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半導体製造のための気体フロー分割システム及び方法
説明

半導体製造のための気体フロー分割システム及び方法

単一のフローを所望の比率の2以上の二次フローに分割するシステムであり、前記単一のフローを受け取る入口と、前記入口に接続された少なくとも2つの二次フロー・ラインと、少なくとも1つの所望のフロー比率を受け取る入力手段と、前記フロー・ラインのそれぞれによって生じた製品の測定値を提供する少なくとも1つのインサイチュ・プロセス・モニタと、前記入力手段と前記インサイチュ・プロセス・モニタとに接続されたコントローラとを含む。このコントローラは、前記入力手段を介して所望のフロー比率を受け取り、前記インサイチュ・プロセス・モニタから前記製品の測定値を受け取り、前記所望のフロー比率と前記製品の測定値とに基づいて訂正されたフロー比率を計算するようにプログラムされている。製品測定値が等しくない場合には、訂正されたフロー比率は所望のフロー比率とは異なるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは、半導体製造装置に関し、詳しくは、正確に区分された量のプロセス・ガスを半導体プロセス・チャンバまで搬送するシステム及び方法に関する。更に詳しくは、本発明は、プロセス・ガスの単一のフローを所望の比率の2以上のフローに分割するシステム及び方法に関し、そこでは、インサイチュ・プロセス・モニタを用いて、それぞれのフローによって生じる処理結果のリアルタイムでのモニタリングが提供され、それぞれのフローによって生じる処理結果が等しくない場合には、本発明によるシステム及び方法は、フローの比率をリアルタイムで調整して、所望の処理結果を得る。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造又は製作は、多くの場合、注意深い同期と、1ダースもの気体をプロセス・チャンバまで正確に測定された搬送とを必要とする。製造プロセスにおいては様々な方法が用いられ、半導体デバイスが洗浄され、研磨され、酸化処理され、マスキングがなされ、エッチングがなされ、ドーピングがなされ、メタライゼーションがなされ、というような多くの離散的な処理ステップが要求される。用いられるステップと特定のシーケンスと関係する材料とのすべてが、特定のデバイスの製造に寄与するのである。
【0003】
従って、ウエハ製造施設は、通常、化学的蒸着、プラズマ蒸着、プラズマ・エッチング、スパッタリング及びそれ以外の同様な気体製造プロセスが実行される領域を含むように構築されている。化学的蒸着反応器、真空スパッタリング装置、プラズマ・エッチング装置、プラズマ・エンハンスト化学的蒸着などの処理ツールに、様々なプロセス・ガスが供給されなければならない。純粋な気体が、正確に計量された量だけこれらのツールに供給されなければならない。
【0004】
典型的なウエハ製造施設では、気体は、気体箱にパイピングやコンジットを介して接続されているタンクに保管されている。気体箱は、製造施設のタンクからプロセス・ツールへ、正確に計量された量の不活性ガスや反応性ガスを搬送する。気体箱又は気体計量システムは、弁、圧力調整器、トランスデューサ、質量流量コントローラ、フィルタ、精製装置などの気体計量ユニットを有する複数の気体経路を含む。それぞれの気体経路は、別個の気体源に接続するそれ自体の入口を有するが、気体経路はすべて、プロセス・ツールに接続する単一の出口に収束している。
【0005】
時には、混合されたプロセス・ガスを等しい複数のフローに分割したり、等しくないが比例関係にあるフローに分割することが望まれることがある。例えば、気体箱からの単一の気体フローを複数のプロセス・チャンバに分割することが必要になる。この場合、それぞれのプロセス・チャンバは、等しいフローを受け取る。また、気体箱からの単一の気体フローを単一のプロセス・チャンバの別個の複数の部分に分割することが必要になることもある。この場合は、プロセス・チャンバのそれぞれの部分は、等しいフロー又は等しくないが比例関係にあるフローを受け取る。
【0006】
定圧又は大気圧での化学的蒸着、エッチング、エピタキシなどの様々な半導体製造プロセスでは、プロセス・ガスをプロセス・チャンバの中で処理されている半導体ウエハの上に均等に配分するため、プロセス・チャンバの中ではシャワーヘッドが用いられる。シャワーヘッドは、単一の区域を有する場合もあるし、2以上の複数の区域を有する場合もある。複数区域のシャワーヘッドの例としては、限定は意味しないが、米国特許第5,453,124号(Moslehi他)、米国特許第5,624,498号(Lee他)、米国特許第5,976,261号(Moslehi他)、米国特許第6,251,187号(Li他)、米国特許第6,302,964号(Umotoy他)、米国特許第6,676,760号(Kholodenko他)などがある。
【0007】
気体箱の一次フローが別個の複数のプロセス・チャンバ又は単一のプロセス・チャンバの別個の複数の部分の間で希望するように分割されることを保証するため、フロー分割システムが用いられる。フロー分割システムの例としては、限定は意味しないが、米国特許第4,369,031号(Goldman他)、米国特許第6,333,272号(McMillin他)、米国特許第6,418,954号(Taylor他)、公開米国特許出願第2003/0130807号などがある。
【0008】
依然として望まれるのは、例えば、プロセス・ガスの単一のフローを別個の複数のプロセス・チャンバ又は単一のプロセス・チャンバの別個の複数の部分の間で分割するのに用いることができる新規で改良型の気体フロー分割システム及び方法である。好ましくは、このフロー分割システム及び方法は、インサイチュ・プロセス(ウエハの均一性)モニタリングを一体化して、必要に応じて、フロー分割システム及び方法によって生じたフロー比率を直ちに調整して半導体ウエハの不均一をリアルタイムで訂正することができる。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、単一の質量フローを所望の比率の2以上の二次質量フローに分割するシステムを提供する。本発明によるシステムは、前記単一の質量フローを受け取る入口と、前記入口に接続された少なくとも2つの二次フロー・ラインと、を含む。本発明によるシステムは、更に、少なくとも1つの所望のフロー比率(すなわち、設定点)を受け取る入力手段と、前記フロー・ラインのそれぞれによって生じた製品の測定値(例えば、半導体ウエハの膜厚測定値)を提供する少なくとも1つのインサイチュ・プロセス・モニタと、前記入力手段と前記インサイチュ・プロセス・モニタとに接続されたコントローラと、を含む。このコントローラは、前記入力手段を介して所望のフロー比率を受け取り、前記インサイチュ・プロセス・モニタから前記製品の測定値を受け取り、前記所望のフロー比率と前記製品の測定値とに基づく訂正フロー比率を計算するようにプログラムされている。
【0010】
本発明のある特徴によると、本発明によるシステムは、それぞれのフロー・ラインに接続された別個のプロセス・チャンバを更に含み、それぞれのプロセス・チャンバは、それぞれのプロセス・チャンバの中の半導体ウエハの測定値を提供するインサイチュ・プロセス・モニタを少なくとも1つ含む。
【0011】
本発明の別の特徴によると、本発明によるシステムは、前記フロー・ラインのすべてに接続された単一のプロセス・チャンバを更に含み、前記プロセス・チャンバの中に配置された半導体ウエハは前記フロー・ラインに対応する複数の区域に分割される。更に別の特徴によると、前記フロー・ラインは前記プロセス・チャンバのシャワーヘッドに接続されており、前記プロセス・チャンバは、前記プロセス・チャンバの中の半導体ウエハの複数の区域のそれぞれの測定値を提供する前記インサイチュ・プロセス・モニタを少なくとも1つ含む。
【0012】
本発明の別の特徴及び効果によると、本発明によるシステムは、半導体ウエハ処理の不均一に対するリアルタイムでの訂正を提供する。本発明によるシステムは、プロセス・ガスの単一のフローを、別個の複数のプロセス・チャンバの間で、又は、単一のプロセス・チャンバの別個の複数の部分の間で分割することができ、インサイチュ・プロセス(ウエハ均一性)モニタリングを一体化し、必要に応じて本発明によるフロー分割システムによって生じたフロー比率を直ちに調整して、半導体ウエハの不均一をリアルタイムで訂正する。
【0013】
本発明の別の特徴によると、前記インサイチュ・プロセス・モニタは、差動センサ(differential sensor)であることを特徴とするシステム。従って、本発明は、相対的な較正だけを必要とするセンサを用いており、面倒で費用を要し信頼性の低い絶対的な較正を不要とする。
【0014】
本発明のこれ以外の特徴及び効果は、本発明の実施例を例示的に示し説明している以下の詳細な説明を読めば、当業者であれば理解できるはずである。理解できるように、本発明は、本発明から離れることなく様々な明らかな点において修正が可能である。従って、添付の図面及び詳細な説明は、制限を意味せず、あくまで例示的な性質を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
添付の図面を参照するが、添付の図面においては、同一の参照符号を有する要素は、同じ要素を表している。
図1及び図2を参照すると、本発明は、単一の気体フロー(質量フローとも称する)を所望の比率の2以上のフローに分割するフロー分割システム10及び方法12を提供する。システム10及び方法12は、特に、汚染物フリーで正確に計量された量のプロセス・ガスを半導体プロセス・チャンバまで搬送する気体計量システムと共に用いることが意図されている。本発明によるシステム10及び方法12は、インサイチュ・プロセス(ウエハ均一性)モニタリングを一体化して、必要に応じてフロー比率を直ちに調整し、半導体ウエハの不均一性をリアルタイムで訂正する。
【0016】
図1は、気体計量箱110の実施例と単一プロセス・チャンバ106のシャワーヘッド107の実施例との間に接続されているように示されているフロー分割システム10の実施例の概略的な図解であり、半導体ウエハ200が処理のために保持されている様子が示されている。気体計量箱110は、例えばプロセス・ガスとパージ・ガスとの両方を含む複数の気体を気体源(例えば、気体タンク)104a、104b、104c、104d(4つのタンクが示されているが、本発明によるシステムは、望むのであれば、4より多い又は少ないタンクを含むことが可能である)から受け取り、フロー分割システム10のためのこれらの気体を混合し正確に計量する。
【0017】
気体箱110は、複数の気体スティック112a、112b、112c、112dを有する(4つのスティックが示されているが、気体箱は、4より多い又は少ない箱を含むことが可能である)。それぞれのスティックは、例えば、質量流量コントローラ(MFC)114と、MFCよりも前に配置されている弁116と、MFCよりも後に配置されている弁118とを含む。気体スティック112a、112b、112c、112dは、気体源104a、104b、104c、104dに別個に接続されており、制御可能な気体経路を提供することによって、汚染フリーの正確に計量された量の気体、又は、気体の混合物が、気体箱110からフロー分割システム10に供給される。示されてはいないが、気体スティック112a、112b、112c、112dは、それぞれに、フィルタ、清浄器、圧力トランスデューサ、コントローラなど、気体をモニタする又は制御する他のコンポーネントが提供されていることもありうる。気体スティック112a、112b、112c、112dは、例えば出口マニホルド128の中で相互に接続し、そう望まれる場合には、それぞれのスティックからの気体フローが気体箱から出る前に混合させることが可能である。
【0018】
真空ポンプ120は、ゲート弁122を介してプロセス・チャンバ106に接続されている。動作の間には、真空ポンプ120は、気体源104a、104b、104c、104dからの気体を、気体箱110とフロー分割システム10とを介して、プロセス・チャンバ106の中へ導くことにより、これらの気体を半導体ウエハ200の処理に用いることができる。プロセス・チャンバ106の中で気体によって実行されるプロセスには、限定を意味しないが、化学的蒸着、プラズマ蒸着、プラズマ・エッチング、スパッタリングなどが含まれる。これらのプロセスにより、物質の層がウエハ200の表面に積層されたり、そこから除去されたりする。あるいは、ウエハ200の表面の性質(例えば、多孔性)が変化したりすることもある。ウエハ200に対するこれらの変更は、気体によって生じる所望の1又は複数のプロセスの進行を決定するために、モニタすることができる。
【0019】
図1を参照すると、本発明によるフロー分割システム10は、単一の気体フローを気体箱10の出口マニホルド128から受け取る入口ライン又はマニホルド13と、入口13に接続された第1及び第2のフロー・ライン14a、14bとを含む。それぞれのライン14a、14bには、そのラインを流れる質量流量を測定して測定されたフローを示す信号を提供する質量流量計18a、18bと、所望のフロー比率を示す信号に基づいてラインを流れるフローを制御する弁20a、20bとが提供されている。比率システム10は、また、所望のフロー比率を受け取る(人間のオペレータから直接に受け取るか、又は、ウエハ処理のコンピュータ・コントローラを介して間接的に受け取る)入力装置22と、質量流量計18a、18bと弁20a、20bと入力装置22とに接続されたコントローラ24とを有する。この出願では、フロー比率αは、第2のライン14bを流れるフローQを第1のライン14aを流れるフローQによって除算した値と定義される。
【0020】
注意すべきであるが、図1に示されているフロー分割システム10の実施例は2つのフロー・ライン14a、14bだけを含むが、本発明に従って構築されるフロー分割システムは、3以上のフロー・ラインを有する場合もありうる。
【0021】
フロー分割システム10は、また、フロー・ライン14a、14bのそれぞれによって生じた製品の測定値を提供するインサイチュ・プロセス・モニタ100を含む。インサイチュ・プロセス・モニタ100は、例えば、ウエハ200の表面に積層される又はそこから排除される層の膜厚の測定値を提供する。あるいは、インサイチュ・プロセス・モニタ100は、例えば、ウエハ200の表面の性質(例えば、多孔性)の測定値を提供する。インサイチュ・プロセス・モニタ100によって提供される測定値は、プロセス・チャンバ106の中のウエハ200に対して気体によって生じる所望の1又は複数のプロセスの進行を決定するのに用いられる。
【0022】
インサイチュ・プロセス・モニタ100は、偏光解析法(ellipsometry)、発光分光法(OES)、光干渉計など高度な薄膜計測方法を用いて、半導体ウエハの積層された膜厚などの性質を決定する。ある実施例によると、本発明のシステム10の一部として用いられるインサイチュ・プロセス・モニタ100は、反射された光と光源から放出された光との比率をモニタすることによって測定値を得る差動センサを含む。
【0023】
インサイチュ・プロセス・モニタは、例えば、米国特許第5,387,309号(Bobel他)、米国特許第6,113,733号(Eriguchi他)、米国特許第6,117,348号(Peng他)、米国特許第6,278,809号(Johnson他)、米国特許第6,563,578号(Halliyal他)、米国特許第6,633,391号(Oluseyi他)に示されている。これらの米国特許は、すべて本出願において援用する。インサイチュ・プロセス・モニタは、例えば、米国ニュージャージー州エジソン(Edison)所在のジョビン・イボン(Jobin Yvon)社(www.jobinyvon.com)、米国ミネソタ州イーデン・プレイリ(Eden Prairie)所在のSVTアソシエーツ(SVT Associates)社(www.svta.com)、米国ペンシルバニア州アレンタウン(Allentown)所在のマイクロ・フォトニクス(Micro Photonics)社(www.microphotonics.com)、米国カリフォルニア州サンタクララ所在のルクストロン(Luxtron)社(www.luxtron.com)、米国バージニア州スターリング(Sterling)所在のフォーウェイブ(4Wave)社(www.4waveinc.com)などから市販されている。
【0024】
図1の実施例では、システム10のフロー・ライン14a、14bは、共に、プロセス・チャンバ106のシャワーヘッド107の中に供給される。従って、第2のライン14bを流れるフローQは、ウエハ200の外側の部分又は区域に影響を与え、他方で、第1のライン14aを流れるフローQは、ウエハ200の内側の部分又は区域に影響を与える。従って、ウエハ200の内側の区域は第1のフロー・ライン14aと対応し、ウエハ200の外側の区域は第2のフロー・ライン14bに対応する。
【0025】
図1の実施例では、インサイチュ・プロセス・モニタ100は、ウエハ200の内側区域から少なくとも1つの測定値Mを提供して、第1のフロー・ライン14aを流れる気体フローのプロセスの結果を指示する。また、インサイチュ・プロセス・モニタ100は、ウエハ200の外側区域から少なくとも1つの測定値Mを提供して、第2のフロー・ライン14bを流れる気体フローのプロセスの結果を指示する。
【0026】
次に図2を参照すると、コントローラ24は、ステップ30に示されているように入力装置22を流れる所望のフロー比率を受け取り、ステップ32に示されているように流量計18a、18bからの測定されたフローを示す信号を受け取り、ステップ34に示されているように測定されたフローに基づいてフロー・ライン14a、14bを流れる実際のフロー比率を計算し、ステップ36に示されているように実際のフロー比率と「訂正された」フロー比率とを比較するようにプログラムされている。コントローラ24は、また、ステップ38に示されているように実際のフロー比率が訂正されたフロー比率と等しくない場合にはフロー・ライン14a、14bの少なくとも一方を流れる所望のフローを計算し、ステップ40に示されているように弁20a、20bの少なくとも一方への所望のフローを示す「調整」信号を提供するようにプログラムされている。従って、コントローラ24は、ラインを流れる実際のフロー比率が訂正されたフロー比率と等しくなるまで、フロー・ライン14a、14bの少なくとも一方を流れるフローを調整する。
【0027】
更に、コントローラ24は、図2のステップ50に示されているようにインサイチュ・プロセス・モニタ100から測定値M及びMを受け取り、ステップ52に示されているように測定値M及びMを比較するようにプログラムされている。測定値M及びMが等しく、フローQ及びQがウエハ200の内側及び外側の区域に等しい処理結果を生じていることを示す場合には、コントローラは、ステップ54に示されているように、所望のフロー比率と等しい訂正フロー比率を計算するようにプログラムされている。別言すると、フローQ及びQが異なる処理結果を生じておらずシステムは希望通りに動作しているので、訂正は要求されない。
【0028】
測定値M及びMが等しくなく、ウエハ200の内側及び外側区域に等しい処理結果を生じていないことを示している場合には、コントローラ24は、ステップ56に示されているように、訂正されたフロー比率を計算するようにプログラムされている。第1に、コントローラ24は、kを任意の正のスカラ定数として、プロセス均一性誤差ε=k/2[(M−M)/(M+M)]を計算し、更に、所望のフロー比率とプロセス均一性誤差εとに基づいて、訂正されたフロー比率を計算するようにプログラムされている。本発明のある実施例では、訂正されたフロー比率は、所望のフロー比率とプロセス均一性誤差εとの積に等しい。あるいは、訂正されたフロー比率はf(ε)として計算することができる。ここでfは実際に用いられた物理システムに基づくモデル・ベースのアプローチを用いて決定される関数である。
【0029】
ある実施例では、コントローラ24は、第1の所望のフローを示す「初期」信号を第1のライン14aの弁20aに提供し、実際のフロー比率が所望のフロー比率と等しくない場合には第2のフローを計算し、第2の所望のフローを示す「調整」信号を第2のフロー・ライン14bの弁20bに提供するようにプログラムされている。調整信号Vc2は、次の数式を用いて計算される。
【0030】
【数7】

ここで、Vc2はコントローラ24から第2の弁20bへのコマンドであり、Kpaはフロー比率制御のための比例ゲインであり、Kiaはフロー比率制御のための積分ゲインであり、αは測定されたフロー比率であり、αspはフロー比率設定点又は所望のフロー比率である。このようにして、第1のライン14aの弁20aは固定されたオリフィスとして作用し、他方で、第2のライン14bの弁20bは可変制御弁として作用する。この特徴により、システム10がシステムを介して制御される気体のタイプとは独立に動作することが可能になる。その理由は、気体が異なることに起因するフロー測定の誤差は流量計18a、18bの両方で同一であるからである。好ましくは、コントローラ24は、第1のライン14aの弁20aを完全に開放し、それによって、システム10の前後での全体的な圧力降下を最小化する。
【0031】
本発明のフロー比率システム10と共に用いるための適切な質量流量計18a、18bの例として、この出願の出願人である米国マサチューセッツ州アンドーバ(Andover)所在のMKSインスツルメンツ(MKS Instruments)社(www.mksinst.com)から市販されている熱ベースのマス・フロー(Mass-Flo(登録商標))ブランドのコントローラがある。適切な弁20a、20bもまた出願人から市販されている。弁20a、20bは、非線形であり、制御可能な範囲が狭い。しかし、熱流量計18a、18bは、システム10によって提供される制御範囲を決定する際には限定因子であり、その理由は、流量計は通常は最大センサ範囲の5パーセント未満では信頼できないからである(例えば、2000sccmの熱流量計は、100sccmより下では信頼性が低い)。
【0032】
図示されていないが、質量流量計10に3以上のフロー・ライン14を提供することが可能である。この場合、それぞれの追加的なフロー・ラインはコントローラ24に接続された弁20と流量計18とを有する。更に、質量流量コントローラを、それぞれのラインの質量流量計及び弁として用いることが可能である。図示されていないが、本発明によるフロー比率システム10は、気体箱とプロセス・チャンバとの間で迅速かつ容易に組み立てるためにモジュラ・ユニットとして提供することが可能である。そのような場合には、シャットオフ弁又は適切なコネクタ150を、図1に示されているように、フロー比率システム10の入口マニホルド13と気体箱110の出口マニホルド128との間に提供することが可能である。
【0033】
本発明によるフロー分割システム及び方法の実施例は、更に、システム10の入口13及び/又は出口のための圧力センサを含むことがある。この圧力センサによって提供される入口圧力及び/又は出口圧力測定値は、コントローラ24によって、フロー比率αを制御するだけではなく入口圧力及び/又は出口圧力を制御するのに用いられる。
【0034】
圧力制御機能を追加することは、多くの補助的な利点を有するのであるが、これには、システム10の性能向上と、システム10の上流又は下流にある装置への混乱の減少とが含まれる。システム10を最大可能圧力で動作させることにより、フロー比率制御システムにおける安全性因子の必要性を除去又は低下させることができる。更に、弁20a、20bの両側での圧力降下を制御することで、弁の性能を改善し、弁の設定、整合及び調整をより単純にすることができる。従って、本発明は、任意の追加された圧力制御機能を備えたフロー分割システム及び方法を含むことが意図されている。例えば、本発明は、フロー分割システム10に加え、システムの入口及び/又は出口において圧力センサとを含むことが意図されている。本発明は、また、フロー分割方法12に加え、入口及び/又は出口において圧力を測定することが意図されている。実際に、本発明は、特許請求の範囲に記載されたフロー分割システム及び方法のために圧力測定値を用いる任意の制御方法を含むことが意図されている。
【0035】
次の説明する例では、図1を参照する。質量フロー比率システム10の入口13に圧力センサ(図示せず)を追加することを想定すると、コントローラ24は、第2のライン14bを流れるフローQと、第1のライン14aを流れるフローQと、圧力センサによって提供された入口における測定された圧力Pinという3つの入力を受け取るようにプログラムされている。コントローラ24は、一度に1つの弁だけを制御するのではなく、第1及び第2の弁20a、20bの両方に、動的にコマンドを発するようにプログラムされている。しかし、フロー比率制御に関しては、「固定された弁」はほとんど開放されており、他方、フロー比率は、他方の弁をその弁の制御範囲の10%から50%の間で制御することによって決定される。圧力信号を追加することで、固定された弁は入口圧力を制御するように設定され、他方の弁はフロー比率を制御するのに用いられる。
【0036】
入口圧力制御の例は、次のように書くことができる。
【0037】
【数8】

ここで、Vc1はコントローラ24から第1の弁20aへのコマンド、Vc2は第2の弁20bへのコマンドであり、Kppは圧力制御のための比例ゲインであり、Kipは圧力制御のための積分ゲインであり、Kpαはフロー比率制御のための比例ゲインであり、Kiαはフロー比率制御のための積分ゲインであり、αは測定されたフロー比率であり、αspはフロー比率設定点又は所望のフロー比率であり、Pinは測定された入口圧力であり、Pは動作圧力スレショルド(又は、所望の圧力)である。
【0038】
この制御システム及び方法は比例プラス積分(PI)タイプの制御システム及び方法として説明されているが、他のタイプの制御システム及び方法を用いることもできる。例えば、比例、積分、比例プラス微分(PD)、比例プラス積分プラス微分(PID)タイプの制御システム及び方法などである。
【0039】
図3では、システム10は、それぞれのフロー・ライン14a、14bに接続された別個のプロセス・チャンバ106、108を含んでおり、それぞれのプロセス・チャンバ106、108は、それぞれのプロセス・チャンバの中の半導体ウエハ200に関する測定値を提供するインサイチュ・プロセス・モニタ100を少なくとも1つ含む。
【0040】
本発明のこれ以外の特徴及び効果として、システム10は、半導体ウエハ処理の不均一に対するリアルタイムでの訂正を提供する。システム10は、別個のプロセス・チャンバ106、108の間で、又は、単一のプロセス・チャンバ106の別個の複数の部分の間でプロセス・ガスの単一のフローを分割し、インサイチュ・プロセス(ウエハの均一性)モニタを一体化して、必要に応じて、フロー分割システム10によって生じたフロー比率を直ちに調整して半導体ウエハの不均一をリアルタイムで訂正することができる。インサイチュ・プロセス・モニタ100は、差動センサを含むから、相対的な較正だけを要求し、面倒で費用を要し信頼性が低いことが多い絶対較正の必要性を排除できる。
【0041】
この出願で説明された実施例は、限定ではなく例示のためのものであり、様々な修正、組合せ及び代替が、冒頭の特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、当業者であれば可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に従って構築されたフロー分割システムの概略的な図解であり、気体計量箱と単一のプロセス・チャンバとの間に接続された様子が示されている。
【図2】図1のシステムのためのフロー分割方法の流れ図である。
【図3】図1のフロー分割システムの概略的な図解であり、気体計量箱と2つのプロセス・チャンバとの間に接続された様子が示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のフローを所望の比率の2以上の二次フローに分割するシステムであって、
前記単一のフローを受け取る入口と、
前記入口に接続された少なくとも2つの二次フロー・ラインと、
少なくとも1つの所望のフロー比率を受け取る入力手段と、
前記フロー・ラインのそれぞれによって生じた製品の測定値を提供する少なくとも1つのインサイチュ・プロセス・モニタと、
前記入力手段と前記インサイチュ・プロセス・モニタとに接続されており、前記入力手段を介して所望のフロー比率を受け取り、前記インサイチュ・プロセス・モニタから前記製品の測定値を受け取り、前記所望のフロー比率と前記製品の測定値とに基づいて訂正されたフロー比率を計算するようにプログラムされているコントローラと、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、それぞれのフロー・ラインに接続された別個のプロセス・チャンバを更に含むことを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2記載のシステムにおいて、それぞれのプロセス・チャンバは、それぞれのプロセス・チャンバの中の半導体ウエハの測定値を提供するインサイチュ・プロセス・モニタを少なくとも1つ含むことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項3記載のシステムにおいて、前記インサイチュ・プロセス・モニタによって提供された測定値はそれぞれのウエハの膜厚測定値を含むことを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムにおいて、前記フロー・ラインのすべてに接続された単一のプロセス・チャンバを更に含み、前記プロセス・チャンバの中に配置された半導体ウエハは前記フロー・ラインに対応する区域に分割されることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5記載のシステムにおいて、前記フロー・ラインは前記プロセス・チャンバのシャワーヘッドに接続されていることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項5記載のシステムにおいて、前記プロセス・チャンバは、前記プロセス・チャンバの中の半導体ウエハの区域のそれぞれの測定値を提供する前記インサイチュ・プロセス・モニタを少なくとも1つ含むことを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項7記載のシステムにおいて、前記インサイチュ・プロセス・モニタによって提供された測定値はそれぞれの区域の膜厚測定値を含むことを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1記載のシステムにおいて、2つのフロー・ラインを含み、前記インサイチュ・プロセス・モニタは2つの測定値M及びMを提供し、前記コントローラは、kを任意の正のスカラ定数として、プロセス均一性誤差ε=k/2[(M−M)/(M+M)]を計算し、更に、所望のフロー比率と前記プロセス均一性誤差とに基づいて訂正されたフロー比率を計算するようにプログラムされていることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1記載のシステムにおいて、前記訂正されたフロー比率は前記所望のフロー比率と前記プロセス均一性誤差εmとの積に等しいことを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1記載のシステムにおいて、前記インサイチュ・プロセス・モニタは差動センサであることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項11記載のシステムにおいて、前記インサイチュ・プロセス・モニタは反射光と光源から放出された光との比率をモニタすることによって測定値を取得することを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項1記載のシステムにおいて、それぞれのフロー・ラインは前記フロー・ラインを流れるフローを測定する流量計と前記フロー・ラインを流れるフローを制御する弁とを含み、前記コントローラは、前記流量計から測定されたフローを受け取り、前記測定されたフローに基づいて前記フロー・ラインを流れる実際のフロー比率を計算し、前記実際のフロー比率と前記訂正されたフロー比率とを比較し、前記実際のフロー比率が前記補償された所望のフロー比率と等しくない場合には前記フロー・ラインの少なくとも1つを流れる所望のフローを計算し、前記所望のフローを前記弁の少なくとも1つに提供することを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項13記載のシステムにおいて、Kを比例ゲイン、Kを積分ゲイン、αを前記実際のフロー比率、αspを前記訂正されたフロー比率として、前記所望のフローは実質的に
【数1】

に等しいことを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項13記載のシステムにおいて、前記入口における圧力を測定する圧力センサを更に含むことを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項15記載のシステムにおいて、Kpαを比率制御のための比例ゲイン、Kiαを比率制御のための積分ゲイン、αを前記実際のフロー比率、αspを前記訂正されたフロー比率として、前記コントローラは、実質的に
【数2】

に等しい前記第1のフロー・ラインの弁への前記所望のフローを示す信号を提供するようにプログラムされていることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項16記載のシステムにおいて、Kppを圧力制御のための比例ゲイン、Kipを圧力制御のための積分ゲイン、αを前記実際のフロー比率、Pinを測定された入口圧力、Pを動作圧力スレショルドとして、前記コントローラは、実質的に
【数3】

に等しい前記第2のフロー・ラインの弁への前記所望のフローを示す信号を提供するようにプログラムされていることを特徴とするシステム。
【請求項18】
単一のフローを所望の比率の2以上の二次フローに分割する方法であって、
単一のフローを少なくとも2つのフロー・ラインに分割するステップと、
それぞれのフロー・ラインを流れるフローを測定するステップと、
少なくとも1つの所望のフロー比率を受け取るステップと、
前記フロー・ラインのそれぞれによって生じた製品をインサイチュで測定するステップと、
前記所望のフロー比率と前記製品の測定値とに基づいて訂正されたフロー比率を計算するステップと、
前記測定されたフローに基づいて前記フロー・ラインを流れる実際の質量フロー比率を計算するステップと、
前記実際のフロー比率が前記訂正されたフロー比率と等しくない場合には前記フロー・ラインの少なくとも1つを流れる所望のフローを計算するステップと、
前記フロー・ラインを前記所望のフローに調整するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法において、
前記単一の質量フローは第1及び第2のフロー・ラインに分割され、
前記第1のフロー・ラインは第1の所望のフローに調整され、
前記実際のフロー比率が前記訂正されたフロー比率と等しくない場合には、前記所望のフロー比率と前記第1の所望のフローとを用いて第2の所望のフローが計算され、
前記第2のフロー・ラインは前記第2の所望のフローに調整されることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法において、前記第1の所望のフローにより前記第1のラインは完全な開放状態になることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項18記載の方法において、Kを比例ゲイン、Kを積分ゲイン、αを前記実際のフロー比率、αspを前記訂正されたフロー比率として、前記所望のフローは実質的に
【数4】

に等しいことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項18記載の方法において、前記入口における圧力を測定するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22記載の方法において、Kpαを比率制御のための比例ゲイン、Kiαを比率制御のための積分ゲイン、αを前記実際のフロー比率、αspを前記訂正されたフロー比率として、前記フロー・ラインの1つにおける所望のフローは、実質的に
【数5】

に等しいことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項22記載の方法において、Kppを圧力制御のための比例ゲイン、Kipを圧力制御のための積分ゲイン、αを前記実際のフロー比率、Pinを測定された入口圧力、Pを動作圧力スレショルドとして、前記フロー・ラインの1つにおける所望のフローは、実質的に
【数6】

に等しいことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項18記載の方法において、それぞれのフロー・ラインを別個のプロセス・チャンバに接続するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項18記載の方法において、単一のプロセス・チャンバを前記フロー・ラインのすべてに接続するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26記載の方法において、前記フロー・ラインは前記プロセス・チャンバのシャワーヘッドに接続されていることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項18記載の方法において、訂正されたフロー比率は、kを任意の正のスカラ定数、M及びMをそれぞれのフロー・ラインによって生じた製品のインサイチュ測定値として、前記所望のフロー比率とプロセス均一性誤差ε=k/2[(M−M)/(M+M)]とに基づくことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項28記載の方法において、前記訂正されたフロー比率は前記所望のフロー比率と前記プロセス均一性誤差εとの積に等しいことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項18記載の方法において、前記製品のインサイチュ測定値は差分測定値であることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項18記載の方法において、前記製品のインサイチュ測定値は、反射光と光源から放出された光との比率をモニタすることによって得られることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−528603(P2007−528603A)
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502806(P2007−502806)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/002783
【国際公開番号】WO2005/094404
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】