説明

半導体装置

【課題】半導体チップの一つの電極を複数の端子又は電極に電気的に接続した半導体装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る半導体装置は、半導体チップ1をフレーム4の上にフリップチップにより接続した半導体装置であって、前記フレームの上又は上方に形成された端子3a及び端子と、前記端子3aと前記端子が電気的に接続され、前記端子3aに第1ボンディング点が形成され、前記端子に第2ボンディング点が形成されたボンディングワイヤ5と、前記半導体チップ1の能動面に形成されたバンプ2と、を具備し、前記第1ボンディング点には前記ボンディングワイヤ5の一部からなる凸部5aが形成されており、前記バンプ2は前記凸部5aに接合されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に係わり、特に、半導体チップの一つの電極を複数の端子又は電極に電気的に接続した半導体装置に関し、また、2以上の半導体チップを積み重ねても全体の厚みを薄くできる半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図17(A)〜(C)は、第1従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
まず、図17(A)に示すように、能動面101aにバンプ102を有する半導体チップ101を用意する。この半導体チップ101の能動面101aには電極(図示せず)が形成されており、この電極上にはバンプ102が形成されている。バンプ102はバンプボンディング装置によって形成される。また、図17(B)に示すように、表面に端子103を有するフレーム104を用意する。
【0003】
次いで、図17(C)に示すように、半導体チップ101をフレーム104にフェイスダウンにより載置する。この際、フレーム104の端子103が半導体チップ101のバンプ102に接触するように位置合わせされる。この後、治具を用いて半導体チップ101の裏面から熱と超音波振動を印加しながら荷重を加えることにより、端子103とバンプ102を接合する(フリップチップボンディング)。
【0004】
図18は、第2従来の半導体装置を示す断面図である。この半導体装置はフレーム104を有しており、このフレーム104の表面には端子103が形成されている。フレーム104の表面上にはペースト107によって下段チップ106が能動面を上にして固定されている。この下段チップ106の能動面には電極109が形成されており、この電極109の上にはバンプ102が形成されている。バンプ102はバンプボンディング装置によって形成される。下段チップ106の能動面上にはペースト108によって上段チップ105が能動面を上にして固定されている。この上段チップ105の能動面には電極109が形成されている。
【0005】
下段チップ106のバンプ102とフレーム104の端子103とはボンディングワイヤ110によって電気的に接続されている。このボンディングワイヤ110は、その1stボンディング端部(第1ボンディング点)がバンプ102に接続され、その2ndボンディング端部(第2ボンディング点)が端子103に接続されている。
【0006】
また、上段チップ105の電極109と下段チップ106の電極(図示せず)とはボンディングワイヤ111によって電気的に接続されている。このボンディングワイヤ111は、その1stボンディング端部が上段チップの電極109に接続され、その2ndボンディング端部が下段チップ106の電極に接続されている。
【0007】
図19は、第3従来の半導体装置を示す断面図であり、図18と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0008】
フレーム104の表面には端子103及び端子112が形成されている。この下段チップ106の能動面には電極109が形成されている。下段チップ106の電極109とフレーム104の端子103とはボンディングワイヤ110によって電気的に接続されている。このボンディングワイヤ110は、その1stボンディング端部が電極109に接続され、その2ndボンディング端部が端子103に接続されている。
【0009】
上段チップ105の電極109とフレーム104の端子112とはボンディングワイヤ111によって電気的に接続されている。このボンディングワイヤ111は、その1stボンディング端部が電極109に接続され、その2ndボンディング端部が端子112に接続されている(例えば特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】特開2005−20004号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、上記第1従来の半導体装置の製造方法では、半導体チップ101の一つのバンプ102をフレーム104の一つの端子103に電気的に接続する構造となっている。これに対し、半導体チップの一つのバンプをフレームの複数の端子に電気的に接続する構造の半導体装置が求められることがある。このような要求に対して第1従来の半導体装置の製造方法では応えることができなかった。
【0012】
また、上記第2及び第3従来の半導体装置では、下段チップの能動面上に上段チップを固定するためのペーストの厚さと、上段チップの電極とフレームの端子を電気的に接続するためのボンディングワイヤのループ形状の高さによって、半導体装置全体の厚みが厚くなってしまう。これに対し、第2及び第3従来の半導体装置のような2以上の半導体チップを重ねたスタック品において半導体装置の薄型化が求められることがある。
【0013】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、半導体チップの一つの電極を複数の端子又は電極に電気的に接続した半導体装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、2以上の半導体チップを積み重ねても全体の厚みを薄くできる半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明に係る半導体装置は、半導体チップをフレームの上にフリップチップにより接続した半導体装置であって、
前記フレームの上又は上方に形成された第1端子及び第2端子と、
前記第1端子と前記第2端子が電気的に接続され、前記第1端子に第1ボンディング点が形成され、前記第2端子に第2ボンディング点が形成されたボンディングワイヤと、
前記半導体チップの能動面に形成されたバンプと、
を具備し、
前記第1ボンディング点には前記ボンディングワイヤの一部からなる凸部が形成されており、
前記バンプは前記凸部に接合されていることを特徴とする。
【0015】
上記半導体装置によれば、フレームの上においてボンディングワイヤによって第1端子を第2端子に電気的に接続することにより、半導体チップの一つのバンプをフレームの2つの端子に電気的に接続することができる。
【0016】
また、本発明に係る半導体装置において、前記凸部は、前記第1ボンディング点のボールの頂上部分が前記ボンディングワイヤの一部を含めて潰されたものであることが好ましい。
【0017】
また、本発明に係る半導体装置において、前記ボールの頂上部分はキャピラリによって潰されたものであり、
前記ボンディングワイヤは、前記キャピラリから出されたワイヤの先端にボールを形成し、前記第1ボンディング点に前記ボールを接続する第1工程と、
前記キャピラリの上昇移動を行う第2工程と、
前記キャピラリの水平移動、斜め上昇移動及び斜め下降移動の少なくとも一つを行う第3工程と、
前記キャピラリの下降移動を行った後に、前記ボールの頂上付近にボンディングを行う第4工程と、
前記第2工程から前記第4工程をn回繰り返す第5工程と、
前記キャピラリの上昇移動を行う第6工程と、
前記キャピラリの水平移動、斜め上昇移動及び斜め下降移動の少なくとも一つを行う第7工程と、
前記キャピラリを前記第2ボンディング点方向に移動させてワイヤを第2ボンディング点に接続する第8工程とにより形成したものであることが好ましい。
但し、nは0以上の整数である。
【0018】
本発明に係る半導体装置は、半導体チップをフレーム上にフリップチップにより接続した半導体装置であって、
前記フレームの上又は上方に形成された第1端子及び第2端子と、
前記第1端子と前記第2端子が電気的に接続され、前記第2端子に第1ボンディング点が形成され、前記第1端子に第2ボンディング点が形成されたボンディングワイヤと、
前記半導体チップの能動面に形成されたバンプと、
を具備し、
前記第1端子上には前記ボンディングワイヤの一部からなる凸部が形成されており、
前記バンプは前記凸部に接合されていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る半導体装置において、前記凸部は、前記第2ボンディング点でワイヤボンディングした後にボンディングワイヤを切断することなくワイヤループを形成して前記第2ボンディング点付近で前記ボンディングワイヤの一部を含めて潰されたものであることが好ましい。
【0020】
本発明に係る半導体装置は、半導体チップをフレームの上にフリップチップにより接続した半導体装置であって、
前記フレームの上又は上方に形成された第1端子及び第2端子と、
前記第1端子上に形成された第1バンプと、
前記第1バンプと前記第2端子が電気的に接続され、前記第2端子に第1ボンディング点が形成され、前記第1バンプに第2ボンディング点が形成されたボンディングワイヤと、
前記半導体チップの能動面に形成された第2バンプと、
を具備し、
前記第2バンプが前記第1バンプ上に接合されていることを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る半導体装置において、前記第1バンプの上部には傾斜ウエッジが形成され、前記第2ボンディング点は前記傾斜ウエッジ上に位置していることが好ましい。
【0022】
本発明に係る半導体装置は、半導体チップをフレームの上にフリップチップにより接続した半導体装置であって、
前記フレームの上又は上方に形成された第1端子及び第2端子と、
前記第1端子と前記第2端子が電気的に接続され、前記第2端子に第1ボンディング点が形成され、前記第1端子に第2ボンディング点が形成されたボンディングワイヤと、
前記半導体チップの能動面に形成されたバンプと、
を具備し、
前記バンプは前記第1端子上に接合されていることを特徴とする。
【0023】
本発明に係る半導体装置は、半導体チップをフレームの上にフリップチップにより接続した半導体装置であって、
前記フレームの上又は上方に形成された第1端子及び第2端子と、
前記第1端子と前記第2端子が電気的に接続され、前記第2端子に第1ボンディング点が形成され、前記第1端子に第2ボンディング点が形成されたボンディングワイヤと、
前記第2ボンディング点上に形成された第1バンプと、
前記半導体チップの能動面に形成された第2バンプと、
を具備し、
前記第2バンプは前記第1バンプに接合されていることを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係る半導体装置において、前記フレーム上に取り付けられた第2半導体チップと、前記第2半導体チップの能動面に形成された電極と、をさらに具備し、前記第1端子が前記電極であることも可能である。
【0025】
また、本発明に係る半導体装置において、前記フレームの上又は上方に形成された第3端子をさらに具備し、前記第3端子は前記第2端子に前記ボンディングワイヤによって電気的に接続されていることも可能である。
【0026】
また、本発明に係る半導体装置において、前記第2半導体チップの能動面に形成された第2電極をさらに具備し、前記第2電極は前記第2端子に前記ボンディングワイヤによって電気的に接続されていることも可能である。
【0027】
また、本発明に係る半導体装置において、前記第2半導体チップの能動面に形成された第2電極をさらに具備し、前記第2端子が前記第2電極であることも可能である。
【0028】
本発明に係る半導体装置は、上段チップを下段チップ上にフリップチップにより接続した半導体装置であって、
前記下段チップの能動面に形成された第1電極及び第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極が電気的に接続され、前記第1電極に第1ボンディング点が形成され、前記第2電極に第2ボンディング点が形成されたボンディングワイヤと、
前記上段チップの能動面に形成されたバンプと、
を具備し、
前記第1ボンディング点には前記ボンディングワイヤの一部からなる凸部が形成されており、
前記バンプは前記凸部に接合されていることを特徴とする。
【0029】
また、本発明に係る半導体装置において、前記下段チップ上にフリップチップにより接続された第2上段チップと、前記第2上段チップの能動面に形成された第2バンプと、前記第2電極上に形成された第3バンプと、をさらに具備し、
前記第2ボンディング点が前記第3バンプ上に位置しており、
前記第2バンプは前記第3バンプに接合されていることも可能である。
【0030】
また、本発明に係る半導体装置において、前記下段チップ上にフリップチップにより接続された第2上段チップと、前記第2上段チップの能動面に形成された第2バンプと、前記第2電極上に形成された第3バンプと、をさらに具備し、
前記第2ボンディング点が前記第3バンプ上に位置しており、
前記第2ボンディング点には前記ボンディングワイヤの一部からなる第2凸部が形成されており、
前記第2バンプは前記第2凸部に接合されていることも可能である。
【0031】
また、本発明に係る半導体装置において、前記下段チップ上にフリップチップにより接続された第2上段チップと、前記第2上段チップの能動面に形成された第2バンプと、前記第2電極上に形成された第3バンプと、をさらに具備し、
前記第2ボンディング点が前記第3バンプ上に位置しており、
前記第2ボンディング点上に第4バンプが形成されており、
前記第2バンプは前記第4バンプに接合されていることも可能である。
【0032】
また、本発明に係る半導体装置において、前記下段チップの能動面に形成された第3電極と、前記下段チップが取り付けられたフレームと、前記フレームの上に形成された端子と、前記第3電極と前記端子が電気的に接続された第2ボンディングワイヤと、をさらに具備することも可能である。
【発明の効果】
【0033】
以上説明したように本発明によれば、半導体チップの一つの電極を複数の端子又は電極に電気的に接続した半導体装置を提供することができる。また、他の本発明によれば、2以上の半導体チップを積み重ねても全体の厚みを薄くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1(A)〜(C)は、本発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0035】
まず、図1(A)に示すように、能動面1aにバンプ2を有する半導体チップ1を用意する。この半導体チップ1の能動面1aには電極1bが形成されており、この電極1b上にはバンプ2が形成されている。このバンプ2は、バンプボンディング装置によって形成されても良いし、特開2003−198138に開示されたようなエッチングバンプであっても良い。
【0036】
また、図1(B)に示すように、表面に端子3a,3bを有するフレーム4を用意する。フレーム4の表面には配線(図示せず)が形成されており、この配線は端子3a,3bに電気的に接続されている。次いで、フレーム4の表面において、端子3aと他の端子(図示せず)とをボンディングワイヤ5によって電気的に接続する。また、フレーム4の端子3b上にバンプ6をバンプボンディング装置によって形成する。
【0037】
上記ボンディングワイヤ5による接続はワイヤボンディング装置によって行われる。以下に上記ボンディングワイヤ5の形状について詳細に説明する。
端子3a上である第1ボンディング点とフレーム4の端子上である第2ボンディング点とに接続したワイヤループ形状は、図1(B)に示すように、ネック高さ部H(5a−3a)、台形部長さ部分L(5a−5b)及び傾斜部S(5b−5c)とからなっている。台形部長さ部分Lの一端には癖(又は凸部)5aが付けられており、台形部長さ部分Lの他端には癖5bが付けられている。また、第1ボンディング点付近に潰し癖が形成されている。このように、ボンディングワイヤ5の端部は、その第1ボンディング点付近に潰し癖を付けて潰した形状となっているので、この潰し癖の存在によって癖5aの部分が安定して潰れ、また形状保持力が高い低ワイヤループ形状となる。
【0038】
以下、図1(B)に示すボンディングワイヤ5を形成するためのボンディング方法について図2及び図3を参照しつつ説明する。
図2は、ワイヤボンディング装置におけるキャピラリの移動軌跡とワイヤ接続状態を示す図である。図3は、キャピラリの移動軌跡による各時点でのワイヤ形状を示す図である。
【0039】
図1(B)では、フレーム4の端子3aとフレーム4の他の端子とをボンディングワイヤ5によって接続しているが、図2及び図3では、図1(B)とは異なり、リードフレーム7上に載置された半導体チップ8の電極とリードフレーム8とをボンディングワイヤ5によって接続した半導体装置を例に挙げて説明する。ただし、図1(B)のボンディング方法と図2及び図3のボンディング方法は同様である。
【0040】
まず、図3(a)に示すように、ワイヤ5をクランプするクランパ(図示せず)は開状態で、キャピラリ7が下降して第1ボンディング点Aにワイヤ先端に形成されたボール30をボンディングする。次に、図3(b)に示すようにキャピラリ7はB点まで上昇してワイヤ5を繰り出す。次に、図3(c)に示すようにキャピラリ7を第2ボンディング点Zと反対方向のC点まで水平移動させるリバース動作を行う。これにより、ワイヤ5の部分に癖3aが付く。
【0041】
次に、図3(d)に示すように、キャピラリ7はD1点(この点は任意選択可能)まで上昇してワイヤ5を繰り出す。次に本実施の形態のボンディング方法の特徴とする工程が行われる。図3(e)に示すように、キャピラリ7は第2ボンディング点Zの方向へD2点(ほぼ第1ボンディング点Aの真上、但しその座標は任意選択可能)まで移動する。そして、図3(f)に示すように、キャピラリ7はM1点にボンディングする。つまり、図3(a)で示した第1ボンディング点Aのほぼ真上付近に第2回目ボンディングをする。これにより潰し癖3cが付く。次に、図3(g)に示すように、キャピラリ7はD点まで上昇してワイヤ5を繰り出す。この図3(e)及び(f)の工程により、ワイヤ5に潰し癖3cが付けられる。
【0042】
次に、図3(h)に示すように、キャピラリ7は第2ボンディング点Zと反対方向に移動、即ち第2回目のリバース動作を行いE点まで水平移動する。このC点からE点までの動作により、ワイヤ5には癖5bが付く。次に、図3(i)に示すように、キャピラリ7はF点まで上昇して図2に示す傾斜部S(5b−5c)分だけワイヤ5を繰り出す。
【0043】
その後は、図3(i)から(k)に示すように、キャピラリ7は下降して第2ボンディング点Zに位置させ、ワイヤ5をボンディングする。
【0044】
このように、図3(f)の第1ボンディング点Aのほぼ真上付近に第2回目ボンディングを行うことは、単にキャピラリ7を図3(b)のように上昇させた後に行うのではなく、図3(c)のように一旦第2ボンディング点Zの反対方向に移動させ、図3(d)から(e)のように癖を付けた後に第1ボンディング点Aのほぼ真上付近に第2回目ボンディングを行うため、ネック高さ部に潰し癖3cが付く。これによりネック高さ部Hが潰れ、あたかもフラット部(5a−5b)がネック高さ部Hのようになり、低いワイヤループ形状が可能となる。また、潰し癖3cが第1ボンディング点Aの真上にボンディングされるため、従来の低ループより強い立ち上がり部ができ、位置が安定すると共に、形状保持力が高い低ワイヤループ形状が形成される。
【0045】
また、第1ボンディング点Aの真上の高さやダメージ等のコントロールから必要に応じて、第1ボンディング点Aのほぼ真上付近に図3に示す(b)から(f)のボンディング動作を2回以上行ってもよい。
このように、図1(B)に示すボンディングワイヤ5の形成においては、図3に示す(b)から(f)のボンディング動作を少なくとも1回行うことを特徴とする。
【0046】
図1(B)に示すボンディングワイヤ5のワイヤループ形状は、上記のようなワイヤボンディング方法によって形成され、また本実施の形態による半導体装置はこのようなワイヤループ形状を備えたものである。
【0047】
上述したように、図1(A)の半導体チップ1及び図1(B)のフレーム4を用意した後、図1(C)に示すように、半導体チップ1をフレーム4にフェイスダウンにより載置する。この際、フレーム4における第1ボンディング点の癖(又は凸部)5aが半導体チップ1のバンプ2に接触し、且つフレーム4におけるバンプ6が半導体チップ1のバンプ2に接触するように位置合わせされる。この後、治具を用いて半導体チップ1の裏面から熱と超音波振動を印加しながら荷重を加えることにより、第1ボンディング点の癖5aとバンプ2及びバンプ6とバンプ2それぞれを接合する(フリップチップボンディング)。
【0048】
上記実施の形態1によれば、半導体チップ1の一つのバンプ2をフレーム4の端子3a及びその端子3aにワイヤ5によって接続された端子に電気的に接続することができる。つまり、フレーム4上において低いワイヤループ形状のボンディングワイヤ5によって端子3aを他の端子に接続することにより、半導体チップ1の一つのバンプ2をフレーム4の複数の端子に電気的に接続することができる。
【0049】
(実施の形態2)
図4(A)〜(C)は、本発明の実施の形態2による半導体装置の製造方法を示す断面図であり、図1と同一部分には同一符号を付す。
【0050】
図1(A)に示す半導体チップ1を用意するのは実施の形態1と同様である。
また、図1(B)に示すように、表面に端子3a,3b,3d,3eを有するフレーム4を用意する。フレーム4の表面には配線(図示せず)が形成されており、この配線は端子3a,3b,3d,3eに電気的に接続されている。次いで、フレーム4の表面において、フレーム4の端子3b上にバンプ6をバンプボンディング装置によって形成する。また、端子3aと端子3dとをボンディングワイヤ5によって電気的に接続する。この点は実施の形態1と同様であるが、本実施の形態では、フレームの端子3d上である第2ボンディング点にワイヤをボンディングした後に、そのワイヤを切断することなく、さらにキャピラリからワイヤを繰り出してフレームの端子3e上に前記ワイヤをステッチボンディングする。これにより、フレーム4上において端子3aと端子3dと端子3eがボンディングワイヤ5,5dによって電気的に接続される。尚、端子3aと端子3eとを接続するボンディングワイヤ5のワイヤループ形状及びボンディング方法は、実施の形態1におけるボンディングワイヤ5のワイヤループ形状及びボンディング方法と同様である。
【0051】
この後、図4(C)に示すように、半導体チップ1をフレーム4にフェイスダウンによりボンディングする。これにより、第1ボンディング点の癖5aとバンプ2及びバンプ6とバンプ2それぞれが接合される。この点も実施の形態1と同様である。
【0052】
上記実施の形態2によれば、フレーム4上において3つの端子3a,3d,3eをボンディングワイヤ5,5dによって電気的に接続することにより、半導体チップ1の一つのバンプ2をフレーム4の3つの端子3a,3d,3eに電気的に接続することができる。
【0053】
尚、上記実施の形態2では、ステッチボンディングを1回行っているが、1回に限らず、必要に応じてn回行うことも可能である。このようにn回行うことにより、半導体チップの一つのバンプをフレームの(n+1)箇所の端子に電気的に接続することが可能となる。
【0054】
(実施の形態3)
図5(A)〜(C)は、本発明の実施の形態3による半導体装置の製造方法を示す断面図であり、図1と同一部分には同一符号を付す。
【0055】
図5(A)に示す半導体チップ1を用意するのは実施の形態1と同様である。
また、図5(B)に示すように、表面に端子3a,3b,3f,3gを有するフレーム4を用意する。次いで、フレーム4の表面において、端子3fと端子3aとをボンディングワイヤ9によって電気的に接続する。また、端子3gと端子3bとをボンディングワイヤ9によって電気的に接続する。
【0056】
以下、図5(B)に示すボンディングワイヤ9の接続を形成するためのボンディング方法について図6及び図7を参照しつつ説明する。
図6(a)〜(g)は、図5(B)に示すボンディングワイヤのボンディング方法を示す図である。図7は、図5(B)に示すバンプ6上の傾斜ウエッジ上に第2ボンディングを行う工程を説明する断面図である。
【0057】
図5(B)では、フレーム4の端子3aと端子3f及び端子3bと端子3gそれぞれをボンディングワイヤ9によって接続しているが、図6及び図7では、図5(B)とは異なり、回路基板11上にダイマウントペースト12を介してマウントされた半導体チップ13のボンディングパッド13aと回路基板11上の配線部14とをボンディングワイヤ9によって接続した半導体装置を例に挙げて説明する。ただし、図5(B)のボンディング方法と図6及び図7のボンディング方法は同様である。
【0058】
図6(a)に示すように、キャピラリ7の貫通孔7aにワイヤ9を挿通した状態で、電気トーチ10によりキャピラリ7から突出したワイヤ9の先端にボール9aを形成する。次いで、図6(b)に示すように、キヤピラリ7を配線部14上に位置させてボールボンディングを行う。このボンディングによりバンプ6を形成する。
【0059】
次いで、図6(c)〜(d)に示すように、キヤピラリ7を上昇させた後に、バンプ6の中心から第1ボンディング点側と反対方向へ移動させ、その後に再度キャピラリ7を下方に押し下げキャピラリ外壁面7bで傾斜ウエジッジボンディング部15をバンプ6上部に形成し、ワイヤ9を切断する。この傾斜ウエッジボンディング部15は、バンプ6上部に形成される。バンプ6上部の傾斜ウエッジボンディング部15の傾斜角度θは、2〜15°にすることによりボンディングパット13aからバンプ6上部の傾斜ウエッジボンディング部15へワイヤボンディングする時の案内角度となり、U字状のタレが起きないことが実験からわかった。図7に示す傾斜角度θがこの角度である。
【0060】
図6(e)に示すように、電気トーチ10によりワイヤ9の先端にボール9aを形成させる。次いで、図6(f)に示すように、キャピラリ7を半導体チップ13のボンディングパット13a上に位置させ、第1ボンディングを行う。次いで、図6(g)に示すように、ワイヤ9のループピングを行い、ワイヤ9をバンプ6の傾斜ウエッジボンディング部15の上部に位置させ、キャピラリ7の外壁面7bでルーピングワイヤ9と傾斜ウエッジボンディング部15を接合させ、ワイヤ9を切断する。図7には図6(g)に示す工程においてワイヤ9と傾斜ウエッジボンディング部15とが接合された状態が示されている。
【0061】
上述したように、図5(A)の半導体チップ1及び図5(B)のフレーム4を用意した後、図5(C)に示すように、半導体チップ1をフレーム4にフェイスダウンにより載置する。この際、フレーム4におけるバンプ6上の第2ボンディング点が半導体チップ1のバンプ2に接触するように位置合わせされる。この後、治具を用いて半導体チップ1の裏面から熱と超音波振動を印加しながら荷重を加えることにより、バンプ6とバンプ2を接合する(フリップチップボンディング)。
【0062】
上記実施の形態3によれば、半導体チップ1の一つのバンプ2をフレーム4の2つの端子3a,3f又は3b,3gに電気的に接続することができる。つまり、フレーム4上においてボンディングワイヤ9及びバンプ6によって2つの端子3a,3f又は3b,3gを電気的に接続することにより、半導体チップ1の一つのバンプ2をフレーム4の複数の端子に電気的に接続することができる。
【0063】
尚、上記実施の形態3では、フレーム4の端子3a上にバンプ6を形成し、端子3fとバンプ6をボンディングワイヤ9によって接続しているが、この構成を次のように変形することも可能である。フレーム4は、端子3aと端子3fの間に位置する他の端子をさらに有する。フレーム4の端子3a上にバンプ6を形成し、端子3fと他の端子とバンプ6をボンディングワイヤによって接続する。ボンディングワイヤの第1ボンディング点は端子3f上に形成され、ボンディングワイヤの第2ボンディング点は他の端子上に形成され、ボンディングワイヤの第3ボンディング点はバンプ6上に形成される。つまり、フレームの他の端子上である第2ボンディング点にワイヤをボンディングした後に、そのワイヤを切断することなく、さらにキャピラリからワイヤを繰り出してフレームのバンプ6上に前記ワイヤをボンディングする。これにより、フレーム4上において端子3aと端子3fと他の端子がボンディングワイヤによって電気的に接続される。
【0064】
(実施の形態4)
図8(A)〜(C)は、本発明の実施の形態4による半導体装置の製造方法を示す断面図であり、図5と同一部分には同一符号を付す。
【0065】
図8(A)に示す半導体チップ1を用意するのは実施の形態3と同様である。
また、図8(B)に示すように、表面に端子3a,3b,3f,3gを有するフレーム4を用意する。次いで、フレーム4の表面において、端子3fと端子3aとをボンディングワイヤ16によって電気的に接続する。また、端子3gと端子3bとをボンディングワイヤ16によって電気的に接続する。
【0066】
以下、図8(B)に示すボンディングワイヤ16の接続を形成するためのボンディング方法について図9及び図10を参照しつつ説明する。
図9は、ワイヤボンディング装置におけるキャピラリの移動軌跡とワイヤ接続状態を示す図である。図10は、キャピラリの移動軌跡による各時点でのワイヤループ形状を示す図である。
【0067】
図8(B)では、フレーム4上の2つの端子3a,3f又は3b,3gをボンディングワイヤ16によって接続しているが、図9及び図10では、図8(B)とは異なり、リードフレーム7上に載置された半導体チップ8の電極とリードフレーム8とをボンディングワイヤ16によって接続した半導体装置を例に挙げて説明する。ただし、図8(B)のボンディング方法と図9及び図10のボンディング方法は同様である。
【0068】
図9に示すように、第1ボンディング点Aと第2ボンディング点Zとに接続したワイヤループ形状は、ネック高さ部H、台形部長さ部分L及び傾斜部Sとからなっており、台形部長さ部分Lの両端には癖16a、16bが付けられている。
【0069】
第2ボンディング点Zにおいて、ワイヤボンディングが行われた後、ワイヤを切断することなく再度ワイヤループを形成してその位置にワイヤの一部を含めて潰した状態のボンディングが行われる。これにより、第2ボンディング点Zでの接合面積が拡大されたワイヤループ形状となる。
【0070】
以下、ボンディング方法について説明する。
まず、図10(a)に示すように、キャピラリ7が下降して第1ボンディング点Aに対しワイヤ先端に形成されたボール30をボンディングする。
【0071】
次に、図10(b)に示すように、キャピラリ7はB点まで上昇してワイヤ16を繰り出す。次に、図10(c)に示すように、キャピラリ7を第2ボンディング点Zと反対方向にC点まで水平移動させる。これにより、ワイヤ16は、A点からC点まで傾斜した形状となり、ワイヤ16の部分に癖16aが付く。このA点からC点までの工程で繰り出されたワイヤ16は、図10に示すネック高さ部Hとなる。
【0072】
次いで、図10(d)に示すように、キャピラリ7はD点まで上昇してワイヤ16を繰り出す。続いて、図10(e)に示すように、キャピラリ7は再び第2ボンディング点Zと反対方向にE点まで水平移動、即ちリバース動作を行う。これにより、ワイヤ16は、C点からE点まで傾斜した形状となり、ワイヤ16の部分に癖16bが付く。このC点からE点まで繰り出されたワイヤ16は、図9に示す台形部長さ部分Lとなる。
【0073】
次に、図10(f)に示すように、キャピラリ7はF点まで上昇して図9に示す傾斜部S分だけワイヤ16を繰り出す。そして、図10(f)のf'、f"に示すように、キャピラリ7は下降して第2ボンディング点Zに位置し、第2ボンディング点Zにワイヤ16をボンディングする。ここでワイヤ16を切断することなく、図10(g)に示すように、キャピラリ7を上昇させてワイヤ16を繰り出し、図10(h)に示すように、キャピラリ7を第2ボンディング点Zと反対方向(第1ボンディング点方向)に水平移動させる。これにより、ワイヤ16は傾斜した形状となる。
【0074】
次いで、図10(i)に示すように、キャピラリ7を上昇させワイヤ16を繰り出す。その後、図10(j)に示すように、キャピラリ7を第2ボンディング点Z方向に水平移動させる。次に、図10(k)に示すように、キャピラリ7を下降させて第2ボンディング点(付近を含む)にワイヤボンディングする。これにより、第2ボンディング点Zにワイヤ凸部Gが形成される。
【0075】
尚、図10(g)〜(k)の工程を行うことで、ワイヤ16が潰されてワイヤ凸部Gが形成され、それにより第2ボンディング点の接合面積が広がり、第2ボンディング強度を向上させることになる。なお、この工程は複数回繰り返しても良い。
【0076】
上述したように、図8(A)の半導体チップ1及び図8(B)のフレーム4を用意した後、図8(C)に示すように、半導体チップ1をフレーム4にフェイスダウンにより載置する。この際、フレーム4における第2ボンディング点のワイヤ凸部Gが半導体チップ1のバンプ2に接触するように位置合わせされる。この後、治具を用いて半導体チップ1の裏面から熱と超音波振動を印加しながら荷重を加えることにより、第2ボンディング点のワイヤ凸部Gとバンプ2を接合する(フリップチップボンディング)。
【0077】
上記実施の形態4においても実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
【0078】
(実施の形態5)
図11(A)〜(C)は、本発明の実施の形態5による半導体装置の製造方法を示す断面図であり、図8と同一部分には同一符号を付す。
【0079】
図11(A)に示す半導体チップ1を用意するのは実施の形態4と同様である。
また、図11(B)に示すように、表面に端子3a,3b,3f,3gを有するフレーム4を用意する。次いで、フレーム4の表面において、端子3fと端子3aとをボンディングワイヤ17によって電気的に接続する。また、端子3gと端子3bとをボンディングワイヤ17によって電気的に接続する。ボンディングワイヤ17の第1ボンディング点は端子3f,3gに形成され、ボンディングワイヤ17の第2ボンディング点は端子3a,3bに形成される。
【0080】
この後、図11(C)に示すように、半導体チップ1をフレーム4にフェイスダウンにより載置する。この際、フレーム4における第2ボンディング点である端子3a,3bが半導体チップ1のバンプ2に接触するように位置合わせされる。この後、治具を用いて半導体チップ1の裏面から熱と超音波振動を印加しながら荷重を加えることにより、第2ボンディング点の端子3a,3bとバンプ2を接合する(フリップチップボンディング)。
【0081】
上記実施の形態5においても実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0082】
(実施の形態6)
図12(A)〜(C)は、本発明の実施の形態6による半導体装置の製造方法を示す断面図であり、図11と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0083】
図12(B)に示すように、フレーム4の表面において、端子3fと端子3aとをボンディングワイヤ17によって電気的に接続し、また端子3gと端子3bとをボンディングワイヤ17によって電気的に接続した後に、端子3a,3bそれぞれの上にボンディングワイヤ17を介してバンプ18を形成する。この後、図12(C)に示すように、バンプ2とバンプ18を接合する。
【0084】
上記実施の形態6においても実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
【0085】
(実施の形態7)
図13(A),(B)は、本発明の実施の形態7による半導体装置の製造方法を示す断面図であり、図1と同一部分には同一符号を付す。
【0086】
まず、図13(A)に示すように、能動面1aにバンプ2を有する半導体チップ(上段チップ)1を用意する。この点は実施の形態1と同様である。
【0087】
また、表面に下段チップ19を有するフレーム4を用意する。この下段チップ19は図示せぬペーストによってフレーム4上に固定されている。下段チップ19の能動面には電極20が形成されている。フレーム4の表面には端子(図示せず)及び配線(図示せず)が形成されており、この配線は前記端子に電気的に接続されている。次いで、下段チップ19の電極20とフレーム4の端子とをボンディングワイヤ5によって電気的に接続する。このボンディングワイヤ5のループ形状及びボンディング方法は、図1〜図3に示す実施の形態1と同様である。
【0088】
この後、上段チップ1を下段チップ19にフェイスダウンにより載置する。この際、下段チップ19の電極20上の第1ボンディング点の癖(又は凸部)5aが上段チップ1のバンプ2に接触するように位置合わせされる。この後、治具を用いて上段チップ1の裏面から熱と超音波振動を印加しながら荷重を加えることにより、第1ボンディング点の癖5aとバンプ2を接合する(フリップチップボンディング)。このようにして図13(B)に示す半導体装置が作製される。
【0089】
この半導体装置は、フレーム4上にペーストによって下段チップ19が固定され、この下段チップ19上に上段チップ1がフリップチップボンディングされ、凸部5aとバンプ2が接合されたものである。
【0090】
上記実施の形態7においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。すなわち、低いワイヤループ形状のボンディングワイヤ5によって下段チップ19の電極20をフレーム4の端子に接続することにより、上段チップ1の一つのバンプ2を下段チップの電極20とフレーム4の端子に電気的に接続することができる。
【0091】
さらに、上段チップ1を下段チップ19にフリップチップボンディングすること、ボンディングワイヤ5によって下段チップ19の電極20をフレーム4の端子に接続することにより、本実施の形態による半導体装置の厚さを図18及び図19に示す従来の半導体装置に比べて薄くすることができる。詳細には、従来の半導体装置における下段チップの能動面上に上段チップを固定するためのペーストの厚さ分と、上段チップの電極とフレームの端子を電気的に接続するためのボンディングワイヤのループ形状の高さ分が、本実施の形態による半導体装置における凸部5aとバンプ2の接合部分の厚さに代わり、その結果、本実施の形態による半導体装置全体の厚みを薄くすることができる。
【0092】
次に、本実施の形態による半導体装置の厚さと図18及び図19に示す従来の半導体装置の厚さとを具体的に比較する。
上述した図13(B)の半導体装置の厚さは、フレーム4の厚さ200μmと、ペーストの厚さ50μmと、下段チップ19の厚さ150μmと、上段チップ1の厚さ150μmと、上段チップ1と下段チップ19とのギャップ60〜200μmとの和である。このギャップが60〜200μmとなるのは、ボンディングワイヤ(金線)の径が25μmの場合、バンプ2の高さが30〜70μmとなり、ボンディングワイヤ5のループ高さが50〜150μmとなるためである。従って、図13(B)の半導体装置の厚さは、610〜750μmとなる。
【0093】
これに対し、図18の半導体装置の厚さは、フレーム104の厚さ200μmと、ペースト107の厚さ50μmと、下段チップ106の厚さ150μmと、ペースト108の厚さ50μmと、上段チップ105の厚さ150μmと、ボンディングワイヤ111のループ高さ80〜220μmとの和である。従って、図18の半導体装置の厚さは、680〜820μmとなる。
【0094】
また、図19の半導体装置の厚さは、フレーム104の厚さ200μmと、ペースト107の厚さ50μmと、下段チップ106の厚さ150μmと、ペースト108の厚さ50μmと、上段チップ105の厚さ150μmと、ボンディングワイヤ111のループ高さ80〜220μmとの和である。従って、図19の半導体装置の厚さは、680〜820μmとなる。
【0095】
上述したように本実施の形態による半導体装置の厚さを図18及び図19に示す従来の半導体装置に比べて70μm程度薄くできることが期待される。
【0096】
尚、上記実施の形態7では、下段チップ19の電極20とフレーム4の端子との電気的な接続を、図1(B)に示すボンディングワイヤ5と同様のループ形状及びボンディング方法によって形成したボンディングワイヤによって行っているが、これに限定されるものではなく、次のように変更して実施することも可能である。
【0097】
第1の変形例としては、下段チップ19の電極20とフレーム4の端子との電気的な接続を、図5(B)に示すボンディングワイヤ9と同様のループ形状及びボンディング方法によって形成したボンディングワイヤによって行うものである。第1の変形例による半導体装置の厚さは図13(B)に示す半導体装置の厚さとほぼ同様である。
【0098】
第2の変形例としては、下段チップ19の電極20とフレーム4の端子との電気的な接続を、図8(B)に示すボンディングワイヤ16と同様のループ形状及びボンディング方法によって形成したボンディングワイヤによって行うものである。
【0099】
第2の変形例における上段チップと下段チップとのギャップは50〜200μmとなるので、第2の変形例による半導体装置の厚さは図13(B)に示す半導体装置の厚さより10μm程度薄くなる。このギャップが50〜200μmとなるのは、ボンディングワイヤ(金線)の径が25μmの場合、バンプ2の高さは30〜70μmと変わらないが、ボンディングワイヤのループ高さが40〜150μmとなるためである。
【0100】
第3の変形例としては、下段チップ19の電極20とフレーム4の端子との電気的な接続を、図11(B)に示すボンディングワイヤ17と同様のループ形状及びボンディング方法によって形成したボンディングワイヤによって行うものである。
【0101】
第3の変形例における上段チップと下段チップとのギャップは30〜200μmとなるので、第3の変形例による半導体装置の厚さは図13(B)に示す半導体装置の厚さより30μm程度薄くなる。このギャップが30〜200μmとなるのは、ボンディングワイヤ(金線)の径が25μmの場合、バンプ2の高さは30〜70μmと変わらないが、ボンディングワイヤのループ高さが25〜150μmとなるためである。
【0102】
第4の変形例としては、下段チップ19の電極20とフレーム4の端子との電気的な接続を、図12(B)に示すバンプ18及びボンディングワイヤ17と同様のループ形状及びボンディング方法によって形成したものによって行うものである。第4の変形例による半導体装置の厚さは図13(B)に示す半導体装置の厚さとほぼ同様である。
【0103】
また、上記実施の形態7及び上記第1乃至第4の変形例それぞれに、図4(B)に示す実施の形態2のステッチボンディングによるボンディングワイヤ5dと端子3dの構成を加えて実施することも可能である。即ち、図13(B)に示す電極20とフレーム4の端子との間に位置する端子3dをフレーム4上に形成し、図4(B)に示すステッチボンディングによるボンディングワイヤ5dの接続を行うことも可能である。これにより、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0104】
(実施の形態8)
図14は、本発明の実施の形態8による半導体装置の製造方法を示す断面図であり、図13と同一部分には同一符号を付す。
【0105】
半導体チップ1を用意するのは実施の形態7と同様である。
また、実施の形態7と同様に、表面に下段チップ19を有するフレーム4を用意する。下段チップ19の能動面には電極20,21が形成されている。次いで、下段チップの一方の電極20とフレーム4の端子とをボンディングワイヤ5によって電気的に接続する。また、下段チップの電極21上にバンプ22をバンプボンディング装置によって形成する。次いで、下段チップの他方の電極20とバンプ22とを実施の形態7と同様の方法でボンディングワイヤ5によって電気的に接続する。そして、下段チップのバンプ22上である第2ボンディング点にワイヤをボンディングした後に、そのワイヤを切断することなく、さらにキャピラリからワイヤを繰り出してフレームの端子(図示せず)上に前記ワイヤをステッチボンディングする。これにより、他方の電極20とバンプ22とフレーム4の端子がボンディングワイヤ5,5dによって電気的に接続される。
【0106】
尚、一方の電極20とフレームの端子とを接続するボンディングワイヤ5のワイヤループ形状及びボンディング方法は、実施の形態7におけるボンディングワイヤ5のワイヤループ形状及びボンディング方法と同様である。
【0107】
この後、上段チップ1を下段チップ19にフェイスダウンによりボンディングする。これにより、第1ボンディング点の癖5aとバンプ2が接合される。この点も実施の形態7と同様である。
【0108】
上記実施の形態8においても実施の形態7と同様の効果を得ることができる。
また、下段チップ19の2つの電極20,21及びフレーム4の端子をボンディングワイヤ5,5dによって電気的に接続することにより、上段チップ1の一つのバンプ2を下段チップ19及びフレーム4の3つの端子に電気的に接続することができる。
【0109】
尚、上記実施の形態8では、ステッチボンディングを1回行っているが、1回に限らず、必要に応じてn回行うことも可能である。このようにn回行うことにより、上段チップの一つのバンプを下段チップ及びフレームの(n+1)箇所の端子に電気的に接続することが可能となる。
【0110】
(実施の形態9)
図15(A)〜(C)は、本発明の実施の形態9による半導体装置の製造方法を示す断面図であり、図13と同一部分には同一符号を付す。
【0111】
まず、図15(A)に示すように、表面に下段チップ19を有するフレーム4を用意する。この下段チップ19は図示せぬペーストによってフレーム4上に固定されている。下段チップ19の能動面には電極20,23が形成されている。フレーム4の表面には端子24,25及び配線(図示せず)が形成されており、この配線は前記端子に電気的に接続されている。
【0112】
次いで、下段チップ19の電極23とフレームの端子24とをボンディングワイヤ5によって電気的に接続する。このボンディングワイヤ5のループ形状及びボンディング方法は、図13に示す実施の形態7と同様であっても良いし、図5(B)に示すボンディングワイヤ9と同様であっても良いし、図8(B)に示すボンディングワイヤ16と同様であっても良いし、図11(B)及び図12(B)に示すボンディングワイヤ17と同様であっても良い。
【0113】
次に、下段チップ19の電極20とフレームの端子25とをボンディングワイヤ5によって電気的に接続する。このボンディングワイヤ5のボンディング方法は、図13に示す実施の形態7と同様であっても良いし、図5(B)に示すボンディングワイヤ9と同様であっても良いし、図8(B)に示すボンディングワイヤ16と同様であっても良いし、図11(B)及び図12(B)に示すボンディングワイヤ17と同様であっても良い。
【0114】
次に、図15(B)に示すように、能動面1aにバンプ2を有する上段チップ1を用意する。この点は実施の形態7と同様である。
【0115】
この後、図15(C)に示すように、上段チップ1を下段チップ19にフェイスダウンにより載置する。この後、治具を用いて上段チップ1の裏面から熱と超音波振動を印加しながら荷重を加えることにより、第1ボンディング点の癖5aとバンプ2を接合する(フリップチップボンディング)。
【0116】
上記実施の形態9においても実施の形態7と同様の効果を得ることができる。
【0117】
(実施の形態10)
図16(A),(B)は、本発明の実施の形態10による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0118】
まず、図16(A)に示すように、能動面1aにバンプ2を有する第1及び第2の上段チップ30,31を用意する。この上段チップの構成は実施の形態9と同様である。
【0119】
また、表面に下段チップ19を有するフレーム4を用意する。この下段チップ19は図示せぬペーストによってフレーム4上に固定されている。下段チップ19の能動面には電極26〜29が形成されている。また、フレーム4の表面には端子(図示せず)及び配線(図示せず)が形成されており、この配線は前記端子に電気的に接続されている。
【0120】
次いで、下段チップ19の電極26とフレーム4の端子とをボンディングワイヤ5によって電気的に接続する。このボンディングワイヤ5のループ形状及びボンディング方法は、図13に示す実施の形態7と同様であっても良いし、図5(B)に示すボンディングワイヤ9と同様であっても良いし、図8(B)に示すボンディングワイヤ16と同様であっても良いし、図11(B)及び図12(B)に示すボンディングワイヤ17と同様であっても良い。
【0121】
また、下段チップの電極27上にバンプ32をバンプボンディング装置によって形成する。
【0122】
また、下段チップの電極29上にバンプ6を形成し、このバンプ6と電極28とをボンディングワイヤ33によって電気的に接続する。このバンプ6の形成及びボンディングワイヤ33による接続はワイヤボンディング装置によって行われる。以下に上記ボンディングワイヤ33の形状について説明する。
【0123】
ボンディングワイヤ33は、電極28上に第1ボンディング点が形成され、バンプ6上に第2ボンディング点が形成される。第1ボンディング点のボンディング方法は、図1(B)に示すボンディングワイヤ5と同様である。従って、電極28上には癖(又は凸部)5aが形成される。
【0124】
第2ボンディング点のボンディング方法は、図8(B)に示すボンディングワイヤ16と同様である。従って、バンプ6上にはワイヤ凸部Gが形成される。尚、本実施の形態では、第2ボンディング点のボンディング方法を、電極29上にバンプ6を形成し、このバンプ6上に図8(B)に示すボンディングワイヤ16の第2ボンディング点と同様にボンディングしているが、これに限定されるものではなく、第2ボンディング点のボンディング方法を次のように変更しても良い。例えば、図5(B)に示すボンディングワイヤ9のボンディング方法であって、電極29上にバンプ6を形成し、このバンプ6上にボンディングワイヤ9をボンディングする方法を用いても良いし、また、電極29上にバンプ6を形成し、このバンプ6上に図12(B)に示すボンディングワイヤ17をボンディングし、その上に図12(B)に示すバンプ18を形成する方法を用いても良い。
【0125】
この後、図16(B)に示すように、第1及び第2の上段チップ30,31それぞれを下段チップ19にフェイスダウンにより載置する。この際、下段チップ19における第1ボンディング点の癖(又は凸部)5aが第1の上段チップ30のバンプ2に接触し、且つ下段チップ19におけるバンプ32が第1の上段チップ30のバンプ2に接触するように位置合わせされる。これと共に、下段チップ19における第2ボンディング点のワイヤ凸部Gが第2の上段チップ31のバンプ2に接触し、且つ下段チップ19におけるバンプ32が第2の上段チップ31のバンプ2に接触するように位置合わせされる。この後、治具を用いて第1及び第2の上段チップ30,31の裏面から熱と超音波振動を印加しながら荷重を加えることにより、第1ボンディング点の癖5aとバンプ2、第2ボンディング点のワイヤ凸部Gとバンプ2及びバンプ32とバンプ2それぞれを接合する(フリップチップボンディング)。
【0126】
上記のようにして作製された半導体装置は、フレーム4上にペーストによって下段チップ19が固定され、この下段チップ19上に第1及び第2の上段チップ30,31がフリップチップボンディングされ、凸部5aとバンプ2が接合され、ワイヤ凸部Gとバンプ2が接合されたものである。
【0127】
上記実施の形態10においても実施の形態7と同様にの効果を得ることができる。すなわち、第1及び第2の上段チップ30,31それぞれの1つのバンプ2を下段チップ19の複数の電極に電気的に接続することができる。さらに、本実施の形態による半導体装置の厚さを図18及び図19に示す従来の半導体装置に比べて薄くすることができる。詳細には、従来の半導体装置における下段チップの能動面上に上段チップを固定するためのペーストの厚さ分と、上段チップの電極とフレームの端子を電気的に接続するためのボンディングワイヤのループ形状の高さ分が、本実施の形態による半導体装置における凸部5aとバンプ2の接合部分の厚さに代わり、その結果、本実施の形態による半導体装置全体の厚みを薄くすることができる。
【0128】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態1〜10において可能な範囲で互いの実施の形態を利用して実施することも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】(A)〜(C)は、本発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図2】ワイヤボンディング装置におけるキャピラリの移動軌跡とワイヤ接続状態を示す図である。
【図3】キャピラリの移動軌跡による各時点でのワイヤ形状を示す図である。
【図4】(A)〜(C)は、本発明の実施の形態2による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】(A)〜(C)は、本発明の実施の形態3による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】(a)〜(g)は、図5(B)に示すボンディングワイヤのボンディング方法を示す図である。
【図7】図5(B)に示すバンプ6上の傾斜ウエッジ上に第2ボンディングを行う工程を説明する断面図である。
【図8】(A)〜(C)は、本発明の実施の形態4による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図9】ワイヤボンディング装置におけるキャピラリの移動軌跡とワイヤ接続状態を示す図である。
【図10】キャピラリの移動軌跡による各時点でのワイヤループ形状を示す図である。
【図11】(A)〜(C)は、本発明の実施の形態5による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図12】(A)〜(C)は、本発明の実施の形態6による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図13】(A),(B)は、本発明の実施の形態7による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図14】本発明の実施の形態8による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図15】(A)〜(C)は、本発明の実施の形態9による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図16】(A),(B)は、本発明の実施の形態10による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図17】(A)〜(C)は、第1従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図18】第2従来の半導体装置を示す断面図である。
【図19】第3従来の半導体装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0130】
1,8,13,101…半導体チップ
1a,101a…能動面
1b,20,21,23,26〜29,109…電極
2,6,8,22,32,102…バンプ
3a,3b,3d,3e,3f,3g,24,25,103,112…端子
4,104…フレーム
5,5d,9,16,17,33,110,111…ボンディングワイヤ
5a…癖(又は凸部)
5b,16a,16b…癖
7…キャピラリ
7a…貫通孔
7b…キャピラリ外壁面
9a…ボール
10…電気トーチ
11…回路基板
12…ダイマウントペースト
13a…ボンディングパッド
14…配線部
15…傾斜ウエジッジボンディング部
19…下段チップ
30…第1の上段チップ
31…第2の上段チップ
105…上段チップ
106…下段チップ
107,108…ペースト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップをフレームの上にフリップチップにより接続した半導体装置であって、
前記フレームの上又は上方に形成された第1端子及び第2端子と、
前記第1端子と前記第2端子が電気的に接続され、前記第1端子に第1ボンディング点が形成され、前記第2端子に第2ボンディング点が形成されたボンディングワイヤと、
前記半導体チップの能動面に形成されたバンプと、
を具備し、
前記第1ボンディング点には前記ボンディングワイヤの一部からなる凸部が形成されており、
前記バンプは前記凸部に接合されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、前記凸部は、前記第1ボンディング点のボールの頂上部分が前記ボンディングワイヤの一部を含めて潰されたものであることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2において、前記ボールの頂上部分はキャピラリによって潰されたものであり、
前記ボンディングワイヤは、前記キャピラリから出されたワイヤの先端にボールを形成し、前記第1ボンディング点に前記ボールを接続する第1工程と、
前記キャピラリの上昇移動を行う第2工程と、
前記キャピラリの水平移動、斜め上昇移動及び斜め下降移動の少なくとも一つを行う第3工程と、
前記キャピラリの下降移動を行った後に、前記ボールの頂上付近にボンディングを行う第4工程と、
前記第2工程から前記第4工程をn回繰り返す第5工程と、
前記キャピラリの上昇移動を行う第6工程と、
前記キャピラリの水平移動、斜め上昇移動及び斜め下降移動の少なくとも一つを行う第7工程と、
前記キャピラリを前記第2ボンディング点方向に移動させてワイヤを第2ボンディング点に接続する第8工程とにより形成したものであることを特徴とする半導体装置。
但し、nは0以上の整数である。
【請求項4】
半導体チップをフレーム上にフリップチップにより接続した半導体装置であって、
前記フレームの上又は上方に形成された第1端子及び第2端子と、
前記第1端子と前記第2端子が電気的に接続され、前記第2端子に第1ボンディング点が形成され、前記第1端子に第2ボンディング点が形成されたボンディングワイヤと、
前記半導体チップの能動面に形成されたバンプと、
を具備し、
前記第1端子上には前記ボンディングワイヤの一部からなる凸部が形成されており、
前記バンプは前記凸部に接合されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項4において、前記凸部は、前記第2ボンディング点でワイヤボンディングした後にボンディングワイヤを切断することなくワイヤループを形成して前記第2ボンディング点付近で前記ボンディングワイヤの一部を含めて潰されたものであることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
半導体チップをフレームの上にフリップチップにより接続した半導体装置であって、
前記フレームの上又は上方に形成された第1端子及び第2端子と、
前記第1端子上に形成された第1バンプと、
前記第1バンプと前記第2端子が電気的に接続され、前記第2端子に第1ボンディング点が形成され、前記第1バンプに第2ボンディング点が形成されたボンディングワイヤと、
前記半導体チップの能動面に形成された第2バンプと、
を具備し、
前記第2バンプが前記第1バンプ上に接合されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項6において、前記第1バンプの上部には傾斜ウエッジが形成され、前記第2ボンディング点は前記傾斜ウエッジ上に位置していることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
半導体チップをフレームの上にフリップチップにより接続した半導体装置であって、
前記フレームの上又は上方に形成された第1端子及び第2端子と、
前記第1端子と前記第2端子が電気的に接続され、前記第2端子に第1ボンディング点が形成され、前記第1端子に第2ボンディング点が形成されたボンディングワイヤと、
前記半導体チップの能動面に形成されたバンプと、
を具備し、
前記バンプは前記第1端子上に接合されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
半導体チップをフレームの上にフリップチップにより接続した半導体装置であって、
前記フレームの上又は上方に形成された第1端子及び第2端子と、
前記第1端子と前記第2端子が電気的に接続され、前記第2端子に第1ボンディング点が形成され、前記第1端子に第2ボンディング点が形成されたボンディングワイヤと、
前記第2ボンディング点上に形成された第1バンプと、
前記半導体チップの能動面に形成された第2バンプと、
を具備し、
前記第2バンプは前記第1バンプに接合されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項において、前記フレーム上に取り付けられた第2半導体チップと、前記第2半導体チップの能動面に形成された電極と、をさらに具備し、前記第1端子が前記電極であることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項において、前記フレームの上又は上方に形成された第3端子をさらに具備し、前記第3端子は前記第2端子に前記ボンディングワイヤによって電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項10において、前記第2半導体チップの能動面に形成された第2電極をさらに具備し、前記第2電極は前記第2端子に前記ボンディングワイヤによって電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項10において、前記第2半導体チップの能動面に形成された第2電極をさらに具備し、前記第2端子が前記第2電極であることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
上段チップを下段チップ上にフリップチップにより接続した半導体装置であって、
前記下段チップの能動面に形成された第1電極及び第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極が電気的に接続され、前記第1電極に第1ボンディング点が形成され、前記第2電極に第2ボンディング点が形成されたボンディングワイヤと、
前記上段チップの能動面に形成されたバンプと、
を具備し、
前記第1ボンディング点には前記ボンディングワイヤの一部からなる凸部が形成されており、
前記バンプは前記凸部に接合されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
請求項14において、前記下段チップ上にフリップチップにより接続された第2上段チップと、前記第2上段チップの能動面に形成された第2バンプと、前記第2電極上に形成された第3バンプと、をさらに具備し、
前記第2ボンディング点が前記第3バンプ上に位置しており、
前記第2バンプは前記第3バンプに接合されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項16】
請求項14において、前記下段チップ上にフリップチップにより接続された第2上段チップと、前記第2上段チップの能動面に形成された第2バンプと、前記第2電極上に形成された第3バンプと、をさらに具備し、
前記第2ボンディング点が前記第3バンプ上に位置しており、
前記第2ボンディング点には前記ボンディングワイヤの一部からなる第2凸部が形成されており、
前記第2バンプは前記第2凸部に接合されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項17】
請求項14において、前記下段チップ上にフリップチップにより接続された第2上段チップと、前記第2上段チップの能動面に形成された第2バンプと、前記第2電極上に形成された第3バンプと、をさらに具備し、
前記第2ボンディング点が前記第3バンプ上に位置しており、
前記第2ボンディング点上に第4バンプが形成されており、
前記第2バンプは前記第4バンプに接合されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項18】
請求項14乃至17のいずれか一項において、前記下段チップの能動面に形成された第3電極と、前記下段チップが取り付けられたフレームと、前記フレームの上に形成された端子と、前記第3電極と前記端子が電気的に接続された第2ボンディングワイヤと、をさらに具備することを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−98549(P2008−98549A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−281115(P2006−281115)
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【出願人】(000124959)株式会社カイジョー (83)
【Fターム(参考)】