説明

半導体装置

【課題】複数の半導体チップが同一パッケージに積層された半導体装置に関し、複数の半導体チップのいずれかで生成される電圧を、他の半導体チップに電源電圧として供給し、安定して動作できる技術を提供する。
【解決手段】主なものの1つの例として、2つのチップを積層して、パッドA,BおよびCをそれぞれのチップの並んだ辺に配置し、それらのパッドをそれぞれ金属線wireA,BおよびCで共通に接続する。もう1つの例は、パッドA,BおよびCが配置された辺とは異なる辺に沿ってパッドHおよびパッドJを配置し、さらに金属線wireHJによりチップ間ボンディング接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の半導体チップが同一パッケージに積層された半導体装置に関し、複数の半導体チップのいずれかで生成される電圧を、他の半導体チップに電源電圧として供給する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2つの半導体チップの関係として、以下のものが一般に知られている。
【0003】
1つの半導体チップは、外部電源電圧を供給され、それを降圧した内部電源電圧を出力するレギュレータ回路を有する(第1の半導体チップ)。
【0004】
もう一方の半導体チップは、その内部電源電圧を動作電源電圧として供給される(第2の半導体チップ)。
【0005】
このとき、第1の半導体チップは、高い電源電圧で動作するものであり、例えば4〜25Vで動作可能である。第2の半導体チップは、第1の半導体チップよりも低い電源電圧で動作するものであり、例えば1.4〜3.6Vで動作可能である。
【0006】
つまり、半導体製品のカタログ等に示される最大電圧値で比較した時に、第1の半導体チップの方が、第2の半導体チップよりも最大電圧値が高い半導体チップである。
【0007】
これまで、第1と第2の半導体チップは別々のパッケージに収容され、半導体チップと接続された外部端子を介して、2つの半導体チップは、電源電圧を供給されていた。
【0008】
しかしながら、回路基板上に2つのパッケージを並べて搭載することは、多大な実装面積を必要とするという問題があった。
【0009】
実装面積を小さくするためには、以下のような従来技術が知られている。
【0010】
特開2005−183611号公報(特許文献1)には、外部に設けられていたレギュレータ回路をチップに内蔵し、1つのパッケージの中に2チップを並べて搭載(平置き)したマルチチップ型半導体装置に関する技術が記載されている。
【0011】
パッケージを2つ並べるよりも、チップを2つ並べて、1つのパッケージに収める方が実装面積、つまりパッケージサイズを小さくできる。
【0012】
この文献は、1パッケージ内で2チップを平置きした記載があるものの、1パッケージ化することでの更なるレギュレータ回路を安定して動作させる技術の十分な記載はない。
【0013】
また、実装方法として、パッケージサイズをさらに小さくする技術としては、一般的にチップ積層の技術が考えられる。
【0014】
しかし、積層した場合のレギュレータ回路を安定して動作させる点に注目した文献も今回の先行技術調査では見つからなかった。
【0015】
一方、今回の先行技術調査において、レギュレータ回路の動作を安定化させるための回路および半導体装置に関する技術が記載されている特許第3732884号(特許文献2)が見つかった。
【0016】
但し、この文献は、1チップ内におけるレギュレータ回路の安定化技術に関する記載である。複数チップおよびそれらのチップが積層された構造において、レギュレータ回路を安定して動作させる技術までの記載はない。
【特許文献1】特開2005−183611号公報
【特許文献2】特許第3732884号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、複数の半導体チップが同一パッケージに積層された半導体装置に関し、複数の半導体チップのいずれかで生成される電圧を、他の半導体チップに電源電圧として供給し、安定して動作できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本願において開示されたもののうち、一実施例によれば以下の通りである。すなわち、本発明に係る半導体装置は、第1の辺を含む4辺を有し、主面にパッドが設けられた第1の半導体チップと、第2の辺を含む4辺を有し、主面にパッドが設けられ、前記第1の半導体チップの主面上に前記第1の辺と前記第2の辺とが並び、かつ各主面が同一方向を向くように積層された第2の半導体チップと、前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップとを封止する封止体と、前記パッドに接続され、端子の一部が前記封止体の外部に露出した複数の外部端子と、を有する。前記第1の半導体チップは、前記外部端子から外部電源電圧が供給される外部電源入力パッドと、前記外部電源入力パッドに電気的に接続され、参照電圧とこの参照電圧と比較される入力電圧に応じて前記外部電源電圧を降圧した内部電源電圧を生成するレギュレータ回路と、前記レギュレータ回路に電気的に接続され、前記内部電源電圧が出力される内部電源電圧出力パッドと、前記入力電圧が入力される前記レギュレータ回路の入力部に電気的に接続されたモニタパッドと、を有する。前記第2の半導体チップは、前記内部電源電圧出力パッドから前記内部電源電圧が入力される内部電源入力パッドを有する。前記内部電源電圧出力パッドと前記モニタパッドは、前記第1の半導体チップの前記第1の辺に沿って配置され、前記内部電源入力パッドは、前記第2の半導体チップの前記第2の辺に沿って配置され、前記モニタパッドは、前記内部電源電圧出力パッドと前記内部電源入力パッドとの接続経路間で電気的に接続、もしくは、前記内部電源入力パッドを経由して前記内部電源電圧出力パッドと電気的に接続される。さらに、前記第1の半導体チップは、前記第1の辺とは異なる辺に沿って、前記第2の半導体チップとの間で信号を送受信する第1の信号パッドを有し、前記第2の半導体チップは、前記第1の信号パッドが配置された辺と並ぶ辺に沿って、前記第1の信号パッドに電気的に接続された第2の信号パッドを有する。
【発明の効果】
【0019】
本願において開示されるもののうち、上記課題を解決するための手段で示された一実施例について得られる効果を簡単に説明すれば、以下の通りである。
【0020】
すなわち、上記チップの積層構造にすることで、第1の信号パッドと第2の信号パッドの間で信号の送受信が行われることにより発生するノイズが、内部電源電圧へ与える影響を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における半導体装置の機能ブロック図である。
【0023】
図1に示すように、第1の半導体チップchip1の上には、第2の半導体チップchip2が積層されており、これらの2つのチップは、1つのパッケージPKGに収められている。
【0024】
例えば、第1の半導体チップchip1は、アナログ回路を有し、電源制御等を行うアナログチップであり、第2の半導体チップchip2は、そのアナログチップを制御し、情報を処理するためのマイクロコンピュータチップである。
【0025】
第1の半導体チップchip1は、外部電源電圧extVccを降圧した内部電源電圧intVccを出力するレギュレータ回路Regを1つ、もしくは複数有する。
【0026】
さらに、第1の半導体チップchip1は、パッケージPKGの外部と信号端子sig1を介して信号の送受信を行い、情報を処理するための内部回路circ1を1つ、もしくは複数有する。
【0027】
レギュレータ回路Regおよび内部回路circ1は、外部電源電圧extVccが供給される端子と電気的に接続されている。
【0028】
第2の半導体チップchip2は、パッケージPKGの外部と信号端子sig2を介して信号の送受信を行い、情報を処理するための内部回路circ2を1つ、もしくは複数有する。
【0029】
内部回路circ2は、レギュレータ回路Regと電気的に接続されている。
【0030】
内部回路circ1は、内部回路circ2と信号の送受信を行うための信号端子sig3を有する。
【0031】
内部回路circ2は、内部回路circ1と信号の送受信を行うための信号端子sig4を有する。
【0032】
信号端子sig3と信号端子sig4とは、金属線wireを介して電気的に接続されている。
【0033】
このとき、第1の半導体チップは、高い電源電圧で動作するものであり、例えば4〜25Vで動作可能である。第2の半導体チップは、第1の半導体チップよりも低い電源電圧で動作するものであり、例えば1.4〜3.6Vで動作可能である。
【0034】
つまり、半導体製品のカタログ等に示される最大電圧値で比較した時に、第1の半導体チップの方が、第2の半導体チップよりも最大電圧値が高い半導体チップである。
【0035】
レギュレータ回路Reg、内部回路circ1および内部回路circ2は、接地電圧(グランド)GNDが与えられる端子と電気的に接続されている。
【0036】
図2は、本発明の実施の形態1における半導体装置のパッケージ構造の平面図である。
【0037】
図3は、本発明の実施の形態1における半導体装置のパッケージ構造の断面図である。
【0038】
図3(a)は、図2のA−A´における断面図である。図3(b)は、図2のB−B´における断面図である。
【0039】
図2および図3に示すように、実施の形態1の半導体装置のパッケージは、ここではQFP(Quad Flat Package)を用いている。
【0040】
図2および図3に示すように、パッケージには、半導体チップを搭載するためのタブtabがある。タブtabは、図示されていない吊りリードにより4隅を保持されている。タブtabの上には、第1の半導体チップchip1が搭載されている。
【0041】
第1の半導体チップchip1および後述する第2の半導体チップchip2は、半導体ウエハ製造プロセス技術を用いてトランジスタ等が形成された回路層がある面が主面である。またその主面と対向する面、つまり反対の面が裏面となる。
【0042】
図3に示すように、第1の半導体チップchip1の裏面は、例えばタブtabの表面と熱硬化性のエポキシ系の接着フィルムfilm1などで固定されている。タブtabは、QFPを構成する材料の1つで、金属性(導電性)の材料からなるリードフレームの製造段階で、吊りリード、リード端子Lead等と共に一体成形される。言い換えると、タブtabは、半導体チップを搭載するためのリードフレームの一部分である。
【0043】
第1の半導体チップchip1の主面上に、第2の半導体チップchip2は、その主面が、第1の半導体チップchip1の主面と同一方向を向くように積層されている。
【0044】
第1の半導体チップchip1の主面と第2の半導体チップchip2の裏面も接着フィルムfilm2などで固定されている。
【0045】
例えば、第1の半導体チップchip1、および第2の半導体チップchip2のチップ厚は、それぞれ150μm程度である。また、接着フィルムfilm1、および接着フィルムfilm2の接着厚は、それぞれ25μm程度である。
【0046】
図2に示すように、第1の半導体チップchip1および第2の半導体チップchip2は四角形であり、ここでは長方形である。
【0047】
さらに、第2の半導体チップchip2の外形は、第1の半導体チップchip1の外形よりも小さい。そのため、第2の半導体チップchip2の4辺は、第1の半導体チップchip1の4辺に囲まれている。
【0048】
また、第2の半導体チップchip2の各辺は、第1の半導体チップchip1の各辺と並ぶように積層されている。
【0049】
図2に示すように、第1の半導体チップchip1の主面には、内蔵されたレギュレータ回路Regおよび内部回路circ1と接続された複数のパッドBP1が、チップの各辺に沿うように配置されている。これら複数のパッドBP1は、第1の半導体チップchip1の各辺と第2の半導体チップchip2の各辺とに挟まれるように配置されているともいえる。
【0050】
また、同様に第2の半導体チップchip2の主面には、内部回路circ2と接続された複数のパッドBP2が、チップの各辺に沿うように配置されている。
【0051】
なお、図2に示す第1の半導体チップchip1の複数のパッドBP1と、第2の半導体チップchip2の複数のパッドBP2の数は、説明する上において適当な数で図示しており、実際の数は多くても少なくてもよい。
【0052】
図2および図3に示すように、複数のパッドBP1およびBP2は、それぞれ対応した複数のリード(外部)端子Leadに金属線wireにより接続されている。この金属線wireは、例えば金線、アルミ(Al)線および銅(Cu)線などである。この金属線wireは、超音波と熱を併用したワイヤボンディング法などにより結線される。
【0053】
パッケージPKGに収容されている第1の半導体チップchip1および第2の半導体チップchip2は、金属線wireにより接続されたリード端子Leadを介してパッケージの外部から電源電圧、接地電圧(グランド)を与えられ、さらに信号類の送受信(図1に示した信号端子sig1,sig2に該当)を行う。
【0054】
図2および図3に示すように、第1の半導体チップchip1および第2の半導体chip2は、熱硬化性エポキシ系樹脂などの材料で構成され、トランスファモールド法などにより形成された封止体moldで覆われている。封止体moldの厚みは、例えば1.4mm程度である。
【0055】
封止体moldは、外部からの電気的な衝撃や機械的な衝撃から半導体チップを保護する役割を持っている。
【0056】
リード端子Leadの一部は、封止体moldの4辺より露出している。
【0057】
なお、図2に示すパッケージのリード端子Leadの数は、説明する上において適当な数で図示しており、実際の数は多くても少なくてもよい。
【0058】
このように、2つの半導体チップを積層し、1つのパッケージに収めることで、従来の回路基板に2パッケージを並べて実装するよりも、実装面積を小さくすることができる。
【0059】
図4は、本発明の実施の形態1における半導体装置のレギュレータ回路Regおよび周辺部の詳細を示す図である。
【0060】
図4に示すように、レギュレータ回路Regは、比較部Ref、降圧スイッチ部SWおよび分圧部Sepにより構成される。
【0061】
図5は、本発明の実施の形態1における半導体装置の比較部Refの等価回路の詳細を示す図である。
【0062】
図5に示すように、ここでは、比較部Refは、PMOSトランジスタPtr1,Ptr2、NMOSトランジスタNtr1,Ntr2および定電流源CSにより構成されるカレントミラー型増幅回路である。
【0063】
図4および図5に示すように、降圧スイッチ部SWは、PMOSトランジスタPtr3により構成される。
【0064】
図4および図5に示すように、分圧部Sepは、抵抗R1および抵抗R2により構成される。なお、抵抗R1および抵抗R2は、半導体チップにポリシリコン等を用いて形成された抵抗である。
【0065】
レギュレータ回路Regを構成するトランジスタや抵抗等は、図4および図5に示すように、それぞれが金属配線metalで接続される。金属配線metalは、半導体ウエハプロセス技術等を用いてアルミ(Al)や銅(Cu)等で形成される配線である。
【0066】
図4に示すように、第1の半導体チップchip1の主面に配置されたパッドVは、内部回路circ1およびレギュレータ回路Regと、金属配線metalVにより接続され、外部電源電圧extVccが入力される外部電源入力パッドである。
【0067】
パッドVは、外部電源電圧extVccが入力されるリード端子Vccと金属線wireVにより接続される。
【0068】
図4に示すように、第1の半導体チップchip1の主面に配置されたパッドAは、レギュレータ回路Regの降圧スイッチ部SWのドレイン電極と金属配線metalAにより接続され、内部電源電圧intVccが出力される内部電源出力パッドである。
【0069】
図4に示すように、第1の半導体チップchip1の主面に配置されたパッドBは、レギュレータ回路Regの分圧部Sepと金属配線metalBにより接続され、レギュレータ回路Reg内で後述する参照電圧Vrefと比較するための入力電圧Vbackを入力するモニタパッドである。
【0070】
分圧部Sepと、比較する2つの電圧を入力するための比較部Refが備える入力部INとは、金属配線metalで接続されている。
【0071】
図4に示すように、第2の半導体チップchip2の主面に配置されたパッドCは、内部回路circ2と金属配線metalCにより接続され、内部電源電圧intVccが入力される内部電源入力パッドである。
【0072】
パッドA,BおよびCは、内部電源電圧intVccを出力するリード端子VREG1とそれぞれ金属線wireA,BおよびCにより接続される。
【0073】
図4に示すように、リード端子VREG1とグランドGNDとの間には、内部電源電圧intVccの位相補償および電圧安定化のためのレギュレータ容量であるコンデンサCapが接続される。レギュレータ容量のコンデンサは、一般的にμFクラスの大きな容量が設けられることが多い。そのため、電解コンデンサ等を用いるとよい。コンデンサCapは、パッケージPKGの外側、つまりパッケージPKGと共に回路基板上に実装される。
【0074】
図4に示すように、第1の半導体チップchip1の主面に配置された、1つもしくは複数のパッドHは、内部回路circ1と金属配線metalHにより接続され、内部回路circ2と信号の送受信を行うパッドである。なお、パッドHは、図1の信号端子sig3に該当する。
【0075】
図4に示すように、第2の半導体チップchip2の主面に配置された、1つもしくは複数のパッドJは、内部回路circ2と金属配線metalJにより接続され、内部回路circ1と信号の送受信を行うパッドである。なお、パッドJは、図1の信号端子sig4に該当する。
【0076】
パッドHとパッドJとは、金属線wireHJにより接続される。
【0077】
図4に示すように、第1の半導体チップchip1および第2の半導体チップchip2の主面に配置された、1つもしくは複数のパッドGは、レギュレータ回路Reg、内部回路circ1および内部回路circ2に金属配線metalGにより接続され、接地電圧(グランド)GNDが与えられるグランドパッドである。
【0078】
複数のパッドGは、接地電圧(グランド)GNDが与えられる1つもしくは複数のリード端子Vssと金属線wireGにより接続される。
【0079】
次に図4に示す回路の動作について説明する。
【0080】
レギュレータ回路Regは、外部電源電圧extVccを降圧した内部電源電圧intVccを発生する。
【0081】
内部電源電圧intVccは、パッドAから出力され、リード端子VREG1を介し、第2の半導体チップchip2のパッドCから入力される。
【0082】
パッドCより入力された内部電源電圧intVccは、第2の半導体チップchip2の内部回路circ2に入る。これにより内部回路circ2、つまり第2の半導体チップchip2は、動作可能な状態となる。
【0083】
レギュレータ回路Regの比較部Refには、周囲の温度変化に対して、電圧値変化が小さいバンドギャップ回路で生成された参照電圧Vrefが入力される。
【0084】
図6は本発明の実施の形態1における半導体装置のバンドギャップ回路の一例を示す図である。
【0085】
一般的に、通常の回路において、電圧の電圧値ばらつきは、狙いの電圧値に対し±3%程度である。これを、バンドギャップ回路を用いて電圧を生成することで、温度変動に対する電圧値ばらつきは、例えば0〜60℃の範囲で狙いの電圧値に対し±0.5%程度に抑えることができる。
【0086】
図4に示すように、リード端子VREG1より帰還する内部電源電圧intVcc、つまりパッドBから入力されて分圧部Sepに入る入力電圧Vbackは、抵抗R1および抵抗R2により、参照電圧Vrefの電圧値と等しくなるように分圧されたモニタ電圧Vmonとなる。
【0087】
レギュレータ回路Regの比較部Refは、入力部INに入力された参照電圧Vrefとモニタ電圧Vmonとが等しくなるように、PMOSトランジスタPtr3のゲートに与える電圧を調整することで、内部電源電圧intVccの大きさ調整する。
【0088】
以上、2つの半導体チップが積層され、同一パッケージに収められた半導体装置において、一方のチップから他方のチップへ電源電圧を供給し、2つの半導体チップ間で信号の送受信を行う構成について説明してきた。多くの特徴の中で例を示せば以下の通りである。なお、以下に限定されるものではない。
【0089】
1つの例は、第1の半導体チップchip1の内部電源出力パッド(パッドA)、モニタパッド(パッドB)および積層された第2の半導体チップchip2の内部電源入力パッド(パッドC)の配置関係に関するものである。
【0090】
もう1つの例は、第1の半導体チップchip1と第2の半導体チップchip2の信号を送受信するパッドの接続方法およびその配置に関するものである。
【0091】
これらの特徴について、比較例を用いて以下に詳細を説明する。
【0092】
図7は、図2に示す本発明の実施の形態1における半導体装置のパッケージ構造の平面図に対する比較例の詳細を示す図である。
【0093】
図7に示すようにパッドAとパッドBは、第1の半導体チップchip1の主面上に、4辺のうちの1辺、ここでは一方の長辺に沿って配置されている。
【0094】
次にパッドCは、第2の半導体チップchip2の主面上に、パッドAとパッドBが配置されている辺とは反対にある第2の半導体チップchip2の長辺に沿って配置されている。
【0095】
パッドAおよびBは、複数のリード端子Leadのうち、リード端子VREG1とそれぞれ金属線wireAおよび金属線wireBにより共通に接続されている。
【0096】
また、リード端子VREG1とリード端子VDDとは、銅(Cu)などをエッチングすることにより形成された回路基板上の配線wireSubにより接続され、さらにリード端子VDDは、パッドCと金属線wireCにより接続されている。
【0097】
これに対し、図2に示す本発明の実施の形態1における半導体装置のパッドCは、第2の半導体チップchip2の主面上に、パッドAとパッドBが配置されている辺と並んだ第2の半導体チップchip2の辺に沿って配置されている。
【0098】
さらに、パッドA,BおよびCは、リード端子VREG1とそれぞれ金属線wireA,BおよびCにより共通に接続されている。
【0099】
パッドA,BおよびCは、リード端子VREG1を介してそれぞれ金属線wireA,BおよびCにより電気的に接続されているともいえる。
【0100】
このように、2つのチップの各辺が並ぶようにチップを積層し、パッドA,BおよびCをそれぞれ2つのチップの並んだ辺に沿って配置し、それらのパッドを金属線wireによりリード端子VREG1で共通に接続することにより、回路基板上の配線wireSubで接続するよりも配線の長さを短くすることができる。配線の長さが短くなることにより、配線抵抗が小さくなるので、内部電源電圧intVccの電圧降下を少なくすることができる。
【0101】
また図2では、図7に示すリード端子VDDが不要になることにより、パッケージPKGのピン数についても削減することができる。
【0102】
図8は、図2および図7の等価回路の詳細を示す図である。
【0103】
図8(a)は、図7の等価回路の詳細を示す図である。図8(b)は、図2の等価回路の詳細を示す図である。
【0104】
図8(a)に示すように、パッドAとリード端子VREG1とを接続する金属線wireAには配線抵抗RwireAを有する。パッドBとリード端子VREG1とを接続する金属線wireBには配線抵抗RwireBを有する。リード端子VREG1には導体抵抗Rvreg1を有する。リード端子VREG1とリード端子VDDとを接続する回路基板上の配線wireSubには配線抵抗RwireSubを有する。リード端子VDDには導体抵抗Rvddを有する。パッドCとリード端子VDDとを接続する金属線wireCには、配線抵抗RwireCを有する。
【0105】
つまり、図7に示す比較例のパッドAとパッドCの間の合計抵抗Rは、R=RwireA+Rvreg1+RwireSub+Rvdd+RwireCで表すことが出来る。
【0106】
これに対し、図8(b)に示すように、図2の本発明の実施の形態1における半導体装置のパッドAとパッドCの間の合計抵抗Rは、R=RwireA+Rvreg1+RwireCで表すことが出来る。
【0107】
図2の本発明の実施の形態1における半導体装置のパッドAは、パッドCとリード端子VREG1を介して接続している。そのため、図2の本発明の実施の形態1における半導体装置の方が、図7の比較例よりも、路基板上の配線wireSubとリード端子VDDとの接続が無いので、配線の長さが短くなっている。つまり、図2の本発明の実施の形態1における半導体装置の方が、図7の比較例よりも回路基板上の配線wireSubの配線抵抗RwireSubとリード端子VDDの導体抵抗Rvdd分の抵抗を小さくすることができる。抵抗を小さくすることで、内部電源電圧intVccの電圧降下を少なくすることができる。
【0108】
また、金属線wireBに比べて多くの電流が流れる金属線wireAの金属線長さは
金属線wireBの金属線長さよりも短い方がよい。
【0109】
そうすることで、金属線wireAの配線抵抗RwireAが小さくなり、内部電源電圧intVccの電圧降下を少なくすることができる。
【0110】
次の特徴について説明する。
【0111】
図7の比較例に示すように、第1の半導体チップchip1の主面には、パッドA,Bが配置された辺に沿って1つもしくは複数のパッドHが配置されている。
【0112】
図4に示すように、パッドHは、第1の半導体チップchip1の内部回路circ1と金属配線metalHにより接続されている。
【0113】
次に図7の比較例に示すように、第2の半導体チップchip2の主面には、パッドCが沿って配置された辺に沿って1つもしくは複数のパッドJが配置されている。
【0114】
図4に示すようにパッドJは、第2の半導体チップchip2の内部回路circ2と金属配線metalJにより接続されている。
【0115】
パッドHとパッドJは、それぞれ金属線wireHと金属線wireJにより、それぞれ対応したリード端子Leadを介して接続されている。
【0116】
これにより、第1の半導体チップchip1の内部回路circ1と、第2の半導体チップchip2の内部回路circ2とは、信号の送受信を行うことができる。
【0117】
図7の比較例に対し、図2に示す本発明の実施の形態1における半導体装置では、パッドHは、第1の半導体チップchip1の主面上に、パッドA,Bが配置された辺とは異なる辺に沿って配置されている。ここでは、パッドHは、パッドA,Bが配置された辺と交差する辺に沿って配置されている。
【0118】
さらに、パッドJも第2の半導体チップchip2の主面上に、パッドCが配置された辺とは異なる辺に沿って配置されており、このパッドJが配置された辺と前述のパッドHが配置された辺は並んだ辺となっている。
【0119】
さらに、パッドHとパッドJは、金属線wireHJにより、チップ間接続されている。このチップ間接続は、ワイヤボンディング法等により形成される。金属線wireHJの金属線長さは金属線wireAよりも短くするとよい。そうすることで、信号の劣化および遅延を少なくすることができる。
【0120】
なお、金属線wireAは、金属線wireBよりも多くの電流が流れるので、金属線wireAの金属線長さは、金属線wireBの金属線長さより短い方がよい。以上のことから、各金属線長さの関係は、金属線wireHJ<金属線wireA<金属線wireBとなる。
【0121】
図2に示すように、パッドHとパッドJとをチップ間接続することにより、図7の比較例に示すようにリードを介して接続するよりも配線の長さを短くすることができる。配線の長さが短くなることで、図7に示すようなリード端子Leadを介して接続するよりも、内部回路circ1と内部回路circ2との間で送受信される信号の劣化および遅延を少なくすることができる。
【0122】
また、パッドHとパッドJとがチップ間接続されることで、接続に用いていたリード端子Leadが不要となるため、パッケージPKGのピン数を削減することができる。更に、パッケージPKG外部からのノイズが、信号線に与える影響を最小限に抑えることができる。
【0123】
図2に示す本発明の実施の形態1における半導体装置では、パッドHとパッドJとを含む信号領域SigAreaと、パッドA、パッドB、パッドCおよびリード端子VREG1とを含む電源領域PowAreaは、互いに異なる辺に配置されている。その理由について説明する。
【0124】
図9は、信号領域SigAreaと電源領域PowAreaが、同一の辺に並んだ場合の詳細を示す図である。
【0125】
図9に示すように、信号領域SigAreaと電源領域PowAreaとが並んで配置されている場合、内部回路circ1と内部回路circ2とが、金属線wireHJを介して信号の送受信を行ったときに、信号領域SigAreaと電源領域PowAreaでループ形成されている金属線wire同士がアンテナとなり、信号領域SigAreaから電源領域PowAreaにノイズを与える場合がある。このようなノイズは、数100MHzを超えるような信号から発生する高周波ノイズである場合が多い。特に電源領域PowAreaには、金属線が3本あるのでノイズの影響を受け易い。
【0126】
そのため、図2に示すように信号領域SigAreaと電源領域PowAreaとを、並んで配置させるのではなく、互いに異なる辺(ここでは直角方向)に配置することで、電源領域PowAreaが信号領域SigAreaから受けるノイズの影響を少なくすることができる。
【0127】
図10は、電源領域PowAreaが配置された辺に対して、信号領域SigAreaが、異なる辺に配置された例の詳細を示す図である。
【0128】
図10(a)は、電源領域PowAreaが配置された辺と交差する辺に、信号領域SigAreaが配置された例の詳細を示す図である。図10(b)は、電源領域PowAreaが配置された辺と対向する辺に、信号領域SigAreaが配置された例の詳細を示す図である。
【0129】
図10(a)は、図2の場合と同じように、電源領域PowAreaが配置された辺と交差する辺に信号領域SigAreaが配置されている。さらに、この信号領域SigAreaは、電源領域PowAreaが配置された辺よりも、電源領域PowAreaが配置されていない対向する辺に近くなるように配置されている。
【0130】
図10(b)は、電源領域PowAreaが配置された辺と対向する辺に信号領域SigAreaが配置されている。別の表現をすると、電源領域PowAreaと信号領域SigAreaは、第2の半導体チップchip2を挟むように配置されているともいえる。
【0131】
このように、図10(a)(b)いずれも、信号領域SigAreaが電源領域PowAreaが配置された辺とは異なる辺に配置されている。これにより、電源領域PowAreaと信号領域SigAreaとが並ぶことが無くなるので、電源領域PowAreaが、信号領域SigAreaから受けるノイズを少なくすることができる。これら信号領域SigAreaの配置方法は、パッケージ内の限られた空間の中でのノイズ低減に有効である。
【0132】
図11は、電源領域PowAreaが配置された辺に対して、信号領域SigAreaが、異なる辺に配置された図10とは別の例の詳細を示す図である。
【0133】
図11の図10との違いは、パッドCが、パッドA,Bが配置された辺と並んだ辺ではなく、パッドA,Bが配置された辺と交差する辺に沿って配置されていることである。このように、電源領域PowAreaを、2辺にまたがるように配置してもよい。
【0134】
これに対し、信号領域SigAreaは、電源領域PowAreaが配置されていない対角側の2辺を使って配置されている。別の表現をすると、電源領域PowAreaと信号領域SigAreaは、第2の半導体チップchip2を挟むように対角方向に配置されているともいえる。
【0135】
図11に示すように配置しても、図10の場合と同様に電源領域PowAreaは、信号領域SigAreaと並ぶことが無くなるので、信号領域SigAreaから受けるノイズを少なくすることができる。
【0136】
なお、図10と図11におけるパッドA,BおよびCの配置、パッドHおよびパッドJの配置について纏めると、以下のように表現することもできる。
【0137】
第1の半導体チップchip1は4つの角を有し、その4つの角のうちの1つを角corner1とした時に、パッドAおよびパッドBは、4つの角の中で角corner1の近くになるように配置されている。
【0138】
次に第2の半導体チップchip2も4つの角を有し、その4つの角のうちの1つを角corner2とした時に、第2の半導体チップchip2は、第1の半導体チップchip1の主面上に、角corner2が第1の半導体チップの他の角よりも角corner1に近くなるように積層されている。さらにパッドCは、4つの角の中で角corner2の近くになるように配置されている。
【0139】
次にパッドHは第1の角を構成する辺とは異なる辺に配置されており、パッドJはパッドHが配置された辺と並ぶ辺に配置されている。
【0140】
なお、図10および図11に示すリード端子VREG1の両隣の端子は、信号やクロックを割り当てるよりも、ノンコネクトNCもしくは接地電圧(グランド)GNDを割り当てる方がよい。そうすることで、内部電源電圧intVccに与えるノイズを少なくすることができる。
【0141】
次に、信号領域SigAreaにおける内部回路間の信号の送受信が、電源領域PowArea内のレギュレータ回路Regの動作に与える影響、およびその影響の低減方法について説明する。
【0142】
図12は、レギュレータ回路Reg、内部回路circ1−1および内部回路circ1−2が、金属配線metalVと金属配線metalGとにそれぞれ接続されている詳細を示す図である。内部回路circ1−1および内部回路circ1−2は、図1に示す内部回路circ1が複数設けられていることを意味する。
【0143】
図12(a)は、レギュレータ回路Reg、内部回路circ1−1および内部回路circ1−2が、それぞれパッドGに共通に接続されていることを示す図である。図12(b)は、レギュレータ回路Regが接続されているパッドGと、内部回路circ1−1および内部回路circ1−2が接続されているパッドGとが分けて設けられていることを示す図である。
【0144】
図12(a)に示すように、レギュレータ回路Reg、内部回路circ1−1および内部回路circ1−2は、パッケージPKGの外部より外部電源電圧extVccを供給されるパッドVと金属配線metalVにより接続されている。
【0145】
さらに、レギュレータ回路Reg、内部回路circ1−1および内部回路circ1−2は、パッケージPKGの外部より接地電圧(グランド)GNDが与えられるパッドGと金属配線metalGにより接続されている。
【0146】
内部回路circ1−1および内部回路circ1−2が、内部回路circ2と信号の送受信を行うと、金属配線metalGに各回路から電流iが流れる。金属配線metalGは、配線抵抗Rを有しており、ここに2回路から電流が流れるため、2iR(=V)の電圧が発生する。
【0147】
このとき、発生した2iR(=V)によってグランドGNDの電位が浮き上がる(グランドシフトが発生する)場合がある。そして、同じパッドGに接続されているレギュレータ回路RegのグランドGNDも電位が浮き上がることにより、動作が不安定になる場合がある。
【0148】
このようなレギュレータ回路Regの不安定動作を避けるためには、図12(b)に示すように、レギュレータ回路Regが接続されるパッドGと、内部回路circ1−1および内部回路circ1−2が接続されるパッドGとを分けて設けるとよい。
【0149】
つまり、電源領域PowAreaのパッドGと、信号領域SigAreaのパッドGは、分けて設けるとよい。
【0150】
パッドGを分けて設けることにより、図12(b)に示すように内部回路circ1−1および内部回路circ1−2が、内部回路circ2と信号の送受信を行っても、レギュレータ回路RegのグランドGNDに電流が流れ込まず、グランドGNDの電位の浮き上がりもなくなるので、レギュレータ回路Regの動作が不安定になることを少なくすることができる。
【0151】
以上、実施の形態1における半導体装置において、いくつかの特徴について説明してきた。
【0152】
主なものの1つの例として、2つのチップを積層して、パッドA,BおよびCをそれぞれのチップの並んだ辺に配置し、それらのパッドをそれぞれ金属線wireA,BおよびCで共通に接続することである。
【0153】
これにより、回路基板上の配線で接続するよりも、配線の長さを短くすることができ、内部電源電圧intVccが、配線抵抗による電圧降下の影響を受けにくくなる。
【0154】
もう1つの例は、パッドA,BおよびCが配置された辺とは異なる辺に沿ってパッドHおよびパッドJを配置し、さらに金属線wireHJによりチップ間ボンディング接続することである。
【0155】
これにより、リード端子Leadを介して接続するよりも配線の長さが短くなるので、信号の劣化を少なくすることができる。また、電源領域PowAreaと信号領域SigAreaとが異なる辺に配置されることで並ぶことが無くなるので、電源領域PowAreaが、信号領域SigAreaからノイズを受けにくくすることができる。
【0156】
なお、実施の形態1では、複数の特徴について説明したが、全てを備える必要はなく、これらの中の1つの特徴を有するものであってもよく、複数を組み合わせたものであってもよい。このことは、後に説明する実施の形態においても同様である。
【0157】
(実施の形態2)
図13は、本発明の実施の形態2における半導体装置のリード端子VREG1と金属線wireA,BおよびCとの接続部の拡大図である。
【0158】
図13(a)は、金属線とリード端子との接点pointCが、接点pointBよりも接点pointAに近い位置にある状態を示す図である。図13(b)は、金属線とリード端子との接点pointCが、接点pointAと接点pointBの間の位置にある状態を示す図である。
【0159】
図13(a)に示すように、内部電源出力パッドであるパッドAと、リード端子VREG1とは、金属線wireAにより接続される。この金属線wireAと、リード端子VREG1との接続部を接点pointAとする。
【0160】
モニタパッドであるパッドBと、リード端子VREG1とは、金属線wireBにより接続される。この金属線wireBと、リード端子VREG1との接続部を接点pointBとする。
【0161】
内部電源入力パッドであるパッドCと、リード端子VREG1とは、金属線wireCにより接続される。この金属線wireCと、リード端子VREG1との接続部を接点pointCとする。
【0162】
パッドAより出力され、金属線wireAおよび接点pointAを通ってリード端子VREG1に入力された内部電源電圧intVccは、接点pointCより入力され金属線wireCを通ってパッドCに入る。
【0163】
このとき、接点pointBは、接点pointCよりも接点pointAに近いため、接点pointA付近から入力電圧Vbackを取り出すことになる。
【0164】
図13(a)に対し、図13(b)は、接点pointCが、接点pointAと接点pointBとの間に設けられている状態が示されている。
【0165】
接点pointAと接点pointBの間に接点pointCを設けることで、接点pointBは、接点pointC付近から入力電圧Vbackを取り出すことができる。
【0166】
このように接点pointA付近ではなく、接点pointC付近から入力電圧Vbackを取り出すことで、よりパッドCに近い位置で取り出すことができる。内部電源電圧intVccは、パッドCに入力されるまでの配線経路で、配線抵抗等の影響により、徐々に電圧降下が生じてしまう。そのため、パッドCに近い位置で入力電圧Vbackを取り出すことは、精度の高い電圧を得るという点で有効である。
【0167】
さらに、精度を向上させるためには、接点pointCを接点pointBに近づけるとよい。つまり、接点pointBから接点pointCまでの距離Lbcを、接点pointAから接点pointCまでの距離Lacよりも短くするとよい。前述と同様の理由で精度の高い電圧を得ることができる。
【0168】
(実施の形態3)
図14は、本発明の実施の形態3における半導体装置の降圧スイッチ部SWのPMOSトランジスタPtr3および周辺部の断面の詳細を示す図である。
【0169】
図14に示すように、外部電源電圧extVccが入力されるパッドVは、金属配線metalVによりPMOSトランジスタPtr3のソース電極のコンタクト部ifSと接続されている。
【0170】
さらに、内部電源電圧intVccが出力されるパッドAは、金属配線metalAによりPMOSトランジスタPtr3のドレイン電極のコンタクト部ifDと接続されている。
【0171】
例えば、4〜25Vの電圧値を有する外部電源電圧extVccを、レギュレータ回路Regで、1.4〜3.6Vの電圧値を有する内部電源電圧intVccにまで降圧するような場合、図4に示す金属配線metalVの配線抵抗による電圧降下は、半導体装置の安定動作といった面において、それ程考慮しなくてもよい場合が多い。
【0172】
但し、1.4〜3.6Vと電圧値が小さい内部電源電圧intVccにおいて、図4に示す金属配線metalVの配線抵抗による電圧降下は、内部回路circ2の不安定動作を招き、問題になる場合がある。
【0173】
このような理由から、図14に示すパッドAからドレイン電極のコンタクト部ifDまでの長さLaは、パッドVからソース電極のコンタクト部ifSまでの長さLvよりも短くする方がよい。
【0174】
短くすることで、内部電源電圧intVccの配線抵抗による影響を少なくすることができる。
【0175】
さらに、金属配線metalAの配線幅を、金属配線(ゲート配線)metalの幅よりも広くするとよい。
【0176】
配線幅を広くすることで、配線抵抗を少なくすることができる。
【0177】
図15は、本発明の実施の形態3における半導体装置の降圧スイッチ部SWのPMOSトランジスタPtr3および周辺部のレイアウトの詳細を示す図である。
【0178】
前述したパッドAからドレイン電極のコンタクト部ifDまでの長さLaと、パッドVからソース電極のコンタクト部ifSまでの長さLvを比較するのが困難な場合は、定性的に大きく変わらない理由から、コンタクト部とパッドとの直線距離の比較で代用してもよい場合がある。
【0179】
つまり、図15に示すパッドAからドレイン電極のコンタクト部ifDまでの直線距離Ldaが、パッドVからソース電極のコンタクト部ifSまでの直線距離Lsvよりも短くなるようにそれぞれを配置するとよい。
【0180】
また、直線距離Ldaが直線距離Lsvよりも短くなるようにするためには、レギュレータ回路Regを、パッドAおよびパッドCが配置されていない辺よりも、配置されている辺に近くなるように配置するとよい。
【0181】
(実施の形態4)
図16は、本発明の実施の形態4における半導体装置のパッドCと複数の内部回路circ2が接続されていることを示す図である。
【0182】
図16(a)は、パッドCに内部回路circ2−1と内部回路circ2−2とが接続されており、パッドCと内部回路circ2−2との間にパッドXが接続されていることを示す図である。図16(b)は、パッドCに内部回路circ2−1、内部回路circ2−2、内部回路circ2−3、および内部回路circ2−4が共通に接続されていることを示す図である。内部回路circ2−1、内部回路circ2−2、内部回路circ2−3、および内部回路circ2−4は、図1に示す内部回路circ2が複数設けられていることを意味する。
【0183】
図16(a)に示すように、内部回路circ2−2は、内部回路circ2−1と比較したときに、例えばCPU等といった他の回路よりも多くの電流が流れる回路である。このような多くの電流が流れる内部回路circ2−2に入力される電圧を精度良く把握するには、パッドCと内部回路circ2−2とを接続する金属配線metalCに、パッドXを金属配線metalXで接続するとよい。
【0184】
このようにパッドXを金属配線metalXで接続し、パッドXからレギュレータ回路Regに帰還させる入力電圧Vbackを取り出すことで、図4に示したリード端子VREG1で取り出すよりも、精度の高い電圧を取り出すことができる。
【0185】
なお、このとき、図4に示す第1の半導体チップchip1のパッドBは、リード端子VREG1に接続するのではなく、図16(a)に示すパッドXと金属線wireBを用いて接続するとよい。
【0186】
次に、内部回路circ2が複数有り、第2の半導体チップchip2の動作中、電源ONしたり、OFFしたりする回路が混在するような状態になる場合、それぞれの回路に、前述のパッドXを接続して個別にモニタすることは、多くのパッドが必要となり困難である。
【0187】
このような場合には、図16(b)に示すように、パッドCから金属配線metalCを分岐させ、内部回路circ2−1、内部回路circ2−2、内部回路circ2−3、および内部回路circ2−4のそれぞれへと接続するとよい。
【0188】
これにより、リード端子VREG1を介してパッドCの電圧をモニタしているパッドBは、ONしている回路とOFFしている回路が混在しても、内部回路circ2に入力される電圧全体で最低限モニタすることができる。
【0189】
(実施の形態5)
図17は、本発明の実施の形態5における半導体装置のリード端子VREG1と金属線wireA,BおよびCとの接続部の拡大図である。
【0190】
図17(a)は、パッドAおよびパッドCが、リード端子VREG1とそれぞれ複数の金属線wireAおよび金属線wireCによりが接続されている状態を示す図である。図17(b)は、複数のパッドAおよびパッドCが、リード端子VREG1とそれぞれ複数の金属線wireAおよび金属線wireCにより接続されている状態を示す図である。
【0191】
図17(a)に示すように、パッドAおよびパッドCのパッド面積を複数の金属線を接続できる程度に広げて配置し、パッドAとリード端子VREG1とを接続する金属線wireAおよびパッドCとリード端子VREG1と接続する金属線wireCを複数本化するとよい。
【0192】
金属線wireAと金属線wireCを複数本化することにより、2つのパッド(パッドA、パッドC)とリード端子VREG1間の配線抵抗を下げ、内部電源電圧intVccの電圧降下を少なくすることができる。
【0193】
また、図17(b)に示すように、パッドAおよびパッドCを複数パッド化することで、金属線wireAおよび金属線wireCを複数本化してもよい。
【0194】
この場合についても、2つのパッド(パッドA、パッドC)とリード端子VREG1間の配線抵抗を下げ、内部電源電圧intVccの電圧降下を少なくすることができる。
【0195】
(実施の形態6)
図18は、本発明の実施の形態6における半導体装置のレギュレータ回路および周辺部の詳細を示す図である。
【0196】
図18に示すように、本発明の実施の形態6における半導体装置の実施の形態1との主な違いは、金属線wireAがリード端子VREG1とは別のリード端子VREG0と接続されていることである。
【0197】
なお、リード端子VREG1と別のリード端子VREG0とは、パッケージPKGが実装される回路基板上の配線wireSubで接続される。
【0198】
リード端子の幅が狭い場合、使用するワイヤボンディング装置等の性能が低く、金属線wireA,BおよびCの3本をまとめてリード端子VREG1に接続できないような場合、リード端子に余裕があれば、図18に示すように2つのリード端子に分けて接続を行うとよい。
【0199】
それら2つのリード端子をパッケージPKGの外側で接続することにより、実施の形態1における半導体装置と同等の効果を得ることができる。
【0200】
(実施の形態7)
図19は、本発明の実施の形態7における半導体装置のレギュレータ回路および周辺部の詳細を示す図である。
【0201】
図19に示すように、本発明の実施の形態7における半導体装置の実施の形態1との主な違いは、金属線wireCが、リード端子VREG1ではなく、内部電源出力パッドであるパッドAと接続されていることである。
【0202】
金属線wireCをパッドAと接続することで、リード端子VREG1を介さない分、配線の長さが短くなる。そのため、実施の形態1における半導体装置よりも、電圧降下が少ない内部電源電圧intVccをパッドCに入力することができる。
【0203】
但し、パッドCとリード端子VREG1が接続されていないため、パッケージPKGの外側からリード端子VREG1を介してモニタできる電圧は、パッドCの電圧ではなく、パッドAの電圧となる。
【0204】
(実施の形態8)
図20は、本発明の実施の形態8における半導体装置のレギュレータ回路および周辺部の詳細を示す図である。
【0205】
図20に示すように、本発明の実施の形態8における半導体装置の実施の形態1との主な違いは、金属線wireBが、リード端子VREG1ではなく、内部電源入力パッドであるパッドCと接続されていることである。
【0206】
金属線wireBをパッドCと接続することにより、リード端子VREG1を介さないでパッドCから入力電圧Vbackを取り出すことができる。これにより、リード端子VREG1で生じていた電圧降下分がなくなるので、実施の形態1における半導体装置よりも、精度の高い入力電圧Vbackを取り出して、レギュレータ回路Regに帰還させることができる。
【0207】
(実施の形態9)
図21は、本発明の実施の形態9における半導体装置のレギュレータ回路および周辺部の詳細を示す図である。
【0208】
図21に示すように、本発明の実施の形態9における半導体装置の実施の形態8との主な違いは、金属線wireAが、リード端子VREG1ではなく、内部電源入力パッドであるパッドCと接続されていることである。
【0209】
金属線wireAをパッドCと接続することで、リード端子を介さない分、配線の長さが短くなる。そのため、実施の形態8における半導体装置よりも、精度の高い内部電源電圧intVccをパッドCに入力することができる。
【0210】
さらに、パッドBが金属線wireBを介してパッドCと接続されているので、実施の形態8における半導体装置よりも、入力される電圧の精度が向上している分、精度の高い入力電圧Vbackを取り出して、レギュレータ回路に帰還させることができる。
【0211】
以上、これまで実施の形態1,6,7,8および9の半導体装置について説明してきた。
これらは、モニタパッドであるパッドBの接続について、2つに大別できる。
【0212】
実施の形態1,6および7の半導体装置において、パッドBは、リード端子VREG1から入力電圧Vbackを取り出している。
【0213】
つまり、モニタパッドであるパッドBは、内部電源出力パッドであるパッドAと、内部電源入力パッドであるパッドCとの接続経路間で電気的に接続されているといえる。
【0214】
次に、実施の形態8および9の半導体装置において、パッドBは、パッドCから入力電圧Vbackを取り出している。
【0215】
つまり、モニタパッドであるパッドBは、内部電源入力パッドであるパッドCを経由して内部電源出力パッドであるパッドAと電気的に接続されているといえる。
【0216】
(実施の形態10)
図22は、本発明の実施の形態10における半導体装置のパッケージ構造の平面図である。
【0217】
図23は、本発明の実施の形態10における半導体装置のパッケージ構造の断面図である。
【0218】
図23(a)は、図22のA−A´における断面図である。図23(b)は、図22のB−B´における断面図である。
【0219】
図22および図23に示すように、本発明の実施の形態10における半導体装置の実施の形態1との主な違いは、第2の半導体チップchip2が、第1の半導体チップchip1の主面上に十字の平面形状となるように積層されていることである。また、第2の半導体チップchip2が重なっていない第1の半導体チップchip1の主面が露出した領域には、複数のパッドBP1が集めて配置されている。
【0220】
このように積層している理由について説明する。
【0221】
図24は、図22の平面図に対する比較例の詳細を示す図である。
【0222】
図24に示すように、ここでは、第1の半導体チップchip1と第2の半導体チップchip2の外形は、ほぼ同等である。このような場合、第2の半導体チップchip2を、第1の半導体チップchip1の主面上にそれぞれの長辺同士を並べるように積層すると、第1の半導体チップchip1の主面上に配置された複数のパッドBP1並びにパッドHは、第2の半導体チップchip2により隠れてしまう。
【0223】
2つのチップを積層したときに、上段チップが下段チップの主面を覆ってしまうような場合、図22に示すように、下段チップのパッドを配置するための領域を確保するように、上段チップの搭載方向を考慮して積層するとよい。
【0224】
下段チップのパッドを配置するための領域を確保することで、全体のパッド配置を容易に行うことができる。
【0225】
また、図22に示すように2つのチップを積層することで得られるいくつかのものがある。以下、それらの例について説明する。
【0226】
最初の例は、第1の半導体チップchip1の内部電源出力パッド(パッドA)、モニタパッド(パッドB)および第2の半導体チップchip2の内部電源入力パッド(パッドC)の配置関係に関するものである。
【0227】
図22に示すように、第1の半導体チップchip1は、第1長辺1L1、第2長辺1L2、第1短辺1S1、第2短辺1S2を有する。
【0228】
第2の半導体チップchip2は、第1長辺2L1、第2長辺2L2、第1短辺2S1、第2短辺2S2を有する。
【0229】
図22に示すように、パッドAとパッドBは、第1の半導体チップchip1と第2の半導体チップchip2とが重なっていない第1の半導体チップchip1の主面上の領域S1に配置されている。
【0230】
この領域S1は、第1の半導体チップchip1の第1短辺1S1と第2の半導体チップの第1長辺2L1とで挟まれる領域である。
【0231】
さらに、パッドAとパッドBは、領域S1上で第1長辺1L1に沿って配置されている。
【0232】
パッドCは第2の半導体チップchip2の主面上で、第1短辺2S1に沿って配置されている。
【0233】
第1の半導体チップchip1の第1長辺1L1と、第2の半導体チップchip2の第1短辺2S1は、並んだ辺である。したがって、それらの辺に沿って配置されたパッドA,BおよびCも同じ側に並んで配置されている。
【0234】
さらに、パッドA,BおよびCは、リード端子VREG1に、それぞれ金属線wireA,BおよびCにより共通に接続されている。
【0235】
別の表現をすると、パッドA,BおよびCは、リード端子VREG1を介してそれぞれ金属線wireA,BおよびCにより電気的に接続されているともいえる。
【0236】
図22に示すように、2つのチップを十字の平面形状となるように積層した場合においても、パッドA,BおよびCをそれぞれのチップの並んだ辺に沿って配置し、リード端子VREG1に、金属線wireA,BおよびCによりそれぞれ共通に接続することは可能である。これにより、実施の形態1の半導体装置と同様に、パッケージPKGが実装される回路基板上の配線で接続するよりも配線の長さを短くすることができる。
【0237】
次の例について説明する。
【0238】
図22に示すように、第1の半導体チップchip1の第2短辺1S2と、第2の半導体チップchip2の第2長辺2L2とで挟まれる第1の半導体チップchip1の主面には、領域S2が設けられている。
【0239】
この領域S2上には、1つもしくは複数のパッドHが配置されている。
【0240】
さらに、第2の半導体チップchip2の主面には、第2の半導体チップchip2の第2長辺2L2に沿って1つもしくは複数のパッドJが配置されている。
【0241】
パッドHとパッドJとは、実施の形態1の半導体装置と同様に金属線wireHJによりチップ間接続されている。
【0242】
これにより、実施の形態1の半導体装置と同様に、第1の半導体チップchip1の内部回路circ1と、パッドJと接続されている第2の半導体チップchip2の内部回路circ2とは、信号の送受信を行うことができる。
【0243】
さらに、本実施の形態10の半導体装置についても、実施の形態1の半導体装置と同様にパッドH,Jがチップ間接続されている信号領域SigAreaが配置されている辺は、パッドA、BおよびCがリード端子VREG1と共通に接続されている電源領域PowAreaが配置された辺とは異なる辺となっている。
【0244】
これにより、実施の形態1の半導体装置と同様に、金属線wireがアンテナとなって、信号領域SigAreaから電源領域PowAreaに与えるノイズを少なくすることができる。
【0245】
次の例について説明する。
【0246】
図22に示すように、第2の半導体チップchip2の主面には、その第2長辺2L2、第1短辺2S1および第2短辺2S2に沿って複数のパッドBP2が配置されている。但し、第1長辺2L1に沿って、パッドBP2は配置されていない。
【0247】
第2の半導体チップchip2の第1長辺2L1に沿ってパッドBP2が配置された場合の不具合事項について説明する。
【0248】
図25は、第2の半導体チップchip2の第1長辺2L1にパッドBP2が配置された場合の、パッドA,Bの周辺部分の拡大図である。
【0249】
図25に示すように、第2の半導体チップchip2の第1長辺2L1に沿って複数のパッドBP2が配置され、さらに金属線wireが接続されている。また、領域S1上には、パッドA、パッドBおよび複数のパッドBP1が配置されており、同様に金属線wireが接続されている。パッドBP2に接続された金属線wireは、パッドA、パッドBおよび複数のパッドBP1に接続された金属線wireの上を覆う格好となっている。
【0250】
このとき、パッドBP2に接続される金属線と、パッドA、パッドBおよび複数のパッドBP1に接続される金属線との距離(クリアランス)が十分でない場合、パッケージPKGの封止体moldを形成する成形金型への溶融レジン注入の際、その注入圧で金属線が倒れる現象であるワイヤ流れが発生し、金属線wire同士が短絡(ショート)することが多くなる。
【0251】
もう1つは、例えば内部電源電圧intVccが通る金属線wireAや、入力電圧Vbackが通る金属線wireBの上に、数100MHzを超えるような信号が送受信される金属線wireがあった場合、金属線wireをアンテナとしてノイズが伝わり、内部電源電圧intVccがノイズの影響を受ける場合がある。
【0252】
以上、これらの理由により第2の半導体チップchip2の第1長辺2L1に沿ってパッドBP2を配置していない。
【0253】
次の例について説明する。
【0254】
上段に積層される第2の半導体チップchip2の下にレギュレータ回路Regが配置されていた場合、レギュレータ回路Regの動作時に発生する熱が、第2の半導体チップchip2の動作へ影響を与える場合がある。
【0255】
図22に示す本発明の実施の形態10の半導体装置は、例えば最大25Vの外部電源電圧extVccを供給されて、1.5Vまで降圧した内部電源電圧intVccを生成するものとする。このとき、レギュレータ回路Regには、最大20mA程度の電流が流れるものとする。
【0256】
また、QFPの熱抵抗を、例えば51℃/Wとする。
【0257】
これによりレギュレータ回路Regは、動作しているときに、(25−1.5)(V)×0.020(A)×51(℃/W)=23.97(℃)、つまり最大で約24℃の温度上昇が起きることになる。
【0258】
周囲環境温度を例えば85℃とすると、レギュレータ回路Regは、24℃の温度上昇で109℃となる。
【0259】
半導体チップを構成する材料として、例えばシリコン(Si)がある。このシリコンの熱伝導率は、168W/(m・K)である。
【0260】
また、封止体moldを構成するエポキシ樹脂の熱伝導率は、0.21W/(m・K)である。
【0261】
シリコンは、エポキシ樹脂よりも熱伝導率が大きい。つまり、半導体チップは、封止体よりも熱を伝えやすいということになる。
【0262】
第2の半導体チップchip2は、第1の半導体チップchip1の上に接着フィルムfilm2を介して積層されている。
【0263】
接着フィルムfilm2は、一般的にエポキシ樹脂で構成されるが、フィルム厚が薄い(25μm程度)ため、熱の伝わりを阻害する要因としては、ここでは無視できるものと考える。
【0264】
レギュレータ回路Regが、第2の半導体チップchip2の下に配置されている場合、その熱(ここでは109℃)が、第2の半導体チップchip2へ伝わることになる。
【0265】
一般的に、半導体チップのジャンクション温度は150℃程度であり、その温度になるとジャンクションリークが増大し、チップの動作が不安定になることがある。実際には、120℃を超えるところから、リーク電流がμAオーダで急激に大きくなってくる場合もある。
【0266】
レギュレータ回路Regからの熱(ここでは109℃)が、第2の半導体チップchip2に伝わって、例えばその温度前後で飽和した場合、チップのジャンクション温度に対するマージンは少なくなってしまう。
【0267】
さらに、第2の半導体チップchip2が、ここで計算した20mAよりも大きな電流が流れるチップであった場合、内部電源電圧intVccを供給するレギュレータ回路Regの発熱量も大きくなり、マージンはさらに少なくなる。
【0268】
したがって、チップのジャンクション温度に対し、マージンを確保するためには、図26に示すようにレギュレータ回路Regを第2の半導体チップchip2の下ではなく、領域S1に配置するとよい。
【0269】
このようにすることで、第2の半導体チップchip2が、熱の影響を受けにくくなる。
【0270】
例えばレイアウトの都合上、第2の半導体チップchip2とレギュレータ回路Regが重なってしまう場合、レギュレータ回路Regの第2の半導体チップchip2の第1長辺2L1から露出している部分の面積が、露出していない部分の面積よりも大きくなるようにするとよい。
【0271】
一般に、外部電源電圧extVccを降圧した内部電源電圧intVccを生成する降圧スイッチ部SWが、レギュレータ回路Regの中で、最も熱を発生する部分となる。したがって、レギュレータ回路Regの上に第2の半導体チップchip2を重ねる場合には、図27に示すように降圧スイッチ部SW以外の領域に重ねて積層するとよい。
【0272】
このように、少なくともレギュレータ回路Regの降圧スイッチ部SWと、第2の半導体チップchip2とを重ならないようにすることで、第2の半導体チップchip2に伝わる熱が少なくなり、第2の半導体チップchip2の動作が不安定になることを少なくすることができる。
【0273】
次の例について説明する。
【0274】
上段チップのレギュレータ回路Regの上方に位置する領域には、信号の入出力を行うパッドを配置しない方がよい。
【0275】
図28は、一般的な入出力回路の一例の詳細を示す図である。
【0276】
図28に示すように、内部回路circ2−1は、出力回路outcircの入力部OIと金属配線metalにより接続されている。
【0277】
また、内部回路circ2−2は、入力回路incircの出力部IOと金属配線metalにより接続されている。
【0278】
パッドSは、出力回路outcircの出力部OOと、入力回路incircの入力部IIと金属配線metalにより接続されている。これにより、内部回路circ2−1および内部回路circ2−2は、パッドSを介して他の回路と信号の送受信を行う。
【0279】
内部回路circ2−1、内部回路circ2−2および内部回路circ2−3は、それぞれグランドGNDに金属配線metalGにより接続されている。
【0280】
内部回路circ2−1から出力回路outcircを介してパッドSに信号を出力した時に、出力回路outcircは、入力回路incircに比べてトランジスタサイズが大きい(ゲート幅が広い)ことが多いため、入力回路incircよりも大きな電流が流れる。
【0281】
このとき、出力回路outcircとグランドGNDとを接続する金属配線metalGには、電流iが流れる。
【0282】
金属配線metalGは、配線抵抗Rを有しており、ここにiR(=V)の電圧が発生する。
【0283】
このとき、発生したiR(=V)によってグランドGNDの電位の浮き上がり(グランドシフト)が発生し、金属配線metalGに接続されている内部回路circ2−3は、その影響を受けて動作が不安定になる場合がある。
【0284】
特に内部回路circ2−3が、微小電流で動作するアナログ回路のようなものであった場合は、よりその影響を受けやすい。
【0285】
例えば、電圧のしきい値が電源付近やグランド付近にあるアナログ回路や、パワートランジスタのON抵抗を測定するようなシビアなしきい値を検知する回路が該当する。
【0286】
このように、信号の入出力を行うパッドSには、入力回路incircや出力回路outcircが接続されており、これら入出力回路は、前述の説明のように信号の送受信時にグランドGNDの電位の浮き上がり(グランドシフト)を発生させやすい。
【0287】
そのため、パッドSをレギュレータ回路Regの近くに配置した場合、パッドSに接続された入力回路incircや出力回路outcircは、レギュレータ回路Regからの熱の影響を受け、グランドGNDのしきい値がさらに変化する事態が生じる。このとき、そのグランドGNDに接続されている他の回路も、そのしきい値の変化に伴い、さらに不安定な状態になることがある。
【0288】
以上のような理由から、上段チップのレギュレータ回路Regの上に位置する部分には、信号の入出力を行うパッドを配置しない方がよい。
【0289】
なお、複数のチップを積層して1つのパッケージに収める場合、チップの積層する順番は、以下のポイントを考慮するとよい。
【0290】
熱を発生するチップがあって、その熱が他のチップの動作に影響を与えるようなことがある場合、その熱を発生するチップを最下段にするとよい。
【0291】
最下段のチップは、図22および図23に示すように、パッケージ(QFP)内でタブtabと接着されている。
【0292】
QFPは、リード端子Lead、タブ吊りリードおよびタブtabが一体成形されたリードフレームを用いて組立てられたパッケージである。このリードフレームの材質は、銅(Cu)系が多い。
【0293】
銅(Cu)の熱伝導率は、398W/(m・K)であり、シリコンの熱伝導率168W/(m・K)よりも高いので、より熱を伝えやすい。
【0294】
したがって、熱を発生するチップを最下段に配置することにより、タブが放熱板(ヒートシンク)の役割を担い、上段チップに熱が伝わることを少なくすることができる。
【0295】
また、パッド数が多いチップがある場合は、そのチップを最上段に積層するのがよい。
【0296】
最上段に積層することで、4辺全てにパッドを配置ができ、パッドとリード端子を金属線で接続しやすくなる(ワイヤボンディングしやすくなる)。
【0297】
図22に示すように、領域S1の面積が、領域S2の面積よりも大きくなるように第1の半導体チップchip1の上に第2の半導体チップchip2を積層するとよい(S1>S2)。つまり第1の半導体チップchip1の第1短辺1S1から第2の半導体チップchip2の第1長辺2L1までの距離t1が、第1の半導体チップchip1の第2短辺1S2から第2の半導体チップchip2の第2長辺2L2までの距離t2よりも長くなるようにするとよい(t1>t2)。
【0298】
そうすることにより、距離t1と距離t2がt1≦t2の関係となる場合に比べて、内部回路circ1と内部回路circ2の信号が送受信される金属線wireHJの金属線長さが短くなり、信号の劣化および遅延を少なくすることができる。また、領域S1に配置するパッドの数を増やすことができる。
【0299】
以上、実施の形態10における半導体装置において、いくつかの特徴について、説明し
てきた。これらの特徴は、全てを備える必要はなく、これらの中の1つの特徴を有するものであってもよく、複数を組み合わせたものであってもよい。
【0300】
(実施の形態11)
図29は、本発明の実施の形態11における半導体装置のパッケージ構造の平面図である。
【0301】
図29に示すように、本発明の実施の形態11おける半導体装置の実施の形態10との違いは、パッドAおよびパッドBが、第1の半導体チップchip1の第1長辺1L1ではなく、パッドCが配置されている辺と交差する方向にある第1の半導体チップchip1の第1短辺1S1に沿って配置されていることである。
【0302】
このようにパッドA,BおよびCを配置しても、実施の形態10における半導体装置と同じく、回路基板上の配線で接続するよりも配線の長さを短くすることができ、内部電源電圧intVccの配線抵抗による電圧降下を少なくすることができる。
【0303】
以上、これまで本発明の実施の形態10および11で説明した主なものは、以下のように表現することもできる。
【0304】
第2の半導体チップchip2は、その第1長辺2L1と第1の半導体チップchip1の第1短辺1S1とで挟まれる領域S1、およびその第2長辺2L2と第1の半導体チップchip1の第2短辺1S2とで挟まれる領域S2を有している。そして、領域S1では、第1の半導体チップchip1のパッドBP1が露出するように、かつ、第1の半導体チップchip1の第1長辺1L1と第2長辺1L2とを覆うように、第2の半導体チップchip2は第1の半導体チップchip1の主面に積層されている。
【0305】
第1の半導体チップchip1は、その第1短辺1S1と第1長辺1L1とで構成される角corner1を含む4つの角を有し、パッドAおよびパッドBは、領域S1上に他の角よりも角corner1の近くに配置されている。
【0306】
また、第2の半導体チップchip2は、その第1短辺2S1と第1長辺2L1とで構成される角corner1を含む4つの角を有し、パッドCは、第2の半導体チップchip2の主面上に他の角よりも角corner2の近くに配置されている。
【0307】
さらにパッドHは、領域S2上に配置されており、パッドHと電気的に接続されたパッドJは、第2の半導体チップchip2の主面上に第2長辺2L2に沿って配置されている。
【0308】
(実施の形態12)
図30は、本発明の実施の形態12における半導体装置のパッケージ構造の平面図である。
【0309】
図30に示すように、本発明の実施の形態12における半導体装置の実施の形態10との違いは、第1の半導体チップchip1のパッド数が、第2の半導体チップchip2のパッド数よりも多く、また、第1の半導体チップchip1が、第2の半導体チップchip2の主面上に積層されていることである。
【0310】
レギュレータ回路Regの発熱が小さく、タブtabを介して放熱する必要が無いような場合、第2の半導体チップchip2の上に、レギュレータ回路Regを有する第1の半導体チップchip1を積層してもよい。このように、上下段のチップを入れ替える場合でも、リード端子VREG1にパッドA,BおよびCを、金属線wireA,BおよびCによりそれぞれ接続するとよい。
【0311】
2つのチップのうち、パッド数が多い方のチップを上段にすることにより、パッドを全て露出させることができ、それらのパッドに金属線wireを接続することができる。
【0312】
(実施の形態13)
本発明の実施の形態13における半導体装置の実施の形態10との違いは、第1の半導体チップchip1が、2つのレギュレータ回路を有し、第2の半導体チップchip2に電圧値の異なる2種類の電源電圧を供給する構成となっていることである。
【0313】
図31は、本発明の実施の形態13における半導体装置のパッケージ構造の平面図である。
【0314】
図32は、本発明の実施の形態13における半導体装置のレギュレータ回路および周辺部の詳細を示す図である。
【0315】
図32に示すように、本発明の実施の形態13における半導体装置は、レギュレータ回路Regにレギュレータ回路Reg2が追加で設けられている。
【0316】
レギュレータ回路Reg2は、外部電源電圧extVccを降圧した内部電源電圧intVcc2を発生する。
【0317】
内部電源電圧intVcc2は、パッドDから出力され、リード端子VREG2、回路基板上の配線wireSubおよびリード端子VDD2を介して、パッドFに入力される。
【0318】
また、レギュレータ回路Regは、レギュレータ回路Reg2から内部電源電圧intVcc2を供給され、内部電源電圧intVcc2を降圧した内部電源電圧intVccを発生する。
【0319】
したがって、内部電源電圧intVcc2の電圧値は、内部電源電圧intVccの電圧値よりも高い。
【0320】
図32に示すように、パッドFには内部回路circ2−2が接続されている。パッドFに接続されている内部回路circ2−2の方が、パッドCに接続されている内部回路circ2−1よりも高い電圧で動作する回路である。
【0321】
例えば、内部電源電圧intVcc2の電圧値が3.45V程度で、内部電源電圧intVccの電圧値が1.5V程度である。
【0322】
このように、図32に示す回路構成とすることにより、複数の半導体チップのいずれかで生成される電圧値の異なる複数種類の電圧を、他の半導体チップに電源電圧として安定して供給することができる。
【0323】
さらにここでは、内部電源電圧intVcc2は、リード端子VREG2から出力されて、回路基板上の配線wireSubを介し、リード端子VDD2に供給される構成となっている。つまり、内部電源電圧intVccがパッケージPKGの内部で第2の半導体チップchip2の内部回路circ2−1に供給される点に対し、内部電源電圧intVcc2は、パッケージPKGの外部を通って内部回路circ2−2に供給される。
【0324】
このように、パッド配置等の制約事項により、パッケージPKG内の金属線wireを介して一方のチップから他のチップへ内部電源電圧を供給できないような場合、一般的に配線抵抗による影響が少なく、精度をそれ程必要としない電圧値が高い方の電源電圧をパッケージPKG外部の回路基板上の配線wireSubを介して他のチップに供給するようにするとよい。
【0325】
そうすることで、パッド配置等の制約がある場合でも、精度を要する電圧値の低い方の内部電源電圧に影響を与えることなく、複数種類の異なる電圧値の内部電源電圧を安定して他の半導体チップへ供給することができる。
【0326】
なお、本発明の実施の形態13における半導体装置は、様々なアプリケーションに適用できる。
【0327】
例えば、本発明の実施の形態13における半導体装置は、携帯電話やノートパソコンといったディジタル機器の電源に利用されているリチウムイオン電池(以下、「Li電池」という)の電池電圧制御システム等に適用できる。
【0328】
以下、Li電池の電池電圧制御システムへの適用例について説明する。
【0329】
Li電池の電池電圧制御システムにおいて、第1の半導体チップchip1は、アナログ回路を有し、電源制御等を行うアナログチップである。このアナログチップは、接続されたLi電池から電圧等の情報が入力され、処理を行う。アナログフロントエンドIC(以下、「AFE」という)と呼ばれることが多い。
【0330】
第2の半導体チップchip2は、AFEを制御し、情報を処理するためのマイクロコンピュータチップである(以下、「MCU」という)。
【0331】
Li電池の電池電圧制御システムにおいて、AFEとMCUとを1つのパッケージに収めた半導体装置は、ノートパソコン等の電池パック内に搭載されることが多い。
【0332】
図33は、AFEとMCUの電池電圧制御システムの詳細を示す回路ブロック図である。
【0333】
図33に示すように、AFEは、例えば4本直列に接続されたLi電池Liの電圧等を監視する。AFEには、個々のLi電池の+端子および−端子が接続される。大元の+端子と−端子との間は、負荷もしくは充電器が接続される。
【0334】
AFEは、MCUからの命令に応じて、個々のLi電池電圧を所定の倍率(例えば0.3倍程度)で増幅し、GND基準のアナログデータとしてMCUに出力する。
【0335】
MCUは、AFEから入力されたアナログデータに基づいて、Li電池の電圧を算出する。MCUは、こうした電池電圧を検出する手段の他に、充放電電流、温度を検出する手段を有している。
【0336】
さらに、MCUは、これらの検出結果と電池電圧検出結果とに基づいて、過充電状態、過放電状態といった電池の状態を判断する。
【0337】
MCUによる判定結果はAFEに出力される。AFEはMCUの判定結果に応じて、外付けで接続されたパワーMOSFETをON/OFFする。AFEは内部にFET制御部を備え、パワーMOSFETの制御信号を出力する。
【0338】
パワーMOSFETは充電および放電経路にシリアルに接続されて、充放電スイッチとして動作する。こうして、本半導体装置によってLi電池の電圧が所定の電圧範囲内に制御される。
【0339】
また、この場合のAFEは、高耐圧部(35V)と低耐圧部(5V)とを有している。高耐圧部には、Li電池4本(単セルのMax電圧は4.2V程度)、又は、16〜18V程度の充電器が接続される端子等が設けられる。
【0340】
低耐圧部には、例えば、MCUとのシリアルデータのI/O部等が設けられる。これは、図31に示すパッドHとパッドJとが、金属線Wireによりチップ間接続されている部分に該当する。
【0341】
一方、MCUは低耐圧部のみから構成される。
【0342】
MCUは、AFEのレギュレータ回路から内部電源電圧を供給されて動作する。図33に示すリード端子VREG1およびリード端子VREG2が、その供給端子に該当する。リード端子VREG1から内部電源電圧intVcc、リード端子VREG2から内部電源電圧intVcc2が供給される。なお、内部電源電圧intVccの電圧値が1.5V程度、内部電源電圧intVcc2の電圧値が3.45V程度である。MCUは、内部電源電圧intVccをMCU電源、内部電源電圧intVcc2をMCU電源およびLED用電源として使用する。
【0343】
(実施の形態14)
図34は、本発明の実施の形態14における半導体装置のパッケージ構造の平面図である。
【0344】
図35は、本発明の実施の形態14における半導体装置のパッケージ構造の断面図である。
【0345】
図35(a)は、図34のA−A´における断面図である。図35(b)は、図34のB−B´における断面図である。
【0346】
図34および図35に示すように、本発明の実施の形態14における半導体装置の実施の形態10との主な違いは、内部電源電圧intVccの位相補償および電圧安定化のためのレギュレータ容量であるコンデンサCapが、パッケージPKG内部に取り込まれていることである。
【0347】
タブtabの上には、接着フィルムfilm1を介してインターポーザ基板interが搭載されている。インターポーザ基板interは、サブトラクティブ法などにより形成された単層もしくは2層程度の樹脂基板等やセラミック基板等である。また、フィルム基板などでもよい。基板厚を薄くするのに有効である。
【0348】
インターポーザ基板interの上には、第1の半導体チップchip1と第2の半導体チップchip2がそれぞれ接着フィルムfilm2,3を介して積層されている。
【0349】
図34に示すように、第1の半導体チップchip1の第1長辺1L1、第2の半導体チップchip2の第1長辺2L1およびインターポーザ基板interの外周とで囲まれるインターポーザ基板interの主面には、ランドLD1とランドLD2が設けられている。さらに、これらランドLD1とランドLD2上には、コンデンサCapが搭載されている。
【0350】
コンデンサCapは、パッケージPKG(QFP)の中に収まる程度に小さい面実装型のものを用いるとよい。ここでは、誘電体シートを積層して形成された積層セラミックチップコンデンサを用いた例を図示している。また、コンデンサCapは、金属タンタル粉体を焼結して形成されたタンタル電解コンデンサなどでもよい。タンタル電解コンデンサの方が、積層セラミックチップコンデンサよりも大きな容量を得ることができる。
【0351】
コンデンサCapの2つの電極は、ランドLD1とランドLD2にそれぞれ半田や導電性ペーストなどにより電気的に接続されている。
【0352】
パッドA、BおよびCは、それぞれ金属線wireA,BおよびCにより、ランドLD1と接続されている。また、ランドLD2は、金属線wireGにより、接地電圧(グランド)GNDが与えられるリード端子Vssと接続されている。
【0353】
このように、パッケージ内部にコンデンサCapを取り込むことにより、回路基板上の部品数を削減することができる。また、パッドA、BおよびCは、それぞれ金属線wireA,BおよびCにより、ランドLD1に共通に接続されるので、図22に示すリード端子VREG1が不要となる。そのため、パッケージPKGのピン数を削減することができる。
【0354】
また、2つのチップを十字の平面形状となるように積層したことで得られる領域、つまり、第1の半導体チップchip1の第1長辺1L1、第2の半導体チップchip2の第1長辺2L1およびインターポーザ基板interの外周とで囲まれるインターポーザ基板interの主面上の領域にコンデンサCapを配置することにより、パッケージサイズを拡大することなく、実施の形態10の半導体装置のパッケージPKGとパッケージサイズを同等にすることができる。
【0355】
なお、コンデンサCapをランドLD1およびランドLD2に接続する半田は、鉛(Pb)含有率が90%以上の高融点半田を用いるとよい。高融点半田を用いることにより、パッケージPKGを回路基板上に実装するときのリフロー温度よりも半田融点を高くすることができる。そうすることで、パッケージPKG内で半田が再溶融することで発生するコンデンサCapの電極間の短絡(ショート)やパッケージクラックを防止することができる。
【0356】
パッケージPKGが鉛(Pb)フリーに対応しなければならない場合は、鉛(Pb)フリー半田として汎用性があり、調達し易いSn−Ag系やSn−Ag−Cu系の半田を用いるとよい。組成比としては、Agが1.0〜3.5%、Cuが0〜0.5%、残りがSnである。但し、パッケージPKGを回路基板上に実装するときのリフローにおける半田の再溶融の発生は避けられない。そのため、半田が溶融して体積膨張が発生した時に、封止体moldがその体積膨張分を吸収(緩和)し、パッケージクラックが発生しない程度に弾性率を下げたレジン材料にしておくとよい。
【0357】
(実施の形態15)
図36は、本発明の実施の形態15における半導体装置のパッケージ構造の平面図である。
【0358】
図37は、本発明の実施の形態15における半導体装置のパッケージ構造の断面図である。
【0359】
図37(a)は、図36のA−A´における断面図である。図37(b)は、図36のB−B´における断面図である。
【0360】
図36および図37に示すように、本発明の実施の形態15における半導体装置の実施の形態14との主な違いは、パッケージPKGがBGA(Ball Grid Array)パッケージになっていることである。
【0361】
インターポーザ基板interの上には、第1の半導体チップchip1と第2の半導体チップchip2がそれぞれ接着フィルムfilm1,2を介して積層されている。
【0362】
インターポーザ基板interは、ビルドアップ法などにより形成された多層配線の樹脂基板等である。配線は銅(Cu)等で形成されている場合が多い。
【0363】
インターポーザ基板interの上には、第1の半導体チップchip1と第2の半導体チップchip2がそれぞれ接着フィルムfilm1,2を介して積層されている。
【0364】
また、インターポーザ基板interの主面には、複数のセカンドパッドsecPが配置されている。第1の半導体チップchip1の複数のボンディングパッドBP1および第2の半導体チップchip2の複数のボンディングパッドBP2は、それぞれ対応した複数のセカンドパッドsecPと金属線wireにより接続されている。
【0365】
なお、図36および図37に示すように、セカンドパッドsecPの数は、説明する上において適当な数で図示しており、実際の数は多くても少なくてもよい。
【0366】
複数のセカンドパッドsecPは、貫通孔viaを介してパッケージPKG裏面のランドパッドLPに接続されている。さらにランドパッドLP上には、半田ボールballが接続されている。半田ボールballの半田は、Sn−Pbの共晶半田である場合が多い。パッケージPKGが鉛(Pb)フリーに対応しなければならない場合は、鉛(Pb)フリー半田として汎用性があり、調達し易いSn−Ag系やSn−Ag−Cu系の半田を使用した半田ボールを用いるとよい。組成比としては、Agが1.0〜3.5%、Cuが0〜0.5%、残りがSnである。
【0367】
なお、図36および図37に示すように、ランドパッドLPと半田ボールballの数は、説明する上において適当な数で図示しており、実際の数は多くても少なくてもよい。
【0368】
前述の実施の形態14の半導体装置は、コンデンサCapが搭載されるランドLD2は、リード端子Vssと金属線wireGにより接続されていた。本実施の形態15の半導体装置は、ランドLD2は貫通孔viaを介して接地電圧(グランド)GNDが与えられる半田ボールballと接続されている。
【0369】
このように、パッケージPKGをQFPからBGAにすることにより、リード端子Leadが無くなるため、パッケージサイズを小さくすることができる。なお、QFPのときに得られた効果は、パッケージ形態をBGAに変更した本実施の形態15の半導体装置についても同様に得ることができる。
【0370】
以上、本発明の実施の形態1から15における半導体装置について説明をしてきた。これまで述べたいずれの発明も、複数の半導体チップを同一パッケージに積層した半導体装置において、複数の半導体チップのいずれかで生成される電圧を、他の半導体チップに電源電圧として供給し、その半導体装置が安定した動作を実現できる技術を提供するものである。
【0371】
これまで各実施の形態で説明した半導体装置のパッケージは、QFPとBGAであるが、これらは、同じ面実装パッケージであるCSP(Chip Size Package)やパッケージの裏面に半田ボールが設けられていないLGA(Land Grid Array)パッケージでもよく、ここに記載されているパッケージ種類に限定されない。
【0372】
QFPのリード端子(リードフレーム)は、金属性(導電性)の材料である銅(Cu)系でも、鉄(Fe)とニッケル(Ni)合金の42アロイでもよい。
【0373】
リード端子は、封止体を境にパッケージの外部に露出し、実装時に回路基板と半田付けされるアウターリードと、パッケージの内部で半導体チップと金属線wireにより接続されるインナーリードとで構成される。
【0374】
アウターリードの表面には、外装めっきが施されている。外装めっきは、Sn−Pb半田めっき等である。パッケージがPbフリーへの対応が必要な場合は、Pbフリー半田めっきとなる。
【0375】
QFPのタブ上に搭載されるチップの外形(サイズ)よりもタブの外形(サイズ)の方が大きく図示されているが、逆に小さくしてもよい。
【0376】
タブ上に搭載されるチップの外形(サイズ)よりもタブの外形(サイズ)の方が小さい場合、チップの裏面と封止体の樹脂が接着する。半導体チップ(シリコン)と樹脂との界面の接着力は、タブ(金属)と樹脂との界面の接着力よりも大きいため、タブと樹脂との界面に水分が浸入することを防止することができる。その結果、パッケージを半田付けリフローにて基板に実装する際、浸入した水分がリフローの熱により膨張することで発生するパッケージクラックを抑制することができる。
【0377】
また、これまで接着フィルムを用いて半導体チップを積層する構造について説明したが、接着フィルムの代わりに接着ペーストを用いてもよい。
【0378】
但し、接着フィルムの方が接着ペーストに比べて、製造上の管理が容易である。接着フィルムは、フィルム厚のばらつきが接着ペーストの供給量のばらつきよりも小さいので、チップ実装後の仕上がりばらつきが少ない。そのため、接着後のフィルム(接着)厚みを管理しやすい。
【0379】
また、接着後の接着材のチップからのはみ出しについても、接着フィルムの方が接着ペーストに比べて小さい。はみ出しが小さい方が、下段となるチップのパッドに接着剤が付着し、金属線が接続できなくなるといった不具合を回避することができる。
【0380】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。また、実施の形態1から15をそれぞれ適宜組み合わせてもよい。また、各実施の形態の一部分のみを取り出し、適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0381】
本発明は、半導体装置を製造する製造業に幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0382】
【図1】本発明の実施の形態1における半導体装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1における半導体装置のパッケージ構造の平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1における半導体装置のパッケージ構造の断面図である。(a)は、図2のA−A´における断面図である。(b)は、図2のB−B´における断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1における半導体装置のレギュレータ回路および周辺部の詳細を示す図である
【図5】本発明の実施の形態1における半導体装置の比較部の等価回路の詳細を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1における半導体装置のバンドギャップ回路の一例を示す図である。
【図7】図2に示す本発明の実施の形態1における半導体装置のパッケージ構造の平面図に対する比較例の詳細を示す図である。
【図8】図2および図7の等価回路の詳細を示す図である。(a)は、図7の等価回路の詳細を示す図である。(b)は、図2の等価回路の詳細を示す図である。
【図9】信号領域と電源領域が、同一の辺に並んだ場合の詳細を示す図である。
【図10】電源領域が配置された辺に対して、信号領域が、異なる辺に配置された例の詳細を示す図である。(a)は、電源領域が配置された辺と交差する辺に、信号領域が配置された例の詳細を示す図である。(b)は、電源領域が配置された辺と対向する辺に、信号領域が配置された例の詳細を示す図である。
【図11】電源領域が配置された辺に対して、信号領域が、異なる辺に配置された図10とは別の例の詳細を示す図である。
【図12】レギュレータ回路、第1−1内部回路および第1−2内部回路が、金属配線にそれぞれ接続されている詳細を示す図である。(a)は、レギュレータ回路、第1−1内部回路および第1−2内部回路が、それぞれパッドに共通に接続されていることを示す図である。(b)は、レギュレータ回路が接続されているパッドと、第1−1内部回路および第1−2内部回路が接続されているパッドとが分けて設けられていることを示す図である。
【図13】本発明の実施の形態2における半導体装置のリード端子と第1金属線、第2金属線および第3金属線との接続部の拡大図である。(a)は、第3金属線とリード端子との第3接点が、第2金属線の第2接点よりも第1金属線の第1接点に近い位置にある状態を示す図である。(b)は、第3金属線とリード端子との第3接点が、第1接点と第2接点の間の位置にある状態を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態3における半導体装置の降圧スイッチ部のPMOSトランジスタおよび周辺部の断面の詳細を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態3における半導体装置の降圧スイッチ部のPMOSトランジスタおよび周辺部のレイアウトの詳細を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態4における半導体装置のパッドと複数の第2内部回路が接続されていることを示す図である。(a)は、パッドに第2−1内部回路と第2−2内部回路とが接続されており、パッドと第2−2内部回路との間にパッドXが接続されていることを示す図である。(b)は、パッドに第2−1内部回路、第2−2内部回路、第2−3内部回路、および、第2−4内部回路が共通に接続されていることを示す図である。
【図17】本発明の実施の形態5における半導体装置のリード端子と第1金属線、第2金属線および第3金属線との接続部の拡大図である。(a)は、第1パッドおよび第3パッドが、リード端子とそれぞれ複数の第1金属線および第3金属線によりが接続されている状態を示す図である。(b)は、複数の第1パッドおよび第3パッドが、リード端子とそれぞれ複数の第1金属線および第3金属線により接続されている状態を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態6における半導体装置のレギュレータ回路および周辺部の詳細を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態7における半導体装置のレギュレータ回路および周辺部の詳細を示す図である。
【図20】本発明の実施の形態8における半導体装置のレギュレータ回路および周辺部の詳細を示す図である。
【図21】本発明の実施の形態9における半導体装置のレギュレータ回路および周辺部の詳細を示す図である。
【図22】本発明の実施の形態10における半導体装置のパッケージ構造の平面図である。
【図23】本発明の実施の形態10における半導体装置のパッケージ構造の断面図である。(a)は、図22のA−A´における断面図である。(b)は、図22のB−B´における断面図である。
【図24】図22の平面図に対する比較例の詳細を示す図である。
【図25】第2の半導体チップの第1長辺にパッドが配置された場合の、第1パッド、第2パッドの周辺部分の拡大図である。
【図26】レギュレータ回路を第2の半導体チップの下ではなく、第2の半導体チップが重なっていない領域に配置したときの図である。
【図27】レギュレータ回路の上に第2の半導体チップを重ねる場合に、降圧スイッチ部以外の領域に重ねて積層したときの図である。
【図28】一般的な入出力回路の一例の詳細を示す図である。
【図29】本発明の実施の形態11における半導体装置のパッケージ構造の平面図である。
【図30】本発明の実施の形態12における半導体装置のパッケージ構造の平面図である。
【図31】本発明の実施の形態13における半導体装置のパッケージ構造の平面図である。
【図32】本発明の実施の形態13における半導体装置のレギュレータ回路および周辺部の詳細を示す図である。
【図33】AFEとMCUの電池電圧制御システムの詳細を示す回路ブロック図である。
【図34】本発明の実施の形態14における半導体装置のパッケージ構造の平面図である。
【図35】本発明の実施の形態14における半導体装置のパッケージ構造の断面図である。(a)は、図34のA−A´における断面図である。(b)は、図34のB−B´における断面図である。
【図36】本発明の実施の形態15における半導体装置のパッケージ構造の平面図である。
【図37】本発明の実施の形態15における半導体装置のパッケージ構造の断面図である。(a)は、図36のA−A´における断面図である。(b)は、図36のB−B´における断面図である。
【符号の説明】
【0383】
A、B、C、D、E、F、G、H、J パッド
S、V、X、BP1、BP2 パッド
ball 半田ボール
Cap コンデンサ
chip1 第1の半導体チップ
chip2 第2の半導体チップ
circ1 内部回路
circ1−1 内部回路
circ1−2 内部回路
circ2 内部回路
circ2−1 内部回路
circ2−2 内部回路
circ2−3 内部回路
circ2−4 内部回路
circ3 内部回路
corner1 角
corner2 角
CS 定電流源
extVcc 外部電源電圧
film1、film2 接着フィルム
GND 接地電圧(グランド)
ifD ドレイン電極のコンタクト部
ifS ソース電極のコンタクト部
IN 入力部
inter インターポーザ基板
intVcc、intVcc2 内部電源電圧
Lac、Lbc、Lda、Lsv、t1、t2 距離
La、Lv 長さ
LD1、LD2 ランド
Lead、VREG0、VREG1 リード端子
VREG2、Vcc、Vss リード端子
VDD、VDD2 リード端子
LP ランドパッド
metal、metalA、metalB 金属配線
metalC、metalH、metalJ 金属配線
metalV、metalG、metalX 金属配線
mold 封止体
Ntr1、Ntr2 NMOSトランジスタ
PKG パッケージ
pointA、pointB、pointC 接点
PowArea 電源領域
Ptr1、Ptr2、Ptr3 PMOSトランジスタ
R1、R2 抵抗
Ref 比較部
Reg レギュレータ回路
Reg2 レギュレータ回路
Rvreg1、Rvdd 導体抵抗
RwireA、RwireB、RwireC 配線抵抗
S1、S2 領域
secP セカンドパッド
Sep 分圧部
SigArea 信号領域
sig1、sig2、sig3、sig4 信号端子
SW 降圧スイッチ部
tab タブ
Vback 入力電圧
via 貫通孔
Vmon モニタ電圧
Vref 参照電圧
wire、wireA、wireB 金属線
wireC、wireD、wireE 金属線
wireF、wireH、wireJ 金属線
wireHJ、wireV、wireG 金属線
wireSub 回路基板上の配線
1L1、2L1 第1長辺
1L2、2L2 第2長辺
1S1、2S1 第1短辺
1S2、2S2 第2短辺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の辺を含む4辺を有し、主面にパッドが設けられた第1の半導体チップと、
第2の辺を含む4辺を有し、主面にパッドが設けられ、前記第1の半導体チップの主面上に前記第1の辺と前記第2の辺とが並び、かつ各主面が同一方向を向くように積層された第2の半導体チップと、
前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップとを封止する封止体と、
前記パッドに接続され、端子の一部が前記封止体の外部に露出した複数の外部端子と、を有する半導体装置であって、
前記第1の半導体チップは、
前記外部端子から外部電源電圧が供給される外部電源入力パッドと、
前記外部電源入力パッドに電気的に接続され、参照電圧とこの参照電圧と比較される入力電圧に応じて前記外部電源電圧を降圧した内部電源電圧を生成するレギュレータ回路と、
前記レギュレータ回路に電気的に接続され、前記内部電源電圧が出力される内部電源電圧出力パッドと、
前記入力電圧が入力される前記レギュレータ回路の入力部に電気的に接続されたモニタパッドと、を有し、
前記第2の半導体チップは、
前記内部電源電圧出力パッドから前記内部電源電圧が入力される内部電源入力パッドを有し、
前記内部電源電圧出力パッドと前記モニタパッドは、前記第1の半導体チップの前記第1の辺に沿って配置され、
前記内部電源入力パッドは、前記第2の半導体チップの前記第2の辺に沿って配置され、
前記モニタパッドは、前記内部電源電圧出力パッドと前記内部電源入力パッドとの接続経路間で電気的に接続、
もしくは、前記内部電源入力パッドを経由して前記内部電源電圧出力パッドと電気的に接続され、
前記第1の半導体チップは、前記第1の辺とは異なる辺に沿って、前記第2の半導体チップとの間で信号を送受信する第1の信号パッドを有し、
前記第2の半導体チップは、前記第1の信号パッドが配置された辺と並ぶ辺に沿って、前記第1の信号パッドに電気的に接続された第2の信号パッドを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
第1の角を含む4つの角を有し、主面にパッドが設けられた第1の半導体チップと、
第2の角を含む4つの角を有し、主面にパッドが設けられ、前記第1の半導体チップの主面上に各主面が同一方向を向くように、かつ前記第1の角と前記第2の角が近づくように積層された第2の半導体チップと、
前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップとを封止する封止体と、
前記パッドに接続され、端子の一部が前記封止体の外部に露出した複数の外部端子と、を有する半導体装置であって、
前記第1の半導体チップは、
前記外部端子から外部電源電圧が供給される外部電源入力パッドと、
前記外部電源入力パッドに電気的に接続され、参照電圧とこの参照電圧と比較される入力電圧に応じて前記外部電源電圧を降圧した内部電源電圧を生成するレギュレータ回路と、
前記レギュレータ回路に電気的に接続された前記内部電源電圧が出力される内部電源電圧出力パッドと、
前記入力電圧が入力される前記レギュレータ回路の入力部に電気的に接続されたモニタパッドと、を有し、
前記第2の半導体チップは、
前記内部電源電圧出力パッドから前記内部電源電圧が入力される内部電源入力パッドを有し、
前記内部電源電圧出力パッドおよび前記モニタパッドは、前記4つの角の中で前記第1の角の近くになるように配置され、
前記内部電源入力パッドは、前記4つの角の中で前記第2の角の近くになるように配置され、
前記モニタパッドは、前記内部電源電圧出力パッドと前記内部電源入力パッドとの接続経路間で電気的に接続、
もしくは、前記内部電源入力パッドを経由して前記内部電源電圧出力パッドと電気的に接続され、
前記第1の半導体チップは、前記第1の角を構成する辺とは異なる辺に沿って、前記第2の半導体チップとの間で信号を送受信する第1の信号パッドを有し、
前記第2の半導体チップは、前記第1の信号パッドが配置された辺と並ぶ辺に沿って、前記第1の信号パッドに電気的に接続された第2の信号パッドを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記内部電源電圧出力パッドと前記外部端子とが第1金属線により接続され、
前記モニタパッドと前記外部端子とが第2金属線により接続されていることで、前記モニタパッドは、前記内部電源電圧出力パッドと前記内部電源入力パッドとの接続経路間で電気的に接続され、
前記第1の信号パッドと前記第2の信号パッドとが第3金属線により接続され、
前記第3金属線は、前記第1金属線より金属線の長さが短く、
前記第1金属線は、前記第2金属線より金属線の長さが短いことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記内部電源電圧出力パッドと前記内部電源入力パッドとが第1金属線により接続され、
前記モニタパッドと前記内部電源入力パッドとが第2金属線により接続されていることで、前記モニタパッドは、前記内部電源入力パッドを経由して前記内部電源電圧出力パッドと電気的に接続され、
前記第1の信号パッドと前記第2の信号パッドとが第3金属線により接続され、
前記第3金属線は、前記第1金属線より金属線の長さが短く、
前記第1金属線は、前記第2金属線より金属線の長さが短いことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の半導体装置。
【請求項5】
第1の辺と、
その第1の辺に対向する第2の辺と、
その第2の辺に交差する第3および第4の辺と、を有し、
主面にパッドが設けられた第1の半導体チップと、
第5の辺と、
その第5辺の辺に対向する第6辺と、を有し、
主面にパッドが設けられ、前記第1の辺と前記第5の辺とで挟まれる第1領域、および前記第2の辺と前記第6の辺とで挟まれる第2領域に前記第1の半導体チップの前記パッドが露出し、前記第3の辺と前記第4の辺とを覆うように、かつ前記第1の半導体チップの前記主面上に各主面が同一方向を向くように積層された第2の半導体チップと、
前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップとを封止する封止体と、
前記パッドに接続され、端子の一部が前記封止体の外部に露出した複数の外部端子と、を有する半導体装置であって、
前記第1の半導体チップは、
前記第1領域に配置され、前記外部端子から外部電源電圧が供給される外部電源入力パッドと、
前記第1領域に配置され、前記外部電源入力パッドに電気的に接続されて参照電圧とこの参照電圧と比較される入力電圧に応じて前記外部電源電圧を降圧した内部電源電圧を生成するレギュレータ回路と、
前記第1領域に配置され、前記レギュレータ回路に電気的に接続されて前記内部電源電圧が出力される内部電源電圧出力パッドと、
前記第1領域に配置され、前記入力電圧が入力される前記レギュレータ回路の入力部に電気的に接続されたモニタパッドと、を有し、
前記第2の半導体チップは、
前記内部電源電圧出力パッドから前記内部電源電圧が入力される内部電源入力パッドを有し、
前記第1の半導体チップは、前記第2領域に前記第2の半導体チップとの間で信号を送受信する第1の信号パッドを有し、
前記第2の半導体チップは、前記第6の辺に沿って、前記第1の信号パッドに電気的に接続された第2の信号パッドを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
前記第1の半導体チップは、前記第1の辺と前記第3の辺とで形成される第1の角を含む4つの角を有し、
前記第2の半導体チップは、前記第5の辺とその第5の辺と交差する第7の辺とで形成され、前記第1の半導体チップの他の角よりも前記第1の角に近い第2の角を含む4つの角を有し、
前記内部電源電圧出力パッドおよび前記モニタパッドは、前記4つの角の中で前記第1の角の近くに配置され、
前記内部電源入力パッドは、前記4つの角の中で前記第2の角の近くに配置され、
前記モニタパッドは、前記内部電源電圧出力パッドと前記内部電源入力パッドとの接続経路間で電気的に接続、
もしくは、前記内部電源入力パッドを経由して前記内部電源電圧出力パッドと電気的に接続されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記内部電源電圧出力パッドと前記外部端子とが第1金属線により接続され、
前記モニタパッドと前記外部端子とが第2金属線により接続されていることで、前記モニタパッドは、前記内部電源電圧出力パッドと前記内部電源入力パッドとの接続経路間で電気的に接続され、
前記第1の信号パッドと前記第2の信号パッドとが第3金属線により接続されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記内部電源電圧出力パッドと前記内部電源入力パッドとが第1金属線により接続され、
前記モニタパッドと前記内部電源入力パッドとが第2金属線により接続されていることで、前記モニタパッドは、前記内部電源入力パッドを経由して前記内部電源電圧出力パッドと電気的に接続され、
前記第1の信号パッドと前記第2の信号パッドとが第3金属線により接続されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第3金属線は、前記第1金属線より金属線の長さが短く、
前記第1金属線は、前記第2金属線より金属線の長さが短いことを特徴とする請求項7もしくは8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記レギュレータ回路の前記第5の辺から露出している部分の面積は、前記第2の半導体チップが、前記レギュレータ回路を覆っている部分の面積よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記レギュレータ回路は、前記外部電源電圧を降圧した前記内部電源電圧を生成する降圧スイッチ部を有し、
前記降圧スイッチ部は前記第5の辺から露出していることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第2の半導体チップは、前記第5の辺を除く辺に前記パッドが集めて配置されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1領域における前記第1の辺から前記第5の辺までの距離は、前記第2領域における前記第2の辺から前記第6の辺までの距離よりも長いことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第2の半導体チップのパッド数は、前記第1の半導体チップのパッド数よりも多いことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1の半導体チップは、アナログ回路を有し、電源制御を行うアナログチップであり、
前記第2の半導体チップは、前記アナログチップを制御し、情報を処理するためのマイクロコンピュータチップであることを特徴とする請求項14に記載の半導体装置。
【請求項16】
位相保障および電圧安定化のためのレギュレータ容量であるコンデンサを前記封止体内に有し、
前記内部電源電圧出力パッドは、前記コンデンサの一方の端子と第1金属線により電気的に接続されており、
前記モニタパッドは、前記第1金属線が接続された前記コンデンサの端子と第2金属線により電気的に接続されており、
前記内部電源入力パッドは、前記第1金属線が接続された前記コンデンサの端子と第3金属線により電気的に接続されていることで、前記モニタパッドは、前記内部電源電圧出力パッドと前記内部電源入力パッドとの接続経路間で電気的に接続されており、
前記コンデンサの他方の端子は、外部より接地電圧が与えられる前記外部端子と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1、2および5のいずれか1項に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2010−73951(P2010−73951A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240825(P2008−240825)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】