半導体装置
【課題】ブラックマトリックス層を設計値以上に拡張しなくても、位置合わせずれによる光漏れが生じることを抑制できる半導体装置を提供する。
【解決手段】ボトムゲート電極12aとトップゲート電極17aで半導体層14を挟むデュアルゲート型の薄膜トランジスタを有する半導体装置において、前記トップゲート電極は、第1のブラックマトリックス層によって形成され、前記半導体層は、前記トップゲート電極によって覆われている半導体装置である。
【解決手段】ボトムゲート電極12aとトップゲート電極17aで半導体層14を挟むデュアルゲート型の薄膜トランジスタを有する半導体装置において、前記トップゲート電極は、第1のブラックマトリックス層によって形成され、前記半導体層は、前記トップゲート電極によって覆われている半導体装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び液晶表示装置等に関する。なお、本明細書において、半導体装置とは、半導体素子自体または半導体素子を含むものをいい、このような半導体素子として、例えばトランジスタ(薄膜トランジスタなど)が挙げられる。また、液晶表示装置などの表示装置も半導体装置に含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来の液晶表示装置は、薄膜トランジスタが形成される基板(以下、「TFT(thin film transistor)基板」という。)及び対向基板で液晶材料を有する液晶層を挟持した構造によって構成されている。TFT基板の層構造は、例えばガラス基板、下地絶縁膜、ゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体層、ソース電極及びドレイン電極、層間絶縁膜、画素電極並びに配向膜の順に積層されたものである。対向基板の層構造は、ガラス基板、ブラックマトリックス層(有機樹脂または金属)、カラーフィルタ、対向電極及び配向膜の順に積層されたものである。
【0003】
上記の液晶表示装置では、TFT基板上の画素部に設けられた薄膜トランジスタに、バックライトからの光や外部からの光が照射されることを低減するため、対向基板において薄膜トランジスタと重畳する領域にブラックマトリックス層が設けられている。
【0004】
また、従来の液晶表示装置では、TFT基板上の各種金属配線や保持容量などの凹凸が存在する領域の上部の対向基板にも、画質の向上を目的として、ブラックマトリックス層が設けられている領域がある。
【0005】
しかしながら、対向基板にブラックマトリックス層が設けられる場合、TFT基板との位置合わせずれや位置合わせ不良のため、光漏れが生じ、当該光がTFT基板の薄膜トランジスタに照射されるという問題がある。
【0006】
また、TFT基板との位置合わせずれが生じても光漏れが生じないようにするために、ブラックマトリックス層の幅を設計値以上に拡張して対向基板に設けると、画素部の開口率の低下の原因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−268923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一態様は、ブラックマトリックス層を設計値以上に拡張しなくても、位置合わせずれによる光漏れが生じることを抑制できる半導体装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、ボトムゲート電極とトップゲート電極で第1の半導体層を挟むデュアルゲート型の薄膜トランジスタを有する半導体装置において、前記トップゲート電極は、第1のブラックマトリックス層によって形成され、前記第1の半導体層は、前記トップゲート電極と重畳し、前記ボトムゲート電極は前記トップゲート電極と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置である。なお、ボトムゲート電極は、基板と第1の半導体層の間に設けられるゲート電極であり、トップゲート電極は、第1の半導体層に対してボトムゲート電極と反対側に設けられるゲート電極である。
【0010】
また、本発明の一態様において、前記薄膜トランジスタは、前記第1の半導体層の一部を覆うソース電極またはドレイン電極を具備することも可能である。
【0011】
また、本発明の一態様において、前記ボトムゲート電極は、前記第1の半導体層よりも面積が広い導電膜によって形成されることも可能である。
【0012】
また、本発明の一態様において、前記トップゲート電極の周囲を囲むように形成され、且つ前記トップゲート電極と電気的に分離された、前記第1のブラックマトリックス層と同一層である第2のブラックマトリックス層を具備することも可能である。
【0013】
また、本発明の一態様において、第1の容量電極、第1の絶縁膜、及び第2の容量電極を有する第1の容量素子と、前記第2の容量電極、第2の絶縁膜、及び第3の容量電極を有する第2の容量素子とを有し、前記第1の容量素子及び前記第2の容量素子は重畳しており、前記第1の容量電極及び前記第3の容量電極は電気的に接続されており、前記第1の容量電極は、前記ボトムゲート電極と同一層であり、前記第3の容量電極は、前記第1のブラックマトリックス層と同一層である第3のブラックマトリックス層によって形成されているとよい。
【0014】
また、本発明の一態様において、前記第2のブラックマトリックス層は、前記第3の容量電極の周囲を囲むように形成され、且つ前記第3の容量電極と電気的に分離されていてもよい。
【0015】
また、本発明の一態様において、前記第3の容量電極に電気的に接続された第1の配線と、前記薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と電気的に接続された第2の配線との交差部には、第2の半導体層があり、前記第1の配線は、前記ボトムゲート電極と同一層であり、前記第2の配線は、前記ソース電極またはドレイン電極と同一層であり、前記第2の半導体層は、前記第1の半導体層と同一層であるとよい。
【0016】
本発明の一態様は、ボトムゲート電極と、前記ボトムゲート電極上に形成された第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に形成された第1の半導体層と、前記第1の半導体層上に形成された第2の絶縁膜と、前記第2の絶縁膜上に形成された第1のブラックマトリックス層からなるトップゲート電極と、前記第2の絶縁膜上に形成された第2のブラックマトリックス層と、を具備するデュアルゲート型の薄膜トランジスタを有し、前記第1の半導体層は、前記トップゲート電極によって覆われており、前記第2のブラックマトリックス層は、前記トップゲート電極の周囲を囲むように形成され、且つ前記トップゲート電極と電気的に分離され、前記ボトムゲート電極は前記トップゲート電極と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置である。
【0017】
また、本発明の一態様において、前記第1の半導体層の一部を覆うソース電極またはドレイン電極を具備し、前記ソース電極またはドレイン電極は、前記第1の半導体層上且つ前記第1の絶縁膜上且つ前記第2の絶縁膜下に位置するとよい。
【0018】
また、本発明の一態様において、第1の容量電極、前記第1の絶縁膜、及び第2の容量電極を有する第1の容量素子と、前記第2の容量電極、前記第2の絶縁膜、及び第3の容量電極を有する第2の容量素子とを有し、前記第1の容量素子及び前記第2の容量素子は重畳しており、前記第1の容量電極及び前記第3の容量電極は電気的に接続されており、前記第1の容量電極は、前記ボトムゲート電極と同一層であり、前記第3の容量電極は、前記第1のブラックマトリックス層と同一層である第3のブラックマトリックス層によって形成され、前記第2のブラックマトリックス層は、前記第3の容量電極の周囲を囲むように形成され、且つ前記第3の容量電極と電気的に分離されていてもよい。
【0019】
また、本発明の一態様において、前記第3の容量電極に電気的に接続された第1の配線と、前記薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と電気的に接続された第3の配線との交差部は、前記第1の絶縁膜、第2の半導体層及び前記第2の絶縁膜を有し、前記第1の配線は、前記ボトムゲート電極と同一層であり、前記第3の配線は、前記第1のブラックマトリックス層と同一層である第4のブラックマトリックス層によって形成されているとよい。
【0020】
また、本発明の一態様において、前記第1の配線は走査信号線であり、前記第2の配線は映像信号線であることも可能である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、ブラックマトリックス層を設計値以上に拡張しなくても、位置合わせずれによる光漏れが生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一態様に係る液晶表示装置のTFT基板を示す平面図。
【図2】図1に示すa−a'線に沿った断面図。
【図3】図1に示すb−b'線に沿った断面図。
【図4】図1に示すe−e'線に沿った断面図。
【図5】図1に示すf−f'線に沿った断面図。
【図6】図1に示すg−g'線に沿った断面図。
【図7】(A)は半導体層14が微結晶シリコン領域14a及び非晶質シリコン領域14bの薄膜トランジスタを示す断面図、(B)は半導体層14が微結晶シリコン領域14a及び一対の非晶質シリコン領域14cの薄膜トランジスタを示す断面図、(C),(D)は図2に示す絶縁膜13とソース電極15aとの間の拡大図。
【図8】本発明の一態様に係る液晶表示装置のTFT基板を示す平面図。
【図9】図8に示すc−c'線に沿った断面図。
【図10】図8に示すd−d'線に沿った断面図。
【図11】本発明の一態様に係る液晶表示装置のTFT基板を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0024】
(実施の形態1)
本発明の一態様に係る液晶表示装置について、図1乃至図6を参照して説明する。
【0025】
本発明の一態様に係る液晶表示装置は、TFT基板及び対向基板で液晶材料を有する液晶層を挟持した構造によって構成されている。
図1乃至図6に示すTFT基板の層構造は、ガラス基板、下地膜、ゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体層、ソース電極及びドレイン電極、透光性を有する電極、層間絶縁膜、ブラックマトリックス層及び配向膜の順に積層されたものである。このようにブラックマトリックス層をバックライト側であるTFT基板側に設けることにより、バックライトからの光を効率良く遮光できると共に、位置合わせずれによる光漏れを低減することができる。
対向基板の層構造は、ガラス基板、着色膜、保護膜、対向電極及び配向膜の順に積層されたものである。なお、本実施の形態では、基板としてガラス基板を用いているが、他の基板を用いても良く、例えばセラミック基板等を用いることができる。
【0026】
図1に示すTFT基板は、薄膜トランジスタ1、保持容量2及び画素電極3を有している。
薄膜トランジスタ1は、図2乃至図4に示すように、下地膜11を有するガラス基板10の上に形成されている。なお、下地膜11はなくてもよく、下地膜11のないガラス基板10を用いてもよい。
【0027】
以下に詳細に説明する。
下地膜11上にはボトムゲート電極12a及び配線12bが形成されており、ボトムゲート電極12a及び配線12bは第1の導電膜によって形成されている。ボトムゲート電極12a、配線12b及び下地膜11の上には絶縁膜13が形成されており、絶縁膜13上には半導体層14が形成されている。半導体層14及び絶縁膜13の上にはソース電極15a及びドレイン電極15bが形成されており、ソース電極15a及びドレイン電極15bは第2の導電膜によって形成されている。ボトムゲート電極12aの厚さは、ソース電極15a及びドレイン電極15bと同じ程度の厚さであり、例えば3層構造の場合、各々の厚さは、50nm、100nm〜300nm、50nmである。また絶縁膜13上には配線15cが形成されており、配線15cは第2の導電膜によって形成されている。ソース電極15aとドレイン電極15bの相互間に位置する半導体層14上、ソース電極15a上、ドレイン電極15b上及び絶縁膜13上には絶縁膜16が形成されている。半導体層14の上方且つ絶縁膜16上には第1のブラックマトリックス層からなるトップゲート電極17aが形成されており、また絶縁膜16上にはトップゲート電極17aの周囲を囲むように第2のブラックマトリックス層17bが形成されている(図1参照)。第2のブラックマトリックス層17bはトップゲート電極17aと電気的に分離されており、第1のブラックマトリックス層と第2のブラックマトリックス層17bは同一層である。また、図4に示す絶縁膜13,16にはコンタクトホール9aが形成されており、トップゲート電極17aはコンタクトホール9aによってボトムゲート電極12aと電気的に接続されている。なお、半導体層14の上下に位置する絶縁膜13,16それぞれはゲート絶縁膜を構成する。また、ボトムゲート電極12aおよび配線12bは、同一の第1の導電膜で形成される。また、ドレイン電極15bと配線15cは、同一の第2の導電膜で形成される。
【0028】
図2に示すように、薄膜トランジスタの半導体層14は、ボトムゲート電極12aよりも面積が小さく形成され、トップゲート電極17a、ソース電極15a及びドレイン電極15bによって覆われている。図3に示すように、半導体層14の外側においては、絶縁膜13上にソース電極15a及びドレイン電極15bが形成される。
【0029】
図1及び図2に示すように、ソース電極15a、ドレイン電極15b及びボトムゲート電極12aは、トップゲート電極17aと第2のブラックマトリックス層17bとの間から絶縁膜13,16を通して露出されている。この露出されている領域は、液晶表示装置のぎらつきを低減するために表面改質処理を行い、反射性を低減させることが好ましい。これにより、意図しない反射光を抑制することができる。
【0030】
また、ボトムゲート電極12aは、トップゲート電極17aに接続されている。即ち、絶縁膜13,16に形成したコンタクトホール9aにおいて、トップゲート電極17a及びボトムゲート電極12aが接続する構造である。この場合、ボトムゲート電極12aに印加する電位と、トップゲート電極17aに印加する電位とは、等しい。この結果、半導体層14において、キャリアが流れる領域、即ちチャネル領域が、絶縁膜13側、及び絶縁膜16側に形成されるため、薄膜トランジスタのオン電流を高めることができる。
【0031】
保持容量2及び画素電極3は、図5及び図6に示すように、下地膜11を有するガラス基板10の上に形成されている。
【0032】
以下に詳細に説明する。
下地膜11上には第1の容量電極12c及び配線12dが形成されており、第1の容量電極12c及び配線12dは第1の導電膜によって形成されている。第1の容量電極12c、配線12d及び下地膜11の上には絶縁膜13が形成されている。絶縁膜13上には第2の容量電極15dが形成されており、第2の容量電極15dは第2の導電膜によって形成されている。第2の容量電極15d及び絶縁膜13の上には画素電極3としての透光性を有する電極17cが形成されている。透光性を有する電極17cは第2の容量電極15dに電気的に接続されている。絶縁膜13、第2の容量電極15d、透光性を有する電極17c上には絶縁膜16が形成されている。絶縁膜16上には図6に示す第3のブラックマトリックス層からなる第3の容量電極17dが形成されており、また絶縁膜16上には第3の容量電極17dの周囲を囲むように第2のブラックマトリックス層17bが形成されている(図1参照)。第2のブラックマトリックス層17bは第3の容量電極17dと電気的に分離されており、第3のブラックマトリックス層と第2のブラックマトリックス層17bは同一層である。また、透光性を有する電極17cの一部及び絶縁膜16の上には第2のブラックマトリックス層17bが形成されている(図5参照)。また、図6に示す第3の容量電極17dと第1の容量電極12cは、絶縁膜13,16に形成された図1に示すコンタクトホール9cによって電気的に接続されている。ここでは、第1の容量電極12c、絶縁膜13、及び第2の容量電極15dにより第1の容量素子2aを形成する。また、第2の容量電極15d、絶縁膜16、及び第3の容量電極17dにより第2の容量素子2bを形成する。第1の容量素子2a及び第2の容量素子2bを重畳させることで、少ない面積で、容量を増加させることができる。また、第2のブラックマトリックス層17bは第2の容量電極15dによって形成された凹凸を覆っている。
なお、図1には走査信号線である配線12bと容量線である配線12dが交互に配置された構造を示しているが、本発明の一態様である表示装置の画素構造はこれに限定されず、走査信号線である配線12bと容量線である配線12dは交互に配置されていなくてもよい。
【0033】
ボトムゲート電極12a等を構成する第1の導電膜は、下地膜11上に、スパッタリング法または真空蒸着法等を用いて、Mo、Ti、Cr、Ta、W、Al、Cu、Nd、Sc及びNi等のいずれかの金属材料により導電膜を形成し、該導電膜上にフォトリソグラフィ法によりマスクを形成し、該マスクを用いて導電膜をエッチングして形成することができる。下地膜は、ボトムゲート電極12aと、ガラス基板10との密着性向上を目的として、上記の金属材料の窒化物層を用いても良い。なお、第1の導電膜は単層でもよいし、積層でもよい。
【0034】
なお、第1の導電膜の側面は、テーパー形状とすることが好ましい。これは、後の工程で、ボトムゲート電極12aの上に形成される絶縁膜13等が、ボトムゲート電極12aの段差箇所において切断されないようにするためである。ボトムゲート電極12aの側面をテーパー形状にするためには、レジストで形成されるマスクを後退させつつエッチングを行えばよい。
【0035】
絶縁膜13,16は、CVD法を用いて、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜を、単層でまたは積層して形成することができる。
【0036】
ソース電極またはドレイン電極は、Al、Cu、Ti、Nd、Sc、Mo、Cr、Ta、Ni及びWのいずれかの金属材料により導電膜を形成し、該導電膜上にフォトリソグラフィ法によりマスクを形成し、該マスクを用いて導電膜をエッチングして形成することができる。なお、ソース電極またはドレイン電極は単層でもよいし、積層でもよい。
【0037】
第1乃至第3のブラックマトリックス層は、金属からなり、例えばTi、Cr、Al、Ta、Mo、及びNiのいずれかの金属材料を用いることができる。なお、第1乃至第3のブラックマトリックス層は単層でもよいし、積層でもよい。
【0038】
半導体層14は、非晶質半導体層、微結晶半導体層、結晶性半導体層のいずれを用いても良いが、半導体層14の二つの例を図7(A)、(B)に示す。
図7(A)は、半導体層14が微結晶シリコン領域14a及び非晶質シリコン領域14bの薄膜トランジスタを示す断面図であり、図7(B)は、半導体層14が微結晶シリコン領域14a及び一対の非晶質シリコン領域14cの薄膜トランジスタを示す断面図である。
【0039】
図7(A)に示すように、絶縁膜13上には微結晶シリコン領域14aが形成されており、微結晶シリコン領域14a上には非晶質シリコン領域14bが形成されている。非晶質シリコン領域14b上には不純物シリコン膜18aが形成されている。
【0040】
ここで、図7(A)に示す絶縁膜13とソース電極15aとの間の拡大図を、図7(C)、(D)に示す。
図7(C)に示すように、微結晶シリコン領域14aの非晶質シリコン領域14b側は凹凸状であり、凸部は絶縁膜13から不純物シリコン膜18aに向かって、先端が狭まる(凸部の先端が鋭角である)凸状(錐形状)である。なお、微結晶シリコン領域14aの形状は、絶縁膜13から不純物シリコン膜18aに向かって幅が広がる凸状(逆錐形状)であってもよい。
【0041】
微結晶シリコン領域14aの厚さ、即ち、絶縁膜13との界面から微結晶シリコン領域14aの突起(凸部)の先端までの距離を、5nm以上150nm以下とすることで、薄膜トランジスタのオン電流を増加することができる。
【0042】
非晶質シリコン領域14bは、窒素を有する非晶質半導体で形成されることが好ましい。窒素を有する非晶質半導体に含まれる窒素は、例えばNH基またはNH2基として存在していてもよい。非晶質半導体としては、アモルファスシリコンを用いることができる。
【0043】
窒素を含む非晶質シリコンは、通常の非晶質半導体と比較して、CPM(Constant photocurrent method)やフォトルミネッセンス分光測定で測定されるUrbach端のエネルギーが小さく、欠陥吸収スペクトル量が少ない半導体である。即ち、窒素を含む非晶質シリコンは、従来の非晶質半導体と比較して、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体である。窒素を含む非晶質シリコンは、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻であるため、バンドギャップが広くなり、トンネル電流が流れにくい。このため、窒素を含む非晶質シリコン領域14bを微結晶シリコン領域14a及び不純物シリコン膜18aの間に設けることで、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。また、窒素を含む非晶質シリコンを設けることで、オン電流と電界効果移動度を高めることが可能である。
【0044】
さらに、窒素を含む非晶質シリコンは、低温フォトルミネッセンス分光によるスペクトルのピーク領域が、1.31eV以上1.39eV以下である。なお、微結晶シリコンを低温フォトルミネッセンス分光により測定したスペクトルのピーク領域は、0.98eV以上1.02eV以下であり、窒素を含む非晶質シリコンは、微結晶シリコンとは異なるものである。
【0045】
また、図7(D)に示すように、非晶質シリコン領域14bに、粒径が1nm以上10nm以下、好ましくは1nm以上5nm以下のシリコン結晶粒14dを含ませることで、更にオン電流と電界効果移動度を高めることが可能である。
【0046】
微結晶シリコン領域14aの非晶質シリコン領域14b側は、錐形状または逆錐形状であるため、オン状態でソース電極及びドレイン電極の間に電圧が印加されたときの縦方向(膜厚方向)における抵抗、即ち、非晶質シリコン領域14bの抵抗を下げることが可能である。また、微結晶シリコン領域14aと不純物シリコン膜18aとの間に、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い、窒素を含む非晶質シリコンを有するため、トンネル電流が流れにくくなる。以上のことから、本実施の形態に示す薄膜トランジスタは、オン電流及び電界効果移動度を高めるとともに、オフ電流を低減することができる。
【0047】
不純物シリコン膜18aは、リンが添加された非晶質シリコン、リンが添加された微結晶シリコン等で形成される。また、リンが添加された非晶質シリコン及びリンが添加された微結晶シリコンの積層構造とすることもできる。なお、薄膜トランジスタとして、pチャネル型薄膜トランジスタを形成する場合は、不純物シリコン膜18aは、ボロンが添加された微結晶シリコン、ボロンが添加された非晶質シリコン等で形成される。
【0048】
不純物シリコン膜18aは、プラズマCVD装置の処理室内において、原料ガスとしてシリコンを含む堆積性気体と、水素と、ホスフィン(水素希釈またはシラン希釈)とを混合し、グロー放電プラズマにより形成される。シリコンを含む堆積性気体を水素で希釈して、リンが添加された非晶質シリコン、またはリンが添加された微結晶シリコンを形成する。なお、p型の薄膜トランジスタを作製する場合は、不純物シリコン膜18aとして、ホスフィンの代わりに、ジボランを用いて、グロー放電プラズマにより形成すればよい。
【0049】
不純物シリコン膜18a上にはソース電極15a及びドレイン電極15bが形成される。ソース電極15a及びドレイン電極15bは、不純物シリコン膜18a上に導電膜を形成し、この導電膜がマスクを用いてエッチングされることで形成される。
【0050】
不純物シリコン膜及び非晶質シリコン領域の一部をエッチングすることで、ソース領域及びドレイン領域として機能する一対の不純物シリコン膜18aが形成され、凹部を有する非晶質シリコン領域が形成される(図7(A)参照)。
【0051】
ソース電極15a、ドレイン電極15b、非晶質シリコン領域14b及び絶縁膜13の上には絶縁膜16が形成されており、この絶縁膜16上にはトップゲート電極17a及び第2のブラックマトリックス層17bが形成されている。
【0052】
なお、半導体層14としては図7(B)に示すものを用いても良い。詳細には、不純物シリコン膜、非晶質シリコン領域及び微結晶シリコン領域の一部をエッチングすることで、ソース領域及びドレイン領域として機能する一対の不純物シリコン膜18aが形成され、微結晶シリコン領域14a及び一対の非晶質シリコン領域14cが形成される。ここでは、微結晶シリコン領域14aが露出されるように非晶質シリコン領域14cをエッチングすることで、ソース電極15a及びドレイン電極15bで覆われる領域では微結晶シリコン領域14a及び非晶質シリコン領域14cが積層され、ソース電極15a及びドレイン電極15bで覆われず、かつトップゲート電極17aと重なる領域においては、微結晶シリコン領域14aが露出される。
【0053】
また、画素部の上面レイアウトは様々な要因を考慮して決定するべきものであるから、図1〜図7は本発明の表示装置の一例であって、これに限定されるものではない。
【0054】
考慮すべき要因の一つは、作製工程における加工位置の精度である。
【0055】
半導体装置の作製工程にはフォトリソグラフィ法が多く用いられている。フォトリソグラフィ法では露光工程が必須であるが、基板を移動させると、露光時に用いられるステージの位置にずれが生じうる。そのため、レイアウトに、ある程度の余裕を持たせる必要がある。
【0056】
一方で、露光精度も考慮する必要がある。露光精度は、レジストマスクの厚さ、レジスト材料の感光性、露光に用いる光の波長、光学系の精度により決まる。
【0057】
また、半導体装置の作製工程では基板が様々な温度環境下に置かれることになるため、温度変化に応じて基板が熱膨張(または負膨張)する。そのため、基板の材料に応じて、熱膨張(または負膨張)を考慮したレイアウトにすべきである。
【0058】
なお、同一層の配線間同士、異なる層の配線間同士、半導体間同士、半導体と配線との間、あるいは配線と他基板に設けられた配線との間を導通させるために設けられるコンタクトホールは、コンタクト抵抗不良の発生を抑制するため、コンタクトホール内に上記配線などの端部を含まない事が好ましい。すなわち、コンタクトホール内に上記端部を含まず、さらに、コンタクトホールの端部と配線の端部とを少なくとも最小加工寸法(露光限界)程度の距離だけ離すレイアウトとすることで、コンタクト抵抗不良の発生確率を抑制し、歩留まり良く製品を作製することができる。
【0059】
ただし、レイアウトは、加工位置の精度のみを考慮すればよいというわけではない。トランジスタの電気的特性及び表示装置に求められる表示特性、作製工程途中でのESD(静電破壊)対策、歩留まりなども考慮して決定される。
【0060】
例えば、トランジスタのチャネル長を短くするほどオン電流が増大するため、高いオン電流が求められるトランジスタにおけるチャネル長には最小加工寸法(露光限界)程度の大きさとすればよい。
【0061】
配線の幅は、配線抵抗が過大とならぬよう十分な大きさを確保する。そして、配線の間隔は、作製工程中で生じたパーティクルにより短絡しない程度の大きさとし、異なる層により形成された複数の配線間において信号の干渉(クロストーク等)などが生じない程度の間隔を確保する。
【0062】
画素部の上面レイアウト形状は、作製工程中における静電破壊を防止するために電界集中しやすいパターンを避け、プラズマ加工中のアンテナ効果による帯電によって引き起こされるパターン間の静電破壊を避けるため、配線の引き回し距離が短くなるように設計することが好ましい。また、配線の引き回し距離が長い時は、配線外周にショートリングを設けて配線パターンを同電位とすることでパターン間の静電破壊を抑制することができる。なお、ショートリングは基板切断時または組み立て時に切断すればよい。
【0063】
また、重畳させる複数の層が、重畳できるようなレイアウトとする。例えば、ある部分と遮光層を重畳させて遮光を行う場合には、この部分の遮光が十分なものとなるように、CD(Critical Dimension)ロス、露光精度、加工位置の精度を考慮し、できあがった製品において、ある部分と遮光層を重畳させて遮光が実現できるレイアウトとするとよい。
【0064】
本実施の形態によれば、トップゲート電極17aを第1のブラックマトリックス層によって形成し、トップゲート電極17aが半導体層14と重畳している。これにより、外部からの意図しない光が薄膜トランジスタの半導体層14に入射することを低減することができる。
【0065】
また、本実施の形態では、トップゲート電極の周囲を囲むように第2のブラックマトリックス層を形成することにより、外部からの意図しない光が半導体層14に入射することを低減でき、TFT基板と対向基板との位置合わせずれによる光漏れが生じることも抑制できる。
【0066】
(実施の形態2)
本発明の一態様に係る液晶表示装置について、図8乃至図10を参照して説明する。なお、本実施の形態では、実施の形態1と異なる部分について説明する。図8乃至図10において、図1乃至7と同一部分には同一符号を付す。
【0067】
図9及び図10に示す第1の導電膜によって形成された配線12dは容量線であり、第2の導電膜によって形成される配線15cは映像信号線である。
【0068】
図1に示す映像信号線(配線15c)及び容量線(配線12d)の交差部では、寄生容量が発生し映像信号の遅延が生じてしまう。このため、本実施の形態では、図9に示すように、配線12d(容量線)と交差する領域において、配線15c(映像信号線)が分離されている。また、分離された配線15c(映像信号線)同士は、第4のブラックマトリックス層で形成した配線17eによって電気的に接続されている。そして、配線12dと、配線17e(第4のブラックマトリックス層)との寄生容量を更に低減するため、配線12d(容量線)と、配線17e(第4のブラックマトリックス層)との間に、絶縁膜13,16を介して半導体層14aを設けることで、配線12dと配線17eとの交差部においての距離を長くしている。
【0069】
配線の交差部の寄生容量の問題について説明する。上述した配線の交差部だけではなく、他の配線交差部(図示せず)においても寄生容量は問題となる。例えば、映像信号線及び選択信号線(ゲート電極線)との間の寄生容量による選択信号の遅延である。映像信号線及び選択信号線の交差部では、寄生容量が発生し、選択信号線に入力される選択信号において、入力端での選択信号に対して、入力端から離れるに従ってCR遅延の影響が増大し、選択信号波形がなまることで、選択すべき画素を選択信号にて選択するに足る電圧値に達せず、画素に正確な信号を伝達できなくなるため、充電期間が不足し、画質が劣化してしまうという問題がある。
【0070】
また、映像信号線は選択信号線及び容量線それぞれと交互に交差する(乗り越える)ため、両者との交差部における寄生容量が映像信号線に入力される信号にCR遅延を生じさせ、映像信号線の波形なまりを生じさせるので、充電能力(電流)が不足し、画質を劣化させることになる。
このように寄生容量を小さくすべき配線の交差部を図9と同様の構造とすることにより、配線間の寄生容量を低減することができる。
【0071】
以下に映像信号線(配線15c)及び容量線(配線12d)の交差部について詳細に説明する。
図9及び図10に示す下地膜11上には配線12dが形成されており、容量線である配線12dは第1の導電膜によって形成されている。配線12d及び下地膜11の上には絶縁膜13が形成されており、絶縁膜13上には半導体層14aが形成されている。半導体層14aは図8に示す半導体層14と同一層である。絶縁膜13及び半導体層14aの上には映像信号線である配線15cが形成されており、配線15cは第2の導電膜によって形成されている。配線15c、半導体層14a及び絶縁膜13の上には絶縁膜16が形成されている。絶縁膜16にはコンタクトホール9dが形成されており、コンタクトホール9d内及び絶縁膜16上には第4のブラックマトリックス層からなる配線17eが形成されている。これにより、分離された映像信号線(配線15c)は配線17eによって電気的に接続されている。また絶縁膜16上には配線17eの周囲を囲むように第2のブラックマトリックス層17bが形成されている。第2のブラックマトリックス層17bは配線17eと電気的に分離されており、第4のブラックマトリックス層は第1乃至第3のブラックマトリックス層と同一層である。
【0072】
また、図8に示す映像信号線(配線15c)及び走査信号線(配線12b)の交差部においても、寄生容量を低減するために同様の構成としている。つまり、配線12bと交差する領域において、配線15c(映像信号線)が分離され、この分離された配線15cは、第4のブラックマトリックス層で形成した配線17eによって接続されている。そして、配線12bと、配線17e(第4のブラックマトリックス層)との寄生容量を更に低減するため、配線12bと、配線17e(第4のブラックマトリックス層)との間に、絶縁膜13,16を介して半導体層14aを設けることで、配線12bと配線17eとの交差部においての距離を長くしている。
【0073】
また、図8に示すドレイン電極15b及びボトムゲート電極12aの重畳部の一部においても、寄生容量を低減するために同様の構成としている。つまり、ボトムゲート電極12aが存在する領域上の一部において、ドレイン電極15bと配線15c(映像信号線)が分離され、この分離された配線は、第4のブラックマトリックス層で形成した配線17eによって接続されている。そして、ボトムゲート電極12aと、配線17e(第4のブラックマトリックス層)との寄生容量を更に低減するため、ボトムゲート電極12aと、配線17e(第4のブラックマトリックス層)との間に、絶縁膜13,16を介して半導体層14aを設けることで、ボトムゲート電極12aと配線17eとの重畳部においての距離を長くしている。なお、本実施の形態では、ドレイン電極15b及びボトムゲート電極12aの重畳部の一部においても寄生容量を低減する構成としているが、映像信号線(配線15c)と薄膜トランジスタのドレイン電極15bは距離が短いために寄生容量の影響を受けにくい場合は、半導体層14aを設けない構成としても良い。
【0074】
また、図8に示すソース電極15a及びボトムゲート電極12aの重畳部の一部においても、寄生容量を低減するために同様の構成としている。つまり、ボトムゲート電極12aが存在する領域上の一部において、ソース電極15aと第2の容量電極15dが分離され、この分離された配線は、第4のブラックマトリックス層で形成した配線17eによって接続されている。そして、ボトムゲート電極12aと、配線17e(第4のブラックマトリックス層)との寄生容量を更に低減するため、ボトムゲート電極12aと、配線17e(第4のブラックマトリックス層)との間に、絶縁膜13,16を介して半導体層14aを設けることで、ボトムゲート電極12aと配線17eとの重畳部の一部においての距離を長くしている。なお、本実施の形態では、ソース電極15a及びボトムゲート電極12aの重畳部の一部においても寄生容量を低減する構成としているが、第2の容量電極15dと薄膜トランジスタのソース電極15aは距離が短いために寄生容量の影響を受けにくい場合は、半導体層14aを設けない構成としても良い。
【0075】
本実施の形態によれば、映像信号線(配線15c)及び走査信号線(配線12b)、映像信号線(配線15c)及び容量線(配線12d)の交差部において、またはソース電極15a及びドレイン電極15bそれぞれとボトムゲート電極12aの重畳部の一部において、寄生容量を低減させることにより、高速動作が可能な液晶表示装置を作製することができる。
【0076】
(実施の形態3)
本発明の一態様に係る液晶表示装置について、図11を参照して説明する。なお、本実施の形態では、実施の形態1と異なる部分について説明する。図11において、図1と同一部分には同一符号を付す。
【0077】
実施の形態1では、絶縁膜16上に第3の容量電極17dの周囲を囲むように第2のブラックマトリックス層17bを形成しているが、本実施の形態では、第2のブラックマトリックス層17bを形成していない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び液晶表示装置等に関する。なお、本明細書において、半導体装置とは、半導体素子自体または半導体素子を含むものをいい、このような半導体素子として、例えばトランジスタ(薄膜トランジスタなど)が挙げられる。また、液晶表示装置などの表示装置も半導体装置に含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来の液晶表示装置は、薄膜トランジスタが形成される基板(以下、「TFT(thin film transistor)基板」という。)及び対向基板で液晶材料を有する液晶層を挟持した構造によって構成されている。TFT基板の層構造は、例えばガラス基板、下地絶縁膜、ゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体層、ソース電極及びドレイン電極、層間絶縁膜、画素電極並びに配向膜の順に積層されたものである。対向基板の層構造は、ガラス基板、ブラックマトリックス層(有機樹脂または金属)、カラーフィルタ、対向電極及び配向膜の順に積層されたものである。
【0003】
上記の液晶表示装置では、TFT基板上の画素部に設けられた薄膜トランジスタに、バックライトからの光や外部からの光が照射されることを低減するため、対向基板において薄膜トランジスタと重畳する領域にブラックマトリックス層が設けられている。
【0004】
また、従来の液晶表示装置では、TFT基板上の各種金属配線や保持容量などの凹凸が存在する領域の上部の対向基板にも、画質の向上を目的として、ブラックマトリックス層が設けられている領域がある。
【0005】
しかしながら、対向基板にブラックマトリックス層が設けられる場合、TFT基板との位置合わせずれや位置合わせ不良のため、光漏れが生じ、当該光がTFT基板の薄膜トランジスタに照射されるという問題がある。
【0006】
また、TFT基板との位置合わせずれが生じても光漏れが生じないようにするために、ブラックマトリックス層の幅を設計値以上に拡張して対向基板に設けると、画素部の開口率の低下の原因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−268923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一態様は、ブラックマトリックス層を設計値以上に拡張しなくても、位置合わせずれによる光漏れが生じることを抑制できる半導体装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、ボトムゲート電極とトップゲート電極で第1の半導体層を挟むデュアルゲート型の薄膜トランジスタを有する半導体装置において、前記トップゲート電極は、第1のブラックマトリックス層によって形成され、前記第1の半導体層は、前記トップゲート電極と重畳し、前記ボトムゲート電極は前記トップゲート電極と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置である。なお、ボトムゲート電極は、基板と第1の半導体層の間に設けられるゲート電極であり、トップゲート電極は、第1の半導体層に対してボトムゲート電極と反対側に設けられるゲート電極である。
【0010】
また、本発明の一態様において、前記薄膜トランジスタは、前記第1の半導体層の一部を覆うソース電極またはドレイン電極を具備することも可能である。
【0011】
また、本発明の一態様において、前記ボトムゲート電極は、前記第1の半導体層よりも面積が広い導電膜によって形成されることも可能である。
【0012】
また、本発明の一態様において、前記トップゲート電極の周囲を囲むように形成され、且つ前記トップゲート電極と電気的に分離された、前記第1のブラックマトリックス層と同一層である第2のブラックマトリックス層を具備することも可能である。
【0013】
また、本発明の一態様において、第1の容量電極、第1の絶縁膜、及び第2の容量電極を有する第1の容量素子と、前記第2の容量電極、第2の絶縁膜、及び第3の容量電極を有する第2の容量素子とを有し、前記第1の容量素子及び前記第2の容量素子は重畳しており、前記第1の容量電極及び前記第3の容量電極は電気的に接続されており、前記第1の容量電極は、前記ボトムゲート電極と同一層であり、前記第3の容量電極は、前記第1のブラックマトリックス層と同一層である第3のブラックマトリックス層によって形成されているとよい。
【0014】
また、本発明の一態様において、前記第2のブラックマトリックス層は、前記第3の容量電極の周囲を囲むように形成され、且つ前記第3の容量電極と電気的に分離されていてもよい。
【0015】
また、本発明の一態様において、前記第3の容量電極に電気的に接続された第1の配線と、前記薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と電気的に接続された第2の配線との交差部には、第2の半導体層があり、前記第1の配線は、前記ボトムゲート電極と同一層であり、前記第2の配線は、前記ソース電極またはドレイン電極と同一層であり、前記第2の半導体層は、前記第1の半導体層と同一層であるとよい。
【0016】
本発明の一態様は、ボトムゲート電極と、前記ボトムゲート電極上に形成された第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に形成された第1の半導体層と、前記第1の半導体層上に形成された第2の絶縁膜と、前記第2の絶縁膜上に形成された第1のブラックマトリックス層からなるトップゲート電極と、前記第2の絶縁膜上に形成された第2のブラックマトリックス層と、を具備するデュアルゲート型の薄膜トランジスタを有し、前記第1の半導体層は、前記トップゲート電極によって覆われており、前記第2のブラックマトリックス層は、前記トップゲート電極の周囲を囲むように形成され、且つ前記トップゲート電極と電気的に分離され、前記ボトムゲート電極は前記トップゲート電極と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置である。
【0017】
また、本発明の一態様において、前記第1の半導体層の一部を覆うソース電極またはドレイン電極を具備し、前記ソース電極またはドレイン電極は、前記第1の半導体層上且つ前記第1の絶縁膜上且つ前記第2の絶縁膜下に位置するとよい。
【0018】
また、本発明の一態様において、第1の容量電極、前記第1の絶縁膜、及び第2の容量電極を有する第1の容量素子と、前記第2の容量電極、前記第2の絶縁膜、及び第3の容量電極を有する第2の容量素子とを有し、前記第1の容量素子及び前記第2の容量素子は重畳しており、前記第1の容量電極及び前記第3の容量電極は電気的に接続されており、前記第1の容量電極は、前記ボトムゲート電極と同一層であり、前記第3の容量電極は、前記第1のブラックマトリックス層と同一層である第3のブラックマトリックス層によって形成され、前記第2のブラックマトリックス層は、前記第3の容量電極の周囲を囲むように形成され、且つ前記第3の容量電極と電気的に分離されていてもよい。
【0019】
また、本発明の一態様において、前記第3の容量電極に電気的に接続された第1の配線と、前記薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と電気的に接続された第3の配線との交差部は、前記第1の絶縁膜、第2の半導体層及び前記第2の絶縁膜を有し、前記第1の配線は、前記ボトムゲート電極と同一層であり、前記第3の配線は、前記第1のブラックマトリックス層と同一層である第4のブラックマトリックス層によって形成されているとよい。
【0020】
また、本発明の一態様において、前記第1の配線は走査信号線であり、前記第2の配線は映像信号線であることも可能である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、ブラックマトリックス層を設計値以上に拡張しなくても、位置合わせずれによる光漏れが生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一態様に係る液晶表示装置のTFT基板を示す平面図。
【図2】図1に示すa−a'線に沿った断面図。
【図3】図1に示すb−b'線に沿った断面図。
【図4】図1に示すe−e'線に沿った断面図。
【図5】図1に示すf−f'線に沿った断面図。
【図6】図1に示すg−g'線に沿った断面図。
【図7】(A)は半導体層14が微結晶シリコン領域14a及び非晶質シリコン領域14bの薄膜トランジスタを示す断面図、(B)は半導体層14が微結晶シリコン領域14a及び一対の非晶質シリコン領域14cの薄膜トランジスタを示す断面図、(C),(D)は図2に示す絶縁膜13とソース電極15aとの間の拡大図。
【図8】本発明の一態様に係る液晶表示装置のTFT基板を示す平面図。
【図9】図8に示すc−c'線に沿った断面図。
【図10】図8に示すd−d'線に沿った断面図。
【図11】本発明の一態様に係る液晶表示装置のTFT基板を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0024】
(実施の形態1)
本発明の一態様に係る液晶表示装置について、図1乃至図6を参照して説明する。
【0025】
本発明の一態様に係る液晶表示装置は、TFT基板及び対向基板で液晶材料を有する液晶層を挟持した構造によって構成されている。
図1乃至図6に示すTFT基板の層構造は、ガラス基板、下地膜、ゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体層、ソース電極及びドレイン電極、透光性を有する電極、層間絶縁膜、ブラックマトリックス層及び配向膜の順に積層されたものである。このようにブラックマトリックス層をバックライト側であるTFT基板側に設けることにより、バックライトからの光を効率良く遮光できると共に、位置合わせずれによる光漏れを低減することができる。
対向基板の層構造は、ガラス基板、着色膜、保護膜、対向電極及び配向膜の順に積層されたものである。なお、本実施の形態では、基板としてガラス基板を用いているが、他の基板を用いても良く、例えばセラミック基板等を用いることができる。
【0026】
図1に示すTFT基板は、薄膜トランジスタ1、保持容量2及び画素電極3を有している。
薄膜トランジスタ1は、図2乃至図4に示すように、下地膜11を有するガラス基板10の上に形成されている。なお、下地膜11はなくてもよく、下地膜11のないガラス基板10を用いてもよい。
【0027】
以下に詳細に説明する。
下地膜11上にはボトムゲート電極12a及び配線12bが形成されており、ボトムゲート電極12a及び配線12bは第1の導電膜によって形成されている。ボトムゲート電極12a、配線12b及び下地膜11の上には絶縁膜13が形成されており、絶縁膜13上には半導体層14が形成されている。半導体層14及び絶縁膜13の上にはソース電極15a及びドレイン電極15bが形成されており、ソース電極15a及びドレイン電極15bは第2の導電膜によって形成されている。ボトムゲート電極12aの厚さは、ソース電極15a及びドレイン電極15bと同じ程度の厚さであり、例えば3層構造の場合、各々の厚さは、50nm、100nm〜300nm、50nmである。また絶縁膜13上には配線15cが形成されており、配線15cは第2の導電膜によって形成されている。ソース電極15aとドレイン電極15bの相互間に位置する半導体層14上、ソース電極15a上、ドレイン電極15b上及び絶縁膜13上には絶縁膜16が形成されている。半導体層14の上方且つ絶縁膜16上には第1のブラックマトリックス層からなるトップゲート電極17aが形成されており、また絶縁膜16上にはトップゲート電極17aの周囲を囲むように第2のブラックマトリックス層17bが形成されている(図1参照)。第2のブラックマトリックス層17bはトップゲート電極17aと電気的に分離されており、第1のブラックマトリックス層と第2のブラックマトリックス層17bは同一層である。また、図4に示す絶縁膜13,16にはコンタクトホール9aが形成されており、トップゲート電極17aはコンタクトホール9aによってボトムゲート電極12aと電気的に接続されている。なお、半導体層14の上下に位置する絶縁膜13,16それぞれはゲート絶縁膜を構成する。また、ボトムゲート電極12aおよび配線12bは、同一の第1の導電膜で形成される。また、ドレイン電極15bと配線15cは、同一の第2の導電膜で形成される。
【0028】
図2に示すように、薄膜トランジスタの半導体層14は、ボトムゲート電極12aよりも面積が小さく形成され、トップゲート電極17a、ソース電極15a及びドレイン電極15bによって覆われている。図3に示すように、半導体層14の外側においては、絶縁膜13上にソース電極15a及びドレイン電極15bが形成される。
【0029】
図1及び図2に示すように、ソース電極15a、ドレイン電極15b及びボトムゲート電極12aは、トップゲート電極17aと第2のブラックマトリックス層17bとの間から絶縁膜13,16を通して露出されている。この露出されている領域は、液晶表示装置のぎらつきを低減するために表面改質処理を行い、反射性を低減させることが好ましい。これにより、意図しない反射光を抑制することができる。
【0030】
また、ボトムゲート電極12aは、トップゲート電極17aに接続されている。即ち、絶縁膜13,16に形成したコンタクトホール9aにおいて、トップゲート電極17a及びボトムゲート電極12aが接続する構造である。この場合、ボトムゲート電極12aに印加する電位と、トップゲート電極17aに印加する電位とは、等しい。この結果、半導体層14において、キャリアが流れる領域、即ちチャネル領域が、絶縁膜13側、及び絶縁膜16側に形成されるため、薄膜トランジスタのオン電流を高めることができる。
【0031】
保持容量2及び画素電極3は、図5及び図6に示すように、下地膜11を有するガラス基板10の上に形成されている。
【0032】
以下に詳細に説明する。
下地膜11上には第1の容量電極12c及び配線12dが形成されており、第1の容量電極12c及び配線12dは第1の導電膜によって形成されている。第1の容量電極12c、配線12d及び下地膜11の上には絶縁膜13が形成されている。絶縁膜13上には第2の容量電極15dが形成されており、第2の容量電極15dは第2の導電膜によって形成されている。第2の容量電極15d及び絶縁膜13の上には画素電極3としての透光性を有する電極17cが形成されている。透光性を有する電極17cは第2の容量電極15dに電気的に接続されている。絶縁膜13、第2の容量電極15d、透光性を有する電極17c上には絶縁膜16が形成されている。絶縁膜16上には図6に示す第3のブラックマトリックス層からなる第3の容量電極17dが形成されており、また絶縁膜16上には第3の容量電極17dの周囲を囲むように第2のブラックマトリックス層17bが形成されている(図1参照)。第2のブラックマトリックス層17bは第3の容量電極17dと電気的に分離されており、第3のブラックマトリックス層と第2のブラックマトリックス層17bは同一層である。また、透光性を有する電極17cの一部及び絶縁膜16の上には第2のブラックマトリックス層17bが形成されている(図5参照)。また、図6に示す第3の容量電極17dと第1の容量電極12cは、絶縁膜13,16に形成された図1に示すコンタクトホール9cによって電気的に接続されている。ここでは、第1の容量電極12c、絶縁膜13、及び第2の容量電極15dにより第1の容量素子2aを形成する。また、第2の容量電極15d、絶縁膜16、及び第3の容量電極17dにより第2の容量素子2bを形成する。第1の容量素子2a及び第2の容量素子2bを重畳させることで、少ない面積で、容量を増加させることができる。また、第2のブラックマトリックス層17bは第2の容量電極15dによって形成された凹凸を覆っている。
なお、図1には走査信号線である配線12bと容量線である配線12dが交互に配置された構造を示しているが、本発明の一態様である表示装置の画素構造はこれに限定されず、走査信号線である配線12bと容量線である配線12dは交互に配置されていなくてもよい。
【0033】
ボトムゲート電極12a等を構成する第1の導電膜は、下地膜11上に、スパッタリング法または真空蒸着法等を用いて、Mo、Ti、Cr、Ta、W、Al、Cu、Nd、Sc及びNi等のいずれかの金属材料により導電膜を形成し、該導電膜上にフォトリソグラフィ法によりマスクを形成し、該マスクを用いて導電膜をエッチングして形成することができる。下地膜は、ボトムゲート電極12aと、ガラス基板10との密着性向上を目的として、上記の金属材料の窒化物層を用いても良い。なお、第1の導電膜は単層でもよいし、積層でもよい。
【0034】
なお、第1の導電膜の側面は、テーパー形状とすることが好ましい。これは、後の工程で、ボトムゲート電極12aの上に形成される絶縁膜13等が、ボトムゲート電極12aの段差箇所において切断されないようにするためである。ボトムゲート電極12aの側面をテーパー形状にするためには、レジストで形成されるマスクを後退させつつエッチングを行えばよい。
【0035】
絶縁膜13,16は、CVD法を用いて、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜を、単層でまたは積層して形成することができる。
【0036】
ソース電極またはドレイン電極は、Al、Cu、Ti、Nd、Sc、Mo、Cr、Ta、Ni及びWのいずれかの金属材料により導電膜を形成し、該導電膜上にフォトリソグラフィ法によりマスクを形成し、該マスクを用いて導電膜をエッチングして形成することができる。なお、ソース電極またはドレイン電極は単層でもよいし、積層でもよい。
【0037】
第1乃至第3のブラックマトリックス層は、金属からなり、例えばTi、Cr、Al、Ta、Mo、及びNiのいずれかの金属材料を用いることができる。なお、第1乃至第3のブラックマトリックス層は単層でもよいし、積層でもよい。
【0038】
半導体層14は、非晶質半導体層、微結晶半導体層、結晶性半導体層のいずれを用いても良いが、半導体層14の二つの例を図7(A)、(B)に示す。
図7(A)は、半導体層14が微結晶シリコン領域14a及び非晶質シリコン領域14bの薄膜トランジスタを示す断面図であり、図7(B)は、半導体層14が微結晶シリコン領域14a及び一対の非晶質シリコン領域14cの薄膜トランジスタを示す断面図である。
【0039】
図7(A)に示すように、絶縁膜13上には微結晶シリコン領域14aが形成されており、微結晶シリコン領域14a上には非晶質シリコン領域14bが形成されている。非晶質シリコン領域14b上には不純物シリコン膜18aが形成されている。
【0040】
ここで、図7(A)に示す絶縁膜13とソース電極15aとの間の拡大図を、図7(C)、(D)に示す。
図7(C)に示すように、微結晶シリコン領域14aの非晶質シリコン領域14b側は凹凸状であり、凸部は絶縁膜13から不純物シリコン膜18aに向かって、先端が狭まる(凸部の先端が鋭角である)凸状(錐形状)である。なお、微結晶シリコン領域14aの形状は、絶縁膜13から不純物シリコン膜18aに向かって幅が広がる凸状(逆錐形状)であってもよい。
【0041】
微結晶シリコン領域14aの厚さ、即ち、絶縁膜13との界面から微結晶シリコン領域14aの突起(凸部)の先端までの距離を、5nm以上150nm以下とすることで、薄膜トランジスタのオン電流を増加することができる。
【0042】
非晶質シリコン領域14bは、窒素を有する非晶質半導体で形成されることが好ましい。窒素を有する非晶質半導体に含まれる窒素は、例えばNH基またはNH2基として存在していてもよい。非晶質半導体としては、アモルファスシリコンを用いることができる。
【0043】
窒素を含む非晶質シリコンは、通常の非晶質半導体と比較して、CPM(Constant photocurrent method)やフォトルミネッセンス分光測定で測定されるUrbach端のエネルギーが小さく、欠陥吸収スペクトル量が少ない半導体である。即ち、窒素を含む非晶質シリコンは、従来の非晶質半導体と比較して、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体である。窒素を含む非晶質シリコンは、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻であるため、バンドギャップが広くなり、トンネル電流が流れにくい。このため、窒素を含む非晶質シリコン領域14bを微結晶シリコン領域14a及び不純物シリコン膜18aの間に設けることで、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。また、窒素を含む非晶質シリコンを設けることで、オン電流と電界効果移動度を高めることが可能である。
【0044】
さらに、窒素を含む非晶質シリコンは、低温フォトルミネッセンス分光によるスペクトルのピーク領域が、1.31eV以上1.39eV以下である。なお、微結晶シリコンを低温フォトルミネッセンス分光により測定したスペクトルのピーク領域は、0.98eV以上1.02eV以下であり、窒素を含む非晶質シリコンは、微結晶シリコンとは異なるものである。
【0045】
また、図7(D)に示すように、非晶質シリコン領域14bに、粒径が1nm以上10nm以下、好ましくは1nm以上5nm以下のシリコン結晶粒14dを含ませることで、更にオン電流と電界効果移動度を高めることが可能である。
【0046】
微結晶シリコン領域14aの非晶質シリコン領域14b側は、錐形状または逆錐形状であるため、オン状態でソース電極及びドレイン電極の間に電圧が印加されたときの縦方向(膜厚方向)における抵抗、即ち、非晶質シリコン領域14bの抵抗を下げることが可能である。また、微結晶シリコン領域14aと不純物シリコン膜18aとの間に、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い、窒素を含む非晶質シリコンを有するため、トンネル電流が流れにくくなる。以上のことから、本実施の形態に示す薄膜トランジスタは、オン電流及び電界効果移動度を高めるとともに、オフ電流を低減することができる。
【0047】
不純物シリコン膜18aは、リンが添加された非晶質シリコン、リンが添加された微結晶シリコン等で形成される。また、リンが添加された非晶質シリコン及びリンが添加された微結晶シリコンの積層構造とすることもできる。なお、薄膜トランジスタとして、pチャネル型薄膜トランジスタを形成する場合は、不純物シリコン膜18aは、ボロンが添加された微結晶シリコン、ボロンが添加された非晶質シリコン等で形成される。
【0048】
不純物シリコン膜18aは、プラズマCVD装置の処理室内において、原料ガスとしてシリコンを含む堆積性気体と、水素と、ホスフィン(水素希釈またはシラン希釈)とを混合し、グロー放電プラズマにより形成される。シリコンを含む堆積性気体を水素で希釈して、リンが添加された非晶質シリコン、またはリンが添加された微結晶シリコンを形成する。なお、p型の薄膜トランジスタを作製する場合は、不純物シリコン膜18aとして、ホスフィンの代わりに、ジボランを用いて、グロー放電プラズマにより形成すればよい。
【0049】
不純物シリコン膜18a上にはソース電極15a及びドレイン電極15bが形成される。ソース電極15a及びドレイン電極15bは、不純物シリコン膜18a上に導電膜を形成し、この導電膜がマスクを用いてエッチングされることで形成される。
【0050】
不純物シリコン膜及び非晶質シリコン領域の一部をエッチングすることで、ソース領域及びドレイン領域として機能する一対の不純物シリコン膜18aが形成され、凹部を有する非晶質シリコン領域が形成される(図7(A)参照)。
【0051】
ソース電極15a、ドレイン電極15b、非晶質シリコン領域14b及び絶縁膜13の上には絶縁膜16が形成されており、この絶縁膜16上にはトップゲート電極17a及び第2のブラックマトリックス層17bが形成されている。
【0052】
なお、半導体層14としては図7(B)に示すものを用いても良い。詳細には、不純物シリコン膜、非晶質シリコン領域及び微結晶シリコン領域の一部をエッチングすることで、ソース領域及びドレイン領域として機能する一対の不純物シリコン膜18aが形成され、微結晶シリコン領域14a及び一対の非晶質シリコン領域14cが形成される。ここでは、微結晶シリコン領域14aが露出されるように非晶質シリコン領域14cをエッチングすることで、ソース電極15a及びドレイン電極15bで覆われる領域では微結晶シリコン領域14a及び非晶質シリコン領域14cが積層され、ソース電極15a及びドレイン電極15bで覆われず、かつトップゲート電極17aと重なる領域においては、微結晶シリコン領域14aが露出される。
【0053】
また、画素部の上面レイアウトは様々な要因を考慮して決定するべきものであるから、図1〜図7は本発明の表示装置の一例であって、これに限定されるものではない。
【0054】
考慮すべき要因の一つは、作製工程における加工位置の精度である。
【0055】
半導体装置の作製工程にはフォトリソグラフィ法が多く用いられている。フォトリソグラフィ法では露光工程が必須であるが、基板を移動させると、露光時に用いられるステージの位置にずれが生じうる。そのため、レイアウトに、ある程度の余裕を持たせる必要がある。
【0056】
一方で、露光精度も考慮する必要がある。露光精度は、レジストマスクの厚さ、レジスト材料の感光性、露光に用いる光の波長、光学系の精度により決まる。
【0057】
また、半導体装置の作製工程では基板が様々な温度環境下に置かれることになるため、温度変化に応じて基板が熱膨張(または負膨張)する。そのため、基板の材料に応じて、熱膨張(または負膨張)を考慮したレイアウトにすべきである。
【0058】
なお、同一層の配線間同士、異なる層の配線間同士、半導体間同士、半導体と配線との間、あるいは配線と他基板に設けられた配線との間を導通させるために設けられるコンタクトホールは、コンタクト抵抗不良の発生を抑制するため、コンタクトホール内に上記配線などの端部を含まない事が好ましい。すなわち、コンタクトホール内に上記端部を含まず、さらに、コンタクトホールの端部と配線の端部とを少なくとも最小加工寸法(露光限界)程度の距離だけ離すレイアウトとすることで、コンタクト抵抗不良の発生確率を抑制し、歩留まり良く製品を作製することができる。
【0059】
ただし、レイアウトは、加工位置の精度のみを考慮すればよいというわけではない。トランジスタの電気的特性及び表示装置に求められる表示特性、作製工程途中でのESD(静電破壊)対策、歩留まりなども考慮して決定される。
【0060】
例えば、トランジスタのチャネル長を短くするほどオン電流が増大するため、高いオン電流が求められるトランジスタにおけるチャネル長には最小加工寸法(露光限界)程度の大きさとすればよい。
【0061】
配線の幅は、配線抵抗が過大とならぬよう十分な大きさを確保する。そして、配線の間隔は、作製工程中で生じたパーティクルにより短絡しない程度の大きさとし、異なる層により形成された複数の配線間において信号の干渉(クロストーク等)などが生じない程度の間隔を確保する。
【0062】
画素部の上面レイアウト形状は、作製工程中における静電破壊を防止するために電界集中しやすいパターンを避け、プラズマ加工中のアンテナ効果による帯電によって引き起こされるパターン間の静電破壊を避けるため、配線の引き回し距離が短くなるように設計することが好ましい。また、配線の引き回し距離が長い時は、配線外周にショートリングを設けて配線パターンを同電位とすることでパターン間の静電破壊を抑制することができる。なお、ショートリングは基板切断時または組み立て時に切断すればよい。
【0063】
また、重畳させる複数の層が、重畳できるようなレイアウトとする。例えば、ある部分と遮光層を重畳させて遮光を行う場合には、この部分の遮光が十分なものとなるように、CD(Critical Dimension)ロス、露光精度、加工位置の精度を考慮し、できあがった製品において、ある部分と遮光層を重畳させて遮光が実現できるレイアウトとするとよい。
【0064】
本実施の形態によれば、トップゲート電極17aを第1のブラックマトリックス層によって形成し、トップゲート電極17aが半導体層14と重畳している。これにより、外部からの意図しない光が薄膜トランジスタの半導体層14に入射することを低減することができる。
【0065】
また、本実施の形態では、トップゲート電極の周囲を囲むように第2のブラックマトリックス層を形成することにより、外部からの意図しない光が半導体層14に入射することを低減でき、TFT基板と対向基板との位置合わせずれによる光漏れが生じることも抑制できる。
【0066】
(実施の形態2)
本発明の一態様に係る液晶表示装置について、図8乃至図10を参照して説明する。なお、本実施の形態では、実施の形態1と異なる部分について説明する。図8乃至図10において、図1乃至7と同一部分には同一符号を付す。
【0067】
図9及び図10に示す第1の導電膜によって形成された配線12dは容量線であり、第2の導電膜によって形成される配線15cは映像信号線である。
【0068】
図1に示す映像信号線(配線15c)及び容量線(配線12d)の交差部では、寄生容量が発生し映像信号の遅延が生じてしまう。このため、本実施の形態では、図9に示すように、配線12d(容量線)と交差する領域において、配線15c(映像信号線)が分離されている。また、分離された配線15c(映像信号線)同士は、第4のブラックマトリックス層で形成した配線17eによって電気的に接続されている。そして、配線12dと、配線17e(第4のブラックマトリックス層)との寄生容量を更に低減するため、配線12d(容量線)と、配線17e(第4のブラックマトリックス層)との間に、絶縁膜13,16を介して半導体層14aを設けることで、配線12dと配線17eとの交差部においての距離を長くしている。
【0069】
配線の交差部の寄生容量の問題について説明する。上述した配線の交差部だけではなく、他の配線交差部(図示せず)においても寄生容量は問題となる。例えば、映像信号線及び選択信号線(ゲート電極線)との間の寄生容量による選択信号の遅延である。映像信号線及び選択信号線の交差部では、寄生容量が発生し、選択信号線に入力される選択信号において、入力端での選択信号に対して、入力端から離れるに従ってCR遅延の影響が増大し、選択信号波形がなまることで、選択すべき画素を選択信号にて選択するに足る電圧値に達せず、画素に正確な信号を伝達できなくなるため、充電期間が不足し、画質が劣化してしまうという問題がある。
【0070】
また、映像信号線は選択信号線及び容量線それぞれと交互に交差する(乗り越える)ため、両者との交差部における寄生容量が映像信号線に入力される信号にCR遅延を生じさせ、映像信号線の波形なまりを生じさせるので、充電能力(電流)が不足し、画質を劣化させることになる。
このように寄生容量を小さくすべき配線の交差部を図9と同様の構造とすることにより、配線間の寄生容量を低減することができる。
【0071】
以下に映像信号線(配線15c)及び容量線(配線12d)の交差部について詳細に説明する。
図9及び図10に示す下地膜11上には配線12dが形成されており、容量線である配線12dは第1の導電膜によって形成されている。配線12d及び下地膜11の上には絶縁膜13が形成されており、絶縁膜13上には半導体層14aが形成されている。半導体層14aは図8に示す半導体層14と同一層である。絶縁膜13及び半導体層14aの上には映像信号線である配線15cが形成されており、配線15cは第2の導電膜によって形成されている。配線15c、半導体層14a及び絶縁膜13の上には絶縁膜16が形成されている。絶縁膜16にはコンタクトホール9dが形成されており、コンタクトホール9d内及び絶縁膜16上には第4のブラックマトリックス層からなる配線17eが形成されている。これにより、分離された映像信号線(配線15c)は配線17eによって電気的に接続されている。また絶縁膜16上には配線17eの周囲を囲むように第2のブラックマトリックス層17bが形成されている。第2のブラックマトリックス層17bは配線17eと電気的に分離されており、第4のブラックマトリックス層は第1乃至第3のブラックマトリックス層と同一層である。
【0072】
また、図8に示す映像信号線(配線15c)及び走査信号線(配線12b)の交差部においても、寄生容量を低減するために同様の構成としている。つまり、配線12bと交差する領域において、配線15c(映像信号線)が分離され、この分離された配線15cは、第4のブラックマトリックス層で形成した配線17eによって接続されている。そして、配線12bと、配線17e(第4のブラックマトリックス層)との寄生容量を更に低減するため、配線12bと、配線17e(第4のブラックマトリックス層)との間に、絶縁膜13,16を介して半導体層14aを設けることで、配線12bと配線17eとの交差部においての距離を長くしている。
【0073】
また、図8に示すドレイン電極15b及びボトムゲート電極12aの重畳部の一部においても、寄生容量を低減するために同様の構成としている。つまり、ボトムゲート電極12aが存在する領域上の一部において、ドレイン電極15bと配線15c(映像信号線)が分離され、この分離された配線は、第4のブラックマトリックス層で形成した配線17eによって接続されている。そして、ボトムゲート電極12aと、配線17e(第4のブラックマトリックス層)との寄生容量を更に低減するため、ボトムゲート電極12aと、配線17e(第4のブラックマトリックス層)との間に、絶縁膜13,16を介して半導体層14aを設けることで、ボトムゲート電極12aと配線17eとの重畳部においての距離を長くしている。なお、本実施の形態では、ドレイン電極15b及びボトムゲート電極12aの重畳部の一部においても寄生容量を低減する構成としているが、映像信号線(配線15c)と薄膜トランジスタのドレイン電極15bは距離が短いために寄生容量の影響を受けにくい場合は、半導体層14aを設けない構成としても良い。
【0074】
また、図8に示すソース電極15a及びボトムゲート電極12aの重畳部の一部においても、寄生容量を低減するために同様の構成としている。つまり、ボトムゲート電極12aが存在する領域上の一部において、ソース電極15aと第2の容量電極15dが分離され、この分離された配線は、第4のブラックマトリックス層で形成した配線17eによって接続されている。そして、ボトムゲート電極12aと、配線17e(第4のブラックマトリックス層)との寄生容量を更に低減するため、ボトムゲート電極12aと、配線17e(第4のブラックマトリックス層)との間に、絶縁膜13,16を介して半導体層14aを設けることで、ボトムゲート電極12aと配線17eとの重畳部の一部においての距離を長くしている。なお、本実施の形態では、ソース電極15a及びボトムゲート電極12aの重畳部の一部においても寄生容量を低減する構成としているが、第2の容量電極15dと薄膜トランジスタのソース電極15aは距離が短いために寄生容量の影響を受けにくい場合は、半導体層14aを設けない構成としても良い。
【0075】
本実施の形態によれば、映像信号線(配線15c)及び走査信号線(配線12b)、映像信号線(配線15c)及び容量線(配線12d)の交差部において、またはソース電極15a及びドレイン電極15bそれぞれとボトムゲート電極12aの重畳部の一部において、寄生容量を低減させることにより、高速動作が可能な液晶表示装置を作製することができる。
【0076】
(実施の形態3)
本発明の一態様に係る液晶表示装置について、図11を参照して説明する。なお、本実施の形態では、実施の形態1と異なる部分について説明する。図11において、図1と同一部分には同一符号を付す。
【0077】
実施の形態1では、絶縁膜16上に第3の容量電極17dの周囲を囲むように第2のブラックマトリックス層17bを形成しているが、本実施の形態では、第2のブラックマトリックス層17bを形成していない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトムゲート電極とトップゲート電極で第1の半導体層を挟むデュアルゲート型の薄膜トランジスタを有する半導体装置において、
前記トップゲート電極は、第1のブラックマトリックス層によって形成され、
前記第1の半導体層は、前記トップゲート電極と重畳し、
前記ボトムゲート電極は前記トップゲート電極と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記薄膜トランジスタは、前記第1の半導体層の一部を覆うソース電極またはドレイン電極を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記ボトムゲート電極は、前記第1の半導体層よりも面積が広い導電膜によって形成されることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、
前記トップゲート電極の周囲を囲むように形成され、且つ前記トップゲート電極と電気的に分離された、前記第1のブラックマトリックス層と同一層である第2のブラックマトリックス層を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項において、
第1の容量電極、第1の絶縁膜、及び第2の容量電極を有する第1の容量素子と、
前記第2の容量電極、第2の絶縁膜、及び第3の容量電極を有する第2の容量素子と、
を有し、
前記第1の容量素子及び前記第2の容量素子は重畳しており、
前記第1の容量電極及び前記第3の容量電極は電気的に接続されており、
前記第1の容量電極は、前記ボトムゲート電極と同一層であり、
前記第3の容量電極は、前記第1のブラックマトリックス層と同一層である第3のブラックマトリックス層によって形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記第2のブラックマトリックス層は、前記第3の容量電極の周囲を囲むように形成さ
れ、且つ前記第3の容量電極と電気的に分離されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項5または6において、
前記第3の容量電極に電気的に接続された第1の配線と、前記薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と電気的に接続された第2の配線との交差部には、第2の半導体層があり、
前記第1の配線は、前記ボトムゲート電極と同一層であり、
前記第2の配線は、前記ソース電極またはドレイン電極と同一層であり、
前記第2の半導体層は、前記第1の半導体層と同一層であることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
ボトムゲート電極と、
前記ボトムゲート電極上に形成された第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に形成された第1の半導体層と、
前記第1の半導体層上に形成された第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上に形成された第1のブラックマトリックス層からなるトップゲート電極と、
前記第2の絶縁膜上に形成された第2のブラックマトリックス層と、
を具備するデュアルゲート型の薄膜トランジスタを有し、
前記第1の半導体層は、前記トップゲート電極によって覆われており、
前記第2のブラックマトリックス層は、前記トップゲート電極の周囲を囲むように形成され、且つ前記トップゲート電極と電気的に分離され、
前記ボトムゲート電極は前記トップゲート電極と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記第1の半導体層の一部を覆うソース電極またはドレイン電極を具備し、
前記ソース電極またはドレイン電極は、前記第1の半導体層上且つ前記第1の絶縁膜上且つ前記第2の絶縁膜下に位置することを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項8または9において、
第1の容量電極、前記第1の絶縁膜、及び第2の容量電極を有する第1の容量素子と、
前記第2の容量電極、前記第2の絶縁膜、及び第3の容量電極を有する第2の容量素子と、を有し、
前記第1の容量素子及び前記第2の容量素子は重畳しており、
前記第1の容量電極及び前記第3の容量電極は電気的に接続されており、
前記第1の容量電極は、前記ボトムゲート電極と同一層であり、
前記第3の容量電極は、前記第1のブラックマトリックス層と同一層である第3のブラックマトリックス層によって形成され、
前記第2のブラックマトリックス層は、前記第3の容量電極の周囲を囲むように形成され、且つ前記第3の容量電極と電気的に分離されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記第3の容量電極に電気的に接続された第1の配線と、前記薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と電気的に接続された第3の配線との交差部は、前記第1の絶縁膜、第2の半導体層及び前記第2の絶縁膜を有し、
前記第1の配線は、前記ボトムゲート電極と同一層であり、
前記第3の配線は、前記第1のブラックマトリックス層と同一層である第4のブラックマトリックス層によって形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項1】
ボトムゲート電極とトップゲート電極で第1の半導体層を挟むデュアルゲート型の薄膜トランジスタを有する半導体装置において、
前記トップゲート電極は、第1のブラックマトリックス層によって形成され、
前記第1の半導体層は、前記トップゲート電極と重畳し、
前記ボトムゲート電極は前記トップゲート電極と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記薄膜トランジスタは、前記第1の半導体層の一部を覆うソース電極またはドレイン電極を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記ボトムゲート電極は、前記第1の半導体層よりも面積が広い導電膜によって形成されることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、
前記トップゲート電極の周囲を囲むように形成され、且つ前記トップゲート電極と電気的に分離された、前記第1のブラックマトリックス層と同一層である第2のブラックマトリックス層を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項において、
第1の容量電極、第1の絶縁膜、及び第2の容量電極を有する第1の容量素子と、
前記第2の容量電極、第2の絶縁膜、及び第3の容量電極を有する第2の容量素子と、
を有し、
前記第1の容量素子及び前記第2の容量素子は重畳しており、
前記第1の容量電極及び前記第3の容量電極は電気的に接続されており、
前記第1の容量電極は、前記ボトムゲート電極と同一層であり、
前記第3の容量電極は、前記第1のブラックマトリックス層と同一層である第3のブラックマトリックス層によって形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記第2のブラックマトリックス層は、前記第3の容量電極の周囲を囲むように形成さ
れ、且つ前記第3の容量電極と電気的に分離されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項5または6において、
前記第3の容量電極に電気的に接続された第1の配線と、前記薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と電気的に接続された第2の配線との交差部には、第2の半導体層があり、
前記第1の配線は、前記ボトムゲート電極と同一層であり、
前記第2の配線は、前記ソース電極またはドレイン電極と同一層であり、
前記第2の半導体層は、前記第1の半導体層と同一層であることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
ボトムゲート電極と、
前記ボトムゲート電極上に形成された第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に形成された第1の半導体層と、
前記第1の半導体層上に形成された第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上に形成された第1のブラックマトリックス層からなるトップゲート電極と、
前記第2の絶縁膜上に形成された第2のブラックマトリックス層と、
を具備するデュアルゲート型の薄膜トランジスタを有し、
前記第1の半導体層は、前記トップゲート電極によって覆われており、
前記第2のブラックマトリックス層は、前記トップゲート電極の周囲を囲むように形成され、且つ前記トップゲート電極と電気的に分離され、
前記ボトムゲート電極は前記トップゲート電極と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記第1の半導体層の一部を覆うソース電極またはドレイン電極を具備し、
前記ソース電極またはドレイン電極は、前記第1の半導体層上且つ前記第1の絶縁膜上且つ前記第2の絶縁膜下に位置することを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項8または9において、
第1の容量電極、前記第1の絶縁膜、及び第2の容量電極を有する第1の容量素子と、
前記第2の容量電極、前記第2の絶縁膜、及び第3の容量電極を有する第2の容量素子と、を有し、
前記第1の容量素子及び前記第2の容量素子は重畳しており、
前記第1の容量電極及び前記第3の容量電極は電気的に接続されており、
前記第1の容量電極は、前記ボトムゲート電極と同一層であり、
前記第3の容量電極は、前記第1のブラックマトリックス層と同一層である第3のブラックマトリックス層によって形成され、
前記第2のブラックマトリックス層は、前記第3の容量電極の周囲を囲むように形成され、且つ前記第3の容量電極と電気的に分離されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記第3の容量電極に電気的に接続された第1の配線と、前記薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と電気的に接続された第3の配線との交差部は、前記第1の絶縁膜、第2の半導体層及び前記第2の絶縁膜を有し、
前記第1の配線は、前記ボトムゲート電極と同一層であり、
前記第3の配線は、前記第1のブラックマトリックス層と同一層である第4のブラックマトリックス層によって形成されていることを特徴とする半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−8955(P2013−8955A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−117147(P2012−117147)
【出願日】平成24年5月23日(2012.5.23)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月23日(2012.5.23)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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