説明

半導体装置

【課題】半導体装置の開口率を向上することを課題の一とする。
【解決手段】同一基板上に駆動回路部と、表示部(画素部ともいう)とを有し、当該駆動回路部は、ソース電極及びドレイン電極が金属によって構成され且つチャネル層が酸化物半導体によって構成された駆動回路用チャネルエッチ型薄膜トランジスタと、金属によって構成された駆動回路用配線とを有し、当該表示部は、ソース電極層及びドレイン電極層が酸化物導電体によって構成され且つ半導体層が酸化物半導体によって構成された画素用ボトムコンタクト型薄膜トランジスタと、酸化物導電体によって構成された表示部用配線とを有する半導体装置である。多階調マスクを用いたフォトリソグラフィ工程を用いることで、作製工程を簡略化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化物半導体を用いる半導体装置及びその作製方法に関する。
【0002】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置
全般を指し、表示装置などの電気光学装置、半導体回路及び電子機器は全て半導体装置で
ある。
【背景技術】
【0003】
透光性を有する金属酸化物が半導体装置において利用されている。例えば、酸化インジウ
ム錫(ITOともいう)などの導電性を備える金属酸化物(以下、酸化物導電体という)
は、液晶ディスプレイなどの表示装置で必要とされる透明電極材料として適用されている

【0004】
加えて、半導体特性を示す材料としても透光性を有する金属酸化物が注目されている。例
えば、In−Ga−Zn−O系酸化物などは、液晶ディスプレイなどの表示装置で必要と
される半導体材料に適用することが期待されている。特に、薄膜トランジスタ(以下、T
FTという)のチャネル層に適用することが期待されている。
【0005】
半導体特性を備えた金属酸化物(以下、酸化物半導体という)を適用したTFTは、低温
プロセスによって作製することが可能である。そのため、表示装置などで用いられるアモ
ルファスシリコンを代替又は凌駕する材料としての期待が高まっている。
【0006】
透光性を有する酸化物導電体及び酸化物半導体を用いてTFTを構成することによって、
透光性を有するTFTを作製することができる(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
また、チャネル層として酸化物半導体を適用したTFTは、電界効果移動度が高い。その
ため、当該TFTを用いて、表示装置などの駆動回路を構成することもできる(例えば、
非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】野澤哲生、「透明回路」『日経エレクトロニクス』2007.8.27(no.959)pp.39−52
【非特許文献2】T.Osada,他8名,SID 09 DIGEST,pp.184−187(2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の一態様は、表示装置の製造コストを低減することを課題の一とする。
【0010】
本発明の一態様は、表示装置の開口率を向上することを課題の一とする。
【0011】
本発明の一態様は、表示装置の表示部で表示する画像を高精細化することを課題の一とす
る。
【0012】
本発明の一態様は、高速駆動が可能な表示装置を提供することを課題の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様は、同一基板上に駆動回路部と、表示部とを有し、当該駆動回路部は、ソ
ース電極(ソース電極層ともいう)及びドレイン電極(ドレイン電極層ともいう)が金属
によって構成され且つチャネル層が酸化物半導体によって構成された駆動回路用TFTと
、金属によって構成された駆動回路用配線とを有し、当該表示部は、ソース電極及びドレ
イン電極が酸化物導電体によって構成され且つ半導体層が酸化物半導体によって構成され
た画素用TFTと、酸化物導電体によって構成された表示部用配線とを有する表示装置で
ある。
【0014】
なお、非特許文献1には、具体的なTFTの作製工程及び表示装置を構成する他の素子(
例えば、容量素子など)の構造などは開示されていない。また、同一基板上に駆動回路と
、透光性を有するTFTとを作製する記載などもない。
【0015】
本発明の一態様の表示装置は、同一基板上において、駆動回路用TFTを有する駆動回路
部、及び画素用TFTを有する表示部が作製される。そのため、当該表示装置の製造コス
トを低減することができる。
【0016】
また、本発明の一態様の表示装置は、表示部に、ソース電極及びドレイン電極が酸化物導
電体によって構成され且つ半導体層が酸化物半導体によって構成された画素用TFTと、
酸化物導電体によって構成された表示部用配線とを有する。つまり、当該表示装置は、画
素用TFT及び表示部用配線が形成された領域を画素部の表示領域として利用することが
できる。そのため、当該表示装置の開口率を向上させることができる。
【0017】
また、本発明の一態様の表示装置は、表示部に、ソース電極及びドレイン電極が酸化物導
電体によって構成され且つ半導体層が酸化物半導体によって構成された画素用TFTと、
酸化物導電体によって構成された表示部用配線とを有する。つまり、当該表示装置は、画
素用TFTのサイズに制限されることなく画素サイズを設計することができる。そのため
、当該表示装置の表示部で表示する画像を高精細化することができる。
【0018】
また、本発明の一態様の表示装置は、駆動回路部に、ソース電極及びドレイン電極が金属
によって構成され且つチャネル層が酸化物半導体によって構成された駆動回路用TFTと
、金属によって構成された駆動回路用配線とを有する。つまり、当該表示装置は、高い電
界効果移動度を示すTFTと、抵抗の低い配線とによって駆動回路が構成される。そのた
め、当該表示装置を高速駆動が可能な表示装置とすることができる。
【0019】
また、本明細書中で用いる酸化物半導体は、InMO(ZnO)(m>0)で表記さ
れる薄膜を形成し、その薄膜を酸化物半導体層として用いた薄膜トランジスタを作製する
。なお、Mは、Ga、Fe、Ni、Mn及びCoから選ばれた一の金属元素または複数の
金属元素を示す。例えばMとして、Gaの場合があることの他、GaとNiまたはGaと
Feなど、Ga以外の上記金属元素が含まれる場合がある。また、上記酸化物半導体にお
いて、Mとして含まれる金属元素の他に、不純物元素としてFe、Niその他の遷移金属
元素、または該遷移金属の酸化物が含まれているものがある。本明細書においては、In
MO(ZnO)(m>0)で表記される構造の酸化物半導体層のうち、MとしてGa
を含む構造の酸化物半導体をIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体とよび、その薄膜をI
n−Ga−Zn−O系非単結晶膜とも呼ぶ。
【0020】
また、酸化物半導体層に適用する酸化物半導体として上記の他にも、In−Sn−Zn−
O系、In−Al−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、S
n−Al−Zn−O系、In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、In
−O系、Sn−O系、Zn−O系の酸化物半導体を適用することができる。また上記酸化
物半導体からなる酸化物半導体層に酸化珪素を含ませてもよい。酸化物半導体層に結晶化
を阻害する酸化珪素(SiOx(X>0))を含ませることで、製造プロセス中において
酸化物半導体層の形成後に加熱処理した場合に、結晶化してしまうのを抑制することがで
きる。なお、酸化物半導体層は非晶質な状態であることが好ましく、一部結晶化していて
もよい。
【0021】
酸化物半導体は、好ましくはInを含有する酸化物半導体、さらに好ましくは、In、及
びGaを含有する酸化物半導体である。酸化物半導体層をI型(真性)とするため、脱水
化または脱水素化は有効である。
【0022】
なお、上記半導体装置の作製工程において、窒素、または希ガス(アルゴン、ヘリウムな
ど)の不活性気体雰囲気下、或いは減圧下で酸化物半導体層の加熱処理を行うことで酸化
物半導体層を酸素欠乏型として低抵抗化させ、(即ちN型化(N化など))、その後、
酸化物半導体層に接するように酸化物絶縁膜の形成を行うことにより、酸化物半導体層を
酸素過剰な状態として高抵抗化(即ちI型化)させることが好ましい。これにより、電気
特性が良好で信頼性のよい薄膜トランジスタを有する半導体装置を作製し、提供すること
が可能となる。
【0023】
上記加熱処理は、窒素、または希ガス(アルゴン、ヘリウムなど)の不活性気体雰囲気下
、或いは減圧下での350℃以上、好ましくは400℃以上基板の歪み点未満の加熱処理
を行う。この熱処理によって酸化物半導体層は脱水化または脱水素化され、酸化物半導体
層の含有水分などの不純物を低減される。
【0024】
上記脱水化または脱水素化のための加熱処理は、脱水化または脱水素化後の酸化物半導体
層に対してTDSで450℃まで測定を行っても水の2つのピーク、少なくとも300℃
付近に現れる1つのピークが検出されない程度の熱処理条件とするのが好ましい。この条
件下で脱水化または脱水素化が行われた酸化物半導体層を用いた薄膜トランジスタに対し
てTDSで450℃まで測定を行っても、少なくとも300℃付近に現れる水のピークは
検出されない。
【0025】
加熱後の冷却は、脱水化または脱水素化を行った同じ炉を用いて酸化物半導体層を大気に
さらさないように冷却し、酸化物半導体層が水または水素に接触することを防ぐ。そして
脱水化または脱水素化を行い、酸化物半導体層を低抵抗化、即ちN型化(N、Nなど
)させた後、高抵抗化させてI型とした酸化物半導体層を用いて薄膜トランジスタを作製
すると、薄膜トランジスタのしきい値電圧値をプラスとすることができ、所謂ノーマリー
オフのスイッチング素子を実現できる。薄膜トランジスタのゲート電圧が0Vにできるだ
け近い正のしきい値電圧でチャネルが形成されることが表示装置には望ましい。なお、薄
膜トランジスタのしきい値電圧値がマイナスであると、ゲート電圧が0Vでもソース電極
とドレイン電極の間に電流が流れる、所謂ノーマリーオンとなりやすい。アクティブマト
リクス型の表示装置においては、回路を構成する薄膜トランジスタの電気特性が重要であ
り、この電気特性が表示装置の性能を左右する。特に、薄膜トランジスタの電気特性のう
ち、しきい値電圧(Vth)が重要である。電界効果移動度が高くともしきい値電圧値が
高い、或いはしきい値電圧値がマイナスであると、回路として制御することが困難である
。しきい値電圧値が高く、しきい値電圧の絶対値が大きい薄膜トランジスタの場合には、
駆動電圧が低い状態ではTFTとしてのスイッチング機能を果たすことができず、負荷と
なる恐れがある。nチャネル型の薄膜トランジスタの場合、ゲート電圧に正の電圧を印加
してはじめてチャネルが形成されて、ドレイン電流が流れ出すトランジスタが望ましい。
駆動電圧を高くしないとチャネルが形成されないトランジスタや、負の電圧状態でもチャ
ネルが形成されてドレイン電流が流れるトランジスタは、回路に用いる薄膜トランジスタ
としては不向きである。
【0026】
また、加熱後の冷却は、昇温時のガスを異なるガスに切り替えてから行ってもよい。例え
ば、脱水化または脱水素化を行った同じ炉で大気に触れさせることなく、炉の中を高純度
の酸素ガスまたはNOガス、超乾燥エア(露点が−40℃以下、好ましくは−60℃以
下)で満たして冷却を行ってもよい。
【0027】
脱水化または脱水素化を行う加熱処理によって膜中の含有水分を低減させた後、水分を含
まない雰囲気(露点が−40℃以下、好ましくは−60℃以下)下で徐冷(または冷却)
した酸化物半導体膜を用いて、薄膜トランジスタの電気特性を向上させるとともに、量産
性と高性能の両方を備えた薄膜トランジスタを実現する。
【0028】
本明細書では、窒素、または希ガス(アルゴン、ヘリウムなど)の不活性気体雰囲気下、
或いは減圧下での加熱処理を脱水化または脱水素化のための加熱処理と呼ぶ。本明細書で
は、この加熱処理によってHとして脱離させていることのみを脱水素化と呼んでいるわ
けではなく、H、OHなどを脱離することを含めて脱水化または脱水素化と便宜上呼ぶこ
ととする。
【0029】
上述したように、脱水化または脱水素化のための加熱処理を行った場合、酸化物半導体層
は酸素欠乏型となって低抵抗化、即ちN型化(N化など)する。従って、低抵抗化した
酸化物半導体層上にドレイン電極層を形成することで、ドレイン電極層が重なる領域を酸
素欠乏型である高抵抗ドレイン領域(HRD領域とも呼ぶ)として形成することができる

【0030】
高抵抗ドレイン領域のキャリア濃度は、1×1017/cm以上の範囲内であり、少な
くともチャネル形成領域のキャリア濃度(1×1017/cm未満)よりも高い領域で
ある。なお、本明細書のキャリア濃度は、室温にてHall効果測定から求めたキャリア
濃度の値を指す。
【0031】
この後、脱水化または脱水素化した酸化物半導体層の少なくとも一部を酸素過剰な状態と
することで、高抵抗化、即ちI型化させてチャネル形成領域を形成する。なお、脱水化ま
たは脱水素化した酸化物半導体層の一部を酸素過剰な状態とする処理としては、以下の方
法のいずれかによって行う。脱水化または脱水素化した酸化物半導体層に接する酸化物絶
縁膜をスパッタ法で成膜する、または脱水化または脱水素化した酸化物半導体層に接する
ように酸化物絶縁膜を成膜し、さらに加熱処理を行う、または脱水化または脱水素化した
酸化物半導体層に接するように酸化物絶縁膜を成膜後し、さらに酸素を含む雰囲気で加熱
処理を行う、または脱水化または脱水素化した酸化物半導体層に接するように酸化物絶縁
膜を成膜した後に不活性ガス雰囲気下で加熱し、さらに酸素雰囲気下で冷却処理を行う、
または脱水化または脱水素化した酸化物半導体層に接するように酸化物絶縁膜を成膜した
後に不活性ガス雰囲気下で加熱し、さらに超乾燥エア(露点が−40℃以下、好ましくは
−60℃以下)で冷却処理を行う。
【0032】
また、脱水化または脱水素化した酸化物半導体層の少なくとも一部(ゲート電極(ゲート
電極層ともいう)と重なる部分)を選択的に酸素過剰な状態とすることで、高抵抗化、即
ちI型化させることもできる。これにより、チャネル形成領域を形成することができる。
例えば、脱水化または脱水素化した酸化物半導体層上に接してTiなどの金属電極からな
るソース電極層やドレイン電極層を形成し、ソース電極層やドレイン電極層に重ならない
露出領域を選択的に酸素過剰な状態としてチャネル形成領域を形成することができる。選
択的に酸素過剰な状態とする場合、ソース電極層に重なる第1の高抵抗ドレイン領域と、
ドレイン電極層に重なる第2の高抵抗ドレイン領域とが形成され、第1の高抵抗ドレイン
領域と第2の高抵抗ドレイン領域との間の領域がチャネル形成領域となる。即ち、チャネ
ル形成領域がソース電極層及びドレイン電極層の間に自己整合的に形成される。
【0033】
これにより、電気特性が良好で信頼性のよい薄膜トランジスタを有する半導体装置を作製
し、提供することが可能となる。
【0034】
なお、ドレイン電極層(及びソース電極層)と重畳した酸化物半導体層において高抵抗ド
レイン領域を形成することにより、駆動回路信頼性の向上を図ることができる。具体的に
は、高抵抗ドレイン領域を形成することで、ドレイン電極層から高抵抗ドレイン領域、チ
ャネル形成領域にかけて、導電性を段階的に変化させうるような構造とすることができる
。そのため、ドレイン電極層に高電源電位VDDを供給する配線を接続して動作させる場
合、ゲート電極層とドレイン電極層との間に高電界が印加されても高抵抗ドレイン領域が
バッファとなり局所的な高電界が印加されず、トランジスタの耐圧を向上させた構成とす
ることができる。
【0035】
また、ドレイン電極層(及びソース電極層)と重畳した酸化物半導体層において高抵抗ド
レイン領域を形成することにより、駆動回路を形成した際のチャネル形成領域でのリーク
電流の低減を図ることができる。具体的には、高抵抗ドレイン領域を形成することで、ド
レイン電極層とソース電極層との間に流れるトランジスタのリーク電流の経路として、ド
レイン電極層、ドレイン電極層側の高抵抗ドレイン領域、チャネル形成領域、ソース電極
層側の高抵抗ドレイン領域、ソース電極層の順となる。このときチャネル形成領域では、
ドレイン電極層側の低抵抗N型領域よりチャネル形成領域に流れるリーク電流を、トラン
ジスタがオフ時に高抵抗となるゲート絶縁層とチャネル形成領域の界面近傍に集中させる
ことができる。従って、バックチャネル部(ゲート電極層から離れているチャネル形成領
域の表面の一部)でのリーク電流を低減することができる。
【0036】
また、ソース電極層に重なる第1の高抵抗ドレイン領域と、ドレイン電極層に重なる第2
の高抵抗ドレイン領域をゲート電極層の一部と重なるように形成することで、より効果的
にドレイン電極層の端部近傍の電界強度を緩和させることができる。
【0037】
なお、第1、第2として付される序数詞は便宜上用いるものであり、工程順又は積層順を
示すものではない。また、本明細書において発明を特定するための事項として固有の名称
を示すものではない。
【0038】
また、駆動回路を有する表示装置としては、液晶表示装置の他に、発光素子を用いた発光
表示装置や、電気泳動表示素子を用いた電子ペーパーとも称される表示装置が挙げられる

【0039】
発光素子を用いた発光表示装置においては、画素部に複数の薄膜トランジスタを有し、画
素部においてもある薄膜トランジスタのゲート電極と他のトランジスタのソース配線(ソ
ース配線層ともいう)、或いはドレイン配線(ドレイン配線層ともいう)を接続させる箇
所を有している。また、発光素子を用いた発光表示装置の駆動回路においては、薄膜トラ
ンジスタのゲート電極とその薄膜トランジスタのソース配線、或いはドレイン配線を接続
させる箇所を有している。
【発明の効果】
【0040】
安定した電気特性を有する薄膜トランジスタを作製し、提供することができる。よって、
電気特性が良好で信頼性のよい薄膜トランジスタを有する半導体装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】半導体装置の作製方法を説明する図。
【図2】半導体装置の作製方法を説明する図。
【図3】半導体装置を説明する図。
【図4】多階調マスクを説明する図。
【図5】半導体装置を説明する図。
【図6】半導体装置を説明する図。
【図7】半導体装置を説明する図。
【図8】半導体装置を説明する図。
【図9】半導体装置の作製方法を説明する図。
【図10】半導体装置の作製方法を説明する図。
【図11】半導体装置を説明する図。
【図12】半導体装置のブロック図。
【図13】信号線駆動回路の回路図およびタイミングチャートを説明する図。
【図14】シフトレジスタの構成を示す回路図。
【図15】シフトレジスタの動作を説明する図。
【図16】半導体装置を説明する図。
【図17】半導体装置を説明する図。
【図18】半導体装置を説明する図。
【図19】半導体装置の画素等価回路を説明する図。
【図20】半導体装置を説明する図。
【図21】半導体装置を説明する図。
【図22】電子書籍の一例を示す外観図。
【図23】テレビジョン装置およびデジタルフォトフレームの例を示す外観図。
【図24】遊技機の例を示す外観図。
【図25】携帯型のコンピュータ及び携帯電話機の一例を示す外観図。
【図26】半導体装置を説明する図。
【図27】半導体装置を説明する図。
【図28】半導体装置を説明する図。
【図29】半導体装置を説明する図。
【図30】半導体装置を説明する図。
【図31】半導体装置を説明する図。
【図32】半導体装置を説明する図。
【図33】半導体装置を説明する図。
【図34】半導体装置を説明する図。
【図35】半導体装置を説明する図。
【図36】半導体装置を説明する図。
【図37】半導体装置を説明する図。
【図38】半導体装置を説明する図。
【図39】半導体装置を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は
以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれ
ば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈さ
れるものではない。
【0043】
(実施の形態1)
半導体装置及び半導体装置の作製方法を図1乃至図4を用いて説明する。図3(A)には
同一基板上に作製された異なる構造の2つの薄膜トランジスタの断面構造の一例を示す。
図3(A)に示す薄膜トランジスタ470は、チャネルエッチ型と呼ばれるボトムゲート
構造の一つであり、薄膜トランジスタ460はボトムコンタクト型(逆コプラナ型とも呼
ぶ)と呼ばれるボトムゲート構造の一つである。
【0044】
図3(B1)は駆動回路に配置される薄膜トランジスタ470の平面図であり、図3(A
)のC1−C2断面は、図3(B1)の線C1−C2における断面図である。また、図3
(C)のC3−C4断面は、図3(B1)の線C3−C4における断面図である。図3(
B2)は画素に配置される薄膜トランジスタ460の平面図であり、図3(A)のD1−
D2断面は、図3(B2)の線D1−D2における断面図である。また、図3(C)のD
3−D4断面は、図3(B2)の線D3−D4における断面図である。
【0045】
駆動回路に配置される薄膜トランジスタ470はチャネルエッチ型の薄膜トランジスタで
あり、絶縁表面を有する基板400上に、ゲート電極層401、第1のゲート絶縁層40
2a、第2のゲート絶縁層402b、少なくともチャネル形成領域434、第1の高抵抗
ドレイン領域431、及び第2の高抵抗ドレイン領域432を有する酸化物半導体層、ソ
ース電極層405a、及びドレイン電極層405bを含む。また、薄膜トランジスタ47
0を覆い、チャネル形成領域434に接する酸化物絶縁膜407が設けられている。
【0046】
ソース電極層405aの下面に接して第1の高抵抗ドレイン領域431が自己整合的に形
成されている。また、ドレイン電極層405bの下面に接して第2の高抵抗ドレイン領域
432が自己整合的に形成されている。また、チャネル形成領域434は、酸化物絶縁膜
407と接し、且つ第1の高抵抗ドレイン領域431や第2の高抵抗ドレイン領域432
と比較して膜厚が小さくなっており、また、第1の高抵抗ドレイン領域431、及び第2
の高抵抗ドレイン領域432よりも高抵抗の領域(I型領域)である。
【0047】
また、薄膜トランジスタ470は配線を低抵抗化するためにソース電極層405a、及び
ドレイン電極層405bとして金属材料を用いることが好ましい。
【0048】
また、チャネル形成領域434上方に重なる導電層406を設ける。導電層406をゲー
ト電極層401と電気的に接続し、同電位とすることで、ゲート電極層401と導電層4
06の間に配置された酸化物半導体層に上下からゲート電圧を印加することができる。ま
た、ゲート電極層401と導電層406を異なる電位、例えば導電層406を固定電位、
GND、0Vとする場合には、TFTの電気特性、例えばしきい値電圧などを制御するこ
とができる。すなわち、ゲート電極層401を第1のゲート電極層として機能させ、導電
層406を第2のゲート電極層として機能させることで、薄膜トランジスタ470を4端
子の薄膜トランジスタとして用いることができる。
【0049】
また、導電層406と酸化物絶縁膜407の間には保護絶縁層408と、平坦化絶縁層4
09とを積層する。
【0050】
また、保護絶縁層408は、保護絶縁層408の下方に設ける第1のゲート絶縁層402
aまたは下地となる絶縁膜と接する構成とすることが好ましく、基板の端部近傍からの水
分や、水素イオンや、OHなどの不純物が侵入することをブロックする。特に、保護絶
縁層408と接する第1のゲート絶縁層402aまたは下地となる絶縁膜を窒化珪素膜と
すると有効である。
【0051】
画素に配置される薄膜トランジスタ460はボトムコンタクト型の薄膜トランジスタであ
り、絶縁表面を有する基板400上に、ゲート電極層451、第1のゲート絶縁層402
a、第2のゲート絶縁層402b、チャネル形成領域を含む酸化物半導体層454、ソー
ス電極層455a、及びドレイン電極層455bを含む。また、薄膜トランジスタ460
を覆い、酸化物半導体層454の上面及び側面に接する酸化物絶縁膜407が設けられて
いる。
【0052】
また、酸化物半導体膜の成膜以後に、不純物である水分などを低減する加熱処理(脱水化
または脱水素化のための加熱処理)が行われる。脱水化または脱水素化のための加熱処理
及び徐冷させた後、酸化物半導体層に接して酸化物絶縁膜の形成などを行って酸化物半導
体層のキャリア濃度を低減することが、薄膜トランジスタ460の電気特性の向上及び信
頼性の向上に繋がる。
【0053】
なお、酸化物半導体層454は、ソース電極層455a、及びドレイン電極層455bの
上方に形成し、一部重なっている。また、酸化物半導体層454は、ゲート電極層451
と第1のゲート絶縁層402a及び第2のゲート絶縁層402bを介して重なっている。
画素に配置される薄膜トランジスタ460のチャネル形成領域は、酸化物半導体層454
のうち、ソース電極層455aの側面と、該側面と向かい合うドレイン電極層455bの
側面とで挟まれる領域、即ち、第2のゲート絶縁層402bと接し、且つゲート電極層4
51と重なる領域である。
【0054】
また、薄膜トランジスタ460は透光性を有する薄膜トランジスタとして高開口率を有す
る表示装置を実現するためにソース電極層455a、及びドレイン電極層455bは、透
光性を有する導電膜を用いる。
【0055】
また、薄膜トランジスタ460のゲート電極層451も透光性を有する導電膜を用いる。
【0056】
また、薄膜トランジスタ460が配置される画素には、画素電極層456、またはその他
の電極層(容量電極層など)や、その他の配線層(容量配線層など)に可視光に対して透
光性を有する導電膜を用い、高開口率を有する表示装置を実現する。勿論、第1のゲート
絶縁層402a、第2のゲート絶縁層402b、酸化物絶縁膜407も可視光に対して透
光性を有する膜を用いることが好ましい。
【0057】
本明細書において、可視光に対して透光性を有する膜とは可視光の透過率が75〜100
%である膜を指し、その膜が導電性を有する場合は透明の導電膜とも呼ぶ。また、ゲート
電極層、ソース電極層、ドレイン電極層、画素電極層、またはその他の電極層や、その他
の配線層に適用する金属酸化物として、可視光に対して半透明の導電膜を用いてもよい。
可視光に対して半透明とは可視光の透過率が50〜75%であることを指す。
【0058】
以下、図1乃至図4を用い、同一基板上に薄膜トランジスタ470及び薄膜トランジスタ
460の作製工程を説明する。
【0059】
まず、絶縁表面を有する基板400上に透光性を有する導電膜を形成した後、第1のフォ
トリソグラフィ工程によりゲート電極層401、451を形成する。また、画素部にはゲ
ート電極層401、451と同じ透光性を有する材料で第1のフォトリソグラフィ工程に
より容量配線(容量配線層ともいう)を形成する。また、画素部だけでなく駆動回路に容
量が必要な場合には、駆動回路にも容量配線を形成する。なお、レジストマスクをインク
ジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマ
スクを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0060】
絶縁表面を有する基板400に使用することができる基板に大きな制限はないが、少なく
とも、後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していることが必要となる。絶縁表面を
有する基板400にはバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラ
ス基板を用いることができる。
【0061】
また、基板400としては、後の加熱処理の温度が高い場合には、歪み点が730℃以上
のものを用いると良い。また、基板400には、例えば、アルミノシリケートガラス、ア
ルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス材料が用いられている
。なお、ホウ酸と比較して酸化バリウム(BaO)を多く含ませることで、より実用的な
耐熱ガラスが得られる。このため、BよりBaOを多く含むガラス基板を用いるこ
とが好ましい。
【0062】
なお、上記の基板400に代えて、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などの絶
縁体でなる基板を用いても良い。他にも、結晶化ガラスなどを用いることができる。
【0063】
また、下地膜となる絶縁膜を基板400とゲート電極層401、451の間に設けてもよ
い。下地膜は、基板400からの不純物元素の拡散を防止する機能があり、窒化珪素膜、
酸化珪素膜、窒化酸化珪素膜、又は酸化窒化珪素膜から選ばれた一又は複数の膜による積
層構造により形成することができる。さらに下地膜にフッ素や塩素などのハロゲン元素を
含ませることでナトリウム等の可動イオンを固定化させることができる。下地膜に含ませ
るハロゲン元素の濃度は、SIMS(二次イオン質量分析計)を用いた分析により得られ
る濃度ピークが1×1015cm−3以上1×1020cm−3以下の範囲内とすること
が好ましい。
【0064】
ゲート電極層401、451の材料は、可視光に対して透光性を有する導電材料、例えば
In−Sn−Zn−O系、In−Al−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O系、Al−G
a−Zn−O系、Sn−Al−Zn−O系、In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al
−Zn−O系、In−O系、Sn−O系、Zn−O系の金属酸化物を適用することができ
、膜厚は50nm以上300nm以下の範囲内で適宜選択する。ゲート電極層401、4
51に用いる金属酸化物の成膜方法は、スパッタ法や真空蒸着法(電子ビーム蒸着法など
)や、アーク放電イオンプレーティング法や、スプレー法を用いる。また、スパッタ法を
用いる場合、SiOを2重量%以上10重量%以下含むターゲットを用いて成膜を行い
、透光性を有する導電膜に結晶化を阻害するSiO(X>0)を含ませ、後の工程で行
う脱水化または脱水素化のための加熱処理の際に結晶化してしまうのを抑制することが好
ましい。
【0065】
なお、ゲート電極層401及びゲート電極層451上には半導体膜や配線を形成するので
、段切れ防止のため端部をテーパー状もしくは階段状になるように加工することが望まし
い。
【0066】
次いで、ゲート電極層401、451上にゲート絶縁層を形成する。
【0067】
ゲート絶縁層は、プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化珪素層、窒化
珪素層、酸化窒化珪素層又は窒化酸化珪素層を単層で又は積層して形成することができる
。例えば、成膜ガスとして、SiH、酸素及び窒素を用いてプラズマCVD法により酸
化窒化珪素層を形成すればよい。
【0068】
本実施の形態では、膜厚50nm以上200nm以下の第1のゲート絶縁層402aと、
膜厚50nm以上300nm以下の第2のゲート絶縁層402bの積層のゲート絶縁層と
する。第1のゲート絶縁層402aとしては膜厚100nmの窒化珪素膜または窒化酸化
珪素膜を用いる。また、第2のゲート絶縁層402bとしては、膜厚100nmの酸化珪
素膜を用いる(図1(A)参照)。
【0069】
次いで、第2のゲート絶縁層402b上に、透光性を有する導電膜を形成した後、第2の
フォトリソグラフィ工程によりソース電極層455a、及びドレイン電極層455bを形
成する。透光性を有する導電膜の成膜方法は、スパッタ法や真空蒸着法(電子ビーム蒸着
法など)や、アーク放電イオンプレーティング法や、スプレー法を用いる。導電膜の材料
としては、可視光に対して透光性を有する導電材料、例えばIn−Sn−O系(酸化イン
ジウム錫、ITOとも略記する)、In−Sn−Zn−O系、In−Al−Zn−O系、
Sn−Ga−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Sn−Al−Zn−O系、In−Z
n−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、In−O系、Sn−O系、Zn−O系
の金属酸化物を適用することができ、膜厚は50nm以上300nm以下の範囲内で適宜
選択する。また、スパッタ法を用いる場合、SiOを2重量%以上10重量%以下含む
ターゲットを用いて成膜を行い、透光性を有する導電膜に結晶化を阻害するSiO(X
>0)を含ませ、後の工程で行う脱水化または脱水素化のための加熱処理の際に結晶化し
てしまうのを抑制することが好ましい。
【0070】
なお、ソース電極層455a、及びドレイン電極層455bを形成するためのレジストマ
スクをインクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成す
るとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0071】
次いで、第2のゲート絶縁層402b、ソース電極層455a、及びドレイン電極層45
5b上に、膜厚2nm以上200nm以下の酸化物半導体膜413を形成する(図1(B
)参照)。酸化物半導体膜413の形成後に脱水化または脱水素化のための加熱処理を行
っても酸化物半導体層を非晶質な状態とするため、膜厚を50nm以下と薄くすることが
好ましい。酸化物半導体層の膜厚を薄くすることで酸化物半導体層の形成後に加熱処理し
た場合に、結晶化してしまうのを抑制することができる。
【0072】
なお、酸化物半導体膜413をスパッタ法により成膜する前に、アルゴンガスを導入して
プラズマを発生させる逆スパッタを行い、第2のゲート絶縁層402bの表面に付着して
いるゴミを除去することが好ましい。逆スパッタとは、ターゲット側に電圧を印加せずに
、アルゴン雰囲気下で基板側にRF電源を用いて電圧を印加して基板近傍にプラズマを形
成して表面を改質する方法である。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウム、酸素
などを用いてもよい。
【0073】
酸化物半導体膜413は、In−Ga−Zn−O系非単結晶膜、In−Sn−Zn−O系
、In−Al−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Sn−
Al−Zn−O系、In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、In−O
系、Sn−O系、Zn−O系の酸化物半導体膜を用いる。本実施の形態では、In−Ga
−Zn−O系酸化物半導体ターゲットを用いてスパッタ法により成膜する。また、スパッ
タ法は、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、又は希ガス(代表的に
はアルゴン)及び酸素雰囲気下で行うことができる。また、スパッタ法を用いる場合、S
iOを2重量%以上10重量%以下含むターゲットを用いて成膜を行い、酸化物半導体
膜413に結晶化を阻害するSiO(X>0)を含ませ、後の工程で行う脱水化または
脱水素化のための加熱処理の際に結晶化してしまうのを抑制することが好ましい。
【0074】
次いで、酸化物半導体膜413の脱水化または脱水素化を行う。脱水化または脱水素化を
行う第1の加熱処理の温度は、350℃以上かつ基板の歪み点未満、好ましくは400℃
以上かつ基板の歪み点未満とする。ここでは、加熱処理装置の一つである電気炉に基板を
導入し、酸化物半導体膜413に対して窒素雰囲気下において加熱処理を行う。(図1(
B)参照)。本実施の形態では、酸化物半導体層の脱水化または脱水素化を行う加熱温度
Tから、再び水が入らないような十分な温度まで同じ炉を用いる。具体的には加熱温度T
よりも100℃以上下がるまで窒素雰囲気下で徐冷することで、大気に触れることなく、
酸化物半導体膜413への水や水素の再混入を防ぐ。なお、脱水化または脱水素化は、窒
素雰囲気に限定されず、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガス雰囲気下或いは減圧下に
おいて脱水化または脱水素化を行ってもよい。
【0075】
なお、第1の加熱処理においては、窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガス
に、水、水素などが含まれないことが好ましい。例えば、加熱処理装置に導入する窒素、
またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上
、好ましくは7N(99.99999%)以上、(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ま
しくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
【0076】
また、第1の加熱処理の条件、または酸化物半導体層の材料によっては、結晶化し、微結
晶膜または多結晶膜となる場合もある。
【0077】
また、酸化物半導体膜の成膜前に、不活性ガス雰囲気(窒素、またはヘリウム、ネオン、
アルゴン等)下、酸素雰囲気、或いは減圧下において加熱処理(400℃以上基板の歪み
点未満)を行い、ゲート絶縁層内に含まれる水素及び水などの不純物を除去してもよい。
【0078】
次いで、酸化物半導体膜413の上に金属導電膜404を形成する。金属導電膜404の
材料としては、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を成分とする
膜、または上述した元素を成分とする合金膜か、若しくはそれらを組み合わせた積層膜等
がある(図1(C)参照)。
【0079】
金属導電膜404としては、チタン層上にアルミニウム層と、該アルミニウム層上にチタ
ン層が積層された三層の積層構造、またはモリブデン層上にアルミニウム層と、該アルミ
ニウム層上にモリブデン層を積層した三層の積層構造とすることが好ましい。勿論、金属
導電膜404として単層、または2層構造、または4層以上の積層構造としてもよい。本
実施の形態では、金属導電膜404として、チタン膜、アルミニウム膜及びチタン膜の積
層導電膜を用いる。
【0080】
次いで、第3のフォトリソグラフィ工程により、金属導電膜404上にレジストマスク4
10及びレジストマスク411を形成する(図1(D)参照)。本実施の形態におけるレ
ジストマスク410は凹部又は凸部を有するレジストマスクである。換言すると、厚さの
異なる複数の領域(ここでは、2つの領域)からなるレジストマスクともいうことができ
る。レジストマスク410において、厚い領域をレジストマスク410の凸部と呼び、薄
い領域をレジストマスク410の凹部と呼ぶこととする。
【0081】
レジストマスク410において、ソース電極層405a及びドレイン電極層405bが形
成される領域上には凸部が形成され、ソース電極層405a及びドレイン電極層405b
に挟まれ、後のチャネル形成領域となる領域上には凹部が形成される。
【0082】
レジストマスク410は、多階調マスクを用いることで形成することができる。ここで、
多階調マスクについて図4を参照して以下に説明する。
【0083】
多階調マスクとは、多段階の光量で露光を行うことが可能なマスクであり、代表的には、
露光領域、半露光領域及び未露光領域の3段階の光量で露光を行うものをいう。多階調マ
スクを用いることで、一度の露光及び現像工程によって、複数(代表的には2種類)の厚
さを有するレジストマスクを形成することができる。そのため、多階調マスクを用いるこ
とで、フォトマスクの枚数を削減することができる。
【0084】
図4(A−1)及び図4(B−1)は、代表的な多階調マスクの断面図を示す。図4(A
−1)にはグレートーンマスク900を示し、図4(B−1)にはハーフトーンマスク9
10を示す。
【0085】
図4(A−1)に示すグレートーンマスク900は、透光性を有する基板901上に遮光
膜により形成された遮光部902、及び遮光膜のパターンにより設けられた回折格子部9
03で構成されている。
【0086】
回折格子部903は、露光に用いる光の解像度限界以下の間隔で設けられたスリット、ド
ット又はメッシュ等を有することで、光の透過率を制御する。なお、回折格子部903に
設けられるスリット、ドット又はメッシュは周期的なものであってもよいし、非周期的な
ものであってもよい。
【0087】
透光性を有する基板901としては、石英等を用いることができる。遮光部902及び回
折格子部903を構成する遮光膜は、金属材料により形成すればよく、好ましくはクロム
又は酸化クロム等により設けられる。
【0088】
グレートーンマスク900に露光するための光を照射した場合、図4(A−2)に示すよ
うに、遮光部902に重畳する領域における透光率は0%となり、遮光部902も回折格
子部903も設けられていない領域における透光率は100%となる。また、回折格子部
903における透光率は、概ね10〜70%の範囲であり、回折格子のスリット、ドット
又はメッシュ等の間隔により調整可能である。
【0089】
図4(B−1)に示すハーフトーンマスク910は、透光性を有する基板911上に遮光
膜により形成された遮光部912、及び半透光膜により形成された半透光部913で構成
されている。
【0090】
半透光部913は、MoSiN、MoSi、MoSiO、MoSiON、CrSi等を用
いて形成することができる。遮光部912は、グレートーンマスクの遮光膜と同様の金属
材料を用いて形成すればよく、好ましくはクロム又は酸化クロム等により設けられる。
【0091】
ハーフトーンマスク910に露光するための光を照射した場合、図4(B−2)に示すよ
うに、遮光部912に重畳する領域における透光率は0%となり、遮光部912も半透光
部913も設けられていない領域における透光率は100%となる。また、半透光部91
3における透光率は、概ね10〜70%の範囲であり、形成する材料の種類又は形成する
膜の厚さ等により、調整可能である。
【0092】
多階調マスクを用いて露光して現像を行うことで、厚さの異なる領域を有するレジストマ
スク410を形成することができる。ただし、これに限定されず、多階調マスクを用いる
ことなくレジストマスク410を形成してもよい。
【0093】
次いで、レジストマスク410及びレジストマスク411を用いて、金属導電膜404と
酸化物半導体膜413を選択的かつ同時にエッチングを行い、島状の酸化物半導体層であ
る酸化物半導体層430及び酸化物半導体層453と、導電層405及び導電層415を
形成する(図1(E)参照)。金属導電膜404として、チタン膜、アルミニウム膜及び
チタン膜の積層導電膜を用いた場合は、塩素ガスを用いたドライエッチング法で金属導電
膜404と酸化物半導体膜413をエッチングすることが出来る。
【0094】
次いで、レジストマスク410及びレジストマスク411を後退(縮小)させることで、
レジストマスク410a、レジストマスク410b及びレジストマスク411aを形成す
る。レジストマスクを後退(縮小)させるには、酸素プラズマによるアッシング等を行え
ばよい。レジストマスク410を後退(縮小)させることにより、レジストマスク410
aとレジストマスク410bに挟まれた部分の導電層405が露出する。
【0095】
次いで、レジストマスク410aとレジストマスク410bに挟まれた部分の導電層40
5を、レジストマスク410a及びレジストマスク410bを用いて選択的にエッチング
することにより、ソース電極層405a及びドレイン電極層405bを形成する。なお、
この時、酸化物半導体層430のソース電極層405a及びドレイン電極層405bの間
に位置する領域が一部エッチングされ、溝部(凹部)を有する酸化物半導体層430が形
成される。
【0096】
また、レジストマスク410及びレジストマスク411の後退(縮小)量に応じて、導電
層405及び導電層415の外縁部もエッチングされることになるため、酸化物半導体層
430及び酸化物半導体層453の外縁部は、ソース電極層405a、ドレイン電極層4
05b及び導電層415の端部から突出し、かつ突出した領域の膜厚が薄くなった形状と
なる(図2(A)参照)。
【0097】
次いで、レジストマスク410a、410b、411aを除去し、第4のフォトリソグラ
フィ工程により、レジストマスク412を形成する。レジストマスク412を用いて、導
電層415をエッチングし、酸化物半導体層453を露出させる(図2(B)参照。)。
【0098】
導電層415のエッチングの際に、酸化物半導体層453、ソース電極層455a、及び
ドレイン電極層455bも除去されないようにそれぞれの材料及びエッチング条件を適宜
調節する。また、レジストマスクをインクジェット法で形成してもよい。レジストマスク
をインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減でき
る。
【0099】
次いで、レジストマスク412を除去し、酸化物半導体層453の上面及び側面に接し、
酸化物半導体層430の溝部(凹部)、突出領域438、及び突出領域439に接する保
護絶縁膜となる酸化物絶縁膜407を形成する。
【0100】
酸化物絶縁膜407は、少なくとも1nm以上の膜厚とし、スパッタリング法など、酸化
物絶縁膜407に水、水素等の不純物を混入させない方法を適宜用いて形成することがで
きる。本実施の形態では、酸化物絶縁膜407として膜厚300nmの酸化珪素膜をスパ
ッタリング法を用いて成膜する。成膜時の基板温度は、室温以上300℃以下とすればよ
く、本実施の形態では100℃とする。酸化珪素膜のスパッタリング法による成膜は、希
ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、または希ガス(代表的にはアルゴ
ン)及び酸素雰囲気下において行うことができる。また、ターゲットとして酸化珪素ター
ゲットまたは珪素ターゲットを用いることができる。例えば、珪素ターゲットを用いて、
酸素、及び窒素雰囲気下でスパッタリング法により酸化珪素膜を形成することができる。
脱水化または脱水素化によって低抵抗化した酸化物半導体層に接して形成する酸化物絶縁
膜407は、水分や、水素イオンや、OHなどの不純物を含まず、これらが外部から侵
入することをブロックする無機絶縁膜を用いる。代表的には酸化珪素膜、窒化酸化珪素膜
、酸化アルミニウム膜、または酸化窒化アルミニウム膜などを用いる。
【0101】
次いで、第2の加熱処理(好ましくは200℃以上400℃以下、例えば250℃以上3
50℃以下)を行う。例えば、窒素雰囲気下で250℃、1時間の第2の加熱処理を行う
。第2の加熱処理を行うと、酸化物半導体層430の溝部、酸化物半導体層453の上面
及び側面が酸化物絶縁膜407と接した状態で加熱される。
【0102】
以上の工程を経ることによって、成膜後の酸化物半導体膜に対して脱水化または脱水素化
のための加熱処理を行って低抵抗化した後、酸化物半導体膜の一部を選択的に酸素過剰な
状態とする。その結果、ゲート電極層401と重なるチャネル形成領域434、突出領域
438、及び突出領域439は、I型となり、ソース電極層405aに重なる第1の高抵
抗ドレイン領域431と、ドレイン電極層405bに重なる第2の高抵抗ドレイン領域4
32とが自己整合的に形成される。また、酸化物半導体層453は全体がI型化され、チ
ャネル形成領域を含む酸化物半導体層454となる(図2(C)参照)。
【0103】
ドレイン電極層405b(及びソース電極層405a)と重畳した酸化物半導体層におい
て第2の高抵抗ドレイン領域432(または第1の高抵抗ドレイン領域431)を形成す
ることにより、駆動回路の信頼性の向上を図ることができる。具体的には、第2の高抵抗
ドレイン領域432を形成することで、ドレイン電極層から第2の高抵抗ドレイン領域4
32、チャネル形成領域にかけて、導電性を段階的に変化させうるような構造とすること
ができる。そのため、ドレイン電極層405bに高電源電位VDDを供給する配線を接続
して動作させる場合、ゲート電極層401とドレイン電極層405bとの間に高電界が印
加されても高抵抗ドレイン領域がバッファとなり局所的な高電界が印加されず、トランジ
スタの耐圧を向上させた構成とすることができる。
【0104】
また、ドレイン電極層405b(及びソース電極層405a)と重畳した酸化物半導体層
において第2の高抵抗ドレイン領域432(または第1の高抵抗ドレイン領域431)を
形成することにより、チャネル形成領域434でのリーク電流の低減を図ることができる

【0105】
次いで、酸化物絶縁膜407上に保護絶縁層408を形成する(図2(D)参照)。本実
施の形態では、RFスパッタ法を用いて窒化珪素膜を形成する。RFスパッタ法は、量産
性がよいため、保護絶縁層408の成膜方法として好ましい。保護絶縁層408は、水分
や、水素イオンや、OHなどの不純物を含まず、これらが外部から侵入することをブロ
ックする無機絶縁膜を用い、窒化珪素膜、窒化アルミニウム膜、窒化酸化珪素膜、酸化窒
化アルミニウム膜などを用いる。勿論、保護絶縁層408は透光性を有する絶縁膜である

【0106】
また、保護絶縁層408は、保護絶縁層408の下方に設ける第1のゲート絶縁層402
aまたは下地となる絶縁膜と接する構成とすることが好ましく、基板の端部近傍からの水
分や、水素イオンや、OHなどの不純物が侵入することをブロックする。特に、保護絶
縁層408と接する第1のゲート絶縁層402aまたは下地となる絶縁膜を窒化珪素膜と
すると有効である。即ち、酸化物半導体層の下面、上面、及び側面を囲むように窒化珪素
膜を設けると、表示装置の信頼性が向上する。
【0107】
次いで、保護絶縁層408上に平坦化絶縁層409を形成する。平坦化絶縁層409とし
ては、ポリイミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、ポリアミド、エポキシ樹
脂等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘
電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リ
ンボロンガラス)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複
数積層させることで、平坦化絶縁層409を形成してもよい。
【0108】
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−S
i結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は置換基としては有機基(例えばアルキ
ル基やアリール基)を用いても良い。また、有機基はフルオロ基を有していても良い。
【0109】
平坦化絶縁層409の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、SO
G法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリ
ーン印刷、オフセット印刷等)等の方法や、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテン
コーター、ナイフコーター等の器具を用いることができる。
【0110】
次に、第5のフォトリソグラフィ工程を行い、レジストマスクを形成し、平坦化絶縁層4
09、保護絶縁層408、及び酸化物絶縁膜407のエッチングによりドレイン電極層4
55bに達するコンタクトホール452を形成する。また、ここでのエッチングによりゲ
ート電極層401、451に達するコンタクトホール(図示せず)も形成する。また、ド
レイン電極層455bに達するコンタクトホールを形成するためのレジストマスクをイン
クジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォト
マスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0111】
次いで、レジストマスクを除去した後、透光性を有する導電膜を成膜する。透光性を有す
る導電膜の材料としては、酸化インジウムや、インジウムとスズの混合酸化物などをスパ
ッタ法や真空蒸着法などを用いて形成する。透光性を有する導電膜の他の材料として、窒
素を含ませたAl−Zn−O系非単結晶膜、即ちAl−Zn−O−N系非単結晶膜や、窒
素を含ませたZn−O系非単結晶膜、即ちZn−O−N系非単結晶膜や、窒素を含ませた
Sn−Zn−O系非単結晶膜、即ちSn−Zn−O−N系非単結晶膜を用いてもよい。な
お、Al−Zn−O−N系非単結晶膜の亜鉛の組成比(原子%)は、47原子%以下とし
、非単結晶膜中のアルミニウムの組成比(原子%)より大きく、非単結晶膜中のアルミニ
ウムの組成比(原子%)は、非単結晶膜中の窒素の組成比(原子%)より大きい。このよ
うな材料のエッチング処理は塩酸系の溶液により行う。しかし、特にITOのエッチング
は残渣が発生しやすいので、エッチング加工性を改善するためにインジウムと亜鉛の混合
酸化物を用いても良い。
【0112】
なお、透光性を有する導電膜の組成比の単位は原子%とし、電子線マイクロアナライザー
(EPMA:Electron Probe X−ray MicroAnalyzer
)を用いた分析により評価するものとする。
【0113】
次に、第6のフォトリソグラフィ工程を行い、レジストマスクを形成し、エッチングによ
り不要な部分を除去して画素電極層456及び導電層406を形成する(図2(D)参照
)。
【0114】
以上の工程により、6枚のマスクを用いて、同一基板上に薄膜トランジスタ470及び薄
膜トランジスタ460をそれぞれ駆動回路または画素部に作り分けて作製することができ
る。また、第1のゲート絶縁層402a、第2のゲート絶縁層402bを誘電体とし容量
配線と容量電極(容量電極層ともいう)とで形成される保持容量も同一基板上に形成する
ことができる。薄膜トランジスタ460と保持容量を個々の画素に対応してマトリクス状
に配置して画素部を構成し、画素部の周辺に薄膜トランジスタ470を有する駆動回路を
配置することによりアクティブマトリクス型の表示装置を作製するための一方の基板とす
ることができる。本明細書では便宜上このような基板をアクティブマトリクス基板と呼ぶ

【0115】
なお、画素電極層456は、平坦化絶縁層409、保護絶縁層408、及び酸化物絶縁膜
407に形成されたコンタクトホール452を介して容量電極層と電気的に接続する。な
お、容量電極層は、ソース電極層455a及びドレイン電極層455bと同じ透光性を有
する材料、同じ工程で形成することができる。
【0116】
導電層406を酸化物半導体層のチャネル形成領域434と重なる位置に設けることによ
って、薄膜トランジスタの信頼性を調べるためのバイアス−熱ストレス試験(以下、BT
試験という)において、BT試験前後における薄膜トランジスタ470のしきい値電圧の
変化量を低減することができる。また、導電層406は、電位がゲート電極層401と同
じでもよいし、異なっていても良く、第2のゲート電極層として機能させることもできる
。また、導電層406の電位がGND、0V、或いはフローティング状態であってもよい

【0117】
また、画素電極層456を形成するためのレジストマスクをインクジェット法で形成して
もよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため
、製造コストを低減できる。
【0118】
本実施の形態は他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1に示したアクティブマトリクス基板を用いて、アクティ
ブマトリクス型の液晶表示装置を作製する一例を示す。
【0119】
アクティブマトリクス基板の断面構造の一例を図5(A)に示す。なお、図6に画素部の
上面図の一部を示し、図6中の鎖線A1−A2で切断した断面が図5(A)中のA1−A
2に対応しており、図6中の鎖線B1−B2で切断した断面が図5(A)中のB1−B2
に対応している。図6に示す画素のレイアウトにおいては、酸化物半導体層と重なるソー
ス電極層の上面形状がU字状またはC字状とし、実施の形態1と異なる例を示したが特に
限定されない。
【0120】
実施の形態1では、同一基板上に駆動回路の薄膜トランジスタと画素部の薄膜トランジス
タを図示したが、本実施の形態では、それら薄膜トランジスタに加え、保持容量、ゲート
配線(ゲート配線層ともいう)、ソース配線の端子部も図示して説明する。容量、ゲート
配線、ソース配線の端子部は、実施の形態1に示す作製工程と同じ工程で形成することが
でき、フォトマスク枚数の増加や、工程数の増加することなく作製することができる。ま
た、画素部の表示領域となる部分においては、ゲート配線、ソース配線、及び容量配線層
は全て透光性を有する導電膜で形成されており、高い開口率を実現している。また、表示
領域でない部分のソース配線層は、配線抵抗を低抵抗とするため金属配線を用いる。
【0121】
図5(A)において、薄膜トランジスタ210は、駆動回路に配置されるチャネルエッチ
型の薄膜トランジスタであり、画素電極層227と電気的に接続する薄膜トランジスタ2
20は、画素部に設けられるボトムコンタクト型の薄膜トランジスタである。
【0122】
基板200上方に形成される薄膜トランジスタ220として、本実施の形態では、実施の
形態1の薄膜トランジスタ460と同じ構造を用いる。
【0123】
薄膜トランジスタ220のゲート電極層と同じ透光性を有する材料、及び同じ工程で形成
される容量配線層230は、誘電体となる第1のゲート絶縁層202a、第2のゲート絶
縁層202bを介して容量電極231と重なり、保持容量を形成する。なお、容量電極2
31は、薄膜トランジスタ220のソース電極層またはドレイン電極層と同じ透光性を有
する材料、及び同じ工程で形成される。従って、薄膜トランジスタ220が透光性を有し
ていることに加え、それぞれの保持容量も透光性を有するため、開口率を向上させること
ができる。
【0124】
保持容量が透光性を有することは、開口率を向上させる上で重要である。特に10インチ
以下の小型の液晶表示パネルにおいて、ゲート配線の本数を増やすなどして表示画像の高
精細化を図るため、画素寸法を微細化しても、高い開口率を実現することができる。また
、薄膜トランジスタ220及び保持容量の構成部材に透光性を有する膜を用いることで、
広視野角を実現するため、1画素を複数のサブピクセルに分割しても高い開口率を実現す
ることができる。即ち、高密度に薄膜トランジスタ群を配置しても開口率を大きくとるこ
とができ、表示領域の面積を十分に確保することができる。例えば、一つの画素内に2〜
4個のサブピクセル及び保持容量を有する場合、薄膜トランジスタが透光性を有している
ことに加え、それぞれの保持容量も透光性を有するため、開口率を向上させることができ
る。
【0125】
なお、保持容量は、画素電極層227の下方に設けられ、容量電極231が画素電極層2
27と電気的に接続される。
【0126】
本実施の形態では、容量電極231、及び容量配線層230を用いて保持容量を形成する
例を示したが、保持容量を形成する構造については特に限定されない。例えば、容量配線
層を設けず、画素電極層を隣り合う画素のゲート配線と平坦化絶縁層、保護絶縁層、及び
第1のゲート絶縁層及び第2のゲート絶縁層を介して重ねて保持容量を形成してもよい。
【0127】
図6には、容量電極231が画素電極層227と電気的に接続するためのコンタクトホー
ル224を図示している。コンタクトホール224は、薄膜トランジスタ220のドレイ
ン電極層と、画素電極層227とを電気的に接続するためのコンタクトホール225と同
じフォトマスクで形成することができる。従って、工程数の増加なく、コンタクトホール
224を形成することができる。
【0128】
また、ゲート配線、ソース配線、及び容量配線層は画素密度に応じて複数本設けられるも
のである。また、端子部においては、ゲート配線と同電位の第1の端子電極、ソース配線
と同電位の第2の端子電極、容量配線層と同電位の第3の端子電極などが複数並べられて
配置される。それぞれの端子電極の数は、それぞれ任意な数で設ければ良いものとし、実
施者が適宣決定すれば良い。
【0129】
端子部において、ゲート配線と同電位の第1の端子電極は、画素電極層227と同じ透光
性を有する材料で形成することができる。第1の端子電極は、ゲート配線に達するコンタ
クトホールを介してゲート配線と電気的に接続される。ゲート配線に達するコンタクトホ
ールは、薄膜トランジスタ220のドレイン電極層と、画素電極層227とを電気的に接
続するためのコンタクトホール225と同じフォトマスクを用い、平坦化絶縁層204、
保護絶縁層203、酸化物絶縁層216、第2のゲート絶縁層202b、及び第1のゲー
ト絶縁層202aを選択的にエッチングして形成する。
【0130】
また、駆動回路に配置される薄膜トランジスタ210のゲート電極層は、酸化物半導体層
の上方に設けられた導電層217と電気的に接続させる構造としてもよい。その場合には
、薄膜トランジスタ220のドレイン電極層と、画素電極層227とを電気的に接続する
ためのコンタクトホール225と同じフォトマスクを用い、平坦化絶縁層204、保護絶
縁層203、酸化物絶縁層216、第2のゲート絶縁層202b、及び第1のゲート絶縁
層202aを選択的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。このコンタクトホー
ルを介して導電層217と駆動回路に配置される薄膜トランジスタ210のゲート電極層
とを電気的に接続する。
【0131】
また、駆動回路のソース配線234と同電位の第2の端子電極235は、画素電極層22
7と同じ透光性を有する材料で形成することができる。第2の端子電極235は、ソース
配線234に達するコンタクトホールを介してソース配線と電気的に接続される。ソース
配線234は金属配線であり、薄膜トランジスタ210のソース電極層と同じ材料、同じ
工程で形成され、同電位である。
【0132】
なお、実施の形態1では、多階調マスクを用いたフォトリソグラフィ工程により駆動回路
のソース配線234を形成するため、ソース配線234の下に酸化物半導体層233が存
在する。
【0133】
また、容量配線層230と同電位の第3の端子電極は、画素電極層227と同じ透光性を
有する材料で形成することができる。また、容量配線層230に達するコンタクトホール
は、容量電極231が画素電極層227と電気的に接続するためのコンタクトホール22
4と同じフォトマスク、同じ工程で形成することができる。
【0134】
また、アクティブマトリクス型の液晶表示装置を作製する場合には、アクティブマトリク
ス基板と、対向電極(対向電極層ともいう)が設けられた対向基板との間に液晶層を設け
、アクティブマトリクス基板と対向基板とを固定する。なお、対向基板に設けられた対向
電極と電気的に接続する共通電極をアクティブマトリクス基板上に設け、共通電極と電気
的に接続する第4の端子電極を端子部に設ける。この第4の端子電極は、共通電極を固定
電位、例えばGND、0Vなどに設定するための端子である。第4の端子電極は、画素電
極層227と同じ透光性を有する材料で形成することができる。
【0135】
また、薄膜トランジスタ220のソース電極層と薄膜トランジスタ210のソース電極層
とを電気的に接続する構成は特に限定されず、例えば、薄膜トランジスタ220のソース
電極層と薄膜トランジスタ210のソース電極層を接続する接続電極を画素電極層227
と同じ工程で形成してもよい。また、表示領域でない部分において、薄膜トランジスタ2
20のソース電極層と薄膜トランジスタ210のソース電極層を接触して重ねる構成とし
てもよい。
【0136】
なお、駆動回路のゲート配線層232の断面構造を図5(A)に示している。本実施の形
態は、10インチ以下の小型の液晶表示パネルの例であるため、駆動回路のゲート配線層
232は、薄膜トランジスタ220のゲート電極層と同じ透光性を有する材料を用いてい
る。
【0137】
また、ゲート電極層、ソース電極層、ドレイン電極層、画素電極層、またはその他の電極
層や、その他の配線層に同じ材料を用いれば共通のスパッタターゲットや共通の製造装置
を用いることができ、その材料コスト及びエッチング時に使用するエッチャント(または
エッチングガス)に要するコストを低減することができ、結果として製造コストを削減す
ることができる。
【0138】
また、図5(A)の構造において、平坦化絶縁層204として感光性の樹脂材料を用いる
場合、レジストマスクを形成する工程を省略することができる。
【0139】
また、図5(B)に、図5(A)とは一部異なる断面構造を示す。図5(B)は、図5(
A)と平坦化絶縁層204が存在しない点以外は同じであるため、同じ箇所には同じ符号
を用い、同じ箇所の詳細な説明は省略する。図5(B)では、保護絶縁層203上に接し
て画素電極層227、導電層217、及び第2の端子電極235を形成する。
【0140】
図5(B)の構造とすると、平坦化絶縁層204の工程を省略することができる。
【0141】
本実施の形態は他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【0142】
(実施の形態3)
本実施の形態では、液晶表示パネルのサイズが10インチを超え、60インチ、さらには
120インチとする場合には透光性を有する配線の配線抵抗が問題となる恐れがあるため
、ゲート配線の一部を金属配線として配線抵抗を低減する例を示す。
【0143】
なお、図7(A)は図5(A)と同じ箇所には同じ符号を用い、同じ箇所の詳細な説明は
省略する。
【0144】
図7(A)は、駆動回路のゲート配線の一部を金属配線とし、薄膜トランジスタ210の
ゲート電極層と同じ透光性を有する配線と接して形成する例である。なお、金属配線を形
成するため、実施の形態1に比べ、フォトマスクの数は増える。
【0145】
まず、基板200上に脱水化または脱水素化のための第1の加熱処理に耐えることのでき
る耐熱性導電性材料膜(膜厚100nm以上500nm以下)を形成する。
【0146】
本実施の形態では、膜厚370nmのタングステン膜と膜厚50nmの窒化タンタル膜を
形成する。ここでは導電膜を窒化タンタル膜とタングステン膜との積層としたが、特に限
定されず、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または上述した元素を
成分とする合金か、上述した元素を組み合わせた合金膜、または上述した元素を成分とす
る窒化物で形成する。耐熱性導電性材料膜は、上述した元素を含む単層に限定されず、二
層以上の積層を用いることができる。
【0147】
第1のフォトリソグラフィ工程により金属配線を形成し、第1の金属配線層236と第2
の金属配線層237を形成する。タングステン膜及び窒化タンタル膜のエッチングにはI
CP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)
エッチング法を用いると良い。ICPエッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の
電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適
宜調節することによって所望のテーパー形状に膜をエッチングすることができる。第1の
金属配線層236と第2の金属配線層237をテーパー形状とすることで上に接して形成
する透光性を有する導電膜の成膜不良を低減することができる。
【0148】
次いで、透光性を有する導電膜を形成した後、第2のフォトリソグラフィ工程によりゲー
ト配線層238、薄膜トランジスタ210のゲート電極層、薄膜トランジスタ220のゲ
ート電極層を形成する。透光性を有する導電膜は、実施の形態1に記載の可視光に対して
透光性を有する導電材料を用いる。
【0149】
なお、透光性を有する導電膜の材料によっては、第1の金属配線層236または第2の金
属配線層237のゲート配線層238と接する表面で、後の熱処理などによって酸化膜が
形成され、接触抵抗が高くなる恐れがあるため、第2の金属配線層237は第1の金属配
線層236の酸化を防ぐ窒化金属膜を用いることが好ましい。
【0150】
次いで、実施の形態1と同じ工程でゲート絶縁層、酸化物半導体層などを形成する。以降
の工程は、実施の形態1に従ってアクティブマトリクス基板を作製する。
【0151】
また、本実施の形態では、平坦化絶縁層204を形成した後、フォトマスクを用いて端子
部の平坦化絶縁層を選択的に除去する例を示す。端子部においては、平坦化絶縁層が存在
しないほうが、FPCとの良好な接続を行う上で好ましい。
【0152】
図7(A)では、第2の端子電極235は、保護絶縁層203上に形成される。また、図
7(A)では、第2の金属配線層237の一部と重なるゲート配線層238を示したが、
第1の金属配線層236及び第2の金属配線層237の全部を覆うゲート配線層としても
よい。即ち、第1の金属配線層236及び第2の金属配線層237は、ゲート配線層23
8を低抵抗化するための補助配線と呼ぶことができる。
【0153】
また、端子部において、ゲート配線と同電位の第1の端子電極は、保護絶縁層203上に
形成され、第2の金属配線層237と電気的に接続する。端子部から引き回す配線も金属
配線で形成する。
【0154】
また、表示領域でない部分のゲート配線、容量配線は、配線抵抗を低抵抗とするため金属
配線、即ち、第1の金属配線層236及び第2の金属配線層237を補助配線として用い
ることもできる。
【0155】
また、図7(B)に、図7(A)とは一部異なる断面構造を示す。図7(B)は、図7(
A)と駆動回路の薄膜トランジスタのゲート電極層の材料が異なる点以外は同じであるた
め、同じ箇所には同じ符号を用い、同じ箇所の詳細な説明は省略する。
【0156】
図7(B)は、駆動回路の薄膜トランジスタのゲート電極層を金属配線とする例である。
駆動回路においては、ゲート電極層は透光性を有する材料に限定されない。
【0157】
図7(B)において、駆動回路に配置される薄膜トランジスタ240は第1の金属配線層
242上に第2の金属配線層241が積層されたゲート電極層とする。なお、第1の金属
配線層242は、第1の金属配線層236と同じ材料、同じ工程で形成することができる
。また、第2の金属配線層241は、第2の金属配線層237と同じ材料、同じ工程で形
成することができる。
【0158】
また、薄膜トランジスタ240のゲート電極層を導電層217と電気的に接続する場合、
第1の金属配線層242の酸化を防ぐための第2の金属配線層241が窒化金属膜である
ことが好ましい。
【0159】
本実施の形態では、金属配線を駆動回路の配線の一部に用いて配線抵抗を低減している。
従って、液晶表示パネルのサイズが10インチを超え、60インチ、さらには120イン
チとする場合であっても表示画像の高精細化と高い開口率を維持することができる。
【0160】
本実施の形態は他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【0161】
(実施の形態4)
本実施の形態では、保持容量の構成について、実施の形態2と異なる例を図8(A)及び
図8(B)に示す。図8(A)は、図5(A)と保持容量の構成が異なる点以外は同じで
あるため、同じ箇所には同じ符号を用い、同じ箇所の詳細な説明は省略する。なお、図8
(A)では画素に配置される薄膜トランジスタ220と保持容量の断面構造を示す。
【0162】
図8(A)は、誘電体を酸化物絶縁層216、保護絶縁層203、及び平坦化絶縁層20
4とし、画素電極層227と、該画素電極層227と重なる容量配線層250とで保持容
量を形成する例である。容量配線層250は、画素に配置される薄膜トランジスタ220
のソース電極層と同じ透光性を有する材料、及び同じ工程で形成されるため、薄膜トラン
ジスタ220のソース配線層と重ならないようにレイアウトされる。
【0163】
図8(A)に示す保持容量は、一対の電極及び誘電体が透光性を有しており、保持容量全
体として透光性を有する。
【0164】
また、図8(B)は、図8(A)と異なる保持容量の構成の例である。図8(B)も、図
5(A)と保持容量の構成が異なる点以外は同じであるため、同じ箇所には同じ符号を用
い、同じ箇所の詳細な説明は省略する。
【0165】
図8(B)は、誘電体を第1のゲート絶縁層202a及び第2のゲート絶縁層202bと
し、容量配線層230と、該容量配線層230と重なる、酸化物半導体層252と容量電
極231との積層で保持容量を形成する例である。また、酸化物半導体層252は容量電
極231上に接して積層されており、保持容量の一方の電極として機能する。なお、容量
電極231は、薄膜トランジスタ220のソース電極層またはドレイン電極層と同じ透光
性を有する材料、同じ工程で形成する。また、容量配線層230は、薄膜トランジスタ2
20のゲート電極層と同じ透光性を有する材料、同じ工程で形成されるため、薄膜トラン
ジスタ220のゲート配線層と重ならないようにレイアウトされる。
【0166】
また、容量電極231は画素電極層227と電気的に接続されている。
【0167】
図8(B)に示す保持容量も、一対の電極及び誘電体が透光性を有しており、保持容量全
体として透光性を有する。
【0168】
図8(A)及び図8(B)に示す保持容量は、透光性を有しており、ゲート配線の本数を
増やすなどして表示画像の高精細化を図るため、画素寸法を微細化しても、十分な容量を
得ることができ、且つ、高い開口率を実現することができる。
【0169】
本実施の形態は他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【0170】
(実施の形態5)
本実施の形態では、第1の加熱処理が実施の形態1と異なる例を図9乃至図11に示す。
図9乃至図11は、図1乃至図3と工程が一部異なる点以外は同じであるため、同じ箇所
には同じ符号を用い、同じ箇所の詳細な説明は省略する。
【0171】
まず、実施の形態1に従って、絶縁表面を有する基板400上に透光性を有する導電膜を
形成した後、第1のフォトリソグラフィ工程によりゲート電極層401、451を形成す
る。
【0172】
次いで、ゲート電極層401、451上に第1のゲート絶縁層402aと第2のゲート絶
縁層402bの積層を形成する(図9(A)参照)。
【0173】
次いで、第2のゲート絶縁層402b上に、透光性を有する導電膜を形成した後、第2の
フォトリソグラフィ工程によりソース電極層455a、及びドレイン電極層455bを形
成する。なお、図9(A)は図1(A)と同一である。
【0174】
次いで、第2のゲート絶縁層402b、ソース電極層455a、及びドレイン電極層45
5b上に、膜厚2nm以上200nm以下の酸化物半導体膜413を形成する。なお、こ
こまでの工程は、実施の形態1と同一である。
【0175】
次いで、不活性ガス雰囲気下または減圧下において、酸化物半導体膜の脱水化または脱水
素化を行う。脱水化または脱水素化を行う第1の加熱処理の温度は、350℃以上かつ基
板の歪み点未満、好ましくは400℃以上かつ基板の歪み点未満とする。ここでは、加熱
処理装置の一つである電気炉に基板を導入し、酸化物半導体膜に対して窒素雰囲気下にお
いて加熱処理を行った後、基板を大気に触れさせないことで酸化物半導体膜への水や水素
の再混入を防ぎ、酸化物半導体膜を酸素欠乏型として低抵抗化、即ちN型化(N、N
など)させる。その後、同じ炉に高純度の酸素ガスまたは高純度のNOガスを導入して
冷却を行う。酸素ガスまたはNOガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。
例えば、加熱処理装置に導入する酸素ガスまたはNOガスの純度を、6N(99.99
99%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上、(即ち酸素ガスまたはN
Oガス中の不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ま
しい。
【0176】
また、脱水化または脱水素化を行う第1の加熱処理後に200℃以上400℃以下、好ま
しくは200℃以上300℃以下の温度で酸素ガスまたはNOガス雰囲気下での加熱処
理を行ってもよい。
【0177】
以上の工程を経ることによって酸化物半導体層全体を酸素過剰な状態とすることで、高抵
抗化、即ちI型化させる(図9(B)参照)。
【0178】
この結果、後に形成される薄膜トランジスタの信頼性を高めることができる。
【0179】
次いで、酸化物半導体膜413の上に金属導電膜404を形成する(図9(C)参照)。
【0180】
次いで、第3のフォトリソグラフィ工程により、実施の形態1と同様に、多階調マスクを
用いて、金属導電膜404上に凸部と凹部を持つレジストマスク410及びレジストマス
ク411を形成する(図9(D)参照。)。
【0181】
次いで、実施の形態1と同様の工程を経て、ソース電極層405a、ドレイン電極層40
5b、導電層415、酸化物半導体層458、溝部(凹部)を有する酸化物半導体層45
9を形成する。なお、酸化物半導体層459及び酸化物半導体層458の外縁部は、導電
層405及び導電層415の端部から突出し、かつ突出した領域の膜厚が薄くなった形状
となる(図9(E)及び図10(A)参照)
【0182】
次いで、レジストマスク410a、410b、411aを除去し、第4のフォトリソグラ
フィ工程により、レジストマスク412を形成する。レジストマスク412を用いて、導
電層415をエッチングし、酸化物半導体層458を露出させる(図10(B)参照)。
【0183】
また、酸化物半導体膜の成膜前に、不活性ガス雰囲気(窒素、またはヘリウム、ネオン、
アルゴン等)下、酸素雰囲気、或いは減圧下において加熱処理(400℃以上基板の歪み
点未満)を行い、ゲート絶縁層内に含まれる水素及び水などの不純物を除去してもよい。
【0184】
次いで、レジストマスク412を除去し、酸化物半導体層458の上面及び側面に接し、
酸化物半導体層459の溝部(凹部)、突出領域438、及び突出領域439に接する保
護絶縁膜となる酸化物絶縁膜407を形成する。
【0185】
次いで、不活性ガス雰囲気下、または酸素ガス雰囲気下で第2の加熱処理(好ましくは2
00℃以上400℃以下、例えば250℃以上350℃以下)を行う(図10(C)参照
)。例えば、窒素雰囲気下で250℃、1時間の第2の加熱処理を行う。
【0186】
次いで、酸化物絶縁膜407上に保護絶縁層408を形成する。
【0187】
次いで、保護絶縁層408上に平坦化絶縁層409を形成する。
【0188】
次に、第5のフォトリソグラフィ工程を行い、レジストマスクを形成し、平坦化絶縁層4
09、保護絶縁層408、及び酸化物絶縁膜407のエッチングによりドレイン電極層4
55bに達するコンタクトホール452を形成する。
【0189】
次いで、レジストマスクを除去した後、透光性を有する導電膜を成膜する。
【0190】
次に、第6のフォトリソグラフィ工程を行い、レジストマスクを形成し、エッチングによ
り不要な部分を除去して画素電極層456及び導電層406を形成する(図10(D)参
照)。
【0191】
以上の工程により、6枚のマスクを用いて、同一基板上に薄膜トランジスタ471及び薄
膜トランジスタ461をそれぞれ駆動回路または画素部に作り分けて作製することができ
る。また、第1のゲート絶縁層402a、第2のゲート絶縁層402bを誘電体とし容量
配線層と容量電極とで形成される保持容量も同一基板上に形成することができる。薄膜ト
ランジスタ461と保持容量を個々の画素に対応してマトリクス状に配置して画素部を構
成し、画素部の周辺に薄膜トランジスタ471を有する駆動回路を配置することによりア
クティブマトリクス型の表示装置を作製するための一方の基板とすることができる。
【0192】
導電層406を酸化物半導体層459のチャネル形成領域と重なる位置に設けることによ
って、薄膜トランジスタの信頼性を調べるためのバイアス−熱ストレス試験(以下、BT
試験という)において、BT試験前後における薄膜トランジスタ471のしきい値電圧の
変化量を低減することができる。また、導電層406は、電位がゲート電極層401と同
じでもよいし、異なっていても良く、第2のゲート電極層として機能させることもできる
。また、導電層406の電位がGND、0V、或いはフローティング状態であってもよい

【0193】
また、図11(B1)は駆動回路に配置されるチャネルエッチ型の薄膜トランジスタ47
1の平面図であり、図11(A)のC1−C2断面は、図11(B1)の線C1−C2に
おける断面図である。また、図11(C)のC3−C4断面は、図11(B1)の線C3
−C4における断面図である。図11(B2)は画素に配置される薄膜トランジスタ46
1の平面図であり、図11(A)のD1−D2断面は、図11(B2)の線D1−D2に
おける断面図である。また、図11(C)のD3−D4断面は、図11(B2)の線D3
−D4における断面図である。
【0194】
本実施の形態は他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【0195】
(実施の形態6)
本実施の形態では、同一基板上に少なくとも駆動回路の一部と、画素部に配置する薄膜ト
ランジスタを作製する例について以下に説明する。
【0196】
画素部に配置する薄膜トランジスタは、実施の形態1乃至5に従って形成する。また、実
施の形態1乃至5に示す薄膜トランジスタはnチャネル型TFTであるため、駆動回路の
うち、nチャネル型TFTで構成することができる駆動回路の一部を画素部の薄膜トラン
ジスタと同一基板上に形成する。
【0197】
アクティブマトリクス型表示装置のブロック図の一例を図12(A)に示す。表示装置の
基板5300上には、画素部5301、第1の走査線駆動回路5302、第2の走査線駆
動回路5303、信号線駆動回路5304を有する。画素部5301には、複数の信号線
が信号線駆動回路5304から延伸して配置され、複数の走査線が第1の走査線駆動回路
5302、及び第2の走査線駆動回路5303から延伸して配置されている。なお走査線
と信号線との交差領域には、各々、表示素子を有する画素がマトリクス状に配置されてい
る。また、表示装置の基板5300はFPC(Flexible Printed Ci
rcuit)等の接続部を介して、タイミング制御回路5305(コントローラ、制御I
Cともいう)に接続されている。
【0198】
図12(A)では、第1の走査線駆動回路5302、第2の走査線駆動回路5303、信
号線駆動回路5304は、画素部5301と同じ基板5300上に形成される。そのため
、外部に設ける駆動回路等の部品の数が減るので、コストの低減を図ることができる。ま
た、基板5300外部に駆動回路を設けた場合の配線を延伸させることによる接続部での
接続数を減らすことができ、信頼性の向上、又は歩留まりの向上を図ることができる。
【0199】
なお、タイミング制御回路5305は、第1の走査線駆動回路5302に対し、一例とし
て、第1の走査線駆動回路用スタート信号(GSP1)(スタートパルスともいう)、走
査線駆動回路用クロック信号(GCK1)を供給する。また、タイミング制御回路530
5は、第2の走査線駆動回路5303に対し、一例として、第2の走査線駆動回路用スタ
ート信号(GSP2)、走査線駆動回路用クロック信号(GCK2)を供給する。信号線
駆動回路5304に、信号線駆動回路用スタート信号(SSP)、信号線駆動回路用クロ
ック信号(SCK)、ビデオ信号用データ(DATA)(単にビデオ信号ともいう)、ラ
ッチ信号(LAT)を供給するものとする。なお各クロック信号は、周期のずれた複数の
クロック信号でもよいし、クロック信号を反転させた信号(CKB)とともに供給される
ものであってもよい。なお、第1の走査線駆動回路5302と第2の走査線駆動回路53
03との一方を省略することが可能である。
【0200】
図12(B)では、第1の走査線駆動回路5302、第2の走査線駆動回路5303を画
素部5301と同じ基板5300に形成し、信号線駆動回路5304を画素部5301と
は別の基板に形成する構成について示している。
【0201】
また、実施の形態1乃至5に示す薄膜トランジスタは、nチャネル型TFTである。図1
3(A)、図13(B)ではnチャネル型TFTで構成する信号線駆動回路の構成、動作
について一例を示し説明する。
【0202】
信号線駆動回路は、シフトレジスタ5601、及びスイッチング回路5602を有する。
スイッチング回路5602は、スイッチング回路5602_1〜5602_N(Nは自然
数)という複数の回路を有する。スイッチング回路5602_1〜5602_Nは、各々
、薄膜トランジスタ5603_1〜5603_k(kは自然数)という複数のトランジス
タを有する。薄膜トランジスタ5603_1〜5603−kが、Nチャネル型TFTであ
る例を説明する。
【0203】
信号線駆動回路の接続関係について、スイッチング回路5602_1を例にして説明する
。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kの第1端子は、各々、配線5604_1
〜5604_kと接続される。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kの第2端子
は、各々、信号線S1〜Skと接続される。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_
kのゲートは、配線5605_1と接続される。
【0204】
シフトレジスタ5601は、配線5605_1〜5605_Nに順番にHレベル(H信号
、高電源電位レベル、ともいう)の信号を出力し、スイッチング回路5602_1〜56
02_Nを順番に選択する機能を有する。
【0205】
スイッチング回路5602_1は、配線5604_1と信号線S1との導通状態(第1端
子と第2端子との間の導通)を制御する機能、即ち配線5604_1の電位を信号線S1
に供給するか否かを制御する機能を有する。このように、スイッチング回路5602_1
は、セレクタとしての機能を有する。同様に、薄膜トランジスタ5603_2〜5603
−kは、各々、配線5604_2〜5604_kと信号線S2との導通状態を制御する機
能、即ち配線5604_2〜5604_kの電位を信号線S2〜Skに供給する機能を有
する。このように、薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kは、各々、スイッチと
しての機能を有する。
【0206】
なお、配線5604_1〜5604_kには、各々、ビデオ信号用データ(DATA)が
入力される。ビデオ信号用データ(DATA)は、画像情報又は画像信号に応じたアナロ
グ信号である場合が多い。
【0207】
次に、図13(A)の信号線駆動回路の動作について、図13(B)のタイミングチャー
トを参照して説明する。図13(B)には、信号Sout_1〜Sout_N、及び信号
Vdata_1〜Vdata_kの一例を示す。信号Sout_1〜Sout_Nは、各
々、シフトレジスタ5601の出力信号の一例であり、信号Vdata_1〜Vdata
_kは、各々、配線5604_1〜5604_kに入力される信号の一例である。なお、
信号線駆動回路の1動作期間は、表示装置における1ゲート選択期間に対応する。1ゲー
ト選択期間は、一例として、期間T1〜期間TNに分割される。期間T1〜TNは、各々
、選択された行に属する画素にビデオ信号用データ(DATA)を書き込むための期間で
ある。
【0208】
なお、本実施の形態の図面等において示す各構成の、信号波形のなまり等は、明瞭化のた
めに誇張して表記している場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されないも
のであることを付記する。
【0209】
期間T1〜期間TNにおいて、シフトレジスタ5601は、Hレベルの信号を配線560
5_1〜5605−Nに順番に出力する。例えば、期間T1において、シフトレジスタ5
601は、ハイレベルの信号を配線5605_1に出力する。すると、薄膜トランジスタ
5603_−1〜5603_kはオンになるので、配線5604_1〜5604_kと、
信号線S1〜Skとが導通状態になる。このとき、配線5604_1〜5604_kには
、Data(S1)〜Data(Sk)が入力される。Data(S1)〜Data(S
k)は、各々、薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kを介して、選択される行に
属する画素のうち、1列目〜k列目の画素に書き込まれる。こうして、期間T1〜TNに
おいて、選択された行に属する画素に、k列ずつ順番にビデオ信号用データ(DATA)
が書き込まれる。
【0210】
以上のように、ビデオ信号用データ(DATA)が複数の列ずつ画素に書き込まれること
によって、ビデオ信号用データ(DATA)の数、又は配線の数を減らすことができる。
よって、外部回路との接続数を減らすことができる。また、ビデオ信号が複数の列ずつ画
素に書き込まれることによって、書き込み時間を長くすることができ、ビデオ信号の書き
込み不足を防止することができる。
【0211】
なお、シフトレジスタ5601及びスイッチング回路5602としては、実施の形態1乃
至5に示す薄膜トランジスタで構成される回路を用いることが可能である。
【0212】
走査線駆動回路及び/または信号線駆動回路の一部に用いるシフトレジスタの一形態につ
いて図14及び図15を用いて説明する。
【0213】
走査線駆動回路は、シフトレジスタを有している。また場合によってはレベルシフタやバ
ッファ等を有していても良い。走査線駆動回路において、シフトレジスタにクロック信号
(CLK)及びスタートパルス信号(SP)が入力されることによって、選択信号が生成
される。生成された選択信号はバッファにおいて緩衝増幅され、対応する走査線に供給さ
れる。走査線には、1ライン分の画素のトランジスタのゲート電極が接続されている。そ
して、1ライン分の画素のトランジスタを一斉にONにしなくてはならないので、バッフ
ァは大きな電流を流すことが可能なものが用いられる。
【0214】
シフトレジスタは、第1のパルス出力回路10−1乃至第Nのパルス出力回路10−N(
Nは3以上の自然数)を有している(図14(A)参照)。図14(A)に示すシフトレ
ジスタの第1のパルス出力回路10−1乃至第Nのパルス出力回路10_Nには、第1の
配線11より第1のクロック信号CK1、第2の配線12より第2のクロック信号CK2
、第3の配線13より第3のクロック信号CK3、第4の配線14より第4のクロック信
号CK4が供給される。また第1のパルス出力回路10_1では、第5の配線15からの
スタートパルスSP1(第1のスタートパルス)が入力される。また2段目以降の第nの
パルス出力回路10_n(nは、2以上N以下の自然数)では、一段前段のパルス出力回
路10_n−1からの信号(前段信号OUT(n−1)という)(n以上2の自然数)が
入力される。また第1のパルス出力回路10−1では、2段後段の第3のパルス出力回路
10−3からの信号が入力される。同様に、2段目以降の第nのパルス出力回路10_n
では、2段後段の第(n+2)のパルス出力回路10_(n+2)からの信号(後段信号
OUT(n+2)という)が入力される。従って、各段のパルス出力回路からは、後段及
び/または前段のパルス出力回路に入力するための第1の出力信号(OUT(1)(SR
)〜OUT(N)(SR))、別の回路等に入力される第2の出力信号(OUT(1)〜
OUT(N))が出力される。なお、図14(A)に示すように、シフトレジスタの最終
段の2つの段には、後段信号OUT(n+2)が入力されないため、一例としては、別途
第2のスタートパルスSP2、第3のスタートパルスSP3をそれぞれ入力する構成とす
ればよい。
【0215】
なお、クロック信号(CK)は、一定の間隔でHレベルとLレベル(L信号、低電源電位
レベル、ともいう)を繰り返す信号である。ここで、第1のクロック信号(CK1)〜第
4のクロック信号(CK4)は、順に1/4周期分遅延している(すなわち、互いに90
°位相がずれている)。本実施の形態では、第1のクロック信号(CK1)〜第4のクロ
ック信号(CK4)を利用して、パルス出力回路の駆動の制御等を行う。なお、クロック
信号は、入力される駆動回路に応じて、GCK、SCKということもあるが、ここではC
Kとして説明を行う。
【0216】
図14(B)に図14(A)で示したパルス出力回路10_nの一つを示す。第1の入力
端子21、第2の入力端子22及び第3の入力端子23は、第1の配線11〜第4の配線
14のいずれかと電気的に接続されている。例えば、図14(A)において、第1のパル
ス出力回路10_1は、第1の入力端子21が第1の配線11と電気的に接続され、第2
の入力端子22が第2の配線12と電気的に接続され、第3の入力端子23が第3の配線
13と電気的に接続されている。また、第2のパルス出力回路10_2は、第1の入力端
子21が第2の配線12と電気的に接続され、第2の入力端子22が第3の配線13と電
気的に接続され、第3の入力端子23が第4の配線14と電気的に接続されている。
【0217】
第1のパルス出力回路10_1〜第Nのパルス出力回路10_Nの各々は、第1の入力端
子21、第2の入力端子22、第3の入力端子23、第4の入力端子24、第5の入力端
子25、第1の出力端子26、第2の出力端子27を有しているとする(図14(B)参
照)。第1のパルス出力回路10_1において、第1の入力端子21に第1のクロック信
号CK1が入力され、第2の入力端子22に第2のクロック信号CK2が入力され、第3
の入力端子23に第3のクロック信号CK3が入力され、第4の入力端子24にスタート
パルスが入力され、第5の入力端子25に後段信号OUT(3)が入力され、第1の出力
端子26より第1の出力信号OUT(1)(SR)が出力され、第2の出力端子27より
第2の出力信号OUT(1)が出力されていることとなる。
【0218】
なお第1のパルス出力回路10_1〜第Nのパルス出力回路10_Nは、3端子の薄膜ト
ランジスタ(TFT:Thin Film Transistorともいう)の他に、上
記実施の形態で説明した4端子の薄膜トランジスタを用いることができる。なお、本明細
書において、薄膜トランジスタが半導体層を介して二つのゲート電極を有する場合、半導
体層より下方のゲート電極を下方のゲート電極、半導体層に対して上方のゲート電極を上
方のゲート電極とも呼ぶ。
【0219】
酸化物半導体を薄膜トランジスタのチャネル形成領域を含む半導体層に用いた場合、製造
工程により、しきい値電圧がマイナス側、或いはプラス側にシフトすることがある。その
ため、チャネル形成領域を含む半導体層に酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタでは、
しきい値電圧の制御を行うことのできる構成が好適である。4端子の薄膜トランジスタの
しきい値電圧は、上方及び/または下方のゲート電極の電位を制御することにより所望の
値に制御することができる。
【0220】
次に、図14(B)に示したパルス出力回路の具体的な回路構成の一例について、図14
(C)で説明する。
【0221】
図14(C)に示したパルス出力回路は、第1のトランジスタ31〜第13のトランジス
タ43を有している。また、上述した第1の入力端子21〜第5の入力端子25に加え、
第1の高電源電位VDDが供給される電源線51、第2の高電源電位VCCが供給される
電源線52、低電源電位VSSが供給される電源線53から、第1のトランジスタ31〜
第13のトランジスタ43に信号、または電源電位が供給される。また、第1の出力端子
26及び第2の出力端子27へ信号等が出力される。ここで、図14(C)における各電
源線の電源電位の大小関係は、第1の電源電位VDDは第2の電源電位VCC以上の電位
とし、第2の電源電位VCCは第3の電源電位VSSより大きい電位とする。なお、第1
のクロック信号(CK1)〜第4のクロック信号(CK4)は、一定の間隔でHレベルと
Lレベルを繰り返す信号であるが、HレベルのときVDD、LレベルのときVSSである
とする。なお電源線51の電位VDDを、電源線52の電位VCCより高くすることによ
り、動作に影響を与えることなく、トランジスタのゲート電極に印加される電位を低く抑
えることができ、トランジスタのしきい値のシフトを低減し、劣化を抑制することができ
る。なお、第1のトランジスタ31〜第13のトランジスタ43のうち、第1のトランジ
スタ31、第6のトランジスタ36乃至第9のトランジスタ39には、4端子の薄膜トラ
ンジスタを用いることが好ましい。第1のトランジスタ31、第6のトランジスタ36乃
至第9のトランジスタ39は、ソースまたはドレインとなる電極の一方が接続されたノー
ドの電位を、ゲート電極の制御信号によって切り替えることが求められるトランジスタで
あり、ゲート電極に入力される制御信号に対する応答が速い(オン電流の立ち上がりが急
峻)ことによりパルス出力回路の誤動作を低減することができるトランジスタである。そ
のため、4端子の薄膜トランジスタを用いることによりしきい値電圧を制御することがで
き、誤動作がより低減できるパルス出力回路とすることができる。
【0222】
図14(C)において、第1のトランジスタ31は、第1端子が電源線51に電気的に接
続され、第2端子が第9のトランジスタ39の第1端子に電気的に接続され、ゲート電極
(下方のゲート電極及び上方のゲート電極)が第4の入力端子24に電気的に接続されて
いる。第2のトランジスタ32は、第1端子が電源線53に電気的に接続され、第2端子
が第9のトランジスタ39の第1端子に電気的に接続され、ゲート電極が第4のトランジ
スタ34のゲート電極に電気的に接続されている。第3のトランジスタ33は、第1端子
が第1の入力端子21に電気的に接続され、第2端子が第1の出力端子26に電気的に接
続されている。第4のトランジスタ34は、第1端子が電源線53に電気的に接続され、
第2端子が第1の出力端子26に電気的に接続されている。第5のトランジスタ35は、
第1端子が電源線53に電気的に接続され、第2端子が第2のトランジスタ32のゲート
電極及び第4のトランジスタ34のゲート電極に電気的に接続され、ゲート電極が第4の
入力端子24に電気的に接続されている。第6のトランジスタ36は、第1端子が電源線
52に電気的に接続され、第2端子が第2のトランジスタ32のゲート電極及び第4のト
ランジスタ34のゲート電極に電気的に接続され、ゲート電極(下方のゲート電極及び上
方のゲート電極)が第5の入力端子25に電気的に接続されている。第7のトランジスタ
37は、第1端子が電源線52に電気的に接続され、第2端子が第8のトランジスタ38
の第2端子に電気的に接続され、ゲート電極(下方のゲート電極及び上方のゲート電極)
が第3の入力端子23に電気的に接続されている。第8のトランジスタ38は、第1端子
が第2のトランジスタ32のゲート電極及び第4のトランジスタ34のゲート電極に電気
的に接続され、ゲート電極(下方のゲート電極及び上方のゲート電極)が第2の入力端子
22に電気的に接続されている。第9のトランジスタ39は、第1端子が第1のトランジ
スタ31の第2端子及び第2のトランジスタ32の第2端子に電気的に接続され、第2端
子が第3のトランジスタ33のゲート電極及び第10のトランジスタ40のゲート電極に
電気的に接続され、ゲート電極(下方のゲート電極及び上方のゲート電極)が電源線52
に電気的に接続されている。第10のトランジスタ40は、第1端子が第1の入力端子2
1に電気的に接続され、第2端子が第2の出力端子27に電気的に接続され、ゲート電極
が第9のトランジスタ39の第2端子に電気的に接続されている。第11のトランジスタ
41は、第1端子が電源線53に電気的に接続され、第2端子が第2の出力端子27に電
気的に接続され、ゲート電極が第2のトランジスタ32のゲート電極及び第4のトランジ
スタ34のゲート電極に電気的に接続されている。第12のトランジスタ42は、第1端
子が電源線53に電気的に接続され、第2端子が第2の出力端子27に電気的に接続され
、ゲート電極が第7のトランジスタ37のゲート電極(下方のゲート電極及び上方のゲー
ト電極)に電気的に接続されている。第13のトランジスタ43は、第1端子が電源線5
3に電気的に接続され、第2端子が第1の出力端子26に電気的に接続され、ゲート電極
が第7のトランジスタ37のゲート電極(下方のゲート電極及び上方のゲート電極)に電
気的に接続されている。
【0223】
図14(C)において、第3のトランジスタ33のゲート電極、第10のトランジスタ4
0のゲート電極、及び第9のトランジスタ39の第2端子の接続箇所をノードAとする。
また、第2のトランジスタ32のゲート電極、第4のトランジスタ34のゲート電極、第
5のトランジスタ35の第2端子、第6のトランジスタ36の第2端子、第8のトランジ
スタ38の第1端子、及び第11のトランジスタ41のゲート電極の接続箇所をノードB
とする。
【0224】
図15(A)に、図14(C)で説明したパルス出力回路を第1のパルス出力回路10−
1に適用した場合に、第1の入力端子21乃至第5の入力端子25と第1の出力端子26
及び第2の出力端子27に入力または出力される信号を示している。
【0225】
具体的には、第1の入力端子21に第1のクロック信号CK1が入力され、第2の入力端
子22に第2のクロック信号CK2が入力され、第3の入力端子23に第3のクロック信
号CK3が入力され、第4の入力端子24にスタートパルス(SP1)が入力され、第5
の入力端子25に後段信号OUT(3)が入力され、第1の出力端子26より第1の出力
信号OUT(1)(SR)が出力され、第2の出力端子27より第2の出力信号OUT(
1)が出力される。
【0226】
なお、薄膜トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの
端子を有する素子である。また、ゲートと重畳した領域にチャネル領域が形成される半導
体を有しており、ゲートの電位を制御することで、チャネル領域を介してドレインとソー
スの間に流れる電流を制御することが出来る。ここで、ソースとドレインとは、薄膜トラ
ンジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソースまたはドレインである
かを限定することが困難である。そこで、ソース及びドレインとして機能する領域を、ソ
ースもしくはドレインと呼ばない場合がある。その場合、一例としては、それぞれを第1
端子、第2端子と表記する場合がある。
【0227】
なお図14(C)、図15(A)において、ノードAを浮遊状態とすることによりブート
ストラップ動作を行うための、容量素子を別途設けても良い。またノードBの電位を保持
するため、一方の電極をノードBに電気的に接続した容量素子を別途設けてもよい。
【0228】
ここで、図15(A)に示したパルス出力回路を複数具備するシフトレジスタのタイミン
グチャートについて図15(B)に示す。なおシフトレジスタが走査線駆動回路である場
合、図15(B)中の期間61は垂直帰線期間であり、期間62はゲート選択期間に相当
する。
【0229】
なお、図15(A)に示すように、ゲート電極に第2の電源電位VCCが印加される第9
のトランジスタ39を設けておくことにより、ブートストラップ動作の前後において、以
下のような利点がある。
【0230】
ゲート電極に第2の電源電位VCCが印加される第9のトランジスタ39がない場合、ブ
ートストラップ動作によりノードAの電位が上昇すると、第1のトランジスタ31の第2
端子であるソースの電位が上昇していき、第1の電源電位VDDより大きくなる。そして
、第1のトランジスタ31のソースが第1端子側、即ち電源線51側に切り替わる。その
ため、第1のトランジスタ31においては、ゲートとソースの間、ゲートとドレインの間
ともに、大きなバイアス電圧が印加されるために大きなストレスがかかり、トランジスタ
の劣化の要因となりうる。そこで、ゲート電極に第2の電源電位VCCが印加される第9
のトランジスタ39を設けておくことにより、ブートストラップ動作によりノードAの電
位は上昇するものの、第1のトランジスタ31の第2端子の電位の上昇を生じないように
することができる。つまり、第9のトランジスタ39を設けることにより、第1のトラン
ジスタ31のゲートとソースの間に印加される負のバイアス電圧の値を小さくすることが
できる。よって、本実施の形態の回路構成とすることにより、第1のトランジスタ31の
ゲートとソースの間に印加される負のバイアス電圧も小さくできるため、ストレスによる
第1のトランジスタ31の劣化を抑制することができる。
【0231】
なお、第9のトランジスタ39を設ける箇所については、第1のトランジスタ31の第2
端子と第3のトランジスタ33のゲートとの間に第1端子と第2端子を介して接続される
ように設ける構成であればよい。なお、本実施形態でのパルス出力回路を複数具備するシ
フトレジスタの場合、走査線駆動回路より段数の多い信号線駆動回路では、第9のトラン
ジスタ39を省略してもよく、トランジスタ数を削減することが利点がある。
【0232】
なお第1のトランジスタ31乃至第13のトランジスタ43の半導体層として、酸化物半
導体を用いることにより、薄膜トランジスタのオフ電流を低減すると共に、オン電流及び
電界効果移動度を高めることが出来ると共に、劣化の度合いを低減することが出来るため
、回路内の誤動作を低減することができる。また酸化物半導体を用いたトランジスタ、ア
モルファスシリコンを用いたトランジスタに比べ、ゲート電極に高電位が印加されること
によるトランジスタの劣化の程度が小さい。そのため、第2の電源電位VCCを供給する
電源線に、第1の電源電位VDDを供給しても同様の動作が得られ、且つ回路間を引き回
す電源線の数を低減することができるため、回路の小型化を図ることが出来る。
【0233】
なお、第7のトランジスタ37のゲート電極(下方のゲート電極及び上方のゲート電極)
に第3の入力端子23によって供給されるクロック信号、第8のトランジスタ38のゲー
ト電極(下方のゲート電極及び上方のゲート電極)に第2の入力端子22によって供給さ
れるクロック信号は、第7のトランジスタ37のゲート電極(下方のゲート電極及び上方
のゲート電極)に第2の入力端子22によって供給されるクロック信号、第8のトランジ
スタ38のゲート電極(下方のゲート電極及び上方のゲート電極)に第3の入力端子23
によって供給されるクロック信号となるように、結線関係を入れ替えても同様の作用を奏
する。なお、図15(A)に示すシフトレジスタにおいて、第7のトランジスタ37及び
第8のトランジスタ38が共にオンの状態から、第7のトランジスタ37がオフ、第8の
トランジスタ38がオンの状態、次いで第7のトランジスタ37がオフ、第8のトランジ
スタ38がオフの状態とすることによって、第2の入力端子22及び第3の入力端子23
の電位が低下することで生じる、ノードBの電位の低下が第7のトランジスタ37のゲー
ト電極の電位の低下、及び第8のトランジスタ38のゲート電極の電位の低下に起因して
2回生じることとなる。一方、図15(A)に示すシフトレジスタを図15(B)の期間
のように、第7のトランジスタ37及び第8のトランジスタ38が共にオンの状態から、
第7のトランジスタ37がオン、第8のトランジスタ38がオフの状態、次いで、第7の
トランジスタ37がオフ、第8のトランジスタ38がオフの状態とすることによって、第
2の入力端子22及び第3の入力端子23の電位が低下することで生じるノードBの電位
の低下を、第8のトランジスタ38のゲート電極の電位の低下による一回に低減すること
ができる。そのため、第7のトランジスタ37のゲート電極(下方のゲート電極及び上方
のゲート電極)に第3の入力端子23からクロック信号が供給され、第8のトランジスタ
38のゲート電極(下方のゲート電極及び上方のゲート電極)に第2の入力端子22から
クロック信号が供給される結線関係とすることが好適である。なぜなら、ノードBの電位
の変動回数が低減され、またノイズを低減することが出来るからである。
【0234】
このように、第1の出力端子26及び第2の出力端子27の電位をLレベルに保持する期
間に、ノードBに定期的にHレベルの信号が供給される構成とすることにより、パルス出
力回路の誤動作を抑制することができる。
【0235】
(実施の形態7)
薄膜トランジスタを作製し、該薄膜トランジスタを画素部、さらには駆動回路に用いて表
示機能を有する半導体装置(表示装置ともいう)を作製することができる。また、薄膜ト
ランジスタを有する駆動回路の一部または全体を、画素部と同じ基板上に一体形成し、シ
ステムオンパネルを形成することができる。
【0236】
表示装置は表示素子を含む。表示素子としては液晶素子(液晶表示素子ともいう)、発光
素子(発光表示素子ともいう)を用いることができる。発光素子は、電流または電圧によ
って輝度が制御される素子をその範疇に含んでおり、具体的には無機EL(Electr
o Luminescence)素子、有機EL素子等が含まれる。また、電子インクな
ど、電気的作用によりコントラストが変化する表示媒体も適用することができる。
【0237】
また、表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラ
を含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む。さらに、該表示装置を作製する
過程における、表示素子が完成する前の一形態に相当する素子基板は、電流を表示素子に
供給するための手段を複数の各画素に備える。素子基板は、具体的には、表示素子の画素
電極(画素電極層ともいう)のみが形成された状態であっても良いし、画素電極となる導
電膜を成膜した後であって、エッチングして画素電極を形成する前の状態であっても良い
し、あらゆる形態があてはまる。
【0238】
なお、本明細書中における表示装置とは、画像表示デバイス、表示デバイス、もしくは光
源(照明装置含む)を指す。また、コネクター、例えばFPC(Flexible pr
inted circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bon
ding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り
付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュ
ール、または表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回
路)が直接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
【0239】
半導体装置の一形態に相当する液晶表示パネルの外観及び断面について、図16を用いて
説明する。図16(A1)(A2)は、薄膜トランジスタ4010、4011、及び液晶
素子4013を、第1の基板4001及び第2の基板4006との間にシール材4005
によって封止した、パネルの平面図であり、図16(B)は、図16(A1)(A2)の
M−Nにおける断面図に相当する。
【0240】
第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004とを囲む
ようにして、シール材4005が設けられている。また画素部4002と、走査線駆動回
路4004の上に第2の基板4006が設けられている。よって画素部4002と、走査
線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006
とによって、液晶層4008と共に封止されている。また第1の基板4001上のシール
材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶
半導体膜又は多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003が実装されている。
【0241】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG方法、
ワイヤボンディング方法、或いはTAB方法などを用いることができる。図16(A1)
は、COG方法により信号線駆動回路4003を実装する例であり、図16(A2)は、
TAB方法により信号線駆動回路4003を実装する例である。
【0242】
また第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004は、
薄膜トランジスタを複数有しており、図16(B)では、画素部4002に含まれる薄膜
トランジスタ4010と、走査線駆動回路4004に含まれる薄膜トランジスタ4011
とを例示している。薄膜トランジスタ4010、4011上には保護絶縁層4020、4
021が設けられている。
【0243】
薄膜トランジスタ4010、4011は、実施の形態1乃至5で示した酸化物半導体層を
含む信頼性の高い薄膜トランジスタを適用することができる。駆動回路用の薄膜トランジ
スタ4011としては、実施の形態1乃至5で示した薄膜トランジスタ210、240、
470、471、画素用の薄膜トランジスタ4010としては、薄膜トランジスタ220
、460、461を用いることができる。本実施の形態において、薄膜トランジスタ40
10、4011はnチャネル型薄膜トランジスタである。
【0244】
保護絶縁層4021上において、駆動回路用の薄膜トランジスタ4011の酸化物半導体
層のチャネル形成領域と重なる位置に導電層4040が設けられている。導電層4040
を酸化物半導体層のチャネル形成領域と重なる位置に設けることによって、BT試験前後
における薄膜トランジスタ4011のしきい値電圧の変化量を低減することができる。ま
た、導電層4040は、電位が薄膜トランジスタ4011のゲート電極層と同じでもよい
し、異なっていても良く、第2のゲート電極層として機能させることもできる。また、導
電層4040の電位がGND、0V、或いはフローティング状態であってもよい。
【0245】
また、液晶素子4013が有する画素電極層4030は、薄膜トランジスタ4010と電
気的に接続されている。そして液晶素子4013の対向電極層4031は第2の基板40
06上に形成されている。画素電極層4030と対向電極層4031と液晶層4008と
が重なっている部分が、液晶素子4013に相当する。なお、画素電極層4030、対向
電極層4031はそれぞれ配向膜として機能する絶縁層4032、4033が設けられ、
絶縁層4032、4033を介して液晶層4008を挟持している。
【0246】
なお、第1の基板4001、第2の基板4006としては、透光性基板を用いることがで
き、ガラス、セラミックス、プラスチックを用いることができる。プラスチックとしては
、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PV
F(ポリビニルフルオライド)フィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィ
ルムを用いることができる。
【0247】
また4035は絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサ4035
であり、画素電極層4030と対向電極層4031との間の距離(セルギャップ)を制御
するために設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。また、対向電極層
4031は、薄膜トランジスタ4010と同一基板上に設けられる共通電位線と電気的に
接続される。共通接続部を用いて、一対の基板間に配置される導電性粒子を介して対向電
極層4031と共通電位線とを電気的に接続することができる。なお、導電性粒子はシー
ル材4005に含有させる。
【0248】
また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つで
あり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直
前に発現する相である。ブルー相は比較的狭い温度範囲内で発現するため、温度範囲を改
善するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いて液晶層4008
に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が1mse
c以下と短く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。
【0249】
なお透過型液晶表示装置の他に、半透過型液晶表示装置でも適用できる。
【0250】
また、液晶表示装置では、基板の外側(視認側)に偏光板を設け、内側に着色層(カラー
フィルター)、表示素子に用いる電極層という順に設ける例を示すが、偏光板は基板の内
側に設けてもよい。また、偏光板と着色層の積層構造も本実施の形態に限定されず、偏光
板及び着色層の材料や作製工程条件によって適宜設定すればよい。また、表示部以外にブ
ラックマトリクスとして機能する遮光膜を設けてもよい。
【0251】
また、薄膜トランジスタ4010、4011上には保護絶縁層4020が形成されている
。保護絶縁層4020は実施の形態1で示した保護絶縁層408と同様な材料及び方法で
形成することができるが、ここでは、保護絶縁層4020として、PCVD法により窒化
珪素膜を形成する。
【0252】
また、平坦化絶縁膜として保護絶縁層4021を形成する。保護絶縁層4021としては
、実施の形態1で示した平坦化絶縁層409と同様な材料及び方法で形成すればよく、ポ
リイミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂等の、
耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料
(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロン
ガラス)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層さ
せることで、保護絶縁層4021を形成してもよい。
【0253】
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−S
i結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は置換基としては有機基(例えばアルキ
ル基やアリール基)を用いても良い。また、有機基はフルオロ基を有していても良い。
【0254】
保護絶縁層4021の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、SO
G法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリ
ーン印刷、オフセット印刷等)等の方法や、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテン
コーター、ナイフコーター等の器具を用いることができる。保護絶縁層4021の焼成工
程と酸化物半導体層のアニールを兼ねることで効率よく半導体装置を作製することが可能
となる。
【0255】
画素電極層4030、対向電極層4031は、酸化タングステンを含む酸化インジウム、
酸化タングステンを含む酸化インジウム亜鉛、酸化チタンを含む酸化インジウム、酸化チ
タンを含む酸化インジウム錫、酸化インジウム錫、酸化インジウム亜鉛、酸化ケイ素を添
加した酸化インジウム錫などの透光性を有する透光性の導電性材料を用いることができる

【0256】
また、画素電極層4030、対向電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマー
ともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形
成した画素電極は、シート抵抗が10000Ω/□以下、波長550nmにおける透光率
が70%以上であることが好ましい。シート抵抗は、より低いことが好ましい。また、導
電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい

【0257】
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例え
ば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンま
たはその誘導体、若しくはこれらの2種以上の共重合体などがあげられる。
【0258】
また別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004または画素部4
002に与えられる各種信号及び電位は、FPC4018から供給されている。
【0259】
接続端子電極4015が、液晶素子4013が有する画素電極層4030と同じ導電膜か
ら形成され、端子電極4016は、薄膜トランジスタ4011のソース電極層及びドレイ
ン電極層と同じ導電膜で形成されている。
【0260】
接続端子電極4015は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介し
て電気的に接続されている。
【0261】
また図16においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実
装している例を示しているがこの構成に限定されない。信号線駆動回路の一部または走査
線駆動回路の一部のみを別途形成して実装しても良い。
【0262】
図17は、本明細書に開示する作製方法により作製されるTFT基板2600を用いて半
導体装置として液晶表示モジュールを構成する一例を示している。
【0263】
図17は液晶表示モジュールの一例であり、TFT基板2600と対向基板2601がシ
ール材2602により固着され、その間にTFT等を含む画素部2603、液晶層を含む
表示素子2604、着色層2605が設けられ表示領域を形成している。着色層2605
はカラー表示を行う場合に必要であり、RGB方式の場合は、赤、緑、青の各色に対応し
た着色層が各画素に対応して設けられている。TFT基板2600と対向基板2601の
外側には偏光板2606、偏光板2607、拡散板2613が配設されている。光源は冷
陰極管2610と反射板2611により構成され、回路基板2612は、フレキシブル配
線基板2609によりTFT基板2600の配線回路部2608と接続され、コントロー
ル回路や電源回路などの外部回路が組みこまれている。また偏光板と、液晶層との間に位
相差板を有した状態で積層してもよい。
【0264】
液晶表示モジュールには、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(I
n−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field S
witching)モード、MVA(Multi−domain Vertical A
lignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alig
nment)モード、ASM(Axially Symmetric aligned
Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated
Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liq
uid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric L
iquid Crystal)モードなどを用いることができる。
【0265】
以上の工程により、半導体装置として信頼性の高い液晶表示パネルを作製することができ
る。
【0266】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0267】
(実施の形態8)
半導体装置の一形態として電子ペーパーの例を示す。
【0268】
スイッチング素子と電気的に接続する素子を利用して電子インクを駆動させる電子ペーパ
ーに用いてもよい。電子ペーパーは、電気泳動表示装置(電気泳動ディスプレイ)とも呼
ばれており、紙と同じ読みやすさ、他の表示装置に比べ低消費電力、薄くて軽い形状とす
ることが可能という利点を有している。
【0269】
電気泳動ディスプレイは、様々な形態が考えられ得るが、プラスの電荷を有する第1の粒
子と、マイナスの電荷を有する第2の粒子とを含むマイクロカプセルが溶媒または溶質に
複数分散されたものであり、マイクロカプセルに電界を印加することによって、マイクロ
カプセル中の粒子を互いに反対方向に移動させて一方側に集合した粒子の色のみを表示す
るものである。なお、第1の粒子または第2の粒子は染料を含み、電界がない場合におい
て移動しないものである。また、第1の粒子の色と第2の粒子の色は異なるもの(無色を
含む)とする。
【0270】
このように、電気泳動ディスプレイは、誘電定数の高い物質が高い電界領域に移動する、
いわゆる誘電泳動的効果を利用したディスプレイである。なお、電気泳動ディスプレイは
、液晶表示装置には必要な偏光板は必要ない。
【0271】
上記マイクロカプセルを溶媒中に分散させたものが電子インクと呼ばれるものであり、こ
の電子インクはガラス、プラスチック、布、紙などの表面に印刷することができる。また
、カラーフィルタや色素を有する粒子を用いることによってカラー表示も可能である。
【0272】
また、アクティブマトリクス基板上に適宜、二つの電極の間に挟まれるように上記マイク
ロカプセルを複数配置すればアクティブマトリクス型の表示装置が完成し、マイクロカプ
セルに電界を印加すれば表示を行うことができる。例えば、実施の形態1乃至5の薄膜ト
ランジスタによって得られるアクティブマトリクス基板を用いることができる。
【0273】
なお、マイクロカプセル中の第1の粒子および第2の粒子は、導電体材料、絶縁体材料、
半導体材料、磁性材料、液晶材料、強誘電性材料、エレクトロルミネセント材料、エレク
トロクロミック材料、磁気泳動材料から選ばれた一種の材料、またはこれらの複合材料を
用いればよい。
【0274】
図18は、半導体装置の例としてアクティブマトリクス型の電子ペーパーを示す。半導体
装置に用いられる薄膜トランジスタ581としては、実施の形態1で示す薄膜トランジス
タと同様に作製でき、酸化物半導体層を含む信頼性の高い薄膜トランジスタである。また
、実施の形態2乃至5で示す薄膜トランジスタも本実施の薄膜トランジスタ581として
適用することもできる。
【0275】
図18の電子ペーパーは、ツイストボール表示方式を用いた表示装置の例である。ツイス
トボール表示方式とは、白と黒に塗り分けられた球形粒子を表示素子に用いる電極層であ
る第1の電極層及び第2の電極層の間に配置し、第1の電極層及び第2の電極層に電位差
を生じさせての球形粒子の向きを制御することにより、表示を行う方法である。
【0276】
基板580上に形成された薄膜トランジスタ581はボトムゲート構造の薄膜トランジス
タであり、酸化物半導体層と接する絶縁層583に覆われている。薄膜トランジスタ58
1のソース電極層又はドレイン電極層によって第1の電極層587と、絶縁層583、絶
縁層584、絶縁層585に形成する開口で接しており電気的に接続している。第1の電
極層587と基板596上に形成された第2の電極層588との間には、黒色領域590
a及び白色領域590bを有し、周りに液体で満たされているキャビティ594を含む球
形粒子589が設けられており、球形粒子589の周囲は樹脂等の充填材595で充填さ
れている。第1の電極層587が画素電極に相当し、第2の電極層588が共通電極に相
当する。第2の電極層588は、薄膜トランジスタ581と同一基板上に設けられる共通
電位線と電気的に接続される。共通接続部を用いて、一対の基板間に配置される導電性粒
子を介して第2の電極層588と共通電位線とを電気的に接続することができる。
【0277】
また、ツイストボールを用いた素子の代わりに、電気泳動素子を用いることも可能である
。透明な液体と、正に帯電した白い微粒子と負に帯電した黒い微粒子とを封入した直径1
0μm〜200μm程度のマイクロカプセルを用いる。第1の電極層と第2の電極層との
間に設けられるマイクロカプセルは、第1の電極層と第2の電極層によって、電場が与え
られると、白い微粒子と、黒い微粒子が逆の方向に移動し、白または黒を表示することが
できる。この原理を応用した表示素子が電気泳動表示素子であり、電気泳動表示素子を用
いたデバイスは一般的に電子ペーパーとよばれている。電気泳動表示素子は、液晶表示素
子に比べて反射率が高いため、補助ライトは不要であり、また消費電力が小さく、薄暗い
場所でも表示部を認識することが可能である。また、表示部に電源が供給されない場合で
あっても、一度表示した像を保持することが可能であるため、電源から表示機能付き半導
体装置(単に表示装置、又は表示装置を具備する半導体装置ともいう)を切断した場合で
あっても、表示された像を保存しておくことが可能となる。
【0278】
以上の工程により、半導体装置として信頼性の高い電子ペーパーを作製することができる

【0279】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0280】
(実施の形態9)
半導体装置として発光表示装置の例を示す。表示装置の有する表示素子としては、ここで
はエレクトロルミネッセンスを利用する発光素子を用いて示す。エレクトロルミネッセン
スを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって
区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
【0281】
有機EL素子は、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔
がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャ
リア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成
し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このよう
な発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
【0282】
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分
類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有
するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−ア
クセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、
さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利
用する局在型発光である。なお、ここでは、発光素子として有機EL素子を用いて説明す
る。
【0283】
図19は、半導体装置の例としてデジタル時間階調駆動を適用可能な画素構成の一例を示
す図である。
【0284】
デジタル時間階調駆動を適用可能な画素の構成及び画素の動作について説明する。ここで
は酸化物半導体層をチャネル形成領域に用いるnチャネル型のトランジスタを1つの画素
に2つ用いる例を示す。
【0285】
画素6400は、スイッチング用トランジスタ6401、発光素子駆動用トランジスタ6
402、発光素子6404及び容量素子6403を有している。スイッチング用トランジ
スタ6401はゲートが走査線6406に接続され、第1電極(ソース電極及びドレイン
電極の一方)が信号線6405に接続され、第2電極(ソース電極及びドレイン電極の他
方)が発光素子駆動用トランジスタ6402のゲートに接続されている。発光素子駆動用
トランジスタ6402は、ゲートが容量素子6403を介して電源線6407に接続され
、第1電極が電源線6407に接続され、第2電極が発光素子6404の第1電極(画素
電極)に接続されている。発光素子6404の第2電極は共通電極6408に相当する。
共通電極6408は、同一基板上に形成される共通電位線と電気的に接続される。
【0286】
なお、発光素子6404の第2電極(共通電極6408)には低電源電位が設定されてい
る。なお、低電源電位とは、電源線6407に設定される高電源電位を基準にして低電源
電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設
定されていても良い。この高電源電位と低電源電位との電位差を発光素子6404に印加
して、発光素子6404に電流を流して発光素子6404を発光させるため、高電源電位
と低電源電位との電位差が発光素子6404の順方向しきい値電圧以上となるようにそれ
ぞれの電位を設定する。
【0287】
なお、容量素子6403は発光素子駆動用トランジスタ6402のゲート容量を代用して
省略することも可能である。発光素子駆動用トランジスタ6402のゲート容量について
は、チャネル領域とゲート電極との間で容量が形成されていてもよい。
【0288】
ここで、電圧入力電圧駆動方式の場合には、発光素子駆動用トランジスタ6402のゲー
トには、発光素子駆動用トランジスタ6402が十分にオンするか、オフするかの二つの
状態となるようなビデオ信号を入力する。つまり、発光素子駆動用トランジスタ6402
は線形領域で動作させる。発光素子駆動用トランジスタ6402は線形領域で動作させる
ため、電源線6407の電圧よりも高い電圧を発光素子駆動用トランジスタ6402のゲ
ートにかける。なお、信号線6405には、(電源線電圧+発光素子駆動用トランジスタ
6402のVth)以上の電圧をかける。
【0289】
また、デジタル時間階調駆動に代えて、アナログ階調駆動を行う場合、信号の入力を異な
らせることで、図19と同じ画素構成を用いることができる。
【0290】
アナログ階調駆動を行う場合、発光素子駆動用トランジスタ6402のゲートに発光素子
6404の順方向電圧+発光素子駆動用トランジスタ6402のVth以上の電圧をかけ
る。発光素子6404の順方向電圧とは、所望の輝度とする場合の電圧を指しており、少
なくとも順方向しきい値電圧よりも大きい。なお、発光素子駆動用トランジスタ6402
が飽和領域で動作するようなビデオ信号を入力することで、発光素子6404に電流を流
すことができる。発光素子駆動用トランジスタ6402を飽和領域で動作させるため、電
源線6407の電位は、発光素子駆動用トランジスタ6402のゲート電位よりも高くす
る。ビデオ信号をアナログとすることで、発光素子6404にビデオ信号に応じた電流を
流し、アナログ階調駆動を行うことができる。
【0291】
なお、図19に示す画素構成は、これに限定されない。例えば、図19に示す画素に新た
にスイッチ、抵抗素子、容量素子、トランジスタ又は論理回路などを追加してもよい。
【0292】
次に、発光素子の構成について、図20を用いて説明する。ここでは、発光素子駆動用T
FTがn型の場合を例に挙げて、画素の断面構造について説明する。図20(A)(B)
(C)の半導体装置に用いられる発光素子駆動用TFTであるTFT7001、7011
、7021は、実施の形態1で示す画素に配置される薄膜トランジスタと同様に作製でき
、酸化物半導体層を含む信頼性の高い薄膜トランジスタである。また、実施の形態2乃至
5で示す画素に配置される薄膜トランジスタをTFT7001、7011、7021とし
て適用することもできる。
【0293】
発光素子は発光を取り出すために少なくとも陽極又は陰極の一方が透明であればよい。そ
して、基板上に薄膜トランジスタ及び発光素子を形成し、基板とは逆側の面から発光を取
り出す上面射出や、基板側の面から発光を取り出す下面射出や、基板側及び基板とは反対
側の面から発光を取り出す両面射出構造の発光素子があり、画素構成はどの射出構造の発
光素子にも適用することができる。
【0294】
上面射出構造の発光素子について図20(A)を用いて説明する。
【0295】
図20(A)に、発光素子駆動用TFTであるTFT7001がn型で、発光素子700
2から発せられる光が陽極7005側に抜ける場合の、画素の断面図を示す。図20(A
)では、発光素子7002の陰極7003と発光素子駆動用TFTであるTFT7001
が電気的に接続されており、陰極7003上に発光層7004、陽極7005が順に積層
されている。陰極7003は仕事関数が小さく、なおかつ光を反射する導電膜であれば様
々の材料を用いることができる。例えば、Ca、Al、MgAg、AlLi等が望ましい
。そして発光層7004は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように
構成されていてもどちらでも良い。複数の層で構成されている場合、陰極7003上に電
子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層の順に積層する。なおこれ
らの層を全て設ける必要はない。陽極7005は透光性を有する導電性材料を用いて形成
し、例えば酸化タングステンを含む酸化インジウム、酸化タングステンを含む酸化インジ
ウム亜鉛、酸化チタンを含む酸化インジウム、酸化チタンを含む酸化インジウム錫、酸化
インジウム錫、酸化インジウム亜鉛、酸化ケイ素を添加した酸化インジウム錫などの透光
性を有する導電膜を用いても良い。
【0296】
また、陰極7003と隣り合う画素の陰極7008の間に、それぞれの端部を覆って隔壁
7009を設ける。隔壁7009は、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアミド、エポキシ
樹脂等の有機樹脂膜、無機絶縁膜またはポリシロキサンを用いて形成する。隔壁7009
は、特に感光性の樹脂材料を用い、隔壁7009の側面が連続した曲率を持って形成され
る傾斜面となるように形成することが好ましい。隔壁7009として感光性の樹脂材料を
用いる場合、レジストマスクを形成する工程を省略することができる。
【0297】
陰極7003及び陽極7005で発光層7004を挟んでいる領域が発光素子7002に
相当する。図20(A)に示した画素の場合、発光素子7002から発せられる光は、矢
印で示すように陽極7005側に射出する。
【0298】
次に、下面射出構造の発光素子について図20(B)を用いて説明する。発光素子駆動用
TFT7011がn型で、発光素子7012から発せられる光が陰極7013側に射出す
る場合の、画素の断面図を示す。図20(B)では、発光素子駆動用TFT7011と電
気的に接続された透光性を有する導電膜7017上に、発光素子7012の陰極7013
が成膜されており、陰極7013上に発光層7014、陽極7015が順に積層されてい
る。なお、陽極7015が透光性を有する場合、陽極上を覆うように、光を反射または遮
蔽するための遮蔽膜7016が成膜されていてもよい。陰極7013は、図20(A)の
場合と同様に、仕事関数が小さい導電性材料であれば様々な材料を用いることができる。
ただしその膜厚は、光を透過する程度(好ましくは、5nm〜30nm程度)とする。例
えば20nmの膜厚を有するアルミニウム膜を、陰極7013として用いることができる
。そして発光層7014は、図20(A)と同様に、単数の層で構成されていても、複数
の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。陽極7015は光を透過する
必要はないが、図20(A)と同様に、透光性を有する導電性材料を用いて形成すること
ができる。そして遮蔽膜7016は、例えば光を反射する金属等を用いることができるが
、金属膜に限定されない。例えば黒の顔料を添加した樹脂等を用いることもできる。
【0299】
また、導電膜7017と隣り合う画素の導電膜7018の間に、それぞれの端部を覆って
隔壁7019を設ける。隔壁7019は、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアミド、エポ
キシ樹脂等の有機樹脂膜、無機絶縁膜またはポリシロキサンを用いて形成する。隔壁70
19は、特に感光性の樹脂材料を用い、隔壁7019の側面が連続した曲率を持って形成
される傾斜面となるように形成することが好ましい。隔壁7019として感光性の樹脂材
料を用いる場合、レジストマスクを形成する工程を省略することができる。
【0300】
陰極7013及び陽極7015で、発光層7014を挟んでいる領域が発光素子7012
に相当する。図20(B)に示した画素の場合、発光素子7012から発せられる光は、
矢印で示すように陰極7013側に射出する。
【0301】
次に、両面射出構造の発光素子について、図20(C)を用いて説明する。図20(C)
では、発光素子駆動用TFT7021と電気的に接続された透光性を有する導電膜702
7上に、発光素子7022の陰極7023が成膜されており、陰極7023上に発光層7
024、陽極7025が順に積層されている。陰極7023は、図20(A)の場合と同
様に、仕事関数が小さい導電性材料であれば様々な材料を用いることができる。ただしそ
の膜厚は、光を透過する程度とする。例えば20nmの膜厚を有するAlを、陰極702
3として用いることができる。そして発光層7024は、図20(A)と同様に、単数の
層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。
陽極7025は、図20(A)と同様に、透光性を有する導電性材料を用いて形成するこ
とができる。
【0302】
また、導電膜7027と隣り合う画素の導電膜7028の間に、それぞれの端部を覆って
隔壁7029を設ける。隔壁7029は、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアミド、エポ
キシ樹脂等の有機樹脂膜、無機絶縁膜またはポリシロキサンを用いて形成する。隔壁70
29は、特に感光性の樹脂材料を用い、隔壁7029の側面が連続した曲率を持って形成
される傾斜面となるように形成することが好ましい。隔壁7029として感光性の樹脂材
料を用いる場合、レジストマスクを形成する工程を省略することができる。
【0303】
陰極7023と、発光層7024と、陽極7025とが重なっている部分が発光素子70
22に相当する。図20(C)に示した画素の場合、発光素子7022から発せられる光
は、矢印で示すように陽極7025側と陰極7023側の両方に射出する。
【0304】
なお、ここでは、発光素子として有機EL素子について述べたが、発光素子として無機E
L素子を設けることも可能である。
【0305】
なお、発光素子の駆動を制御する薄膜トランジスタ(発光素子駆動用TFT)と発光素子
が電気的に接続されている例を示したが、発光素子駆動用TFTと発光素子との間に電流
制御用TFTが接続されている構成であってもよい。
【0306】
なお半導体装置は、図20に示した構成に限定されるものではなく、本明細書に開示する
技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0307】
次に、半導体装置の一形態に相当する発光表示パネル(発光パネルともいう)の外観及び
断面について、図21を用いて説明する。図21は、第1の基板上に形成された薄膜トラ
ンジスタ及び発光素子を、第2の基板との間にシール材によって封止した、パネルの平面
図であり、図21(B)は、図21(A)のH−Iにおける断面図に相当する。
【0308】
第1の基板4501上に設けられた画素部4502、信号線駆動回路4503a、450
3b、及び走査線駆動回路4504a、4504bを囲むようにして、シール材4505
が設けられている。また画素部4502、信号線駆動回路4503a、4503b、及び
走査線駆動回路4504a、4504bの上に第2の基板4506が設けられている。よ
って画素部4502、信号線駆動回路4503a、4503b、及び走査線駆動回路45
04a、4504bは、第1の基板4501とシール材4505と第2の基板4506と
によって、充填材4507と共に密封されている。このように外気に曝されないように気
密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィル
ム等)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
【0309】
また第1の基板4501上に設けられた画素部4502、信号線駆動回路4503a、4
503b、及び走査線駆動回路4504a、4504bは、薄膜トランジスタを複数有し
ており、図21(B)では、画素部4502に含まれる薄膜トランジスタ4510と、信
号線駆動回路4503aに含まれる薄膜トランジスタ4509とを例示している。
【0310】
薄膜トランジスタ4509、4510は、実施の形態1乃至5で示した酸化物半導体層を
含む信頼性の高い薄膜トランジスタを適用することができる。駆動回路に配置される薄膜
トランジスタ4509としては、実施の形態1乃至5で示した薄膜トランジスタ210、
240、470、471、画素に配置される薄膜トランジスタ4510としては、薄膜ト
ランジスタ220、460、461を用いることができる。本実施の形態において、薄膜
トランジスタ4509、4510はnチャネル型薄膜トランジスタである。
【0311】
絶縁層4544上において駆動回路用の薄膜トランジスタ4509の酸化物半導体層のチ
ャネル形成領域と重なる位置に導電層4540が設けられている。導電層4540を酸化
物半導体層のチャネル形成領域と重なる位置に設けることによって、BT試験前後におけ
る薄膜トランジスタ4509のしきい値電圧の変化量を低減することができる。また、導
電層4540は、電位が薄膜トランジスタ4509のゲート電極層と同じでもよいし、異
なっていても良く、第2のゲート電極層として機能させることもできる。また、導電層4
540の電位がGND、0V、或いはフローティング状態であってもよい。
【0312】
また、薄膜トランジスタ4509、4510上には保護絶縁層4543が形成されている
。保護絶縁層4543は実施の形態1で示した保護絶縁層408と同様な材料及び方法で
形成することができるが、ここでは、保護絶縁層4543として、PCVD法により窒化
珪素膜を形成する。
【0313】
また、平坦化絶縁膜として絶縁層4544を形成する。絶縁層4544としては、実施の
形態1で示した平坦化絶縁層409と同様な材料及び方法で形成すればよい。ここでは、
絶縁層4544としてアクリル樹脂を用いる。
【0314】
また4511は発光素子に相当し、発光素子4511が有する画素電極である第1の電極
層4517は、薄膜トランジスタ4510のソース電極層またはドレイン電極層と電気的
に接続されている。なお発光素子4511の構成は、第1の電極層4517、電界発光層
4512、第2の電極層4513の積層構造であるが、示した構成に限定されない。発光
素子4511から取り出す光の方向などに合わせて、発光素子4511の構成は適宜変え
ることができる。
【0315】
隔壁4520は、有機樹脂膜、無機絶縁膜またはポリシロキサンを用いて形成する。特に
感光性の材料を用い、第1の電極層4517上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連
続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
【0316】
電界発光層4512は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成
されていてもどちらでも良い。
【0317】
発光素子4511に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極層
4513及び隔壁4520上に保護膜を形成してもよい。保護膜としては、窒化珪素膜、
窒化酸化珪素膜、DLC膜等を形成することができる。
【0318】
また、信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、走査線駆動回路4504
a、走査線駆動回路4504b、または画素部4502に与えられる各種信号及び電位は
、FPC4518a、FPC4518bから供給されている。
【0319】
接続端子電極4515が、発光素子4511が有する第1の電極層4517と同じ導電膜
から形成され、端子電極4516は、薄膜トランジスタ4509が有するソース電極層及
びドレイン電極層と同じ導電膜から形成されている。
【0320】
接続端子電極4515は、FPC4518aが有する端子と、異方性導電膜4519を介
して電気的に接続されている。
【0321】
発光素子4511からの光の取り出し方向に位置する第2の基板は透光性でなければなら
ない。その場合には、ガラス板、プラスチック板、ポリエステルフィルムまたはアクリル
フィルムのような透光性を有する材料を用いる。
【0322】
また、充填材4507としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹
脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル樹
脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)または
EVA(エチレンとビニルアセテートの共重合体)を用いることができる。例えば充填材
として窒素を用いればよい。
【0323】
また、必要であれば、発光素子の射出面に偏光板、又は円偏光板(楕円偏光板を含む)、
位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよ
い。また、偏光板又は円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により
反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
【0324】
また、信号線駆動回路のみ、或いは一部、又は走査線駆動回路のみ、或いは一部のみを別
途形成して実装しても良く、図21の構成に限定されない。
【0325】
以上の工程により、半導体装置として信頼性の高い発光表示装置(表示パネル)を作製す
ることができる。
【0326】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0327】
(実施の形態10)
本明細書に開示する半導体装置は、電子ペーパーとして適用することができる。電子ペー
パーは、情報を表示するものであればあらゆる分野の電子機器に用いることが可能である
。例えば、電子ペーパーを用いて、電子書籍(電子ブック)、ポスター、電車などの乗り
物の車内広告、クレジットカード等の各種カードにおける表示等に適用することができる
。電子機器の一例を図22に示す。
【0328】
図22は、電子書籍2700を示している。例えば、電子書籍2700は、筐体2701
および筐体2703の2つの筐体で構成されている。筐体2701および筐体2703は
、軸部2711により一体とされており、該軸部2711を軸として開閉動作を行うこと
ができる。このような構成により、紙の書籍のような動作を行うことが可能となる。
【0329】
筐体2701には表示部2705が組み込まれ、筐体2703には表示部2707が組み
込まれている。表示部2705および表示部2707は、続き画面を表示する構成として
もよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とするこ
とで、例えば右側の表示部(図22では表示部2705)に文章を表示し、左側の表示部
(図22では表示部2707)に画像を表示することができる。
【0330】
また、図22では、筐体2701に操作部などを備えた例を示している。例えば、筐体2
701において、電源2721、操作キー2723、スピーカ2725などを備えている
。操作キー2723により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキー
ボードやポインティングデバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側
面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、またはACアダプタおよびUSBケ
ーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成と
してもよい。さらに、電子書籍2700は、電子辞書としての機能を持たせた構成として
もよい。
【0331】
また、電子書籍2700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、
電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とすること
も可能である。
【0332】
(実施の形態11)
本明細書に開示する半導体装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用すること
ができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン
受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメ
ラなどのカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともい
う)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機な
どが挙げられる。
【0333】
図23(A)は、テレビジョン装置9600を示している。テレビジョン装置9600は
、筐体9601に表示部9603が組み込まれている。表示部9603により、映像を表
示することが可能である。また、ここでは、スタンド9605により筐体9601を支持
した構成を示している。
【0334】
テレビジョン装置9600の操作は、筐体9601が備える操作スイッチや、別体のリモ
コン操作機9610により行うことができる。リモコン操作機9610が備える操作キー
9609により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9603に表示され
る映像を操作することができる。また、リモコン操作機9610に、当該リモコン操作機
9610から出力する情報を表示する表示部9607を設ける構成としてもよい。
【0335】
なお、テレビジョン装置9600は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機に
より一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線に
よる通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向
(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0336】
図23(B)は、デジタルフォトフレーム9700を示している。例えば、デジタルフォ
トフレーム9700は、筐体9701に表示部9703が組み込まれている。表示部97
03は、各種画像を表示することが可能であり、例えばデジタルカメラなどで撮影した画
像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0337】
なお、デジタルフォトフレーム9700は、操作部、外部接続用端子(USB端子、US
Bケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構
成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に
備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレーム9700
の記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して
画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示部9703に表示させることができ
る。
【0338】
また、デジタルフォトフレーム9700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい
。無線により、所望の画像データを取り込み、表示させる構成とすることもできる。
【0339】
図24(A)は携帯型遊技機であり、筐体9881と筐体9891の2つの筐体で構成さ
れており、連結部9893により、開閉可能に連結されている。筐体9881には表示部
9882が組み込まれ、筐体9891には表示部9883が組み込まれている。また、図
24(A)に示す携帯型遊技機は、その他、スピーカ部9884、記録媒体挿入部988
6、LEDランプ9890、入力手段(操作キー9885、接続端子9887、センサ9
888(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、
化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振
動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9889)等を備え
ている。もちろん、携帯型遊技機の構成は上述のものに限定されず、少なくとも本明細書
に開示する半導体装置を備えた構成であればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成
とすることができる。図24(A)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプ
ログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能や、他の携帯型遊技機と無線通信
を行って情報を共有する機能を有する。なお、図24(A)に示す携帯型遊技機が有する
機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0340】
図24(B)は大型遊技機であるスロットマシン9900を示している。スロットマシン
9900は、筐体9901に表示部9903が組み込まれている。また、スロットマシン
9900は、その他、スタートレバーやストップスイッチなどの操作手段、コイン投入口
、スピーカなどを備えている。もちろん、スロットマシン9900の構成は上述のものに
限定されず、少なくとも本明細書に開示する半導体装置を備えた構成であればよく、その
他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる。
【0341】
図25(A)は携帯型のコンピュータを示す斜視図である。
【0342】
図25(A)の携帯型のコンピュータは、上部筐体9301と下部筐体9302とを接続
するヒンジユニットを閉状態として表示部9303を有する上部筐体9301と、キーボ
ード9304を有する下部筐体9302とを重ねた状態とすることができ、持ち運ぶこと
が便利であるとともに、使用者がキーボード入力する場合には、ヒンジユニットを開状態
として、表示部9303を見て入力操作を行うことができる。
【0343】
また、下部筐体9302はキーボード9304の他に入力操作を行うポインティングデバ
イス9306を有する。また、表示部9303をタッチパネルとすれば、表示部の一部に
触れることで入力操作を行うこともできる。また、下部筐体9302はCPUやハードデ
ィスク等の演算機能部を有している。また、下部筐体9302は他の機器、例えばUSB
の通信規格に準拠した通信ケーブルが差し込まれる外部接続ポート9305を有している

【0344】
上部筐体9301には更に上部筐体9301内部にスライドさせて収納可能な表示部93
07を有しており、広い表示画面を実現することができる。また、収納可能な表示部93
07の画面の向きを使用者は調節できる。また、収納可能な表示部9307をタッチ入力
パネルとすれば、収納可能な表示部の一部に触れることで入力操作を行うこともできる。
【0345】
表示部9303または収納可能な表示部9307は、液晶表示パネル、有機発光素子また
は無機発光素子などの発光表示パネルなどの映像表示装置を用いる。
【0346】
また、図25(A)の携帯型のコンピュータは、受信機などを備えた構成として、テレビ
放送を受信して映像を表示部または表示部に表示することができる。また、上部筐体93
01と下部筐体9302とを接続するヒンジユニットを閉状態としたまま、表示部930
7をスライドさせて画面全面を露出させ、画面角度を調節して使用者がテレビ放送を見る
こともできる。この場合には、ヒンジユニットを開状態として表示部9303を表示させ
ず、さらにテレビ放送を表示するだけの回路の起動のみを行うため、最小限の消費電力と
することができ、バッテリー容量の限られている携帯型のコンピュータにおいて有用であ
る。
【0347】
また、図25(B)は、腕時計のように使用者の腕に装着可能な形態を有している携帯電
話の一例を示す斜視図である。
【0348】
この携帯電話は、少なくとも電話機能を有する通信装置及びバッテリーを有する本体、本
体を腕に装着するためのバンド部9204、腕に対するバンド部9204の固定状態を調
節する調節部9205、表示部9201、スピーカ9207、及びマイク9208から構
成されている。
【0349】
また、本体は、操作スイッチ9203を有し、電源入力スイッチや、表示切り替えスイッ
チや、撮像開始指示スイッチの他、例えばボタンを押すとインタ−ネット用のプログラム
が起動されるなど、各ファンクションを対応づけることができる。
【0350】
この携帯電話の入力操作は、表示部9201に指や入力ペンなどで触れること、又は操作
スイッチ9203の操作、またはマイク9208への音声入力により行われる。なお、図
25(B)では、表示部9201に表示された表示ボタン9202を図示しており、指な
どで触れることにより入力を行うことができる。
【0351】
また、本体は、撮影レンズを通して結像される被写体像を電子画像信号に変換する撮像手
段を有するカメラ部9206を有する。なお、特にカメラ部は設けなくともよい。
【0352】
また、図25(B)に示す携帯電話は、テレビ放送の受信機などを備えた構成として、テ
レビ放送を受信して映像を表示部9201に表示することができ、さらにメモリーなどの
記憶装置などを備えた構成として、テレビ放送をメモリーに録画できる。また、図25(
B)に示す携帯電話は、GPSなどの位置情報を収集できる機能を有していてもよい。
【0353】
表示部9201は、液晶表示パネル、有機発光素子または無機発光素子などの発光表示パ
ネルなどの映像表示装置を用いる。図25(B)に示す携帯電話は、小型、且つ、軽量で
あるため、バッテリー容量が限られており、表示部9201に用いる表示装置は低消費電
力で駆動できるパネルを用いることが好ましい。
【0354】
なお、図25(B)では”腕”に装着するタイプの電子機器を図示したが、特に限定され
ず、携行できる形状を有しているものであればよい。
【0355】
(実施の形態12)
本実施の形態では、半導体装置の一形態として、実施の形態1乃至5で示す薄膜トランジ
スタを有する表示装置の例を図26乃至図39を用いて説明する。本実施の形態は、表示
素子として液晶素子を用いた液晶表示装置の例を図26乃至図39を用いて説明する。図
26乃至図39の液晶表示装置に用いられるTFT628、629は、実施の形態1乃至
5で示す薄膜トランジスタを適用することができ、実施の形態1乃至5で示す工程で同様
に作製できる電気特性及び信頼性の高い薄膜トランジスタである。
【0356】
はじめにVA(Vertical Alignment)型の液晶表示装置について示す
。VA型の液晶表示装置とは、液晶表示パネルの液晶分子の配列を制御する方式の一種で
ある。VA型とは、電圧が印加されていないときにパネル面に対して液晶分子が垂直方向
を向く方式である。本実施の形態では、特に画素(ピクセル)をいくつかの領域(サブピ
クセル)に分け、それぞれ別の方向に液晶分子を倒すよう工夫されている。これをマルチ
ドメイン化あるいはマルチドメイン設計という。以下の説明では、マルチドメイン設計が
考慮された液晶表示装置について説明する。
【0357】
図27及び図28は、それぞれ画素電極及び対向電極を示している。なお、図27は画素
電極が形成される基板側の平面図であり、図中に示す切断線E−Fに対応する断面構造を
図26に表している。また、図28は対向電極が形成される基板側の平面図である。以下
の説明ではこれらの図を参照して説明する。
【0358】
図26は、TFT628とそれに接続する画素電極層624、及び保持容量部630が形
成された基板600と、対向電極層640等が形成される対向基板601とが重ね合わせ
られ、液晶が注入された状態を示している。
【0359】
対向基板601には、着色膜636、対向電極層640が形成され、対向電極層640上
に突起644が形成されている。画素電極層624上には配向膜648が形成され、同様
に対向電極層640及び突起644上にも配向膜646が形成されている。基板600と
対向基板601の間に液晶層650が形成されている。
【0360】
基板600上には、TFT628とそれに接続する画素電極層624、及び保持容量部6
30が形成される。画素電極層624は、TFT628、配線616、及び保持容量部6
30を覆う絶縁膜620及び絶縁膜621、絶縁膜620及び絶縁膜621を覆う絶縁膜
622をそれぞれ貫通するコンタクトホール623で、配線618と接続する。TFT6
28は実施の形態1乃至5で示す薄膜トランジスタを適宜用いることができる。また、保
持容量部630は、TFT628のゲート配線602と同時に形成した第1の容量配線6
04と、第1のゲート絶縁膜606a、第2のゲート絶縁膜606bと、配線616、6
18と同時に形成した第2の容量配線617で構成される。
【0361】
画素電極層624と液晶層650と対向電極層640が重なり合うことで、液晶素子が形
成されている。
【0362】
図27に基板600上の平面構造を示す。画素電極層624は実施の形態1で示した材料
を用いて形成する。画素電極層624にはスリット625を設ける。スリット625は液
晶の配向を制御するためのものである。
【0363】
図27に示すTFT629とそれに接続する画素電極層626及び保持容量部631は、
それぞれTFT628、画素電極層624及び保持容量部630と同様に形成することが
できる。TFT628とTFT629は共に配線616と接続している。この液晶表示パ
ネルの画素(ピクセル)は、画素電極層624と画素電極層626により構成されている
。画素電極層624と画素電極層626はサブピクセルである。
【0364】
図28に対向基板側の平面構造を示す。対向電極層640は、画素電極層624と同様の
材料を用いて形成することが好ましい。対向電極層640上には液晶の配向を制御する突
起644が形成されている。なお、図28に基板600上に形成される画素電極層624
及び画素電極層626を破線で示し、対向電極層640と、画素電極層624及び画素電
極層626が重なり合って配置されている様子を示している。
【0365】
この画素構造の等価回路を図29に示す。TFT628とTFT629は、共にゲート配
線602、配線616と接続している。この場合、容量配線604と容量配線605の電
位を異ならせることで、液晶素子651と液晶素子652の動作を異ならせることができ
る。すなわち、容量配線604と容量配線605の電位を個別に制御することにより液晶
の配向を精密に制御して視野角を広げている。
【0366】
スリット625を設けた画素電極層624に電圧を印加すると、スリット625の近傍に
は電界の歪み(斜め電界)が発生する。このスリット625と、対向基板601側の突起
644とを交互に咬み合うように配置することで、斜め電界を効果的に発生させて液晶の
配向を制御することで、液晶が配向する方向を場所によって異ならせている。すなわち、
マルチドメイン化して液晶表示パネルの視野角を広げている。
【0367】
次に、上記とは異なるVA型の液晶表示装置について、図30乃至図33を用いて説明す
る。
【0368】
図30と図31は、VA型液晶表示パネルの画素構造を示している。図31は基板600
の平面図であり、図中に示す切断線Y−Zに対応する断面構造を図30に表している。
【0369】
この画素構造は、一つの画素に複数の画素電極が有り、それぞれの画素電極にTFTが接
続されている。各TFTは、異なるゲート信号で駆動されるように構成されている。すな
わち、マルチドメイン設計された画素において、個々の画素電極に印加する信号を、独立
して制御する構成を有している。
【0370】
画素電極層624は、絶縁膜620、絶縁膜621及び絶縁膜622をそれぞれ貫通する
コンタクトホール623において、配線618でTFT628と接続している。また、画
素電極層626は、絶縁膜620、絶縁膜621及び絶縁膜622をそれぞれ貫通するコ
ンタクトホール627において、配線619でTFT629と接続している。TFT62
8のゲート配線602と、TFT629のゲート配線603には、異なるゲート信号を与
えることができるように分離されている。一方、データ線として機能する配線616は、
TFT628とTFT629で共通に用いられている。TFT628とTFT629は実
施の形態1乃至5で示す薄膜トランジスタを適宜用いることができる。なお、ゲート配線
602、ゲート配線603及び容量配線690上には第1のゲート絶縁膜606a、第2
のゲート絶縁膜606bが形成されている。
【0371】
画素電極層624と画素電極層626の形状は異なっており、V字型に広がる画素電極層
624の外側を囲むように画素電極層626が形成されている。画素電極層624と画素
電極層626に印加する電圧を、TFT628及びTFT629により異ならせることで
、液晶の配向を制御している。この画素構造の等価回路を図33に示す。TFT628は
ゲート配線602と接続し、TFT629はゲート配線603と接続している。また、T
FT628とTFT629は、共に配線616と接続している。ゲート配線602とゲー
ト配線603に異なるゲート信号を与えることで、液晶素子651と液晶素子652の動
作を異ならせることができる。すなわち、TFT628とTFT629の動作を個別に制
御することにより、液晶素子651と液晶素子652の液晶の配向を精密に制御して視野
角を広げることができる。
【0372】
対向基板601には、着色膜636、対向電極層640が形成されている。また、着色膜
636と対向電極層640の間には平坦化膜637が形成され、液晶の配向乱れを防いで
いる。図32に対向基板側の平面構造を示す。対向電極層640は異なる画素間で共通化
されている電極であるが、スリット641が形成されている。このスリット641と、画
素電極層624及び画素電極層626側のスリット625とを交互に咬み合うように配置
することで、斜め電界を効果的に発生させて液晶の配向を制御することができる。これに
より、液晶が配向する方向を場所によって異ならせることができ、視野角を広げている。
なお、図32に基板600上に形成される画素電極層624及び画素電極層626を破線
で示し、対向電極層640と、画素電極層624及び画素電極層626が重なり合って配
置されている様子を示している。
【0373】
画素電極層624及び画素電極層626上には配向膜648が形成され、同様に対向電極
層640上にも配向膜646が形成されている。基板600と対向基板601の間に液晶
層650が形成されている。また、画素電極層624と液晶層650と対向電極層640
が重なり合うことで、第1の液晶素子が形成されている。また、画素電極層626と液晶
層650と対向電極層640が重なり合うことで、第2の液晶素子が形成されている。図
30乃至図33で説明する表示パネルの画素構造は、一画素に第1の液晶素子と第2の液
晶素子が設けられたマルチドメイン構造となっている。
【0374】
次に、横電界方式の液晶表示装置について示す。横電界方式は、セル内の液晶分子に対し
て水平方向に電界を加えることで液晶を駆動して階調表現する方式である。この方式によ
れば、視野角を約180度にまで広げることができる。以下の説明では、横電界方式を採
用する液晶表示装置について説明する。
【0375】
図34は、電極層607、TFT628、TFT628に接続する画素電極層624が形
成された基板600と、対向基板601を重ね合わせ、液晶を注入した状態を示している
。対向基板601には着色膜636、平坦化膜637などが形成されている。なお、対向
基板601側に対向電極は設けられていない。また、基板600と対向基板601の間に
、配向膜646及び配向膜648を介して液晶層650が形成されている。
【0376】
基板600上には、電極層607及び電極層607に接続する容量配線604、並びにT
FT628が形成される。容量配線604はTFT628のゲート配線602と同時に形
成することができる。TFT628としては、実施の形態1乃至5で示した薄膜トランジ
スタを適用することができる。電極層607は、実施の形態1乃至5で示す画素電極層と
同様の材料を用いることができる。また、電極層607は略画素の形状に区画化した形状
で形成する。なお、電極層607及び容量配線604上には第1のゲート絶縁膜606a
、第2のゲート絶縁膜606bが形成される。
【0377】
TFT628の配線616、配線618が、第1のゲート絶縁膜606a、第2のゲート
絶縁膜606b上に形成される。配線616は液晶表示パネルにおいてビデオ信号をのせ
るデータ線であり一方向に伸びる配線であると同時に、TFT628のソース領域又はド
レイン領域と接続し、ソース及びドレインの一方の電極となる。配線618はソース及び
ドレインの他方の電極となり、画素電極層624と接続する配線である。
【0378】
配線616、配線618上に絶縁膜620及び絶縁膜621が形成される。また、絶縁膜
621上には、絶縁膜620、621に形成されるコンタクトホール623を介して、配
線618に接続する画素電極層624が形成される。画素電極層624は実施の形態1乃
至5で示した画素電極と同様の材料を用いて形成する。
【0379】
このようにして、基板600上にTFT628とそれに接続する画素電極層624が形成
される。なお、保持容量は電極層607と画素電極層624の間で形成している。
【0380】
図35は、画素電極の構成を示す平面図である。図35に示す切断線O−Pに対応する断
面構造を図34に表している。画素電極層624にはスリット625が設けられる。スリ
ット625は液晶の配向を制御するためのものである。この場合、電界は電極層607と
画素電極層624の間で発生する。電極層607と画素電極層624の間には第1のゲー
ト絶縁膜606a、第2のゲート絶縁膜606bが形成されているが、第1のゲート絶縁
膜606a、第2のゲート絶縁膜606bの厚さは50〜200nmであり、2〜10μ
mである液晶層の厚さと比較して十分薄いので、実質的に基板600と平行な方向(水平
方向)に電界が発生する。この電界により液晶の配向が制御される。この基板と略平行な
方向の電界を利用して液晶分子を水平に回転させる。この場合、液晶分子はどの状態でも
水平であるため、見る角度によるコントラストなどの影響は少なく、視野角が広がること
となる。また、電極層607と画素電極層624は共に透光性の電極であるので、開口率
を向上させることができる。
【0381】
次に、横電界方式の液晶表示装置の他の一例について示す。
【0382】
図36と図37は、IPS型の液晶表示装置の画素構造を示している。図37は平面図で
あり、図中に示す切断線V−Wに対応する断面構造を図36に表している。以下の説明で
はこの両図を参照して説明する。
【0383】
図36は、TFT628とそれに接続する画素電極層624が形成された基板600と、
対向基板601を重ね合わせ、液晶を注入した状態を示している。対向基板601には着
色膜636、平坦化膜637などが形成されている。なお、対向基板601側に対向電極
は設けられていない。基板600と対向基板601の間に、配向膜646及び配向膜64
8を介して液晶層650が形成されている。
【0384】
基板600上には、共通電位線609、及びTFT628が形成される。共通電位線60
9はTFT628のゲート配線602と同時に形成することができる。TFT628とし
ては、実施の形態1乃至5で示した薄膜トランジスタを適用することができる。
【0385】
TFT628の配線616、配線618が第1のゲート絶縁膜606a、第2のゲート絶
縁膜606b上に形成される。配線616は液晶表示パネルにおいてビデオ信号をのせる
データ線であり一方向に伸びる配線であると同時に、TFT628のソース領域又はドレ
イン領域と接続し、ソース及びドレインの一方の電極となる。配線618はソース及びド
レインの他方の電極となり、画素電極層624と接続する配線である。
【0386】
配線616、配線618上に絶縁膜620及び絶縁膜621が形成される。また、絶縁膜
620、621上には、絶縁膜620、621に形成されるコンタクトホール623を介
して、配線618に接続する画素電極層624が形成される。画素電極層624は、実施
の形態1乃至5で示した画素電極と同様の材料を用いて形成する。なお、図37に示すよ
うに、画素電極層624は、共通電位線609と同時に形成した櫛形の電極と横電界が発
生するように形成される。また、画素電極層624の櫛歯の部分が共通電位線609と同
時に形成した櫛形の電極と交互に咬み合うように形成される。
【0387】
画素電極層624に印加される電位と共通電位線609の電位との間に電界が生じると、
この電界により液晶の配向が制御される。この基板と略平行な方向の電界を利用して液晶
分子を水平に回転させる。この場合、液晶分子はどの状態でも水平であるため、見る角度
によるコントラストなどの影響は少なく、視野角が広がることとなる。
【0388】
このようにして、基板600上にTFT628とそれに接続する画素電極層624が形成
される。保持容量は共通電位線609と容量電極615の間に第1のゲート絶縁膜606
a、第2のゲート絶縁膜606bを設け、それにより形成している。容量電極615と画
素電極層624はコンタクトホール633を介して接続されている。
【0389】
次に、TN型の液晶表示装置の形態について示す。
【0390】
図38と図39は、TN型の液晶表示装置の画素構造を示している。図39は平面図であ
り、図中に示す切断線K−Lに対応する断面構造を図38に表している。以下の説明では
この両図を参照して説明する。
【0391】
画素電極層624は、絶縁膜620、621に形成されるコンタクトホール623及び配
線618を介してTFT628と接続している。データ線として機能する配線616は、
TFT628と接続している。TFT628は実施の形態1乃至5に示すTFTのいずれ
かを適用することができる。
【0392】
画素電極層624は、実施の形態1乃至5で示す画素電極を用いて形成されている。容量
配線604はTFT628のゲート配線602と同時に形成することができる。ゲート配
線602及び容量配線604上には第1のゲート絶縁膜606a、第2のゲート絶縁膜6
06bが形成される。保持容量は、容量配線604と容量電極615の間に第1のゲート
絶縁膜606a、第2のゲート絶縁膜606bを介して形成している。容量電極615と
画素電極層624はコンタクトホール633を介して接続されている。
【0393】
対向基板601には、着色膜636、対向電極層640が形成されている。また、着色膜
636と対向電極層640の間には平坦化膜637が形成され、液晶の配向乱れを防いで
いる。液晶層650は画素電極層624と対向電極層640の間に配向膜648及び配向
膜646を介して形成されている。
【0394】
画素電極層624と液晶層650と対向電極層640が重なり合うことで、液晶素子が形
成されている。
【0395】
また、着色膜636は、基板600側に形成されていても良い。また、基板600の薄膜
トランジスタが形成されている面とは逆の面に偏光板を貼り合わせ、また対向基板601
の対向電極層640が形成されている面とは逆の面に、偏光板を貼り合わせることができ
る。
【0396】
以上の工程により、表示装置として液晶表示装置を作製することができる。本実施の形態
の液晶表示装置は、開口率が高い液晶表示装置である。
【符号の説明】
【0397】
10 パルス出力回路
11 配線
12 配線
13 配線
14 配線
15 配線
21 入力端子
22 入力端子
23 入力端子
24 入力端子
25 入力端子
26 出力端子
27 出力端子
31 トランジスタ
32 トランジスタ
33 トランジスタ
34 トランジスタ
35 トランジスタ
36 トランジスタ
37 トランジスタ
38 トランジスタ
39 トランジスタ
40 トランジスタ
41 トランジスタ
42 トランジスタ
43 トランジスタ
51 電源線
52 電源線
53 電源線
61 期間
62 期間
90 遮光部
101 ゲート電極層
105 導電膜
106 レジストマスク
111 ゲート電極層
200 基板
203 保護絶縁層
204 平坦化絶縁層
210 薄膜トランジスタ
216 酸化物絶縁層
217 導電層
220 薄膜トランジスタ
224 コンタクトホール
227 画素電極層
230 容量配線層
231 容量電極
232 ゲート配線層
233 酸化物半導体層
234 ソース配線
235 端子電極
236 金属配線層
237 金属配線層
238 ゲート配線層
240 薄膜トランジスタ
241 金属配線層
242 金属配線層
250 容量配線層
252 酸化物半導体層
400 基板
401 ゲート電極層
404 金属導電膜
405 導電層
406 導電層
407 酸化物絶縁膜
408 保護絶縁層
409 平坦化絶縁層
410 レジストマスク
411 レジストマスク
412 レジストマスク
413 酸化物半導体膜
415 導電層
430 酸化物半導体層
431 高抵抗ドレイン領域
432 高抵抗ドレイン領域
433 酸化物半導体層
434 チャネル形成領域
438 突出領域
439 突出領域
451 ゲート電極層
452 コンタクトホール
453 酸化物半導体層
454 酸化物半導体層
456 画素電極層
458 酸化物半導体層
459 酸化物半導体層
460 薄膜トランジスタ
461 薄膜トランジスタ
470 薄膜トランジスタ
471 薄膜トランジスタ
580 基板
581 薄膜トランジスタ
583 絶縁層
584 絶縁層
585 絶縁層
587 電極層
588 電極層
589 球形粒子
594 キャビティ
595 充填材
596 基板
600 基板
601 対向基板
602 ゲート配線
603 ゲート配線
604 容量配線
605 容量配線
607 電極層
609 共通電位線
615 容量電極
616 配線
617 容量配線
618 配線
619 配線
620 絶縁膜
621 絶縁膜
622 絶縁膜
623 コンタクトホール
624 画素電極層
625 スリット
626 画素電極層
627 コンタクトホール
628 TFT
629 TFT
630 保持容量部
631 保持容量部
633 コンタクトホール
636 着色膜
637 平坦化膜
640 対向電極層
641 スリット
644 突起
646 配向膜
648 配向膜
650 液晶層
651 液晶素子
652 液晶素子
690 容量配線
900 グレートーンマスク
901 基板
902 遮光部
903 回折格子部
910 ハーフトーンマスク
911 基板
912 遮光部
913 半透光部
2600 TFT基板
2601 対向基板
2602 シール材
2603 画素部
2604 表示素子
2605 着色層
2606 偏光板
2607 偏光板
2608 配線回路部
2609 フレキシブル配線基板
2610 冷陰極管
2611 反射板
2612 回路基板
2613 拡散板
2700 電子書籍
2701 筐体
2703 筐体
2705 表示部
2707 表示部
2711 軸部
2721 電源
2723 操作キー
2725 スピーカ
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 シール材
4006 基板
4008 液晶層
4010 薄膜トランジスタ
4011 薄膜トランジスタ
4013 液晶素子
4015 接続端子電極
4016 端子電極
4018 FPC
4019 異方性導電膜
4020 保護絶縁層
4021 保護絶縁層
4030 画素電極層
4031 対向電極層
4032 絶縁層
4035 スペーサ
4040 導電層
4501 基板
4502 画素部
4505 シール材
4506 基板
4507 充填材
4509 薄膜トランジスタ
4510 薄膜トランジスタ
4511 発光素子
4512 電界発光層
4513 電極層
4515 接続端子電極
4516 端子電極
4517 電極層
4519 異方性導電膜
4520 隔壁
4540 導電層
4543 保護絶縁層
4544 絶縁層
5300 基板
5301 画素部
5302 走査線駆動回路
5303 走査線駆動回路
5304 信号線駆動回路
5305 タイミング制御回路
5601 シフトレジスタ
5602 スイッチング回路
5603 薄膜トランジスタ
5604 配線
5605 配線
6400 画素
6401 スイッチング用トランジスタ
6402 発光素子駆動用トランジスタ
6403 容量素子
6404 発光素子
6405 信号線
6406 走査線
6407 電源線
6408 共通電極
7001 TFT
7002 発光素子
7003 陰極
7004 発光層
7005 陽極
7008 陰極
7009 隔壁
7011 発光素子駆動用TFT
7012 発光素子
7013 陰極
7014 発光層
7015 陽極
7016 遮蔽膜
7017 導電膜
7018 導電膜
7019 隔壁
7021 発光素子駆動用TFT
7022 発光素子
7023 陰極
7024 発光層
7025 陽極
7027 導電膜
7028 導電膜
7029 隔壁
9201 表示部
9202 表示ボタン
9203 操作スイッチ
9204 バンド部
9205 調節部
9206 カメラ部
9207 スピーカ
9208 マイク
9301 上部筐体
9302 下部筐体
9303 表示部
9304 キーボード
9305 外部接続ポート
9306 ポインティングデバイス
9307 表示部
9600 テレビジョン装置
9601 筐体
9603 表示部
9605 スタンド
9607 表示部
9609 操作キー
9610 リモコン操作機
9700 デジタルフォトフレーム
9701 筐体
9703 表示部
9881 筐体
9882 表示部
9883 表示部
9884 スピーカ部
9885 操作キー
9886 記録媒体挿入部
9887 接続端子
9888 センサ
9889 マイクロフォン
9890 LEDランプ
9891 筐体
9893 連結部
9900 スロットマシン
9901 筐体
9903 表示部
202a ゲート絶縁層
202b ゲート絶縁層
401a ゲート絶縁層
401b ゲート絶縁層
402a ゲート絶縁層
402b ゲート絶縁層
405a ソース電極層
405b ドレイン電極層
410a レジストマスク
410b レジストマスク
411a レジストマスク
4503a 信号線駆動回路
4503b 信号線駆動回路
4504a 走査線駆動回路
4504b 走査線駆動回路
4518a FPC
4518b FPC
455a ソース電極層
455b ドレイン電極層
590a 黒色領域
590b 白色領域
606a ゲート絶縁膜
606b ゲート絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、駆動回路と画素部とを有し、
前記駆動回路は、
前記基板上方の第1のゲート電極と、
前記第1のゲート電極上方の第1のゲート絶縁層と、
前記第1のゲート絶縁層上方の第1の酸化物半導体層と、
前記第1の酸化物半導体層上方の第1のソース電極層及び第1のドレイン電極層と、
前記第1のソース電極層及び前記第1のドレイン電極層上方の第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層上方の導電層と、を有し、
前記画素部は、
前記基板上方の第2のゲート電極と、
前記第2のゲート電極上方の第2のゲート絶縁層と、
前記第2のゲート絶縁層上方の第2のソース電極層及び第2のドレイン電極層と、
前記第2のゲート絶縁層上方の第2の酸化物半導体層と、
前記第2の酸化物半導体層上方の第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層上方の画素電極層と、を有し、
前記第2の酸化物半導体層は、前記第2のソース電極層及び前記第2のドレイン電極層と重なり、
前記第2のゲート電極層、前記第2のゲート絶縁層、前記第2のソース電極層、前記第2のドレイン電極層、前記第2の酸化物半導体層、前記第2の絶縁層、及び前記画素電極層は透光性を有し、
前記第1のソース電極層及び前記第1のドレイン電極層は、前記第2のソース電極層及び前記第2のドレイン電極層よりも低抵抗であることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の酸化物半導体層及び前記第2の酸化物半導体層は、インジウム、ガリウム及び亜鉛を有することを特徴とする半導体装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate


【公開番号】特開2013−51423(P2013−51423A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−221050(P2012−221050)
【出願日】平成24年10月3日(2012.10.3)
【分割の表示】特願2010−159906(P2010−159906)の分割
【原出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】