説明

半導体装置

【課題】ワイヤのコストダウンを図り、ボンディング状況が良好でループの形状・保形力を向上させた半導体装置を提供する。
【解決手段】リードフレーム11に一次ボンドAによりワイヤ13を接続し、ループRを形成しながら半導体素子12のボンドパッド16に、二次ボンドBによりワイヤ13を接続してなる半導体装置10において、上記ワイヤ13として銅または銅合金線を採用し、半導体素子12のボンドパッド16に金または金合金バンプ17を形成してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ICあるいはLSIなどの半導体素子(以下、「半導体素子」という)とリードフレームとをボンディングワイヤ(以下、単に「ワイヤ」という)で接続した半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子とリードフレームとをワイヤで接続した半導体装置に関する先行技術として特許文献1および特許文献2がある。
【0003】
【特許文献1】特許第2501303号公報(特許請求の範囲および図面)
【0004】
【特許文献2】特開2002−280410号公報(要約および選択図面)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1は、銅をベースとする特定の微量元素を添加した銅合金を素材とするワイヤを用いて、良好なボールボンディングを行い、導電特性の良い半導体装置を得ようとするもので、特許文献2は、ボンディング操作に際し第2導体(リードフレーム)側に傾斜ウェッジを有するバンプを形成し、この傾斜ウェッジ上に二次ボンディングして高さが低く強いループを形成しようとするもので、こうした技術動向は半導体装置の高機能化・高集積化を実現するためのものである。
【0006】
今日、半導体装置10には、高機能化、小型化・高集積化が求められ、図2に示すようにワイヤ13のピッチが一層細密になり、しかも半導体素子12を積層して図3に示すようにワイヤ13が三次元的に配置されて一層輻湊することとなっている。
【0007】
上記状態になると、ボンディングされたワイヤ13が規則的なループを形成して隣接するワイヤと干渉し合わないように、また、形成されたループが後工程や樹脂注入時に変形して隣接するワイヤと干渉し合わないようにする必要がある。
【0008】
ワイヤが規則的なループを形成するには、ワイヤが長さ方向に亘って均質であること、形成されたループが後工程や樹脂注入の外力によって変形しないようにするにはワイヤに一定の強度与えること、また、従来のように高い山のループではなくできるだけ低い山のループとすること、が必要になる。
【0009】
こうしたいろいろな角度からの検討の過程で、リードフレーム側で一次ボンドを行い、半導体素子側で二次ボンドをする逆ボンド方式が試みられている。このようにすればトーチを備えたキャピラリーの移動経路との関係から、ワイヤのループを低くすることができ、また、従来から金合金ワイヤの代替として安価に銅ワイヤは知られているが、銅は金より硬い特性を有することから半導体素子へのボンディング時にチップ割れが発生する場合があるのを半導体素子側のボンドパッド部に金または金合金バンプを形成することにより、ボンディング時、半導体素子に加わる押圧力を軽減できる効果が得られることが判明し、金合金線に代えて銅または銅合金線を使用できる可能性がでてきた。
【0010】
上記知見をもとに半導体装置において、ワイヤのコストダウンを図り、ボンディング状況が良好でループの形状・保形力を向上させた半導体装置を提供することを課題する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記状況に鑑みこの発明は、リードフレーム側に一次ボンドを行ってワイヤを接続し、ループを形成しながら半導体素子のボンドパッド側に二次ボンドを行ってワイヤを接続してなる半導体装置において、上記ボンドパッド上に金または金合金バンプを形成し、上記ワイヤとして銅、または銅合金線を採用してなる。
【発明の効果】
【0012】
上記の如く構成するこの発明によれば、金合金線より安価な銅または銅合金線を使用してもチップ割れが発生する恐れがない。また、銅の硬い特性からボンディングされたワイヤのループ形状が均一で蛇行がなく、ループの保形力が大きくなって後工程や樹脂注入時にループが変形して隣接するワイヤとの干渉が起きる恐れがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次にこの発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。高集積化した半導体装置は図3に示すように基板14上に絶縁層15を介して半導体素子12を三層重ねて階段状に配置し、それぞれのボンドパッド16と、それに対応するリードフレーム11とをワイヤ13で繋いでいる。なお、図3では半導体素子を三層・階段構造にしているが層数および配置の形態は限定されない。
【0014】
上記リードフレーム11と半導体素子12のボンドパッド16とのワイヤ13による接続は、図1に示すようにボンドパッド16上に予め金または金合金バンプ17を施した後リードフレーム11側に一次ボンドAを行い、図示しないキャピラリーを移動させながらループRを画き金または金合金バンプ17にワイヤ13を導き二次ボンドBを行う。
【0015】
この手順でワイヤ13を接続すると金または金合金バンプ17によってボンドパッド16にかかる押圧力が軽減される。また、形成されるワイヤのループRが低くなり、保形力が大きくなって後工程や樹脂注入時にループが変形するのを防止することができる。
【0016】
ここで使用したワイヤは高純度銅を使用して製作した25μmφであり上記のようにボンディングした半導体装置は、ボンディング状況、ループの形成状況、ループの保形力のいずれも良好な結果が得られることを確認した。また、銅合金線として特許文献1のリン入り銅25μmφでも前記と同様の結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0017】
以上説明した通りこの発明によれば、ワイヤのコストダウンを図ることができ、ボンディング状況が良好で、ループの形状、保形力も良好であって産業上の利用価値は極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のボンディング手順説明図
【図2】輻湊するボンディング状況説明図
【図3】多層化した半導体装置の部分断面図
【符号の説明】
【0019】
10 半導体装置
11 リードフレーム
12 半導体素子
13 ワイヤ
14 基板
15 絶縁層
16 ボンドパッド
17 金または金合金バンプ
A 一次ボンド
B 二次ボンド
R ループ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リードフレームに一次ボンドによりボンディングワイヤを接続し、ループを形成しながら半導体素子のボンドパッドに二次ボンドによりボンディングワイヤを接続してなる半導体装置において、上記ボンドパッド上に金または金合金バンプを形成し、上記ボンディングワイヤとして銅または銅合金線を採用したことを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−134504(P2007−134504A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326158(P2005−326158)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(000108742)タツタ電線株式会社 (76)
【Fターム(参考)】