説明

半導体集積回路装置およびそれを用いた非接触/接触電子装置ならびに携帯情報端末

【課題】接触型動作モードと非接触型動作モードを有して、安定した電源電圧を内部回路に供給すること。
【解決手段】半導体集積回路装置U2は、アンテナ端子LA、LB、整流回路B1、電源電圧端子VDD、シャントレギュレータ回路B2、シリーズレギュレータ回路B3を具備する。内部電源ラインVDDAの電圧が第1設定電圧V1以上に上昇した際には、シャントレギュレータ回路B2はプルダウントランジスタM1にプルダウン電流I1を流す。内部電源ラインVDDAの電圧が第2設定電圧V2以下に低下した際には、シリーズレギュレータ回路B3はプルアップトランジスタM2にプルアップ電流I2を流す。第1設定電圧V1のレベルは、第2設定電圧V2のレベルよりも高いレベルに設定される。2つのレギュレータ回路B2、B3の動作の競合が、防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路装置およびそれを用いた非接触/接触電子装置ならびに携帯情報端末に関するもので、特に非接触動作モードと接触動作モードとを有して、安定した電源電圧を内部回路に供給するのに有益な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)とメモリ等との機能を有した半導体集積回路装置をカードの内部に内蔵して、この半導体集積回路装置の接触端子をカード表面上に備えた接触型ICカードが金融等の分野で普及している。
【0003】
この接触型ICカードは、CPU等によってメモリの書き込み・消去および読み出しが管理されて、暗号処理機能等を有することで、接触型ICカードの高セキュリティ性能が実現されている。このような機能を実現するCPU等では、昨今の半導体プロセスの微細化によって素子耐圧が低下しており、CPUに供給される電源電圧はその素子耐圧を超過しないレベルに制限される。そのために、CPUには、電源電圧端子の電圧レベルを制限するレギュレータ回路を介して電源電圧を供給することが一般的である。
【0004】
一方、バッテリ等の電源を持たず、アンテナによって受信した電磁波から内部回路が動作するための電源電圧を生成して動作する非接触型ICカードが交通等の分野で利用されている。この非接触型ICカードは、リーダ・ライタ(質問器)からの電磁波の変調により送信される入力データを受信して、受信した入力データを信号処理して出力データを生成する。この出力データに応答するアンテナ端子間の負荷変動によって電磁波を変調して、出力データをリーダ・ライタ(質問器)に送信するものである。
【0005】
接触型ICカードと同様に、非接触型ICカードにおいても上記のような機能を実現するためにCPUやメモリ等が搭載されるので、CPU等にはその構成素子の素子耐圧を超過しないように制限された電源電圧が供給されなければならない。
【0006】
下記特許文献1には、非接触型ICカードに搭載されるシリーズレギュレータでは負荷変動の補償電流はリーダ・ライタとの通信品質の劣化を生じる一方、非接触型ICカードに搭載されるシャントレギュレータの電流は負荷変調回路の電流変化を相殺すると言う問題を解決する方法が記載されている。下記特許文献1に記載された方法によれば、非接触型ICカードのリーダ・ライタへの送信時にシリーズレギュレータが動作してシャントレギュレータが停止する一方、リーダ・ライタへの送信時以外はシリーズレギュレータが停止してシャントレギュレータが動作するものである。
【0007】
また、接触型ICカードの機能と非接触型ICカードの機能とを兼用するデュアルウェイICカードも、普及し始めている。このデュアルウェイICカードでは、その動作状態に応答して接触端子である電源電圧端子からレギュレータ回路を介して供給される電源電圧とアンテナにより受信される電磁波から生成される電源電圧とのいずれかが選択される。選択された電源電圧が、デュアルウェイICカード内部に搭載されるCPU等の内部回路に供給されるものである。従って電源電圧端子またはアンテナを介して供給された電力によって、デュアルウェイICカードの内部回路は接触型ICカードの機能と非接触型ICカードの機能とを両立することが可能になる。
【0008】
一方、下記特許文献2には、接触型ICカードの機能と非接触型ICカードの機能とを有するコンビネーションカードにおいて、接触モードで使用される接触端子である電源端子が非接触モードにおいて通電状態であることから接触端子から電力の漏洩が生じると言う問題を解決する方法が記載されている。すなわち、非接触モードにおいて接触端子の漏洩が生じると、非接触モードの動作時において、電源端子にICチップ内部よりも高電圧が印加されると、ICチップが電気的攻撃に曝露されるという問題が生じるものである。従って、下記特許文献2に記載の方法は、接触端子とコンビネーションカードの内部回路との間に信号スイッチを接続すると伴に電源端子である接触端子とコンビネーションカードの内部回路との間に電源スイッチを接続して、非接触モードの動作時に信号スイッチと電源スイッチをオフとするものである。それによって、非接触モードの動作時に、全ての接触端子をコンビネーションカードの内部回路から電気的に絶縁することが可能となるものである。
【0009】
【特許文献1】国際公開番号 WO 2005/072065 A2 公報
【特許文献2】特開2000−113148号 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者等は、本発明に先立ち、接触端子である電源電圧端子から供給される電源電圧によって動作する接触型ICカードの機能とアンテナによって受信した電磁波から生成される電源電圧によって動作する非接触型ICカードの機能とを兼用するデュアルウェイICカードに搭載される半導体集積回路の研究・開発に従事した。
【0011】
この研究・開発では、本発明者等はデュアルウェイICカードに搭載される半導体集積回路に内蔵されるレギュレータに関して下記のような検討を行った。
【0012】
まず、接触端子である電源電圧端子から供給された電源電圧を所定の電圧レベルに制限することによって内部回路の電源電圧を生成するためのレギュレータ回路(接触用のレギュレータ回路)には、半導体集積回路で一般的に利用されるシリーズレギュレータ回路が採用されることにされた。一方、アンテナによって受信される電磁波を整流した電圧を所定の電圧レベルに制限することにより内部回路の電源電圧を生成するレギュレータ回路(非接触用のレギュレータ回路)には、シャントレギュレータが採用されることにされた。
【0013】
接触用シリーズレギュレータ回路は、内部の電源電圧が所定の電圧レベルに到達していない場合は、電源電圧端子から大きなプルアップ電流を供給することで内部の電源電圧を上昇するように動作する。しかし、接触用シリーズレギュレータ回路は、内部の電源電圧が所定の電圧レベルを超過した場合には、電源電圧端子から供給されるプルアップ電流を低減させることで内部の電源電圧を低下するように動作する。
【0014】
一方、非接触用シャントレギュレータ回路は、内部の電源電圧が所定の電圧レベルに到達していない場合には、内部の電源ラインから接地電位へプルダウン電流を流入しない。しかし、内部の電源電圧のレベルが所定の電圧レベルに到達すると、内部の電源ラインから接地電位へ大きなプルダウン電流を流入することによって内部の電源電圧のレベルを低下するように負帰還をかけることで、所定の電圧レベルを維持するように動作する。
【0015】
しかし、デュアルウェイICカードに搭載される半導体集積回路に内蔵される接触用シリーズレギュレータ回路と非接触レギュレータ回路とは、場合によっては、動作の競合が発生して無駄な消費電力を消費すると言う問題が本発明者等によって見出されたものである。
【0016】
それは、内部の電源電圧が同一の電圧レベルの状態で、接触用シリーズレギュレータ回路が電源電圧端子から大きなプルアップ電流を供給するのと同時に、非接触用シャントレギュレータ回路が内部の電源ラインから接地電位へプルダウン電流を流入するものである。その結果、接触用シリーズレギュレータ回路による内部の電源ラインのプルアップ動作と非接触用シャントレギュレータ回路による内部の電源ラインのプルダウンとは、相殺されてしまう。
【0017】
特に、接触用シリーズレギュレータ回路の制限レベルよりも非接触用シャントレギュレータ回路の制限レベルが低い場合には、接触用シリーズレギュレータ回路と非接触用シャントレギュレータ回路が完全に競合してしまい、大きな消費電力を消費するものである。また、このような競合動作は、消費電流の増大だけではなく、上記特許文献2に記載のような非接触型ICカードの通信性能の劣化の発生の可能性も本願発明者等によって見出された。
【0018】
本発明は、以上のような本発明に先立った本発明者等の検討の結果、なされたものである。
【0019】
従って、本発明の目的とするところは、接触端子である電源電圧端子から供給される電源電圧によって動作する接触型動作モードとアンテナによって受信した電磁波から生成される電源電圧によって動作する非接触型動作モードとを有する半導体集積回路において、安定した電源電圧を内部回路に供給することを可能とすることにある。
【0020】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本願において開示される発明のうちの代表的なものについて簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0022】
すなわち、本発明の代表的な半導体集積回路装置(U2)は、
アンテナ(L1)に接続可能なアンテナ端子(LA、LB)と、
前記アンテナ端子(LA、LB)に供給される高周波信号を整流することにより直流電圧を内部電源ライン(VDDA)に出力する整流回路(B1)と、
外部からの電源電圧が供給可能な電源電圧端子(VDD)と、
前記内部電源ライン(VDDA)と接地電位(VSS)との間に接続されたプルダウントランジスタ(M1)を含み、前記内部電源ライン(VDDA)の電圧が第1設定電圧(V1)以上に上昇した際には前記プルダウントランジスタにプルダウン電流(I1)を流すシャントレギュレータ回路(B2)と、
前記電源電圧端子(VDD)と前記内部電源ライン(VDDA)との間に接続されたプルアップトランジスタ(M2)を含み、前記内部電源ライン(VDDA)の電圧が第2設定電圧(V2)以下に低下した際には前記プルアップトランジスタにプルアップ電流(I2)を流すシリーズレギュレータ回路(B3)とを含み、
前記第1設定電圧(V1)の電圧レベルは前記第2設定電圧(V2)の電圧レベルよりも高いレベルに設定されたものであるか、または、設定可能とされたものであることを特徴とするものである(図3、図5、図11、図13参照)。
【発明の効果】
【0023】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0024】
すなわち、接触型動作モードと非接触型動作モードを有する半導体集積回路装置において、安定した電源電圧を内部回路に供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
《代表的な実施の形態》
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0026】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態による半導体集積回路装置(U2)は、
アンテナ(L1)に接続可能なアンテナ端子(LA、LB)と、
前記アンテナ端子(LA、LB)に供給される高周波信号を整流することにより直流電圧を内部電源ライン(VDDA)に出力する整流回路(B1)と、
外部からの電源電圧が供給可能な電源電圧端子(VDD)と、
前記内部電源ライン(VDDA)と接地電位(VSS)との間に接続されたプルダウントランジスタ(M1)を含み、前記内部電源ライン(VDDA)の電圧が第1設定電圧(V1)以上に上昇した際には前記プルダウントランジスタにプルダウン電流(I1)を流すシャントレギュレータ回路(B2)と、
前記電源電圧端子(VDD)と前記内部電源ライン(VDDA)との間に接続されたプルアップトランジスタ(M2)を含み、前記内部電源ライン(VDDA)の電圧が第2設定電圧(V2)以下に低下した際には前記プルアップトランジスタにプルアップ電流(I2)を流すシリーズレギュレータ回路(B3)とを含み、
前記第1設定電圧(V1)の電圧レベルは前記第2設定電圧(V2)の電圧レベルよりも高いレベルに設定されたものであることを特徴とするものである(図3参照)。
【0027】
前記実施の形態によれば、接触型動作モードと非接触型動作モードを有する半導体集積回路装置において、安定した電源電圧を内部回路に供給することができる。
【0028】
好適な実施の形態は、前記シャントレギュレータ回路(B2)は、前記内部電源ライン(VDDA)と前記接地電位(VSS)との間に接続された第1分圧回路(B5)と、当該第1分圧回路(B5)の分圧出力と第1基準電圧(VR1)とに応答して前記プルダウントランジスタ(M1)の入力端子を制御する第1演算増幅器(A1)とを更に含むものである。
【0029】
前記シリーズレギュレータ回路(B3)は、前記内部電源ライン(VDDA)と前記接地電位(VSS)との間に接続された第2分圧回路(B6)と、当該第2分圧回路(B6)の分圧出力と第2基準電圧(VR2)とに応答して前記プルアップトランジスタ(M2)の入力端子を制御する第2演算増幅器(A2)とを更に含むことを特徴とするものである(図3参照)。
【0030】
より好適な実施の形態によれば、前記プルダウントランジスタ(M1)はNチャンネルMOSトランジスタであり、前記プルアップトランジスタ(M2)はPチャンネルMOSトランジスタであることを特徴とするものである(図3参照)。
【0031】
〔2〕本発明の別の観点の代表的な実施の形態による半導体集積回路装置(U2)は、
アンテナ(L1)に接続可能なアンテナ端子(LA、LB)と、
前記アンテナ端子(LA、LB)に供給される高周波信号を整流することにより直流電圧を内部電源ライン(VDDA)に出力する整流回路(B1)と、
外部からの電源電圧が供給可能な電源電圧端子(VDD)と、
前記内部電源ライン(VDDA)と接地電位(VSS)との間に接続されたプルダウントランジスタ(M1)を含み、前記内部電源ライン(VDDA)の電圧が第1設定電圧(V1)以上に上昇した際には前記プルダウントランジスタにプルダウン電流(I1)を流すシャントレギュレータ回路(B2)と、
前記電源電圧端子(VDD)と前記内部電源ライン(VDDA)との間に接続されたプルアップトランジスタ(M2)を含み、前記内部電源ライン(VDDA)の電圧が第2設定電圧(V2)以下に低下した際には前記プルアップトランジスタにプルアップ電流(I2)を流すシリーズレギュレータ回路(B3)と、
前記シャントレギュレータ回路(B2)と前記シリーズレギュレータ回路(B3)に接続された制御回路(B4、B7)とを含み、
前記シャントレギュレータ回路(B2)と前記シリーズレギュレータ回路(B3)とが同時に動作する場合に、前記制御回路(B4、B7)は前記第1設定電圧(V1)の電圧レベルを前記第2設定電圧(V2)の電圧レベルよりも高いレベルに制御可能とされたものであることを特徴とするものである(図5、図11、図13参照)。
【0032】
前記実施の形態によれば、接触型動作モードと非接触型動作モードを有する半導体集積回路装置において、安定した電源電圧を内部回路に供給することができる。
【0033】
好適な実施の形態は、前記シャントレギュレータ回路(B2)は、前記内部電源ライン(VDDA)と前記接地電位(VSS)との間に接続された第1分圧回路(B5)と、当該第1分圧回路(B5)の分圧出力と第1基準電圧(VR1)とに応答して前記プルダウントランジスタ(M1)の入力端子を制御する第1演算増幅器(A1)とを更に含むものである。
【0034】
前記シリーズレギュレータ回路(B3)は、前記内部電源ライン(VDDA)と前記接地電位(VSS)との間に接続された第2分圧回路(B6)と、当該第2分圧回路(B6)の分圧出力と第2基準電圧(VR2)とに応答して前記プルアップトランジスタ(M2)の入力端子を制御する第2演算増幅器(A2)とを更に含むことを特徴とするものである(図3参照)。
【0035】
他の好適な実施の形態は、前記制御回路(B4、B7)は前記アンテナ端子(LA、LB)への前記高周波信号の供給を検出するものである。
【0036】
前記制御回路(B4、B7)は、前記高周波信号の前記供給の検出結果に応答して、前記シリーズレギュレータ回路(B3)の前記第2分圧回路(B6)を制御することによって前記第2設定電圧(V2)の前記電圧レベルを前記第1設定電圧(V1)の前記電圧レベルよりも低いレベルに制御可能とされたものであることを特徴とするものである(図5、図6参照)。
【0037】
更に他の好適な実施の形態は、前記制御回路(B4、B7)は前記電源電圧端子(VDD)への前記電源電圧の供給を検出するものである。
【0038】
前記制御回路(B4、B7)は、前記電源電圧の前記供給の検出結果応答して、前記シャントレギュレータ回路(B2)の前記第1分圧回路(B5)を制御することによって前記第1設定電圧(V1)の前記電圧レベルを前記第2設定電圧(V2)の前記電圧レベルよりも高いレベルに制御可能とされたものであることを特徴とするものである(図11、図12参照)。
【0039】
より好適な実施の形態は、前記制御回路(B4、B7)は前記アンテナ端子(LA、LB)への前記高周波信号の供給を検出するものであり、前記制御回路(B4、B7)は前記電源電圧端子(VDD)への前記電源電圧の供給を検出するものである。
【0040】
前記制御回路(B4、B7)は、前記高周波信号の前記供給の検出結果に応答して、前記シリーズレギュレータ回路(B3)の前記第2分圧回路(B6)を制御することによって前記第2設定電圧(V2)の前記電圧レベルを前記第1設定電圧(V1)の前記電圧レベルよりも低いレベルに制御可能とされたものである。
【0041】
前記制御回路(B4、B7)は、前記電源電圧の前記供給の検出結果応答して、前記シャントレギュレータ回路(B2)の前記第1分圧回路(B5)を制御することによって前記第1設定電圧(V1)の前記電圧レベルを前記第2設定電圧(V2)の前記電圧レベルよりも高いレベルに制御可能とされたものであることを特徴とするものである(図13、図14参照)。
【0042】
更により好適な実施の形態は、前記プルダウントランジスタ(M1)はNチャンネルMOSトランジスタであり、前記プルアップトランジスタ(M2)はPチャンネルMOSトランジスタであることを特徴とするものである(図13参照)。
【0043】
〔3〕本発明の代表的な実施の形態による非接触/接触電子装置(U1、U15)は、
アンテナ(L1)と、
外部からの電源電圧が供給可能な接触端子(U10)と
半導体集積回路装置(U2)とを内蔵する。
【0044】
前記半導体集積回路装置(U2)は、上記〔1〕乃至上記〔2〕で説明した半導体集積回路装置であることを特徴とするものである。
【0045】
〔4〕本発明の代表的な実施の形態による携帯情報端末(U12)は、
データを処理するデータ処理回路と、
前記データ処理回路によって処理される前記データを入力するデータ入力装置と、
前記データ処理回路によって処理される前記データを表示する表示装置とを具備するものである。
【0046】
前記携帯情報端末は、上記〔3〕で説明した非接触/接触電子装置(U1、U15)を内蔵可能に構成されたことを特徴とするものである。
【0047】
《実施の形態の説明》
次に、実施の形態について更に詳述する。尚、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、前記の図と同一の機能を有する部品には同一の符号を付して、その繰り返しの説明は省略する。
【0048】
[第1の実施の形態]
《非接触電子装置および半導体集積回路装置の構成》
図1は、本発明の第1の実施の形態による半導体集積回路装置U2を内蔵する非接触電子装置U1の構成を示す図である。
【0049】
図1において、非接触電子装置U1は、アンテナL1、容量C1、半導体集積回路装置U2、外部接触端子U10を内蔵するものである。尚、アンテナL1と容量C1の並列接続により構成された共振回路は、リーダ・ライタからの電磁波のRF周波数と共振するものである。この共振容量C1は、アンテナL1の寄生容量等も考慮して調整されるため、必ずしも共振回路に接続されるものではない。
【0050】
半導体集積回路装置U2は、電源回路U3と、内部回路U4と、アンテナL1を接続するためのアンテナ端子LA、LBと、外部接触端子U10に接続される電源電圧端子VDDと、接地端子VSSと、信号入出力端子PIOを有している。尚、外部接触端子U10の電源電圧端子VDDと接地端子VSSの間に印加される電源電圧は、携帯電話等の携帯情報端末に搭載されるバッテリーから供給されることが可能である。
【0051】
図2は、本発明の1つの実施の形態による半導体集積回路装置U2を内蔵する非接触電子装置U1を搭載する携帯電話U12とリーダ・ライタU11とを示す図である。ここでは、携帯情報端末の一例として、折りたたみ型の筐体を持つ携帯電話U12を示しているが、その筐体の形状や機能は特に限定されるものではなく、携帯が可能な音楽再生機器等とすることも可能である。
【0052】
図2において、携帯情報端末である携帯電話U12は、折りたたみ型の筐体U13と、筐体U13の本体の内側表面に配置されデータを入力する入力装置U14と、筐体U13の内部で入力装置U14の裏面側等に配置された非接触電子装置U15を含むものである。図2では示されないが、筐体U13の蓋の内側表面に液晶表示装置(LCD)が配置されている。また、筐体U13の内部には、音声またはデータによって通信を行うための送受信回路およびデータ処理回路が配置されている。従って、データ処理回路に入出力されるデータ等が、液晶表示装置(LCD)に表示される。尚、非接触電子装置U15は、携帯電話U12に着脱可能な形で内蔵されることも可能である。
【0053】
図2に示す非接触電子装置U15は、図1に示す非接触電子装置U1であり、半導体集積回路装置U2と、アンテナL1と、容量C1と、外部接触端子U10を形成する金属端子とを具備する。非接触電子装置U15とデータ送受信を行う外部のリーダ・ライタU11からの電磁波を受けるアンテナL1は、プリント基板の配線等により形成される渦巻き状のコイルによって構成され、外部との接触端子U10は非接触電子装置U1の表面上に金属端子によって形成される。図1に示す非接触電子装置U1は半導体集積回路装置U2の電源電圧端子VDD、接地端子VSSおよび信号入出力端子PIOと接続された外部接触端子U10を有し、これらの端子を介して携帯情報端末に具備されるデータ処理回路等に接続される。これにより、非接触電子装置U15の内部回路のデータは、入力装置U14の操作によって液晶表示装置(LCD)に表示されることも可能である。
【0054】
また、特に限定はされるものではないが、半導体集積回路装置U2は、公知の半導体集積回路装置の製造技術によって、単結晶シリコン等のような1個の半導体基板上に形成される。
【0055】
非接触電子装置U15が搭載される携帯情報端末U12は、リーダ・ライタU11の近傍に置かれた時に、携帯電話U12の電源投入の有無とは無関係に、リーダ・ライタU11との間でデータの送受信を行うものである。リーダ・ライタU11からの電磁波を受信したアンテナL1は、一対のアンテナ端子LA、LBの間に高周波の交流信号を出力する。この時に、高周波交流信号は、部分的に情報信号(データ)によって変調されている。
【0056】
《電源回路の構成および動作》
図1に示す半導体集積回路装置U2に含まれる電源回路U3は、整流回路B1、非接触用シャントレギュレータ回路B2、接触用シリーズレギュレータ回路B3、検出回路B4によって構成されている。好ましい実施の形態では、電源回路U3の整流回路B1の出力端子に平滑容量が接続されて、高周波信号による出力電圧変動を制限するものである。
【0057】
この電源回路U3は、以下の機能を持つものである。
【0058】
電源電圧端子VDDからは電源電圧が供給されていない状態で、アンテナ端子LA、LBに高周波信号が供給される場合には、非接触用シャントレギュレータ回路B2によってアンテナ端子LA、LBから供給される高周波信号から生成され制限された電圧が内部電源ラインVDDAに供給される。一方、電源電圧端子VDDから電源電圧が供給された状態で、アンテナ端子LA、LBに高周波信号が供給されていない場合には、接触用シリーズレギュレータ回路B3によって電源電圧端子VDDから供給された電源電圧を所定の電圧レベルに制限した電圧が内部電源ラインVDDAに供給される。また、電源電圧端子VDDから電源電圧が供給された状態で、かつ、アンテナ端子LA、LBにも高周波信号が供給される場合には、電源電圧端子VDDから供給される電源電圧とアンテナ端子LA、LBから供給される高周波信号から生成される電圧の両者とから、内部回路U4が動作するための安定した電源電圧を生成する。この時には、非接触用シャントレギュレータ回路B2と接触レギュレータ回路B3の両者が動作する。電源電圧端子VDDから供給される電源電圧よりもアンテナ端子LA、LBから供給される電力が小さい場合には、接触用シリーズレギュレータ回路B3によって制限された電源電圧が内部電源ラインVDDAに供給される。電源電圧端子VDDから供給される電力よりもアンテナ端子LA、LBから供給される電力が大きい場合には、非接触用シャントレギュレータ回路B2によって制限された電源電圧が内部電源ラインVDDAに供給される。
【0059】
検出回路B4は、アンテナ端子LA、LBから高周波信号が供給されているか否かを検出する機能を有するものである。従って、検出回路B4はアンテナ端子LA、LBから高周波信号が供給されていることを検出して、検出信号S1を生成する。この検出信号S1は、非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作状態と接触用シリーズレギュレータ回路B3の動作状態の制御等に利用されるものである。
【0060】
内部電源ラインVDDAから供給される電圧を電源電圧として動作する内部回路U4は、受信回路U5と、送信回路U6と、信号処理回路U7と、メモリU8と、I/O回路U9から構成されている。受信回路U5は非接触電子装置U1に配置されたアンテナL1によって受信された交流信号に重畳された情報信号を復調して、復調により得られたディジタルの情報信号を信号処理回路U7に供給する。送信回路U6は信号処理回路U7から出力されるディジタル信号の情報信号に応答して、アンテナL1から送信される交流信号を情報信号によって変調する。リーダ・ライタU11は、アンテナL1からの変調された電磁波に応答して、信号処理回路U7からの情報信号を受信する。メモリU8は、リーダ・ライタU11から信号処理回路U7へ送信された情報データの記憶と、信号処理回路U7からリーダ・ライタU11へ送信された情報データの記憶等に利用される。
【0061】
また、信号処理回路U7は、I/O回路U9と信号入出力端子PIOと接触端子U10を介して外部装置と信号の転送を実行することもできる。信号入出力端子PIOを介して信号の転送を実行する時には、内部回路U4は、接触端子U10の電源電圧端子VDDおよび接地端子VSSから供給される電源電圧を利用して動作する。
【0062】
更に、内部回路U4は、接触端子U10の電源電圧端子VDDおよび接地端子VSSから電源電圧が供給されている場合にも、アンテナL1の交流信号を利用してリーダ・ライタU11と情報信号の送受信を実行することもできる。
【0063】
≪電源回路の詳細な構成≫
図3は、図1に示す半導体集積回路装置U2に含まれる電源回路U3の詳細な構成を示す図である。
【0064】
図3において、電源回路U3は、整流回路B1と、非接触用シャントレギュレータ回路B2と、接触用シリーズレギュレータ回路B3と、検出回路B4とによって構成されている。
【0065】
整流回路B1は、アンテナ端子LA、LBに供給される高周波信号を整流して、グランド電位VSSを基準とした直流電圧を、内部電源ラインVDDAに出力する。
【0066】
非接触用シャントレギュレータ回路B2は内部電源ラインVDDAに接続され、分圧回路B5、演算増幅器A1、プルダウンMOSトランジスタM1によって構成されている。尚、プルダウンMOSトランジスタM1は、NチャンネルMOSトランジスタである。分圧回路B5が内部電源ラインVDDAと接地端子VSSとの間に接続され、分圧回路B5は分圧抵抗R1、R2を含み、分圧抵抗R1、R2の接続点に生成される分圧電圧が演算増幅器A1の非反転入力端子(+)に供給される。また演算増幅器A1の反転入力端子(−)と接地端子VSSの間には基準電圧源VR1が接続され、演算増幅器A1は非反転入力端子(+)と反転入力端子(−)の電位差に応答した出力電圧をプルダウンMOSトランジスタM1のゲート端子に供給する。
【0067】
以上の構成によって、非接触用シャントレギュレータ回路B2は内部電源ラインVDDAの電圧に応答してプルダウンMOSトランジスタM1に流れるプルダウン電流I1を制御することによって、内部電源ラインVDDAの電圧の上昇が所定の上限制限レベルVCLを超過しないように制限される。つまり、アンテナ端子LA、LBから過剰電力が供給された場合に、プルダウンMOSトランジスタM1に流れるプルダウン電流I1によって電力を消費することによって、内部電源ラインVDDAの電圧上昇が所定の上限制限レベルVCLを超過しないように負帰還が実行される。すなわち、この上限制限レベルVCLは、VCL=VDDA(max)=VR1・(R1+R2)/R2の式によって設定される。
【0068】
一方、接触端子U10の電源電圧端子VDDおよび接地端子VSSから供給された電源電圧は、接触用シリーズレギュレータ回路B3を介して内部電源ラインVDDAに供給される。
【0069】
接触用シリーズレギュレータ回路B3は、分圧回路B6、演算増幅器A2、プルアップMOSトランジスタM2によって構成されている。尚、プルアップMOSトランジスタM2は、PチャンネルMOSトランジスタである。内部電源ラインVDDAと接地端子VSSとの間に分圧回路B6が接続され、分圧回路B6は分圧抵抗R3、R4を含み、分圧抵抗R3、R4の接続点に生成される分圧電圧が演算増幅器A2の非反転入力端子(+)に供給される。また演算増幅器A2の反転入力端子(−)と接地端子VSSの間には基準電圧源VR2が接続され、演算増幅器A2は非反転入力端子(+)と反転入力端子(−)の電位差に応答した出力電圧をプルアップMOSトランジスタM2のゲート端子に供給する。
【0070】
以上の構成によって、接触用シリーズレギュレータ回路B3は内部電源ラインVDDAの電圧に応答してプルアップMOSトランジスタM2に流れるプルアップ電流I2を制御することによって、内部電源ラインVDDAの電圧が所定の上限制限レベルVCを超過しないように制限する。つまり、内部電源ラインVDDAの電圧が高い場合には、プルアップMOSトランジスタM2に流れるプルアップ電流I2を減少することによって、内部電源ラインVDDAの電圧が所定の上限制限レベルVCを超過しないように負帰還が実行される。すなわち、この上限制限レベルVCは、VC=VDDA(mini)=VR2・(R3+R4)/R4の式によって設定される。
【0071】
検出回路B4は、アンテナ端子LA、LBから高周波信号が供給されているか否かを検出する機能を有しているので、検出回路B4はアンテナ端子LA、LBから高周波信号が供給されていることを検出して検出信号S1を生成する。
【0072】
図3に示す電源回路U3では、検出回路B4が出力する検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2が制御され、アンテナ端子LA、LBから高周波信号が供給された場合には非接触用シャントレギュレータ回路B2が動作を開始するように制御される。
【0073】
図4は、図3に示す電源回路U3の接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に流れるプルアップ電流I2および非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に流れるプルダウン電流I1の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性を示す図である。
【0074】
非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLが第1設定電圧レベルV1に設定されて、内部電源ラインVDDAの電圧が第1設定電圧レベルV1以上に上昇すると、プルダウンMOSトランジスタM1に大きなプルダウン電流I1が流れるものである。従って、非接触用シャントレギュレータ回路B2は、内部電源ラインVDDAの電圧の上昇を上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1に制限するように負帰還を実行するものである。
【0075】
また接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCが第2設定電圧レベルV2に設定されて、内部電源ラインVDDAの電圧が第2設定電圧レベルV2以下に低下すると、プルアップMOSトランジスタM2が大きなプルアップ電流I2が流れるものである。従って、接触用シリーズレギュレータ回路B3は、内部電源ラインVDDAの電圧の低下を上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2に制限するように負帰還を実行するものである。
【0076】
この際に、上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1と上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2とはともに、内部電源ラインVDDAに供給される電源電圧によって動作する内部回路U4の最低動作電圧VMよりも高い電圧値に設定される一方、内部電源ラインVDDAに供給される電源電圧によって動作する内部回路U4を構成する素子の素子降伏電圧VNよりも低い電圧値に設定される。
【0077】
また、上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1は、上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2よりも高いレベルに設定されている。その結果、内部電源ラインVDDAに供給される同一レベルの電源電圧に応答して、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に大きなプルダウン電流I1が流れるのと同時に接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に大きなプルアップ電流I2が流れるのが防止される。もしも、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に大きなプルダウン電流I1が流れるのと同時に接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に大きなプルアップ電流I2が流れると、無駄な消費電力の消費が生じるものである。従って、半導体集積回路装置U2の製造バラツキを考慮して、上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1は、上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2よりも所定の電圧差DV1の分だけ高いレベルに設定されている。
【0078】
以上のように設定することで、プルダウンMOSトランジスタM1がプルダウン電流を流す時には、プルアップMOSトランジスタM2はプルアップ電流I2を流さない状態に制御される。従って、アンテナ端子LA、LBから内部回路U4が動作するために十分な高周波電力が供給されている時には、接触端子U10の電源電圧端子VDDの消費電流を遮断することが可能になる。
【0079】
[第2の実施の形態]
≪電源回路の他の詳細な構成≫
図5は、図1に示す半導体集積回路装置U2に含まれる本発明の第2の実施の形態による電源回路U3の他の詳細な構成を示す図である。
【0080】
図5に示す電源回路U3は、図3に示した電源回路U3に含まれた整流回路B1、非接触用シャントレギュレータ回路B2、接触用シリーズレギュレータ回路B3、検出回路B4に追加して制御回路B7が付加されている。
【0081】
図5に示す電源回路U3でも、検出回路B4はアンテナ端子LA、LBから高周波信号が供給されているか否かを検出する機能を有しているので、検出回路B4はアンテナ端子LA、LBから高周波信号が供給されていることを検出して検出信号S1を生成する。図5に示す電源回路U3に追加された制御回路B7は検出回路B4から生成される検出信号S1に応答して制御信号S2を生成して、制御回路B7から生成される制御信号S2によって接触用シリーズレギュレータ回路B3に含まれる分圧回路B6では分圧抵抗R3、R4の抵抗比が可変制御される。
【0082】
すなわち、図5に示す電源回路U3では、検出回路B4が出力する検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2が制御され、アンテナ端子LA、LBから高周波信号が供給された場合には非接触用シャントレギュレータ回路B2が動作を開始するように制御される。この時には、制御回路B7は検出回路B4から生成される検出信号S1に応答して制御信号S2を生成して、制御回路B7から生成される制御信号S2によって接触用シリーズレギュレータ回路B3に含まれる分圧回路B6では分圧抵抗R3、R4の抵抗比R3/R4が大きな値から小さな値に変化される。この時の接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCは、VC=VDDA(mini)=VR2・(R3+R4)/R4の式に従って小さな値に設定される。一方、アンテナ端子LA、LBから高周波信号が供給されていない場合には、検出回路B4からの検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2が非動作状態に制御され、この時に制御回路B7から生成される制御信号S2によって接触用シリーズレギュレータ回路B3に含まれる分圧回路B6で分圧抵抗R3、R4の抵抗比R3/R4が小さな値から大きな値に変化される。この時の接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCは、VC=VDDA(mini)=VR2・(R3+R4)/R4の式に従って大きな値に設定される。これによって、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2が可変制御されるものである。図5に示す電源回路U3のその他の構成は、図3に示した電源回路U3と同一である。
【0083】
図6は、図5に示す電源回路U3の接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に流れるプルアップ電流I2および非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に流れるプルダウン電流I1の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性を示す図である。
【0084】
図6の下には、図5の電源回路U3の非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1のプルダウン電流I1の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性が示されている。図6の下に示された依存性は、図4の下に示された図3の電源回路U3の非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1のプルダウン電流I1の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性と全く同一となるものである。
【0085】
図6の上には、図5の電源回路U3の接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に流れるプルアップ電流I2の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性が示されている。
【0086】
図6の上の破線I2aは、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の供給が無い状態で検出回路B4からの検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2が非動作状態に制御された場合での接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に流れるプルアップ電流I2の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性を示している。この時に制御回路B7から生成される制御信号S2によって分圧回路B6で分圧抵抗R3、R4の抵抗比R3/R4が大きな値に設定されている。この時の接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCは、VC=VDDA(mini)=VR2・(R3+R4)/R4の式に従って大きな値に設定される。これによって、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2aが大きな値に設定されるものである。例えば、大きな値に設定された第2設定電圧レベルV2aは、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1と略同一のレベルに設定されている。
【0087】
図6の上の実線I2bは、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の供給が有る状態で検出回路B4からの検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2が動作状態に制御された場合の接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に流れるプルアップ電流I2の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性を示している。この時に制御回路B7から生成される制御信号S2によって分圧回路B6で分圧抵抗R3、R4の抵抗比R3/R4が小さな値に設定されている。この時の接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCは、VC=VDDA(mini)=VR2・(R3+R4)/R4の式に従って小さな値に設定される。これによって、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2bが小さな値に設定されるものである。例えば、小さな値に設定された第2設定電圧レベルV2bは、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1よりも低いレベルに設定されている。
【0088】
その結果、内部電源ラインVDDAに供給される同一レベルの電源電圧に応答して、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に大きなプルダウン電流I1が流れるのと同時に接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に大きなプルアップ電流I2が流れるのが防止される。もしも、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に大きなプルダウン電流I1が流れるのと同時に接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に大きなプルアップ電流I2が流れると、無駄な消費電力の消費が生じるものである。従って、半導体集積回路装置U2の製造バラツキを考慮して、上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1は、上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2bよりも所定の電圧差DV2の分だけ高いレベルに設定されている。
【0089】
以上のように設定することで、プルダウンMOSトランジスタM1がプルダウン電流を流す時には、プルアップMOSトランジスタM2はプルアップ電流I2を流さない状態に制御される。従って、アンテナ端子LA、LBから内部回路U4が動作するために十分な高周波電力が供給されている時には、接触端子U10の電源電圧端子VDDの消費電流を遮断することが可能になる。
【0090】
この際に、上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1と上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2a、V2bとは、内部電源ラインVDDAに供給される電源電圧によって動作する内部回路U4の最低動作電圧VMよりも高い電圧値に設定される一方、内部電源ラインVDDAに供給される電源電圧によって動作する内部回路U4を構成する素子の素子降伏電圧VNよりも低い電圧値に設定される。
【0091】
≪接触用シリーズレギュレータ回路の分圧回路≫
図7は、図5に示した電源回路U3の接触用シリーズレギュレータ回路B3に含まれた分圧回路B6の具体的な構成を示す図である。
【0092】
図7に示す分圧回路B6は、図5と同様に分圧回路B6は分圧抵抗R3、R4とを含む。しかし、図7に示す分圧回路B6では、分圧抵抗R4は2個の直列抵抗R5、R6とNチャンネルMOSトランジスタM3とによって構成されている。
【0093】
図7に示す分圧回路B6では、分圧抵抗R3の一端は内部電源ラインVDDAに接続され、分圧抵抗R3の他端は分圧出力端子P2と分圧抵抗R4の1個目の直列抵抗R5の一端に接続され、分圧抵抗R4の1個目の直列抵抗R5の他端は分圧抵抗R4の2個目の直列抵抗R6の一端とNチャンネルMOSトランジスタM3のドレインとに接続され、直列抵抗R6の他端とNチャンネルMOSトランジスタM3のソースとは接地端子VSSに接続され、NチャンネルMOSトランジスタM3のゲートは入力端子P1に供給される制御信号によって制御される。
【0094】
従って、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の供給が無い状態で検出回路B4からの検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2が非動作状態に制御され、制御回路B7から生成される制御信号S2によって分圧回路B6で分圧抵抗R3、R4の抵抗比R3/R4が大きな値に設定される際には、入力端子P1に供給される制御信号はハイレベルとされる。従って、NチャンネルMOSトランジスタM3はオンに制御されるので、MOSトランジスタのオン抵抗を無視すると分圧抵抗R4の抵抗値は2個の直列抵抗R5、R6の一個目の直列抵抗R5のみとなる。
【0095】
逆に、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の供給が有る状態では検出回路B4からの検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2が動作状態に制御されて、制御回路B7から生成される制御信号S2によって分圧回路B6で分圧抵抗R3、R4の抵抗比R3/R4が小さな値に設定される際には、入力端子P1に供給される制御信号はローレベルとされる。従って、NチャンネルMOSトランジスタM3はオフに制御されるので、分圧抵抗R4の抵抗値は2個の直列抵抗R5、R6の和の値となる。
【0096】
≪半導体集積回路装置の動作波形≫
図8は、図5に示す本発明の第2の実施の形態による電源回路U3を含む図1に示す半導体集積回路装置U2の動作波形を示す図である。
【0097】
図8は、接触端子U10の電源電圧端子VDDから電源電圧を供給した後に、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の電力が供給された場合における各部の動作波形および動作状態を示している。特に、図5に示した電源回路U3の制御回路B7には、検出回路B4から生成された検出信号S1と図1に示す半導体集積回路装置U2の内部回路U4が信号処理を行っているか否かを示す制御信号S3と供給されている。従って、検出信号S1と制御信号S3とに応答して制御回路B7から生成される制御信号S2によって、図5に示した電源回路U3の接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(V2a、V2b)が制御される。
【0098】
図8に示すように、接触端子U10の電源電圧端子VDDから電源電圧が供給されると、接触用シリーズレギュレータ回路B3によって制限された電圧が内部電源ラインVDDAに供給される。この時には、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVcは、ハイレベル側の第2設定電圧レベルV2aに制御されている。
【0099】
この後に、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の電力が供給されると、検出回路B4は電力が供給されたことを検知して検出信号S1の極性を反転させるので、非接触用シャントレギュレータ回路B2が動作を開始する。
【0100】
ところで、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLは、理想的には第1設定電圧レベルV1に制御されるものであるが、図8に示す例では半導体素子の誤差等の影響によって、第1設定電圧レベルV1がハイレベル側第1設定電圧レベルV1xやローレベル側第1設定電圧レベルV1yにバラツキを持つものとなる。非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLとしての第1設定電圧レベルV1がこのようなバラツキを持っている場合の内部電源ラインVDDAとプルダウンMOSトランジスタM1が流すプルダウン電流I1およびプルアップMOSトランジスタM2が流すプルアップ電流I2の動作波形例が、図8に示されている。
【0101】
ここで、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLが接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)に比較して高い電圧レベルV1xの場合の内部電源ラインVDDAの電圧波形をW1、プルアップMOSトランジスタM2が流すプルアップ電流I2の電流波形をW2、プルダウンMOSトランジスタM1が流すプルダウン電流I1の電流波形をW3にそれぞれ示している。
【0102】
また、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLが接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)に比較して低い電圧レベルV1yの場合の内部電源ラインVDDAの電圧波形をW4、プルアップMOSトランジスタM2が流すプルアップ電流I2の電流波形をW5に、プルダウンMOSトランジスタM1が流すプルダウン電流I1の電流波形をW6にそれぞれ示している。
【0103】
非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLが接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)に比較して高い電圧レベルV1xの場合には、下記のように動作する。
【0104】
図8に示すように、最初に接触端子U10の電源電圧端子VDDから電源電圧が供給されることによって、接触用シリーズレギュレータ回路B3が動作を開始して接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に比較的大きなプルアップ電流I2が流れる。しかし、最初はアンテナ端子LA、LBから高周波信号の電力が供給されていないので、検出回路B4が出力する検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作は停止されているので、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1のプルダウン電流I1は遮断された状態となっている。接触用シリーズレギュレータ回路B3が動作を開始することによって、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)に設定される。
【0105】
その後、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の電力の供給が開始され、検出回路B4が出力する検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作が開始される。従って、非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作の開始によって、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に比較的大きなプルダウン電流I1が流れる。また、非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作の開始によって、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCL(=V1x)に設定されようとする。しかし、この時には接触用シリーズレギュレータ回路B3も動作を開始しており、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)に設定されようとする。この時には、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCL(=V1x)よりも接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)が低レベルであるので、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは非接触用シャントレギュレータ回路B2の高レベルの上限制限レベルVCL(=V1x)に設定されるものとなる。また、内部電源ラインVDDAに設定された非接触用シャントレギュレータ回路B2の高レベルの上限制限レベルVCL(=V1x)によって、接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2のプルアップ電流I2は遮断された状態となるものである。
【0106】
その後、制御回路B7が出力される制御信号S2によって、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVcは、高電圧レベルV2aから低電圧レベルV2bに変更される。従って、接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2のプルアップ電流I2の遮断は継続される。その間に、非接触用シャントレギュレータ回路B2は内部電源ラインVDDAの電圧レベルを高レベルの上限制限レベルVCL(=V1x)に維持するために、プルダウンMOSトランジスタM1には比較的大きなプルダウン電流I1が流れるものである。
【0107】
非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLが接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)に比較して低い電圧レベルV1yの場合は、下記のように動作する。
【0108】
図8に示すように、最初に接触端子U10の電源電圧端子VDDから電源電圧が供給されることによって、接触用シリーズレギュレータ回路B3が動作を開始して接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に比較的大きなプルアップ電流I2が流れる。しかし、最初はアンテナ端子LA、LBから高周波信号の電力が供給されていないので、検出回路B4が出力する検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作は停止されているので、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1のプルダウン電流I1は遮断された状態となっている。接触用シリーズレギュレータ回路B3が動作を開始することによって、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)に設定される。
【0109】
その後、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の電力の供給が開始され、検出回路B4が出力する検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作が開始される。従って、非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作の開始によって、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に比較的大きなプルダウン電流I1が流れる。また、非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作の開始によって、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCL(=V1y)に設定されようとする。しかし、この時には接触用シリーズレギュレータ回路B3も動作を開始しており、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)に設定されようとする。この時には、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCL(=V1y)よりも接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)が高レベルであるので、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは接触用シリーズレギュレータ回路B3の高レベルの上限制限レベルVc(=V2a)に設定されるものとなる。その間に、接触用シリーズレギュレータ回路B3は内部電源ラインVDDAの電圧レベルを高レベルの上限制限レベルVc(=V2a)に維持するために、プルアップMOSトランジスタM2には比較的大きなプルアップ電流I2が流れるものである。
【0110】
しかしこの時には、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に比較的大きなプルダウン電流I1が流れるのと同時に、接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2にも比較的大きなプルアップ電流I2が流れている。従って、非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作と接触用シリーズレギュレータ回路B3の動作とが、競合するものとなる。すなわち、図8の期間T1の動作波形W4、W5、W6に示すように、電源電圧端子VDDから接地端子VSSへプルアップ電流I2とプルダウン電流I1とが流れるので、大きな消費電力を消費する。
【0111】
ここで、非接触用シャントレギュレータ回路B2と接触用シリーズレギュレータ回路B3との両者が動作した状態のまま、図1に示す半導体集積回路装置U2に含まれる内部回路U4が信号入出力端子PIO等を利用して実行している信号処理(C-Processing)の動作を完了させる。動作の完了によって、内部回路U4を待機状態(Standby)に遷移させる一方、制御信号S3は内部回路U4による信号処理の完了を制御回路B7に通知する。その結果、制御回路B7から生成される制御信号S2は、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVcを、高電圧レベルV2aから低電圧レベルV2bに変更する。従って、接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2のプルアップ電流I2は、遮断されるようになる。その間に、非接触用シャントレギュレータ回路B2は内部電源ラインVDDAの電圧レベルを低レベルの上限制限レベルVCL(=V1y)に維持するために、プルダウンMOSトランジスタM1には比較的大きなプルダウン電流I1が流れるものである。
【0112】
この後、アンテナ端子LA、LBから供給される高周波信号を利用して、図1に示す半導体集積回路装置U2の内部回路U4はリーダ・ライタU11とデータの転送を実行するものである。この時には、内部回路U4は整流回路B1と非接触用シャントレギュレータ回路B2とによって生成される内部電源ラインVDDAによって供給された電源電圧で動作するものである。そのため、接触端子U10の電源電圧端子VDDからの電源供給の有無と無関係に、上述と同様の安定した動作を実行することが可能となって、その通信性能等の劣化の発生が生じることはない。
【0113】
以上のように、検出回路B4が生成する検出信号S1と内部回路U4の動作状態に応答した制御信号S3を利用して、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVcを高電圧レベルV2aから低電圧レベルV2bに変更するものである。それによって、大きなプルダウン電流I1が流れるのと同時に大きなプルアップ電流I2が流れる非接触用シャントレギュレータ回路B2と接触用シリーズレギュレータ回路B3との動作が競合する競合時間T1を短時間に制限することができる。それにより、更にまた、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLと接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)との差を、小さくすることができる。従って、内部電源ラインVDDAの電源電圧供給源の相違による図1に示す半導体集積回路装置U2の内部回路の性能の相違を、極めて小さくすることが可能になる。更に、内部回路U4が信号処理を実行している状態で、非接触用シャントレギュレータ回路B2と接触用シリーズレギュレータ回路B3との動作の競合を回避するために、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)を大幅に低くする必要がなくなる。そのため、内部回路U4の最低動作電圧VMが比較的高い場合でも、安定した電源電圧制御を可能とすることができる。
【0114】
≪半導体集積回路装置の他の動作波形≫
図9は、図5に示す本発明の第2の実施の形態による電源回路U3を含む図1に示す半導体集積回路装置U2の他の動作波形を示す図である。
【0115】
図9は、接触端子U10の電源電圧端子VDDから電源電圧を供給した後に、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の電力が供給された場合における各部の動作波形および動作状態を示している。
【0116】
特に、図5に示した電源回路U3の制御回路B7には、検出回路B4が生成された検出信号S1と、図1に示す半導体集積回路装置U2の内部回路U4が動作するために必要な電力がアンテナ端子LA、LBから供給されているか否かを示す制御信号S3とが供給されている。この検出信号S1と制御信号S3との情報に応答して、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVC(=V2a、V2b)が制御される様子を示すものである。
【0117】
図9に示すように、接触端子U10の電源電圧端子VDDから電源電圧が供給されると、接触用シリーズレギュレータ回路B3によって制限された電圧が内部電源ラインVDDAに供給される。この時には、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVcは、ハイレベル側の第2設定電圧レベルV2aに制御されている。
【0118】
この後に、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の電力が供給されると、検出回路B4は電力が供給されたことを検知して検出信号S1の極性を反転させるので、非接触用シャントレギュレータ回路B2が動作を開始する。
【0119】
ところで、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLは、理想的には第1設定電圧レベルV1に制御されるものであるが、図9に示す例でも半導体素子の誤差等の影響によって、第1設定電圧レベルV1がハイレベル側第1設定電圧レベルV1xやローレベル側第1設定電圧レベルV1yにバラツキを持つものとなる。非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLとしての第1設定電圧レベルV1がこのようなバラツキを持っている場合の内部電源ラインVDDAとプルダウンMOSトランジスタM1が流すプルダウン電流I1およびプルアップMOSトランジスタM2が流すプルアップ電流I2の動作波形例が、図9に示されている。
【0120】
ここで、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLが接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)に比較して高い電圧レベルV1xの場合の内部電源ラインVDDAの電圧波形をW1、プルアップMOSトランジスタM2が流すプルアップ電流I2の電流波形をW2、プルダウンMOSトランジスタM1が流すプルダウン電流I1の電流波形をW3にそれぞれ示している。
【0121】
また、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLが接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)に比較して低い電圧レベルV1yの場合の内部電源ラインVDDAの電圧波形をW4、プルアップMOSトランジスタM2が流すプルアップ電流I2の電流波形をW5に、プルダウンMOSトランジスタM1が流すプルダウン電流I1の電流波形をW6にそれぞれ示している。
【0122】
非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLが接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)に比較して高い電圧レベルV1xの場合には、下記のように動作する。
【0123】
図9に示すように、最初に接触端子U10の電源電圧端子VDDから電源電圧が供給されることによって、接触用シリーズレギュレータ回路B3が動作を開始して接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に比較的大きなプルアップ電流I2が流れる。しかし、最初はアンテナ端子LA、LBから高周波信号の電力が供給されていないので、検出回路B4が出力する検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作は停止されているので、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1のプルダウン電流I1は遮断された状態となっている。接触用シリーズレギュレータ回路B3が動作を開始することによって、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)に設定される。
【0124】
その後、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の電力の供給が開始され、検出回路B4が出力する検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作が開始される。従って、非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作の開始によって、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に比較的大きなプルダウン電流I1が流れる。また、非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作の開始によって、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCL(=V1x)に設定されようとする。しかし、この時には接触用シリーズレギュレータ回路B3も動作を開始しており、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)に設定されようとする。この時には、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCL(=V1x)よりも接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)が低レベルであるので、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは非接触用シャントレギュレータ回路B2の高レベルの上限制限レベルVCL(=V1x)に設定されるものとなる。また、内部電源ラインVDDAに設定された非接触用シャントレギュレータ回路B2の高レベルの上限制限レベルVCL(=V1x)によって、接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2のプルアップ電流I2は遮断された状態となるものである。
【0125】
その後、制御回路B7が出力される制御信号S2によって、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVcは、高電圧レベルV2aから低電圧レベルV2bに変更される。従って、接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2のプルアップ電流I2の遮断は継続される。その間に、非接触用シャントレギュレータ回路B2は内部電源ラインVDDAの電圧レベルを高レベルの上限制限レベルVCL(=V1x)に維持するために、プルダウンMOSトランジスタM1には比較的大きなプルダウン電流I1が流れるものである。
【0126】
非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLが接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)に比較して低い電圧レベルV1yの場合は、下記のように動作する。
【0127】
図9に示すように、最初に接触端子U10の電源電圧端子VDDから電源電圧が供給されることによって、接触用シリーズレギュレータ回路B3が動作を開始して接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に比較的大きなプルアップ電流I2が流れる。しかし、最初はアンテナ端子LA、LBから高周波信号の電力が供給されていないので、検出回路B4が出力する検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作は停止されているので、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1のプルダウン電流I1は遮断された状態となっている。接触用シリーズレギュレータ回路B3が動作を開始することによって、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)に設定される。
【0128】
その後、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の電力の供給が開始され、検出回路B4が出力する検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作が開始される。従って、非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作の開始によって、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に比較的大きなプルダウン電流I1が流れる。また、非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作の開始によって、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCL(=V1y)に設定されようとする。しかし、この時には接触用シリーズレギュレータ回路B3も動作を開始しており、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)に設定されようとする。この時には、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCL(=V1y)よりも接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)が高レベルであるので、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは接触用シリーズレギュレータ回路B3の高レベルの上限制限レベルVc(=V2a)に設定されるものとなる。その間に、接触用シリーズレギュレータ回路B3は内部電源ラインVDDAの電圧レベルを高レベルの上限制限レベルVc(=V2a)に維持するために、プルアップMOSトランジスタM2には比較的大きなプルアップ電流I2が流れるものである。
【0129】
しかしこの時には、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に比較的大きなプルダウン電流I1が流れるのと同時に、接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2にも比較的大きなプルアップ電流I2が流れている。従って、非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作と接触用シリーズレギュレータ回路B3の動作とが、競合するものとなる。すなわち、図8の期間T1の動作波形W4、W5、W6に示すように、電源電圧端子VDDから接地端子VSSへプルアップ電流I2とプルダウン電流I1とが流れるので、大きな消費電力を消費する。
【0130】
ここで、非接触用シャントレギュレータ回路B2と接触用シリーズレギュレータ回路B3との両者が動作した状態のまま、図1に示す半導体集積回路装置U2に含まれる内部回路U4が信号入出力端子PIO等を利用して実行している信号処理(C-Processing)の動作を完了させる。動作が完了した後に、内部回路U4の動作に必要な電力がアンテナ端子LA、LBから供給されていることを示す制御信号S3に応答して、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVcは高電圧レベルV2aから低電圧レベルV2bに変更されるものとなる。従って、接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2のプルアップ電流I2は、遮断されるようになる。その間に、非接触用シャントレギュレータ回路B2は内部電源ラインVDDAの電圧レベルを低レベルの上限制限レベルVCL(=V1y)に維持するために、プルダウンMOSトランジスタM1には比較的大きなプルダウン電流I1が流れるものである。
【0131】
この後、アンテナ端子LA、LBから供給される高周波信号を利用して、図1に示す半導体集積回路装置U2の内部回路U4はリーダ・ライタU11とデータの転送を実行するものである。この時には、内部回路U4は整流回路B1と非接触用シャントレギュレータ回路B2とによって生成される内部電源ラインVDDAによって供給された電源電圧で動作するものである。そのため、接触端子U10の電源電圧端子VDDからの電源供給の有無と無関係に、上述と同様の安定した動作を実行することが可能となって、その通信性能等の劣化の発生が生じることはない。
【0132】
≪半導体集積回路装置の更に他の動作波形≫
図10は、図5に示す本発明の第2の実施の形態による電源回路U3を含む図1に示す半導体集積回路装置U2の更に他の動作波形を示す図である。
【0133】
図10は、接触端子U10の電源電圧端子VDDから電源電圧を供給した後に、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の電力が供給される以前に携帯情報端末U12の使用者(User)が非接触動作モードのための命令COM0を入力するものである。
【0134】
図10に示すように、最初に接触端子U10の電源電圧端子VDDから電源電圧が供給されることによって、接触用シリーズレギュレータ回路B3が動作を開始して接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に比較的大きなプルアップ電流I2が流れる。しかし、最初はアンテナ端子LA、LBから高周波信号の電力が供給されていないので、検出回路B4が出力する検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作は停止されているので、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1のプルダウン電流I1は遮断された状態となっている。接触用シリーズレギュレータ回路B3が動作を開始することによって、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2a)に設定される。この間に、接触用シリーズレギュレータ回路B3から内部電源ラインVDDAに供給される上限制限レベルVc(=V2a)の電源電圧によって半導体集積回路装置U2の内部回路U4は信号入出力端子PIOと外部接触端子U10とを介して外部とデータ転送を実行することが可能である。
【0135】
その後、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の電力の供給が開始される以前に、携帯情報端末U12の使用者(User)によって非接触動作モードのための命令COM0が入力される。
【0136】
すなわち、携帯情報端末U12の使用者(User)がアンテナL1を利用した通信を実行する場合には、携帯情報端末U12の入力装置U14を利用して携帯情報端末U12に非接触動作モードのための命令COM0を入力するものである。するとこの命令COM0に応答して、携帯情報端末U12は外部接触端子U10を介して非接触電子装置U1に内蔵される半導体集積回路装置U2に命令COM1を伝達するものである。この命令COM1は、接触モードから非接触動作モードに移行するための命令である。この命令COM1に応答して、半導体集積回路装置U2の内部回路U4は待機状態(Standby)に遷移される一方、制御回路B7が出力される制御信号S2によって接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVcは高電圧レベルV2aから低電圧レベルV2bに変更される。従って、この上限制限レベルVcの低下によって、接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2のプルアップ電流I2の電流値は減少される。
【0137】
その後、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の電力の供給が開始され、検出回路B4が出力する検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作が開始される。従って、非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作の開始によって、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に比較的大きなプルダウン電流I1が流れる。また、非接触用シャントレギュレータ回路B2の動作の開始によって、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCL(=V1xまたはV1y)に設定されようとする。しかし、この時には接触用シリーズレギュレータ回路B3も動作を開始しており、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは接触用シリーズレギュレータ回路B3の低レベルの上限制限レベルVc(=V2b)に設定されようとする。この時には、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCL(=V1xまたはV1y)よりも接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVc(=V2b)が低レベルであるので、内部電源ラインVDDAの電圧レベルは非接触用シャントレギュレータ回路B2の高レベルの上限制限レベルVCL(=V1xまたはV1y)に設定されるものとなる。また、内部電源ラインVDDAに設定された非接触用シャントレギュレータ回路B2の高レベルの上限制限レベルVCL(=V1xまたはV1y)によって、接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2のプルアップ電流I2は遮断された状態となるものである。
【0138】
この後、アンテナ端子LA、LBから供給される高周波信号を利用して、図1に示す半導体集積回路装置U2の内部回路U4はリーダ・ライタU11とデータの転送を実行するものである。この時には、内部回路U4は整流回路B1と非接触用シャントレギュレータ回路B2とによって生成される内部電源ラインVDDAによって供給された電源電圧で動作するものである。そのため、接触端子U10の電源電圧端子VDDからの電源供給の有無と無関係に、上述と同様の安定した動作を実行することが可能となって、その通信性能等の劣化の発生が生じることはない。
【0139】
[第3の実施の形態]
≪電源回路の更に他の詳細な構成≫
図11は、図1に示す半導体集積回路装置U2に含まれる本発明の第3の実施の形態による電源回路U3の更に他の詳細な構成を示す図である。
【0140】
図11に示す電源回路U3は、図5に示した電源回路U3に含まれた整流回路B1、非接触用シャントレギュレータ回路B2、接触用シリーズレギュレータ回路B3、検出回路B4、制御回路B7を含んでいる。
【0141】
図11に示す電源回路U3が図5に示した電源回路U3と相違するのは、外部接触端子U10の電源電圧端子VDDに供給される電源電圧が制御回路B7に供給され、制御回路B7から生成される制御信号S2が非接触シャントレギュレータB2に含まれる分圧回路B5に供給される点である。従って、図11に示す電源回路U3に含まれた非接触用シャントレギュレータ回路B2の分圧回路B5の分圧抵抗R1、R2の抵抗比R1/R2は、制御信号S2のレベルによって可変設定される。一方、図11に示す電源回路U3に含まれた接触用シリーズレギュレータ回路B3の分圧回路B3の分圧抵抗R3、R4の抵抗比R3/R4は、図5の接触用シリーズレギュレータ回路B3のように制御信号S2のレベルによって可変設定されるのではなく、一定値に設定されている。図11に示す電源回路U3のその他の構成は、図5に示す電源回路U3のその他の構成と同一である。
【0142】
外部接触端子U10の電源電圧端子VDDに供給される電源電圧がローレベル(接地電位VSS)である場合には、非接触用シャントレギュレータ回路B2の分圧回路B5の分圧抵抗R1、R2の抵抗比R1/R2は小さな値に設定される。従って、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLは、VCL=VDDA(mini)=VR1・(R1+R2)/R2の式に従って小さな値に設定される。
【0143】
外部接触端子U10の電源電圧端子VDDに供給される電源電圧がハイレベル(電源電圧VDD)である場合には、非接触用シャントレギュレータ回路B2の分圧回路B5の分圧抵抗R1、R2の抵抗比R1/R2は大きな値に設定される。従って、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLは、VCL=VDDA(mini)=VR1・(R1+R2)/R2の式に従って大きな値に設定される。
【0144】
図12は、図11に示す電源回路U3の接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2のプルアップ電流I2および非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1のプルダウン電流I1の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性を示す図である。
【0145】
図12の上には、図11の電源回路U3の接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2のプルアップ電流I2の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性が示されている。図12の上に示された依存性は、図4の上に示された図3の電源回路U3の接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2のプルアップ電流I2の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性と全く同一となるものである。
【0146】
図12の下には、図11の電源回路U3の非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に流れるプルダウン電流I1の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性が示されている。
【0147】
図12の下の破線I1aは、外部接触端子U10の電源電圧端子VDDに供給される電源電圧がローレベル(接地電位VSS)である場合での非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に流れるプルダウン電流I1の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性を示している。この時に制御回路B7から生成される制御信号S2によって分圧回路B5で分圧抵抗R1、R2の抵抗比R1/R2は小さな値に設定されている。この時の非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCL(=V1a)は、VCL=VDDA(mini)=VR1・(R1+R2)/R2の式に従って小さな値に設定される。これによって、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1aが小さな値に設定されるものである。例えば、小さな値に設定された第1設定電圧レベルV1aは、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2と略同一のレベルに設定されている。
【0148】
図12の下の実線I1bは、外部接触端子U10の電源電圧端子VDDに供給される電源電圧がハイレベル(電源電圧VDD)である場合での非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に流れるプルダウン電流I1の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性を示している。この時に制御回路B7から生成される制御信号S2によって分圧回路B5で分圧抵抗R1、R2の抵抗比R1/R2は大きな値に設定されている。この時の非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCL(=V1b)は、VCL=VDDA(mini)=VR1・(R1+R2)/R2の式に従って大きな値に設定される。これによって、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1bが大きな値に設定されるものである。例えば、大きな値に設定された第1設定電圧レベルV1bは、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1aよりも所定の電圧差DV3の分だけ高いレベルに設定されている。
【0149】
その結果、内部電源ラインVDDAに供給される同一レベルの電源電圧に応答して、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に大きなプルダウン電流I1が流れるのと同時に接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に大きなプルアップ電流I2が流れるのが防止される。
【0150】
この際に、上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2と上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1a、V1bとは、内部電源ラインVDDAに供給される電源電圧によって動作する内部回路U4の最低動作電圧VMよりも高い電圧値に設定される一方、内部電源ラインVDDAに供給される電源電圧によって動作する内部回路U4を構成する素子の素子降伏電圧VNよりも低い電圧値に設定される。
【0151】
[第4の実施の形態]
≪電源回路の異なる詳細な構成≫
図13は、図1に示す半導体集積回路装置U2に含まれる本発明の第4の実施の形態による電源回路U3の異なる詳細な構成を示す図である。
【0152】
図13に示す電源回路U3は、図11に示した電源回路U3に含まれた整流回路B1、非接触用シャントレギュレータ回路B2、接触用シリーズレギュレータ回路B3、検出回路B4、制御回路B7を含んでいる。
【0153】
図13に示す電源回路U3が図11に示した電源回路U3と相違するのは、図13に示す電源回路U3に含まれた接触用シリーズレギュレータ回路B3の分圧回路B3の分圧抵抗R3、R4の抵抗比R3/R4が、図11に示した接触用シリーズレギュレータ回路B3のように一定値に設定されるではなく、図5の接触用シリーズレギュレータ回路B3のように制御信号S2のレベルによって可変設定されるのではなく、一定値に設定される点である。
【0154】
すなわち、図13に示す電源回路U3の接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCは、VC=VDDA(mini)=VR2・(R3+R4)/R4の式に従って設定されるものである。従って、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の供給が無い場合には、検出回路B4からの検出信号S1により非接触用シャントレギュレータ回路B2が非動作状態に制御され、この時に制御回路B7から生成される制御信号S2により接触用シリーズレギュレータ回路B3に含まれる分圧回路B6で分圧抵抗R3、R4の抵抗比R3/R4が大きな値に設定される。この時の接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCは、VC=VDDA(mini)=VR2・(R3+R4)/R4の式に従って大きな値に設定される。一方、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の供給が有る場合には、検出回路B4からの検出信号S1により非接触用シャントレギュレータ回路B2が動作状態に制御され、この時に制御回路B7から生成される制御信号S2により接触用シリーズレギュレータ回路B3に含まれる分圧回路B6で分圧抵抗R3、R4の抵抗比R3/R4が小さな値に設定される。その結果、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCは、VC=VDDA(mini)=VR2・(R3+R4)/R4の式に従って小さな値に設定される。
【0155】
図13に示す電源回路U3のその他の構成は、図11に示す電源回路U3のその他の構成と同一である。すなわち、図13に示す電源回路U3に含まれた非接触用シャントレギュレータ回路B2の分圧回路B5の分圧抵抗R1、R2の抵抗比R1/R2は、図11に示す電源回路U3と全く同様に、制御信号S2のレベルによって可変設定される。
【0156】
従って、図13に示す電源回路U3でも、外部接触端子U10の電源電圧端子VDDに供給される電源電圧がローレベル(接地電位VSS)である場合には、非接触用シャントレギュレータ回路B2の分圧回路B5の分圧抵抗R1、R2の抵抗比R1/R2は小さな値に設定される。従って、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLは、VCL=VDDA(mini)=VR1・(R1+R2)/R2の式に従って小さな値に設定される。
【0157】
また、図13に示す電源回路U3でも、外部接触端子U10の電源電圧端子VDDに供給される電源電圧がハイレベル(電源電圧VDD)である場合には、非接触用シャントレギュレータ回路B2の分圧回路B5の分圧抵抗R1、R2の抵抗比R1/R2は大きな値に設定される。従って、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLは、VCL=VDDA(mini)=VR1・(R1+R2)/R2の式に従って大きな値に設定される。
【0158】
図14は、図13に示す電源回路U3の接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2のプルアップ電流I2および非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1のプルダウン電流I1の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性を示す図である。
【0159】
図14の上には、図13の電源回路U3の接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に流れるプルアップ電流I2の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性が示されている。
【0160】
図14の上の破線I2aは、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の供給が無い状態で検出回路B4からの検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2が非動作状態に制御された場合での接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に流れるプルアップ電流I2の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性を示している。この時に制御回路B7から生成される制御信号S2によって分圧回路B6で分圧抵抗R3、R4の抵抗比R3/R4が大きな値に設定されている。この時の接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCは、VC=VDDA(mini)=VR2・(R3+R4)/R4の式に従って大きな値に設定される。これによって、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2aが大きな値に設定されるものである。例えば、大きな値に設定された第2設定電圧レベルV2aは、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1aと略同一のレベルに設定されている。
【0161】
図14の上の実線I2bは、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の供給が有る状態で検出回路B4からの検出信号S1によって非接触用シャントレギュレータ回路B2が動作状態に制御された場合の接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に流れるプルアップ電流I2の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性を示している。この時に制御回路B7から生成される制御信号S2によって分圧回路B6で分圧抵抗R3、R4の抵抗比R3/R4が小さな値に設定されている。この時の接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCは、VC=VDDA(mini)=VR2・(R3+R4)/R4の式に従って小さな値に設定される。これによって、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2bが小さな値に設定されるものである。例えば、小さな値に設定された第2設定電圧レベルV2bは、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1aよりも低いレベルに設定されている。
【0162】
図14の下には、図13の電源回路U3の非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に流れるプルダウン電流I1の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性が示されている。
【0163】
図14の下の破線I1aは、外部接触端子U10の電源電圧端子VDDに供給される電源電圧がローレベル(接地電位VSS)である場合での非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に流れるプルダウン電流I1の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性を示している。この時に制御回路B7から生成される制御信号S2によって分圧回路B5で分圧抵抗R1、R2の抵抗比R1/R2は小さな値に設定されている。この時の非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCL(=V1a)は、VCL=VDDA(mini)=VR1・(R1+R2)/R2の式に従って小さな値に設定される。これによって、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1aが小さな値に設定される。例えば、小さな値に設定された第1設定電圧レベルV1aは、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2aと略同一のレベルに設定されている。
【0164】
図14の下の実線I1bは、外部接触端子U10の電源電圧端子VDDに供給される電源電圧がハイレベル(電源電圧VDD)である場合での非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に流れるプルダウン電流I1の内部電源ラインVDDAの電圧に対する依存性を示している。この時に制御回路B7から生成される制御信号S2によって分圧回路B5で分圧抵抗R1、R2の抵抗比R1/R2は大きな値に設定されている。この時の非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCL(=V1b)は、VCL=VDDA(mini)=VR1・(R1+R2)/R2の式に従って大きな値に設定される。これによって、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1bが大きな値に設定されるものである。例えば、大きな値に設定された第1設定電圧レベルV1bは、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1aよりも高いレベルに設定されている。
【0165】
従って、図13に示した電源回路U3では、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の供給が有る状態と外部接触端子U10の電源電圧端子VDDに供給される電源電圧がハイレベル(電源電圧VDD)である状態では、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2bが小さな値に設定され、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1bが大きな値に設定されるものである。すなわち、第2設定電圧レベルV2bと第1設定電圧レベルV1bとの差は、所定の電圧差DV4となる。
【0166】
しかし、図13に示した電源回路U3では、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の供給が無い状態と外部接触端子U10の電源電圧端子VDDに供給される電源電圧がハイレベル(電源電圧VDD)である状態では、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2aが大きな値に設定され、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1bが大きな値に設定されるものである。すなわち、第2設定電圧レベルV2aと第1設定電圧レベルV1bとの差は、所定の電圧差DV4の略半分となる。
【0167】
また、図13に示した電源回路U3では、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の供給が有る状態と外部接触端子U10の電源電圧端子VDDに供給される電源電圧がローレベル(接地電位VSS)である状態では、接触用シリーズレギュレータ回路B3の上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2bが小さな値に設定され、非接触用シャントレギュレータ回路B2の上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1aが小さな値に設定されるものである。すなわち、第2設定電圧レベルV2bと第1設定電圧レベルV1aとの差は、所定の電圧差DV4の略半分となる。
【0168】
その結果、図13に示した電源回路U3では、アンテナ端子LA、LBから高周波信号の供給が有る状態と外部接触端子U10の電源電圧端子VDDに供給される電源電圧がハイレベル(電源電圧VDD)である状態では、第2設定電圧レベルV2bと第1設定電圧レベルV1bとの差は、最大の所定の電圧差DV4となる。また、この最大の所定の電圧差DV4は、半導体集積回路装置U2の製造バラツキ、温度変化、電源電圧の変動、アンテナ端子LA、LBの高周波信号の受信信号レベルの変動があっても十分確保されることが可能である。従って、内部電源ラインVDDAに供給される同一レベルの電源電圧に応答して、非接触用シャントレギュレータ回路B2のプルダウンMOSトランジスタM1に大きなプルダウン電流I1が流れるのと同時に接触用シリーズレギュレータ回路B3のプルアップMOSトランジスタM2に大きなプルアップ電流I2が流れるのが確実に防止される。
【0169】
この際に、上限制限レベルVCである第2設定電圧レベルV2a、V2bと上限制限レベルVCLである第1設定電圧レベルV1a、V1bとは、内部電源ラインVDDAに供給される電源電圧によって動作する内部回路U4の最低動作電圧VMよりも高い電圧値に設定される一方、内部電源ラインVDDAに供給される電源電圧によって動作する内部回路U4を構成する素子の素子降伏電圧VNよりも低い電圧値に設定される。
【0170】
以上本発明者によってなされた発明を種々の実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0171】
例えば、図3、図5、図11、図13で示した非接触用シャントレギュレータ回路B2や接触用シリーズレギュレータ回路B3の回路の構成はそれに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0172】
また、非接触用シャントレギュレータ回路B2の基準電圧源VR1と接触用シリーズレギュレータ回路B3の基準電圧源VR2とは、共通の基準電圧源によって構成されることが可能である。
【0173】
また、本発明の実施の形態による半導体集積回路装置を内蔵する非接触電子装置は携帯電話端末や携帯が可能な音楽再生機器だけではなく、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)等のバッテリー動作可能な携帯情報端末全般に搭載されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態による半導体集積回路装置を内蔵する非接触電子装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明の1つの実施の形態による半導体集積回路装置を内蔵する非接触電子装置を搭載する携帯電話とリーダ・ライタとを示す図である。
【図3】図3は、図1に示す半導体集積回路装置に含まれる電源回路の詳細な構成を示す図である。
【図4】図4は、図3に示す電源回路の接触用シリーズレギュレータ回路のプルアップMOSトランジスタに流れるプルアップ電流および非接触用シャントレギュレータ回路のプルダウンMOSトランジスタに流れるプルダウン電流の内部電源ラインの電圧に対する依存性を示す図である。
【図5】図5は、図1に示す半導体集積回路装置に含まれる本発明の第2の実施の形態による電源回路の他の詳細な構成を示す図である。
【図6】図6は、図5に示す電源回路の接触用シリーズレギュレータ回路のプルアップMOSトランジスタに流れるプルアップ電流および非接触用シャントレギュレータ回路のプルダウンMOSトランジスタに流れるプルダウン電流の内部電源ラインの電圧に対する依存性を示す図である。
【図7】図7は、図5に示した電源回路の接触用シリーズレギュレータ回路に含まれた分圧回路の具体的な構成を示す図である。
【図8】図8は、図5に示す本発明の第2の実施の形態による電源回路を含む図1に示す半導体集積回路装置の動作波形を示す図である。
【図9】図9は、図5に示す本発明の第2の実施の形態による電源回路を含む図1に示す半導体集積回路装置の他の動作波形を示す図である。
【図10】図10は、図5に示す本発明の第2の実施の形態による電源回路を含む図1に示す半導体集積回路装置の更に他の動作波形を示す図である。
【図11】図11は、図1に示す半導体集積回路装置に含まれる本発明の第3の実施の形態による電源回路の更に他の詳細な構成を示す図である。
【図12】図12は、図11に示す電源回路の接触用シリーズレギュレータ回路のプルアップMOSトランジスタのプルアップ電流および非接触用シャントレギュレータ回路のプルダウンMOSトランジスタのプルダウン電流の内部電源ラインの電圧に対する依存性を示す図である。
【図13】図13は、図1に示す半導体集積回路装置に含まれる本発明の第4の実施の形態による電源回路の異なる詳細な構成を示す図である。
【図14】図14は、図13に示す電源回路の接触用シリーズレギュレータ回路のプルアップMOSトランジスタのプルアップ電流および非接触用シャントレギュレータ回路のプルダウンMOSトランジスタのプルダウン電流の内部電源ラインの電圧に対する依存性を示す図である。
【符号の説明】
【0175】
A1、A2 演算増幅器
B1 整流回路
B2 非接触用シャントレギュレータ回路
B3 接触用シリーズレギュレータ回路
B4 検出回路
B5、B6 分圧回路
B7 制御回路
C1 共振容量
COM0、COM1 命令
I1、I2、I1a、I1b、I2a、I2b 電流
L1 アンテナ
LA、LB アンテナ接続端子
M1〜M3 MOSトランジスタ
PIO 信号入出力端子
R1〜R6 抵抗
S1 検出信号
S2、S3 制御信号
T1、T2 時間
U1 非接触電子装置
U2 半導体集積回路装置
U3 電源回路
U4 内部回路
U5 受信回路
U6 送信回路
U7 信号処理回路
U8 メモリ
U9 I/O回路
U10 外部接触端子
U11 リーダ・ライタ
U12 携帯電話
U13 携帯電話U11の筐体
U14 入力装置
U15 非接触電子装置
R1、VR2 基準電圧源
C 接触用シリーズレギュレータB3の上限制限レベル
CL 非接触用シャントレギュレータB2の上限制限レベル
DD 電源電圧端子
DDA 内部電源ライン
SS 接地端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナに接続可能なアンテナ端子と、
前記アンテナ端子に供給される高周波信号を整流することにより直流電圧を内部電源ラインに出力する整流回路と、
外部からの電源電圧が供給可能な電源電圧端子と、
前記内部電源ラインと接地電位との間に接続されたプルダウントランジスタを含み、前記内部電源ラインの電圧が第1設定電圧以上に上昇した際には前記プルダウントランジスタにプルダウン電流を流すシャントレギュレータ回路と、
前記電源電圧端子と前記内部電源ラインとの間に接続されたプルアップトランジスタを含み、前記内部電源ラインの電圧が第2設定電圧以下に低下した際には前記プルアップトランジスタにプルアップ電流を流すシリーズレギュレータ回路とを含み、
前記第1設定電圧の電圧レベルは前記第2設定電圧の電圧レベルよりも高いレベルに設定されたものであることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項2】
前記シャントレギュレータ回路は、前記内部電源ラインと前記接地電位との間に接続された第1分圧回路と、当該第1分圧回路の分圧出力と第1基準電圧とに応答して前記プルダウントランジスタの入力端子を制御する第1演算増幅器とを更に含むものであり、
前記シリーズレギュレータ回路は、前記内部電源ラインと前記接地電位との間に接続された第2分圧回路と、当該第2分圧回路の分圧出力と第2基準電圧とに応答して前記プルアップトランジスタの入力端子を制御する第2演算増幅器とを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項3】
前記プルダウントランジスタはNチャンネルMOSトランジスタであり、前記プルアップトランジスタはPチャンネルMOSトランジスタであることを特徴とするものである請求項2に記載の半導体集積回路装置。
【請求項4】
アンテナに接続可能なアンテナ端子と、
前記アンテナ端子に供給される高周波信号を整流することにより直流電圧を内部電源ラインに出力する整流回路と、
外部からの電源電圧が供給可能な電源電圧端子と、
前記内部電源ラインと接地電位との間に接続されたプルダウントランジスタを含み、前記内部電源ラインの電圧が第1設定電圧以上に上昇した際には前記プルダウントランジスタにプルダウン電流を流すシャントレギュレータ回路と、
前記電源電圧端子と前記内部電源ラインとの間に接続されたプルアップトランジスタを含み、前記内部電源ラインの電圧が第2設定電圧以下に低下した際には前記プルアップトランジスタにプルアップ電流を流すシリーズレギュレータ回路と、
前記シャントレギュレータ回路と前記シリーズレギュレータ回路に接続された制御回路とを含み、
前記シャントレギュレータ回路と前記シリーズレギュレータ回路とが同時に動作する場合に、前記制御回路は前記第1設定電圧の電圧レベルを前記第2設定電圧の電圧レベルよりも高いレベルに制御可能とされたものであることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項5】
前記シャントレギュレータ回路は、前記内部電源ラインと前記接地電位との間に接続された第1分圧回路と、当該第1分圧回路の分圧出力と第1基準電圧とに応答して前記プルダウントランジスタの入力端子を制御する第1演算増幅器とを更に含むものであり、
前記シリーズレギュレータ回路は、前記内部電源ラインと前記接地電位との間に接続された第2分圧回路と、当該第2分圧回路の分圧出力と第2基準電圧とに応答して前記プルアップトランジスタの入力端子を制御する第2演算増幅器とを更に含むことを特徴とする請求項4に記載の半導体集積回路装置。
【請求項6】
前記制御回路は前記アンテナ端子への前記高周波信号の供給を検出するものであり、
前記制御回路は、前記高周波信号の前記供給の検出結果に応答して、前記シリーズレギュレータ回路の前記第2分圧回路を制御することによって前記第2設定電圧の前記電圧レベルを前記第1設定電圧の前記電圧レベルよりも低いレベルに制御可能とされたものであることを特徴とする請求項5に記載の半導体集積回路装置。
【請求項7】
前記制御回路は前記電源電圧端子への前記電源電圧の供給を検出するものであり、
前記制御回路は、前記電源電圧の前記供給の検出結果応答して、前記シャントレギュレータ回路の前記第1分圧回路を制御することによって前記第1設定電圧の前記電圧レベルを前記第2設定電圧の前記電圧レベルよりも高いレベルに制御可能とされたものであることを特徴とする請求項5に記載の半導体集積回路装置。
【請求項8】
前記制御回路は前記アンテナ端子への前記高周波信号の供給を検出するものであり、前記制御回路は前記電源電圧端子への前記電源電圧の供給を検出するものである。
前記制御回路は、前記高周波信号の前記供給の検出結果に応答して、前記シリーズレギュレータ回路の前記第2分圧回路を制御することによって前記第2設定電圧の前記電圧レベルを前記第1設定電圧の前記電圧レベルよりも低いレベルに制御可能とされたものであり、
前記制御回路は、前記電源電圧の前記供給の検出結果応答して、前記シャントレギュレータ回路の前記第1分圧回路を制御することによって前記第1設定電圧の前記電圧レベルを前記第2設定電圧の前記電圧レベルよりも高いレベルに制御可能とされたものであることを特徴とする請求項5に記載の半導体集積回路装置。
【請求項9】
前記プルダウントランジスタはNチャンネルMOSトランジスタであり、前記プルアップトランジスタはPチャンネルMOSトランジスタであることを特徴とする請求項8に記載の半導体集積回路装置。
【請求項10】
アンテナと、
外部からの電源電圧が供給可能な接触端子と
半導体集積回路装置とを内蔵する非接触/接触電子装置であって、
前記半導体集積回路装置は、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の半導体集積回路装置であることを特徴とする非接触/接触電子装置。
【請求項11】
データを処理するデータ処理回路と、
前記データ処理回路によって処理される前記データを入力するデータ入力装置と、
前記データ処理回路によって処理される前記データを表示する表示装置とを具備する携帯情報端末であるって、
前記携帯情報端末は、請求項10に記載の非接触/接触電子装置を内蔵可能に構成されたことを特徴とする携帯情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−140068(P2010−140068A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−312938(P2008−312938)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】