説明

半導体製造装置及びその加熱ユニット

本発明の半導体製造装置は、処理チャンバ(11)、処理チャンバ(11)に対してウエーハを出し入れする搬送通路(12)、処理チャンバ(11)内の処理ガスを排出する排気通路(13)及び排気ライン(40,40’)等を備え、処理チャンバ(11),搬送通路(12)、排気通路(13)及び排気管(410,420)の内壁面(11a,11b,12a,13a,410a,420a)を加熱するべく、薄板状の抵抗発熱体を一対の金属板で挟み込んで覆うと共に内壁面を内側から覆うように形成された面状の加熱ユニット(50,60,70,80,170,270)を有する。これにより、処理ガスに曝される壁面の加熱効率が高まり、副生成物等の付着を防止でき、又、抵抗発熱体の劣化も防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、CVD装置、エッチング装置等の半導体製造装置及びその加熱ユニットに関し、特に、処理チャンバ、ウエーハの搬送通路、排気管等の内壁面が加熱される半導体製造装置及びその加熱ユニットに関する。
【背景技術】
CVD装置、エッチング装置等の半導体製造装置においては、処理チャンバ内にウエーハを配置し、高温雰囲気下で真空引きしつつ、所望の成膜処理、エッチング処理等が施される。この処理の際に、内部空間を流れる処理ガスや反応副生成物等は、図1に示すように、その場の圧力と温度との関係(昇華曲線)によって、気体と固体との両相を昇華変化し、特に、気体から固体へ変化した場合、堆積物として内壁面に付着してしまう。
したがって、不要の副生成物等が内壁面に付着しないようにして、ウエーハに対して所望の成膜処理あるいはエッチング処理等が均一に施されるようにするために、処理チャンバあるいは通路の壁面温度を管理する必要がある。
これに対処する従来の手法としては、処理チャンバを画定する内壁面の外側領域において、伝熱媒体であるサーモセメント等と共にカートリッジ式のヒータを装填したものが知られている(例えば、特開2003−27240号公報)。
しかしながら、カートリッジ式のヒータを処理チャンバの外側に配置する手法では、ヒータは処理チャンバの外側に局所的に配置され、しかもヒータから処理チャンバの壁面までの距離は場所によって異なるため、内壁面を均一に加熱することができない。また、ヒータと壁面との間には、サーモセメント等の伝熱媒体が介在するものの、直接加熱する場合に比べて熱効率が低く、ヒータの加熱で所定温度に達するまでの昇温時間も長くかかり、稼動時間の低下を招いていた。さらに、内壁面に付着した副生成物等を除去するために、定期的にクリーニング処理を施しているのが実情である。
また、処理チャンバの下流側に連結された排気管等においては、副生成物等が管路内の内壁面に付着するのを抑制ないしは局部的に付着させるために、排気管の一部を外側からヒータで加熱する手法が知られている(例えば、特開2003−37070号公報、特開平8−78300号公報)。
しかしながら、排気管の外側にヒータを設ける手法では、熱エネルギの一部は排気管の外側に向けて放射されるため、排気ガス等が接触する排気管の内壁面を所定温度に加熱するためのエネルギ効率が悪く、消費電力の増加を招いていた。
さらに、他の手法として、排気管等の配管の内壁に、ヒータをジグザグに配設し、ヒータのリード線を配管の中間部に設けたポートから外部に引き出し、このリード線を介してヒータに電力を供給することで、配管の内側を全周的に加熱するようにしたものが知られている(例えば、特開平11−108283号公報)。
しかしながら、この手法では、リード線のポートが配管の中間部に位置しているので、ヒータを取り付ける際にリード線をポートに通すのが困難であり、作業性が悪いという問題があった。
また、ヒータが配管内において露出した状態で配設されているため、配管内を流れるガスや化学反応を起こした化学反応物質と反応して消耗し、特に、配管内の堆積物を除去するために定期的に流されるNF,ClF等のクリーニングガスが、ヒータの消粍を助長して寿命を短くするという問題があった。
さらに、ジグザグ配置のヒータで配管を全周的に加熱するとはいっても、ヒータの近傍が局部的に加熱されるだけで加熱温度にムラを生じ、熱が伝わり難い領域で副生成物が昇華して堆積し易いという問題もあった。
【発明の開示】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、半導体製造装置等において、処理ガス等に曝される通路又は処理チャンバ等の内壁面に副生成物等が付着するのを極力防止して、処理されるウエーハの歩留まりの向上、稼動時間の増大、エネルギ効率の向上による消費電力の低減等を図れる半導体製造装置及びその加熱ユニットを提供することにある。
上記目的を達成する本発明に係る半導体製造装置は、所定の処理を施す処理チャンバと、処理チャンバ内に処理ガスを供給する供給通路と、処理チャンバに対してウエーハを出し入れする搬送通路と、処理チャンバ内の処理ガスを排出する排気通路と、供給通路,搬送通路,処理チャンバ,及び排気通路の少なくとも一つの内壁面を加熱するべく,薄板状の抵抗発熱体を一対の金属板で挟み込んで覆うと共に内壁面を内側から覆うように形成された面状の加熱ユニットと、を有する。
この構成によれば、面状の加熱ユニットを内壁面に隣接して配置し処理ガスに曝される壁面を画定したことにより、処理ガスに曝される壁面が直接加熱されて、加熱効率及びエネルギ効率が向上し、昇温時間を短縮でき、消費電力を低減でき、稼動効率を向上させることができ、副生成物等の付着を防止ないしは極力抑制することができる。また、加熱ユニットの抵抗発熱体が一対の金属板により挟み込んで覆われているため、処理ガスに直接曝されることはなく、その劣化、消耗等を防止でき、所期の発熱特性を維持することができる。
これにより、半導体製造装置で処理されるウエーハの歩留まりの向上、稼動時間の増大、消費電力の低減等を達成することができる。
上記構成において、 加熱ユニットは、内壁面に隣接して配置される加熱本体部と、加熱本体部と一体的にフランジ状に又は延出して形成された取付け部と、抵抗発熱体に電気を通すための配線及び抵抗発熱体の温度を検出する温度センサの配線を引き出すべく取付け部に設けられたコネクタと、を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、加熱ユニットを所定の加熱領域(内壁面)に取り付ける場合に、加熱本体部を内壁面の内側に沿わせると共にフランジ状に又は延出して形成された取付け部を所定の取付け位置に固定することで、簡単に取付け作業を行うことができる。また、コネクタが加熱ユニットの取付け部と一体となっているため、取り扱いが容易であると共に、装置の外部に露出した状態とすることができ、真空雰囲気内での接続等の煩わしさから開放され、取付け後に配線の接続作業等を容易に行うことができる。
上記構成において、排気通路を画定する配管は、着脱自在に形成されかつ相互に連結される複数の配管からなり、複数の配管は、接続端部において、径方向外側に突出すると共にお互いに対向する鍔状のフランジ部を有し、加熱ユニットの取付け部は、シール部材を介して隣接するフランジ部に挟持される、構成を採用することができる。
この構成によれば、各々の配管内に、加熱ユニットの加熱本体部を挿入し、隣接する配管のフランジ部同士の間に、シール部材を介して加熱ユニットの取付け部を挟み込んで、隣接する配管同士を連結することにより、加熱ユニットを配管に取り付けることができ、又、逆の手順により容易に取り外すことができる。
上記構成において、複数の配管のフランジ部同士を連結するためのクランプ機構を有し、このクランプ機構は、フランジ部同士を近づける方向に押し付けるように受け入れる略V字状の断面をなす溝をもつ複数のクランプブロックと、複数のクランプブロックを連結する複数のリンクプレートと、隣接する2つのクランプブロックを締結する締結部材と、を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、クランプ機構がチェーン状に形成されているため、配管のフランジ部にクランプブロックを巻回し、締結部材で締め付けることにより、加熱ユニットを装着した配管同士を容易に連結することができ、又、その連結を解除することができる。
上記構成において、複数のリンクプレートは、クランプブロックの一側部同士を連結する複数の第1リンクプレートと、クランプブロックの他側部同士を連結する複数の第2リンクプレートとを含み、第1リンクプレート又は第2リンクプレートのうち少なくとも一つのリンクプレートは、クランプブロックに対して掛止及び離脱自在に形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、加熱ユニットの取付け部(又はコネクタ)に配線が接続されているような場合に、離脱可能なリンクプレートを予め離脱した状態で配線を通し、その後、リンクプレートをクランプブロックに掛止させることにより、配線が接続された状態でも、容易に加熱ユニットを組付けることができる。
また、上記目的を達成する本発明に係る半導体製造装置の加熱ユニットは、所定の処理を施す処理チャンバ、処理チャンバに対してウエーハを出し入れする搬送通路、及び処理チャンバ内の処理ガスを排出する排気通路のいずれかの内壁面を加熱する半導体製造装置の加熱ユニットであって、薄板状の抵抗発熱体と、抵抗発熱体を挟み込んで覆うと共に内壁面を内側から面状に覆うようにかつ処理チャンバ又は通路を画定するように形成された一対の金属板と、を有する。
この構成によれば、加熱ユニットを内壁面に隣接して面状に配置し処理ガスに曝される壁面を画定したことにより、処理ガスに曝される壁面が直接加熱されて、加熱効率及びエネルギ効率が向上し、昇温時間を短縮でき、消費電力を低減でき、稼動効率を向上させることができ、副生成物等の付着を防止ないしは極力抑制することができる。また、面状をなす加熱ユニットの抵抗発熱体は、一対の金属板により挟み込んで覆われているため、処理ガスに直接曝されることはなく、その劣化、消耗等を防止でき、所期の発熱特性を長期に亘り維持することができる。
上記構成において、加熱ユニットは、内壁面に隣接して配置される加熱本体部と、加熱本体部と一体的にフランジ状に又は延出して形成された取付け部と、抵抗発熱体に電気を通すための配線及び抵抗発熱体の温度を検出する温度センサの配線を引き出すべく取付け部に設けられたコネクタと、を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、加熱ユニットを所定の加熱領域(内壁面)に取り付ける場合に、加熱本体部を内壁面の内側に沿わせると共にフランジ状に又は延出して形成された取付け部を所定の取付け位置に固定することで、簡単に取付け作業を行うことができる。また、コネクタが加熱ユニットの取付け部と一体となっているため、取り扱いが容易であると共に、装置の外部に露出した状態とすることができ、真空雰囲気内での接続等の煩わしさから開放され、取付け後に配線の接続作業等を容易に行うことができる。
上記構成において、加熱ユニットは、処理チャンバの内壁面に隣接して配置されるチャンバ加熱ユニットを含み、チャンバ加熱ユニットは、処理チャンバの側壁面に隣接して配置される筒状の加熱本体部及びその端部にフランジ状に設けられた取付け部と、処理チャンバの底壁面に対向して配置される円板状の加熱本体部及びその下面に延出して設けられた取付け部と、を含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、処理チャンバの内壁面(側壁面及び底壁面)が全て面状の加熱ユニットで覆われるため、効率良く加熱して副生成物等の付着を防止ないし極力抑制できるのは勿論のこと、チャンバ加熱ユニットを取り付ける際に、円板状の加熱本体部を処理チャンバ内に挿入してその延出した取付け部を装置の下側から突出させ、円筒状の加熱本体部を処理チャンバ内に挿入しそのフランジ状の取付け部を装置の上端部に載せるだけでよいため、その着脱作業を容易に行うことができる。
上記構成において、加熱ユニットは、処理チャンバの内壁面に隣接して配置されるチャンバ加熱ユニットを含み、このチャンバ加熱ユニットは、底壁をもつ筒状の加熱本体部と、加熱本体部の開口端部にフランジ状に設けられた取付け部と、を含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、処理チャンバの内壁面を効率良く加熱して副生成物等の付着を防止ないし極力抑制できるのは勿論のこと、チャンバ加熱ユニットを取り付ける際に、有底円筒状の加熱本体部を処理チャンバ内に挿入し、そのフランジ状の取付け部を装置の上端部に載せるだけで、処理チャンバの内壁面(側壁面及び底壁面)が全て面状の加熱ユニットで覆われるため、その着脱作業を容易に行うことができ、又、円筒状の加熱本体部と円板状の加熱本体部を一体化したことにより、部品点数を削減することができる。
上記構成において、加熱ユニットは、搬送通路の内壁面に隣接して配置される搬送通路加熱ユニットを含み、搬送通路加熱ユニットは、略矩形断面をなす筒状の加熱本体部と、この加熱本体部にフランジ状に設けられた取付け部と、を含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、搬送通路の内壁面を効率良く加熱して副生成物等の付着を防止ないし極力抑制できるのは勿論のこと、搬送通路加熱ユニットを取り付ける際に、筒状の加熱本体部を搬送通路内に挿入し、そのフランジ状の取付け部を装置の外壁面に接合させることにより、その着脱作業を容易に行うことができる。
上記構成において、加熱ユニットは、排気通路の内壁面に隣接して配置される排気通路加熱ユニットを含み、この排気通路加熱ユニットは、筒状の加熱本体部と、加熱本体部にフランジ状に設けられた取付け部と、を含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、排気通路の内壁面を効率良く加熱して副生成物等の付着を防止ないし極力抑制できるのは勿論のこと、排気通路加熱ユニットを取り付ける際に、筒状の加熱本体部を排気通路内に挿入し、そのフランジ状の取付け部を配管の端部に接合させることにより、その着脱作業を容易に行うことができる。
上記構成において、加熱ユニットは、湾曲した排気通路の内壁面に隣接して配置される排気通路加熱ユニットを含み、排気通路加熱ユニットは、湾曲した筒状の加熱本体部と、加熱本体部にフランジ状に設けられた取付け部と、を含み、加熱本体部は、湾曲した排気通路の内側領域よりも外側領域に対して発熱量が多くなるように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、湾曲した排気通路においては、外側領域の方が内側領域よりも副生成物が堆積し易いため、この領域での副生成物の堆積及びその成長を有効に防止することができる。
上記構成において、加熱ユニットは、内壁面との間に断熱用の隙間を設けて配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、加熱ユニット(加熱本体部)と内壁面との間に気相が形成されるため、この気相により断熱効果が高まり、処理ガスに曝される壁面の加熱効率がさらに高めることができる。
上記構成において、一対の金属板は、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム合金、ニッケルコバルト合金のうちのいずれかの材料により形成され、抵抗発熱体は、ポリイミドヒータ、シリコンラバーヒータ、マイカヒータ、シースヒータのいずれかにより形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、耐腐食性、高熱伝導率を確保しつつ、加熱ユニットを、比較的加工し易い薄板状(面状)に仕上げることができるため、処理チャンバの壁面や通路の壁面等の形状に対応させて容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、反応副生成物の昇華曲線を示すグラフである。
図2は、本発明に係る加熱ユニットを取り付ける半導体製造装置を示す外観斜視図である。
図3は、本発明の加熱ユニットを取り付けた半導体製造装置の断面図である。
図4は、本発明に係るチャンバ加熱ユニットの外観斜視図である。
図5は、図4に示すチャンバ加熱ユニットの断面図である。
図6は、本発明に係る加熱ユニットの一部をなす抵抗発熱体を示す構造図である。
図7は、本発明に係るチャンバ加熱ユニットの外観斜視図である。
図8は、図7に示すチャンバ加熱ユニットの断面図である。
図9は、本発明に係るチャンバ加熱ユニットの他の実施形態を示す断面図である。
図10は、本発明に係る排気通路加熱ユニットの外観斜視図である。
図11は、図10に示す排気通路加熱ユニットの断面図である。
図12は、本発明に係る搬送通路加熱ユニットの外観斜視図である。
図13は、図12に示す搬送通路加熱ユニットの断面図である。
図14は、本発明に係る排気通路加熱ユニットを排気管に取り付けた他の実施形態を示す断面図である。
図15は、図14に示す排気通路加熱ユニットの一部を拡大した拡大断面図である。
図16は、排気通路加熱ユニットを装着した状態で排気管同士を連結するクランプ機構を示す構成図である。
図17は、本発明に係る排気通路加熱ユニットの他の実施形態を示す外観斜視図である。
図18は、図17に示す排気通路加熱ユニットの断面図である。
図19Aは、図17に示す排気通路加熱ユニットの一部をなすアウターシェル及びフランジの半断面図、図19Bは、図17に示す排気通路加熱ユニットの一部をなすインナーシェル及びフランジの半断面図である。
図20Aは、本発明に係る加熱ユニットと従来のラバーヒータとの昇温特性を示すグラフであり、図20Bは、本発明に係る加熱ユニットと従来のラバーヒータとの降温特性を示すグラフである。
図21は、本発明に係る排気通路加熱ユニットの断面図及び軸方向における温度分布を示すグラフである。
図22は、本発明に係る排気通路加熱ユニットのさらに他の実施形態を示す断面図である。
図23A及び図23Bは、図22に示す排気通路加熱ユニットの一部を拡大した拡大断面図である。
図24Aは、図22に示す排気通路加熱ユニットの一部をなすアウターシェルの一部分を分解して示した部分半断面図、図24Bは、図22に示す排気通路加熱ユニットの一部をなすインナーシェルの一部分を分解して示した部分半断面図である。
図25は、図22に示す排気通路加熱ユニットの一部をなす抵抗発熱体の展開図である。
図26は、図25に示した抵抗発熱体を立体化した状態を示す斜視図である。
図27A、図27B、及び図27Cは、図22に示す排気通路加熱ユニットの一部をなすアウターシェルの製造工程を示す工程図である。
図28A、図28B、及び図28Cは、図22に示す排気通路加熱ユニットの一部をなすアウターシェルの製造工程を示す工程図である。
図29は、本発明に係る排気通路加熱ユニットのさらに他の実施形態を示す断面図である。
図30A及び図30Bは、図29に示す排気通路加熱ユニットの一部を拡大した拡大断面図である。
図31は、図29に示す排気通路加熱ユニットの一部をなす抵抗発熱体の概略構成を示す展開図である。
図32は、本発明に係る排気通路加熱ユニットのさらに他の実施形態を示す断面図である。
図33は、本発明に係る排気通路加熱ユニットのさらに他の実施形態を示す断面図である。
図34A及び図34Bは、本発明に係る排気通路加熱ユニットのさらに他の実施形態を示す断面図である。
図35は、図34A及び図34Bに示す排気通路加熱ユニットの一部をなす抵抗発熱体の概略構成を示す展開図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
本発明に係る加熱ユニットを備えた半導体製造装置(CVD装置)は、図2及び図3に示すように、本体10、本体10に対して開閉自在に連結された蓋体20、蓋体20に連結された処理ガス等の供給ライン30、本体10に連結され下流側にターボ分子ポンプ(TMP)等を備える排気ライン40等を備えている。
本体10は、半導体用のウエーハを収容して所定の処理を施す円筒空間をなす処理チャンバ11、処理チャンバ11に対してウエーハを出し入れする略矩形断面の搬送通路12、処理チャンバ内の処理ガスを排出する略円筒状の排気通路13、処理チャンバ11内においてウエーハを載置するサセプタ14等を備えている。尚、サセプタ14は、着脱自在に連結された駆動機構14aにより上下方向に駆動され、又、カバー部材14bにより外部と遮断され、真空シールされている。
蓋体20は、処理チャンバ11内に処理ガスを供給する供給通路を画定するシャワーヘッド21、シール部材としてのOリング22等を備えている。
また、本体10には、加熱ユニットとして、処理チャンバ11の内壁面を加熱する二つのチャンバ加熱ユニット50,60、排気通路13の内壁面を加熱する排気通路加熱ユニット70、搬送通路12の内壁面を加熱する搬送通路加熱ユニット80等が設けられている。
本体10は、図2及び図3に示すように、処理チャンバ11を画定する内壁面(側壁面)11a及び内壁面(底壁面)11b、搬送通路12を画定する内壁面12a、排気通路13を画定する内壁面13a、蓋体20が接合される上面15、上面15に設けられたシール部材としてのOリング16、底壁面(内壁面11b)に形成された貫通孔17,18,外壁面19、外壁面19に設けられた取付け用のネジ穴19a等により形成されている。
チャンバ加熱ユニット50は、図4及び図5に示すように、上端開口部50a、下端開口部50b、搬送通路12に対応する矩形開口部50c、排気通路13に対応する円形開口部50dを画定するべく、処理チャンバ11の内壁面(側壁面)11aを覆うように隣接して配置される円筒状の加熱本体部51、加熱本体部51の上端部に略矩形のフランジ状に一体的に形成された取付け部52、取付け部52の外側端部に設けられたコネクタ(コネクションボックス)53等により形成されている。
加熱本体部51は、一対の金属板としての薄肉で円筒状のインナーシェル51a及びアウターシェル51b、両シェル51a,51bの間に挟み込んで覆われた薄板状の抵抗発熱体51c、両シェル51a,51bの縁部を接合すると共に抵抗発熱体51cを密閉するスペーサ51d等により形成されている。
スペーサ51dは、両シェル51a,51bの縁部のうち、処理ガスに曝される領域の縁部(下端開口部50b、矩形開口部50c、及び円形開口部50dの縁部)に設けられて、抵抗発熱体51cが処理ガス等に曝されるのを完全に防止するようになっている。
取付け部52は、インナーシェル51aに接合されたフランジ52a及びアウターシェル51bに接合されたフランジ52bにより形成されており、両フランジ52a,52bの間には、抵抗発熱体51cに接続された通電用のリード51c´及び抵抗発熱体51cの温度を測定する温度センサとしての熱電対のリード51c´´が挟まれて、コネクタ53まで引き出されている。すなわち、フランジ52a,52bにおいては、両者の間が完全に密閉されるのではなく外部に開放された状態となっている。そして、コネクタ53には、リード51c´に対して電力供給用のケーブル90が接続され、又、リード51c´´に対して測定器に接続されるケーブル91が接続されるようになっている。
ここで、インナーシェル51a及びアクターシェル51bとしては、伝熱効率を高めるために、板厚約0.5mm程度で、処理ガスに対して耐腐食性を有する材料により形成される。この材料としては、例えば、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム合金、ニッケルコバルト合金、あるいは、酸化アルミニウム,炭化珪素,窒化アルミニウム,窒化珪素,酸化珪素のいずれかからなるセラミックス等が好ましい。尚、耐腐食性をコーティングによって確保することも可能であり、その場合のコーティング材料としては、アルミナ(Al)、SiC、AlN、Si等が好ましい。また、フランジ52a,52bとしても、同様の材料を用いることができる。さらに、高温に曝される両シェル51a,51bの表面に平滑処理を施す、望ましくは、Ra≦0.1程度の表面粗さに仕上げることで、副生成物が堆積したとしても、メンテナンス時にその堆積した副生成物を容易に離脱させることができる。
抵抗発熱体51cは、図6に示すように、可撓性の絶縁フィルム501、絶縁フィルム501にジグザグ状にレイアウトされて挟まれた電熱用の抵抗箔502、抵抗箔502で発生した熱を全体に分散させる熱伝導用箔503により形成され、その一部からリード51c´を形成するリード箔504が引き出されている。また、抵抗発熱体51cには、その温度を検出する温度センサとしての素線511,512を含む熱電対510が設けられ、その一部からリード51c´´が引き出されている。そして、抵抗発熱体51cは、熱伝導用箔503がインナーシェル51aに接触するように配置される。
ここで、絶縁性フィルム501は、ポリイミド樹脂等の耐熱性に優れた樹脂材料により形成され、熱伝導用箔503は、厚さ50μm程度のステンレス鋼等の金属箔により形成されている。
尚、ここでは、抵抗発熱体51cとして、ポリイミドフィルムを用いたポリイミドヒータを採用したが、その他に、シリコンラバーヒータ、マイカヒータ、シースヒータ等を採用してもよい。このように、可撓性のある薄膜状の抵抗発熱体を用いることで、内壁面に対応した種々の形状に形成することができる。
上記のチャンバ加熱ユニット50は、図3及び図5に示すように、アウターシェル51bと内壁面11aとの間に僅かな隙間Cが形成されるように、加熱本体部51を処理チャンバ11内に挿入し、取付け部52を上面15に載せると、取付け作業が完了し、又、蓋体20を閉じると、取付け部52のフランジ52a,52bにそれぞれOリング22,16が接触して、処理チャンバ11内を外部から遮断し、真空シールするようになっている。
このように、加熱本体部51に取付け部52を設けたことにより、着脱作業を簡単に行うことができ、又、内壁面11aとの間に隙間(気相)を設けることで、着脱作業がさらに容易になると共に、加熱本体部51から外部に伝わる熱が低減されて、加熱本体部51による加熱効率がさらに高まる。
チャンバ加熱ユニット60は、図7及び図8に示すように、中央開口部60aを画定するべく、処理チャンバ11の内壁面(底壁面)11bを覆うように対向して配置される円板状の加熱本体部61、加熱本体部61の下面から延出して一体的に形成された直線管としての取付け部62、取付け部62の下端部に設けられたコネクタ63等により形成されている。
加熱本体部61は、図8に示すように、一対の金属板としての薄肉で円板状のインナーシェル61a及びアウターシェル61b、両シェル61a,61bの間に挟み込んで覆われた薄板状の抵抗発熱体61c、両シェル61a,61bの縁部(中央開口60aの内周縁部、外周縁部)を接合すると共に抵抗発熱体61cを密閉するスペーサ61d等により形成されている。
取付け部62は、アウターシェル61bに接合された直線管62aにより形成されており、この直線管62aには、抵抗発熱体61cに接続された通電用のリード61c´及び抵抗発熱体61cの温度を測定する温度センサとしての熱電対のリード61c´´が通されて、コネクタ63まで引き出されている。そして、コネクタ63には、リード61c´に対して電力供給用のケーブル90が接続され、又、リード61c´´に対して測定器に接続されるケーブル91が接続されるようになっている。
尚、インナーシェル61a及びアウターシェル61b、並びに抵抗発熱体61cとしては、前述のチャンバ加熱ユニット50と同様の構成及び材料が適用される。
上記のチャンバ加熱ユニット60は、図3及び図8に示すように、チャンバ加熱ユニット50の装着に先立って、サセプタ14が取り外した状態で上方から処理チャンバ11内に挿入し、加熱本体部61を処理チャンバ11の内壁面(底壁面)11bに対向させた状態で、その下面(アウターシェル61b)を断熱部材65で支持すると共に、取付け部62を本体10の外壁面19から突出させて、シール部材としてのOリング66を外嵌させた後、二分割型の固定部材67で固定することで、取付け作業が完了する。
尚、断熱部材65としては、アルミナセラミックス(Al)等により形成されたものが採用される。
このように、加熱本体部61に取付け部62を設けたことにより、着脱作業を簡単に行うことができ、又、内壁面11bとの間に隙間(気相)及び断熱部材65を設けることで、加熱本体部61から外部に伝わる熱が低減されて、加熱本体部61による加熱効率がさらに高まる。
図9は、前述のチャンバ加熱ユニット50を一部変更したものであり、前述の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
すなわち、このチャンバ加熱ユニット50´は、図9に示すように、上端開口部50a、中央開口部50b´、搬送通路12に対応する矩形開口部50c、排気通路13に対応する円形開口部50dを画定するべく、処理チャンバ11の内壁面(側壁面及び底壁面)11a,11bを覆うように隣接して配置される有底円筒状の加熱本体部51´、加熱本体部51´の上端部に略矩形のフランジ状に一体的に形成された取付け部52、取付け部52の外側端部に設けられたコネクタ53等により形成されている。
加熱本体部51´は、一対の金属板としての薄肉で有底円筒状のインナーシェル51a´及びアウターシェル51b´、両シェル51a´,51b´の間に挟み込んで覆われた薄板状の抵抗発熱体51c´、両シェル51a´,51b´の縁部を接合すると共に抵抗発熱体51c´を密閉するスペーサ51d´等により形成されている。
スペーサ51d´は、両シェル51a´,51b´の縁部のうち、処理ガスに曝される領域の縁部(中央開口部50b´、矩形開口部50c、及び円形開口部50dの縁部)に設けられて、抵抗発熱体51c´が処理ガス等に曝されるのを完全に防止するようになっている。
このチャンバ加熱ユニット50´では、前述のチャンバ加熱ユニット50,60が一体的に形成された構造となっているため、処理チャンバ11の内壁面を効率良く加熱して副生成物等の付着を防止ないし極力抑制できるのは勿論のこと、部品点数が削減され、着脱作業がさらに簡略化される。
排気通路加熱ユニット70は、図3、図10、図11に示すように、処理チャンバ11側の開口部70a、排気ライン40側の開口部70b、取付け用の孔70cを画定するべく、排気通路13の内壁面13aを覆うように隣接して配置される円筒状の加熱本体部71、加熱本体部71の外周において略矩形のフランジ状に一体的に形成された取付け部72、取付け部72の外側端部に設けられたコネクタ73等により形成されている。
加熱本体部71は、一対の金属板としての薄肉で円筒状のインナーシェル71a及びアウターシェル71b、両シェル71a,71bの間に挟み込んで覆われた薄板状の抵抗発熱体71c、両シェル71a,71bの縁部を接合すると共に抵抗発熱体71cを密閉するスペーサ71d等により形成されている。
スペーサ71dは、両シェル71a,71bの縁部のうち、処理ガスに曝される領域の縁部(開口部70a,70bの縁部)に設けられて、抵抗発熱体71cが処理ガス等に曝されるのを完全に防止するようになっている。
取付け部72は、アウターシェル71bに接合されたフランジ72a,72bにより形成されており、両フランジ72a,72bの間には、抵抗発熱体71cに接続された通電用のリード71c´及び抵抗発熱体71cの温度を測定する温度センサとしての熱電対のリード71c´´が挟まれて、コネクタ73まで引き出されている。すなわち、フランジ72a,72bにおいては、両者の間が完全に密閉されるのではなく外部に開放された状態となっている。そして、コネクタ73には、リード71c´に対して電力供給用のケーブル90が接続され、又、リード71c´´に対して測定器に接続されるケーブル91が接続されるようになっている。
尚、インナーシェル71a及びアウターシェル71b、フランジ72a,72b、並びに抵抗発熱体71cとしては、前述のチャンバ加熱ユニット50と同様の構成及び材料が適用される。
上記の排気通路加熱ユニット70は、図3及び図11に示すように、アウターシェル71bと内壁面13aとの間に僅かな隙間が形成されるように、加熱本体部71が排気通路13内に挿入され、Oリング76,77を取り付けた状態で、取付け部72を外壁面19に接合し、その外側から排気ラインの一部をなす固定板78を押し付けて、ネジ79により締結することで、取付けが完了すると共に、排気通路13を外部から遮断し、真空シールするようになっている。
このように、加熱本体部71に取付け部72を設けたことにより、着脱作業を簡単に行うことができ、又、内壁面13aとの間に隙間(気相)を設けることで、着脱作業がさらに容易になると共に、加熱本体部71から外部に伝わる熱が低減されて、加熱本体部71による加熱効率がさらに高まる。
尚、ここでは、ターボ分子ポンプの上流側に排気通路加熱ユニット70を配置しているが、排気ライン40の全域において、例えば、エルボ管タイプ、直線管タイプ等の如く、適宜形状を変更した同様の面状加熱ユニットを配置することができる。
搬送通路加熱ユニット80は、図3、図12、図13に示すように、処理チャンバ11側の開口部80a、ウエーハを搬入及び搬出する際に用いられるトランスファーチャンバのゲートバルブに対向する開口部80b、取付け用の孔80cを画定するべく、搬送通路12の内壁面12aを覆うように隣接して配置される略矩形断面をなす筒状の加熱本体部81、加熱本体部81の外周において略矩形のフランジ状に一体的に形成された取付け部82、取付け部82の外側端部に設けられたコネクタ83等により形成されている。
加熱本体部81は、一対の金属板としての薄肉で矩形筒状のインナーシェル81a及びアウターシェル81b、両シェル81a,81bの間に挟み込んで覆われた薄板状の抵抗発熱体81c、両シェル81a,81bの縁部を接合すると共に抵抗発熱体81cを密閉するスペーサ81d等により形成されている。
スペーサ81dは、両シェル81a,81bの縁部のうち、処理ガスに曝される領域の縁部(開口部80a,80bの縁部)に設けられて、抵抗発熱体81cが処理ガス等に曝されるのを完全に防止するようになっている。
取付け部82は、アウターシェル81bに接合されたフランジ82a,82bにより形成されており、両フランジ82a,82bの間には、抵抗発熱体81cに接続された通電用のリード81c´及び抵抗発熱体81cの温度を測定する温度センサとしての熱電対のリード81c´´が挟まれて、コネクタ83まで引き出されている。すなわち、フランジ82a,82bにおいては、両者の間が完全に密閉されるのではなく外部に開放された状態となっている。そして、コネクタ83には、リード81c´に対して電力供給用のケーブル90が接続され、又、リード81c´´に対して測定器に接続されるケーブル91が接続されるようになっている。
尚、インナーシェル81a及びアウターシェル81b、フランジ82a,82b、並びに抵抗発熱体81cとしては、前述のチャンバ加熱ユニット50と同様の構成及び材料が適用される。
上記の搬送通路加熱ユニット80は、図3及び図13に示すように、アウターシェル81bと内壁面12aとの間に僅かな隙間が形成されるように、加熱本体部81を搬送通路12内に挿入し、シール部材としての矩形環状のリング86,87を取り付けた状態で、取付け部82を外壁面19に接合し、その外側から固定板88を押し付けてネジ89により締結することで、取付けが完了すると共に、搬送通路12を外部から遮断し、真空シールするようになっている。
このように、加熱本体部81に取付け部82を設けたことにより、着脱作業を簡単に行うことができ、又、内壁面12aとの間に隙間(気相)を設けることで、着脱作業がさらに容易になると共に、加熱本体部81から外部に伝わる熱が低減されて、加熱本体部81による加熱効率がさらに高まる。
次に、上記チャンバ加熱ユニット50,60、排気通路加熱ユニット70、搬送通路加熱ユニット80の取付け手順について簡単に説明する。
先ず、蓋体20を開けて、サセプタ14を取り外す。そして、チャンバ加熱ユニット60を処理チャンバ11に挿入して、その底領域に配置する。
続いて、チャンバ加熱ユニット50の加熱本体部51を処理チャンバ11内に挿入して、取付け部52を上面15に載せる。
続けて、トランスファーチャンバを開放した状態で、搬送通路加熱ユニット80の加熱本体部81を搬送通路12に挿入して、その先端部(矩形開口部80a)を加熱本体部51の開口部50cに嵌め込むと共に、取付け部82を外壁面19に接合して固定板88で固定する。
続いて、排気ライン40を取り外した状態で、排気通路加熱ユニット70の加熱本体部71を排気通路13に挿入して、その先端部(開口部70a)を加熱本体部51の円形開口部50dに嵌め込むと共に、取付け部72を外壁面19に接合して固定板78で固定する。これにより、加熱ユニット50,60,70,80の取付け作業が完了する。一方、取り外し作業は逆の手順で行われる。
このように、全ての加熱ユニット50,60,70,80が手際よく円滑に着脱されるため、装置を停止して部品の交換作業等が必要になっても、休止時間を極力短縮でき、稼動時間を増大させることができる。
尚、チャンバ加熱ユニット50,60に替えて、チャンバ加熱ユニット50´を用いる場合は、取付け作業及び取り外し作業がより簡略化される。
図14は、半導体製造装置における排気ライン及び排気通路加熱ユニットの他の実施形態並びにクランプ機構を示したものである。
この排気ライン40´は、図14に示すように、着脱自在に形成され相互に連結される複数の排気管(配管)410,420を含み、各々の排気管410,420内に排気通路加熱ユニット170,270が配置されている。そして、排気管410,420同士が、シール部材としてのOリング200を挟み込んだ状態で、クランプ機構300により連結されている。
排気管410は、直線状の排気通路を画定する直線円筒部411、直線円筒部411の接続端部において径方向外側に突出して鍔状に形成されたフランジ部412を有する。排気管420は、湾曲した排気通路を画定する曲がり円筒部421、曲がり円筒部421の接続端部において径方向外側に突出して鍔状に形成されたフランジ部422を有する。
ここで、フランジ部同士412と412、412と422は、図14及び図15に示すように、接続方向においてお互いが対向するように形成され、対向する反対側の面を傾斜させて径方向外側に向けて薄肉となる先細りの断面形状に形成されている。
クランプ機構300は、図14ないし図16に示すように、フランジ部同士412と412、412と422を近づける方向に押し付けるように受け入れる略V字状の断面をなす溝301aをもつ複数のクランプブロック301、クランプブロック301の一側部301b同士を連結する複数(ここでは、4本)の第1リンクプレート302、クランプブロック301の他側部301c同士を連結する複数(ここでは、4本)の第2リンクプレート303、隣接する2つのクランプブロック301同士を諦結するべく、一方のクランプブロック301に回動自在に支持された締結部材としてのボルト304及び他方のクランプブロック301に形成されてボルト304を螺合する雌ネジ等を備えている。
複数のリンクプレート303の一つのリンクプレート303´は、図16に示すように、その一端部303a´がクランプブロック301のピン305に対して掛止及び離脱自在なフック状に形成されている。
そして、Oリング200を介して、排気通路加熱ユニット170,270の後述する取付け部172,272をフランジ部412と412、412と422に挟持した状態で、クランプ機構300は、フランジ部412と412、412と422の外周に巻回されて、ボルト304を螺合することにより、排気管同士410と410、410と420を連結するようになっている。
このように、クランプ機構300がチェーン状に形成されているため、排気通路加熱ユニット170,270を装着した排気管同士410と410、410と420を容易に連結及びその連結を解除することができる。
特に、少なくとも一つのリンクプレート303´が、クランプブロック301に対して掛止及び離脱自在となっているため、排気通路加熱ユニット170,270の取付け部172,272に形成されたコネクタ173,273が比較的長尺である場合あるいはケーブル90,91が接続されているような場合に、離脱可能なリンクプレート303´を予め離脱した状態でコネクタ173,273又はケーブル90,91を通し、その後、リンクプレート303´をクランプブロック301に掛止させることにより、容易に排気通路加熱ユニット170,270を組付けることができる。
排気通路加熱ユニット170は、図17及び図18に示すように、排気管410(排気通路)の内壁面410aを覆うように隣接して配置される円筒状の加熱本体部171、加熱本体部171の外周において環状でかつフランジ状に一体的に形成された取付け部172、取付け部172の径方向外側端部に設けられたコネクタ173等により形成されている。
加熱本体部171は、一対の金属板としての薄肉で円筒状のインナーシェル171a及びアウターシェル171b、両シェル171a,171bの間に挟み込んで覆われた薄板状の抵抗発熱体171c、両シェル171a,171bの縁部を接合すると共に抵抗発熱体171cを密閉するスペーサ171d等により形成されている。
スペーサ171dは、両シェル171a,171bの縁部のうち、処理ガスに曝される領域の縁部に設けられて、抵抗発熱体171cが処理ガス等に曝されるのを完全に防止するようになっている。
取付け部172は、インナーシェル171aに接合されたフランジ172a及びアウターシェル171bに接合されたフランジ172bにより形成されており、両フランジ172a,172bの間には、抵抗発熱体171cに接続された通電用のリード171c´及び抵抗発熱体171cの温度を測定する温度センサとしての熱電対のリード171c´´が挟まれて、コネクタ173まで引き出されている。すなわち、フランジ172a,172bにおいては、両者の間が完全に密閉されるのではなく外部に開放された状態となっている。そして、コネクタ173には、リード171c´に対して電力供給用のケーブル90が接続され、又、リード171c´´に対して測定器に接続されるケーブル91が接続されるようになっている。
アウターシェル171bとフランジ172bとは、図19Aに示すように、それぞれ別個に形成された後に、溶接(例えば、TIG溶接、プラズマ溶接、レーザ溶接等)又はロー付け等により接合される。尚、フランジ172bには、Oリング200を嵌め込む環状溝172b´が形成されている。
インナーシェル171aとフランジ172aとは、図19Bに示すように、それぞれ別個に形成された後に、溶接(例えば、TIG溶接、プラズマ溶接、レーザ溶接等)又はロー付け等により接合される。尚、フランジ172aには、Oリング200を嵌め込む環状溝172a´及び位置決め用の環状凸部172a´´が形成されている。
尚、インナーシェル171a及びアウターシェル171b、フランジ172a,172b、並びに抵抗発熱体171cとしては、前述のチャンバ加熱ユニット50と同様の材料あるいは構成及び材料が適用される。
上記の排気通路加熱ユニット170は、図18に示すように、アウターシェル171bが内壁面410aと密着するようにあるいは内壁面410aと間に僅かな隙間が形成されるように、加熱本体部171が排気通路内に挿入され、Oリング200を取り付けた状態で、取付け部172をフランジ部同士412と412、412と422で挟み込んで、前述のクランプ機構300により締結することで、取付けが完了すると共に、排気通路を外部から遮断し、真空シールするようになっている。このように、加熱本体部171に取付け部172を設けたことにより、着脱作業を簡単に行うことができる。
ここで、排気通路加熱ユニット170と従来のラバーヒータとの昇温特性及び降温特性を比較すると、図20A及び図20Bに示すような結果が得られた。尚、雰囲気温度20℃、排気通路内部に20℃の静止エアーが存在するものとして、抵抗発熱体171c及びヒータに108Wを印加した場合の昇温特性と、150℃からの降温特性を解析した。
昇温特性については、図20Aに示すように、排気管の内壁温度が約150℃に達するまでに要する時間が、従来のラバーヒータでは720秒であるのに対して、本発明の排気通路加熱ユニット170では240秒であった。すなわち、内壁が一定の温度に達するまでの時間を大幅に短縮でき、それ故に、エネルギの利用効率が大幅に改善される。
また、降温特性については、図20Bに示すように、排気管の内壁温度が150℃から80℃に降下するまでに要する時間が、従来のラバーヒータでは540秒であるのに対して、本発明の排気通路加熱ユニット170では420秒であり、内壁が一定の温度に降下するまでの時間を短縮できる。すなわち、クールダウンが早いため、プロセス終了後に、装置の降温処理を行い、NF、ClF等のクリーニングガスを流すまでの時間を短縮できる。
さらに、排気通路加熱ユニット170を排気管410に装着した場合の軸方向の温度分布を測定したところ、図21に示すような結果が得られた。尚、測定ポイントは、インナーシェル171aについて軸方向の5ヶ所、排気管410の外周面について接続端面から距離Lが50mmの位置の1ヶ所の温度を測定した。また、ここでは、抵抗発熱体(ヒータ)171cの温度が、150℃、200℃のそれぞれの場合の温度分布を測定した。
その結果、図21に示すように、インナーシェル171aの温度は、軸方向の中央部が高く、両端部に向かって徐々に低くなる温度分布となる。そして、抵抗発熱体171cの温度を150℃に昇温した場合に中央部で140℃程度及び両端部で120℃程度であり、抵抗発熱体171cの温度を200℃に昇温した場合に中央部で180℃程度及び両端部で160℃程度であり、中央部と両端部の温度差は20℃程度に収まっている。
また、排気管410の温度は、抵抗発熱体171cの温度が150℃の場合に130.8℃、抵抗発熱体171cの温度が200℃の場合に173.3℃となり、略インナーシェル171aの温度と同程度まで昇温している。
排気通路加熱ユニット270は、図22ないし図26に示すように、湾曲した排気管420(排気通路)の内壁面420aを覆うように隣接して配置されるように円筒状でかつ円弧状に湾曲して形成された加熱本体部271、加熱本体部271の外周において環状でかつフランジ状に一体的に形成された取付け部272、取付け部272の径方向外側端部に設けられたコネクタ273等により形成されている。
加熱本体部271は、一対の金属板としての薄肉で湾曲した円筒状のインナーシェル271a及びアウターシェル271b、両シェル271a,271bの間に挟み込んで覆われた薄板状の抵抗発熱体271c、両シェル271a,271bの縁部を接合すると共に抵抗発熱体271cを密閉するスペーサ271d等により形成されている。
スペーサ271dは、図23Bに示すように、両シェル271a,271bの縁部のうち、処理ガスに曝される領域の縁部に設けられて、抵抗発熱体271cが処理ガス等に曝されるのを完全に防止するようになっている。
取付け部272は、図23Aに示すように、インナーシェル271aに接合されたフランジ272a及びアウターシェル271bに接合されたフランジ272bにより形成されており、両フランジ272a,272bの間には、抵抗発熱体271cに接続された通電用のリード271c´及び抵抗発熱体271cの温度を測定する温度センサとしての熱電対のリード271c´´が挟まれて、コネクタ273まで引き出されている。すなわち、フランジ272a,272bにおいては、両者の間が完全に密閉されるのではなく外部に開放された状態となっている。そして、コネクタ273には、リード271c´に対して電力供給用のケーブル90が接続され、又、リード271c´´に対して測定器に接続されるケーブル91が接続されるようになっている。
アウターシェル271bとフランジ272bとは、図24Aに示すように、それぞれ別個に形成された後に、溶接(例えば、TIG溶接、プラズマ溶接、レーザ溶接等)又はロー付け等により接合される。尚、フランジ272bには、Oリング200を嵌め込む環状溝272b´及び位置決め用の環状凸部272b´´が形成されている。
インナーシェル271aとフランジ272aとは、図24Bに示すように、それぞれ別個に形成された後に、溶接(例えば、TIG溶接、プラズマ溶接、レーザ溶接等)又はロー付け等により接合される。尚、フランジ272aには、Oリング200を嵌め込む環状溝272a´及び位置決め用の環状凸部272a´´が形成されている。
尚、インナーシェル271a及びアウターシェル271b、フランジ272a,272bとしては、前述のチャンバ加熱ユニット50と同様の材料が適用される。
抵抗発熱体271cは、図25に示すように、可撓性の絶縁フィルム2711、絶縁フィルム2711にジグザグ状にレイアウトされて挟まれた電熱用の抵抗箔2712、抵抗箔2712で発生した熱を全体に分散させる熱伝導用箔2713により形成され、その一部からリード271c´を形成するリード箔2714が引き出されている。そして、抵抗発熱体271cには、複数の切り込みが設けられて、湾曲した筒状に成形できるようになっている。
また、抵抗発熱体271cには、その温度を検出する温度センサとしての素線2715,2716を含む熱電対2720が設けられ、その一部からリード271c´´が引き出されている。そして、抵抗発熱体271cは、熱伝導用箔2713がインナーシェル271aに接触するように配置される。
ここで、絶縁性フィルム2711は、ポリイミド樹脂等の耐熱性に優れた樹脂材料により形成され、熱伝導用箔2713は、厚さ50μm程度のステンレス鋼等の金属箔により形成されている。
さらに、抵抗発熱体271cは、両シェル271a,271bの間に配置された状態で、図26に示すように、A領域が排気管420の外側領域(曲率半径が大きい領域)に対応し、B領域が排気管420の内側領域(曲率半径が小さい領域)に対応している。そして、抵抗発熱体271cは、抵抗箔2712の配置密度すなわちワット密度が、内側のB領域に比べて外側のA領域が大きくなるように設定されている。これにより、排気管420の湾曲した外側領域において、発熱量が多くなり、この領域において、副生成物が堆積し成長するのを有効に防止することができる。
尚、ここでは、抵抗発熱体271cとして、ポリイミドフィルムを用いたポリイミドヒータを採用したが、その他に、シリコンラバーヒータ、マイカヒータ、シースヒータ等を採用してもよい。このように、可撓性のある薄膜状の抵抗発熱体を用いることで、内壁面に対応した種々の形状に形成することができる。
上記の排気通路加熱ユニット270は、図22、図23A、図23Bに示すように、アウターシェル271bと排気管420の内壁面420aとの間に僅かな隙間が形成されるように、加熱本体部271が排気通路内に挿入され、Oリング200を取り付けた状態で、取付け部272をフランジ部同士422,412で挟み込んで、前述のクランプ機構300により締結することで、取付けが完了すると共に、排気通路を外部から遮断し、真空シールするようになっている。このように、加熱本体部271に取付け部272を設けたことにより、着脱作業を簡単に行うことができる。
図27Aないし図28Cは、アウターシェル271b及びインナーシェル271aの製造及び組立て方法を示したものである。
先ず、図27Aに示すように、ステンレス鋼等からなるプレートPAを環状に切り抜く。続いて、図27Bに示すように、金型M1を用いて、プレートPAの外周縁領域を、断面が円弧状になるように絞り加工する。続いて、図27Cに示すように、金型M2を用いて、プレートPA´の内周縁領域を、断面が円弧状になるように絞り加工し、半ドーナツ状の成形体PA´´を製造する。
そして、図28Aに示すように、2つの成形体PA´´を用意し、図28Bに示すように、両者を対向して突き合わせ、外周縁部及び内周縁部を全周に亘って溶接する。続いて、溶接工程で蓄積された残留応力を除去するために、熱処理を施す。続いて、金型M1,M2を再び用いて、修正スピニング処理を施す。
その後、図28Cに示すように、完成したドーナツ状の構造体PA´´´を、ワイヤーカット等により4つに等分割する。続いて、ワイヤーカットにより切断された切断面を研摩して、アウターシェル271b又はインナーシェル271aが完成する。
そして、アウターシェル272b及びインナーシェル271aに、予め切削加工等により製造したフランジ272b及びフランジ272aを溶接し、さらに両シェル271a,271bの縁部にスペーサ271dを溶接した後、両シェル271a,271b間に抵抗発熱体271cを湾曲させて挿入し、コネクタ273を設けることで、排気通路加熱ユニット270が完成する。
図29ないし図31は、排気通路加熱ユニットのさらに他の実施形態を示すものである。尚、この実施形態において、排気管410のフランジ部412から離れた所定領域には、外部ヒータ430が巻回されている。
この排気通路加熱ユニット370は、図29ないし図31に示すように、排気管同士410,410の接続端部の所定領域に亘る内壁面410aを覆うように隣接して配置される円筒状の加熱本体部371、加熱本体部371の外周において環状でかつフランジ状に一体的に形成された取付け部372、取付け部372の外側端部に設けられたコネクタ373等により形成されている。
加熱本体部371は、一対の金属板としての薄肉で円筒状のインナーシェル371a及びアウターシェル371b、両シェル371a,371bの間に挟み込んで覆われた薄板状の抵抗発熱体371c、両シェル371a,371bの縁部を接合すると共に抵抗発熱体371cを密閉するスペーサ371d等により形成されている。
スペーサ371dは、図29及び図30Bに示すように、両シェル371a,371bの縁部のうち、処理ガスに曝される両端縁部に設けられて、抵抗発熱体371cが処理ガス等に曝されるのを完全に防止するようになっている。
取付け部372は、図30Aに示すように、アウターシェル371bに接合されたフランジ372a,372bにより形成されており、両フランジ372a,372bの間には、抵抗発熱体371cに接続された通電用のリード371c´及び抵抗発熱体371cの温度を測定する温度センサとしての熱電対のリード371c´´が挟まれて、コネクタ373まで引き出されている。すなわち、フランジ372a,372bにおいては、両者の間が完全に密閉されるのではなく外部に開放された状態となっている。そして、コネクタ373には、図29に示すように、リード371c´に対して電力供給用のケーブル90が接続され、又、リード71c´´に対して測定器に接続されるケーブル91が接続されるようになっている。
尚、インナーシェル371a及びアウターシェル371b、フランジ372a,372bとしては、前述のチャンバ加熱ユニット50と同様の材料が適用され、又、抵抗発熱体371cとしては、図31に示すような形態に形成され、その構成については前述のチャンバ加熱ユニット50と同様のものが適用される。また、ここでは、抵抗発熱体371cが、両シェル371a,371b内に密着して配置される構成を示したが、アウターシェル371bと隙間をおいて配置されてもよい。
上記の排気通路加熱ユニット370は、図29に示すように、アウターシェル371bと内壁面410aとの間に僅かな隙間が形成されるように、加熱本体部371が排気管410内に挿入され、Oリング200を取り付けた状態で、取付け部372をフランジ部412で挟み込み、クランプ機構300により締結することで、取付けが完了すると共に、排気通路を外部から遮断し、真空シールするようになっている。また、前述同様に、着脱作業を簡単に行うことができ、加熱効率が高まる。
図32は、上記排気通路加熱ユニット370を、別の排気管410´に装着した実施形態を示したものである。すなわち、この実施形態においては、排気通路加熱ユニット370が排気管410´の円筒部411´に挿入された状態で、アウターシェル371bと内壁面410a´との隙間が、前述の実施形態よりも大きくなっている。この場合においても、前述同様に、着脱作業を簡単に行うことができ、加熱効率が高まる。
図33は、上記排気通路加熱ユニット370の取付け部372を変更したものである。すなわち、この排気通路加熱ユニット370´においては、図33に示すように、取付け部372´の幅を狭くしたものであり、フランジ372a´,372b´の肉厚を変化させると共に屈曲して形成し、Oリング200´,200´´が径方向において内側と外側に配置されるようになっている。
これにより、排気管410´のフランジ部同士412,412をより近づけた状態で連結することができる。この場合においても、前述同様に、着脱作業を簡単に行うことができ、加熱効率が高まる。
図34A、図34B及び図35は、排気管410の接続端部が蓋440により閉鎖される構成において採用される排気通路加熱ユニットの実施形態を示すものである。尚、蓋440は、円板状の閉塞部441、閉塞部441の外周に形成されてフランジ部412と対向して配置されるフランジ部442等により形成されている。
この排気通路加熱ユニット470は、図34A、図34Bに示すように、排気管410及び蓋440の内壁面410a,440aを覆うように隣接して配置される有底円筒状の加熱本体部471、加熱本体部471の外周において環状でかつフランジ状に一体的に形成された取付け部472、取付け部472の外側端部に設けられたコネクタ473等により形成されている。
加熱本体部471は、一対の金属板としての薄肉で有底円筒状のインナーシェル471a及び有底円筒状のアウターシェル471b、両シェル471a,471bの間に挟み込んで覆われた薄板状の抵抗発熱体471c、両シェル471a,471bの縁部を接合すると共に抵抗発熱体471cを密閉するスペーサ471d等により形成されている。
スペーサ471dは、図34Bに示すように、両シェル471a,471bの縁部のうち、処理ガスに曝される両端縁部に設けられて、抵抗発熱体471cが処理ガス等に曝されるのを完全に防止するようになっている。
取付け部472は、図34Aに示すように、アウターシェル471bに接合されたフランジ472a,472bにより形成されており、両フランジ472a,472bの間には、抵抗発熱体471cに接続された通電用のリード471c´及び抵抗発熱体471cの温度を測定する温度センサとしての熱電対のリード471c´´が挟まれて、コネクタ473まで引き出されている。すなわち、フランジ472a,472bにおいては、両者の間が完全に密閉されるのではなく外部に開放された状態となっている。そして、コネクタ473には、図34Aに示すように、リード471c´に対して電力供給用のケーブル90が接続され、又、リード471c´´に対して測定器に接続されるケーブル91が接続されるようになっている。
尚、インナーシェル471a及びアウターシェル471b、フランジ472a,472bとしては、前述のチャンバ加熱ユニット50と同様の材料が適用され、又、抵抗発熱体471cとしては、図35に示すような形態に形成され、その構成については前述のチャンバ加熱ユニット50と同様のものが適用される。
上記の排気通路加熱ユニット470は、図34A及び図34Bに示すように、アウターシェル471bと内壁面410aとの間に僅かな隙間が形成されるように、加熱本体部471が排気管410内に挿入され、Oリング200を取り付けた状態で、アウターシェル471bと内壁面440aとの間にも同様の隙間が形成されるようにして蓋440が接合され、取付け部472をフランジ部412,442で挟み込み、クランプ機構300により締結することで、取付けが完了すると共に、排気通路を外部から遮断し、真空シールするようになっている。また、前述同様に、着脱作業を簡単に行うことができ、加熱効率が高まる。
上記実施形態においては、CVD装置の処理チャンバ11、搬送通路12、排気通路13の内壁面11a,11b,12a,13a、並びに、排気管410,420、410´の内壁面410a,420a,410a´,440aを内側から覆う面状の加熱ユニットを示したがこれに限定されるものではなく、処理ガス等を供給する供給通路の内壁面を覆う面状の加熱ユニットを採用してもよい。
また、上記実施形態においては、CVD装置において、処理チャンバ11,搬送通路12、排気通路13の全てを加熱する加熱ユニット50,60,70,80を採用した場合を示したが、いずれか一つの加熱ユニットを採用してもよい。
上記実施形態においては、本発明の加熱ユニットを適用する半導体製造装置として、CVD装置を示したが、エッチング装置、その他の処理装置等においても同様に適用することができる。
上記構成をなす半導体製造装置及びその加熱ユニットによれば、処理ガス等に曝される通路及び処理チャンバ等の内壁面に副生成物等が付着するのを防止ないし極力抑制して、処理されるウエーハの歩留まりの向上、稼動時間の増大、エネルギ効率の向上による消費電力の低減等を達成することができる。
【産業上の利用可能性】
以上述べたように、本発明の加熱ユニットは、CVD装置、エッチング装置等の半導体製造装置に適用できるのは勿論のこと、通路あるいは空間を画定する内壁面を内側から直接加熱する必要があるものであれば、その他の装置等においても使用することができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】



【図21】

【図22】



【図25】

【図26】



【図29】


【図31】

【図32】

【図33】


【図35】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に処理ガスを供給する供給通路と、
前記処理チャンバに対してウエーハを出し入れする搬送通路と、
前記処理チャンバ内の処理ガスを排出する排気通路と、
前記供給通路,搬送通路,処理チャンバ,及び排気通路の少なくとも一つの内壁面を加熱するべく,薄板状の抵抗発熱体を一対の金属板で挟み込んで覆うと共に前記内壁面を内側から覆うように形成された面状の加熱ユニットと、
を有する、半導体製造装置。
【請求項2】
前記加熱ユニットは、前記内壁面に隣接して配置される加熱本体部と、前記加熱本体部と一体的にフランジ状に又は延出して形成された取付け部と、前記抵抗発熱体に電気を通すための配線及び前記抵抗発熱体の温度を検出する温度センサの配線を引き出すべく前記取付け部に設けられたコネクタと、を有する、
ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の半導体製造装置。
【請求項3】
前記排気通路を画定する配管は、着脱自在に形成されかつ相互に連結される複数の配管からなり、
前記複数の配管は、接続端部において、径方向外側に突出すると共にお互いに対向する鍔状のフランジ部を有し、
前記加熱ユニットの取付け部は、シール部材を介して前記フランジ部に挟持される、
ことを特徴とする請求の範囲第2項に記載の半導体製造装置。
【請求項4】
前記複数の配管のフランジ部同士を連結するためのクランプ機構を有し、
前記クランプ機構は、前記フランジ部同士を近づける方向に押し付けるように受け入れる略V字状の断面をなす溝をもつ複数のクランプブロックと、前記複数のクランプブロックを連結する複数のリンクプレートと、隣接する2つの前記クランプブロックを締結する締結部材と、を有する、
ことを特徴とする請求の範囲第3項に記載の半導体製造装置。
【請求項5】
前記複数のリンクプレートは、前記クランプブロックの一側部同士を連結する複数の第1リンクプレートと、前記クランプブロックの他側部同士を連結する複数の第2リンクプレートとを含み、
前記第1リンクプレート又は第2リンクプレートのうち少なくとも一つのリンクプレートは、前記クランプブロックに対して掛止及び離脱自在に形成されている、
ことを特徴とする請求の範囲第4項に記載の半導体製造装置。
【請求項6】
処理チャンバ、前記処理チャンバに対してウエーハを出し入れする搬送通路、及び前記処理チャンバ内の処理ガスを排出する排気通路のいずれかの内壁面を加熱する半導体製造装置の加熱ユニットであって、
薄板状の抵抗発熱体と、
前記抵抗発熱体を挟み込んで覆うと共に,前記内壁面を内側から面状に覆うように,かつ,前記処理チャンバ又は通路を画定するように形成された一対の金属板と、
を有する、半導体製造装置の加熱ユニット。
【請求項7】
前記加熱ユニットは、前記内壁面に隣接して配置される加熱本体部と、前記加熱本体部と一体的にフランジ状に又は延出して形成された取付け部と、前記抵抗発熱体に電気を通すための配線及び前記抵抗発熱体の温度を検出する温度センサの配線を引き出すべく前記取付け部に設けられたコネクタと、を有する、
ことを特徴とする請求の範囲第6項に記載の半導体製造装置の加熱ユニット。
【請求項8】
前記加熱ユニットは、前記処理チャンバの内壁面に隣接して配置されるチャンバ加熱ユニットを含み、
前記チャンバ加熱ユニットは、前記処理チャンバの側壁面に隣接して配置される筒状の加熱本体部及びその端部にフランジ状に設けられた取付け部と、前記処理チャンバの底壁面に対向して配置される円板状の加熱本体部及びその下面に延出して設けられた取付け部と、含む、
ことを特徴とする請求の範囲第7項に記載の半導体製造装置の加熱ユニット。
【請求項9】
前記加熱ユニットは、前記処理チャンバの内壁面に隣接して配置されるチャンバ加熱ユニットを含み、
前記チャンバ加熱ユニットは、底壁をもつ筒状の加熱本体部と、前記加熱本体部の開口端部にフランジ状に設けられた取付け部と、を含む、
ことを特徴とする請求の範囲第7項に記載の半導体製造装置の加熱ユニット。
【請求項10】
前記加熱ユニットは、前記搬送通路の内壁面に隣接して配置される搬送通路加熱ユニットを含み、
前記搬送通路加熱ユニットは、略矩形断面をなす筒状の加熱本体部と、前記加熱本体部にフランジ状に設けられた取付け部と、を含む、
ことを特徴とする請求の範囲第7項に記載の半導体製造装置の加熱ユニット。
【請求項11】
前記加熱ユニットは、前記排気通路の内壁面に隣接して配置される排気通路加熱ユニットを含み、
前記排気通路加熱ユニットは、筒状の加熱本体部と、前記加熱本体部にフランジ状に設けられた取付け部と、を含む、
ことを特徴とする請求の範囲第7項に記載の半導体製造装置の加熱ユニット。
【請求項12】
前記加熱ユニットは、湾曲した排気通路の内壁面に隣接して配置される排気通路加熱ユニットを含み、
前記排気通路加熱ユニットは、湾曲した筒状の加熱本体部と、前記加熱本体部にフランジ状に設けられた取付け部と、を含み、
前記加熱本体部は、前記湾曲した排気通路の内側領域よりも外側領域に対して発熱量が多くなるように形成されている、
ことを特徴とする請求の範囲第7項に記載の半導体製造装置の加熱ユニット。
【請求項13】
前記加熱ユニットは、前記内壁面との間に断熱用の隙間を設けて配置されている、
ことを特徴とする請求の範囲第7項に記載の半導体製造装置の加熱ユニット。

【国際公開番号】WO2004/105103
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【発行日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506379(P2005−506379)
【国際出願番号】PCT/JP2004/007114
【国際出願日】平成16年5月19日(2004.5.19)
【出願人】(000101879)イーグル工業株式会社 (119)
【出願人】(000183945)助川電気工業株式会社 (79)
【Fターム(参考)】