説明

半導体装置

【課題】複数のスパイラルを直列に接続してインダクタを形成する場合において、スパイラルを大面積化することなく、スパイラルの巻線を長くする。
【解決手段】インダクタ10は、第1スパイラル100及び第2スパイラル200を有している。第1スパイラル100は、インダクタ10の巻軸と平行な第1の方向から見た場合、中心から外側に向かって巻かれている。第2スパイラル200は、第1の方向から見た場合、外側から中心に向かって、第1スパイラル100と同一の向きに巻かれている。第1スパイラル100及び第2スパイラル200は、外側の端部同士、または中心側の端部同士が、外側接続部材300又は中心側接続部材400を介して接続されている。第2スパイラル200は、第1スパイラル100を、巻軸を回転中心として右回りに90°回転させてから、巻軸に直交する平面に含まれる水平線を基準に鏡映させ、かつ縦横比を変更した形状である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インダクタを有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の多層配線層に、スパイラル型のインダクタを形成することがある。このインダクタは、アナログ回路の素子、又は通信用の素子として使用される。多層配線層にインダクタを形成する場合、インダクタの巻き軸を、多層配線層が形成される基板に対して垂直方向に向けるのが一般的である。
【0003】
一方、特許文献1、2、及び3には、半導体装置において、インダクタの巻き軸を、多層配線層が形成される基板に対して平行方向に向けることが記載されている。
【0004】
また特許文献4には、多層基板において、インダクタの巻き軸を、多層基板を形成する基板に対して平行方向に向けること、及び、2つのインダクタを用いてトランスを形成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−66769号公報
【特許文献2】特開2002−100733号公報
【特許文献3】特開昭60−136363号公報
【特許文献4】特開2006−54207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した特許文献には、インダクタの巻き軸を多層配線層に対して平行方向に向けることが開示されている。インダクタをこのように配置した場合、インダクタを構成するスパイラルを大面積化することは困難である。このため、巻き軸を多層配線層に対して平行方向に向けた場合、スパイラルを大面積化することなく、スパイラルの巻線を長くする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、多層配線層と、
前記多層配線層を用いて形成され、巻軸が前記多層配線層が形成される基板と平行なコイル状のインダクタと、
を備え、
前記インダクタは、それぞれが巻線部を有する第1スパイラル及び第2スパイラル、並びに前記第1スパイラルの前記巻線部及び前記第2スパイラルの前記巻線部を、外側の端部同士、または中心側の端部同士で接続する接続部と、を有しており、
前記第1スパイラルは、前記巻軸と平行な第1の方向から見た場合、中心から外側に向かって第1の回転方向に巻かれており、
前記第2スパイラルは、前記第1の方向から見た場合、外側から中心に向かって前記第1の回転方向に巻かれており、
前記第1スパイラル及び前記第2スパイラルは、前記巻線部のうち前記外側の端部に繋がる部分が、一方のスパイラルでは前記基板に平行に延伸しており、他方のスパイラルでは前記基板に直行に延伸している半導体装置が提供される。
【0008】
本発明によれば、第1スパイラル及び第2スパイラルは、外側の端部同士、または中心側の端部同士が互いに接続されている。そして第1スパイラルと第2スパイラルは、巻軸に直交する平面で見たときに、巻線のうち前記外側の端部につながる部分が、互いに交わる方向に延伸している。これにより、第1スパイラル及び第2スパイラルを構成する配線層のうち接続部が位置する配線層において、第1スパイラルを構成する配線及び第2スパイラルを構成する配線の長さを長くすることができる。従って、第1スパイラル及び第2スパイラルの巻線を長くすることができ、その結果、インダクタンスの値を大きくすることができる。
【0009】
本発明によれば、第1回路と、
第2回路と、
多層配線層と、
前記第1回路に接続され、前記多層配線層を用いて形成され、巻軸が前記多層配線層が形成される基板と平行なコイル状の第1のインダクタと、
前記第2回路に接続され、前記多層配線層を用いて形成され、巻軸が前記多層配線層が形成される基板と平行なコイル状の第2のインダクタと、
を備え、
前記第1インダクタ及び前記第2インダクタの少なくとも一方の巻き軸は、他方の中を通っており、
前記第1のインダクタ及び前記第2のインダクタは、いずれも、それぞれが巻線部を有する第1スパイラル及び第2スパイラル、並びに前記第1スパイラルの前記巻線部及び前記第2スパイラルの前記巻線部を、外側の端部同士、または中心側の端部同士で接続する接続部を有しており、
前記第1スパイラルは、前記巻軸と平行な第1の方向から見た場合、中心から外側に向かって巻かれており、
前記第2スパイラルは、前記第1の方向から見た場合、外側から中心に向かって巻かれており、
前記第1インダクタの前記第1スパイラルを含む平面は、前記第2インダクタの前記第1スパイラルを含んでおり、
前記第1インダクタの前記第1スパイラルは、前記第2インダクタの前記第1スパイラルを、前記巻軸を回転中心として180°回転させた回転体と同一、または当該回転体の縦横比を変えた形状を有しており、
前記第1インダクタの前記第2スパイラルを含む平面は、前記第2インダクタの前記第2スパイラルを含んでおり、
前記第1インダクタの前記第2スパイラルは、前記第2インダクタの前記第2スパイラルを、前記巻軸を回転中心として180°回転させた回転体と同一、または当該回転体の縦横比を変えた形状を有している半導体装置が提供される。
【0010】
本発明によれば、第1インダクタの第1スパイラルと第2インダクタの第1スパイラルは同一面内に位置し、かつ第1インダクタの第2スパイラルと第2インダクタの第2スパイラルも同一面内に位置している。そして第1インダクタの第1スパイラルは、第2インダクタの第1スパイラルを、巻軸を回転中心として180°回転させた回転体と同一、または当該回転体の縦横比を変えた形状を有している。また第1インダクタの第2スパイラルは、第2インダクタの第2スパイラルを、巻軸を回転中心として180°回転させた回転体と同一、または当該回転体の縦横比を変えた形状を有している。このため、第1インダクタ及び第2インダクタの一方を、他方の中に入れることができる。従って、第1インダクタの断面積と第2インダクタの断面積の合計値で考えた場合、スパイラルの断面積を大面積化することなく、スパイラルの巻線を長くすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数のスパイラルを直列に接続してインダクタを形成する場合において、スパイラルを大面積化することなく、スパイラルの巻線を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る半導体装置が有するインダクタの構成を示す斜視図である。
【図2】インダクタの平面図である。
【図3】図1の要部を拡大した斜視図である。
【図4】(a)は第1スパイラルの構造を示す断面図であり、(b)は第2スパイラルの構造を示す断面図である。
【図5】図4の変形例を示す断面図である。
【図6】図4の変形例を示す断面図である。
【図7】第1スパイラル及び第2スパイラルの変形例を説明するための断面図である。
【図8】インダクタのレイアウトを示す平面図である。
【図9】第2の実施形態に係る半導体装置が有するインダクタの構成を示す斜視図である。
【図10】図9の要部を拡大した斜視図である。
【図11】第1スパイラル及び第2スパイラルの構成を示す断面図である。
【図12】第1スパイラル及び第2スパイラルの変形例を示す断面図である。
【図13】第3の実施形態に係る半導体装置が有する第1スパイラル及び第2スパイラルの構成を示す断面図である。
【図14】図13の変形例を示す断面図である。
【図15】第3の実施形態の作用及び効果を説明するための図である。
【図16】第4の実施形態に係る半導体装置が有するインダクタの平面図である。
【図17】図16の変形例を示す平面図である。
【図18】第5の実施形態に係る半導体装置が有する第1スパイラル及び第2スパイラルの構成を示す断面図である。
【図19】第6の実施形態に係る半導体装置が有する第1スパイラル及び第2スパイラルの構成を示す断面図である。
【図20】第6の実施形態に係る半導体装置が有する第1スパイラル及び第2スパイラルの構成を示す断面図である。
【図21】第7の実施形態に係る半導体装置が有する第1スパイラル及び第2スパイラルの構成を示す断面図である。
【図22】第7の実施形態に係る半導体装置が有する第1スパイラル及び第2スパイラルの構成を示す断面図である。
【図23】第8の実施形態に係る半導体装置が有する第1スパイラル及び第2スパイラルの構成を示す断面図である。
【図24】第10の実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面概略図である。
【図25】第11の実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面概略図である。
【図26】接続部の構成を示す平面図である。
【図27】接続部の変形例を示す断面図である。
【図28】接続部の変形例を示す断面図である。
【図29】第12の実施形態に係るトロイダルコイルの構成を示す平面図である。
【図30】第12の実施形態に係るトロイダルコイルの構成を示す平面図である。
【図31】(a)は第13の実施形態に係るトロイダルコイルの構成を示す平面図であり、(b)は接続用スパイラルの構成を示す断面図である。
【図32】第14の実施形態に係るトロイダルコイルの構成を示す平面図である。
【図33】第15の実施形態に係るトロイダルコイルの構成を示す平面図である。
【図34】第16の実施形態に係るトロイダルコイルの構成を示す平面図である。
【図35】第17の実施形態に係るトロイダルコイルの構成を示す平面図である。
【図36】第1の参考例に係る半導体装置が有するインダクタの構成を示す平面図である。
【図37】図36に示したインダクタの斜視図である。
【図38】第18の実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図である。
【図39】図38のA−A´断面図である。
【図40】図39の変形例を示す断面図である。
【図41】第2の参考例に係るインダクタ及び第2インダクタの構成を示す平面図である。
【図42】第3の参考例に係るトロイダルコイルの構成を示す平面図である。
【図43】第4の参考例に係るトロイダルコイルの構成を示す平面図である。
【図44】第5の参考例に係るトロイダルコイルの構成を示す平面図である。
【図45】第19の実施形態に係るトロイダルコイルの構成を示す平面図である。
【図46】第9の実施形態に係るスイッチング・レギュレータを示す回路図である。
【図47】第1の実施形態において、第1スパイラルと第2スパイラルの形状の関係を説明するための図である。
【図48】第1の実施形態において、第1スパイラルと第2スパイラルの形状の関係を説明するための図である。
【図49】第1の実施形態の変形例を説明するための図である。
【図50】第1の実施形態の変形例を説明するための図である。
【図51】第1の実施形態の変形例を説明するための図である。
【図52】第1の実施形態を説明するための斜視図である。
【図53】第1の実施形態の変形例を説明するための斜視図である。
【図54】第1の実施形態の変形例を説明するための斜視図である。
【図55】第1の実施形態の変形例を説明するための斜視図である。
【図56】第1の実施形態の変形例を説明するための斜視図である。
【図57】第1の実施形態の変形例を説明するための斜視図である。
【図58】第6の参考例を説明するための斜視図である。
【図59】第7の参考例を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また以下の各実施形態では、本発明に係る多層配線層が基板上に形成されている場合を例にとって説明を行う。ただし、多層配線層は、多層基板を構成する配線層であってもよい。この場合、後述するインダクタ10は、多層基板内に保持されることになる。そしてインダクタ10は、多層基板を形成するときに、多層基板と同時に形成される。このようにインダクタ10の形態は、インダクタンスを与えるためのいかなる形態も広く含むものとする。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る半導体装置が有するインダクタ10の構成を示す斜視図である。図2は、インダクタ10の平面図である。本実施形態に係る半導体装置は、多層配線層及びコイル状のインダクタ10を有している。多層配線層は、基板(例えばシリコン基板などの半導体基板)上に形成されている。インダクタ10は多層配線層を用いて形成されており、巻軸が多層配線層が形成される基板と平行である。インダクタ10は、第1スパイラル100及び第2スパイラル200を有している。第1スパイラル100は、インダクタ10の巻軸と平行(すなわち基板に対して平行)な第1の方向から見た場合、中心から外側に向かって巻かれている。第2スパイラル200は、上記した第1の方向から見た場合、外側から中心に向かって、第1スパイラル100と同一の向きに巻かれている。そして第1スパイラル100及び第2スパイラル200は、外側の端部同士、または中心側の端部同士が、外側接続部材300(接続部)又は中心側接続部材400(接続部)を介して接続されている。以下、詳細に説明する。
【0015】
本図に示す例において、第1スパイラル100及び第2スパイラル200は、いずれも同じ配線層を用いて形成されている。そして第1スパイラル100及び第2スパイラル200が交互に3つ以上接続されることにより、インダクタ10が形成されている。そして、第2スパイラル200は、この第2スパイラル200より入力側(例えば図中左側)に位置する第1スパイラル100とは、中心側の端部同士が中心側接続部材400を介して接続されており、この第2スパイラル200より出力側(例えば図中右側)に位置する第1スパイラル100とは、外側の端部同士が外側接続部材300を介して接続されている。
【0016】
ただし、第2スパイラル200は、この第2スパイラル200より出力側(例えば図中右側)に位置する第1スパイラル100とは、中心側の端部同士が中心側接続部材400を介して接続されてもよい。この場合、第2スパイラル200は、この第2スパイラル200より入力側(例えば図中左側)に位置する第1スパイラル100とは、外側の端部同士が外側接続部材300を介して接続される。
【0017】
第1スパイラル100及び第2スパイラル200は、いずれも多層配線層に垂直方向に多重に巻かれた構造を有している。インダクタ10の巻軸に対して垂直な断面(すなわち基板に対して垂直な断面)で見た場合に、第1スパイラル100を構成する配線及びビアは、いずれも同一断面に位置している。第2スパイラル200を構成する配線及びビアも、第1スパイラル100を構成する配線及びビアと同様である。このため、スパイラルを形成するために用いられる配線層数を増やすことにより、スパイラル一つあたりの巻数を容易に増やすことができるため、インダクタンスの値を大きくすることができる。
【0018】
また図2に示すように、第1スパイラル100及び第2スパイラル200は、平面視で矩形を有している。
【0019】
図3は、図1から一つの第1スパイラル100及び一つの第2スパイラル200、並びにこれらに接続する外側接続部材300及び中心側接続部材400を取り出した斜視図である。図4の各図は、多層配線層の断面図である。詳細には、図4(a)は、第1スパイラル100の構造を示しており、図4(b)は、第2スパイラル200の構造を示している。
【0020】
本図に示す例において、第1スパイラル100及び第2スパイラル200は、奇数、具体的には5層の配線層を用いて形成されている。図4に示す断面図において、第1スパイラル100は中心から外側に向けて右回りに形成されており、第2スパイラル200は外側から中心に向けて、第1スパイラルと同一の回転方向、具体的には右回りに形成されている。そして第2スパイラル200は、図47に示すように、第1スパイラル100(図47(a))を、巻軸(図3における左側から右側に向かう方向を第1の方向とする)を回転中心として図中右回りに90°回転させてから(図47(b))、巻軸に直交する平面に含まれる水平線(すなわち基板に平行な線)を基準に鏡映させ(図47(c))、かつ必要に応じて縦横比を変更した形状(図47(d))を有している。なお、図48に示すように、第1スパイラル100は、第2スパイラル200(図48(a))を、巻軸(図3における右側から左側に向かう方向を第1の方向とする)を回転中心として図中右回りに90°回転させてから(図48(b))、巻軸に直交する平面に含まれる水平線(すなわち基板に平行な線)を基準に鏡映させ(図48(c))、かつ必要に応じて縦横比を変更した形状(図47(d))を有している。
【0021】
このようにすると、第1スパイラル100の外側端部102と、第2スパイラル200の外側端部202を、互いに対向する位置に配置することができる。このため、外側接続部材300は、外側端部102及び外側端部202と同一の配線層に位置する直線状の配線とすることができる。これにより、第1スパイラル100及び第2スパイラル200を構成する配線層のうち最上層の配線層において、第1スパイラル100を構成する配線及び第2スパイラル200を構成する配線の長さを、第1スパイラル100及び第2スパイラル200の幅(径)に近づけることができる。従って、特許文献1に記載の構造と比較して、第1スパイラル100及び第2スパイラル200の巻線を長くすることができ、その結果、第1スパイラル100及び第2スパイラル200を大面積化しなくても、インダクタンスの値を大きくすることができる。
【0022】
詳細には、第1スパイラル100の外側端部102と第2スパイラル200の外側端部202は、互いに同一の配線層、具体的には第1スパイラル100及び第2スパイラル200を構成する配線層のうち最上層の配線層に、互いに対向する位置に形成されている。また第1スパイラル100の中心側端部104と、第2スパイラル200の中心側端部204とは、互いに同一の配線層、具体的には第1スパイラル100及び第2スパイラル200を構成している配線層のうち中央に位置する配線層(下から3層目の配線層)に、互いに対向する位置に形成されている。すなわちインダクタ10の巻軸方向から見た場合、外側端部102と外側端部202は互いに重なっており、中心側端部104と中心側端部204は互いに重なっている。
【0023】
ここで、第1スパイラル100の巻き線のうち外側端部102に繋がる部分と、第2スパイラル200の巻き線のうち外側端部202に繋がる部分とは、互いに直交する方向に延伸している。詳細には、第1スパイラル100の巻線のうち外側端部102に繋がる部分は、基板に対して平行に延伸している。また第2スパイラル200の巻線のうち外側端部202に繋がる部分は、基板に垂直に延伸している。そして第2スパイラル200は、第1スパイラル100を、巻き軸に直交する平面に含まれる水平線を基準に鏡映させ、外側の端部同士が重なるように回転させ、かつ縦横比を変えた形状を有している、と見なすこともできる。
【0024】
そして外側接続部材300は、外側端部102及び外側端部202と同一の配線層に位置する直線状の配線である。また中心側接続部材400は、中心側端部104及び中心側端部204と同一の配線層に位置する直線状の配線である。
【0025】
そして、第1スパイラル100は、第1領域101内に位置している。第1領域101は、インダクタ10の巻軸に垂直かつ第1スパイラル100を含む面のうち、第1スパイラル100が位置する領域として定義される。詳細には、第1領域101は、複数の第1角部と、互いに隣り合う第1角部をつなぐ複数の第1縁部とを含んでいる。本実施形態において第1領域101の外形線は、第1スパイラル100の最外周の巻線に沿った矩形として定義される。そして、矩形の4つの角部が第1角部として定義され、4辺が4つの第1縁部として定義される。第1スパイラル100の外側端部102は、第1スパイラル100を構成する配線層の最上層の配線層に位置しており、かつ第1領域101の角部に位置している。そして第1スパイラル100は、外側端部102を起点として、最上層の配線層を、第1領域101の最外周に沿って可能な限り延伸してから、第1領域101の縁に沿って巻軸を中心に一周巻かれ、最上層より一つ下の配線層のうち一周目の終端部に位置する部分、具体的には外側端部102の直下に戻る。そして第1スパイラル100は、一周目の終端部に位置する部分、具体的には外側端部102の一つ下の配線層のうち外側端部102の直下に位置する部分を起点として、二周目が、一周目の内側に沿って、巻軸を中心に巻かれる。これが繰り返されることにより、第1スパイラル100は、外側端部102から内側端部104まで、巻軸を中心に複数回巻かれる。
【0026】
また第2スパイラル200は、第2領域201内に位置している。第2領域201は、インダクタ10の巻軸に垂直かつ第2スパイラル200を含む面のうち、第2スパイラル200が位置する領域として定義される。詳細には、第2領域201は、複数の第2角部と、互いに隣り合う第2角部をつなぐ複数の第2縁部とを含んでいる。本実施形態において第2領域201の外形線は、第2スパイラル200の最外周の巻線に沿った矩形として定義される。そして、矩形の4つの角部が第2角部として定義され、4辺が4つの第2縁部として定義される。第2スパイラル200の外側端部202は、第2スパイラル200を構成する配線層の最上層の配線層に位置しており、かつ第2領域201の角部に位置している。そして第2スパイラル200は、外側端部202を起点として、第2領域201の縁に沿って可能な限り真下に向けて延伸してから、第2領域201の縁に沿って巻軸を中心に一周巻かれる。その後、第2スパイラル200は、最上層の配線層のうち外側端部202の横に位置する部分を起点として、巻軸を中心に一周巻かれる。これが繰り返されることにより、第2スパイラル200は、外側端部202から内側端部204まで、巻軸を中心に複数回巻かれる。その結果、第2スパイラル200は、第1スパイラル100とは逆向きに巻かれる。
【0027】
このため、第1スパイラル100及び第2スパイラル200は、いずれも、各配線層を可能な限り有効に使って延伸し、その結果、巻線が長くなっている。
【0028】
ただし、図49(a)に示すように、第1スパイラル100の外側端部102は、第1スパイラル100を構成する配線層の最下層の配線層に位置し、かつ第1スパイラル100の断面の角部に位置していてもよい。この場合、図49(b)に示すように、第2スパイラル200の外側端部202も、第2スパイラル200を構成する配線層の最下層の配線層に位置する。この場合、外側接続部材300も、最下層の配線層に位置する。
【0029】
この場合、第1スパイラル100は、外側端部102を起点として、最下層の配線層を、第1領域101の最外周に沿って可能な限り延伸してから、第1領域101の縁に沿って巻軸を中心に一周巻かれ、最下層の配線層の一つ上の配線層のうち前記一周目の終端部に位置する部分のうち一周目の終端部に位置する部分、具体的には外側端部102の直上に戻る。そして第1スパイラル100は、外側端部102の一つ上の配線層のうち外側端部102の直上に位置する部分を起点として、二周目が、一周目の内側に沿って、巻軸を中心に巻かれる。これが繰り返されることにより、第1スパイラル100は、外側端部102から内側端部104まで、巻軸を中心に複数回巻かれる。
【0030】
また第2スパイラル200は、外側端部202を起点として、第2領域201の縁に沿って可能な限り真上に向けて延伸してから、第2領域201の縁に沿って巻軸を中心に一周巻かれる。その後、第2スパイラル200は、最下層の配線層のうち外側端部202の内側かつ横に位置する部分を起点として、巻軸を中心に一周巻かれる。これが繰り返されることにより、第2スパイラル200は、外側端部202から内側端部204まで、巻軸を中心に複数回巻かれる。
その結果、第2スパイラル200は、第1スパイラル100とは逆向きに巻かれる。
【0031】
ここで、一つのインダクタ10の中に、図3及び図4に示した構造と、図49に示した構造とが混在していても良い。
【0032】
また図50及び図51に示すように、インダクタ10の巻軸方向から見た場合、第1スパイラル100の外側端部102と第2スパイラル200の外側端部202とは、互いに逆側に位置していても良い。
【0033】
また、図4に示す断面図において、第1スパイラル100及び第2スパイラル200は、いずれも銅配線を用いて、ダマシン法により形成されている。具体的には、第1スパイラル100及び第2スパイラル200を構成する配線及びビアは、デュアルダマシン法を用いて形成されている。
【0034】
ただし、第1スパイラル100及び第2スパイラル200を構成する配線及びビアは、他の方法により形成されていても良い。例えば図5(a)に示す例では、インダクタ10のうち最下層に位置する配線と、その上に位置する配線とを接続するビア105は、シングルダマシン法により形成されている。また図5(b)に示す例では、インダクタ10のうち最下層に位置する配線106は、タングステンなど、銅以外の導体により形成されていても良い。この場合、配線106は、多層配線層のうち一層目の配線層に形成される。
【0035】
また図6(a)に示すように、インダクタ10のうち最上層に位置する配線107は、アルミニウム又はアルミニウム合金など、銅以外の導体により形成されていても良い。この場合、配線107は、多層配線層のうち最上層の配線層、すなわち電極パッドが形成される配線層に形成される。また図6(b)に示すように、配線107がアルミニウム又はアルミニウム合金など、銅以外の導体により形成され、ビア105がシングルダマシン法により形成され、配線106がタングステンなどの銅以外の導体により形成されていても良い。
【0036】
図52及び図53は、上記したインダクタ10の構造の斜視図である。図52(a)に示す例は、図1〜図4に示した例に対応している。また図52(c)に示す例は、図52(a)に示した構造と同一であるが、第1スパイラル100を後ろ側に持ってきて第2スパイラル200を手前側に持ってきたものである。これに対して図52(b)に示す例は、図52(a)に示した第1スパイラル100及び第2スパイラル200の双方を、多層配線層に対して垂直な直線を基準に線対称にした形状である。
【0037】
また図53(a)及に示す例は、図49に示した例に対応している。また図53(b)に示す例は、図53(a)に示した第1スパイラル100及び第2スパイラル200を、多層配線層に対して垂直な直線を基準に線対称にしたものである。また図53(c)に示す例は、図52(c)に示した構造と同一であるが、第1スパイラル100を手前側に持ってきて第2スパイラル200を後ろ側に持ってきたものである。
【0038】
上記した各例では、外側端部102は第1領域101(図4参照)の角部に位置しており、外側端部202は第2領域201(図4参照)の角部に位置している。ただし、図54〜図57の各斜視図に示すように、外側端部102及び外側端部202の一方は、角部に位置していなくても良い。
【0039】
詳細には、図54に示した例は、図52に示した例に対応している。具体的には、図54(a)は図52(a)に対応しており、図54(b)は図52(b)に対応している。いずれの例においても、第1スパイラル100の外側端部102は、第1スパイラル100を構成する配線層のうちの最上層の配線層に位置している。そして外側端部102は、第1領域101の角部以外の場所、具体的には、第1領域101の角部よりも中心側に位置している。なお第1スパイラル100を構成する巻線のうち外側端部102を含む配線層に位置する部分は、第1領域101のうち外側端部102を含む辺の半分以上の長さを有している。
【0040】
また図55に示した例は、図53に示した例に対応している。具体的には、図55(a)は図53(a)に対応しており、図55(b)は図53(b)に対応している。いずれの例においても、第1スパイラル100の外側端部102は、第1スパイラル100を構成する配線層のうちの最下層の配線層に位置している。そして外側端部102は、第1領域101の角部以外の場所、具体的には、第1領域101の角部よりも中心側に位置している。なお第1スパイラル100を構成する巻線のうち外側端部102を含む配線層に位置する部分は、第1領域101のうち外側端部102を含む辺の半分以上の長さを有している。
【0041】
また図56に示す例は、図52に示した例に対応している。具体的には、図56(a)は図52(a)に対応しており、図56(b)は図52(b)に対応している。いずれの例においても、外側端部202は、第1スパイラル100を構成する配線層の最上層よりも下の配線層に位置している。ただし、外側端部202が第2領域201の縁に位置していることには変わりがない。そして第2スパイラル200を構成する巻線のうち外側端部202から垂直に下がっている部分は、第2領域201のうち外側端部102を含む辺の半分以上の長さを有している。また外側接続部材300は、ビアを有している。
【0042】
また図57に示した例は、図53に示した例に対応している。具体的には、図57(a)は図53(a)に対応しており、図57(b)は図53(b)に対応している。いずれの例においても、外側端部202は、第1スパイラル100を構成する配線層の最下層よりも上の配線層に位置している。ただし、外側端部202が第2領域201の縁に位置していることには変わりがない。そして第2スパイラル200を構成する巻線のうち外側端部202から垂直に上がっている部分は、第2領域201のうち外側端部202を含む辺の半分以上の長さを有している。また外側接続部材300は、ビアを有している。
【0043】
インダクタ10が図52,53に示した構造を有するか、図54〜図57に示した構造を有するかは、インダクタ10が用いられる半導体装置の構造によって適宜選択される。例えばインダクタ10が図52,53に示した構造を有する場合、インダクタ10を構成する巻線を最大限長くすることができる。一方、他の配線のレイアウトを考慮した場合、図54〜図57に示した構造を採用したほうが良い場合もある、ただしいずれの場合においても、インダクタ10を構成する巻線を長くすることができる。
【0044】
図7の各図は、多層配線層の断面図であり、第1スパイラル100及び第2スパイラル200の変形例を説明するための図である。図1〜図6に示した例では、多層配線層に垂直な断面で見た場合に、第1スパイラル100を構成する配線及びビアは、インダクタ10の巻軸に対して垂直な断面で見た場合に、いずれも同一断面に位置している。第2スパイラル200を構成する配線及びビアも、第1スパイラル100を構成する配線及びビアと同様である。ただし、少なくとも一つの配線やビアは、インダクタ10の巻軸に対して垂直な断面で見た場合に、他の配線やビアが位置する断面と同一の断面に位置していなくても良い。
【0045】
例えば図7(a)に示す例では、下層から上層に行くにつれて、第1スパイラル100を構成する配線が徐々に同一方向にずれている。また第2スパイラル200を構成する配線も、下層から上層に行くにつれて、徐々に第1スパイラル100を構成する配線と同一方向にずれている。
【0046】
また図7(b)に示す例では、第1スパイラル100を構成する配線のうち、最上層及び最下層の配線層に形成された配線が、中央の配線層に形成された配線と比較して特定の方向(図中左方向)にずれている。第2スパイラル200を構成する配線においても同様である。
【0047】
ただし、上記したいずれの例においても、第1スパイラル100を構成する配線と、第2スパイラル200を構成する配線との間隔は、いずれの配線層においても同一である。
【0048】
図8の各図は、インダクタ10のレイアウトを示す平面図である。インダクタ10を有する半導体チップは、複数の回路を有している。これら回路は、基板を用いて形成された素子(例えばMOSトランジスタ)を複数有している。そして平面視において、インダクタ10は、複数の回路の相互間に位置する領域に配置されている。インダクタ10は、直線状に配置されても良いし、図8(a)に示すようにL字状に折り曲げられた状態で配置されても良い。また図8(b)に示すようにT字状に配置されても良いし、図8(c)に示すように十字状に配置されても良い。なお図8の各図に示す例において、インダクタ10は複数に分割して配置されても良い。
【0049】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。本実施形態によれば、第1スパイラル100は、巻軸と平行な第1の方向から見た場合、中心から外側に向かって例えば右回りに巻かれている。また、第2スパイラル200は、第1の方向から見た場合、外側から中心に向かって、第1スパイラルと同一の向き(例えば右回り)に巻かれている。このため、第1スパイラル100及び第2スパイラル200は、外側端部102及び中心側端部104同士、または中心側端部104及び中心側端部204同士を接続すると直列に接続されることになる。従って、隣り合う第1スパイラル100及び第2スパイラル200を接続する構造が単純化するため、インダクタ10を形成する第1スパイラル100及び第2スパイラル200の数を簡単に増減できる。
【0050】
特に本図に示す例では、インダクタ10の巻軸方向から見た場合、外側端部102と外側端部202は互いに重なっており、中心側端部104と中心側端部204は互いに重なっている。このため、外側端部102と外側端部202を、直線状の外側接続部材300で接続することができ、また、中心側端部104と中心側端部204を、直線状の中心側接続部材400を用いて接続することができる。
【0051】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態に係る半導体装置が有するインダクタ10の構成を示す斜視図であり、第1の実施形態における図1に対応している。図10は、図9の要部拡大図であり、第1の実施形態における図3に対応している。図11は、多層配線層の断面図であり、本実施形態における第1スパイラル100及び第2スパイラル200の構成を示している。図11は、第1の実施形態における図4に対応している。図12は、第1スパイラル100及び第2スパイラル200の変形例を示しており、図11に対応している。
【0052】
本実施形態に係る半導体装置は、インダクタ10が6層の配線層を用いて形成されている点を除いて、第1の実施形態に係る半導体装置と同様の構成である。ただし、第1スパイラル100の中心側端部104と、第2スパイラル200の中心側端部204とは、互いに同一の配線層、具体的には第1スパイラル100及び第2スパイラル200を構成している配線層のうち中央に位置する配線層に、互いに対向する位置に形成されている。具体的には、中心側端部104及び中心側端部204は、下から3層目の配線層に形成されている。
【0053】
ただし、第1スパイラル100及び第2スパイラル200を構成している配線層は6層(すなわち偶数)であるため、これらの中央に位置する配線層は2層、具体的には、下から3層目の配線層の他に、下から4層目の配線層もある。このため、図12に示す変形例のように、中心側端部104及び中心側端部204は、下から4層目の配線層に形成されていてもよい。
【0054】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1スパイラル100及び第2スパイラル200を構成している配線層の数を増やしているため、スパイラル一つあたりの巻線が長くなり、スパイラル一つあたりのインダクタンスの値が大きくなる。
【0055】
(第3の実施形態)
図13は、第3の実施形態に係る半導体装置が有する第1スパイラル100及び第2スパイラル200の構成を示す断面図であり、第1の実施形態における図4に対応している。本実施形態に係る半導体装置は、第1スパイラル100を構成する配線層の数と、第2スパイラル200を構成する配線層の数が互いに異なる点を除いて、第1の実施形態に係る半導体装置と同様の構成である。
【0056】
詳細には、第1スパイラル100は6層の配線層を用いて形成されており、第2スパイラル200は5層の配線層を用いて形成されている。第2スパイラル200は、第1スパイラル100を構成する6層の配線層のうち上側の5層の配線層を用いて形成されている。ただし、第2スパイラル200は、第1スパイラル100を構成する6層の配線層のうち下側の5層の配線層を用いて形成されていてもよい。そして、本実施形態においても、外側端部102と外側端部202は、最上層の配線層に互いに対向する位置に形成されており、中心側端部104と中心側端部204は、同一の配線層に互いに対向する位置に形成されている。
【0057】
図14は、図13の変形例を示している。本図に示す例では、第1スパイラル100は6層の配線層を用いて形成されており、第2スパイラル200は5層の配線層を用いて形成されている。第2スパイラル200は、第1スパイラル100を構成する6層の配線層のうち上側の5層の配線層を用いて形成されている。ただし、第2スパイラル200は、第1スパイラル100を構成する6層の配線層のうち下側の5層の配線層を用いて形成されていてもよい。そして、本実施形態においても、外側端部102と外側端部202は、最上層の配線層に互いに対向する位置に形成されており、中心側端部104と中心側端部204は、同一の配線層に互いに対向する位置に形成されている。
【0058】
図15は、本実施形態の作用及び効果を説明するための図である。本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、図15(a)の平面図に示すように、インダクタ10と同一層の配線層に、インダクタ10を横切る配線600を配置したい場合がある。このような場合において、図15(b)の断面図に示すように、配線層数が少ないスパイラル(図15の例では第2スパイラル200)と重なる位置、かつ、もう一方のスパイラル(例えば第1スパイラル100)が形成されていてそのスパイラル(例えば第2スパイラル200)が形成されていない配線層(例えば一番下の配線層)に、配線600を配置することにより、インダクタ10と同一層の配線層に配線600を配置することができる。このため、効率的にインダクタ10を配置することが可能になり、半導体チップを小型化して低コスト化することができる。
【0059】
(第4の実施形態)
図16は、第4の実施形態に係る半導体装置が有するインダクタ10の平面図であり、第1の実施形態における図2に対応している。本実施形態に係るインダクタ10は、第1スパイラル100及び第2スパイラル200を構成する配線が、平面視で階段状に形成されている。すなわち第1スパイラル100及び第2スパイラル200を構成する配線は、インダクタ10の巻軸に対して、同一の角度で斜め方向に階段状に延伸している。
【0060】
図17は、図16の変形例を示す平面図である。本図に示す例において、第1スパイラル100及び第2スパイラル200を構成する配線が、平面視でインダクタ10の巻軸に対して、同一の角度で斜め方向に直線状に延伸している。
【0061】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1スパイラル100及び第2スパイラル200を、インダクタ10の巻軸に対して斜めに配置しているため、スパイラル一つあたりの巻線が長くなり、スパイラル一つあたりのインダクタンスの値が大きくなる。
【0062】
(第5の実施形態)
図18は、第5の実施形態に係る半導体装置が有する第1スパイラル100及び第2スパイラル200の構成を示す断面図であり、第1の実施形態における図4に対応している。本実施形態に係る第1スパイラル100及び第2スパイラル200は、スパイラルを構成するビアが、一つの接続箇所について複数設けられている点を除いて、第1の実施形態に係る第1スパイラル100及び第2スパイラル200と同様である。一箇所あたりのビアの数は任意である。
【0063】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、ビアの数を増やしているため、ビアに起因した寄生抵抗を小さくすることができる。
【0064】
(第6の実施形態)
図19及び図20は、第6の実施形態に係る半導体装置が有する第1スパイラル100及び第2スパイラル200の構成を示す断面図であり、第1の実施形態における図4に対応している。本実施形態に係る第1スパイラル100及び第2スパイラル200は、図19中点線で示す外周部分の形状が5角形以上の多角形(図では六角形)を有している点を除いて、第1の実施形態に係る第1スパイラル100及び第2スパイラル200と同様の構成である。なお、本図に示す例では、第1スパイラル100及び第2スパイラル200の内周部分の形状も、5角形以上の多角形(図では六角形)を有している。
【0065】
なお、図19は5層の配線層を用いて第1スパイラル100及び第2スパイラル200を形成した場合の例であり、図20は、6層の配線層を用いて第1スパイラル100及び200を形成した場合の例である。
【0066】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1スパイラル100及び第2スパイラル200の角部を丸めることができるため、インダクタ10から外部に電磁波が漏洩することを抑制できる。従って、インダクタ10に起因して電磁ノイズが発生することを抑制できる。
【0067】
(第7の実施形態)
図21及び図22は、第7の実施形態に係る半導体装置が有する第1スパイラル100及び第2スパイラル200の構成を示す断面図であり、第1の実施形態における図4に対応している。本実施形態に係る第1スパイラル100及び第2スパイラル200は、図21中点線で示す内周部分の形状が5角形以上の多角形(図では六角形)を有している点を除いて、第1の実施形態に係る第1スパイラル100及び第2スパイラル200と同様の構成である。なお、本図に示す例では、外周部分の形状は矩形である。また、第1スパイラル100及び第2スパイラル200それぞれにおいて、最上層及び最下層のビアの数を複数にして、他の層に位置するビアの数よりも多くしている。
【0068】
なお、図21は5層の配線層を用いて第1スパイラル100及び第2スパイラル200を形成した場合の例であり、図22は、6層の配線層を用いて第1スパイラル100及び200を形成した場合の例である。
【0069】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1スパイラル100及び第2スパイラル200の角部を丸めることができるため、インダクタ10から外部に電磁波が漏洩することを抑制できる。従って、インダクタ10に起因して電磁ノイズが発生することを抑制できる。さらに、ビアの数を増やしているため、ビアに起因した寄生抵抗を小さくすることができる。
【0070】
(第8の実施形態)
図23は、第8の実施形態に係る半導体装置が有する第1スパイラル100及び第2スパイラル200の構成を示す断面図であり、第1の実施形態における図4に対応している。本実施形態に係るインダクタ10は、少なくとも一部の第1スパイラル100又は第2スパイラル200が、巻軸の中心に芯部500を有している点を除いて、第1の実施形態に係るインダクタ10と同様の構成である。本図に示す例では、インダクタ10を貫通するように、芯部500が設けられている。
【0071】
芯部500は、透磁率が1以上の材料、例えばNiやFeを含んだ磁性体膜により形成されており、配線層間絶縁膜が形成されている層に埋め込まれている。本実施形態では、芯部500は絶縁性の材料であり、配線層間絶縁膜(SiO、SiOC、SiOCN、又はSiOCもしくはSiOCNの多孔質膜)よりも透磁率が高い。本図に示す例では、芯部500は、第1スパイラル100及び第2スパイラル200のうち、芯部500の一つ上の配線層に位置する配線に接触している。ただし、芯部500はこれらの配線に接触していなくても良い。
【0072】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。またインダクタ10の中心に芯部500を設けたため、インダクタ10のインダクタンスの値を大きくすることができる。
【0073】
(第9の実施形態)
図46は第9の実施形態に係るスイッチング・レギュレータを示す回路図である。本図に示すスイッチング・レギュレータは、電源ドライバモジュール1000、コイルL0、平滑容量C0、出力電圧検出用の直列形態の抵抗R1およびR2、並びにコントローラ(PWM制御回路)1200を有している。コイルL0は、第1〜第8の実施形態のいずれかに示したインダクタ10である。これにより、電源ドライバモジュール1000、コイルL0、平滑容量C0、並びに出力電圧検出用の直列形態の抵抗R1およびR2を、同一の基板上に形成することができ、その結果、スイッチング・レギュレータを小型化することができ、また信頼性も向上する。
【0074】
本実施形態に記載したスイッチングレギュレータは、特開2005−304226に開示されている構成としたが、スイッチング・レギュレータの具体的な回路構成は、図46に示した例に限定されない。
【0075】
(第10の実施形態)
図24は、第10の実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面概略図である。本実施形態に係る半導体装置は、複数の半導体チップ20を有している。各半導体チップ20は、外周部近傍にインダクタ10を有している。インダクタ10は、多層配線層に形成された配線を介して、半導体チップ20が有する回路に接続している。隣り合う半導体チップ20は、それぞれが有するインダクタ10を介して信号を送受信する。このため、隣り合う半導体チップ20において、インダクタ10は巻軸が互いに重なる位置に配置されるのが好ましい。
【0076】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、複数の半導体チップ20を配線やワイヤを用いて相互に接続しなくても、これら複数の半導体チップ20の間で信号の送受信を行うことができる。
【0077】
(第11の実施形態)
図25は、第11の実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面概略図である。本実施形態に係る半導体装置は、一つの半導体チップ20内において、第1回路22及び第2回路24を有している。第1回路22は例えばデジタル回路であり、第2回路24は例えばアナログ回路であり、周囲をガードリング25で囲まれている。このガードリング25は、第1回路22と第2回路24の間でノイズが伝播することを抑制している。第1回路22と第2回路24は、接続部26を介して信号を送受信する。本図に示す例では、複数の第1回路22が同一の第2回路24に接続している。そして接続部26は、各第1回路22別に設けられている。また、平面視で、接続部26は第1回路22及び第2回路24と重なっていない。
【0078】
図26は、接続部26の構成を示す平面図であり、第1の実施形態における図2に対応している。接続部26は、インダクタ10及び第2インダクタ12を有している。第2インダクタ12は、インダクタ10と同様の構成を有している。そして本図に示す例では、インダクタ10及び第2インダクタ12の一方の巻軸は、他方のインダクタの中を通っている。ただし、インダクタ10及び第2インダクタ12は、例えば共鳴方式で通信を行う場合は、いずれも巻軸が他方のインダクタの中を通っていなくてもよい。より好ましくは、インダクタ10と第2インダクタ12は、巻軸が重なっている。インダクタ10は第1回路22に接続しており、第2インダクタ12は第2回路24に接続している。そしてインダクタ10と半導体チップ20が電磁気的に結合(例えば誘導結合)することにより、第1回路22から第2回路24(又は第2回路24から第1回路22)に信号が送信される。
【0079】
なお、接続部26に双方向の通信機能を持たせる場合、図26に示したインダクタ10及び第2インダクタ12を2組用意すればよい。
【0080】
図27及び図28は、接続部26の変形例を示す断面図である。図27は、インダクタ10及び第2インダクタ12が5層の配線層を用いて形成されている場合を示しており、図28は、インダクタ10及び第2インダクタ12が6層の配線層を用いて形成されている場合を示している。
【0081】
これらの図に示す例において、インダクタ10を構成する第1スパイラル100と、第2インダクタ12を構成する第1スパイラル100は、同一面内に形成されている。詳細には、第2インダクタ12を構成する第1スパイラル100は、インダクタ10を構成する第1スパイラル100を、巻軸を回転中心として180°回転させた回転体と同一、または当該回転体の縦横比を変えた形状を有している。
【0082】
また、インダクタ10を構成する第2スパイラル200と、第2インダクタ12を構成する第2スパイラル200は、同一面内に形成されている。詳細には、第2インダクタ12を構成する第2スパイラル200は、インダクタ10を構成する第2スパイラル200を、巻軸に直交する平面に含まれる水平線を基準に180°回転させた回転体と同一、または当該回転体の縦横比を変えた形状を有している。
【0083】
なお、図27及び図28に示す例では、インダクタ10及び第2インダクタ12の双方を直線形状としているが、これらを円に沿って延伸させることにより、トロイダルコイル形状にしてもよい。
【0084】
本実施形態によれば、第1回路22と第2回路24を配線で接続していないため、第1回路22の基準電圧と第2回路24の基準電圧が異なる場合であっても、これらの間の絶縁性を確保しつつ互いに通信を行うことができる。また接続部26が図27又は図28に示す構成を有している場合、インダクタ10と第2インダクタ12の結合係数が高くなるため、第1回路22と第2回路24の間で通信エラーが生じることを抑制できる。なお、インダクタ10及び第2インダクタ12をトロイダルコイル形状にした場合、インダクタ10及び第2インダクタ12の中に磁束を閉じ込めることができるため、インダクタ10と第2インダクタ12の結合係数を高くすることができる。
【0085】
また図27及び図28に示した例では、インダクタ10の断面積と第2インダクタ12の断面積の合計値で考えた場合、インダクタ10及び第2インダクタ12の一方を他方の内側に位置させることができるため、スパイラルの断面積を大面積化することなく、各スパイラルの巻線を長くすることができる。すなわち、同じ断面(配線層数)に対し、面積効率が高く、かつ大きなインダクタンス値を得ることができる。
【0086】
(第12の実施形態)
図29及び図30は、第12の実施形態に係るトロイダルコイル13の構成を示す平面図であり、第1の実施形態における図2に対応している。本実施形態に係るトロイダルコイル13は、第1スパイラル100及び第2スパイラル200を交互に円弧に沿って配置した構成を有している。
【0087】
本実施形態において、中心側接続部材400は、第1スパイラル100及び第2スパイラル200の幅方向で見た場合、第1スパイラル100及び第2スパイラル200の中央部に位置している。一方、外側接続部材300は、第1スパイラル100及び第2スパイラル200の幅方向で見た場合、トロイダルコイル13の内周側の端部に位置している。
【0088】
また、互いに隣り合う第1スパイラル100及び第2スパイラル200は、一箇所を除いて外側接続部材300又は中心側接続部材400によって接続されている。この互いに接続されていない第1スパイラル100及び第2スパイラル200は、一方がトロイダルコイル13の始端になっており、他方がトロイダルコイル13の終端になっている。そしてトロイダルコイル13は、この始端及び終端で、接続配線602,604に接続している。図29に示す例では、接続配線602,604は、いずれもトロイダルコイル13の外周側の端部に接続しているが、図30に示すように、接続配線602,604の一方(又は双方)は、トロイダルコイル13の内周側の端部に接続していても良い。
【0089】
また、接続配線602,604は、トロイダルコイル13の外周側に位置している場合、トロイダルコイル13と同一層に形成されても良いし、異なる配線層に形成されても良い。一方、接続配線602,604は、トロイダルコイル13の内周側に位置している場合、トロイダルコイル13とは異なる配線層に形成される。
【0090】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0091】
(第13の実施形態)
図31(a)は、第13の実施形態に係るトロイダルコイル13の構成を示す平面図であり、第12の実施形態における図29に対応している。本実施形態に係るトロイダルコイル13は、以下の点を除いて、第12の実施形態に係るトロイダルコイル13と同様の構成である。
【0092】
まず、一つの第1スパイラル100(又は第2スパイラル200)が接続用スパイラル110に置き換わっている。そして接続用スパイラル110には、接続配線602,604が接続している。
【0093】
図31(b)は、接続用スパイラル110の構成を示す断面図である。接続用スパイラル110は、接続部材112及び接続部材114により構成されている。接続部材112及び接続部材114は、接続用スパイラル110の中では分離されている。そして接続部材112及び接続部材114の少なくとも一方は、スパイラルを構成している。このスパイラルは、トロイダルコイル13の一部として機能する。
【0094】
接続用スパイラル110の両脇にはそれぞれ第2スパイラル200が位置している。そして接続部材112の一方の端部は、中心側接続部材400を介して一方の第2スパイラル200に接続しており、接続部材114の一方の端部は、外側接続部材300を介して他方の第2スパイラル200に接続している。また接続部材112の他方の端部は接続配線604に接続しており、接続部材114の他方の端部は接続配線602に接続している。そして接続配線602,604は、いずれもトロイダルコイル13の外周側に接続している。すなわち、接続配線602は、接続部材114を介してトロイダルコイル13の本体に接続している。また接続配線604は、接続部材112を介してトロイダルコイル13の本体に接続している。
【0095】
本実施形態によっても、第12の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、接続配線602,604を平面視で重ねることができるため、接続配線602,604の占有面積を小さくすることができる。従って、他の配線を引き回すためのスペースを広くして、配線の引き回し効率を高くすることができる。
【0096】
(第14の実施形態)
図32は、第14の実施形態に係るトロイダルコイル13の構成を示す平面図であり、第13の実施形態における図31に対応している。本実施形態に係るトロイダルコイル13は、接続配線602,604の一方が、トロイダルコイル13の内周側に接続している点を除いて、第13の実施形態に係るトロイダルコイル13と同様の構成である。
本実施形態によっても、第13の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0097】
(第15の実施形態)
図33は、第15の実施形態に係るトロイダルコイル14の構成を示す平面図であり、第12の実施形態における図29に対応している。本実施形態に係るトロイダルコイル14は、4つの直線状インダクタ15を、矩形(例えば正方形)の各辺に沿って配置し、かつ互いに隣り合う直線状インダクタ15を曲線状インダクタ16で接続した構成を有している。直線状インダクタ15は、上記のいずれかの実施形態に示したインダクタ10と同様の構成を有しており、曲線状インダクタ16は、第12の実施形態におけるトロイダルコイル13を90°間隔で4分割した構成を有している。
【0098】
なお、本実施形態においても、外側接続部材300は、第1スパイラル100及び第2スパイラル200の幅方向で見た場合、トロイダルコイル14の内周側の端部に位置している。
【0099】
本実施形態によっても、第12の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、トロイダルコイル13と比較して大型のトロイダルコイル14を形成することができる。すなわちトロイダルコイルの巻数を増やすことができるため、トロイダルコイルのインダクタンスの値を大きくすることができる。
【0100】
(第16の実施形態)
図34は、第16の実施形態に係るトロイダルコイル14の構成を示す平面図であり、第15の実施形態における図33に対応している。本実施形態に係るトロイダルコイル14は、以下の点を除いて、第15の実施形態に係るトロイダルコイル14と同様の構成である。
【0101】
まず、本実施形態において、トロイダルコイル14は、互いに平行に配置された2つの直線状インダクタ15を、曲線状インダクタ16を用いて接続した構成を有している。本実施形態において曲線状インダクタ16は、トロイダルコイル13を180°間隔で2分割した構成を有している。
【0102】
本実施形態によっても、第15の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、平面視でトロイダルコイル14の占有面積を小さくすることができるため、半導体チップを小型化することができる。
【0103】
(第17の実施形態)
図35は、第17の実施形態に係るトロイダルコイルの構成を示す平面図である。本実施形態に係るトロイダルコイルは、トロイダルコイル14の中心にトロイダルコイル13を配置し、トロイダルコイル13とトロイダルコイル14を、接続部17を介して直列に接続した構成を有している。接続部17は、トロイダルコイル13及びトロイダルコイル14と同一層の配線を用いて形成されている。
【0104】
なお、本実施形態において、トロイダルコイル13を構成している配線層と、トロイダルコイル14を構成している配線層は、完全に同一であっても良いし、一部が重複する状態であっても良い。
【0105】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、トロイダルコイル14の中心にトロイダルコイル13を配置しているため、トロイダルコイルの占有面積を広げなくてもトロイダルコイルの巻数を増やすことができるため、トロイダルコイルのインダクタンスの値を大きくすることができる。
【0106】
以下、参考例を説明しつつ、本発明の更なる実施形態を説明する。
【0107】
(第1の参考例)
図36は、第1の参考例に係る半導体装置が有するインダクタ700の構成を示す平面図である。図37は、インダクタ700の斜視図である。インダクタ700は、基板上の多層配線層を用いて形成されており、第1インダクタ702及び第2インダクタ704を交互に直列につなぐことにより、形成されている。第1インダクタ702及び第2インダクタ704を構成するスパイラル710は、一重巻きである。
【0108】
具体的には、スパイラル710は、第1の配線層に形成された第1配線と、第1の配線層よりも下側に位置する第2の配線層に形成された配線とを、ビアを用いて接続することにより、一重巻きに構成されている。そして第1インダクタ702を構成するスパイラル710は、第1配線に階段状の接続部材720が設けられることにより、次のスパイラル710につながっている。また第2インダクタ704を構成するスパイラル710は、第2配線に階段状の接続部材720が設けられることにより、次のスパイラル710に繋がっている。
【0109】
さらに詳細には、第1インダクタ702の中において、互いに隣り合う710を比較した場合、接続部材720の位置は、スパイラル710の一方の側面(図中下側の端部)から他方の側面(図中上側の端部)に向けて、徐々にずれている。また第2インダクタ704の中において、互いに隣り合う710を比較した場合、接続部材720の位置は、スパイラル710の他方の側面(図中上側の端部)から一方の側面(図中下側の端部)に向けて、徐々にずれている。
【0110】
本参考例によれば、接続部材720の位置を徐々にずらしながら、スパイラル710の数を増やすことができる。従って、インダクタ700を構成するスパイラル710の数を容易に変更することができる。また、インダクタ700の巻軸に対して斜めに配置しているため、スパイラル710一つあたりの巻線が長くなり、スパイラル710一つあたりのインダクタンスの値が大きくなる。さらに、スパイラル710を構成する上層(第1の配線層)側の配線と下層(第2の配線層)側の配線とを平面視で重ねているため、磁束の軸をそろえやすくなり、その結果、スパイラル710一つあたりのインダクタンスの値が大きくなる。
【0111】
(第18の実施形態)
図38は、第18の実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図であり、第1の参考例における図36に対応している。図39は、図38のA−A´断面図である。
【0112】
本実施形態に係る半導体装置は、インダクタ700の内側に第2インダクタ800を有している点を除いて、第1の参考例に係る半導体装置と同様の構成である。インダクタ700及び第2インダクタ800の一方は、図25に示した第1回路22に接続しており、他方は、図25に示した第2回路24に接続している。
【0113】
第2インダクタ800も、インダクタ700よりも小径である点を除けば、インダクタ700と同様の構成を有している。そして図38では、インダクタ700及び第2インダクタ800の巻軸方向でみた場合、インダクタ700を構成するスパイラル710と、第2インダクタ800を構成するスパイラルとをずらしている。ただし、図39に示すように、インダクタ700を構成するスパイラル710と、第2インダクタ800を構成するスパイラルとを、同一の断面内に位置させてもよい。本図に示す例では、インダクタ700及び第2インダクタ800の双方を直線形状としたが、これらを円に沿って延伸させることにより、トロイダルコイル形状にしてもよい。
【0114】
なお、図40に示すように、第2インダクタ800を構成するスパイラルを多重巻きにしてもよい。このようにすると、インダクタ700を構成するスパイラル710の全長と、第2インダクタ800を構成するスパイラルの全長とを互いに近づけることができる。
【0115】
本実施形態によっても、第1の参考例と同様の効果を得ることができる。また、インダクタ700と第2インダクタ800とを電磁気的に結合、例えば誘導結合させることにより、第1回路22と第2回路24の間で通信を行うことができる。
【0116】
(第2の参考例)
図41は、第2の参考例に係るインダクタ700及び第2インダクタ800の構成を示す平面図であり、第2の参考例における図38に対応している。本参考例は、インダクタ700と第2インダクタ800とを、巻軸が互いに重なるように交互に配置したものである。複数のインダクタ700は互いに直列に接続されており、複数の第2インダクタ800は互いに直列に接続されている。
【0117】
本参考例において、インダクタ700は、いずれも一組の第1インダクタ702及び第2インダクタ704によって構成されており、第2インダクタ800は、一組の第1インダクタ802及び第2インダクタ804によって構成されている。第1インダクタ802の構成は、第1インダクタ702を巻軸に対して線対称にした構成であり、第2インダクタ804の構成は、第2インダクタ704を巻軸に対して線対称にした構成である。ただし、インダクタ700は、複数組の第1インダクタ702及び第2インダクタ704を有していても良い。また第2インダクタ800は、複数組の第1インダクタ802及び第2インダクタ804を有していても良い。
【0118】
本参考例によっても、第18の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、インダクタ700と第2インダクタ800を交互に並べているため、複数のインダクタ700を直列に並べた後に複数の第2インダクタ800を直列に並べた場合と比較して、各インダクタは、前後に位置する他のインダクタが生成した磁束を確保しやすくなる。従って、インダクタのインダクタンスの値を大きくすることができる。
【0119】
(第3の参考例)
図42は、第3の参考例に係るトロイダルコイル900の構成を示す平面図である。本参考例に係るトロイダルコイル900は、直線状スパイラル920を90°間隔で配置し、互いに隣り合う直線状スパイラル920を複数の湾曲スパイラル910で接続した構成を有している。
【0120】
湾曲スパイラル910は、第1配線層の第1配線及び第2配線層の第2配線を、外周側の端が互いに重なるように配置し、内周側の端が互いに重ならないように配置し、さらに外周側の端で第1配線と第2配線をビアで接続したものである。
【0121】
直線状スパイラル920は、第1配線層の第1配線及び第2配線層の第2配線を互いに平行に配置し、かつ第1配線に折曲部922を設けてその先端を第2配線に重ね、さらにその重なり部分で第1配線と第2配線をビアで接続したものである。
【0122】
この参考例によれば、トロイダルコイル900は直線状スパイラル920を有している。直線状スパイラル920では、第1配線と第2配線は互いに平行になっている。このため、直線状スパイラル920を有していない場合と比較して、トロイダルコイル900の能率を高くすることができる。
【0123】
(第4の参考例)
図43は、第4の参考例に係るトロイダルコイル900の構成を示す平面図である。本参考例に係るトロイダルコイル900は、4つの直線状のインダクタ700を、矩形(例えば正方形)の各辺に沿って配置し、かつ互いに隣り合うインダクタ700を、それぞれ複数の湾曲スパイラル910で接続した構成を有している。インダクタ700は、第1の参考例に示したインダクタ700と同様の構成を有しており、湾曲スパイラル910は、第3の参考例における湾曲スパイラル910と同様の構成を有している。
【0124】
本参考例によれば、トロイダルコイル900を大型化することができる。また、第1の参考例と同様の効果を得ることができる。
【0125】
(第5の参考例)
図44は、第5の参考例に係るトロイダルコイル900の構成を示す平面図である。本参考例に係るトロイダルコイル900は、以下の点を除いて、第4の参考例に係るトロイダルコイル900と同様の構成である。
【0126】
まず、本参考例において、トロイダルコイル900は、互いに平行に配置された2つの直線状のインダクタ700を、複数の湾曲スパイラル910及び少なくとも一つの直線状スパイラル920を用いて接続した構成を有している。湾曲スパイラル910及び直線状スパイラル920の構成は、第3の参考例と同様である。
【0127】
本参考例によっても、第4の参考例と同様の効果を得ることができる。また、2つのインダクタ700を接続する接続部の一部に直線状スパイラル920を設けているため、直線状スパイラル920を有していない場合と比較して、トロイダルコイル900の能率を高くすることができる。
【0128】
(第6の参考例)
図58は、第6の参考例に係るインダクタ10の構成を示す斜視図である。図58に示すインダクタ10は、いずれも第2スパイラル200が、多層配線層に対して垂直な直線を基準に第1スパイラル100を線対称にした構造を有している。このため、第1スパイラル100及び第2スパイラル200を向き合わせた場合、外側端部202は、外側端部102に対して対角に位置する。なお、図58(a)に示した例では、第1スパイラル100は図52(a)に示した構造を有しており、図58(b)に示した例では、第1スパイラル100は図52(b)に示した構造を有している。
【0129】
(第7の参考例)
図59は、第7の参考例に係るインダクタ10の構成を示す斜視図である。図59に示すインダクタ10も、いずれも第2スパイラル200が、多層配線層に対して垂直な直線を基準に第1スパイラル100を線対称にした構造を有している。このため、第1スパイラル100及び第2スパイラル200を向き合わせた場合、外側端部202は、外側端部102に対して対角に位置する。なお、図59(a)に示した例では、第1スパイラル100は図53(a)の第2スパイラル200と同様の構造を有しており、図59(b)に示した例では、第1スパイラル100は図53(b)の第2スパイラル200と同様の構造を有している。
【0130】
(第19の実施形態)
図45は、第19の実施形態に係るトロイダルコイルの構成を示す平面図である。本参考例に係るトロイダルコイルは、トロイダルコイル900の内周側にトロイダルコイル14を設けることにより、トロイダルコイル14を取り巻くようにトロイダルコイル900を設けたものである。トロイダルコイル14の構成は、図33を用いて説明したとおりである。そしてトロイダルコイル900とトロイダルコイル14は、互いに異なる回路に接続している。
【0131】
なお、上記した実施形態によれば、以下の発明が開示されている。
(付記1)
多層配線層と、
前記多層配線層を用いて形成され、巻軸が前記多層配線層が形成される基板と平行なインダクタと、
を備え、
前記インダクタは、第1スパイラル及び第2スパイラルを有しており、
前記第1スパイラル及び前記第2スパイラルは、外側の端部同士、または中心側の端部同士が、接続部材を介して接続されており、
前記第1スパイラルの前記外側の端部は、前記第1スパイラルを構成する配線層の最上層に位置し、かつ前記巻軸に垂直かつ前記第1スパイラルを含む面のうち前記第1スパイラルが位置する第1領域の角部に位置し、
前記第2スパイラルの前記外側の端部は、前記第2スパイラルを構成する配線層の最上層に位置し、かつ前記巻軸に垂直かつ前記第2スパイラルを含む面のうち前記第2スパイラルが位置する第2領域の角部に位置し、
前記巻軸に沿う方向のうち第1の方向を基準とした場合、前記第1スパイラル及び前記第2スパイラルは、逆向きに巻かれている半導体装置。
【0132】
(付記2)
多層配線層と、
前記多層配線層を用いて形成され、巻軸が前記多層配線層が形成される基板と平行なインダクタと、
を備え、
前記インダクタは、第1スパイラル及び第2スパイラルを有しており、
前記第1スパイラル及び前記第2スパイラルは、外側の端部同士、または中心側の端部同士が、接続部材を介して接続されており、
前記第1スパイラルの前記外側の端部は、前記第1スパイラルを構成する配線層の最下層に位置し、かつ前記巻軸に垂直かつ前記第1スパイラルを含む面のうち前記第1スパイラルが位置する第1領域の角部に位置し、
前記第2スパイラルの前記外側の端部は、前記第2スパイラルを構成する配線層の最下層に位置し、かつ前記巻軸に垂直かつ前記第2スパイラルを含む面のうち前記第2スパイラルが位置する第2領域の角部に位置し、
前記巻軸に沿う方向のうち第1の方向を基準とした場合、前記第1スパイラル及び前記第2スパイラルは、逆向きに巻かれている半導体装置。
【0133】
付記1に記載の半導体装置において、
前記第1スパイラルは、
前記外側の端部を起点として、前記最上層の配線層を前記第1領域の縁に沿って可能な限り延伸してから、前記第1領域の縁に沿って前記巻軸を中心に一周巻かれ、
その後、前記最上層の配線層の一つ下の配線層のうち前記外側の端部の直下に位置する部分を起点として、前記巻軸を中心に一周巻かれ、
これが繰り返されることにより、前記外側の端部から前記中心側の端部まで複数回巻かれており、
前記第2スパイラルは、
前記外側の端部を起点として、前記第2領域の縁に沿って可能な限り真下に向けて延伸してから、前記第2領域の縁に沿って前記巻軸を中心に一周巻かれ、
その後、前記最上層の配線層のうち前記外側の端部の横に位置する部分を起点として、前記巻軸を中心に一周巻かれ、
これが繰り返されることにより、前記外側の端部から前記中心側の端部まで複数回巻かれている半導体装置。
【0134】
付記2に記載の半導体装置において、
前記第1スパイラルは、
前記最下層の配線層を、前記第1領域の縁に沿って可能な限り延伸してから、前記第2領域の縁に沿って前記巻軸を中心に一周巻かれ、
その後、前記最下層の配線層の一つ上の配線層のうち前記外側の端部の直上に位置する部分を起点として、前記巻軸を中心に一周巻かれ、
これが繰り返されることにより、前記外側の端部から前記中心側の端部まで複数回巻かれており、
前記第2スパイラルは、
前記外側の端部を起点として、前記第2領域の縁に沿って可能な限り真上に向けて延伸してから、前記第2領域の縁に沿って前記巻軸を中心に一周巻かれ、
その後、前記最下層の配線層のうち前記外側の端部の横に位置する部分を起点として、前記巻軸を中心に一周巻かれ、
これが繰り返されることにより、前記外側の端部から前記中心側の端部まで複数回巻かれている半導体装置。
【0135】
以上、図面を参照して本発明の実施形態及び参考例について述べたが、これらは例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0136】
10 インダクタ
12 第2インダクタ
13 トロイダルコイル
14 トロイダルコイル
15 直線状インダクタ
16 曲線状インダクタ
17 接続部
20 半導体チップ
22 第1回路
24 第2回路
25 ガードリング
26 接続部
100 第1スパイラル
101 第1領域
102 外側端部
104 中心側端部
105 ビア
106 配線
107 配線
110 接続用スパイラル
112 接続部材
114 接続部材
200 第2スパイラル
201 第2領域
202 外側端部
204 中心側端部
300 外側接続部材
400 中心側接続部材
500 芯部
600 配線
602 接続配線
604 接続配線
700 インダクタ
702 第1インダクタ
704 第2インダクタ
710 スパイラル
720 接続部材
800 第2インダクタ
802 第1インダクタ
804 第2インダクタ
900 トロイダルコイル
910 湾曲スパイラル
920 直線状スパイラル
922 折曲部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層配線層と、
前記多層配線層を用いて形成され、巻軸が前記多層配線層が形成される基板と平行なコイル状のインダクタと、
を備え、
前記インダクタは、それぞれが巻線部を有する第1スパイラル及び第2スパイラル、並びに前記第1スパイラルの前記巻線部及び前記第2スパイラルの前記巻線部を、外側の端部同士、または中心側の端部同士で接続する接続部と、を有しており、
前記第1スパイラルは、前記巻軸と平行な第1の方向から見た場合、中心から外側に向かって第1の回転方向に巻かれており、
前記第2スパイラルは、前記第1の方向から見た場合、外側から中心に向かって前記第1の回転方向に巻かれており、
前記第1スパイラル及び前記第2スパイラルは、前記巻線部のうち前記外側の端部に繋がる部分が、一方のスパイラルでは前記基板に平行に延伸しており、他方のスパイラルでは前記基板に直行に延伸している半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記第2スパイラルは、前記第1スパイラルを、前記巻軸に直交する平面に含まれる水平線を基準に鏡映させ、前記巻軸を中心に回転させ、かつ縦横比を変更した形状を有している半導体装置。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記第2スパイラルは、前記第1スパイラルを、前記巻軸に直交する平面に含まれる水平線を基準に鏡映させ、前記第1スパイラル及び前記第2スパイラルの外側の端部同士が重なるように前記巻き軸を中心に回転させ、かつ縦横比を変更した形状を有している半導体装置。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記第1スパイラルの前記外側の端部は、前記巻軸に垂直かつ前記第1スパイラルを含む面のうち前記第1スパイラルが位置し、複数の第1角部及び前記複数の第1角部をつなぐ第1縁部を複数有する第1領域の一つの前記第1角部に位置し、
前記第2スパイラルの前記外側の端部は、前記巻軸に垂直かつ前記第2スパイラルを含む面のうち前記第2スパイラルが位置し、複数の第2角部及び前記複数の第2角部をつなぐ第2縁部を複数有する第2領域の一つの前記第2角部に位置する半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置において、
前記第1スパイラルの前記外側の端部は、前記第1スパイラルを構成する配線層の最上層に位置する前記第1角部に位置し、
前記第2スパイラルの前記外側の端部は、前記第2スパイラルを構成する配線層の最上層に位置する前記第2角部に位置する半導体装置。
【請求項6】
請求項4に記載の半導体装置において、
前記第1スパイラルの前記外側の端部は、前記第1スパイラルを構成する配線層の最上層に位置し、
前記第2スパイラルの前記外側の端部は、前記第2スパイラルを構成する配線層の最上層に位置する半導体装置。
【請求項7】
請求項4に記載の半導体装置において、
前記第1スパイラルの前記外側の端部は、前記第1スパイラルを構成する配線層の最上層に位置し、
前記第2スパイラルの前記外側の端部は、前記第2スパイラルを構成する配線層の最上層以外の配線層に位置する半導体装置
【請求項8】
請求項5,6,7のいずれか一項に記載の半導体装置において、
前記第1スパイラルは、
前記外側の端部を起点として、前記最上層の配線層を前記第1領域の前記第1縁部に沿って可能な限り延伸してから、残りの前記第1縁部に沿って前記複数の第1角部を経由して前記巻軸を中心に一周巻かれ、
その後、前記最上層の配線層の一つ下の配線層のうち前記一周目の終端部に位置する部分を起点として、前記巻軸を中心に一周巻かれ、
これが繰り返されることにより、前記外側の端部から前記中心側の端部まで複数回巻かれており、
前記第2スパイラルは、
前記外側の端部を起点として、前記第2領域の前記第2縁部に沿って可能な限り真下に向けて延伸してから、残りの前記第2縁部に沿って前記複数の第2角部を経由して前記巻軸を中心に一周巻かれ、
その後、前記最上層の配線層のうち前記外側の端部の内側に位置する部分を起点として、前記巻軸を中心に一周巻かれ、
これが繰り返されることにより、前記外側の端部から前記中心側の端部まで複数回巻かれている半導体装置。
【請求項9】
請求項4に記載の半導体装置において、
前記第1スパイラルの前記外側の端部は、前記第1スパイラルを構成する配線層の最下層に位置し、
前記第2スパイラルの前記外側の端部は、前記第2スパイラルを構成する配線層の最下層に位置している半導体装置。
【請求項10】
請求項4に記載の半導体装置において、
前記第1スパイラルの前記外側の端部は、前記第1スパイラルを構成する配線層の最下層に位置し、
前記第2スパイラルの前記外側の端部は、前記第2スパイラルを構成する配線層の最下層以外の配線層に位置する半導体装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の半導体装置において、
前記第1スパイラルは、
前記最下層の配線層を、前記第1領域の前記第1縁部に沿って可能な限り延伸してから、残りの前記第1縁部に沿って前記巻軸を中心に一周巻かれ、
その後、前記最下層の配線層の一つ上の配線層のうち前記一周目の終端部に位置する部分を起点として、前記巻軸を中心に一周巻かれ、
これが繰り返されることにより、前記外側の端部から前記中心側の端部まで複数回巻かれており、
前記第2スパイラルは、
前記外側の端部を起点として、前記第2領域の前記第2縁部に沿って可能な限り真上に向けて延伸してから、残りの前記第2縁部に沿って前記巻軸を中心に一周巻かれ、
その後、前記最下層の配線層のうち前記外側の端部の内側に位置する部分を起点として、前記巻軸を中心に一周巻かれ、
これが繰り返されることにより、前記外側の端部から前記中心側の端部まで複数回巻かれている半導体装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の半導体装置において、
前記インダクタの少なくとも一部に、透磁率が1以上の芯部が設けられている半導体装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の半導体装置において、
デジタル回路と、
アナログ回路と、
前記デジタル回路に接続された第1の前記インダクタと、
前記アナログ回路に接続された第2の前記インダクタと、
を備える半導体装置。
【請求項14】
請求項13に記載の半導体装置において、
平面視で、前記第1のインダクタ及び前記第2のインダクタは、前記デジタル回路及び前記アナログ回路とは重なっていない半導体装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の半導体装置において、
前記インダクタはトロイダルコイルである半導体装置。
【請求項16】
請求項15に記載の半導体装置において、
前記第1スパイラル及び前記第2スパイラルの外側の端部は、前記トロイダルコイルの内周側の端部に位置しており、互いに接続されている半導体装置。
【請求項17】
第1回路と、
第2回路と、
多層配線層と、
前記第1回路に接続され、前記多層配線層を用いて形成され、巻軸が前記多層配線層が形成される基板と平行なコイル状の第1のインダクタと、
前記第2回路に接続され、前記多層配線層を用いて形成され、巻軸が前記多層配線層が形成される基板と平行なコイル状の第2のインダクタと、
を備え、
前記第1インダクタ及び前記第2インダクタの少なくとも一方の巻き軸は、他方の中を通っており、
前記第1のインダクタ及び前記第2のインダクタは、いずれも、それぞれが巻線部を有する第1スパイラル及び第2スパイラル、並びに前記第1スパイラルの前記巻線部及び前記第2スパイラルの前記巻線部を、外側の端部同士、または中心側の端部同士で接続する接続部を有しており、
前記第1スパイラルは、前記巻軸と平行な第1の方向から見た場合、中心から外側に向かって巻かれており、
前記第2スパイラルは、前記第1の方向から見た場合、外側から中心に向かって巻かれており、
前記第1インダクタの前記第1スパイラルを含む平面は、前記第2インダクタの前記第1スパイラルを含んでおり、
前記第1インダクタの前記第1スパイラルは、前記第2インダクタの前記第1スパイラルを、前記巻軸を回転中心として180°回転させた回転体と同一、または当該回転体の縦横比を変えた形状を有しており、
前記第1インダクタの前記第2スパイラルを含む平面は、前記第2インダクタの前記第2スパイラルを含んでおり、
前記第1インダクタの前記第2スパイラルは、前記第2インダクタの前記第2スパイラルを、前記巻軸を回転中心として180°回転させた回転体と同一、または当該回転体の縦横比を変えた形状を有している半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【公開番号】特開2012−222252(P2012−222252A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88600(P2011−88600)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】