説明

半導体装置

【課題】外部回路基板等の伸縮差等により基板が変形することで、配線パターンが断線されるという問題を回避し、微細化および信頼性の向上が図られた半導体装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る半導体装置は、導電性パターンが設けられた基板3と、前記基板3の上に設けられた半導体チップ2であって、前記導電性パターンと該半導体チップ2の突起電極とを接続することで実装される半導体チップ2と、前記基板3と前記半導体チップ2との間に設けられた第1樹脂と、前記半導体チップ2を平面視したとき、該半導体チップ2の側面に設けられた第2樹脂5と、を含み、第2樹脂5は、前記半導体チップ2の側面に設けられ、部分的に該半導体チップ2との距離が大きくなる方向に突出した平面形状の突出部分6を有し、突出部分6の突出の方向は、突出部分6が設けられている辺と交差する方向であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に半導体チップがフリップチップ実装された半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パソコン、液晶テレビ及び電子手帳などの様々な電子機器では、薄型・軽量等の携帯性と、高精細・多階調等の表示性とに優れた液晶表示装置が広く用いられている。この液晶表示装置に画像を表示させるために、液晶ドライバが用いられる。
【0003】
図5、図6に、従来例に係る液晶ドライバを示す。図5は、液晶ドライバを示す平面図であり、図6は、図5のB−B´線に沿った断面図である。図5、図6に示すように、フレキシブル基板103の上に、半導体チップ102が設けられている。フレキシブル基板103は、表面がメッキ法により形成されたSnで覆われたCuパターン1011が形成されたポリイミドフィルムである。Cuパターン1011の上に、半導体チップ102のAu突起電極(バンプ)1012を設けることで半導体チップ102は実装される。詳細には、Cuパターン1011とAu突起電極1012の接続部では、熱圧着により形成されているため、Au−Sn共晶層が形成されている。このように、ワイヤを使用することなく、半導体チップ102をフレキシブル基板103に実装する方法をフリップチップ実装という。
【0004】
半導体チップ102とフレキシブル基板103との間には樹脂104が充填されている。樹脂104の充填方法では、まず、液状の樹脂材料を半導体チップ102近傍のフレキシブル基板103上に滴下し、または滴下しながら半導体チップ102の外縁に沿って描画する。その後、樹脂材料はフレキシブル基板103上を広がり半導体チップ102に接触する。その結果、毛細管現象により樹脂材料がフレキシブル基板103と半導体チップ102との隙間に樹脂材料が入り込むことになる。その後、硬化することで樹脂104が形成されるのである。
【0005】
通常、半導体チップ102とフレキシブル基板103との相互間を充填するための必要量と比して過剰の樹脂材料を添加するため、一部の樹脂は半導体チップ102の外縁からはみ出し、半導体チップ102の側面とフレキシブル基板103の平面方向に拡がる事で、その断面が略三角形のフィレット105を形成することとなる。このフィレット105は、半導体チップ102の素子面及び接続された電極までの水分侵入経路を塞ぐ役割をあたし、半導体装置の信頼性の向上に寄与する部材である。
【0006】
上述の液晶ドライバ101は、例えば、図7に示すように、出力アウターリード1013群を液晶パネル108の入力端子群に、入力アウターリード1014を外部回路基板109の出力端子群、各端子を相互に位置合わせ後、ACF1015で接続する。
【0007】
また場合によっては、フレキシブル基板103が持つ柔軟性を利用してフレキシブル基板を液晶パネルの裏面(180°方向)や側面(90°方向)に折り曲げる事もあり、微細化に貢献している。
【特許文献1】特開2005−116697号公報(2005年4月28日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述のようにフレキシブル基板103を折り曲げた状態で使用することにより、変形による力が固定されている半導体チップ102の角に集中することとなる。特に、半導体チップ102の角は点であり、この点を中心にして該当角を除く270°からの変形を受けるため変形の到達が集中しやすい。
【0009】
上述以外の変形の態様として、液晶パネル108と外部回路基板109との熱膨張係数の違いによりフレキシブル基板103が液晶ドライバ101の出力端子群と平行方向にせん断応力を受けることがある。これにより半導体チップ102の角を基点に折れ目が生じる。そして、液晶パネル108と外部回路基板109の熱膨張係数の違いにより、温度変化に伴ってフレキシブル基板103は伸縮を繰り返すこととなり、この繰り返しに伴い折れ目角度をも変化を繰り返す結果、フレキシブル基板103がダメージを受けることがある。
【0010】
フレキシブル基板103の変形は、温度環境、液晶ドライバ101自身の外部出力群と平行方向の長さ、液晶パネル1枚に占める液晶ドライバの接続個数やその位置、外部回路基板と液晶パネルの間隔、半導体チップの大きさやフレキシブル基板上の位置、フレキシブル基板の曲げ方等で様々である。さらに、半導体チップ102の側面に設けられた樹脂(フィレット)においても、樹脂の端部(樹脂の角部)で同様の問題が発生する事がある。樹脂が配線パターンの上に設けられている場合には、この折れ曲がりの問題は配線パターンの断線を引き起こすこともある。
【0011】
引用文献1には、上記問題を回避する技術の一例が開示されている。具体的には、液晶ドライバを折り曲げた時に、樹脂角が起点となった折れが発生しないよう樹脂の端部から薄い樹脂を延長することで柔軟性を持たせ、折り曲げの基点を作らないにようにしている。しかしながら、半導体チップの外縁の全てに薄い樹脂が延長されているため、半導体チップの配置に要する面積が増大してしまい、半導体装置の微細化の妨げになることがある。また、引用文献1の図5には、半導体チップの4つの角から放射状に延長した薄い樹脂を形成した例が開示されているが、フレキシブル基板の変形態様によっては、半導体チップの辺に直交する方向に配置された配線パターンにダメージを与えることを回避できないことがある。
【0012】
本発明の目的は、液晶パネルと外部回路基板の伸縮差等によりフレキシブル基板が繰り返し変形する場合に、やがて配線パターンの断線してしまう事を防止し、微細化および信頼性の向上が図られた半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る半導体装置は、導電性パターンが設けられた基板と、前記基板の上に設けられた半導体チップであって、前記導電性パターンと該半導体チップの突起電極とを接続することで実装される半導体チップと、前記基板と前記半導体チップとの間に設けられた第1樹脂と、前記半導体チップを平面視したとき、該半導体チップの側面に設けられた第2樹脂と、を含み、第2樹脂は、前記半導体チップの側面に設けられ、部分的に該半導体チップとの距離が大きくなる方向に突出した平面形状の突出部分を有し、前記突出部分の突出の方向は、突出部分が設けられている辺と交差する方向であることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、半導体チップの側面に設けられた第2樹脂は、部分的に突出した平面形状を有している。半導体チップが実装された基板は、この基板に接続される他の回路基板等の影響を受け変形を繰り返すことがある。このように変形を繰り返すことで、固定端である半導体チップの周囲で変形による力の集中が起きてしまうことがあり、力が集中する点の下方に設けられている配線パターンの断線が起きることがある。しかしながら、本発明によれば、変形による力の集中点に突出部分を設けることで、力の集中による歪を吸収することができる。その結果、配線パターンの断線を予防でき、信頼性が向上した半導体装置を提供することができる。また、突出部分を必要な箇所に設けるだけで足り、半導体装置の微細化を実現することができる。
【0015】
本発明に係る半導体装置では、前記突出部分は、前記辺の端に設けられていることが好ましい。この構成によれば、半導体チップの端は、変形による力が集中しやすいが、突出部分が設けられていることにより、配線パターンの断線を防止することができる。
【0016】
本発明に係る半導体装置では、前記半導体チップが矩形であり、前記突出部分は、該半導体チップの長手方向の辺に設けられていることが好ましい。
【0017】
本発明に係る半導体装置では、前記突出部分の先端は、前記半導体チップとの距離が大きくなるに従って膜厚が小さくなることが好ましい。この構成によれば、突出部の先端は、半導体チップからの距離が大きくなるに従って膜厚が小さくなるよう傾斜を有することで、突出部分自体が角を形成することがなく、新たな変形による力の集中点を形成することを抑制することができる。
【0018】
本発明に係る半導体装置では、少なくとも2以上の突出部分を有することが好ましい。この構成によれば、変形による力の吸収を効率よく行うことができる。
【0019】
本発明に係る半導体装置では、前記突出部分は、前記基板において、その幅が6〜80μmである前記導電性パターンの上方に設けられていることが好ましい。前記基板の複数の出力端子が設けられている側に設けられていることが好ましい。この構成によれば、基板上の配線パターンの保護をより確実に行うことができる。
【0020】
本発明に係る半導体装置では、前記突出部分は柔軟であり、その鉛筆硬度は、H〜4Hであることが好ましい。この構成によれば、突出部分自体が新たな変形による力の集中点となることを抑制できる。その結果、突出部分の下層にある配線の断線を抑制することができる。
【0021】
本発明に係る半導体装置では、前記基板は、フレキシブル基板であることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る半導体装置は、以上のように、半導体チップの周囲に突出した突出部分を有することで、基板の変形による力の発生を抑制することができ、配線パターンの断線を予防することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0024】
(第1の実施形態)
図1および図2を参照しつつ、第1の実施形態に係る半導体装置について説明する。図1は、本実施形態に係る半導体装置を模式的に示す平面図である。図2は、図1のA−A´線に沿った断面図である。なお、本実施形態では、半導体装置が液晶ドライバの場合を例として説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る液晶ドライバ(半導体装置)1では、フレキシブル基板(基板)3の上に半導体チップ1が設けられている。液晶ドライバ1としての構成材料およびフリップチップ接続法に関しての説明は、公知の技術と同様に行うことができる。
【0026】
液晶ドライバ1は、フレキシブル基板3と、その上に設けられた半導体チップ2と、フレキシブル基板3と半導体チップ2との相互間に埋め込まれた第1樹脂4と、平面視したときに半導体チップ2の側面に設けられた第2樹脂5と、を含む。
【0027】
第2樹脂5は、半導体チップ2の側面に設けられている。第2樹脂5は、図2に示すように、半導体チップ2の側面との距離が大きくなるにつれて膜厚が小さくなる。つまり、半導体チップ2から離れるに従って、上面の位置が低くなるよう傾斜している。第2樹脂5の一部には、突出部分6が設けられている。突出部分6は、図1に示すように、半導体チップ2を平面視したときに、半導体チップ2との距離が大きくなる方向に突出している樹脂である。第2樹脂5と突出部分6とは、一つの部材からなり、その上面は連続した面を形成することができる。また、第2樹脂5と突出部分6とが別々の部材から構成されていてもよいことは言うまでもない。
【0028】
突出部分6の突出方向は、突出部分6が設けられている半導体チップ2の辺と交差する方向である。より好ましくは直行する方向であることが好ましい。また、突出部分6は、半導体チップ2の任意の辺においてより角に近い領域に設けられていることが好ましい。これは、半導体チップ2の角は、フレキシブル基板3の変形時の力を最も受けやすい領域であり、この角近傍に設けられている配線パターンが断線しやすいという問題があるが、このような問題を回避することができるためである。
【0029】
突出部分6は、図2に示すように、その上面が基板10の上面とほぼ平行となっていることが好ましい。つまり、第2樹脂5は、半導体チップ2との距離が大きくなるにつれて、膜厚が小さくなるように傾斜した面を有するのに対して、平らな面(基板の上面とほぼ平行な面)を有している。さらに、突出部分6の先端は、その先端に向かうに従って、膜厚が小さくなるように傾斜した断面を有する。これは、突出部分6が、急峻な山型で先端が尖っている場合、この突出部分6自体があらたな力の集中を招く恐れがあるため、この現象を回避するためである。
【0030】
突出部分6は、樹脂材料を形成した後に、この樹脂材料を硬化して形成されるが、硬化後も柔軟な状態であることが好ましい。この態様によれば、フレキシブル基板3の変形による力を吸収しやすくなり、フレキシブル基板3に設けられている配線パターンの保護を確実に行うことができる。
【0031】
また、突出部分6の硬度は鉛筆硬度H〜4Hであることが好ましい。この態様によれば、突出部分6自体が新たなに変形による力の集中点となってしまい、突出部分6の下に設けられている配線パターンの断線を予防することができないという問題を回避することができる。
【0032】
突出部分6の形成方法は、半導体チップ2とフレキシブル基板3との間に樹脂材料を吐出ノズルを介して注入する際に、半導体チップ2とフレキシブル基板3との相互間に注入し終えた後、いったん、半導体チップ2の側面近傍に配置し、樹脂を滴下させながら吐出ノズルを半導体チップから半導体チップの角に対して直角方向に離れるように描画することで形成することができる。あるいは、半導体チップ2とフレキシブル基板3の隙間に充填した後、この方法を採用しても良い。また、半導体チップ2とフレキシブル基板3の隙間に充填するため、樹脂材料をノズルから吐出しながら、隙間に充填すると同時にノズルを半導体チップから離れるように描画することでも形成する事ができる。特に、隙間に充填すると同時にノズルを半導体チップから離れるように描画する場合には、半導体チップとフレキシブル基板3の隙間が多列バンプ等により複雑な構造で樹脂が隙間に入るのに一定の時間を要する場合、樹脂が隙間に充填する前に半導体チップ2の上面に這い上がるという不具合を防止できる効果も持っている。
【0033】
また、樹脂材料を隙間に充填した後、一旦、樹脂材料を滴下させ、やがて拡がる段階で第2樹脂5と接する事で突出部分6を形成する事も可能である。また、半導体チップ2とフレキシブル基板3との間に第1樹脂4および第2樹脂5を形成した後、あらためて突出部分6を形成することも可能である。
【0034】
以下に、突出部分6の形状の一例を示す。この例においては、半導体チップ2として、長辺方向が11.0mm、短辺方向が1.8mmの長方形のチップを選択する。この場合、突出部分6の長さ(突出方向の長さ)は、1mmであり、通常の第2樹脂5の長さは1mmとすることができる。つまり、突出部分6が設けられている領域では、第2樹脂5の先端(突出部分6の先端(半導体チップ2と最も離れた位置にある端部))から、半導体チップ2の辺までの総距離は、2mmであるのに対して、突出部分6が設けられていない領域では、第2樹脂5の先端と半導体チップ2の辺とまでの距離は1mmである。また、突出部分6の先端から半導体チップ2までの距離と、通常の第2樹脂5の先端から半導体チップ2までの距離との比は、0.3〜3であることが好ましい。
【0035】
また、本願発明者は、樹脂材料として株式会社ナミックス社のSL−8を、フレキシブル基板3として株式会社日立化成社のソルダレジストSN9000を準備し、このフレキシブル基板3上に樹脂材料を滴下させたとき、半導体チップ102の辺から突出部分6の先端までの距離を、1.5mm、第2樹脂5の長さを1mmとする事で良好な形状の突出部分6を形成できることを確認した。つまり、樹脂材料で描画するときに、突出部分6の長さをある程度確保する必要がある。これにより、第2樹脂5に吸収されることなく、良好な形状の突出部分6を形成することができる。このとき、第2樹脂5を良好に形成するためには、突出部分6の先端から半導体チップ2までの距離と、第2樹脂5の先端から半導体チップ2までの距離との比は、0.3〜3であることが好ましい。
【0036】
次に、本実施形態に係る半導体装置の作用効果について図3、図8および図9を参照しつつ説明する。図3および図8は、本実施形態に係る半導体装置の作用効果を示すための平面図である。図9は、図8のA部の拡大図である。
【0037】
まず、図8および図9を参照しつつ、従来例に係る半導体装置の問題点について説明する。図8に示すように、液晶ドライバ101は、外部からの振動、特に、液晶パネル108と外部回路基板109との熱膨張係数の違いにより液晶ドライバ101に矢印A,Bに示す方向の付加を繰り返し受けることとなる。その結果、半導体チップ2の角の近傍において、折れ目107a、107bが生じる。このとき、折れ目107a、107bは、外部材料の伸縮差のサイクルにより折れ目の角度が変化した折れ目をそれぞれ指している。この折れ目107a、107bの交点1010には、変形による力の集中することとなり、図9に示すように、配線パターン1011の断線を招くことがある。
【0038】
しかしながら、図3に示すように、本実施形態に係る半導体装置では、折れ目7a、7bの交点10に突出部分6が設けられている。そのため、この交点10の位置に突出部分6が設けられているため、突出部分6が変形による力を吸収できることとなり、その結果、突出部分6の下方にある配線パターンの断線を予防することができるのである。
【0039】
通常、フレキシブル基板3へ実装される半導体チップ2は、柔軟なフレキシブル基板3へ実装するため半導体チップ自身が機械的強度を持っている必要があり、この点を考慮すると、半導体チップ2の厚さは、400μm〜625μmであることが好ましい。
【0040】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る半導体装置について、図4を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、第1の実施形態との相違点について説明する。そのため、説明の便宜上、第1の実施形態で説明した部材と同様の機能を有する部材には、同一の番号を付し、その説明は省略する。
【0041】
図4に示すように、第2の実施形態に係る半導体装置では、半導体チップ2の角の4箇所に突出部分6が設けられている。半導体チップ2の各角に設けることで4つの角周辺および樹脂角に折り曲げの繰り返しが集中することがあったとしても、突出部分6が繰り返しの変形による力を吸収してくれるため、配線パターンが断線してしまうなどの不具合を回避することができる。
【0042】
また、図1〜図4に示す半導体装置では、半導体チップ2が1つの場合について説明しているが、複数の半導体チップを搭載するフレキシブル基板でも適用できる。その場合、例えば図3では、左端の半導体チップ2はその長辺側の左側に突出部分6を設け、複数の半導体チップの右端にある半導体チップでは、その長辺側の右側に突出部分6を設ける。
【0043】
また、図1または図2においては、突出部分6が一つの場合を示し、図4においては、突出部分6が4つ設けられている場合を示したが、突出部分6の個数はこれに制限されない。例えば、図1または図2に示す半導体装置では、突出部分6が図示されている辺と同じ辺に、他の突出部分が設けられていてもよい。
【0044】
また、図3に示すように、半導体装置が液晶ドライバである場合、入力アウターリードは本数が少なく、配線を太くできるが、液晶パネルと接続する出力アウターリードは本数が多いことから配線幅が狭い。このように配線幅が狭いことで、フレキシブル基板3の変形による断線等の影響を受けやすいことから出力アウターリード側に1つもしくは複数の突出部分6を設けることが好ましい。
【0045】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によれば、半導体チップがフリップチップ実装により実装されている基板であって、基板上に形成されている配線パターンがせん断応力を受けることにより断線する可能性のある基板に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を模式的に示す平面図である。
【図2】図1のA−A´線に沿った断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の作用効果を説明する図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を模式的に示す平面図である。
【図5】従来例に係る半導体装置を模式的に示す平面図である。
【図6】図5のB−B´線に沿った断面図である。
【図7】従来例に係る半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の作用効果を説明する図である。
【図9】図8のA部を拡大した図面である。
【符号の説明】
【0048】
1 液晶ドライバ(半導体装置)
2 半導体チップ
3 フレキシブル基板(基板)
4 第1樹脂
5 第2樹脂
6 突出部分
7 折れ目(基板が変形することにより生じる)
8 液晶パネル
9 外部回路基板
10 交点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性パターンが設けられた基板と、
前記基板の上に設けられた半導体チップであって、前記導電性パターンと該半導体チップの突起電極とを接続することで実装される半導体チップと、
前記基板と前記半導体チップとの間に設けられた第1樹脂と、
前記半導体チップを平面視したとき、該半導体チップの側面に設けられた第2樹脂と、を含み、
第2樹脂は、前記半導体チップの側面に設けられ、部分的に該半導体チップとの距離が大きくなる方向に突出した平面形状の突出部分を有し、
前記突出部分の突出の方向は、突出部分が設けられている辺と交差する方向であることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記突出部分は、前記辺の端に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体チップが矩形であり、前記突出部分は、該半導体チップの長手方向の辺に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記突出部分の先端は、前記半導体チップとの距離が大きくなるに従って膜厚が小さくなることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
少なくとも2以上の突出部分を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記突出部分は、前記基板において、その幅が6〜80μmである前記導電性パターンの上方に設けられていることを特徴とした請求項1〜5の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記突出部分の鉛筆硬度は、H〜4Hであることを特徴とした請求項1〜6の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記基板は、フレキシブル基板であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−66651(P2008−66651A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−245636(P2006−245636)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】