説明

半導体製造装置、半導体製造方法

【課題】基板の面内で均一な膜厚を有するめっき処理膜を形成すること
【解決手段】この半導体装置の製造装置は、基板を回転可能に保持する保持機構と、基板上の被処理面にめっき処理を施すための処理液を供給するノズルと、保持機構に保持された基板を被処理面に沿った向きで回転させる基板回転機構と、保持機構に保持された基板上の被処理面と対向する位置で、ノズルを被処理面に沿った方向に移動させるノズル移動機構と、ノズルによる処理液の供給およびノズル移動機構によるノズルの移動動作を制御する制御部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理体たる基板等に形成された配線にキャップメタルを形成する半導体製造装置および半導体製造方法に関し、更に詳しくは、被処理体の表面にキャップメタルを均一な膜厚で形成することができる半導体製造装置および半導体製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの設計・製造においては、動作速度の向上と一層の高集積化が指向されている。その一方で、高速動作や配線の微細化による電流密度の増加により、エレクトロマイグレーション(EM)が発生しやすくなり、配線の断線を引き起こすことが指摘されている。このことは、信頼性の低下をもたらす原因となる。そのため、半導体デバイスの基板上に形成される配線の材料として、比抵抗の低いCu(銅)やAg(銀)などが用いられるようになってきている。特に銅の比抵抗は1.8μΩ・cmと低く、高いEM耐性が期待できるため、半導体デバイスの高速化のために有利な材料として期待されている。
【0003】
一般に、Cu配線を基板上に形成するには、絶縁膜に配線を埋め込むためのビアおよびトレンチをエッチングにより形成し、それらの中にCu配線を埋め込むダマシン法が用いられている。さらには、Cu配線を有する基板の表面にCoWB(コバルト・タングステン・ホウ素)やCoWP(コバルト・タングステン・リン)などを含むめっき液を供給し、キャップメタルと称される金属膜を無電解めっきによりCu配線上に被覆して、半導体デバイスのEM耐性の向上を図る試みがなされている(例えば、特許文献1)。
【0004】
キャップメタルは、Cu配線を有する基板の表面に無電解めっき液を供給することによって形成される。例えば、回転保持体に基板を固定し、回転保持体を回転させながら無電解めっき液を供給することで、基板表面上に均一な液流れを形成する。これにより、基板表面全域に均一なキャップメタルを形成することができる(例えば、特許文献2)。
【0005】
しかし、無電解めっきは、めっき液の組成、温度などの反応条件によって金属の析出レートに大きな影響を与えることが知られている。また、めっき反応による副生成物(残渣)がスラリー状に発生して基板表面に滞留することで、均一なめっき液流れが阻害され、劣化した無電解めっき液を新しい無電解めっき液に置き換えることができないという問題も指摘されている。これは、基板上での反応条件が局所的に異なるために、基板面内で均一な膜厚を有するキャップメタルを形成することを難しくする。また、キャップメタルを施す基板表面は、形成される配線の粗密や表面材質の違い等に起因する局所的な親水性領域若しくは疎水性領域が生じ、基板全体において均一に無電解めっき液を供給することができず、基板面内で均一な膜厚を有するキャップメタルを形成することができないという問題を生じている。
【特許文献1】特開2006−111938号公報
【特許文献2】特開2001−073157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来のめっき方法では、基板全体において均一に無電解めっき液を供給することができず、基板面内で均一な膜厚形成を行うことが難しいという問題がある。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、無電解めっき液の使用量を減らすことができると共に、めっき反応で生じる反応副生成物の影響を抑制して基板の面内で均一な膜厚を有するキャップメタルを形成することができる半導体製造装置および半導体の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る半導体製造装置は、基板を回転可能に保持する保持機構と、基板上の被処理面にめっき処理を施すための処理液を供給するノズルと、保持機構に保持された基板を被処理面に沿った向きで回転させる基板回転機構と、保持機構に保持された基板上の被処理面と対向する位置で、ノズルを被処理面に沿った方向に移動させるノズル移動機構と、ノズルによる処理液の供給およびノズル移動機構によるノズルの移動動作を制御する制御部とを具備している。ここで制御部は、ノズルを基板の中央部および周縁部の間を移動させつつノズルから処理液を連続的に供給する第1の制御と、次いでノズルを所定の位置に停止させてノズルから処理液を間欠的に供給させる第2の制御とを実行してもよい。
【0009】
本発明の他の態様に係る半導体製造方法は、基板の被処理面を洗浄する第1の洗浄工程と、第1の洗浄工程で洗浄された基板上の被処理面の中央部に対向する位置と被処理面の縁部に対向する位置との間でノズルを移動させつつ、ノズルを通じてめっき液を被処理面に連続的に供給する第1のめっき液供給工程と、第1のめっき液供給工程を経た基板上の被処理面に対向する所定の位置に前記ノズルを停止させた状態で、ノズルを通じてめっき液を被処理面に間欠的に供給する第2のめっき液供給工程と、第1および第2のめっき液供給工程を経た基板上の被処理面を洗浄する第2の洗浄工程と、を有している。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、基板面内で均一な膜厚形成を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
一般的な無電解めっきプロセスは、前洗浄、めっき処理、後洗浄、裏面・端面洗浄、および乾燥の各工程を有している。ここで、前洗浄は、被処理対象たる基板の親水化処理もしくは酸化膜除去・防錆膜除去・絶縁膜上のメタル除去などの基板表面処理を行う工程である。めっき処理は、基板上にめっき液を供給してめっき処理を行う工程である。後洗浄は、めっき析出反応により生成した残渣物等を除去する工程である。裏面・端面洗浄は、基板の裏面および端面におけるめっき処理に伴う残渣物を除去する工程である。乾燥は、基板を乾燥させる工程である。これらの各工程は、基板の回転、洗浄液やめっき液の基板上への供給などを組み合わせることで実現している。
【0012】
ところで、めっき液などの処理液を基板上に供給するめっき処理工程では、処理液の供給ムラなどに起因して、めっき処理により生成される膜(めっき処理膜)の膜厚が不均一となることがある。特に、処理対象たる基板のサイズが大きい場合に膜厚の不均一が顕著となる。本発明の実施形態に係る半導体製造装置は、かかる無電解めっきプロセスの各工程のうち、特にめっき処理工程における膜厚ムラ・ばらつきの問題を改善するものである。
【0013】
以下、本発明の一つの実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一つの実施形態に係る半導体製造装置の構成を示す平面図、図2はこの実施形態の半導体製造装置の無電解めっきユニットを示す断面図、図3は同じく無電解めっきユニットを示す平面図、図4はこの実施形態の半導体製造装置における流体供給装置の構成を示す図である。
【0014】
図1に示すように、この実施形態の半導体製造装置は、搬出部1と、処理部2と、搬送部3と、制御装置5とを備えている。
【0015】
搬出部1は、フープ(FOUP: Front Opening Unified Pod)Fを介して複数枚の基板Wを半導体製造装置内外に搬出入する機構である。図1に示すように、搬出入部1には、装置正面(図1のX方向の側面)に沿ってY方向に配列された3箇所の出入口ポート4が形成されている。出入口ポート4は、それぞれフープFを載置する載置台6を有している。出入口ポート4の背面には隔壁7が形成される。隔壁7には、フープFに対応する窓7Aが載置台6の上方にそれぞれ形成されている。窓7Aには、それぞれフープFの蓋を開閉するオープナ8が設けられており、オープナ8を介してフープFの蓋が開閉される。
【0016】
処理部2は、前述した各工程を基板Wに一枚ずつ実行する処理ユニット群である。処理部2は、搬送部3との間で基板Wの受け渡しを行う受け渡しユニット(TRS)10と、基板Wに無電解めっきおよびその前後処理を実行する無電解めっきユニット(PW)11と、めっき処理前後において基板Wを加熱する加熱ユニット(HP)12と、加熱ユニット12で加熱された基板Wを冷却する冷却ユニット(COL)13と、これらのユニット群に囲まれて処理部2の略中央に配置され各ユニット間で基板Wを移動させる第2の基板搬送機構14とを備えている。
【0017】
受け渡しユニット10は、例えば、上下二段に形成された基板受け渡し部(図示せず)を有している。上下段の基板受け渡し部は、例えば、下段を、出入口ポート4から搬入された基板Wの一時的な載置用、上段を、出入口ポート4へ搬出する基板Wの一時的な載置用のように目的別に使い分けることができる。
【0018】
加熱ユニット12は、受け渡しユニット10のY方向に隣接した位置に2台配置されている。加熱ユニット12は、例えばそれぞれ上下4段に渡って配置された加熱プレートを有している。冷却ユニット13は、第2の基板搬送機構14のY方向に隣接した位置に2台配置されている。冷却ユニット13は、例えばそれぞれ上下4段に渡って形成された冷却プレートを有している。無電解めっきユニット11は、Y方向に隣接する位置に配置された冷却ユニット13および第2の基板搬送機構14に沿って2台配置されている。
【0019】
第2の基板搬送機構14は、例えば上下に2段の搬送アーム14Aを有している。上下の搬送アーム14Aは、それぞれ上下方向に昇降可能であり、且つ水平方向に旋回可能に構成されている。これにより、第2の基板搬送機構14は、搬送アーム14Aを介して受け渡しユニット10、無電解めっきユニット11、加熱ユニット12および冷却ユニット13の間で基板Wを搬送する。
【0020】
搬送部3は、搬出入部1と処理部2との間に位置し、基板Wを一枚ずつ搬送する搬送機構である。搬送部3には、基板Wを一枚ずつ搬送する第1の基板搬送機構9が配置されている。基板搬送機構9は、例えば、Y方向に移動可能な上下二段の搬送アーム9Aを有しており、搬出入部1と処理部2との間で基板Wの受け渡しを行う。同様に、搬送アーム9Aは、上下方向に昇降可能であり、且つ水平方向に旋回可能に構成されている。これにより、第1の基板搬送機構9は、搬送アーム9Aを介して任意のフープFと処理部2との間で基板Wを搬送する。
【0021】
制御装置5は、マイクロプロセッサを有するプロセスコントローラ51、プロセスコントローラ51に接続されたユーザーインターフェース52、およびこの実施形態に係る半導体製造装置の動作を規定するコンピュータプログラムなどを格納する記憶部53を備え、処理部2や搬送部3などを制御する。制御装置5は、図示しないホストコンピュータとオンライン接続され、ホストコンピュータからの指令に基づいて半導体製造装置を制御する。ユーザーインターフェース52は、例えばキーボードやディスプレイなどを含むインタフェースであり、記憶部53は、例えばCD−ROM、ハードディスク、不揮発メモリなどを含んでいる。
【0022】
ここで、この実施形態に係る半導体製造装置1の動作を説明する。処理対象である基板Wは、あらかじめフープF内に収納されている。まず、第1の基板搬送機構9は、窓7Aを介してフープFから基板Wを取り出し、受け渡しユニット10へ搬送する。基板Wが受け渡しユニット10に搬送されると、第2の基板搬送機構14は、搬送アーム14Aを用いて、基板Wを受け渡しユニット10から加熱ユニット12のホットプレートへ搬送する。
【0023】
加熱ユニット12は、基板Wを所定の温度まで加熱(プレベーク)して基板W表面に付着した有機物を除去する。加熱処理の後、第2の基板搬送機構14は、基板Wを加熱ユニット12から冷却ユニット13へ搬送する。冷却ユニット13は、基板Wを冷却処理する。
【0024】
冷却処理が終わると、第2の基板搬送機構14は、搬送アーム14Aを用いて、基板Wを無電解めっきユニット11へ搬送する。無電解めっきユニット11は、基板Wの表面に形成された配線などに無電解めっき処理等を施す。
【0025】
無電解めっき処理等が終わると、第2の基板搬送機構14は、基板Wを無電解めっきユニット11から加熱ユニット12のホットプレートへ搬送する。加熱ユニット12は、基板Wにポストベーク処理を実行して、無電解めっきによるめっき(キャップメタル)に含有される有機物を除去するとともに、配線等とめっきとの密着性を高めさせる。ポストベーク処理が終わると、第2の基板搬送機構14は、基板Wを加熱ユニット12から冷却ユニット13へ搬送する。冷却ユニット13は、基板Wを再度冷却処理する。
【0026】
冷却処理が終わると、第2の基板搬送機構14は、基板Wを受け渡しユニット10へ搬送する。その後、第1の基板搬送機構9は、搬送アーム9Aを用いて受け渡しユニット10に載置された基板WをフープFの所定の場所へ戻す。
【0027】
続いて、図2ないし図4を参照して、この実施形態の半導体製造装置における無電解めっきユニット11について詳細に説明する。図2に示すように、無電解めっきユニット11(以下「めっきユニット11」と称することがある。)は、アウターチャンバ110、インナーチャンバ120、スピンチャック130、第1・第2の流体供給部140・150、ガス供給部160、バックプレート165を備えている。
【0028】
アウターチャンバ110は、ハウジング100の中に配設され、めっき処理を実行する処理容器である。アウターチャンバ110は、基板Wの収納位置を囲むような筒状に形成され、ハウジング100の底面に固定されている。アウターチャンバ110の側面には、基板Wを搬出入する窓115が設けられ、シャッター機構116により開閉可能とされている。また、アウターチャンバ110の窓115が形成された側と対向する側面には、第1・第2の流体供給部140・150の動作のためのシャッター機構119が開閉可能に形成されている。アウターチャンバ110の上面には、ガス供給部160が設けられている。アウターチャンバ110の下部には、ガスや処理液等を逃がすドレン抜き118が備えられている。
【0029】
インナーチャンバ120は、基板Wから飛散する処理液を受ける容器であり、アウターチャンバ110の中に配設されている。インナーチャンバ120は、アウターチャンバ110と基板Wの収納位置の間の位置に筒状に形成され、排気、排液用のドレン抜き124を備えている。インナーチャンバ120は、例えばガスシリンダなどの図示しない昇降機構を用いてアウターチャンバ110の内側で昇降可能とされており、上端部122の端部が基板Wの収納位置よりもやや高い位置(処理位置)と、当該処理位置よりも下方の位置(退避位置)との間で昇降する。ここで処理位置とは、基板Wに無電解めっきを施す時の位置であり、退避位置とは、基板Wの搬出入時や基板Wの洗浄等を行う時の位置である。
【0030】
スピンチャック130は、基板Wを実質的に水平に保持する基板固定機構である。スピンチャック130は、回転筒体131、回転筒体131の上端部から水平に広がる環状の回転プレート132、回転プレート132の外周端に周方向に等間隔を空けて設けられた基板Wの外周部を支持する支持ピン134a、同じく基板Wの外周面を押圧する複数の押圧ピン134bを有している。図3に示すように、支持ピン134aと押圧ピン134bは、互いに周方向にずらされ、例えば3つずつ配置されている。支持ピン134aは、基板Wを保持して所定の収容位置に固定する固定具であり、押圧ピン134bは、基板Wを下方に押圧する押圧機構である。回転筒体131の側方には、モータ135が設けられており、モータ135の駆動軸と回転筒体131との間には無端状ベルト136が掛け回されている。すなわち、モータ135によって回転筒体131が回転するように構成される。支持ピン134aおよび押圧ピン134bは水平方向(基板Wの面方向)に回転し、これらにより保持される基板Wも水平方向に回転する。
【0031】
ガス供給部160は、アウターチャンバ110の中に窒素ガスまたはクリーンエアを供給して基板Wを乾燥させる。供給された窒素ガスやクリーンエアは、アウターチャンバ110の下端に設けられたドレン抜き118または124を介して回収される。
【0032】
バックプレート165は、スピンチャック130が保持した基板Wの下面に対向し、スピンチャック130による基板Wの保持位置と回転プレート132との間に配設されている。バックプレート165は、ヒータを内蔵しており、回転筒体131の軸心を貫通するシャフト170と連結されている。バックプレート165の中には、その表面の複数個所で開口する流路166が形成されており、この流路166とシャフト170の軸心を貫通する流体供給路171とが連通している。流体供給路171には熱交換器175が配置されている。熱交換器175は、純水や乾燥ガス等の処理流体を所定の温度に調整する。すなわち、バックプレート165は、温度調整された処理流体を基板Wの下面に向けて供給する作用をする。シャフト170の下端部には連結部材180を介して、エアシリンダ等の昇降機構185が連結されている。すなわち、バックプレート165は、昇降機構185およびシャフト170により、スピンチャック130で保持された基板Wと回転プレート132との間を昇降するように構成されている。
【0033】
図3に示すように、第1・第2の流体供給部140・150は、スピンチャック130により保持された基板Wの上面に処理液を供給する。第1・第2の流体供給部140・150は、処理液などの流体を貯留する流体供給装置200と、供給用ノズルを駆動するノズル駆動装置205とを備えている。第1・第2の流体供給部140・150は、ハウジング100の中でアウターチャンバ110を挟むようにしてそれぞれ配置されている。
【0034】
第1の流体供給部140は、流体供給装置200と接続された第1の配管141と、第1の配管141を支持する第1のアーム142と、第1のアーム142の基部に備えられステッピングモータなどを用いて当該基部を軸に第1のアーム142を旋回させる第1の旋回駆動機構143とを備えている。第1の流体供給部140は、無電解めっき処理液などの処理流体を供給する機能を有する。第1の配管141は、三種の流体を個別に供給する配管141a・141b・141cを含み、それぞれ第1のアーム142の先端部においてノズル144a・144b・144cと接続されている。
【0035】
同様に、第2の流体供給部150は、流体供給装置200と接続された第2の配管151と、第2の配管151を支持する第2のアーム152と、第2のアーム152の基部に備えられ第2のアーム152を旋回させる第2の旋回駆動機構153とを備えている。第2の配管151は、第2のアーム152の先端部においてノズル154と接続されている。第2の流体供給部150は、基板Wの外周部(周縁部)の処理を行う処理流体を供給する機能を有する。第1および第2のアーム142および152は、アウターチャンバ110に設けられたシャッター機構119を介して、スピンチャック130に保持された基板Wの上方を旋回する。
【0036】
ここで、図4を参照して流体供給装置200について詳細に説明する。流体供給装置200は、第1・第2の流体供給部140・150に処理流体を供給する。図4に示すように、流体供給装置200は、第1のタンク210、第2のタンク220、第3のタンク230、および、第4のタンク240を有している。
【0037】
第1のタンク210は、基板Wの無電解めっき処理の前処理に使用される前洗浄処理液L1を貯留する。また、第2のタンク220は、基板Wの無電解めっき処理の後処理に使用される後洗浄処理液L2を貯留する。第1および第2のタンク210および220は、それぞれ処理液L1・L2を所定の温度に調整する温度調節機構(図示せず)を備えており、第1の配管141aと接続された配管211および第2の配管141bと接続された配管221が接続されている。配管211および221には、それぞれポンプ212および222と、バルブ213および223とが備えられており、所定温度に調節された処理液L1・L2が、それぞれ第1の配管141a・第2の配管141bに供給されるように構成されている。すなわち、ポンプ212および222とバルブ213および223とをそれぞれ動作させることで、処理液L1およびL2が第1の配管141aおよび第2の配管141bを通じてノズル144aおよびノズル144bに送り出される。
【0038】
第3のタンク230は、基板Wを処理するめっき液L3を貯留する。第3のタンク230は、第1の配管141cと接続された配管231が接続されている。配管231には、ポンプ232、バルブ233、および、めっき液L3を加熱する加熱器(例えば、熱交換器)234が設けられている。すなわち、めっき液L3は、加熱器234により温度調節され、ポンプ232およびバルブ233の協働した動作により第1の配管141cを通じてノズル144cに送り出される。
【0039】
第4のタンク240は、基板Wの外周部の処理に用いる外周部処理液L4を貯留する。第4のタンク240は、第2の配管151と接続された配管241が接続されている。配管241には、ポンプ242およびバルブ243が設けられている。すなわち、外周部処理液L4は、ポンプ242およびバルブ243の協働した動作により第2の配管151を通じてノズル154に送り出される。
【0040】
なお、第4のタンク240には、例えばフッ酸を供給する配管、過酸化水素水を供給する配管、および、純水L0を供給する配管なども接続されている。すなわち、第4のタンク240は、これらの液を予め設定された所定の比率で混合し調整する作用をもすることになる。
【0041】
なお、第1の配管141aおよび第2の配管141bには、それぞれ純水L0を供給する配管265aおよび265bが接続され、配管265aにはバルブ260aが設けられ、配管265bにはバルブ260bが設けられている。すなわち、ノズル144aおよび144bは、純粋L0をも供給することができる。
【0042】
続いて、図1ないし図5を参照して、この実施形態におけるめっきユニット11の動作を説明する。図5は、この実施形態に係るめっきユニット11の動作を示すフローチャート、図6は、この実施形態に係るめっきユニット11のプロセスの流れを示す図、図7は、同じくめっき液処理のプロセスの流れを示す図である。図5に示すように、この実施形態のめっきユニット11は、前洗浄工程(図中「A」)、めっき処理工程(同「B」)、後洗浄工程(同「C」)、裏面・端面洗浄工程(同「D」)、および乾燥工程(同「E」)の5つの工程を実現する。また、図6に示すように、この実施形態のめっきユニット11は、基板裏面に加温された純水を供給する裏面純水供給a、基板端面を洗浄する端面洗浄b、基板裏面を洗浄する裏面洗浄c、めっき処理に続いて基板を洗浄する後洗浄d、めっき処理e、めっき処理に先立って基板を洗浄する前洗浄f、および基板の親水度を調整する純水供給gの7つの処理液供給プロセスを実行する。
【0043】
第1の基板搬送機構9は、搬出入部1のフープFから基板Wを一枚ずつ搬出し、処理部2の受け渡しユニット10に基板Wを搬入する。基板Wが搬入されると、第2の基板搬送機構14は、基板Wを加熱ユニット12および冷却ユニット13に搬送し、基板Wは所定の熱処理が行われる。熱処理が終了すると、第2の基板搬送機構14は、無電解めっきユニット11内へ基板Wを搬入する。
【0044】
第2の基板搬送機構14の搬送アーム14Aは、窓115を介して基板Wをスピンチャック130に渡す。スピンチャック130は、基板Wを支持ピン134aおよび押圧ピン134bにより保持する。基板Wが搬送されると、シャッター機構116が閉鎖されてアウターチャンバ110は処理待機状態となる。
【0045】
ます、プロセスコントローラ51は、前洗浄工程Aを実行する。前洗浄工程Aは、親水化処理、前洗浄処理、純水処理を含んでいる。
【0046】
プロセスコントローラ51は、モータ135を駆動してスピンチャック130に保持された基板Wを回転させる(ステップ300。以下「S300」のように称する。)。スピンチャック130は、例えば100〜500rpm程度、好ましくは250rpm程度で回転させる。
【0047】
スピンチャック130が回転すると、プロセスコントローラ51は、ノズル駆動装置205に第1の流体供給部140の駆動を指示する。ノズル駆動装置205は、第1の旋回駆動機構143を動作させて第1のアーム142を基板Wの上の所定位置(例えばノズル144aが基板Wの中心部となる位置)に移動させる(S301)。併せて、ノズル駆動装置205は、第2の旋回駆動機構153を動作させて第2のアーム152を基板Wの上の周縁部に移動させる。それぞれ所定位置に達すると、プロセスコントローラ51は、流体供給装置200に親水化処理を指示する。流体供給装置200は、バルブ260aを開いて所定量の純水L0をノズル144aに送る(図6中供給プロセスg)。このとき、ノズル144aは、例えば基板Wの上方0.1〜20mm程度の位置としておく(S302)。同様に、流体供給装置200は、バルブ243を開いて処理液L4をノズル154に送る。この処理での処理液L4は、純水L0との関係で異なる親水化効果が得られるものを用いる。
【0048】
この親水化処理は、続く前洗浄液が基板W表面ではじかれることを防ぐとともに、めっき液が基板W表面から落ちにくくする作用をする。純水L0の供給速度は、基板Wの表面の疎水性によって調整され、0.5〜2.0[L/分]とするのが有効である。特に疎水性の強い絶縁膜(例えばSiOCHなどの有機系の低誘電率膜)では、1.5[L/分]程度とすることがより好ましい。基板Wの回転速度は、例えば1000rpm以上の回転数ではうまく親水化が図れないため、例えば100〜500ppmの回転数とするのが有効である。この親水化処理の処理時間は基板Wの種類に応じて適宜設定され、例えば5〜30秒間程度とすることができる。第1の流体供給部140と第2の流体供給部150は、協働して基板Wの中心部付近および周縁部付近それぞれの親水度を調整し、基板W全体で均一なめっき処理が行われるようにする。ノズル144aおよびノズル154それぞれの位置は、めっき処理の条件などに応じて変更することができ、基板Wの中心部および周縁部それぞれの親水度の大小も任意に変更することができる。
【0049】
図8Aおよび図8Bは、かかる親水化処理の様子を示している。図8Aは、第1の流体供給部140および第2の流体供給部150を側面から見た概念図、図8Bは、第1の流体供給部140が純水L0を供給し、第2の流体供給部150が処理液L4を供給して親水化処理を行う様子を示す図である。図8Aおよび図8Bに示すように、第1のアーム142は基板Wの略中央部、第2のアーム152は基板Wの周縁部に配置され、純水L0がノズル144aから、処理液L4がノズル154から基板W表面に供給される。ここで、図8Aに示すように、第1の流体供給部140および第2の流体供給部150は、純水L0や処理液L4などの温度を調節する温度調節器145・155と、純水L0や処理液L4などをノズル144a・154に送り出すポンプ機構146・156を有していてもよい。ポンプ機構146・156は、純水L0などをノズル144aに送り出すだけではなく、逆にノズル144aから純水L0を引き込む機能をも有している。すなわち、ポンプ機構146・156は、所定量の純水L0などが供給された後、ノズル144a・154の先端から純水L0・処理液L4などが垂れないよう、残った純水L0・処理液L4などを吸い戻す作用をする。この構成を備えることで、基板W上に生じる流体のむらを防ぐことができる。
【0050】
続いて、プロセスコントローラ51は、流体供給装置200に前洗浄処理(図6中供給プロセスf)および裏面温純水供給(同a)を指示する。流体供給装置200は、バルブ260aを閉じて純水L0の供給を止めるとともにバルブ243を閉じて処理液L4の供給を止め、ポンプ212およびバルブ213を駆動させて前洗浄処理液L1をノズル144aに供給する(S303)。ここで、ノズル144aは基板Wの略中央部に移動した状態であるから、ノズル144aは、基板Wの略中央部に前洗浄処理液L1を供給することになる。前洗浄処理液は有機酸などを用いるから、ガルバニックコロージョンを発生させることなく、銅配線上から酸化銅を除去し、めっき処理の際の核形成密度を上昇させることができる。前洗浄処理液L1の供給速度は、基板Wの表面に付着した純水L0を置換する必要から、0.5〜2.0[L/分]とするのが好ましい。基板Wの回転速度については、遅すぎると除去すべき金属種を基板Wの表面から振り切ることができない。一方、基板Wの回転速度が早すぎると基板Wの表面に乾燥する箇所が生じてしまい、銅配線の表面が酸化してしまうおそれがある。そのため、例えば100〜500rpm程度の回転速度とすることが望ましい。前洗浄処理の処理時間は、あまり長くしすぎると銅領域を溶解しすぎてしまうため、例えば10〜60秒程度が望ましい。
【0051】
次いで、流体供給装置200は、流体供給路171に純水を供給する。熱交換器175は、流体供給路171に送られる純水を温度調節し、バックプレート165に設けられた流路166を介して温度調節された純水を基板Wの下面に供給する(S304)。これにより、基板Wの温度がめっき処理に適した温度に維持される。なお、流体供給路171への純水の供給は、前述のステップ300と同時に開始しても同様の効果を得ることができる。
【0052】
前洗浄処理が終了すると、プロセスコントローラ51は、流体供給装置200に純水処理(図6中供給プロセスg)を指示する(S305)。流体供給装置200は、ポンプ212およびバルブ213を動作させて前洗浄処理液L1の供給を止めるとともに、バルブ260を開いて所定量の純水L0をノズル144aに送る。ノズル144aからの純水L0の供給により、前洗浄処理液を純水に置換することになる。これは、酸性である前洗浄処理液L1とアルカリ性のめっき処理液とが混合してプロセス不良が発生することを防ぐものである。この純水処理は、基板W上の銅配線が酸化しないよう、基板Wを乾燥させないように連続的に実行することが望ましい。純水処理は、純水供給量を0.5〜2.0[L/分]、基板Wの回転速度を100〜500rpm、処理時間を10〜60秒程度とすることが望ましい。
【0053】
前洗浄工程Aに続いて、プロセスコントローラ51は、めっき処理工程Bを実行する。めっき処理工程Bは、めっき液置換処理、めっき液盛り付け処理、めっき液処理、純水処理を含んでいる。図7において、Xに示す処理がめっき液置換処理、Yに示す処理がめっき液盛り付け処理、Zに示す処理がめっき液処理に対応する。
【0054】
プロセスコントローラ51は、流体供給装置200およびノズル駆動装置205にめっき液置換処理を指示する(図6中供給プロセスe)。流体供給装置200は、バルブ260aを閉じて純水L0の供給を止めるとともに(S310)、ポンプ232とバルブ233を動作させてめっき液L3をノズル144cに供給する(S311)。一方、ノズル駆動装置205は、第1の旋回駆動機構143を動作させて、ノズル144cが基板Wの中央部〜周縁部〜中央部と移動(スキャン)するように第1のアーム142を旋回させる(S312)。すなわち図7に示すように、めっき液置換処理Xでは、めっき液供給ノズルが中央部〜周縁部〜中央部を移動し、基板Wが比較的高い回転数で回転する。この動作により、めっき液L3が基板W上を拡散して、基板Wの表面上の純水を迅速にめっき液に置換することができる。ここで、基板Wの回転数は100〜300rpm程度、第1のアーム142の旋回速度はノズル144cが150[mm/秒]程度で移動する速度とすることが望ましい。このとき、ノズル144cが中央部から周縁部へ移動する速度と周縁部から中央部へ移動する速度とが異なるものであってもよい。この処理は、基板W上の純水が残ることによる淀みを解消することができる。特に、第1のアーム142の旋回(ノズル144cの移動)とめっき液L3の供給を同時に行うことで、基板W上のめっき液L3の温度低下を防ぐとともに、基板W全体の温度上昇効率を高めることを可能にする。
【0055】
めっき液置換処理が終わると、プロセスコントローラ51は、スピンチャック130に保持された基板Wの回転速度を減速させ(S313)、流体供給装置200およびノズル駆動装置205にめっき液盛り付け処理を指示する。この時点での基板Wの回転速度は、50〜100rpm程度が好ましい。流体供給装置200は、継続してめっき液L3を供給し、ノズル駆動装置205は、第1の旋回駆動機構143を動作させて、ノズル144cが基板Wの中央部から周縁部に向けて徐々に移動させる(S314)。めっき液置換処理された基板Wの表面は、十分な量のめっき液L3が盛り付けられる。すなわち図7に示すように、めっき液盛り付け処理においては、ノズルが中央から周縁部に向けて移動しつつめっき液が連続供給される。これにより、基板W全域で均一なめっき処理が実現される。
【0056】
さらに、ノズル144cが基板Wの周縁部近傍に近づいた段階で、プロセスコントローラ51は、基板Wの回転速度をさらに減速させる(S315)。この段階(たとえば1〜2秒間程度)においては、基板Wの回転速度は、通常のめっき処理と同等の5〜20rpm程度とすることが好ましい。めっき処理を安定的に行うためである。
【0057】
続いて、プロセスコントローラ51は、流体供給装置200およびノズル駆動装置205にめっき処理を指示する。ノズル駆動装置205は、第1の旋回駆動機構143を動作させて、ノズル144cが基板Wの中央部と周縁部の略中間位置に位置するように第1のアーム142を旋回させる(S316)。ノズル144cの位置は、たとえば基板Wの中心から30〜100[mm]程度、より望ましくは30〜70[mm]程度、半径方向にずらした場所とすることが望ましい。図9は、かかるノズル144cの様子を示している。図9は、第1の流体供給部140を上面から見た概念図である。図9に示すように、第1のアーム142は、ノズル144cが基板Wの中央部と周縁部との中間(基板Wの中央から距離d離間した位置)に移動し、めっき液L3が基板W上に間欠的に供給される。こうした構成および動作により、めっき液が基板Wの全面に満遍なく拡がる。
【0058】
次いで、流体供給装置200は、ポンプ232とバルブ233を動作させてめっき液L3をノズル144cに断続的・間欠的に供給する(S317)。すなわち図7に示すように、ノズルが所定位置に配置されてめっき液が断続的・間欠的に供給される。基板Wは回転しているから、めっきL3を断続的(間欠的)に供給しても基板Wの全域にまんべんなくめっき液L3を行き渡らせることができる。なお、上記ステップ311ないし317の処理は、繰り返して行ってもよい。めっき液L3を供給して所定時間経過後、流体供給装置200は、めっき液L3の供給を停止し、プロセスコントローラ51は、基板Wの裏面への温純水の供給を停止する(S318)。めっき液の供給量は、基板Wの表面に供給されるめっき液が乾かない程度であればよく、例えば100〜400[mL/分]程度とすればよい。また、基板Wの回転数は、加熱ムラや遠心力による乾きを防ぐため、1〜25rpm程度とすることが好ましい。めっき液L3の供給時間は、生成するめっき膜の厚さによって適宜決定することができる。めっき液供給の間欠の度合い(供給オンオフの比)は、供給される期間(オン)が長くてもよいし、供給されない期間(オフ)が長くてもよい。
【0059】
さらに、プロセスコントローラ51は、流体供給装置200およびノズル駆動装置205に純水処理を指示する(図6中供給プロセスg)。プロセスコントローラ51は、スピンチャック130に保持された基板Wの回転速度を増速させ(S319)、ノズル駆動装置205は、第1の旋回駆動機構143を動作させてノズル144cが基板Wの中央部に位置するように第1のアーム142を旋回させる(S320)。その後、流体供給装置200は、バルブ260aを開いて純水L0を供給する(S321)。これにより、基板W表面に残っためっき液を除去して後処理液とめっき液とが混ざることを防ぐことができる。この処理は、銅配線が酸化しないよう基板Wを乾燥させない状態で行う必要がある。純水の供給量としては、例えば0.5〜2.0[L/分]とするのが好ましく、基板Wの回転数は、例えば100〜500rpm程度が好ましい。また、処理時間は、めっき液が基板Wの表面から除去できればよく、例えば10〜60秒程度とすることができる。
【0060】
図10Aないし図10Dは、基板W表面のめっき処理の様子を示す図である。図10Aに示すように、基板Wには、その表面に絶縁膜Iと、絶縁膜Iの表層部に形成されたバリアメタルVと、バリアメタルVを介して絶縁膜Iの表層に形成された銅配線Cuとが形成されている。この実施形態のめっきユニット11では、基板Wを回転させるとともにノズル144cを基板Wの中央部と周縁部との略中間の位置としてめっき液を供給するから、遠心力によりめっき液L3が基板Wの表面を流れるように供給される(図10B)。めっき処理が進行すると、配線銅Cuの表面にキャップメタルCMが形成される。併せて、基板Wの表面に反応副生成物BPが生成する(図10C)。また、このめっき液L3の流れにより、基板Wの表面におけるめっき反応による反応副生成物BPを含む古いめっき液L3が基板Wの外側へ連続的に排出される。そのため、基板W表面に反応副生成物BPを留めることなく常に新しいめっき液L3でキャップメタル(めっき処理膜)を成長させることができる(図10D)。
【0061】
めっき処理工程Bに続いて、プロセスコントローラ51は、後洗浄工程Cを実行する。後洗浄工程Cは、後薬液処理および純水処理を含んでいる。
【0062】
プロセスコントローラ51は、流体供給装置200に後薬液処理を指示する(図6中供給プロセスd)。流体供給装置200は、バルブ260aを閉じて純水L0の供給を停止させるとともに、ポンプ222およびバルブ223を動作させて後洗浄処理液L2をノズル144bに供給する(S330)。後洗浄処理液L2は、基板Wの表面の残渣物や異常析出しためっき膜を除去する作用をする。後洗浄処理液L2の供給量は、表面が乾かない程度の量であればよいから、例えば0.5〜2.0[L/分]程度の量とすることができる。また、基板Wの回転数は、基板Wの表面を乾燥させず、かつ後洗浄処理液L2が基板Wの表面に十分に行き渡る必要があるから、例えば100〜500rpm程度とすることが望ましい。
【0063】
後薬液処理に続いて、プロセスコントローラ51は、流体供給装置200に純水処理を指示する(図6中供給プロセスg)。流体供給装置200は、ポンプ222およびバルブ223を動作させて後洗浄処理液L2の供給を停止させるとともに、バルブ260bを開いて純水L0を供給する(S331)。純水の供給量としては、例えば0.5〜2.0[L/分]とするのが好ましく、基板Wの回転数は、例えば100〜500rpm程度が好ましい。また、処理時間は、めっき液が基板Wの表面から除去できればよく、例えば10〜60秒程度とすることができる。
【0064】
後洗浄工程Cに続いて、プロセスコントローラ51は、裏面・端面洗浄工程Dを実行する。裏面・端面洗浄工程Dは、液除去処理、裏面洗浄処理、端面洗浄処理を含んでいる。
【0065】
プロセスコントローラ51は、流体供給装置200に液除去処理を指示する。流体供給装置200は、バルブ260bを閉じて純水L0の供給を停止し、プロセスコントローラ51は、スピンチャック130に保持された基板Wの回転速度を増速する(S340)。この処理は、基板Wの表面を乾燥させて基板Wの表面の液除去を目的としている。基板Wの回転速度は、例えば800〜1000rpm程度に高速回転される。処理時間は、基板Wの表面が親水性を有することから、10〜30秒程度とすることが好ましい。
【0066】
液除去処理が終わると、プロセスコントローラ51は、流体供給装置200に裏面洗浄処理を指示する。まず、プロセスコントローラ51は、まずスピンチャック130に保持された基板Wの回転速度を減速させる(S341)。このときの回転速度は、処理液の跳ね返りを防ぐため、例えば5〜20rpm程度の比較的低い速度とする。続いて、流体供給装置200は、流体供給路171に純水を供給する(図6中供給プロセスa)。熱交換器175は、流体供給路171に送られる純水を温度調節し、バックプレート165に設けられた流路を介して温度調節された純水を基板Wの裏面に供給する(S342)。純水は、基板Wの裏面側を親水化する作用をする。次いで、流体供給装置200は、流体供給路171への純水供給を停止させ、代わりに裏面洗浄液を流体供給路171へ供給する(S343)。裏面洗浄液は、めっき処理における基板Wの裏面側の残渣物を洗浄除去する作用をする(図6中供給プロセスc)。
【0067】
その後、プロセスコントローラ51は、流体供給装置200およびノズル駆動装置205に端面洗浄処理を指示する。流体供給装置200は、基板Wの裏面へ裏面洗浄液の供給を停止し、替わりに熱交換器175により温度調節された純水を流体供給路171へ供給する(S344)。このとき、基板Wの回転数を比較的低い5〜20rpmとしておき、跳ね返りを防ぐことが好ましい(図6中供給プロセスa)。
【0068】
続いて、ノズル駆動装置205は、第2の旋回駆動機構153を動作させてノズル154が基板Wの端部に位置するように第2のアーム152を旋回させ、プロセスコントローラ51は、基板Wの回転数を150〜300rpm程度に増速させる(S345)。同様に、ノズル駆動装置205は、第1の旋回駆動機構143を動作させてノズル144bが基板Wの中央部に位置するように第1のアーム142を旋回させる。流体供給装置200は、ノズル260bを開いて純水L0をノズル144bに供給するとともに、ポンプ242およびノズル243を動作させて外周部処理液L4をノズル154に供給する(図6中供給プロセスa・g)。すなわち、この状態では、基板Wの中央部に純粋L0、同じく端部に外周部処理液L4が供給され、基板Wの裏面に温度調節された純水が供給されていることになる(S346)。
【0069】
図11Aおよび図11Bは、かかる端面洗浄処理の様子を示している。図11Aは、第1・第2の流体供給部140・150を上面から見た概念図、図11Bは、第1・第2の流体供給部140・150が純水L0および外周部処理液L4を供給して端面洗浄処理を行う様子を示す図である。図11Aおよび図11Bに示すように、第1のアーム142はノズル144bが基板W中央部に位置するように移動し、第2のアーム152はノズル154が基板Wの周縁部に位置するように移動する。そして、純水L0および外周部処理液L4がノズル144bおよびノズル154から基板W表面にそれぞれ供給される。こうした構成および動作により、基板Wの表面および端面に残った残渣物を除去することが可能になる。この端面洗浄処理における外周部処理液L4としては、たとえばフッ酸などを用いることができる。
【0070】
裏面・端面洗浄工程Dに続いて、プロセスコントローラ51は、乾燥工程Eを実行する。乾燥工程Eは、乾燥処理を含んでいる。
【0071】
プロセスコントローラ51は、流体供給装置200およびノズル駆動装置205に乾燥処理を指示する。流体供給装置200は、全ての処理液供給を停止させ(S350)、ノズル駆動装置205は、第1のアーム142および第2のアーム152を基板Wの上方から退避させる。また、プロセスコントローラ51は、基板Wの回転速度を800〜1000rpm程度まで増速して基板Wを乾燥させる(S351)。乾燥のための時間は、例えば10〜30秒程度が望ましい。乾燥処理が終わると、プロセスコントローラ51は、基板Wの回転を停止させる(S352)。
【0072】
めっき処理工程が終了すると、第2の基板搬送機構14の搬送アーム14Aは、窓115を介して基板Wをスピンチャック130から取り出す。
【0073】
この実施形態のめっき液ユニット11によれば、めっき処理工程Bにおいて、めっき液置換処理によりめっき液供給ノズルを、基板W上を移動させながらめっき液を供給したので、めっき液の温度低下を防ぎつつ基板W上の液ムラを抑えることができる。また、この実施形態のめっき液ユニット11によれば、めっき液ノズルを基板Wの中央部と端部との間の位置としてめっき液を断続供給(間欠供給)したので、めっき液供給量を抑えつつ基板Wの表面にまんべんなくめっき液を供給することができる。
【0074】
ここで、この実施形態の半導体製造装置におけるノズル144の変形例について説明する。図12Aおよび図12Bは、この実施形態の第1の流体供給部140の変形例を示す図、図12Cは、第1の流体供給部140の変形例によるめっき処理の様子を示す図である。図12Aに示すように、この変形例では、第1の流体供給部140のノズル144a/144b/144cが、基板Wの被処理面の方向からノズル傾斜角θの方向を向いたノズル144d/144e/144fと置き換わっている。この変形例によれば、めっき液L3などを供給するノズルを基板Wの処理面に対して所定のノズル傾斜角θに傾斜させたので、めっき液L3のはねを抑えるとともに基板W上により均一にめっき液L3を供給することができる。
【0075】
なお、第1の流体供給部140のノズル144a/144b/144c(またはノズル144d/144e/144f)は、基板Wの中心である必要はない。この実施形態の半導体製造装置では、基板Wを回転させながらめっき液を基板W上に供給する。そのため、使用するめっき液の節約やめっき液供給に伴う液はねを抑える観点から、図12Bに示すようにノズル144を基板中心から周縁部方向に距離d離間させることも可能である。すなわち、図12Cに示すように、基板Wの回転との相乗効果により、めっき液を基板W上によりまんべんなく供給することが期待できる。
【0076】
続いて、図13ないし図15を参照して、この実施形態に係るめっき液ユニット11の動作例を説明する。図13は、上述しためっき処理工程Bにおけるめっき処理液の吐出間隔とめっき処理膜の厚さとの関係を示す図、図14は、同じくノズル144cのノズル傾斜角とめっき処理膜の厚さとの関係を示す図、図15は、同じくノズル144cによるめっき液の吐出位置とめっき処理膜の厚さとの関係を示す図である。
【0077】
図13に示す例では、基板Wとして300mm半導体ウェハを用い、ノズル144cの傾斜角を60度に設定した。このとき、ノズル144cの位置は基板W上方で基板W中央部と周縁部の略中間位置とした。この状態でめっき処理工程Bのめっき処理を実行し、基板W上のめっき処理膜の厚さを計測した。比較のため、ノズル144cからのめっき液L3の吐出間隔(供給間隔)を、めっき液供給1に対し非供給9(1:9)、同じく供給3に対して非供給7(3:7)、同じく供給10に対して非供給なし(10:0、連続供給)とした。
【0078】
その結果、図13に示すように、めっき液の吐出間隔とめっき処理膜の膜厚との相関は認められなかった。このことは、めっき液を連続供給せず間欠供給したとしても膜厚の均一性に問題がないことを意味している。すなわち、めっき液を間欠供給することにより、めっき液供給量を節約することが可能となる。
【0079】
また、図14に示す例では、基板Wとして300mmの半導体ウェハを用い、ノズル144cの位置を基板W上方で基板W中央部と周縁部との略中間位置としたまま、ノズル144cのノズル傾斜角を45度、60度、90度とした3つの場合について、ノズル傾斜角とめっき処理膜の厚さとの関係を調べた。ここで、傾斜角とは、図10Aに示すように、基板W処理面を基準としたノズルの傾斜角θである。
【0080】
その結果、傾斜角90度および45度の場合で基板W周縁部の膜厚が厚くなる傾向が認められた。特に、傾斜角90度(基板Wに対して垂直にめっき液を供給)の場合、基板Wの中心から50mmまでは均一な膜厚が得られたが、50mmを超え周縁部になると膜厚が急激に厚くなる結果となった。これは、基板W外周部の液盛り効果によりめっき液が基板W上から円滑に排出されず、反応副生成物が外周部に留まった結果当該部分の膜厚が厚くなったものと考えられる。従って、ノズル傾斜角は基板W処理面に対して、ある一定の範囲の角度を持つことが望ましい。また、傾斜角45度の場合、ノズル144cから供給されるめっき液が基板W上で十分に拡散せず、基板W外周部の一部の膜厚が厚くなったものと考えられる。これらの傾向から、ノズル144cの傾斜角は基板に対して45度以上、より好ましくは60度前後(誤差を±10度とすれば50〜70度程度)とすることが望ましい。
【0081】
さらに、図15に示す例では、基板Wとして300mmの半導体ウェハを用い、ノズル144cの傾斜角を45度として、ノズル144cの位置を基板W中心から30mm、50mm、110mmの3つの場合について、ノズルの位置とめっき処理膜の厚さとの関係を調べた。めっき処理液の供給位置、すなわちノズルの位置は、図12Cに示す基板Wの中心からの距離dの位置である。めっき液の噴射は基板Wの回転に沿った方向に行った。
【0082】
その結果、ノズル144cのめっき液吐出位置を基板W中心から110mm離間した位置とした場合に、基板W中央部と周縁部との間でめっき処理膜の膜厚に大きな差(中央部の方が膜厚が厚い)が認められた。これは、基板W周縁部での液盛り処理の効果が損なわれ、基板W内周部に広がっためっき液が乾燥したため、内周部のめっき液が塗り重なって膜厚が厚くなったものと考えられる。また、ノズル144cのめっき液吐出位置を基板W中心から30mm離間した位置とした場合に、わずかながら基板W中央部と周縁部との間で膜厚に差(周縁部の方が膜厚が厚い)が認められた。一方、ノズル144cのめっき液吐出位置を基板W中心から50mm離間した位置とした場合、概ね均一な膜厚が得ることができた。このことから、めっき処理を行う際のノズル144cの位置は、基板W上の中央部に寄り過ぎても周縁部に寄り過ぎても均一性が損なわれるため、両者の略中間点とすることが好ましいことがわかる。具体的には、距離dが30〜110[mm]、より好ましくは距離dが50[mm]程度(誤差±20度として30〜70度程度)とすることが望ましい。
【0083】
ここで説明したノズル傾斜角は、基板Wに供給され実際に反応に寄与するめっき液の温度の維持と、基板Wに供給されるめっき液の鮮度に影響を与える。めっき処理プロセスにおいては、めっき液がノズルから供給され基板Wの表面に到達して反応する際に所定の条件の温度となることが望ましく、この温度を維持することが大きな課題となる。この実施形態におけるノズルの傾斜は、基板W上にめっき液を滞留させることを防ぐので、基板Wの表面でのめっき液温度を適切な温度に維持することが可能となる。また、基板Wの表面上にめっき液が滞留を抑えることにより、基板W上に反応に寄与し終わった古いめっき液が留まることを防ぎ、常に新しいめっき液が基板W上でめっき処理に寄与することが可能となる。
【0084】
同様に、めっき液供給の間欠比についても、基板Wに供給され実際に反応に寄与するめっき液の温度の維持と、基板Wに供給されるめっき液の鮮度に影響を与える。ノズル傾斜角におけるめっき処理プロセスに対する作用と同様に、めっき液を連続供給する場合と比較して、間欠供給とすることで基板Wの表面上にめっき液が滞留することを防ぐことが可能となり、めっき液温度の維持とめっき液のリフレッシュに効果が期待できる。
【0085】
次に、図16Aないし図16Cを参照して、本発明の他の実施形態に係る半導体製造装置について説明する。図16Aは、この実施形態に係る半導体製造装置の無電解めっきユニットの断面図、図16Bおよび図16Cは、この実施形態に係る無電解めっきユニットによるめっき処理の様子を示す図である。この実施形態に係る半導体製造装置は、図1ないし図3に示す実施形態に係る半導体製造装置と同様の構成を有しており、めっき液L3が第1の流体供給部140ではなく、シャフト170に設けられた流体供給路171を通じて供給される点が異なっている。そこで、図1ないし図3に示す実施形態と共通する構成について同一の符号を付して示し、重複する説明を省略する。この実施形態は、基板Wの下面にめっき処理を施す、いわゆるフェイスダウン方式を適用した例である。
【0086】
図16Aに示すように、この実施形態の無電解めっきユニット410は、第1の流体供給部440と、バックプレート465とを備えている。第1の流体供給部440は、スピンチャック130により保持された基板Wの上面に処理液や純水などを供給する。バックプレート465は、スピンチャック130が保持した基板Wの下面に対向し、スピンチャック130による基板Wの保持位置と回転プレート132との間に配設されている。この実施形態においては、スピンチャック130は、基板Wの被処理面をバックプレート465に対向させて基板Wを保持する。
【0087】
バックプレート465の中には、その表面の複数個所で開口する流路466が形成されており、この流路466とシャフト470の軸心を貫通する流体供給路471とが連通している。流体供給路471には図示しない熱交換器が配置されており、めっき液等の処理流体を所定の温度に調整する。すなわち、バックプレート165は、温度調整された処理流体を基板Wの下面に向けて供給する作用をする。めっき処理の際、流体供給装置200は、前処理液L1、後処理液L2、めっき液L3を流体供給路471を介して基板Wの被処理面(下面)に供給する。一方、基板Wの温度を調節する純水L0は、第1の流体供給部440により基板Wの上面に供給される。
【0088】
この実施形態におけるめっき処理工程では、流体供給路471が純粋L0、前洗浄処理液L1、後洗浄処理液L2、めっき液L3を基板Wの下面に供給し、第1の流体供給部440が温度調節された純水L0を基板Wの上面に供給する点を除いて、図5に示す第1の実施形態の工程とほぼ共通する。すなわち、めっき処理の対象が基板Wの下面である点のみ相違する。バックプレート465は、前洗浄処理液L1、後洗浄処理液L2、めっき液L3を基板Wの下面に供給する際に上昇し、基板Wと接近した状態とする。すなわち、これらの処理流体は、基板Wとバックプレート465との間の隙間を基板Wの周縁部に向けて流れることになる。この実施形態の半導体製造装置によれば、めっき液等の処理液を基板Wに接近させたバックプレート465と基板Wとの間を流すことで基板Wを処理するので、めっき液等の使用量を節約することができる。
【0089】
ここで、この実施形態の無電解めっきユニット410のバックプレート465について詳細に説明する。図16Bおよび図16Cに示すように、この実施形態のバックプレート465は、その表面のめっき液等処理流体に対する濡れ性が中央部と周縁部とで異なるように設計されている。すなわち、バックプレート465の周縁部αは、中央部βよりも処理流体に対する濡れ性が低くなるように構成している。
【0090】
一般に、バックプレート465のようなプレートの表面の処理流体に対する濡れ性が低い場合は、当該プレート表面上での処理流体の表面張力が強く働く傾向があり、濡れ性が高い場合は、処理流体が当該プレート表面を広がって流れやすくなる性質があることが知られている。この実施形態のバックプレート465では、プレートの周縁部について処理流体に対する濡れ性を中央部よりも低くしたので、プレート周縁部においては、処理流体の表面張力により処理流体がプレート中央部に向けて閉じ込められる方向に力が働く。また、プレート中央部においてはプレート表面上を拡散する方向に力が働く。すなわち、図16Bおよび図16Cに示す矢印の方向に力が働くため、処理流体がバックプレート465の面内でまんべんなく広がり、基板Wの表面全面を均一に濡らすことが可能となる。これにより、基板W上のめっき処理をより均一にすることができる。
【0091】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0092】
たとえば、バックプレート表面の濡れ性を中心部と周縁部とで異なるものとする手段として、バックプレートに段差を設けてバックプレート表面が処理流体に与える力を調節することもできる。図17Aおよび図17Bは、かかるバックプレートの例を示す図である。図17Aおよび図17Bに示すように、段差α’や段差β’をバックプレート表面に設けて、バックプレート表面の中心部および周縁部それぞれの処理流体に対する抵抗、すなわち濡れ性を調節してもよい。
【0093】
同様に、図16Bおよび図16Cに示すバックプレート表面の濡れ性を中心部と周縁部とで異なるものとする技術的思想は、図1ないし図3に示す実施形態にも適用することができる。前述したとおり、前洗浄工程Aにおいて、第1の流体供給部140のノズル144aを基板Wの中央に移動させ、第2の流体供給部150のノズル154を基板Wの周縁部に移動させて、それぞれ純水L0と外周部処理液L4とを供給する。このとき、外周部処理液L4を適宜調整することで、基板Wの中央部と周縁部とで濡れ性を異なるものとすることが可能となる。こうした処理により、前洗浄工程Aに続くめっき処理工程Bにおいて、めっき液が基板W上に均一に留まらせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、半導体製造業に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明に係る一つの実施形態の半導体製造装置の構成を示す平面図である。
【図2】この実施形態の半導体製造装置における無電解めっきユニットを示す断面図である。
【図3】この実施形態の半導体製造装置における無電解めっきユニットを示す平面図である。
【図4】この実施形態の半導体装置における流体供給装置の構成を示す図である。
【図5】この実施形態のめっきユニットの動作を示すフローチャートである。
【図6】この実施形態に係るめっきユニットのプロセスの流れを示す図である。
【図7】この実施形態に係るめっきユニットのめっき液処理のプロセスの流れを示す図である。
【図8A】第1の流体供給部を側面から見た概念図である。
【図8B】第1の流体供給部が純水を供給して親水化処理を行う様子を示す図である。
【図9】第1の流体供給部を上面から見た概念図である。
【図10A】基板表面のめっき処理の様子を示す図である。
【図10B】基板表面のめっき処理の様子を示す図である。
【図10C】基板表面のめっき処理の様子を示す図である。
【図10D】基板表面のめっき処理の様子を示す図である。
【図11A】第1・第2の流体供給部を上面から見た概念図である。
【図11B】第1・第2の流体供給部を上面から見た概念図である。
【図12A】第1の流体供給部の変形例を示す図である。
【図12B】第1の流体供給部の変形例を示す図である。
【図12C】第1の流体供給部の変形例によるめっき処理の様子を示す図である。
【図13】めっき処理工程におけるめっき処理液の吐出間隔とめっき処理膜の厚さとの関係を示す図である。
【図14】ノズルの傾斜角とめっき処理膜の厚さとの関係を示す図である。
【図15】ノズルによるめっき液の吐出位置とめっき処理膜の厚さとの関係を示す図である。
【図16A】他の実施形態の半導体装置の無電解めっきユニットの構成を示す断面図である。
【図16B】この実施形態の無電解めっきユニットによるめっき処理の様子を示す図である。
【図16C】この実施形態の無電解めっきユニットによるめっき処理の様子を示す図である。
【図17A】この実施形態の無電解めっきユニットにおけるバックプレートの変形例を示す図である。
【図17B】この実施形態の無電解めっきユニットにおけるバックプレートの変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0096】
1…搬出部、2…処理部、3…搬送部、5…制御装置、11…無電解めっきユニット、51…プロセスコントローラ、110…アウターチャンバ、120…インナーチャンバ、130…スピンチャック、132…回転プレート、134a…支持ピン、134b…押圧ピン、140…第1の流体供給部、142…第1のアーム、143…第1の旋回駆動機構、144a・144b・144c…ノズル、150…第2の流体供給部、152…第2のアーム、153…第2の旋回駆動機構、154…ノズル、160…ガス供給部、165…バックプレート、166…流路、170…シャフト、171…流体供給路、175…熱交換器、200…流体供給装置、205…ノズル駆動装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を回転可能に保持する保持機構と、
前記基板上の被処理面にめっき処理を施すための処理液を供給するノズルと、
前記保持機構に保持された前記基板を前記被処理面に沿った向きで回転させる基板回転機構と、
前記保持機構に保持された前記基板上の前記被処理面と対向する位置で、前記ノズルを前記被処理面に沿った方向に移動させるノズル移動機構と、
前記ノズルによる前記処理液の供給および前記ノズル移動機構による前記ノズルの移動動作を制御する制御部と
を具備することを特徴とする半導体製造装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記ノズルを前記基板の中央部および周縁部の間を移動させつつ前記ノズルから前記処理液を連続的に供給する第1の制御と、
次いで前記ノズルを所定の位置に停止させて前記ノズルから前記処理液を供給させる第2の制御と
を実行することを特徴とする請求項1記載の半導体製造装置。
【請求項3】
前記制御部による第2の制御は、前記処理液を前記ノズルから連続的または間欠的に供給させることを特徴とする請求項2記載の半導体製造装置。
【請求項4】
前記制御部による第2の制御は、前記処理液を前記ノズルから間欠的に供給させることを特徴とする請求項2記載の半導体製造装置。
【請求項5】
前記第2の制御による前記ノズルからの前記処理液の供給は、該処理液の供給がない期間よりも供給がある期間の方が長いことを特徴とする請求項4記載の半導体製造装置。
【請求項6】
前記第2の制御による前記ノズルからの前記処理液の供給は、該処理液の供給がある期間よりも供給がない期間の方が長いことを特徴とする請求項4記載の半導体製造装置。
【請求項7】
前記第2の制御は、前記ノズルを前記基板の略中央の位置に停止させて前記処理液を供給させることを特徴とする請求項2記載の半導体製造装置。
【請求項8】
前記第2の制御は、前記ノズルを前記基板の略中央から30ないし110mm離間させた位置に停止させて前記処理液を供給させることを特徴とする請求項2記載の半導体製造装置。
【請求項9】
前記第2の制御は、前記ノズルを前記基板の略中央から30ないし70mm離間させた位置に停止させて前記処理液を供給させることを特徴とする請求項2記載の半導体製造装置。
【請求項10】
前記ノズルは、前記基板の被処理面から45ないし90度の傾斜角をもって前記処理液を供給することを特徴とする請求項2記載の半導体製造装置。
【請求項11】
前記ノズルは、前記基板の被処理面から50ないし70度の傾斜角をもって前記処理液を供給することを特徴とする請求項2記載の半導体製造装置。
【請求項12】
基板の被処理面を洗浄する第1の洗浄工程と、
前記第1の洗浄工程で洗浄された前記基板上の前記被処理面の中央部に対向する位置と前記被処理面の縁部に対向する位置との間でノズルを移動させつつ、前記ノズルを通じてめっき液を前記被処理面に連続的に供給する第1のめっき液供給工程と、
前記第1のめっき液供給工程を経た前記基板上の前記被処理面に対向する所定の位置に前記ノズルを停止させた状態で、前記ノズルを通じて前記めっき液を前記被処理面に間欠的に供給する第2のめっき液供給工程と、
前記第1および第2のめっき液供給工程を経た前記基板上の前記被処理面を洗浄する第2の洗浄工程と
を有する半導体製造方法。
【請求項13】
前記第1のめっき液供給工程による前記ノズルの移動は、前記基板上の前記被処理面の中央部に対向する位置と前記被処理面の縁部に対向する位置との間で、第1の速度での第1の移動と、前記第1の速度より遅い第2の速度での第2の移動とを含むことを特徴とする請求項12記載の半導体製造方法。
【請求項14】
前記第1のめっき液供給工程による前記ノズルの移動は、前記第1の移動を少なくとも2回以上含むことを特徴とする請求項13記載の半導体製造方法。
【請求項15】
前記第1の移動は、前記基板上の前記被処理面の中央部に対向する位置から前記被処理面の縁部に対向する位置への第3の速度での移動と、前記被処理面の縁部に対向する位置から前記被処理面の中央部に対向する位置への前記第3の速度よりも速い第4の速度での移動とを含むことを特徴とする請求項13記載の半導体製造方法。
【請求項16】
前記第2のめっき液供給工程による前記めっき液の間欠的な供給は、前記めっき液の供給がない期間よりも供給がある期間の方が長いことを特徴とする請求項12記載の半導体製造方法。
【請求項17】
前記第2のめっき液供給工程による前記めっき液の間欠的な供給は、前記めっき液の供給がある期間よりも供給がない期間の方が長いことを特徴とする請求項12記載の半導体製造方法。
【請求項18】
前記第2のめっき液供給工程による前記めっき液の間欠的な供給は、前記ノズルを前記基板の略中央の位置に停止させた状態で行うことを特徴とする請求項12記載の半導体製造方法。
【請求項19】
前記第2のめっき液供給工程による前記めっき液の間欠的な供給は、前記ノズルを前記基板の略中央から30ないし110mm離間させた位置に停止させて行うことを特徴とする請求項12記載の半導体製造方法。
【請求項20】
前記第2のめっき液供給工程による前記めっき液の間欠的な供給は、前記ノズルを前記基板の略中央から30ないし70mm離間させた位置に停止させて行うことを特徴とする請求項12記載の半導体製造方法。
【請求項21】
前記ノズルは、前記基板の被処理面から45ないし90度の傾斜角をもって前記めっき液を供給することを特徴とする請求項12記載の半導体製造方法。
【請求項22】
前記ノズルは、前記基板の被処理面から50ないし70度の傾斜角をもって前記めっき液を供給することを特徴とする請求項12記載の半導体製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図10D】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図12C】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16A】
image rotate

【図16B】
image rotate

【図16C】
image rotate

【図17A】
image rotate

【図17B】
image rotate


【公開番号】特開2009−249679(P2009−249679A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98367(P2008−98367)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】