説明

半導体装置

【課題】基板等に鑞材を介して接合される接続端子の傾きを改善することができる半導体装置の提供。
【解決手段】本発明は、接続端子を備える半導体装置1であって、接続端子140は、基板、又は、基板上に配置される1つの半導体素子である接合対象物に、それぞれ鑞材を介して接合される2つの脚部142と、2つの脚部142に接続され、基板又は1つの半導体素子から離間しつつ2つの脚部間を延在する連結部141と、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
接続端子を備える半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の半導体装置は知られている(例えば、特許文献1参照)。この半導体装置では、接続端子(端子台)は、基板に半田付けにより接合され、基板とバスバーとを接続する。接続端子はC字型の断面を有する。
【0003】
また、半田付けの信頼性を高めるために接続端子に貫通穴を形成する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−103222号公報
【特許文献2】特開2005−228898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、接続端子を鑞材により基板等に接合する場合には、加熱により溶融した半田等の鑞材が接合部の全体に行き渡ると共に、余剰鑞材が一部に集中しないことが望ましい。これは、鑞材が接合部の全体に行き渡らない場合や余剰鑞材が一部に集中した場合には、接続端子が傾く等して接続端子の接合の信頼性が低下する虞があるためである。
【0006】
この点、上記の特許文献1に開示されるようなC字型の断面の接続端子は、余剰鑞材が端子角部に集中しやすく、接続端子が傾く等して接続端子の接合の信頼性が低下する虞がある。
【0007】
そこで、本発明は、基板等に鑞材を介して接合される接続端子の傾きを改善することができる半導体装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一局面によれば、接続端子を備える半導体装置であって、
前記接続端子は、
基板、又は、基板上に配置される1つの半導体素子である接合対象物に、それぞれ鑞材を介して接合される2つの脚部と、
前記2つの脚部に接続され、前記接合対象物から離間しつつ前記2つの脚部間を延在する連結部と、を含むことを特徴とする、半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基板等に鑞材を介して接合される接続端子の傾きを改善することができる半導体装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例による半導体装置1の要部を示す斜視図である。
【図2】図1に示す半導体装置1のラインA−Aに沿った断面図である。
【図3】図1に示す半導体装置1のラインB−Bに沿った断面図である。
【図4】第2接続端子140の他の実施例を示す図である。
【図5】C字型の断面の接続端子を用いた場合の問題点の説明図である。
【図6】切欠き142cを有する第2接続端子140の一実施例を示す斜視図である。
【図7】図6の第2接続端子140とヒートスプレッダ20との接合部の2方向からの断面図である。
【図8】切欠き142cを有する第2接続端子140の他の一実施例を示す斜視図である。
【図9】切欠き142cを有する第2接続端子140の更なる他の一実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0012】
図1は、本発明の一実施例による半導体装置1の要部を示す斜視図である。図2は、図1に示す半導体装置1のラインA−Aに沿った断面図である。図3は、図1に示す半導体装置1のラインB−Bに沿った断面図である。尚、図1においては、第1外部端子80及び第2外部端子82の下方の要素が見えるように、第1外部端子80及び第2外部端子82については透視図で示されている。尚、半導体装置1の上下方向は、半導体装置1の搭載状態に応じて上下方向が異なるが、以下では、便宜上、半導体装置1のヒートスプレッダ20に対して半導体チップ10が存在する側を上方とする。半導体装置1は、例えば、ハイブリッド車又は電気自動車で使用されるモータ駆動用のインバータを構成するものであってよい。
【0013】
半導体装置1は、図1及び図2に示すように、半導体チップ10と、第1接続端子12と、ヒートスプレッダ20と、第2接続端子140とを含む。
【0014】
半導体チップ10は、パワー半導体素子を含み、本例ではIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を含む。尚、半導体チップ10が含むパワー半導体素子の種類や数は、任意である。半導体チップ10は、IGBTに代えて、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)のような他のスイッチング素子を含んでもよい。半導体チップ10は、ヒートスプレッダ20上に半田50により接合される。図示の例では、半導体チップ10は、IGBTからなる半導体チップ10Aと、FWD(Free Wheeling Diode)からなる半導体チップ10Bからなる。この場合、半導体チップ10Aは、上面にエミッタ電極を備え、下面にコレクタ電極を備える。また、半導体チップ10Bは、上面にアノード電極を備え、下面にカソード電極を備える。
【0015】
第1接続端子12は、半導体チップ10A、10Bの電極に半田50により固着(接合)される。図示の例では、第1接続端子12は、IGBTのエミッタ電極と、FWDのアノード電極に半田50により接合される。第1接続端子12は、側面視で、図2に示すように、上向きに凸形状をなし、ヒートスプレッダ20の上面から上方に離間した上部121と、ヒートスプレッダ20の上面付近の高さに延在する2つの接続部122と、上部121及び2つの接続部122を繋ぐ上下方向の脚部123とから構成される。2つの接続部122は、それぞれ、IGBTのエミッタ電極と、FWDのアノード電極に接合される。第1接続端子12の上部121には、図1及び図2に示すように、第1外部端子80が、例えばレーザ溶接により、接合される。尚、第1外部端子80及び後述の第2外部端子82は、同一のバスバーモジュールに組み込まれてもよい。また、第1外部端子80及び第2外部端子82は、上下方向の位置公差を吸収するために、切欠き等を有して可撓性があるように構成されてもよい。
【0016】
ヒートスプレッダ20は、半導体チップ10で発生する熱を吸収し拡散する部材である。ヒートスプレッダ20は、例えば銅、アルミなどの熱拡散性の優れた金属から形成される。本例では、一例として、ヒートスプレッダ20は、銅により形成される。銅としては、伝導率が銅材の中で最も高い無酸素銅(C1020)が好適である。
【0017】
尚、ヒートスプレッダ20は、図示を省略するが、絶縁層を介してヒートシンクに接合されてよい。絶縁層は、樹脂接着剤や樹脂シートから構成されてよい。絶縁層は、例えばアルミナをフィラーとした樹脂で形成されてもよい。絶縁層は、ヒートスプレッダ20とヒートシンクの間に設けられ、ヒートスプレッダ20とヒートシンクに接合する。絶縁層は、ヒートスプレッダ20とヒートシンクとの間の電気的な絶縁性を確保しつつ、ヒートスプレッダ20からヒートシンクへの高い熱伝導性を確保する。ヒートシンクは、熱伝導性の良い材料から形成され、例えば、アルミなどの金属により形成されてもよい。ヒートシンクは、下面側にフィンを備える。フィンの数や配列態様は任意である。フィンは、ストレートフィンであってもよいし、その他、ピンフィンの千鳥配置等で実現されてもよい。半導体装置1の実装状態では、フィンは、冷却水や冷却空気のような冷却媒体と接触する。このようにして、半導体装置1の駆動時に生じる半導体チップ10からの熱は、ヒートスプレッダ20、絶縁層を介して、ヒートシンクのフィンから冷却媒体へと伝達され、半導体装置1の冷却が実現される。
【0018】
第2接続端子140は、ヒートスプレッダ20の上面に半田70により接合される。尚、ヒートスプレッダ20には、上述の如く半導体チップ10AとしてのIGBTのコレクタ電極(及び半導体チップ10BとしてのFWDのカソード電極)が接続されるので、第2接続端子140は、IGBTのコレクタ電極の取り出し部を構成する。また、第2接続端子140は、図1及び図3に示すように、例えばレーザ溶接により、第2外部端子82に接合される。
【0019】
第2接続端子140は、図3に示すように、ヒートスプレッダ20の上面に2点で接合される。図3に示す例では、第2接続端子140は、ヒートスプレッダ20の上面に対して垂直方向に延在する2つの脚部142と、ヒートスプレッダ20の上面から離間しつつヒートスプレッダ20の上面に平行に延在する連結部(上部)141とを含み、連結部141は、2つの脚部142を接続する。即ち、第2接続端子140は、2つの脚部142と連結部141により下方に向いたC字型断面を画成する。第2接続端子140は、2つの脚部142にてヒートスプレッダ20に半田70により接合される。尚、第2接続端子140は、はんだに対する濡れ性(はんだ濡れ性)を有するめっき層が形成されてもよい。この場合、第2接続端子140の一部にのみ(例えば2つの脚部142にのみ)にめっき層が形成されてもよい。
【0020】
2つの脚部142は、好ましくは、同一の構成を有する。即ち、2つの脚部142は、好ましくは、形状(長さ、幅、高さ等)が同一であり、図3の断面視で左右対称に配置される。尚、第2接続端子140は、一定幅の直線状の板材からプレス加工で形成されてよい。
【0021】
第2接続端子140は、例えばヒートスプレッダ20の上面の2点の接合箇所に、溶融した半田を配置し、それぞれの半田の位置にそれぞれ脚部142を位置付けることで、ヒートスプレッダ20上に搭載されてもよい。この際、第2接続端子140は、溶融状態にある半田が接合部の全体に行き渡るように、所定のスクラブ方向に揺動されてもよい(即ちスクラブ工程が実行されてもよい)。所定のスクラブ方向は、2つの脚部142を結んだ方向(図1のL方向)であってよい。
【0022】
図4は、第2接続端子140の他の実施例を示す図であり、図3に示した断面視と同様の断面視である。
【0023】
図4に示す例では、2つの脚部142は、それぞれ、ヒートスプレッダ20の上面に対して垂直方向に延在する第1部位142aと、第1部位142aから屈曲して、ヒートスプレッダ20の上面に沿って延在する第2部位142bとを含む。この場合も、同様に、第2接続端子140は、2つの脚部142にてヒートスプレッダ20に半田70により接合される。
【0024】
尚、図4に示す例では、2つの脚部142の各第2部位142bは、互いに近接する方向に延在するが、更なる他の実施例として、2つの脚部142の各第2部位142bは、互いに離反する方向に延在してもよいし、若しくは、一方が他方に近接する方向に延在し且つ他方が一方から離反する方向に延在してもよい。
【0025】
以上説明した本実施例によれば、上述の如く、第2接続端子140が2点(即ち2つの脚部142)でヒートスプレッダ20の上面に半田70により接合されるので、2つの脚部142を結ぶ方向(L方向)で半田70による接合部のアンバランスが低減され、C字型の断面の接続端子を用いた場合に生ずるような不都合(即ち、図5に示すように、余剰半田が端子角部に集中しやすく、接続端子が傾く等の不都合)を防止することができる。これにより、第2接続端子140とヒートスプレッダ20との接合の信頼性を高めることができる。
【0026】
ここで、第2接続端子140は、好ましくは、半田70を受け入れる切欠きを有する。このような切欠きは、脚部142の任意の場所に任意の形状で形成されてよい。これにより、余剰半田が切欠き内に入ることができ、余剰半田の好ましくない態様のはみ出しを防止することができる。以下では、切欠きを有する第2接続端子140の好ましい幾つかの実施例について説明する。
【0027】
図6は、切欠き142cを有する第2接続端子140の一実施例を示す斜視図である。図7は、第2接続端子140とヒートスプレッダ20との接合部の2方向からの断面図(図6のL方向及びW方向に視た、切欠き142cを通る断面図)である。尚、以下では、L方向は、2つの脚部142を結ぶ方向に対応し、第2接続端子140の長手方向を指し、H方向は、高さ方向を指し、W方向は、脚部142の幅方向(長手方向及び高さ方向に垂直な方向)を指す。
【0028】
図6に示す例では、2つの脚部142は、それぞれ、高さ方向Hに延在する切欠き142cを有する。切欠き142cは、図7に示すように、接合時に半田70を受け入れる。切欠き142cは、好ましくは、図6に示すように、脚部142の幅方向Wの略中央部に形成される。2つの脚部142のそれぞれ切欠き142cは、好ましくは、同一の構成(位置や形状等)を有する。尚、図6に示す例では、切欠き142cは、脚部142の幅方向Wの中央部に形成され、脚部142におけるヒートスプレッダ20側の縁部(高さ方向Hの下方側縁部)のみで開口する。これにより、切欠き142cは囲まれた空間を形成するので、溶解状態の半田70は、高さ方向に延在する切欠き142cに対してもその内部へ移動する(這い上がる)ことができる。しかしながら、切欠き142cは、ヒートスプレッダ20側の縁部と、幅方向Wの一方の縁部の双方で開口するものであってもよい(即ち幅方向Wの端に形成されてもよい)。また、切欠き142cは、1つの脚部142に対して複数個設定されてもよい。また、切欠き142cの形状は、任意であり、図示のような矩形の形状以外にも、三角形や、円形や楕円形等を含んでよい。
【0029】
図8は、切欠き142cを有する第2接続端子140の他の一実施例を示す斜視図である。
【0030】
図8に示す例では、2つの脚部142は、図4に示した例と同様、それぞれ、ヒートスプレッダ20の上面に対して垂直方向に延在する第1部位142aと、第1部位142aから屈曲して、ヒートスプレッダ20の上面に沿って延在する第2部位142bとを含み、第2部位142bに切欠き142cが形成される。従って、図8に示す例では、切欠き142cは、長手方向Lに延在する。切欠き142cは、同様に、図8に示すように、脚部142の幅方向Wの略中央部に形成される。2つの脚部142のそれぞれ切欠き142cは、好ましくは、同一の構成(位置や形状等)を有する。尚、図8に示す例では、切欠き142cは、脚部142の幅方向Wの中央部に形成され、脚部142における長手方向Lの縁部のみで開口する。しかしながら、切欠き142cは、長手方向Lの縁部と、幅方向Wの一方の縁部の双方で開口するものであってもよいし、若しくは、幅方向の一方の縁部のみで開口するものであってもよい。また、切欠き142cは、1つの脚部142に対して複数個設定されてもよい。また、切欠き142cの形状は、任意であり、図示のような矩形の形状以外にも、三角形や、円形や楕円形等を含んでよい。
【0031】
図9は、切欠き142cを有する第2接続端子140の更なる他の一実施例を示す斜視図である。
【0032】
図9に示す例では、2つの脚部142は、図4に示した例と同様、それぞれ、ヒートスプレッダ20の上面に対して垂直方向に延在する第1部位142aと、第1部位142aから屈曲して、ヒートスプレッダ20の上面に沿って延在する第2部位142bとを含み、第1部位142aと第2部位142bとに亘って切欠き142cが形成される。即ち、切欠き142cは、第1部位142aと第2部位142bとの間の屈曲部を含む領域に形成される。従って、図9に示す例では、切欠き142cは、第1部位142aにおいて高さ方向Hに延在すると共に、第2部位142bにおいて長手方向Lに延在する。切欠き142cは、同様に、図9に示すように、脚部142の幅方向Wの略中央部に形成される。2つの脚部142のそれぞれ切欠き142cは、好ましくは、同一の構成(位置や形状等)を有する。尚、同様に、切欠き142cは、1つの脚部142に対して複数個設定されてもよい。また、切欠き142cの形状は、任意であり、図示のような矩形の形状以外にも、三角形や、円形や楕円形等を含んでよい。
【0033】
尚、図9に示す例では、切欠き142cは、脚部142の幅方向Wの中央部に形成され、穴の形態で全周が囲繞されている。しかしながら、切欠き142cは、第2部位142bにおいて長手方向Lに更に延在し、脚部142における長手方向Lの縁部のみで開口してもよい。或いは、切欠き142cは、幅方向Wの一方の縁部のみで開口してもよいし、長手方向Lの縁部と、幅方向Wの一方の縁部の双方で開口するものであってもよい。
【0034】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0035】
例えば、上述では、ヒートスプレッダ20と第2外部端子82とを接続する第2接続端子140の構成について特に言及しているが、第2接続端子140と同様の構成の接続端子を用いて、他の部品間の接続を実現することは可能である。例えば、第1接続端子12に代えて、第2接続端子140と同様の構成の接続端子を用いて、半導体チップ10Aと第1外部端子80とを接続すると共に、第2接続端子140と同様の構成の接続端子を用いて、半導体チップ10Bと第1外部端子80とを接続することとしてもよい。この場合も、同様に、第2接続端子140と同様の構成の各接続端子は、それぞれ、2つの脚部により、半田により半導体チップ10A又は半導体チップ10Bに接合されればよい。
【0036】
また、上述の実施例では、第2外部端子82は、一定の幅を有しているが、第2外部端子82の幅は変化してもよい。また、上述の実施例では、脚部142は、ヒートスプレッダ20の上面に対して垂直に延在するが、垂直以外の角度であってもよい。例えば、脚部142は、ヒートスプレッダ20の上面に対して斜め方向に延在する第1部位と、第1部位から屈曲して、ヒートスプレッダ20の上面に沿って延在する第2部位とを含んでもよい。
【0037】
また、上述の実施例では、半導体装置1は、他の構成(例えば、走行モータ駆動用のDC/DC昇圧コンバータの素子の一部)を含んでよいし、また、半導体装置1は、半導体チップ10A、10Bと共に、他の素子(コンデンサ、リアクトル等)を含んでもよい。また、半導体装置1は、車両用のインバータに適用されるものであったが、半導体装置1は、他の用途(鉄道、エアコン、エレベータ、冷蔵庫等)で使用されるインバータに使用されてもよい。更に、半導体装置1は、インバータ以外の装置、例えば、コンピューター用のMPU(Microprocessor Unit)や、無線通信機の送信部の電力増幅回路に使用される高周波パワーモジュールに使用されてもよい。
【0038】
また、上述の実施例では、半導体チップ10が配置され第2接続端子140が接合される基板は、ヒートスプレッダ20であったが、本発明は、他の任意の基板にも適用可能である。例えば、半導体チップ10が配置され第2接続端子140が接合される基板は、高い熱伝導性を有するセラミック基板の両面にアルミ板を備えたDBA(Direct Brazed Aluminum)基板や、セラミック基板の両面に銅板を備えたDBC(Direct Brazed Copper)基板により構成されてもよい。
【0039】
また、上述の実施例では、鑞材として半田が用いられているが、半田に代えて種々の鑞材(例えば、金、銀、銅等を含むもの。硬鑞であるか軟鑞であるかを問わない)を採用することが可能である。さらに、鑞材は、合金からなる材料に限られるものではなく、加熱により液化し冷却(自然冷却を含む)により固化して接合を実現するあらゆる導電性材料を鑞材として採用することが可能である。また、半田70としては、主成分として含まれる金属の種類(例えば、錫等)によらず種々の半田を採用することができる。
【0040】
図示の例では、ヒートスプレッダ20単位で構成を説明したが、半導体装置1に含まれるヒートスプレッダ20の数は任意である。例えば、半導体装置1に含まれるヒートスプレッダ20の数は、6であってもよい。この場合、6つのヒートスプレッダ20上の各半導体チップ10は、モータ駆動用のインバータのU相、V相、W相の各上アーム及び各下アームを構成するものであってよい。
【符号の説明】
【0041】
1 半導体装置
10(10A,10B) 半導体チップ
12 第1接続端子
20 ヒートスプレッダ
50 半田
70 半田
80 第1外部端子
82 第2外部端子
140 第2接続端子
141 連結部
142 脚部
142a 第1部位
142b 第2部位
142c 切欠き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続端子を備える半導体装置であって、
前記接続端子は、
基板、又は、基板上に配置される1つの半導体素子である接合対象物に、それぞれ鑞材を介して接合される2つの脚部と、
前記2つの脚部に接続され、前記接合対象物から離間しつつ前記2つの脚部間を延在する連結部と、を含むことを特徴とする、半導体装置。
【請求項2】
前記2つの脚部は、それぞれ、前記鑞材を受け入れる切欠きを有する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記2つの脚部は、それぞれ、前記基板の表面に対して垂直な方向に延在する第1部位を有し、前記切欠きは、該部位に形成させる、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記切欠きは、穴の形態で閉じた切欠き、又は、前記脚部の3方向の縁部のうちの1つ縁部のみで開口する切欠きである、請求項2又は3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記2つの脚部は、それぞれ、前記基板の表面に対して垂直な方向に延在する第1部位と、前記第1部位から屈曲して前記基板の表面の平行な方向に延在する第2部位とを含む、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記2つの脚部は、同一の構成を有する、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−94824(P2013−94824A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240560(P2011−240560)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)