cの厚さの範囲が大きくなっている。また、再配線10cの厚さが小さいほど、膜厚の小さい第2の絶縁膜7に対しても、外部電極部補強層10bを設ける効果が顕著になる。
【0056】
次に、図3に、本実施形態の他の例示的半導体装置50aの断面を模式的に示している。
【0057】
図3に示す通り、半導体装置50aにおいて、外部電極部補強層10bは、配線層絶縁膜3の側から再配線10cの側に向かって広がるテーパー形状を有している。このようにすると、他の配線等を外部電極補強部10bに近い位置にまで配置することができるので、寸法制約が厳しい場合にも対応できる。これと共に、ワイヤボンドの際に応力を受ける面積を大きくすることができ、また、第2の絶縁膜7と外部電極部補強層10bとが接触する境界面の面積を大きくすることができる。
【0058】
この結果、外部接続電極13aの接合信頼性を確保することができると共に、前記境界面におけるクラック、剥離等を抑制することができる。
【0059】
次に、半導体装置50の製造方法を説明する。図4(a)〜(f)と、図5(a)〜(e)は、半導体装置50の製造工程を示す模式的な断面図である。
【0060】
図4(a)の工程において、配線層絶縁膜3内に、アルミニウム、銅等からなる信号配線1を形成する。次に、信号配線1上に、アルミニウム等からなる配線電極4を形成する。この際、配線電極4は、配線層絶縁3内に一部が入り込むように形成される。更に、配線電極4の直上を除いて配線層絶縁膜3上を覆うように、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜等からなる第1の絶縁膜6を形成する。例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)により膜を堆積した後、配線電極4直上の所定部分の膜をエッチング除去する。
【0061】
続いて、図4(b)に示すように、第1の絶縁膜6及び配線電極4の上を覆うように、有機絶縁膜(例えばポリイミド)等からなる第2の絶縁膜7を塗布等により形成する。
【0062】
続いて、図4(c)に示すように、配線電極4上方の領域及びそれとは異なる領域において第2の絶縁膜7を除去し、後の工程にて配線電極接続部10a及び外部電極部補強層10bが形成される第1の凹部21a及び第2の凹部21bを形成する。
【0063】
続いて、図4(d)に示すように、第2の絶縁膜7上と、第1の凹部21a及び第2の凹部21bの側面及び底面とを覆うバリアメタル・シード層8をチタン及び銅により形成する。例えば、いずれもスパッタ法を用い、チタン膜を形成した後、その上に銅膜を形成する。
【0064】
続いて、図4(e)に示すように、バリアメタル・シード層8上に、フォトリソグラフィ法等を利用して、再配線層10を形成する領域が開口されたレジスト膜9を形成する。その後、第1の凹部21aを埋め込む配線電極接続部10aと、第2の凹部21bを埋め込む外部電極部補強層10bと、これらの上面に接続され且つレジスト膜9に設けられた開口を埋め込む再配線10cとを含む再配線層10を形成する。これには、例えばメッキ法を用いても良い。
【0065】
続いて、図4(f)に示すように、レジスト膜9を除去する。
【0066】
続いて、図5(a)に示すように、再配線層10に覆われた部分以外のバリアメタル・シード層8をエッチング等により除去する。
【0067】
続いて、図5(b)に示すように、再配線層10上及び第2の絶縁膜7上を覆うように、ポリイミド又はエポキシ樹脂等からなる封止絶縁膜11を形成する。
【0068】
続いて、図5(c)に示すように、外部電極部補強層10b上方の部分の封止絶縁膜11を除去し、当該部分の再配線10cを露出させる。
【0069】
続いて、図5(d)に示すように、封止絶縁膜11から露出した部分の再配線10c上に、ワイヤボンドを行なうためのパッド部12を形成する。パッド部12は、例えば、ニッケル及び金からなるメッキ層、又は、ニッケル、パラジウム及び金からなるメッキ層等により形成する。
【0070】
続いて、図5(e)に示すように、パッド部12上に、外部接続電極13aとしてAu(金)、Cu(銅)又はAl(アルミニウム)からなるワイヤーを接続する。Auワイヤー又はCuワイヤーの場合は、熱(例えば150℃〜250℃)、超音波及び荷重によりボールボンディング接合を行なう。Alワイヤーの場合は、熱(例えば100℃〜150℃)、超音波及び荷重によりウェッジボンディング接合を行なう。あるいは、同様の接合方法により、Auワイヤー又はCuワイヤーを用いたスタッドバンプとしても良い。
【0071】
Alワイヤーの場合、線径が50μm以上で且つ200μm以下程度であり、Auワイヤー又はCuワイヤーの場合(線径は10μm以上で且つ30μm以下程度)に比べて太いので、より大きい荷重を接合部に加えることになる。従って、接続するワイヤーの種類に応じて、接合部の設計を最適化することが望ましい。
【0072】
以上のようにして、半導体装置50を製造することができる。
【0073】
尚、外部電極部補強層10bは、配線電極接続部10aの形成工程を利用して同時に形成することができる。従って、外部電極部補強層10bを形成するために別途工程を追加することは不要であり、工程数及び製造コストを増加させることなく外部電極部補強層10bを形成できる。
【0074】
(第1の変形例)
以下に、第1の変形例の例示的半導体装置51について説明する。図6(a)及び(b)は、半導体装置51を模式的に示す平面図及び断面図であり、図6(a)のVIb-VIb'線が図6(b)に対応する。図6(a)及び(b)の半導体装置51において、半導体装置50と同様の構成要素については図1(a)及び(b)と同じ符号を用い、以下には相違点について詳しく説明する。
【0075】
図6(b)に示す通り、半導体装置51は、半導体装置50の構成に加えて、ダミー電極5を備えている。ダミー電極5は、外部接続電極13aの下方において、第1の絶縁膜6に埋め込まれ且つ外部電極部補強層10bの下にバリアメタル・シード層8を介して接するように形成されている。平面視において、ダミー電極5は、外部電極部補強層10bよりも大きな面積を有する。尚、外部電極部補強層10bは、第1の絶縁膜6内にも入り込んでおり、第1の絶縁膜6及び第2の絶縁膜7を合わせた厚さから、ダミー電極5の厚さを除いた厚さを有することになる。また、ダミー電極5は、配線層絶縁3内にも一部が入り込むように形成されている。ダミー電極5の材料は、例えば、アルミニウム等である。
【0076】
これにより、半導体装置51は、外部接続電極13aが接続される箇所の構造を更に強化し、接続信頼性を向上している。
【0077】
更に、外部接続電極13aの下方において、配線層絶縁膜3に埋め込まれ且つダミー電極5の下に接するように、ダミー配線2が形成されている。ダミー配線2も、外部接続電極13aが接続される箇所の構造を更に強化し、接続信頼性を向上することに貢献する。ダミー配線2の材料は、例えば、アルミニウム又は銅等である。
【0078】
外部電極部補強層10bを設けて外部接続電極13aの下方における再配線層10の厚さを増加させるだけでは、外部接続電極13aの接合信頼性を十分に改善できない場合がある。そのような場合に、ダミー電極5及びダミー配線2を設けることが好ましい。尚、ダミー電極5を設けて、ダミー配線2を設けない構成とすることも可能である。ダミー電極5によって十分な効果が得られるのであれば、そのようにしても良い。
【0079】
ここで、ダミー電極5及びダミー配線2は、それぞれ、配線電極4及び信号配線1を形成する工程において同時に形成できる。従って、工程数(及びマスク数)を増加させることなく形成可能であり、コストの増加は抑制されている。
【0080】
また、ダミー電極5及びダミー配線2は、それぞれ、配線電極4及び信号配線1と同じ層内(断面において同じ高さ)に形成されるので、各層に不必要な段差を生じさせることがない。従って、ワイヤボンドの接合時に受ける応力が集中するのを抑えることができ、クラック等の発生を抑えることができる。
【0081】
また、外部電極部補強層10bの下方にトランジスタ等の内部素子が存在する場合、ダミー電極5及びダミー配線2は、当該内部素子へのダメージ(外部接続電極13aの接合時の応力等によるダメージ)を抑制する効果も有する。これによっても、半導体装置の信頼性が向上する。
【0082】
次に、図6(a)に示すように、半導体装置51は、再配線層10上に複数の外部接続電極13aが接続され、グランド(接地)として用いられる外部電極接続GND部14を有する。
【0083】
外部電極接続GND部14は、同一の部分に複数の外部接続電極13aが接合されるので、より強固な構造を要する。従って、ダミー電極5及びダミー配線2を備える構造が望ましい。
【0084】
半導体装置50に関して、再配線層10に単一の外部接続電極13aが接合される場合、再配線10cの厚さの厚さが1μm以上で且つ第2の絶縁膜7の厚さの4倍未満の時に効果が顕著になると説明した(図2を参照)。これに対し、複数の外部接続電極13aが接合される外部電極接続GND部14の場合、より強固な構造であることが望まれる。従って、再配線10cの厚さが1μm以上で且つ第2の絶縁膜7の厚さの8倍未満の時に、外部電極部補強層10b、ダミー電極5、ダミー配線2を設けることが望ましい。
【0085】
尚、外部電極接続GND部14に接続される外部接続電極13a(GND端子)のワイヤボンドと、通常の外部接続電極13a(電気的接続端子)のワイヤボンドとの距離を、パッドピッチの2倍以上とすることを要する。これにより、GND端子と電気的接続端子との干渉を避けることができる。ここで、パッドピッチとは、通常の外部接続電極13aが形成されるパッド部12が配置されるピッチのことである。
【0086】
また、図6(a)に示すように、半導体装置51は、高発熱部15と、その上方に形成された外部電極接続放熱部16とを有する。
【0087】
半導体装置に設けられる半導体回路は、発熱の大きい特定の高発熱部を有することが多い。許容範囲を超える高熱が半導体装置内に発生すると、回路の駆動に影響を与え、暴走を起こして回路を誤動作させることがある。また、熱の影響により、ワイヤボンドが溶断されることもある。そこで、放熱性を向上するために、再配線層10を利用して外部電極接続放熱部16を設けるのが良い。
【0088】
外部電極接続放熱部16には、複数の外部接続電極13a(本実施形態ではワイヤボンドであるが、半田バンプ等のバンプであっても良い)が接続される。また、外部電極接続放熱部16は、配線電極接続部10a及び再配線10cを介して配線電極4(図6(a)では図示省略)に電気的に接続されている。但し、このような電気的接続を有しない、単独の外部電極接続放熱部16とすることも可能である。
【0089】
外部電極接続放熱部16についても、複数の外部接続電極13aが接合されるのであるから、より強固な構造を要する。従って、ダミー電極5及びダミー配線2を備える構造が望ましい。外部電極接続GND部14の場合と同様に、再配線10cの厚さが1μm以上で且つ第2の絶縁膜7の厚さの8倍未満の時に、外部電極部補強層10b、ダミー電極5、ダミー配線2を設けて構造をより強固にすることが望ましい。
【0090】
尚、高発熱部15と、その他の領域における再配線層10との距離を、パッドピッチの2倍以上とするのが良い。これにより、高発熱部15における熱が電気的接続端子に影響するのを抑えることができる。
【0091】
尚、外部電極接続GND部14及び外部電極接続放熱部16が形成箇所は、より強固な構造を有することが望ましいので、ダミー電極5及びダミー配線2が形成されるものとして説明した。しかしながら、外部電極部補強層10bを設けることにより、外部接続電極13aの接合信頼性が十分に改善する場合等には、ダミー電極5及びダミー配線2は必須ではない。
【0092】
次に、半導体装置51の製造方法を説明する。図7(a)〜(f)と、図8(a)〜(e)は、半導体装置51の製造工程を示す模式的な断面図である。図6(a)及び(b)の半導体装置51は、図1(a)及び(b)の半導体装置50にダミー電極5及びダミー配線2が追加された構造であるから、製造方法についても、これらを形成する点が相違する。従って、以下には、相違点を主に説明する。
【0093】
図7(a)の工程において、配線層絶縁膜3内に、アルミニウム、銅等からなる信号配線1を形成することに加えて、同様の材料からなるダミー配線2を形成する。次に、信号配線1上に、アルミニウム等からなる配線電極4を形成することに加えて、同様の材料からなるダミー電極5を形成する。このとき、ダミー電極5は、配線層絶縁3内にも一部が入り込むように形成される。
【0094】
このように、ダミー電極5及びダミー配線2は、配線電極4及び信号配線1を形成する工程において同時に形成できるので、工程数は増加しない。
【0095】
更に、配線電極4の直上及びダミー電極5の直上を除いて配線層絶縁膜3上を覆うように、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜等からなる第1の絶縁膜6を形成する。
【0096】
続いて、図7(b)に示すように、第1の絶縁膜6、配線電極4及びダミー電極5の上を覆うように、有機絶縁膜(例えばポリイミド)等からなる第2の絶縁膜7を形成する。
【0097】
続いて、図7(c)に示すように、配線電極4上方の領域及びダミー電極5上方の領域における第2の絶縁膜7を除去して、後の工程にて配線電極接続部10a及び外部電極部補強層10bが形成される第1の凹部21a及び第2の凹部21bを形成する。
【0098】
この後、図7(d)〜(f)及び図8(a)〜(e)の各工程を行なうことにより、半導体装置51が製造される。これらの工程は、半導体装置50の製造工程(図4(d)〜(f)及び図5(a)〜(e)に示す工程)と同様である。
【0099】
以上により、半導体装置51が製造される。
【0100】
(第2の変形例)
以下に、第2の変形例の例示的半導体装置52について説明する。図9は、半導体装置52の断面を模式的に示す図であり、半導体装置50の断面を示す図1(b)に対応する。
【0101】
半導体装置52は、半導体装置50がワイヤボンドにより形成された外部接続電極13aを備えるのに代えて、半田バンプにより形成された外部接続電極13bを備える。また、半導体装置52においてパッド部12は形成されず、封止絶縁膜11から露出する部分の再配線10c上に直接、外部接続電極13bが形成されている。その他の構成は同様であるから、図9において、図1(a)及び(b)と同じ符号を付している。
【0102】
半田バンプによる外部接続電極13bを形成する場合、バンプ接合時の熱応力が原因となって、層間剥離、クラック等の接続不良が生じる場合がある。これに対し、半導体装置52では、外部接続電極13bが接合される位置の下方における再配線10cの下に、外部電極部補強層10bを配置している。これにより、応力に耐えられる強固な構造を実現することができ、また、再配線層と絶縁膜との熱による膨張の差によって生じる層間剥離、クラック等を抑制することができる。この結果、信頼性の高い半導体装置を実現することができる。
【0103】
このような効果は、半導体装置50に関して説明したのと同様に、再配線10cの厚さが1μm以上で且つ第2の絶縁膜7の厚さの4倍未満の場合に、顕著に発揮される。
【0104】
尚、半導体装置52を外部基板等に実装する際、半田バンプである外部接続電極13bを利用するフリップチップ接合を行ない、半導体装置52と外部基板等との間にアンダーフィル封止樹脂を設けても良い。この場合、封止絶縁膜11は必須ではない。ここで、アンダーフィル封止樹脂は、例えば、エポキシ樹脂等である。
【0105】
また、外部接続電極13bの直径としては、30μm以上で且つ400μm以下程度の範囲であることが好ましい。
【0106】
半導体装置52を製造するためには、図1(a)及び(b)の半導体装置50の製造工程において、ワイヤボンドによる外部接続電極13aの代りに半田バンプによる外部接続電極13bを形成すればよい。
【0107】
つまり、半導体装置50の製造方法として説明したのと同様に、図4(a)〜(f)及び図5(a)〜(c)の工程を行なう。これにより、図5(c)に示す通り、外部電極部補強層10bの上方において、再配線10cの上面が封止絶縁膜11から露出した構造が得られる。
【0108】
次に、封止絶縁膜11から露出した再配線10c上に、半田バンプを形成して外部接続電極13bとする。これにより、図9に示す半導体装置52が製造される。
【0109】
尚、半田バンプの形成方法としては、ボール搭載方式(フラックスを塗布した後、半田ボールを搭載して熱溶融させる)、半田印刷方式(半田ペーストを再配線10c上に印刷塗布し、熱溶融させる)、半田メッキ方式(電界メッキにより形成する)等がある。ボール搭載方式及び半田印刷方式は外部端子ピッチが最小0.2mmまでの場合に主に使用し、半田メッキ方式は外部端子ピッチが0.3mm以下の場合に主に使用する。
【0110】
(第3の変形例)
以下に、第3の変形例の例示的半導体装置53について説明する。図10は、半導体装置53を模式的に示す断面図であり、第1の変形例における図6(b)に対応する。
【0111】
図10に示す通り、半導体装置53は、第1の変形例の半導体装置51がワイヤボンドにより形成された外部接続電極13aを備えるのに代えて、半田バンプにより形成された外部接続電極13bを備える。また、半導体装置52においてパッド部12は形成されず、封止絶縁膜11から露出する部分の再配線10c上に直接、外部接続電極13bが形成されている。ダミー電極5及びダミー配線2は、半導体装置51に関して説明したのと同様の構成を有する。
【0112】
あるいは、第2の変形例の半導体装置52の構成に加えて、外部電極部補強層10bの下に、ダミー電極5及びダミー配線2を備えていると考えても良い。
【0113】
半田バンプからなる外部接続電極13bを備える場合に、ダミー電極5及びダミー配線2が形成されていると、外部接続電極13bの下方の構造が更に強固になる。従って、外部接続電極13bを形成する際の熱応力に起因する層間剥離、クラック等の接続不良を抑制し、信頼性の高い半導体装置を実現することができる。
【0114】
また、外部電極部補強層10bの下方にトランジスタ等の内部素子が存在する場合、ダミー電極5及びダミー配線2は、当該内部素子へのダメージを抑制する効果も有する。
【0115】
また、半導体装置53は、第1の変形例において説明したのと同様の外部電極接続GND部14を備えていても良いし、高発熱部15及び外部電極接続放熱部16を備えていても良い。外部接続電極13bが半田バンプからなる場合にも、これらを備えることができる。
【0116】
半導体装置53を製造するためには、第1の変形例の半導体装置51の製造工程において、ワイヤボンドによる外部接続電極13aの代りに半田バンプによる外部接続電極13bを形成すればよい。
【0117】
つまり、第1の変形例にて説明したのと同様に、図7(a)〜(f)及び図8(a)〜(c)の工程を行なう。これにより、図8(c)に示す通り、外部電極部補強層10bの上方において、再配線10cの上面が封止絶縁膜11から露出した構造が得られる。
【0118】
次に、封止絶縁膜11から露出した再配線10c上に、半田バンプを形成して外部接続電極13bとする。これにより、図10に示す半導体装置53が製造される。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本開示の半導体装置及びその製造方法は、高い性能及び信頼性を実現することができるので、電子機器及びこれを用いたセット、例えばパソコン、TV、携帯電話、BDプレーヤー、冷蔵庫、洗濯機、電動自転車、電気自動車等、エレクトロニクス商品の電子部品としても有用である。
【符号の説明】
【0120】
1 信号配線
2 ダミー配線
3 配線層絶縁膜
4 配線電極
5 ダミー電極
6 第1の絶縁膜
7 第2の絶縁膜
8 バリアメタル・シード層
9 レジスト膜
10 再配線層
10a 配線電極接続部
10b 外部電極部補強層
10c 再配線
11 封止絶縁膜
12 パッド部
13a 外部接続電極
13b 外部接続電極
14 外部電極接続GND部
15 高発熱部
16 外部電極接続放熱部
21a 第1の凹部
21b 第2の凹部
50 半導体装置
50a 半導体装置
51 半導体装置
52 半導体装置
53 半導体装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線層絶縁膜内に形成された信号配線と、
前記配線層絶縁膜上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜内で且つ前記信号配線上に形成された配線電極と、
前記絶縁膜内で且つ前記配線電極上に形成された第1の金属層と、
前記絶縁膜上に形成され、前記第1の金属層の上面に接続された金属配線と、
前記金属配線上に形成された外部接続電極と、
前記絶縁膜内で且つ前記外部接続電極の下方に形成され、前記金属配線の下面に接続された第2の金属層とを備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記第2の金属層は、前記信号配線の側から前記金属配線の側に向かって広がるテーパー形状の断面を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の半導体装置において、
前記第1の金属層及び前記第2の金属層の側面及び下面と、前記金属配線の下面とを覆うように形成された第3の金属層を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記絶縁膜内で且つ前記外部接続電極の下方に形成され、前記第2の金属層の下面に接続されたダミー電極を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置において、
前記配線層絶縁膜内で且つ前記外部接続電極の下方に形成され、前記ダミー電極の下方に接続されたダミー配線を更に備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記絶縁膜は、前記配線電極の周囲を埋め込む第1の絶縁膜と、前記第1の金属層及び前記第2の金属層の周囲を埋め込む第2の絶縁膜を含んでいることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項6に記載の半導体装置において、
前記第1の絶縁膜は窒化シリコン膜又は酸化シリコン膜であり、
前記第2の絶縁膜は有機絶縁膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記金属配線上を覆い且つ前記外部接続電極を露出させるように形成された封止絶縁膜を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記外部接続電極は、ボンディングワイヤーであることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記外部接続電極は、はんだバンプであることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記外部接続電極を複数備えると共に、
前記複数の外部接続電極のうちの2つ以上が接続された外部接続電極GND部を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記外部接続電極を複数備えると共に、
前記複数の外部接続電極のうちの2つ以上が接続された放熱部を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1つに記載の半導体装置において、
平面視において、前記第2の金属層の外径は、前記外部接続電極の外径の0.8倍以上で且つ3倍以下であることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
配線層絶縁膜内に信号配線を形成する工程(a)と、
前記信号配線上に配線電極を形成する工程(b)と、
前記配線層絶縁膜上に形成され、前記信号電極を露出させる第1の凹部及び他の位置に設けられた第2の凹部を有する絶縁膜を形成する工程(c)と、
前記第1の凹部を埋め込む第1の金属層及び前記第2の凹部を埋め込む第2の金属層と、前記絶縁膜上に形成され且つ前記第1の金属層及び前記第2の金属層に接続された金属配線を形成する工程(d)と、
前記第2の金属層の上方において、前記金属配線上に外部接続電極を形成する工程(e)とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項14に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)において、前記配線電極に加えてダミー電極を形成し、
前記工程(c)において、前記第2の凹部を前記ダミー電極の上方に配置することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(a)において、前記信号配線に加えてダミー配線を形成し、
前記工程(c)において、前記第2の凹部を前記ダミー配線の上方に配置することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項14〜16のいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記工程(c)は、
前記信号電極上面を露出させる前記第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上に前記第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜のうちの所定領域を除去して前記第1の凹部及び前記第2の凹部を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−186366(P2012−186366A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49193(P2011−49193)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】