説明

半導体装置

【課題】ボンディングパッドの配置変換を簡易的確に行う。
【解決手段】ダイパッド31上には、複数個のボンディングパッド41を有する半導体チップ40が固着されている。半導体チップ40上には中継チップ50が固着されている。中継チップ50は、半導体チップ40によって画成される1つの領域の外縁の内側に収まる位置に配置されている。中継チップ50は、複数個のボンディングパッド51を有し、この複数個のボンディングパッド51が、多層配線構造の配線パターン52によって相互に接続され、半導体チップ40側のボンディングパッド41の配置を異なる方向に変換する。ボンディングパッド41は、ワイヤ61によってボンディングパッド51に接続され、このボンディングパッド51が、ワイヤ62によってリードフレーム30側のボンディングパッド33に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤボンディングにより実装される半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体チップをパッケージに収容したSOP(Small Outline Package)、DIP(Dual Inline Package)、PGA(Pin Grid Array)、QFP(Quad Flat Package)等のパッケージ形態の半導体装置が知られている。又、実装密度を向上させるために、複数個の半導体チップを1つのパッケージに収容したマルチチップパッケージ形態の半導体装置も種々提案されている。
【0003】
マルチチップパッケージ形態の半導体装置に関する文献としては、例えば、後述する特許文献1,2のようなものがある。
【0004】
図14(A)、(B)は、従来のSOP型半導体装置の概略の構成図であり、同図(A)は平面図、及び同図(B)は縦断面図である。又、図15(A)、(B)は、外部引き出し用のリード位置が図14とは異なる従来のSOP型半導体装置の概略の構成図であり、同図(A)は平面図、及び同図(B)は縦断面図である。
【0005】
図14の半導体装置では、リードフレーム10Aを用いて半導体チップ20Aが実装されている。リードフレーム10Aは、図14(A)に示すように、平面がほぼ矩形の半導体チップ搭載用のダイパッド11Aを有し、このダイパッド11Aの上辺及び下辺から所定距離離れて縦方向に、複数本のリード12Aが配設されている。各リード12Aは、内側のインナーリード部分にボンディングパッド13Aが設けられ、外側のアウターリード部分が外部に引き出されている。
【0006】
ダイパッド11A上には、平面が矩形状の半導体チップ20Aが固着されている。半導体チップ20Aの表面には、図14(A)に示すように、リードフレーム側のボンディングパッド13Aの配置位置に対応して、上辺及び下辺の近傍に複数個のボンディングパッド21Aが配設されている。半導体チップ側の複数個のボンディングパッド21Aは、複数本のワイヤ14Aにより、リードフレーム側の複数個のボンディングパッド13Aに接続されている。これらの半導体チップ20A及び複数本のワイヤ14Aは、樹脂部材15Aにより樹脂封止されている。
【0007】
図15の半導体装置では、図14のリードフレーム10Aに対して、リードの引き出し方向が異なるリードフレーム10Bを用いて実装しているため、図14の半導体チップ20Aに対して、ボンディングパッドの配置位置の異なる半導体チップ20Bを用いている。
【0008】
即ち、図15のリードフレーム10Bでは、図15(A)に示すように、平面が矩形状のダイパッド11Bの左辺及び右辺から所定距離離れて横方向に、複数本のリード12Bが配設されている。各リード12Bは、内側のインナーリード部分にボンディングパッド13Bが設けられ、外側のアウターリード部分が横方向に引き出されている。
【0009】
ダイパッド11B上に固着された平面が矩形状の半導体チップ20Bは、図14の半導体チップ20Aと同一の機能を有するが、リードフレーム側のボンディングパッド13Bの配置位置に対応させるために、表面の左辺及び右辺の近傍に複数個のボンディングパッド21Bが配置されるように、図14の半導体チップ20Aとは別個に新たに作成される。この半導体チップ20Bの複数個のボンディングパッド21Bは、複数本のワイヤ14Bにより、リードフレーム側の複数個のボンディングパッド13Bに接続された後、これらの半導体チップ20B及び複数本のワイヤ14Bが、樹脂部材15Bにより樹脂封止される。
【0010】
図16(A)、(B)、(C)は、従来のマルチチップパッケージ形態の半導体装置を示す概略の構成図であり、同図(A)は表面から見た平面図、同図(B)は裏面から見た底面図、及び同図(C)は縦断面図であり、図15中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0011】
この半導体装置では、例えば、メモリ容量を2倍にする等の目的で、図15のようなリードフレーム10Bのダイパッド11Bの表裏両面に、同じ機能を持った半導体チップ20B,20Cを搭載している。
【0012】
リードフレーム10Bは、図16(A)に示すように、平面が矩形状のダイパッド11Bを有し、この左辺及び右辺から所定距離離れて横方向に、複数本のリード12Bが配設されている。複数本のリード12Bは、内側のインナーリード部分にボンディングパッド13B(左側のボンディングパッド13B−11,13B−12,・・・、右側のボンディングパッド13B−21,13B−22,・・・)が設けられ、外側のアウターリード部分が横方向に引き出されている。
【0013】
ダイパッド11Bの表側の半導体チップ20Bの表面には、リードフレーム側のボンディングパッド13B−11,13B−12,・・・,13B−21,13B−22,・・・に対応して、左辺及び右辺の近傍に複数個のボンディングパッド21B(左側のボンディングパッド21B−11,21B−12,・・・、右側のボンディングパッド21B−21,21B−22,・・・)が配置されている。左側のボンディングパッド21B−11,21B−12,・・・は、複数本のワイヤ14Bにより、リードフレーム側の左側のボンディングパッド13B−11,13B−12,・・・に接続される。右側のボンディングパッド21B−21,21B−22,・・・は、リードフレーム側の右側のボンディングパッド13B−21,13B−22・・・に接続される。
【0014】
ダイパッド11Bの裏側の半導体チップ20Cとして、表側の半導体チップ20Bと同一の構成(即ち、ボンディングパッドの配置が同一)のチップを使用した場合、ダイパッド11Bの表側から見て、ボンディングパッドの配置が左右あるいは上下に反転されるため、複数のワイヤ14Cが交差してショートする。これを防止するため、裏側の半導体チップ20Cは、表側の半導体チップ20Bに対して、内部素子回路及びボンディングパッドの配置が回転対称となるように反転(即ち、表と裏が対向するようにミラー反転)させたミラーチップ、構造ものを使用している。
【0015】
ミラーチップ構造の半導体チップ20Cは、図16(B)に示すように、リードフレーム側のボンディングパッド13B−11,13B−12,・・・,13B−21,13B−22,・・・に対応して、右辺及び左辺(裏面から見ているので左右が逆の関係になっている。)の近傍に複数個のボンディングパッド21C(右側のボンディングパッド21C−11,21C−12,・・・、左側のボンディングパッド21C−21,21C−22,・・・)が配設されている。右側のボンディングパッド21C−11,21C−12,・・・は、複数本のワイヤ14Cにより、リードフレーム側の表面から見て左側のボンディングパッド13B−11,13B−12,・・・に接続される。右側のボンディングパッド21C−21,21C−22,・・・は、リードフレーム側の表面から見て右側のボンディングパッド13C−21,13C−22,・・・に接続される。
【0016】
これらの半導体チップ20B,20C及び複数本のワイヤ14B,14Cは、樹脂部材15Bにより樹脂封止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2000−332194号公報
【特許文献2】特開2001−007277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、従来の図14、図15と従来の図16の半導体装置では、次の(1)、(2)のような課題があった。
【0019】
(1) 従来の図14、図15の課題
例えば、図14の半導体チップ20Aを図15のパッケージに搭載する場合、両者のボンディングパッドの配置位置が異なり、ワイヤの交差によるショート等が生じるので、ワイヤ14Aで接続することができない。そのため、半導体チップ20Aと同一の機能を持ち、ボンディングパッドの位置を移動させた図15の半導体チップ20Bを新たに作成する必要がある。
【0020】
このように、図14及び図15のような半導体装置では、パッケージ形状が変わる毎にそのパッケージ用に半導体チップを設計し作成する必要があり、更に、作成した半導体チップに対し、プロービング等によって良否を検証(動作確認テスト)する必要があるため、多大な費用と開発期間が必要になる。又、図15のパッケージに合わせた半導体チップ20Bのボンディングパッド配置にすることによってチップサイズが大きくなったり、あるいはそれぞれの半導体チップに関する在庫を持つ必要が生じる。
【0021】
このような不都合を解消するために、例えば、文献1に記載されたパッド位置変換用の金属配線フィルムを、図14の半導体チップ20A上に設け、その金属配線フィルムを介して、図14の半導体チップ側のボンディングパッド21Aと図15のリードフレーム側のボンディングパッド13Bとをワイヤで接続することも考えられる。あるいは、文献2に記載された配線パターンを有する信号位置変換部を、図15のダイパッド11Bに固定し、この上に図14の半導体チップ20Aを搭載し、その信号位置変換部を介して、図14の半導体チップ側のボンディングパッド21Aと図15のリードフレーム側のボンディングパッド13Bとをワイヤで接続することも考えられる。
【0022】
しかし、文献1のような金属配線フィルム、あるいは文献2のような信号位置変換部を設けてボンディングパッド間をワイヤボンディングする構成あるいは方法では、中継のための配線構造等が確立されていないので、半導体チップ側及びリードフレーム側のボンディングパッドの位置の変更に伴い、中継のための配線構造等が変更されるので、例えば、動作確認の検証のためにプロービング等を行うときに、新たな周辺機器が必要となり、大幅にコストが増加する虞があった。
【0023】
(2) 従来の図16の課題
表側の半導体チップ20Bと、これのミラーチップである裏側の半導体チップ20Cとの2種類の半導体チップを用意する必要があるので、パッケージ形状が変わる毎にそのパッケージ用に2種類の半導体チップを設計し作成する必要があり、更に、作成した2種類の半導体チップに対し、プロービング等によって良否を検証(動作確認テスト)する必要があるため、コスト高になったり、チップサイズが大きくなったり、あるいはそれぞれの半導体チップに関して在庫を持つ必要が生じる。
【0024】
このような不都合を解消するために、例えば、文献1に記載されたパッド位置変換用の金属配線フィルムや、文献2に記載された配線パターンを有する信号位置変換部を用いることも考えられるが、前記(1)と同様に、例えば、動作確認の検証のためにプロービング等を行うときに、新たな周辺機器が必要となり、大幅にコストが増加する虞があった。
【0025】
本発明は、前記従来技術が持っていた課題を解決し、ボンディングパッドの配置変換が簡易的確に行える半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の半導体装置は、複数の電極が配置された半導体チップ搭載用の基板と、前記基板上に搭載され、第1のボンディングパッドが複数配置されたシリコン基板を用いてなる複数の半導体チップと、第2のボンディングパッド、第3のボンディングパッド、及び前記第2のボンディングパッドと前記第3のボンディングパッドを電気的に接続する配線を複数有し、前記第1のボンディングパッドを露出して前記複数の半導体チップ上に架設され、前記複数の半導体チップによって画成される1つの領域の外縁の内側に収まる位置に配置され、且つシリコン基板からなる中継部材と、前記複数の半導体チップの前記第1のボンディングパッドと前記中継部材の前記第2のボンディングパッドとを電気的に接続する複数の第1のワイヤと、前記電極と前記中継部材の前記第3のボンディングパッドとを電気的に接続する複数の第2のワイヤとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明の半導体装置によれば、半導体チップ上に中継チップを積層し、この中継チップを用いてパッド配置を変換しているので、基板側電極の配置形態に対応させるために、半導体チップ側のパッド配置を変更する必要がなく、種々の配置形態の基板側電極にワイヤボンディングできる。更に、中継チップの配線パターンが多層配線構造になっているので、配線間をショートさせることなく、複雑な配線パターンを容易に形成できる。しかも、中継チップの大きさは、半導体チップよりも小さいので、断線等を少なくしてチップの歩留まりを上げ、低コスト化を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明の実施例1を示す半導体装置の概略の構成図である。
【図2】図2は、図1の製造方法の一例を示す図である。
【図3】図3は、多層配線構造の一例を示す概略の拡大断面図である。
【図4】図4は、本発明の参考例1を示す半導体装置の一部を省略した概略の平面図である。
【図5】図5は、本発明の実施例2を示す半導体装置の概略の構成図である。
【図6】図6は、本発明の実施例3を示す半導体装置の概略の構成図である。
【図7】図7は、図6(B)の拡大平面図である。
【図8】図8は、本発明の実施例4を示す半導体装置の概略の構成図である。
【図9】図9は、図8(A)、(B)の拡大平面図である。
【図10】図10は、本発明の実施例5を示す半導体装置の概略の構成図である。
【図11】図11は、図10(A)、(B)の拡大平面図である。
【図12】図12は、本発明の実施例6を示す半導体装置の概略の構成図である。
【図13】図13は、本発明の実施例7を示す半導体装置の概略の構成図である。
【図14】図14は、従来の半導体装置の概略の構成図である。
【図15】図15は、従来の半導体装置の概略の構成図である。
【図16】図16は、従来の半導体装置の概略の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0030】
(実施例1の構成)
図1(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例1を示すSOP型半導体装置の概略の構成図であり、同図(A)は一部を省略した平面図、同図(B)は同図(A)を横方向に切断した断面図、及び同図(C)は同図(A)を縦方向に切断した断面図である。
【0031】
このSOP型半導体装置は、半導体チップ搭載用の基板として、例えば、リードフレーム30を用いている。リードフレーム30は、図1(A)に示すように、平面がほぼ矩形の半導体チップ搭載用のダイパッド31を有し、このダイパッド31の左辺及び右辺から所定距離離れて横方向に、複数本のリード32が配設されている。複数本のリード32は、内側のインナーリード部分に第1のボンディングパッド33(左側のボンディングパッド33−11,33−12,・・・、右側のボンディングパッド33−21,33−22,・・・)が設けられ、外側のアウターリード部分が横方向に引き出されている。
【0032】
ダイパッド31の表面には、平面がほぼ矩形の半導体チップ40が固着されている。半導体チップ40は、シリコン等の基板に半導体メモリ、半導体集積回路(以下「IC」という。)等が形成され、この表面の上辺及び下辺の近傍に複数個の第2のボンディングパッド41(上側のボンディングパッド41−11,41−12,・・・、下側のボンディングパッド41−21,41−22,・・・)が配設されている。
【0033】
半導体チップ40の表面の外縁の内側に収まるように、平面がほぼ方形の中継チップ50が絶縁性の接着材45により固着されている。中継チップ50は、シリコン、ガラスエポキシ樹脂等の薄型基板を有し、この基板表面の4辺の近傍に複数個の第3のボンディングパッド51(上側のボンディングパッド51−11,51−12,・・・、下側のボンディングパッド51−21,51−22,・・・、左側のボンディングパッド51−31,51−32,・・・、右側のボンディングパッド51−41,51−42,・・・)が配設されている。
【0034】
中継チップ50の基板に、導電膜等からなる配線パターン52が形成され、この配線パターン52によって複数個のボンディングパッド51が相互に接続されている。例えば、上側のボンディングパッド51−11,51−12,・・・の左半分は、左側のボンディングパッド51−31,51−32,・・・の上半分と相互に接続され、上側のボンディングパッド51−11,51−12,・・・の右半分は、右側のボンディングパッド51−41,51−42,・・・の上半分と相互に接続され、下側のボンディングパッド51−21,51−22,・・・の左半分は、左側のボンディングパッド51−31,51−32,・・・の下半分と相互に接続され、下側のボンディングパッド51−21,51−22,・・・の右半分は、右側のボンディングパッド51−41,51−42,・・・の下半分と相互に接続されている。
【0035】
半導体チップ側の複数個のボンディングパッド41は、複数本のワイヤ61によって中継チップ側の複数個のボンディングパッド51に接続され、この複数個のボンディングパッド51に配線パターン52を介して接続された他の複数個のボンディングパッド51が、複数本のワイヤ62によってリードフレーム側の複数個のボンディングパッド33に接続されている。
【0036】
例えば、半導体チップ40の上側のボンディングパッド41−11,41−12,・・・の左半分は、ワイヤ61及び中継チップ50を介して、リードフレーム30の左側のボンディングパッド33−11,33−12,・・・の上半分に接続され、半導体チップ40の上側のボンディングパッド41−11,41−12,・・・の右半分は、ワイヤ61及び中継チップ50を介して、リードフレーム30の右側のボンディングパッド33−21,33−22,・・・の上半分に接続されている。同様に、半導体チップ40の下側のボンディングパッド41−21,41−22,・・・の左半分は、リードフレーム30の左側のボンディングパッド33−11,33−12,・・・の下半分に接続され、半導体チップ40の下側のボンディングパッド41−21,41−22,・・・の右半分は、リードフレーム30の右側のボンディングパッド33−21,33−22,・・・の下半分に接続されている。
【0037】
これらのダイパッド31、半導体チップ40、中継チップ50、ワイヤ61,62、及びリードフレーム32のボンディングパッド33部分は、樹脂部材70により樹脂封止されている。リード32のアウターリード部分は、樹脂部材70から突出し、下方向へほぼL字形に折り曲げられている。
【0038】
(実施例1の製造方法)
図2は、図1の半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
【0039】
図1の半導体装置は、例えば、(1)チップボンディング工程、(2)マウント工程、(3)ワイヤボンディング工程、及び(4)封止工程等によって製造される。以下、各製造工程を説明する。
【0040】
(1) チップボンディング工程
ダイスボンダにより半導体チップ40を把持し、リードフレーム30のダイパッド31の表面に、半導体チップ40の裏面を、銀ペースト等の接着材等によって固着する。
【0041】
(2) マウント工程
絶縁性の接着材45を、半導体チップ40の表面のほぼ中央部分、あるいは中継チップ50の裏面に形成しておく。接着材45としては、例えば、エポキシ樹脂等を用いた低応力のペースト材や、あるいは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等のフィルム材等を使用すればよい。
【0042】
ダイスボンダにより中継チップ50を把持し、半導体チップ40の表面の外縁の内側に収まるように、中継チップ50の裏面を接着材45により固着する。
【0043】
この固着時においては、ダイスボンダの接触圧力や移動速度等を調整して、半導体チップ40が受ける衝撃力を小さくすることが望ましい。又、衝撃力を緩衝するために、接着材45として衝撃緩衝機能を有するものを使用したり、あるいは別途、衝撃緩衝パッド等を半導体チップ40と中継チップ50との間に設けても良い。
【0044】
(3) ワイヤボンディング工程
ワイヤボンダを用いて、半導体チップ40のボンディングパッド41と中継チップ50のボンディングパッド51とを、ワイヤ61で接続すると共に、中継チップ50のボンディングパッド51とリードフレーム30のボンディングパッド33とを、ワイヤ62で接続する。
【0045】
(4) 封止工程等
半導体チップ40及び中継チップ50が搭載されたリードフレーム30を、例えば、金型成型機にセットし、エポキシ樹脂等の樹脂部材70によるモールド成形により、半導体チップ40、中継チップ50及びワイヤ61,62等を樹脂封止する。
【0046】
リードフレーム30の余分な樹脂、ばり、不要部分等を除去すると共に、このリード32のアウターリード部分を所望の形状に折り曲げる等すれば、図1の半導体装置の製造が終了する。その後、必要に応じて、テスタで良否の検証を行う。
【0047】
(実施例1の動作)
図1の半導体装置では、リード32のアウターリード部分と半導体チップ40とが、中継チップ50及びワイヤ61,62を介して電気的に接続されているので、そのアウターリード部分に対して信号の入出力を行えば、所定の電気的動作が行われる。
【0048】
(実施例1の効果)
本実施例1の半導体装置では、次の(a)〜(g)のような効果等がある。
【0049】
(a) 半導体チップ40上に中継チップ50を積層し、この中継チップ50を用いてリードフレーム30側のボンディングパッド33に接続できるようにパッド配置をほぼ直角方向に変換している。そのため、例えば、従来の図15のような半導体チップ20Bを作成しなくても、この図15のようなパッケージに搭載することが可能になる。
【0050】
(b) 中継チップ50は、ボンディングパッド51と配線パターン52のみで構成できるため、従来の図15のような半導体チップ20Bを作成する場合よりも、再設計や動作の検証に必要な費用、あるいは開発費用等を減らすことが可能である。
【0051】
(c) 従来の図15のような半導体チップ20Bに合わせたパッド配置にすることによってチップサイズが大きくなることもなく、中継チップ50を半導体チップ40上に積層しているので、この中継チップ50を配置するのに必要な面積は増加しない。
【0052】
(d) 半導体チップ40の表面の外縁の内側に収まるように、中継チップ50を固着しているので、この中継チップ50を所定位置に強固に固定できる。そのため、中継チップ搭載時やワイヤボンディング時に加わる力により、中継チップ50が所定の搭載位置からずれることがなく、中継チップ搭載及びワイヤボンディングを簡単かつ的確に行うことができる。
【0053】
(e) 例えば、接着材45として衝撃緩衝機能を有するものを使用したり、あるいは別途、衝撃緩衝パッド等を半導体チップ40と中継チップ50との間に設けると、中継チップ50の固着時において、半導体チップ40が受ける衝撃力を小さくでき、これによって半導体チップ40の故障率を減少できる。
【0054】
(f) 中継チップ50の配線パターン52は、パッド配置の変換方向等に対応して種々の形態に変更できる。この際、配線状態が複雑になって配線相互間でショートする等の不都合が生じる場合には、配線パターン52を、例えば、図3のような多層配線構造にすれば良い。
【0055】
(g) 図3は、多層配線構造の一例を示す概略の拡大断面図である。
中継チップ50は、シリコン、ガラスエポキシ樹脂等の薄型基板50aを有している。基板50a上には、配線パターン52を形成する導電膜50bと、層間絶縁膜50cとが、積層状態に交互に配置形成されている。導電膜50bは、コンタクトホール50d等によってボンディングパッド51と接続されている。このような積層構造を用いれば、配線間をショートさせることなく、複雑な配線パターン52を容易に形成できる。
【0056】
〔参考例1〕
(参考例1の構成)
図4は、本発明の参考例1を示すSOP型半導体装置の一部を省略した概略の平面図であり、実施例1を示す図1〜図3中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。このSOP型半導体装置では、図1の中継チップ50に代えて、これを複数個(例えば、縦横2分割した4個)のほぼ矩形の中継チップ50A−1,50A−2,50A−3,50A−4を用い、この中継チップ50A−1〜50A−4を、図1と同様の半導体チップ40の表面の外縁の内側に収まるように固着している。
【0057】
各中継チップ50A−1〜50A−4は、同一の構成であり、隣接する2辺の近傍に複数個のボンディングパッド51が配設され、これらの各辺の複数個のボンディングパッド51が、配線パターン52によって相互に接続されている。これらの中継チップ50A−1〜50A−4は、ボンディングパッド用のワイヤ61,62の長さを短くするために、ボンディングパッド33,41と対向するようにボンディングパッド51の位置を回転させて、半導体チップ40の表面の四隅近くに配置し、図1とほぼ同様に、ワイヤ61,62によって半導体チップ40のボンディングパッド41及びリードフレーム30のボンディングパッド33に接続している。
その他の構成と、動作は、図1とほぼ同様である。
【0058】
(参考例1の製造方法)
中継チップ50A−1〜50A−4は、例えば、図1の中継チップ50を縦横に2分割するように切断すれば、製造できる。
【0059】
図2の製造方法とほぼ同様に、チップボンディング工程において、ダイパッド31上に半導体チップ40を固着する。マウント工程において、各中継チップ50A−1〜50A−4におけるボンディングパッド51の位置合わせを行うために、各中継チップ50A−1〜50A−4を回転させて、接着材45で半導体チップ40上に固着する。次に、ワイヤボンディング工程において、各中継チップ50A−1〜50A−4と、半導体チップ40のボンディングパッド41及びリードフレーム30のボンディングパッド33とを、ワイヤ61,62により接続する。
【0060】
その後、封止工程において、半導体チップ40、中継チップ50A−1〜50A−4、及びワイヤ61,62等を樹脂部材70で樹脂封止し、その他、図2とほぼ同様の処理を行えば、図4の半導体装置の製造が終了する。
【0061】
(参考例1の効果)
参考例1の半導体装置では、実施例1の1個の中継チップ50に代えて、複数個の中継チップ50A−1〜50A−4を用い、パッド配置をほぼ直角方向に変換しているので、実施例1の(a)〜(g)の効果等とほぼ同様の効果等がある。更に、次の(h)〜(j)のような効果等もある。
【0062】
(h) 各中継チップ50A−1〜50A−4を半導体チップ40の表面の四隅近くに配置しているので、実施例1に比べ、ワイヤ61,62の長さを短くすることが可能である。
【0063】
(i) 各中継チップ50A−1〜50A−4は、実施例1の中継チップ50に比べ、チップサイズが小さいので、製造時における配線パターン52の断線等を少なくしてチップの歩留まりを上げることができ、これにより、中継チップ50A−1〜50A−4のコストを下げることが可能である。
【0064】
(j) 4個の中継チップ50A−1〜50A−4を用いているが、ボンディングパッド33,41の配置形態等に対応して、中継チップを他の個数(例えば、2個、3個、5個等)にしても良い。
【実施例2】
【0065】
(実施例2の構成)
図5(A)、(B)は本発明の実施例2を示すSOP型半導体装置の概略の構成図であり、同図(A)は一部を省略した平面図、及び同図(B)は同図(A)中の中継チップの配線パターンの拡大図である。これらの図面において、実施例1及び参考例1を示す図1〜図4中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0066】
このSOP型半導体装置では、図4の4個の中継チップ50A−1,50A−2,50A−3,50A−4に代えて、4個のほぼ矩形の中継チップ50B−1,50B−2,50B−3,50B−4が、半導体チップ40の表面の複数個のボンディングパッド41の内側に収まるように、四隅近くに接着材45で固着されている。各中継チップ50B−1〜50B−4は、同一の構成であり、この中継チップ50B−1の概略の平面図が図5(B)に示されている。
【0067】
中継チップ50B−1は、例えば、図3に示すような多層配線構造をしており、薄型の基板50a上に、導電膜50b及び層間絶縁膜50cからなる多層配線構造の配線パターン52Bが形成され、更にこの上に、複数個の第3のボンディングパッド51が形成されている。各ボンディングパッド51は、コンタクトホール50dを介して配線パターン52Bに接続されている。
【0068】
複数個のボンディングパッド51は、中継チップ50B−1の表面の4辺の近傍に配置されている(上側のボンディングパッド51−11,51−12,・・・、下側のボンディングパッド51−21,51−22,・・・、左側のボンディングパッド51−31,51−32,・・・、右側のボンディングパッド51−41,51−42,・・・)。ある辺にあるボンディングパッド(例えば、左側のボンディングパッド51−31)は、他の3辺にあるボンディングパッド(例えば、上側のボンディングパッド51−11、下側のボンディングパッド51−21、及び右側のボンディングパッド51−41)に、配線パターン52Bの導電膜50bによって接続されている。
【0069】
そのため、図5(A)の4個の中継チップ50B−1〜50B−4が同じ方向を向いていても、図4の中継チップ50A−1〜50A−4と同じ機能を持つことが可能である。これらの中継チップ50B−1〜50B−4は、図1と同様に、ワイヤ61,62によって半導体チップ40のボンディングパッド41及びリードフレーム30のボンディングパッド33に接続されている。
その他の構成と、動作は、図1及び図4とほぼ同様である。
【0070】
(実施例2の製造方法)
4個の中継チップ50B−1〜50B−4を用いて、参考例1と同様に製造される。
【0071】
(実施例2の効果)
本実施例2の半導体装置は、複数個の中継チップ50B−1〜50B−4を用い、パッド配置をほぼ直角方向に変換しているので、実施例1及び参考例1の(a)〜(j)の効果等とほぼ同様の効果等がある。更に、次の(k)、(l)のような効果等もある。
【0072】
(k) 参考例1の図4では、中継チップ50A−1〜50A−4を回転して実装する必要があったのに対し、本実施例の図5では、各中継チップ50B−1〜50B−4を回転する必要がない。これにより、マウント工程が簡単になる。
【0073】
(l) パッド配置の変換方向が360°可能になるので、ワイヤボンディング方向の自由度がより大きくなり、種々のパッド配置のパッケージに対応可能になる。
【実施例3】
【0074】
(実施例3の構成)
図6(A)〜(C)は、本発明の実施例3を示すマルチチップパッケージ形態の半導体装置の概略の構成図であり、同図(A)は表面から見て一部を省略した平面図、同図(B)は裏面から見て一部を省略した底面図、及び同図(C)は一部を省略した縦断面図である。又、図7は、図6(B)の拡大平面図である。これらの図面において、実施例1、参考例1、及び実施例2を示す図1〜図5中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0075】
このマルチチップパッケージ形態の半導体装置では、図1のリードフレーム30を用い、このダイパッド31の表面と裏面に、平面がほぼ矩形の同一構成の半導体チップ40A−1,40A−2をそれぞれ固着すると共に、その半導体チップ40A−1,40A−2のいずれか一方(例えば、裏側の半導体チップ40A−2)の表面の外縁の内側に収まるように、接着材45によって、平面がほぼ矩形の中継チップ50Cを固着している。
【0076】
各半導体チップ40A−1,40A−2の表面の左辺及び右辺の近傍には、複数個の第2のボンディングパッド41(表面から見て、左側のボンディングパッド41−11,41−12,・・・、右側のボンディングパッド41−21,41−22,・・・、裏面側は上下左右が反転している。)が配設されている。
【0077】
裏面側の半導体チップ40A−2のほぼ中央に固着された中継チップ50Cは、例えば、図3に示すような多層配線構造をしており、この表面の左辺及び右辺の近傍に、複数個の第3のボンディングパッド51(左側のボンディングパッド51−11,51−12,・・・,51−1J,・・・、右側のボンディングパッド51−21,51−22,・・・,51−2i)が配設されている。左側のボンディングパッド51−11,51−12,・・・,51−1J,・・・と、右側のボンディングパッド51−21,51−22,・・・,51−2iとは、多層配線構造の配線パターン52Cにより、配線状態が上下左右反転するように相互に接続されている。
【0078】
これらの複数個のボンディングパッド51は、複数本のワイヤ61により、半導体チップ40A−2の複数個のボンディングパッド41に接続されると共に、複数本のワイヤ62−1,62−2により、リードフレーム30側の複数個のボンディングパッド33に接続されている。
【0079】
例えば、リードフレーム30側のボンディングパッド33−11は、ワイヤ62−1によって表面側の半導体チップ40A−1のボンディングパッド41−11に接続されると共に、ワイヤ62−2によって裏面側の中継チップ50Cのボンディングパッド51−2iに接続されている。ボンディングパッド51−2iは、配線パターン52Cによって対向するボンディングパッド51−1jに接続され、このボンディングパッド51−1jが、ワイヤ61によって裏面側の半導体チップ40A−21のボインディングパット41−11に接続されている。これにより、リードフレーム30側のボンディングパッド33−11は、表面側の半導体チップ40A−1のボンディングパッド41−11に接続されると共に、裏面側の半導体チップ40A−21のボンディングパッド41−11に接続されることになる。
【0080】
これらの半導体チップ40A−1,40A−2、中継チップ50C、及びワイヤ61,62−1,62−2等は、図1と同様に、樹脂部材70により樹脂封止されている。その他の構成と、動作は、図1とほぼ同様である。
【0081】
(実施例3の製造方法)
図1の製造方法とほぼ同様に、チップボンディング工程において、ダイパッド31の表面に半導体チップ40A−1を固着すると共に、これと同一構成の半導体チップ40A−2をダイパッド31の裏面に固着する。マウント工程において、中継チップ50Cを接着材45で、半導体チップ40A−2の表面の外縁の内側に収まるように固着する。次に、ワイヤボンディング工程において、表面側の半導体チップ40A−1のボンディングパッド41を、ワイヤ62−1によってリードフレーム30側のボンディングパッド33に接続する。
【0082】
更に、中継チップ50Cのボンディングパッド51を、ワイヤ61によって裏面側の半導体チップ40A−2のボンディングパッド51に接続すると共に、ワイヤ62−2によってリードフレーム30側のボンディングパッド33に接続する。その後、封止工程において、半導体チップ40A−1,40A−2、中継チップ50C、及びワイヤ61,62−1,62−2等を樹脂部材70で樹脂封止し、その他、図1とほぼ同様の処理を行えば、図6の半導体装置の製造が終了する。
【0083】
(実施例3の効果)
本実施例3の半導体装置では、実施例1の(b)〜(e)の効果等とほぼ同様の効果等がある上に、更に、次の(1)〜(3)のような効果等もある。
【0084】
(1) 同一構成の2個の半導体チップ40A−1,40A−2を用い、中継チップ50Cにより、一方の半導体チップ40A−2のパッド配置の方向を、他方の半導体チップ40A−1のパッド配置の方向に変換しているので、従来必要であったミラーチップを用いなくても、マルチチップパッケージ形態の半導体装置を容易に製造できる。このため、従来必要であった、ミラーチップの開発期間や作成期間を削減でき、又、従来のように余分なミラーチップの在庫をもつ必要もない。
【0085】
(2) 中継チップ50Cは、裏面側に代えて、表面側の半導体チップ40A−1上に固着しても、本実施例と同様の作用、効果が得られる。
【0086】
(3) 中継チップ50Cの配線パターン52Cは、パッド配置の変換方向等に対応して種々の形態に変更できる。
【実施例4】
【0087】
(実施例4の構成)
図8(A)〜(C)は、本発明の実施例4を示すマルチチップパッケージ形態の半導体装置の概略の構成図であり、同図(A)は表面から見て一部を省略した平面図、同図(B)は裏面から見て一部を省略した底面図、及び同図(C)は一部を省略した縦断面図である。又、図9は(A)、(B)は、図8(A)、(B)の拡大平面図である。これらの図面おいて、実施例1及び実施例3を示す図1及び図6中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0088】
このマルチチップパッケージ形態の半導体装置では、図1のリードフレーム30を用い、このダイパッド31の表面と裏面に、図1の半導体チップ40と同一構成の半導体チップ40−1,41−2をそれぞれ固着し、更に、表面側半導体チップ40−1の表面の外縁の内側に収まるように、図1と同一の接着材45−1によって、図1と同一の中継チップ50を固着すると共に、裏面側半導体チップ40−2の表面の外縁の内側に収まるように、図1と同一の接着材45−2によって、図1の中継チップ50と異なる多層配線構造の中継チップ50Cを固着している。
【0089】
裏面側の半導体チップ40−2の表面に固着された中継チップ50Dは、例えば、図3に示すような多層配線構造をしており、表面側の半導体チップ40−1と同様に、この表面の4辺の近傍に複数個の第3のボンディングパッド51(上側のボンディングパッド51−11,51−12,・・・、下側のボンディングパッド51−21,51−22,・・・、左側のボンディングパッド51−31,51−32,・・・、右側のボンディングパッド51−41,51−42,・・・)が配設されている。これらの複数個のボンディングパッド51は、多層配線構造の配線パターン52Dにより、配線状態が表面側の半導体チップ40−1の配線パターン52に対して上下左右が反転するように相互に接続されている。
【0090】
即ち、裏面側の中継チップ50Dにおいて、上側のボンディングパッド51−11,51−12,・・・の左半分が、右半分側に接続され、下側のボンディングパッド51−21,51−22,・・・の左半分が、右半分側に接続され、左側のボンディングパッド51−31,51−32,・・・が、右側のボンディングパッド51−41,51−42,・・・に接続されている。
【0091】
そして、表面側の中継チップ50の複数個のボンディングパッド51において、上側のボンディングパッド51−11,51−12,・・・が、複数本のワイヤ61−1によって半導体チップ40−1の上側のボンディングパッド41−11,41−12,・・・に接続され、下側のボンディングパッド51−21,51−22,・・・が、複数本のワイヤ61−1によって半導体チップ40−1の下側のボンディングパッド41−21,41−22,・・・に接続されている。更に、左側のボンディングパッド51−31,51−12,・・・が、複数本のワイヤ62−1によってリードフレーム30側のボンディングパッド33−11,33−12,・・・に接続され、右側のボンディングパッド51−41,51−12,・・・が、複数本のワイヤ62−1によってリードフレーム30側のボンディングパッド33−21,33−22,・・・に接続されている。
【0092】
又、裏面側の中継チップ50Dの複数個のボンディングパッド51において、上側のボンディングパッド51−11,51−12,・・・が、複数本のワイヤ61−2によって半導体チップ40−2の上側のボンディングパッド・・・,41−22,41−21に接続され、下側のボンディングパッド51−21,51−22,・・・が、複数本のワイヤ61−2によって半導体チップ40−2の下側のボンディングパッド・・・,41−12,41−11に接続されている。更に、左側のボンディングパッド51−31,53−12,・・・が、複数本のワイヤ62−2によってリードフレーム30側のボンディングパッド・・・33−22,33−21に接続され、右側のボンディングパッド51−41,54−42,・・・が、複数本のワイヤ62−2によってリードフレーム30側のボンディングパッド・・・,33−12,33−11に接続されている。
【0093】
そのため、例えば、リードフレーム30側のボンディングパッド33−11は、表面側の半導体チップ40−1のボンディングパッド41−11に接続されると共に、裏面側の半導体チップ40−2のボンディングパッド41−11に接続されることになる。
【0094】
これらの半導体チップ40−1,40−2、中継チップ50,50D、及びワイヤ61−1,61−2,62−1,62−2等は、図1と同様に、樹脂部材70により樹脂封止されている。その他の構成と、動作は、図1とほぼ同様である。
【0095】
(実施例4の製造方法)
図6の製造方法とほぼ同様に、チップボンディング工程において、ダイパッド31の表面に半導体チップ40−1を固着すると共に、これと同一構成の半導体チップ40−2をダイパッド31の裏面に固着する。マウント工程において、中継チップ50を接着材45−1で、半導体チップ40−1の表面の外縁の内側に収まるように固着すると共に、中継チップ50Dを接着材45−2で、半導体チップ40−2の表面の外縁の内側に収まるように固着する。次に、ワイヤボンディング工程において、表面側の半導体チップ40−1のボンディングパッド41を、ワイヤ61−1によって中継チップ50のボンディングパッド51に接続し、このボンディングパッド51を、ワイヤ62−1によってリードフレーム30側のボンディングパッド33に接続する。
【0096】
更に、裏面側の半導体チップ40−2のボンディングパッド41を、ワイヤ61−2によって中継チップ50Dのボンディングパッド51に接続し、このボンディングパッド51を、ワイヤ62−2によってリードフレーム30側のボンディグパッド33に接続する。
【0097】
その後、封止工程において、半導体チップ40−1,40−2、中継チップ50,50D、及びワイヤ61−1,61−2,62−1,62−2等を樹脂部材70で樹脂封止し、その他、図6とほぼ同様の処理を行えば、図8の半導体装置の製造が終了する。
【0098】
(実施例4の効果)
本実施例4の半導体装置では、実施例1の(a)〜(e)の効果等とほぼ同様に、従来の図15のような半導体チップ20Bを作成する必要がない等の効果等がある。更に、実施例3の(1)、(3)の効果等とほぼ同様に、ミラーチップを作成する必要がない等の効果等がある。
【実施例5】
【0099】
(実施例5の構成)
図10(A)〜(C)は、本発明の実施例5を示すマルチチップパッケージ形態の半導体装置の概略の構成図であり、同図(A)は表面から見て一部を省略した平面図、同図(B)は裏面から見て一部を省略した底面図、及び同図(C)は一部を省略した縦断面図である。又、図11(A)、(B)は、図10(A)、(B)の拡大平面図である。これらの図面において、実施例1及び実施例4を示す図1及び図8中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0100】
このマルチチップパッケージ形態の半導体装置では、図1のリードフレーム30のダイパッド31の表面と裏面に、図8と同様に同一構成の半導体チップ40−1,40−2をそれぞれ固着し、更に、表面側と裏面側の半導体チップ40−1,40−2のそれぞれの表面の外縁の内側に収まるように、図8と同様の接着材45−1,45−2によって、図8と異なる同一構成のほぼ矩形の中継チップ50E−1,50E−2をそれぞれ固着している。
【0101】
表面側と裏面側の各中継チップ50E−1,50E−2は、例えば、図3に示すような多層配線構造をしており、この表面の4辺の近傍に複数個の第3のボンディングパッド51(上側のボンディングパッド51−11,51−12,・・・、下側のボンディングパッド51−21,51−22,・・・、左側のボンディングパッド51−31,51−32,・・・、右側のボンディングパッド51−41,51−42,・・・)が配設されている。これらの各複数個のボンディングパッド51は、多層配線構造の表面側と裏面側の各配線パターン52E−1,52E−2により、それぞれ相互に接続されている。
【0102】
即ち、各中継チップ50E−1,50E−2において、上側のボンディングパッド51−11,51−12,・・・の左半分中の複数個は、右半分中の複数個、及び左側のボンディングパッド51−31,51−32,・・・の上半分中の複数個にそれぞれ接続されている。上側のボンディングパッド51−11,51−12,・・・の右半分中の複数個は、左半分中の複数個、左側のボンディングパッド51−31,51−32,・・・の上半分中の複数個、及び右側のボンディングパッド51−41,51−42,・・・の上半分中の複数個にそれぞれ接続されている。
【0103】
下側のボンディングパッド51−21,51−22,・・・の左半分中の複数個は、右半分中の複数個、及び左側のボンディングパッド51−31,51−32,・・・の下半分中の複数個にそれぞれ接続されている。下側のボンディングパッド51−11,51−12,・・・の右半分中の複数個は、左半分中の複数個、左側のボンディングパッド51−31,51−32,・・・の下半分中の複数個、及び右側のボンディングパッド51−41,51−42,・・・の下半分中の複数個にそれぞれ接続されている。
【0104】
そして、表面側の中継チップ50E−1の複数個のボンディングパッド51において、上側のボンディングパッド51−11,51−12,・・・が、複数本のワイヤ61−1によって半導体チップ40−1の上側のボンディングパッド41−11,41−12,・・・に接続され、下側のボンディングパッド51−21,51−22,・・・が、複数本のワイヤ61−1によって半導体チップ40−1の下側のボンディングパッド41−21,41−22,・・・に接続されている。更に、左側のボンディングパッド51−31,53−12,・・・が複数本のワイヤ62−1によってリードフレーム30側のボンディングパッド33−11,33−12,・・・に接続され、右側のボンディングパッド51−41,54−42,・・・が、複数本のワイヤ62−1によってリードフレーム30側のボンディングパッド33−21,33−22,・・・に接続されている。
【0105】
又、裏面側の中継チップ50E−2の複数個のボンディングパッド51において、上側のボンディングパッド51−11,51−12,・・・が、複数本のワイヤ61−2によって半導体チップ40−2の上側のボンディングパッド・・・,41−22,41−21に接続され、下側のボンディングパッド51−21,51−22,・・・が、複数本のワイヤ61−2によって半導体チップ40−2の下側のボンディングパッド・・・,41−12,41−11に接続されている。更に、左側のボンディングパッド51−31,51−12,・・・が、複数本のワイヤ62−2によってリードフレーム30側のボンディングパッド・・・,33−22,33−21に接続され、右側のボンディングパッド51−41,54−12,・・・が、複数本のワイヤ62−2によってリードフレーム30側のボンディングパッド・・・,33−12,33−11に接続されている。
【0106】
そのため、例えば、リードフレーム30側のボンディングパッド33−11は、表面側の半導体チップ40−1のボンディングパッド41−11に接続されると共に、裏面側の半導体チップ40−2のボンディングパッド41−11に接続されることになる。
【0107】
これらの半導体チップ40−1,40−2、中継チップ50E−1,50E−2、及びワイヤ61−1,61−2,62−1,62−2等は、図1及び図8と同様に、樹脂部材70により樹脂封止されている。その他の構成と、動作は、図1及び図8とほぼ同様である。
【0108】
(実施例5の製造方法)
図8の製造方法とほぼ同様に、チップボンディング工程において、ダイパッド31の表面に半導体チップ40−1を固着すると共に、これと同一構成の半導体チップ40−2をダイパッド31の裏面に固着する。マウント工程において、中継チップ50E−1を接着材45−1で、半導体チップ40−1の表面の外縁の内側に収まるように固着すると共に、その中継チップ50E−1と同一構成の中継チップ50E−2を接着材45−2で、半導体チップ40−2の表面の外縁の内側に収まるように固着する。次に、ワイヤボンディング工程において、表面側の半導体チップ40−1のボンディングパッド41の複数個を、ワイヤ61−1によって中継チップ50E−1のボンディングパッド51の複数個に接続し、このボンディングパッド51の他の複数個を、ワイヤ62−1によってリードフレーム30側のボンディングパッド33に接続する。
【0109】
更に、裏面側の半導体チップ40−2のボンディングパッド41の複数個を、ワイヤ61−2によって中継チップ50E−2のボンディングパッド51の複数個に接続し、このボンディングパッド51の他の複数個を、ワイヤ62−2によってリードフレーム30側のボンディングパッド33に接続する。
【0110】
その後、封止工程において、半導体チップ40−1,40−2、中継チップ50E−1,50E−2、及びワイヤ61−1,61−2,62−1,62−2等を樹脂部材で樹脂封止し、その他、図8とほぼ同様の処理を行えば、図10の半導体装置製造が終了する。
【0111】
(本実施例5の効果)
本実施例5の半導体装置では、次の(A)〜(D)のような効果等がある。
【0112】
(A) 実施例1の(a)〜(e)の効果等とほぼ同様に、従来の図15のような半導体チップ20Bを作成する必要がない等の効果等がある。
【0113】
(B) 実施例3の(1)、(3)の効果等とほぼ同様に、ミラーチップを作成する必要がない等の効果等がある。
【0114】
(C) 1種類の中継チップ50E−1,50E−2でマルチチップパッケージ形態の半導体装置の製造が可能になる。しかも、従来の半導体装置の主要部分をそのまま使用することができるので、検証のためのプロービング等を行うときに、新たな周辺機器が必要でなく、コストを大幅に削減できる。
【0115】
(D) リードフレーム30用ボンディングパッド33と、ワイヤ62−1,62−2で繋げる中継チップ50E−1,50E−2用のボンディングパッド51とを、使い分けることによって表裏を区別しているが、これは半導体チップ40−1,40−2用のボンディングパッド40と、ワイヤ61−1,61−2で繋げる中継チップ50E−1,50E−2用のボンディングパッド51とを、使い分けることによって表裏を区別するようにしても良い。
【実施例6】
【0116】
(実施例6の構成)
図12(A)、(B)は、本発明の実施例6を示すマルチチップパッケージ形態の半導体装置の概略の構成図であり、同図(A)は表面から見て一部を省略した平面図、及び同図(B)は一部を省略した縦断面図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0117】
このマルチチップパッケージ形態の半導体装置では、図1のようなリードフレーム30のダイパッド31の表面に、平面がほぼ矩形の複数個(例えば、2個)の半導体チップ40A−1,40A−2が固着され、更に、この半導体チップ40A−1及び40A−2によって形成される1つの領域の外縁の内側に収まるように、図1と同様の接着材45によって、平面がほぼ矩形の1個の中継チップ50Fが固着されている。
【0118】
各半導体チップ40A−1,40A−2には、この表面の対向する2辺の近傍に、複数個のボンディングパッド41がそれぞれ配設されている。中継チップ50Fは、半導体チップ40A−1,40A−2の複数個のボンディングパッド41に対応して、表面の対向する2辺の近傍に、複数個のボンディングパッド51が配設されている。複数個のボンディングパッド51は、図3に示すような多層配線構造の配線パターン52Fによって相互に接続されている。
【0119】
中継チップ50F側のボンディングパッド51の複数個は、複数本のワイヤ61によって半導体チップ40A−1,40A−2側の複数個のボンディングパッド41に接続され、更に、ボンディングパッド51の他の複数個が、複数本のワイヤ62によってリードフレーム30側の複数個のボンディングパッド33(33−1,33−2,・・・)に接続されている。
【0120】
これらの半導体チップ40A−1,40A−2、中継チップ50F、及びワイヤ61,62等は、図1と同様に、樹脂部材70により樹脂封止されている。その他の構成と、動作は、図1とほぼ同様である。
【0121】
(実施例6の製造方法)
図1の製造方法とほぼ同様に、チップボンディング工程において、ダイパッド31の表面に半導体チップ40A−1,40A−2の裏面を固着する。マウント工程において、中継チップ50Fを接着材45で、半導体チップ40A−1及び40A−2によって形成される1つの領域の外縁の内側に収まるように固着する。次に、ワイヤボンディング工程において、半導体チップ40A−1,40A−2側のボンディングパッド41の複数個を、ワイヤ61によって中継チップ50F側のボンディングパッド51の複数個に接続し、このボンディングパッド51の他の複数個を、ワイヤ62によってリードフレーム30側のボンディングパッド33(33−1,33−2,・・・)に接続する。
【0122】
その後、封止工程において、半導体チップ40A−1,40A−2、中継チップ50F、及びワイヤ61,62等を樹脂部材70で樹脂封止し、その他、図1とほぼ同様の処理を行えば、図12の半導体装置の製造が終了する。
【0123】
(実施例6の効果)
本実施例6の半導体装置では、次の(I)〜(V)のような効果等がある。
【0124】
(I) 半導体チップ40A−1,40A−2上に中継チップ50Fを積層し、この中継チップ50Fを用いてリードフレーム30側のボンディングパッド33に接続できるようにパッド配置の方向を変換している。そのため、パッド配置に制約されずに、マルチチップパッケージ形態の半導体装置を製造できる。
【0125】
(II) 中継チップ50Fは、ボンディングパッド51と多層配線構造の配線パターン52Fのみで構成されるため、パッド配置を変更した半導体チップを作成する場合よりも、再設計や動作の検証に必要な費用、あるいは開発費用等を減らすことが可能である。
【0126】
(III) 半導体チップ40A−1及び40A−2によって形成される1つの領域の外縁の内側に収まるように、中継チップ50Fを固着しているので、この中継チップ50Fを所定位置に強固に固定できる。このため、中継チップ搭載時やワイヤボンディング時に加わる力により、中継チップ50Fが所定の搭載位置からずれることがなく、中継チップ搭載及びワイヤボンディングを簡単かつ的確に行うことができる。
【0127】
(IV) 例えば、接着材45として衝撃緩衝機能を有するものを使用したり、あるいは別途、衝撃緩衝パッド等を半導体チップ40A−1,40A−2と中継チップ50Fとの間に設けると、中継チップ50Fの固着時において、半導体チップ40A−1,40A−2が受ける衝撃力を小さくでき、これによって半導体チップ40A−1,40A−2の故障率を減少できる。
【0128】
(V) 半導体チップ40A−1,40A−2は、3個以上設けても良い。又、中継チップ50Fの配線パターン52Fは、パッド配置の変換方向等に対応して種々の形態に変更できる。
【実施例7】
【0129】
(実施例7の構成)
図13(A)、(B)は、本発明の実施例7を示すマルチチップパッケージ形態の半導体装置の概略の構成であり、同図(A)は表面から見て一部を省略した平面図、及び同図(B)は一部を省略した縦断面図であり、実施例1及び実施例6を示す図1、図12中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0130】
このマルチチップパッケージ形態の半導体装置では、図1のようなリードフレーム30のダイパッド31の表面に、図12と同様の複数個(例えば、2個)の半導体チップ40A−1,40A−2が固着され、更に、この半導体チップ40A−1,40A−2の表面の外縁の内側に収まるように、図1と同様の接着材45によって、平面のほぼ矩形の中継チップ50G−1,50G−2がそれぞれ固着されている。
【0131】
各半導体チップ40A−1,40A−2上に固着された各中継チップ50G−1,50G−2は、その半導体チップ40A−1,40A−2の複数個のボンディングパッド41に対応して、表面の対向する2辺の近傍に、複数個のボンディングパッド51が配設されている。又、各中継チップ51G−1,51G−2の他の1辺の近傍にも、必要に応じて複数個のボンディングパッド51が配設されている。複数個のボンディングパッド51は、図3に示すような多層配線構造の各配線パターン52G−1,52G−2によって相互に接続されている。
【0132】
中継チップ50G−1,50G−2側のボンディングパッド51の複数個は、複数本のワイヤ61によって半導体チップ40A−1,40A−2側の複数個のボンディングパッド41に接続され、更に、ボンディングパッド51の他の複数個が、複数本のワイヤ62によってリードフレーム30側の複数個のボンディングパッド33(33−1,33−2,・・・)に接続されている。又、中継チップ50G−1と中継チップ50G−2との接続が必要な場合には、中継チップ50G−1側のボンディングパッド51と、中継チップ50G−2側のボンディングパッド51とを、ワイヤ63で接続すれば良い。
【0133】
これらの半導体チップ40A−1,40A−2、中継チップ50G−1,50G−2、及びワイヤ61,62,63等は、図1、図12と同様に、樹脂部材70により樹脂封止されている。その他の構成と、動作は、図1、図12とほぼ同様である。
【0134】
(実施例7の製造方法)
図1、図12の製造方法とほぼ同様に、チップボンディング工程において、ダイパッド31の表面に半導体チップ40A−1,40A−2の裏面を固着する。マウント工程において、各中継チップ50G−1,50G−2を接着材45で、各半導体チップ40A−1,40A−2の表面の外縁の内側に収まるように固着する。
【0135】
次に、ワイヤボンディング工程において、半導体チップ40A−1,40A−2側のボンディングパッド41の複数個を、ワイヤ61によって中継チップ50G−1,50G−2,側のボンディングパッド51の複数個に接続し、このボンディングパッド51の他の複数個を、ワイヤ62によってリードフレーム30側のボンディングパッド33(33−1,33−2,・・・)に接続する。中継チップ50G−1と中継チップ50G−2との接続が必要な場合には、中継チップ50G−1側のボンディングパッド51と、中継チップ50G−2側のボンディングパッド51とを、ワイヤ63で接続する。
【0136】
その後、封止工程において、半導体チップ40A−1,40A−2、中継チップ50G−1,50G−2、及びワイヤ61,62,63等を樹脂部材70で樹脂封止し、その他、図1、図12とほぼ同様の処理を行えば、図13の半導体装置の製造が終了する。
【0137】
(実施例7の効果)
本実施例7の半導体装置では、実施例6の(I)〜(V)のような効果等がある上に、次の(VI)のような効果等もある。
【0138】
(VI) 実施例6と比べ、図12の中継チップ50Fを中継チップ50G−1と中継チップ50G−2に分割して中継チップサイズを小さくしているので、断線等が少なくなって歩留まりが向上し、コストダウンが可能である。
【0139】
(変形例)
本発明は、上記実施例や上記参考例に限定されず、種々の変形や利用形態が可能である。この変形や利用形態としては、例えば、次の(i)〜(iii)のようなものがある。
【0140】
(i) 実施例や参考例では、SOP型のパッケージについて説明したが、リードフレーム30のアウターリード部分の引き出し形状を変えることにより、QFP等の他のパッケージ形状にすることも可能である。又、樹脂封止型パッケージ以外に、中空パッケージ等の他のパッケージを用いても良い。
【0141】
(ii) 半導体チップ搭載用の基板として、リードフレーム30のダイパッド31を用いた例を説明したが、配線基板、半導体基板、ガラスエポキシ基板等の他の基板を用いても良い。
【0142】
(iii) 図示のパッド配置や中継チップの配線パターンは一例であって、パッド配置の変換方向等に対応して種々の形態に変更できる。又、製造方法や製造材料は、任意に変更可能である。
【符号の説明】
【0143】
30 リードフレーム
31 ダイパッド
32 リード
33,41,51 ボンディングパッド
40,40−1,40−2,40A−1〜40A−4 半導体チップ
45,45−1,45−2 接着材
50,50A−1〜50A−4,50B−1〜50B−4,50C,50D,50E−1,50E−2,50F,50G−1,50G−2 中継チップ
52,52B,52C,52D,52E−1,52E−2,52F,52G−1,52G−2 配線パターン
61,61−1,61−2,62,62−1,62−2 ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極が配置された半導体チップ搭載用の基板と、
前記基板上に搭載され、第1のボンディングパッドが複数配置されたシリコン基板を用いてなる複数の半導体チップと、
第2のボンディングパッド、第3のボンディングパッド、及び前記第2のボンディングパッドと前記第3のボンディングパッドを電気的に接続する配線を複数有し、前記第1のボンディングパッドを露出して前記複数の半導体チップ上に架設され、前記複数の半導体チップによって画成される1つの領域の外縁の内側に収まる位置に配置され、且つシリコン基板からなる中継部材と、
前記複数の半導体チップの前記第1のボンディングパッドと前記中継部材の前記第2のボンディングパッドとを電気的に接続する複数の第1のワイヤと、
前記電極と前記中継部材の前記第3のボンディングパッドとを電気的に接続する複数の第2のワイヤと、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
複数の電極が配置された半導体チップ搭載用の基板と、
前記基板上に搭載され、第1のボンディングパッドが複数配置されたシリコン基板を用いてなる複数の半導体チップと、
第2のボンディングパッド、第3のボンディングパッド、及び前記第2のボンディングパッドと前記第3のボンディングパッドを電気的に接続する配線を複数有し、前記各半導体チップの前記第1のボンディングパッドを露出して前記各半導体チップ上にそれぞれ設けられ、前記各半導体チップよりも小さく、且つ前記各半導体チップの上面の外線よりも内側に収まるように配置され、且つシリコン基板からなる複数の中継部材と、
前記各半導体チップの前記第1のボンディングパッドと前記各中継部材の前記第2のボンディングパッドとを電気的に接続する複数の第1のワイヤと、
前記電極と前記各中継部材の前記第3のボンディングパッドとを電気的に接続する複数の第2のワイヤと、
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記各中継部材には、前記配線により前記第2及び第3のボンディングパッドに電気的に接続された中間部材間接続用の複数の第4のボンディングパッドが設けられていることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記中継部材の前記配線は、層間絶縁膜と導電膜とが交互に配置されて構成される多層配線構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体チップ搭載用の基板は、リードフレームのダイパットであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記中継部材の前記配線は、屈曲部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記多層配線構造の各層の前記配線は、互いに交差していることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
隣り合って配置された前記第2のボンディングパッドの間隔は、隣り合って配置された前記第1のボンディングパッドの間隔よりも狭いことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
隣り合って配置された前記第3のボンディングパッドの間隔は、隣り合って配置された前記電極の間隔よりも狭いことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記複数の半導体チップ、前記中継部材、及び前記第1、第2のワイヤは樹脂封止されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2010−278466(P2010−278466A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181213(P2010−181213)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【分割の表示】特願2007−93318(P2007−93318)の分割
【原出願日】平成14年7月24日(2002.7.24)
【出願人】(308033711)OKIセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】