説明

半導体装置

【課題】多層配線内の信号線とそれに接続されるビアとを共に同軸構造にする。
【解決手段】多層配線には、例えば、異なる層に設けられる信号線10,20と、これらの信号線10,20間を接続する接続部30(ビア)が設けられる。信号線10,20は、配線層及び配線層間を接続する接続層で囲み、同軸構造とする。更に、信号線10,20間を接続する接続部30も、配線層及び配線層間を接続する接続層で囲み、同軸構造とする。信号線10,20のほか接続部30も同軸構造とすることで、信号線10,20及び接続部30を伝送される信号の、周囲からの、又は周囲への、電磁気的な影響が効果的に抑制されるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層配線を用いた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多層配線を用いた半導体装置が広く利用されている。また、多層配線内の信号線を伝送される信号が、その信号線の周囲から電磁気的に影響を受け得る、或いは周囲へ電磁気的に影響を与え得ることを考慮し、多層配線内に信号線をシールドするための構造を設ける技術が知られている。例えば、信号線を、上層と下層の配線層、及び上下層の配線層間を接続する接続層(ビア)で囲み、所謂同軸配線を形成する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−232103号公報
【特許文献2】特開2002−176101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同軸配線を含む多層配線において、その同軸配線の上下層の配線層や信号線と同層に設けられる他の配線層は、その同軸配線と交差させることができず、回路設計に制約が生じる。これに対し、多層配線内の異なる層領域にそれぞれ同軸配線を設け、それらを繋ぐようにすると、その繋いだ同軸配線と他の配線層とを交差させることが可能になるため、回路設計自由度の一定の向上を図ることは可能になる。
【0005】
このように多層配線内の異なる層領域に設けられた同軸配線同士を繋ぐ方法の1つに、一方の同軸配線内の信号線と、他方の同軸配線内の信号線とを、ビアを介して接続する方法がある。しかし、この場合、双方の信号線同士を接続するビアは、各信号線の周りをそれぞれ覆っているシールド部の外に引き出される構造になる。そのため、そのビアにシールドが施されていないと、ビアを伝送される信号が、周囲から電磁気的に影響を受けたり、周囲に電磁気的に影響を与えたりする恐れがある。
【0006】
ビアにシールドが施されていないことによる、周囲からの、或いは周囲への、電磁気的な影響は、このような多層配線内の同軸配線同士を繋ぐビアに限らない。例えば、多層配線内の同軸配線と、多層配線下の半導体基板に形成されるトランジスタ等の素子とを繋ぐビアでも、同様に起こり得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、絶縁部と、前記絶縁部内に配置された同軸配線部と、を有し、前記同軸配線部は、第1配線層と、前記第1配線層上に積層された第1接続層と、前記第1接続層に沿って積層された第2接続層と、前記第2接続層の内側に該第2接続層と離間して配置された第1信号線と、前記第2接続層に沿って積層された第3接続層と、前記第1信号線に接続され、前記第3接続層の内側に該第3接続層と離間して配置された第1ビアと、前記第1配線層に対向するように前記第3接続層に積層され前記第1ビアに対応する領域に開口部を備えた第1部分と、該第1部分から前記第3接続層外に延在された第2部分とを有する第2配線層と、前記開口部の前記第1ビアに前記第1部分と離間して積層された第2ビアと、前記第2ビアに積層された第3ビアと、前記第3ビアを囲むように前記第1部分と前記第2部分とに跨って積層された第4接続層と、前記第4接続層に沿って積層された第5接続層と、前記第3ビアに接続され、前記第5接続層の内側に該第5接続層と離間して配置された第2信号線と、前記第5接続層に沿って積層された第6接続層と、前記第2配線層に対向するように前記第6接続層に積層された第3配線層と、を含む半導体装置が提供される。
【0008】
また、本発明の一観点によれば、絶縁部と、前記絶縁部内に配置された同軸配線部と、を有し、前記同軸配線部は、第1配線層と、前記第1配線層上に積層された第1接続層と、前記第1接続層に沿って積層された第1部分と、該第1部分から前記第1接続層外に延在された第2部分とを有する第2配線層と、前記第1部分の内側に該第1部分と離間して配置された第1信号線と、前記第2配線層上に積層された第2接続層と、前記第1信号線に接続され、前記第2接続層と離間して配置された第1ビアと、前記第1ビアを囲むように前記第2接続層に積層された第3部分と、該第3部分から延在され前記第1配線層に対向するように前記第2接続層に積層された第4部分とを有する第3配線層と、前記第1ビアに接続され、前記第3部分の内側に該第3部分と離間して配置された第2信号線と、前記第3部分に沿って積層された第3接続層と、前記第2配線層に対向するように前記第3接続層に積層された第4配線層と、を含む半導体装置が提供される。
【0009】
また、本発明の一観点によれば、絶縁部と、前記絶縁部内に設けられた同軸配線部と、を有し、前記同軸配線部は、第1ビアと、前記第1ビアに積層された第2ビアと、前記第2ビアを囲むように配置された第1接続層と、前記第1接続層に積層され前記第2ビアに対応する領域に開口部を備えた第1部分と、該第1部分から前記第1接続層外に延在された第2部分とを有する第1配線層と、前記開口部の前記第2ビアに前記第1部分と離間して積層された第3ビアと、前記第3ビアに積層された第4ビアと、前記第4ビアを囲むように前記第1部分と前記第2部分とに跨って積層された第2接続層と、前記第2接続層に沿って積層された第3接続層と、前記第4ビアに接続され、前記第3接続層の内側に該第3接続層と離間して設けられた第1信号線と、前記第3接続層に沿って積層された第4接続層と、前記第1配線層に対向するように前記第4接続層に積層された第2配線層と、を含む半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
開示の技術によれば、信号線とそれに接続されるビアを共に同軸構造とすることが可能になる。それにより、信号線及びビアを伝送される信号の、周囲からの、或いは周囲への、電磁気的影響を効果的に抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施の形態に係る同軸配線部の信号線の配置例を示す図である。
【図2】第1の実施の形態に係る下層シールド配線層の形成工程の説明図である。
【図3】第1の実施の形態に係る下層シールド接続層の形成工程の説明図である。
【図4】第1の実施の形態に係る第1のサイドシールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。
【図5】第1の実施の形態に係る上層シールド接続層及び信号線接続層の形成工程の説明図である。
【図6】第1の実施の形態に係る上下層兼用シールド配線層及びブリッジ配線層の形成工程の説明図である。
【図7】第1の実施の形態に係る下層シールド接続層及び信号線接続層の形成工程の説明図である。
【図8】第1の実施の形態に係る第2のサイドシールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。
【図9】第1の実施の形態に係る上層シールド接続層の形成工程の説明図である。
【図10】第1の実施の形態に係る上層シールド配線層の形成工程の説明図である。
【図11】第2の実施の形態に係る同軸配線部の信号線の配置例を示す図である。
【図12】第2の実施の形態に係る下層シールド配線層の形成工程の説明図である。
【図13】第2の実施の形態に係る下層シールド接続層の形成工程の説明図である。
【図14】第2の実施の形態に係る第1のサイドシールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。
【図15】第2の実施の形態に係る上層シールド接続層及び信号線接続層の形成工程の説明図である。
【図16】第2の実施の形態に係る上下層兼用シールド配線層及びブリッジ配線層の形成工程の説明図である。
【図17】第2の実施の形態に係る下層シールド接続層及び信号線接続層の形成工程の説明図である。
【図18】第2の実施の形態に係る第2のサイドシールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。
【図19】第2の実施の形態に係る上層シールド接続層の形成工程の説明図である。
【図20】第2の実施の形態に係る上層シールド配線層の形成工程の説明図である。
【図21】第3の実施の形態に係る同軸配線部の信号線の配置例を示す図である。
【図22】第3の実施の形態に係る下層シールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。
【図23】第3の実施の形態に係る下層シールド接続層の形成工程の説明図である。
【図24】第3の実施の形態に係るサイド兼下層シールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。
【図25】第3の実施の形態に係る中層シールド接続層及び信号線接続層の形成工程の説明図である。
【図26】第3の実施の形態に係るサイド兼上層シールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。
【図27】第3の実施の形態に係る上層シールド接続層の形成工程の説明図である。
【図28】第3の実施の形態に係る上層シールド配線層の形成工程の説明図である。
【図29】第4の実施の形態に係る同軸配線部の信号線の配置例を示す図である。
【図30】第4の実施の形態に係る下層シールド配線層の形成工程の説明図である。
【図31】第4の実施の形態に係る下層シールド接続層の形成工程の説明図である。
【図32】第4の実施の形態に係るサイド兼下層シールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。
【図33】第4の実施の形態に係る中層シールド接続層及び信号線接続層の形成工程の説明図である。
【図34】第4の実施の形態に係るサイド兼上層シールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。
【図35】第4の実施の形態に係る上層シールド接続層の形成工程の説明図である。
【図36】第4の実施の形態に係る上層シールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。
【図37】第5の実施の形態に係る同軸配線部の一例を示す図である。
【図38】半導体装置の一例の要部断面模式的図である。
【図39】配線層及び接続層の第1形成方法の説明図(その1)である。
【図40】配線層及び接続層の第1形成方法の説明図(その2)である。
【図41】配線層及び接続層の第1形成方法の説明図(その3)である。
【図42】配線層及び接続層の第2形成方法の説明図(その1)である。
【図43】配線層及び接続層の第2形成方法の説明図(その2)である。
【図44】配線層及び接続層の第2形成方法の説明図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、第1の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、2本の同軸配線が交差する同軸配線部を含む多層配線と、その形成方法の一例を、図1〜図10を参照して説明する。
【0013】
図1は第1の実施の形態に係る同軸配線部の信号線の配置例を示す図である。便宜上、図1では、多層配線内で信号線の周囲及び信号線同士を接続する接続部の周囲に設けるシールド部、並びに、多層配線内の信号線、接続部及びシールド部等の導電部を被覆する層間絶縁膜等の絶縁部については、図示を省略している。
【0014】
図1の例では、下層で第1方向Sに延びる一対の信号線10が、それぞれ接続部30を介して、上層の第1方向Sに延びる信号線20に接続され、一対の信号線10の間に、第1方向Sと交差する第2方向Tに延びる信号線40が延在されている。ここでは一例として、接続部30を、信号線接続層(ビア)31,33とそれらを繋ぐブリッジ配線層(ビア)32の積層体としている。
【0015】
第1の実施の形態では、これらの信号線10,20及び接続部30を同軸構造となるように形成し、交差する信号線40についてもこれを同軸構造となるように形成する。その形成方法の一例を、図2〜図10を参照して順に説明していく。尚、便宜上、図2〜図10の各(A)の図では、絶縁部の図示を省略している。
【0016】
図2は第1の実施の形態に係る下層シールド配線層の形成工程の説明図である。図2(A)は下層シールド配線層の要部斜視図、図2(B)は下層シールド配線層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0017】
まず図2(A)に示すように、一対の平板状の下層シールド配線層101a、及びそれらの間に平板状の下層シールド配線層101bを形成する。この例では、一対の下層シールド配線層101aを第1方向Sに延在させ、それらの間の下層シールド配線層101bを第2方向Tに延在させる。
【0018】
図2(A)に示したような一対の下層シールド配線層101aはそれぞれ、後述のように第1方向Sに延在される信号線10の下側をシールドする層として形成される。一対の下層シールド配線層101a間に設ける下層シールド配線層101bは、後述のように信号線10と交差するように第2方向Tに延在される信号線40の下側をシールドする層として形成される。
【0019】
下層シールド配線層101a,101bはそれぞれ、その全部又は一部に、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0020】
下層シールド配線層101a,101bは、例えば、層間絶縁膜等の絶縁層上に形成した導電材料を、フォトリソグラフィ技術を用いて、下層シールド配線層101a,101bの形状にパターニングすることで形成することができる。或いは、フォトリソグラフィ技術を用いて絶縁層に形成した、下層シールド配線層101a,101bの形状の溝パターンに、導電材料を埋め込むことで形成することができる。
【0021】
下層シールド配線層101a,101bを形成する際の導電材料や絶縁層のパターニングには、図2(B)に示すようなマスクパターン501を用いることができる。このマスクパターン501において、パターン部501aが、図2(A)に示した下層シールド配線層101aの部分に対応し、パターン部501bが、図2(A)に示した下層シールド配線層101bの部分に対応している。
【0022】
尚、パターン部501a,501bは、パターニング時に使用するレジストの種類(ポジ型、ネガ型)やレジストパターンとして残す部分の形状に応じ、いずれも遮光部(周辺は透光部)、又はいずれも透光部(周辺は遮光部)とされる。反射型のマスクを使用する場合には、パターン部501a,501bは、いずれも非反射部、又はいずれも反射部とされる。このようなマスクパターン501を用いることで、下層シールド配線層101a,101bが、同時にパターニングされ、形成される。
【0023】
図3は第1の実施の形態に係る下層シールド接続層の形成工程の説明図である。図3(A)は下層シールド接続層の形成まで行った状態の要部斜視図、図3(B)は下層シールド接続層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0024】
下層シールド配線層101a,101bの形成後は、図3(A)に示すように、一対の下層シールド配線層101a上にそれぞれ、下層シールド接続層102aを形成し、下層シールド配線層101b上に、下層シールド接続層102bを形成する。
【0025】
下層シールド接続層102aは、後述のように下層シールド配線層101aの上方に形成される信号線10を囲むように、下層シールド配線層101a上に形成(積層)される。例えば、図3(A)のように、下層シールド配線層101aの縁部に沿って、下層シールド接続層102aが形成される。形成される下層シールド接続層102aは、第1方向Sの端部(ここでは下層シールド配線層101bと対向する端部のみ図示)が、平面U字状になる。
【0026】
下層シールド接続層102bは、後述のように下層シールド配線層101bの上方に形成される信号線40を囲むように、下層シールド配線層101b上に形成(積層)される。例えば、図3(A)のように、下層シールド配線層101bの縁部に沿って、下層シールド接続層102bが形成される。尚、ここでは図示を省略しているが、形成される下層シールド接続層102bは、第2方向Tの端部が平面U字状になる。
【0027】
下層シールド接続層102a,102bはそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
下層シールド接続層102a,102bは、上記下層シールド配線層101a,101b同様、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図3(B)に示すようなマスクパターン502を用いることができる。このマスクパターン502において、パターン部502aが、図3(A)に示した下層シールド接続層102aの部分に対応し、パターン部502bが、図3(A)に示した下層シールド接続層102bの部分に対応している。尚、パターン部502a,502bは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン502を用いることで、下層シールド接続層102a,102bが、同時にパターニングされ、形成される。
【0028】
図4は第1の実施の形態に係る第1のサイドシールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。図4(A)はサイドシールド配線層及び信号線の形成まで行った状態の要部斜視図、図4(B)はサイドシールド配線層及び信号線の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0029】
下層シールド接続層102a,102bの形成後は、図4(A)に示すように、一対の下層シールド接続層102a上にそれぞれ、サイドシールド配線層103aを形成し、下層シールド接続層102b上にサイドシールド配線層103bを形成する。更に、図4(A)に示すように、一対のサイドシールド配線層103aそれぞれの内側に、信号線10を形成し、サイドシールド配線層103bの内側に、信号線40を形成する。
【0030】
サイドシールド配線層103aは、下層シールド接続層102a上に、下層シールド接続層102aに沿って、第1方向Sの端部が平面U字状になるように、形成(積層)される。サイドシールド配線層103aは、例えば、下層シールド接続層102aの幅よりも大きな幅で、或いは下層シールド接続層102aの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。信号線10は、このようなサイドシールド配線層103aと同層に、サイドシールド配線層103aと離間して、その内側に形成される。
【0031】
サイドシールド配線層103bは、下層シールド接続層102b上に、下層シールド接続層102bに沿って、第2方向Tの端部が平面U字状になるように(図示せず)、形成(積層)される。サイドシールド配線層103bは、例えば、下層シールド接続層102bの幅よりも大きな幅で、或いは下層シールド接続層102bの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。信号線40は、このようなサイドシールド配線層103bと同層に、サイドシールド配線層103bと離間して、その内側に形成される。
【0032】
サイドシールド配線層103a,103b及び信号線10,40はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0033】
サイドシールド配線層103a,103b及び信号線10,40は、上記同様、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図4(B)に示すようなマスクパターン503を用いることができる。このマスクパターン503において、パターン部503aが、図4(A)に示したサイドシールド配線層103aの部分に対応し、パターン部503bが、図4(A)に示したサイドシールド配線層103bの部分に対応している。また、マスクパターン503のパターン部503cが、図4(A)に示した信号線10,40の部分に対応している。尚、パターン部503a,503b,503cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン503を用いることで、サイドシールド配線層103a,103b及び信号線10,40が、同時にパターニングされ、形成される。
【0034】
図5は第1の実施の形態に係る上層シールド接続層及び信号線接続層の形成工程の説明図である。図5(A)は上層シールド接続層及び信号線接続層の形成まで行った状態の要部斜視図、図5(B)は上層シールド接続層及び信号線接続層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0035】
サイドシールド配線層103a,103b及び信号線10,40の形成後は、図5(A)に示すように、一対のサイドシールド配線層103a上にそれぞれ、上層シールド接続層104aを形成する。サイドシールド配線層103b上には、上層シールド接続層104bを形成する。更に、図5(A)に示すように、一対の上層シールド接続層104aそれぞれの内側に、信号線10に接続された信号線接続層31を形成する。
【0036】
一対の上層シールド接続層104aはそれぞれ、サイドシールド配線層103a上に、サイドシールド配線層103aに沿って、第1方向Sの端部が平面U字状になるように、形成(積層)される。上層シールド接続層104aは、例えば、サイドシールド配線層103aの幅よりも小さな幅で、或いはサイドシールド配線層103aの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。信号線接続層31は、このような上層シールド接続層104aと同層に、上層シールド接続層104aと離間して、信号線10上に形成される。
【0037】
上層シールド接続層104bは、サイドシールド配線層103b上に、サイドシールド配線層103bに沿って、第2方向Tの端部が平面U字状になるように(図示せず)、形成(積層)される。上層シールド接続層104bは、例えば、サイドシールド配線層103bの幅よりも小さな幅で、或いはサイドシールド配線層103bの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。
【0038】
上層シールド接続層104a,104b及び信号線接続層31はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0039】
上層シールド接続層104a,104b及び信号線接続層31は、上記同様、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図5(B)に示すようなマスクパターン504を用いることができる。このマスクパターン504において、パターン部504aが、図5(A)に示した上層シールド接続層104aの部分に対応し、パターン部504bが、図5(A)に示した上層シールド接続層104bの部分に対応している。また、マスクパターン504のパターン部504cが、図5(A)に示した信号線接続層31の部分に対応している。尚、パターン部504a,504b,504cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン504を用いることで、上層シールド接続層104a,104b及び信号線接続層31が、同時にパターニングされ、形成される。
【0040】
図6は第1の実施の形態に係る上下層兼用シールド配線層及びブリッジ配線層の形成工程の説明図である。図6(A)は上下層兼用シールド配線層及びブリッジ配線層の形成まで行った状態の要部斜視図、図6(B)は上下層兼用シールド配線層及びブリッジ配線層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0041】
上層シールド接続層104a,104b及び信号線接続層31の形成後は、図6(A)に示すような平板状の上下層兼用シールド配線層105、及びブリッジ配線層32を形成する。
【0042】
上下層兼用シールド配線層105は、一対の下層シールド配線層101aにそれぞれ対向して設けられた第1配線層部分105aと、第1配線層部分105aから延在され、下層シールド配線層101bに対向して設けられた第2配線層部分105bとを有している。一対の第1配線層部分105aは、それぞれ上層シールド接続層104a上に形成(積層)される。第2配線層部分105bは、これら一対の第1配線層部分105aから延在され(上層シールド接続層104aの平面U字状端部のその開口側と異なる側に向かって延在され)、上層シールド接続層104b上に形成(積層)される。
【0043】
一対の第1配線層部分105aにはそれぞれ、信号線接続層31に対応する領域に、信号線接続層31よりも大きな平面サイズの開口部105aaが形成される。これらの開口部105aa内側の信号線接続層31上にそれぞれ、第1配線層部分105aから離間して、ブリッジ配線層32が形成(積層)される。ブリッジ配線層32は、例えば、信号線接続層31よりも大きな平面サイズで、或いは信号線接続層31と同じか同程度の平面サイズで、形成することができる。
【0044】
上下層兼用シールド配線層105の第1配線層部分105aは、ブリッジ配線層32及び信号線接続層31に接続された、第1方向Sに延在される信号線10の上側をシールドする層として形成される。上下層兼用シールド配線層105の第2配線層部分105bは、第2方向Tに延在される信号線40の上側をシールドする層として形成される。更に、この上下層兼用シールド配線層105は、後述のように形成される信号線20の下側をシールドする層として形成される。また、ブリッジ配線層32は、信号線10と、後述のように形成される信号線20との間を接続するための層として形成される。
【0045】
上下層兼用シールド配線層105及びブリッジ配線層32はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0046】
上下層兼用シールド配線層105及びブリッジ配線層32は、上記同様、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図6(B)に示すようなマスクパターン505を用いることができる。このマスクパターン505において、パターン部505aが、図6(A)に示した上下層兼用シールド配線層105の第1配線層部分105aに対応し、パターン部505bが、図6(A)に示した第2配線層部分105bに対応している。また、マスクパターン505のパターン部505cが、図6(A)に示したブリッジ配線層32の部分に対応している。尚、パターン部505a,505b,505cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン505を用いることで、上下層兼用シールド配線層105及びブリッジ配線層32が、同時にパターニングされ、形成される。
【0047】
図7は第1の実施の形態に係る下層シールド接続層及び信号線接続層の形成工程の説明図である。図7(A)は下層シールド接続層及び信号線接続層の形成まで行った状態の要部斜視図、図7(B)は下層シールド接続層及び信号線接続層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0048】
上下層兼用シールド配線層105及びブリッジ配線層32の形成後は、図7(A)に示すような下層シールド接続層106a、及び一対の信号線接続層33を形成する。
下層シールド接続層106aは、ここでは上下層兼用シールド配線層105の一対の第1配線層部分105aの開口部105aaを共に囲んだ平面枠状になるように、第1配線層部分105aと第2配線層部分105bとに跨って形成(積層)される。下層シールド接続層106aは、一方の開口部105aa側の端部では、その開口部105aaを囲むように平面U字状で形成されると言うことができる。また、下層シールド接続層106aは、他方の開口部105aa側の端部では、その開口部105aaを囲むように平面U字状で形成されると言うことができる。
【0049】
信号線接続層33は、下層シールド接続層106aの内側に、下層シールド接続層106aから離間して、一対のブリッジ配線層32上にそれぞれ形成(積層)される。信号線接続層33は、例えば、ブリッジ配線層32よりも小さな平面サイズで、或いはブリッジ配線層32と同じか同程度の平面サイズで、形成することができる。
【0050】
下層シールド接続層106a及び信号線接続層33はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0051】
下層シールド接続層106a及び信号線接続層33は、上記同様、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図7(B)に示すようなマスクパターン506を用いることができる。このマスクパターン506において、パターン部506aが、図7(A)に示した下層シールド接続層106aの部分に対応し、パターン部506cが、図7(A)に示した信号線接続層33の部分に対応している。尚、パターン部506a,506cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン506を用いることで、下層シールド接続層106a及び信号線接続層33が、同時にパターニングされ、形成される。
【0052】
図8は第1の実施の形態に係る第2のサイドシールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。図8(A)はサイドシールド配線層及び信号線の形成まで行った状態の要部斜視図、図8(B)はサイドシールド配線層及び信号線の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0053】
下層シールド接続層106a及び信号線接続層33の形成後は、図8(A)に示すように、下層シールド接続層106a上に、サイドシールド配線層107aを形成し、サイドシールド配線層107aの内側に、第1方向Sに延在される信号線20を形成する。
【0054】
サイドシールド配線層107aは、下層シールド接続層106aに沿って、平面枠状(両端部が平面U字状)になるように、形成(積層)される。サイドシールド配線層107aは、例えば、下層シールド接続層106aの幅よりも大きな幅で、或いは下層シールド接続層106aの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。
【0055】
信号線20は、サイドシールド配線層107aと同層に、サイドシールド配線層107aと離間して、一対の信号線接続層33間を繋ぐように、形成される。これにより、信号線20と、下層に設けた一対の信号線10とが、信号線接続層31,33及びブリッジ配線層32(接続部30)を介して接続される。
【0056】
サイドシールド配線層107a及び信号線20はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0057】
サイドシールド配線層107a及び信号線20は、上記同様、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図8(B)に示すようなマスクパターン507を用いることができる。このマスクパターン507において、パターン部507aが、図8(A)に示したサイドシールド配線層107aの部分に対応し、パターン部507cが、図8(A)に示した信号線20の部分に対応している。尚、パターン部507a,507cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン507を用いることで、サイドシールド配線層107a及び信号線20が、同時にパターニングされ、形成される。
【0058】
図9は第1の実施の形態に係る上層シールド接続層の形成工程の説明図である。図9(A)は上層シールド接続層の形成まで行った状態の要部斜視図、図9(B)は上層シールド接続層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0059】
サイドシールド配線層107a及び信号線20の形成後は、図9(A)に示すように、サイドシールド配線層107a上に、上層シールド接続層108aを形成する。
上層シールド接続層108aは、サイドシールド配線層107a上に、サイドシールド配線層107aに沿って、平面枠状(両端部が平面U字状)になるように、形成(積層)される。上層シールド接続層108aは、例えば、サイドシールド配線層107aの幅よりも小さな幅で、或いはサイドシールド配線層107aの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。
【0060】
上層シールド接続層108aは、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
上層シールド接続層108aは、上記同様、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図9(B)に示すようなマスクパターン508を用いることができる。このマスクパターン508において、パターン部508aが、図9(A)に示した上層シールド接続層108aの部分に対応している。尚、パターン部508aは、遮光部や非反射部とされるか、又は透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン508を用いることで、上層シールド接続層108aがパターニングされ、形成される。
【0061】
図10は第1の実施の形態に係る上層シールド配線層の形成工程の説明図である。図10(A)は上層シールド配線層の形成まで行った状態の要部斜視図、図10(B)は上層シールド配線層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0062】
上層シールド接続層108aの形成後は、図10(A)に示すように、上層シールド接続層108a上に、平板状の上層シールド配線層109aを形成する。上層シールド配線層109aは、上下層兼用シールド配線層105に対向するように、上層シールド接続層108a上に、形成(積層)される。上層シールド配線層109aは、信号線20の上側をシールドする層として形成される。
【0063】
上層シールド配線層109aは、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
上層シールド配線層109aは、上記同様、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図10(B)に示すようなマスクパターン509を用いることができる。このマスクパターン509において、パターン部509aが、図10(A)に示した上層シールド配線層109aの部分に対応している。尚、パターン部509aは、遮光部や非反射部とされるか、又は透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン509を用いることで、上層シールド配線層109aがパターニングされ、形成される。
【0064】
以上述べた図2〜図10の工程により、図1の信号線10,20,40及び接続部30を同軸構造とした同軸配線部100A(図10)が形成される。
即ち、まず信号線10,20とそれらを接続する接続部30について見ると、下層側の信号線10は、その下側が下層シールド配線層101aで、上側が上下層兼用シールド配線層105(第1配線層部分105a)で、シールドされる。信号線10の側方は、下層シールド配線層101aと上下層兼用シールド配線層105との間を接続する接続層である、下層シールド接続層102a、サイドシールド配線層103a及び上層シールド接続層104aで、シールドされる。
【0065】
上層側の信号線20は、その下側が上下層兼用シールド配線層105で、上側が上層シールド配線層109aで、シールドされる。信号線20の側方は、上下層兼用シールド配線層105と上層シールド配線層109aとの間を接続する、下層シールド接続層106a、サイドシールド配線層107a及び上層シールド接続層108aで、シールドされる。
【0066】
信号線10,20を接続する信号線接続層31,33及びブリッジ配線層32の側方は、上層シールド接続層104aと下層シールド接続層106a、及び上下層兼用シールド配線層105(開口部105aa周囲の第1配線層部分105a)で、シールドされる。
【0067】
このように同軸配線部100Aでは、下層側、上層側の信号線10,20を、それらを接続する接続部30(信号線接続層31,33及びブリッジ配線層32)も含めて、同軸構造とすることができる。
【0068】
更に、これらの信号線10,20に交差する信号線40について見ると、この信号線40も、信号線10同様、その下側が下層シールド配線層101bで、上側が上下層兼用シールド配線層105(第2配線層部分105b)で、シールドされる。信号線40の側方も、信号線10同様、下層シールド配線層101bと上下層兼用シールド配線層105との間を接続する接続層である、下層シールド接続層102b、サイドシールド配線層103b及び上層シールド接続層104bで、シールドされる。
【0069】
このように同軸配線部100Aでは、信号線10,20に交差する信号線40についても、これを同軸構造とすることができる。
この第1の実施の形態に係る同軸配線部100Aによれば、異なる方向に同軸構造で延在される信号線10,40同士を、同軸構造を維持した状態で、交差させることができる。このようにして交差させるにあたり、一方の信号線10は、接続部30及び信号線20を介して他方の信号線40を乗り越えるように引き回されるが、同軸配線部100Aでは、信号線20は勿論、接続部30も同軸構造とされる。そのため、信号線10,20及び接続部30を伝送される信号(高周波信号等)の、同軸配線部100Aの周囲からの、或いは周囲への、電磁気的な影響を効果的に抑制することが可能になる。
【0070】
更に、同軸配線部100Aでは、上層側の信号線20の下側をシールドする層(上下層兼用シールド配線層105)を、交差させる信号線40の上側をシールドする層としても用いる。これにより、下層側、上層側の同軸配線部を多層配線内で上下に並べて配置してそれらの信号線同士を接続部で接続する場合に比べて、少ない層数で、同軸配線部100Aを形成することができる。
【0071】
このように、第1の実施の形態に係る同軸配線部100Aによれば、信号線(同軸配線)を、同軸構造を維持した状態で交差させることができ、また、このような同軸配線部100Aの構造を、比較的少ない層数で実現することができる。それにより、同軸配線を含む多層配線の回路設計自由度の向上を図ることが可能になる。
【0072】
尚、以上の説明では、同軸配線部100Aとして、下層側の一方の信号線10を、一旦上層側の信号線20へ接続部30で引き上げ、その信号線20から再び下層側の他方の信号線10へ接続部30で引き下げることで、信号線40と交差させる構造を例示した。このほか、形成する多層配線の回路パターンによっては、下層側の信号線10から接続部30で引き上げられた上層側の信号線20を、その層内で引き回すようにしてもよい。即ち、一旦下層側の信号線10から上層側に引き上げられた信号線20は、必ずしも再び接続部30で下層側の信号線10へ引き下げることを要しない。
【0073】
このようにして下層側の信号線10から上層側に引き上げた信号線20をその層内で引き回す場合には、引き回す信号線20の下側をシールドできるような平面形状で上下層兼用シールド配線層105を形成する。上下層兼用シールド配線層105上には、引き回す信号線20の平面形状に合わせて、下層シールド接続層106a、サイドシールド配線層107a、上層シールド接続層108aを順に積層し、信号線20の上側をシールドする上層シールド配線層109aを形成する。
【0074】
また、以上の説明では、下層側の信号線10と上層側の信号線20をいずれも第1方向Sに延在させ、それらと交差させる信号線40を第2方向Tに延在させる場合の同軸配線部100Aを例にして述べた。このほか、信号線10,20の延在方向が異なる場合、例えば、信号線10が信号線40と同じ第2方向Tに延在され、信号線20が第1方向Sに延在されるような場合であっても、上記同様の同軸配線部を形成することが可能である。
【0075】
このような場合には、第2方向Tに延在される信号線10の下側をシールドできるような平面形状で下層シールド配線層101aを形成する。その上に、信号線10の端部側が平面U字状になるように、下層シールド接続層102a、サイドシールド配線層103a、上層シールド接続層104aを順に積層する。これらの内側には、信号線10、信号線接続層31を形成する。上下層兼用シールド配線層105は、下層シールド配線層101aに対向して第1配線層部分105aが形成され、信号線接続層31及びブリッジ配線層32の領域に対応した領域には、開口部105aaが形成される。この第1配線層部分105aから、信号線40の上側をシールドできるような領域に、第2配線層部分105bが延在される。第2配線層部分105bは、第1配線層部分105aから、信号線10の延在方向と異なる方向に(信号線10の側方をシールドする層群のU字状端部の開口側と異なる側に向かって)延在されることになる。
【0076】
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態では、2本の同軸配線が交差する同軸配線部を含む多層配線と、その形成方法の別例を、図11〜図20を参照して説明する。
【0077】
図11は第2の実施の形態に係る同軸配線部の信号線の配置例を示す図である。便宜上、図11では、多層配線内で信号線の周囲及び信号線同士を接続する接続部の周囲に設けるシールド部、並びに、多層配線内の信号線、接続部及びシールド部等の導電部を被覆する層間絶縁膜等の絶縁部については、図示を省略している。
【0078】
図11の例では、下層で第1方向Sに延びる信号線10が、一対の接続部30を介して、上層の第2方向Tに延びる一対の信号線20に接続され、その一対の信号線20の間に、第2方向Tに延びる信号線40が延在されている。ここでは一例として、接続部30を、信号線接続層(ビア)31,33とそれらを繋ぐブリッジ配線層(ビア)32の積層体としている。
【0079】
第2の実施の形態では、これらの信号線10,20及び接続部30を同軸構造となるように形成し、交差する信号線40についてもこれを同軸構造となるように形成する。その形成方法の一例を、図12〜図20を参照して順に説明していく。尚、便宜上、図12〜図20の各(A)の図では、絶縁部の図示を省略している。
【0080】
図12は第2の実施の形態に係る下層シールド配線層の形成工程の説明図である。図12(A)は下層シールド配線層の要部斜視図、図12(B)は下層シールド配線層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0081】
まず図12(A)に示すように、第1方向Sに延在する、平板状の下層シールド配線層201aを形成する。下層シールド配線層201aは、後述のように第1方向Sに延在される信号線10の下側をシールドする層として形成される。
【0082】
下層シールド配線層201aは、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
下層シールド配線層201aは、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図12(B)に示すようなマスクパターン601を用いることができる。このマスクパターン601において、パターン部601aが、図12(A)に示した下層シールド配線層201aの部分に対応している。尚、パターン部601aは、遮光部や非反射部とされるか、又は透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン601を用いることで、下層シールド配線層201aがパターニングされ、形成される。
【0083】
図13は第2の実施の形態に係る下層シールド接続層の形成工程の説明図である。図13(A)は下層シールド接続層の形成まで行った状態の要部斜視図、図13(B)は下層シールド接続層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0084】
下層シールド配線層201aの形成後は、図13(A)に示すように、下層シールド配線層201a上に下層シールド接続層202aを形成する。下層シールド接続層202aは、下層シールド配線層201aの上方に形成される信号線10を囲むように、下層シールド配線層201a上に形成(積層)される。例えば、図13(A)のように、下層シールド配線層201aの縁部に沿って、平面枠状(両端部が平面U字状)になるように、下層シールド接続層202aが形成される。
【0085】
下層シールド接続層202aは、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
下層シールド接続層202aは、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図13(B)に示すようなマスクパターン602を用いることができる。このマスクパターン602において、パターン部602aが、図13(A)に示した下層シールド接続層202aの部分に対応している。尚、パターン部602aは、遮光部や非反射部とされるか、又は透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン602を用いることで、下層シールド接続層202aがパターニングされ、形成される。
【0086】
図14は第2の実施の形態に係る第1のサイドシールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。図14(A)はサイドシールド配線層及び信号線の形成まで行った状態の要部斜視図、図14(B)はサイドシールド配線層及び信号線の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0087】
下層シールド接続層202aの形成後は、図14(A)に示すように、下層シールド接続層202a上に、サイドシールド配線層203a(接続層)を形成し、サイドシールド配線層203aの内側に、信号線10を形成する。
【0088】
サイドシールド配線層203aは、下層シールド接続層202a上に、下層シールド接続層202aに沿って、平面枠状(両端部が平面U字状)になるように、形成(積層)される。サイドシールド配線層203aは、例えば、下層シールド接続層202aの幅よりも大きな幅で、或いは下層シールド接続層202aの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。信号線10は、このようなサイドシールド配線層203aと同層に、サイドシールド配線層203aと離間して、その内側に形成される。
【0089】
サイドシールド配線層203a及び信号線10はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0090】
サイドシールド配線層203a及び信号線10は、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図14(B)に示すようなマスクパターン603を用いることができる。このマスクパターン603において、パターン部603aが、図14(A)に示したサイドシールド配線層203aの部分に対応し、パターン部603cが、図14(A)に示した信号線10の部分に対応している。尚、パターン部603a,603cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン603を用いることで、サイドシールド配線層203a及び信号線10が、同時にパターニングされ、形成される。
【0091】
図15は第2の実施の形態に係る上層シールド接続層及び信号線接続層の形成工程の説明図である。図15(A)は上層シールド接続層及び信号線接続層の形成まで行った状態の要部斜視図、図15(B)は上層シールド接続層及び信号線接続層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0092】
サイドシールド配線層203a及び信号線10の形成後は、図15(A)に示すように、サイドシールド配線層203a上に、上層シールド接続層204aを形成する。更に、図15(A)に示すように、上層シールド接続層204aの内側に、信号線10に接続された一対の信号線接続層31を形成する。
【0093】
上層シールド接続層204aは、サイドシールド配線層203a上に、サイドシールド配線層203aに沿って、平面枠状(両端部が平面U字状)になるように、形成(積層)される。上層シールド接続層204aは、例えば、サイドシールド配線層203aの幅よりも小さな幅で、或いはサイドシールド配線層203aの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。信号線接続層31は、このような上層シールド接続層204aと同層に、上層シールド接続層204aと離間して、信号線10上に形成(積層)される。
【0094】
上層シールド接続層204a及び信号線接続層31はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0095】
上層シールド接続層204a及び信号線接続層31は、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図15(B)に示すようなマスクパターン604を用いることができる。このマスクパターン604において、パターン部604aが、図15(A)に示した上層シールド接続層204aの部分に対応し、パターン部604cが、図15(A)に示した信号線接続層31の部分に対応している。尚、パターン部604a,604cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン604を用いることで、上層シールド接続層204a及び信号線接続層31が、同時にパターニングされ、形成される。
【0096】
図16は第2の実施の形態に係る上下層兼用シールド配線層及びブリッジ配線層の形成工程の説明図である。図16(A)は上下層兼用シールド配線層及びブリッジ配線層の形成まで行った状態の要部斜視図、図16(B)は上下層兼用シールド配線層及びブリッジ配線層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0097】
上層シールド接続層204a及び信号線接続層31の形成後は、図16(A)に示すような平板状の上下層兼用シールド配線層205、及びブリッジ配線層32を形成する。
上下層兼用シールド配線層205は、一対の第1配線層部分205aと、一対の第1配線層部分205aから延在された第2配線層部分205bとを有している。第1配線層部分205aは、後述のように第2方向Tに延在される信号線20の下側をシールドする層として形成され、第2配線層部分205bは、後述のように第2方向Tに延在される信号線40の下側をシールドする層として形成される。
【0098】
一対の第1配線層部分205aにはそれぞれ、先に形成した信号線接続層31に対応する領域に、信号線接続層31よりも大きな平面サイズの開口部205aaが形成される。これらの開口部205aaの内側に位置する信号線接続層31上にそれぞれ、第1配線層部分205aから離間して、ブリッジ配線層32が形成(積層)される。
【0099】
尚、上層シールド接続層204aは、一対の第1配線層部分205aの開口部205aaを共に囲んだ平面枠状になるように、上下層兼用シールド配線層205の下方に、第1配線層部分205aと第2配線層部分205bとに跨って積層される。サイドシールド配線層203aは、上層シールド接続層204aに沿ってその下方に積層された構造となる。下層シールド接続層202aは、サイドシールド配線層203aに沿ってその下方に積層された構造となる。上下層兼用シールド配線層205は、これら上層シールド接続層204a、サイドシールド配線層203a及び下層シールド接続層202aによって、下層シールド配線層201aに接続される。
【0100】
上下層兼用シールド配線層205及びブリッジ配線層32はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0101】
上下層兼用シールド配線層205及びブリッジ配線層32は、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図16(B)に示すようなマスクパターン605を用いることができる。このマスクパターン605において、パターン部605aが、図16(A)に示した上下層兼用シールド配線層205の第1配線層部分205aに対応し、パターン部605bが、図16(A)に示した上下層兼用シールド配線層205の第2配線層部分205bに対応している。また、マスクパターン605のパターン部605cが、図16(A)に示したブリッジ配線層32の部分に対応している。尚、パターン部605a,605b,605cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン605を用いることで、上下層兼用シールド配線層205及びブリッジ配線層32が、同時にパターニングされ、形成される。
【0102】
図17は第2の実施の形態に係る下層シールド接続層及び信号線接続層の形成工程の説明図である。図17(A)は下層シールド接続層及び信号線接続層の形成まで行った状態の要部斜視図、図17(B)は下層シールド接続層及び信号線接続層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0103】
上下層兼用シールド配線層205及びブリッジ配線層32の形成後は、図17(A)に示すような一対の下層シールド接続層206a,206b及び信号線接続層33を形成する。
【0104】
一対の下層シールド接続層206aはそれぞれ、上下層兼用シールド配線層205の第1配線層部分205aの上に、開口部205aaを囲むように、形成(積層)される。信号線接続層33は、下層シールド接続層206aの内側に、下層シールド接続層206aから離間して、一対のブリッジ配線層32上にそれぞれ形成(積層)される。下層シールド接続層206bは、一対の下層シールド接続層206aの間で、上下層兼用シールド配線層205の第2配線層部分205bの上に、形成(積層)される。下層シールド接続層206a,206bはそれぞれ、第2方向Tの端部が平面U字状になるように、第1配線層部分205a、第2配線層部分205bの上に形成される。
【0105】
下層シールド接続層206a,206b及び信号線接続層33はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0106】
下層シールド接続層206a,206b及び信号線接続層33は、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図17(B)に示すようなマスクパターン606を用いることができる。このマスクパターン606において、パターン部606aが、図17(A)に示した下層シールド接続層206aの部分に対応し、パターン部606bが、図17(A)に示した下層シールド接続層206bの部分に対応している。また、マスクパターン606のパターン部606cが、図17(A)に示した信号線接続層33の部分に対応している。尚、パターン部606a,606b,606cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン606を用いることで、下層シールド接続層206a,206b及び信号線接続層33が、同時にパターニングされ、形成される。
【0107】
図18は第2の実施の形態に係る第2のサイドシールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。図18(A)はサイドシールド配線層及び信号線の形成まで行った状態の要部斜視図、図18(B)はサイドシールド配線層及び信号線の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0108】
下層シールド接続層206a,206b及び信号線接続層33の形成後は、図18(A)に示すように、一対の下層シールド接続層206a上にそれぞれ、サイドシールド配線層207a(接続層)を形成する。下層シールド接続層206b上には、サイドシールド配線層207b(接続層)を形成する。更に、図18(A)に示すように、一対のサイドシールド配線層207aの内側にそれぞれ、信号線20を形成し、サイドシールド配線層207bの内側に、信号線40を形成する。
【0109】
一対のサイドシールド配線層207aはそれぞれ、下層シールド接続層206a上に、下層シールド接続層206aに沿って、形成(積層)される。サイドシールド配線層207aは、例えば、下層シールド接続層206aの幅よりも大きな幅で、或いは下層シールド接続層206aの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。信号線20は、このようなサイドシールド配線層207aと同層に、サイドシールド配線層207aと離間して、その内側に形成される。
【0110】
サイドシールド配線層207bは、下層シールド接続層206b上に、下層シールド接続層206bに沿って、形成(積層)される。サイドシールド配線層207bは、例えば、下層シールド接続層206bの幅よりも大きな幅で、或いは下層シールド接続層206bの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。信号線40は、このようなサイドシールド配線層207bと同層に、サイドシールド配線層207bと離間して、その内側に形成される。
【0111】
サイドシールド配線層207a,207b及び信号線20,40はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0112】
サイドシールド配線層207a,207b及び信号線20,40は、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図18(B)に示すようなマスクパターン607を用いることができる。このマスクパターン607において、パターン部607aが、図18(A)に示したサイドシールド配線層207aの部分に対応し、パターン部607bが、図18(A)に示したサイドシールド配線層207bの部分に対応している。また、マスクパターン607のパターン部607cが、図18(A)に示した信号線20,40の部分に対応している。尚、パターン部607a,607b,607cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン607を用いることで、サイドシールド配線層207a,207b及び信号線20,40が、同時にパターニングされ、形成される。
【0113】
図19は第2の実施の形態に係る上層シールド接続層の形成工程の説明図である。図19(A)は上層シールド接続層の形成まで行った状態の要部斜視図、図19(B)は上層シールド接続層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0114】
サイドシールド配線層207a,207b及び信号線20,40の形成後は、図19(A)に示すように、一対のサイドシールド配線層207a上にそれぞれ、上層シールド接続層208aを形成する。サイドシールド配線層207b上には、上層シールド接続層208bを形成する。
【0115】
一対の上層シールド接続層208aはそれぞれ、サイドシールド配線層207a上に、サイドシールド配線層207aに沿って、形成(積層)される。上層シールド接続層208aは、例えば、サイドシールド配線層207aの幅よりも小さな幅で、或いはサイドシールド配線層207aの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。
【0116】
上層シールド接続層208bは、サイドシールド配線層207b上に、サイドシールド配線層207bに沿って、形成(積層)される。上層シールド接続層208bは、例えば、サイドシールド配線層207bの幅よりも小さな幅で、或いはサイドシールド配線層207bの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。
【0117】
上層シールド接続層208a,208bはそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
上層シールド接続層208a,208bは、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図19(B)に示すようなマスクパターン608を用いることができる。このマスクパターン608において、パターン部608aが、図19(A)に示した上層シールド接続層208aの部分に対応し、パターン部608bが、図19(A)に示した上層シールド接続層208bの部分に対応している。尚、パターン部608a,608bは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン608を用いることで、上層シールド接続層208a,208bが、同時にパターニングされ、形成される。
【0118】
図20は第2の実施の形態に係る上層シールド配線層の形成工程の説明図である。図20(A)は上層シールド配線層の形成まで行った状態の要部斜視図、図20(B)は上層シールド配線層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0119】
上層シールド接続層208a,208bの形成後は、図20(A)に示すように、上層シールド接続層208a,208b上にそれぞれ、平板状の上層シールド配線層209a,209bを形成する。上層シールド配線層209a,209bはそれぞれ、上下層兼用シールド配線層205の第1配線層部分205a、第2配線層部分205bに対向するように、上層シールド接続層208a,208b上に、形成(積層)される。上層シールド配線層209a,209bはそれぞれ、信号線20,40の上側をシールドする層として形成される。
【0120】
尚、上層シールド接続層208a,208bはそれぞれ、上層シールド配線層209a,209bの縁部に沿ってその下方に積層された構造となる。サイドシールド配線層207a,207bは、上層シールド接続層208a,208bに沿ってその下方に積層された構造となる。下層シールド接続層206a,206bは、サイドシールド配線層207a,207bに沿ってその下方に積層された構造となる。上層シールド配線層209a,209bはそれぞれ、上層シールド接続層208a,208b、サイドシールド配線層207a,207b及び下層シールド接続層206a,206bによって、上下層兼用シールド配線層205に接続される。
【0121】
上層シールド配線層209a,209bはそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
上層シールド配線層209a,209bは、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図20(B)に示すようなマスクパターン609を用いることができる。このマスクパターン609において、パターン部609aが、図20(A)に示した上層シールド配線層209aの部分に対応し、パターン部609bが、図20(A)に示した上層シールド配線層209bの部分に対応している。尚、パターン部609a,609bは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン609を用いることで、上層シールド配線層209a,209bがパターニングされ、形成される。
【0122】
以上述べた図12〜図20の工程により、図11の信号線10,20,40及び接続部30を同軸構造とした同軸配線部100B(図20)が形成される。
この第2の実施の形態に係る同軸配線部100Bでは,信号線40と平行に延在される一対の信号線20同士が、信号線接続層31,33及びブリッジ配線層32(接続部30)、並びに信号線40の下側に配置される信号線10を介して、接続される。同軸配線部100Bでは、信号線40が同軸構造とされ、且つ、信号線10,20とそれらを接続する接続部30も同軸構造とされる。それにより、信号線40や、信号線10,20と接続部30を伝送される信号(高周波信号等)の、同軸配線部100Bの周囲からの、或いは周囲への、電磁気的な影響を効果的に抑制することが可能になる。また、上記第1の実施の形態に係る同軸配線部100Aと同様、この第2の実施の形態に係る同軸配線部100Bでも、比較的少ない層数で、信号線(同軸配線)を、同軸構造を維持した状態で交差させることができる。それにより、同軸配線を含む多層配線の回路設計自由度の向上を図ることが可能になる。
【0123】
尚、以上の説明では、同軸配線部100Bとして、上層側の一方の信号線20を、一旦下層側の信号線10へ接続部30で引き下げ、その信号線10から再び上層側の他方の信号線20へ接続部30で引き上げることで、信号線40と交差させる構造を例示した。このほか、形成する多層配線の回路パターンによっては、上層側の信号線20から接続部30で引き下げられた下層側の信号線10を、上層側へ引き上げず、その層内で引き回すようにしてもよい。
【0124】
また、以上の説明では、下層側の信号線10を第1方向Sに延在させ、上層側の信号線20,40をいずれも第2方向Tに延在させる場合の同軸配線部100Bを例示した。このほか、信号線10,20の延在方向が同じ場合、例えば、信号線20が信号線10と同じ第1方向Sに延在され、信号線40のみが第2方向Tに延在されるような場合であっても、上記同様の同軸配線部を形成することが可能である。
【0125】
次に、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態では、同軸構造を有しない配線(信号線)と交差する同軸配線部を含む多層配線とその形成方法の一例を、図21〜図28を参照して説明する。
【0126】
図21は第3の実施の形態に係る同軸配線部の信号線の配置例を示す図である。便宜上、図21では、多層配線内で信号線の周囲及び信号線同士を接続する接続部の周囲に設けるシールド部、並びに、多層配線内の信号線、接続部及びシールド部等の導電部を被覆する層間絶縁膜等の絶縁部については、図示を省略している。
【0127】
図21の例では、下層で第1方向Sに延びる一対の信号線10が、それぞれ信号線接続層(ビア)50を介して、上層で第1方向Sに延びる信号線20に接続され、一対の信号線10の間に、第2方向Tに延びる信号線40が延在されている。信号線40は、ここでは、同軸構造を有しない信号線とする。
【0128】
第3の実施の形態では、このような信号線40を乗り越えるように接続された、信号線10,20及び信号線接続層50を、同軸構造となるように形成する。その形成方法の一例を、図22〜図28を参照して順に説明していく。尚、便宜上、図22〜図28の各(A)の図では、絶縁部の図示を省略している。
【0129】
図22は第3の実施の形態に係る下層シールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。図22(A)は下層シールド配線層及び信号線の要部斜視図、図22(B)は下層シールド配線層及び信号線の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0130】
まず図22(A)に示すように、一対の平板状の下層シールド配線層301a、及びそれらの間に、同軸構造を有しない信号線40を形成する。この例では、一対の下層シールド配線層301aを第1方向Sに延在させ、信号線40を第2方向Tに延在させる。一対の下層シールド配線層301aはそれぞれ、後述のように第1方向Sに延在される信号線10の下側をシールドする層として形成される。
【0131】
下層シールド配線層301a及び信号線40はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0132】
下層シールド配線層301aは、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図22(B)に示すようなマスクパターン701を用いることができる。このマスクパターン701において、パターン部701aが、図22(A)に示した下層シールド配線層301aの部分に対応し、パターン部701cが、図22(A)に示した信号線40の部分に対応している。尚、パターン部701a,701cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン701を用いることで、下層シールド配線層301a及び信号線40が、同時にパターニングされ、形成される。
【0133】
図23は第3の実施の形態に係る下層シールド接続層の形成工程の説明図である。図23(A)は下層シールド接続層の形成まで行った状態の要部斜視図、図23(B)は下層シールド接続層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0134】
下層シールド配線層301a及び信号線40の形成後は、図23(A)に示すように、一対の下層シールド配線層301a上にそれぞれ、下層シールド接続層302aを形成する。下層シールド接続層302aは、下層シールド配線層301a上に、その縁部に沿って、第1方向Sの端部が平面U字状になるように、形成(積層)される。
【0135】
一対の下層シールド接続層302aはそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
下層シールド接続層302aは、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図23(B)に示すようなマスクパターン702を用いることができる。このマスクパターン702において、パターン部702aが、図23(A)に示した下層シールド接続層302aの部分に対応している。尚、パターン部702aは、遮光部や非反射部とされるか、又は透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン702を用いることで、下層シールド接続層302aがパターニングされ、形成される。
【0136】
図24は第3の実施の形態に係るサイド兼下層シールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。図24(A)はサイド兼下層シールド配線層及び信号線の形成まで行った状態の要部斜視図、図24(B)はサイド兼下層シールド配線層及び信号線の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0137】
下層シールド接続層302aの形成後は、図24(A)に示すようなサイド兼下層シールド配線層303、及び一対の信号線10を形成する。サイド兼下層シールド配線層303は、一対の下層シールド接続層302a上にそれぞれ、各下層シールド接続層302aに沿って形成(積層)された第1配線層部分303aを有する。更に、サイド兼下層シールド配線層303は、第1配線層部分303aから延在されて、信号線40の上方を通る、平板状の第2配線層部分303bを有している。一対の信号線10は、このようなサイド兼下層シールド配線層303と同層で、その第1配線層部分303aの内側に、第1配線層部分303aから離間して、第1方向Sに延在されて形成される。
【0138】
サイド兼下層シールド配線層303の第1配線層部分303aは、例えば、下層シールド接続層302aの幅よりも大きな幅で、或いは下層シールド接続層302aの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。
【0139】
サイド兼下層シールド配線層303の第1配線層部分303a(接続層)は、下層シールド接続層302a及び後述する中層シールド接続層304aと共に信号線10の側方をシールドする。サイド兼下層シールド配線層303の第2配線層部分303bは、後述のように上層側に形成される信号線20の下側をシールドする。このようにサイド兼下層シールド配線層303は、下層側の信号線10の側方をシールドし、且つ、上層側の信号線20の下側をシールドする層として形成される。
【0140】
サイド兼下層シールド配線層303及び信号線10はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0141】
サイド兼下層シールド配線層303及び信号線10は、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図24(B)に示すようなマスクパターン703を用いることができる。このマスクパターン703において、パターン部703aが、図24(A)に示したサイド兼下層シールド配線層303の第1配線層部分303aに対応し、パターン部703bが、図24(A)に示した第2配線層部分303bに対応している。また、マスクパターン703のパターン部703cが、図24(A)に示した信号線10の部分に対応している。尚、パターン部703a,703b,703cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン703を用いることで、サイド兼下層シールド配線層303及び信号線10が、同時にパターニングされ、形成される。
【0142】
図25は第3の実施の形態に係る中層シールド接続層及び信号線接続層の形成工程の説明図である。図25(A)は中層シールド接続層及び信号線接続層の形成まで行った状態の要部斜視図、図25(B)は中層シールド接続層及び信号線接続層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0143】
サイド兼下層シールド配線層303及び信号線10の形成後は、図25(A)に示すように、サイド兼下層シールド配線層303の縁部に沿って、第1配線層部分303aと第2配線層部分303bとに跨って、中層シールド接続層304aを形成(積層)する。更に、図25(A)に示すように、中層シールド接続層304aの内側に、中層シールド接続層304aと離間して、一対の信号線10にそれぞれ接続された信号線接続層50を形成(積層)する。
【0144】
中層シールド接続層304aは、例えば、サイド兼下層シールド配線層303の第1配線層部分303aの幅よりも小さな幅で、或いは第1配線層部分303aの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。信号線接続層50は、このような中層シールド接続層304aと同層に、中層シールド接続層304aと離間して、信号線10上に形成される。
【0145】
中層シールド接続層304a及び信号線接続層50はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0146】
中層シールド接続層304a及び信号線接続層50は、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図25(B)に示すようなマスクパターン704を用いることができる。このマスクパターン704において、パターン部704aが、図25(A)に示した中層シールド接続層304aの部分に対応し、パターン部704cが、図25(A)に示した信号線接続層50の部分に対応している。尚、パターン部704a,704cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン704を用いることで、中層シールド接続層304a及び信号線接続層50が、同時にパターニングされ、形成される。
【0147】
また、図25(C)に示すようなマスクパターン704を用いて、そのパターン部704a,704cに応じた形状の中層シールド接続層304a及び信号線接続層50を形成することも可能である。
【0148】
図26は第3の実施の形態に係るサイド兼上層シールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。図26(A)はサイド兼上層シールド配線層及び信号線の形成まで行った状態の要部斜視図、図26(B)はサイド兼上層シールド配線層及び信号線の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0149】
中層シールド接続層304a及び信号線接続層50の形成後は、図26(A)に示すようなサイド兼上層シールド配線層305、及び信号線20を形成する。
サイド兼上層シールド配線層305は、中層シールド接続層304a上に、一対の信号線接続層50を共に囲んだ平面枠状(両端部が平面U字状)になるように形成(積層)された第1配線層部分305aを有している。更に、サイド兼上層シールド配線層305は、第1配線層部分305aから延在され、中層シールド接続層304a上に形成(積層)された、平板状の第2配線層部分305bを有している。信号線20は、このようなサイド兼上層シールド配線層305と同層で、その第1配線層部分305aの内側に、第1配線層部分305aから離間して、第1方向Sに延在されて形成される。
【0150】
サイド兼上層シールド配線層305の第1配線層部分305aは、例えば、中層シールド接続層304aの幅よりも大きな幅で、或いは中層シールド接続層304aの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。サイド兼上層シールド配線層305の第2配線層部分305bは、下層シールド配線層301aに対向して形成される。
【0151】
サイド兼上層シールド配線層305の第1配線層部分305a(接続層)は、中層シールド接続層304a及び後述する上層シールド接続層306aと共に信号線20の側方をシールドする。サイド兼上層シールド配線層305の第2配線層部分305bは、下層側の信号線10の上側をシールドする。このようにサイド兼上層シールド配線層305は、上層側の信号線20の側方をシールドし、且つ、下層側の信号線10の上側をシールドする層として形成される。
【0152】
サイド兼上層シールド配線層305及び信号線20はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0153】
サイド兼上層シールド配線層305及び信号線20は、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図26(B)に示すようなマスクパターン705を用いることができる。このマスクパターン705において、パターン部705aが、図26(A)に示したサイド兼上層シールド配線層305の第1配線層部分305aに対応し、パターン部705bが、図26(A)に示した第2配線層部分305bに対応している。また、マスクパターン705のパターン部705cが、図26(A)に示した信号線20の部分に対応している。尚、パターン部705a,705b,705cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン705を用いることで、サイド兼上層シールド配線層305及び信号線20が、同時にパターニングされ、形成される。
【0154】
また、図26(C)に示すようなマスクパターン705を用いて、そのパターン部705a,705b,705cに応じた形状のサイド兼上層シールド配線層305及び信号線20を形成することも可能である。
【0155】
図27は第3の実施の形態に係る上層シールド接続層の形成工程の説明図である。図27(A)は上層シールド接続層の形成まで行った状態の要部斜視図、図27(B)は上層シールド接続層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0156】
サイド兼上層シールド配線層305及び信号線20の形成後は、図27(A)に示すように、サイド兼上層シールド配線層305の少なくとも第1配線層部分305a上に、平面枠状(両端部が平面U字状)になるように、上層シールド接続層306aを形成(積層)する。上層シールド接続層306aは、例えば、第1配線層部分305aの幅よりも小さな幅で、或いは第1配線層部分305aの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。
【0157】
上層シールド接続層306aは、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
上層シールド接続層306aは、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図27(B)に示すようなマスクパターン706を用いることができる。このマスクパターン706において、パターン部706aが、図27(A)に示した上層シールド接続層306aの部分に対応している。尚、パターン部706aは、遮光部や非反射部とされるか、又は透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン706を用いることで、上層シールド接続層306aがパターニングされ、形成される。
【0158】
また、図27(C)に示すようなマスクパターン706を用いて、そのパターン部706aに応じた形状の上層シールド接続層306aを形成することも可能である。
図28は第3の実施の形態に係る上層シールド配線層の形成工程の説明図である。図28(A)は上層シールド配線層の形成まで行った状態の要部斜視図、図28(B)は上層シールド配線層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0159】
上層シールド接続層306aの形成後は、図28(A)に示すように、上層シールド接続層306a上に、平板状の上層シールド配線層307aを形成する。上層シールド配線層307aは、サイド兼下層シールド配線層303に対向するように、上層シールド接続層306a上に形成(積層)される。上層シールド配線層307aは、信号線20の上側をシールドする層として形成される。
【0160】
上層シールド配線層307aは、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
上層シールド配線層307aは、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図28(B)に示すようなマスクパターン707を用いることができる。このマスクパターン707において、パターン部707aが、図28(A)に示した上層シールド配線層307aの部分に対応している。尚、パターン部707aは、遮光部や非反射部とされるか、又は透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン707を用いることで、上層シールド配線層307aがパターニングされ、形成される。
【0161】
以上述べた図22〜図28の工程により、図21の信号線10,20及び信号線接続層50を同軸構造とした同軸配線部100C(図28)が形成される。
この第3の実施の形態に係る同軸配線部100Cによれば、信号線10,20及び信号線接続層50を、同軸構造を維持した状態で、信号線40と交差させることができ、同軸配線部100Cの周囲からの又は周囲への電磁気的影響が効果的に抑制可能になる。更に、同軸配線部100Cでは、信号線10,20のシールドに、サイド兼下層シールド配線層303及びサイド兼上層シールド配線層305を用いる。それにより、異なる層に延在される信号線10,20の、信号線接続層50を含む同軸構造を、いっそう少ない層数で実現することが可能になっている。従って、同軸配線を含む多層配線の回路設計自由度のいっそうの向上を図ることが可能になる。
【0162】
尚、以上の説明では、同軸配線部100Cとして、下層側の一方の信号線10を、上層側の信号線20へ信号線接続層50で引き上げ、その信号線20から下層側の他方の信号線10へ信号線接続層50で引き下げることで、信号線40と交差させる構造を例示した。このほか、形成する多層配線の回路パターンによっては、下層側の信号線10から信号線接続層50で引き上げられた上層側の信号線20を、下層側へ引き下げず、その層内で引き回すようにしてもよい。
【0163】
また、以上の説明では、下層側の信号線10と上層側の信号線20を第1方向Sに延在させ、下層側の信号線40を第2方向Tに延在させる場合の同軸配線部100Cを例示した。このほか、信号線10,20の延在方向が異なる場合、例えば、信号線10が信号線40と同じ第2方向Tに延在され、信号線20が第1方向Sに延在されるような場合であっても、上記同様の同軸配線部を形成することが可能である。
【0164】
次に、第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態では、上記第3の実施の形態と同様に、同軸構造を有しない配線(信号線)と交差する同軸配線部を含む多層配線とその形成方法の別例を、図29〜図36を参照して説明する。
【0165】
図29は第4の実施の形態に係る同軸配線部の信号線の配置例を示す図である。便宜上、図29では、多層配線内で信号線の周囲及び信号線同士を接続する接続部の周囲に設けるシールド部、並びに、多層配線内の信号線、接続部及びシールド部等の導電部を被覆する層間絶縁膜等の絶縁部については、図示を省略している。
【0166】
図29の例では、下層で第1方向Sに延びる信号線10が、一対の信号線接続層(ビア)50を介して、上層の第2方向Tに延びる一対の信号線20に接続され、一対の信号線20の間に、第2方向Tに延びる信号線40が延在されている。信号線40は、ここでは、同軸構造を有しない信号線とする。
【0167】
第4の実施の形態では、このような信号線40の下を潜るように引き回された、信号線10,20及び信号線接続層50を、同軸構造となるように形成する。その形成方法の一例を、図30〜図36を参照して順に説明していく。尚、便宜上、図30〜図36の各(A)の図では、絶縁部の図示を省略している。
【0168】
図30は第4の実施の形態に係る下層シールド配線層の形成工程の説明図である。図30(A)は下層シールド配線層の要部斜視図、図30(B)は下層シールド配線層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0169】
まず図30(A)に示すように、第1方向Sに延在する、平板状の下層シールド配線層401aを形成する。下層シールド配線層401aは、後述のように第1方向Sに延在される信号線10の下側をシールドする層として形成される。
【0170】
下層シールド配線層401aは、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
下層シールド配線層401aは、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図30(B)に示すようなマスクパターン801を用いることができる。このマスクパターン801において、パターン部801aが、図30(A)に示した下層シールド配線層401aの部分に対応している。尚、パターン部801aは、遮光部や非反射部とされるか、又は透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン801を用いることで、下層シールド配線層401aがパターニングされ、形成される。
【0171】
図31は第4の実施の形態に係る下層シールド接続層の形成工程の説明図である。図31(A)は下層シールド接続層の形成まで行った状態の要部斜視図、図31(B)は下層シールド接続層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0172】
下層シールド配線層401aの形成後は、図31(A)に示すように、下層シールド配線層401a上に、その縁部に沿って、平面枠状(両端部が平面U字状)になるように、下層シールド接続層402aを形成(積層)する。
【0173】
下層シールド接続層402aは、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
下層シールド接続層402aは、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図31(B)に示すようなマスクパターン802を用いることができる。このマスクパターン802において、パターン部802aが、図31(A)に示した下層シールド接続層402aの部分に対応している。尚、パターン部802aは、遮光部や非反射部とされるか、又は透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン802を用いることで、下層シールド接続層402aがパターニングされ、形成される。
【0174】
図32は第4の実施の形態に係るサイド兼下層シールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。図32(A)はサイド兼下層シールド配線層及び信号線の形成まで行った状態の要部斜視図、図32(B)はサイド兼下層シールド配線層及び信号線の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0175】
下層シールド接続層402aの形成後は、図32(A)に示すようなサイド兼下層シールド配線層403、及び信号線10を形成する。サイド兼下層シールド配線層403は、下層シールド接続層402a上に、下層シールド接続層402aに沿って形成(積層)された第1配線層部分403aと、第1配線層部分403aから延在された平板状の第2配線層部分403bとを有している。信号線10は、このようなサイド兼下層シールド配線層403と同層で、その第1配線層部分403aの内側に、第1配線層部分403aから離間して、第1方向Sに延在されて形成される。
【0176】
サイド兼下層シールド配線層403の第1配線層部分403aは、例えば、下層シールド接続層402aの幅よりも大きな幅で、或いは下層シールド接続層402aの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。
【0177】
サイド兼下層シールド配線層403の第1配線層部分403a(接続層)は、下層シールド接続層402a及び後述する中層シールド接続層404aと共に信号線10の側方をシールドする。サイド兼下層シールド配線層403の第2配線層部分403bは、後述のように上層側に形成される信号線20の下側をシールドする。このようにサイド兼下層シールド配線層403は、下層側の信号線10の側方をシールドし、且つ、上層側の信号線20の下側をシールドする層として形成される。
【0178】
サイド兼下層シールド配線層403及び信号線10はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0179】
サイド兼下層シールド配線層403及び信号線10は、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図32(B)に示すようなマスクパターン803を用いることができる。このマスクパターン803において、パターン部803aが、図32(A)に示したサイド兼下層シールド配線層403の第1配線層部分403aに対応し、パターン部803bが、図32(A)に示した第2配線層部分403bに対応している。また、マスクパターン803のパターン部803cが、図32(A)に示した信号線10の部分に対応している。尚、パターン部803a,803b,803cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン803を用いることで、サイド兼下層シールド配線層403及び信号線10が、同時にパターニングされ、形成される。
【0180】
図33は第4の実施の形態に係る中層シールド接続層及び信号線接続層の形成工程の説明図である。図33(A)は中層シールド接続層及び信号線接続層の形成まで行った状態の要部斜視図、図33(B)は中層シールド接続層及び信号線接続層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0181】
サイド兼下層シールド配線層403及び信号線10の形成後は、図33(A)に示すように、サイド兼下層シールド配線層403の縁部に沿って、第1配線層部分403aと第2配線層部分403bとに跨って、中層シールド接続層404aを形成(積層)する。更に、図33(A)に示すように、中層シールド接続層404aの内側に、中層シールド接続層404aと離間して、信号線10に接続された一対の信号線接続層50を形成(積層)する。
【0182】
中層シールド接続層404aは、例えば、サイド兼下層シールド配線層403の第1配線層部分403aの幅よりも小さな幅で、或いは第1配線層部分403aの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。信号線接続層50は、このような中層シールド接続層404aと同層に、中層シールド接続層404aと離間して、信号線10上に形成される。
【0183】
中層シールド接続層404a及び信号線接続層50はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0184】
中層シールド接続層404a及び信号線接続層50は、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図33(B)に示すようなマスクパターン804を用いることができる。このマスクパターン804において、パターン部804aが、図33(A)に示した中層シールド接続層404aの部分に対応し、パターン部804cが、図33(A)に示した信号線接続層50の部分に対応している。尚、パターン部804a,804cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン804を用いることで、中層シールド接続層404a及び信号線接続層50が、同時にパターニングされ、形成される。
【0185】
図34は第4の実施の形態に係るサイド兼上層シールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。図34(A)はサイド兼上層シールド配線層及び信号線の形成まで行った状態の要部斜視図、図34(B)はサイド兼上層シールド配線層及び信号線の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0186】
中層シールド接続層404a及び信号線接続層50の形成後は、図34(A)に示すようなサイド兼上層シールド配線層405、及び一対の信号線20を形成する。サイド兼上層シールド配線層405は、中層シールド接続層404a上に、信号線接続層50を囲むように、端部が平面U字状になるように形成(積層)された第1配線層部分405aを有している。更に、サイド兼上層シールド配線層405は、第1配線層部分405aから延在され、中層シールド接続層404a上に形成(積層)された、平板状の第2配線層部分405bを有している。一対の信号線20はそれぞれ、このようなサイド兼上層シールド配線層405と同層で、その第1配線層部分405aの内側に、第1配線層部分405aから離間して、第2方向Tに延在されて形成される。
【0187】
サイド兼上層シールド配線層405の第1配線層部分405aは、例えば、中層シールド接続層404aの幅よりも大きな幅で、或いは中層シールド接続層404aの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。サイド兼上層シールド配線層405の第2配線層部分405bは、下層シールド配線層401aに対向して形成される。
【0188】
サイド兼上層シールド配線層405の第1配線層部分405a(接続層)は、中層シールド接続層404a及び後述する上層シールド接続層406aと共に信号線20の側方をシールドする。サイド兼上層シールド配線層405の第2配線層部分405bは、下層側の信号線10の上側をシールドする。このようにサイド兼上層シールド配線層405は、上層側の信号線20の側方をシールドし、且つ、下層側の信号線10の上側をシールドする層として形成される。
【0189】
サイド兼上層シールド配線層405及び信号線20はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0190】
サイド兼上層シールド配線層405及び信号線20は、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図34(B)に示すようなマスクパターン805を用いることができる。このマスクパターン805において、パターン部805aが、図34(A)に示したサイド兼上層シールド配線層405の第1配線層部分405aに対応し、パターン部805bが、図34(A)に示した第2配線層部分405bに対応している。また、マスクパターン805のパターン部805cが、図34(A)に示した信号線20の部分に対応している。尚、パターン部805a,805b,805cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン805を用いることで、サイド兼上層シールド配線層405及び信号線20が、同時にパターニングされ、形成される。
【0191】
図35は第4の実施の形態に係る上層シールド接続層の形成工程の説明図である。図35(A)は上層シールド接続層の形成まで行った状態の要部斜視図、図35(B)は上層シールド接続層の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0192】
サイド兼上層シールド配線層405及び信号線20の形成後は、図35(A)に示すように、サイド兼上層シールド配線層405の一対の第1配線層部分405a上にそれぞれ、端部が平面U字状になるように、上層シールド接続層406aを形成(積層)する。上層シールド接続層406aは、例えば、第1配線層部分405aの幅よりも小さな幅で、或いは第1配線層部分405aの幅と同じか同程度の幅で、形成することができる。
【0193】
上層シールド接続層406aは、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
上層シールド接続層406aは、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図35(B)に示すようなマスクパターン806を用いることができる。このマスクパターン806において、パターン部806aが、図35(A)に示した上層シールド接続層406aの部分に対応している。尚、パターン部806aは、遮光部や非反射部とされるか、又は透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン806を用いることで、上層シールド接続層406aがパターニングされ、形成される。
【0194】
図36は第4の実施の形態に係る上層シールド配線層及び信号線の形成工程の説明図である。図36(A)は上層シールド配線層及び信号線の形成まで行った状態の要部斜視図、図36(B)は上層シールド配線層及び信号線の形成に用いるマスクパターンの要部平面図である。
【0195】
上層シールド接続層406aの形成後は、図36(A)に示すように、一対の上層シールド接続層406a上にそれぞれ、第2方向Tに延在する、平板状の上層シールド配線層407aを形成する。上層シールド配線層407aは、サイド兼下層シールド配線層403に対向するように、上層シールド接続層406a上に形成(積層)される。上層シールド配線層407aは、信号線20の上側をシールドする層として形成される。更に、図36(A)に示すように、一対の上層シールド配線層407aの間に、第2方向Tに延在する、同軸構造を有しない信号線40を形成する。
【0196】
上層シールド配線層407a及び信号線40はそれぞれ、その全部又は一部に、Al又はCu等の導電材料や、Al又はCuを含む導電材料等を用いて、形成することができる。
【0197】
上層シールド配線層407a及び信号線40は、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。その際は、図36(B)に示すようなマスクパターン807を用いることができる。このマスクパターン807において、パターン部807aが、図36(A)に示した上層シールド配線層407aの部分に対応し、パターン部807cが、図36(A)に示した信号線40の部分に対応している。尚、パターン部807a,807cは、いずれも遮光部や非反射部とされるか、又はいずれも透光部や反射部とされる。このようなマスクパターン807を用いることで、上層シールド配線層407a及び信号線40が、同時にパターニングされ、形成される。
【0198】
以上述べた図30〜図36の工程により、図29の信号線10,20及び信号線接続層50を同軸構造とした同軸配線部100D(図36)が形成される。
この第4の実施の形態に係る同軸配線部100Dによっても、上記第3の実施の形態同様、同軸配線部100Dの周囲からの又は周囲への電磁気的影響が効果的に抑制される同軸配線を含む多層配線の、回路設計自由度の向上を図ることが可能になる。
【0199】
尚、以上の説明では、同軸配線部100Dとして、上層側の一方の信号線20を、下層側の信号線10へ信号線接続層50で引き下げ、その信号線10から上層側の他方の信号線20へ信号線接続層50で引き上げることで、信号線40と交差させる構造を例示した。このほか、形成する多層配線の回路パターンによっては、上層側の信号線20から信号線接続層50で引き下げられた下層側の信号線10を、上層側へ引き上げず、その層内で引き回すようにしてもよい。
【0200】
また、以上の説明では、下層側の信号線10を第1方向Sに延在させ、上層側の信号線20,40をいずれも第2方向Tに延在させる場合の同軸配線部100Dを例示した。このほか、信号線10,20の延在方向が同じ場合、例えば、信号線20が信号線10と同じ第1方向Sに延在され、信号線40のみが第2方向Tに延在されるような場合であっても、上記同様の同軸配線部を形成することが可能である。
【0201】
以上、多層配線内に設ける同軸配線部の例について説明した。以上の説明では、多層配線内の異なる層(上下層)に設けられる信号線とそれらを接続する接続部(ビア)とを同軸構造とする場合を例示した。これにより、上下層の信号線のほか、接続部もシールドされるため、同軸配線部の、周囲からの、又は周囲への、電磁気的影響が効果的に抑制されるようになる。
【0202】
尚、このように接続部をシールドすることによる、同軸配線部の周囲からの又は周囲への電磁気的影響の抑制効果は、上下層の信号線を接続する接続部に限らない。例えば、多層配線内のある信号線と、多層配線下の半導体基板に形成されるトランジスタ等の素子とを接続する接続部とを共に同軸構造とすることで、同様の効果を得ることが可能である。
【0203】
図37は第5の実施の形態に係る同軸配線部の一例を示す図である。便宜上、図37(A)では、多層配線内で信号線の周囲及び信号線同士を接続する接続部の周囲に設けるシールド部、並びに、多層配線内の信号線、接続部及びシールド部等の導電部を被覆する層間絶縁膜等の絶縁部については、図示を省略している。また、便宜上、図37(B)では、絶縁部の図示を省略している。
【0204】
図37(A)に示すように、接続部120と信号線20とを、接続層31e、ブリッジ配線層32、及び信号線接続層33を介して接続する。接続部120は、半導体基板に形成されたトランジスタに接続されているプラグ等とすることができる。そのような接続部120に接続される、接続層31e、ブリッジ配線層32、信号線接続層33及び信号線20を、同軸構造となるように形成することで、上記のような、周囲からの又は周囲への電磁気的影響の抑制効果を得ることが可能になる。
【0205】
この場合、図37(B)に示すように、接続部120上に形成(積層)された接続層31eと同層に、それを囲む平面枠状のシールド接続層104eが形成される。このシールド接続層104e上には、下層シールド配線層105eが形成される。下層シールド配線層105eは、シールド接続層104e上に形成(積層)され、接続層31eに対応する領域に開口部(上記開口部105aaに相当)を有する平面枠状の第1配線層部分105aと、第1配線層部分105aから延在された第2配線層部分105bとを有している。下層シールド配線層105eの開口部には、接続層31e上に接続されたブリッジ配線層32が形成(積層)される。
【0206】
そして、このような下層シールド配線層105e上に、上記第1の実施の形態で述べたのと同様に、その開口部を囲むように下層シールド接続層106aが形成(積層)され、開口部のブリッジ配線層32上に、信号線接続層33が形成(積層)される。下層シールド接続層106a上には、サイドシールド配線層107aが形成(積層)され、その内側に信号線20が形成される。サイドシールド配線層107a上には、上層シールド接続層108aが形成(積層)され、その上に、上層シールド配線層109aが形成される。
【0207】
これにより、接続部120に接続される、接続層31e、ブリッジ配線層32、信号線接続層33及び信号線20を、同軸構造とした同軸配線部100Eが得られる。このような同軸配線部100Eにより、信号線20のほか、信号線接続層33、ブリッジ配線層32及び接続層31eがシールドされるため、伝送される信号(高周波信号等)の、周囲からの又は周囲への電磁気的影響を、効果的に抑制することが可能になる。
【0208】
尚、以上の説明では、信号線10,20と信号線40との交差部を例示して説明した。上記第1の実施の形態に係る同軸配線部100Aにおける信号線10,40の、図示しない端部側については、図示した信号線10,20の端部の構造例に従い、別の同軸配線と接続することが可能である。また、上記第5の実施の形態に係る同軸配線部100Eの例に従い、トランジスタ等に接続された接続部120と接続する構造とすることも可能である。また、上記第2の実施の形態に係る同軸配線部100Bにおける信号線20,40の、図示しない端部側についても同様に、図示した信号線10,20の端部の構造例に従い、別の同軸配線と接続することが可能である。更にまた、上記第3,4の実施の形態に係る同軸配線部100C,100Dにおける、図示しない信号線端部を、図示した信号線端部の構造例に従い、別の同軸配線と接続することも可能である。
【0209】
以上述べた同軸配線部のうち、上記第1の実施の形態に係る同軸配線部100Aを含む半導体装置の一例を図38に示す。図38には半導体装置の一例の要部断面を模式的に図示している。
【0210】
図38に示す半導体装置1は、半導体基板2及び多層配線3を含む。半導体基板2には、回路素子、例えばトランジスタ2aが形成されている。このような半導体基板2上に、多層配線3が形成されている。多層配線3内には、同軸配線部100A、その他の配線3aやビア3b等が形成されている。同軸配線部100A、配線3a、ビア3bといった導電部は、層間絶縁膜等の絶縁部3cによって被覆されている。同軸配線部100Aは、例えば、その端部において、上記第5の実施の形態に係る同軸配線部100Eのような構造を採用し、接続部120によって、トランジスタ2aに接続される。
【0211】
多層配線3内に、同軸配線部100Aをはじめ、上述のような同軸配線部(100B〜100E)を設けることにより、多層配線3の回路設計自由度が高く、扱う信号(高周波信号等)の電磁気的影響が抑制された高性能の半導体装置1を実現することが可能になる。
【0212】
次に、以上述べたような同軸配線部に含まれる配線層(下層、サイド、上層の各シールド配線層、ブリッジ配線層、信号線)及び接続層(下層、中層、上層の各シールド接続層、信号線接続層)の形成方法について説明する。
【0213】
図39〜図41は配線層及び接続層の第1形成方法の説明図である。
この形成方法では、まず図39(A)に示すように、第1層間絶縁膜900上に、AlやAl合金等の導電材料を用いて、第1導電膜901が形成される。次いで、図39(B)に示すように、第1導電膜901上に、所定形状にパターニングされたレジストパターン1000が形成される。このレジストパターン1000をマスクにして第1導電膜901のエッチングが行われ、エッチング後、レジストパターン1000が除去されることで、図39(C)に示すような第1配線層901aが形成される。尚、このような第1配線層901aとしては、上記したシールド配線層や信号線のように、比較的広い(長い)領域に形成されるもののほか、上記したブリッジ配線層のように、比較的狭い(短い)領域に形成されるものを形成してもよい。
【0214】
第1配線層901aの形成後は、図40(A)に示すように、第1層間絶縁膜900上の第1配線層901aを覆うように、第2層間絶縁膜902が形成され、図40(B)に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polishing)により平坦化される。そして、平坦化後の第2層間絶縁膜902に対し、図40(C)に示すように、第1配線層901aに達する凹部902aが形成され、AlやAl合金、或いはタングステン(W)等の導電材料を用いて、第2導電膜903が形成される。尚、第2層間絶縁膜902に形成する凹部902aとしては、上記した信号線接続層のように、比較的狭い(短い)領域に形成されるもののほか、上記したシールド接続層のように、比較的広い(長い)領域に形成されるものを形成してもよい。
【0215】
凹部902a内を含む第2層間絶縁膜902上に形成された第2導電膜903は、図41(A)に示すように、CMPにより、第2層間絶縁膜902が表出するまで除去される。これにより、所定形状の凹部902aに第2導電膜903が埋め込まれ、接続層903aが形成される。その後は、図41(B)に示すように、第2層間絶縁膜902上に、AlやAl合金等の導電材料を用いて、第3導電膜904が形成され、更にその上に、所定形状にパターニングされたレジストパターン1001が形成される。このレジストパターン1001をマスクにして第3導電膜904のエッチングが行われ、エッチング後、レジストパターン1001が除去されることで、図41(C)に示すような第2配線層904aが形成される。尚、このような第2配線層904aとしては、上記したシールド配線層や信号線のように、比較的広い(長い)領域に形成されるもののほか、上記したブリッジ配線層のように、比較的狭い(短い)領域に形成されるものを形成してもよい。
【0216】
これより上層に更に別の接続層、配線層を形成する場合には、図40(A)以降の工程を繰り返す。
例えばこのような方法を用いて、多層配線内に上記のような同軸配線部100A,100B,100C,100D等を形成することが可能である。
【0217】
また、図42〜図44は配線層及び接続層の第2形成方法の説明図である。
この形成方法では、まず図42(A)に示すように、ダマシン法により、第1層間絶縁膜910内に、Cu等の導電材料を用いて、第1配線層911aが形成される。尚、第1配線層911aとしては、上記したシールド配線層や信号線のように、比較的広い(長い)領域に形成されるもののほか、上記したブリッジ配線層のように、比較的狭い(短い)領域に形成されるものを形成してもよい。第1配線層911aの形成後は、図42(B)に示すように、第1層間絶縁膜910上に第2層間絶縁膜912が形成され、接続層形成のために所定形状にパターニングされたレジストパターン1010が形成される。このレジストパターン1010をマスクにして第2層間絶縁膜912のエッチングが行われ、エッチング後、レジストパターン1010が除去されることで、図42(C)に示すような凹部912aが形成される。尚、凹部912aとしては、上記した信号線接続層のように、比較的狭い(短い)領域に形成されるもののほか、上記したシールド接続層のように、比較的広い(長い)領域に形成されるものを形成してもよい。
【0218】
次いで、図43(A)に示すように、第2層間絶縁膜912上に、配線層形成のために所定形状にパターニングされたレジストパターン1011が形成される。このレジストパターン1011をマスクにして第2層間絶縁膜912のエッチングが行われ、エッチング後、レジストパターン1011が除去されることで、図43(B)に示すような凹部912bが形成される。尚、凹部912bとしては、上記した信号線接続層のように、比較的狭い(短い)領域に形成されるもののほか、上記したシールド接続層のように、比較的広い(長い)領域に形成されるものを形成してもよい。このような凹部912a,912bの形成後、第2層間絶縁膜912上に、Cu等の導電材料を用いて導電膜が形成され、その導電膜が、CMPにより、第2層間絶縁膜912が表出するまで除去される。これにより、所定形状の凹部912a,912bに導電膜が埋め込まれ、図43(C)に示すような接続層913a及び第2配線層913bが一括形成される。
【0219】
これにより上層に更に別の接続層、配線層を形成する場合には、図42(B)以降の工程を繰り返す。
尚、ここでは、接続層913a用の凹部912aの形成後、第2配線層913b形成用の凹部912bを形成するようにしたが、形成順はこれに限定されない。例えば、まず図44(A)に示すように、第2層間絶縁膜912の形成後、第2配線層913b形成のために所定形状にパターニングされたレジストパターン1011が形成される。そして、このレジストパターン1011をマスクにして第2層間絶縁膜912のエッチングが行われ、レジストパターン1011が除去されることで、図44(B)に示すような凹部912bが形成される。その後、図44(C)に示すように、接続層913aのために所定形状にパターニングされたレジストパターン1010が形成される。これをマスクにして第2層間絶縁膜912のエッチングが行われることで、上記図43(B)に示したような凹部912aが形成される。このようにして形成された凹部912b,912aに、上記同様、導電膜を埋め込むことで、図43(C)に示したような接続層913a及び配線層913bが一括形成される。
【0220】
これより上層に更に別の接続層、配線層を形成する場合には、図42(B)以降、或いは図44(A)以降の工程を繰り返す。尚、上記の図42及び図43の手順で凹部912a,912bを形成した後、図44(A)以降の工程を行うようにしてもよい。
【0221】
例えばこのような方法を用いて、多層配線内に上記のような同軸配線部100A,100B,100C,100D等を形成することも可能である。
尚、以上の配線層(下層、サイド、上層の各シールド配線層、ブリッジ配線層、信号線)及び接続層(下層、中層、上層の各シールド接続層、信号線接続層)は、いずれも単層で図示されているが、各層を複数層で形成してもよい。例えば、配線層、接続層の側面及び下面、或いは更に上面に、チタン(Ti)やタンタル(Ta)等の材料を用いて、バリア層、キャップ層等の層を設けることも可能である。
【0222】
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 絶縁部と、
前記絶縁部内に配置された同軸配線部と、
を有し、
前記同軸配線部は、
第1配線層と、
前記第1配線層上に積層された第1接続層と、
前記第1接続層に沿って積層された第2接続層と、
前記第2接続層の内側に該第2接続層と離間して配置された第1信号線と、
前記第2接続層に沿って積層された第3接続層と、
前記第1信号線に接続され、前記第3接続層の内側に該第3接続層と離間して配置された第1ビアと、
前記第1配線層に対向するように前記第3接続層に積層され前記第1ビアに対応する領域に開口部を備えた第1部分と、該第1部分から前記第3接続層外に延在された第2部分とを有する第2配線層と、
前記開口部の前記第1ビアに前記第1部分と離間して積層された第2ビアと、
前記第2ビアに積層された第3ビアと、
前記第3ビアを囲むように前記第1部分と前記第2部分とに跨って積層された第4接続層と、
前記第4接続層に沿って積層された第5接続層と、
前記第3ビアに接続され、前記第5接続層の内側に該第5接続層と離間して配置された第2信号線と、
前記第5接続層に沿って積層された第6接続層と、
前記第2配線層に対向するように前記第6接続層に積層された第3配線層と、
を含むことを特徴とする半導体装置。
【0223】
(付記2) 前記第1配線層と同層に該第1配線層と離間して配置された第4配線層と、
前記第1接続層と同層に設けられ、前記第4配線層上に積層された第7接続層と、
前記第2接続層と同層に設けられ、前記第7接続層に沿って積層された第8接続層と、
前記第8接続層の内側に該第8接続層と離間して配置された第3信号線と、
前記第3接続層と同層に設けられ、前記第8接続層に沿って積層された第9接続層と、
を更に含み、
前記第2配線層は、前記第2部分が前記第4配線層と対向するように前記第6接続層及び前記第9接続層に積層されることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
【0224】
(付記3) 前記第1配線層の延在方向の一端部に積層される前記第1接続層、前記第2接続層及び前記第3接続層は、前記一端部側が閉じ他端部側が開口した平面U字状の第1のU字状部を有し、
前記第2部分は、前記第1のU字状部の開口側と異なる側に延在されることを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置。
【0225】
(付記4) 前記第4接続層、前記第5接続層及び前記第6接続層は、前記第3ビアを囲むように、前記第1のU字状部の開口側と異なる側が開口した平面U字状の第2のU字状部を有することを特徴とする付記3に記載の半導体装置。
【0226】
(付記5) 前記第2信号線と前記第3信号線とが、互いに交差する方向に延在されることを特徴とする付記2乃至4のいずれかに記載の半導体装置。
(付記6) 前記絶縁部及び前記同軸配線部は、トランジスタが設けられた半導体基板の上方に設けられ、
前記第1信号線は、前記第2信号線よりも前記半導体基板に近い下層側に設けられることを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の半導体装置。
【0227】
(付記7) 前記絶縁部及び前記同軸配線部は、トランジスタが設けられた半導体基板の上方に設けられ、
前記第1信号線は、前記第2信号線よりも前記半導体基板から遠い上層側に設けられることを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の半導体装置。
【0228】
(付記8) 絶縁部と、
前記絶縁部内に配置された同軸配線部と、
を有し、
前記同軸配線部は、
第1配線層と、
前記第1配線層上に積層された第1接続層と、
前記第1接続層に沿って積層された第1部分と、該第1部分から前記第1接続層外に延在された第2部分とを有する第2配線層と、
前記第1部分の内側に該第1部分と離間して配置された第1信号線と、
前記第2配線層上に積層された第2接続層と、
前記第1信号線に接続され、前記第2接続層と離間して配置された第1ビアと、
前記第1ビアを囲むように前記第2接続層に積層された第3部分と、該第3部分から延在され前記第1配線層に対向するように前記第2接続層に積層された第4部分とを有する第3配線層と、
前記第1ビアに接続され、前記第3部分の内側に該第3部分と離間して配置された第2信号線と、
前記第3部分に沿って積層された第3接続層と、
前記第2配線層に対向するように前記第3接続層に積層された第4配線層と、
を含むことを特徴とする半導体装置。
【0229】
(付記9) 前記第1配線層と同層に該第1配線層と離間して配置された第3信号線を更に含み、
前記第2配線層は、前記第2部分が前記第3信号線の少なくとも一部と対向するように設けられることを特徴とする付記8に記載の半導体装置。
【0230】
(付記10) 前記第1配線層の延在方向の一端部に積層される前記第1接続層及び前記第1部分は、前記一端部側が閉じ他端部側が開口した平面U字状の第1のU字状部を有し、
前記第2部分は、前記第1のU字状部の開口側と異なる側に延在されることを特徴とする付記8又は9に記載の半導体装置。
【0231】
(付記11) 前記第3部分及び前記第3接続層は、前記第1ビアを囲むように、前記第1のU字状部の開口側と異なる側が開口した平面U字状の第2のU字状部を有することを特徴とする付記10に記載の半導体装置。
【0232】
(付記12) 前記第2信号線と前記第3信号線とが、互いに交差する方向に延在されることを特徴とする付記9乃至11のいずれかに記載の半導体装置。
(付記13) 前記絶縁部及び前記同軸配線部は、半導体基板の上方に設けられ、前記第1信号線は、前記第2信号線よりも前記半導体基板に近い下層側に設けられることを特徴とする付記8乃至12のいずれかに記載の半導体装置。
【0233】
(付記14) 前記絶縁部及び前記同軸配線部は、半導体基板の上方に設けられ、前記第1信号線は、前記第2信号線よりも前記半導体基板から遠い上層側に設けられることを特徴とする付記8乃至12のいずれかに記載の半導体装置。
【0234】
(付記15) 絶縁部と、
前記絶縁部内に設けられた同軸配線部と、
を有し、
前記同軸配線部は、
第1ビアと、
前記第1ビアに積層された第2ビアと、
前記第2ビアを囲むように配置された第1接続層と、
前記第1接続層に積層され前記第2ビアに対応する領域に開口部を備えた第1部分と、該第1部分から前記第1接続層外に延在された第2部分とを有する第1配線層と、
前記開口部の前記第2ビアに前記第1部分と離間して積層された第3ビアと、
前記第3ビアに積層された第4ビアと、
前記第4ビアを囲むように前記第1部分と前記第2部分とに跨って積層された第2接続層と、
前記第2接続層に沿って積層された第3接続層と、
前記第4ビアに接続され、前記第3接続層の内側に該第3接続層と離間して設けられた第1信号線と、
前記第3接続層に沿って積層された第4接続層と、
前記第1配線層に対向するように前記第4接続層に積層された第2配線層と、
を含むことを特徴とする半導体装置。
【0235】
(付記16) 前記絶縁部及び前記同軸配線部は、トランジスタが設けられた半導体基板の上方に設けられ、
前記第1ビアは、前記トランジスタに接続されることを特徴とする付記15に記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0236】
1 半導体装置
2 半導体基板
2a トランジスタ
3 多層配線
3a 配線
3b ビア
3c 絶縁部
10,20,40 信号線
30 接続部
31,33 信号線接続層
31e 接続層
32 ブリッジ配線層
50 信号線接続層
100A,100B,100C,100D,100E 同軸配線部
101a,101b,105e,201a,301a,401a 下層シールド配線層
102a,102b,202a,302a,402a 下層シールド接続層
103a,103b,203a サイドシールド配線層
104a,104b,204a 上層シールド接続層
104e シールド接続層
105,205 上下層兼用シールド配線層
105a,205a,303a,305a,403a,405a 第1配線層部分
105aa,205aa 開口部
105b,205b,303b,305b,403b,405b 第2配線層部分
106a,206a,206b 下層シールド接続層
107a,207a,207b サイドシールド配線層
108a,208a,208b,306a,406a 上層シールド接続層
109a,209a,209b,307a,407a 上層シールド配線層
120 接続部
303,403 サイド兼下層シールド配線層
304a,404a 中層シールド接続層
305,405 サイド兼上層シールド配線層
501,502,503,504,505,506,507,508,509,601,602,603,604,605,606,607,608,609,701,702,703,704,705,706,707,801,802,803,804,805,806,807 マスクパターン
501a,501b,502a,502b,503a,503b,503c,504a,504b,504c,505a,505b,505c,506a,506c,507a,507c,508a,509a,601a,602a,603a,603c,604a,604c,605a,605b,605c,606a,606b,606c,607a,607b,607c,608a,608b,609a,609b,701a,701c,702a,703a,703b,703c,704a,704c,705a,705b,705c,706a,707a,801a,802a,803a,803b,803c,804a,804c,805a,805b,805c,806a,807a,807c パターン部
900,910 第1層間絶縁膜
901 第1導電膜
901a,911a 第1配線層
902,912 第2層間絶縁膜
902a,912a,912b 凹部
903 第2導電膜
903a,913a 接続層
904 第3導電膜
904a,913b 第2配線層
1000,1001,1010,1011 レジストパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁部と、
前記絶縁部内に配置された同軸配線部と、
を有し、
前記同軸配線部は、
第1配線層と、
前記第1配線層上に積層された第1接続層と、
前記第1接続層に沿って積層された第2接続層と、
前記第2接続層の内側に該第2接続層と離間して配置された第1信号線と、
前記第2接続層に沿って積層された第3接続層と、
前記第1信号線に接続され、前記第3接続層の内側に該第3接続層と離間して配置された第1ビアと、
前記第1配線層に対向するように前記第3接続層に積層され前記第1ビアに対応する領域に開口部を備えた第1部分と、該第1部分から前記第3接続層外に延在された第2部分とを有する第2配線層と、
前記開口部の前記第1ビアに前記第1部分と離間して積層された第2ビアと、
前記第2ビアに積層された第3ビアと、
前記第3ビアを囲むように前記第1部分と前記第2部分とに跨って積層された第4接続層と、
前記第4接続層に沿って積層された第5接続層と、
前記第3ビアに接続され、前記第5接続層の内側に該第5接続層と離間して配置された第2信号線と、
前記第5接続層に沿って積層された第6接続層と、
前記第2配線層に対向するように前記第6接続層に積層された第3配線層と、
を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1配線層と同層に該第1配線層と離間して配置された第4配線層と、
前記第1接続層と同層に設けられ、前記第4配線層上に積層された第7接続層と、
前記第2接続層と同層に設けられ、前記第7接続層に沿って積層された第8接続層と、
前記第8接続層の内側に該第8接続層と離間して配置された第3信号線と、
前記第3接続層と同層に設けられ、前記第8接続層に沿って積層された第9接続層と、
を更に含み、
前記第2配線層は、前記第2部分が前記第4配線層と対向するように前記第6接続層及び前記第9接続層に積層されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1配線層の延在方向の一端部に積層される前記第1接続層、前記第2接続層及び前記第3接続層は、前記一端部側が閉じ他端部側が開口した平面U字状の第1のU字状部を有し、
前記第2部分は、前記第1のU字状部の開口側と異なる側に延在されることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第4接続層、前記第5接続層及び前記第6接続層は、前記第3ビアを囲むように、前記第1のU字状部の開口側と異なる側が開口した平面U字状の第2のU字状部を有することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
絶縁部と、
前記絶縁部内に配置された同軸配線部と、
を有し、
前記同軸配線部は、
第1配線層と、
前記第1配線層上に積層された第1接続層と、
前記第1接続層に沿って積層された第1部分と、該第1部分から前記第1接続層外に延在された第2部分とを有する第2配線層と、
前記第1部分の内側に該第1部分と離間して配置された第1信号線と、
前記第2配線層上に積層された第2接続層と、
前記第1信号線に接続され、前記第2接続層と離間して配置された第1ビアと、
前記第1ビアを囲むように前記第2接続層に積層された第3部分と、該第3部分から延在され前記第1配線層に対向するように前記第2接続層に積層された第4部分とを有する第3配線層と、
前記第1ビアに接続され、前記第3部分の内側に該第3部分と離間して配置された第2信号線と、
前記第3部分に沿って積層された第3接続層と、
前記第2配線層に対向するように前記第3接続層に積層された第4配線層と、
を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
前記第1配線層と同層に該第1配線層と離間して配置された第3信号線を更に含み、
前記第2配線層は、前記第2部分が前記第3信号線の少なくとも一部と対向するように設けられることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1配線層の延在方向の一端部に積層される前記第1接続層及び前記第1部分は、前記一端部側が閉じ他端部側が開口した平面U字状の第1のU字状部を有し、
前記第2部分は、前記第1のU字状部の開口側と異なる側に延在されることを特徴とする請求項5又は6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第3部分及び前記第3接続層は、前記第1ビアを囲むように、前記第1のU字状部の開口側と異なる側が開口した平面U字状の第2のU字状部を有することを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
絶縁部と、
前記絶縁部内に設けられた同軸配線部と、
を有し、
前記同軸配線部は、
第1ビアと、
前記第1ビアに積層された第2ビアと、
前記第2ビアを囲むように配置された第1接続層と、
前記第1接続層に積層され前記第2ビアに対応する領域に開口部を備えた第1部分と、該第1部分から前記第1接続層外に延在された第2部分とを有する第1配線層と、
前記開口部の前記第2ビアに前記第1部分と離間して積層された第3ビアと、
前記第3ビアに積層された第4ビアと、
前記第4ビアを囲むように前記第1部分と前記第2部分とに跨って積層された第2接続層と、
前記第2接続層に沿って積層された第3接続層と、
前記第4ビアに接続され、前記第3接続層の内側に該第3接続層と離間して設けられた第1信号線と、
前記第3接続層に沿って積層された第4接続層と、
前記第1配線層に対向するように前記第4接続層に積層された第2配線層と、
を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
前記絶縁部及び前記同軸配線部は、トランジスタが設けられた半導体基板の上方に設けられ、
前記第1ビアは、前記トランジスタに接続されることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【公開番号】特開2013−21255(P2013−21255A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155526(P2011−155526)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】