説明

半導体製造装置

【課題】ポッドにおけるウエハの自然酸化膜の形成を防止する。
【解決手段】ウエハ収納室10cのウエハ出し入れ口10bに蓋体10aが着脱自在に装着されるポッド10と、複数のポッド10を保管するポッド棚7が設備されたポッド保管室6と、ポッド10のウエハ収納室10cと連設されるポッドオープナ室61と、ポッドオープナ室61に連設されたウエハ移載室12とを備えたバッチ式CVD装置1において、ポッド10を保持しウエハ収納室10cに窒素ガスを充填するガスステーション80をポッド保管室6に設備する。待機中のポッドのウエハ収納室に窒素ガスを充填できるので、待機中のポッドでのウエハの自然酸化、待機後のポッドへのウエハ収納ステップ時の自然酸化、待機後のポッドからのウエハの取り出しステップ時のポッドからの酸素の拡散を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置に関し、特に、蓋体を有するキャリアを取り扱う技術に係り、例えば、半導体集積回路装置(以下、ICという。)の製造方法において、半導体素子を含む半導体集積回路を作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエハという。)に絶縁膜や金属膜等のCVD膜を形成したり不純物を拡散したりするバッチ式縦形拡散・CVD装置に利用して有効なものに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置の一例であるバッチ式縦形拡散・CVD装置(以下、バッチ式CVD装置という。)においては、複数枚のウエハがキャリア(ウエハ搬送容器)に収納された状態で扱われる。
従来のこの種のキャリアとしては、互いに対向する一対の面が開口された略立方体の箱形状に形成されているオープンカセットと、一つの面が開口された略立方体の箱形状に形成された容器部の開口面に蓋体が着脱自在に装着されているFOUP(front opening unified pod 。以下、ポッドという。)と、がある。
【0003】
ウエハのキャリアとしてポッドが使用される場合には、ウエハが密閉された状態で搬送されることになるため、周囲の雰囲気にパーティクル等が存在していたとしてもウエハの清浄度は維持することができる。したがって、バッチ式CVD装置が設置されるクリーンルーム内の清浄度をあまり高く設定する必要がなくなるために、クリーンルームに要するコストを低減することができる。そこで、最近のバッチ式CVD装置においてはウエハのキャリアとしてポッドが使用されて来ている。
【0004】
ウエハのキャリアとしてポッドを使用するバッチ式CVD装置においては、蓋体を着脱してポッドのウエハ出し入れ口を開閉するためのポッド開閉装置(以下、ポッドオープナという。)が、ポッドに対してウエハを出し入れするためのウエハ授受ポートに設置されている。
従来のこの種のポッドオープナはポッドを保持する載置台と、載置台が保持したポッドの蓋体を保持するクロージャとを備えており、クロージャが蓋体を保持した状態でポッドに対して進退することにより、蓋体をポッドのウエハ出し入れ口に対して着脱するように構成されている。例えば、特許文献1参照。
なお、バッファカセット庫においてはカセット収納ケース内が不活性ガス雰囲気となっているので、無用の酸化が防止されることが、特許文献2に記載されている。
【特許文献1】特開2003−7801号公報
【特許文献2】特開平10−144766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のバッチ式CVD装置においては、ポッドのウエハ収納室に不活性ガスを充填する場合もある。しかし、シール部がリークしてポッドのウエハ収納室は大気雰囲気になってしまうのが通例である。
このように、ウエハ収納室が大気雰囲気になっていると、ポッドが開放された際に、ポッドのウエハ収納室の大気がバッチ式CVD装置におけるウエハ授受ポートの内側空間(ウエハ移載室)に侵入してしまうため、内側空間を汚染したり酸素濃度を上昇させてしまうという問題点が発生する。
【0006】
本発明の目的は、基板の自然酸化膜の堆積やパーティクルの付着、内側空間の汚染や酸素濃度の上昇等のポッドの開放時における弊害の発生を防止することができる半導体製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る半導体製造装置は、基板を収納する基板収納室の基板出し入れ口に蓋体が着脱自在に装着されるキャリアが保持されるキャリア保持部と、前記キャリア保持部に保持される前記キャリアの前記蓋体を開閉するキャリア開閉装置と、前記キャリア開閉装置が設けられた基板搬送室と、前記基板搬送室から搬送される前記基板を収容して処理する基板処理室と、前記キャリア保持部へ運ばれる前または前記キャリア保持部から運び出された後の前記キャリアを保管するキャリア保管部と、前記キャリアを保持し前記基板収納室に不活性ガスを充填する不活性ガス充填部と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
前記した手段によれば、待機中のキャリアの基板収納室に不活性ガスを充填することができるので、待機中のキャリアでの基板の自然酸化、待機後のキャリアへの基板の収納時の自然酸化、待機後のキャリアからの基板の取り出し時のキャリアからの酸素の拡散を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0010】
本実施の形態において、本発明に係る半導体製造装置は、バッチ式CVD装置すなわちバッチ式縦形拡散・CVD装置として図1に示されているように構成されている。
図1に示されたバッチ式CVD装置1は気密室構造に構築された筐体2を備えている。筐体2の正面壁にはポッド出し入れ口3が開設されており、ポッド出し入れ口3はフロントシャッタ4によって開閉されるようになっている。ポッド出し入れ口3にはウエハ9を収納するキャリアとしてのポッド10の位置合わせを実行するキャリア保持部であるポッドステージ5が設置されており、ポッド10はポッド出し入れ口3を通してポッドステージ5に出し入れされるようになっている。
【0011】
筐体2内の前側空間にはポッド保管室6が形成されており、ポッド保管室6の後側空間の上部には回転式のポッド棚7が設置されている。回転式のポッド棚7は複数個のポッド10を同時に保管するように構成されている。すなわち、回転式のポッド棚7は略卍形状に形成された複数段の棚板が上下方向に配置されて水平面内で回転自在に支承されており、モータ等の間欠回転駆動装置(図示せず)によってピッチ送り的に一方向に回転されるようになっている。ポッド保管室6の前後方向の略中央部にはポッド搬送装置8が設置されている。ポッド搬送装置8はポッドステージ5と回転式のポッド棚7と後記するウエハ授受ポート19と不活性ガス充填部であるガスステーション80との間でポッド10を搬送するように構成されている。
【0012】
筐体2内の後側空間の下部には基板搬送室としてのウエハ移載室12を形成したウエハ移載室筐体11が構築されており、回転式のポッド棚7はこのウエハ移載室筐体11の上に構築されている。ウエハ移載室筐体11の後端部の上にはヒータユニット13が垂直方向に据え付けられており、ヒータユニット13の内部には処理室を形成したプロセスチューブ14が同心に配置されている。図示しないが、プロセスチューブ14にはプロセスチューブ14内に原料ガスやパージガス等を導入するためのガス導入管と、プロセスチューブ14内を真空排気するための排気管とが接続されている。
ウエハ移載室12の後側部分には基板搬送装置としてのボートエレベータ15が設置されている。ボートエレベータ15は電動モータによって駆動される送りねじ装置等によって構築されており、プロセスチューブ14の真下に配置されたボート16を垂直方向に昇降させるように構成されている。ボート16は多数枚のウエハ9を中心を揃えて水平に配置した状態で支持して、プロセスチューブ14の処理室に対して搬入搬出するように構成されている。
ウエハ移載室12のボートエレベータ15と反対側には不活性ガス導入手段としての給気装置17が設置されており、給気装置17は不活性ガスとしての窒素ガスを吹き出すように構成されている。ウエハ移載室12の給気装置17の反対側には、ウエハ移載室12を排気する排気装置17Aが設置されている。
【0013】
ウエハ移載室12には基板搬送装置としてのウエハ移載装置18が設置されており、ウエハ移載装置18はウエハ授受ポート19とボート16との間でウエハ9を搬送するように構成されている。
ウエハ移載室筐体11の正面壁には基板としてのウエハ9をポッド10に対して授受するためのウエハ授受ポート19が一対、垂直方向に上下二段に配置されて設置されており、両ウエハ授受ポート19、19にはキャリア開閉装置であるポッドオープナ20がそれぞれ設置されている。
【0014】
上下のウエハ授受ポート19、19に設置されたポッドオープナ20、20は同一に構成されているため、ポッドオープナ20の構成については上段のウエハ授受ポート19に設置されたものについて説明する。
【0015】
図2および図3に示されているように、キャリア開閉装置としてのポッドオープナ20は筐体2内においてウエハ授受ポート19とウエハ移載装置18とを仕切るように垂直に立脚された側壁をなすベース21を備えている。ベース21にはポッド10の蓋体10aに対して若干大きめに相似する四角形に形成されたウエハ出し入れ口22が開設されている。ベース21は上下のポッドオープナ20、20で共用されているために、ベース21には上下で一対のウエハ出し入れ口22、22が、垂直方向で縦に並ぶように開設されている。
【0016】
図2に示されているように、ベース21のウエハ授受ポート19側の主面(以下、正面とする。)におけるウエハ出し入れ口22の下側には、アングル形状の支持台23が水平に固定されており、支持台23の平面視の形状は一部が切り欠かれた略正方形の枠形状に形成されている。支持台23の上面には一対のガイドレール24、24がベース21の正面と平行方向(以下、左右方向とする。)に配置されて、ベース21の正面と直角方向(以下、前後方向とする。)に延在するように敷設されており、左右のガイドレール24、24には載置台27が複数個のガイドブロック25を介して前後方向に摺動自在に支承されている。載置台27は支持台23の上面に据え付けられたエアシリンダ装置26によって前後方向に往復移動されるようになっている。
【0017】
図2に示されているように、載置台27は一部が切り欠かれた略正方形の枠形状に形成されており、載置台27の上面には位置決めピン28が三本、正三角形の頂点に配置されて垂直に突設されている。三本の位置決めピン28はポッド10が図3に示されているように載置台27の上に載置された状態において、ポッド10の下面に没設された三箇所の位置決め凹部(図示せず)に嵌入するようになっている。
【0018】
図4に示されているように、ベース21のウエハ移載装置18側の主面(以下、背面とする。)におけるウエハ出し入れ口22の下側には、ガイドレール30が左右方向に水平に敷設されており、ガイドレール30にはアングル形状に形成された左右方向移動台31が、左右方向に往復移動し得るように摺動自在に支承されている。左右方向移動台31の垂直部材にはエアシリンダ装置32が左右方向に水平に据え付けられており、エアシリンダ装置32のピストンロッド32aの先端はベース21に固定されている。すなわち、左右方向移動台31はエアシリンダ装置32の往復作動によって左右方向に往復駆動されるようになっている。
【0019】
図5に示されているように、左右方向移動台31の水平部材の上面には一対のガイドレール33、33が左右に配されて前後方向に延在するように敷設されており、両ガイドレール33、33には前後方向移動台34が前後方向に往復移動し得るように摺動自在に支承されている。前後方向移動台34の片側端部にはガイド孔35が左右方向に延在するように開設されている。左右方向移動台31の一側面にはブラケット36が固定されており、ブラケット36にはロータリーアクチュエータ37が垂直方向上向きに据え付けられている。ロータリーアクチュエータ37のアーム37aの先端に垂直に立脚されたガイドピン38は、前後方向移動台34のガイド孔35に摺動自在に嵌入されている。すなわち、前後方向移動台34はロータリーアクチュエータ37の往復回動によって前後方向に往復駆動されるように構成されている。
【0020】
前後方向移動台34の上面にはクロージャ40を支持するブラケット39が垂直に立脚されており、ブラケット39の正面にはウエハ出し入れ口22に若干大きめに相似する長方形の平盤形状に形成されたクロージャ40が垂直に固定されている。つまり、クロージャ40は前後方向移動台34によって前後方向に往復移動されるようになっているとともに、左右方向移動台31によって左右方向に往復移動されるようになっている。クロージャ40は前進移動してそのベース側を向いた主面(以下、正面とする。)がベース21の背面に当接することにより、ウエハ出し入れ口22を閉塞し得るようになっている。
【0021】
なお、図5に示されているように、ベース21の正面におけるウエハ出し入れ口22の周りには、ポッド10の押し付け時にポッド10のウエハ出し入れ口およびベース21のウエハ出し入れ口22をシールするパッキン54が敷設されている。クロージャ40の正面における外周縁近傍には、クロージャ40の押し付け時にベース21のウエハ出し入れ口22をシールするためのパッキン55が敷設されている。クロージャ40の正面における外周縁のパッキン55の内側には、蓋体10aに付着した異物がウエハ移載装置18の設置室側へ侵入するのを防止するためのパッキン56が敷設されている。クロージャ40の背面における外周縁には、ポッドオープナ室筐体60のウエハ出し入れ口62をシールするためのパッキン57が敷設されている。便宜上、図4および図5においては、ポッドオープナ室筐体60の図示が省略されている。
【0022】
図4に示されているように、クロージャ40の上下方向の中心線上には、一対の解錠軸41、41が左右に配置され前後方向に挿通されて回転自在に支承されている。両解錠軸41、41におけるクロージャ40のベースと反対側の主面(以下、背面とする。)側の端部には、一対のプーリー42、42が固定されており、両プーリー42、42間には連結片44を有するベルト43が巻き掛けられている。クロージャ40の背面における一方のプーリー42の上側にはエアシリンダ装置45が水平に据え付けられており、エアシリンダ装置45のピストンロッドの先端はベルト43の連結片44に連結されている。すなわち、両解錠軸41、41はエアシリンダ装置45の伸縮作動によって往復回動されるようになっている。図2に示されているように、両解錠軸41、41のクロージャ40の正面側の端部には、蓋体10aの錠前(図示せず)に係合する係合部41aが直交して突設されている。
【0023】
図2に示されているように、クロージャ40の正面における一方の対角付近には、蓋体10aの表面に吸着する吸着具(吸盤)46が二個、吸込口部材47によってそれぞれ固定されている。吸着具46を固定する吸込口部材47は中空軸によって構成されており、吸込口部材47の背面側端は給排気路(図示せず)に接続されている。吸込口部材47の正面側端の外径は蓋体10aに没設された位置決め穴(図示せず)に嵌入するように設定されている。すなわち、吸込口部材47は蓋体10aの位置決め穴に嵌入して蓋体10aを機械的に支持するための支持ピンを兼用するように構成されている。
【0024】
図2、図4および図6に示されているように、ベース21の正面におけるウエハ出し入れ口22の片脇にはロータリーアクチュエータ50(図2参照)が、その回転軸50a(図2参照)が垂直方向になるように据え付けられており、回転軸50aには略C字形状に形成されたアーム51の一端が水平面内で一体回動するように固定されている。アーム51はベース21に開設された挿通孔52(図4参照)を挿通されており、アーム51のベース21の背面側の先端部にはマッピング装置53が固定されている。
【0025】
図6および図7に示されているように、ベース21の背面にはキャリア開閉室としてのポッドオープナ室61を形成するポッドオープナ室筐体60が、クロージャ40を収容するように設備されている。ポッドオープナ室筐体60のポッドオープナ室61の水平方向の長さは、クロージャ40が横に移動してウエハ出し入れ口22を完全に開口させるのを許容し得るように設定されている。ポッドオープナ室筐体60の背面壁におけるウエハ出し入れ口22に対向する位置には、ポッドオープナ室筐体60のウエハ出し入れ口62(図7参照)が開設されており、ウエハ出し入れ口62はクロージャ40の背面部によって閉塞され得る大きさの四角形の開口に形成されている。なお、ウエハ出し入れ口62はマッピング装置53を背面側から挿入し得るように設定されている。
【0026】
図7に示されているように、ポッドオープナ室筐体60の正面壁であるベース21のウエハ出し入れ口62と反対側の位置には、ポッドオープナ室61を排気する排気手段としての排気管63の吸引口がポッドオープナ室61に連通するように接続されており、排気管63の吐出端は真空引きするポンプ64に接続されている。排気管63には排気量調整手段としての開閉弁65および固定絞りを形成したバイパスライン66が介設されており、開閉弁65はコントローラ70によって制御されるようになっている。
ポッドオープナ室筐体60の背面壁における排気管63と反対側の位置には、不活性ガス導入手段としての給気管67の一端が接続されており、給気管67の他端には給気装置67Aが接続されている。
【0027】
図7に示されているように、筐体2にはポッドオープナ室61外の室としてのポッド保管室6の圧力P1 を測定する第一圧力計71と、ポッドオープナ室61内の圧力P2 を測定する第二圧力計72と、ポッドオープナ室61に連設された基板搬送室としてのウエハ移載室12の圧力P3 を測定する第三圧力計73が接続されており、それらの圧力計71、72、73はコントローラ70に測定結果を送信するようになっている。
コントローラ70はパネルコンピュータやパーソナルコンピュータおよびマイクロコンピュータ等のハードウエアと、それらにプログラミングされたソフトウエアとから構成されており、各圧力計71、72、73等の測定結果に基づいて後述する作用を実行させるようになっている。
【0028】
本実施の形態においては、図1に示されているように、ポッド保管室6のポッド搬送装置8の前方の上部には、キャリアを保持し基板収納室に不活性ガスを充填する不活性ガス充填部としての不活性ガス充填ステーション80が左右に一対、設備されている。不活性ガス充填ステーション80はポッド10のウエハ収納室10c(図8参照)に不活性ガスである窒素ガスを充填するように構成されている。
図1、図8および図9に示されているように、不活性ガス充填ステーション(以下、ガスステーションという。)80はポッド保管室6に水平に固定された支持台81を備えており、支持台81の平面視の形状は一部が切り欠かれた略正方形の枠形状に形成されている。支持台81の上面には載置台82が支持されており、載置台82は一部が切り欠かれた略正方形の枠形状に形成されている。載置台82の上面には三本の位置決めピン83が、正三角形の頂点に配置されて垂直に突設されている。三本の位置決めピン83はポッド10が載置台82の上に載置された状態において、ポッド10の下面に没設された三箇所の位置決め凹部91(図9参照)に嵌入するようになっている。
図9に示されているように、載置台82の上面には窒素ガスを注入するノズル84と、ポッド10のウエハ収納室10cからの排気を取り込む排気ダクト85とがそれぞれ配管されている。ノズル84はポッド10のウエハ収納室10cに設備された吸気弁92に対向するように配設されており、排気ダクト85は同じく排気弁93に対向されている。
なお、吸気弁92は大気圧よりも若干大きい圧力でのウエハ収納室10cへの流入のみを許容するように構成されており、排気弁93は大気圧よりも若干大きい圧力でのウエハ収納室10cからの流出のみを許容するように設定されている。吸気弁92および排気弁93はフィルタ95を備えている。
【0029】
次に、ICの製造方法における前記構成に係るバッチ式CVD装置による成膜工程を説明する。
説明を理解し易くするため、以下の説明においては、一方のウエハ授受ポート19を上段ポートAとし、他方のウエハ授受ポート19を下段ポートBとする。
【0030】
図1に示されているように、筐体2内のポッドステージ5にポッド出し入れ口3から搬入されたポッド10は、ポッド搬送装置8によって指定されたポッド棚7に適宜に搬送されて保管される。
【0031】
ポッド棚7に保管されたポッド10は、ポッド搬送装置8によってピックアップされ、ガスステーション80に搬送されて、図1、図8および図9に示されているように、ガスステーション80の載置台82に移載される。この際、ポッド10の下面に没設された位置決め凹部91が載置台82の三本の位置決めピン83とそれぞれ嵌合されることにより、ポッド10が載置台82に保持される。
次いで、窒素ガス69がガスステーション80のノズル84からポッド10のウエハ収納室10cに注入されるとともに、ポッド10のウエハ収納室10cの大気がガスステーション80の排気ダクト85から排気されることにより、窒素ガス69がポッド10のウエハ収納室10cに充填される。すなわち、ノズル84からの窒素ガス69が吸気弁92を通じてウエハ収納室10cに注入されると、ウエハ収納室10cの大気は排気弁93から排気ダクト85に排気される。排気ダクト85に排気した大気は、排気ダクト85を通じてポッド保管室6の外部に廃棄される。
以上のポッド10のウエハ収納室10cへの窒素ガス69の充填は、両方のガスステーション80、80において、作業効率よく短時間に実施される。
窒素ガス充填後のポッド10のウエハ収納室10cの酸素濃度は、20ppm以下であることが望ましい。
【0032】
窒素ガスが充填されたポッド10はポッド搬送装置8によってピックアップされ、上段ポートAに搬送されて、図3に示されているように、ポッドオープナ20の載置台27に移載される。この際、ポッド10の下面に没設された位置決め凹部が載置台27の三本の位置決めピン28とそれぞれ嵌合されることにより、ポッド10と載置台27との位置合わせが実行される。
【0033】
ポッド10が載置台27に載置されて位置合わせされると、載置台27がエアシリンダ装置26によってベース21の方向に押され、図10に示されているように、ポッド10の開口側の端面がベース21の正面におけるウエハ出し入れ口22の開口縁辺部に押し付けられる。また、ポッド10がベース21の方向に押されると、クロージャ40の解錠軸41(図2参照)が蓋体10aの鍵穴に挿入される。続いて、負圧がクロージャ40の吸込口部材47に給排気路から供給されることにより、ポッド10の蓋体10aが吸着具46(図2参照)によって真空吸着保持される。この状態で、解錠軸41がエアシリンダ装置45(図4参照)によって回動されると、解錠軸41は蓋体10a側の錠前に係合した係合部41a(図2参照)によって蓋体10aの錠前の施錠を解除する。
【0034】
ポッド10の蓋体10aが解錠された後に、前後方向移動台34(図5参照)がベース21から離れる方向にロータリーアクチュエータ37の作動によって移動されると、図11で参照されるように、クロージャ40はポッド10の蓋体10aを真空吸着保持した状態で、ポッドオープナ室61の中を後退することにより、蓋体10aをポッド10のウエハ出し入れ口10bから抜き出す。これにより、ポッド10のウエハ出し入れ口10bは開放された状態になる。この際、ポッド10のウエハ収納室10cの雰囲気とポッドオープナ室61との雰囲気が混ざり合うが、本実施の形態においては、ポッド10のウエハ収納室10cには窒素ガス69が予め充填されており、ポッドオープナ室61は窒素ガス69で予めパージされているので、酸素濃度が上昇することはない。
【0035】
図11に示されているように、クロージャ40が前後方向移動台34によってさらに後退されると、クロージャ40の背面壁のパッキン57がポッドオープナ室筐体60の背面壁に開設されたウエハ出し入れ口62の周辺部にポッドオープナ室61の内側から押接するために、ポッドオープナ室61はクロージャ40およびポッド10によって密封された状態になる。
この間、ポッド保管室6の圧力P1 はポッドオープナ室61の圧力P2 よりも小さく制御されている。
【0036】
クロージャ40およびポッド10がポッドオープナ室61を密封すると、図11に示されているように、ポッドオープナ室61には窒素ガス69が給気管67から供給されるとともに、排気管63によって排気されることにより流通される。ポッドオープナ室61を流通する窒素ガス69はウエハ出し入れ口10bからポッド10のウエハ収納室10cに流入した後に流出することにより、ウエハ収納室10cの雰囲気を排気するとともに、ウエハ収納室10cに充満する。その結果、ポッドオープナ室61およびポッド10のウエハ収納室10cは新鮮な窒素ガス69によってパージされた状態になる。
この際、ポッド保管室6の圧力P1 はポッドオープナ室61の圧力P2 およびウエハ移載室12の圧力P3 よりも小さく制御されている。
【0037】
次いで、左右方向移動台31(図4参照)がエアシリンダ装置32の作動によってウエハ出し入れ口22から離れる方向に移動される。これにより、図12で参照されるように、蓋体10aを吸着具46(図2参照)によって真空吸着保持したクロージャ40は、ポッドオープナ室61をウエハ出し入れ口62から離間した退避位置に移動される。このクロージャ40の退避移動により、ポッドオープナ室筐体60のウエハ出し入れ口62、ベース21のウエハ出し入れ口22およびポッド10のウエハ出し入れ口10bがそれぞれ開放された状態になる。この際、ポッドオープナ室61およびポッド10のウエハ収納室10cが窒素ガス69によって予めパージされているため、大気中の空気や水分がウエハ移載室12に放出されることはなく、それらによるウエハ移載室12の汚染や酸素濃度の上昇等の弊害の発生は防止されることになる。
【0038】
クロージャ40が退避されると、図12に示されているように、マッピング装置53がロータリーアクチュエータ50の作動によって移動されて、マッピング装置53がポッド10のウエハ収納室10cへポッドオープナ室筐体60の背面壁のウエハ出し入れ口62、ベース21のウエハ出し入れ口22およびポッド10のウエハ出し入れ口10bを潜り抜けて挿入される。ポッド10のウエハ収納室10cへ挿入されたマッピング装置53はウエハ収納室10cに収納された複数枚のウエハ9を検出することによってマッピングする。指定されたマッピング作業が終了すると、マッピング装置53はロータリーアクチュエータ50の作動によって元の待機位置に戻される。
なお、マッピングはポッド10のウエハ収納室10cにおけるウエハ9の所在位置(ウエハ9がどの保持溝にあるのか。)を確認する作業のことである。
【0039】
マッピング装置53が待機位置に戻ると、上段ポートAにおいて開けられたポッド10の複数枚のウエハ9はボート16にウエハ移載装置18によって順次装填(チャージング)されて行く。この際、ウエハ移載室12の汚染や酸素濃度の上昇等の弊害の発生は防止されているため、移載中のウエハ9の自然酸化膜の堆積やパーティクルの付着等の弊害の発生は防止されることになる。
【0040】
この上段ポートAにおけるウエハ移載装置18によるウエハ9のボート16への装填作業中に、下段ポートBにはポッド棚7から別のポッド10がポッド搬送装置8によって搬送されて移載され、ポッドオープナ20による前述した位置決め作業からマッピング作業が同時進行される。このように下段ポートBにおいてマッピング作業迄が同時進行されると、上段ポートAにおけるウエハ9のボート16への装填作業の終了と同時に、下段ポートBに待機させたポッド10についてのウエハ移載装置18によるウエハ9のボート16への装填作業を開始することができる。すなわち、ウエハ移載装置18はポッド10の入替え作業についての待ち時間を浪費することなくウエハ移載作業を連続して実施することができるため、バッチ式CVD装置1のスループットを高めることができる。
【0041】
翻って、上段ポートAにおいてウエハ移載装置18によるウエハ9のボート16への装填作業が終了すると、空ポッド閉じ作業が前述したポッド開放作業と略逆の順序で実行される。すなわち、クロージャ40に保持されて退避されていた蓋体10aがウエハ出し入れ口22の位置に左右方向移動台31によって戻され、前後方向移動台34によってウエハ出し入れ口22に挿入されて、ポッド10のウエハ出し入れ口10bに嵌入される。蓋体10aがウエハ出し入れ口10bに嵌入されると、解錠軸41がエアシリンダ装置45によって回動され、蓋体10aの錠前を施錠する。蓋体10aの施錠が終了すると、給排気路から吸込口部材47へ供給されていた負圧が切られて大気に開放されることにより、吸着具46の真空吸着保持が解除される。続いて、載置台27がエアシリンダ装置26によってベース21から離れる方向に移動され、ポッド10の開口側端面がベース21の正面から離座される。
このようにしてウエハ出し入れ口10bが蓋体10aによって閉塞されると、ウエハ収納室10cに充填された窒素ガス69は封入された状態になる。
【0042】
蓋体10aによりウエハ出し入れ口10bが閉塞された上段ポートAの空のポッド10は、ポッド棚7へポッド搬送装置8によって搬送されて、ポッド棚7に一時的に保管される。
空のポッド10が上段ポートAから搬出されると、次の実ポッド10が上段ポートAに搬入される。
以降、上段ポートAおよび下段ポートBにおいて、前述した作業が必要回数繰り返される。
【0043】
以上のようにして上段ポートAと下段ポートBとに対するウエハ移載装置18によるウエハ9のボート16への装填作業が交互に繰り返されることによって、複数枚のウエハ9がポッド10からボート16に装填されて行く。この際、バッチ処理するウエハ9の枚数(例えば、百枚〜百五十枚)は一台のポッド10に収納されたウエハ9の枚数(例えば、二十五枚)よりも何倍も多いため、複数台のポッド10が上段ポートAと下段ポートBとにポッド搬送装置8によって交互に繰り返し供給されることになる。
以上をウエハ取り出しステップとする。
【0044】
予め指定された複数枚のウエハ9がポッド10からボート16に移載されると、ウエハ授受ポート19にとっては実質的に待機中となる成膜ステップがプロセスチューブ14において実行される。
すなわち、ボート16はボートエレベータ15によって上昇されて、プロセスチューブ14の処理室に搬入(ボートローディング)される。ボート16が上限に達すると、ボート16を保持したシールキャップの上面の周辺部がプロセスチューブ14をシール状態に閉塞するため、処理室は気密に閉じられた状態になる。プロセスチューブ14の処理室が気密に閉じられた状態で、所定の真空度に排気管によって真空排気され、ヒータユニット13によって所定の温度に加熱され、所定の原料ガスがガス導入管によって所定の流量だけ供給される。これにより、所定の膜がウエハ9に形成される。
そして、予め設定された処理時間が経過すると、ボート16がボートエレベータ15によって下降されることにより、処理済みウエハ9を保持したボート16が元の装填および脱装ステーション(以下、装填ステーションという。)に搬出(ボートアンローディング)される。
【0045】
装填ステーションに搬出されたボート16の処理済みウエハ9は、ウエハ移載装置18によってピックアップされ、上段ポートAに予め搬入されて蓋体10aを外されて開放された空のポッド10に収納される。この際、ガスステーション80において窒素ガス69がウエハ収納室10cに予め充填された空のポッド10が、上段ポートAに搬送されて移載される。
上段ポートAでの空のポッド10への所定の枚数のウエハ9の収容が終了すると、クロージャ40に保持されて退避されていた蓋体10aがウエハ出し入れ口22の位置に左右方向移動台31によって戻され、次いで、前後方向移動台34によってウエハ出し入れ口22に挿入され、ポッド10のウエハ出し入れ口10bに嵌入される。
この際においても、窒素ガス69がポッドオープナ室61に給気管67と排気管63とによって流通されることにより、ポッドオープナ室61およびポッド10のウエハ収納室10cが窒素ガス69によってパージされ、ウエハ収納室10cには新鮮な窒素ガス69が充填される。
蓋体10aがウエハ出し入れ口10bに嵌入されると、解錠軸41がエアシリンダ装置45によって回動され、蓋体10aの錠前を施錠する。これにより、ウエハ収納室10cには窒素ガス69が密封された状態になる。
蓋体10aの施錠が終了すると、給排気路から吸込口部材47に供給されていた負圧が切られて大気に開放されることにより、吸着具46の蓋体10aの真空吸着保持が解除される。
続いて、載置台27がエアシリンダ装置26によってベース21から離れる方向に移動され、ポッド10の開口側端面がベース21の正面から離座される。
次いで、処理済みのウエハ9が収納された処理済み実ポッド10はポッド棚7にポッド搬送装置8によって搬送されて戻される。
処理済みウエハ9がボート16から全てディスチャージされる迄、この作業が上段ポートAと下段ポートBとにおいて交互に繰り返される。
以上をウエハ収納ステップとする。
【0046】
処理済みウエハ9を収納してポッド棚7に戻されたポッド10は、ポッド棚7からポッドステージ5へポッド搬送装置8によって搬送される。
ポッドステージ5に移載されたポッド10はポッド出し入れ口から筐体2の外部に搬出されて、洗浄工程や成膜検査工程等の次工程へ搬送される。
【0047】
ところで、図13は窒素ガス充填後のポッドの酸素濃度の変化を示すグラフである。
図13において、縦軸は酸素濃度(ppm)を対数目盛りによって表しており、横軸は時間を「分」によって表している。
図13のグラフは次の条件によって得られた。
ポッド10がポッド棚7からガスステーション80に移載された後に、ガスステーション80において窒素ガス69が10リットル毎分(10l/分)の流量をもって、ポッド10のウエハ収納室10cに5分間導入された。その後、ポッド10がガスステーション80からポッド棚7に移載された。
図13によれば、次のことが判る。
大気の酸素濃度と同一である200000ppm(20%)の酸素濃度は、窒素ガスの充填に従って対数比例で減少して行き、5分後に5000ppm(0.5%)に達する。窒素ガスの充填停止後にポッド棚7に戻されたポッド10の酸素濃度は、一度急激に上昇して20000ppm(2%)に達するが、その後は、横這いになる。そして、25分後においても、大気の酸素濃度よりも低く維持する。
このことから、本実施の形態によれば、ガスステーション80において窒素ガス69を充填されたポッド10のウエハ収納室10cの酸素濃度は、ポッド棚7での待機中に、大気の酸素濃度よりも充分低い値に維持可能なことが判る。
【0048】
前記実施の形態によれば、次の効果が得られる。
【0049】
1) ガスステーション80において窒素ガス69をポッド10のウエハ収納室10cに充填することにより、ウエハ収納室10cにおける酸素濃度を低く維持することができるので、ポッド棚7での待機中のポッド10におけるウエハ9の自然酸化膜の形成を防止することができる。
【0050】
2) ガスステーション80において窒素ガス69をポッド10のウエハ収納室10cに予め充填することにより、ポッドオープナ20でのポッド10の蓋体10aの取り外しに際して、ポッドオープナ室61やポッド10のウエハ収納室10cにおける酸素濃度の上昇を防止することができるので、ウエハ移載室12の酸素濃度の上昇による弊害の発生を未然に防止することができる。
【0051】
3) ガスステーション80において窒素ガス69をポッド10のウエハ収納室10cに予め充填することにより、ポッドオープナ20でのポッド10の蓋体10aの取り外しに際して、ポッドオープナ室61やポッド10のウエハ収納室10cにおける酸素濃度の上昇を防止することができるので、ポッドオープナ20に対する窒素ガス69の流量を減少させるか、または、窒素ガス69によるパージ時間を短縮することができる。
【0052】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0053】
例えば、ガスステーション80はポッド棚7に設備してもよい。
本実施の形態によれば、ポッド10のポッド棚7における待機中に窒素ガスを常に充填し続けることができるので、待機中におけるポッド10のウエハ収納室10cにおける酸素濃度を到達限界値(窒素ガスを導入し続けても上昇しない値)に常に維持することができる。
図14は窒素ガス充填によるポッドの酸素濃度の変化を示すグラフである。
図14において、縦軸は酸素濃度(ppm)を対数目盛りによって表しており、横軸は時間を「分」によって表している。
図14のグラフは、次の条件によって得られた。
窒素ガスが10リットル毎分(10l/分)の流量をもって、ポッドのウエハ収納室に常時導入された。
図14によれば、次のことが判る。
大気の酸素濃度と同一である200000ppm(20%)の酸素濃度は、窒素ガスの充填に従って対数比例で減少して行き、約10分後に数十ppmに達し、その後は、横這いになる。
このことから、本実施の形態によれば、ポッドのウエハ収納室の酸素濃度を到達限界値である数十ppmに維持可能なことが判る。
【0054】
また、ガスステーション80はウエハ授受ポート19に設備してもよい。
本実施の形態によれば、ポッドオープナ20によるポッド10の蓋体10aの取り外しに際して、ウエハ授受ポート19のガスステーション80において窒素ガス69をポッド10のウエハ収納室10cに充填することにより、窒素ガス69の消費量を減少させることができる。また、窒素ガス69の消費量を同等に設定する場合には、窒素ガス69によるパージ時間を短縮することができる。
図15は本実施の形態の効果をポッドオープナでの窒素ガスパージとの比較で示すグラフである。
図15において、縦軸は酸素濃度(ppm)を対数目盛りによって表しており、横軸は時間を「分」によって表している。実線曲線は本実施の形態の場合を示しており、破線曲線は比較例の場合を示している。
図15のグラフは、次の条件によって得られた。
本実施の形態の場合は、ポッド10がポッド棚7からガスステーション80に移載された後に、ガスステーション80において窒素ガス69が10リットル毎分(10l/分)の流量をもって、ポッド10のウエハ収納室10cに5分間導入された。その後、ポッド10がポッドオープナ20に移載され、ポッドオープナ室61に窒素ガス69が30リットル毎分をもって供給された。
比較例の場合は、ポッドオープナ室61に窒素ガス69が100リットル毎分をもって供給された。
図15によれば、次のことが判る。
本実施の形態に係る窒素ガスの30リットル毎分の導入は、比較例に係る100リットル毎分の導入と同等である。
このことから、本実施の形態によれば、窒素ガスの消費量を低減可能なことが判る。
【0055】
不活性ガスは窒素ガスに限らず、他の不活性ガスを使用してもよい。
【0056】
キャリアは、複数枚のウエハを直接的に収納するポッドを使用するに限らず、複数枚のウエハを積層したオープンカセットを収納するカセット収納ケースを使用してもよい。
【0057】
バッチ式CVD装置は成膜処理に使用するに限らず、酸化膜形成処理や拡散処理等の他の熱処理(thermal treatment )にも使用することができる。
【0058】
前記実施の形態ではバッチ式縦形拡散・CVD装置の場合について説明したが、本発明はこれに限らず、酸化装置、拡散装置、アニール装置、その他の熱処理装置(furnace )等の半導体製造装置全般に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1(a)】本発明の一実施の形態であるバッチ式CVD装置を示す側面断面図である。
【図1(b)】その平面断面図である。
【図2】ポッドオープナを示す正面側から見た斜視図である。
【図3】そのポッド載置状態を示す斜視図である。
【図4】ポッドオープナを示す背面側から見たポッドオープナ室筐体を取り除いた一部省略斜視図である。
【図5】図4の省略したV部を示す斜視図である。
【図6】ポッドオープナを示す背面側から見たポッドオープナ室筐体を設備した斜視図である。
【図7】バッチ式CVD装置を示す一部省略平面断面図である。
【図8】ガスステーションを示す一部省略斜視図である。
【図9】その一部省略正面断面図である。
【図10】ポッドオープナ室の作用を説明するための一部省略平面断面図であり、蓋体の取外し前を示している。
【図11】同じくポッドオープナ室の密封時を示す一部省略平面断面図である。
【図12】同じくマッピング時を示す一部省略平面断面図である。
【図13】窒素ガス充填後のポッドの酸素濃度の変化を示すグラフである。
【図14】窒素ガス充填によるポッドの酸素濃度の変化を示すグラフである。
【図15】第三の実施の形態の効果をポッドオープナでの窒素ガスパージとの比較で示すグラフである。
【符号の説明】
【0060】
1…バッチ式CVD装置(半導体製造装置)、2…筐体、3…ポッド出し入れ口、4…シャッタ、5…ポッドステージ、6…ポッド保管室、7…ポッド棚、8…ポッド搬送装置、9…ウエハ(基板)、10…ポッド、10a…蓋体、10b…ウエハ出し入れ口、10c…ウエハ収納室、11…ウエハ移載室筐体、12…ウエハ移載室、13…ヒータユニット、14…プロセスチューブ、15…ボートエレベータ、16…ボート、17…給気装置、17A…排気装置、18…ウエハ移載装置、19…ウエハ授受ポート、20…ポッドオープナ(開閉装置)、21…ベース、22…ウエハ出し入れ口、23…支持台、24…ガイドレール、25…ガイドブロック、26…エアシリンダ装置、27…載置台、28…位置決めピン、30…ガイドレール、31…左右方向移動台、32…エアシリンダ装置、32a…ピストンロッド、33…ガイドレール、34…前後方向移動台、35…ガイド孔、36…ブラケット、37…ロータリーアクチュエータ、37a…アーム、38…ガイドピン、39…ブラケット、40…クロージャ、41…解錠軸、41a…係合部、42…プーリー、43…ベルト、44…連結片、45…エアシリンダ装置、46…吸着具、47…吸込口部材、50…ロータリーアクチュエータ、50a…回転軸、51…アーム、52…挿通孔、53…マッピング装置、54、55、56、57…パッキン、60…ポッドオープナ室筐体、61…ポッドオープナ室、62…ウエハ出し入れ口、63…排気管(排気手段)、64…ポンプ、65…開閉弁(排気量調整手段)、66…バイパスライン(排気量調整手段)、67…給気管、67A…給気装置、69…窒素ガス、70…コントローラ、71、72、73…圧力計、80…ガスステーション(不活性ガス充填ステーション)、81…支持台、82…載置台、83…位置決めピン、84…ノズル、85…排気ダクト、91…位置決め凹部、92…吸気弁、93…排気弁、95…フィルタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収納する基板収納室の基板出し入れ口に蓋体が着脱自在に装着されるキャリアが保持されるキャリア保持部と、前記キャリア保持部に保持される前記キャリアの前記蓋体を開閉するキャリア開閉装置と、前記キャリア開閉装置が設けられた基板搬送室と、前記基板搬送室から搬送される前記基板を収容して処理する基板処理室と、前記キャリア保持部へ運ばれる前または前記キャリア保持部から運び出された後の前記キャリアを保管するキャリア保管部と、前記キャリアを保持し前記基板収納室に不活性ガスを充填する不活性ガス充填部と、を備えていることを特徴とする半導体製造装置。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−86308(P2006−86308A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268930(P2004−268930)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】