説明

半導体装置製造用の接着シート、及び、半導体装置製造用の接着シートを有する半導体装置

【課題】 製造される半導体装置の電気特性の低下を防止して製品信頼性を向上させることができる接着シートを提供すること。
【解決手段】 イオン捕捉剤を含有する半導体装置製造用の接着シートであって、10ppmの銅イオンを有する水溶液50ml中に、175℃で5時間加熱した重さ2.5gの半導体装置製造用の接着シートを浸漬し、120℃で20時間放置した後の水溶液中の銅イオン濃度が、0〜9.9ppmであり、イオン交換水50ml中に、175℃で5時間加熱した重さ2.5gの半導体装置製造用の接着シートを浸漬し、120℃で20時間放置した後の水溶液中の塩化物イオン濃度が、0.1ppm以下である半導体装置製造用の接着シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置製造用の接着シート、及び、半導体装置製造用の接着シートを有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や、携帯オーディオ機器用のメモリパッケージチップを多段に積層したスタックドMCP(Multi Chip Package)が普及している。また、画像処理技術や携帯電話等の多機能化に伴い、パッケージの高密度化・高集積化・薄型化が推し進められている。
【0003】
一方、半導体製造のプロセス中に外部から、ウェハの結晶基板に陽イオン(例えば、銅イオンや鉄イオン)が混入し、この陽イオンがウェハ上に形成された回路形成面に到達すると、電気特性が低下するといった問題があった。また、製品使用中に回路やワイヤーから陽イオンが発生し、電気特性が低下するといった問題があった。
【0004】
上述した問題に対して、従来、ウェハの裏面を加工して破砕層(歪み)を形成し、この破砕層により陽イオンを捕捉して除去するエクストリンシック・ゲッタリング(以下、「EG」ともいう)や、ウェハの結晶基板中に酸素析出欠陥を形成し、この酸素析出欠陥により陽イオンを捕捉して除去するイントリンシック・ゲッタリング(以下、「IG」ともいう)が試みられている。
【0005】
しかしながら、近年のウェハの薄型化に伴い、IGの効果が小さくなるとともに、ウェハの割れや反りの原因となる裏面歪みが除去されることにより、EGの効果が得られなくなり、ゲッタリングの効果が充分に得られなくなるという問題があった。
【0006】
特許文献1には、銅イオンと錯形成し得る骨格を有する樹脂を含有する銅イオン吸着層を備えるフィルム状接着剤が記載されている。また、銅イオン吸着層の樹脂内部に銅イオンを化学的に吸着させることができ、銅を素材とする部材から発生する銅イオンの影響を従来よりも大幅に低減することができる、と記載されている。また、特許文献2、3には、イオン捕捉剤を含有する粘接着剤組成物が記載されており、このイオン捕捉剤は、塩素イオン等を捕捉する効果を有することが開示されている。また、特許文献4には、イオントラップ剤を含有するフィルム状接着剤が記載されており、このイオントラップ剤は、ハロゲン元素を捕捉することが記載されている。また、特許文献5には、陰イオン交換体を含む接着シートが記載されている。また、特許文献6には、金属不純物イオン捕捉剤を含む接着シートが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−52109号公報
【特許文献2】特開2009−203337号公報
【特許文献3】特開2009−203338号公報
【特許文献4】特開2010−116453号公報
【特許文献5】特開2009−256630号公報
【特許文献6】特開2011−71216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のフィルム状接着剤や特許文献6の接着シートによれば、銅イオンを捕捉することができる。しかしながら、塩化物イオンを捕捉することについては開示されていない。そのため、塩化物イオンが多く含まれる場合には、銅イオンの発生が促進されることになり、充分に銅イオンを取り除くことができない場合がある。また、特許文献2〜5のフィルム状接着剤等では、銅イオンを捕捉することについては開示されていない。そのため、塩化物イオンを捕捉するだけでは、銅イオンに基づく電気特性の低下を防止することは困難である。
【0009】
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、製造される半導体装置の電気特性の低下を防止して製品信頼性を向上させることができる接着シート、及び、当該半導体装置製造用の接着シートを有する半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明者等は、前記従来の問題点を解決すべく、半導体装置製造用の接着シートについて検討した。その結果、銅イオンによる影響と塩素イオンによる影響の両方を抑制することにより、製造される半導体装置の電気特性の低下を防止して製品信頼性を向上させることができることを見出して、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、本発明に係る半導体装置製造用の接着シートは、イオン捕捉剤を含有する半導体装置製造用の接着シートであって、10ppmの銅イオンを有する水溶液50ml中に、175℃で5時間加熱した重さ2.5gの半導体装置製造用の接着シートを浸漬し、120℃で20時間放置した後の前記水溶液中の銅イオン濃度が、0〜9.9ppmであり、イオン交換水50ml中に、175℃で5時間加熱した重さ2.5gの半導体装置製造用の接着シートを浸漬し、120℃で20時間放置した後の前記水溶液中の塩化物イオン濃度が、0.1ppm以下であることを特徴とする。
【0012】
前記構成によれば、10ppmの銅イオンを有する水溶液50ml中に、175℃で5時間加熱した重さ2.5gの半導体装置製造用の接着シートを浸漬し、120℃で20時間放置した後の前記水溶液中の銅イオン濃度が、0〜9.9ppmである。従って、半導体装置の製造における各種プロセス中に外部から混入する銅イオンが捕捉されることになる。その結果、外部から混入する銅イオンがウェハ上に形成された回路形成面に到達し難くなる。また、イオン交換水50ml中に、175℃で5時間加熱した重さ2.5gの半導体装置製造用の接着シートを浸漬し、120℃で20時間放置した後の前記水溶液中の塩化物イオン濃度が、0.1ppm以下である。従って、銅イオンの発生の促進が抑制される。すなわち、前記構成によれば、銅イオンを捕捉するとともに、その発生の促進が抑制されるため、当該半導体装置製造用の接着シートを用いて製造される半導体装置の電気特性の低下が抑えられて製品信頼性を向上させることができる。
【0013】
前記構成において、前記イオン捕捉剤が、両イオン捕捉剤であることが好ましい。前記イオン捕捉剤が、両イオン捕捉剤であると、銅イオンを捕捉できるとともに、塩化物イオンを捕捉することができる。
【0014】
前記構成において、前記両イオン捕捉剤の添加量は、前記接着シートを構成する樹脂成分100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましい。前記両イオン捕捉剤の添加量を0.1重量部以上とすることにより、銅イオンと塩化物イオンとを効果的に捕捉することができる。また、前記両イオン捕捉剤の添加量を20重量部以下とすることにより、接着力の低下を抑制することかできる。
【0015】
前記構成において、前記イオン捕捉剤が、銅イオン捕捉剤と塩化物イオン捕捉剤との混合物であることも好ましい。前記イオン捕捉剤が、銅イオン捕捉剤と塩化物イオン捕捉剤との混合物であると、銅イオンを捕捉できるとともに、塩化物イオンを捕捉することができる。
【0016】
前記構成において、前記銅イオン捕捉剤と前記塩化物イオン捕捉剤との混合物の添加量は、前記接着シートを構成する樹脂成分100重量部に対して、0.2〜40重量部であることが好ましい。前記混合物の添加量を0.2重量部以上とすることにより、銅イオンと塩化物イオンとを効果的に捕捉することができる。また、前記混合物の添加量を40重量部以下とすることにより、接着力の低下を抑制することかできる。
【0017】
前記構成において、前記銅イオン捕捉剤の添加量をA重量部、前記塩化物イオン捕捉剤の添加量をB重量部としたとき、前記銅イオン捕捉剤と前記塩化物イオン捕捉剤との混合比率A/(A+B)は、0.13〜0.99であることが好ましい。前記混合比率A/(A+B)が、上記の範囲内であると、銅イオン捕捉剤と陰イオン捕捉剤の相乗効果が得られる。すなわち、銅イオン捕捉剤が銅イオンを捕捉する際にカウンターイオンとして放出する陽イオンを、塩化物イオン捕捉剤が塩化物イオンを捕捉する際にカウンターイオンとして放出する陰イオンが中和するため、銅イオン捕捉剤と塩化物イオン捕捉剤とのそれぞれのイオン捕捉効率が向上する。イオン捕捉は平衡反応(イオン交換)によって行われるため、カウンターイオンの濃度が減少することで、ターゲットイオンのイオン交換が促進される。
【0018】
前記構成において、エポキシ樹脂を含有することが好ましい。硬化剤としてエポキシ樹脂を含有すると、高温において、接着シートとウエハとの高い接着力が得られる。その結果、接着シートとウエハとの接着界面に水が入りにくくなり、イオンが移動し難くなる。これにより、信頼性が向上する。
【0019】
また、本発明に係る半導体装置は、前記に記載の半導体装置製造用の接着シートを有することを特徴とする。前記構成によれば、前記に記載の半導体装置製造用の接着シートを有するため、製品信頼性が向上した半導体装置とすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の半導体装置製造用の接着シートは、10ppmの銅イオンを有する水溶液50ml中に、175℃で5時間加熱した重さ2.5gの半導体装置製造用の接着シートを浸漬し、120℃で20時間放置した後の前記水溶液中の銅イオン濃度が、0〜9.9ppmであり、0〜9.5ppmであることが好ましく、0〜9.0ppmであることがより好ましい。前記半導体装置製造用の接着シートは、10ppmの銅イオンを有する水溶液50ml中に、175℃で5時間加熱した重さ2.5gの半導体装置製造用の接着シートを浸漬し、120℃で20時間放置した後の水溶液中の銅イオン濃度が、0〜9.9ppmであるため、半導体装置の製造における各種プロセス中に外部から混入する銅イオンが捕捉されることになる。その結果、外部から混入する銅イオンがウェハ上に形成された回路形成面に到達し難くなる。
また、本発明の半導体装置製造用の接着シートは、イオン交換水50ml中に、175℃で5時間加熱した重さ2.5gの半導体装置製造用の接着シートを浸漬し、120℃で20時間放置した後の前記水溶液中の塩化物イオン濃度が、0.1ppm以下である。前記半導体装置製造用の接着シートは、イオン交換水50ml中に、175℃で5時間加熱した重さ2.5gの半導体装置製造用の接着シートを浸漬し、120℃で20時間放置した後の前記水溶液中の塩化物イオン濃度が、0.1ppm以下であるため、銅イオンの発生の促進が抑制される。
すなわち、本発明の半導体装置製造用の接着シートによれば、銅イオンを捕捉するとともに、その発生の促進が抑制されるため、当該半導体装置製造用の接着シートを用いて製造される半導体装置の電気特性の低下が抑えられて製品信頼性を向上させることができる。
【0021】
本発明の半導体装置製造用の接着シートは、特に限定されないが、膜厚が3〜150μmであることが好ましく、5〜120μmであることがより好ましく、5〜60μmであることがさらに好ましい。前記半導体装置製造用の接着シートの膜厚を3μm以上とすることにより、より良好に銅イオンを捕捉することができる。一方、前記半導体装置製造用の接着シートの膜厚を150μm以下とすることにより、膜厚の制御が容易となる。
【0022】
本発明の半導体装置製造用の接着シート(以下、単に「接着シート」ともいう)は、イオン捕捉剤を含有する。前記イオン捕捉剤は、両イオン捕捉剤であることが好ましい。前記イオン捕捉剤が、両イオン捕捉剤であると、銅イオンを捕捉できるとともに、塩化物イオンを捕捉することができる。また、前記イオン捕捉剤は、銅イオン捕捉剤と塩化物イオン捕捉剤との混合物であることも好ましい。前記イオン捕捉剤が、銅イオン捕捉剤と塩化物イオン捕捉剤との混合物であると、銅イオンを捕捉できるとともに、塩化物イオンを捕捉することができる。
【0023】
(両イオン捕捉剤)
本発明において、両イオン捕捉剤とは、銅イオンと塩化物イオンとの双方を一定量以上捕捉できるものをいい、従来公知の無機両イオン交換体を挙げることができる。前記無機両イオン交換体としては、具体的には、下記銅(II)イオン分配係数の測定方法に従って求められる銅(II)イオン分配係数(Kd)が10以上であり、かつ、下記イオン交換容量の測定方法に従って求められるイオン交換容量(meq/g)が0.5以上であるものを挙げることができる。
<銅(II)イオン分配係数の測定方法>
100mlポリ容器に無機両イオン交換体5.0gと銅(II)イオンを0.01N含有する試験液50mlを入れ、密栓して25℃で24時間振とうする。振とう後、0.1μmのメンブレンフィルターで濾過し、濾液中の銅(II)イオン濃度をICP−AES(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製、SPS−1700HVR)で測定することで、銅(II)イオン分配係数Kdを求める。Kd(ml/g)は(C−C)×V/(C×m)で表し、Cは初期イオン濃度、Cは試験液イオン濃度、Vは試験液体積(ml)、mは無機両イオン交換体の重量(g)である。
<イオン交換容量の測定方法>
50mlのNaCl飽和水溶液に、1.0gの無機両イオン交換体を浸漬し20時間室温で放置する。無機両イオン交換体によって発生した水酸化物イオンの量を0.1NのHCl水溶液による滴定で定量してイオン交換容量(meq./g)を求める。
【0024】
(無機両イオン交換体)
前記無機両イオン交換体としては、特定の構造を有するハイドロタルサイト系化合物を挙げることができ、具体的な製品としては、東亜合成(株)社製のIXE−700F(イオン分配係数:100000以上、イオン交換容量:4.5(meq/g))、IXE−770(イオン分配係数:21000以上、イオン交換容量:2.9(meq/g))、IXE−770D(イオン分配係数:100000以上、イオン交換容量:1.1(meq/g))等を挙げることができる。
【0025】
(銅イオン捕捉剤)
本発明において、銅イオン捕捉剤とは、銅イオンを一定量以上捕捉でき、かつ、塩化物イオンを一定量以下しか捕捉できないものをいい、従来公知の無機銅イオン交換体や、錯体形成化合物などを挙げることができる。前記無機銅イオン交換体としては、具体的には、下記銅(II)イオン分配係数の測定方法に従って求められる銅(II)イオン分配係数(Kd)が10以上であり、かつ、下記イオン交換容量の測定方法に従って求められるイオン交換容量(meq/g)が0.5未満であるものを挙げることができる。
<銅(II)イオン分配係数の測定方法>
100mlポリ容器に無機銅イオン交換体5.0gと銅(II)イオンを0.01N含有する試験液50mlを入れ、密栓して25℃で24時間振とうする。振とう後、0.1μmのメンブレンフィルターで濾過し、濾液中の銅(II)イオン濃度をICP−AES(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製、SPS−1700HVR)で測定することで、銅(II)イオン分配係数Kdを求める。Kd(ml/g)は(C−C)×V/(C×m)で表し、Cは初期イオン濃度、Cは試験液イオン濃度、Vは試験液体積(ml)、mは無機銅イオン交換体の重量(g)である。
<イオン交換容量の測定方法>
50mlのNaCl飽和水溶液に、1.0gの無機銅イオン交換体を浸漬し20時間室温で放置する。無機銅イオン交換体によって発生した水酸化物イオンの量を0.1NのHCl水溶液による滴定で定量してイオン交換容量(meq./g)を求める。
【0026】
(無機銅イオン交換体)
前記無機銅イオン交換体としては、特定の構造を有するリン酸ジルコニウム(例えば、東亜合成(株)社製、IXE−100、イオン分配係数:320)、含水酸化アンチモン(例えば、東亜合成(株)社製、IXE−300、イオン分配係数:11000)ケイ酸マグネシウム(例えば、協和化学工業(株)社製、キョーワード600)、ケイ酸アルミニウム(例えば、協和化学工業(株)社製、キョーワード700)を挙げることができる。
【0027】
(錯体形成化合物)
前記錯体形成化合物としては、銅イオンと錯体を形成するものであれば、特に制限されるものではないが、有機系錯体形成化合物であることが好ましく、好適に銅イオンを捕捉できるという観点から、窒素含有化合物、水酸基含有化合物、カルボン酸基含有化合物からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
【0028】
(窒素含有化合物)
前記窒素含有化合物としては、微粉末状のもの、有機溶媒に溶解し易いもの、又は、液状のものが好ましい。このような窒素含有化合物としては、より好適に銅イオンを捕捉できる観点から、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、又は、ビピリジル化合物を挙げることができるが、銅イオンとの間で形成される錯体の安定性の観点から、トリアゾール化合物がより好ましい。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
【0029】
前記トリアゾール化合物としては、特に制限されないが、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−{N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル}ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−ブチルフェニル}−5−クロロベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル}−5−クロロベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−アミルフェニル}ベンゾトリアゾール、2−{2‘−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル}ベンゾトリアゾール、6−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−t−オクチル−6‘−t−ブチルー4’−メチル−2,2‘−メチレンビスフェノール、1−(2’、3‘−ヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1−(1’、2‘−ジカルボキシジエチル)ベンゾトリアゾール、1−(2−エチルヘキシアミノメチル)ベンゾトリアゾール、2,4−ジ−t−ベンチル−6−{(H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル}フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、オクチル−3−[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、2−エチルヘキシル−3−[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−t−ブチルフェノール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−[ 2’−ヒドロキシ−3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル ]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−メトラメチルブチル)フェノール]、(2‐[2‐ヒドロキシ‐3,5‐ビス(α,α‐ジメチルベンジル)フェニル]‐2H‐ベンゾトリアゾール、メチル 3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等があげられる。
【0030】
前記トリアゾール化合物の市販品としては、特に制限はされないが、城北化学株式会社製の商品名:BT−120、BT−LX、CBT−1、JF−77、JF−78、JF−79、JF−80、JF83、JAST−500、BT−GL、BT−M、BT−260、BT−365、BASF社の商品名:TINUVIN PS、TINUVIN P、TINUVIN P FL、TINUVIN 99−2、TINUVIN 109、TINUVIN 900、TINUVIN 928、TINUVIN 234、TINUVIN 329、TINUVIN 329 FL、TINUVIN 326、TINUVIN 326 FL、TINUVIN 571、TINUVIN 213、台湾永光化学公司製の製品名:EVESORB 81、EVESORB109、EVESORB 70、EVESORB 71、EVESORB 72、EVESORB 73、EVESORB 74、EVESORB 75、EVESORB 76、EVESORB 78、EVESORB 80等を挙げることができる。トリアゾール化合物は、防錆剤としても使用される。
【0031】
前記テトラゾール化合物としては、特に限定されないが、5−アミノ−1H−テトラゾール等が挙げられる。
【0032】
前記ビピリジル化合物としては、特に限定されないが、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリンなどが挙げられる。
【0033】
(水酸基含有化合物)
前記水酸基含有化合物としては、特に制限されないが、微粉末状のもの、有機溶媒に溶解し易いもの、又は、液状のものが好ましい。このような水酸基含有化合物としては、より好適に銅イオンを捕捉できる観点から、キノール化合物、ヒドロキシアントラキノン化合物、又は、ポリフェノール化合物を挙げることができるが、銅イオンとの間で形成される錯体の安定性の観点から、ポリフェノール化合物がより好ましい。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
【0034】
前記キノール化合物としては、特に限定されないが、1,2−ベンゼンジオールなどが挙げられる。
【0035】
前記ヒドロキシアントラキノン化合物としては、特に限定されないが、アリザリン、アントラルフィンなどが挙げられる。
【0036】
前記ポリフェノール化合物としては、特に限定されないが、タンニン、タンニン誘導体(没食子酸、没食子酸メチル、ピロガロール)などが挙げられる。
【0037】
(カルボン酸基含有化合物)
前記カルボン酸基含有化合物としては、特に限定されないが、カルボキシル基含有芳香族化合物、カルボキシル基含有脂肪酸化合物等が挙げられる。
【0038】
前記カルボキシル基含有芳香族化合物としては、特に限定されないが、フタル酸、ピコリン酸、ピロール-2-カルボン酸等が挙げられる。
【0039】
前記カルボキシル基含有脂肪酸化合物としては、特に限定されないが、高級脂肪酸、カルボン酸系キレート試薬、等が挙げられる。
【0040】
前記カルボキシル酸系キレート試薬の市販品としては、特に制限はされないが、キレスト株式会社製の製品名:キレストA、キレスト110、キレストB、キレスト200、キレストC、キレストD、キレスト400、キレスト40、キレスト0D、キレストNTA、キレスト700、キレストPA、キレストHA、キレストMZ−2、キレストMZ−4A、キレストMZ−8を挙げることができる。
【0041】
(塩化物イオン捕捉剤)
本発明において、塩化物イオン捕捉剤とは、塩化物イオンを一定量以上捕捉でき、かつ、銅イオンを一定量以下しか捕捉できないものをいい、従来公知の塩化物イオン交換体、例えば、特定の構造を有する天然ゼオライト、合成ゼオライトなどのアルミノケイ酸塩;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物;含水酸化チタン、含水酸化ビスマス、含水酸化アンチモン、含水酸化アルミニウム、含水酸化マグネシウム、含水酸化ジルコニウムなどの水酸化物又は含水酸化物;リン酸ジルコニウム、リン酸チタンなどの金属酸性塩;ハイドロタルサイト系化合物などの塩基性塩や複合含水酸化物;モリブドリン酸アンモニウムなどのヘテロポリリン酸類;ヘキサシアノ鉄(III)塩やヘキサシアノ亜鉛等を挙げることができる。塩化物イオン捕捉剤としての前記水酸化ビスマスとしては、東亜合成(株)社製の商品名IXE−500(イオン交換容量:3.9(meq/g))、IXE−530(イオン交換容量:3.7(meq/g))、IXE−550(イオン交換容量:4.1(meq/g))等を挙げることができる。塩化物イオン捕捉剤としてのハイドロタルサイト系化合物としては、共和化学工業(株)社製のKW2200、KW2100、DHT?4A、DHT?4B、DHT?4C等を挙げることができる。前記塩化物イオン交換体としては、具体的には、下記銅(II)イオン分配係数の測定方法に従って求められる銅(II)イオン分配係数(Kd)が10未満であり、かつ、下記イオン交換容量の測定方法に従って求められるイオン交換容量(meq/g)が0.5以上であるものを挙げることができる。
<銅(II)イオン分配係数の測定方法>
100mlポリ容器に塩化物イオン交換体5.0gと銅(II)イオンを0.01N含有する試験液50mlを入れ、密栓して25℃で24時間振とうする。振とう後、0.1μmのメンブレンフィルターで濾過し、濾液中の銅(II)イオン濃度をICP−AES(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製、SPS−1700HVR)で測定することで、銅(II)イオン分配係数Kdを求める。Kd(ml/g)は(C−C)×V/(C×m)で表し、Cは初期イオン濃度、Cは試験液イオン濃度、Vは試験液体積(ml)、mは塩化物イオン交換体の重量(g)である。
<イオン交換容量の測定方法>
50mlのNaCl飽和水溶液に、1.0gの塩化物イオン交換体を浸漬し20時間室温で放置する。塩化物イオン交換体によって発生した水酸化物イオンの量を0.1NのHCl水溶液による滴定で定量してイオン交換容量(meq./g)を求める。
【0042】
銅イオン捕捉剤と塩化物イオン捕捉剤との混合物の市販品としては、含水酸化ビスマスと含水酸化アンチモンの混合物である東亜合成(株)社製のIXE−600、IXE−633等を挙げることができる。また、含水酸化ビスマスと含水酸化ジルコニウムの混合物である東亜合成(株)社製のIXE−6107、IXE−6136等を挙げることができる。
【0043】
前記イオン捕捉剤は、(a)10ppmの銅イオンを有する水溶液50ml中に、175℃で5時間加熱した重さ2.5gの半導体装置製造用の接着シートを浸漬し、120℃で20時間放置した後の前記水溶液中の銅イオン濃度が、0〜9.9ppmであること、及び、(b)イオン交換水50ml中に、175℃で5時間加熱した重さ2.5gの半導体装置製造用の接着シートを浸漬し、120℃で20時間放置した後の前記水溶液中の塩化物イオン濃度が、0.1ppm以下であること、を接着シートが満たすのであれば、銅イオン捕捉剤であってもよい。この場合、接着シートを構成する樹脂として、塩化物イオンの濃度が低いものを採用すればよい。
【0044】
また、前記イオン捕捉剤は、2種以上を混合して使用してよい。
【0045】
前記イオン捕捉剤が、両イオン捕捉剤である場合、前記両イオン捕捉剤の添加量は、前記接着シートを構成する樹脂成分100重量部に対して、1〜20重量部であることが好ましく、3〜20重量部であることがより好ましい。前記両イオン捕捉剤の添加量を1重量部以上とすることにより、銅イオンと塩化物イオンとを効果的に捕捉することができる。また、前記両イオン捕捉剤の添加量を20重量部以下とすることにより、接着力の低下を抑制することかできる。
【0046】
また、前記イオン捕捉剤が、銅イオン捕捉剤と塩化物イオン捕捉剤との混合物である場合、前記銅イオン捕捉剤と前記塩化物イオン捕捉剤との混合物の添加量は、前記接着シートを構成する樹脂成分100重量部に対して、0.2〜40重量部であることが好ましく、2〜35重量部であることがより好ましい。前記混合物の添加量を0.2重量部以上とすることにより、銅イオンと塩化物イオンとを効果的に捕捉することができる。また、前記混合物の添加量を40重量部以下とすることにより、接着力の低下を抑制することかできる。
この場合、銅イオン捕捉剤の添加量をA重量部、前記塩化物イオン捕捉剤の添加量をB重量部としたとき、前記銅イオン捕捉剤と前記塩化物イオン捕捉剤との混合比率A/(A+B)は、0.13〜0.99であることが好ましく、0.05〜0.95であることがより好ましく、0.23〜0.93であることがさらに好ましく、0.10〜0.90であることがよりさらに好ましい。前記混合比率A/(A+B)が、上記の範囲内であると、銅イオン捕捉剤と陰イオン捕捉剤の相乗効果が得られる。すなわち、銅イオン捕捉剤が銅イオンを捕捉する際にカウンターイオンとして放出する陽イオンを、塩化物イオン捕捉剤が塩化物イオンを捕捉する際にカウンターイオンとして放出する陰イオンが中和するため、銅イオン捕捉剤と塩化物イオン捕捉剤とのそれぞれのイオン捕捉効率が向上する。イオン捕捉は平衡反応(イオン交換)によって行われるため、カウンターイオンの濃度が減少することで、ターゲットイオンのイオン交換が促進される。
【0047】
前記イオン捕捉剤の平均粒径は、0.05〜20μmであることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましい。前記イオン捕捉剤の平均粒径を20μm以下とすることにより、接着力の低下を抑制することができ、0.05μm以上とすることにより、分散性を向上させることができる。
【0048】
前記接着シートは、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。また、前記接着シートは、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを含有することが好ましい。前記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、又は熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は2種以上を併用して用いることができ、特に、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂の少なくともいずれか一方を用いることが好ましい。なかでも、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。硬化剤としてエポキシ樹脂を含有すると、高温において、接着シートとウエハとの高い接着力が得られる。その結果、接着シートとウエハとの接着界面に水が入りにくくなり、イオンが移動し難くなる。これにより、信頼性が向上する。
【0049】
前記エポキシ樹脂は、接着剤組成物として一般に用いられるものであれば特に限定は無く、例えばビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオンレン型、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型等の二官能エポキシ樹脂や多官能エポキシ樹脂、又はヒダントイン型、トリスグリシジルイソシアヌレート型若しくはグリシジルアミン型等のエポキシ樹脂が用いられる。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。これらのエポキシ樹脂のうちノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型樹脂又はテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらのエポキシ樹脂は、硬化剤としてのフェノール樹脂との反応性に富み、耐熱性等に優れるからである。また、エポキシ樹脂として、塩化物イオンの含有量が少ないもの(例えば、新日鉄化学(株)社製、製品名:KI−3000)を採用することが好ましい。このようなエポキシ樹脂を採用すれば、両イオン捕捉剤や、塩化物イオン捕捉剤を用いず、銅イオン捕捉剤のみの添加により、(a)10ppmの銅イオンを有する水溶液50ml中に、175℃で5時間加熱した重さ2.5gの半導体装置製造用の接着シートを浸漬し、120℃で20時間放置した後の前記水溶液中の銅イオン濃度が、0〜9.9ppmであること、及び、(b)イオン交換水50ml中に、175℃で5時間加熱した重さ2.5gの半導体装置製造用の接着シートを浸漬し、120℃で20時間放置した後の前記水溶液中の塩化物イオン濃度が、0.1ppm以下であること、を満たす接着シートを得ることが可能になる。
【0050】
更に、前記フェノール樹脂は、前記エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであり、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。これらのフェノール樹脂のうちフェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂が特に好ましい。半導体装置の接続信頼性を向上させることができるからである。
【0051】
前記エポキシ樹脂とフェノール樹脂との配合割合は、例えば、前記エポキシ樹脂成分中のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂中の水酸基が0.5〜2.0当量になるように配合することが好適である。より好適なのは、0.8〜1.2当量である。即ち、両者の配合割合が前記範囲を外れると、十分な硬化反応が進まず、エポキシ樹脂硬化物の特性が劣化し易くなるからである。
【0052】
前記熱可塑性樹脂としては、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロン等のポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、PETやPBT等の飽和ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、又はフッ素樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。これらの熱可塑性樹脂のうち、イオン性不純物が少なく耐熱性が高く、半導体素子の信頼性を確保できるアクリル樹脂が特に好ましい。
【0053】
前記アクリル樹脂としては、特に限定されるものではなく、炭素数30以下、特に炭素数4〜18の直鎖若しくは分岐のアルキル基を有するアクリル酸又はメタクリル酸のエステルの1種又は2種以上を成分とする重合体(アクリル共重合体)等が挙げられる。前記アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、へプチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ステアリル基、オクタデシル基、又はドデシル基等が挙げられる。
【0054】
また、前記重合体を形成する他のモノマーとしては、特に限定されるものではなく、例えばアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸若しくはクロトン酸等の様なカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸若しくは無水イタコン酸等の様な酸無水物モノマー、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル若しくは(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等の様なヒドロキシル基含有モノマー、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート若しくは(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等の様なスルホン酸基含有モノマー、又は2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等の様な燐酸基含有モノマーが挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
【0055】
前記熱硬化性樹脂の配合割合としては、所定条件下で加熱した際に接着シートが熱硬化型としての機能を発揮する程度であれば特に限定されないが、5〜60重量%の範囲内であることが好ましく、10〜50重量%の範囲内であることがより好ましい。
【0056】
前記接着シートのなかでも、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及び、アクリル樹脂を含有し、アクリル樹脂100重量部に対するエポキシ樹脂、及び、フェノール樹脂の合計量が10〜2000重量部であることが好ましく、10〜1500重量部であることがより好ましく、10〜1000重量部であることがさらに好ましい。アクリル樹脂100重量部に対するエポキシ樹脂、及び、フェノール樹脂の合計量を10重量部以上とすることにより、硬化による接着効果が得られ、剥離を抑制することができ、2000重量部以下とすることより、フィルムが脆弱化して作業性が低下することを抑制することができる。
【0057】
前記接着シートを予めある程度架橋をさせておく場合には、重合体の分子鎖末端の官能基等と反応する多官能性化合物を架橋剤として添加させておくのがよい。これにより、高温下での接着特性を向上させ、耐熱性の改善を図ることができる。
【0058】
前記架橋剤としては、従来公知のものを採用することができる。特に、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、多価アルコールとジイソシアネートの付加物等のポリイソシアネート化合物がより好ましい。架橋剤の添加量としては、前記の重合体100重量部に対し、通常0.05〜7重量部とするのが好ましい。架橋剤の量が7重量部以下とすることにより、接着力の低下を抑制することができる。その一方、0.05重量部以上とすることにより、凝集力不足を低減することができる。また、この様なポリイソシアネート化合物と共に、必要に応じて、エポキシ樹脂等の他の多官能性化合物を一緒に含ませるようにしてもよい。
【0059】
また、前記接着シートには、その用途に応じてフィラーを適宜配合することができる。フィラーの配合は、前記接着シートへの導電性の付与や熱伝導性の向上、弾性率の調節等を可能とする。前記フィラーとしては、無機フィラー、及び、有機フィラーが挙げられるが、取り扱い性の向上、熱電導性の向上、溶融粘度の調整、チキソトロピック性付与等の特性の観点から、無機フィラーが好ましい。前記無機フィラーとしては、特に制限はなく、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウィスカ、窒化ほう素、結晶質シリカ、非晶質シリカ等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。熱電導性の向上の観点からは、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ほう素、結晶質シリカ、非晶質シリカが好ましい。また、上記各特性のバランスがよいという観点からは、結晶質シリカ、又は、非晶質シリカが好ましい。また、導電性の付与、熱電導性の向上等の目的で、無機フィラーとして、導電性物質(導電フィラー)を用いることとしてもよい。導電フィラーとしては、銀、アルミニウム、金、胴、ニッケル、導電性合金等を球状、針状、フレーク状とした金属粉、アルミナ等の金属酸化物、アモルファスカーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。
【0060】
前記フィラーの平均粒径は、0.01〜10μmとすることができる。前記フィラーの平均粒径を0.01μm以上とすることにより、被着体への濡れ性、及び、接着性を良好とすることができる。また、10μm以下とすることにより、上記各特性の付与のために加えたフィラーの効果を十分なものとすることができるとともに、耐熱性を確保することができる。なお、フィラーの平均粒径は、例えば、光度式の粒度分布計(HORIBA製、装置名;LA−910)により求めた値である。
【0061】
なお、前記接着シートには、前記イオン捕捉剤以外に、必要に応じて他の添加剤を適宜に配合することができる。他の添加剤としては、分散剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、硬化促進剤などが挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
【0062】
前記接着シートを形成するための接着剤組成物の製造方法としては、特に限定されず、例えば、イオン捕捉剤と、必要に応じて、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、他の添加剤を容器に投入して、有機溶媒に溶解させ、均一になるように攪拌することによって接着剤組成物溶液として得ることができる。
【0063】
前記有機溶媒としては、接着シートを構成する成分を均一に溶解、混練又は分散できるものであれば制限はなく、従来公知のものを使用することができる。このような溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、トルエン、キシレン等が挙げられる。乾燥速度が速く、安価で入手できる点でメチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどを使用することが好ましい。
【0064】
本実施形態に係る接着シートは、例えば、次の通りにして作製される。先ず、前記接着剤組成物溶液を作製する。次に、接着剤組成物溶液を基材セパレータ上に所定厚みとなる様に塗布して塗布膜を形成した後、該塗布膜を所定条件下で乾燥させる。基材セパレータとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレンや、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤により表面コートされたプラスチックフィルムや紙等が使用可能である。また、塗布方法としては特に限定されず、例えば、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工等が挙げられる。また、乾燥条件としては、例えば乾燥温度70〜160℃、乾燥時間1〜5分間の範囲内で行われる。これにより、本実施形態に係る接着シートが得られる。
【0065】
このようにして得られた接着シートは、イオン捕捉剤が含有されているため、半導体装置の製造における各種プロセス中に外部から混入する銅イオンを捕捉することができる。また、イオン捕捉剤が、両イオン捕捉剤、又は、塩化物イオン捕捉剤を含む場合、塩化物イオンを捕捉することができる。その結果、銅イオンを捕捉するとともに、その発生の促進が抑制されるため、当該半導体装置製造用の接着シートを用いて製造される半導体装置の電気特性の低下が抑えられて製品信頼性を向上させることができる。
【0066】
前記の実施形態では、接着剤組成物に含有させる接着剤主成分として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いる場合について説明したが、本発明においては、接着剤組成物に含有させる接着剤主成分として、前記のような熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂に替えて、セラミック系、セメント系、はんだ等の無機系のものを含有させることとしてもよい。
【0067】
半導体装置製造用の接着シートとしては、半導体装置の製造に用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、リードフレーム等の被着体に半導体チップを固着するためのダイボンドフィルムや、フリップチップ型半導体装置の半導体チップの裏面を保護する保護フィルムや、半導体チップを封止するための封止シートとして用いられるものが挙げられる。
【実施例】
【0068】
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の要旨をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味する。
【0069】
(実施例1)
下記(a)〜(e)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度20重量%の接着剤組成物溶液を得た。
(a)アクリル樹脂(ナガセケムテックス(株)製、SG−708−6) 30部
(b)エポキシ樹脂(東都化成(株)社製、YDF−8170C) 5部
(c)フェノール樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851H) 5部
(d)シリカフィラー((株)アドマテックス製、SC−2050、平均粒径0.5μm)
50部
(e)両イオン捕捉剤(東亜合成(株)社製、IXE−770) 10部
【0070】
(実施例2)
下記(a)〜(f)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度20重量%の接着剤組成物溶液を得た。
(a)アクリル樹脂(ナガセケムテックス(株)製、SG−708−6) 30部
(b)エポキシ樹脂(東都化成(株)社製、YDF−8170C) 5部
(c)フェノール樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851H) 5部
(d)シリカフィラー((株)アドマテックス製、SC−2050) 40部
(e)塩化物イオン捕捉剤(東亜合成(株)社製、IXE−550) 10部
(f)銅イオン捕捉剤(東亜合成(株)社製、IXE−100) 10部
【0071】
(実施例3)
下記(a)〜(f)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度20重量%の接着剤組成物溶液を得た。
(a)アクリル樹脂(ナガセケムテックス(株)製、SG−708−6) 29部
(b)エポキシ樹脂(東都化成(株)社製、YDF−8170C) 5部
(c)フェノール樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851H) 5部
(d)シリカフィラー((株)アドマテックス製、SC−2050) 48部
(e)塩化物イオン捕捉剤(東亜合成(株)社製、IXE−550) 10部
(f)銅イオン捕捉剤(東京化成工業(株)社製、没食子酸ドデシル) 3部
【0072】
(実施例4)
下記(a)〜(f)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度20重量%の接着剤組成物溶液を得た。
(a)アクリル樹脂(ナガセケムテックス(株)製、SG−708−6) 30部
(b)エポキシ樹脂(東都化成(株)社製、YDF−8170C) 5部
(c)フェノール樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851H) 5部
(d)シリカフィラー((株)アドマテックス製、SC−2050) 39部
(e)塩化物イオン捕捉剤(東亜合成(株)社製、IXE−550) 1部
(f)銅イオン捕捉剤(東亜合成(株)社製、IXE−100) 20部
【0073】
(実施例5)
下記(a)〜(f)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度20重量%の接着剤組成物溶液を得た。
(a)アクリル樹脂(ナガセケムテックス(株)製、SG−708−6) 30部
(b)エポキシ樹脂(東都化成(株)社製、YDF−8170C) 5部
(c)フェノール樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851H) 5部
(d)シリカフィラー((株)アドマテックス製、SC−2050) 38部
(e)塩化物イオン捕捉剤(東亜合成(株)社製、IXE−550) 2部
(f)銅イオン捕捉剤(東亜合成(株)社製、IXE−100) 20部
【0074】
(実施例6)
下記(a)〜(f)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度20重量%の接着剤組成物溶液を得た。
(a)アクリル樹脂(ナガセケムテックス(株)製、SG−708−6) 30部
(b)エポキシ樹脂(東都化成(株)社製、YDF−8170C) 5部
(c)フェノール樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851H) 5部
(d)シリカフィラー((株)アドマテックス製、SC−2050) 49.5部
(e)塩化物イオン捕捉剤(東亜合成(株)社製、IXE−550) 10部
(f)銅イオン捕捉剤(東京化成工業(株)社製、没食子酸ドデシル) 0.5部
【0075】
(実施例7)
下記(a)〜(f)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度20重量%の接着剤組成物溶液を得た。
(a)アクリル樹脂(ナガセケムテックス(株)製、SG−708−6) 30部
(b)エポキシ樹脂(東都化成(株)社製、YDF−8170C) 5部
(c)フェノール樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851H) 5部
(d)シリカフィラー((株)アドマテックス製、SC−2050) 38部
(e)塩化物イオン捕捉剤(東亜合成(株)社製、IXE−550) 20部
(f)銅イオン捕捉剤(東京化成工業(株)社製、没食子酸ドデシル) 2部
【0076】
(実施例8)
下記(a)〜(e)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度20重量%の接着剤組成物溶液を得た。
(a)アクリル樹脂(ナガセケムテックス(株)製、SG−708−6) 30部
(b)エポキシ樹脂(新日鉄化学(株)社製、KI−3000) 5部
(c)フェノール樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851H) 5部
(d)シリカフィラー((株)アドマテックス製、SC−2050) 50部
(e)銅イオン捕捉剤(東亜合成(株)社製、IXE−100) 10部
【0077】
(比較例1)
下記(a)〜(d)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度20重量%の接着剤組成物溶液を得た。
(a)アクリル樹脂(ナガセケムテックス(株)製、SG−708−6) 30部
(b)エポキシ樹脂(東都化成(株)社製、YDF−8170C) 5部
(c)フェノール樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851H) 5部
(d)シリカフィラー((株)アドマテックス製、SC−2050) 60部
【0078】
(比較例2)
下記(a)〜(e)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度20重量%の接着剤組成物溶液を得た。
(a)アクリル樹脂(ナガセケムテックス(株)製、SG−708−6) 30部
(b)エポキシ樹脂(東都化成(株)社製、YDF−8170C) 5部
(c)フェノール樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851H) 5部
(d)シリカフィラー((株)アドマテックス製、SC−2050) 50部
(e)塩化物イオン捕捉剤(東亜合成(株)社製、IXE−550) 10部
【0079】
(比較例3)
下記(a)〜(e)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度20重量%の接着剤組成物溶液を得た。
(a)アクリル樹脂(ナガセケムテックス(株)製、SG−708−6) 30部
(b)エポキシ樹脂(東都化成(株)社製、YDF−8170C) 5部
(c)フェノール樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851H) 5部
(d)シリカフィラー((株)アドマテックス製、SC−2050) 50部
(e)銅イオン捕捉剤(東亜合成(株)社製、IXE−100) 10部
【0080】
(銅イオン捕捉性評価)
実施例1に係る接着剤組成物溶液を、シリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布した後、130℃で2分間乾燥させた。これにより、厚さ20μmの接着シートを作製した。また、実施例2〜8、及び、比較例1〜3に係る接着剤組成物溶液についても前記と同様にして、離型処理フィルム上にそれぞれ塗布した後、130℃で2分間乾燥させ、厚さ20μmの接着シートを作製した。各接着シート(厚さ20μm)を、それぞれ240mm×300mmの大きさ(約2.5g)に切り出し、175℃で5時間加熱した。その後、5回、半分に折り曲げ37.5mm×60mmのサイズにしたものを、直径58mm、高さ37mmの円柱状の密閉式テフロン(登録商標)製容器にいれ、10ppmの銅(II)イオン水溶液50mlを加えた。その後、恒温乾燥機(エスペック(株)製、PV−231)に120℃で20時間放置した。フィルムを取り出した後、ICP−AES(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製、SPS−1700HVR)を用いて水溶液中の銅イオンの濃度を測定した。水溶液中の銅イオンの濃度が0〜9.8ppmの場合を○とし、9.8ppmより大きい場合を×とした。結果を表1に示す。
【0081】
(塩化物イオン捕捉性評価)
実施例1に係る接着剤組成物溶液を、シリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布した後、130℃で2分間乾燥させた。これにより、厚さ20μmの接着シートを作製した。また、実施例2〜8、及び、比較例1〜3に係る接着剤組成物溶液についても前記と同様にして、離型処理フィルム上にそれぞれ塗布した後、130℃で2分間乾燥させ、厚さ20μmの接着シートを作製した。各接着シート(厚さ20μm)を、それぞれ240mm×300mmの大きさ(約2.5g)に切り出し、175℃で5時間加熱した。その後、5回、半分に折り曲げ37.5mm×60mmのサイズにしたものを、直径58mm、高さ37mmの円柱状の密閉式テフロン(登録商標)製容器にいれ、イオン交換水50mlを加えた。その後、恒温乾燥機(エスペック(株)製、PV−231)に120℃で20時間放置した。フィルムを取り出した後、イオンクロマトグラフィー(東京ダイオネクス社製、製品名ICS−2000)を用いて水溶液中の塩化物イオンの濃度を測定した。水溶液中の塩化物イオンの濃度が0.1ppm以下の場合を○とし、0.1ppmより大きい場合を×とした。結果を表1に示す。
【0082】
【表1】

【0083】
(結果)
実施例1〜8の接着シートでは、塩化物イオン濃度が低く、銅イオンを捕捉することができるため、当該接着シートを用いて製造された半導体装置、すなわち、当該接着シートを有する半導体装置は、比較例の接着シートを用いた場合に比して接続信頼性を向上させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン捕捉剤を含有する半導体装置製造用の接着シートであって、
10ppmの銅イオンを有する水溶液50ml中に、175℃で5時間加熱した重さ2.5gの半導体装置製造用の接着シートを浸漬し、120℃で20時間放置した後の前記水溶液中の銅イオン濃度が、0〜9.9ppmであり、
イオン交換水50ml中に、175℃で5時間加熱した重さ2.5gの半導体装置製造用の接着シートを浸漬し、120℃で20時間放置した後の前記水溶液中の塩化物イオン濃度が、0.1ppm以下であることを特徴とする半導体装置製造用の接着シート。
【請求項2】
前記イオン捕捉剤が、両イオン捕捉剤であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置製造用の接着シート。
【請求項3】
前記両イオン捕捉剤の添加量は、前記接着シートを構成する樹脂成分100重量部に対して、0.1〜20重量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置製造用の接着シート。
【請求項4】
前記イオン捕捉剤が、銅イオン捕捉剤と塩化物イオン捕捉剤との混合物であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置製造用の接着シート。
【請求項5】
前記銅イオン捕捉剤と前記塩化物イオン捕捉剤との混合物の添加量は、前記接着シートを構成する樹脂成分100重量部に対して、0.2〜40重量部であることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置製造用の接着シート。
【請求項6】
前記銅イオン捕捉剤の添加量をA重量部、前記塩化物イオン捕捉剤の添加量をB重量部としたとき、前記銅イオン捕捉剤と前記塩化物イオン捕捉剤との混合比率A/(A+B)は、0.13〜0.99であることを特徴とする請求項4又は5に記載の半導体装置製造用の接着シート。
【請求項7】
エポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の半導体装置製造用の接着シート。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1に記載の半導体装置製造用の接着シートを有することを特徴とする半導体装置。





【公開番号】特開2013−30504(P2013−30504A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163446(P2011−163446)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】