説明

半導体装置

【課題】酸化物半導体を用いたトランジスタを具備する画素において、開口率の向上を図る。
【解決手段】酸化物半導体を用いたトランジスタ881は、リーク電流が小さいため、画素880内の容量素子を設ける必要がなくなる。または容量素子を小さくすることができ、たとえば液晶容量よりも小さくすることができる。これらによって、画素880の開口率を向上することができる。前記トランジスタのチャネル形成領域は、酸化物半導体を有し、前記容量素子の容量は、前記液晶素子の容量よりも小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一形態は、酸化物半導体を用いた電界効果型トランジスタにより構成される半導
体装置に関する。
【0002】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置
全般を指し、液晶表示装置などの電気光学装置、半導体回路及び電子機器は全て半導体装
置である。
【背景技術】
【0003】
絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜を用いて薄膜トランジスタを構成する技
術が注目されている。薄膜トランジスタは液晶テレビに代表されるような表示装置に用い
られている。薄膜トランジスタに適用可能な半導体薄膜としてシリコン系半導体材料が公
知であるが、その他の材料として酸化物半導体が注目されている。
【0004】
酸化物半導体の材料としては、酸化亜鉛または酸化亜鉛を成分とするものが知られている
。そして、電子キャリア濃度が1018/cm未満である非晶質酸化物(酸化物半導体
)なるもので形成された薄膜トランジスタが開示されている(特許文献1乃至3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−165527号公報
【特許文献2】特開2006−165528号公報
【特許文献3】特開2006−165529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、酸化物半導体膜は、その形成工程において化学量論的組成からのずれが生
じ、問題となることがある。例えば、膜中の酸素が過不足となった場合や、不純物として
含まれる水素が電子供与体となる場合は、電気伝導度を変化させてしまう。
【0007】
電子キャリア濃度が1018/cm未満としても、酸化物半導体においては実質的には
n型であり、上記特許文献に開示される薄膜トランジスタのオンオフ比は10しか得ら
れていない。この様な薄膜トランジスタのオンオフ比が低い理由は、オフ電流が高いこと
によるものである。
【0008】
本発明の一形態は、安定した電気的特性(例えば、オフ電流がきわめて低減されている)
を有する薄膜トランジスタを含んで構成される表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態は、酸化物半導体中で電子供与体(ドナー)となる不純物を除去すること
で、真性または実質的に真性な半導体であって、シリコン半導体よりもエネルギーギャッ
プが大きい酸化物半導体でチャネル領域が形成される薄膜トランジスタを有する液晶表示
装置を構成するものである。
【0010】
すなわち、本発明の一形態は、酸化物半導体に含まれる水素を5×1019/cm以下
、好ましくは5×1018/cm以下、より好ましくは5×1017/cm以下とな
るように酸化物半導体に含まれる水素若しくはOH基を極めて少ない状態とし、キャリア
濃度を5×1014/cm以下、好ましくは5×1012/cm以下とした酸化物半
導体膜でチャネル領域が形成される薄膜トランジスタを有する液晶表示装置が構成される
ものである。
【0011】
酸化物半導体のエネルギーギャップは2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ま
しくは3eV以上として、ドナーを形成する水素等の不純物を極力低減し、キャリア濃度
を1×1014/cm以下、好ましくは1×1012/cm以下となる様にする。
【0012】
この様に高純度化された酸化物半導体は、薄膜トランジスタのチャネル形成領域に用いる
ことで、チャネル幅が10mmでドレイン電圧が10Vであっても、ゲート電圧が−5V
から−20Vの範囲において、そのドレイン電流は1×10−13A以下となる様に作用
する。
【0013】
本明細書で開示する本発明の一態様は、ゲート電極と、ゲート電極と重なる様に設けられ
たゲート絶縁層と、ゲート絶縁層を介してゲート電極と重なる様に設けられた酸化物半導
体層と、酸化物半導体層の一部と重なるソース電極及びドレイン電極と、を有する薄膜ト
ランジスタが、画素部に配設される信号線と画素電極との間に設けられており、前記画素
電極と電気的に接続される補助容量が形成されていないことを特徴とする液晶表示装置で
ある。
【0014】
また、本明細書で開示する本発明の他の一態様は、ゲート電極と、ゲート電極と重なる様
に設けられたゲート絶縁層と、ゲート絶縁層を介してゲート電極と重なる様に設けられた
酸化物半導体層と、酸化物半導体層の一部と重なるソース電極及びドレイン電極と、を有
する薄膜トランジスタが、1画素内に設けられた複数の副画素のそれぞれに配設される信
号線と画素電極との間に一つずつ設けられており、前記画素電極と電気的に接続される補
助容量が形成されていないことを特徴とする液晶表示装置である。
【0015】
なお、補助容量とは、意図的に設けた容量素子を意味するものであり、意図的に設けられ
たものではない寄生容量は形成されていても良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一形態によれば、オフ電流が1×10−13A以下に低減されていることで、画
素に印加した信号電圧を保持する容量を付加的に設ける必要がなくなる。すなわち、各画
素に補助容量を設けなくて済むので、開口率を向上させることができる。また、本発明の
一形態に係る薄膜トランジスタを用いた画素は、一定の状態(映像信号が書き込まれた状
態)を保持することが可能となるので、静止画を表示する場合にも安定した動作をするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】液晶表示装置について説明する上面図及び断面図。
【図2】液晶表示装置について説明する上面図及び断面図。
【図3】液晶表示装置の作製方法について説明する断面図。
【図4】酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタのVg−Id特性。
【図5】酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタの写真。
【図6】酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタのVg−Id特性(温度特性)。
【図7】液晶表示装置について説明する図。
【図8】酸化物半導体を用いた逆スタガ型の薄膜トランジスタの縦断面図。
【図9】図8に示すA−A’断面におけるエネルギーバンド図(模式図)。
【図10】図8に示すB−B’断面におけるエネルギーバンド図(模式図)であって、(A)ゲート(G1)に正の電位(+V)が印加された状態を示し、(B)ゲート(G1)に負の電位(−V)が印加された状態示す図。
【図11】真空準位と金属の仕事関数(φ)、酸化物半導体の電子親和力(χ)の関係を示す図。
【図12】液晶表示装置について説明する図。
【図13】液晶表示装置について説明する図。
【図14】液晶表示装置について説明する図。
【図15】液晶表示装置について説明する図。
【図16】液晶表示装置について説明する図。
【図17】電子機器について説明する図。
【図18】電子機器について説明する図。
【図19】シリコンMOSトランジスタのソース−ドレイン間のバンド構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明
に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々
に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施
の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構
成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共
通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0019】
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、または領域は、明
瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない

【0020】
なお、本明細書にて用いる第1、第2、第3、等の用語は、構成要素の混同を避けるため
に付したものであり、数的に限定するものではない。そのため、例えば、「第1の」を「
第2の」または「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。
【0021】
(実施の形態1)
本発明の一態様における薄膜トランジスタを用いて液晶表示装置の画素を構成する例を以
下に説明する。本実施の形態では、一例として、液晶表示装置における画素が有する薄膜
トランジスタ及び当該薄膜トランジスタに接続された電極(画素電極ともいう)について
示し、説明する。なお、画素とは、表示装置の各画素に設けられた各素子、例えば薄膜ト
ランジスタ、画素電極として機能する電極、及び電気的な信号を素子に供給する配線等を
含むものである。なお、画素は、カラーフィルター等を含むものであっても良い。例えば
、RGBの色要素からなるカラー表示装置の場合には、画像の最小単位は、Rの画素とG
の画素とBの画素との三画素から構成されるものとなる。
【0022】
なお、AとBとが接続されている、と記載する場合は、AとBとが電気的に接続されてい
る場合と、AとBとが直接接続されている場合とを含むものとする。ここで、A、Bは、
対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとす
る。
【0023】
また、保持容量とは液晶素子の容量と、別に設けられた容量素子の容量を合わせたもので
あり、前者を液晶容量、後者を補助容量と区別する。
【0024】
まず、従来の液晶表示装置における画素部の一例として、上面図を図2(A)に示す。な
お図2(A)に示す薄膜トランジスタの構造は、ボトムゲート型構造であり、ゲート電極
と重なる酸化物半導体層上にソース電極及びドレイン電極となる配線層を有する、いわゆ
る逆スタガ型の構成について示している。
【0025】
図2(A)に示す画素部は、走査線として機能する第1の配線2101、信号線として機
能する第2の配線2102A、酸化物半導体層2103、容量線2104、画素電極21
05を有する。また、酸化物半導体層2103と画素電極2105とを電気的に接続する
ための第3の配線2102Bを有する。
【0026】
第1の配線2101は、薄膜トランジスタ2106のゲート電極として機能する配線でも
ある。
【0027】
第2の配線2102Aは、ソース電極またはドレイン電極の一方及び容量素子の一方の電
極として機能する配線でもある。
【0028】
第3の配線2102Bは、ソース電極またはドレイン電極の他方として機能する配線でも
ある。
【0029】
容量線2104は、容量素子の他方の電極として機能する配線である。なお、第1の配線
2101と、容量線2104とが同層に設けられ、第2の配線2102Aと、第3の配線
2102Bとが同層に設けられる。また、第3の配線2102Bと容量線2104とは、
一部重畳して設けられており、液晶素子の補助容量(容量素子)を形成している。なお、
薄膜トランジスタ2106が有する酸化物半導体層2103は、第1の配線2101上に
ゲート絶縁膜2113(図示せず)を介して設けられている。
【0030】
また、図2(B)には、図2(A)における一点鎖線A1−A2間の断面構造について示
している。
【0031】
図2(B)に示す断面構造において、基板2111上には、下地膜2112を介して、ゲ
ート電極である第1の配線2101、及び容量線2104が設けられている。また、第1
の配線2101及び容量線2104を覆う様にゲート絶縁膜2113が設けられ、ゲート
絶縁膜2113上には、酸化物半導体層2103が設けられている。更に酸化物半導体層
2103上には、第2の配線2102A、第3の配線2102Bが設けられ、それらの上
には、パッシベーション膜として機能する酸化物絶縁層2114が設けられている。酸化
物絶縁層2114には開口部が形成されており、開口部において画素電極2105と第3
の配線2102Bとの接続がなされる。また、第3の配線2102Bと容量線2104と
は、ゲート絶縁膜2113を誘電体として容量素子を形成している。
【0032】
なお、図2(A)、(B)に示す画素は、図7に示す様に、基板700上に複数の画素7
01がマトリクス状に配置されるものである。図7では、基板700上に画素部702、
走査線駆動回路703、及び信号線駆動回路704を有する構成について示している。画
素701は、走査線駆動回路703に接続された第1の配線101によって供給される走
査信号により、各行ごとに選択状態か、非選択状態かが決定される。また走査信号によっ
て選択されている画素701は、信号線駆動回路704に接続された配線2102Aによ
って、ビデオ電圧(画像信号、ビデオ信号、またはビデオデータともいう)が供給される

【0033】
図7では、走査線駆動回路703、信号線駆動回路704が基板700上に設けられる構
成について示したが、走査線駆動回路703または信号線駆動回路704のいずれか一つ
が基板700上に設けられる構成としてもよい。また画素部702のみを基板700上に
設ける構成としても良い。
【0034】
図7の画素部702には、複数の画素701がマトリクス状に配置(ストライプ配置)す
る例について示している。なお、画素701は、必ずしもマトリクス状に配置されている
必要はなく、例えば、画素701をデルタ配置、またはベイヤー配置してもよい。また画
素部702における表示方式はプログレッシブ方式、インターレース方式のいずれかを用
いることができる。なお、カラー表示する際に画素で制御する色要素としては、RGB(
Rは赤、Gは緑、Bは青)の三色に限定されず、例えば、RGBW(Wは白)、またはR
GBに、イエロー、シアン、マゼンタなどを一色以上追加したものなどがある。なお、色
要素のドット毎にその表示領域の大きさが異なっていてもよい。
【0035】
図7において、第1の配線2101及び第2の配線2102Aは、画素の行方向及び列方
向の数に応じて形成される。なお、第1の配線2101及び第2の配線2102Aは、画
素を構成するサブ画素(副画素、サブピクセルともいう)の数、または画素内のトランジ
スタの数に応じて、本数を増やす構成としてもよい。また画素間で第1の配線2101及
び第2の配線2102Aを共有して画素701を駆動する構成としても良い。
【0036】
なお、図2(A)では第2の配線2102Aを矩形状であるものとして示しているが、第
3の配線2102Bを囲む形状(具体的には、U字型またはC字型)とし、キャリアが移
動する領域の面積を増加させ、流れる電流量を増やす構成としてもよい。
【0037】
なお、薄膜トランジスタは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端
子を有する素子であり、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有しており、ド
レイン領域とチャネル領域とソース領域とを介して電流を流すことが出来る。ここで、ソ
ースとドレインとは、トランジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソ
ースまたはドレインであるかを限定することが困難である。そこで、ソース及びドレイン
として機能する領域を、ソースもしくはドレインと呼ばない場合がある。その場合、一例
としては、それぞれを第1端子、第2端子と表記する場合がある。あるいは、それぞれを
第1電極、第2電極と表記する場合がある。あるいは、第1領域、第2領域と表記する場
合がある。
【0038】
次に、図1に本発明の一態様における画素部の構成例を示す。図1(A)は、図2(A)
に示した従来例の画素部の構造から容量素子(補助容量)を省いたものである。それに伴
って容量線が不要となり、第3の配線102Bは容量素子の電極を兼ねていたが、ソース
電極またはドレイン電極として画素電極105のみと接続される配線となり、面積も縮小
されている。従って、開口率を大幅に向上させることができる。
【0039】
なお、本発明の一態様として容量素子を省いた画素部の構成例においても、容量素子以外
は前述した従来例と同じ構成を用いることができる。また、逆スタガ型のトランジスタを
一例として説明したが、ボトムコンタクト型やトップゲート型など、他のトランジスタの
構造を用いても良い。
【0040】
なお、上述した様に画素部から容量素子を省くには、充電された液晶素子のみによって画
素の電位を一定期間保持する必要がある。このためには、薄膜トランジスタのオフ電流を
十分に低くしなければならない。この特性を実現するための薄膜トランジスタの作製方法
の一例を図3を用いて説明する。
【0041】
まず、透光性を有する基板111にはガラス基板を用いることができる。なお、基板11
1上に基板111からの不純物の拡散の防止、または基板111上に設ける各素子との密
着性を向上するための下地膜112を設ける構成としている。なお、下地膜112は、必
ずしも設ける必要はない。
【0042】
次いで、下地膜112上に導電層を形成した後、第1のフォトリソグラフィ工程を行い、
レジストマスクを形成し、エッチングにより不要な部分を除去して第1の配線101を形
成する。このとき、第1の配線101の端部がテーパー形状となる様にエッチングするこ
とが好ましい。この段階での断面図を図3(A)に示す。
【0043】
第1の配線101は、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが望まし
いが、アルミニウム単体では耐熱性が劣り、また腐蝕しやすい等の問題点があるので耐熱
性導電性材料と組み合わせて形成すると良い。耐熱性導電性材料としては、チタン、タン
タル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素、
または上述した元素を成分とする合金か、上述した元素を組み合わせた合金、または上述
した元素を成分とする窒化物で形成することができる。
【0044】
なお、インクジェット法や印刷法を用いて薄膜トランジスタを構成する配線等を形成する
ことができる。これらはフォトマスクを用いなくても製造することができるため、トラン
ジスタのレイアウトを容易に変更することが出来る。更に、レジストを用いる必要がない
ので、材料費が安くなり、工程数を削減できる。また、インクジェット法や印刷法を用い
てレジストマスク等を形成することもできる。インクジェット法や印刷法は、レジストマ
スクを必要な部分にのみに形成することができるため、低コスト化が図れる。
【0045】
また、多階調マスクにより複数(代表的には二種類)の厚さの領域を有するレジストマス
クを形成し、配線等の形成を行っても良い。
【0046】
次いで、第1の配線101上に絶縁膜(以下、ゲート絶縁膜113という)を成膜する。
【0047】
本実施の形態において、ゲート絶縁膜113の形成は、マイクロ波(2.45GHz)を
用いた高密度プラズマCVD装置により行う。ここで、高密度プラズマCVD装置とは、
1×1011/cm以上のプラズマ密度を達成できる装置を指している。例えば、3k
W以上6kW以下のマイクロ波電力を印加してプラズマを発生させて、絶縁膜の成膜を行
う。
【0048】
チャンバーに材料ガスとしてモノシランガス(SiH)と亜酸化窒素(NO)と希ガ
スを導入し、10Pa以上30Pa以下の圧力で高密度プラズマを発生させて基板上に絶
縁膜を形成する。その後、モノシランガスの供給を停止し、大気に曝すことなく亜酸化窒
素(NO)と希ガスとを導入して絶縁膜表面にプラズマ処理を行ってもよい。少なくと
も亜酸化窒素(NO)と希ガスとを導入して絶縁膜表面に行われるプラズマ処理は、絶
縁膜の成膜より後に行う。上記プロセス順序を経た絶縁膜は、膜厚が薄く、例えば100
nm未満であっても信頼性を確保することができる。
【0049】
ゲート絶縁膜113の形成の際、チャンバーに導入するモノシランガス(SiH)と亜
酸化窒素(NO)との流量比は、1:10から1:200の範囲とする。また、チャン
バーに導入する希ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、キセノンなどを用い
ることができるが、中でも安価であるアルゴンを用いることが好ましい。
【0050】
また、高密度プラズマCVD装置により得られる絶縁膜は、段差被覆性に優れており、膜
厚も正確に制御することができる。
【0051】
上記プロセス順序を経た絶縁膜は、従来の平行平板型のPCVD装置で得られる絶縁膜と
は大きく異なっており、同じエッチャントを用いてエッチング速度を比較した場合におい
て、平行平板型のPCVD装置で得られる絶縁膜の10%以上または20%以上遅く、高
密度プラズマCVD装置で得られる絶縁膜は緻密な膜と言える。
【0052】
本実施の形態では、ゲート絶縁膜113として高密度プラズマCVD装置による膜厚10
0nmの酸化窒化珪素膜(SiOとも呼ぶ、ただし、x>y>0)を用いる。
【0053】
ゲート絶縁膜113を形成する他の手法として、スパッタ法を用いても良い。勿論、ゲー
ト絶縁膜113は、この様な酸化シリコン膜に限定されるものでなく、酸化窒化シリコン
膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化タンタル膜などの他の絶縁膜を用い、こ
れらの材料から成る単層または積層構造として形成しても良い。
【0054】
なお、酸化物半導体を成膜する前に、スパッタガスにアルゴンを用いて逆スパッタを行い
、ゲート絶縁膜113の表面に付着しているゴミを除去することが好ましい。なお、スパ
ッタガスをアルゴンに代えて窒素、ヘリウムなどを用いても良い。また、アルゴンに酸素
、水素、NO、Cl、またはCFなどを加えたスパッタガスを用いても良い。
【0055】
次に、ゲート絶縁膜113上に酸化物半導体膜を成膜する。酸化物半導体を半導体層に用
いたトランジスタは、アモルファスシリコンを用いるものよりも電界効果移動度を高める
ことが出来る。なお、酸化物半導体としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(
SnO)なども用いることができる。また、ZnOにInやGaなどを添加することも
できる。
【0056】
酸化物半導体膜には、化学式InMO(ZnO)(m>0)で表記される薄膜を用い
ることができる。ここで、Mは、Ga、Al、Mn及びCoから選ばれた一つまたは複数
の金属元素を示す。具体的にMは、Ga、Ga及びAl、Ga及びMn、またはGa及び
Co等とする。
【0057】
該酸化物半導体膜には、四元系金属酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn−O系酸化物半
導体や、三元系金属酸化物であるIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体、In−Sn−Z
n−O系酸化物半導体、In−Al−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Ga−Zn−O系
酸化物半導体、Al−Ga−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Al−Zn−O系酸化物半
導体や、二元系金属酸化物であるIn−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Zn−O系酸化
物半導体、Al−Zn−O系酸化物半導体、Zn−Mg−O系酸化物半導体、Sn−Mg
−O系酸化物半導体、In−Mg−O系酸化物半導体や、In−Ga−O系酸化物半導体
、In−O系酸化物半導体、Sn−O系酸化物半導体、Zn−O系酸化物半導体などを用
いることができる。また、上記酸化物半導体にSiOを含んでもよい。ここで、In−
Ga−Zn−O系酸化物半導体とは、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Z
n)を有する酸化物という意味であり、その化学量論組成比は特に問わない。また、In
とGaとZn以外の元素を含んでいてもよい。また、酸化物半導体のエネルギーギャップ
は2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上であることが好ま
しい。
【0058】
ここでは、酸化物半導体としてIn−Ga−Zn−O系膜を用いる。ここでは、モル数比
でIn:Ga:ZnO=1:1:1または、In:Ga:Zn
O=1:1:2としたターゲットを用いてスパッタ法にて成膜する。基板とターゲットの
間との距離を100mm、圧力0.6Pa、直流(DC)電源0.5kW、酸素(酸素流
量比率100%)雰囲気下で成膜する。なお、パルス直流(DC)電源を用いると、成膜
時に発生する粉状物質(パーティクル、ゴミともいう)が軽減でき、膜厚分布も均一とな
るために好ましい。
【0059】
この場合において、処理室内の残留水分を除去しつつ酸化物半導体膜を成膜することが好
ましい。酸化物半導体膜に水素、水酸基または水分が含まれない様にするためである。
【0060】
処理室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプを用いることが好ましい。
例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが
好ましい。また、排気手段としては、ターボ分子ポンプにコールドトラップを加えたもの
であってもよい。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素原子や、水(
O)など水素原子を含む化合物等が排気されるため、当該成膜室で成膜した酸化物半
導体膜に含まれる不純物の濃度を低減できる。
【0061】
次いで、第2のフォトリソグラフィ工程を行い、レジストマスクを形成し、エッチングに
より不要な部分を除去して酸化物半導体層103を形成する。なお、次に行う酸化物半導
体層への第1の加熱処理は、島状の酸化物半導体層に加工する前の酸化物半導体膜に行う
こともできる。この段階での断面図を図3(B)に示す。
【0062】
次いで、酸化物半導体層の脱水化または脱水素化を行う。脱水化または脱水素化を行う第
1の加熱処理の温度は、400℃以上750℃以下、好ましくは425℃以上750℃以
下とする。なお、425℃以上であれば加熱処理時間は1時間以下でよいが、425℃未
満であれば加熱処理時間は、1時間以上行うこととする。ここでは、加熱処理装置の一つ
である電気炉に基板を導入し、酸化物半導体層に対して窒素雰囲気下において加熱処理を
行った後、大気に曝すことなく、同じ炉に高純度の酸素ガス、高純度のNOガス、また
は超乾燥エア(露点が−40℃以下、好ましくは−60℃以下)を導入して冷却を行う。
このとき、導入するガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。または、加熱処
理装置に導入するガスの純度を、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99
.99999%)以上、(即ちガス中の不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1p
pm以下)とする。
【0063】
なお、本明細書では、窒素、または希ガス等の不活性気体雰囲気下での加熱処理を脱水化
または脱水素化のための加熱処理と呼ぶ。本明細書では、この加熱処理によってHとし
て脱離させていることのみを脱水素化と呼んでいるわけではなく、H、OHなどを脱離す
ることを含めて脱水化または脱水素化と便宜上呼ぶこととする。
【0064】
また、加熱処理装置は電気炉に限られず、例えば、GRTA(Gas Rapid Th
ermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid Thermal
Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用
いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノン
アークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、または高圧水銀ランプな
どのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。また
、LRTA装置は、ランプだけでなく、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻
射によって、被処理物を加熱する装置を備えていてもよい。GRTAとは高温のガスを用
いて加熱処理を行う方法である。ガスには、アルゴンなどの希ガスや窒素などの加熱処理
によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。この様なRTA法を用いて、6
00℃以上750℃以下の温度で数分間加熱処理を行ってもよい。
【0065】
また、脱水化または脱水素化を行う第1の加熱処理後に200℃以上400℃以下、好ま
しくは200℃以上300℃以下の温度で酸素ガスまたはNOガス雰囲気下での加熱処
理を行ってもよい。
【0066】
酸化物半導体層を400℃以上750℃以下の温度で熱処理することで、酸化物半導体層
の脱水化、脱水素化が図られ、その後の水(HO)の再含浸を防ぐことができる。脱水
化または脱水素化と同時にi型の酸化物半導体層は、酸素欠乏型となって低抵抗化、即ち
n型化(n、nなど)する。n型化した酸化物半導体層に接する酸化物絶縁膜を形成
すると、酸化物半導体層は酸素過剰な状態となり、再びi型となって高抵抗化する。この
様な酸化物半導体層を用いたトランジスタは、そのしきい値電圧値が正であり、所謂ノー
マリーオフ特性を示す。表示装置等の半導体装置に用いるトランジスタは、ゲート電圧が
0Vにできるだけ近い正のしきい値電圧であることが好ましい。アクティブマトリクス型
の表示装置においては、回路を構成するトランジスタの電気特性が重要であり、この電気
特性が表示装置の性能を左右する。特に、トランジスタのしきい値電圧は重要である。ト
ランジスタのしきい値電圧値が負であると、ゲート電圧が0Vでもソース電極とドレイン
電極の間に電流が流れる、所謂ノーマリーオン特性となり、該トランジスタで構成した回
路を制御することが困難となる。また、しきい値電圧値が正であっても、その絶対値が高
いトランジスタの場合には、駆動電圧が足りずにスイッチング動作そのものができないこ
とがある。nチャネル型のトランジスタの場合は、ゲート電圧に正の電圧を印加してはじ
めてチャネルが形成されて、ドレイン電流が流れ出すトランジスタであることが望ましい
。駆動電圧を高くしないとチャネルが形成されないトランジスタや、負の電圧状態でもチ
ャネルが形成されてドレイン電流が流れるトランジスタは、回路に用いるトランジスタと
しては不向きである。
【0067】
また、第1の加熱処理においては、窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガス
に、水、水素などが含まれないことが好ましい。ここで、加熱処理装置に導入する窒素、
またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上
、好ましくは7N(99.99999%)以上とすることが好ましい。
【0068】
ここで、水素等の不純物を除去することによりi型化または実質的にi型化された酸化物
半導体(高純度化された酸化物半導体)は界面準位、界面電荷に対して極めて敏感である
ため、ゲート絶縁膜との界面は重要である。そのため高純度化された酸化物半導体に接す
るゲート絶縁膜(GI)は、高品質化が要求される。
【0069】
例えば、先に説明したマイクロ波(2.45GHz)を用いた高密度プラズマCVD法は
、緻密で絶縁耐圧の高い高品質な絶縁膜を形成することができる。高純度化された酸化物
半導体と高品質ゲート絶縁膜が密接することにより、界面準位は低減して界面特性が良好
となる。もちろん、ゲート絶縁膜として良質な絶縁膜を形成できるものであれば、スパッ
タリング法やプラズマCVD法など他の成膜方法を適用することができる。また、成膜後
の熱処理によってゲート絶縁膜の膜質、酸化物半導体との界面特性が改質される絶縁膜で
あっても良い。いずれにしても、ゲート絶縁膜としての膜質が良好であることは勿論のこ
と、酸化物半導体との界面準位密度を低減し、良好な界面を形成できるものであれば良い

【0070】
更に、85℃、2×10V/cm、12時間のゲートバイアス・熱ストレス試験(BT
試験)においては、不純物が酸化物半導体に多く含まれていると、不純物と酸化物半導体
の主成分との結合が、強電界(B:バイアス)と高温(T:温度)により切断され、生成
された未結合手がしきい値電圧(Vth)のドリフトを誘発することとなる。これに対し
て、本発明は、酸化物半導体の不純物、特に水素や水等を極力除去し、上記の様にゲート
絶縁膜との界面特性を良好にすることにより、BT試験に対しても安定な薄膜トランジス
タを得ることを可能としている。
【0071】
次に、酸化物半導体膜上に金属材料からなる導電膜をスパッタ法や真空蒸着法で形成する
。導電膜の材料としては、アルミニウム、クロム、タンタル、チタン、モリブデン、タン
グステンから選ばれた元素、または上述した元素を成分とする合金か、上述した元素を組
み合わせた合金等が挙げられる。また、200℃以上600℃以下の熱処理を行う場合に
は、この温度範囲の耐熱性を導電膜に持たせることが好ましい。Al単体では耐熱性が劣
り、また腐蝕しやすい等の問題点があるので耐熱性導電性材料と組み合わせて形成する。
この様な耐熱性導電性材料としては、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、ク
ロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素、または上述した元素を成分とする合金
か、上述した元素を組み合わせた合金、または上述した元素を成分とする窒化物などがあ
る。
【0072】
ここでは、導電膜としてチタン膜の単層構造を用いる。導電膜は2層構造としてもよく、
アルミニウム膜上にチタン膜を積層してもよい。また、導電膜としてチタン膜上にネオジ
ムを含むアルミニウム(Al−Nd)膜を積層し、更にその上にチタン膜を成膜する3層
構造としてもよい。その他、導電膜にシリコンを含むアルミニウム膜の単層構造を用いて
も良い。
【0073】
次に、第3のフォトリソグラフィ工程を行い、レジストマスクを形成し、エッチングによ
り不要な部分を除去して導電膜でなる第2の配線102A及び第3の配線102Bを形成
する。この際のエッチング方法としてウェットエッチングまたはドライエッチングを用い
る。例えば、アンモニア過水(31重量%過酸化水素水:28重量%アンモニア水:水=
5:2:2)を用いたウェットエッチングにより、チタン膜の導電膜をエッチングして第
2の配線102A及び第3の配線102Bを選択的にエッチングして酸化物半導体層10
3を残存させることができる。この段階での断面図を図3(C)に示す。
【0074】
また、エッチング条件にもよるが第3のフォトリソグラフィ工程において酸化物半導体層
の露出領域がエッチングされる場合がある。その場合、第2の配線102A及び第3の配
線102Bに挟まれる領域の酸化物半導体層103は、第1の配線101上で第2の配線
102A及び第3の配線102Bが重なる領域の酸化物半導体層に比べ、膜厚が薄くなる

【0075】
次いで、ゲート絶縁膜113、酸化物半導体層103、第2の配線102A、第3の配線
102B上に酸化物絶縁層114を形成する。この段階で、酸化物半導体層103の一部
は、酸化物絶縁層114と接する。
【0076】
酸化物絶縁層114は、少なくとも1nm以上の膜厚とし、酸化物絶縁層に水、水素等の
不純物を混入させない方法を適宜用いて形成することができる。本実施の形態では、酸化
物絶縁層として酸化珪素膜をスパッタ法で成膜する。成膜時の基板温度は、室温以上30
0℃以下とすればよく、本実施の形態では100℃とする。酸化珪素膜のスパッタ法によ
る成膜は、希ガス(代表的にはアルゴン)及び酸素の一方の雰囲気下、または両方が混合
された雰囲気下において行うことができる。また、成膜用ターゲットとしては、酸化珪素
ターゲットまたは珪素ターゲットを用いることができる。例えば、珪素ターゲットを用い
て、酸素及び希ガス雰囲気下でスパッタリング法により酸化珪素膜を形成することができ
る。酸素欠乏状態となり低抵抗化している酸化物半導体層に接して形成する酸化物絶縁層
としては、水分、水素イオン、OHなどの不純物を含まず、これらが外部から侵入する
ことをブロックする無機絶縁膜を用い、代表的には酸化珪素膜、窒化酸化珪素膜、酸化ア
ルミニウム膜、または酸化窒化アルミニウム膜などを用いる。なお、リン(P)や硼素(
B)をドープした成膜用ターゲットを用い、リン(P)や硼素(B)が添加された酸化物
絶縁層を形成することもできる。
【0077】
本実施の形態では、純度が6Nであり、柱状多結晶Bドープの珪素ターゲット(抵抗値0
.01Ωcm)を用い、基板とターゲットの間との距離(T−S間距離)を89mm、圧
力0.4Pa、直流(DC)電源6kW、酸素(酸素流量比率100%)雰囲気下でパル
スDCスパッタ法により酸化物絶縁層114を成膜する。膜厚は300nmとする。
【0078】
なお、酸化物絶縁層114は酸化物半導体層のチャネル形成領域となる領域上に接して設
けられ、チャネル保護層としての機能も有する。
【0079】
この場合において、処理室内の残留水分を除去しつつ酸化物絶縁層114を成膜すること
が好ましい。酸化物半導体層103及び酸化物絶縁層114に水素、水酸基または水分が
含まれない様にするためである。
【0080】
処理室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプを用いることが好ましい。
例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが
好ましい。また、排気手段としては、ターボ分子ポンプにコールドトラップを加えたもの
であってもよい。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素原子や、水(
O)など水素原子を含む化合物等が排気されるため、当該成膜室で成膜した酸化物絶
縁層114に含まれる不純物の濃度を低減できる。
【0081】
次いで、第2の加熱処理(好ましくは200℃以上400℃以下、例えば250℃以上3
50℃以下)を不活性ガス雰囲気下で行う。例えば、窒素雰囲気下で250℃、1時間の
第2の加熱処理を行う。第2の加熱処理を行うと、酸化物半導体層103の一部が酸化物
絶縁層114と接した状態で加熱される。
【0082】
第1の加熱処理で水素の離脱と同時に酸素欠乏状態となり低抵抗化された酸化物半導体層
103が酸化物絶縁層114と接した状態で第2の加熱処理が施されると、酸化物絶縁層
114が接した領域が酸素過剰な状態となる。その結果、酸化物半導体層103の酸化物
絶縁層114が接する領域から、酸化物半導体層103の深さ方向に向けて、高抵抗化(
i型化)が進む。
【0083】
また、大気中、100℃以上200℃以下、1時間以上30時間以下での加熱処理を行っ
てもよい。例えば、150℃で10時間加熱処理を行う。この加熱処理は一定の加熱温度
を保持して加熱してもよいし、室温から、100℃以上200℃以下の加熱温度への昇温
と、加熱温度から室温までの降温を複数回繰り返して行ってもよい。また、この加熱処理
を、酸化物絶縁膜の形成前に、減圧下で行ってもよい。減圧下で加熱処理を行うと、加熱
時間を短縮することができる。この加熱処理よって、酸化物半導体層から酸化物絶縁層中
に水素がとりこまれ、ノーマリーオフとなる薄膜トランジスタを得ることができる。よっ
て半導体装置の信頼性を向上できる。
【0084】
次いで、第4のフォトリソグラフィ工程及びエッチング工程により、酸化物絶縁層114
に開口部121を形成し、透光性を有する導電膜を成膜する。透光性を有する導電膜の材
料としては、酸化インジウム(In)やインジウム錫酸化物(In―SnO
、以下ITOと略記する)などをスパッタ法や真空蒸着法などを用いて形成する。透光
性を有する導電膜の他の材料として、窒素を含ませたAl−Zn−O系膜、即ちAl−Z
n−O−N系膜や、窒素を含ませたZn−O系膜や、窒素を含ませたSn−Zn−O系膜
を用いてもよい。なお、Al−Zn−O−N系膜の亜鉛の組成比(原子%)は、47原子
%以下とし、膜中のアルミニウムの組成比(原子%)より大きく、膜中のアルミニウムの
組成比(原子%)は、膜中の窒素の組成比(原子%)より大きい。このような材料のエッ
チング処理は塩酸系の溶液により行う。しかし、特にITOのエッチングは残渣が発生し
やすいので、エッチング加工性を改善するためにインジウム亜鉛酸化物(In―Z
nO)を用いても良い。
【0085】
なお、透光性を有する導電膜の組成比の単位は原子%とし、電子線マイクロアナライザー
(EPMA:Electron Probe X−ray MicroAnalyzer
)を用いた分析により評価するものとする。
【0086】
次に、第5のフォトリソグラフィ工程を行い、レジストマスクを形成し、エッチングによ
り不要な部分を除去して画素電極105を形成する。この段階での断面図を図3(D)に
示す。
【0087】
こうして、オフ電流の低い薄膜トランジスタ106を有する画素を作製することができる
。そして、該画素をマトリクス状に配置して画素部を構成することによりアクティブマト
リクス型の液晶表示装置を作製するための一方の基板とすることができる。本明細書では
便宜上この様な基板をアクティブマトリクス基板と呼ぶ。
【0088】
なお、アクティブマトリクス型の液晶表示装置においては、マトリクス状に配置された画
素電極を駆動することによって、画面上に表示パターンが形成される。詳しくは選択され
た画素電極と該画素電極に対応する対向電極との間に電圧が印加されることによって、画
素電極と対向電極との間に配置された液晶層の光学変調が行われ、この光学変調が表示パ
ターンとして観察者に認識される。液晶素子等の表示素子は画素電極105上に設けられ
る。
【0089】
以上説明した様に、容量素子を省くという、本実施の形態で示す構成とすることにより、
酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタを具備する画素を作製する際に、開口率の向上を
図ることができる。従って、高精細な表示部を有する液晶表示装置とすることができる。
【0090】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0091】
(実施の形態2)
本発明の一形態は、酸化物半導体中でキャリアの供与体(ドナーまたはアクセプタ)とな
り得る不純物を極めて少ないレベルにまで除去することで、真性または実質的に真性な半
導体であって、当該酸化物半導体を薄膜トランジスタに適用するものである。本実施の形
態では、評価用素子(TEGとも呼ぶ)でのオフ電流の測定値について以下に説明する。
【0092】
図4にL/W=3μm/50μmの薄膜トランジスタを200個並列に接続し、L/W=
3μm/10000μmとした薄膜トランジスタの初期特性を示す。また、上面図を図5
(A)に示し、その一部を拡大した上面図を図5(B)に示す。図5(B)の点線で囲ん
だ領域がL/W=3μm/50μm、Lov=1.5μmの1段分の薄膜トランジスタで
ある。薄膜トランジスタの初期特性を測定するため、基板温度を室温とし、ソース−ドレ
イン間電圧(以下、ドレイン電圧またはVdという)が10Vで、ソース−ゲート間電圧
(以下、ゲート電圧またはVgという)を−20V〜+20Vまで変化させたときのソー
ス−ドレイン電流(以下、ドレイン電流またはIdという)の変化特性、すなわちVg−
Id特性を測定した。なお、図4では、Vgを−20V〜+5Vまでの範囲で示している

【0093】
図4に示す様にチャネル幅Wが10000μmの薄膜トランジスタは、Vdが1V及び1
0Vにおいてオフ電流は1×10−13[A]以下となっており、測定機(半導体パラメ
ータ・アナライザ、Agilent 4156C;Agilent社製)の分解能(10
0fA)以下となっている。
【0094】
測定した薄膜トランジスタの作製方法について説明する。
【0095】
まず、ガラス基板上に下地層として、CVD法により窒化珪素膜を形成し、窒化珪素膜上
に酸化窒化珪素膜を形成した。そして、酸化窒化珪素膜上にゲート電極層としてスパッタ
法によりタングステン層を形成した。ここで、タングステン層を選択的にエッチングして
ゲート電極層を形成した。
【0096】
次に、ゲート電極層上にゲート絶縁層としてCVD法により厚さ100nmの酸化窒化珪
素膜を形成した。
【0097】
次に、ゲート絶縁層上に、スパッタ法によりIn−Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲッ
ト(モル数比で、In:Ga:ZnO=1:1:2)を用いて、厚さ50n
mの酸化物半導体膜を形成した。そして、酸化物半導体膜を選択的にエッチングし、島状
の酸化物半導体層を形成した。
【0098】
次に、酸化物半導体層をクリーンオーブンにて窒素雰囲気下、450℃、1時間の第1の
熱処理を行った。
【0099】
次に、酸化物半導体層上にソース電極層及びドレイン電極層となるチタン層(厚さ150
nm)をスパッタ法により形成した。そして、チタン層を選択的にエッチングしてソース
電極層及びドレイン電極層を形成し、チャネル長Lが3μm、チャネル幅Wが50μmの
薄膜トランジスタを200個を並列接続とすることで、L/W=3μm/10000μm
となる様にした。
【0100】
次に、酸化物半導体層に接する様に保護絶縁層としてリアクティブスパッタ法により酸化
珪素膜を膜厚300nmで形成した。そして、酸化珪素膜を選択的にエッチングし、ゲー
ト電極層、ソース電極層及びドレイン電極層上に開口部を形成した。その後、窒素雰囲気
下、250℃で1時間、第2の熱処理を行った。
【0101】
そして、Vg−Id特性を測定する前に150℃、10時間の加熱を行った。
【0102】
以上の工程により、ボトムゲート型の薄膜トランジスタを作製した。
【0103】
図4に示す様に薄膜トランジスタのオフ電流が、1×10−13[A]程度であるのは、
上記作製工程において酸化物半導体層中における水素濃度を十分に低減できたためである
。酸化物半導体層中の水素濃度は、5×1019atoms/cm以下、好ましくは5
×1018atoms/cm以下、更に好ましくは5×1017atoms/cm
下とする。なお、酸化物半導体層中の水素濃度測定は、二次イオン質量分析法(SIMS
:Secondary Ion Mass Spectrometory)で行う。
【0104】
また、In−Ga−Zn−O系酸化物半導体を用いる例を示したが、特に限定されず、他
の酸化物半導体材料、例えば、四元系金属酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn−O膜や
、三元系金属酸化物であるIn−Ga−Zn−O膜、In−Sn−Zn−O膜、In−A
l−Zn−O膜、Sn−Ga−Zn−O膜、Al−Ga−Zn−O膜、Sn−Al−Zn
−O膜や、二元系金属酸化物であるIn−Zn−O膜、Sn−Zn−O膜、Al−Zn−
O膜、Zn−Mg−O膜、Sn−Mg−O膜、In−Mg−O膜や、In−O膜、Sn−
O膜、Zn−O膜などの酸化物半導体膜を用いることができる。また、酸化物半導体材料
として、AlOxを2.5〜10wt%混入したIn−Al−Zn−O系や、SiOxを
2.5〜10wt%混入したIn−Zn−O系を用いることもできる。
【0105】
また、キャリア測定機で測定される酸化物半導体層のキャリア濃度は、シリコンの真性キ
ャリア濃度1.45×1010/cmと同等、もしくはそれ以下であることが好ましい
。具体的には、5×1014/cm以下、好ましくは5×1012/cm以下である
。即ち、酸化物半導体層のキャリア濃度は、限りなくゼロに近くすることができる。
【0106】
また、薄膜トランジスタのチャネル長Lを10nm以上1000nm以下とすることも可
能であり、回路の動作速度を高速化でき、オフ電流値が極めて小さいため、更に低消費電
力化も図ることができる。
【0107】
また、薄膜トランジスタのオフ状態において、酸化物半導体層は絶縁体とみなして回路設
計を行うことができる。
【0108】
続いて、本実施の形態で作製した薄膜トランジスタに対してオフ電流の温度特性を評価し
た。温度特性は、薄膜トランジスタが使われる最終製品の耐環境性や、性能の維持などを
考慮する上で重要である。当然ながら、変化量が小さいほど好ましく、製品設計の自由度
が増す。
【0109】
温度特性は、恒温槽を用い、−30℃、0℃、25℃、40℃、60℃、80℃、100
℃、及び120℃のそれぞれの温度で薄膜トランジスタを形成した基板を一定温度とし、
ドレイン電圧を6V、ゲート電圧を−20V〜+20Vまで変化させてVg−Id特性を
取得した。
【0110】
図6(A)に示すのは、上記それぞれの温度で測定したVg−Id特性を重ね書きしたも
のであり、点線で囲むオフ電流の領域を拡大したものを図6(B)に示す。図中の矢印で
示す右端の曲線が−30℃、左端が120℃で取得した曲線で、その他の温度で取得した
曲線は、その間に位置する。オン電流の温度依存性はほとんど見られない。一方、オフ電
流は拡大図の図6(B)においても明かである様に、ゲート電圧が20V近傍を除いて、
全ての温度で測定機の分解能近傍の1×10−12[A]以下となっており、温度依存性
も見えていない。すなわち、120℃の高温においても、オフ電流が1×10−12[A
]以下を維持しており、チャネル幅Wが10000μmであることを考慮すると、オフ電
流が非常に小さいことがわかる。
【0111】
高純度化された酸化物半導体(purified OS)を用いた薄膜トランジスタは、
オフ電流の温度依存性がほとんど現れない。これは、図9(A)のエネルギーバンド図で
示す様に、酸化物半導体が高純度化されることによって、導電型が限りなく真性型に近づ
き、フェルミ準位が禁制帯の中央に位置するため、温度依存性を示さなくなると言える。
また、これは、酸化物半導体のエネルギーギャップが3eV以上であり、熱励起キャリア
が極めて少ないことにも起因する。また、ソース領域及びドレイン領域は縮退した状態に
あるのでやはり温度依存性が現れない要因となっている。薄膜トランジスタの動作は、縮
退したソース領域から酸化物半導体に注入されたキャリアによるものがほとんどであり、
キャリア密度の温度依存性がないことから上記特性(オフ電流の温度依存性無し)を説明
することができる。また、この極めて低いオフ電流について、以下にエネルギーバンド図
を用いて説明する。
【0112】
図8は、酸化物半導体を用いた逆スタガ型の薄膜トランジスタの縦断面図である。ゲート
電極(GE1)上にゲート絶縁膜(GI)を介して酸化物半導体層(OS)が設けられ、
その上にソース電極(S)及びドレイン電極(D)が設けられている。
【0113】
図9は、図8に示すA−A’断面におけるエネルギーバンド図(模式図)である。図9(
A)はソースとドレインの間の電圧を等電位(V=0V)とした場合を示し、図9(B
)はソースに対しドレインに正の電位(V>0V)を加えた場合を示す。
【0114】
図10は、図8におけるB−B’の断面におけるエネルギーバンド図(模式図)である。
図10(A)はゲート(G1)に正の電位(+V)が印加された状態であり、ソースと
ドレイン間にキャリア(電子)が流れるオン状態を示している。また、図10(B)は、
ゲート(G1)に負の電位(−V)が印加された状態であり、オフ状態(少数キャリア
は流れない)である場合を示す。
【0115】
図11は、真空準位と金属の仕事関数(φ)、酸化物半導体の電子親和力(χ)の関係
を示す。
【0116】
常温において金属中の電子は縮退しており、フェルミ準位は伝導帯内に位置する。一方、
従来の酸化物半導体は一般にn型であり、その場合のフェルミ準位(E)は、バンドギ
ャップ中央に位置する真性フェルミ準位(E)から離れて、伝導帯寄りに位置している
。なお、酸化物半導体において含有される水素の一部はドナーとなり、n型化する一つの
要因であることが知られている。
【0117】
これに対して本発明に係る酸化物半導体は、n型不純物である水素を酸化物半導体から除
去し、酸化物半導体の主成分以外の不純物が極力含まれない様に高純度化することにより
真性(i型)とし、または真性型とせんとしたものである。すなわち、不純物を添加して
i型化するのでなく、水素や水等の不純物を極力除去したことにより、高純度化されたi
型(真性半導体)またはそれに近づけることを特徴としている。そうすることにより、フ
ェルミ準位(E)は真性フェルミ準位(E)と同じレベルにまですることができる。
【0118】
酸化物半導体のバンドギャップ(Eg)が3.15eVである場合、電子親和力(χ)は
4.3eVと言われている。ソース電極及びドレイン電極を構成するチタンの仕事関数は
、酸化物半導体の電子親和力(χ)とほぼ等しい。この場合、金属−酸化物半導体界面に
おいては、電子に対してショットキー型の障壁は形成されない。
【0119】
すなわち、金属の仕事関数(φ)と酸化物半導体の電子親和力(χ)がほぼ等しい場合
、両者が接触すると図9(A)で示すようなエネルギーバンド図(模式図)が示される。
【0120】
図9(B)において黒丸(●)は電子を示し、ドレインに正の電位が印加されると、電子
はバリア(h)をこえて酸化物半導体に注入され、ドレインに向かって流れる。この場合
、バリア(h)の高さは、ゲート電圧とドレイン電圧に依存して変化するが、正のドレイ
ン電圧が印加された場合には、電圧印加のない図9(A)のバリアの高さすなわちバンド
ギャップ(Eg)の1/2よりもバリア(h)の高さは小さい値となる。
【0121】
このとき電子は、図9(A)で示す様にゲート絶縁膜と高純度化された酸化物半導体との
界面における、酸化物半導体側のエネルギー的に安定な最低部を移動する。
【0122】
また、図9(B)において、ゲート(G1)に負の電位(逆バイアス)が印加されると、
少数キャリアであるホールは実質的にゼロであるため、電流は限りなくゼロに近い値とな
る。
【0123】
例えば、薄膜トランジスタのチャネル幅Wが1×10μmでチャネル長が3μmの素子
であっても、オフ電流が10−13A以下であり、サブスレッショルドスイング値(S値
)が0.1V/dec.(ゲート絶縁膜厚100nm)が得られる。
【0124】
なお、図19にシリコン半導体を用いた場合のトランジスタのバンド構造を示す。シリコ
ン半導体の真性キャリア密度は1.45×1010/cm(300K)であり、室温に
おいてもキャリアが存在している。これは、室温においても、熱励起キャリアが存在して
いることを意味している。実用的にはリンまたはホウ素などの不純物が添加されたシリコ
ンウエハーが使用されるので、実際には1cmあたり1×1014(個)以上のキャリ
アがシリコン半導体に存在し、これがソース−ドレイン間の伝導に寄与する。更に、シリ
コン半導体のバンドギャップは1.12eVであるので、シリコン半導体を用いたトラン
ジスタは温度に依存してオフ電流が大きく変動することとなる。
【0125】
従って、単にバンドギャップの広い酸化物半導体をトランジスタに適用するのではなく、
酸化物半導体の主成分以外の不純物が極力含まれない様に高純度化することにより、キャ
リア濃度を1×1014/cm以下、好ましくは1×1012/cm以下となる様に
することで、実用的な動作温度で熱的に励起されるキャリアを排除して、ソース側から注
入されるキャリアのみによってトランジスタを動作させることができる。それにより、オ
フ電流を1×10−13A以下にまで下げると共に、温度変化によってオフ電流がほとん
ど変化しない極めて安定に動作するトランジスタを得ることができる。
【0126】
この様にオフ電流値が極めて小さい薄膜トランジスタを用いて、記憶回路(記憶素子)な
どを作製した場合、オフ電流値が小さくほとんどリークがないため、記憶データを保持す
る時間を長くすることができる。同様に液晶表示装置などでは、保持容量から薄膜トラン
ジスタを通したリークが抑えられるため、補助容量を設けずに液晶容量のみで画素の電位
を保持することが可能となる。
【0127】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0128】
(実施の形態3)
本実施の形態においては、液晶表示装置に適用できる画素の構成及び画素の動作について
説明する。
【0129】
図12(A)は、液晶表示装置に適用できる画素構成の一例を示す図である。画素388
0は、トランジスタ3881、液晶素子3882及び容量素子3883を有している。ト
ランジスタ3881のゲートは、配線3885と電気的に接続される。トランジスタ38
81の第1端子は、配線3884と電気的に接続される。トランジスタ3881の第2端
子は、液晶素子3882の第1端子と電気的に接続される。液晶素子3882の第2端子
は、配線3887と電気的に接続される。容量素子3883の第1端子は、液晶素子38
82の第1端子と電気的に接続される。容量素子3883の第2端子は、配線3886と
電気的に接続される。
【0130】
配線3884は、信号線として機能させることができる。信号線は、画素の外部から入力
された信号電圧を画素3880に伝達するための配線である。配線3885は、走査線と
して機能させることができる。走査線は、トランジスタ3881のオンオフを制御するた
めの配線である。配線3886は、容量線として機能させることができる。容量線は、容
量素子3883の第2端子に所定の電圧を加えるための配線である。トランジスタ388
1は、スイッチとして機能させることができる。容量素子3883は、補助容量として機
能させることができる。容量素子は、スイッチがオフの状態においても、信号電圧が液晶
素子3882に加わり続ける様にするための補助容量である。配線3887は、対向電極
として機能させることができる。対向電極は、液晶素子3882の第2端子に所定の電圧
を加えるための配線である。なお、それぞれの配線が持つことのできる機能はこれに限定
されず、様々な機能を有することが出来る。例えば、容量線に加える電圧を変化させるこ
とで、液晶素子に加えられる電圧を調整することもできる。
【0131】
図12(B)は、液晶表示装置に適用できる画素構成の他の一例を示す図である。図12
(B)に示す画素構成例は、図12(A)に示す画素構成例と比較して、配線3887が
省略され、かつ、液晶素子3882の第2端子と容量素子3883の第2端子とが電気的
に接続されている点が異なっている以外は、図12(A)に示す画素構成例と同様な構成
である。図12(B)に示す画素構成例は、液晶素子が横電界モード(IPSモード、F
FSモードを含む)である場合に適用できる。なぜならば、液晶素子が横電界モードであ
る場合、液晶素子3882の第2端子及び容量素子3883の第2端子を同一基板上に形
成させることができるため、液晶素子3882の第2端子と容量素子3883の第2端子
とを電気的に接続させることが容易であるからである。図12(B)に示すような画素構
成とすることで、配線3887を省略できるので、製造工程を簡略化することができ、製
造コストを低減できる。
【0132】
ここで、図13に実施の形態1で説明した薄膜トランジスタを用いた画素部の構成を示す
。図13(A)は図12(A)の構成から容量素子3883を省いた構成である。また、
図13(B)は、図12(B)から容量素子3883を省いた構成であり、液晶素子の第
2端子は、共通配線889に接続される。実施の形態2で説明した様に、オフ電流が十分
に低い薄膜トランジスタを用いることで、液晶素子に並列した容量素子(補助容量)を設
けずに液晶容量のみで電位を保持することが可能となる。もちろん、前述した比較例と同
様に容量素子を設けても良く、そのサイズを小さくすることもできる。また、液晶容量よ
りも小さな補助容量を設けることもできる。以降、本実施の形態では容量素子を省いた画
素構成で説明を行う。
【0133】
図14(A)は、図13(A)に示す画素構成がマトリクス状に複数配置されている場合
の回路構成を示す図である。図14(A)に示す回路構成は、表示部が有する複数の画素
のうち、4つの画素を抜き出して示す図である。そして、i列j行(i,jは自然数)に
位置する画素を、画素880_i,jと表記し、画素880_i,jには、配線884_
i、配線885_jが、それぞれ電気的に接続される。同様に、画素880_i+1,j
については、配線884_i+1、配線885_jと電気的に接続される。同様に、画素
880_i,j+1については、配線884_i、配線885_j+1と電気的に接続さ
れる。同様に、画素880_i+1,j+1については、配線884_i+1、配線88
5_j+1と電気的に接続される。なお、各配線は、同じ列または行に属する複数の画素
によって共有されることができる。なお、図14(A)に示す画素構成において配線88
7は対向電極であり、対向電極は全ての画素において共通であることから、配線887に
ついては自然数iまたはjによる表記は行なわないこととする。なお、図13(B)に示
す画素構成を用いることも可能であるため、配線887が記載されている構成であっても
配線887は必須ではなく、他の配線と共有されること等によって省略されることができ
る。
【0134】
図14(A)に示す画素構成は、様々な方法によって駆動されることができる。特に、交
流駆動と呼ばれる方法によって駆動されることによって、液晶素子の劣化(焼き付き)を
抑制することができる。図14(B)は、交流駆動の1つである、ドット反転駆動が行な
われる場合の、図14(A)に示す画素構成における各配線に加えられる電圧のタイミン
グチャートを表す図である。ドット反転駆動が行なわれることによって、交流駆動が行な
われる場合に視認されるフリッカ(ちらつき)を抑制することができる。なお、図14(
B)には、配線885_jに入力される信号985_j、配線885_j+1に入力され
る信号985_j+1、配線884_iに入力される信号984_i、配線884_i+
1に入力される信号984_i+1を示す。
【0135】
図14(A)に示す画素構成において、配線885_jと電気的に接続されている画素に
おけるスイッチは、1フレーム期間中の第jゲート選択期間において選択状態(オン状態
)となり、それ以外の期間では非選択状態(オフ状態)となる。そして、第jゲート選択
期間の後に、第j+1ゲート選択期間が設けられる。この様に順次走査が行なわれること
で、1フレーム期間内に全ての画素が順番に選択状態となる。図14(B)に示すタイミ
ングチャートでは、電圧が高い状態(ハイレベル)となることで、当該画素におけるスイ
ッチが選択状態となり、電圧が低い状態(ローレベル)となることで非選択状態となる。
【0136】
図14(B)に示すタイミングチャートでは、第kフレーム(kは自然数)における第j
ゲート選択期間において、信号線として用いる配線884_iに正の信号電圧が加えられ
、配線884_i+1に負の信号電圧が加えられる。そして、第kフレームにおける第j
+1ゲート選択期間において、配線884_iに負の信号電圧が加えられ、配線884_
i+1に正の信号電圧が加えられる。その後も、それぞれの信号線は、ゲート選択期間ご
とに極性が反転した信号が交互に加えられる。その結果、第kフレームにおいては、画素
880_i,jには正の信号電圧、画素880_i+1,jには負の信号電圧、画素88
0_i,j+1には負の信号電圧、画素880_i+1,j+1には正の信号電圧が、そ
れぞれ加えられることとなる。そして、第k+1フレームにおいては、それぞれの画素に
おいて、第kフレームにおいて書き込まれた信号電圧とは逆の極性の信号電圧が書き込ま
れる。その結果、第k+1フレームにおいては、画素880_i,jには負の信号電圧、
画素880_i+1,jには正の信号電圧、画素880_i,j+1には正の信号電圧、
画素880_i+1,j+1には負の信号電圧が、それぞれ加えられることとなる。この
様に、同じフレームにおいては隣接する画素同士で異なる極性の信号電圧が加えられ、更
に、それぞれの画素においては1フレームごとに信号電圧の極性が反転される駆動方法が
、ドット反転駆動である。ドット反転駆動によって、液晶素子の劣化を抑制しつつ、表示
される画像全体または一部が均一である場合に視認されるフリッカを低減することができ
る。なお、配線884のタイミングチャートにおける信号電圧の表記は極性のみとなって
いるが、実際は、表示された極性において様々な信号電圧の値をとり得る。なお、ここで
は1ドット(1画素)毎に極性を反転させる場合について述べたが、これに限定されず、
複数の画素毎に極性を反転させることもできる。例えば、2ゲート選択期間毎に書き込む
信号電圧の極性を反転させることで、信号電圧の書き込みにかかる消費電力を低減させる
ことができる。他にも、1列毎に極性を反転させること(ソースライン反転)もできるし
、1行ごとに極性を反転させること(ゲートライン反転)もできる。
【0137】
また、このとき画素部にオーバードライブ電圧を加え、液晶素子の応答速度を高めて残像
を抑える、所謂オーバードライブ駆動を用いてもよい。これにより動画を映したときにそ
の動きを鮮明にすることができる。
【0138】
特に、本発明の一態様の様に液晶素子に並列した容量素子を設けない場合には、データの
画素への書き込みが終わった後に液晶の状態変化と共に誘電率が変化し、液晶自身の容量
が変化して画素で保持している電位を変えてしまう場合もあるため、オーバードライブ駆
動は有効な駆動方法となる。
【0139】
次に、液晶素子が、MVAモードまたはPVAモード等に代表される、垂直配向(VA)
モードである場合に特に好ましい画素構成及びその駆動方法について述べる。VAモード
は、製造時にラビング工程が不要、黒表示時の光漏れが少ない、駆動電圧が低い等の優れ
た特徴を有するが、画面を斜めから見たときに画質が劣化してしまう(視野角が狭い)と
いう問題点も有する。VAモードの視野角を広くするには、図15(A)及び図15(B
)に示す様に、1画素に複数の副画素(サブピクセル)を有する画素構成とすることが有
効である。図15(A)及び図15(B)に示す画素構成は、画素が2つの副画素(第1
の副画素1080−1,第2の副画素1080−2)を含む場合の一例を表すものである
。なお、1つの画素における副画素の数は2つに限定されず、様々な数の副画素を用いる
ことができる。副画素の数が大きいほど、より視野角を広くすることができる。複数の副
画素は互いに同一の回路構成とすることができ、ここでは、全ての副画素が図13(A)
に示す回路構成と同様であるとして説明する。なお、第1の副画素1080−1は、トラ
ンジスタ1081−1、液晶素子1082−1を有するものとし、それぞれの接続関係は
図13(A)に示す回路構成に準じることとする。同様に、第2の副画素1080−2は
、トランジスタ1081−2、液晶素子1082−2を有するものとし、それぞれの接続
関係は図13(A)に示す回路構成に準じることとする。
【0140】
図15(A)に示す画素構成は、1画素を構成する2つの副画素に対し、走査線として用
いる配線1085を2本(配線1085−1,配線1085−2)有し、信号線として用
いる配線1084を1本有する構成を表すものである。この様に、信号線を2つの副画素
で共用することにより、開口率を向上させることができ、更に、信号線駆動回路を簡単な
ものとすることができるので製造コストが低減でき、かつ、液晶パネルと駆動回路ICの
接続点数を低減できるので、歩留まりを向上できる。図15(B)に示す画素構成は、1
画素を構成する2つの副画素に対し、走査線として用いる配線1085を1本有し、信号
線として用いる配線1084を2本(配線1084−1,配線1084−2)有する構成
を表すものである。この様に、走査線を2つの副画素で共用することにより、開口率を向
上させることができ、更に全体の走査線本数を低減できるので、高精細な液晶パネルにお
いても1つあたりのゲート線選択期間を十分に長くすることができ、それぞれの画素に適
切な信号電圧を書き込むことができる。
【0141】
図16(A)及び図16(B)は、図15(B)に示す画素構成において、液晶素子を画
素電極の形状に置き換えた上で、各素子の電気的接続状態を模式的に表す例である。図1
6(A)において、第1画素電極1088−1は、図15(B)における液晶素子108
2−1の第1端子に相当し、第2画素電極1088−2は、図15(B)における液晶素
子1082−2の第1端子に相当する。すなわち、第1画素電極1088−1は、トラン
ジスタ1081−1のソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第2画素電極1
088−2は、トランジスタ1081−2のソースまたはドレインの一方と電気的に接続
される。一方、図16(B)においては、画素電極とトランジスタの接続関係を逆にする
。すなわち、第1画素電極1088−1は、トランジスタ1081−2のソースまたはド
レインの一方と電気的に接続され、第2画素電極1088−2は、トランジスタ1081
−1のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されるものとする。なお、図示はして
いないが、それぞれの画素電極は、液晶を介して対向電極と接続され、液晶素子を形成す
る。
【0142】
次に、本発明の一態様における酸化物半導体層を用いた薄膜トランジスタにより、どの程
度液晶表示装置の各画素での開口率が向上するかについて概算を見積もる。
【0143】
画素の開口率を見積もるためのパラメータとしては、酸化物半導体層を用いた薄膜トラン
ジスタのリーク電流を1×10−13(A)、パネルサイズを3.4インチ、表示する階
調を256階調、入力する電圧を10V、1フレームを1/60秒で表示を行うものとす
る。また、ゲート絶縁膜の誘電率を3.7(F/m)、膜厚を1×10−7(m)として
説明するものである。
【0144】
まず画素数540×RGB×960のパネル(第1のパネルという)に上記パラメータを
適用した際の容量素子の面積、及び開口率について概算を見積もる。当該パネルにおいて
は、画素サイズが26(μm)×78(μm)、即ち2.03×10−9(m)となる
。このうち、配線及び薄膜トランジスタが占める領域を除いた面積は、1.43×10
(m)となり、配線及び薄膜トランジスタが占める領域の面積は、6.00×10
10(m)となる。
【0145】
第1のパネルで必要最低限の容量値を有する補助容量は、酸化物半導体層を有する薄膜ト
ランジスタを備えた画素で、4.25×10−14(F)となる。この場合、必要な容量
面積が1.30×10−10(m)となり、画素に占める容量素子の面積の割合が6.
4(%)、開口率が64.0(%)となる。
【0146】
また、画素数480×RGB×640のパネル(第2のパネルという)に上記パラメータ
を適用した際の容量素子の面積、及び開口率について概算を見積もる。当該パネルにおい
ては、画素サイズが36(μm)×108(μm)、即ち3.89×10−9(m)と
なる。このうち、配線及び薄膜トランジスタが占める領域を除いた面積は、3.29×1
−9(m)となり、配線及び薄膜トランジスタが占める領域の面積は、6.00×1
−10(m)となる。
【0147】
第2のパネルで必要最低限の容量値を有する補助容量は、酸化物半導体層を有する薄膜ト
ランジスタを備えた画素で、4.25×10−14(F)となる。この場合、必要な容量
面積が1.30×10−10(m)となり、画素に占める容量素子の面積の割合が3.
3(%)、開口率が81.2(%)となる。
【0148】
これら第1のパネル及び第2のパネルに対して、本発明の一態様における酸化物半導体層
を有する薄膜トランジスタを用いることで、容量線が削減でき、画素電極105が占める
領域を広げることができる。算出された開口率は、第1のパネルで70.4%、第2のパ
ネルで84.5%であり、容量素子を省くことで大幅に開口率が向上することがわかる。
【0149】
本実施の形態の画素においても、上記実施の形態の構成と組み合わせることによって、酸
化物半導体を用いた薄膜トランジスタを具備する画素を作製する際に、開口率の向上を図
ることができる。
【0150】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0151】
(実施の形態4)
本実施の形態においては、上記実施の形態で説明した液晶表示装置を具備する電子機器の
例について説明する。
【0152】
図17(A)は携帯型遊技機であり、筐体9630、表示部9631、スピーカ9633
、操作キー9635、接続端子9636、記録媒体読込部9672、等を有することがで
きる。図17(A)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプログラムまたは
データを読み出して表示部に表示する機能、他の携帯型遊技機と無線通信を行って情報を
共有する機能、等を有することができる。なお、図17(A)に示す携帯型遊技機が有す
る機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0153】
図17(B)はデジタルカメラであり、筐体9630、表示部9631、スピーカ963
3、操作キー9635、接続端子9636、シャッターボタン9676、受像部9677
、等を有することができる。図17(B)に示すテレビ受像機能付きデジタルカメラは、
静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を自動または手動で補正する
機能、アンテナを介して様々な情報を取得する機能、撮影した画像、またはアンテナを介
して取得した情報を保存する機能、撮影した画像、またはアンテナを介して取得した情報
を表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図17(B)に示すテレビ受
像機能付きデジタルカメラが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することが
できる。
【0154】
図17(C)はテレビ受像機であり、筐体9630、表示部9631、スピーカ9633
、操作キー9635、接続端子9636、等を有することができる。図17(C)に示す
テレビ受像機は、テレビ用電波を処理して画像信号に変換する機能、画像信号を処理して
表示に適した信号に変換する機能、画像信号のフレーム周波数を変換する機能、等を有す
ることができる。なお、図17(C)に示すテレビ受像機が有する機能はこれに限定され
ず、様々な機能を有することができる。
【0155】
図18(A)はコンピュータであり、筐体9630、表示部9631、スピーカ9633
、操作キー9635、接続端子9636、ポインティングデバイス9681、外部接続ポ
ート9680等を有することができる。図18(A)に示すコンピュータは、様々な情報
(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、様々なソフトウェア(プ
ログラム)によって処理を制御する機能、無線通信または有線通信などの通信機能、通信
機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、通信機能を用いて様々な
データの送信または受信を行う機能、等を有することができる。なお、図18(A)に示
すコンピュータが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0156】
図18(B)は携帯電話であり、筐体9630、表示部9631、スピーカ9633、操
作キー9635、マイクロフォン9638等を有することができる。図18(B)に示し
た携帯電話は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能
、カレンダー、日付または時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報を操
作または編集する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能
、等を有することができる。なお、図18(B)に示した携帯電話が有する機能はこれに
限定されず、様々な機能を有することができる。
【0157】
図18(C)は電子ペーパー端末(E−bookともいう)であり、筐体9630、表示
部9631、操作キー9635等を有することができる。図18(C)に示した電子ペー
パーは、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、カレ
ンダー、日付または時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報を操作また
は編集する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を
有することができる。なお、図18(C)に示した電子ペーパーが有する機能はこれに限
定されず、様々な機能を有することができる。
【0158】
本実施の形態において述べた電子機器は、表示部を構成する複数の画素において、開口率
の向上が図られた液晶表示装置を用いることができる。
【0159】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【符号の説明】
【0160】
101 配線
102A 配線
102B 配線
103 酸化物半導体層
105 画素電極
106 薄膜トランジスタ
111 基板
112 下地膜
113 ゲート絶縁膜
114 酸化物絶縁層
121 開口部
700 基板
701 画素
702 画素部
703 走査線駆動回路
704 信号線駆動回路
880 画素
884 配線
885 配線
887 配線
889 共通配線
984 信号
985 信号
1080 副画素
1081 トランジスタ
1082 液晶素子
1084 配線
1085 配線
1088 画素電極
2101 配線
2102A 配線
2102B 配線
2103 酸化物半導体層
2104 容量線
2105 画素電極
2106 薄膜トランジスタ
2111 基板
2112 下地膜
2113 ゲート絶縁膜
2114 酸化物絶縁層
3880 画素
3881 トランジスタ
3882 液晶素子
3883 容量素子
3884 配線
3885 配線
3886 配線
3887 配線
9630 筐体
9631 表示部
9633 スピーカ
9635 操作キー
9636 接続端子
9638 マイクロフォン
9672 記録媒体読込部
9676 シャッターボタン
9677 受像部
9680 外部接続ポート
9681 ポインティングデバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の配線と、
第2の配線と、
トランジスタと、
液晶素子と、
容量素子とを有し、
前記トランジスタのゲートは、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記トランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2の配線と電気的に接続され、
前記トランジスタのソース又はドレインの他方は、前記液晶素子と電気的に接続され、
前記トランジスタのソース又はドレインの他方は、前記容量素子と電気的に接続され、
前記トランジスタのチャネル形成領域は、酸化物半導体を有し、
前記容量素子の容量は、前記液晶素子の容量よりも小さいことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
第1の配線と、
第2の配線と、
トランジスタと、
画素電極とを有し、
容量素子は有さず、
前記トランジスタのゲートは、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記トランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2の配線と電気的に接続され、
前記トランジスタのソース又はドレインの他方は、前記画素電極と電気的に接続され、
前記トランジスタのチャネル形成領域は、酸化物半導体を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記酸化物半導体は、実質的に真性であることを特徴とする半導体装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−101360(P2013−101360A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−272973(P2012−272973)
【出願日】平成24年12月14日(2012.12.14)
【分割の表示】特願2010−235109(P2010−235109)の分割
【原出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】